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特開2024-146824関連付け情報生成装置、システム、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146824
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】関連付け情報生成装置、システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024046576
(22)【出願日】2024-03-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2023059605
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】寺下 久留未
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ビル管理システムにおいて機器の設定を自動で容易にする。
【解決手段】本開示の一実施形態である関連付け情報生成装置は、ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部を備えた関連付け情報生成装置であって、前記制御部は、第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部を備えた関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、関連付け情報生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記共通データポイントに関する記述を生成し、前記各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、請求項1に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項3】
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの名称を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの名称と、前記第2の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する、請求項1または2に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項4】
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの定義に関する説明を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、前記第2の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する、請求項1または2に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記共通データポイントをユーザ端末または前記関連付け情報生成装置に表示して、ユーザからの前記共通データポイントを確定する指示を受け付ける、請求項1に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、ユーザからの前記共通データポイントを出力する指示を受け付けて、前記共通データポイントを出力する、請求項1に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項7】
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、前記第2の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する、請求項1または請求項2に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記共通データポイントと前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させる、請求項1に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記共通データポイントに関する記述を取得し、
第3の機器の通信仕様書から前記第3の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記共通データポイントに関する記述と前記第3の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する
請求項1に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記共通データポイントの名称と、前記第3の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、請求項9に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記共通データポイントの定義に関する説明と、前記第3の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、請求項9に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記共通データポイントを出力する、請求項9に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記共通データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、前記第3の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、請求項9に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させる、請求項9に記載の関連付け情報生成装置。
【請求項15】
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部を備えた関連付け情報生成装置と、ユーザ端末と、を含むシステムであって、
前記関連付け情報生成装置の前記制御部は、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、システム。
【請求項16】
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置が実行する方法であって、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出するステップと、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成するステップと
を含む方法。
【請求項17】
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置に、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出することと、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成することと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、関連付け情報生成装置、システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル内の空気調和機、照明設備等の機器を一括で管理するビル管理システム(BMSとも呼ばれる)が知られている。ビル管理者は、ビル管理システムからBACnet(登録商標)等のオープンネットワークの通信を介して機器を監視および制御する。さまざまな機器を一括で監視および制御するためには、ビル管理システムの導入時に、機器間で共通するデータポイント(例えば、BACnetのオブジェクト等)を選定してビル管理システムに設定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-231638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各機器のBACnet等の通信仕様書のデータポイントの内容は、記載のルールが規定されておらず自由に記載されているため(つまり、機器の製造会社や機種によって種々の用語や文章が用いられている)、機器間で共通するデータポイントを自動で選定することが容易ではなかった。
