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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146680
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】多池湿地沈水植物の回復方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 22/00 20180101AFI20241004BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20241004BHJP
   C02F 3/32 20230101ALI20241004BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A01G22/00
C02F11/00 Z ZAB
C02F3/32
A01G7/00 602Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109738
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】202310338395.5
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521485601
【氏名又は名称】中鉄四局集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA TIESIJU CIVIL ENGINEERING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 96, Wangjiang East Road, Baohe District, Hefei City, Anhui Province, 230023, China
(71)【出願人】
【識別番号】523253545
【氏名又は名称】中鉄四局集団第四工程有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523253556
【氏名又は名称】合肥市水務環境建設投資有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513059401
【氏名又は名称】同▲済▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】呉子能
(72)【発明者】
【氏名】安剛建
(72)【発明者】
【氏名】郎▲い▼
(72)【発明者】
【氏名】張浩
(72)【発明者】
【氏名】楊長明
(72)【発明者】
【氏名】丁舒涵
(72)【発明者】
【氏名】袁正璞
(72)【発明者】
【氏名】黄慧慧
【テーマコード(参考)】
2B022
4D040
4D059
【Fターム(参考)】
2B022AB01
4D040CC02
4D040CC05
4D059AA09
4D059BK16
4D059CA28
4D059DA55
4D059DA59
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多池湿地沈水植物の回復方法を提供する。
【解決手段】底泥の生態環境を修復するために下地改良材を池に均一に投入し、下地改良材被覆の厚みは5~10cmであるステップS1と、水体の透明性を高めるために、池に水を加える際に水流の流速を緩め、水粒子の沈降を増加させ、栽培の初期には、水位調節装置によって池の水位を下げ、光を水底に照射させるようにするステップS2と、水体中の溶存酸素を増加させるために、曝気装置を用いて泥-水界面を曝気するステップS3と、沈水植物を定植し、下地改良材を2~3d敷設した後、下地改良材の被覆領域に耐汚染性挺水植物及び沈水植物を栽培するステップS4と、を含む。本発明により、沈水植物の回復を促進し、さらに富栄養化湖と河川生態系の回復と発展的な健康を加速させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多池湿地沈水植物の回復方法であり、
底泥の生態環境を修復するために、下地改良材を池に均一に投入し、下地改良材被覆の厚みは5~10cmであるステップS1と、
水体の透明性を高めるために、池に水を加える際に水流の流速を緩め、水粒子の沈降を増加させ、栽培の初期には、水位調節装置(1)によって池の水位を下げ、光を水底に照射させるようにするステップS2と、
水体中の溶存酸素を増加させるために、曝気装置(2)を用いて泥-水界面を曝気するステップS3と、
沈水植物を定植し、下地改良材を2~3d敷設した後、下地改良材の被覆領域に耐汚染性挺水植物及び沈水植物を栽培するステップS4と、を含むことを特徴とする多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項2】
