(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146848
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050184
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】P 2023059545
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509111744
【氏名又は名称】地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(72)【発明者】
【氏名】涌井 智子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価する。
【解決手段】情報処理システム1において、介護者用端末10のUI制御部111は、被介護者の介護に関して介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データ(介護関連情報)を取得し、データ管理部112は、介護関連データを支援サーバ30に送信する。UI制御部111は、介護関連データに基づいて、支援サーバ30が生成した介護者を支援するための介護者支援データを表示する。支援サーバ30の介護関連データ取得部311は、介護者用端末10から送信される介護関連データを取得する。データ分析部312は、介護関連データに基づいて、介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する。支援データ提示部313は、介護負担データに基づいて、介護者を支援するための介護者支援データを提示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者を介護する介護者によって使用される介護者用端末と、前記介護者を支援する情報を提供する支援サーバとが通信可能に構成された情報処理システムであって、
前記介護者用端末は、
前記被介護者の介護に関して前記介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データを取得し、前記支援サーバに送信する介護関連データ送信手段と、
前記介護関連データに基づいて、前記支援サーバが生成した前記介護者を支援するための介護者支援データを表示する支援データ表示手段と、
を備え、
前記支援サーバは、
前記介護者用端末から送信される前記介護関連データを取得する介護関連データ取得手段と、
前記介護関連データに基づいて、前記介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する介護負担データ取得手段と、
前記介護負担データ取得手段によって取得された前記介護負担データに基づいて、前記介護者を支援するための前記介護者支援データを提示する介護者支援データ提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記介護関連データ取得手段は、前記介護関連データとして、前記介護者に装着されたセンサによって計測された活動量のデータをさらに取得し、
前記介護負担データ取得手段は、前記活動量のデータを含む前記介護関連データに基づいて、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記介護関連データ取得手段は、前記介護関連データとして、前記介護者が介護を行う被介護者における認知症周辺症状の発症を示す認知症周辺症状発症データをさらに取得し、
前記介護負担データ取得手段は、前記認知症周辺症状発症データを含む前記介護関連データに基づいて、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記介護関連データ送信手段は、前記介護関連データとして、前記介護者の表情または音声のデータをさらに取得して前記支援サーバに送信し、
前記介護負担データ取得手段は、前記介護者の表情または音声のデータを含む前記介護関連データに基づいて、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記介護負担データ取得手段は、前記介護関連データに基づいて、前記介護者における蓄積された介護による疲労を表す蓄積介護負担及び当該介護者に発生する可能性がある心身における特定の事象の少なくともいずれかを含む前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記介護関連データ取得手段は、前記介護者支援データ提示手段によって提示された前記介護者支援データに対して、前記介護者において実際に生じた介護負担の状況を表す履歴データを取得し、
前記介護負担データ取得手段は、前記履歴データをフィードバックして、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記介護負担データ取得手段は、前記介護関連データの要素を入力とし、当該入力に対する前記介護負担データを出力とする機械学習モデルに基づいて、前記介護負担データを推論することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記介護負担データ取得手段は、前記介護関連データの要素と、前記介護者において実際に生じた介護負担の状況を表す履歴データとの関係に基づいて生成された、前記介護負担データを表す指標を算出する介護負担指標算出式に基づいて、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記介護負担データ取得手段は、前記介護者に関する前記介護関連データを蓄積開始後、設定された期間が経過した場合に、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記介護負担データ取得手段は、特定の前記介護者及び当該介護者が介護する被介護者に関する前記介護関連データと、他の介護者及び当該他の介護者が介護する被介護者に関する前記介護関連データとに基づいて、特定の前記介護者における前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記介護負担データ取得手段は、前記介護者及び当該介護者が介護する被介護者において予測される前記介護関連データに基づいて、前記介護負担データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
被介護者を介護する介護者によって使用される介護者用端末と、前記介護者を支援する情報を提供する支援サーバとが通信可能に構成された情報処理システムにおける前記支援サーバを構成する情報処理装置であって、
前記介護者用端末から送信される前記被介護者の介護に関して前記介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データを取得する介護関連データ取得手段と、
前記介護関連データに基づいて、前記介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する介護負担データ取得手段と、
前記介護負担データ取得手段によって取得された前記介護負担データに基づいて、前記介護者を支援するための介護者支援データを提示する介護者支援データ提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
被介護者を介護する介護者によって使用される介護者用端末と、前記介護者を支援する情報を提供する支援サーバとが通信可能に構成された情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記介護者用端末が、
前記被介護者の介護に関して前記介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データを取得し、前記支援サーバに送信する介護関連データ送信ステップと、
前記介護関連データに基づいて、前記支援サーバが生成した前記介護者を支援するための介護者支援データを表示する支援データ表示ステップと、
を含み、
前記支援サーバが、
前記介護者用端末から送信される前記介護関連データを取得する介護関連データ取得ステップと、