【0005】
本開示では、ビル管理システムにおいて機器の設定を自動で容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様による関連付け情報生成装置は、
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部を備えた関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、ビル管理システムにおいて機器の設定を容易にすることができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントに関する記述を生成し、前記各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0009】
本開示の第2の態様によれば、ビル管理システムでの共通データポイントと各機器の機器データポイントを関連付けることができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1の態様または第2の態様に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの名称を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの名称と、前記第2の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する。
【0011】
本開示の第3の態様によれば、名称が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの定義に関する説明を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、前記第2の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する。
【0013】
本開示の第4の態様によれば、定義に関する説明が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントをユーザ端末または前記関連付け情報生成装置に表示して、ユーザからの前記共通データポイントを確定する指示を受け付ける。
【0015】
本開示の第5の態様によれば、ユーザは、抽出された共通データポイントを確認したうえで、共通データポイントを確定することができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、ユーザからの前記共通データポイントを出力する指示を受け付けて、前記共通データポイントを出力する。
【0017】
本開示の第6の態様によれば、ユーザは、抽出された共通データポイントを得ることができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第1の態様から第6の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記機器データポイントに関する記述は、データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位を含み、
前記制御部は、前記第1の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、前記第2の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントを抽出する。
【0019】
本開示の第7の態様によれば、読み取りと書き込みの可否または単位が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第1の態様から第7の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントと前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させる。
【0021】
本開示の第8の態様によれば、他のユーザが関連付け情報を利用することが可能になる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第1の態様に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、
前記共通データポイントに関する記述を取得し、
第3の機器の通信仕様書から前記第3の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記共通データポイントに関する記述と前記第3の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0023】
本開示の第9の態様によれば、新たな機器がビル管理システムへ追加される場合の当該新たな機器の設定を容易にすることができる。
【0024】
本開示の第10の態様は、第9の態様に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントの名称と、前記第3の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0025】
本開示の第10の態様によれば、第3の機器の機器データポイントを、名称が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0026】
本開示の第11の態様は、第9の態様または第10の態様に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントの定義に関する説明と、前記第3の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0027】
本開示の第11の態様によれば、第3の機器の機器データポイントを、定義に関する説明が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0028】
本開示の第12の態様は、第9の態様から第11の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントを出力する。
【0029】
本開示の第12の態様によれば、第3の機器の機器データポイントと関連付けられる共通データポイントを得ることができる。
【0030】
本開示の第13の態様は、第9の態様から第12の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、前記第3の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0031】
本開示の第13の態様によれば、第3の機器の機器データポイントを、読み取りと書き込みの可否または単位が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0032】
本開示の第14の態様は、第9の態様から第13の態様のいずれか一項に記載の関連付け情報生成装置であって、
