(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014668
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】リフトピン組立体およびこれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192937
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0091265
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 秉 春
(72)【発明者】
【氏名】申 容 ▲堤▼
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲濬▼ 國
(72)【発明者】
【氏名】許 成 旻
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131BA03
5F131BA04
5F131CA06
5F131EB32
5F131EB72
5F131EB78
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板上に成膜された層の厚さを均一に蒸着可能にするためのリフトピン組立体およびこれを含む基板処理装置を提供する。
【解決手段】リフトピン組立体およびこれを含む基板処理装置であって、リフトピン組立体は、ブッシング構造210と、ブッシング構造の内部に位置するピン支持部215と、ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピン220と、を含む。リフトピンは、ピン本体221と、ピン本体の中間に位置し、ピン支持部の上面に接触して係止可能な突出部223と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブッシング構造と、
前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、
前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、
前記リフトピンは、ピン本体と、前記ピン本体の中間に位置し、前記ピン支持部の上面に接触して係止可能な突出部と、を含むリフトピン組立体。
【請求項2】
前記リフトピンは、
前記突出部の上側に位置する上部と、
前記突出部の下側に位置する下部と、を含み、
前記突出部の直径は、前記上部の直径より大きい、
請求項1に記載のリフトピン組立体。
【請求項3】
前記上部の直径は、一定である、請求項2に記載のリフトピン組立体。
【請求項4】
前記突出部の長さは、前記リフトピンの全体長さより小さい、請求項2に記載のリフトピン組立体。
【請求項5】
前記リフトピン全体は、同一の材料を含む、請求項2に記載のリフトピン組立体。
【請求項6】
前記リフトピンは、異なる材料を含む2以上の部分を含む、請求項2に記載のリフトピン組立体。
【請求項7】
前記リフトピンは、前記リフトピンの長手方向に隣接して互いに接合されたメイン部およびキャップ部を含み、
前記メイン部は、絶縁性材料を含み、
前記キャップ部は、金属を含む、
請求項6に記載のリフトピン組立体。
【請求項8】
前記メイン部は、前記キャップ部の内部に嵌合されるように、前記メイン部の上端から上に突出した連結部をさらに含む、請求項7に記載のリフトピン組立体。
【請求項9】
前記メイン部と前記キャップ部との境界は、前記突出部より上に位置する、請求項7に記載のリフトピン組立体。
【請求項10】
前記メイン部と前記キャップ部との境界は、前記突出部より下に位置する、請求項7に記載のリフトピン組立体。
【請求項11】
前記ブッシング構造は、互いに締結または分離可能な下部ブッシングおよび上部ブッシングを含み、
前記ピン支持部は、前記下部ブッシング上に位置する、
請求項1に記載のリフトピン組立体。
【請求項12】
前記ピン支持部は、
ストッパと、
前記ストッパ上に位置する少なくとも1つのスペーサと、を含む、請求項1に記載のリフトピン組立体。
【請求項13】
前記リフトピンの前記突出部の下面は、前記ピン支持部の最も上に位置する前記スペーサの上面と接触して係止可能である、請求項12に記載のリフトピン組立体。
【請求項14】
基板を支持可能な上面を有する基板支持体と、
前記基板支持体を貫通するリフトピン組立体と、を含み、
前記リフトピン組立体は、
ブッシング構造と、
前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、
前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、
前記リフトピンは、
ピン本体と、
前記ピン本体の中間に位置し、前記ピン支持部の上面に接触して係止可能な突出部と、を含む基板処理装置。
【請求項15】
前記リフトピンは、
前記突出部の上側に位置する上部と、
前記突出部の下側に位置する下部と、を含み、
前記突出部の直径は、前記上部の直径より大きい、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記リフトピンは、互いに異なる材料を含み、前記リフトピンの長手方向に隣接して互いに接合されたメイン部およびキャップ部を含み、
前記キャップ部と前記基板支持体は、金属を含み、
前記メイン部は、絶縁性材料を含む、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記ブッシング構造は、互いに締結または分離可能な下部ブッシングおよび上部ブッシングを含み、
