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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146737
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】シート空調装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20241004BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20241004BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20241004BHJP
   B60N 2/56 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B60H1/00 102V
A47C7/74 C
A47C27/00 F
B60N2/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216066
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2023058940
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023058941
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】牧田 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】井上 健彦
(72)【発明者】
【氏名】前田 好彦
(72)【発明者】
【氏名】中川 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】長倉 夕季
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
3L211
【Fターム(参考)】
3B084JG02
3B084JG04
3B084JG05
3B084JG06
3B087DE09
3B096AC12
3L211BA05
3L211DA53
3L211GA53
(57)【要約】
【課題】製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シートに着座する人の快適性をより向上させることができるシート空調装置を提供する。
【解決手段】シート空調装置1は、シート2に用いられるシート空調装置1であって、シート2に配置された送風機20と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第1吐出口31aから吐出するための空気を導く第1通風路31と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第2吐出口32aから吐出するための空気を導く第2通風路32と、シート2に配置され、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量とを受動的に制御する風量制御機構とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに用いられるシート空調装置であって、
前記シートに配置された送風機と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第1吐出口から吐出するための空気を導く第1通風路と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第2吐出口から吐出するための空気を導く第2通風路と、
前記シートに配置され、前記第1吐出口から吐出する空気の第1風量と、前記第2吐出口から吐出する空気の第2風量とを受動的に制御する風量制御機構とを備える
シート空調装置。
【請求項2】
前記送風機の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量及び前記第2風量を制御する
請求項1に記載のシート空調装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第2風量に対する前記第1風量の比率を時間の経過とともに低下させる
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記シートが配置される車室内の温度、前記車室内に存在する人の温度、又は、車両に搭載されている空調装置の制御指示に基づいて前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量と前記第2風量とを制御する
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1吐出口から吐出する空気の風速を、前記第2吐出口から吐出する空気の風速よりも速くなるように制御する
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、
前記シート空調装置の駆動を開始してから所定期間における前記第1風量を実質的に0とし、
前記所定期間が経過した後に、次第に前記第1風量を増加させる
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項7】
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人に対して第3吐出口から吐出するための空気を導く複数の第3通風路を備える
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、
前記第1吐出口から吐出する空気の前記第1風量と、前記第2吐出口から吐出する空気の前記第2風量と、前記第3吐出口から吐出する空気の第3風量とを制御し、
前記第1風量と前記第2風量と前記第3風量との総和に対する前記第3風量の割合を制御する
請求項7に記載のシート空調装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記総和に対する前記第1風量の割合を低下させ、前記第1風量の割合の低下に連動して前記第3風量の割合を増加させる
請求項8に記載のシート空調装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量及び前記第2風量の和が前記第3風量よりも大きくなるように制御する
請求項8に記載のシート空調装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第2吐出口及び前記第3吐出口から空気を吐出し、所定期間が経過後、前記第1吐出口から吐出する空気が増加するように制御する
請求項8に記載のシート空調装置。
【請求項12】
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有する
請求項2に記載のシート空調装置。
【請求項13】
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記第1フラップは、前記送風機の出力が所定以上に設定されると、前記総和に対する前記第1風量の割合が増加するように回動する
請求項8に記載のシート空調装置。
【請求項14】
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記第1フラップは、前記総和に対する前記第3風量の割合が増加するように回動可能である
請求項8に記載のシート空調装置。
【請求項15】
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記第3通風路とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパを有し、
前記第2ダンパは、前記分岐空間に流れる空気によって回動可能な第2フラップを有する
請求項7~11、13、14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項16】
前記第1通風路の長さは、前記第2通風路の長さよりも短い
請求項1~14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1吐出口から第1温度の空気を吐出させ、前記第2吐出口及び前記第3吐出口のうちの少なくとも一方から第1温度の空気に車室内の空気を混入した第2温度の空気を吐出させる
請求項7~11、13、14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項18】
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記第3通風路とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパを有し、
前記第2ダンパは、前記分岐空間に流れる空気によって回動可能な第2フラップを有し、
前記制御部は、前記送風機の出力を制御することで前記第1フラップ及び前記第2フラップの姿勢を調節する
請求項7~11、13、14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項19】
前記第1吐出口の開口面積は、前記第2吐出口の開口面積よりも小さい
請求項7~11、13、14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項20】
前記シートには、前記送風機が送風した空気が、送風開口を介して流入する分岐空間が形成され、
前記分岐空間には、前記第1通風路と前記第2通風路とが接続され、
前記第1通風路と前記送風開口とが直線状に並ぶように配置され、
前記第2通風路は、前記第1通風路よりも離れた位置で前記分岐空間から分岐して延びている
請求項1~14のいずれか1項に記載のシート空調装置。
【請求項21】
前記制御部は、
冷房最初期に実行される第1モードと、
前記第1モードに続く冷房初期に実行される第2モードと、
前記第2モードに続く冷房安定期に実行される第3モードとを有し、
前記送風機の駆動開示時点からの連続使用期間をカウントし、又は、人の状態を取得し、
前記連続使用期間、又は、前記人の状態に基づいて、前記送風機を制御する1以上の追加制御を行い、
(1)1以上の前記追加制御に含まれる第1追加制御を行う場合、第2モードと第3モードとの間でモードの切り替えを行うように前記送風機を制御することと、
(2)1以上の前記追加制御に含まれる第2追加制御を行う場合、第1モードと第2モードとの間でモードの切り替えを行うように前記送風機を制御することとの少なくとも一方を行う
請求項18に記載のシート空調装置。
【請求項22】
第1追加制御においてモードを切り替える第1期間及び第2期間からなる周期は、前記第2追加制御においてモードを切り替える第3期間及び第4期間からなる周期よりも長い期間である
請求項21に記載のシート空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートに着座する人に送風するシート空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、シートから空調風を乗員に向けて吹出すシート空調装置が知られている。従来技術のシート空調装置は、冷房初期の過渡期と、室内温度が目標温度に近付いた安定期とは、異なる吹出し方をすることで、快適性を向上させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1の車両用シート空調装置では、制御装置が第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁をそれぞれ制御することで、乗員の首回りに吹き付けたり、乗員の背部に向けて吹き付けたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-199990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の車両用シート空調装置では、アクチュエータ及びワイヤーハーネスによる部品点数の増加による製造コストの高騰化と、これに伴う全体重量の増加とが生じてしまうという恐れがある。
【0006】
さらに、特許文献1の車両用シート空調装置では、シートに着座している人に対して、首回りか背部かの2パターンの切り替えだけであるが、より快適性を得たいという要望がある。
【0007】
そこで、本開示では、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シートに着座する人の快適性をより向上させることができるシート空調装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るシート空調装置は、シートに用いられるシート空調装置であって、前記シートに配置された送風機と、前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第1吐出口から吐出するための空気を導く第1通風路と、前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第2吐出口から吐出するための空気を導く第2通風路と、前記シートに配置され、前記第1吐出口から吐出する空気の第1風量と、前記第2吐出口から吐出する空気の第2風量とを受動的に制御する風量制御機構とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示のシート空調装置では、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シートに着座する人の快適性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1におけるシート空調装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態1におけるシート空調装置を示す正面図である。
図3図3は、実施の形態1におけるシート空調装置を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1におけるシート空調装置を示す部分拡大正面図である。
図5A図5Aは、図2のA-A線における実施の形態1のシート空調装置を示す断面図である。
図5B図5Bは、図2のB-B線における実施の形態1のシート空調装置を示す断面図である。
図6図6は、シートバックを側方から見たときの第1吐出口及び第2吐出口から吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。
図7図7は、シートバックを上方から見たときの第1吐出口及び第2吐出口から吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。
図8図8は、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
図9図9は、図2のC-C線における実施の形態1のシート空調装置を示す断面図である。
図10図10は、車室内の風速、時間、雰囲気温度、及び温冷感の関係を示す図である。
図11図11は、実施の形態1の変形例1におけるシート空調装置を示す部分拡大正面図である。
図12A図12Aは、図11のD-D線における実施の形態1の変形例1のシート空調装置を示す断面図である。
図12B図12Bは、図11のE-E線における実施の形態1の変形例1のシート空調装置を示す断面図である。
図13図13は、実施の形態1の変形例1において、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第2フラップの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
図14A図14Aは、実施の形態1の変形例2において、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップ及び第2フラップの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
図14B図14Bは、追加制御する場合における、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップ及び第2フラップの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
図14C図14Cは、シートバックを側方から見たときの第1吐出口及び第3吐出口から吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。
図14D図14Dは、各モードを実行後に1以上の追加制御を行う場合を示す図である。
図15図15は、風量制御機構を示す正面図及び側面図である。
図16図16は、実施の形態2におけるシート空調装置を示す部分拡大正面図である。
図17図17は、シートの姿勢と第1フラップの姿勢との関係を示す図である。
図18図18は、実施の形態2の変形例1におけるシート空調装置を示す部分拡大正面図である。
図19図19は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップ及び第2フラップの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
図20図20は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップ及び第2フラップの動きと空気の流れを示す別の部分拡大断面図である。
図21図21は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクトを流れる空気の流量に応じた第1フラップ及び第2フラップの動きと空気の流れを示すさらに別の部分拡大断面図である。
図22図22は、実施の形態2の変形例2における、第1ダンパを示す断面図である。
図23図23は、シートの姿勢に応じた第1ダンパの状態を示す図である。
図24図24は、実施の形態2の変形例2の実施例1における、第1ダンパを示す断面図である。
図25図25は、実施の形態2の変形例2の実施例2における、第1ダンパを示す断面図である。
図26図26は、実施の形態2の変形例2の実施例2における、第1ダンパを示す別の断面図である。
図27図27は、その他変形例におけるシート空調装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
