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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146691
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20241004BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20241004BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20241004BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L25/00 A
H01L25/08 Y
H01L23/12 F
H05K1/02 B
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130346
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0042652
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 治鉉
(72)【発明者】
【氏名】李 晟煥
(72)【発明者】
【氏名】郭 鉉想
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲ミン▼哲
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲尚▼鍾
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338BB12
5E338BB75
5E338CC01
5E338CD12
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】簡単な工程および低費用で製造可能なインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供する。
【解決手段】
本開示は、上面に複数の第1パッドが配置された基板と、封合材、上記封合材の上面に配置された複数の第2パッド、および上記封合材内に配置されて、上記複数の第2パッドの少なくとも一つとそれぞれ連結された複数の金属ワイヤを含み、上記基板の上側に配置された連結構造体と、を含み、上記複数の第1および第2パッドは、それぞれ上面の少なくとも一部が上記基板および上記封合材のそれぞれの上面から上側方向に露出する、プリント回路基板に関するものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に複数の第1パッドが配置された基板と、
封合材、前記封合材の上面に配置された複数の第2パッド、および前記封合材内に配置されて、前記複数の第2パッドの少なくとも一つとそれぞれ連結された複数の金属ワイヤを含み、前記基板の上側に配置された連結構造体と、を含み、
前記複数の第1パッドおよび前記複数の第2パッドは、それぞれ上面の少なくとも一部が前記基板および前記封合材のそれぞれの上面から上側方向に露出する、プリント回路基板。
【請求項2】
前記複数の金属ワイヤは、前記複数の第2パッドの少なくとも2つを互いに連結する第1金属ワイヤを含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1金属ワイヤを介して互いに連結される前記少なくとも2つの第2パッドは、それぞれ第1半導体チップおよび第2半導体チップと連結される半導体チップ実装用パッドである、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1金属ワイヤは、水平方向に所定の長さを有する第1-1ワイヤ部、前記第1-1ワイヤ部の一端から延びて前記複数の第2パッドのいずれか一つと連結された第1-2ワイヤ部、および前記第1-1ワイヤ部の他端から延びて前記複数の第2パッドのうち他のいずれか一つと連結された第1-3ワイヤ部を含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記基板上にまたは前記基板内には、一つ以上の第3パッドがさらに配置され、前記連結構造体は前記一つ以上の第3パッド上に配置される、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記複数の金属ワイヤは、前記複数の第2パッドの少なくとも一つを前記一つ以上の第3パッドの少なくとも一つと連結する第2金属ワイヤをさらに含む、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第2金属ワイヤと連結される前記少なくとも一つの第2パッドは、第1半導体チップおよび第2半導体チップの少なくとも一つと連結される半導体チップ実装用パッドである、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第2金属ワイヤは、垂直方向に所定の長さを有し、一端および他端がそれぞれ前記複数の第2パッドのいずれか一つおよび前記一つ以上の第3パッドのいずれか一つと連結された第2-1ワイヤ部を含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第2金属ワイヤは、水平方向に所定の長さを有する第3-1ワイヤ部、前記第3-1ワイヤ部の一端から延びて前記複数の第2パッドのいずれか一つと連結された第3-2ワイヤ部、および前記第3-1ワイヤ部の他端から延びて前記一つ以上の第3パッドのいずれか一つと連結された第3-3ワイヤ部を含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記基板の下面には、複数の第4パッドがさらに配置され、前記基板内には、前記一つ以上の第3パッドの少なくとも一つを前記複数の第4パッドの少なくとも一つと連結する一層以上の配線層および一層以上のビア層がさらに配置される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記基板は、前記基板の上面から前記基板の下面に向かって前記基板の一部を貫通するキャビティを有し、前記連結構造体は、前記封合材の他面が前記キャビティの底面に付着するように前記キャビティ内に配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記連結構造体は、前記複数の第2パッドのそれぞれの上面の少なくとも一部が前記基板の上面から露出するように前記基板の上側に内蔵されて配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記基板上に配置され、前記複数の第1パッドおよび前記複数の第2パッドのそれぞれの少なくとも一部と連結された第1半導体チップと、
前記基板上に配置され、前記複数の第1パッドおよび前記複数の第2パッドのそれぞれの他の少なくとも一部と連結された第2半導体チップと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記複数の金属ワイヤは金(Au)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
基板と、
前記基板の最外側に配置され、複数の金属ワイヤを含み、前記複数の金属ワイヤの少なくとも一つが複数の半導体チップを互いにインターコネクトする信号ラインを含む連結構造体と、を含む、プリント回路基板。
【請求項16】
