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特開2024-146747超音波切削ブレード並びにワークを切削するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146747
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】超音波切削ブレード並びにワークを切削するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/00 20060101AFI20241004BHJP
   B24B 1/04 20060101ALI20241004BHJP
   B23B 1/00 20060101ALI20241004BHJP
   B23D 3/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B23B27/00 A
B24B1/04 B
B23B1/00 B
B23D3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010374
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】18/193,746
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・エー・フリッツケ
(72)【発明者】
【氏名】オースティン・ビー・ボール
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・アール・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】シェーン・イー・アーサー
(72)【発明者】
【氏名】マリアン・イー・ウィルキンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ワイ・アン
【テーマコード(参考)】
3C045
3C046
3C049
3C050
【Fターム(参考)】
3C045AA02
3C045AA03
3C046AA00
3C046CC00
3C049AA01
3C049AA09
3C049AA16
3C049CB01
3C049CB03
3C050AB04
3C050AC02
(57)【要約】
【課題】超音波切削ブレード、超音波切削システム、ワークを切削する方法、及び超音波切削作業中のびびりを低減する方法を提供する。
【解決手段】超音波切削ブレードは、第1端部、第2端部、及び湾曲体を含む。湾曲体は、第1端部と第2端部との間に延在する。湾曲体は、ワークに切削作業を行うためにワークに接触するように構成されている第1縁部を含む。湾曲体は、最小曲率半径と最大曲率半径との間で変動する曲率半径を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部(104)と、
第2端部(106)と、
前記第1端部(104)と前記第2端部(106)との間に延在する湾曲体(102)と、
を備え、
前記湾曲体(102)は、ワーク(202)に切削作業を行うために前記ワーク(202)に接触するように構成されている第1縁部(110)を備え、
前記湾曲体(102)は、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で変動する曲率半径(112)を備える、超音波切削ブレード(100)。
【請求項2】
前記湾曲体(102)が軸対称である、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項3】
前記湾曲体(102)は、
前記第1端部(104)から前記湾曲体(102)の頂点(122)まで延在する第1弧状部分(118)と、
前記頂点(122)から前記第2端部(106)まで延在する第2弧状部分(120)と、
を備え、
前記最小曲率半径(114)は前記頂点(122)にあり、
前記最大曲率半径(116)は前記第1端部(104)及び前記第2端部(106)の少なくとも一方に近接する、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項4】
前記曲率半径(112)は、前記最小曲率半径(114)から前記最大曲率半径(116)まで直線的に増加する、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項5】
前記曲率半径(112)は、前記最小曲率半径(114)から前記最大曲率半径(116)まで指数関数的に増加する、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項6】
長手軸(124)と、
前記第1縁部(110)に対向する第2縁部(126)と、
前記第1縁部(110)と前記第2縁部(126)との間に延在する表面(128)と、
をさらに備え、
前記第2縁部(126)は、前記長手軸(124)に沿って前記第1縁部(110)から離間していて、
前記表面(128)は、前記長手軸(124)に対して斜めの角度に配向されている、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項7】
前記表面(128)は凹状である、請求項6に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項8】
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも2倍大きい、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項9】
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも4倍大きい、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項10】
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも5倍大きい、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項11】
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも7倍大きい、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項12】
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも10倍大きい、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項13】
前記最小曲率半径(114)は約0.25インチであり、
前記最大曲率半径(116)は最大約1.5インチである、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項14】
前記第1縁部(110)は、前記超音波切削ブレード(100)が切削経路(218)に沿って移動することに応じて、前記ワーク(202)に弧状切削(212)を施すように構成されていて、
前記弧状切削(212)は、切削曲率半径(214)を有し、
前記切削曲率半径(214)は、前記ワーク(202)のワーク表面(216)に対する前記湾曲体(102)の切削角度(220)に基づいて、前記最小曲率半径(114)と前記最大曲率半径(116)との間にある、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項15】
前記湾曲体(102)の前記第1端部(104)から延在する第1シャンク(132)と、
前記湾曲体(102)の前記第2端部(106)から延在する第2シャンク(134)と、
をさらに備え、
前記第1シャンク(132)及び前記第2シャンク(134)は、前記超音波切削ブレード(100)を超音波振動(206)の供給源(204)に結合するブレードホルダ(108)に結合可能である、請求項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
【請求項16】
超音波切削ブレード(100)と、
超音波振動(206)を前記超音波切削ブレード(100)に伝達する超音波切削工具(208)と、
を備え、
前記超音波切削ブレード(100)は、
第1端部(104)と、
第2端部(106)と、
前記第1端部(104)と前記第2端部(106)との間に延在する湾曲体(102)と、
を備え、
前記湾曲体(102)は、ワーク(202)に切削作業を行うために前記ワーク(202)に接触するように構成されている第1縁部(110)を備え、
前記湾曲体(102)は、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で変動する曲率半径(112)を備える、超音波切削システム(200)。
【請求項17】
前記超音波切削ブレード(100)を前記超音波切削工具(208)に結合するブレードホルダ(108)をさらに備える、請求項16に記載の超音波切削システム(200)。
【請求項18】
前記超音波切削ブレード(100)は、
前記湾曲体(102)の前記第1端部(104)から延在する第1シャンク(132)と、
前記湾曲体(102)の前記第2端部(106)から延在する第2シャンク(134)と、
をさらに備え、
前記ブレードホルダ(108)はタング(142)を備え、