前記介護関連データに基づいて、前記介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する介護負担データ取得ステップと、
前記介護負担データ取得ステップにおいて取得された前記介護負担データに基づいて、前記介護者を支援するための前記介護者支援データを提示する介護者支援データ提示ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
被介護者を介護する介護者によって使用される介護者用端末と、前記介護者を支援する情報を提供する支援サーバとが通信可能に構成された情報処理システムにおける前記支援サーバを構成するコンピュータに、
前記介護者用端末から送信される前記被介護者の介護に関して前記介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データを取得する介護関連データ取得機能と、
前記介護関連データに基づいて、前記介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する介護負担データ取得機能と、
前記介護負担データ取得機能によって取得された前記介護負担データに基づいて、前記介護者を支援するための介護者支援データを提示する介護者支援データ提示機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、認知症高齢者が介護を受けながら、在宅で生活を継続するケースが増えつつある。
在宅で介護が行われる場合、家族等介護者が介護を担う主体的な存在となる。
一方、在宅で要介護高齢者の介護を担う家族等介護者は、介護による身体的・精神的負担を蓄積させ、バーンアウトや抑うつに至る可能性が報告されている。
このような状況に対し、介護者の負担の程度は、学術的・産業的に種々の方法で評価することが試みられて来た。
例えば、特許文献1には、認知症患者を介護する際の介護負担度を判定するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、介護者の負担の程度を評価する従来の手法は、介護者の負担における一側面を断片的に評価していること、または、ある状況での複合的な負担の程度を評価していること等から、実際の現場に導入した場合に、介護者における負担の実態を表す指標として、充分な効果を得ることができない可能性がある。加えて、従来の介護負担の評価方法は、個人間比較を基にした評価等が行われており、どのように介護者の介護負担が蓄積されるかを把握する技術、また蓄積された介護者の負担の程度を適確に判定する技術は実現されておらず、さらに、蓄積介護負担を予測する技術等も提案されていない。
このような状況の下、介護者の介護状況や身体的・精神的健康度を主観的・客観的に計測し、介護者の蓄積介護負担の程度を評価して、支援につなげることが求められる。
即ち、従来の技術においては、在宅介護における介護者の負担の程度を適切に評価することが困難であった。
【0005】
本発明の課題は、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、
被介護者を介護する介護者によって使用される介護者用端末と、前記介護者を支援する情報を提供する支援サーバとが通信可能に構成された情報処理システムであって、
前記介護者用端末は、
前記被介護者の介護に関して前記介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データを取得し、前記支援サーバに送信する介護関連データ送信手段と、
前記介護関連データに基づいて、前記支援サーバが生成した前記介護者を支援するための介護者支援データを表示する支援データ表示手段と、
を備え、
前記支援サーバは、
前記介護者用端末から送信される前記介護関連データを取得する介護関連データ取得手段と、
前記介護関連データに基づいて、前記介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する介護負担データ取得手段と、
前記介護負担データ取得手段によって取得された前記介護負担データに基づいて、前記介護者を支援するための前記介護者支援データを提示する介護者支援データ提示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る情報処理システム1全体のシステム構成を示す模式図である。
【
図2】各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】介護者用端末10の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】介護状況データ入力画面の一例を示す模式図である。
【
図5】介護者支援データ出力画面の一例を示す模式図である。
【
図6】活動量計20の機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
【
図8】情報処理システム1が実行する蓄積介護負担・特定事象推論処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る情報処理システムは、介護において一般に取得されている情報及び容易に取得可能な新たな情報を集約し、これらの情報(以下、「介護関連情報」と称する。)と特定の被介護者を介護する介護者(例えば、家族等介護者)の蓄積介護負担とを対応付ける。本実施形態において、蓄積介護負担は、介護者に蓄積している介護による疲労を表す指標として定義される。
例えば、介護関連情報として、(1)要介護高齢者の生活状況、ADL(Activities of Daily Living)およびIADL(Instrumental Activities of Daily Living)の依存度等を含む介護基礎データ、(2)介護者が日々記録している介護日誌のデータ(介護記録データ)等を含む介護負担等データ、(3)被介護者が発症した認知症の周辺症状等の履歴を含む認知症周辺症状発症データ、(4)介護者に装着した活動量センサから取得された計測データを含む活動量データ等を用いることができる。
また、蓄積介護負担は、例えば、疲労の度合いを示す数値や疲労の状態を表す説明文等の形態で定義することができる。
【0010】
介護関連情報と蓄積介護負担とを対応付ける方法として、例えば、機械学習を用いることができる。一例として、サンプルとなる介護者における介護関連情報と、これら介護者における蓄積介護負担の履歴(専門家による検証済みのもの等)とを対応付けた教師データを用意し、介護関連情報を入力データ、蓄積介護負担を出力データとする機械学習モデルを構築することができる。
そして、各介護者が介護関連情報をシステムに入力することにより、機械学習モデルによって、介護者における現在の蓄積介護負担を推論することができる。
なお、機械学習モデルを用いて推論された蓄積介護負担に対し、介護者本人が実際の負担感(疲労度合い)をフィードバックすることにより、機械学習モデルを逐次更新することが可能である。
これにより、介護者がシステムを利用するほど、その介護者に対して適確な蓄積介護負担を出力するシステムとすることができる。
【0011】
また、介護関連情報と蓄積介護負担とを対応付けることに加え、介護関連情報と特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等の心身の症状)が発生する可能性とを対応付けて、機械学習モデルを構築することも可能である。この場合、介護関連情報と特定の事象が発生した履歴(専門家による検証済みのもの等)とを対応付けた教師データを用いて、機械学習モデルを構築することができる。
そして、現在までに入力された介護関連情報(または当日(あるいは翌日)に入力されると予測される介護関連情報)に対して、当日または翌日等のタイミングで蓄積介護負担に関連する特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性をシステムが予測することも可能である。
これら特定の事象が発生することが予測された場合や、蓄積介護負担が所定条件を上回る状態となった場合に、介護者にシステムからアラートを通知したり、介護負担を軽減するための公的なサービスの利用または支援者への支援依頼等をシステムが提案したりすることができる。
即ち、本実施形態に係る情報処理システムによれば、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することが可能となる。