前記制御部は、前記共通データポイントと前記第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させる。
【0033】
本開示の第14の態様によれば、他のユーザが関連付け情報を利用することが可能になる。
【0034】
本開示の第15の態様によるシステムは、
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部を備えた関連付け情報生成装置と、ユーザ端末と、を含むシステムであって、
前記関連付け情報生成装置の前記制御部は、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0035】
本開示の第16の態様による方法は、
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置が実行する方法であって、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出するステップと、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成するステップと
を含む。
【0036】
本開示の第17の態様によるプログラムは、
ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置に、
第1の機器の通信仕様書から前記第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、
第2の機器の通信仕様書から前記第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、
前記第1の機器の機器データポイントに関する記述と前記第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出することと、
前記複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成することと
を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係る関連付け情報生成装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】本開示の一実施形態に係る関連付け情報生成装置の制御部の機能ブロックを示す図である。
図4】本開示の一実施形態に係る機器の通信仕様書の一例である。
図5】本開示の一実施形態に係る機器データポイントの定義に関する説明の類否判断について説明するための図である。
図6】本開示の一実施形態に係る機器データポイントの読み取りと書き込みの可否の類否判断について説明するための図である。
図7】本開示の一実施形態に係る複数の機器の機器データポイントの関連付け情報の一例である。
図8】本開示の一実施形態に係る共通データポイントに関する記述の一例である。
図9】本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの名称の類否判断について説明するための図である。
図10】本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの定義に関する説明の類否判断について説明するための図である。
図11】本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの関連付け情報の一例である。
図12】本開示の一実施形態に係るユーザ端末または関連付け情報生成装置に表示される画面の一例である。
図13】本開示の一実施形態に係る複数の機器の機器データポイントの関連付け処理のフローチャートである。
図14】本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの関連付け処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に基づいて本開示の実施の形態を説明する。
【0039】
<用語の説明>
・本明細書において、「機器」とは、ビル管理システム(BMS(Building Management System)とも呼ばれる)が監視または制御する任意の機器である。例えば、機器は空気調和機であるが、これに限られず、任意の機器であってよい。
・本明細書において、「通信仕様書」とは、機器が通信プロトコル(例えば、BACnet(Building Automation and Control Networking protocol))を利用する際の仕様が記述されている書類である。
・本明細書において、「機器データポイント」とは、通信仕様書で定められる、機器が有するデータ項目(例えば、機器に入出力されるデータ、機器の状態を示すデータ等)である。例えば、機器データポイントは、BACnetのオブジェクトである。
・本明細書において、「共通データポイント」とは、ビル管理システムの仕様書で定められる、ビル管理システムが監視または制御するデータ項目である。共通データポイントは、複数の機器(例えば、同じ機種であるが型番が異なる複数の機器)で共通するデータポイントである。なお、本明細書では、2つの機器(第1の機器(機器A)と第2の機器(機器A´))で共通な共通データポイントについて説明するが、3つ以上の機器で共通な共通データポイントであってもよい。
【0040】
<全体の構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。関連付け情報生成システム1は、関連付け情報生成装置10と、ユーザ端末20と、を含む。関連付け情報生成装置10とユーザ端末20は、任意のネットワークを介して、互いにデータを送受信することができる。以下、それぞれについて説明する。
【0041】
<<関連付け情報生成装置>>
関連付け情報生成装置10は、各機器の通信仕様書から各機器の機器データポイントに関する記述を取得して、機器データポイントに関する記述が類似している機器データポイント同士(例えば、第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイント)を関連付ける。さらに、関連付け情報生成装置10は、複数の機器で共通な共通データポイントと機器データポイント(例えば、第3の機器(機器X)の機器データポイント)を関連付けることができる。関連付け情報生成装置10は、1つまたは複数のコンピュータから構成される。
【0042】
<<ユーザ端末>>
ユーザ端末20は、ユーザによって入力された情報を関連付け情報生成装置10へ送信し、かつ、関連付け情報生成装置10から受信した情報をディスプレイに表示する。例えば、ユーザ端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等である。
【0043】
<ハードウェア構成>
図2は、本開示の一実施形態に係る関連付け情報生成装置10のハードウェア構成を示す図である。なお、ユーザ端末20についても同様である。
【0044】
関連付け情報生成装置10は、制御部1001と、主記憶部1002と、補助記憶部1003と、入力部1004と、出力部1005と、インタフェース部1006と、を備えることができる。以下、それぞれについて説明する。
【0045】
制御部1001は、補助記憶部1003にインストールされている各種プログラムを実行するプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)など)である。
【0046】
主記憶部1002は、不揮発性メモリ(ROM(Read Only Memory))および揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))を含む。ROMは、補助記憶部1003にインストールされている各種プログラムを制御部1001が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する。RAMは、補助記憶部1003にインストールされている各種プログラムが制御部1001によって実行される際に展開される作業領域を提供する。
