(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001467
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】シート回転装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/14 20060101AFI20231227BHJP
A47C 3/18 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B60N2/14
A47C3/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100142
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊東 定夫
【テーマコード(参考)】
3B087
3B091
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA08
3B087BB10
3B087BC19
3B087DE08
3B091EA00
3B091EC03
(57)【要約】
【課題】配置の自由度を高めることが可能なシート回転装置を提供すること。
【解決手段】シート回転装置10は、ベースプレート100と、回転プレート200と、連結ユニット300と、ロックユニット500と、を備える。回転プレートは、ストライカ250を有する。ロックユニット500は、ロック装置510と、ロック装置とは別部材で構成されたリリースアクチュエータ520と、伝達部530と、検出装置と、を有する。ロック装置510は、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能なフック511を含む。リリースアクチュエータ520は、初期位置とリリース位置との間で移動可能なアクチュエータレバー521を含む。伝達部530は、アクチュエータレバーが初期位置からリリース位置に移動したときに、フックをロック位置からアンロック位置に移動させるとともに検出装置をオンにする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体が車両の前方を向く着座位置と前記シート本体が前記車両のドアの開口部を向く乗降位置との間で前記シート本体を回転させることが可能なシート回転装置であって、
前記車両のフロアに固定されるベースプレートと、
前記シート本体に対して相対回転しないように前記シート本体の下面に固定される回転プレートと、
前記ベースプレートに対して前記回転プレートが前記着座位置と前記乗降位置との間で回転可能となるように前記ベースプレートと前記回転プレートとを連結する連結ユニットと、
前記回転プレートを前記着座位置でロックするロックユニットと、を備え、
前記回転プレートは、前記ロックユニットに保持されるストライカを有し、
前記ロックユニットは、
前記ストライカをロックすることが可能なロック装置と、
前記ロック装置とは別部材で構成されており、前記ロック装置による前記ストライカのロックを解除するためのリリースアクチュエータと、
前記リリースアクチュエータの出力を前記ロック装置に伝達する伝達部と、
前記ロック装置による前記ストライカのロック状態を検出可能な検出装置と、を有し、
前記ロック装置は、前記ベースプレートが前記着座位置に位置する状態において前記ストライカを保持するロック位置と、前記ストライカの離脱を許容するアンロック位置と、の間で移動可能なフックを含み、
前記リリースアクチュエータは、初期位置とリリース位置との間で移動可能なアクチュエータレバーを含み、
前記伝達部は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記リリース位置に移動したときに、前記フックを前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させるとともに前記検出装置をオンにする、シート回転装置。
【請求項2】
前記伝達部は、
前記アクチュエータレバーに連結された第1リンクと、
前記ロック装置に連結されており、前記フックを前記ロック位置及び前記アンロック位置間で移動させることが可能な第2リンクと、
前記第1リンクと前記第2リンクとに接続されたリンク部材と、を有し、
前記リンク部材は、
前記第1リンクに接続されており、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記リリース位置に移動したときに前記第1リンクに押圧される第1接続部と、
前記第2リンクに接続されており、前記第1リンクにより前記第1接続部が押圧されたときに前記第2リンクを引っ張ることによって前記フックが前記ロック位置から前記アンロック位置に移動するのを許容する第2接続部と、
前記検出装置を駆動するカム部と、を有する、請求項1に記載のシート回転装置。
【請求項3】
前記リンク部材は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置に向かうように前記第1リンクを付勢する付勢部材をさらに有する、請求項2記載のシート回転装置。
【請求項4】
前記リンク部材は、
前記第1接続部を含む第1リンク要素と、
前記第2接続部及び前記カム部を含み、前記第1リンク要素に対して相対回転可能な第2リンク要素と、を有し、
前記第1リンク要素は、前記第1リンクにより前記第1接続部が押圧されたときに前記第2リンク要素を押圧する押圧部を有し、
前記第2リンク要素は、前記押圧部に押圧される被押圧部を有する、請求項2又は3に記載のシート回転装置。
【請求項5】