前記基板上に配置された前記複数の半導体チップをさらに含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記少なくとも一つの金属ワイヤは、連続的に所定の長さを有し、少なくとも一つの地点でベンディングする、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板、例えば複数の半導体チップをインターコネクトするための連結構造体が内蔵されたプリント回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サーバ製品のCPU、GPUのコア数が急激に増加することによって、効果的にコア数を増加させることができるダイスプリット技術が普遍化している。また、HBM(High Bandwidth Memory)を含むパッケージの要求が増加するにつれて、ダイツーダイを微細回路の線幅で連結する技術が求められている。このような技術要求を満たすために、シリコンブリッジを埋め込む技術、シリコンインターポーザを利用する技術などが開発されたが、価格問題や複雑な組立工程などで商品化に限界がある。例えば、シリコンブリッジを埋め込む技術は、複数個のダイを連結する場合、各シリコンブリッジの整合が異なるため、整合性(alignment)の問題が発生する可能性があり、ダイが実装する基板のフロント面にアンジュレーションが発生して、パッケージングの歩留まりに問題が発生する可能性がある。また、シリコンインターポーザを利用する技術は高価であり、これを製造する工程が複雑であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、簡単な工程で製造可能なインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本開示の様々な目的のもう一つは、低費用で製造可能なインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示を通じて提案するいくつかの解決手段の一つは、金属ワイヤを用いてダイツーダイインターコネクトのための連結構造体を製造し、これを基板の上側に配置してインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供することである。
【0006】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、上面に複数の第1パッドが配置された基板と、封合材、上記封合材の上面に配置された複数の第2パッド、および上記封合材内に配置されて上記複数の第2パッドの少なくとも一つとそれぞれ連結された複数の金属ワイヤを含み、上記基板の上側に配置された連結構造体と、を含み、上記複数の第1パッドおよび上記複数の第2パッドは、それぞれ上面の少なくとも一部が上記基板および上記封合材のそれぞれの上面から上側方向に露出するものであることができる。
【0007】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、基板と、上記基板の最外側に配置され、複数の金属ワイヤを含み、上記複数の金属ワイヤの少なくとも一つが複数の半導体チップを互いにインターコネクトする信号ラインを含む連結構造体と、を含むものであることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な効果の一つとして、簡単な工程で製造可能なインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
本開示の様々な効果のもう一つとして、低費用で製造可能なインターコネクト機能を有するプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3】BGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図4】シリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図5】有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図6】連結構造体の一例を概略的に示した斜視図である。
図7】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
図8図7のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
図9a図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9b図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9c図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9d図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9e図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9f図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9g図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図10】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
図11図10のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
図12】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図13図12のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
図14】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図15図14のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
図16】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図17図16のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
図18】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図19図18のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状および大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0012】
〔電子機器〕