【0047】
補助記憶部1003は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。
【0048】
入力部1004は、関連付け情報生成装置10の操作者が関連付け情報生成装置10に対して各種指示を入力する入力デバイスである。
【0049】
出力部1005は、関連付け情報生成装置10の内部状態等を出力する出力デバイスである。
【0050】
インタフェース部1006は、ネットワークに接続し、他の装置と通信を行うための通信デバイスである。
【0051】
<機能ブロック>
図3は、本開示の一実施形態に係る制御部1001の機能ブロックを示す図である。制御部1001は、機器データポイント取得部101と、第1の抽出部102と、関連付け情報生成部103と、共通データポイント取得部104と、第2の抽出部105と、を備えることができる。制御部1001は、プログラムを実行することによって、機器データポイント取得部101、第1の抽出部102、関連付け情報生成部103、共通データポイント取得部104、第2の抽出部105、として機能することができる。
【0052】
以下、[複数の機器の機器データポイントから類似する機器データポイントを抽出する場合]と[新たな機器の機器データポイントと類似する共通データポイントを抽出する場合]に分けて説明する。
【0053】
まず、[複数の機器の機器データポイントから類似する機器データポイントを抽出する場合]について説明する。
【0054】
[複数の機器の機器データポイントから類似する機器データポイントを抽出する場合]
機器データポイント取得部101は、機器の通信仕様書から当該機器の機器データポイントに関する記述を取得する。
【0055】
具体的には、機器データポイント取得部101は、機器の通信仕様書のデータ(例えば、通信仕様書が紙の場合には、データ化されたもの)を取得して、当該通信仕様書のデータから、機器の機器データポイントに関する記述(例えば、機器データポイントの名称、機器データポイントの定義に関する説明、機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位等)を取得する。
【0056】
[通信仕様書]
図4は、本開示の一実施形態に係る機器の通信仕様書の一例である。機器の通信仕様書には、当該機器が通信プロトコル(例えば、BACnet)を利用する際の仕様が記述されている。機器データポイント取得部101は、図4のような通信仕様書のデータから、機器データポイントに関する記述を取得する。例えば、機器データポイントに関する記述は、機器データポイントの名称、機器データポイントの定義に関する説明、機器データポイントの読み取りと書き込みの可否、機器データポイントの単位等の少なくとも1つを含む。なお、図4は、日本語で表記されているが英語等の任意の言語であってよい。
【0057】
図3の説明に戻る。
【0058】
第1の抽出部102は、複数の機器の機器データポイントから類似する機器データポイントを抽出する。例えば、第1の機器(機器A)と第2の機器(機器A´)の機器データポイントから類似する機器データポイントを抽出する場合を説明する。例えば、機器Aと機器A´は、同じ機種(機種a)であるが型番は異なる。
【0059】
具体的には、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の機器データポイントに関する記述と第2の機器(機器A´)の機器データポイントに関する記述(例えば、機器データポイントの名称、機器データポイントの定義に関する説明、機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位等の少なくとも1つを含む)が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイント(すなわち、共通データポイントとして用いられる、第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイント)を抽出する。
【0060】
例えば、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の機器データポイントの名称と、第2の機器(機器A´)の機器データポイントの名称と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する(例えば、類似度が閾値以上である第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイントを、共通データポイントとする)。
【0061】
例えば、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の機器データポイントの定義に関する説明と、第2の機器(機器A´)の機器データポイントの定義に関する説明と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する(例えば、類似度が閾値以上である第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイントを、共通データポイントとする)。
【0062】
例えば、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、第2の機器(機器A´)の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する(例えば、一致度が閾値以上である第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイントを、共通データポイントとする)。
【0063】
図5および図6を参照しながら、機器データポイントの類否判断について詳細に説明する。
【0064】
図5は、本開示の一実施形態に係る機器データポイントの定義に関する説明の類否判断について説明するための図である。第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)のある機器データポイント(例えば、図5のデータポイント1)の定義に関する説明と、第2の機器(機器A´)の各機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度を算出する。次に、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の別の機器データポイント(例えば、図5のデータポイント2)の定義に関する説明と、第2の機器(機器A´)の各機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度を算出する。同様に、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の全ての機器データポイントに対して類似度を算出する。
【0065】
図6は、本開示の一実施形態に係る機器データポイントの読み取りと書き込みの可否の類否判断について説明するための図である。第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)のある機器データポイント(例えば、図6のデータポイント1)の読み取りと書き込みの可否と、第2の機器(機器A´)の各機器データポイントの読み取りと書き込みの可否と、の類似度を算出する。次に、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の別の機器データポイント(例えば、図6のデータポイント2)の読み取りと書き込みの可否と、第2の機器(機器A´)の各機器データポイントの読み取りと書き込みの可否と、の類似度を算出する。同様に、第1の抽出部102は、第1の機器(機器A)の全ての機器データポイントに対して類似度を算出する。