前記リンク部材は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記初期位置と前記リリース位置との間に設定された調整位置に移動するまでは前記第2リンクを引っ張ることなく、前記アクチュエータレバーが前記調整位置から前記リリース位置に向かって移動するときに前記第2リンクを引っ張るように構成されている、請求項2又は3に記載のシート回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート本体を着座位置と乗降位置との間で回転させることが可能な回転シートが知られている。例えば、特開2020-147186号公報(以下、「特許文献1」と表記する。)には、回転不能な固定部材と、シート本体と、シート本体を支持する回転部材と、固定部材と回転部材との間に設置された四節リンク機構と、を備える回転シートが開示されている。四節リンク機構は、2つのリンクを有している。各リンクの一端側は、固定部材に回動可能な状態で連結されており、各リンクの他端側は、回転部材に回動可能な状態で連結されている。四節リンク機構の動作により、シート本体と回転部材とが固定部材に対して回転中心を移動させながら回転する。
【0003】
特許文献1に記載されるような回転シートでは、シート本体が着座位置に位置する状態において回転部材をロックすることが求められることがある。そこで、例えば、特許第6610177号公報(以下、「特許文献2」と表記する。)に記載される車両シートのロック装置を、特許文献1に記載される回転シートにおける回転部材と固定部材とに適用することが考えられる。このロック装置は、ロック装置本体と、電動アクチュエータと、を備えている。ロック装置本体は、第1ハウジングと、フォークと、ポールと、を含んでおり、電動アクチュエータは、第2ハウジングと、モータと、を含んでいる。第2ハウジングは、第1ハウジングと直交する姿勢で第1ハウジングに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-147186号公報
【特許文献2】特許第6610177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のロック装置では、第1ハウジングに対して第2ハウジングが直交しており、かつ、ロック装置本体及び電動アクチュエータが一体的に構成されているため、配置の自由度が低い。
【0006】
本発明の目的は、配置の自由度を高めることが可能なシート回転装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一局面に従ったシート回転装置は、シート本体が車両の前方を向く着座位置と前記シート本体が前記車両のドアの開口部を向く乗降位置との間で前記シート本体を回転させることが可能なシート回転装置であって、前記車両のフロアに固定されるベースプレートと、前記シート本体に対して相対回転しないように前記シート本体の下面に固定される回転プレートと、前記ベースプレートに対して前記回転プレートが前記着座位置と前記乗降位置との間で回転可能となるように前記ベースプレートと前記回転プレートとを連結する連結ユニットと、前記回転プレートを前記着座位置でロックするロックユニットと、を備え、前記回転プレートは、前記ロックユニットに保持されるストライカを有し、前記ロックユニットは、前記ストライカをロックすることが可能なロック装置と、前記ロック装置とは別部材で構成されており、前記ロック装置による前記ストライカのロックを解除するためのリリースアクチュエータと、前記リリースアクチュエータの出力を前記ロック装置に伝達する伝達部と、前記ロック装置による前記ストライカのロック状態を検出可能な検出装置と、を有し、前記ロック装置は、前記ベースプレートが前記着座位置に位置する状態において前記ストライカを保持するロック位置と、前記ストライカの離脱を許容するアンロック位置と、の間で移動可能なフックを含み、前記リリースアクチュエータは、初期位置とリリース位置との間で移動可能なアクチュエータレバーを含み、前記伝達部は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記リリース位置に移動したときに、前記フックを前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させるとともに前記検出装置をオンにする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、配置の自由度を高めることが可能なシート回転装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】着座位置における回転シートの斜視図である。
【
図2】乗降位置における回転シートの斜視図である。
【
図3】着座位置における、本発明の第1実施形態におけるシート回転装置の斜視図である。
【
図4】乗降位置におけるシート回転装置の斜視図である。
【
図6】着座位置及び乗降位置における、ベースプレート、回転プレート及び連結ユニットの位置関係を示す図である。
【
図9】アクチュエータレバーが初期位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図10】アクチュエータレバーが調整位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図11】アクチュエータレバーがリリース位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図12】アクチュエータレバーがフルストローク位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図13】アクチュエータレバーがリリース位置から初期位置に復帰したときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図14】本発明の第2実施形態におけるシート回転装置のロックユニットの斜視図である。