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、およびその他の部品1040などが物理的および/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、およびそれ以降のものとして指定された任意の他の無線および有線プロトコルが含まれるが、これに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020および/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的および/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0019】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的および/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130および/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的および/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品および/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品および/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0021】
〔インターポーザを含む半導体パッケージ〕
一般的に、半導体チップは多数の微細電気回路が集積されているが、それ自体としては半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的または化学的衝撃によって損傷する可能性が存在する。そして、半導体チップ自体をそのまま用いずに、半導体チップをパッケージングしてパッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0022】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点からみるとき、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅に差があるだめである。具体的には、半導体チップの場合、接続パッドのサイズと接続パッドとの間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードの場合、部品実装パッドのサイズおよび部品実装パッドの間隔が半導体チップのスケールよりもはるかに大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上に直接装着することは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和させることができるパッケージング技術が要求される。
【0023】
以下では、図面を参照して、このようなパッケージング技術で製造されるインターポーザを含む半導体パッケージについてより詳細に調べる。
【0024】
図3は、BGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0025】
半導体チップのうち、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:Graphics Processing Unit)などのアプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)は、一つのチップの価格が非常に高いため、高い歩留まりでパッケージングを行うことが非常に重要である。この目的のために、半導体チップの実装前に数千から数十万個の接続パッドを再配線することができるボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)基板2210などを先に用意し、GPU2220などの高価の半導体チップを後続的にBGA基板2210上に表面実装技術(SMT:Surface Mounting Technology)などで実装およびパッケージングし、その後、最終的にメインボード2110上に実装している。
【0026】
一方、GPU2220の場合、高帯域幅メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などのメモリ(Memory)との信号経路を最小化することが必要であり、このために、HBM2240などの半導体チップをインターポーザ2230上に実装した後にパッケージングし、これをGPU2220が実装されたパッケージ上にパッケージオンパッケージ(POP:Package on Package)形態で積層して用いられている。但し、この場合、装置の厚さが非常に厚くなるという問題があり、信号経路も最小化するには限界がある。
【0027】
図4は、シリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0028】
上述した問題点を解決するための方案として、シリコンインターポーザ2250上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップを並べて(Side-by-Side)表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術で有機インターポーザを含む半導体パッケージ2310を製造することを考慮することができる。この場合、インターポーザ2250を介して数千から数十万個の接続パッドを有するGPU2220およびHBM2240を再配線することもでき、これらを最小限の経路で電気的に連結することができる。また、このような有機インターポーザを含む半導体パッケージ2310を再びBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。
【0029】
但し、シリコンインターポーザ2250の場合、シリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)などの形成が非常に厳しいだけでなく、製造費用もかなり高いため、大面積化および低コスト化に不利である。
【0030】
図5は、有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0031】
上述した問題点を解決するための方案として、シリコンインターポーザ2250の代わりに有機インターポーザ2260を用いることを考慮することができる。例えば、有機インターポーザ2260上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップを並べて表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術で有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320を製造することを考慮することができる。この場合、インターポーザ2260を介して数千から数十万個の接続パッドを有するGPU2220およびHBM2240を再配線することもでき、これらを最小限の経路で電気的に連結することができる。また、このような有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320を再びBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。また、大面積化および低コスト化に有利である。
【0032】
但し、有機インターポーザ2260を用いる場合にも、有機インターポーザ2260に半導体チップ2220、2240を実装し、これを再びBGA基板2210に実装する必要があるため、工程が多少複雑である可能性があり、パッケージングの歩留まりが低下するおそれがある。
【0033】
〔連結構造体を含むプリント回路基板〕