前記ピン支持部は、前記下部ブッシング上に位置する、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記ピン支持部は、
ストッパと、
前記ストッパ上に位置する少なくとも1つのスペーサと、を含む、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記リフトピンの前記突出部の下面は、前記ピン支持部の最も上に位置する前記スペーサの上面と接触して係止可能である、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
基板を支持可能な上面を有する基板支持体と、
前記基板支持体を貫通するリフトピン組立体と、を含み、
前記リフトピン組立体は、
下部ブッシングおよび上部ブッシングを含むブッシング構造と、
前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、
前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、
前記ピン支持部は、前記リフトピンが前記ブッシング構造の内部で係止可能な位置を調節できる少なくとも1つのスペーサおよびストッパを含む、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リフトピン組立体およびこれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な表示装置などの半導体装置およびディスプレイ装置を製造する工程は、基板上に複数の層を積層する工程を含む。積層する工程は、主に基板処理装置のチャンバ内で行われ、チャンバ内には、基板を載置させ、支持し、移送するための基板支持体が位置する。
【0003】
基板支持体は、基板支持体から基板を持ち上げ、載置させるためのリフトピンを含む。基板が大きくなると、基板支持体に含まれるリフトピンは複数個になり、基板の中央側にも基板を支持するためのリフトピンが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2019-0029365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リフトピンの上端は基板と接触するので、基板上に層を蒸着するとき、リフトピンが位置する領域に成膜された層の厚さは、周辺に比べて不均一になる場合がある。
【0006】
本記載の実施例は、基板上に成膜された層の厚さを均一に蒸着可能にするためのリフトピン組立体およびこれを含む基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例によるリフトピン組立体は、ブッシング構造と、前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、前記リフトピンは、ピン本体と、前記ピン本体の中間に位置し、前記ピン支持部の上面に接触して係止可能な突出部と、を含む。
【0008】
前記リフトピンは、前記突出部の上側に位置する上部と、前記突出部の下側に位置する下部と、を含み、前記突出部の直径は、前記上部の直径より大きくてもよい。
【0009】
前記上部の直径は、一定であってもよい。
【0010】
前記突出部の長さは、前記リフトピンの全体長さより小さくてもよい。
【0011】
前記リフトピン全体は、同一の材料を含むことができる。
【0012】
前記リフトピンは、異なる材料を含む2以上の部分を含むことができる。
【0013】
前記リフトピンは、前記リフトピンの長手方向に隣接して互いに接合されたメイン部およびキャップ部を含み、前記メイン部は、絶縁性材料を含み、前記キャップ部は、金属を含むことができる。
【0014】
前記メイン部は、前記キャップ部の内部に嵌合されるように、前記メイン部の上端から上に突出した連結部をさらに含むことができる。
【0015】
前記メイン部と前記キャップ部との境界は、前記突出部より上に位置することができる。
【0016】
前記メイン部と前記キャップ部との境界は、前記突出部より下に位置することができる。
【0017】
前記ブッシング構造は、互いに締結または分離可能な下部ブッシングおよび上部ブッシングを含み、前記ピン支持部は、前記下部ブッシング上に位置することができる。
【0018】
前記ピン支持部は、ストッパと、前記ストッパ上に位置する少なくとも1つのスペーサと、を含むことができる。
【0019】
前記リフトピンの前記突出部の下面は、前記ピン支持部の最も上に位置する前記スペーサの上面と接触して係止可能であってもよい。
【0020】
一実施例による基板処理装置は、基板を支持可能な上面を有する基板支持体と、前記基板支持体を貫通するリフトピン組立体と、を含み、前記リフトピン組立体は、ブッシング構造と、前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、前記リフトピンは、ピン本体と、前記ピン本体の中間に位置し、前記ピン支持部の上面に接触して係止可能な突出部と、を含む。
【0021】
前記リフトピンは、前記突出部の上側に位置する上部と、前記突出部の下側に位置する下部と、を含み、前記突出部の直径は、前記上部の直径より大きくてもよい。
【0022】
前記リフトピンは、互いに異なる材料を含み、前記リフトピンの長手方向に隣接して互いに接合されたメイン部およびキャップ部を含み、前記キャップ部と前記基板支持体は、金属を含み、前記メイン部は、絶縁性材料を含むことができる。