また、以下の実施の形態において、板状、X軸方向及び略平行等の表現を用いている。例えば、板状、X軸方向及び略平行は、完全な板、X軸方向及び平行であることを意味するだけでなく、実質的に板、X軸方向及び平行である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、板状、X軸方向及び略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において板状、X軸方向及び略平行方向という意味である。他の「状」、「方向」、「略」を用いた表現がある場合についても同様である。
【0014】
以下の説明において、シートの前後方向をX軸方向と称し、シートの上下方向をZ軸方向と称す。さらに、シートの左右方向、すなわちX軸方向及びZ軸方向のそれぞれに垂直な方向をY軸方向と称す。また、X軸方向において、シートの前側をプラス方向側と称し、シートの後側をマイナス方向側と称す。また、Y軸方向において、図1の左側をプラス方向側と称し、その反対側をマイナス方向側と称す。また、右側とは、シートに人が着座したとき、車両の進行方向に対して人の右側であり、Y軸マイナス方向側である。また、左側とは、シートに人が着座したとき、車両の進行方向に対して人の左側であり、Y軸プラス方向側である。また、Z軸方向において、シートの上側をプラス方向側と称し、シートの下側をマイナス方向側と称す。図2以降においても、同様に適用する。
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
<構成>
まず、図1図10を用いて、本実施の形態のシート空調装置1について説明する。
【0017】
図1は、実施の形態1におけるシート空調装置1の外観を示す斜視図である。図1では、シート2内の空気の流れを破線で示し、シート2から吐出された空気を白抜きの矢印で示している。図2は、実施の形態1におけるシート空調装置1を示す正面図である。図3は、実施の形態1におけるシート空調装置1を示すブロック図である。図4は、実施の形態1におけるシート空調装置1を示す部分拡大正面図である。図5Aは、図2のA-A線における実施の形態1のシート空調装置1を示す断面図である。図5Bは、図2のB-B線における実施の形態1のシート空調装置1を示す断面図である。図6は、シートバック13を側方から見たときの第1吐出口31a及び第2吐出口32aから吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。図7は、シートバック13を上方から見たときの第1吐出口31a及び第2吐出口32aから吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。図8は、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61bの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。図9は、図2のC-C線における実施の形態1のシート空調装置1を示す断面図である。図10は、車室内の風速、時間、雰囲気温度、及び温冷感の関係を示す図である。
【0018】
図1に示すように、例えば車両等に装備されているシート空調装置1は、シート2に着座した人に向けて、人の後ろから人の上半身に空気を吹き付けることで、シート2に着座する人を冷やしたり暖めたりする。具体的には、シート空調装置1は、車室内の空気を吸い込み、シート2に着座する人の上体である頭部、首、肩峰及び背部等に吸い込んだ空気を吹き付けることで人の身体を冷やしたり暖めたりすることが可能である。
【0019】
このようなシート空調装置1は、図2図5Bに示すように、シート2と、送風機20と、吸気ダクト21と、送風ダクト22と、排気ダクト23と、第1通風路31と、第2通風路32と、第3通風路33と、風量制御機構と、熱交換器34と、制御部40と、電源部50とを備えている。
【0020】
シート2は、人が着座するための座部10と、シートバック13と、ヘッドレスト15とを備えている。
【0021】
座部10は、シート2に着座する人の臀部及び大腿部等を支えるシートクッションである。座部10は、クッション材に相当する第1シートパッドと、その第1シートパッドを覆う第1シートカバーとを有している。
【0022】
第1シートパッドは、例えばウレタンフォーム等のクッション材で構成される。第1シートパッドは、厚みのある略矩形の板状であり、X-Y平面に対し所定の角度で傾いた姿勢で配置されている。第1シートカバーは、第1シートパッドを覆うカバーである。第1シートカバーは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
【0023】
シートバック13は、シート2に着座する人の肩峰、背部及び腰部を支える背もたれ部である。シートバック13は、Z軸方向に沿って長尺であり、座部10に対して立上るように配置されている。シートバック13は、人の姿勢に応じてY軸を中心に回動することで、背もたれ角度を調整できる。シートバック13は、クッション材に相当する第2シートパッドと、その第2シートパッドを覆う第2シートカバーとを有している。
【0024】
第2シートパッドは、例えばウレタンフォーム等のクッション材で構成される。第2シートパッドは、厚みのある略矩形の板状である。第2シートカバーは、第2シートパッドを覆うカバーである。第2シートカバーは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
【0025】
また、図2図4図5A及び図5Bに示すように、シートバック13の背面(X軸マイナス方向側の面)には、凹部13aが形成される。つまり、シートバック13の背面では、凹部13aによって通風空間Kが形成されている。通風空間Kは、吸気ダクト21の吸気開口21aから吸気された空気を吐出するための第1通風路31、第2通風路32、第3通風路33及び送風ダクト22と接続されている。このため、通風空間Kには、送風機20が送風して送風ダクト22を経由した空気が、送風開口22aを介して流入し、流入した空気が通風空間Kから第1通風路31、第2通風路32及び第3通風路33に導かれ、第1吐出口31a、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気が吐出される。
【0026】
図4図5A及び図5Bに示すように、第1吐出口31aは、シート2のシートバック13を側面から見た(Y軸方向に沿って見た)ときの厚み方向を二分した中心軸Oよりも前方(X軸プラス方向)に配置されている。第1吐出口31aは、送風機20によってシート2に着座する人の上体に向けて空気を吐出することができる。本実施の形態の第1吐出口31aは、シートバック13のZ軸プラス方向側の表面に配置されている。
【0027】
第2吐出口32aは、シート2のシートバック13を側面から見た(Y軸方向に沿って見た)ときの厚み方向を二分した中心軸Oよりも前方(X軸プラス方向)に配置されている。第2吐出口32aは、送風機20によってシート2に着座する人の上体に向けて空気を吐出することができる。本実施の形態の第2吐出口32aも、シートバック13のZ軸プラス方向側の表面に配置されている。また、第2吐出口32aは、第1吐出口31aの両側である、第1吐出口31aのY軸プラス方向側と、Y軸マイナス方向側とにそれぞれ配置されている。
【0028】
第1吐出口31aの開口面積は、第2吐出口32aの開口面積よりも小さい。図6の(a)に示すように、シートバック13を側方から見た場合、第1吐出口31aから吐出される空気の風速が1m/s以上となる風速分布範囲は、10°以下となっている。また、図6の(b)に示すように、第2吐出口32aから吐出される空気の風速が1m/s以上となる風速分布範囲は、30°以上となっている。また、図7に示すように、シートバック13を上方から見た場合、第2吐出口32aから吐出される空気の風速が1m/s以上となる風速分布範囲W2は、第1吐出口31aから吐出される空気の風速が1m/s以上となる風速分布範囲W1に1.5を乗算した値よりも大きい。このため、第1吐出口31aから吐出される空気の風速分布範囲は、第2吐出口32aから吐出される空気の風速分布範囲よりも小さい。これにより、第2吐出口32aから吹出される空気の拡散範囲は、第1吐出口31aから吹出される空気の拡散範囲よりも大きいことが言える。このように、第1吐出口31aは、吐出した空気を人の首、頭部等に直接的に吹き付けることができる。また、第2吐出口32aは、第1吐出口31aから吐出された空気よりも広範囲となるように、人の首、頬、頭部及び肩峰に亘って吹出すことができる。
【0029】
また、本実施の形態では、第1通風路31及び第2通風路32のそれぞれには、吐出部が設けられている。各吐出部は、通風空間Kから第1通風路31及び第2通風路32へ流入した空気を案内可能な中空の筐体であり、通風空間Kからの空気を吐出することができる。吐出部は、第1吐出部31Aと第2吐出部32Aとを含む。第1通風路31に設けられる第1吐出部31Aは、第1吐出口31aを有する第1通風路31を形成している。また、第2通風路32に設けられる第2吐出部32Aは、第2吐出口32aを有する第2通風路32を形成している。各吐出部は、X軸プラス方向に向けて空気を吐出することが可能なように構成されている。具体的には、第1吐出部31Aには、第1吐出口31aの開口面がX軸方向と直交するように設けられている。各第2吐出部32Aには、第2吐出口32aの開口面がX軸方向と直交するように設けられている。これにより、第1吐出部31A及び第2吐出部32Aは、X軸プラス方向に向けて空気を吐出することができる。また、第1吐出部31A及び第2吐出部32Aにはルーバーが設けられているため、ルーバーの姿勢を調節することで、風向きを制御することができる。
【0030】
第3吐出口33aは、シート2のシートバック13を側面から見た(Y軸方向に沿って見た)ときの厚み方向を二分した中心軸Oよりも前方(X軸プラス方向)に配置されている。第3吐出口33aは、送風機20によってシート2に着座する人の背部に対して空気を吐出することができる。本実施の形態の第3吐出口33aは、シートバック13の前面(X軸プラス方向側の表面)に配置されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、シートバック13のZ軸プラス方向側の端部には、ヘッドレスト15が設けられている。ヘッドレスト15は、シート2に着座する人の頭部を衝撃発生時などに拘束するシート2の構成部材の1つである。ヘッドレスト15は、シートバック13と支柱で接続されている。
【0032】
また、シートバック13には、送風機20、吸気ダクト21、送風ダクト22、排気ダクト23、第1通風路31、第2通風路32、複数の第3通風路33、風量制御機構、及び熱交換器34が設けられている。なお、送風機20、吸気ダクト21、送風ダクト22、第1通風路31、第2通風路32、複数の第3通風路33、風量制御機構、及び、熱交換器34は、シートバック13の第2シートパッドに収容されている。
【0033】
本実施の形態では、送風機20、吸気ダクト21、送風ダクト22、第1通風路31、第2通風路32、複数の第3通風路33、風量制御機構、及び熱交換器34は、シートバック13の裏面側(X軸マイナス方向側)に配置されている。
【0034】
吸気ダクト21は、送風機20に接続されている。本実施の形態では、吸気ダクト21は、吸気開口21aがシートバック13のY軸プラス方向側に位置するように配置されている。
【0035】
送風ダクト22は、送風機20、通風空間K、及び、排気ダクト23に接続されている。具体的には、送風ダクト22の一端は送風機20に接続され、他端が通風空間Kに接続されている。
【0036】
排気ダクト23は、送風ダクト22における一端と他端との間に接続されている。
【0037】
本実施の形態では、排気ダクト23は、排気開口23aがシートバック13のY軸マイナス方向側に位置させるように配置されている。このため、排気開口23aは、送風機20を挟んで、吸気開口21aとできるだけ離れるように配置されている。
【0038】
図2及び図3に示すように、送風機20は、吸気ダクト21及び送風ダクト22に接続されている。送風機20は、シート2のシートバック13のX軸マイナス方向側に配置された吸気ダクト21の吸気開口21aから空気を吸気し、吸気した空気を送風ダクト22に送ることで、第1吐出口31a、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気を吐出させる。具体的には、送風機20は、制御部40に駆動制御されることで、吸気ダクト21の吸気開口21aから空気を吸気し、吸気ダクト21を経て吸気した空気を送風ダクト22、通風空間K及び第1通風路31を経由して第1吐出口31aから吐出させたり、吸気ダクト21を経て吸気した空気を送風ダクト22、通風空間K及び第2通風路32を経由して第2吐出口32aから吐出させたり、吸気ダクト21を経て吸気した空気を送風ダクト22、通風空間K及び第3通風路33を経由して第3吐出口33aから吐出させたりする。
【0039】
また、送風機20が制御部40に駆動制御されて吸気ダクト21の吸気開口21aから空気を吸気する際に、送風ダクト22及び排気ダクト23を経由して、熱交換された空気が排気される。
【0040】
送風ダクト22と排気ダクト23との接続部分には、ペルチェ素子、複数のフィン等で構成された熱交換器34が設けられている。熱交換器34は、電流の印加に基づいて制御される。
【0041】
熱交換器34は、送風側熱交換部34aと、排気側熱交換部34bとを有している。
【0042】
送風側熱交換部34aは送風ダクト22に設けられ、排気側熱交換部34bは排気ダクト23に設けられる。このため、送風側熱交換部34aを通過した空気は、送風ダクト22に導かれて通風空間Kに送られる。つまり、送風ダクト22は、熱交換器34で熱交換した空気を通風空間Kに送ることができる。また、排気側熱交換部34bを通過した空気は、排気ダクト23に導かれて排気開口23aから排気される。つまり、排気ダクト23は、熱交換器34で熱交換した空気を排気する。
【0043】
例えば、熱交換器34を冷却装置として利用する場合、制御部40が電源部50を制御して熱交換器34に印加する電流を制御することで、送風側熱交換部34aを通過した空気を、排気側熱交換部34bを通過した空気よりも低温にできる。これにより、送風側熱交換部34aで熱交換された低温の空気が通風空間Kに送られて各吐出口から吐出され、排気側熱交換部34bで熱交換された高温の空気が排気ダクト23に送られて排気開口23aから排気される。
【0044】
また、熱交換器34を加熱装置として利用する場合、制御部40が電源部50を制御して熱交換器34に印加する電流を制御することで、送風側熱交換部34aを通過した空気を、排気側熱交換部34bを通過した空気よりも高温にできる。これにより、送風側熱交換部34aで熱交換された高温の空気が通風空間Kに送られて各吐出口から吐出され、排気側熱交換部34bで熱交換された低温の空気が排気ダクト23に送られて排気開口23aから排気される。
【0045】
第1通風路31、第2通風路32及び第3通風路33は、通風空間Kと接続されている。本実施の形態では、第1通風路31、第2通風路32及び第3通風路33は、シートバック13の表面から通風空間Kに至るように形成された貫通孔であるが、樹脂等で構成されたダクトであってもよい。この場合、シートバック13に形成された貫通孔に第1通風路31を形成するダクト、第2通風路32を形成するダクト、及び、第3通風路33を形成するダクトが設けられていてもよい。
【0046】
第2通風路32は、第1通風路31よりも離れた位置で通風空間Kから分岐して延びている。本実施の形態では、第2通風路32は、第1通風路31のY軸プラス方向側及びY軸マイナス方向側に配置され、通風空間Kから分岐してZ軸プラス方向に沿って延びている。
【0047】
第3通風路33は、第1通風路31及び第2通風路32よりもZ軸マイナス方向側に配置され、通風空間Kから分岐して、X軸プラス方向に沿って延びている。第3通風路33は、シートバック13に複数形成されているため、複数の第3吐出口33aは、第1吐出口31a及び第2吐出口32aよりも広範囲に亘ってシートバック13に形成されている。
【0048】
第1通風路31に導かれた空気は、第1吐出口31aから吐出され、第2通風路32に導かれた空気は、第2吐出口32aから吐出され、第3通風路33に導かれた空気は第3吐出口33aから吐出される。
【0049】
第1通風路31の長さは、第2通風路32の長さよりも短くなるように設定されている。この場合、第1通風路31の長さは、通風空間Kにおける第1通風路31及び第2通風路32の合流部分から第1吐出口31aまでの長さとなる。また、第2通風路32の長さは、通風空間Kにおける第1通風路31及び第2通風路32の合流部分から第2吐出口32aまでの長さとなる。合流部分は、送風開口22aのX軸プラス方向側における通風空間Kである。これにより、車室を冷却する場合、第1通風路31を経由して第1吐出口31aから吐出される空気の温度の方が第2通風路32を経由して第2吐出口32aから吐出される空気の温度よりも低くできる。
【0050】
風量制御機構は、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量とを制御する。風量制御機構は、第1通風路31及び第2通風路32と送風ダクト22との間に配置されている。本実施の形態では、送風ダクト22と通風空間Kとの接続部分に配置されている。
【0051】
風量制御機構は、第1通風路31及び第2通風路32と送風機20との間の流路上に配置された第1ダンパ61を有している。本実施の形態では、風量制御機構の一例として第1ダンパ61を用いて説明する。本実施の形態において、流路は、吸気ダクト21の吸気開口21aから第1吐出口31a、第2吐出口32a及び第3吐出口33aまでを示している。
【0052】
図5Aに示すように、第1ダンパ61は、流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップ61bと、第1フラップ61bを回動可能に軸支する軸部61aとを有している。軸部61aは、Y軸方向に沿って延び、第1フラップ61bを自在に回動させることができる。このため、第1フラップ61bは、送風ダクト22を流れる空気によって容易に回動することができる。本実施の形態では、軸部61aは第1フラップ61bのZ軸プラス方向側に配置され、第1フラップ61bが軸部61aに対して、図5Aに示すように、所定の角度でぶら下がった状態となっている。
【0053】
図4に示すように、第1フラップ61bと、送風ダクト22と通風空間Kとの接続部分である送風開口22aとをX軸方向に沿って見た場合、第1フラップ61bは、送風開口22aの一部を覆うように配置されている。