図6は、連結構造体の一例を概略的に示した斜視図であり、図7は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【0034】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、基板110-1および基板110-1の上側に配置された連結構造体(Interconnect Structure)120-1を含む。例えば、基板110-1は、上面から下面に向かって基板110-1の一部を貫通するキャビティCを有することができ、連結構造体120-1はキャビティC内に配置されることができる。連結構造体120-1は、封合材121と複数の第2パッド122と複数の金属ワイヤ124を含むことができる。基板110-1の上面には複数の第1パッド112が埋め込まれて配置されることができ、基板110-1の上面上に複数の第1パッド112が突出して配置されることもできる。封合材121の上面には複数の第2パッド122が埋め込まれて配置されることができ、封合材121の上面上に複数の第2パッド122が突出して配置されることもできる。複数の第1および第2パッド112、122は、それぞれ上面の少なくとも一部が基板110-1および封合材121のそれぞれの上面から上側方向に露出することができる。したがって、複数の半導体チップが複数の第1および第2パッド112、122上に実装配置されることができ、連結構造体120-1を介して信号的に互いにインターコネクトすることができる。また、後述するように比較的簡単な工程で連結構造体120-1を製造することができ、さらに材料費低減によって低費用製作を可能とすることができる。
【0035】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0036】
基板110-1は、有機基板またはシリコン基板であることができ、好ましくは有機基板であることができる。有機基板は、コアタイプのプリント回路基板、コアレスタイプのプリント回路基板などであることができるが、これに限定されるものではない。有機基板は、リジッドプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、リジッド-フレキシブルプリント回路基板などの様々な形態を有することができる。有機基板は、複数の絶縁層、複数の絶縁層の上にまたは複数の絶縁層内にそれぞれ配置される複数の配線層、複数の絶縁層の少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数のビア層を含むことができる。有機基板は、複数の絶縁層の最外側に配置されるソルダーレジスト層をさらに含むことができる。
【0037】
複数の絶縁層はそれぞれ絶縁物質を含むことができる。絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。複数の絶縁層は互いに境界が区分されることができ、必要に応じて境界が区分されなくてもよい。例えば、互いに実質的に同一の絶縁物質を含む絶縁層は境界が曖昧であることがあるが、互いに異なる絶縁物質を含む絶縁層は境界がより容易に区分されることができる。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、絶縁物質とは関係なく境界が明確である場合もある。
【0038】
複数の配線層はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。複数の配線層は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)と電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。複数の配線層は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターンおよび/またはパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0039】
複数のビア層はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。複数のビア層は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)および電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。複数のビア層は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。複数のビア層のそれぞれのビアは、ビアホールが金属物質で充填されたフィールドタイプであることができるが、これに限定されず、ビアホールの壁面に沿って金属物質が配置されたコンフォーマルタイプであることもできる。複数のビア層のそれぞれのビアは、円柱、砂時計、テーパなどの様々な形態を有することができる。
【0040】
ソルダーレジスト層は、基板110-1の内部構成要素を保護することができる。ソルダーレジスト層の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができるが、このとき、絶縁物質としてはソルダーレジスト(Solder Resist)が用いられることができる。但し、これに限定されるものではなく、ABFなどが用いられることもできる。
【0041】
複数の第1パッド112は、基板110-1の上面に配置されることができ、例えば、基板110-1の上面に埋め込まれて配置されたり、または基板110-1の上面上に突出して配置されることができる。複数の第1パッド112は、半導体チップ実装用パッドであることができる。複数の第1パッド112は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの金属物質を含むことができる。複数の第1パッド112は、無電解めっき層(または化学銅)と電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。複数の第1パッド112は、グランド用パッド、パワー用パッド、信号用パッドなどを含むことができる。
【0042】
連結構造体120-1は、複数の半導体チップ間のインターコネクト、例えばダイツーダイインターコネクトのためのブリッジであることができる。連結構造体120-1は、封合材121、封合材121の上面に配置された複数の第2パッド122、および封合材121内に配置され、複数の第2パッド122の少なくとも一つとそれぞれ連結された複数の金属ワイヤ124を含むことができる。連結構造体120-1は、基板110-1のキャビティCの底面に封合材121の下面が付着されるようにキャビティC内に配置されることができる。必要に応じて、連結構造体120-1は接着剤などを用いて付着されることができる。
【0043】
封合材121は、連結構造体120-1の絶縁本体を提供することができる。封合材121は、複数の金属ワイヤ124を保護することができる。封合材121は絶縁物質を含むことができ、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料などを含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、ABF、EMC(Epoxy Molding Compound)などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0044】