【0023】
前記ブッシング構造は、互いに締結または分離可能な下部ブッシングおよび上部ブッシングを含み、前記ピン支持部は、前記下部ブッシング上に位置することができる。
【0024】
前記ピン支持部は、ストッパと、前記ストッパ上に位置する少なくとも1つのスペーサと、を含むことができる。
【0025】
前記リフトピンの前記突出部の下面は、前記ピン支持部の最も上に位置する前記スペーサの上面と接触して係止可能であってもよい。
【0026】
一実施例による基板処理装置は、基板を支持可能な上面を有する基板支持体と、前記基板支持体を貫通するリフトピン組立体と、を含み、前記リフトピン組立体は、下部ブッシングおよび上部ブッシングを含むブッシング構造と、前記ブッシング構造の内部に位置するピン支持部と、前記ブッシング構造の内部で移動可能なリフトピンと、を含み、前記ピン支持部は、前記リフトピンが前記ブッシング構造の内部で係止可能な位置を調節できる少なくとも1つのスペーサおよびストッパを含む。
【発明の効果】
【0027】
実施例によるリフトピン組立体を含む基板処理装置によって成膜された基板上の層の厚さを均一に蒸着できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施例による基板処理装置に含まれる基板支持体およびリフトピン組立体を示す斜視図である。
【
図2】一実施例によるリフトピン組立体の断面図である。
【
図3】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の斜視図である。
【
図4】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の断面図である。
【
図5】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の分解斜視断面図である。
【
図6】
図5に示したブッシング構造の一部に対する拡大分解斜視断面図である。
【
図7】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの斜視断面図である。
【
図8】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【
図9】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と基板とが接触する部分を示す断面図である。
【
図10】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンとブッシング構造を示す断面図である。
【
図11】比較例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と基板とが接触する部分を示す断面図である。
【
図12】比較例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と接触した基板内部の電位差を測定した結果である。
【
図13】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と接触した基板内部の電位差を測定した結果である。
【
図15】一実施例によるリフトピン組立体を含む基板支持体から基板を分離する段階での動作を示す。
【
図16】一実施例によるリフトピン組立体を含む基板支持体が上昇して基板を持ち上げる段階での動作を示す。
【
図17】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【
図18】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部の断面図である。
【
図19】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【
図20】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【
図21】一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0031】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとするときには、中間に他の部分がないこ意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するのではない。
【0033】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0034】
さらに、明細書全体において、「平面上」とするとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」とするとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0035】
図1~
図10を参照して、一実施例による基板処理装置およびリフトピン組立体について説明する。
【0036】
図1は、一実施例による基板処理装置に含まれる基板支持体およびリフトピン組立体を示す斜視図である。
【0037】
図1を参照すれば、一実施例による基板処理装置1000は、基板を処理するための空間を提供するチャンバと、チャンバ内に配置され、基板を支持し、移送するための基板支持体100と、を含む。
【0038】
基板支持体100は、基板が載置可能なプレート101およびリフトピン組立体200を含むことができる。プレート101は、例えば、x方向およびy方向に延びた面を有することができる。リフトピン組立体200は、x方向およびy方向に垂直なz方向に基板支持体100のプレート101の内部を貫通できる。
