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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146756
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/18 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
H05K3/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015090
(22)【出願日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0043105
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 相 鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾 殷
(72)【発明者】
【氏名】李 用 悳
(72)【発明者】
【氏名】金 起 煥
(72)【発明者】
【氏名】朴 昌 華
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA13
5E343AA15
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB28
5E343BB34
5E343BB35
5E343BB44
5E343DD25
5E343DD33
5E343DD76
5E343EE53
5E343GG08
(57)【要約】
【課題】ビアホール内部に位置するシード層のカバレージを向上させて不良を最少化することができる回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、第1絶縁層と、第1絶縁層の上に配置される回路配線と、回路配線の少なくとも一部を覆い、回路配線の少なくとも一部と重畳し、互いに異なる傾斜角を有し、第1絶縁層の厚さ方向につながる第1側壁と第2側壁とを含み、ビアホールを有する第2絶縁層と、ビアホールの第1側壁と第2側壁を覆う第1シード層と、ビアホールに配置され、第1シード層を覆う第2シード層と、第2絶縁層の上部面に配置され、第2シード層と同一の物質を含む第3シード層と、第2シード層の上に配置される第1導電層と、第3シード層の上に配置される第2導電層と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置される回路配線と、
前記回路配線の少なくとも一部を覆い、前記回路配線の少なくとも一部と重畳し、互いに異なる傾斜角を有し、前記第1絶縁層の厚さ方向につながる第1側壁と第2側壁とを含み、ビアホールを有する第2絶縁層と、
前記ビアホールの前記第1側壁と前記第2側壁を覆う第1シード層と、
前記ビアホールに配置され、前記第1シード層を覆う第2シード層と、
前記第2絶縁層の上部面に配置され、前記第2シード層と同一の物質を含む第3シード層と、
前記第2シード層の上に配置される第1導電層と、
前記第3シード層の上に配置される第2導電層と、を有することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第1側壁は、前記第2絶縁層の上部面から延長され、
前記第2側壁は、前記第1側壁から前記回路配線の上部面まで延長されることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記回路配線の上部面を基準にした前記第1側壁の第1傾斜角は、前記第2側壁の第2傾斜角より小さいことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1側壁の長さは、前記第2側壁の長さより小さいことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1シード層は、
前記第1側壁を覆う第1上部シード層と、
前記第2側壁を覆う第1下部シード層と、
前記回路配線の上部面を覆う第1底シード層と、を含み、
前記第1下部シード層の厚さは、均一であることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1上部シード層の最大厚さは、前記第1下部シード層の最大厚さより厚いことを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2シード層は
前記第1上部シード層を覆う第2上部シード層と、
前記第1下部シード層を覆う第2下部シード層と、
前記第1底シード層を覆う第2底シード層と、を含み、
前記第2下部シード層の厚さは、均一でないことを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1導電層と前記第2導電層は、同一の物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
第1絶縁層の上に回路配線を形成する段階と、
前記第1絶縁層の上に前記回路配線を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層を覆う保護フィルムと、を含む絶縁層を形成する段階と、
レーザー加工工程を用いて前記絶縁層に前記回路配線の少なくとも一部と重畳するビアホールを形成する段階と、
化学銅メッキ工程を用いて前記ビアホールの側壁及び前記保護フィルムの上部面を覆う第1シード層を形成する段階と、
前記保護フィルムを除去する段階と、