複数の第2パッド122は、封合材121の上面に配置されることができ、例えば封合材121の上面に埋め込まれて配置されたり、または封合材121の上面上に突出して配置されることができる。複数の第2パッド122は、半導体チップ実装用パッドであることができる。複数の第2パッド122は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの金属物質を含むことができる。複数の第2パッド122は、無電解めっき層(または化学銅)と電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。複数の第2パッド122は信号用パッドを含むことができる。
【0045】
複数の金属ワイヤ124は封合材121内に配置されることができる。複数の金属ワイヤ124は金属物質を含むことができ、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)などを含むことができる。複数の金属ワイヤ124は、好ましくは金(Au)を含むことができ、この場合、例えば金ワイヤ(Gold Wire)が用いられることができる。金ワイヤは電流の流れに優れ、化学的に安定して腐食に強い。また、金ワイヤは硬度が適当であり、必要に応じて1次ボンディング時にボールが容易に形成されることができ、必要に応じて2次ボンディング時に半円状のループが適宜形成されることができる。複数の金属ワイヤ124は、別途のビアなしにもベンディングして、様々な形態でネットツーネット連結が可能なワイヤ形態であることができる。例えば、複数の金属ワイヤ124は、ワイヤボンディングに用いられる様々な形態の金属ワイヤを含むことができる。このような金属ワイヤは、例えば連続的に所定の長さを有することができ、少なくとも一つの地点、例えば必要な位置でベンディングすることができる。
【0046】
複数の金属ワイヤ124は、複数の第2パッド122の少なくとも一つとそれぞれ連結されることができる。例えば、複数の金属ワイヤ124は、複数の第2パッド122の少なくとも2つ122-1、122-2を互いに連結する第1金属ワイヤ124を含むことができる。例えば、第1金属ワイヤ124は、水平方向に所定の長さを有する第1-1ワイヤ部124-1、第1-1ワイヤ部124-1の一端から延びて複数の第2パッド122のいずれか一つ122-1と連結された第1-2ワイヤ部124-2、および第1-1ワイヤ部124-1の他端から延びて複数の第2パッド122のうち他のいずれか一つ122-2と連結された第1-3ワイヤ部124-3を含むことができる。第1金属ワイヤ124を介して互いに連結される複数の第2パッド122の少なくとも2つ122-1、122-2は、それぞれ第1および第2半導体チップと連結される半導体チップ実装用パッドであることができる。例えば、複数の金属ワイヤ124の少なくとも一つは、複数の半導体チップを互いにインターコネクトする、例えばダイツーダイインターコネクト用信号ラインを含むことができる。
【0047】
図8は、図7のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0048】
図面を参照すると、変形例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、基板110-1上に配置され、複数の第1および第2パッド112、122のそれぞれの少なくとも一部と連結された第1半導体チップ131、および基板110-1上に配置され、複数の第1および第2パッド112、122のそれぞれの他の少なくとも一部と連結された第2半導体チップ132をさらに含むことができる。第1および第2半導体チップ131、132は、それぞれ第1および第2接続部材141、142を介して複数の第1および第2パッド112、122と連結されることができる。必要に応じて、基板110-1の下側に複数の電気連結金属150がさらに配置されることができる。例えば、変形例に係るプリント回路基板100Bは、上述したプリント回路基板100Aを含む半導体パッケージ構造を有することができる。
【0049】
第1および第2半導体チップ131、132は、それぞれ数百~数百万個以上の素子が1つのチップ内に集積化している集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)を含むことができる。このとき、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであることができるが、これに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、またはPMIC(Power Management IC)などのように異なる種類であることもできる。例えば、第1半導体チップ131はGPUなどのロジックチップを含むことができ、第2半導体チップ132、133はHBMなどのメモリチップを含むことができる。
【0050】
第1および第2半導体チップ131、132は、それぞれアクティブウエハーをベースに形成されたものであることができ、この場合、それぞれの本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体には、様々な回路が形成されていることができる。各本体には、接続パッドが形成されることができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。第1および第2半導体チップ131、132はそれぞれベアダイ(bare die)であることができ、この場合、接続パッド上には金属バンプが配置されることができる。第1および第2半導体チップ131、132は、それぞれパッケージングダイ(packaged die)であることもでき、この場合、接続パッド上にさらに再配線層が形成され、再配線層上に金属バンプが配置されることができる。
【0051】
第1および第2半導体チップ131、132は、第1および第2接続部材141、142を介して基板110-1および連結構造体120-1上に実装することができる。第1および第2接続部材141、142は、それぞれ低融点金属、例えば、スズ(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などのソルダーなどで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。第1および第2接続部材141、142は、それぞれボールであることができる。第1および第2接続部材141、142は、それぞれ多重層または単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には、銅柱およびソルダーを含むことができ、単一層で形成される場合には、スズ-銀ソルダーや銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0052】
複数の電気連結金属150は、プリント回路基板100Bを電子機器のメインボードや他の基板などに連結させるための構成である。複数の電気連結金属150は、基板110-1の最下層の配線層の少なくとも一部とそれぞれ連結されることができる。必要に応じて、複数の電気連結金属150は複数のアンダーバンプ金属を介してそれぞれ配置されることができる。複数の電気連結金属150は、導電性物質、例えばソルダーなどで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。複数の電気連結金属150は、それぞれボール、ピンなどであることができる。複数の電気連結金属150は、それぞれ多重層または単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には銅柱およびソルダーを含むことができ、単一層で形成される場合にはスズ-銀ソルダーや銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0053】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aと同一であり、これに対する重複する説明は省略する。