【
図15】
図14に示されるロックユニットの分解斜視図である。
【
図16】アクチュエータレバーが初期位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図17】アクチュエータレバーがリリース位置ないしフルストローク位置に位置するときのロックユニットを概略的に示す図である。
【
図18】アクチュエータレバーがリリース位置ないしフルストローク位置から初期位置に復帰したときのロックユニットを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で参照する図面では、同一又はそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、着座位置における回転シートの斜視図である。
図2は、乗降位置における回転シートの斜視図である。この回転シート1は、乗り物用シート、特に、車両用シートとして機能する。
【0012】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の回転シート1は、シート本体2と、シート回転装置10と、を備えている。
【0013】
シート本体2は、シートクッション2aと、シートバック2bと、を有している。シートクッション2aは、座部を構成する。シートバック2bは、シートクッション2aに着座した乗員の背部を支持する。シート本体2は、車両のフロアFL上に配置される。
【0014】
フロアFLには、シート本体2をフロアFLに対して車両の前後方向にスライドさせる一対のシートスライダ3が取り付けられている。一対のシートスライダ3は、車両の幅方向に間隔を置いて配置されている。各シートスライダ3は、ロアレール3aと、アッパーレール3bと、を有している。
【0015】
ロアレール3aは、車両の前後方向と平行となる姿勢でフロアFLに固定されている。アッパーレール3bは、ロアレール3aに対して車両の前後方向(ロアレール3aの長手方向)に相対変位可能である。
【0016】
シート回転装置10は、着座位置(
図1に示される位置)と乗降位置(
図2に示される位置)との間でシート本体2を回転させることが可能である。着座位置は、シート本体2が車両の前方を向く位置である。乗降位置は、シート本体2が車両のドアの開口部を向く位置である。シート回転装置10は、シート本体2の下面に固定されている。
【0017】
図3は、着座位置における、本発明の第1実施形態におけるシート回転装置の斜視図である。
図4は、乗降位置におけるシート回転装置の斜視図である。
図5は、シート回転装置の分解斜視図である。
【0018】
図3~
図5に示されるように、シート回転装置10は、ベースプレート100と、回転プレート200と、連結ユニット300と、駆動ユニット400と、ロックユニット500と、を備えている。
【0019】
ベースプレート100は、車両のフロアFLに直接的に、又は、他の部材を介して間接的に、固定される。本実施形態では、ベースプレート100は、アッパーレール3bに固定されている。すなわち、ベースプレート100は、シートスライダ3を介してフロアFLに固定されている。
【0020】
回転プレート200は、シート本体2に対して相対回転しないようにシート本体2の下面に固定されている。
図3~
図5に示されるように、回転プレート200は、一対のサイドブラケット210と、リアパイプ220と、フロントパイプ230と、連結板240と、ストライカ250と、を有している。
【0021】
一対のサイドブラケット210は、幅方向に間隔を置いて配置されている。各サイドブラケット210は、シートスライダ3の上方に配置されている。各サイドブラケット210は、前後方向に延びる形状を有している。一対のサイドブラケット210のうち幅方向における左側に配置されたサイドブラケット210の後部には、固定ボルトBによってシートベルトのアンカ(図示略)が固定される。
【0022】
リアパイプ220は、一対のサイドブラケット210の後部同士を連結している。
【0023】
フロントパイプ230は、一対のサイドブラケット210の前部同士を連結している。
【0024】
連結板240は、リアパイプ220とフロントパイプ230とを連結している。
【0025】
図3~
図5に示されるように、ストライカ250は、連結板240の後端部に固定されている。ストライカ250は、幅方向におけるリアパイプ220の内側の端部を跨いだ状態で連結板240に固定されている。
【0026】
連結ユニット300は、着座位置と乗降位置との間でベースプレート100に対して回転プレート200が回転可能となるようにベースプレート100と回転プレート200とを連結している。
【0027】
連結ユニット300は、回転リンク310と、メインスライダ320と、サブスライダ330と、を有している。
【0028】
回転リンク310は、ベースプレート100と回転プレート200とを連結している。回転リンク310は、固定端部311(
図5を参照)と、回転端部312と、を有している。
【0029】
固定端部311は、回転リンク310の一端部で構成されている。固定端部311は、ベースプレート100に対して相対回転可能となるようにベースプレート100に固定されている。具体的には、固定端部311は、ベースプレート100の裏側から締結部材によって固定されている。固定端部311は、締結部材の中心軸である固定軸部311aまわりに回転可能である。
【0030】