【0054】
例えば、送風ダクト22を流れる空気の流量が少ない場合、図8の(a)に示すように、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かないため、当該空気は、第1フラップ61bによって、通風空間Kに流入して第3通風路33に案内される。また、図9の(a)に示すように、当該空気は、第1フラップ61bによって、通風空間Kに流入して第2通風路32にも案内される。例えば、図9の(a)に示すように、第2通風路32は、第1通風路31のY軸プラス方向側及びY軸マイナス方向側に配置されている。また、図8の(a)に示すように、第2通風路32は、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かないときの第1フラップ61bの位置に対し、送風ダクト22側に配置されている。これにより、当該空気は、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから吐出されるとともに、第1吐出口31aからも僅かに吐出される。
【0055】
例えば、送風ダクト22を流れる空気の流量が多い場合、図8の(b)に示すように、空気によって第1フラップ61bを大きく回動させるだけの力が働くため、当該空気は、第1フラップ61bを回動させることで、通風空間Kに流入し、第1吐出口31aから多く吐出されるとともに、図8の(b)と図9の(b)に示すように、第2吐出口32a及び第3吐出口33aからも幾分か吐出される。
【0056】
このような構成のため、第1吐出口31a及び第2吐出口32aから吐出される空気は、X軸プラス方向側に向かって吹出される。これにより、第1吐出口31a及び第2吐出口32aから吐出された空気がシートバック13に着座している人の上体(特に頭部、首及び肩峰)に吹き付けられる。
【0057】
第3通風路33は、通風空間Kに至った空気を第3吐出口33aへ案内する。第3吐出口33aからは、当該空気がX軸プラス方向側に吐出される。これにより、吐出された空気がシートバック13に着座している人(特に人の背部)に吹き付けられる。
【0058】
図2及び図3に示すように、制御部40は、送風機20及び熱交換器34を制御する。制御部40は、送風機20及び熱交換器34に流す電流をオンオフしたり、電流値を変更することで送風機20の出力を制御したり、熱交換器34を冷却装置として利用したり、熱交換器34を加熱装置として利用したりするマイクロコンピュータである。
【0059】
制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、風量を制御する。つまり、制御部40は、送風機20を制御することで、以下のように第1吐出口31a、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから吐出する風量を制御することができる。
【0060】
例えば、制御部40は、シート2が配置される車室内の温度、車室内に存在する人の温度、又は、車両に搭載されている空調装置の制御指示に基づいて送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、各吐出口から吐出する空気の風量を制御してもよい。この場合、制御部40は、車室内に搭載したセンサから、車室内の温度、及び、車室内に存在する人の温度を取得し、送風機20及び熱交換器34を制御してもよい。また、制御部40は、車両に搭載されている空調装置の駆動開始時からの駆動期間を取得することで、車室内の温度、及び、車室内に存在する人の温度を推定し、送風機20及び熱交換器34を制御してもよい。
【0061】
例えば、制御部40は、シート空調装置1の駆動を開始してから所定期間における第1風量を実質的に0とし、所定期間が経過した後に、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、次第に第1風量を増加させてもよい。具体的には、図10に示すように、車室内の空調装置による温度調節を開始した冷房最初期の場合、車室内の空調装置が冷風を吐出することができない場合があるため、車室内の空調装置の駆動開始から所定期間が経過するまで、第1風量を実質的に0にする。例えば、夏場等において冷房最初期の空気の吹出し温度が高い場合、車室内の雰囲気温度及び人の温冷感が高いため、温かい空気が人に吹き付けられないようにすることができる。冷房最初期が経過後(所定期間が経過後)、車室内の空調装置が冷風を吐出することができるため、冷房初期では、制御部40は、送風機20の出力を制御して次第に第1風量を増加させてもよい。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。なお、冷房最初期は数十秒程度、冷房初期は5分から10分程度である。また、ここでいう「実質的に0」とは、空気の流量が僅かである状態も含み得る。
【0062】
例えば、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量との比率において、第2風量に対する第1風量の比率を時間の経過とともに低下させてもよい。具体的には、制御部40は、送風機20の出力を時間の経過とともに低下させるように制御することで、送風ダクト22を流れる空気の流量を少なくさせてもよい。この場合、制御部40は、送風機20の出力を、冷房初期のときの出力よりも小さく、かつ、冷房最初期のときの出力よりも大きくなるように制御する。図10に示すように、車室内の空調装置による温度調節の冷房効果によって車室内の温度が安定した冷房安定期の場合、車室内の雰囲気温度及び人の温冷感が低くなっている。このため、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第2風量を増加させて広範囲に風を吹出して、人の身体の広範囲を冷却させることができる。
【0063】
例えば、通風空間Kに面する第1通風路31の開口を第2通風路32の開口よりも大きくするとともに、制御部40が、送風機20を制御して風量制御機構(第1ダンパ61)の姿勢を図8の(b)のように調節することで、第1吐出口31aから吐出する空気の風速を、第2吐出口32aから吐出する空気の風速よりも速くなるように制御してもよい。具体的には、夏場等において冷房初期には人が暑く感じているため、制御部40は、図10の冷房初期のように、送風ダクト22を流れる風速が速くなるように送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を多くしてもよい。
【0064】
また、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量と、第3吐出口33aから吐出する空気の第3風量とを制御し、第1風量と第2風量と第3風量との総和に対する第3風量の割合を制御する。
【0065】
例えば、制御部40は、所定期間における第1風量を実質的に0にする。具体的には、制御部40は、図10の冷房最初期のように、所定期間が経過するまで、送風ダクト22を流れる空気の流量が僅かになるように送風機20の出力を制御する。このとき、送風ダクト22を流れる空気が僅かであるため、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かない。このため、主に、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気が吐出される。
【0066】
例えば、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、主に第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気を吐出させ、所定期間が経過後、第1吐出口31aから吐出する空気が増加するように制御する。つまり、制御部40は、図10の冷房最初期から冷房初期に移行するときのように、送風機20を制御する。このとき、第1フラップ61bは、送風機20の出力が所定以上に設定されると、当該空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力が働くため、第1風量と第2風量と第3風量との総和に対する第1風量の割合が増加するように回動する。この場合、当該空気は、第1フラップ61bを回動させることで、通風空間Kを介して第1吐出口31aから吐出される風量が増加するとともに、第2吐出口32a及び第3吐出口33aからも吐出される。
【0067】
例えば、図3図8の(a)及び図9の(a)に示すように、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、当該総和に対する第1風量の割合を低下させ、第1風量の割合の低下に連動して第3風量の割合を増加させる。具体的には、制御部40は、図10の冷房安定期のように、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を少なくさせてもよい。このとき、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かない。これにより、当該空気は、第3吐出口33aから吐出されるとともに第2吐出口32aからも吐出され、第1吐出口31aからは僅かに吐出される。
【0068】
例えば、図3図8の(b)及び図9の(b)に示すように、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1風量及び第2風量の和が第3風量よりも大きくなるように制御する。具体的には、制御部40は、送風ダクト22を流れる風速が速くなるように送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を多くさせてもよい。このとき、送風機20の出力が所定以上に設定されると、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力が働くため、第1フラップ61bは、総和に対する第1風量の割合が増加するように大きく回動する。この場合、当該空気は、第1フラップ61bを回動させることで、通風空間Kを介して第1吐出口31aから多く吐出されるとともに、第2吐出口32a及び第3吐出口33aからも幾分か吐出される。
【0069】
本実施の形態では、第1通風路31と送風開口22aとは、直線状に並ぶように配置されている。このため、制御部40が送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから第1温度の空気が吐出され、第2吐出口32a及び第3吐出口33aのうちの少なくとも一方から第1温度の空気に車室内の空気(第2通風路32及び第3通風路33に元々存在する空気)を混入した第2温度の空気が吐出される。
【0070】
また、制御部40は、車両に搭載されるエアコンディショナの制御部(以下、エアコン制御部)と通信する機能を有していてもよい。この場合、制御部40はエアコン制御部に制御信号を送信したり、エアコンディショナの動作状態を受信したりすることで、送風機20及び熱交換器34を制御してもよい。
【0071】
電源部50は、送風機20及び熱交換器34に電力を供給する電源回路である。ここでは、電源部50は図示しないバッテリから供給される直流電源である。電源部50は、制御部40によって制御されることで、送風機20及び熱交換器34に供給する電流を調節する。
【0072】
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるシート空調装置1の作用効果について説明する。
【0073】
上述したように、本実施の形態に係るシート空調装置1は、シート2に用いられるシート空調装置1であって、シート2に配置された送風機20と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第1吐出口31aから吐出するための空気を導く第1通風路31と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第2吐出口32aから吐出するための空気を導く第2通風路32と、シート2に配置され、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量とを受動的に制御する風量制御機構とを備えている。
【0074】
これによれば、シート2に送風機20と第1通風路31と第2通風路32とを備えるとともに、風量制御機構は送風機20からの空気により第1風量と第2風量を受動的に制御して、シート2に着座する人に空気を吹き付けることができる。このため、本実施の形態では、従来技術のように、開閉弁、開閉弁を能動的に動作させるためのアクチュエータ等をシートに搭載しなくてもよい。
【0075】
また、風量制御機構が第1風量と第2風量とを制御することで、第1吐出口31aと第2吐出口32aとで吐出される空気の風量を異ならせることができる。
【0076】
したがって、このシート空調装置1では、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シート2に着座する人の快適性をより向上させることができる。
【0077】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1は、送風機20の駆動を制御する制御部40を備えている。そして、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1風量及び第2風量を制御する。
【0078】
これによれば、送風機20の出力を制御することで、シート2内を流れる空気の流量によって風量制御機構の姿勢を調節することができる。このため、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第1吐出口31aと第2吐出口32aとで吐出される空気の風速を異ならせることができる。また、シート2に着座する人の快適性をより向上させることができる。
【0079】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第2風量に対する第1風量の比率を時間の経過とともに低下させる。
【0080】
これによれば、例えば図10に示すように、車室内の空調装置による温度調節の冷房効果によって車室内の温度が安定した冷房安定期の場合、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第2風量を増加させて広範囲に風を吹出して、人の身体の広範囲を冷却させることができる。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。
【0081】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、シート2が配置される車室内の温度、車室内に存在する人の温度、又は、車両に搭載されている空調装置の制御指示に基づいて送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1風量と第2風量とを制御する。
【0082】
これによれば、制御部40が送風機20の出力を制御することで、風量制御機構の姿勢を自動的に調節することができる。風量制御機構の姿勢が自動的に調節されることで、第1風量と第2風量とを自動的に制御することができるため、本実施の形態のシート空調装置1では、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。このため、このシート空調装置1によれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから吐出する空気の風速を、第2吐出口32aから吐出する空気の風速よりも速くなるように制御する。
【0084】
これによれば、制御部40が送風機20の出力を制御することで、風量制御機構の姿勢を自動的に調節することができる。風量制御機構の姿勢が自動的に調節されることで、第1風速と第2風速とを自動的に制御することができるため、本実施の形態のシート空調装置1では、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。このため、このシート空調装置1によれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0085】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、シート空調装置1の駆動を開始してから所定期間における第1風量を実質的に0とし、所定期間が経過した後に、次第に第1風量を増加させる。
【0086】
これによれば、例えば図10に示すように、車室内の空調装置による温度調節を開始した冷房最初期の場合、車室内の空調装置が冷風を吐出することができない場合があるため、車室内の空調装置の駆動開始から所定期間が経過するまで、第1風量を実質的に0にする。これにより、第1吐出口31aから温かい空気が人に直接的に吹き付けられないようにすることができるため、人に不快感を与えないようにすることができる。
【0087】
また、冷房最初期が経過後(所定期間が経過後)、車室内の空調装置が冷風を吐出することができるため、冷房初期では、制御部40が送風機20の出力を制御して、第1風量を増加させることで、局所的に人に冷たい風を吹き付けることができる。これにより、人の身体を局所的に冷却させることができる。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。
【0088】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1は、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人に対して第3吐出口33aから吐出するための空気を導く複数の第3通風路33を備えている。
【0089】
これによれば、第3吐出口33aからも空気を吐出することができるため、人の身体を冷却させたり温めたりすることができる。
【0090】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから吐出する空気の第1風量と、第2吐出口32aから吐出する空気の第2風量と、第3吐出口33aから吐出する空気の第3風量とを制御し、第1風量と第2風量と第3風量との総和に対する第3風量の割合を制御する。
【0091】