【0039】
一実施例による基板処理装置1000は、例えば、基板上に層を成膜するための蒸着装置などを含むことができる。基板上には、例えば、絶縁層、半導体層などを蒸着することができる。
【0040】
基板支持体100は、基板処理工程中にチャンバ内においてz方向に昇降可能に設けられて基板を支持することができる。基板支持体100は、サセプタともいう電極であってもよいし、アルミニウム(Al)などの金属を材料として含むことができる。実施例によっては、基板支持体100は、基板の加熱のためのヒータを含むこともできる。
【0041】
基板支持体100を貫通するリフトピン組立体200は、1つ以上であってもよい。基板支持体100が支持する基板が大型化された場合に基板が反らないように複数のリフトピン組立体200が位置してもよい。複数のリフトピン組立体200は、基板支持体100のプレート101の周縁領域100Bおよび/またはプレート101の中央領域100Aに対応して配置される。
【0042】
図2は、一実施例によるリフトピン組立体の断面図である。
【0043】
図2を参照すれば、一実施例によるリフトピン組立体200は、ブッシング構造210と、ブッシング構造210の内部に位置し、z方向に移動可能なリフトピン220と、を含む。
【0044】
ブッシング構造210は、基板支持体100の内部をz方向に貫通するように配置され、ブッシング固定部110を介して基板支持体100に固定される。ブッシング構造210は、リフトピン220と基板支持体100との間の間隔を維持し、リフトピン220が円滑にz方向に上下運動できるようにする構造を有する。
【0045】
リフトピン220の上端と基板支持体100の上面上に、処理する対象の基板300が位置することができる。基板処理工程により、基板300の下面は、リフトピン220の上端および基板支持体100の上面と接触できる。
【0046】
図3は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の斜視図であり、
図4は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の断面図であり、
図5は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造の分解斜視断面図であり、
図6は、
図5に示したブッシング構造の一部に対する拡大分解斜視断面図である。
【0047】
図2と共に
図3~
図6を参照すれば、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるブッシング構造210は、z方向に隣り合って配置された下部ブッシング211および上部ブッシング213を含むことができる。下部ブッシング211および上部ブッシング213は、締結部AAでz方向に互いに締結または分離可能である。締結部AAは、例えば、内面にねじ線を形成してねじ込むタップ方式で下部ブッシング211と上部ブッシング213とを互いに締結または分離することができるが、締結方式がこれに限定されるものではない。
【0048】
ブッシング構造210の下部ブッシング211および上部ブッシング213は、互いに同一の材料を含んでもよく、互いに異なる材料を含んでもよい。また、ブッシング構造210は、リフトピン220と異なる材料を含んでもよく、同一の材料を含んでもよい。例えば、ブッシング構造210は、金属材料、セラミック材料などを含むことができる。
【0049】
ブッシング構造210は、1つ以上のローラ230をさらに含むことができる。ローラ230は、ブッシング構造210の内部でリフトピン220がブッシング構造210の内面と間隔を維持し、リフトピン220をz方向に円滑に移動可能に機能することができる。
【0050】
図5および
図6を参照すれば、ブッシング構造210は、内部に位置するピン支持部215を含むことができる。ピン支持部215は、ストッパ219と、ストッパ219上に位置する少なくとも1つのスペーサ217と、を含むことができる。
【0051】
図6は、ピン支持部215が3つのスペーサ217がz方向に連続で積層された構造を例として示す。最も下のスペーサ217の下にストッパ219が位置することができる。ピン支持部215は、下部ブッシング211と上部ブッシング213とを締結される部分の周囲に位置することができ、下部ブッシング211上に位置することができる。
【0052】
後述するリフトピン220のピン突出部がピン支持部215上に係止されて支持され、このとき、ピン支持部215によってブッシング構造210に対するリフトピン220の位置がz方向の反対方向にさらに下降しない。少なくとも1つのスペーサ217は、リフトピン220がブッシング構造210の内部でz方向の反対方向にさらに下降せず、ブッシング構造210に係止される位置の高さを調節することができる。スペーサ217の個数および/または各スペーサ217のz方向の厚さなどを調節して、ブッシング構造210に対するリフトピン220の最も低い位置を調節することができる。リフトピン220の突出部がピン支持部215上に係止されたとき、
図2に示したように、リフトピン220の上端の高さと、基板支持体100の上面の高さとを一致させることができる。つまり、基板支持体100の上面上に基板300を位置させて接触しているとき、リフトピン220の上端と、基板支持体100の上面とが同じ高さにあるように、ピン支持部215に含まれる全体スペーサ217の厚さを調節することができ、その調節はスペーサ217の個数および各スペーサ217のz方向の厚さの調節により行うことができる。