【0054】
図9a~図9gは、図7および図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0055】
図9aを参照すると、キャリア210を用意する。キャリア210はガラスキャリアであることができるが、材質が特にガラスに限定されるものではない。
【0056】
図9bを参照すると、キャリア210上に複数の第2パッド122を形成する。複数の第2パッド122はめっき工程で形成することができる。例えば、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。
【0057】
図9cを参照すると、複数の第2パッド122と連結される複数の金属ワイヤ124を形成する。複数の金属ワイヤ124は、ワイヤボンディング技術を用いて形成することができる。例えば、金ワイヤボンディング技術が適用されることができる。この場合、ビルドアップ工程が不要であるため、材料費低減により低費用で製作が可能である。また、製造工程を単純化しながらもダイツーダイインターコネクトのための信号ラインの実現が可能である。
【0058】
図9dを参照すると、複数の第2パッド122と複数の金属ワイヤ124とを封合材121を用いて封合(encapsulation)する。このような比較的簡単な工程によって、キャリア210上に上述した連結構造体120-1が製造されることができる。
【0059】
図9eを参照すると、キャリア210を除去する。例えば、連結構造体120-1からキャリア210をデタッチすることができる。
【0060】
図9fを参照すると、キャビティCが形成された基板110-1を用意し、基板110-1のキャビティCに連結構造体120-1を配置する。例えば、連結構造体120-1をキャビティCの底面に付着する。より具体的には、封合材121の裏面をキャビティCの底面に付着する。必要に応じて、接着剤を用いることができる。一連の過程を介して、上述した一例に係るプリント回路基板100Aが製造されることができる。
【0061】
図9gを参照すると、基板110-1および連結構造体120-1上に第1および第2接続部材141、142を用いて第1および第2半導体チップ131、132を実装する。例えば、ソルダーボール付着およびリフロー工程等により、複数の第1および第2パッド112、122と第1および第2半導体チップ131、132を連結することができる。また、必要に応じてソルダーボール付着およびリフロー工程等により基板110-1の下側に複数の電気連結金属150を形成する。一連の過程を介して、上述した変形例に係るプリント回路基板100Bが製造されることができる。
【0062】
その他の内容、例えば、上述した一例に係るプリント回路基板100Aと変形例に係るプリント回路基板100Bで説明した内容は矛盾しない限り、これ以外にも適用されることができ、これに対する重複する内容の説明は省略する。
【0063】
図10は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図であり、図11は、図10のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0064】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Cおよびその変形例に係るプリント回路基板100Dは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bにおいて、基板110-2上にまたは基板110-2内に、例えばキャビティCの底面上にまたはキャビティCの底面内に一つ以上の第3パッド114がさらに配置されることができ、連結構造体120-2が一つ以上の第3パッド114上に配置されることができる。複数の金属ワイヤ124、125は、複数の第2パッド122の少なくとも一つ122-3を一つ以上の第3パッド114の少なくとも一つと連結する第2金属ワイヤ125をさらに含むことができる。第2金属ワイヤ125と連結される少なくとも一つの第2パッド122-3は、第1および/または第2半導体チップ131、132と連結される半導体チップ実装用パッドであることができる。第2金属ワイヤ125は、垂直方向に所定の長さを有することができ、一端および他端がそれぞれ複数の第2パッド122のいずれか一つ122-3および一つ以上の第3パッド114のいずれか一つと連結された第2-1ワイヤ部125-1を含むことができる。基板110-2の下面には、複数の第4パッド116がさらに配置されることができ、基板110-2内には、一つ以上の第3パッド114の少なくとも一つを複数の第4パッド116の少なくとも一つと連結する一層以上の配線層118および一層以上のビア層119がさらに配置されることができる。このように、連結構造体120-2は変形された形態を有することができ、基板110-2と直接電気的に連結されることができる。
【0065】
一方、一つ以上の第3パッド114は、封合材121の下側に埋め込まれることができるが、これに限定されるものではない。例えば、封合材121が一つ以上の第3パッド114上に付着されることもできる。すなわち、配置関係は多様に変更されることができる。また、一つ以上の第3パッド114と第2金属ワイヤ125の連結形態は特に限定されず、例えば直接連結されることもでき、または導電性接着剤を用いて連結されることもできる。例えば、様々な形態で連結されることができる。
【0066】
一方、一つ以上の第3パッド114および複数の第4パッド116に対するより具体的な内容は、上述した複数の第1パッド112で説明した内容を適用することができる。また、一層以上の配線層118と一層以上のビア層119に対する具体的な内容は、上述した複数の配線層および複数のビア層で説明した内容を適用することができる。
【0067】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0068】
図12は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図であり、図13は、図12のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0069】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Eおよびその変形例に係るプリント回路基板100Fは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bにおいて、基板110-3上にまたは基板110-3内に、例えばキャビティCの底面上にまたはキャビティCの底面内に一つ以上の第3パッド114がさらに配置されることができ、連結構造体120-3が一つ以上の第3パッド114上に配置されることができる。複数の金属ワイヤ124、126は、複数の第2パッド122の少なくとも一つ122-3を一つ以上の第3パッド114の少なくとも一つと連結する第3金属ワイヤ126をさらに含むことができる。第3金属ワイヤ126と連結される少なくとも一つの第2パッド122-3は、第1半導体チップ131と連結される半導体チップ実装用パッドであることができる。第3金属ワイヤ126は、水平方向に所定の長さを有する第3-1ワイヤ部126-1、上記第3-1ワイヤ部126-1の一端から延びて複数の第2パッド122のいずれか一つ122-3と連結された第3-2ワイヤ部126-2、および第3-1ワイヤ部126-1の他端から延びて一つ以上の第3パッド114のいずれか一つと連結された第3-3ワイヤ部126-3を含むことができる。基板110-3の下面には複数の第4パッド116がさらに配置されることができ、基板110-3内には一つ以上の第3パッド114の少なくとも一つを複数の第4パッド116の少なくとも一つと連結する一層以上の配線層118および一層以上のビア層119がさらに配置されることができる。このように、連結構造体120-3は変形された形態を有することができ、基板110-3と直接電気的に連結されることができる。
