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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146586
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】切断方法及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 11/00 20060101AFI20241004BHJP
   B26F 1/12 20060101ALI20241004BHJP
   B26D 3/14 20060101ALI20241004BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B26D11/00
B26F1/12 Z
B26D3/14
B26D5/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059576
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 力
【テーマコード(参考)】
3C024
3C060
【Fターム(参考)】
3C024GG00
3C060AA04
3C060AB04
3C060BA01
3C060BB13
3C060BC03
3C060BD01
3C060BG13
3C060BG16
3C060BH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生産性を低下させることなく、隅部の切断にばらつきが生じるのを抑制することができる、切断方法及び切断装置を提供する。
【解決手段】幅方向に複数配置された扁平材を搬送方向に搬送し、第1切断ユニットの複数の切断刃は、扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、第2切断ユニットの複数の切断刃は、扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、第1切断刃と対応する2つの隅部の切断後の寸法を検出し、第2切断刃と対応する隅部の切断後の寸法を検出し、第1切断刃および第2切断刃の幅方向の位置を調整する、切断方法を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向の両端及び前記搬送方向と直交する幅方向の両端に四隅を有する矩形状の扁平材に対し、前記四隅を切断する、切断方法であって、
前記幅方向に少なくとも1つ配置された前記扁平材を、所定のピッチで断続的に前記搬送方向に搬送し、
前記搬送方向において、上流側に配置される第1切断ユニットと、下流側に配置される第2切断ユニットと、を備え、
前記第1切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の上流側又は下流側の隅部を切断するように構成され、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記第2切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の下流側又は上流側の隅部を切断するように構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記四隅が切断された後の前記扁平材の、前記幅方向に並ぶ隅部の少なくとも1つについて、切断後の寸法を検出する、第1ステップと、
前記四隅が切断された後の前記扁平材について、前記第1ステップで検出された隅部以外の隅部について、切断後の寸法を検出する、第2ステップと、
前記第1ステップ及び第2ステップの少なくとも1つで検出された切断後の寸法に基づいて、前記第1切断ユニット及び前記第2切断ユニットの切断刃の前記搬送方向の位置を調整する第3ステップと、
前記第1ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第4ステップと、
前記第2ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第5ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップで検出を行った前記扁平材よりも上流側の扁平材に対し、前記第3から第5ステップにおいて位置が調整された前記切断刃により、前記隅部の切断を行う第6ステップと、
を備えている、切断方法。
【請求項2】
前記幅方向に複数配置された前記扁平材を前記搬送方向に搬送し、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、前記幅方向に隣接する前記扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、前記幅方向に隣接する前記扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、
前記第1ステップでは、前記第1切断刃と対応する2つの隅部の切断後の寸法を検出し、
前記第2ステップでは、前記第2切断刃と対応する隅部の切断後の寸法を検出し、
前記第4ステップでは、前記第1切断刃の幅方向の位置を調整し、
前記第5ステップでは、前記第2切断刃の幅方向の位置を調整する、
請求項1に記載の切断方法。
【請求項3】
前記第1ステップ及び前記第2ステップでは、