回転端部312は、回転リンク310の他端部で構成されている。回転端部312は、固定端部311の固定軸部311aを回転中心としてベースプレート100に対して回動可能であり、かつ、回転プレート200に対して相対回転可能となるように回転プレート200に固定されている。具体的には、回転端部312は、締結部材F2によって回転プレート200に固定されている。回転プレート200は、締結部材F2の中心軸である支持軸部312aまわりに回転端部312に対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部312aにより支持された部位を「第1被支持部201」(
図3~
図5を参照)と表記する。
【0031】
メインスライダ320は、ロアレール321と、アッパースライダ322と、を有している。
【0032】
ロアレール321は、ベースプレート100に固定されている。具体的に、ロアレール321は、ベースプレート100の中央部に固定されている。ロアレール321は、直線状に延びる形状を有している。ロアレール321は、固定端部311における固定軸部311a及び回転端部312における支持軸部312a間の距離の2倍の長さを半径とし、かつ、固定軸部311aを中心とする仮想円A1(
図6を参照)の直径に沿って直線状に延びる形状を有している。なお、
図6では、仮想円A1と、固定軸部311a及び支持軸部312a間の長さを半径とし、かつ、支持軸部312aを中心とする円A2と、が一点鎖線で示されており、回転プレート200が二点鎖線で示されている。また、
図6における上方に車両の乗降口が設けられている。
【0033】
図6に示されるように、ロアレール321は、車両の前後方向に対して交差する方向でかつ仮想円A1の直径に沿って直線状に延びる形状を有している。ロアレール321は、車両の前方に向かうにしたがって次第にドアの開口部に近づくように前後方向に対して傾斜している。
【0034】
アッパースライダ322は、ロアレール321に沿って移動可能である。アッパースライダ322は、当該アッパースライダ322に対して回転プレート200が相対回転可能となるように回転プレート200を支持している。具体的には、アッパースライダ322は、締結部材F3によって回転プレート200に固定されている。回転プレート200は、締結部材F3の中心軸である支持軸部322aまわりにアッパースライダ322に対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部322aにより支持された部位を「第2被支持部202」(
図3~
図5を参照)と表記する。
【0035】
アッパースライダ322は、回転プレート200の第2被支持部202を、回転プレート200が着座位置から乗降位置に移動するときに回転端部312に対して回転プレート200が回転する方向(
図6における右回り)と同じ方向に当該アッパースライダ322に対して相対回転させつつロアレール321に沿って移動させる。
【0036】
アッパースライダ322の支持軸部322aは、シート本体2が着座位置及び乗降位置間を移動するときに、円A2が仮想円A1に内接しながら回転するときにおける円A2上の点の軌跡(仮想円A1の直径)に沿うように移動する。
【0037】
サブスライダ330は、ロアレール331と、アッパースライダ332と、を有している。
【0038】
ロアレール331は、ベースプレート100に固定されている。具体的に、ロアレール331は、ベースプレート100のうち幅方向における内側に配置されたシートスライダ3とメインスライダ320のロアレール321との間に位置する部位に固定されている。ロアレール331は、直線状に延びる形状を有している。
図6に示されるように、ロアレール331は、当該ロアレール331の延長線が仮想円A1の中心である固定軸部311aを通らない姿勢でベースプレート100に固定されている。ロアレール331は、車両の前方に向かうにしたがって次第にドアの開口部に近づくように前後方向に対して傾斜している。
【0039】
アッパースライダ332は、ロアレール331に沿って移動可能である。アッパースライダ332は、当該アッパースライダ332に対して回転プレート200が相対回転可能となるように回転プレート200を支持している。具体的には、アッパースライダ332は、締結部材F4(
図5を参照)によって回転プレート200に固定されている。回転プレート200は、締結部材F4の中心軸である支持軸部332aまわりにアッパースライダ332に対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部332aにより支持された部位を「第3被支持部」と表記する。
【0040】
アッパースライダ322は、回転プレート200の第3被支持部を、回転プレート200が着座位置から乗降位置に移動するときに回転端部312に対して回転プレート200が回転する方向(
図6における右回り)と同じ方向に当該アッパースライダ332に対して相対回転させつつロアレール331に沿って移動させる。
【0041】
駆動ユニット400は、連結ユニット300を駆動する。駆動ユニット400は、ベースプレート100に固定されている。駆動ユニット400は、回転リンク310を固定端部311まわりに回転させることが可能である。駆動ユニット400は、モータ410と、モータ410の出力を回転リンク310に伝達するギア420と、を含んでいる。
【0042】
例えば、回転プレート200が着座位置に位置する状態においてモータ410が駆動されると、回転リンク310が固定端部311まわりに回転するとともに、各アッパースライダ322,332が各ロアレール321,331に沿って前方に移動する。これにより、回転プレート200は、ベースプレート100に対して前方に移動しながら乗降口に向けて回転する。その結果、回転プレート200が乗降位置に位置する。
【0043】
