IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SUSHI TOP MARKETING株式会社の特許一覧

特開2024-146857情報処理装置、プログラム、情報処理方法
<>
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図6
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図8
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図9
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図10
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図11
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図12
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図13
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図14
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図15
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図16
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図17
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図18
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図19
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図20
  • 特開-情報処理装置、プログラム、情報処理方法 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146857
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051059
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2023058988
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522077328
【氏名又は名称】SUSHI TOP MARKETING株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】利用者によるトークンの取得等を効果的に支援する。
【解決手段】所定条件の成立に基づいて、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能なトークンに対応付けられている所定情報を変化させる所定処理を実行する、情報処理装置が開示される。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に基づいて、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能なトークンに対応付けられている所定情報を変化させる所定処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記所定条件は、
利用者の行動に関連したパラメータ、又は時間の経過に関連したパラメータに基づいて成立する条件、
認証の有無、又は同一ウォレット内での別のトークンの受取に基づいて成立する条件、
外部サーバの状態に基づいて成立する条件、並びに、
オラクルから取得される社会的な状況に基づいて成立する条件、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定条件は、前記トークン自体に関する情報又は前記トークンの実社会における利用に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定条件は、前記トークン自体には関係しない情報であり、
前記所定情報は、前記トークンの表示時の外観に関する情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定情報は、前記トークンの表示時の外観に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定情報の変化は、
前記トークンの外観に関する画像情報を、第1画像情報から第2画像情報へと変化させること、及び、
前記トークンに関する情報を、画像又はそのたぐいの第1トークン情報からの変化を含む第2トークン情報へ変化させること、
のうちの少なくともいずれか一方を伴う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1画像情報から前記第2画像情報の変化は、前記第1画像情報が表すモノの成長を概念的に表す、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定情報がオフチェーンに保存される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定情報が永続性を備える情報記録装置へとアップロードされる、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記トークンは、複数の利用者の各々に向けて発行され、
複数の前記トークンの発行数と、複数の前記トークンのうちの、前記所定情報が変化された前記トークンの数との関係を算出する算出処理を更に実行する、
請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン上で管理するトークンの発行方法及び制御方法に関して、電子的かつ中央集権的な仕組みを持たずに価値を表現・移転させることができるビットコインが登場し、これを実現しているブロックチェーン技術が広く広まっている。ビットコインの概念やブロックチェーン技術の理解が進むと共にビットコイン以外に電子的に価値を表現する様々なコインが登場している。これらの価値を持つコインのことを、以下ではトークンと呼ぶ。ブロックチェーン技術の特徴から、発行されたトークンは改ざんすることが非常に困難という特徴を持つ。この特徴を活かし、画像、動画、音声などの様々な電子データの保有者をブロックチェーンに記録して保有者であることを保証・証明するという使い方が広まっている。
【0003】
このような用途で利用されるトークンをNon-Fungible Token(NFT)と呼ぶ。NFTのコンセプト自体は古くからあるが、2017年頃から少しずつ認知され始め、2021年には高額で取引されるものも出てきたこともあり、注目されている。NFTの具体的な利用方法として、無形資産の管理(特許文献1)や契約・ライセンス管理(特許文献2)などが検討されている。これにより、従来の権利保有者が中央管理していたシステムから、ブロックチェーンを活用した分散システムにすることで耐障害性を高めると共に、中央管理者が業務を遂行できなくなっても、問題なく記録済みの情報が利用できるという特徴を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6640320号