以下、本実施形態に係る情報処理システムの構成について、具体的に説明する。
【0012】
[構成]
[システム構成]
図1は、本発明に係る情報処理システム1全体のシステム構成を示す模式図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、介護者用端末10と、活動量計20と、支援サーバ30と、を含んで構成され、介護者用端末10と支援サーバ30とは、インターネット等のネットワーク40を介して、互いに通信可能に構成されている。また、介護者用端末10と活動量計20とは、Bluetooth(商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)(商標)、あるいは、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信手段によって通信可能に構成されている。
本実施形態において、介護者用端末10及び活動量計20は、介護者それぞれが使用するものであり、情報処理システム1には、介護者に対応する数の介護者用端末10及び活動量計20が適宜含まれるものとする。また、情報処理システム1には、医師や介護福祉士等の医療従事者が使用する外部端末から適宜アクセスすることが可能である。
【0013】
介護者用端末10は、例えば、ノート型PC(Personal Computer)、タブレットPCあるいはスマートフォン等の情報処理装置によって構成され、家族等介護者等、特定の被介護者を介護する介護者によって使用される。
また、介護者用端末10は、介護者が情報を入出力するためのユーザインターフェース画面(UI画面)を表示する。介護者用端末10は、UI画面において、介護者本人が介護する被介護者の介護基礎データ、被介護者を支援する介護者の介護負担等データ及び被介護者の認知症周辺症状発症データの入力を受け付け、入力されたデータを支援サーバ30に送信する。また、介護者用端末10は、介護者を支援するための介護者支援データ(蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論結果)を支援サーバ30から受信し、受信した支援データをUI画面に表示する。
【0014】
活動量計20は、介護者が身体に装着して使用する携帯型の測定装置であり、日常的な活動に関する活動量データ(例えば、歩数、消費カロリー、睡眠時間等のデータ、脈拍数、血圧、体温、血糖値、等のデータ)を逐次取得する。本実施形態において、活動量計20は、腕時計型の端末装置として構成することができる。なお、活動量計としては、取得すべき活動量のデータに応じて種々のものを採用可能であるが、例えば、Micro Tag活動量計(MTN-221(BK))(アコーズ社製)等を用いることができる。また、活動量計20は、設定された所定時刻(例えば、午前9時と午後5時等)に、または、設定された時間間隔(例えば、1時間毎等)で、取得した活動量データを介護者用端末10に送信する。なお、活動量計20にネットワーク40を介して通信を行う機能を備えておき、活動量計20が支援サーバ30に活動量データを送信することとしてもよい。本実施形態において、活動量計20によって取得される活動量データは、介護負担等データと併せて介護者の介護負担の状況を分析する目的で用いることができ、例えば、活動量データから取得される介護者の介護作業に従事する時間等を、蓄積介護負担を推論する要素となるデータとして用いることができる。
【0015】
支援サーバ30は、例えば、サーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、介護者用端末10等から送信された各種データ(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等)を蓄積する。なお、支援サーバ30は、複数の被介護者及びその介護者における介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データを統計データとして蓄積しており、この統計データは、最新の状態に適宜更新される。
【0016】
また、支援サーバ30は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データに基づいて、介護者の介護負担の状況を分析し、介護者を支援する介護者支援データとして、介護者の介護負担の状況分析結果を表す情報(蓄積介護負担の推論結果を報知したり、蓄積介護負担が高まっていることを報知したり、介護者の疲労をケアすることを推奨したりするメッセージ等)あるいは特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性に関する推論結果を介護者用端末10に送信する。なお、支援サーバ30は、被介護者(患者)及び介護者を識別する情報と対応付けて、介護者支援データを逐次蓄積する。
【0017】
本実施形態において、支援サーバ30は、介護者の介護負担の状況を分析するために、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素を入力とし、介護者支援データの要素(蓄積介護負担、特定の事象が発生する可能性等)を推論する機械学習モデルを用いる。具体的には、支援サーバ30は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素を入力とし、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を推論する機械学習モデルを用いて、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論する。この場合、支援サーバ30は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素を入力とし、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を出力とする教師データを機械学習(ディープラーニング等)させた機械学習モデルを構築する。そして、介護者等によって入力される介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素を機械学習モデルに入力することにより、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を推論する。
【0018】
このとき構築される機械学習モデルは、複数の被介護者及びその介護者における介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ、活動量データの要素、蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生した履歴を基に生成することや、対象となる被介護者及びその介護者における介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ、活動量データの要素、蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生した履歴を基に生成することが可能である。介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ、活動量データの各要素として、例えば、認知症高齢者の生活状況(起床時間、睡眠時間、認知症の周辺症状発症の有無、介護保険サービスの利用等)、ADL及びIADLの依存度、介護者の消費カロリー、介護作業に従事する時間あるいは睡眠時間等を用いることができるが、介護者本人における蓄積介護負担及び特定の事象の発生に関連する可能性がある項目を広く要素として含めることができる。
【0019】