これによれば、制御部40が送風機20の出力を制御することで、風量制御機構の姿勢を自動的に調節することができる。風量制御機構の姿勢が自動的に調節されることで、第1風量と第2風量と第3風量とを自動的に制御することができる。これにより、第1吐出口31aと第2吐出口32aと第3吐出口33aとで吐出されるそれぞれの空気の風量を異ならせることで、第3風量の割合を制御することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、総和に対する第1風量の割合を低下させ、第1風量の割合の低下に連動して第3風量の割合を増加させる。
【0093】
これによれば、例えば車室内の温度が安定した冷房安定期の場合、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第3風量を増加させて広範囲に風を吹出し、人の身体の広範囲を冷却させることができる。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。
【0094】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1風量及び第2風量の和が第3風量よりも大きくなるように制御する。
【0095】
これによれば、例えば車室内の温度が安定していない冷房初期の場合、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第1風量及び第2風量を増加させることで、人の身体を冷却させることができる。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。
【0096】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気を吐出し、所定期間が経過後、第1吐出口31aから吐出する空気が増加するように制御する。
【0097】
これによれば、例えば車室内の温度が安定していない冷房最初期の場合、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから吐出する空気を主体とすることで、人に対して温冷感に敏感な首等へ局所的に温かい空気を吹き付けないようにすることができる。また、冷房最初期から冷房初期に移行後、制御部40が送風機20の出力を制御することで、第1風量を増加させることで、人の身体を冷却させることができる。また、冷却だけでなく人の身体を温める場合も同様である。
【0098】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、風量制御機構は、第1通風路31と送風機20との間の流路上に配置された第1ダンパ61を有している。そして、第1ダンパ61は、流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップ61bを有している。
【0099】
これによれば、送風機20からの空気によって第1フラップ61bが回動するため、第1フラップ61bは、自動的に姿勢が調節される。このため、本実施の形態のシート空調装置1では、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。その結果、このシート空調装置1によれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、風量制御機構は、第1通風路31と送風機20との間の流路上に配置された第1ダンパ61を有している。また、第1ダンパ61は、流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップ61bを有している。そして、第1フラップ61bは、送風機20の出力が所定以上に設定されると、総和に対する第1風量の割合が増加するように回動する。
【0101】
これによれば、送風機20からの空気によって第1風量の割合が増加するように第1フラップ61bの姿勢を調節することができる。このため、本実施の形態のシート空調装置1では、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。その結果、このシート空調装置1によれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0102】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、風量制御機構は、第1通風路31と送風機20との間の流路上に配置された第1ダンパ61を有している。また、第1ダンパ61は、流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップ61bを有している。そして、第1フラップ61bは、総和に対する第3風量の割合が増加するように回動可能である。
【0103】
これによれば、送風機20からの空気によって第3風量の割合が増加するように第1フラップ61bの姿勢を調節することができる。このため、本実施の形態のシート空調装置1では、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。その結果、このシート空調装置1によれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0104】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、第1通風路31の長さは、第2通風路32の長さよりも短い。
【0105】
これによれば、第1通風路31の第1吐出口31aから吐出する空気の風速を第2通風路32の第2吐出口32aから吐出する空気の風速よりも大きくすることができる。
【0106】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、制御部40は、送風機20を制御して風量制御機構の姿勢を調節することで、第1吐出口31aから第1温度の空気を吐出させ、第2吐出口32a及び第3吐出口33aのうちの少なくとも一方から第1温度の空気に車室内の空気を混入した第2温度の空気を吐出させる。
【0107】
これによれば、人に対して第1吐出口31aから第1温度の空気を吐出することで、人の身体を局所的に冷却させたり温めたりすることができる。また、第2吐出口32a及び第3吐出口33aのうちの少なくとも一方から第1温度に対し車室内の温度に近い第2温度の空気を吐出することで、人の身体を広範囲にマイルドに冷却させたり温めたりすることができる。
【0108】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、第1吐出口31aの開口面積は、第2吐出口32aの開口面積よりも小さい。
【0109】
これにより、第1吐出口31aの開口面積が第2吐出口32aの開口面積よりも小さいため、送風機20の出力を制御することで、第1吐出口31aと第2吐出口32aとで吐出される空気の風速を異ならせることができる。
【0110】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1において、シート2には、送風機20が送風した空気が、送風開口22aを介して流入する分岐空間(通風空間K)が形成される。また、分岐空間(通風空間K)には、第1通風路31と第2通風路32とが接続される。また、第1通風路31と送風開口22aとが直線状に並ぶように配置されている。そして、第2通風路32は、第1通風路31よりも離れた位置で分岐空間(通風空間K)から分岐して延びている。
【0111】
これによれば、送風開口22aから通風空間Kへ流入した空気が第1通風路31へと流れ込みやすくなるため、第1吐出口31aから吐出する空気の風速が低下し難くなる。このため、第1吐出口31aは、風速分布範囲が狭く、流速の速い空気を吐出することができる。また、第2通風路32は、通風空間Kから分岐しているため、通風空間Kへ流入した空気が第1通風路31へと流れ込む際に、流速が減衰し易くなる。このため、第2吐出口32aは、第1吐出口31aから吐出される空気の風速分布範囲よりも広く、流速の遅い空気を吐出することができる。
【0112】
(実施の形態1の変形例1)
まず、図11図13を用いて、本変形例のシート空調装置1aについて説明する。
【0113】
図11は、実施の形態1の変形例1におけるシート空調装置1aを示す部分拡大正面図である。図12Aは、図11のD-D線における実施の形態1の変形例1のシート空調装置1aを示す断面図である。図12Bは、図11のE-E線における実施の形態1の変形例1のシート空調装置1aを示す断面図である。図13は、実施の形態1の変形例1において、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第2フラップ62bの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。
【0114】
本変形例では、風量制御機構が第1ダンパの代わりに、第1ダンパの下方に配置された第2ダンパ62を有する点等で、実施の形態1のシート空調装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0115】
本変形例では、図11図13に示すように、風量制御機構は、第1通風路31と第3通風路33とに接続する分岐空間である通風空間Kに配置された第2ダンパ62を有している。
【0116】
第2ダンパ62は、流路を流れる空気によって回動可能な第2フラップ62bと、第2フラップ62bを回動可能に軸支する軸部62aとを有している。軸部62aは、Y軸方向に沿って延び、第2フラップ62bを自在に回動させることができる。このため、第2フラップ62bは、送風ダクト22を流れる空気によって容易に回動することができる。本変形例では、送風機20が駆動していない状態の場合、軸部62aは第2フラップ62bのX軸プラス方向に配置されている。
【0117】
第2フラップ62bは、通風空間Kにおいて、送風開口22aから第3通風路33へ向かう空気を妨げるように配置されている。図12A及び図13の(b)に示すように、通風空間Kに流入する空気の流量が多くなると、第2フラップ62bが回動することで、第3通風路33の第3吐出口33aから空気が吐出される。
【0118】
また、図12A及び図13の(a)に示すように、通風空間Kに流入する空気の流量が僅かな場合、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力がほとんど働かないため、主に、第1通風路31の第1吐出口31a及び第2通風路32の第2吐出口32aから空気が吐出され、第2フラップ62bとシートバック13との隙間から流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから僅かに吐出される。
【0119】
上述したように、本変形例に係るシート空調装置1aにおいて、風量制御機構は、第1通風路31と第3通風路33とに接続する分岐空間(通風空間K)に配置された第2ダンパ62を有している。そして、第2ダンパ62は、分岐空間(通風空間K)に流れる空気によって回動可能な第2フラップ62bを有している。
【0120】
これによれば、送風機20からの空気によって第2フラップ62bが回動するため、第2フラップ62bは、自動的に姿勢が調節される。このため、本変形例のシート空調装置1aでは、風量制御機構の姿勢を調節するためのアクチュエータを用いなくてもよい。その結果、このシート空調装置1aによれば、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制することができる。
【0121】
(実施の形態1の変形例2)
図14A図14Dを用いて、本変形例のシート空調装置1bについて説明する。
【0122】
図14Aは、実施の形態1の変形例2において、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。図14Bは、追加制御する場合における、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。図14Cは、シートバック13を側方から見たときの第1吐出口31a及び第3吐出口33aから吐出される空気の風速分布範囲を示す図である。図14Dは、各モードを実行後に1以上の追加制御を行う場合を示す図である。
【0123】
本変形例では、風量制御機構が第1ダンパ61と第2ダンパ62を有する点等で、実施の形態1の変形例1のシート空調装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1の変形例1と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0124】
本変形例における風量制御機構の第1ダンパ61は、実施の形態1と同様の構成であり、本変形例における風量制御機構の第2ダンパ62は、実施の形態1の変形例1と同様の構成である。
【0125】
本変形例において、風量制御機構が第1ダンパ61と第2ダンパ62を有する場合、シート空調装置1bは以下のような動作を行う。
【0126】
図14Aの(a)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を僅かにした場合、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かず、また、通風空間Kに流入する空気の流量が僅かなため、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力がほとんど働かない。これにより、主に、第2通風路32の第2吐出口32aから空気が吐出される。また、第1フラップ61bの隙間から流入した空気が第1通風路31の第1吐出口31aから、第2フラップ62bとシートバック13との隙間から流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから、それぞれ僅かに吐出される。
【0127】
図14Aの(b)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を多くした場合、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力が働くため、当該空気は、第1フラップ61bを回動させる。また、通風空間Kに流入する空気の流量が多く、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力が働くため、当該空気は、第2フラップ62bを回動させる。これにより、主に、第1通風路31の第1吐出口31aから空気が多く吐出され、次いで第2通風路32の第2吐出口32aから空気が吐出される。また、第2フラップ62bから流入した空気は第3通風路33の第3吐出口33aからも吐出される。
【0128】
図14Aの(c)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を少なくした場合、空気によって第1フラップ61bを回動させるだけの力がほとんど働かない。また、通風空間Kに流入する空気の流量は少ないが、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力が働くため、当該空気は、第2フラップ62bを回動させる。つまり、第2フラップ62bを全開にする空気の流量は、第1フラップ61bを全開にする空気の流量よりも少ない。これにより、当該空気は、第1フラップ61bに案内されることで、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから吐出されるとともに、第1吐出口31aからも幾分か吐出される。
【0129】
また、図14Bに示すように、本変形例のシート空調装置1b1の制御部40は、送風機20の駆動開始時点からの連続使用期間をカウントする計時機能を有する。制御部40は、カウントした連続使用期間に基づいて、送風機20を制御する1以上の追加制御を行う。
【0130】
具体的には、制御部40は、第1モードと、第2モードと、第3モードとを有している。
【0131】
図14Bの(a)及び図14Cの(a)に示すように、第1モードは、例えば冷房最初期に実行され、第1吐出口31a及び第2吐出口32aから空気を僅かに吐出させるモードである。第1モードでは、第1フラップ61bを空気で僅かに回動させるだけの力を働かせるように、制御部40が送風機20を制御する。第1モードでは、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力がほとんど働かず、第3通風路33の第3吐出口33aから空気が吐出されない。
【0132】
図14Bの(b)及び図14Cの(b)に示すように、第2モードは、例えば冷房最初期が経過後の冷房初期に実行され、第1吐出口31aから空気が多く吐出され、次いで第2吐出口32aから空気が吐出されるとともに、第3吐出口33aから僅かに空気が吐出されるモードである。第2モードでは、第1フラップ61b及び第2フラップ62bを空気で全回させるだけの力を働かせるように、制御部40が送風機20を制御する。
【0133】
図14Bの(c)及び図14Cの(c)に示すように、第3モードは、例えば冷房安定期に実行され、第2吐出口32a及び第3吐出口33aから空気が吐出されるとともに、第1吐出口31aから幾分か空気が吐出されるモードである。第3モードでは、第1フラップ61bを空気で僅かに回動させるだけの力を働かせ、第2フラップ62bを空気で全回させるだけの力を働かせるように、制御部40が送風機20を制御する。
【0134】
制御部40が第1モード、第2モード及び第3モードをこの順番で実行すると、制御部40は、カウントした連続使用期間、又は、人の状態に基づいて、送風機20を制御する1以上の追加制御を行う。例えば、制御部40は、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態に基づいて1以上の追加制御を行ってモードの切り替えを実行する。また、制御部40は、連続使用期間が所定の期間を経過した場合に1以上の追加制御を行ってモードの切り替えを実行してもよく、連続使用期間が所定の期間を経過した後に、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態に基づいて1以上の追加制御を行ってモードの切り替えを実行してもよい。
【0135】
この1以上の追加制御では、制御部40は、モードの切り替えを行う。例えば、制御部40は、第1モードと第2モードとの間でのモードの切り替えを行ったり、第2モードと第3モードとの間でのモードの切り替えを行ったりする。
【0136】
図14Dでは、制御部40は、第1追加制御として、第3モードから第2モードに切り替えて第2モードを第1期間実行した後、第2モードから第3モードに切り替えて第3モードを第2期間実行するということを1回以上繰り返す。これにより、冷房安定期において、第2モードと第3モードとを交互に実行することで、慣れにより人の冷感が薄れることを抑制することができる。第1追加制御は、上記1以上の追加制御に含まれる。