前記第1シャンク(132)及び前記第2シャンク(134)は前記タング(142)に結合される、請求項17に記載の超音波切削システム(200)。
【請求項19】
多関節ロボット(210)、及び、前記超音波切削工具(208)を移動させるガントリ(222)の少なくとも一方をさらに備える、請求項17に記載の超音波切削システム(200)。
【請求項20】
ワーク(202)を切削する方法(1000)であって、
前記ワーク(202)のワーク表面(216)に対して切削角度(220)で超音波切削ブレード(100)を位置決めするステップと、
弧状切削(212)を形成するために前記超音波切削ブレード(100)を切削経路(218)に沿って移動させるステップと、
移動中に、前記超音波切削ブレード(100)の前記切削角度(220)を変更するステップと、
前記切削角度(220)の変更に基づいて、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で前記弧状切削(212)の切削曲率半径(214)を変動させるステップと、
を含む、方法(1000)。
【請求項21】
超音波切削作業中のびびりを低減する方法(2000)であって、
超音波切削ブレード(100)と、前記超音波切削ブレード(100)を超音波振動(206)の供給源(204)に接続するブレードホルダ(108)との間の2つの接触界面(136)を通って、前記超音波振動(206)を伝達するステップと、
2つの前記接触界面(136)を通って前記超音波切削ブレード(100)の歪みに反応するステップと、
を含む、方法(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して超音波切削に関し、より詳細には、超音波切削ブレード並びに該超音波切削ブレードを使用してワークを切削するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの製造作業において、材料ワークは、特定の用途のために成形される。例えば、隙間を埋めるために使用されるワークは、その隙間に対して適切に成形する必要がある。多くの場合、ワークを切削又はトリミングして、所望の形状に仕上げる。一般的には、縁部ツール、超音波カッター、ウォータージェットなどが切削に使用される。超音波カッターの使用には利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の切削技術を使用してワーク内の三次元曲面をトリミング、切削、又は他の方法で成形することは困難な場合がある。したがって、当業者は、超音波切削の分野において研究開発の努力を続けている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
超音波切削ブレード、超音波切削システム、ワークを切削する方法、及び超音波切削作業中のびびりを低減する方法の例が開示されている。以下は、本開示による主題の、特許請求されるものもされないものもある例の非網羅的なリストである。
【0005】
一例では、開示された超音波切削ブレードは、第1端部、第2端部、及び湾曲体を含む。湾曲体は、第1端部と第2端部との間に延在する。湾曲体は、ワークに切削作業を行うためにワークに接触するように構成されている第1縁部を含む。湾曲体は、最小曲率半径と最大曲率半径との間で変動する曲率半径を含む。
【0006】
一例では、開示された超音波切削システムは、超音波切削ブレードと、超音波振動を超音波切削ブレードに伝達する超音波切削工具とを含む。超音波切削ブレード100は、第1端部、第2端部、及び湾曲体を含む。湾曲体は、第1端部と第2端部との間に延在する。湾曲体は、ワークに切削作業を行うためにワークに接触するように構成されている第1縁部を含む。湾曲体は、最小曲率半径と最大曲率半径との間で変動する曲率半径を含む。
【0007】
一例では、開示された切削方法は、(1)ワークのワーク表面に対して切削角度で超音波切削ブレードを位置決めするステップと、(2)弧状切削を形成するために超音波切削ブレードを切削経路に沿って移動させるステップと、(3)移動中に、超音波切削ブレードの切削角度を変更するステップと、(4)切削角度の変更に基づいて、最小曲率半径と最大曲率半径との間で弧状切削の切削曲率半径を変動させるステップと、を含む。
【0008】
一例では、開示されたびびりを低減する方法は、(1)超音波切削ブレードと、超音波切削ブレードを超音波振動の供給源に接続するブレードホルダとの間の2つの接触界面を通って超音波振動を伝達するステップと、(2)2つの接触界面を通って超音波切削ブレードの歪みに反応するステップと、を含む。
【0009】
本明細書で開示される超音波切削ブレード、超音波切削システム、切削方法、及びびびりを低減する方法の他の例は、以下の詳細な説明、添付図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】製造環境の一例の概略ブロック図である。
図2図1の超音波切削ブレードの一例の概略正面図である。
図3図1の超音波切削ブレードの一例の概略正面図である。
図4図1の超音波切削システムの一例の概略斜視図である。
図5図1の超音波切削システムの一部の一例の概略正面図である。
図6図4の超音波切削システムの一部の一例の概略正面斜視図である。
図7図4の超音波切削システムの一部の一例の概略分解斜視図である。
図8図7の超音波切削ブレードの一例の概略立面図である。
図9図7の超音波切削ブレードの一例の概略斜視図である。
図10図1のワークの一例の概略斜視図である。
図11図1の超音波切削システムを使用して作られた弧状切削を有する図10のワークの一例の概略斜視図である。
図12図1の超音波切削システムにより切削されている図10のワークの一例の概略斜視図である。図1の超音波切削システムの一例の概略端面図である。
図13】ワークに対して、初期切削箇所及び姿勢での図12の超音波切削システムの一例の概略端面図である。
図14】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図15】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図16】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図17】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図18】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図19】ワークに対して、様々な切削姿勢及び様々な切削箇所での図12の超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図20A】ワークに対して、ある切削箇所及びある切削姿勢での超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図20B】超音波切削システムにより切削された後の、図20Aのワークの一例の概略端面図である。
図21A】ワークに対して、図20Aの切削箇所及び別の切削姿勢での超音波切削ブレードの一例の概略端面図である。
図21B】超音波切削システムにより切削された後の、図21Aのワークの一例の概略端面図である。
図22】ワークを切削する方法の一例のフロー図である。
図23】超音波切削作業中のびびりを低減する方法の一例のフロー図である。
図24】航空機の製造及び保守点検方法の一例のフロー図である。
図25】航空機の一例の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図21を概略的に参照すると、例として、本開示は、超音波切削ブレード100、及び、超音波切削ブレード100を含むか又は他の方法で利用する超音波切削システム200に関する。本明細書でより詳細に記載するように、超音波切削ブレード100はワーク202を切削するための変動する切削半径をもたらし、それによって、三次元曲面又は変動する切削半径を有する切削を形成する。超音波切削作業中、超音波切削ブレード100は、切削半径を変更するために配向され(例えば、傾けられ)、それによって、切削経路に沿って適応的な又は変化する曲率半径の切削を容易にする。また、超音波切削ブレード100は、超音波切削作業中のびびりの低減を容易にする。
【0012】
概して、ワーク202は、超音波切削ブレード100によって切削、トリミング、成形、又は他の方法で加工されている任意の物体、物品、構成要素、部分などを指す、又は含む。ワーク202は、様々なサイズ、形状、及び/又は幾何学的形状のいずれか1つを有することができる。ワーク202は、未硬化(「グリーン」)複合材プライのスタック、繊維強化複合材、樹脂注入複合材などの複合材料、発泡材、アルミニウムシートのスタックなどの軟質金属材料、金属シートと複合材シートの積層材などを含むが、これらに限定されない様々な材料のうちいずれか1以上で作ることができる。1以上の例では、適応的な切削半径の弧状切削を有するワーク202は、複合ブレードストリンガのヌードル空隙部を効果的に埋めるために、ヌードルとも呼ばれる角部充填材として使用することができ、それによって隙間の引き上げ許容量を増加させ、ヌードルの外形又は湾曲形状を形成するための段部切削の使用を回避することができる。
【0013】
図1は、ワーク202に対して超音波切削作業を行う製造環境230を概略的に示す。概して、超音波切削作業は、超音波切削ブレード100を使用してワーク202に対して行う任意の切削、トリミング、又は成形作業を指す、又は含む。図2及び図3は、超音波切削ブレード100の例を概略的に示す。