なお、機械学習モデルの出力として、特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を推論する場合、例えば、教師データにおいて、特定の事象が発生したいずれかの事例の介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素に対し、介護者の介護負担の状況が一致している度合(以下、「介護負担一致度合」と称する。)に応じて、特定の事象が発生する可能性として、介護負担一致度合に対応する数値を出力することができる。例えば、特定の事象が発生した場合の介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素に対し、介護者の介護負担の状況が80[%]一致している場合、特定の事象が発生する可能性の推論結果として80%を出力することができる。ただし、複数の事例の介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素に対する介護負担一致度合を統計処理した結果(平均値等)を特定の事象が発生する可能性の推論結果とすることも可能である。
【0020】
また、支援サーバ30は、推論によって取得した蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を介護者支援データとして、介護者用端末10に送信する。このとき、支援サーバ30は、蓄積介護負担の推論結果に加え、蓄積介護負担が高まっていることを報知するメッセージや、介護者の疲労をケアすることを推奨するメッセージ等を併せて介護者用端末10に送信することができる。本実施形態において、介護者支援データは、介護者に対するメッセージ等を表すテキストデータとして出力したり、蓄積介護負担あるいは特定の事象が発生する可能性を視覚的に表すグラフ(例えば、数直線あるいは棒グラフ等)のデータとして出力したりすることができる。
【0021】
[ハードウェア構成]
次に、情報処理システム1における各装置のハードウェア構成を説明する。
情報処理システム1において、各装置はPC、サーバコンピュータ、タブレット端末あるいはウェアラブル端末(例えば、腕時計型端末)等の情報処理装置によって構成され、その基本的構成は同様である。
【0022】
図2は、各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、各装置を構成する情報処理装置800は、プロセッサ811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0023】
プロセッサ811は、ROM812に記録されているプログラム、または、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、プロセッサ811が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0024】
プロセッサ811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818、ドライブ819及び撮像部820が接続されている。
【0025】
入力部815は、各種ボタン、キーボードあるいはポインティングデバイス等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0026】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
【0027】
なお、情報処理装置800が支援サーバ30として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800が活動量計20やタブレット端末として構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。また、情報処理装置800が活動量計20として構成される場合には、活動量計20において測定される物理量を検出可能な各種センサ(心拍センサ、加速度センサ、測位センサ等)を適宜備える構成とすることも可能である。
【0028】
[機能的構成]
次に、情報処理システム1における各装置の機能的構成について説明する。
[介護者用端末10の機能的構成]
図3は、介護者用端末10の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、介護者用端末10のプロセッサ811においては、UI制御部111と、データ管理部112と、が機能する。また、介護者用端末10の記憶部817には、入力データ記憶部171と、介護者支援データ記憶部172と、が形成される。
【0029】
入力データ記憶部171には、UI制御部111を介して介護者が入力した各種データ(例えば、介護基礎データ、介護負担等データ及び認知症周辺症状発症データ)や、活動量計20から送信された介護者の活動量データ(例えば、歩数、消費カロリー、睡眠時間等のデータ、脈拍数、血圧、体温、血糖値、等のデータ)が記憶される。
介護者支援データ記憶部172には、支援サーバ30から送信された介護者支援データ(蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論結果等)が記憶される。
【0030】
UI制御部111は、被介護者の介護に関する各種情報を入出力する各種入出力画面(UI画面)の表示を制御する。例えば、UI制御部111は、被介護者の個人情報(氏名、年齢、被保険者番号等)及び介護基礎データを入力するためのUI画面(以下、「介護基礎データ入力画面」と称する。)、被介護者を介護する介護者が日常的な介護の状況に関する介護負担等データ及び認知症周辺症状発症データを入力するためのUI画面(以下、「介護状況データ入力画面」と称する。)、あるいは、介護者を支援するための介護者支援データを出力するためのUI画面(以下、「介護者支援データ出力画面」と称する。)を表示する。
【0031】
データ管理部112は、UI画面を介して入力された各種データを入力データ記憶部171に記憶したり、入力データ記憶部171に記憶された各種データを支援サーバ30に送信したりする。また、データ管理部112は、支援サーバ30から送信された介護者支援データを介護者支援データ記憶部172に記憶したり、介護者支援データ記憶部172に記憶された介護者支援データをUI制御部111に出力して表示させたりする。
【0032】
図4は、介護状況データ入力画面の一例を示す模式図である。
図4に示すように、介護状況データ入力画面には、介護基礎データ入力画面を介して入力された被介護者の個人情報及び介護基礎データを表示する領域や、介護負担等データ及び認知症周辺症状発症データを入力する領域が表示される。
介護状況データ入力画面では、介護者が認識した被介護者(患者)の当日の状態に基づいて、介護基礎データ入力画面を介して入力された介護基礎データの更新を受け付けたり、介護負担等データあるいは認知症周辺症状発症データの入力を受け付けたりする。
【0033】
図4に示す例においては、介護日誌を記入する領域として、介護負担等データ及び認知症周辺症状発症データの要素毎に、被介護者(患者)の通常の状態を基準とした現在(当日)の状態を表す段階的な評価(自立の度合いが「1:低い、2:やや低い、3:変わらず、4:やや高い、5:高い」等)を選択するメニューと、介護者が所見を任意に書き込む自由記入欄とが含まれている。これらメニューの選択や、自由記入欄の記入内容は、介護者が日常的に被介護者に接している感覚から主観的に判断した内容とすることができる。
介護状況データ入力画面を介して、日々の介護負担等データ及び認知症周辺症状発症データが入力されることにより、情報処理システム1において、被介護者(患者)の日常的な状態及び介護者の介護負担の状況をより正確に把握することができる。
【0034】
また、
図5は、介護者支援データ出力画面の一例を示す模式図である。
図5に示すように、介護者支援データ出力画面においては、蓄積介護負担の推論結果及び特定の事象が発生する可能性の予測結果を含む情報が表示される。
図5に示す例では、蓄積介護負担の推論結果として、介護者AAの蓄積介護負担が、蓄積介護負担の度合いを5段階で表した場合の第4段階(2番目に高い段階)であることが数字及び数直線上の目盛として示されている。また、蓄積介護負担の推論結果と併せて、蓄積介護負担が高まっていることを報知するメッセージ、及び、介護者の疲労をケアすることを推奨するメッセージ(
図5中の「介護負担がやや高まっています。睡眠や休息を充分に取るよう心掛けましょう。」)が表示されている。さらに、特定の事象の発生予測結果として、バーンアウトに陥る可能性が60[%]であり、抑うつ状態に陥る可能性が40[%]であることが数字及びグラフとして示されている。また、特定の事象の発生予測結果と併せて、特定の事象に陥る可能性が高くなっていることを示すメッセージ、及び、介護者の負担を軽減するためのアドバイスを示すメッセージ(