ロックユニット500は、回転プレート200を着座位置でロックする。ロックユニット500は、ベースプレート100に固定されている。ロックユニット500は、ロック装置510と、リリースアクチュエータ520と、伝達部530と、検出装置540と、第1ブラケット551と、第2ブラケット552と、を有している。
【0044】
ロック装置510は、ストライカ250をロックすることが可能である。ロック装置510は、フック511と、ハウジング512と、ポール513と、を含んでいる。
【0045】
フック511は、ロック位置(
図9に示される位置)とアンロック位置(
図11に示される位置)との間で移動可能である。ロック位置は、回転プレート200が着座位置に位置する状態においてストライカ250を保持する位置である。アンロック位置は、ストライカ250の離脱を許容する位置である。フック511は、図示略の第1トーションばねによってアンロック位置に向かう方向(
図9において矢印AR1で示される方向)に付勢されている。第1トーションばねは、ハウジング512に保持されている。
【0046】
ハウジング512は、フック511を収容している。ハウジング512には、ストライカ250の出入を許容するスリット512aが形成されている。
【0047】
ポール513は、ハウジング512に収容されている。ポール513は、ロック位置におけるフック511に係合可能な形状を有している。ポール513は、第1端部513aと、第2端部513bと、を有している。第2端部513bは、第1端部513aまわりに回転可能である。第1端部513aには、図示略の第2トーションばねが取り付けられている。ポール513は、第2トーションばねによってロック位置におけるフック511と係合する方向(
図9において矢印AR2で示される方向)に付勢されている。ポール513は、ロック位置におけるフック511に係合する係合位置(
図9に示される位置)と、ロック位置におけるフック511から離間した離間位置(
図11に示される位置)と、の間で第1端部513aまわりに回転可能である。
【0048】
図7及び
図8に示されるように、ロック装置510は、ボルトB5によって第1ブラケット551に固定されている。
図5に示されるように、第1ブラケット551は、締結部材F5によってベースプレート100に固定されている。
【0049】
リリースアクチュエータ520は、ロック装置510とは別部材で構成されている。リリースアクチュエータ520は、ロック装置510によるストライカ250のロックを解除するための装置である。リリースアクチュエータ520は、アクチュエータレバー521と、ハウジング522と、を有している。
【0050】
アクチュエータレバー521は、ハウジング522の外面に固定されている。アクチュエータレバー521は、初期位置(
図9に示される位置)と、リリース位置(
図11に示される位置)との間で移動可能である。リリース位置は、ロック装置510のフック511をアンロック位置に移動させる位置である。
【0051】
ハウジング522は、アクチュエータレバー521を保持している。ハウジング522は、アクチュエータレバー521を初期位置からリリース位置に向けて駆動する駆動源(モータ等)を収容している。
図8に示されるように、ハウジング522は、締結部材B7によって第2ブラケット552に固定されている。
図7及び
図8に示されるように、第2ブラケット552は、締結部材F6によって第1ブラケット551に固定されている。
【0052】
検出装置540は、ロック装置510によるストライカ250のロック状態を検出可能である。検出装置540は、伝達部530と接触可能な位置に配置されている。
図8に示されるように、検出装置540は、リミットスイッチで構成されている。アクチュエータレバー521が初期位置からリリース位置に移動すると、検出装置540は、伝達部530に押されることによってオンになる。これにより、フック511がロック位置からアンロック位置に移動するのが許容される。検出装置540のオン信号は、駆動ユニット400のモータ410の駆動に利用されてもよい。
【0053】
伝達部530は、リリースアクチュエータ520の出力をロック装置510に伝達する。伝達部530は、アクチュエータレバー521が初期位置からリリース位置に移動したときに、フック511がロック位置からアンロック位置に移動するのを許容するとともに、検出装置540をオンにする。
【0054】
伝達部530は、第1リンク531と、第2リンク532と、リンク部材533と、付勢部材534と、を有している。
【0055】
第1リンク531は、アクチュエータレバー521に連結されている。第1リンク531は、略棒状に形成されている。
【0056】
第2リンク532は、ロック装置510に連結されている。具体的には、第2リンク532は、ポール513の第2端部513bに接続されている。第2リンク532は、ポール513の第2端部513bを第1端部513aまわりに回転させることにより、フック511がロック位置及びアンロック位置間で移動するのを許容する。例えば、第2リンク532は、ポール513の第2端部513bを係合位置から離間位置に移動させることにより、フック511とポール513との係合が外れるため、フック511がロック位置からアンロック位置に向けて回転することが許容される。
【0057】
リンク部材533は、第1リンク531と第2リンク532とに接続されている。リンク部材533は、アクチュエータレバー521が初期位置から調整位置(
図10に示される位置)に移動するまでは第2リンク532を引っ張ることなく、アクチュエータレバー521が調整位置からリリース位置に向かって移動するときに第2リンク532を引っ張るように構成されている。調整位置は、初期位置と前記リリース位置との間に設定されている。本実施形態では、リンク部材533は、第1リンク要素533Aと、第2リンク要素533Bと、を有している。