【0014】
図1図3を参照すると、1以上の例では、超音波切削ブレード100は、第1端部104、第2端部106、及び湾曲体102を含む。湾曲体102は、第1端部104と第2端部106との間に延在する。1以上の例では、第1端部104及び第2端部106は、互いに少なくとも略平行である。他の例では、第1端部104及び第2端部106は、互いに平行ではない。1以上の例では、第1端部104及び第2端部106は互いに対向し、長手軸124を横断する軸に沿って整列している。湾曲体102は第1縁部110を含む。第1縁部110は、ワーク202に対して超音波切削作業(本明細書では切削作業又は切削とも呼ばれる)を行うためにワーク202に接触するように構成されている。湾曲体102は曲率半径112を含む。曲率半径112は、最小曲率半径114と最大曲率半径116との間で変動する。
【0015】
一例として、湾曲体102に沿った任意の箇所における曲率半径112の値は、最小半径値と最大半径値との間で変動する。例えば、湾曲体102は、曲率半径112の複数の値又は実例を含み、各値又は実例は、湾曲体102及び/又は第1縁部110の曲線プロファイルに沿って、曲率半径112の少なくとも1つの他の値又は実例とは異なる。
【0016】
図2及び図3に示すように、超音波切削ブレード100の湾曲体102は、立面図において、開放曲線プロファイル形状を有する。このように、湾曲体102及び/又は第1縁部110は、U字形状を有する、又は放物線形状を有すると説明することができる。超音波切削ブレード100は、リングブレードとも呼ばれることがある。
【0017】
1以上の例では、第1縁部110は、切削を行うために比較的薄く鋭利である。かくして、第1縁部110は、切削縁部、腹、ブレード縁部とも呼ばれることがある。湾曲体102の第1縁部110は曲率半径112も含み、曲率半径112の値又は実例は、最小曲率半径114と最大曲率半径116との間で、第1縁部110の曲線プロファイルに沿った異なる点で変動する。
【0018】
概して、曲率半径とは、第1縁部110の湾曲体102の湾曲プロファイル(例えば、図2及び図3参照)のような、湾曲体の湾曲プロファイルに沿った点における曲線に最もよく近似する円弧の半径を指す。曲率半径112(例えば、曲率半径の値)は、湾曲体102の湾曲プロファイルに沿って、又は第1縁部110に沿って変動する。一例として、湾曲体102に沿った、又は第1縁部110に沿った任意の点における曲率半径112は、湾曲体102に沿った、又は第1縁部110に沿った別の点、又は任意の他の点における曲率半径112とは異なる。
【0019】
図1図3を参照すると、1以上の例では、超音波切削ブレード100は、長手軸124を含む。超音波切削作業中、超音波切削ブレード100は、長手軸124に沿って軸方向に振動する。超音波切削作業中、超音波切削ブレード100は、例えば、切削経路218に沿って移動方向に移動し、第1縁部110は移動方向に整列している。
【0020】
図1図3を参照すると、1以上の例では、湾曲体102及び/又は第1縁部110は、長手軸124回りに軸対称である。1以上の例では、超音波切削ブレード100は、長手軸124回りに軸対称である(すなわち、長手軸124は対称軸である)。1以上の例では、超音波切削ブレード100、湾曲体102、及び/又は第1縁部110の対称性は、超音波切削作業中のびびりの低減を容易にする。他の例では、湾曲体102及び/又は第1縁部110は非対称であり、例えば、長手軸124(例えば、対称軸)回りに軸対称ではない。
【0021】
図1図3を参照すると、1以上の例では、湾曲体102及び/又は第1縁部110は、第1弧状部分118及び第2弧状部分120を含む。第1弧状部分118は、第1端部104から湾曲体102の頂点122まで延在する。第2弧状部分120は、頂点122から第2端部106まで延在する。最小曲率半径114は、頂点122にある。頂点122は、湾曲体102のU字状又は放物線状の曲線プロファイルの頂点を指す、又は、湾曲体102及び/又は第1縁部110の曲線プロファイルと対称軸(例えば、長手軸124)との交点を指す。1以上の例では、最大曲率半径116は、湾曲体102の第1端部104及び第2端部106の少なくとも一方に近接する。他の例では、最大曲率半径116は、湾曲体102及び/又は第1縁部110に沿った別の点に位置してもよい。
【0022】
1以上の例では、第1弧状部分118の最大曲率半径116及び第2弧状部分120の最大曲率半径116は同じであり、且つ、湾曲体102が対称である場合などは、湾曲体102上の対向する点に位置する。他の例では、第1弧状部分118の最大曲率半径116及び第2弧状部分120の最大曲率半径116は異なり、且つ/又は、湾曲体102が非対称である場合などは、湾曲体102上の異なる点に位置する。
【0023】
図1図3を参照すると、1以上の例では、曲率半径112は、頂点122から第1端部104に近接するまで、湾曲体102に沿って最小曲率半径114から最大曲率半径116まで増加する。1以上の例では、曲率半径112は、頂点122から湾曲体102の第2端部106に近接するまで、湾曲体102に沿って最小曲率半径114から最大曲率半径116まで増加する。1以上の例では、曲率半径112は、頂点122から第1端部104及び第2端部106にそれぞれ近接するまで、湾曲体102に沿って最小曲率半径114から最大曲率半径116まで増加する。他の例では、曲率半径112は、最小曲率半径114から最大曲率半径116まで増加し、次いで、最大曲率半径116から最小曲率半径114に向かって減少する。
【0024】
1以上の例では、曲率半径112は、最小曲率半径114から最大曲率半径116まで直線的に増加する。1以上の例では、曲率半径112は、最小曲率半径114から最大曲率半径116まで指数関数的に増加する。最小曲率半径114から最大曲率半径116への曲率半径112の増加の仕方は、ワーク202に施される切削の種類、幾何学的形状、及び/又は目的、ワーク202の材料組成などの様々な要因に依拠し得るが、これらに限定されない。
【0025】
1以上の例では、最大曲率半径116は、最小曲率半径114の少なくとも2倍大きい。1以上の例では、最大曲率半径116は、最小曲率半径114の少なくとも4倍大きい。1以上の例では、最大曲率半径116は、最小曲率半径114の少なくとも5倍大きい。1以上の例では、最大曲率半径116は、最小曲率半径114の少なくとも7倍大きい。1以上の例では、最大曲率半径116は、最小曲率半径114の少なくとも10倍大きい。
【0026】
1以上の例では、最小曲率半径114は、約0.25インチ(約6.3ミリメートル)である。1以上の例では、最大曲率半径116は、約1.5インチ(約38.1ミリメートル)まで、例えば約3.5インチ(約88.9ミリメートル)までである。しかしながら、超音波切削ブレード100の用途に応じて、曲率半径112の他の最小値及び最大値も考えられる。
【0027】
図1及び図4図7を参照すると、1以上の例では、超音波切削ブレード100は、ブレードホルダ108に接続するためのデュアルシャンクコネクタ138を含む。ブレードホルダ108は、超音波切削ブレード100を、超音波切削工具208(図4)などの超音波振動206の供給源204に結合する。ブレードホルダ108は、超音波振動206を供給源204(例えば、超音波切削工具208)から超音波切削ブレード100に伝達する。ブレードホルダ108は、ホーンとも呼ばれ得る。
【0028】
1以上の例では、ブレードホルダ108は、基部140及びタング142を含む。基部140は、ネジ接続、クランプ、チャックなどの任意の適切な結合技術によって、超音波切削工具208(図4)などの超音波振動206の供給源204に結合する。タング142は、基部140から延在し、超音波切削ブレード100のデュアルシャンクコネクタ138に結合する。例えば、タング142は、デュアルシャンクコネクタ138内の空間144(図7)の間に嵌合する。
【0029】
図1及び図5図7を参照すると、1以上の例では、超音波切削ブレード100(例えば、デュアルシャンクコネクタ138)は、第1シャンク132及び第2シャンク134を含む。第1シャンク132は、第1端部104で湾曲体102から延在する。第2シャンク134は、第2端部106で湾曲体102から延在する。第1シャンク132及び第2シャンク134は、互いに対向している。1以上の例では、第1シャンク132及び第2シャンク134は、互いに少なくとも略平行である。1以上の例では、第1シャンク132及び第2シャンク134は、互いに平行ではない。1以上の例では、第1シャンク132及び第2シャンク134は互いに対向し、長手軸124を横断する軸に沿って整列している。第1シャンク132及び第2シャンク134は、ブレードホルダ108に結合可能である。
【0030】
1以上の例では、タング142は、第1シャンク132と第2シャンク134との間の空間144(図7)内に嵌合する。第1シャンク132、第2シャンク134、及びタング142の各々は、締結具開口部146を含む。第1シャンク132、第2シャンク134、及びタング142は、第1シャンク132、第2シャンク134、及びタング142の締結具開口部146を通って延在する締結具148(例えば、ボルトなどのネジ締結具)によって互いに結合される(図5及び図6参照)。
【0031】