【0066】
このように、本開示の一実施形態では、同じ機種である複数の機器で共通する(すなわち、類似している)機器データポイントを共通データポイントすることができる。
【0067】
図3の説明に戻る。
【0068】
関連付け情報生成部103は、第1の抽出部102が共通データポイントとして抽出した、複数の機器の各機器の機器データポイント(つまり、第1の機器(機器A)の機器データポイントと第2の機器(機器A´)の機器データポイント)を関連付けた情報を生成する。
【0069】
[関連付け情報]
図7は、本開示の一実施形態に係る複数の機器の機器データポイントの関連付け情報(関連付け情報生成部103によって生成された情報)の一例である。複数の機器の機器データポイントの関連付け情報は、機器データポイントに関する記述が類似している第1の機器の機器データポイントと第2の機器の機器データポイントを示す情報(つまり、第1の機器のどの機器データポイントと第2の機器のどの機器データポイントが類似しているかを示す情報)である。
【0070】
図3の説明に戻る。
【0071】
関連付け情報生成部103は、共通データポイント(つまり、共通データポイントとする第1の機器の機器データポイントと第2の機器の機器データポイント)をユーザ端末20または関連付け情報生成装置10に表示(例えば、図12の画面を表示)して、ユーザからの共通データポイントを確定する指示を受け付けることができる。また、関連付け情報生成部103は、ユーザからの共通データポイントを出力する指示を受け付けて、共通データポイントを出力することができる。
【0072】
なお、関連付け情報生成部103は、共通データポイントに関する記述を生成し、各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成してもよい。具体的には、関連付け情報生成部103は、共通データポイントに関する記述と、各機器の機器データポイントに関する記述と、を関連付けた情報を生成することができる。例えば、関連付け情報生成部103は、ユーザからの指示にしたがって共通データポイントに関する記述を生成してもよいし、各機器の機器データポイント等に基づいて(ユーザからの指示無しで)共通データポイントに関する記述を生成してもよい。例えば、共通データポイントに関する記述は、共通データポイントの名称、共通データポイントの定義に関する説明、共通データポイントの読み取りと書き込みの可否、共通データポイントの単位等の少なくとも1つを含む。このように、本開示の一実施形態では、同じ機種である複数の機器で共通する共通データポイントと、当該複数の機器の各機器の機器データポイントと、を関連付けることができる。関連付け情報生成部103は、共通データポイントと複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する(例えば、画面に表示する、印刷する、データを送信する)、または、任意のデータベース(例えば、関連付け情報生成装置10内のデータベース)に記憶させることができる。
【0073】
次に、[新たな機器の機器データポイントと類似する共通データポイントの抽出]について説明する。
【0074】
[新たな機器の機器データポイントと類似する共通データポイントの抽出]
機器データポイント取得部101は、機器の通信仕様書から当該機器の機器データポイントに関する記述を取得する。
【0075】
例えば、機器データポイント取得部101は、既に運用されているビル管理システムに新たな機器(第3の機器(機器X)とする)を追加する場合に、新たな機器(第3の機器(機器X))の機器データポイントに関する記述を取得する。例えば、第3の機器(機器X)は、第1の機器(機器A)と第2の機器(機器A´)と同じ機種(機種a)であるが型番は異なる。
【0076】
共通データポイント取得部104は、共通データポイント記憶部106に記憶されている共通データポイントに関する記述(例えば、機種aの共通データポイント)を取得する。例えば、ユーザは、所望の機種を指定することができる。
【0077】
共通データポイント記憶部106には、共通データポイントに関する記述のデータが記憶されている。上述したように、関連付け情報生成装置10は、ユーザからの指示にしたがって共通データポイントに関する記述を生成して共通データポイント記憶部106に記憶させてもよいし、各機器の機器データポイント等に基づいて(ユーザからの指示無しで)共通データポイントに関する記述を生成して共通データポイント記憶部106に記憶させてもよい。
【0078】
[共通データポイント]
図8は、本開示の一実施形態に係る共通データポイントに関する記述(共通データポイント記憶部106に記憶されている共通データポイントに関する記述)の一例である。ビル管理システム(BMS)の仕様書では、複数の機器ごとに(例えば、機器の機種ごとに)共通データポイントに関する記述が作成される。例えば、共通データポイントに関する記述は、共通データポイントの名称、共通データポイントの定義に関する説明、共通データポイントの読み取りと書き込みの可否、共通データポイントの単位等の少なくとも1つを含む。なお、図8は、日本語で表記されているが英語等の任意の言語であってよい。
【0079】
図3の説明に戻る。
【0080】
第2の抽出部105は、共通データポイントに関する記述と第3の機器(機器X)の機器データポイントに関する記述(例えば、名称、機定義に関する説明、読み取りと書き込みの可否または単位等の少なくとも1つを含む)が類似しているか否かに基づいて、第3の機器(機器X)の機器データポイントと類似する共通データポイントを抽出する。
【0081】
例えば、第2の抽出部105は、第3の機器(機器X)の機器データポイントの名称と、共通データポイントの名称と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、第3の機器(機器X)の機器データポイントと類似する共通データポイントを抽出する(例えば、類似度が閾値以上である共通データポイントを抽出する)。
【0082】
例えば、第2の抽出部105は、第3の機器(機器X)の機器データポイントの定義に関する説明と、共通データポイントの定義に関する説明と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、第3の機器(機器X)の機器データポイントと類似する共通データポイントを抽出する(例えば、類似度が閾値以上である共通データポイントを抽出する)。
【0083】
例えば、第2の抽出部105は、第3の機器(機器X)の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、共通データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、に自然言語処理を実施し、両者の類似度に基づいて、第3の機器(機器X)の機器データポイントと類似する共通データポイントを抽出する(例えば、一致度が閾値以上である共通データポイントを抽出する)。
【0084】
図9および図10を参照しながら、共通データポイントと機器データポイントの類否判断について詳細に説明する。
【0085】
図9は、本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの名称の類否判断について説明するための図である。第2の抽出部105は、共通データポイントのあるデータポイント(例えば、図9のデータポイント1)の名称と、第3の機器(機器X)の各機器データポイントの名称と、の類似度を算出する。次に、第2の抽出部105は、共通データポイントの別のデータポイント(例えば、図9のデータポイント2)の名称と、第3の機器(機器X)の各機器データポイントの名称と、の類似度を算出する。同様に、第2の抽出部105は、共通データポイントの全てのデータポイントに対して類似度を算出する。