【0058】
第1リンク要素533Aは、第2ブラケット552に設けられた段付きボルト552a(
図8を参照)に取り付けられている。第1リンク要素533Aは、段付きボルト552aに対して相対回転可能となるように段付きボルト552aに保持されている。第1リンク要素533Aは、第1接続部a1と、押圧部a2と、取付け片a3と、を有している。
【0059】
第1接続部a1は、第1リンク531に接続された部位である。第1接続部a1は、アクチュエータレバー521が初期位置からリリース位置に移動したときに第1リンク531に押圧される。第1リンク531によって第1接続部a1が押圧されることにより、第1リンク要素533Aは、段付きボルト552aまわりに回転する。
【0060】
押圧部a2は、第1リンク531により第1接続部a1が押圧されたときに第2リンク要素533Bを押圧する。押圧部a2は、切り起こし片で構成されている。
【0061】
取付け片a3には、付勢部材534の一端が固定されている。付勢部材534の他端は、第2ブラケット552に設けられた取付け片552bに固定されている。
【0062】
第2リンク要素533Bは、第1リンク要素533Aに対して相対回転可能である。第2リンク要素533Bは、段付きボルト552aに取り付けられている。第2リンク要素533Bは、段付きボルト552aに対して相対回転可能となるように段付きボルト552aに保持されている。第2リンク要素533Bは、第2接続部b1と、被押圧部b2と、カム部b3と、を有している。
【0063】
第2接続部b1は、第2リンク532に接続された部位である。
【0064】
被押圧部b2は、押圧部a2に押圧される部位である。
図9に示されるように、アクチュエータレバー521が初期位置に位置する状態では、押圧部a2と被押圧部b2との間にはクリアランスc1が設けられている。被押圧部b2が押圧部a2により押圧されることにより、第2リンク要素533Bは、段付きボルト552aまわりに回転する。第2リンク要素533Bが段付きボルト552aまわりに回転することにより、第2接続部b1は、第2リンク532を引っ張る。これにより、ポール513が係合位置から離間位置に移動するため、フック511がロック位置からアンロック位置に移動するのが許容される。
【0065】
カム部b3は、検出装置540を駆動する部位である。被押圧部b2が押圧部a2に押圧されることによって第2リンク要素533Bが段付きボルト552aまわりに回転するときに、カム部b3は、検出装置540をオンにする。
【0066】
次に、
図9~
図13を参照しながら、ロックユニット500の動作について説明する。
【0067】
図9には、ストライカ250がロックされた状態、すなわち、アクチュエータレバー521が初期位置であり、押圧部a2と被押圧部b2との間にクリアランスc1が形成されており、カム部b3が検出装置540から離間しており、係合位置におけるポール513とロック位置におけるフック511とが互いに係合した状態が示されている。
【0068】
この状態から、
図10に示されるようにアクチュエータレバー521が調整位置に移動すると、クリアランスc1がゼロになるため、第1リンク要素533Aの押圧部a2が第2リンク要素533Bの被押圧部b2と当接する。換言すれば、アクチュエータレバー521が初期位置から調整位置に移動するまでは、伝達部530は第2リンク532を引っ張らない。この状態では、カム部b3は、検出装置540をオンにしておらず、ポール513は、ロック位置におけるフック511に係合している。
【0069】
図11に示されるように、アクチュエータレバー521が調整位置からリリース位置に移動すると、第1リンク531が第1接続部a1を押圧するため、第1リンク要素533Aは、付勢部材534の付勢力に抗しながら段付きボルト552aまわりに回転する。このとき、押圧部a2が被押圧部b2を押圧することによって第2リンク要素533Bが段付きボルト552aまわりに回転するため、第2接続部b1が第2リンク532を引っ張る。これにより、ポール513の第2端部513bが係合位置から離間位置に移動するまでポール513が第1端部513aまわりに回転する。よって、フック511とポール513との係合が解除されるため、フック511は、ロック位置からアンロック位置に向かって回転することが許容された状態となる。なお、アクチュエータレバー521の移動量d1及びポール513の移動量d2は、段付きボルト552aから第1接続部a1までの距離及び段付きボルト552aから第2接続部b1までの距離等の変更によって調整可能である。
【0070】
また、この第2リンク要素533Bの回転時に、カム部b3は、検出装置540をオンにする。よって、ロック装置510によるストライカ250のロックが解除されたことが検出される。
【0071】
なお、フック511は、第1トーションばねによってアンロック位置に向かう方向(
図11において矢印AR1で示される方向)に付勢されているものの、ストライカ250をハウジング512のスリット512aから押し出すほどの付勢力は有していない。このため、ポール513とフック511との係合が解除された時点では、フック511は、ロック位置に保持されている。そして、回転プレート200が着座位置から乗降位置に向けて移動するとき、すなわち、ストライカ250がスリット512aから離脱する方向に移動するとき、フック511は、ストライカ250の移動に合わせてロック位置からアンロック位置に向かって回転する。その後、フック511は、第1トーションばねの付勢力によってアンロック位置に保持される。フック511がアンロック位置に位置する状態では、ポール513は、フック511に接している。
【0072】