1以上の例では、デュアルシャンクコネクタ138はU字形クレビスの形態を成し、かくして、第1シャンク132は第1U字形クレビスアームの形態を成し、第2シャンク134は第2U字形クレビスアームの形態を成す。タング142は、締結具148のうちの1以上によって第1U字形クレビスアームと第2U字形クレビスアームとの間に配置され、第1U字形クレビスアームと第2U字形クレビスアームとに結合するように構成されている。
【0032】
図1及び図4図7を参照すると、1以上の例では、超音波振動206は、超音波切削工具208によって発生される。超音波振動206は、ブレードホルダ108に伝達される。超音波振動206は、ブレードホルダ108から超音波切削ブレード100に伝達される。1以上の例では、超音波振動206は、ブレードホルダ108と超音波切削ブレード100との間の2つの接触界面136を通って伝達される。1以上の例では、超音波切削ブレード100の歪みはまた、2つの接触界面136によって、又はそれを通って、反応する。超音波振動206を伝達し、2つの接触界面136を通って変形に反応することにより、超音波切削作業中のびびりが低減する。
【0033】
1以上の例では、2つの接触界面136は、第1接触界面150及び第2接触界面152を含む。第1接触界面150は、第1シャンク132の第1シャンク表面154とタング142の第1タング表面158との間の密接に係合する表面間接触を含む、又はその表面間接触によって形成される。第2接触界面152は、第2シャンク134の第2シャンク表面156とタング142の第2タング表面160との間で密接に係合する表面間接触を含む、又はその表面間接触によって形成される。
【0034】
接触界面136は、第1シャンク132、第2シャンク134、及びタング142の間の接触表面領域の増加をもたらす。接触表面領域の増加により、従来の超音波ブレードホルダなどの単一の接続と比較して、超音波振動206の伝達が最適化される。接触表面領域の増加により、従来の超音波ブレードホルダなどの単一の接続と比較して、歪みも低減する。超音波振動206の伝達の最適化と、超音波切削ブレード100の歪みの低減は、びびりを低減させる結果となる。びびりは、切削の品質低下及び/又はブレードの早期破損につながることが理解できる。
【0035】
1以上の例では、超音波切削ブレード100をブレードホルダ108に接続する際に、湾曲体102は、長手軸124に対して少なくとも略垂直な方向に内側に撓むことができ、それによってデュアルシャンクコネクタ138がタング142を締め付けることが可能となる。締付力は、表面接触を増加させ、超音波振動206の超音波切削ブレード100への伝達を改善し、それによってびびりが低減する。
【0036】
1以上の例では、接触界面136はゲル162(図5)を含む。ゲル162は、任意の適切な超音波結合媒体又は超音波ゲルを含む。ゲルは、超音波振動206の伝達をさらに最適化し、それによってびびりがさらに低減する。一例として、ゲル162は、第1シャンク表面154と第1タング表面158との間、及び、第2シャンク表面156と第2タング表面160との間に塗布される。
【0037】
図1図3図8及び図9を参照すると、1以上の例では、湾曲体102は第2縁部126を含む。第2縁部126は、第1縁部110に対向する。湾曲体102は、第1縁部110と第2縁部126との間に延在する表面128を含む。
【0038】
1以上の例では、第2縁部126は比較的厚くて鈍く、湾曲体102の最も厚くて最も強い部分を形成する可能性がある。したがって、第1縁部110はスパインとも呼ばれ得る。湾曲体102の第2縁部126は曲率半径112を含むこともある。
【0039】
図1図8及び図9を参照すると、1以上の例では、第2縁部126は、長手軸124に沿って第1縁部110から離間している。例えば、第2縁部126は、立面図において(例えば、図8に示すように)、第1縁部110に対して半径方向内側に位置付けされる。表面128は、長手軸124に対して斜めの角度に配向される。1以上の例では、表面128は、第1縁部110と第2縁部126との間に延在する方向に凹状である。これらの例では、湾曲体102の表面128などの超音波切削ブレード100は、掻き取られている又は掬われていると呼ばれることがある。
【0040】
図1及び図10図19を参照すると、1以上の例では、第1縁部110は、超音波切削ブレード100が切削経路218(図12)に沿って移動することに応じて、ワーク202に弧状切削212(図11)を施すように構成されている。弧状切削212は、切削曲率半径214を有する。切削曲率半径214は、ワーク202又はワーク202のワーク表面216に対する湾曲体102の切削角度220(図13)に基づいて、最小曲率半径114と最大曲率半径116との間にある(例えば、その間で変動し得る)。
【0041】
図1を参照すると、1以上の例では、超音波切削システム200は、超音波切削ブレード100及び超音波切削工具208を含む。1以上の例では、超音波切削システム200は、超音波切削ブレード100を超音波切削工具208に結合するブレードホルダ108を含む。超音波切削工具208は、ブレードホルダ108を介して、超音波振動206を超音波切削ブレード100に伝達する。超音波切削ブレード100は、第1端部104、第2端部106、及び湾曲体102を含む。湾曲体102は、第1端部104と第2端部106との間に延在する。1以上の例では、第1端部104及び第2端部106は、少なくとも略平行など、長手軸124を横切って互いに概ね整列している。湾曲体102は、ワーク202に切削作業を行うためにワーク202に接触するように構成されている第1縁部110を含む。湾曲体102は、最小曲率半径114と最大曲率半径116との間で変動する曲率半径112を含む。
【0042】
1以上の例では、超音波切削工具208は、超音波振動206の供給源204の一例である。超音波切削工具208は、長手軸124の方向に振動するように駆動し、それによって超音波切削ブレード100を超音波振動させるように構成又は適合されている任意の適切な超音波発振器を含む。
【0043】
1以上の例では、超音波切削システム200は、多関節ロボット210、及び、超音波切削工具208を移動させるガントリ222の少なくとも一方を含む。一例として、超音波切削工具208は、多関節ロボット210の端部に装着される。一例として、超音波切削工具208は、ガントリ222に装着される。1以上の例では、多関節ロボット210は、ロボットアームなどの任意のプログラム可能なロボットを含む、又はその形態を成す。1以上の例では、多関節ロボット210は、6自由度を有する6軸多関節ロボットであり、超音波切削ブレード100の箇所及び向きの両方を三次元空間で自由に制御することができる。1以上の例では、ガントリ222は、超音波切削工具208が結合されるマニピュレータを含むオーバーヘッドガントリである。
【0044】
図1図19を概して参照し、特に図22を参照すると、例として、本開示は、ワーク202を切削する方法1000に関する。1以上の例では、方法1000は、超音波切削ブレード100を利用する超音波切削システム200を使用して実装又は実行される。
【0045】
図22を参照すると、1以上の例では、方法1000は、超音波切削ブレード100を、超音波切削工具208などの超音波振動206の供給源204に装着又は結合するステップ(ブロック1002)を含む。1以上の例では、超音波切削ブレード100は、ブレードホルダ108を介して供給源204に結合される。1以上の例では、方法1000は、超音波振動206の供給源204を介して超音波切削ブレード100を駆動するステップ(ブロック1004)を含む。1以上の例では、超音波振動206は、供給源204(例えば、超音波切削工具208)により発生され、ブレードホルダ108を通って超音波切削ブレード100に伝達され、超音波切削ブレード100を通って、超音波切削ブレードに沿って移動することにより、超音波切削ブレード100を超音波振動させる。1以上の例では、方法1000は、超音波切削ブレード100の初期の向き、より具体的には、ワーク202に対する第1縁部110の向きを設定するために、ワーク202のワーク表面216に対して切削角度220で超音波切削ブレード100を位置決めするステップ(ブロック1006)を含む。1以上の例では、方法1000は、ワーク202を超音波切削ブレード100の第1縁部110と接触させるステップ(ブロック1008)を含む。1以上の例では、方法1000は、切削経路218に沿って超音波切削ブレード100を移動させるステップ(ブロック1010)を含む。1以上の例では、方法1000は、ワーク202に弧状切削212を形成するステップ(ブロック1012)を含む。概して、ワーク202に弧状切削212を形成するステップ(ブロック1012)は、超音波切削ブレード100を使用してワーク202の一部を切削又はトリミングするステップを含む。1以上の例では、超音波切削ブレード100を移動させるステップ(ブロック1010)は、超音波切削ブレード100を駆動するステップ(ブロック1004)の間に、且つ、超音波切削ブレード100が切削角度220に位置決めされた状態で(例えば、超音波切削ブレード100を位置決めするステップ(ブロック1006)の後に)実行される。言い換えれば、駆動するステップ(ブロック1004)、位置決めするステップ(ブロック1006)、及び切削経路218に沿って超音波切削ブレード100を移動させるステップ(ブロック1010)は、弧状切削212を形成する、又は形成する結果となる。1以上の例では、方法1000は、超音波切削ブレード100の向き、より具体的には、ワーク202に対する第1縁部110の向きを再度位置決めするために、超音波切削ブレード100の切削角度220を変更又は修正するステップ(ブロック1014)を含む。1以上の例では、切削角度220を変更するステップ(ブロック1014)は、超音波切削ブレード100を駆動するステップ(ブロック1004)及び超音波切削ブレード100を移動させるステップ(ブロック1010)の間に、且つ弧状切削212を形成するステップ(ブロック1012)の間に実行される。1以上の例では、方法1000は、切削角度220を変更するステップ(ブロック1014)に基づいて、最小曲率半径114と最大曲率半径116との間で弧状切削212の切削曲率半径214を変動させるステップ(ブロック1016)を含む。言い換えれば、超音波切削ブレード100を駆動するステップ(ブロック1004)、超音波切削ブレード100を移動させるステップ(ブロック1010)、及び、ワーク202に弧状切削212を形成するステップ(ブロック1012)の間に超音波切削ブレード100の切削角度220を変更するステップ(ブロック1014)は、切削経路218に沿って弧状切削212の切削曲率半径214の変動を形成する、又は変動させる結果となる。