前記下地改良材は、以下の質量分率の原料で作られたものであることを特徴とする請求項1に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
改質バイオ炭 60~70%
ゼオライト 10~20%
接着剤 20~30%
【請求項3】
前記耐汚染性挺水植物は、ウリカワ、シマミソハギ、コナギの1つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項4】
前記耐汚染性沈水植物は、ネジレモ、クロモ、フサモ、ヒルムシロの1つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項5】
前記水位調節装置(1)は、支持プレート(11)、リール(12)、引きロープ(13)、カウンタウェイトリング(14)、コルゲート管(15)、排水管(16)及び位置決め調節機構(17)を含み、
前記支持プレート(11)は池の上端面に架設され、前記リール(12)は支持プレート(11)の上端面に回動可能に取り付けられ、前記引きロープ(13)の一端はリール(12)の周面に固定され、前記引きロープ(13)の他端は支持プレート(11)を貫通してカウンタウェイトリング(14)に接続され、前記カウンタウェイトリング(14)はコルゲート管(15)の上端面に固定され、前記排水管(16)の一端はコルゲート管(15)の下端に連通され、前記排水管(16)の他端は池を貫通して池の外側に延び、
前記位置決め調節機構(17)は、測定棒(171)、ポインタ(172)を含み、前記測定棒(171)の下端は、支持プレート(11)を貫通してカウンタウェイトリング(14)に固定され、前記測定棒(171)は支持プレート(11)に摺動嵌合され、前記ポインタ(172)は支持プレート(11)の上端に固定され、前記ポインタ(172)の一端は測定棒(171)の周面に貼り合わされていることを特徴とする請求項1に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項6】
前記支持プレート(11)に貫通孔(111)が開設され、前記貫通孔(111)の孔壁に、複数のボール溝(112)が開設され、前記ボール溝(112)内にボール(18)が回動可能に接続され、前記測定棒(171)は貫通孔(111)を貫通し、且つ前記ボール(18)は測定棒(171)の周面に転動嵌合されることを特徴とする請求項5に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項7】
前記カウンタウェイトリング(14)の上端面にねじ穴が開設され、前記測定棒(171)の周面において且つ下端に近いところに、ねじ穴と嵌合する雄ねじが配置されることを特徴とする請求項5に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項8】
前記支持プレート(11)に2つの固定ブロック(121)が間隔を置いて配置され、前記リール(12)の両端は2つの固定ブロック(121)内にそれぞれ挿着されており且つ固定ブロック(121)に回動嵌合され、前記固定ブロック(121)にボルト(122)が螺着され、前記ボルト(122)は固定ブロック(121)を貫通してリール(12)の周面に摺動嵌合されることを特徴とする請求項5に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項9】
前記曝気装置(2)は、ナノ・微細気泡曝気管(21)、ルーツ式周波数変換送風機(22)と、酸化還元電位自動監視装置(23)と、プログラマブルロジックコントローラ(24)を含み、
前記微細気泡曝気管(21)は池の底部に配置され、前記ルーツ式周波数変換送風機(22)は池の外側に配置され、且つルーツ式周波数変換送風機(22)と微細気泡曝気管(21)はゴムチューブを介して接続され、前記酸化還元電位自動監視装置(23)は上層水と底泥表層との間に配置され、前記酸化還元電位自動監視装置(23)は、プログラマブルロジックコントローラ(24)を介してルーツ式周波数変換送風機(22)と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【請求項10】