【0137】
第1追加制御では、制御部40が第2モードと第3モードとの間でのモードの切り替えを行うが、制御部40は、モードの切り替えを周期的に行ってもよく、モードの切り替えをランダムで行ってもよい。制御部40は、ランダムでモードの切り替えを行う場合、1/fゆらぎを再現するように送風機20を制御してもよい。
【0138】
また、長時間車両を運転する場合、制御部40は、第1追加制御の後に第2追加制御を行ってもよい。第2追加制御は、上記1以上の追加制御に含まれる。具体的には、制御部40は、第2追加制御として、第2モードから第1モードに切り替えて第1モードを第3期間実行した後、第1モードから第2モードに切り替えて第2モードを第4期間実行するということを1回以上繰り返す。これにより、冷房安定期において、第1モードと第2モードとを交互に実行することで、人に吹き付けられる風量を大幅に変化させることができるため、人に刺激を与えることができる。特に、人が運転者である場合、運転者に刺激が与えられるため、運転者の集中力を維持させることが期待できる。
【0139】
また、上述した第1追加制御においてモードを切り替える第1期間及び第2期間からなる周期は、第2追加制御においてモードを切り替える第3期間及び第4期間からなる周期よりも長い期間となっている。第1追加制御は人に違和感及び不快感に繋げる刺激を与え難いが、第1追加制御よりも第2追加制御の方が人に吹き付けられる風量を小刻みに変化させることができ、第1追加制御よりも第2追加制御の方が人に刺激を与えやすくなる。
【0140】
第2追加制御では、制御部40が第1モードと第2モードとの間でのモードの切り替えを行うが、制御部40は、周期的に行ってもよく、モードの切り替えをランダムで行ってもよい。
【0141】
また、制御部40は、上述した1以上の追加制御において、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態に基づいてモードの切り替えを実行してもよい。
【0142】
なお、上述では、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第1追加制御及び第2追加制御を行っているが、本変形例は、これに限定されない。例えば、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第1追加制御、及び、第2追加制御のうちの少なくとも一方を行うだけでもよく、第1追加制御と第2追加制御とを繰り返し行ってもよい。また、冷房最初期の制御を行わずに冷房初期から冷房安定期までの動作を行った後に、第1追加制御、及び、第2追加制御のうちの少なくとも一方を行うだけでもよく、第1追加制御と第2追加制御とを繰り返し行ってもよい。また、冷房最初期及び冷房初期の制御を行わずに冷房安定期の動作を行った後に、第1追加制御、及び、第2追加制御のうちの少なくとも一方を行うだけでもよく、第1追加制御と第2追加制御とを繰り返し行ってもよい。
【0143】
例えば、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第1追加制御だけを行う場合は、第1追加制御を行っているときに車両が目的地に到着した場合等のように、車両を長時間運転しない場合が想定される。
【0144】
例えば、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第2追加制御だけを行う場合は、冷房最初期から冷房安定期までの間に、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態が覚醒度の低い状態であった場合が想定される。
【0145】
例えば、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第2追加制御と第1追加制御とを続けて行う場合は、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態が覚醒度の低い状態であったため、第2追加制御を行って人に刺激を与えることで人を覚醒させた後に、第1追加制御を行う場合が想定される。
【0146】
例えば、冷房最初期から冷房安定期までの制御を行った後に、第1追加制御と第2追加制御とを続けて行う場合は、車両を長時間運転する場合であり、第1追加制御を行ったときに、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサ等から得た人の状態が覚醒度の低い状態であったため、第2追加制御を行って人に刺激を与えることで人を覚醒させる場合が想定される。
【0147】
なお、ドライバーモニターシステム及びウェアラブルセンサは、シート空調装置1b1の構成要件に含まれていてもよい。
【0148】
上述したように、本変形例に係るシート空調装置1bにおいて、風量制御機構は、第1通風路31と送風機20との間の流路上に配置された第1ダンパ61を有している。また、第1ダンパ61は、流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップ61bを有している。また、風量制御機構は、第1通風路31と第3通風路33とに接続する分岐空間(通風空間K)に配置された第2ダンパ62を有している。また、第2ダンパ62は、分岐空間(通風空間K)に流れる空気によって回動可能な第2フラップ62bを有している。そして、制御部40は、送風機20の出力を制御することで第1フラップ61b及び第2フラップ62bの姿勢を調節する。
【0149】
これによれば、送風機20からの空気によって第1フラップ61b及び第2フラップ62bの姿勢を自動的に調節することができる。このため、制御部40が送風機20の出力を制御することで、各吐出口から吐出する空気の風量を制御することができる。
【0150】
また、本変形例に係るシート空調装置1b1において、制御部40は、冷房最初期に実行される第1モードと、第1モードに続く冷房初期に実行される第2モードと、第2モードに続く冷房安定期に実行される第3モードとを有する。制御部40は、送風機20の駆動開示時点からの連続使用期間をカウントし、又は、人の状態を取得する。制御部40は、連続使用期間、又は、人の状態に基づいて、送風機20を制御する1以上の追加制御を行う。そして、制御部40は、(1)1以上の追加制御に含まれる第1追加制御を行う場合、第2モードと第3モードとの間でモードの切り替えを行うように送風機20を制御することと、(2)1以上の追加制御に含まれる第2追加制御を行う場合、第1モードと第2モードとの間でモードの切り替えを行うように送風機20を制御することとの少なくとも一方を行う。
【0151】
これによれば、例えば、長時間車両を運転する場合に、冷房安定期の後に、第1追加制御で第3モードと第2モードとの間で切り替えることで、慣れにより人の冷感が薄れることを抑制することができる。これにより、車室内に存在する人の快適性を長時間に渡って維持することが期待できる。
【0152】
また、第2追加制御として第1モードと第2モードとの間でモードを切り替えることで、人に吹き付けられる風量を大幅に変化させることができるため、人に刺激を与えることができる。このため、運転者の集中力を維持させることが期待できる。
【0153】
また、本変形例に係るシート空調装置1b1において、1以上の追加制御に含まれる第1追加制御においてモードを切り替える第1期間及び第2期間からなる周期は、1以上の追加制御に含まれる第2追加制御においてモードを切り替える第3期間及び第4期間からなる周期よりも長い期間である。
【0154】
これによれば、第1追加制御は人に違和感及び不快感に繋げる刺激を与え難いが、第1追加制御よりも第2追加制御の方が小刻みに風量を調整することができ、第1追加制御よりも第2追加制御の方が人に対してより刺激を与えやすくなる。このため、運転者の集中力を維持させることが期待できる。
【0155】
(実施の形態1の変形例3)
まず、図15を用いて、本変形例のシート空調装置について説明する。
【0156】
図15は、風量制御機構を示す正面図及び側面図である。図15の(a1)、(a2)に示す風量制御機構は、上述の実施の形態1等の風量制御機構と同様の構成である。図15の(a1)、(a2)では、第1ダンパ61を例示している。また、図15では、重力を矢印で示している。
【0157】
本変形例では、風量制御機構の構成が実施の形態1の変形例1の風量制御機構と異なる点等で、実施の形態1の変形例1のシート空調装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1の変形例1と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0158】
本変形例において、風量制御機構では、図15の(b1)、(b2)の実施例1に示すように、ダンパ60aの軸部61a1が回動できなくてもよい。また、風量制御機構では、図15の(c1)、(c2)の実施例2に示すように、ダンパ60bの軸部61a2に姿勢保持部61eが設けられていてもよい。また、風量制御機構では、図15の(d1)、(d2)の実施例3に示すように、ダンパ60cのフラップ61b3が弾性変形してもよい。
【0159】
なお、本変形例では、第1ダンパと第2ダンパとは同様の構成であるため、包含して単にダンパと呼ぶことがある。また、第1ダンパの軸部と第2ダンパの軸部とも同様の構成であるため、包含して単に軸部と呼ぶことがある。また、第1フラップと第2フラップとも同様の構成であるため、包含して単にフラップと呼ぶことがある。
【0160】
<実施例1>
シート空調装置の風量制御機構について図15の(b1)、(b2)を用いて説明する。
【0161】
図15の(b1)、(b2)に示すように、本変形例の風量制御機構のダンパ60aは、軸部61a1及びフラップ61b1の他に、軸部61a1とフラップ61b1とを接続する接続部61dを有している。
【0162】
軸部61a1は、送風ダクト又はシートバックに固定されている。このため、軸部61a1は、送風ダクト又はシートバックに対して回動することができない。
【0163】
接続部61dは、柔軟性を有する樹脂材料で構成されている。柔軟性を有する樹脂材料は、例えばエラストマ樹脂等である。
【0164】
この場合、フラップ61b1は、自重と、通風空間に流入する空気の流量とに応じて釣り合うような姿勢となる。このため、シート空調装置では、通風空間に流入する空気の流量に応じて、接続部61dが弾性変形することで、フラップ61b1の姿勢が接続部61dによって自動的に調節される。
【0165】
なお、第1ダンパと第2ダンパとはダンパ60aと同様の構成であるが、いずれか一方だけが本実施例のダンパ60aの構成であってもよい。
【0166】
<実施例2>
シート空調装置の風量制御機構について図15の(c1)、(c2)を用いて説明する。
【0167】
図15の(c1)、(c2)に示すように、本変形例の風量制御機構のダンパ60bは、軸部61a2及びフラップ61b2の他に、軸部61a2に連結された姿勢保持部61eを有している。
【0168】
軸部61a2は、送風ダクト又はシートバックに回動可能に軸支されている。
【0169】
姿勢保持部61eは、弾性部材であり、例えば、ゼンマイ状のばね材、コイルバネ等で構成されている。姿勢保持部61eは、軸部61a2と、送風ダクト又はシートバックとに連結されている。姿勢保持部61eは、送風ダクト又はシートバックに対するフラップ61b2の姿勢を初期位置に保持することができる。
【0170】
この場合、フラップ61b2は、自重と、通風空間に流入する空気の流量とに応じて釣り合うような姿勢となる。このため、ダンパ60bでは、通風空間に流入する空気の風量に応じてフラップ61b2の姿勢が姿勢保持部61eによって自動的に調節される。
【0171】
なお、第1ダンパと第2ダンパとはダンパ60bと同様の構成であるが、いずれか一方だけが本実施例のダンパ60bの構成であってもよい。
【0172】
<実施例3>
シート空調装置の風量制御機構について図15の(d1)、(d2)を用いて説明する。
【0173】
図15の(d1)、(d2)に示すように、本変形例の風量制御機構のダンパ60cは、軸部61a3及びフラップ61b3を有している。
【0174】
軸部61a3は、送風ダクト又はシートバックに固定されている。このため、軸部61a3は、送風ダクト又はシートバックに対して回動することができない。
【0175】
フラップ61b3は、柔軟性を有する樹脂材料で構成されている。柔軟性を有する樹脂材料は、例えばエラストマ樹脂等である。なお、軸部61a3もフラップ61b3と同様に柔軟性を有する樹脂材料で構成されていてもよい。
【0176】
この場合、フラップ61b3は、自重と、通風空間に流入する空気の流量とに応じて釣り合うような姿勢となる。このため、ダンパ60cでは、通風空間に流入する空気の流量に応じて、フラップ61b3が弾性変形することで、フラップ61b3の姿勢が自動的に調節される。
【0177】
なお、第1ダンパと第2ダンパとはダンパ60cと同様の構成であるが、いずれか一方だけが本実施例のダンパ60cの構成であってもよい。
【0178】
これらのように、フラップの材質を変更したり、ダンパの構成を変更したりすることで、第1ダンパと第2ダンパとの回動のし易さを調節してもよい。これにより、第2ダンパの方が第1ダンパよりも回動し易く構成することができる。また、第1ダンパの方が第2ダンパよりも回動し易く構成することもできる。
【0179】
(実施の形態2)
まず、図16及び図17を用いて、本実施の形態のシート空調装置1cについて説明する。
【0180】
図16は、実施の形態2におけるシート空調装置1cを示す部分拡大正面図である。図17は、シートの姿勢と第1フラップ61bの姿勢との関係を示す図である。図17の(a)、(b)は、シートバック13の角度が90°の場合を示し、図17の(c)、(d)は、シートバック13の角度が60°の場合を示している。
【0181】
本実施の形態では、回転調整部63を有する点等で実施の形態1のシート空調装置と相違する。本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0182】
本実施の形態において、図16及び図17に示すように、シート空調装置1cは、送風機20と第1通風路31及び第2通風路32との間の流路上に配置された回転調整部63をさらに備えている。
【0183】
回転調整部63は、第1フラップ61bの回動を調節する。具体的には、回転調整部63は、第1フラップ61bの閉止位置からの逆回転を規制する。回転調整部63は、第1フラップ61bの閉止位置からの逆回転を規制するストッパを含む。
【0184】
回転調整部63は、流路を完全に閉塞させないように、送風機20と第1通風路31及び第2通風路32との間の流路上に配置されている。本実施の形態では、回転調整部63は、送風ダクト22の送風開口22aに配置されている。
【0185】
回転調整部63が配置されている流路の一部分において、流路の長手方向と直交する幅方向の50%以上が開放されている。具体的には、図16に示すように、X軸方向に沿って流路の一部である送風開口22aと回転調整部63とを見た場合、回転調整部63のY軸方向の幅Wは、送風開口22aのY軸方向の幅の1/2以上である。このため、第1フラップ61b及び回転調整部63が送風開口22aに配置されても、第1フラップ61bと送風開口22aとの間から空気が通過できる。
【0186】
第1フラップ61bは、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ流れる空気の流量を制御するように回動可能である。第1フラップ61bが回動する際に、第1フラップ61bは、回転調整部63と干渉して当接することで、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ流れる空気の流れを抑制する閉止位置と、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ空気を流す開放位置とに変位可能である。
【0187】
具体的には、回転調整部63は、水平方向に対するシートバック13の角度が60°から90°までの範囲のときに、第1フラップ61bと当接し、第1フラップ61bが閉止位置となる。
【0188】
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるシート空調装置1cの作用効果について説明する。
【0189】
上述したように、本実施の形態に係るシート空調装置1cは、シート2に用いられるシート空調装置1cであって、シート2に配置される送風機20と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第1吐出口31aから吐出するための空気を導く第1通風路31と、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第2吐出口32aから吐出するための空気を導く第2通風路32と、シート2に配置され、第1通風路31及び第2通風路32と送風機20との間の流路上に配置される第1ダンパ61と、流路上に配置された回転調整部63とを備えている。また、第1ダンパ61は、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ流れる空気の流量を受動的に制御するように回動可能な第1フラップ61bを有している。また、回転調整部63は、第1フラップ61bの回動を調節する。そして、第1フラップ61bは、回転調整部63と干渉することで、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ流れる空気の流れを抑制する閉止位置と、送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ空気を流す開放位置とに変位可能である。
【0190】
これによれば、シート2に送風機20と第1通風路31と第2通風路32とを備えるとともに、第1ダンパ61は送風機20から第1通風路31及び第2通風路32へ流れる空気の流量を受動的に制御して、シート2に着座する人に空気を吹き付けることができる。このため、本実施の形態では、従来技術のように、開閉弁、開閉弁を能動的に動作させるためのアクチュエータ等をシートに搭載しなくてもよい。
【0191】
また、送風機20の出力を制御することで、第1吐出口31aと第2吐出口32aとで吐出される空気の風速を異ならせることができる。
【0192】
したがって、このシート空調装置1cでは、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シート2に着座する人の快適性をより向上させることができる。