【0046】
弧状切削212の切削曲率半径214の変動は、ワーク202に適応的な三次元曲面をもたらす。本明細書に開示される方法1000及び超音波切削ブレード100の例は、超音波切削ブレード100の単一の切削経路の後に、所望の切削曲率半径214又は切削曲率半径214の変動を有する少なくとも1つの弧状切削212の形成が可能になると、有利である。切削曲率半径214及び/又は切削曲率半径214の変動は、超音波切削ブレード100の切削角度220及び超音波切削ブレード100の曲率半径112に応じて、最小半径と最大半径との間で制御可能である。
【0047】
図10は、超音波切削作業前のワーク202の一例を示す。図11は、超音波切削作業後のワーク202の一例を示しており、ワーク202は弧状切削212を含み、弧状切削212は最小曲率半径114と最大曲率半径116との間で変動する切削曲率半径214を有する。図12は、方法1000の一実施例を示す。より詳細には、図12は、超音波切削ブレード100が切削経路218に沿って移動するにつれて、ワーク202上の異なる箇所で切削角度220の異なる実例にて配向される超音波切削ブレード100の一例を示す。図13図19は、図12に描かれた異なる箇所における超音波切削ブレード100の例、及び、切削角度220に対応する切削曲率半径214を有する弧状切削212の異なる部分に関連する切削角度220の異なる実例における超音波切削ブレード100の例を示す。
【0048】
図13は、超音波切削システム200の一例を示しており、超音波切削システム200は、超音波切削工具208、ブレードホルダ108、及び超音波切削ブレード100を含み、例えば、最初にワーク202に接触するとき(例えば、方法1000のブロック1008)の第1姿勢300(図12にも示す)などの姿勢にある。切削姿勢では、超音波切削ブレード100は切削角度220に配向される。以下に記載し、図14図19に示すように、切削経路218に沿った後続の切削姿勢のいずれか1つにおいて、超音波切削ブレード100は切削角度220の異なる実例にて配向され、適応的な半径を有する弧状切削212が形成される。
【0049】
図14は、第1姿勢300及び第1切削角度302にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第1弧状切削304、例えば、弧状切削212の第1部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第1弧状切削304は、超音波切削ブレード100の第1切削角度302に基づく第1切削曲率半径306を有する。
【0050】
図15は、第2姿勢308及び第2切削角度310にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第2弧状切削312、例えば、弧状切削212の第2部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第2弧状切削312は、超音波切削ブレード100の第2切削角度310に基づく第2切削曲率半径314を有する。
【0051】
図16は、第3姿勢316及び第3切削角度318にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第3弧状切削320、例えば、弧状切削212の第3部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第3弧状切削320は、超音波切削ブレード100の第3切削角度318に基づく第3切削曲率半径322を有する。
【0052】
図17は、第4姿勢324及び第4切削角度326にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第4弧状切削328、例えば、弧状切削212の第4部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第4弧状切削328は、超音波切削ブレード100の第4切削角度326に基づく第4切削曲率半径330を有する。
【0053】
図18は、第5姿勢332及び第5切削角度334にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第5弧状切削336、例えば、弧状切削212の第5部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第5弧状切削336は、超音波切削ブレード100の第5切削角度334に基づく第5切削曲率半径338を有する。
【0054】
図19は、第6姿勢340及び第6切削角度342にある超音波切削ブレード100の一例を示し(図12にも示す)、超音波切削ブレード100は切削経路218に沿って移動し(例えば、方法1000のブロック1010)、第6弧状切削344、例えば、弧状切削212の第6部分(例えば、方法1000のブロック1012)を形成している。第6弧状切削344は、超音波切削ブレード100の第6切削角度342に基づく第6切削曲率半径346を有する。
【0055】
任意の数の弧状切削(例えば、弧状切削212の任意の数の部分)をワーク202に形成することができ、弧状切削の各々(例えば、弧状切削212の各々の部分)は、切削中の超音波切削ブレード100の切削角度220に応じて、超音波切削ブレード100の最小曲率半径114と最大曲率半径116との間の任意の所望の切削曲率半径214を有することができることが理解できる。
【0056】
図20を参照すると、1以上の例では、方法1000は、超音波切削ブレード100の後続の向き、より具体的には、ワーク202に対する第1縁部110の後続の向きを設定するために、ワーク202に対して、より具体的には、ワーク202に以前に形成された弧状切削212の一部に対して超音波切削ブレード100を再度位置決めするステップ(ブロック1018)を含む。再度位置決めするステップ(ブロック1018)の後、方法1000の一部を繰り返すことにより、弧状切削212の上又は弧状切削212の第1実例と少なくとも部分的に交差するように弧状切削の後続の実例を形成して、複数の弧状部分(例えば、図20B及び図21B参照)などの複雑な外形234を有する切削232を形成することができる。一例として、超音波切削ブレード100は、弧状切削212に沿った任意の点又は箇所で再度位置決めすることができる。再度位置決めするステップ(ブロック1018)では、超音波切削ブレード100は、弧状切削212を形成するステップ(ブロック1012)中に使用された切削角度220の実例とは異なる切削角度220の実例にて配向される。これらの例では、ワーク202の1つ以上の箇所又は1つ以上の部分に沿って、弧状切削212は、切削角度220の第1実例で超音波切削ブレード100の第1通過中に施された切削曲率半径214の第1実例を有し、ワーク202の1つ以上の箇所又は1つ以上の部分に沿って、弧状切削212は、切削角度220の第2実例で超音波切削ブレード100の第2通過中に施された切削曲率半径214の第2実例を有する。
【0057】
図20A及び図21Aは、方法1000の一部の一実施例を示す。より具体的には、図20A及び図21Aは、超音波切削ブレード100が同じ箇所にわたって後続の通過を行う際に、ワーク202上の同じ箇所で切削角度220の異なる実例にて配向された超音波切削ブレード100の一例を示す。
【0058】
図20Aは、超音波切削ブレード100がワーク202上の箇所236にあり、箇所236に切削232の第1弧状部分238を形成するために切削角度220の第1実例にて配向された一例を示す。図20Bは、図20Aに示す切削角度220の第1実例で超音波切削ブレード100によって形成された切削232の第1弧状部分238を有するワーク202の例を示す。切削232の第1弧状部分238は、超音波切削ブレード100の切削角度220の第1実例に基づく第1切削部分の曲率半径242を有する。
【0059】
図21Aは、超音波切削ブレード100がワーク202上の箇所236にあり、箇所236に切削232の第2弧状部分240を形成するために切削角度220の第2実例にて配向された例を示す。図21Bは、図21Aに示す切削角度220の第2実例で超音波切削ブレード100によって形成された切削232の第2弧状部分240を有するワーク202の例を示す。切削232の第2弧状部分240は、超音波切削ブレード100の切削角度220の第2実例に基づく第2切削部分の曲率半径244を有する。切削232の第2弧状部分240は、切削232が複雑な外形234を含むように、切削232の第1弧状部分238の上に形成される、又は少なくとも部分的に交差する。