【0086】
図10は、本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの読み取りと書き込みの可否の類否判断について説明するための図である。第2の抽出部105は、共通データポイントのあるデータポイント(例えば、図10のデータポイント1)の読み取りと書き込みの可否と、第3の機器(機器X)の各機器データポイントの読み取りと書き込みの可否と、の類似度を算出する。次に、第2の抽出部105は、共通データポイントの別のデータポイント(例えば、図10のデータポイント2)の読み取りと書き込みの可否と、第3の機器(機器X)の各機器データポイントの読み取りと書き込みの可否と、の類似度を算出する。同様に、第2の抽出部105は、共通データポイントの全てのデータポイントに対して類似度を算出する。
【0087】
このように、本開示の一実施形態では、ビル管理システム(BMS)に新たな機器を追加する場合に、当該機器の機種の共通データポイントから、当該機器の機器データポイントに類似するデータポイントを選定することができる。
【0088】
図3の説明に戻る。
【0089】
関連付け情報生成部103は、共通データポイントと第3の機器(機器X)の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。関連付け情報生成部103は、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する(例えば、画面に表示する、印刷する、データを送信する)、または、任意のデータベース(例えば、関連付け情報生成装置10内のデータベース)に記憶させることができる。関連付け情報生成部103は、共通データポイント(つまり、第3の機器(機器X)の機器データポイントと関連付けられた共通データポイント)を出力することができる。
【0090】
[関連付け情報]
図11は、本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの関連付け情報(関連付け情報生成部103によって生成された情報)の一例である。共通データポイントと機器データポイントの関連付け情報は、データポイントに関する記述が類似している共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを示す情報(つまり、共通データポイントのどのデータポイントと第3の機器のどの機器データポイントが類似しているかを示す情報)である。
【0091】
<画面例>
図12は、本開示の一実施形態に係るユーザ端末20または関連付け情報生成装置10に表示される画面の一例である。関連付け情報生成装置10は、複数の機器(図12の例では、第1の機器と第2の機器)で共通な共通データポイントをユーザ端末20または関連付け情報生成装置10に表示する。例えば、各機器の機器データポイントの名称と、各機器の機器データポイントの定義に関する説明と、定義に関する説明の類似度と、の一覧が表示される。
【0092】
ユーザは、図12のチェックボックスで共通データポイントを選択して、当該共通データポイントを確定させることができる。さらに、ユーザは、図12のOKボタンを選択することで、チェックボックスにより選択された共通データポイントを出力する(例えば、共通データポイントの一覧のデータが出力される)ことができる。
【0093】
<方法>
図13は、本開示の一実施形態に係る複数の機器の機器データポイントの関連付け処理のフローチャートである。
【0094】
ステップ11(S11)において、関連付け情報生成装置10は、第1の機器の通信仕様書から第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得する。
【0095】
ステップ12(S12)において、関連付け情報生成装置10は、第2の機器の通信仕様書から第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得する。
【0096】
ステップ13(S13)において、関連付け情報生成装置10は、S11で取得した第1の機器の機器データポイントに関する記述とS12で取得した第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器(つまり、第1の機器と第2の機器)で共通な共通データポイント(すなわち、共通データポイントとして用いられる、第1の機器の機器データポイントと第2の機器の機器データポイント)を抽出する。
【0097】
ステップ14(S14)において、関連付け情報生成装置10は、複数の機器の各機器の機器データポイント(つまり、第1の機器の機器データポイントと第2の機器の機器データポイント)を関連付けた情報を生成する。
【0098】
図14は、本開示の一実施形態に係る共通データポイントと機器データポイントの関連付け処理のフローチャートである。
【0099】
ステップ21(S21)において、関連付け情報生成装置10は、共通データポイントに関する記述を取得する。
【0100】
ステップ22(S22)において、関連付け情報生成装置10は、第3の機器の通信仕様書から第3の機器の機器データポイントに関する記述を取得する。
【0101】
なお、S21とS22の順序は逆であってもよいし、同時に実行されてもよい。
【0102】
ステップ23(S23)において、関連付け情報生成装置10は、共通データポイントに関する記述と第3の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。
【0103】
以上、本開示の実施形態によれば、ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部1001を備えた関連付け情報生成装置10であって、制御部1001は、第1の機器の通信仕様書から第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、第2の機器の通信仕様書から第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、第1の機器の機器データポイントに関する記述と第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、関連付け情報生成装置10を提供する。これにより、ビル管理システムにおいて機器の設定を容易にすることができる。さらに、従来の人が各機器のBACnet等の通信仕様書に記載されている内容を確認して機器間で共通するデータポイントを選定する方法では、手間がかかり、通信仕様書の文章の解釈ミスや見間違いが起こる可能性があったが、本開示の実施形態では、機器間で共通するデータポイントを正確に選定することができる。
【0104】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントに関する記述を生成し、各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。これにより、ビル管理システムでの共通データポイントと各機器の機器データポイントを関連付けることができる。
【0105】
好ましくは、機器データポイントに関する記述は、データポイントの名称を含み、制御部1001は、第1の機器の機器データポイントの名称と、第2の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する。これにより、名称が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0106】