切断後の前記各隅部において、前記扁平材の直交する2辺を延長した交点を基準とし、前記2辺それぞれの延びる方向において、前記交点から切断された長さを前記切断後の寸法として記憶する、
請求項1または2に記載の切断方法。
【請求項4】
前記寸法の最小値及び最大値を、操作画面上で入力することで制御範囲を設定する、
請求項3に記載の切断方法。
【請求項5】
前記最小値及び前記最大値の和の1/2を、前記寸法を制御するための目標値とする、
請求項4に記載の切断方法。
【請求項6】
前記第3~第5ステップにおいては、複数の前記扁平材の隅部について、前記寸法の平均値を算出し、当該平均値に基づいて、前記調整を行う、
請求項1または2に記載の切断方法。
【請求項7】
搬送方向の両端及び前記搬送方向と直交する幅方向の両端に四隅を有する矩形状の扁平材に対し前記四隅を切断する、切断装置であって、
前記幅方向に少なくとも1つ配置された前記扁平材を、所定のピッチで断続的に前記搬送方向に搬送する搬送部と、
第1切断ユニットと、
前記第1切断ユニットの前記搬送方向の下流側に配置される第2切断ユニットと、
撮影部と、
制御部と、
を備え、
前記第1切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の上流側又は下流側の隅部を切断するように構成され、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記第2切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の下流側又は下流側の隅部を切断するように構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記撮影部は、
前記四隅が切断された後の前記扁平材の四隅を撮影した画像を取得し、
前記制御部は、
前記画像に基づいて、前記四隅が切断された後の前記扁平材の、前記幅方向に並ぶ隅部の少なくとも1つについて、切断後の寸法を検出する、第1ステップと、
前記画像に基づいて、前記四隅が切断された後の前記扁平材における、前記第1ステップで検出された隅部以外の隅部について、切断後の寸法を検出する、第2ステップと、
前記第1ステップ及び第2ステップの少なくとも1つで検出された切断後の寸法に基づいて、前記第1切断ユニット及び前記第2切断ユニットの切断刃の前記搬送方向の位置を調整する第3ステップと、
前記第1ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第4ステップと、
前記第2ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第5ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップで検出を行った前記扁平材よりも上流側の扁平材に対し、前記第3から第5ステップにおいて位置が調整された前記切断刃により、前記隅部の切断を行う第6ステップと、
を実行するように構成されている、
切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送方向の両端及び搬送方向と直交する幅方向の両端に四隅を有する矩形状の袋体に対し、四隅を切断する、切断方法及び切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送される袋の隅部を切断する切断装置が開示されている。この切断装置では、搬送ベルトの送り量を制御することで、隣接する前後の袋体の間隔を決めている。また、位置決め装置により袋体の幅方向(搬送方向に直交する方向)の位置を補正し、袋体を所定位置に配置した状態で四隅を切断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-237234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の切断装置では、袋体を所定の位置に配置するために、位置決め装置で袋の幅方向の位置を補正しているが、その動作が行われることで、生産性が上がり難いという問題がある。また、袋体の送り量を制御し、袋体の前後を所定間隔にしているが、搬送ベルトの速度を上げると、搬送ベルトと袋体との間に滑りが発生しやすくなるため、袋体の前後の間隔がばらつきやすくなるという問題もある。なお、このような問題は、袋体の切断だけでなく、シート材などの扁平材の隅部の切断全般に起こりうる問題である。
【0005】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、生産性を低下させることなく、隅部の切断にばらつきが生じるのを抑制することができる、切断方法及び切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
項1.搬送方向の両端及び前記搬送方向と直交する幅方向の両端に四隅を有する矩形状の扁平材に対し、前記四隅を切断する、切断方法であって、
前記幅方向に少なくとも1つ配置された前記扁平材を、所定のピッチで断続的に前記搬送方向に搬送し、
前記搬送方向において、上流側に配置される第1切断ユニットと、下流側に配置される第2切断ユニットと、を備え、
前記第1切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の上流側又は下流側の隅部を切断するように構成され、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記第2切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の下流側又は上流側の隅部を切断するように構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記四隅が切断された後の前記扁平材の、前記幅方向に並ぶ隅部の少なくとも1つについて、切断後の寸法を検出する、第1ステップと、