図5中の「バーンアウトに陥る可能性が60[%]と予測されています。公的なサービスの利用・支援者への支援依頼もご検討ください。」)が表示されている。
【0035】
なお、
図5に示す介護者支援データ出力画面には、介護者の負担を軽減するためのアドバイスを示すメッセージに対応して、公的なサービスの利用を申し込むためのWebサイトへのリンク(「公的サービスの利用」ボタン)及び支援者(介護者及び被介護者の介護に関する支援を行う主体)への支援依頼を行うためのツール(ここでは、メッセージアプリとする。)の起動ボタン(「支援者に支援依頼」ボタン)が表示されている。
【0036】
公的なサービスの利用を申し込むためのWebサイトへのリンクが操作されると、介護支援のための公的なサービスを受け付けるWebサイトに接続され、介護者は必要なサービスを申し込むことができる。また、支援者への支援依頼を行うためのツールの起動ボタンが操作されると、支援者のアドレスが宛先に設定されたメッセージアプリが起動され、介護者は支援者に対し、必要な支援の依頼を行うことができる。
【0037】
図5に示す介護者支援データ出力画面を表示することで、介護者は、自身の介護負担が高まっていることを客観的に把握したり、自身が特定の状態(バーンアウトや抑うつ状態等)に陥る可能性を認識したりすることができる。これにより、介護者は、情報処理システム1の解析結果として提示されることで、自身の現状に対する納得感を得ることができると共に、情報処理システム1からのメッセージを、自身の介護負担を軽減するための措置を取る契機とすることができる。
即ち、介護者支援データを提示することで、介護者の介護負担を軽減することが可能となる。
【0038】
[活動量計20の機能的構成]
図6は、活動量計20の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、活動量計20のプロセッサ811においては、パラメータ設定部211と、測定部212と、記憶制御部213と、表示制御部214と、データ送信部215と、が機能する。また、活動量計20の記憶部817には、設定パラメータ記憶部271と、測定データ記憶部272と、が形成される。
【0039】
設定パラメータ記憶部271には、活動量計20における測定あるいはデータの送信に関する設定データが記憶される。例えば、設定パラメータ記憶部271には、活動量計20において測定するデータの種類(脈拍、血圧、体温、血糖値、消費カロリー、睡眠時間等)や、データの測定条件(測定時間間隔、測定時間帯等)、測定されたデータを介護者用端末10に送信するタイミング(例えば、送信時刻あるいは送信時間間隔)等が記憶される。
【0040】
測定データ記憶部272には、活動量計20において測定された各種データが測定時刻と対応付けて記憶される。
パラメータ設定部211は、ユーザである介護者の操作に応じて、活動量計20において測定するデータの種類を設定したり、データの測定条件を設定したりする。
測定部212は、パラメータ設定部211に設定されている測定対象のデータについて、設定された測定条件に従って測定を実行する。
【0041】
記憶制御部213は、パラメータ設定部211によって設定された測定するデータの種類あるいはデータの測定条件をパラメータ設定部211に記憶したり、測定された各種データを測定時刻と対応付けて測定データ記憶部272に記憶したりする。
表示制御部214は、活動量計20のディスプレイに出力されるUI画面の表示を制御する。
データ送信部215は、測定データ記憶部272に記憶されている各種データを、設定パラメータ記憶部271に記憶された送信タイミングに従って、介護者用端末10に送信する。
【0042】
[支援サーバ30の機能的構成]
図7は、支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
図7に示すように、支援サーバ30のプロセッサ811においては、介護関連データ取得部311と、データ分析部312と、支援データ提示部313と、を備えている。また、支援サーバ30の記憶部817には、介護関連データ記憶部371と、介護者支援データ記憶部372と、が形成される。
【0043】
介護関連データ記憶部371には、介護者用端末10等から送信された各種データ(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等)が、被介護者(患者)及び介護者を識別する情報と対応付けて記憶される。また、介護関連データ記憶部371には、複数の被介護者(患者)に対応する各種データ(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等)がそれぞれの被介護者(患者)と対応付けて記憶されており、これらのデータは、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論するための一般的な機械学習モデル(多数の介護者に共通する一般的な機械学習モデル)を生成するための統計データとして利用することができる。
介護者支援データ記憶部372には、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等に基づいて生成された介護者支援データが、介護者及び被介護者(患者)を識別する情報と対応付けて記憶される。
【0044】
介護関連データ取得部311は、介護者用端末10等の端末装置から介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等を取得する。また、介護関連データ取得部311は、取得した介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等を介護者及び被介護者(患者)と対応付けて介護関連データ記憶部371に記憶する。
【0045】
データ分析部312は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データに基づいて、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性の推論を行い、介護者を支援する介護者支援データとして、推論結果を介護者用端末10に送信する。このとき、データ分析部312は、対象となる介護者及び被介護者(患者)に関する介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの蓄積を開始してから所定期間(例えば、2週間等)が経過しているか否かを判定し、所定期間経過後に、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論を開始する。これにより、対象となる介護者及び被介護者(患者)に関する一定量のデータを蓄積した時点で、信頼性の高い蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の推論結果を取得することができる。
【0046】
本実施形態において、データ分析部312は、介護関連情報(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)を入力データ、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を出力データとする機械学習モデルを構築し、介護者が入力した介護関連情報を機械学習モデルに適用することで、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論することができる。
【0047】
特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を推論する場合、機械学習モデルにおいて、特定の事象の種類毎に発生する可能性を機械学習させておくことで、入力された介護関連情報(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)に対して、特定の事象の種類それぞれが発生する可能性を推論することができる。
【0048】