好ましくは、機器データポイントに関する記述は、データポイントの定義に関する説明を含み、制御部1001は、第1の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、第2の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する。これにより、定義に関する説明が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0107】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントをユーザ端末20または関連付け情報生成装置10に表示して、ユーザからの共通データポイントを確定する指示を受け付ける。これにより、ユーザは、抽出された共通データポイントを確認したうえで、共通データポイントを確定することができる。
【0108】
好ましくは、制御部1001は、ユーザからの共通データポイントを出力する指示を受け付けて、共通データポイントを出力する。これにより、ユーザは、抽出された共通データポイントを得ることができる。
【0109】
好ましくは、機器データポイントに関する記述は、データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位を含み、制御部1001は、第1の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、第2の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、共通データポイントを抽出する。これにより、読み取りと書き込みの可否または単位が類似している機器データポイントを共通データポイントとすることができる。
【0110】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントと複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させることができる。これにより、他のユーザが関連付け情報を利用することが可能になる。
【0111】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントに関する記述を取得し、第3の機器の通信仕様書から第3の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、共通データポイントに関する記述と第3の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。これにより、新たな機器がビル管理システムへ追加される場合の当該新たな機器の設定を容易にすることができる。
【0112】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントの名称と、第3の機器の機器データポイントの名称と、の類似度に基づいて、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。これにより、第3の機器の機器データポイントを、名称が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0113】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントの定義に関する説明と、第3の機器の機器データポイントの定義に関する説明と、の類似度に基づいて、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。これにより、第3の機器の機器データポイントを、定義に関する説明が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0114】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントを出力する。これにより、第3の機器の機器データポイントと関連付けられる共通データポイントを得ることができる。
【0115】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、第3の機器の機器データポイントの読み取りと書き込みの可否または単位と、の類似度に基づいて、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する。これにより、第3の機器の機器データポイントを、読み取りと書き込みの可否または単位が類似している共通データポイントに関連付けることができる。
【0116】
好ましくは、制御部1001は、共通データポイントと第3の機器の機器データポイントを関連付けた情報を出力する、または、データベースに記憶させることができる。これにより、他のユーザが関連付け情報を利用することが可能になる。
【0117】
本開示の実施形態によれば、ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する制御部1001を備えた関連付け情報生成装置10と、ユーザ端末20と、を含むシステム1であって、関連付け情報生成装置10の制御部1001は、第1の機器の通信仕様書から第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、第2の機器の通信仕様書から第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得し、第1の機器の機器データポイントに関する記述と第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出し、複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成する、システム1を提供する。
【0118】
本開示の実施形態によれば、ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置10が実行する方法であって、第1の機器の通信仕様書から第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、第2の機器の通信仕様書から第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得するステップと、第1の機器の機器データポイントに関する記述と第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出するステップと、複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成するステップと、を含む、方法を提供する。
【0119】
本開示の実施形態によれば、ビル管理システムにおける関連付け情報を生成する関連付け情報生成装置10に、第1の機器の通信仕様書から第1の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、第2の機器の通信仕様書から第2の機器の機器データポイントに関する記述を取得することと、第1の機器の機器データポイントに関する記述と第2の機器の機器データポイントに関する記述が類似しているか否かに基づいて、複数の機器で共通な共通データポイントを抽出することと、複数の機器の各機器の機器データポイントを関連付けた情報を生成することと、を実行させる、プログラムを提供する。
【0120】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0121】
1 関連付け情報生成システム
10 関連付け情報生成装置
20 ユーザ端末
101 機器データポイント取得部
102 第1の抽出部
103 関連付け情報生成部
104 共通データポイント取得部
105 第2の抽出部
106 共通データポイント記憶部
1001 制御部
1002 主記憶部
1003 補助記憶部
1004 入力部
1005 出力部
1006 インタフェース部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14