【0053】
スペーサ217は、弾性のある材料および/または形状からなる。例えば、スペーサ217自体が弾性のある材料を含むか、少なくとも一部がスプリング形状からなってもよい。
【0054】
ストッパ219は、上部のスペーサ217およびその上に係止されるリフトピン220の突出部を支持する役割を果たすことができる。ストッパ219のz方向の厚さは、スペーサ217より大きくてもよいが、これに限定されるものではない。ストッパ219は省略されるか、複数のスペーサ217の1つを構成してもよい。突出部が支持される高さを調節するために、ストッパ219のz方向の厚さも調節可能である。つまり、ピン支持部215全体の厚さを調節するために、スペーサ217だけでなく、ストッパ219の厚さも調節可能である。
【0055】
ブッシング構造210が下部ブッシング211および上部ブッシング213に分割されているので、下部ブッシング211上にピン支持部215を設けた後、上部ブッシング213と結合させることができる。
【0056】
図7は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの斜視断面図であり、
図8は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【0057】
図2、
図7および
図8を参照すれば、一実施例によるリフトピン220は、z方向に長く延びたピン状のピン本体(pin body)221と、z方向に垂直な方向に突出した形状の突出部223と、を含む。
【0058】
ピン本体221は、突出部223を基準として上部に位置する上部221aおよび下部221bを含む。突出部223は、ピン本体221の両端ではなく、中間に位置する。
【0059】
リフトピン220のz方向への全体長さL1は、上部221aのz方向の長さL2、突出部223のz方向の長さL3、そして下部221bのz方向の長さ(図示せず)の合計と同一であってもよい。突出部223のz方向の長さL3は、リフトピン220の全体長さL1より小さく、上部221aのz方向の長さL2または下部221bのz方向の長さ(図示せず)より小さくてもよい。リフトピン220の上部221aの直径L4は、突出部223の直径L5より小さい。リフトピン220の上部221aの直径L4は、一定であってもよいし、下部221bの直径も、一定であってもよい。また、上部221aの直径L4と下部221bの直径とは、互いに同一であってもよい。
【0060】
図8を参照すれば、突出部223は、ピン本体221の中心CEより上側に位置することができる。
【0061】
リフトピン220の上部221aの直径L4は、例えば、約4.0ミリメートル~5.0ミリメートルであってもよいし、突出部223の直径L5は、約7ミリメートル~約7.7ミリメートルであってもよい。
【0062】
ピン本体221の断面形状は、円形であってもよいが、これに限定されない。突出部223の断面形状も、円形であってもよいが、これに限定されない。
【0063】
リフトピン220は、セラミックなどの材料を含むことができ、
図7および
図8は、リフトピン220全体が同一の材料を含む例を示す。リフトピン220は、絶縁性材料を含むことができる。
【0064】
ブッシング構造210内でリフトピン220が最も下に降りてきたとき、突出部223の底面がピン支持部215の最も上のスペーサ217の上面と接触できる。ピン支持部215のz方向の全体厚さは、先に説明したように調節可能であり、これによって突出部223がピン支持部215に係止されたときのリフトピン220の高さを調節することができる。
【0065】
先に説明したように、リフトピン220の突出部223は、
図2に示したように、ブッシング構造210のピン支持部215上に係止されて下へ抜けないように支持できる。これによって、工程中、基板支持体100およびブッシング構造210が上昇するとき、リフトピン220も突出部223によってブッシング構造210に吊られて共に上昇できる。逆に、リフトピン220のみz方向に上昇するときは、突出部223がピン支持部215から離れて、リフトピン220の上端が基板支持体100およびブッシング構造210の外へ抜け出すことができる。
【0066】
図9は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と基板とが接触する部分を示す断面図であり、
図10は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンとブッシング構造を示す断面図である。
【0067】
図9および
図10を参照すれば、リフトピン220の突出部223がブッシング構造210のピン支持部215上に係止されたとき、リフトピン220の上端220Eの面と基板支持体100の上面との高さが一致して、基板300の下面と平らに接触できる。もし、リフトピン220の上端220Eが基板支持体100の上面より高くて突出する、又は低くて凹んだ上面を形成する場合、蒸着工程中、基板300上に蒸着される膜がリフトピン220の上端220E上および周囲で他の箇所より偏差(ばらつき)のある厚さに蒸着されうる。しかし、本実施例によれば、蒸着工程の進行時、基板300上に蒸着される膜が均一に蒸着される。このために、先に説明したように、ピン支持部215に含まれる全体スペーサ217およびストッパ219の厚さを調節することができる。
【0068】