【0193】
特に、第1フラップ61bが回転調整部63と干渉することで、第1フラップ61bの回動が回転調整部63によって規制される。このため、シート2の姿勢が変化しても、第1フラップ61bが逆回転してしまうことを抑制することができる。
【0194】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1cにおいて、シート2は、回動可能であり、シート2に着座する人の上体を支持するシートバック13を有している。そして、回転調整部63は、水平方向に対するシートバック13の角度が60°から90°までの範囲のときに、第1フラップ61bと干渉する。
【0195】
これによれば、シートバック13の姿勢を傾けたとしても、第1フラップ61bが回転調整部63と干渉することで、第1フラップ61bが逆回転してしまうことを抑制することができる。
【0196】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1cにおいて、回転調整部63は、第1フラップ61bの閉止位置からの逆回転を規制するストッパを含む。
【0197】
これによれば、シートバック13の姿勢を傾けたとしても、第1フラップ61bが回転調整部63と当接することで、第1フラップ61bが逆回転してしまうことをより抑制することができる。
【0198】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1cにおいて、回転調整部63は、流路を完全に閉塞させないように、流路上に配置される。
【0199】
これによれば、第1フラップ61bを受動的に回動させるための空気の風量を調整することができる。
【0200】
したがって、このシート空調装置1cでは、製造コストの高騰化及び全体重量の増加を抑制し、シート2に着座する人の快適性をより向上させることができる。
【0201】
また、本実施の形態に係るシート空調装置1cにおいて、回転調整部63が配置されている流路の一部分において、流路の長手方向と直交する幅方向の50%以上が開放されている。
【0202】
これによれば、第1フラップ61bが閉止位置に存在していても、第1フラップ61bが送風開口22aを閉止しないようにすることで、送風機20からの空気が通風空間Kに流れるようにすることができる。これにより、第1フラップ61bが送風開口22aを閉止することで自励振動による車両用ドアの動作不良の発生を抑制することができる。
【0203】
(実施の形態2の変形例1)
まず、図18図21を用いて、本変形例のシート空調装置1dについて説明する。
【0204】
図18は、実施の形態2の変形例1におけるシート空調装置1dを示す部分拡大正面図である。図18の(a)は、シートバック13の角度が90°の場合を示し、図18の(b)は、シートバック13の角度が60°の場合を示している。図19は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと空気の流れを示す部分拡大断面図である。図20は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと空気の流れを示す別の部分拡大断面図である。図21は、実施の形態2の変形例1において、送風ダクト22を流れる空気の流量に応じた第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと空気の流れを示すさらに別の部分拡大断面図である。
【0205】
本変形例では、風量制御機構が第1ダンパ61及び第2ダンパ62を有する点等で、実施の形態2のシート空調装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態2と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0206】
本変形例では、図18の(a)、(b)に示すように、風量制御機構は、第1通風路31と第3通風路33とに接続する分岐空間である通風空間Kに配置された第2ダンパ62をさらに有している。
【0207】
第2ダンパ62は、流路を流れる空気によって回動可能な第2フラップ62bと、第2フラップ62bを回動可能に軸支する軸部62aとを有している。回転調整部は、第2フラップ62bを回動させるための回動機構62cと、ストッパ63dとを含む。なお、回動機構62cは特許請求の範囲の「第1回動機構」に相当し得る。
【0208】
軸部62aは、Y軸方向に沿って延び、第2フラップ62bを自在に回動させることができる。このため、第2フラップ62bは、送風ダクト22を流れる空気によって容易に回動することができる。本変形例では、送風機20が駆動していない状態の場合、軸部62aは第2フラップ62bのX軸プラス方向に配置されている。
【0209】
第2フラップ62bは、通風空間Kにおいて、通風空間Kから第3通風路33へ向かう空気を妨げる、言い換えれば、第1通風路31及び第2通風路32へ空気を案内するように配置されている。第2フラップ62bは、閉止位置では送風ダクト22から通風空間Kに流入した空気が第3通風路33へ流れる空気の流量を制御するように回動可能である。例えば、第2フラップ62bは、通風空間Kに流入する空気の流量が多くなると、開放位置に回動することで、第3通風路33の第3吐出口33aから空気を吐出させる。また、第2フラップ62bは、通風空間Kに流入する空気の流量が少ないと、僅かに回動することで、第3通風路33の第3吐出口33aから空気を僅かに吐出させる。
【0210】
また、通風空間Kに流入する空気の流量が僅かな場合、空気によって第2フラップ62bを回動させるだけの力がほとんど働かないため、第2フラップ62bは、閉止位置となる。当該空気は、主に、第1通風路31の第1吐出口31a及び第2通風路32の第2吐出口32aから吐出される。また、第2フラップ62bとシートバック13との隙間から流入した空気は、第3通風路33の第3吐出口33aから僅かに吐出する。
【0211】
回動機構62cは、第2フラップ62bと軸部62aを挟んで、第2フラップ62bと反対側に配置されている。具体的には、回動機構62cは、軸周りに回動する第2フラップ62bと反対側に配置されたカウンタウェイトである。このように回動機構62cが配置されているため、図18の(a)に示すように、回動機構62cは、第2フラップ62bに加えられる重力による回転モーメントを相殺することができる。回動機構62cは、水平方向に対するシートバック13の角度が60°から90°までの範囲のときに、空気の流れがある場合、第2フラップ62bが回動可能となるように、第2フラップ62bに加えられる軸部62aの周りの重力による回転モーメントを低減する。このように、回転調整部に含まれる回動機構62cは、第2フラップ62bの回動を調節できる。
【0212】
また、シート空調装置1dには、第1通風路31から通風空間Kの間の流路上に配置されたストッパ63dが設けられている。
【0213】
ストッパ63dは、第1フラップ61bの閉止位置からの逆回転を規制する。本変形例では、ストッパ63dは、送風ダクト22と通風空間Kとの境界部分、又は、第1通風路31と通風空間Kとの境界部分に配置されている。図18の(a)、(b)では、ストッパ63dが送風ダクト22と通風空間Kとの境界部分に配置されている場合を例示している。ストッパ63dは、送風ダクト22、及び、通風空間Kの流路を完全に閉塞させないように配置されている。ストッパ63dは、実施の形態2の回転調節機構と同様の構成であってもよい。
【0214】
回動機構62cが設けられた第2フラップ62bが回動する際に、第2フラップ62bは、重力と送風開口22aからの風との釣り合いによって、送風機20から第3通風路33へ流れる空気の流れを抑制する閉止位置と、送風機20から第3通風路33へ空気を流す開放位置とに変位可能である。
【0215】
なお、図19の(a)~(c)に示すように、ストッパ63eは、第2ダンパ62の軸部62aの近傍に設けられていてもよい。
【0216】
例えば、図19の(a)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を僅かにしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61b及び第2フラップ62bを回動させない。これにより、主に第2通風路32の第2吐出口32aから空気が吐出される。また、第1フラップ61bとストッパ63eとの間の隙間から流入した空気が第1通風路31の第1吐出口31aから、第2フラップ62bとシートバック13との隙間から流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから、それぞれ僅かに吐出される。なお、ストッパ63eは、回転調整部に含まれる。
【0217】
図19の(b)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を少なくしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61bが回動せず、第2フラップ62bが回動する。これにより、第1フラップ61bとストッパ63eとの間の隙間から流入した空気が第1通風路31の第1吐出口31aから僅かに吐出されるとともに、第2通風路32の第2吐出口32aからも空気が吐出される。また、第2フラップ62bが回動するので、流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから吐出される。
【0218】
例えば、図19の(c)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を多くしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61b及び第2フラップ62bを回動させる。これにより、第1通風路31の第1吐出口31aから空気が多く吐出されるとともに、第1吐出口31aから吐出される空気より少ない空気が第2通風路32の第2吐出口32aから吐出される。また、第2フラップ62bが回動しているので、流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aからも吐出される。
【0219】
なお、図20の(a)~(c)に示すように、ストッパの代わりに第1フラップ61bと当接しない凸部63aが第2ダンパ62の軸部62aの近傍に設けられていてもよい。凸部63aは、第1フラップ61bとの隙間を狭めるように突出している。つまり、ストッパが設けられていなくてもよい。この場合、第1ダンパ61に回動機構61cが設けられていてもよい。第1ダンパ61の回動機構61cは、第1フラップ61bと軸部61aを挟んで、第1フラップ61bと反対側に配置されてもよい。具体的には、回動機構61cは、軸周りに回動する第1フラップ61bと反対側に配置されたカウンタウェイトである。このように回動機構61cが配置されているため、図20の(a)に示すように、回動機構61cは、第1フラップ61bに加えられる重力による回転モーメントを相殺することができる。また、第2ダンパ62に回動機構62cが設けられていてもよい。なお、回動機構61cは特許請求の範囲の「第2回動機構」に相当し得る。
【0220】
例えば、図20の(a)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を僅かにしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61b及び第2フラップ62bを回動させない。これにより、主に第2通風路32の第2吐出口32aから空気が吐出される。また、第1フラップ61bと凸部63aとの間の隙間から流入した空気が第1通風路31の第1吐出口31aから僅かに吐出され、第2フラップ62bとシートバック13との隙間から流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから僅かに吐出される。
【0221】
図20の(b)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を少なくしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61bが回動せず、第2フラップ62bが回動する。これにより、第1フラップ61bと凸部63aとの間の隙間から流入した空気が第1通風路31の第1吐出口31aから僅かに吐出されるとともに、第2通風路32の第2吐出口32aからも空気が吐出される。また、第2フラップ62bが回動するので、流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aから吐出される。
【0222】
例えば、図20の(c)に示すように、制御部40は、送風機20の出力を制御して、送風ダクト22を流れる空気の流量を多くしてもよい。この場合、当該空気は、第1フラップ61b及び第2フラップ62bを回動させる。これにより、第1通風路31の第1吐出口31aから空気が多く吐出されるとともに、第1吐出口31aから吐出される空気より少ない空気が第2通風路32の第2吐出口32aから吐出される。また、第2フラップ62bが回動しているので、流入した空気が第3通風路33の第3吐出口33aからも吐出される。
【0223】
なお、図21の(a)~(c)に示すように、ストッパ63fが第2ダンパ62の軸部62aの近傍に設けられていてもよい。この場合、第1ダンパ61に回動機構61cが設けられ、第2ダンパ62に回動機構62cが設けられていてもよい。図21の(a)~(c)に示した第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと、空気の流れは、上述したように図19の(a)~(c)に示した第1フラップ61b及び第2フラップ62bの動きと、空気の流れと同様である。
【0224】
このような、本変形例に係るシート空調装置1dは、シート2に配置され、送風機20によってシート2に着座する人の上体に対して第3吐出口33aから吐出するための空気を導く第3通風路33と、第1通風路31と第3通風路33とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパ62とを備えている。また、第2ダンパ62は、流路を流れる空気によって回動可能な第2フラップ62bを有している。そして、回転調整部は、第2フラップ62bを回動させるための第1回動機構(回動機構62c)を有している。
【0225】
これによれば、シート2の姿勢が変化しても、回動機構62cが第2フラップ62bに加えられる重力による回転モーメントを相殺するように第2フラップ62bを回動させることができる。このため、シート2の姿勢が変化しても、一定の風速で第2フラップ62bを回動させることができ、又は、第2フラップ62bを回動させるのに必要な風速の変化を小さくすることができる。
【0226】
また、本変形例に係るシート空調装置1dにおいて、シート2は、回動可能であり、シート2に着座する人の上体を支持するシートバック13を有している。また、第2ダンパ62は、第2フラップ62bを回動可能に軸支する軸部62aを有している。そして、第1回動機構(回動機構62c)は、水平方向に対するシートバック13の角度が60°から90°までの範囲のときに、第2フラップ62bに加えられる軸部62aの周りの重力による回転モーメントを低減する。
【0227】
これによれば、シートバック13の姿勢を傾けたとしても、一定の風速で第2フラップ62bを回動させることができ、又は、第2フラップ62bを回動させるのに必要な風速の変化を小さくすることができる。
【0228】
また、本変形例に係るシート空調装置1dにおいて、第1回動機構(回動機構62c)は、軸周りに回動する第2フラップ62bと反対側に配置されたカウンタウェイトである。
【0229】
これによれば、一定の風速で第2フラップ62bを適切に回動させることができ、又は、第2フラップ62bを回動させるのに必要な風速の変化を小さくすることができる。
【0230】
また、本変形例に係るシート空調装置1dにおいて、回転調整部は、第1フラップ61bを回動させるための第2回動機構(回動機構61c)を有する。
【0231】
これによれば、シート2の姿勢が変化しても、回動機構61cが第1フラップ61bに加えられる重力による回転モーメントを相殺するように第1フラップ61bを回動させることができる。このため、シート2の姿勢が変化しても、一定の風速で第1フラップ61bを回動させることができ、又は、第1フラップ61bを回動させるのに必要な風速の変化を小さくすることができる。
【0232】
(実施の形態2の変形例2)
まず、図22及び図23を用いて、本変形例のシート空調装置について説明する。
【0233】
図22は、実施の形態2の変形例2における、第1ダンパ200を示す断面図である。図23は、シート2の姿勢に応じた第1ダンパ200の状態を示す図である。図22の(a)は、図22の(b)のG-G線における第1ダンパ200の断面図であり、図22の(b)は、図22の(a)のF-F線における第1ダンパ200の断面図である。
【0234】
本変形例では、第1ダンパ200の構成が実施の形態2の第1ダンパと異なる点等で、実施の形態2のシート空調装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態2と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0235】
本変形例では、図22に示すように、第1ダンパ200は、第1フラップ225b及び軸部225aの他に、第1内筒体220と、第1外筒体210と、回動機構230と、第1内筒体220に配置した重量部231とをさらに有している。
【0236】
第1内筒体220は、円筒状をなし、第1フラップ225bを回動可能に支持する。第1フラップ225bの軸部225aが第1内筒体220の内周面に連結されている。具体的には、軸部225aは、第1内筒体220の中心軸と平行となるように第1内筒体220の内周面に連結されている。また、空気の流量が0の場合に、第1フラップ225bが図22の(a)における実線で示す位置に至るように、軸部225aにはバネが内蔵されている。
【0237】
なお、第1フラップ225bの構成は、実施の形態1の変形例2を採用することができる。
【0238】
第1外筒体210は、円筒状をなし、第1内筒体220を収容している。また、第1外筒体210は、回動機構230も収容している。第1外筒体210は、シートバック13、及び、送風ダクト22のうちの少なくとも1つに固定されている。より具体的には、第1ダンパ200が第1通風路31、第2通風路32、第3通風路33、通風空間K等に設けられていてもよい。