前記四隅が切断された後の前記扁平材について、前記第1ステップで検出された隅部以外の隅部について、切断後の寸法を検出する、第2ステップと、
前記第1ステップ及び第2ステップの少なくとも1つで検出された切断後の寸法に基づいて、前記第1切断ユニット及び前記第2切断ユニットの切断刃の前記搬送方向の位置を調整する第3ステップと、
前記第1ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第4ステップと、
前記第2ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第5ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップで検出を行った前記扁平材よりも上流側の扁平材に対し、前記第3から第5ステップにおいて位置が調整された前記切断刃により、前記隅部の切断を行う第6ステップと、
を備えている、切断方法。
【0007】
なお、第1ステップ及び第2ステップは、同時に行うことができる。また、第3及び第4ステップにおける切断刃の位置の算出は、第5ステップに先立って行われるが、第3~第5ステップにおける位置の調整(切断刃の移動)は同時に行ってもよい。また、第3及び第4ステップにおける切断刃の位置の算出は、いずれを先に行ってもよいが、第4ステップを先に行う方がより好ましい。
【0008】
項2.前記幅方向に複数配置された前記扁平材を前記搬送方向に搬送し、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、前記幅方向に隣接する前記扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、前記幅方向に隣接する前記扁平材において隣接する2つの隅部を同時に切断する少なくとも1つの第1切断刃と、幅方向に他の扁平材が隣接しない一の隅部を切断する少なくとも1つの第2切断刃と、によって構成され、
前記第1ステップでは、前記第1切断刃と対応する2つの隅部の切断後の寸法を検出し、
前記第2ステップでは、前記第2切断刃と対応する隅部の切断後の寸法を検出し、
前記第4ステップでは、前記第1切断刃の幅方向の位置を調整し、
前記第5ステップでは、前記第2切断刃の幅方向の位置を調整する、
項1に記載の切断方法。
【0009】
項3.前記第1ステップ及び前記第2ステップでは、
切断後の前記各隅部において、前記扁平材の直交する2辺を延長した交点を基準とし、前記2辺それぞれの延びる方向において、前記交点から切断された長さを前記切断後の寸法として記憶する、
項1または2に記載の切断方法。
【0010】
項4.前記寸法の最小値及び最大値を、操作画面上で入力することで制御範囲を設定する、
項3に記載の切断方法。
【0011】
項5.前記最小値及び前記最大値の和の1/2を、前記寸法を制御するための目標値とする、
項4に記載の切断方法。
【0012】
項6.前記第3~第5ステップにおいては、複数の扁平材の隅部について、前記寸法の平均値を算出し、当該平均値に基づいて、前記調整を行う、
項1から5のいずれかに記載の切断方法。
【0013】
項7.搬送方向の両端及び前記搬送方向と直交する幅方向の両端に四隅を有する矩形状の扁平材に対し前記四隅を切断する、切断装置であって、
前記幅方向に少なくとも1つ配置された前記扁平材を、所定のピッチで断続的に前記搬送方向に搬送する搬送部と、
第1切断ユニットと、
前記第1切断ユニットの前記搬送方向の下流側に配置される第2切断ユニットと、
撮影部と、
制御部と、
を備え、
前記第1切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の上流側の隅部を切断するように構成され、
前記第1切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記第2切断ユニットは、前記幅方向に並ぶ複数の切断刃を有し、当該複数の切断刃により、前記各扁平材の下流側の隅部を切断するように構成され、
前記第2切断ユニットの前記複数の切断刃は、それぞれ前記幅方向に独立して移動可能に構成され、且つ前記搬送方向に一体的に移動可能に構成され、
前記撮影部は、
前記四隅が切断された後の前記扁平材の四隅を撮影した画像を取得し、
前記制御部は、
前記画像に基づいて、前記四隅が切断された後の前記扁平材の、前記幅方向に並ぶ隅部の少なくとも1つについて、切断後の寸法を検出する、第1ステップと、
前記画像に基づいて、前記四隅が切断された後の前記扁平材における、前記第1ステップで検出された隅部以外の隅部について、切断後の寸法を検出する、第2ステップと、
前記制御部は、
前記四隅が切断された後の前記扁平材の、前記幅方向に並ぶ隅部の少なくとも1つについて、切断後の寸法を検出する、第1ステップと、
前記四隅が切断された後の前記扁平材について、前記第1ステップで検出された隅部以外の隅部について、切断後の寸法を検出する、第2ステップと、
前記第1ステップ及び第2ステップの少なくとも1つで検出された切断後の寸法に基づいて、前記第1切断ユニット及び前記第2切断ユニットの切断刃の前記搬送方向の位置を調整する第3ステップと、