前記第1シード層の上に第2シード層及び第1導電層を形成する段階と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第2シード層及び第1導電層を形成する段階は、
スパッタリング工程を用いて前記第1シード層を覆うスパッタリングシード層を形成する段階と、
前記スパッタリングシード層の上に前記第1シード層に対応する第1開口部を有するレジスト層を形成する段階と、
メッキ工程を用いて前記第1開口部に位置する前記スパッタリングシード層の第1部分の上に第1導電層を形成する段階と、
前記レジスト層を除去する段階と、
エッチング工程を行って前記第1導電層と重畳する第2シード層を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記スパッタリング工程で、前記スパッタリングシード層の第2部分は前記第2絶縁層の上部面を覆い、
メッキ工程を用いて前記スパッタリングシード層の第2部分の上に第2導電層を形成する段階と、をさらに有し、
前記スパッタリングシード層の第2部分に対応する前記レジスト層の第2開口部を通じて、前記第2導電層が形成されることを特徴とする請求項10に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2シード層を形成すると同時に前記第2導電層と重畳する第3シード層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
表面処理工程を用いて前記レーザー加工工程によって前記ビアホール内部に発生する残余物を除去する段階をさらに有し、
前記表面処理工程で、前記ビアホールの側壁中の前記保護フィルムに隣接した部分に凹の第1側壁が形成されることを特徴とする請求項12に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記回路配線の上部面を基準にした、前記ビアホールの側壁中の前記第1側壁の第1傾斜角は、残り部分である第2側壁の第2傾斜角より小さいことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1シード層は、前記第1側壁及び前記第2側壁を覆い、
前記第2シード層は、前記第1側壁の全部及び前記第2側壁の一部を覆うことを特徴とする請求項14に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第2シード層及び前記第3シード層は、前記第1導電層及び前記第2導電層と重畳しない前記スパッタリングシード層の第3部分をエッチングして形成することを特徴とする請求項12に記載の回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記保護フィルムを除去する段階は、前記保護フィルムを除去すると同時に、前記保護フィルムの上部面を覆う前記第1シード層の一部を除去することを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項18】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置される回路配線と、
前記回路配線の少なくとも一部を覆い、前記回路配線の少なくとも一部と重畳し、ビアホールを有する第2絶縁層と、
前記ビアホールの側壁を覆う第1シード層と、
前記ビアホールに配置され前記第1シード層を覆う第2シード層と、
前記第2絶縁層の上部面に配置され前記第2シード層と同一の物質を含む第3シード層と、
前記第2シード層の上に配置される第1導電層と、
前記第3シード層の上に配置され前記第1導電層と同一の物質を含む第2導電層と、を有し、
前記第3シード層の厚さは、前記第1シード層の厚さより薄いことを特徴とする回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及びその製造方法に関し、特に、ビアホール内部に位置するシード層のカバレージを向上させて不良を最少化することができる回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高集積の回路基板が要求されるにつれて微細回路の実現が必要である。
微細回路を実現するためにはシード層(seed layer)の厚さを低めなければならないが、一般的な化学銅メッキ工程では限界があってスパッタリング(sputtering)工程で低い厚さのシード層を形成する。
【0003】
しかし、ビアホールの深さが深い場合に、ビアホール内部にスパッタリング工程で形成するシード層は、カバレージ(coverage)が良くない。
即ち、ビアホールの底に行くほどカバレージが低まるので、ビアホール内部に未メッキ領域が発生する可能性がある。
このような状態でビアホール内部のシード層をシードにしてメッキ工程で導電層を形成する場合、未メッキ領域にボイド(void)不良が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-199635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の回路基板における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ビアホール内部に位置するシード層のカバレージを向上させて不良を最少化することができる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される回路配線と、前記回路配線の少なくとも一部を覆い、前記回路配線の少なくとも一部と重畳し、互いに異なる傾斜角を有し、前記第1絶縁層の厚さ方向につながる第1側壁と第2側壁とを含み、ビアホールを有する第2絶縁層と、前記ビアホールの前記第1側壁と前記第2側壁を覆う第1シード層と、前記ビアホールに配置され、前記第1シード層を覆う第2シード層と、前記第2絶縁層の上部面に配置され、前記第2シード層と同一の物質を含む第3シード層と、前記第2シード層の上に配置される第1導電層と、前記第3シード層の上に配置される第2導電層と、を有することを特徴とする。