【0239】
回動機構230は、第1内筒体220と第1外筒体210との間に配置されている。回動機構230は、第1外筒体210内で第1内筒体220を回動可能に支持している。回動機構230は、第1外筒体210内で第1内筒体220を回動可能に支持するベアリングである。このため、シートバック13の姿勢が傾くことで、第1ダンパ200の姿勢が変化しても、第1内筒体220が第1外筒体210に対して回動することで、第1内筒体220の姿勢はさほど変化しない。
【0240】
第1外筒体210は外筒吸入口211を有し、第1内筒体220は内筒吸入口221を有している。
【0241】
具体的には、第1外筒体210は、第1外筒体210の外周面に形成され、送風機20からの空気が流入する外筒吸入口211を有している。第1内筒体220は、第1内筒体220の外周面に形成され、外筒吸入口211を介して送風機20からの空気が流入する内筒吸入口221を有している。つまり、内筒吸入口221は、外筒吸入口211と対向するように配置され、外筒吸入口211と連通している。このため、送風機20からの空気が外筒吸入口211及び内筒吸入口221を介して第1内筒体220の内部に流入する。
【0242】
このような、外筒吸入口211は、通風空間K又は送風ダクト22と連通していてもよい。
【0243】
また、第1外筒体210は外筒吐出口212を有し、第1内筒体220は内筒吐出口222を有している。
【0244】
具体的には、第1外筒体210は、第1外筒体210の外周面に形成され、外筒吸入口211及び内筒吸入口221から流入した空気を第1通風路31及び第2通風路32へ導く外筒吐出口212を有している。第1内筒体220は、第1内筒体220の外周面に形成され、外筒吸入口211及び内筒吸入口221から流入した空気を、外筒吐出口212を介して吐出する内筒吐出口222を有している。つまり、内筒吐出口222は、外筒吐出口212と対向するように配置され、外筒吐出口212と連通している。このような、外筒吐出口212は、通風空間K、第1通風路31、第2通風路32、又は、第3通風路33と連通していてもよい。このため、第1内筒体220の内部に流入した空気が外筒吐出口212及び内筒吐出口222を介して通風空間K、第1通風路31、第2通風路32、及び、第3通風路33へ吐出される。
【0245】
外筒吸入口211は、内筒吸入口221よりも開口面積が大きい。また、外筒吐出口212は、内筒吐出口222よりも開口面積が大きい。このため、図23の(a)、(b)に示すように、シートバック13の姿勢が傾くことで、第1ダンパ200の姿勢が変化し、第1内筒体220が第1外筒体210に対して回動しても、外筒吸入口211と内筒吸入口221とが連通し、かつ、外筒吐出口212と内筒吐出口222とが連通する状態が維持される。
【0246】
重量部231は、カウンタウェイトである。重量部231は、第1ダンパ200の軸部225aと反対側に配置されている。つまり、重量部231と第1ダンパ200の軸部225aとは、円筒状の第1内筒体220の中心軸を挟んで線対称となるように配置されている。また、重量部231は、第1内筒体220の内部に配置されていてもよく、第1内筒体220に埋め込まれていてもよい。また、重量部231は、第1内筒体220内の第1フラップ225bと接触せず、かつ、内筒吸入口221及び内筒吐出口222を塞がないように、第1内筒体220に配置されている。
【0247】
これより、シートバック13の姿勢が変化しても、重量部231の重みによって第1内筒体220に回転モーメントを働かせることができる。このため、第1ダンパ200の軸部225aが上方に位置し、重量部231が下方に位置することとなる。
【0248】
また、本変形例では、以下の実施例1に示すように、第1ダンパ200に振動吸収機構229が設けられていてもよい。また、本変形例では、以下の実施例2に示すように、第1ダンパ200に壁部241が設けられていてもよい。
【0249】
なお、本変形例において、第1ダンパ200について説明したが、第2ダンパについても同様である。つまり、上述した第1ダンパ200の構成と同一の構成を第2ダンパとして適用してもよい。このため、第1ダンパ200を第2ダンパに読み替えることができる。また、第1ダンパ200の各構成要素も第2ダンパの各構成要素として適用することができる。また、第1ダンパ200の各構成要素も第2ダンパの各構成要素としてそれぞれ読み替えることができる。
【0250】
このような、本変形例に係るシート空調装置において、第1ダンパ200は、第1フラップ225bを回動可能に支持する第1内筒体220と、第1内筒体220を収容する第1外筒体210とを有している。そして、回転調整部63は、第1内筒体220と第1外筒体210との間に配置される回動機構230を有している。
【0251】
これによれば、シート2の姿勢が変化しても、第1フラップ225bが回転してしまうことを抑制することができる。
【0252】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第2ダンパは、第2フラップを回動可能に支持する第2内筒体と、第2内筒体を収容する第2外筒体とを有している。そして、回転調整部63は、第2内筒体と第2外筒体との間に配置される回動機構を有している。
【0253】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0254】
また、本変形例に係るシート空調装置において、回動機構230は、第1外筒体210内で第1内筒体220を回動可能に支持する。
【0255】
これによれば、シート2の姿勢が変化しても、第1内筒体220が第1外筒体210の内部で回転するため、第1ダンパ200の姿勢を維持することができる。このため、シート2の姿勢が変化しても、第1フラップ225bが回転してしまうことを抑制することができる。
【0256】
また、本変形例に係るシート空調装置において、回動機構は、第2外筒体内で第2内筒体を回動可能に支持する。
【0257】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0258】
また、本変形例に係るシート空調装置において、回動機構230は、第1外筒体210内で第1内筒体220を回動可能に支持するベアリングである。
【0259】
これによれば、シート2の姿勢が変化した場合、ベアリングによって第1内筒体220が第1外筒体210の内部で回転できるため、ベアリングが第1ダンパ200の姿勢を維持させることができる。このため、シート2の姿勢が変化しても、第1フラップ225bが回転してしまうことをより抑制することができる。
【0260】
また、本変形例に係るシート空調装置において、回動機構は、第2外筒体内で第2内筒体を回動可能に支持するベアリングである。
【0261】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0262】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第1外筒体210は、送風機20からの空気が流入する外筒吸入口211を有している。また、第1内筒体220は、外筒吸入口211を介して送風機20からの空気が流入する内筒吸入口221を有している。また、第1外筒体210は、内筒吸入口221から流入した空気を第1通風路31及び第2通風路32へ導く外筒吐出口212を有している。また、第1内筒体220は、内筒吸入口221から流入した空気を、外筒吐出口212を介して吐出する内筒吐出口222を有している。また、外筒吸入口211は、内筒吸入口221よりも開口面積が大きい。そして、外筒吐出口212は、内筒吐出口222よりも開口面積が大きい。
【0263】
これによれば、シート2の姿勢の変化によって第1内筒体220が第1外筒体210の内部で回転することで、内筒吸入口221と外筒吸入口211とが連通し、かつ内筒吐出口222と外筒吐出口212とが連通した状態を維持することができる。
【0264】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第2外筒体は、送風機20からの空気が流入する外筒吸入口を有している。また、第2内筒体は、外筒吸入口を介して送風機20からの空気が流入する内筒吸入口を有している。また、第2外筒体は、内筒吸入口から流入した空気を第3通風路へ導く外筒吐出口を有している。また、第2内筒体は、内筒吸入口から流入した空気を、外筒吐出口を介して吐出する内筒吐出口を有している。また、外筒吸入口は、内筒吸入口よりも開口面積が大きい。そして、外筒吐出口は、内筒吐出口よりも開口面積が大きい。
【0265】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0266】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第1ダンパ200は、第1内筒体220に配置した重量部231を有している。
【0267】
これによれば、シート2の姿勢が変化しても、重量部231の重力によって第1内筒体220が第1外筒体210の内部で回転することで、第1ダンパ200の軸部225aが上方に位置し、重量部231が下方に位置することとなる。
【0268】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第2ダンパは、第2内筒体に配置した重量部を有している。
【0269】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0270】
<実施例1>
シート空調装置の第1ダンパ200aについて図24を用いて説明する。
【0271】
図24は、実施の形態2の変形例2の実施例1における第1ダンパ200aを示す図である。
【0272】
本実施例の第1ダンパ200aは、軸部225a、第1フラップ225b、第1内筒体220、第1外筒体210、及び、回動機構230の他に、第1内筒体220に配置した振動吸収機構229を有している。
【0273】
振動吸収機構229は、シート2と第1外筒体210との間に配置されるスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方である。振動吸収機構229は、第1外筒体210に接続され、シート2に伝達された振動を吸収する。
【0274】
振動吸収機構229は、シートバック13、及び、送風ダクト22のうちの少なくとも1つと、第1外筒体210とを連結している。これにより、シート2に振動が伝達されても、振動吸収機構229がその振動を吸収することができるため、シート2に伝達された振動が第1ダンパ200aに伝達され難くなる。なお、第1外筒体210は振動吸収機構229で吊られることにより、振動を吸収する構成であるため、送風ダクト22と第1外筒体210とは直接固定されず、わずかに隙間を有している。
【0275】
このような、本変形例に係るシート空調装置において、第1ダンパ200aは、第1外筒体210に接続され、シート2に伝達された振動を吸収する振動吸収機構229を有している。
【0276】
これによれば、シート2が振動しても、第1ダンパ200aへ伝達される振動を振動吸収機構229が吸収することができるため、第1ダンパ200aが揺れ難くなる。このため、第1フラップ225bが振動により回転してしまうことを抑制することができる。
【0277】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第2ダンパは、第2外筒体に接続され、シート2に伝達された振動を吸収する振動吸収機構を有している。
【0278】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0279】
また、本変形例に係るシート空調装置において、振動吸収機構229は、シート2と第1外筒体210との間に配置されるスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方である。
【0280】
これによれば、シート2が振動しても、第1ダンパ200aへ伝達される振動を振動吸収機構229が吸収することができるため、第1ダンパ200aが揺れ難くなる。このため、第1フラップ225bが振動により回転してしまうことを抑制することができる。
【0281】
また、振動吸収機構229としてスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方を用いることで、第1ダンパ200aをシート2に容易に設置することができる。
【0282】
また、本変形例に係るシート空調装置において、振動吸収機構は、シート2と第2外筒体との間に配置されるスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方である。
【0283】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0284】
<実施例2>
シート空調装置の第1ダンパ200b、200cについて図25及び図26を用いて説明する。
【0285】
図25は、実施の形態2の変形例2の実施例2における第1ダンパ200bを示す断面図である。図26は、実施の形態2の変形例2の実施例2における、第1ダンパ200cを示す別の断面図である。
【0286】
本実施例の第1ダンパ200bは、軸部225aと、第1フラップ225bと、第1内筒体220と、第1外筒体210と、回動機構230と、重量部231と、壁部241とを有している。
【0287】
軸部225aは、第1内筒体220の中心軸と直交する方向に延び、両端が第1内筒体220の内周面に接続されている。第1フラップ225bは、円板状をなし、第1内筒体220内で回動可能である。第1フラップ225bには、円板状の第1フラップ225bの径方向に沿って軸部225aが連結されている。なお、空気の流量が0の場合に、第1フラップ225bが図25の(b)における実線で示す位置に至るように、軸部225aにはバネが内蔵されている。回動機構230は、第1内筒体220が第1外筒体210に対して回動するように、第1外筒体210及び第1内筒体220との間に配置されている。重量部231は、第1内筒体220に配置されている。本実施例では、重量部231は、第1内筒体220の中心軸に沿って、壁部241と並ぶように配置されている。
【0288】
第1外筒体210及び第1内筒体220の両端は、開口している。第1外筒体210の一端には外筒吸入口251が形成され、第1内筒体220の一端には内筒吸入口261が形成されている。また、第1外筒体210の他端には外筒吐出口252が形成され、第1内筒体220の他端には内筒吐出口262が形成されている。
【0289】
壁部241は、外筒吸入口251及び内筒吸入口261の一部を覆うように配置されている。壁部241は、外筒吸入口251、内筒吸入口261、及び、第1フラップ225bを重ねて見た場合、第1フラップ225bの自由端の一部分に空気を案内するように、第1フラップ225bの固定端を覆っている。このため、送風機20からの空気は、壁部241に案内されることで、第1フラップ225bの自由端に向けて流れる。このため、第1フラップ225bは、空気によって回動する。固定端は、第1フラップ225bと棒状の軸部225aとが重なる連結部分である。自由端は、軸部225a以外の部分である。
【0290】
なお、上述した各実施例1及び2は、自由に組み合わせることができる。例えば、図26に示すように、第1ダンパ200cのように、実施例2の第1ダンパ200bの構成に、振動吸収機構229を適用してもよい。
【0291】
このような、本変形例に係るシート空調装置において、第1ダンパ200bは、外筒吸入口251及び内筒吸入口261の一部を覆うように配置される壁部241を有している。そして、壁部241は、外筒吸入口251、内筒吸入口261、及び、第1フラップ225bを重ねて見た場合、第1フラップ225bの自由端の一部分に空気を案内するように、第1フラップ225bの固定端を覆っている。
【0292】
これによれば、壁部241が第1フラップ225bの自由端に空気を案内することができるため、第1フラップ225bを効率的に回動させることができる。
【0293】
また、本変形例に係るシート空調装置において、第2ダンパは、外筒吸入口及び内筒吸入口の一部を覆うように配置される壁部を有している。そして、壁部は、外筒吸入口、内筒吸入口、及び、第2フラップを重ねて見た場合、第2フラップの自由端の一部分に空気を案内するように、第2フラップの固定端を覆っている。
【0294】
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0295】
(他の実施の形態等)
以上、本開示に係るシート空調装置について、上記実施の形態1、2に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態1、2に限定されるものではない。実施の形態1の構成には、実施の形態1の変形例1、2が含まれ、実施の形態2の構成には、実施の形態2の変形例1、2が含まれているものとする。
【0296】
例えば、上記各実施の形態1、2に係るシート空調装置は、図27に示す形態であってもよい。図27は、その他変形例におけるシート空調装置1eを示す斜視図である。図27では、シート空調装置1eの後方下側から見た状態である。図27に示すように、送風機20は、座部10のZ軸マイナス方向側に配置されていてもよい。また、図示はしないが、送風機20は、座部10の内部に配置されていてもよい。このため、送風機20の配置位置は特に限定されない。この場合、吸気ダクト21は、座部10のZ軸マイナス方向側に配置されることとなるため、吸気ダクト21の吸気開口21aも、座部10のZ軸マイナス方向側に配置されることとなる。
【0297】
また、上記各実施の形態1、2に係るシート空調装置では、第1ダンパの配置位置と第2ダンパの配置位置とが逆であってもよい。
【0298】
また、上記各実施の形態1、2に係るシート空調装置は、熱交換器を備えていなくてもよい。このため。熱交換器は、シート空調装置の必須の構成要件ではない。
【0299】
また、上記各実施の形態1、2に係るシート空調装置に含まれる制御部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0300】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0301】
なお、上記各実施の形態1、2において、制御部は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0302】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0303】