前記第1ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第4ステップと、
前記第2ステップで検出された切断後の寸法に基づいて、当該検出を行った隅部と対応する隅部を切断する切断刃の幅方向の位置を調整する第5ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップで検出を行った前記袋よりも上流側の扁平材に対し、前記第3から第5ステップにおいて位置が調整された前記切断刃により、前記隅部の切断を行う第6ステップと、
を実行するように構成されている、
切断装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る切断装置によれば、生産性を低下させることなく、隅部の切断にばらつきが生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】切断対象となる袋の平面図である。
図2】本発明に係る切断装置の一実施形態を示す側面図である。
図3図2の切断装置において、袋を搬送する搬送路を示す平面図である。
図4】搬送路に配置された袋と、第1及び第2切断ユニットとの位置関係を示す平面図である。
図5】無端ベルトの内面を示す平面図である。
図6】支持台の一部平面図である。
図7】無端ベルトを取り付けた状態の図5のA-A線断面図である。
図8】第1切断ユニットの上刃部材を示す平面図である。
図9】第1切断ユニットの下刃部材を示す平面図である。
図10】第2切断ユニットの上刃部材を示す平面図である。
図11】第2切断ユニットの下刃部材を示す平面図である。
図12】搬送路に配置された袋と、検出ユニットとの位置関係を示す平面図である。
図13】袋において切断された箇所の寸法を説明する平面図である。
図14】切断箇所がずれた状態を示す袋の平面図である。
図15】第1切断ユニットにおける切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
図16】第1切断ユニットにおける切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
図17】第1切断ユニットにおける切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
図18】第1切断ユニットにおける切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
図19】搬送路で搬送される袋が1列である場合の切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
図20】搬送路で搬送される袋が3列である場合の切断刃の位置の調整を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る切断装置を袋の切断に適用した場合の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下では、袋の隅部の切断位置の調整について説明する。
【0017】
<1.切断対象の袋の概要>
まず、切断対象となる袋(扁平材)10について、図1を参照しつつ説明する。以下では、図面に示される方向にしたがって説明を行うが、この方向は一例であり、本発明はこの方向に限定されることなく、特定することができる。図1は、切断対象となる袋の平面図である。同図に示すように、各袋10は、樹脂材料などで矩形状に形成された2枚のシート材の周縁を融着などによって固定したものである。そして、切断装置では、この袋10を短辺が搬送方向に沿うように搬送し、4つの隅部を円弧状に切断する。本実施形態では、搬送方向と直交する幅方向に2つの袋10を並べて搬送している。すなわち、複数の袋10が幅方向に2列(第1列、第2列)に並んだ状態で搬送される。隣接する袋10の列の間には幅方向に隙間が形成されている。また、各列においても、複数の袋10は搬送方向に間隔をおいて配置されている。
【0018】
以下では、説明の便宜のため、右側に配置された列を第1列、左側に配置された列を第2列と称することとする。また、各袋10において、上流側で且つ右側の隅部、上流側で且つ左側の隅部、下流側で且つ右側の隅部、及び下流側で且つ左側の隅部を、それぞれ、第1隅部11、第2隅部12、第3隅部13、及び第4隅部14と称することとする。そして、この切断装置は、後述するように、上流側の第1隅部11及び第2隅部12を切断した後、下流側の第3隅部13及び第4隅部14を切断するように構成されている。例えば、上流側にある第3隅部13及び第4隅部14を切断した後、下流側にある第1隅部11及び第2隅部12を切断するように構成されてもよく、第1隅部11、第2隅部12と第3隅部13、第4隅部14を切断する順番は特に限定されない。但し、第3隅部13及び第4隅部14を、第1隅部11及び第2隅部12よりも先に切断する場合には、後述する第1切断ユニット4を下流側に配置し、第2切断ユニットを上流側に配置する。
【0019】
また、2つの列において隣接する隅部は1つの切断刃で切断する。例えば、第1列の第2隅部12と第2列の第1隅部11は隣接しているので、1つの切断刃で切断する。第1列の第4隅部14と第2列の第3隅部13も1つの切断刃で切断する。一方、幅方向において隣接する隅部がない場合には、1つの切断刃で1つの隅部を切断する。例えば、第1列の第1隅部11と第3隅部13、及び第2列の第2隅部12と第4隅部14は、それぞれ1つの切断刃で切断される。切断の詳細については、後述する。
【0020】
<2.切断装置の概要>