【0007】
前記第1側壁は、前記第2絶縁層の上部面から延長され、前記第2側壁は、前記第1側壁から前記回路配線の上部面まで延長されることが好ましい。
前記回路配線の上部面を基準にした前記第1側壁の第1傾斜角は、前記第2側壁の第2傾斜角より小さいことが好ましい。
前記第1側壁の長さは、前記第2側壁の長さより小さいことが好ましい。
前記第1シード層は、前記第1側壁を覆う第1上部シード層と、前記第2側壁を覆う第1下部シード層と、前記回路配線の上部面を覆う第1底シード層と、を含み、前記第1下部シード層の厚さは、均一であることが好ましい。
前記第1上部シード層の最大厚さは、前記第1下部シード層の最大厚さより厚いことが好ましい。
前記第2シード層は前記第1上部シード層を覆う第2上部シード層と、前記第1下部シード層を覆う第2下部シード層と、前記第1底シード層を覆う第2底シード層と、を含み、前記第2下部シード層の厚さは、均一でないことが好ましい。
前記第1導電層と前記第2導電層は、同一の物質を含むことが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板の製造方法は、第1絶縁層の上に回路配線を形成する段階と、前記第1絶縁層の上に前記回路配線を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層を覆う保護フィルムと、を含む絶縁層を形成する段階と、レーザー加工工程を用いて前記絶縁層に前記回路配線の少なくとも一部と重畳するビアホールを形成する段階と、化学銅メッキ工程を用いて前記ビアホールの側壁及び前記保護フィルムの上部面を覆う第1シード層を形成する段階と、前記保護フィルムを除去する段階と、前記第1シード層の上に第2シード層及び第1導電層を形成する段階と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記第2シード層及び第1導電層を形成する段階は、スパッタリング工程を用いて前記第1シード層を覆うスパッタリングシード層を形成する段階と、前記スパッタリングシード層の上に前記第1シード層に対応する第1開口部を有するレジスト層を形成する段階と、メッキ工程を用いて前記第1開口部に位置する前記スパッタリングシード層の第1部分の上に第1導電層を形成する段階と、前記レジスト層を除去する段階と、エッチング工程を行って前記第1導電層と重畳する第2シード層を形成する段階と、を含むことが好ましい。
前記スパッタリング工程で、前記スパッタリングシード層の第2部分は前記第2絶縁層の上部面を覆い、メッキ工程を用いて前記スパッタリングシード層の第2部分の上に第2導電層を形成する段階と、をさらに有し、前記スパッタリングシード層の第2部分に対応する前記レジスト層の第2開口部を通じて、前記第2導電層が形成されることが好ましい。
前記第2シード層を形成すると同時に前記第2導電層と重畳する第3シード層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
表面処理工程を用いて前記レーザー加工工程によって前記ビアホール内部に発生する残余物を除去する段階をさらに有し、前記表面処理工程で、前記ビアホールの側壁中の前記保護フィルムに隣接した部分に凹の第1側壁が形成されることが好ましい。
前記回路配線の上部面を基準にした、前記ビアホールの側壁中の前記第1側壁の第1傾斜角は、残り部分である第2側壁の第2傾斜角より小さいことが好ましい。
前記第1シード層は、前記第1側壁及び前記第2側壁を覆い、前記第2シード層は、前記第1側壁の全部及び前記第2側壁の一部を覆うことが好ましい。
前記第2シード層及び前記第3シード層は、前記第1導電層及び前記第2導電層と重畳しない前記スパッタリングシード層の第3部分をエッチングして形成することが好ましい。
前記保護フィルムを除去する段階は、前記保護フィルムを除去すると同時に、前記保護フィルムの上部面を覆う前記第1シード層の一部を除去することが好ましい。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される回路配線と、前記回路配線の少なくとも一部を覆い、前記回路配線の少なくとも一部と重畳し、ビアホールを有する第2絶縁層と、前記ビアホールの側壁を覆う第1シード層と、前記ビアホールに配置され前記第1シード層を覆う第2シード層と、前記第2絶縁層の上部面に配置され前記第2シード層と同一の物質を含む第3シード層と、前記第2シード層の上に配置される第1導電層と、前記第3シード層の上に配置され前記第1導電層と同一の物質を含む第2導電層と、を有し、前記第3シード層の厚さは、前記第1シード層の厚さより薄いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る回路基板及びその製造方法によれば、絶縁層の上部面に付着された保護フィルムを剥離する前にビアホール内部に化学銅メッキ工程を行ってシード層を形成することによって、ビアホール内部に位置するシード層のカバレージを向上させることができる。

したがって、ビアホール内部に未メッキ領域の発生を最少化して不良を最少化することができるので、ビアホール内に位置する導電層の信頼性を確保することができる。