図12に示されるように、アクチュエータレバー521がフルストローク位置に移動すると、ポール513が第1端部513aまわりにさらに回転し、ポール513がフック511から離間する。なお、フルストローク位置は、初期位置からのストロークが初期位置からリリース位置までのストロークよりも大きくなる位置である。
【0073】
図13は、アクチュエータレバー521を駆動する駆動源の駆動力が解除された状態を示している。駆動源の駆動力が解除されると、付勢部材534の付勢力により、第1リンク要素533Aが段付きボルト552aまわりに回転する。そうすると、第1接続部a1によって第1リンク531が押圧されるため、アクチュエータレバー521は、初期位置に移動する。
【0074】
一方、ポール513は、フック511に接しているため、離間位置から係合位置に向かって第1端部513aまわりに回転することはできない。このため、第2リンク要素533Bも、段付きボルト552aまわりに回転することはできない。よって、押圧部a2と被押圧部b2との間にクリアランスc2が形成される。
【0075】
この状態において、回転プレート200が乗降位置から着座位置に向かって移動することによってストライカ250がスリット512a内に進入すると、フック511は、ストライカ250に押されることによって第1トーションばねの付勢力に抗しながらアンロック位置からロック位置まで回転する。
【0076】
その結果、ポール513は、第2トーションばねに付勢されることにより、ロック位置におけるフック511と係合する係合位置まで第1端部513aまわりに回転する。これにより、フック511がロック位置に保持される。このポール513の回転時、第2リンク532に引っ張られることによって第2リンク要素533Bが段付きボルト552aまわりに回転するため、カム部b3による検出装置540の駆動が解除されるとともに、押圧部a2と被押圧部b2との間にクリアランスc1が形成される。
【0077】
以上に説明したシート回転装置10では、ロック装置510とリリースアクチュエータ520とが別部材で構成されているため、ロック装置510及びリリースアクチュエータ520を含むロックユニット500の配置の自由度が高まる。よって、ロック装置510としてフック511を備える汎用品、及び、リリースアクチュエータ520としてアクチュエータレバー521を備える汎用品を用いることが可能となる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、
図14から
図18を参照しながら、本発明の第2実施形態におけるシート回転装置10のロックユニット500について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
【0079】
図14及び
図15に示されるように、本実施形態では、リンク部材533は、単一の部材で構成されている。リンク部材533には、第1接続部a1とつながる長孔533hが形成されている。第1リンク531の端部531aは、長孔533h内を移動可能である。
【0080】
付勢部材534の一端は、第1リンク531の端部531aに固定されており、付勢部材534の他端は、第1ブラケット551に設けられた取付部551aに固定されている。
【0081】
次に、
図16~
図18を参照しながら、ロックユニット500の動作について説明する。なお、
図16~
図18では、ストライカ250、フック511及び検出装置540が省略されており、ポール513については、第1端部513a及び第2端部513bのみが示されている。
【0082】
図16には、ストライカ250がロックされた状態、すなわち、アクチュエータレバー521が初期位置であり、カム部b3が検出装置540から離間しており、フック511とポール513とが互いに係合した状態が示されている。また、
図16には、アクチュエータレバー521が調整位置に位置したときにおける第1リンク531の端部531aの位置が二点鎖線で示されている。
【0083】
図17に示されるように、アクチュエータレバー521が調整位置からリリース位置ないしフルストローク位置に移動すると、第1リンク531が第1接続部a1を押圧するため、リンク部材533は、付勢部材534の付勢力に抗しながら段付きボルト552aまわりに回転する。このとき、第2接続部b1が第2リンク532を引っ張ることにより、ポール513の第2端部513bが係合位置から離間位置に移動するまでポール513が第1端部513aまわりに回転する。よって、フック511とポール513との係合が解除されるため、フック511は、ロック位置からアンロック位置に向かって回転することが許容された状態となる。なお、このリンク部材533の回転時にカム部b3が検出装置540をオンにすることは、第1実施形態と同じである。
【0084】
図18は、アクチュエータレバー521を駆動する駆動源の駆動力が解除された状態を示している。駆動源の駆動力が解除されると、付勢部材534の付勢力で第1リンク531が引っ張られることにより、アクチュエータレバー521は、初期位置に復帰する。このとき、第1リンク531の端部531aは、リンク部材533の長孔533h内を移動する。
【0085】
一方、ポール513がアンロック位置におけるフック511に接しているため、第2リンク532は移動することはできず、リンク部材533も、段付きボルト552aまわりに回転することはできない。
【0086】
以上に説明したように、本実施形態では、リンク部材533が単一の部材で構成されているため、部品点数が削減される。
【0087】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0088】
(態様1)
シート本体が車両の前方を向く着座位置と前記シート本体が前記車両のドアの開口部を向く乗降位置との間で前記シート本体を回転させることが可能なシート回転装置であって、
前記車両のフロアに固定されるベースプレートと、