前記微細気泡曝気管(21)に、銀担持ゼオライトが配置されることを特徴とする請求項9に記載の多池湿地沈水植物の回復方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は沈水植物の回復技術分野に関し、特に多池湿地沈水植物の回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の内陸淡水漁業は主にオオクチバス、カムルチー、黄色いナマズ、ドジョウ、パイユなどのプレミアム品種を養殖し、養殖の形は主に個人たちがそれぞれゾーン式伝統的養殖であり、しかも養殖モードが比較的粗放で、養殖密度が高すぎるなどの問題があり、その結果、大量飼料、水生動物の排泄物が残存し、一部の水生植物のバランスが破壊されるなどの原因による養殖水体の窒素とリンの汚染を引き起こし、及びこれにより周辺水体の富栄養化などの深刻な環境問題を引き起こした。水生態系の回復と再構築は富栄養化水体生態系修復の主要な内容の一つである。
【0003】
富栄養化水体生態系修復の最終目的は良好な生態系を構築することである。良好な生態系を構築するには、まず沈水植物群落を迅速に回復させる必要がある。ほとんどの関連学者と専門家は、沈水植物は水体生態系修復において極めて大きな役割を果たし、沈水植物は成長過程において自身が窒素、リンなどの富栄養化成分を吸着し、水中懸濁物質の沈降を促進できるだけでなく、光合成を通じて水中の溶存酸素を増加させ、水質を浄化し、水中の微生物の数を増加させて水体の富栄養化の程度を低下させることができると考えている。沈水植物は水生動物のために、より健康な生息地と隠れ場所を提供し、さらに水生態系全体を改善する。そのため、富栄養化が深刻な水体の中で、沈水植物の栽培はその水生態系の回復と再建の最も主要な手段の一つである。
【0004】
しかし、関連技術方案を実施する過程で、少なくとも以下の技術的問題があることが分かった。沈水植物の成長と分布は、光照射、水の透明度、硬質地盤、栄養塩分及び風波などの多くの環境因子に制御、脅迫され、多くの環境因子の中で、水体の透明度と光照射が沈水植物に対する環境ストレスが最も顕著であることが発見された。汚染が深刻な水体底泥環境は水生植物の成長に適しておらず、沈水植物はしばしば深刻な酸素欠乏状態にあり、しかも水体の透明度が低下し、沈水植物も十分な光照射が得られず、正常な光合成と呼吸ができずに次第に死亡し、最終的に沈水植物群落を水中に定住させることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、多池湿地沈水植物の回復方法を提供することにより、従来技術における汚染が深刻な水体底泥環境は水生植物の成長に適しておらず、沈水植物はしばしば深刻な酸素欠乏状態にあり、しかも水体の透明度が低下し、沈水植物も十分な光照射が得られず、正常な光合成と呼吸ができずに次第に死亡し、最終的に沈水植物群落を水中に定住させることができない問題を解決し、合理的な配置を通じて、黒臭底泥の生息地を改良すると同時に、沈水植物の成長に影響する主要な環境因子を改善し、沈水植物の回復を促進し、さらに富栄養化湖と河川生態系の回復と発展的な健康を加速させることを実現した。
【0006】
本発明は、多池湿地沈水植物の回復方法を提供し、
底泥の生態環境を修復するために、下地改良材を池に均一に投入し、下地改良材被覆の厚みは5~10cmであるステップS1と、
水体の透明性を高めるために、池に水を加える際に水流の流速を緩め、水粒子の沈降を増加させ、栽培の初期には、水位調節装置によって池の水位を下げ、光を水底に照射させるようにするステップS2と、
水体中の溶存酸素を増加させるために、曝気装置を用いて泥-水界面を曝気するステップS3と、
沈水植物を定植し、下地改良材を2~3d敷設した後、水体の下地改良材被覆領域に耐汚染性挺水植物及び沈水植物を栽培するステップS4と、を含む。
【0007】
さらに、前記下地改良材は、以下の質量分率の原料で作られたものである。
改質バイオ炭 60~70%
ゼオライト 10~20%
接着剤 20~30%
【0008】
さらに、前記耐汚染性挺水植物は、ウリカワ、シマミソハギ、コナギの1つ以上の組み合わせである。
【0009】
さらに、前記耐汚染性沈水植物は、ネジレモ、クロモ、フサモ、ヒルムシロの1つ以上の組み合わせである。
【0010】
さらに、前記水位調節装置は支持プレート、リール、引きロープ、カウンタウェイトリング、コルゲート管、排水管及び位置決め調節機構を含み、前記支持プレートは池の上端面に架設され、前記リールは支持プレートの上端面に回動可能に取り付けられ、前記引きロープの一端はリールの周面に固定され、前記引きロープの他端は支持プレートを貫通してカウンタウェイトリングに接続され、前記カウンタウェイトリングはコルゲート管の上端面に固定され、前記排水管の一端はコルゲート管の下端に連通され、前記排水管の他端は池を貫通して池の外側に延び、前記位置決め調節機構は、測定棒、ポインタを含み、前記測定棒の下端は、支持プレートを貫通してカウンタウェイトリングに固定され、前記測定棒は支持プレートに摺動嵌合され、前記ポインタは支持プレートの上端に固定され、前記ポインタの一端は測定棒の周面に貼り合わされている。
【0011】