また、ビアホールを除いた絶縁層の上部面に付着された保護フィルムによって絶縁層の上部面には化学銅メッキ工程によるシード層が形成されず、スパッタリング工程によるシード層のみが形成されるので、絶縁層の上部面に位置するシード層の厚さを低めることができ微細回路パターンを実現するのが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
図2図1のA部分の拡大断面図である。
図3】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る回路基板及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。
本発明は、様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。
また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0015】
また、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
図面において様々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
そして図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”又は“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分“の上に”又は“上に”あるというのは基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”又は“上に”位置することを意味するのではない。
【0016】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
また、明細書全体で、“連結(接続)される”という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結(接続)されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結(接続)されること、物理的に連結(接続)されることだけでなく電気的に連結(接続)されること、又は位置や機能によって異なる名称で称されたが一体であるのを意味し得る。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態と変形例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1の一部拡大断面図である。
図1及び図2に示したように、本発明の一実施形態による回路基板は、第1絶縁層100、回路配線200、第2絶縁層300、第1シード層400、第2シード層500、第3シード層600、第1導電層700、そして第2導電層800を含む。
【0018】
第1絶縁層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、又はこれらと共にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材を含む樹脂などを含む。
例えば、第1絶縁層100は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Image-able Dielectric)などを含む。
【0019】
回路配線200は、第1絶縁層100の上に位置し、電気的信号を伝達する。
回路配線200は、多様なパターンに配置される。
回路配線200は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
本実施形態で、回路配線200は、一つの層として図に示しているが、必ずしもこれに限定されるのではなく、複数の層で配置できる。
【0020】
第2絶縁層300は、回路配線200を覆い、回路配線200の一部と重畳するビアホールVHを有する。
第2絶縁層300は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、又はこれらと共にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材を含む樹脂などを含み得る。
例えば、第2絶縁層300は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Image-able Dielectric)などを含み得る。
特に、ABFは、味の素(登録商標)ファインテクノカンパニー(Ajinomoto Fine-Techno Company,Inc.)から購入可能な重合体エポキシフィルムであり得る。
【0021】
第2絶縁層300のビアホールVHは、傾斜した側壁SWを有する。
ビアホールVHの側壁SWは、互いに異なる傾斜角を有し、第1絶縁層100の厚さ方向につながる第1側壁SW1及び第2側壁SW2を含む。
第1側壁SW1は、第2絶縁層300の上部面300uから延長されて位置する上部側壁であり、第2側壁SW2は、第1側壁SW1から回路配線200の上部面200uまで延長される下部側壁である。
第2側壁SW2は、側壁SWの大部分を占め、第2側壁SW2の最大長さL2は、第1側壁SW1の最大長さL1よりさらに大きい。
第1側壁SW1は、ビアホールVHの側壁に発生した残余物、例えばスミア(smear)を、化学的薬品を用いて除去するデスミア(desmear)工程で発生する凹部、例えば、クレビス(crevice)であり得る。