図2は、本実施形態に係る切断装置の概略を示す側面図、図3は袋を搬送する搬送路の平面図である。図2に示すように、本実施形態に係る切断装置は、無端ベルトを有する搬送路によって、上述した袋10を所定の搬送ピッチで断続的に搬送するものである。すなわち、上流側の製袋装置100等で製造された袋10を受け取り、所定の搬送ピッチだけ、無端ベルト23を移動させて袋10を搬送した後、所定時間停止する。これを繰り返すことで、袋10を下流側の処理装置200に供給するようになっている。そして、搬送路2の途中において、無端ベルト23の停止中には、後述する切断ユニット4,5により各隅部11~14の切断が行われる。以下、切断装置の構成について説明した後、切断に係る制御について説明する。
【0021】
図2に示すように、この切断装置は、水平方向に、所定間隔をおいて配置された駆動プーリ21と、従動プーリ22と、これらプーリ21,22に掛け渡された無端ベルト23と、を備えている。駆動プーリ21にはサーボモータ(図示省略)が接続されており、このサーボモータで駆動プーリ21が断続的に回転することで、無端ベルト23が所定のピッチで、断続的に駆動するようになっている。
【0022】
また、上側を通過する無端ベルト23の下面は、支持台3によって支持されている。一方、上側を通過する無端ベルト23の上面には、複数の袋が2列で搬送される。また、各列においては、袋10が所定間隔で供給され、搬送されるようになっている。
【0023】
さらに、この切断装置には、無端ベルト23によって搬送される袋10の隅部11~14を切断するための第1切断ユニット4と、第2切断ユニット5と、撮影ユニット(撮影部)6と、制御ユニット(制御部)7と、が配置されている。
【0024】
図4は切断ユニット4,5と袋10との位置関係を示す平面図である。但し、図4では、切断ユニット4,5において、後述する上刃部材のみを記載し、下刃部材は省略している。この点は、後述する図15図20においても同様である。図4に示すように、本実施形態では、上流側と下流側で隣接する袋10において、第1切断ユニット4により、上流側の袋10の第1隅部11及び第2隅部12の切断を行い、第2切断ユニット5により、下流側の袋10の第3隅部13及び第4隅部14の切断を行うように構成されている。すなわち、1ピッチずつ搬送される袋10は、まず上流側の第1切断ユニット4により第1隅部11及び第2隅部12の切断が行われ、そこからさらに1ピッチ進んだところで、第2切断ユニット5により、袋10の第3隅部13及び第4隅部14の切断が行われる。
【0025】
また、第2切断ユニット5の下流側には、各袋10において、切断後の隅部11~14を撮影する撮影ユニット6が配置されている。無端ベルト23の搬送、切断ユニット4,5の制御、撮影ユニット6の制御など、切断装置の各種の制御は、制御ユニット7(制御手段)により行われている。以下、上述した各部材を詳細に説明する。
【0026】
<2-1.プーリ、無端ベルト、及び支持台>
各プーリ21,22の外周面には、軸方向に延びる歯が形成されている。すなわち、各プーリ21,22は歯車状に形成されている。
【0027】
図2に示すように、無端ベルト23の内側の面(以下、内面といい、その反対の面を外面という)、つまりプーリ21,22が掛け渡されている面には、複数の突部231が所定間隔をおいて形成されており、これらの突部231が各プーリ21,22の歯に係合するようになっている。より詳細には、図5に示すように、無端ベルト23の内面において、幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端には、幅方向に延びる突部231が形成されており、搬送方向に所定間隔をおいて配置されている。また、無端ベルト23の幅方向の中央、つまり両端の突部231の間には、平坦領域233が形成されており、この平坦領域233に、複数の貫通孔232が形成されている。
【0028】
図6は支持台の平面図、図7は無端ベルトを取り付けた状態の図5のA-A線断面図である。図6及び図7に示すように、支持台3の上面は、上側を通過する無端ベルト23の下面に接するように構成されており、この上面の幅方向の両端には、無端ベルト23の突部231が収容される一対の溝部31が形成されている。そして、両溝部31の間には、無端ベルト23の内面の平坦領域233に接する平坦な支持面32が形成され、この支持面32内に空気を吸引するための、吸引口33が形成されている。上記のように、平坦領域233には複数の貫通孔232が形成されているため、吸引口33から空気を吸引すると、貫通孔232を介して空気が吸引される。これにより、無端ベルト23の外面に袋10が吸引され、搬送中に位置ずれが生じないようになっている。
【0029】
<2-2.切断ユニット>
各切断ユニット4,5は、概ね同様の構成を有しているため、ここでは、主として第1切断ユニット4について説明し、相違部分については後述する。
【0030】
図8は上刃部材の平面図であり、図9は下刃部材の平面図である。第1切断ユニット4は、幅方向に並ぶ2つの袋10の第1隅部11及び第2隅部12を切断し、円弧状に形成するための装置である。第1切断ユニット4は、幅方向に右から左に向かって、第1切断刃41、第2切断刃42、及び第3切断刃43を有している。また、各切断刃41~43は、上刃部材401,402,403と、下刃部材410,420,430とを有している。上刃部材401,402,403は、袋10の上方に配置され、その下方に配置された下刃部材410,420,430に向かって下降し、上下動可能となっている。そして、上刃部材401,402,403と下刃部材410,420,430とで袋10が挟まれることで、隅部11~14が切断される。