さらに、前記支持プレートに貫通孔が開設され、前記貫通孔の孔壁に、複数のボール溝が開設され、前記ボール溝内にボールが回動可能に接続され、前記測定棒は貫通孔を貫通し、且つ前記ボールは測定棒の周面に転動嵌合される。
【0012】
さらに、前記カウンタウェイトリングの上端面にねじ穴が開設され、前記測定棒の周面において且つ下端に近いところに、ねじ穴と嵌合する雄ねじが配置される。
【0013】
さらに、前記支持プレートに2つの固定ブロックが間隔を置いて配置され、前記リールの両端は2つの固定ブロック内にそれぞれ挿着されており且つ固定ブロックに回動嵌合され、前記固定ブロックにボルトが螺着され、前記ボルトは固定ブロックを貫通してリールの周面に摺動嵌合される。
【0014】
さらに、前記曝気装置は、ナノ・微細気泡曝気管、ルーツ式周波数変換送風機と、酸化還元電位自動監視装置と、プログラマブルロジックコントローラを含み、前記微細気泡曝気管は池の底部に配置され、前記ルーツ式周波数変換送風機は池の外側に配置され、且つルーツ式周波数変換送風機と微細気泡曝気管はゴムチューブを介して接続され、前記酸化還元電位自動監視装置は上層水と底泥表層との間に配置され、前記酸化還元電位自動監視装置は、プログラマブルロジックコントローラを介してルーツ式周波数変換送風機と電気的に接続されている。
【0015】
さらに、前記微細気泡曝気管に、銀担持ゼオライトが配置される。
【発明の効果】
【0016】
本出願において提供される技術案は、少なくとも次のような技術的効果または利点を有し、
第1、底泥の生息地を修復し、水体の透明性を高め、水体の溶存酸素を増加させ、沈水植物を定植するなどのステップを実行し、下地改良材の被覆と植物の定植修復を結合し、互いの不足を補うことができ、長期にわたって底泥環境を効果的に改善し、水生状態を回復し、従来技術における汚染が深刻な水体底泥環境は水生植物の成長に適しておらず、沈水植物はしばしば深刻な酸素欠乏状態にあり、しかも水体の透明度が低下し、沈水植物も十分な光照射が得られず、正常な光合成と呼吸ができずに次第に死亡し、最終的に沈水植物群落を水中に定住させることができない問題を効果的に解決し、合理的な配置を通じて、黒臭底泥の生息地を改良すると同時に、沈水植物の成長に影響する主要な環境因子を改善し、沈水植物の回復を促進し、さらに富栄養化湖と河川生態系の回復と発展的な健康を加速させることを実現した。
第2、水位調節装置を採用したことにより、従来技術における水体の透明度が低い問題を効果的に解決し、ひいては水位の自動調節を容易にし、水体の透明度を高めることを実現した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例における多池湿地沈水植物の回復フローチャートである。
図2】本発明の実施例における水位調節装置の構造概略図である。
図3】本発明の実施例における位置決め調節装置の構造概略図である。
図4】本発明の実施例における泥-水界面酸化還元電位自動監視装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の実施例は、多池湿地沈水植物の回復方法を開示して、底泥の生息地を修復し、水体の透明性を高め、水体の溶存酸素を増加させ、沈水植物を定植するなどのステップにより、合理的な配置を通じて、黒臭底泥の生息地を改良すると同時に、沈水植物の成長に影響する主要な環境因子を改善し、沈水植物の回復を促進し、さらに富栄養化湖と河川生態系の回復と発展的な健康を加速させることを実現した。
【0019】
上記の技術案をより理解するために、以下に、明細書図面及び具体的な実施形態に関連して上記の発明を詳細に説明する。
【0020】
図1ー4をご参照すると、多池湿地沈水植物の回復方法を提供し、
ステップS1、底泥の生態環境を修復するために、下地改良材を池に均一に投入し、下地改良材被覆の厚みは5~10cmである。本願の実施例で用いた下地改良材の原料はいずれも環境に優しい材料であり、化学試薬を添加せず、安価で入手しやすい。
【0021】
下地改良材は、以下の質量分率の原料で作られたものである。
改質バイオ炭 60~70%
ゼオライト 10~20%
接着剤 20~30%
【0022】
下地改良材の製造方法は、以下の工程を含み、
第1、改質バイオ炭、ゼオライト及び接着剤を上記質量パーセントで均一に混合し、混合物質量の20%~25%の水を加え、混合物ペーストを24h硬化させた後、水に浸して養生し、持続時間は3日間であった。改質バイオ炭は、バイオ炭の表面に粘土を担持して得られる粘土/バイオ炭である。結合剤はポルトランドセメントである。
第2、(1)に養生した複合物を圧砕して篩分けし、粒径3~5mmの下地改良材を得た。
【0023】
改質バイオ炭の製造方法は、以下の工程を含み、
a)、モウソウチクを圧砕して2cm×2cm×2cmの粒子をに切って、脱イオン水で2~3回洗浄した後、60℃で乾燥し、持続時間は5h。