第1側壁SW1及び第2側壁SW2は、回路配線200の上部面200uを基準にして反時計回り方向に鋭角を有する。
この時、回路配線200の上部面200uを基準にした第1側壁SW1の第1傾斜角θ1は、第2側壁SW2の第2傾斜角θ2よりさらに小さい。
【0022】
第1シード層400は、ビアホールVHの側壁SW及び回路配線200の上部面200uを覆う。
第1シード層400は、第1側壁SW1を覆う第1上部シード層410、第2側壁SW2を覆う第1下部シード層420、及び回路配線200の上部面200uを覆う第1底シード層430を含む。
第1上部シード層410、第1下部シード層420、及び第1底シード層430は、連続して一体に形成される。
第1上部シード層410、第2側壁SW2を覆う第1下部シード層420、及び回路配線200の上部面200uを覆う第1底シード層430において、第1シード層400は、化学銅メッキ工程で形成するので、第1下部シード層420の最大厚さt2は、第1底シード層430の最大厚さt3と同一であり、第1下部シード層420の厚さは、均一であり得る。
また、第1側壁SW1の第1傾斜角θ1は、第2側壁SW2の第2傾斜角θ2よりさらに小さなクレビス(crevice)形状を有するので、クレビス形状の第1側壁SW1に位置する第1上部シード層410の最大厚さt1は、第1下部シード層420の最大厚さt2よりさらに厚い。
【0023】
第2シード層500は、ビアホールVHに配置され、第1シード層400を覆う。
第2シード層500は、第2絶縁層300の上部面300u及び第1上部シード層410を覆う第2上部シード層510、第1下部シード層420の一部を覆う第2下部シード層520、及び第1底シード層430を覆う第2底シード層530を含む。
ここで、第2シード層500は、スパッタリング(sputtering)工程で形成されたスパッタリングシード層60(図6参照)をパターニングして形成するので、傾斜した第2側壁SW2に対応して位置する第2下部シード層520の厚さt2は、均一でなくてもよい。
【0024】
このように、第2シード層500の第2下部シード層520の厚さt2が均一でなくても第1シード層400の第1下部シード層420の厚さが均一であるので、ビアホールVHの傾斜した第2側壁SW2を第1下部シード層420が全て覆うことができる。
このような第2シード層500は、チタン(Ti)及び銅(Cu)の二重層で形成される。
また、第2シード層500の厚さは、第1シード層400の厚さより薄い。
例えば、第1シード層400は、500nm~800nmの厚さを有し、第2シード層500は、200nm以下の厚さを有する。
【0025】
第3シード層600は、第2絶縁層300の上部面300uに配置される。
第3シード層600は、スパッタリング(sputtering)工程で形成されるスパッタリングシード層60(図6参照)をパターニングして第2シード層500と同時に形成されるので、第2シード層500と同一の物質を含む。
このような第3シード層600の厚さは、第1シード層400の厚さより薄い。
第3シード層600は、チタン(Ti)及び銅(Cu)の二重層で形成される。
【0026】
第1導電層700は、第2シード層500の上に配置される。
第1導電層700は、第1シード層400及び第2シード層500を含むシード層SELをシード(seed)にして化学メッキ工程で形成される。
第1導電層700は、ビアホールVHを満たし、ビア(via)を成す。
第1導電層700は、銅(Cu)などの物質からなり得る。
【0027】
このように、ビアホールVHの側壁SWを全て覆う第1シード層400及び第2シード層500を含むシード層SELをシード(seed)にしてビアホールVH内部に第1導電層700を形成するので、ビアホールVH内部に未メッキ領域が発生しない。
したがって、ビアホールVH内部でボイド不良などが発生するのを最少化することができる。
第2導電層800は、第3シード層600の上に配置される。
第2導電層800は、第1導電層700を形成する化学メッキ工程で同時に形成されるので、第1導電層700と同一の物質を含む。
【0028】
以下、図1及び図2と共に図3図7を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
図3図7は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための順次に示す断面図である。
【0029】
図3に示すように、第1絶縁層100の上に回路配線200を形成する。
そして、第1絶縁層100の上に回路配線200を覆う絶縁層10を形成する。
絶縁層10は、第2絶縁層300、及び第2絶縁層300を覆う保護フィルム20を含む。
本実施形態で、第2絶縁層300は、ABFを含むが、必ずしもこれに限定されるのではなく、多様な材質からなり得る。
また、本実施形態で、保護フィルム20は、PETを含むが、必ずしもこれに限定されるのではなく、多様な材質からなり得る。
【0030】
そして、レーザー加工工程を用いて絶縁層10に回路配線200の一部と重畳するビアホールVHを形成する。
本実施形態のレーザー加工工程ではCO2レーザーを用いるが、必ずしもこれに限定されるのではなく、多様なレーザーを用いてレーザー加工工程を行うことができる。
そして、デスミア(desmear)工程のような表面処理工程を用いてレーザー加工工程によってビアホールVH内部に発生する残余物、例えばスミア(smear)を除去する。
このような表面処理工程で、ビアホールVHの側壁SW中の保護フィルム20に隣接した部分に凹の第1側壁SW1が形成される。