【0031】
第1切断刃41の上刃部材401は、平面視直角三角形状に形成されており、この上刃部材401の下面の斜辺411が円弧状に形成され、第1列の袋10の第1隅部11を切断する刃を構成している。第2切断刃42の上刃部材402は、斜辺が幅方向に延びるような平面視直角三角形状に形成されており、この上刃部材402の下面において、概ね直交する2つの辺421,422が、それぞれ、円弧状に形成され、第1列の袋10の第2隅部12及び第2列の袋10の第1隅部11を切断する刃を構成している。第3切断刃43の上刃部材403は、平面視の形状が第1切断刃41の上刃部材401と左右対称となっており、この上刃部材403の下面の斜辺431が円弧状に形成され、第2列の袋10の第2隅部12を切断する刃を構成している。
【0032】
図9に示すように、各下刃部材410,420,430は、対応する上刃部材401,402,403が嵌まるように、上刃部材401,402,403と同じ断面形状、つまり断面三角形状の凹部4100、4200、4300を有している。そして、各凹部4100、4200、4300の開口の縁部が刃を構成しており、上刃部材401,402,403の刃と下刃部材410,420,430の刃とで、袋10の第1~第4隅部11~14を円弧状に切断するようになっている。なお、各下刃部材410,420,430の上面は、無端ベルト23の上面と概ね同じ高さになるように設置されている。
【0033】
第1切断ユニット4においては、各切断刃41~43は、それぞれ独立して幅方向に移動可能となっている。また、各切断刃41~43は、搬送方向(上流側及び下流側に向かう方向)には、一体的に移動可能となっている。このような移動を行うための機構は特には限定されないが、例えば、ラックアンドピニオンのような機構により、移動させることができる。後述するように、各切断刃41~43の移動は、撮影ユニット6で撮影された隅部11~14の画像に基づいて、制御ユニットにより制御される。
【0034】
一方、図10及び図11に示すように、第2切断ユニット5は、第1切断ユニット4と同様に第1~第3切断刃51~53を有している。但し、各切断刃51~53の形状は、第1切断ユニット4の各切断刃41~43と前後方向(搬送方向の上流側及び下流側の方向)において対称な形状になっている。これにより、第1切断刃51は、第1列の袋10の第3隅部13を切断し、第2切断刃52は、第1列の袋10の第4隅部14及び第2列の袋10の第3隅部13を切断し、第3切断刃53は、第2列の袋10の第4隅部14を切断する。
【0035】
<2-3.撮影ユニット>
図12は、撮影ユニットと袋との位置関係を示す平面図である。図12に示すように、撮影ユニット6は、第2切断刃ユニット5の下流側で配置されており、幅方向に並ぶ3台のカメラ61~63を有している。これらのカメラ61~63は、袋10の上方に配置されており、切断が行われた後の各袋10の隅部11~14の撮影を行う。最も右側の第1カメラ61は、第1列の搬送方向に隣接する2つの袋10の隅部を撮影する。すなわち、上流側の袋10の第3隅部13と下流側の袋10の第1隅部11とが一枚の画像に含まれるように撮影する。幅方向の中央に配置された第2カメラ62は、第1列及び第2列の搬送方向及び幅方向に隣接する4つの袋10の隅部を撮影する。すなわち、第1列の上流側の袋10の第4隅部14、第1列の下流側の袋10の第2隅部12、第2列の上流側の袋10の第3隅部13、及び第2列の下流側の袋10の第1隅部11が一枚の画像に含まれるように撮影する。最も左側の第3カメラ63は、第2列の搬送方向に隣接する2つの袋10の隅部を撮影する。すなわち、上流側の袋10の第4隅部14と下流側の袋10の第2隅部12とが一枚の画像に含まれるように撮影する。このような3つの画像を、袋10が1ピッチ進む毎にカメラ61~63によって撮影すると、すべての袋10の4つの隅部11~14が含まれる画像を取得できる。
【0036】
こうして、撮影が行われると、制御ユニット7は、撮影画像から各袋10の各隅部11~14の切断寸法を算出する。この切断寸法について、図13を参照しつつ説明する。図13は、一例として袋10の切断後の第1隅部11を示しているが、他の隅部12~14についても同様に切断寸法が算出される。まず、第1隅部11を挟む直交する2辺101,102を延長し、それらの交点Cを求める。次に、交点Cから各辺101,102において切断の起点となっている箇所103,104までの長さX,Yを算出した。長さXは搬送方向の長さであり、長さYは幅方向の長さであり、これらが切断する法となる。すなわち、制御ユニット7は、撮影画像からすべての袋10の4つの隅部11~14の切断寸法を算出する。
【0037】
<2-4.制御ユニット>
次に、制御ユニット7について説明する。制御ユニットは、PLC(Programmable Logic Controller)など、公知のコンピュータで構成することができる。制御ユニット7は、無端ベルト23の駆動、撮影ユニット6の駆動、切断寸法の算出、切断ユニット5,6の駆動などを制御する。
【0038】
また、制御ユニット7には、図示を省略する表示画面と入力手段を有している。表示画面は、液晶ディスプレイ等で構成することができ、入力手段は、キーボード、マウスなどで構成することができる。あるいは、表示画面と入力手段とを、タッチパネルディスプレイで構成することもできる。
【0039】