b)、乾燥したモウソウチク粒子を粘土懸濁液に加えて、かくはん機で攪拌してモウソウチク粒子?粘土混合物を得、攪拌時間は2時間であった。混合物を80℃で24時間乾燥した。粘土はモンモリロン石である。モウソウチク粒子と粘土の質量比は5:1である。
c)、そして乾燥後の混合物を雰囲気炉内に置いて炭化し、炭化温度は460℃であった。このうち、雰囲気炉内には保護ガスが通され、保護ガスは窒素ガスである。毎分15℃~30℃の昇温により温度を400℃~500℃まで上昇させ、滞留時間を2時間とし、粘土担持バイオ炭を得た。
d)、粘土担持バイオ炭を研磨し、0.5~1mmの粒度に篩い分ける。
【0024】
粘土には植物の成長に有益な定数要素と微量元素が多く含まれており、植物の成長を促進することができる。バイオ炭には有機物質が豊かに含まれており、植物の初期成長に栄養源を提供することができる。ゼオライトは多孔質の性質を備え、空気を放出して底層水体と表層底泥の酸化還元環境を改善し、植物の成長に有利な生息条件を提供することができる。下地改良材は底泥の窒素、リン栄養塩及び有機汚染物の放出を効果的に抑制でき、底泥の生態を改善でき、底生生物に良好な生態環境を提供できる。
【0025】
ステップS2、水の透明度を高め、水流の流速を緩めることによって、流速を緩めるとは後期に池に水を加える時、その流速を制御し、水の粒子の沈降を増加し、それによって水の透明度を高めることである。
【0026】
水位をコントロールする時、光補償深度は沈水植物が成長できるかどうかの臨界指数とすることができ、実際の水深≦光補償深度の時だけ、沈水植物は正常に発芽と成長することができ、これも生態工学における沈水植物回復の最低境界条件である。光補償深度は、水の透明度、水中の光の強度に直接関係している。水中の光照射強度と水深の関係は下記式のベールの法則で説明できる。
【0027】
【数1】
【0028】
式において、Iは水深h時の光照射強度であり、I水面の光照射強度であり、kは水体中の光の垂直減衰係数である。
【0029】
水生が確定である場合、透明度は光補償深度に影響する重要なパラメータであり、水体透明度は沈水植物の光補償深度の0.6~0.8倍に制御される。異なる沈水植物の光補償点データを結合し、一般的な沈水植物の水深制御パラメータは、金魚藻0.5~1.0m、ネジレモ0.5m~2.0m、クロモの水生は0.5m前後に制御されている。
【0030】
水に流入した粒子状物質が高い場合は、貯水ダムと導流施設を設置し、入水急流区に挺水植物を栽培することで滞留作用を果たし、水流の流速を緩め、水粒子の沈降速度を増加させ、透明度を高めることができる。栽培の初期には、多塘湿地の水位を下げることにより、光を水底に照射させるようにして、沈水植物の光合成に有利である。
【0031】
図2図3をご参照すると、水位調節装置1は支持プレート11、リール12、引きロープ13、カウンタウェイトリング14、コルゲート管15、排水管16及び位置決め調節機構17を含み、支持プレート11は池の上端面に架設され、リール12は支持プレート11の上端面に回動可能に取り付けられ、具体的は、支持プレート11に2つの固定ブロック121が間隔を置いて配置され、リール12の両端は2つの固定ブロック121内にそれぞれ挿着されており且つ固定ブロック121に回動嵌合され、固定ブロック121にボルト122が螺着され、ボルト122は固定ブロック121を貫通してリール12の周面に摺動嵌合され、リール12と固定ブロック121の接続箇所に、トーションばねが接続される。引きロープ13の一端はリール12の周面に固定され、引きロープ13の他端は支持プレート11を貫通してカウンタウェイトリング14に接続され、引きロープ13と支持プレート11は摺動嵌合される。カウンタウェイトリング14はコルゲート管15の上端面に固定される。排水管16の一端はコルゲート管15の下端に連通され、排水管16の他端は池を貫通して池の外側に延びる。
【0032】
位置決め調節機構17は、測定棒171、ポインタ172を含み、測定棒171の上端は、支持プレート11の上方に位置し、測定棒171の下端は、支持プレート11を貫通してカウンタウェイトリング14に螺着され、カウンタウェイトリング15の上端面にねじ穴が開設され、測定棒171の周面において且つ下端に近いところに、ねじ穴と嵌合する雄ねじが配置される。さらに、支持プレート11に貫通孔111が開設され、貫通孔111の孔壁に、複数のボール溝112が開設され、ボール溝112の数は少なくとも2つあり、ボール溝112内にボール18が回動可能に接続され、測定棒171は貫通孔111を貫通し、且つボール18は測定棒171の周面に転動嵌合されることで、支持棒に沿って測定棒171が動く際の摩擦力を低減させるようにする。ポインタ172は支持プレート11の上端に固定され、ポインタ172の一端は測定棒171の周面に貼り合わせられ、測定棒171とポインタ172の相対位置が変化することにより、現在の水位を測定することができる。