なお、本実施形態において、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論するための機械学習モデルは、特定の介護者及び被介護者(患者)に関するデータが充分に蓄積されていない場合、介護関連データ記憶部371に記憶された複数の介護者及び被介護者(患者)に対応する各種データ(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ等)から統計的に生成することも可能である。また、データ分析部312は、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論するための機械学習モデルを用いた推論結果に対し、介護者あるいは他の支援者によって入力された実際の蓄積介護負担及び特定の事象の発生結果をフィードバックすることにより、機械学習モデルを逐次更新することが可能である。
これにより、被介護者(患者)を介護する介護者が情報処理システム1を利用するほど、その被介護者及び介護者に対して蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性をより正確に推論するシステムとすることができる。
【0049】
また、データ分析部312は、現在までに入力された介護関連情報を入力として、機械学習モデルにより蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論することに加え、当日(あるいは翌日)に入力されると予測される介護関連情報(介護者及び被介護者のスケジュール等から予測される介護関連情報)を入力に含めて、機械学習モデルにより蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論することも可能である。
この場合、介護者及び被介護者の日常的な行動パターン(被介護者のデイサービスの利用や育児を行う介護者の子供の送迎の予定等)を勘案して、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性をより先行して推論することができる。
【0050】
支援データ提示部313は、データ分析部312によって生成された介護者支援データ(蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論結果)を介護者の介護者用端末10に送信する。例えば、支援データ提示部313は、介護者の介護負担の状況分析結果を介護者に対するメッセージ等を表すテキストデータとして送信したり、認知症周辺症状の発症予測結果を視覚的にわかり易い形態で表すグラフのデータとして送信したりする。
【0051】
[動作]
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
[蓄積介護負担・特定事象推論処理]
図8は、情報処理システム1が実行する蓄積介護負担・特定事象推論処理の流れを示すフローチャートである。
蓄積介護負担・特定事象推論処理は、支援サーバ30の入力部815または通信部818を介して他の装置から蓄積介護負担・特定事象推論処理の実行が指示入力されることに対応して開始される。
【0052】
蓄積介護負担・特定事象推論処理が開始されると、ステップS1において、支援サーバ30の介護関連データ取得部311は、介護者用端末10等の端末装置から介護基礎データを取得する。
ステップS2において、介護関連データ取得部311は、取得した介護基礎データを被介護者(患者)と対応付けて介護関連データ記憶部371に記憶する。
ステップS3において、介護関連データ取得部311は、介護者用端末10等の端末装置から介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データを取得する。
【0053】
ステップS4において、介護関連データ取得部311は、取得した介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データを介護関連データ記憶部371に記憶する。
ステップS5において、データ分析部312は、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの取得を開始してから所定期間(例えば、2週間等)が経過したか否かの判定を行う。
介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの取得を開始してから所定期間が経過していない場合、ステップS5においてNOと判定されて、処理はステップS3に移行する。
一方、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの取得を開始してから所定期間が経過した場合、ステップS5においてYESと判定されて、処理はステップS6に移行する。
【0054】
ステップS6において、データ分析部312は、介護関連情報を入力データ、蓄積介護負担及び特定事象が発生する可能性を出力とする機械学習モデルを生成または更新する。即ち、データ分析部312は、対象となる介護者及び被介護者について、機械学習モデルが生成されていない場合には機械学習モデル(多数の介護者に共通する一般的な機械学習モデル)を新たに生成し、既に生成されている場合には、フィードバックされた実際の蓄積介護負担及び特定の事象の発生結果を基に、機械学習モデルを更新する。なお、多数の介護者に共通する一般的な機械学習モデルは、蓄積介護負担・特定事象推論処理の開始に先行して、予め生成しておくこととしてもよい。
ステップS7において、データ分析部312は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ(介護関連情報)に基づいて、機械学習モデルを用いて、介護者支援データ(蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論結果)を取得する。
【0055】
ステップS8において、支援データ提示部313は、介護者支援データ(蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の推論結果)を介護者用端末10等の端末装置に送信する。
ステップS9において、介護関連データ取得部311は、蓄積介護負担・特定事象推論処理の終了が指示されたか否かの判定を行う。
蓄積介護負担・特定事象推論処理の終了が指示されていない場合、ステップS9においてNOと判定されて、処理はステップS3に移行する。
一方、蓄積介護負担・特定事象推論処理の終了が指示された場合、ステップS9において、YESと判定されて、蓄積介護負担・特定事象推論処理は終了する。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1は、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ(介護関連情報)と、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等の心身の症状)が発生する可能性とを対応付ける機械学習モデルに基づいて、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)の発生を推論する。
そのため、介護者が認識する日々の介護負担の状態を反映した情報(例えば、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)を基に、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を逐次推論することができる。
したがって、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することが可能となる。
【0057】
即ち、在宅で生活を継続する認知症高齢者(被介護者)の支援において重要な役割を担う家族等の介護者に対し、自身の蓄積介護負担を総合的に評価した結果を提示することで、介護者が自身の状況を客観的に判断したり、現在の負担感が生じている理由に納得したり、あるいは、自身の負担をコントロールしたりすることが可能となる。
これにより、介護者の身体的・精神的な健全性を向上させることができる。また、被介護者に対する介護の質の向上も期待され、被介護者がより適切な介護を受けることも可能となる。