このような第1側壁SW1の第1傾斜角θ1は、側壁中の残り部分である第2側壁SW2の第2傾斜角θ2より小さい。
【0031】
図4に示すように、化学銅メッキ工程を用いてビアホールVHの側壁SW及び保護フィルム20の上部面20uを覆う第1シード層400を形成する。
具体的には、第1シード層400は、保護フィルム20の上部面20u、第1側壁SW1、第2側壁SW2、及び、ビアホールVHによって露出された回路配線200の上部面200uを覆う。
【0032】
図5に示すように、保護フィルム20を除去する。
この時、保護フィルム20の上部面20uを覆う第1シード層400の一部が共に除去される。
ビアホールVH内に第1側壁SW1が形成されて保護フィルム20と第2絶縁層300が既に一部分離されているので、保護フィルム20を第2絶縁層300から分離することが容易であるので、ビアホールVH内の第1シード層400が剥がれて損傷する現象は発生しない。
したがって、第2絶縁層300の上部面300uには第1シード層400が位置しない。
即ち、第1シード層400は、第1側壁SW1を覆う第1上部シード層410、第2側壁SW2を覆う第1下部シード層420、及び回路配線200の上部面200uを覆う第1底シード層430を含む。
【0033】
図6に示すように、スパッタリング工程を用いてスパッタリングシード層60を形成する。
スパッタリングシード層60は、ビアホールVHに位置する第1シード層400を覆う第1部分(61、62、63)、第2絶縁層300の上部面300uを覆い以後工程で形成される第2導電層800に対応する第2部分64、及び第2絶縁層300の上部面300uを覆い以後工程で除去される第3部分65を含む。
このようなスパッタリングシード層60中のビアホールVHの側壁に位置する部分62の厚さは、均一でなくてもよい。
即ち、ビアホールVHの側壁SWが傾斜した形態を有するので、垂直下方にスパッタリングされるスパッタリングシード層60中の傾斜した側壁SWに位置する部分62の厚さは、均一に形成されなくてもよい。
【0034】
図7に示すように、スパッタリングシード層60の上にレジスト層SRを形成する。
レジスト層SRは、第1導電層700に対応する第1開口部OH1と第2導電層800に対応する第2開口部OH2を有する。
第1開口部OH1は、ビアホールVHと重畳して位置し、第1開口部OH1の最大幅D1は、ビアホールVHの最大幅D2より大きい。
そして、メッキ工程を用いて第1開口部OH1によって露出されたスパッタリングシード層60の第1部分(61、62、63)の上に第1導電層700を形成し、第2開口部OH2によって露出されたスパッタリングシード層60の第2部分64の上に第2導電層800を形成する。
したがって、第1導電層700と第2導電層800は、同一の物質からなり得る。
この時、第1開口部OH1の最大幅D1は、ビアホールVHの最大幅D2より大きいので、第1開口部OH1に形成される第1導電層700はビアホールVHを完全に満たすことができる。
【0035】
図1及び図2に示しているように、レジスト層SRを除去する。
そして、第1導電層700及び第2導電層800の下にそれぞれ重畳して位置するスパッタリングシード層60の第1部分(61、62、63)及び第2部分64を除いた、外部に露出されるスパッタリングシード層60の第3部分65を除去して第2シード層500及び第3シード層600を形成する。
第2シード層500は、ビアホールVH内部に形成され第1シード層400の上に位置する。
ここで、第2シード層500は、第2絶縁層300の上部面300u及び第1上部シード層410を覆う第2上部シード層510、第1下部シード層420の一部を覆う第2下部シード層520、及び第1底シード層430を覆う第2底シード層530を含む。
ここで、第2下部シード層520の厚さは、均一でなくてもよい。
そして、第3シード層600は、第2絶縁層300の上部面300uに位置する。
【0036】
このように、本発明の一実施形態では第2絶縁層300の上部面300uに付着された保護フィルム20を剥離する前にビアホールVH内部に化学銅メッキ工程を行って第1シード層400を形成し、スパッタリング工程を行って第1シード層400の上に第2シード層500を形成することによって、ビアホールVH内部に位置するシード層(400、500)のカバレージを向上させることができる。
したがって、ビアホールVH内部に未メッキ領域の発生を最少化して不良を最少化することができるので、ビアホールVH内に位置する第1導電層700の信頼性を確保することができる。
また、ビアホールVHを除いた第2絶縁層300の上部面300uに付着された保護フィルム20によって第2絶縁層300の上部面300uには化学銅メッキ工程による第1シード層400が形成されず、スパッタリング工程による第2シード層のみが形成されるので、第2絶縁層300の上部面300uに位置する第2シード層500の厚さを低めることができて微細回路パターンを実現することが容易である。
【0037】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
60 スパッタリングシード層
100 第1絶縁層
200 回路配線
300 第2絶縁層
400 第1シード層
410 第1上部シード層
420 第1下部シード層
430 第1底シード層
500 第2シード層
510 第2上部シード層
520 第2下部シード層
530 第2底シード層
600 第3シード層
700 第1導電層
800 第2導電層
OH1 第1開口部
OH2 第2開口部
VH ビアホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7