【0060】
方法1000の上述の部分は、任意の数の切削又は細長い切削の任意の数の部分が、任意の数の弧状部分によって形成される複雑な外形234を含むことができるように、ワーク202上の任意の数の回数及び/又は任意の数の箇所で繰り返され得ることが理解できる。
【0061】
図1図11図21B及び図22を参照すると、1以上の例では、本開示はワーク202にも関する。1以上の例では、ワーク202は、方法1000にしたがって、及び/又は、超音波切削システム200を使用して形成される弧状切削212(例えば、図11参照)を含む。1以上の例では、ワーク202は、方法1000にしたがって、及び/又は、超音波切削システム200を使用して形成される複雑な外形234(例えば、図21B参照)を有する切削232を含む。
【0062】
図1図19を概して参照し、特に図23を参照すると、例として、本開示は、方法1000の間などの超音波切削作業中のびびりを低減する方法2000に関する。1以上の例では、方法2000は、超音波切削ブレード100を利用する超音波切削システム200を使用して実装又は実行される。
【0063】
図23を参照すると、1以上の例では、方法2000は、超音波切削ブレード100を、超音波切削工具208などの超音波振動206の供給源204に装着又は結合するステップ(ブロック2002)を含む。1以上の例では、超音波切削ブレード100は、ブレードホルダ108を介して供給源204に結合される。1以上の例では、方法2000は、超音波振動206の供給源204を介して超音波切削ブレード100を駆動するステップ(ブロック2004)を含む。1以上の例では、超音波振動206は、供給源204(例えば、超音波切削工具208)により発生され、ブレードホルダ108を通って超音波切削ブレード100に伝達され、超音波切削ブレード100を通って、超音波切削ブレードに沿って移動することにより、超音波切削ブレード100を超音波振動させる。1以上の例では、方法2000は、超音波切削ブレード100と、超音波切削ブレード100を超音波振動206の供給源204(例えば、超音波切削工具208)に接続するブレードホルダ108との間の2つの接触界面136を通って、超音波振動206を伝達するステップ(ブロック2006)を含む。1以上の例では、方法2000は、超音波切削ブレード100を使用してワーク202を超音波切削するステップ(ブロック2008)を含む。1以上の例では、方法2000は、2つの接触界面136を通って、超音波切削ブレード100の歪みに反応するステップ(ブロック2010)を含む。
【0064】
ここで図24及び図25を参照すると、本明細書に記載の超音波切削ブレード100、超音波切削システム200、方法1000、方法2000、及び弧状切削212を有するワーク202の例は、図24のフロー図に示すような航空機の製造及び保守点検方法1100、及び図25に概略的に示すような航空機1200に関連する、又はその文脈で使用することができる。例えば、航空機1200及び/又は航空機の製造及び保守点検方法1100は、超音波切削ブレード100、超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって、切削、トリミング、又は成形されるワーク202を含むことがある。
【0065】
1以上の例では、ワーク202は、航空機1200の複合ブレードストリンガの製作中に使用されるヌードル又は角部充填材である。ヌードルは、ストリンガの空隙部を埋めるために成形される。超音波切削ブレード100及び方法1000により、ストリンガの傾斜形状に合わせてヌードルに独自のカスタム(例えば、波状)切削を作成することができる。超音波切削ブレード100のリング形状設計を有する湾曲体102は、単一の振動供給源からの均一な波動の伝播を可能にする。超音波切削ブレード100は、隙間及び皺が減少することから、より高い翼パネル引き上げ許容量が可能となり、したがって、より優れた構造的完全性をもたらす。全体として、間隙の引き上げが高くなることで、翼-桁構造とリブ構造との間の空隙が減少し、したがって、下流でのシミング作業が不要となる。
【0066】
航空機1200の一例を示す図25を参照する。航空機1200は、内部1206を有する機体1202を含む。航空機1200は、複数の機上システム1204(例えば、高レベルシステム)を含む。航空機1200の機上システム1204の例は、推進システム1208、油圧システム1212、電気システム1210、及び環境システム1214を含む。他の例では、機上システム1204はまた、例えば、下げ翼、スポイラー、補助翼、スラット、方向舵、昇降舵、及びトリムタブなど、航空機1200の機体1202に結合された1以上の制御システムを含む。さらに他の例では、機上システム1204はまた、通信システム、アビオニクスシステム、ソフトウェア配信システム、ネットワーク通信システム、乗客情報/娯楽システム、案内システム、レーダーシステム、兵器システムなどの、1以上の他のシステムを含むが、これらに限定されない。航空機1200は、超音波切削ブレード100、超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって、切削、トリミング、又は成形されるワーク202を使用して作られた様々な他の構造を含むことができる。
【0067】
図24を参照すると、航空機1200の生産前の間、製造及び保守点検方法1100は、航空機1200の仕様及び設計(ブロック1102)並びに材料調達(ブロック1104)を含む。航空機1200の製造中、構成要素及び部分組立品の製造(ブロック1106)と、航空機1200のシステム統合(ブロック1108)とが行われる。その後、航空機1200は、認証及び搬送(ブロック1110)を経て、就航中(ブロック1112)となる。定期的な整備及び保守点検(ブロック1114)は、航空機1200の1以上のシステムの修正、再構成、改修などを含む。
【0068】
図22に示す製造及び保守点検方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は遂行されてもよい。この説明の目的のために、システムインテグレータは、非限定的に、任意の数の宇宙船製造業者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者は、非限定的に、任意の数のベンダ、下請業者、及びサプライヤを含んでもよく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍部、サービス組織等であってもよい。
【0069】
本明細書にて図示及び記載された超音波切削ブレード100、超音波切削システム200、方法1000、方法2000、及び弧状切削212を有するワーク202の例は、図22に示されるフロー図に示す製造及び保守点検方法1100の段階のうちのいずれか1以上の間に採用され得る。一例では、超音波切削ブレード100又は超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって、切削、トリミング、又は成形されるワーク202を作ることは、構成要素及び部分組立品の製造(ブロック1106)及び/又はシステム統合(ブロック1108)の一部を形成することができる。さらに、超音波切削ブレード100又は超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって、切削、トリミング、又は成形されるワーク202は、航空機1200の就航中(ブロック1112)に準備される構成要素又は部分組立品と同様の方法で実施することができる。また、超音波切削ブレード100又は超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって、切削、トリミング、又は成形されるワーク202は、システム統合(ブロック1108)並びに認証及び搬送(ブロック1110)中に利用することができる。同様に、超音波切削ブレード100又は超音波切削システム200を使用して、及び/又は方法1000及び方法2000にしたがって切削、トリミング、又は成形されるワーク202は、例えば、そして限定はしないが、航空機1200の就航中(ブロック1112)並びに整備及び保守点検中(ブロック1114)に利用することができる。
【0070】
前述の詳細な説明は、本開示によって説明される具体例を示す添付の図面を参照する。異なる構造及び作業を有する他の例は、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の符号は、異なる図面において同じ形状、要素、又は構成要素を指す場合がある。本開示全体を通して、複数の項目のいずれか1つを個別に項目と呼ぶ場合や、複数の項目をまとめて項目と呼ぶ場合があり、同様の符号を用いて参照することができる。さらに、本明細書において、「1つの(a)」、又は「1つの(an)」という語で先行する形状、要素、構成要素、又はステップは、そのような除外が明示的に記載されていない限り、複数の形状、要素、構成要素、又はステップを除外するものではないと理解されるべきである。
【0071】
本開示による主題の、例示的で非網羅的な例を、特許請求され得るが必ずしも特許請求されているわけではないが、上述した。本明細書における「例」への言及は、例に関連して記載される1以上の形状、構造、要素、構成要素、特性、及び/又は作業ステップが、本開示による主題の少なくとも1つの態様、実施形態、及び/又は実装に含まれることを意味する。したがって、本開示全体を通して、「一例」、「別の例」、「1以上の例」の語句及び同様の用語は、同じ実施例を指してもよいし、必ずしも指さなくてもよい。さらに、任意の1つの例を特徴付ける主題は、任意の他の例を特徴付ける主題を含んでもよいし、必ずしも含まなくてもよい。また、任意の1つの例を特徴付ける主題は、任意の他の例を特徴付ける主題と組み合わせてもよいし、必ずしも組み合わせなくてもよい。