したがって、在宅介護における介護者の負担の軽減及び被介護者に対する介護の質の向上を実現することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る情報処理システム1は、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を介護者支援データとして介護者に提示し、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性が高まっている場合に、公的なサービスの利用及び支援者への支援依頼を促すメッセージを表示すると共に、公的なサービス及び支援者への支援依頼を行うための機能を備えている。
したがって、介護者の自助に加え、公的機関による公助及び他の介護者との共助を支援することが可能となる。
【0059】
[変形例1]
上述の実施形態において、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測するために、介護関連情報(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)を入力データ、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を出力データとする機械学習モデルを構築し、介護者が入力した介護関連情報を機械学習モデルに適用することで、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論するものとしたが、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測する手法はこれに限られない。即ち、介護関連情報を基に介護者における蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測できるものであれば、種々の手法を用いることができる。
【0060】
例えば、介護関連情報(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)の要素を変数とし、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象の要素(バーンアウトや抑うつ状態等の特定の事象の種類等)が発生する可能性の度合を示す指標を算出するための算出式(以下、「介護負担指標算出式」と称する。)を生成し、生成した介護負担指標算出式に介護関連情報の要素を代入することで、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象の要素が発生する可能性の度合を示す指標を算出(推測)することができる。
介護負担指標算出式は、例えば、介護関連情報(介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)の要素に対して、介護者において実際に生じた蓄積介護負担及び特定の事象の要素の発生履歴を対応付ける多項式として構成することができる。そして、介護負担指標算出式において、介護関連情報の要素に対する重みを調整することで、介護者における蓄積介護負担及び特定の事象の要素が発生する可能性の度合を示す指標をより正確に算出することが可能となる。
この場合にも、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することが可能となる。
【0061】
[変形例2]
上述の実施形態及び変形例において、介護関連情報(介護負担等データ)として、介護者が日々記録している介護日誌のデータ(介護記録データ)を取得し、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の予測に用いるものとしたが、介護関連情報(介護負担等データ)には、介護者に依拠する他の情報も用いることが可能である。
例えば、介護関連情報(介護負担等データ)として、介護者の表情をデータとして取得し、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の予測に用いることとしてもよい。
この場合、一例として、介護日誌のデータ(介護記録データ)を介護者用端末10に入力する際の介護者の表情のデータを介護者用端末10の撮像部820等で取得することができる。表情のデータは、顔画像を分析することにより、疲労している、イライラしている、焦っている、あるいは、穏やかである等の状態に分類することができる。
これにより、介護者における同様の条件下の表情(介護日誌のデータを入力する際の表情)のデータを取得することができるため、介護者の日々の状況を表す表情のデータを適切に取得することができる。
このように、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測するための要素に介護者の表情のデータを組み入れることで、無意識のうちに介護者の表情に現れたストレス等を、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の予測に反映させることができる。また、より多くのデータによって、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測することができるため、より高精度に介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測することが可能となる。
なお、介護関連情報(介護負担等データ)として、介護者の表情のデータの他、介護者の音声をデータとして取得してもよい。
例えば、介護者が被介護者と会話する際の音声のデータを介護者用端末10に備えられたマイク等で取得することができる。音声のデータは、発話内容、話す速さ、声の大きさあるいは口調等を分析することにより、疲労している、イライラしている、焦っている、あるいは、穏やかである等の状態に分類することができる。
このように、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測するための要素に介護者の音声のデータを組み入れることで、無意識のうちに介護者の発話内容や語気に現れたストレス等を、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の予測に反映させることができる。また、より多くのデータによって、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測することができるため、より高精度に介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を予測することが可能となる。
【0062】
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1は、介護者用端末10と、支援サーバ30と、を備えている。介護者用端末10は、UI制御部111と、データ管理部112と、を備え、支援サーバ30は、介護関連データ取得部311と、データ分析部312と、支援データ提示部313と、を備えている。
UI制御部111は、被介護者の介護に関して介護者が記録した介護記録データを含む介護関連データ(介護関連情報)を取得し、データ管理部112は、介護関連データを支援サーバ30に送信する。
UI制御部111は、介護関連データに基づいて、支援サーバ30が生成した介護者を支援するための介護者支援データを表示する。
介護関連データ取得部311は、介護者用端末10から送信される介護関連データを取得する。
データ分析部312は、介護関連データに基づいて、介護者における介護負担の状況を表す介護負担データを取得する。
支援データ提示部313は、データ分析部312によって取得された介護負担データに基づいて、介護者を支援するための介護者支援データを提示する。
これにより、介護者が認識する日々の介護負担の状態を反映した情報(例えば、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ)を基に、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等)が発生する可能性を逐次推論することができる。
したがって、在宅介護における介護者の負担の程度をより適切に評価することが可能となる。
【0063】
介護関連データ取得部311は、介護関連データとして、介護者に装着されたセンサによって計測された活動量のデータをさらに取得する。
データ分析部312は、活動量のデータを含む介護関連データに基づいて、介護負担データを取得する。