【0070】
一方、一つ以上の第3パッド114は、封合材121の下側に埋め込まれることができるが、これに限定されるものではない。例えば、封合材121が一つ以上の第3パッド114上に付着されることもできる。すなわち、配置関係は多様に変更されることができる。また、一つ以上の第3パッド114と第2金属ワイヤ125の連結形態は特に限定されず、例えば直接連結されることもでき、または導電性接着剤を用いて連結されることもできる。例えば、様々な形態で連結されることができる。
【0071】
一方、一つ以上の第3パッド114および複数の第4パッド116に対する具体的な内容は、上述した複数の第1パッド112で説明した内容を適用することができる。なお、一層以上の配線層118と一層以上のビア層119に対する具体的な内容は、上述した複数の配線層および複数のビア層で説明した内容を適用することができる。
【0072】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0073】
図14は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図であり、図15は、図14のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0074】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Gおよびその変形例に係るプリント回路基板100Hは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bにおいて、連結構造体120-1が複数の第2パッド122の上面の少なくとも一部が基板110-1の上面から露出するように基板110-1の上側に内蔵されて配置されることができる。例えば、基板110-1の最外側に連結構造体120-1が内蔵されて配置されることができる。
【0075】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aおよびその変形例に係るプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0076】
図16は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図であり、図17は、図16のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0077】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Iおよびその変形例に係るプリント回路基板100Jは、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Cおよびその変形例に係るプリント回路基板100Dにおいて、連結構造体120-2が複数の第2パッド122の上面の少なくとも一部が基板110-2の上面から露出するように基板110-2の上側に内蔵されて配置されることができる。例えば、基板110-2の最外側に連結構造体120-2が内蔵されて配置されることができる。
【0078】
その他の説明は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Cおよびその変形例に係るプリント回路基板100Dで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0079】
図18は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図であり、図19は、図18のプリント回路基板の変形例を概略的に示した断面図である。
【0080】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Kおよびその変形例に係るプリント回路基板100Lは、上述したまた他の一例に係るプリント回路基板100Eおよびその変形例に係るプリント回路基板100Fにおいて、連結構造体120-3が複数の第2パッド122の上面の少なくとも一部が基板110-3の上面から露出するように基板110-3の上側に内蔵されて配置されることができる。例えば、基板110-3の最外側に連結構造体120-3が内蔵されて配置されることができる。
【0081】
その他の説明は、上述したまた他の一例に係るプリント回路基板100Eおよびその変形例に係るプリント回路基板100Fで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0082】
本開示において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断したときの形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューで見たときの平面形状であることができる。
【0083】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に有機インターポーザを含む半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向に用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこの方向に対する記載によって特に限定されるものではない。
【0084】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序および/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0085】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0086】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0087】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
2110 メインボード
2210 BGA基板
2220、2240 半導体チップ
2230 インターポーザ
2250 シリコンインターポーザ
2260 有機インターポーザ
2310、2320 インターポーザを含む半導体パッケージ
100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L プリント回路基板
110-1、110-2、110-3 基板
112、114、116 パッド
118 配線層
119 ビア層
120-1、120-2、120-3 連結構造体
121 封合材
122 パッド
124、125、126 金属ワイヤ
124-1、124-2、124-3、125-1、126-1、126-2、126-3 ワイヤ部
210 キャリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19