【0072】
本明細書において、特定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、単にさらなる修正後に特定の機能を実行する可能性を有するのではなく、改変なしに指定された機能を実行することが実際に可能である。言い換えれば、特定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、特定の機能を実行する目的で具体的に選択され、作成され、実施され、実装され、プログラムされ、及び/又は設計される。本明細書において、「ように構成されている」とは、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる修正なしに特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を表す。本開示の目的上、特定の機能を実行する「ように構成されている」と記載されるシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行する「ように適合された」及び/又は「ように動作する」と記載される場合がある。
【0073】
特に明記しない限り、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用されており、これらの用語が指す項目に順序的な、位置的な、又は階層的な要件を課すことを意図していない。さらに、例えば、「第2」の項目への言及は、例えば、「第1」の項目やより小さい番号の項目、及び/又は、例えば、「第3」の項目やより大きい番号の項目の存在を必要とするものでも排除するものではない。
【0074】
本明細書において、「少なくとも1つの」という語句は、項目のリストとともに使用される場合、リストされた項目のうちの1以上の異なる組合せが使用されてもよく、リスト内の各項目の1つのみが必要であってもよいことを意味する。例えば、「項目A、項目B、及び項目Cの少なくとも1つ」は、限定はしないが、項目A、又は、項目A及び項目Bを含んでもよい。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は、項目B及び項目Cを含んでもよい。他の例では、「少なくとも1つの」は、例えば、限定はしないが、項目Aの2個、項目Bの1個、及び項目Cの10個でも、項目Bの4個と項目Cの7個でも、他の適切な組合せであってもよい。本明細書において、「及び/又は」という用語及び「/」記号は、関連するリストされた項目のうちの1以上のあらゆる組合せを含む。
【0075】
本開示の目的上、「結合された」、「結合する」という用語、及び同様の用語は、接合されるか、連結されるか、固定されるか、取り付けられるか、接続されるか、連通される、又は他の方法で(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的に)互いに関連付けられた2つ以上の要素を指す。様々な例において、要素は直接的又は間接的に関連付けられる。一例として、要素Aは要素Bに直接関連付けられる。別の例として、要素Aは要素Bに間接的に、例えば別の要素Cを介して、関連付けられる。開示された様々な要素間のすべての関連性が必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。したがって、図に描かれたもの以外の結合も存在し得る。
【0076】
本明細書において、「略、約」という用語は、依然として所望の機能を実行する、又は所望の結果を達成する、記載された状態に近いがその通りではない状態を指す、又は表す。一例として、「略、約」という用語は、記載された状態の10%以内の状態など、許容可能な所定の許容誤差又は精度内にある状態を指す。しかしながら、「略、約」という用語は、記載された通りの状態を除外するものではない。本明細書において、「実質的に」という用語は、所望の機能を実行する、又は所望の結果を達成する、本質的に記載された状態を指す。
【0077】
上記で参照した図1図21及び図25は、その機能要素、形状、又は構成要素を表し得るものであり、必ずしも特定の構造を意味するものではない。したがって、示された構造に修正、追加、及び/又は省略を加えてもよい。さらに、当業者は、上記で参照した図1図21及び図25に記載の示されたすべての要素、形状、及び/又は構成要素が、すべての例に含まれる必要はなく、本明細書に記載のすべての要素、形状、及び/又は構成要素が、必ずしも各例示的な例に描かれているわけではないことを理解するであろう。したがって、図1図21及び図25に記載の示された要素、形状、及び/又は構成要素のいくつかは、そのような組み合わせが本明細書に明示的に示されていなくても、図1図21及び図25、他の図面、及び/又は添付の開示に記載の示された他の形状を含む必要なく、様々な方法で組み合わせることができる。同様に、提示された例に限定されない付加的な形状は、本明細書に示された記載の形状の一部又はすべてと組み合わせることができる。特に明記しない限り、上記で参照した図1図21及び図25に描かれる例の概略図は、例示的な例に関する構造的な限定を意味するものではない。むしろ、1つの例示的な構造が明記されているが、適切な場合には構造を修正してもよいことを理解されたい。したがって、示された構造に修正、追加、及び/又は省略を加えてもよい。さらに、同様の、又は少なくとも実質的に同様の目的を果たす要素、形状、及び/又は構成要素は、図1図21及び図25の各々において同様の番号を付してあり、そのような要素、形状、及び/又は構成要素については、図1図21及び図25の各々を参照して本明細書で詳細に説明しない場合がある。同様に、図1図21及び図25の各々において、すべての要素、形状、及び/又は構成要に番号を付しているわけではないが、本明細書では、一貫性を保つために、これらに関連する符号が利用される場合がある。
【0078】
上記で参照した図22図24において、ブロックは、作業、ステップ、及び/又はその一部を表す場合があり、様々なブロックを接続する線は、作業又はその一部の特定の順序又は依存関係を意味するものではない。開示された様々な作業間のすべての依存関係が必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。図22図24及び本明細書に記載の開示された方法の作業を説明する添付の開示は、作業が実行される順番を必ずしも決定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、1つの例示的な順番が明記されているが、適切な場合には作業の順番を修正してもよいことを理解されたい。したがって、示された作業に修正、追加、及び/又は省略を加えてもよいし、ある作業を異なる順序で実行しても、又は同時に実行してもよい。加えて、当業者は、記載されたすべての作業が実行される必要はないことを理解するであろう。
【0079】
さらに、本明細書全体を通して、本明細書で使用される形状、利点、又は同様の用語への言及は、本明細書に開示される例で実現され得る形状及び利点のすべてが、任意の単一の例であるべきこと、又は任意の単一の例の中にあることを意味するものではない。むしろ、形状や利点を指す用語は、例に関連して説明された特定の形状、利点、又は特性が、少なくとも1つの例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体で使用される形状、利点、及び同様の用語の議論は、同じ例を指す場合があるが、必ずしもそうではない。
【0080】
1つの例の記載された形状、利点、及び特性を、1以上の他の例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。関連技術分野の当業者は、本明細書に記載の例は、特定の例の1以上の特定の形状又は利点がなくても実践できることを認識するであろう。他の事例では、すべての例に存在するわけではない付加的な形状及び利点が、ある例において認識されるかもしれない。さらに、超音波切削ブレード100、超音波切削システム200、方法1000、方法2000、及び適応的又は変動する切削曲率半径214を有する弧状切削212を有するワーク202の様々な例を示し説明したが、本明細書を読めば、当業者は修正を想起する可能性がある。本出願はそのような修正を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0081】
[付記項1]
第1端部(104)と、
第2端部(106)と、
前記第1端部(104)と前記第2端部(106)との間に延在する湾曲体(102)と、
を備え、
前記湾曲体(102)は、ワーク(202)に切削作業を行うために前記ワーク(202)に接触するように構成されている第1縁部(110)を備え、
前記湾曲体(102)は、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で変動する曲率半径(112)を備える、超音波切削ブレード(100)。
[付記項2]
前記湾曲体(102)が軸対称である、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項3]
前記湾曲体(102)は、