図10を参照すれば、リフトピン220の突出部223がスペーサ217の最も上面に接触して係止されたとき、ピン支持部215を基準としてその上に突出部223およびリフトピン220の上部221aが位置し、その下にリフトピン220の下部221bが位置する。
【0069】
先に説明した図面と共に
図11~
図14を参照して、比較例による基板処理装置と比較して、本実施例による基板処理装置について説明する。
【0070】
図11は、比較例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と基板とが接触する部分を示す断面図であり、
図12は、比較例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と接触した基板内部の電位差を測定した結果であり、
図13は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部と接触した基板内部の電位差を測定した結果であり、
図14は、
図12および
図13の結果による電位差を示すグラフである。
【0071】
図11を参照すれば、比較例による基板処理装置1000Cは、本実施例とは異なり、基板支持体100を貫通するブッシング構造210Cが下部ブッシングおよび上部ブッシングに分割されず、内部にピン支持部も含まない。代わりに、リフトピン220Cは、最上端に位置する拡張部229Cを含み、ブッシング構造210Cの最上端の上面に係止可能である。拡張部229Cの直径LCはリフトピン220Cの残りの本体の直径より大きく、これによれば、リフトピン220Cの上端220CE、つまり、拡張部229Cの上端が基板300と当たる面積が大きくなる。基板支持体100とリフトピン220Cの材料およびそれによる物性が異なるので、それらの電気的特性の差によって基板300上に成膜される層に厚さ偏差(ばらつき)が大きく発生するが、基板300と当たるリフトピン220Cの上端220CEの面積が大きいので、電場歪みによるプラズマなどの不均一が発生して、蒸着される膜の厚さが不均一の程度が大きくなる。
【0072】
これについて、
図12および
図14を参照すれば、比較例による基板処理装置に含まれるリフトピンの最上端の拡張部229Cの上端220CEが基板300と当たる部分での電位差分布をみると、拡張部229Cの上端220CEと当たる部分と、拡張部229Cの上端220CEと当たらない部分との電位差の偏差(ばらつき)が大きいことが分かる。
【0073】
これに対し、
図13および
図14を参照すれば、一実施例による基板処理装置に含まれるリフトピンの上部221aは、拡張されずに小さい幅を維持するので、比較例に比べて基板300と接触する面が小さい。上部221aの上端220Eが基板300と当たる部分での電位差分布をみると、上部221aの上端220Eと当たる部分と、上部221aの上端220Eと当たらない部分との電位差の偏差(ばらつき)が、比較例に比べて小さい。
図14を参照すれば、比較例による電位差グラフGCに比べて、実施例による電位差グラフGAの幅が小さい。したがって、リフトピンの上部221aが当たる基板300の面積を最小化して、基板300上に蒸着される膜が不均一の程度を最小化することができる。
【0074】
また、本実施例のように、リフトピン220の上部221aの直径L4を約4.0ミリメートル~5.0ミリメートルにすれば、上部221aに対応する基板300上に蒸着される膜の厚さが周辺に比べて偏差(ばらつき)を有するとしても、その幅が5.0ミリメートル以下であるので視認されない。
【0075】
次に、
図15および
図16を参照して、一実施例による基板処理装置の動作について説明する。
【0076】
図15は、一実施例によるリフトピン組立体を含む基板支持体から基板を分離する段階での動作を示し、
図16は、一実施例によるリフトピン組立体を含む基板支持体が上昇して基板を持ち上げる段階での動作を示す。
【0077】
まず、
図15を参照すれば、蒸着工程前または後に基板300を交換するための段階で、基板支持体100およびブッシング構造210は共にz方向の反対方向、すなわち、下へ下降する。このとき、リフトピン220の下端は、ベースプレート400によって支持され、上端は、基板300を支持し、基板支持体100から基板300を離隔させる役割を果たすことができる。このとき、リフトピン220の上部は、基板支持体100の上面上に突出する。リフトピン220の突出部223は、ブッシング構造210のピン支持部215から分離されて次第に離隔する。この状態で基板支持体100を搬送モジュールに移送して、基板300を新しい基板300に交換することができる。
【0078】
次に、
図16を参照すれば、基板支持体100およびブッシング構造210は共にz方向、すなわち、上へ上昇して蒸着工程が行われる。このとき、リフトピン220の下端は、ベースプレート400から離れて離隔し、リフトピン220の上端は、基板支持体100の上面と共に基板300を支持し、基板300を持ち上げることができる。このとき、リフトピン220の上部は、基板支持体100内に挿入される。リフトピン220の突出部223は、ブッシング構造210のピン支持部215の上面に近づいてピン支持部215上で係止され、ブッシング構造210および基板支持体100と共に上へ上昇する。つまり、基板支持体100が上昇するとき、リフトピン220は、ピン支持部215上に係止された突出部223によって基板支持体100の下へ抜けずに共に上昇できる。
【0079】
先に説明した図面と共に
図17~
図19を参照して、一実施例によるリフトピンについて説明する。
【0080】
図17は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図であり、