前記シート本体に対して相対回転しないように前記シート本体の下面に固定される回転プレートと、
前記ベースプレートに対して前記回転プレートが前記着座位置と前記乗降位置との間で回転可能となるように前記ベースプレートと前記回転プレートとを連結する連結ユニットと、
前記回転プレートを前記着座位置でロックするロックユニットと、を備え、
前記回転プレートは、前記ロックユニットに保持されるストライカを有し、
前記ロックユニットは、
前記ストライカをロックすることが可能なロック装置と、
前記ロック装置とは別部材で構成されており、前記ロック装置による前記ストライカのロックを解除するためのリリースアクチュエータと、
前記リリースアクチュエータの出力を前記ロック装置に伝達する伝達部と、
前記ロック装置による前記ストライカのロック状態を検出可能な検出装置と、を有し、
前記ロック装置は、前記ベースプレートが前記着座位置に位置する状態において前記ストライカを保持するロック位置と、前記ストライカの離脱を許容するアンロック位置と、の間で移動可能なフックを含み、
前記リリースアクチュエータは、初期位置とリリース位置との間で移動可能なアクチュエータレバーを含み、
前記伝達部は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記リリース位置に移動したときに、前記フックを前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させるとともに前記検出装置をオンにする、シート回転装置。
【0089】
このシート回転装置では、ロック装置とリリースアクチュエータとが別部材で構成されているため、ロック装置及びリリースアクチュエータを含むロックユニットの配置の自由度が高まる。よって、ロック装置としてフックを備える汎用品、及び、リリースアクチュエータとしてアクチュエータレバーを備える汎用品を用いることが可能となる。
【0090】
(態様2)
前記伝達部は、
前記アクチュエータレバーに連結された第1リンクと、
前記ロック装置に連結されており、前記フックを前記ロック位置及び前記アンロック位置間で移動させることが可能な第2リンクと、
前記第1リンクと前記第2リンクとに接続されたリンク部材と、を有し、
前記リンク部材は、
前記第1リンクに接続されており、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記リリース位置に移動したときに前記第1リンクに押圧される第1接続部と、
前記第2リンクに接続されており、前記第1リンクにより前記第1接続部が押圧されたときに前記第2リンクを引っ張ることによって前記フックが前記ロック位置から前記アンロック位置に移動するのを許容する第2接続部と、
前記検出装置を駆動するカム部と、を有する、態様1に記載のシート回転装置。
【0091】
(態様3)
前記リンク部材は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置に向かうように前記第1リンクを付勢する付勢部材をさらに有する、態様2記載のシート回転装置。
【0092】
この態様では、第1リンクに付勢部材による付勢力が作用しているため、アクチュエータレバーをリリース位置に向けて移動させる駆動力が解除されたときに、第1リンクに押圧されることによってアクチュエータレバーが初期位置に復帰する。
【0093】
(態様4)
前記リンク部材は、
前記第1接続部を含む第1リンク要素と、
前記第2接続部及び前記カム部を含み、前記第1リンク要素に対して相対回転可能な第2リンク要素と、を有し、
前記第1リンク要素は、前記第1リンクにより前記第1接続部が押圧されたときに前記第2リンク要素を押圧する押圧部を有し、
前記第2リンク要素は、前記押圧部に押圧される被押圧部を有する、請求項2又は3に記載のシート回転装置。
【0094】
(態様5)
前記リンク部材は、前記アクチュエータレバーが前記初期位置から前記初期位置と前記リリース位置との間に設定された調整位置に移動するまでは前記第2リンクを引っ張ることなく、前記アクチュエータレバーが前記調整位置から前記リリース位置に向かって移動するときに前記第2リンクを引っ張るように構成されている、態様2から4のいずれかに記載のシート回転装置。
【0095】
この態様では、ロック装置及びリリースアクチュエータの取り付け位置の誤差に起因して、アクチュエータレバーがリリース位置に至る前にフックがアンロック位置に移動することが抑制される。
【0096】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 回転シート、2 シート本体、3 シートスライダ、10 シート回転装置、100 ベースプレート、200 回転プレート、210 サイドブラケット、220 リアパイプ、230 フロントパイプ、240 連結板、250 ストライカ、300 連結ユニット、310 回転リンク、311 固定端部、312 回転端部、320 メインスライダ、321 ロアレール、322 アッパースライダ、330 サブスライダ、331 ロアレール、332 アッパースライダ、400 駆動ユニット、410 モータ、420 ギア、500 ロックユニット、510 ロック装置、511 フック、512 ハウジング、513 ポール、520 リリースアクチュエータ、521 アクチュエータレバー、522 ハウジング、530 伝達部、531 第1リンク、532 第2リンク、533 リンク部材、533A 第1リンク要素、533B 第2リンク要素、533h 長孔、534 付勢部材、540 検出装置、551 第1ブラケット、552 第2ブラケット、a1 第1接続部、A1 仮想円、a2 押圧部、A2 円、a3 取付け片、b1 第2接続部、b2 被押圧部、b3 カム部、FL フロア。