前記第1端部(104)から前記湾曲体(102)の頂点(122)まで延在する第1弧状部分(118)と、
前記頂点(122)から前記第2端部(106)まで延在する第2弧状部分(120)と、
を備え、
前記最小曲率半径(114)は前記頂点(122)にあり、
前記最大曲率半径(116)は前記第1端部(104)及び前記第2端部(106)の少なくとも一方に近接する、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項4]
前記曲率半径(112)は、前記最小曲率半径(114)から前記最大曲率半径(116)まで直線的に増加する、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項5]
前記曲率半径(112)は、前記最小曲率半径(114)から前記最大曲率半径(116)まで指数関数的に増加する、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項6]
長手軸(124)と、
前記第1縁部(110)に対向する第2縁部(126)と、
前記第1縁部(110)と前記第2縁部(126)との間に延在する表面(128)と、
をさらに備え、
前記第2縁部(126)は、前記長手軸(124)に沿って前記第1縁部(110)から離間していて、
前記表面(128)は、前記長手軸(124)に対して斜めの角度に配向されている、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項7]
前記表面(128)は凹状である、付記項6に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項8]
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも2倍大きい、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項9]
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも4倍大きい、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項10]
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも5倍大きい、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項11]
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも7倍大きい、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項12]
前記最大曲率半径(116)は、前記最小曲率半径(114)の少なくとも10倍大きい、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項13]
前記最小曲率半径(114)は約0.25インチであり、
前記最大曲率半径(116)は最大約1.5インチである、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項14]
前記第1縁部(110)は、前記超音波切削ブレード(100)が切削経路(218)に沿って移動することに応じて、前記ワーク(202)に弧状切削(212)を施すように構成されていて、
前記弧状切削(212)は、切削曲率半径(214)を有し、
前記切削曲率半径(214)は、前記ワーク(202)のワーク表面(216)に対する前記湾曲体(102)の切削角度(220)に基づいて、前記最小曲率半径(114)と前記最大曲率半径(116)との間にある、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項15]
前記湾曲体(102)の前記第1端部(104)から延在する第1シャンク(132)と、
前記湾曲体(102)の前記第2端部(106)から延在する第2シャンク(134)と、
をさらに備え、
前記第1シャンク(132)及び前記第2シャンク(134)は、前記超音波切削ブレード(100)を超音波振動(206)の供給源(204)に結合するブレードホルダ(108)に結合可能である、付記項1に記載の超音波切削ブレード(100)。
[付記項16]
超音波切削ブレード(100)と、
超音波振動(206)を前記超音波切削ブレード(100)に伝達する超音波切削工具(208)と、
を備え、
前記超音波切削ブレード(100)は、
第1端部(104)と、
第2端部(106)と、
前記第1端部(104)と前記第2端部(106)との間に延在する湾曲体(102)と、
を備え、
前記湾曲体(102)は、ワーク(202)に切削作業を行うために前記ワーク(202)に接触するように構成されている第1縁部(110)を備え、
前記湾曲体(102)は、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で変動する曲率半径(112)を備える、超音波切削システム(200)。
[付記項17]
前記超音波切削ブレード(100)を前記超音波切削工具(208)に結合するブレードホルダ(108)をさらに備える、付記項16に記載の超音波切削システム(200)。
[付記項18]
前記超音波切削ブレード(100)は、
前記湾曲体(102)の前記第1端部(104)から延在する第1シャンク(132)と、
前記湾曲体(102)の前記第2端部(106)から延在する第2シャンク(134)と、
をさらに備え、
前記ブレードホルダ(108)はタング(142)を備え、
前記第1シャンク(132)及び前記第2シャンク(134)は前記タング(142)に結合される、付記項17に記載の超音波切削システム(200)。
[付記項19]
多関節ロボット(210)、及び、前記超音波切削工具(208)を移動させるガントリ(222)の少なくとも一方をさらに備える、付記項17に記載の超音波切削システム(200)。
[付記項20]
ワーク(202)を切削する方法(1000)であって、
前記ワーク(202)のワーク表面(216)に対して切削角度(220)で超音波切削ブレード(100)を位置決めするステップと、
弧状切削(212)を形成するために前記超音波切削ブレード(100)を切削経路(218)に沿って移動させるステップと、
移動中に、前記超音波切削ブレード(100)の前記切削角度(220)を変更するステップと、
前記切削角度(220)の変更に基づいて、最小曲率半径(114)と最大曲率半径(116)との間で前記弧状切削(212)の切削曲率半径(214)を変動させるステップと、
を含む、方法(1000)。
[付記項21]
付記項20に記載の方法(1000)にしたがって形成される弧状切削(212)を備える、ワーク(202)。
[付記項22]
超音波切削作業中のびびりを低減する方法(2000)であって、
超音波切削ブレード(100)と、前記超音波切削ブレード(100)を超音波振動(206)の供給源(204)に接続するブレードホルダ(108)との間の2つの接触界面(136)を通って、前記超音波振動(206)を伝達するステップと、
2つの前記接触界面(136)を通って前記超音波切削ブレード(100)の歪みに反応するステップと、
を含む、方法(2000)。
【符号の説明】
【0082】
100 超音波切削ブレード、102 湾曲体、104 第1端部、106 第2端部、108 ブレードホルダ、110 第1縁部、112 曲率半径、114 最小曲率半径、116 最大曲率半径、118 第1弧状部分、120 第2弧状部分、122 頂点、124 長手軸、126 第2縁部、128 表面、132 第1シャンク、134 第2シャンク、136 接触界面、138 デュアルシャンクコネクタ、140 基部、142 タング、144 空間、146 締結具開口部、148 締結具、150 第1接触界面、152 第2接触界面、154 第1シャンク表面、156 第2シャンク表面、158 第1タング表面、160 第2タング表面、162 ゲル、200 超音波切削システム、202 ワーク、204 供給源、206 超音波振動、208 超音波切削工具、210 多関節ロボット、212 弧状切削、214 切削曲率半径、216 ワーク表面、218 切削経路、220 切削角度、222 ガントリ、230 製造環境、232 切削、234 複雑な外形、236 箇所、238 第1弧状部分、240 第2弧状部分、242 第1切削部分の曲率半径、244 第2切削部分の曲率半径、300 第1姿勢、302 第1切削角度、304 第1弧状切削、306 第1切削曲率半径、308 第2姿勢、310 第2切削角度、312 第2弧状切削、314 第2切削曲率半径、316 第3姿勢、318 第3切削角度、320 第3弧状切削、322 第3切削曲率半径、324 第4姿勢、326 第4切削角度、328 第4弧状切削、330 第4切削曲率半径、332 第5姿勢、334 第5切削角度、336 第5弧状切削、338 第5切削曲率半径、340 第6姿勢、342 第6切削角度、344 第6弧状切削、346 第6切削曲率半径、1000 方法、1100 航空機の製造及び保守点検方法、1200 航空機、1202 機体、1204 機上システム、1206 内部、1208 推進システム、1210 電気システム、1212 油圧システム、1214 環境システム、2000 方法
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【外国語明細書】