図18は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの上部の断面図であり、
図19は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【0081】
図17、
図18および
図19を参照すれば、一実施例によるリフトピン220Aは、先に説明したリフトピン220と大部分同一であるが、リフトピン220Aは、異なる材料を含む2以上の部分を含むことができる。一実施例によれば、リフトピン220Aの上部221aが、材料が異なる2以上の部分を含むことができる。
【0082】
具体的には、リフトピン220Aは、メイン部21と、キャップ部(cap portion)23と、を含むことができる。メイン部21とキャップ部23は、リフトピン220Aの長手方向であるz方向に隣接して互いに接合されている。メイン部21がキャップ部23よりも下に位置する。つまり、キャップ部23が基板300と接触できる。
【0083】
メイン部21とキャップ部23との接合方式は、例えば、ねじ線を形成してねじ込むタップ方式、ボンディング方式、ピン圧入方式などの多様な方式であってもよい。多様な接合方式によって、メイン部21は、上端に位置し、z方向に突出した連結部22を含むことができる。連結部22は、キャップ部23の内部に嵌合される。キャップ部23は、内部に連結部22が位置してキャップ部23に締結可能な空間20を含むことができる。
【0084】
連結部22の直径L8は、上部221aの直径L4より小さい。連結部22のz方向の長さL7は、キャップ部23のz方向の長さL6より小さい。キャップ部23の内部に位置する空間20のz方向の長さL9は、連結部22のz方向の長さL7以上であってもよい。
【0085】
メイン部21の材料とキャップ部23の材料とは互いに異なる。メイン部21は、例えば、セラミックなどの絶縁性材料を含むことができ、キャップ部23は、基板支持体100と同一または物性が類似の材料、例えば、アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)などの金属を含むことができる。
【0086】
これによれば、リフトピン220Aの上部221aの上端が基板支持体100と同一または類似の材料(例えば、金属)からなるので、基板300と当たる部分で電位差の偏差(ばらつき)をさらに低減し、基板300上に蒸着される膜の厚さ偏差(ばらつき)もさらに低減することができる。
【0087】
図19を参照すれば、一実施例によるリフトピン220Aのメイン部21とキャップ部23との境界A1は、突出部223を基準として上部に位置することができる。この場合、メイン部21を構成するリフトピン220Aの下部221b、突出部223および上部221aの下側の一部は、互いに同一の材料、例えば、セラミックなどの絶縁性材料を含むことができ、上部221aの上側を構成するキャップ部23は、金属など、基板支持体100と同一または類似の物性の材料を含むことができる。メイン部21とキャップ部23との境界A1は、リフトピン220Aの中心CEより上に位置することができる。
【0088】
次に、
図20および
図21をそれぞれ参照して、一実施例によるリフトピンについて説明する。
【0089】
図20は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図であり、
図21は、一実施例によるリフトピン組立体に含まれるリフトピンの断面図である。
【0090】
図20を参照すれば、一実施例によるリフトピン220Bのメイン部21とキャップ部23との境界A2は、突出部223を基準として下部に位置することができる。この場合、メイン部21を構成するリフトピン220Bの下部221bの下側の一部は、例えば、セラミックなどの絶縁性材料を含むことができ、キャップ部23を構成する上部221a、突出部223、そして下部221bの上側の一部は、互いに同一の材料、例えば、金属など、基板支持体100と同一または類似の物性の材料を含むことができる。メイン部21とキャップ部23との境界A2は、リフトピン220Bの中心CE付近に位置することができる。
【0091】
図21を参照すれば、一実施例によるリフトピン220Cのメイン部21とキャップ部23との境界A3は、突出部223を基準として下部に位置し、リフトピン220Cの中心CEよりも下に位置することができる。この場合、メイン部21を構成するリフトピン220Cの下部221bの下側の一部は、例えば、セラミックなどの絶縁性材料を含むことができ、キャップ部23を構成する上部221a、突出部223、そして下部221bの上側の一部は、互いに同一の材料、例えば、金属など、基板支持体100と同一または類似の物性の材料を含むことができる。
【0092】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0093】
20:空間
21:メイン部
22:連結部
23:キャップ部
100:基板支持体
101:プレート
110:ブッシング固定部
200:リフトピン組立体
210、210C:ブッシング構造
211:下部ブッシング
213:上部ブッシング
215:ピン支持部
217:スペーサ
219:ストッパ
220、220A、220B、220C:リフトピン
220CE、220E:上端
221:ピン本体
221a:上部
221b:下部
223:突出部
229C:拡張部
230:ローラ
300:基板
400:ベースプレート
1000、1000C:基板処理装置
AA:締結部
CE:中心