上述した切断寸法X,Yについては、最大値及び最小値を設定することができる。例えば、操作者は、表示画面において、切断寸法X,Yの最大値及び最小値を入力することができる。これにより、制御ユニット7は、切断寸法X,Yが、最大値と最小値の間の範囲内となるように切断ユニット4,5の位置を制御することができる。また、この範囲内で、切断寸法X,Yの目標値を設定することもでき、操作者は、表示画面において、目標値を入力することができる。これにより、制御ユニット7は、切断寸法X,Yが目標値となるように切断ユニット4,5の位置を制御することができる。目標値は種々の設定方法があるが、例えば、最小値と最大値の和の1/2とすることができる。また、切断寸法X,Yは同じであることが好ましいが、搬送路上の袋10の配置によっては同じにできない可能性があるため、完全に同じである必要はなく、多少であれば異なっていてもよい。
【0040】
次に説明する切断位置の調整では、上記のように算出された切断寸法に基づいて、切断刃41~43,51~53の位置の調整を行うが、算出された切断寸法のうち、基準となる切断寸法は特には限定されない。すなわち、第2切断ユニット5の下流側で、撮影された画像から検出される切断寸法は1つの袋10の隅部だけでなく、複数の袋10の隅部の切断寸法の平均を用いることもできる。例えば、第1切断ユニット4の第1切断刃41~43の調整を行う場合には、第2切断ユニット5よりも2~30の袋10だけ下流側にある袋10の第1隅部11の切断寸法X,Y、あるいは複数の袋10から検出された第1隅部11の切断寸法X,Yの平均を用いることができる。複数の袋の平均を用いる場合には、例えば、5枚以上が好ましく、10枚以上がさらに好ましく、20枚以上が特に好ましい。
【0041】
<3.切断位置の制御>
続いて、切断位置の制御について説明する。以下では、説明の便宜のため、袋の第1隅部11及び第2隅部12の切断位置がずれた場合の制御について説明する。但し、第3隅部13及び第4隅部14の切断位置の制御についても同じである。
【0042】
適切な切断が行われたときには、すべての袋10において、4つ隅部が概ね同じ形状になる。すなわち、切断寸法X,Yが上述した範囲内になる。または切断寸法X,Yが上述した範囲内で同じになる。あるいは、切断寸法X,Yが上述した目標値となる。これに対して、例えば、図14に示す袋10は、第1列と第2列とで切断された隅部の面積が相違し、且つ切断寸法X,Yも相違し、上述した範囲から外れている。したがって、制御ユニット7は、上記のように算出された切断寸法X,Yに基づいて、切断寸法X,Yが上記範囲内あるいは目標値となり、且つ第1列及び第2列の袋10の各隅部11~14の切断寸法X,Yが概ね同じになるように、切断刃41~43の位置または移動量を算出し、その後、算出された位置へ移動する。
【0043】
図15は、図14に示す袋10が切断されたときの切断刃41~43の位置を示している。制御ユニット7は、この状態から、図16に示すように、第2切断刃42の幅方向の位置を調整する。すなわち、第1列の袋10の第2隅部12と第2列の袋10の第1隅部11の切断寸法X,Yが概ね同じになるように第2切断刃42の幅方向の位置が算出され、移動する。図16の例では、第2切断刃42を左側に移動している。
【0044】
次に、図17に示すように、第1切断ユニット4の搬送方向の位置を調整する。すなわち、第1切断ユニット4の搬送方向の位置を算出し、移動する。このとき、3つの切断刃41~43は、一体的に搬送方向に移動するため、第1列及び第2列の袋10におけるすべての第1及び第2隅部11、12の切断寸法X,Yが調整される。図16の例では、第1切断ユニット4を搬送方向の上流側に移動している。
【0045】
続いて、図18に示すように、第1切断刃41の幅方向の位置を調整する。すなわち、第1列の袋10の第1隅部11の切断寸法X,Yが、既に調整した第1列の袋10の第2隅部12と同じ切断寸法X,Yとなるように、第1切断刃41の幅方向の位置が算出され、移動する。図18の例では、第1切断刃41を右側に移動している。同様に、第3切断刃43の幅方向の位置を調整する。すなわち、第2列の袋10の第2隅部12の切断寸法X,Yが、既に調整した第2列の袋10の第1隅部11と同じ切断寸法X,Yとなるように、第3切断刃43の幅方向の位置が算出され、移動される。図18の例では、第3切断刃43を右側に移動している。
【0046】
以上の調整が行われることで、各列の袋10の第1隅部11と第2隅部12の切断寸法が、上述した範囲内または目標値となるように調整される。なお、上記の説明では、各切断刃41~43の位置の調整を個別に行っているように記載したが、同時に行うこともできる。例えば、第1切断ユニット4の第2切断刃42の幅方向の移動量を先に算出し、その後搬送方向の移動量を算出する。その後、第1切断刃41及び第3切断刃43の幅方向の移動量の算出を行う。こうして移動量の算出が行われた後に、実際の各切断刃41~43の移動は同時に行うことができる。
【0047】
そして、第2切断ユニット5の切断刃51~53の調整も、上述した第1切断ユニット4と同様に行う。こうして切断刃41~43、51~43の位置の調整が完了すると、調整後の位置において各袋10の隅部11~14の切断行う。
【0048】
なお、各切断ユニット4,5における位置の調整のタイミングは特には限定されず、例えば、所定時間おき、搬送路2を通過する袋10について所定枚数おき、切断寸法が所定の閾値を超えたときなど、種々のタイミングで行うことができる。本実施形態では、連続的に検出する切断寸法X,Yが所定の範囲を超えた時に、各切断ユニット4,5の調整動作を行っている。但し、切断寸法の検出は、連続的に検出せず、所定時間単位で検出してもよく、検出タイミングは特に限定されない。