これにより、介護者の活動の実態を表す物理的なデータを反映させて、介護者の介護負担をより適切に推測することができる。
【0064】
介護関連データ取得部311は、介護関連データとして、介護者が介護を行う被介護者における認知症周辺症状の発症を示す認知症周辺症状発症データをさらに取得する。
データ分析部312は、認知症周辺症状発症データを含む介護関連データに基づいて、介護負担データを取得する。
これにより、介護者の介護負担において大きな比重を占める被介護者の認知症周辺症状の発症を反映させて、介護者における介護負担をより適切に推測することができる。
【0065】
UI制御部111は、介護関連データとして、介護者の表情または音声のデータをさらに取得し、データ管理部112は、介護者の表情または音声のデータを含む介護関連データを支援サーバ30に送信する。
データ分析部312は、介護者の表情または音声のデータを含む介護関連データに基づいて、介護負担データを取得する。
これにより、無意識のうちに介護者の表情、介護者の発話内容あるいは語気に現れたストレス等を、介護者の蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性の予測に反映させることができる。
【0066】
介護関連データ取得部311は、支援データ提示部313によって提示された介護者支援データに対して、介護者において実際に生じた介護負担の状況を表す履歴データを取得する。
介護関連データ取得部311は、履歴データをフィードバックして、介護負担データを取得する。
これにより、被介護者(患者)を介護する介護者が情報処理システム1を利用するほど、その被介護者及び介護者に対して介護負担をより正確に推測するシステムとすることができる。
【0067】
データ分析部312は、介護関連データの要素を入力とし、当該入力に対する介護負担データを出力とする機械学習モデルに基づいて、介護負担データを推論する。
これにより、介護関連データの要素に対して現れる介護負担データの傾向を適切に反映させて、介護負担データを推論することができる。
【0068】
データ分析部312は、介護関連データの要素と、介護者において実際に生じた介護負担の状況を表す履歴データとの関係に基づいて生成された、介護負担データを表す指標を算出する介護負担指標算出式に基づいて、介護負担データを取得する。
これにより、入力と出力との関係が明確な算出式を用いて、介護負担データを取得することができる。
【0069】
データ分析部312は、介護者に関する介護関連データを蓄積開始後、設定された期間が経過した場合に、介護負担データを取得する。
これにより、対象となる介護者及び被介護者(患者)に関する一定量のデータを蓄積した時点で、信頼性の高い介護負担データを取得することが可能となる。
【0070】
データ分析部312は、特定の介護者及び当該介護者が介護する被介護者に関する介護関連データと、他の介護者及び当該他の介護者が介護する被介護者に関する介護関連データとに基づいて、特定の介護者における介護負担データを取得する。
これにより、特定の介護者及び被介護者に関する介護関連データが充分に蓄積されていない場合であっても、統計的なデータに基づいて、一定の信頼性を有する介護関連データを取得することが可能となる。
【0071】
データ分析部312は、介護者及び当該介護者が介護する被介護者において予測される介護関連データに基づいて、介護負担データを取得する。
これにより、介護者及び被介護者の日常的な行動パターン(被介護者のデイサービスの利用や育児を行う介護者の子供の送迎等)を勘案して、介護負担データをより先行して推論することができる。
【0072】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
即ち、上述の実施形態において、認知症周辺症状の発症を予測する場合、特定の被介護者に対する特定の1人の介護者による介護関連情報を用いてもよいし、特定の被介護者に対する複数の介護者による介護関連情報を用いてもよい。
例えば、被介護者を配偶者と子供とで介護している場合に、被介護者本人の配偶者による介護関連情報のみを用いてもよいし、被介護者本人の配偶者及び子供による介護関連情報を用いてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態において、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論(推測)する際に、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データを用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。即ち、蓄積介護負担及び特定の事象が発生する可能性を推論(推測)できるデータであれば種々のデータを用いて推論(推測)を行うことが可能であり、例えば、介護基礎データを用いることなく、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データを用いることや、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データ以外のデータ(被介護者の生体情報等)を用いることが可能である。
【0074】
また、上述の実施形態において、介護者において特定の事象(バーンアウトや抑うつ状態等の心身の症状)が発生する可能性を予測する場合、特定の事象が発生したいずれかの事例の介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素に対し、介護者の介護負担の状況が一致している介護負担一致度合に応じて、特定の事象が発生する可能性として、介護負担一致度合に対応する数値を出力するする例について説明したが、これに限られない。
例えば、介護基礎データ、介護負担等データ、認知症周辺症状発症データ及び活動量データの要素が一致する(または一致するとみなせる)過去の事例において、その後、特定の事象が発生した事例の割合に基づいて、介護者において特定の事象が発生する可能性を予測することとしてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態における情報処理システム1のシステム構成は一例であり、情報処理システム1の機能が全体として実現されていれば、より多くのサーバに機能を分散して実装したり、情報処理システム1における複数の情報処理装置の機能をより少ない数の情報処理装置にまとめて実装したりすることが可能である。例えば、情報処理システム1の主要な機能を単体の情報処理装置に実装することで、スタンドアローン型の装置として実現することができる。
また、上述の実施形態における情報処理システム1は、クラウドサーバを利用してクラウドシステムとして実現することや、オンプレミスサーバを利用してオンプレミスシステムとして実現することが可能であり、これらの組み合わせで実現することも可能である。
【0076】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の実施形態における機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム1を構成するいずれかのコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に示した例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0077】
また、上述した一連の処理を実行するためのプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理システム、10 介護者用端末、20 活動量計、30 支援サーバ、40 ネットワーク、800 情報処理装置、811 プロセッサ、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア、111 UI制御部、112 データ管理部、171 入力データ記憶部、172,372 介護者支援データ記憶部、211 パラメータ設定部、212 測定部、213 記憶制御部、214 表示制御部、215 データ送信部、271 設定パラメータ記憶部、272 測定データ記憶部、311 介護関連データ取得部、312 データ分析部、313 支援データ提示部、371 介護関連データ記憶部