【0033】
池内の水位が上昇すると、支持プレート11は水位の上昇に伴って上昇し、リール12が回転して、引きロープ13を延長させ、支持プレート11はカウンタウェイトリング14から離れ、測定棒171とポインタ172の間に相対変位が発生し、水位を測定する。池の水位が上昇すると、余分な水はコルゲート管15を通って排出されるが、排出の速度には限りがあり、つまり水の流出には限りがある。豪雨や他の形の大量の水体の流入に合うと、支持プレート11は大幅に上昇し、その際に余分な水はコルゲート管15を通ってて排水管16から排出され、その後の水位降下に伴い、支持プレート11はカウンタウェイトリング14の作用下で元の位置に戻り、水位調節を完了する。本願実施形態における水位調節装置1は、水位の上限を設定することにより、水位を自由に制御することができる。
【0034】
ステップS3、水体中の溶存酸素を増加させるために、曝気装置2を用いて泥-水界面を曝気する。
【0035】
図4をご参照すると、曝気装置2は、ナノ・微細気泡曝気管21と、ルーツ式周波数変換送風機22と、酸化還元電位自動監視装置23と、プログラマブルロジックコントローラ24を含み、通常の曝気により水流の流速を増加させ、また底泥にも摂動があり、沈水植物の成長に影響し、水の透明度にも影響することを考慮した。そこで、本願の実施例はナノ・微細気泡曝気管21を用いて泥-水界面を曝気し、泥-水界面の溶存酸素(DO)のレベルを高め、さらに表層堆積物の酸化還元電位を高める。微細気泡曝気管21は池の底部に固定するように取り付けられ、池の底部に固定盤が固定するように取り付けられ、ナノ・微細気泡曝気管21は固定盤に巻き付けられて複数の同心且つ間隔を置いた環状曝気管を形成し、固定盤内に隣接する微細気泡曝気管21の間隔は3~5cmである。微細気泡曝気管21は、担持銀ゼオライトが含まれ、表面に抗菌剤と防藻剤を有する。ルーツ式周波数変換送風機22は池の外側に配置され、ルーツ式周波数変換送風機22と微細気泡曝気管21は長いゴムチューブを介して接続され、酸化還元電位自動監視装置23は上層水と底泥表層の間の位置に配置され、リアルタイムで泥-水断面の酸化還元電位の動的変化を検出する。酸化還元電位自動監視装置23はプログラマブルロジックコントローラ24を介してルーツ式周波数変換送風機22と電気的に接続され、リアルタイムでルーツ式周波数変換送風機22の曝気量を調節し、正確な曝気を実現し、そして泥-水断面の酸化還元電位を-100~-30mVの間に保持させる。本出願の実施例で採用された微細気泡曝気法は従来の曝気法と比較して、気泡の滞留時間が長く、酸素充填効率が高く、表層堆積物への干渉が小さく、曝気エネルギー消費が低いなどの利点がある。池の側壁に池内部と連通する表層底泥サンプリング管3が固定され、表層底泥サンプリング管3を通じて底泥を採集し、底泥の性質を分析し、池の養分と汚染状況を判断し、後続の作業に根拠を提供する。
【0036】
ステップS4、沈水植物を定植し、下地改良材を2~3d敷設した後、下地改良材の被覆領域に耐汚染性挺水植物及び沈水植物を栽培する。
【0037】
耐汚染性挺水植物は、ウリカワ、シマミソハギ、コナギの1つ以上の組み合わせである。耐汚染性沈水植物は、ネジレモ、クロモ、フサモ、ヒルムシロの1つ以上の組み合わせである。挺水植物と沈水植物の共同栽培により、底泥の窒素、リンなどの汚染を効果的に削減し、上層水体を浄化するだけでなく、植物が観賞性を備えているため河川の美化効果も期待できる。
【0038】
明らかに、当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願を種々の変更及び変形することができる。このように、本願のこれらの修正および変形が本願請求項およびその均等技術の範囲内に属する場合、本願もこれらの変更および変形を含むことを意図する。
【0039】
上述したのは、本願の実施形態の好適な具体的な実施形態にすぎないが、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本願が開示した技術範囲内において、本願の技術方案およびその構想に基づいて同等の置換または変更を加える当業者は、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0040】
水位調節装置;11、支持プレート;111、貫通孔;112、ボール溝;12、リール;121、固定ブロック;122、ボルト;13、引きロープ;14、カウンタウェイトリング;15、コルゲート管;16、排水管;17、位置決め調節機構;171、測定棒;172、ポインタ;18、ボール;2、曝気装置;21、微細気泡曝気管;22、ルーツ式周波数変換送風機;23、酸化還元電位自動監視装置;24、プログラマブルロジックコントローラ;3、表層底泥サンプリング管。
図1
図2
図3
図4