【0049】
<4.特徴>
以上のように構成された切断装置では、各袋10の隅部11~12の切断寸法がずれたときに、自動で切断寸法の調整を行うことができる。したがって、搬送速度を下げることなく、切断寸法の調整を行うことができるため、生産性が下がるのを抑制することができる。
【0050】
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができ、また上記実施形態とも組み合わせることができる。
【0051】
<5-1>
上記実施形態では、搬送路2上で袋10を2列にして搬送しているが、例えば、図19に示すように、1列で袋10を搬送することもできる。この場合には、図19に示すように、第1切断ユニット4において、一の隅部を一の切断刃で切断する点が、上記実施形態と相違する。すなわち、第1切断刃41が第1隅部11を切断し、第2切断刃42が第2隅部12を切断する。この場合、切断後の少なくとも1つの袋10について各隅部11,12の切断寸法の算出した後、いずれか一方の切断刃41、42の位置を算出し、その後、他方の切断刃41,42の位置を算出する。算出する順番は特に限定されないが、いずれか一方の切断刃41、42の幅方向の移動量を先に算出し、その後搬送方向の移動量を算出する。一方の切断刃41、42の移動量が決まったら、他方の切断刃41,42の幅方向の移動量を算出する。
【0052】
また、図20に示すように、3列で袋10を搬送することもできる。この場合には、図20に示すように、第1切断ユニット4において、第1列と第2列で隣接する2つの隅部11,12、及び第2列と第3列で隣接する2つの隅部11,12は一の切断刃で切断する。一方、隣接する隅部がない第1列の第1隅部11、及び第3列の第2隅部12は、一の切断刃で切断する。したがって、この例では、4つの切断刃41~44を用いる。この場合、切断後の少なくとも1つの袋10について、各隅部11,12の切断寸法の算出した後、第2切断刃42及び第3切断刃43の位置を算出し、その後、第1切断刃41及び第4切断刃44の位置を算出する。すなわち、2つの隅部を切断する切断刃42,43について先に位置の調整を行い、その後、1つの隅部を切断する切断刃41,44について位置の調整を行う。このような制御方法は、例えば、列の数が4以上になっても同じである。ここで2つの隅部を切断する切断刃42、43の移動量の算出方法については、2列の場合の、2つの隅部を切断する場合と同様に行えばよい。
【0053】
図19及び図20の例について、第2切断ユニット5の説明は省略しているが、第1切断ユニット4と同様に調整を行うことができる。
【0054】
<5-2>
上記実施形態においては、すべての切断刃の位置を調整しているが、所定の閾値、例えば、上述した最大値と最小値の範囲から外れた切断寸法となっている隅部に対応する切断刃のみ、調整を行うこともできる。
【0055】
<5-3>
最初の調整を行う切断刃(例えば、図4の第2切断刃42,52など、袋10の幅方向サイズが変っても、隣接する袋10の列の間の隙間が変わらない切断刃の移動量を制限することができる(例えば、5mm以内など)。それ以上の調整を行う場合には、搬送を停止し、手動で切断刃を移動させるようにしてもよい。一方、その後に調整を行う切断刃(例えば、図4の第1及び第3切断刃41,43,51,53、の移動量には特に制限を設けなくてもよい。
【0056】
<5-4>
上記実施形態では、隅部の切断のずれを判断するために、切断寸法X,Yを算出しているが、これに限定されず、切断された隅部のずれを判断できるような寸法であれば、特には限定されない。
【0057】
<5-5>
上記切断ユニット4,5では、袋10の隅部11,12を円弧状に打ち抜いているが、円弧状に限られず、例えば、隅部11,12を斜めに直線状に切り取ったり、直線と曲線とが混在した形状に切り取るような処理を行うこともできる。切断寸法X、Yは、X=Yでもよく、X≠Yでもよく、特に限定されない。また、上記実施形態では、1つの袋10について、第1切断ユニット4で切断を行った後に、袋10を1ピッチ進めて第2切断ユニット5で切断を行っているが、1つの袋10に対し、第1及び第2切断ユニット4,5を同時に駆動し、4つの隅部11~14の切断を同時に行ってもよい。また、いずれか一方の切断ユニット4,5のみを駆動することもできる。
【0058】
<5-6>
無端ベルト23、各プーリ21,22、支持台3の構成は、特には限定されず、上述した以外の構成でもよく、プーリの数、位置なども適宜設定することができる。上記実施形態では、高速搬送を行うことができるようにプーリ21,22を歯車状に形成し、これに合わせて無端ベルト23に突部231を形成したり、支持台3に溝部31を形成したりしているが、搬送速度等によっては、突部231を有さない無端ベルト23であってもよい。
【0059】
<5-7>
上記実施形態では、本発明に係る切断装置を袋10の切断に適用した例を示したが、本発明は、袋の切断以外でも、シート材などの扁平材全般の隅部の切断にも適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 袋(扁平材)
11 第1隅部
12 第2隅部
13 第3隅部
14 第4隅部
4 第1切断ユニット
41~44 切断刃
5 第2切断ユニット
51~54 切断刃
6 撮影ユニット(撮影部)
7 制御ユニット(制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20