その他、実施の形態1、2に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0304】
(付記1)
以下に、上記実施の形態1、2に基づいて説明したシート空調装置の特徴を示す。
【0305】
<技術1>
シートに用いられるシート空調装置であって、
前記シートに配置された送風機と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第1吐出口から吐出するための空気を導く第1通風路と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第2吐出口から吐出するための空気を導く第2通風路と、
前記シートに配置され、前記第1吐出口から吐出する空気の第1風量と、前記第2吐出口から吐出する空気の第2風量とを受動的に制御する風量制御機構とを備える
シート空調装置。
【0306】
<技術2>
前記送風機の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量及び前記第2風量を制御する
技術1に記載のシート空調装置。
【0307】
<技術3>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第2風量に対する前記第1風量の比率を時間の経過とともに低下させる
技術2に記載のシート空調装置。
【0308】
<技術4>
前記制御部は、前記シートが配置される車室内の温度、前記車室内に存在する人の温度、又は、車両に搭載されている空調装置の制御指示に基づいて前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量と前記第2風量とを制御する
技術2又は3に記載のシート空調装置。
【0309】
<技術5>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1吐出口から吐出する空気の風速を、前記第2吐出口から吐出する空気の風速よりも速くなるように制御する
技術2~4のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0310】
<技術6>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、
前記シート空調装置の駆動を開始してから所定期間における前記第1風量を実質的に0とし、
前記所定期間が経過した後に、次第に前記第1風量を増加させる
技術2~5のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0311】
<技術7>
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人に対して第3吐出口から吐出するための空気を導く複数の第3通風路を備える
技術2~6のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0312】
<技術8>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、
前記第1吐出口から吐出する空気の前記第1風量と、前記第2吐出口から吐出する空気の前記第2風量と、前記第3吐出口から吐出する空気の第3風量とを制御し、
前記第1風量と前記第2風量と前記第3風量との総和に対する前記第3風量の割合を制御する
技術7に記載のシート空調装置。
【0313】
<技術9>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記総和に対する前記第1風量の割合を低下させ、前記第1風量の割合の低下に連動して前記第3風量の割合を増加させる
技術8に記載のシート空調装置。
【0314】
<技術10>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1風量及び前記第2風量の和が前記第3風量よりも大きくなるように制御する
技術8に記載のシート空調装置。
【0315】
<技術11>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第2吐出口及び前記第3吐出口から空気を吐出し、所定期間が経過後、前記第1吐出口から吐出する空気が増加するように制御する
技術8~10のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0316】
<技術12>
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有する
技術2~11のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0317】
<技術13>
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記第1フラップは、前記送風機の出力が所定以上に設定されると、前記総和に対する前記第1風量の割合が増加するように回動する
技術8~11のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0318】
<技術14>
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記第1フラップは、前記総和に対する前記第3風量の割合が増加するように回動可能である
技術8~11のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0319】
<技術15>
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記第3通風路とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパを有し、
前記第2ダンパは、前記分岐空間に流れる空気によって回動可能な第2フラップを有する
技術7~11、13、14のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0320】
<技術16>
前記第1通風路の長さは、前記第2通風路の長さよりも短い
技術1~15のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0321】
<技術17>
前記制御部は、前記送風機を制御して前記風量制御機構の姿勢を調節することで、前記第1吐出口から第1温度の空気を吐出させ、前記第2吐出口及び前記第3吐出口のうちの少なくとも一方から第1温度の空気に車室内の空気を混入した第2温度の空気を吐出させる
技術2~16のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0322】
<技術18>
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記送風機との間の流路上に配置された第1ダンパを有し、
前記第1ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第1フラップを有し、
前記風量制御機構は、前記第1通風路と前記第3通風路とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパを有し、
前記第2ダンパは、前記分岐空間に流れる空気によって回動可能な第2フラップを有し、
前記制御部は、前記送風機の出力を制御することで前記第1フラップ及び前記第2フラップの姿勢を調節する
技術7~11、13~14のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0323】
<技術19>
前記第1吐出口の開口面積は、前記第2吐出口の開口面積よりも小さい
技術1~18のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0324】
<技術20>
前記シートには、前記送風機が送風した空気が、送風開口を介して流入する分岐空間が形成され、
前記分岐空間には、前記第1通風路と前記第2通風路とが接続され、
前記第1通風路と前記送風開口とが直線状に並ぶように配置され、
前記第2通風路は、前記第1通風路よりも離れた位置で前記分岐空間から分岐して延びている
技術1~19のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0325】
<技術21>
前記制御部は、
冷房最初期に実行される第1モードと、
前記第1モードに続く冷房初期に実行される第2モードと、
前記第2モードに続く冷房安定期に実行される第3モードとを有し、
前記送風機の駆動開示時点からの連続使用期間をカウントし、又は、人の状態を取得し、
前記連続使用期間、又は、前記人の状態に基づいて、前記送風機を制御する1以上の追加制御を行い、
(1)1以上の前記追加制御に含まれる第1追加制御を行う場合、第2モードと第3モードとの間でモードの切り替えを行うように前記送風機を制御することと、
(2)1以上の前記追加制御に含まれる第2追加制御を行う場合、第1モードと第2モードとの間でモードの切り替えを行うように前記送風機を制御することとの少なくとも一方を行う
請求項18に記載のシート空調装置。
【0326】
<技術22>
1以上の前記追加制御に含まれる第1追加制御においてモードを切り替える第1期間及び第2期間からなる周期は、1以上の前記追加制御に含まれる第2追加制御においてモードを切り替える第3期間及び第4期間からなる周期よりも長い期間である
技術21に記載のシート空調装置。
【0327】
(付記2)
以下に、上記実施の形態1、2に基づいて説明したシート空調装置の特徴を示す。
【0328】
<技術1>
シートに用いられるシート空調装置であって、
前記シートに配置される送風機と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第1吐出口から吐出するための空気を導く第1通風路と、
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第2吐出口から吐出するための空気を導く第2通風路と、
前記シートに配置され、前記第1通風路及び前記第2通風路と前記送風機との間の流路上に配置される第1ダンパと、
前記流路上に配置される回転調整部とを備え、
前記第1ダンパは、前記送風機から前記第1通風路及び前記第2通風路へ流れる空気の流量を受動的に調節するように回動可能な第1フラップを有し、
前記回転調整部は、前記第1フラップの回動を調節し、
前記第1フラップは、前記回転調整部と干渉することで、前記送風機から前記第1通風路及び前記第2通風路へ流れる空気の流れを抑制する閉止位置と、前記送風機から前記第1通風路及び前記第2通風路へ空気を流す開放位置とに変位可能である
シート空調装置。
【0329】
<技術2>
前記シートに配置され、前記送風機によって前記シートに着座する人の上体に対して第3吐出口から吐出するための空気を導く第3通風路と、
前記第1通風路と前記第3通風路とに接続する分岐空間に配置された第2ダンパとを備え、
前記第2ダンパは、前記流路を流れる空気によって回動可能な第2フラップを有し、
前記回転調整部は、前記第2フラップを回動させるための第1回動機構とを有する
技術1に記載のシート空調装置。
【0330】
<技術3>
前記シートは、回動可能であり、前記シートに着座する人の上体を支持するシートバックを有し、
前記回転調整部は、水平方向に対する前記シートバックの角度が60°から90°までの範囲のときに、前記第1フラップと干渉する
技術1又は2に記載のシート空調装置。
【0331】
<技術4>
前記シートは、回動可能であり、前記シートに着座する人の上体を支持するシートバックを有し、
前記第2ダンパは、前記第2フラップを回動可能に軸支する軸部を有し、
前記第1回動機構は、水平方向に対する前記シートバックの角度が60°から90°までの範囲のときに、前記第2フラップに加えられる前記軸部の周りの重力による回転モーメントを低減する
技術2に記載のシート空調装置。
【0332】
<技術5>
前記回転調整部は、前記第1フラップの前記閉止位置からの逆回転を規制するストッパを含む
技術1~4のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0333】
<技術6>
前記回転調整部は、前記流路を完全に閉塞させないように、前記流路上に配置される
技術1~5のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0334】
<技術7>
前記回転調整部が配置されている前記流路の一部分において、前記流路の長手方向と直交する幅方向の50%以上が開放されている
技術1~6のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0335】
<技術8>
前記第1回動機構は、軸周りに回動する前記第2フラップと反対側に配置されたカウンタウェイトである
技術4に記載のシート空調装置。
【0336】
<技術9>
前記回転調整部は、前記第1フラップを回動させるための第2回動機構を有する
技術1~8のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0337】
<技術10>
前記第1ダンパは、
前記第1フラップを回動可能に支持する第1内筒体と、
前記第1内筒体を収容する第1外筒体とを有し、
前記回転調整部は、前記第1内筒体と前記第1外筒体との間に配置される回動機構を有する
技術1~9のいずれか1つに記載のシート空調装置。
【0338】
<技術11>
前記第2ダンパは、
前記第2フラップを回動可能に支持する第2内筒体と、
前記第2内筒体を収容する第2外筒体とを有し、
前記回転調整部は、前記第2内筒体と前記第2外筒体との間に配置される回動機構を有する
技術2又は9に記載のシート空調装置。
【0339】
<技術12>
前記回動機構は、前記第1外筒体内で前記第1内筒体を回動可能に支持する
技術10に記載のシート空調装置。
【0340】
<技術13>
前記回動機構は、前記第2外筒体内で前記第2内筒体を回動可能に支持する
技術11に記載のシート空調装置。
【0341】
<技術14>
前記回動機構は、前記第1外筒体内で前記第1内筒体を回動可能に支持するベアリングである
技術10又は12に記載のシート空調装置。
【0342】
<技術15>
前記回動機構は、前記第2外筒体内で前記第2内筒体を回動可能に支持するベアリングである
技術11又は13に記載のシート空調装置。
【0343】
<技術16>
前記第1外筒体は、前記送風機からの空気が流入する外筒吸入口を有し、
前記第1内筒体は、前記外筒吸入口を介して前記送風機からの空気が流入する内筒吸入口を有し、
前記第1外筒体は、前記内筒吸入口から流入した空気を前記第1通風路及び前記第2通風路へ導く外筒吐出口を有し、
前記第1内筒体は、前記内筒吸入口から流入した空気を、前記外筒吐出口を介して吐出する内筒吐出口を有し、
前記外筒吸入口は、前記内筒吸入口よりも開口面積が大きく、
前記外筒吐出口は、前記内筒吐出口よりも開口面積が大きい
技術10、12又は14に記載のシート空調装置。
【0344】
<技術17>
前記第2外筒体は、前記送風機からの空気が流入する外筒吸入口を有し、
前記第2内筒体は、前記外筒吸入口を介して前記送風機からの空気が流入する内筒吸入口を有し、
前記第2外筒体は、前記内筒吸入口から流入した空気を前記第3通風路へ導く外筒吐出口を有し、
前記第2内筒体は、前記内筒吸入口から流入した空気を、前記外筒吐出口を介して吐出する内筒吐出口を有し、
前記外筒吸入口は、前記内筒吸入口よりも開口面積が大きく、
前記外筒吐出口は、前記内筒吐出口よりも開口面積が大きい
技術11、13又は15に記載のシート空調装置。
【0345】
<技術18>
前記第1ダンパは、前記第1内筒体に配置した重量部を有する
技術10、12、14又は16に記載のシート空調装置。
【0346】
<技術19>
前記第2ダンパは、前記第2内筒体に配置した重量部を有する
技術11、13、15又は17に記載のシート空調装置。
【0347】
<技術20>
前記第1ダンパは、前記第1外筒体に接続され、前記シートに伝達された振動を吸収する振動吸収機構を有する
技術10、12、14、16又は18に記載のシート空調装置。
【0348】
<技術21>
前記第2ダンパは、前記第2外筒体に接続され、前記シートに伝達された振動を吸収する振動吸収機構を有する
技術11、13、15、17又は19に記載のシート空調装置。
【0349】
<技術22>
前記振動吸収機構は、前記シートと前記第1外筒体との間に配置されるスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方である
技術20に記載のシート空調装置。
【0350】
<技術23>
前記振動吸収機構は、前記シートと前記第2外筒体との間に配置されるスプリング及びショックアブソーバーのうちの少なくとも一方である
技術21に記載のシート空調装置。
【0351】
<技術24>
前記第1ダンパは、前記外筒吸入口及び前記内筒吸入口の一部を覆うように配置される壁部を有し、
前記壁部は、前記外筒吸入口、前記内筒吸入口、及び、前記第1フラップを重ねて見た場合、前記第1フラップの自由端の一部分に空気を案内するように、前記第1フラップの固定端を覆っている
技術16、18、20又は22に記載のシート空調装置。
【0352】
<技術25>
前記第2ダンパは、前記外筒吸入口及び前記内筒吸入口の一部を覆うように配置される壁部を有し、
前記壁部は、前記外筒吸入口、前記内筒吸入口、及び、前記第2フラップを重ねて見た場合、前記第2フラップの自由端の一部分に空気を案内するように、前記第2フラップの固定端を覆っている
技術17、19、21又は23に記載のシート空調装置。
【産業上の利用可能性】
【0353】
本開示は、例えば車両等の移動体用シート、ソファー等に利用可能である。
【符号の説明】
【0354】
1、1a、1b、1b1、1c、1d、1e シート空調装置
2 シート
20 送風機
31 第1通風路
31a 第1吐出口
32 第2通風路
32a 第2吐出口
33 第3通風路
33a 第3吐出口
40 制御部
60a、60b、60c ダンパ(第1ダンパ、第2ダンパ)
61、200、200a、200b、200c 第1ダンパ(風量制御機構)
61a、61a1、61a2、61a3、62a、225a 軸部
61b、225b 第1フラップ
61b1、61b2、61b3 フラップ
62 第2ダンパ(風量制御機構)
62b 第2フラップ
63d、63e、63f ストッパ(回転調整部)
K 通風空間(分岐空間)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27