【特許文献2】特開2020-68388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現時点ではNFTという技術自体が新しいものであり、その作成には専門家の知見が必要であると共に、利用者もブロックチェーンにおける取引方法を理解しないとNFTのようなトークンを取得すること自体が難しいという課題がある。
【0006】
そこで、本開示は、利用者によるトークンの取得等を効果的に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面によれば、所定条件(例えば、利用者の行動に応じて成立しうる所定条件)の成立に基づいて、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能なトークンに対応付けられている所定情報を変化させる所定処理を実行する、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、利用者によるトークンの取得等を効果的に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の基本構成を示す図である。
図2】ブロックチェーンネットワークを構成する各ノード及び利用者端末、トークン制御処理受付部の構成を示す図である。
図3】トークン生成処理を示す図である。
図4】配信手段に設定するトークン制御情報を示す図である。
図5】受信データ格納部を示す図である。
図6】スマートコントラクトのトークン管理情報を示す図である。
図7】トークン配布数管理を示す図である。
図8】実施形態3に係るトークン受け取り処理の説明用のフローチャートである。
図9】実施形態3に係るトークン受け取り処理の説明用の画面イメージを示す図(その1)である。
図10】実施形態3に係るトークン受け取り処理の説明用の画面イメージを示す図(その2)である。
図11】実施形態3に係るトークン受け取り処理の説明用の画面イメージを示す図(その3)である。
図12】保持しているトークンの保管場所変更を指示する場合の画面イメージを示す図である。
図13】トークンの保管方法の選択肢の説明用の画面イメージを示す図である。
図14】本実施形態4の基本構成を示す図である。
図15】本実施形態4に関する表示方法の説明図である。
図16】本実施形態4に係る情報処理フローを示す図である。
図17】本実施形態5の基本構成を示す図である。
図18】本実施形態5に関する表示方法の説明図である。
図19】本実施形態5に係る情報処理フロー(その1)を示す図である。
図20】本実施形態5に係る情報処理フロー(その2)を示す図である。
図21】本実施形態5に係る情報処理フロー(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0011】
[実施形態1]
図1は実施形態1を実現するシステムの全体構成図である。
【0012】
ブロックチェーンネットワーク100は、イーサリアムに係るP2P分散ネットワークであり、P2P方式によって多数のコンピュータがお互いに接続されたネットワークである。この際に接続されている各コンピュータをノードと呼ぶ。各ノードは、外部からブロックチェーンネットワーク100に通知された処理依頼を記録すると共に、利用者からの処理依頼に応じた処理を実行する。そして、処理依頼に応じた処理の結果は、各ノードが管理しているストレージに記録可能とされる。1の処理依頼は、分散的に各ノードに伝達可能なブロックチェーン技術により、その処理依頼に対して各ノードが同じ処理を実行してブロックチェーン(分散台帳)の記録が可能とされる。ここから、分散環境下においても各ノードにおいて改竄検出のできる同一性情報を保持する処理(第三者を介さずに信用が担保されるトランザクション)を実現可能とする。このブロックチェーン上での実行に関する処理のことをスマートコントラクトと言う。
【0013】
ここで、スマートコントラクトとは、ブロックチェーンネットワーク100に登録されたプログラムユニット(プログラムモジュールや付随するデータ/情報の集合/コンピュータプログラム)に関するものであって、各ノードで実行可能とされるものになる。本実施形態1におけるトークン処理部200は、スマートコントラクトの処理に関する機能を備えており、利用者からの要求(リクエスト)に応じてトークン(ブロックチェーン技術の活用により生まれた、改ざんできない唯一無二のデジタルデータ)の発行に関する制御をする。
【0014】
以下の本実施形態1では、トークンの種別として、NFT(非代替性トークン)の発行を例として説明する。なお、本実施形態1におけるNFTは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能な単位データになる。そして、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることを可能にする。
【0015】
なお本実施形態1では、一例として、ブロックチェーンネットワーク100をイーサリアムに係るネットワークとしている。しかし、これはあくまで例示であり、他のタイプのネットワークであってもよい。またNFTが準拠する規格の例示として、ERC721(Ethereum Request for Comment721)があげられるが、これに限られるものではない。
【0016】
トークン制御処理受付部300は、ブロックチェーンネットワーク100とのやり取りを実施するサーバであり、スマートフォンやPCなどの利用者端末(利用者が利用する情報処理装置)400からの要求を受けてトークン処理部200に依頼をし、その応答を利用者端末400に返す。
【0017】
配信手段A~配信手段C(500A~500C)は、利用者に対してトークンに関する情報(例えば、後述するトークン制御情報の一部又は全部)を提供するものである。具体的には、URL(Uniform Resource Locator)、QRコード(登録商標;二次元コードシンボル、二次元バーコードシンボル)、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、音声、画像、ビーコン情報、位置情報、外部サーバの挙動(例えば、SNS(Social Networking Service)のAPI(Application Programming Interface)情報)など利用者端末400と連携して各種データを提供するものである。具体的には、QRコード、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、音声、画像など利用者端末400と連携して、各種データを提供するものである。
【0018】
なお、利用者がブロックチェーンネットワーク100と直接やり取りする場合、利用者の端末にはウォレットと呼ばれるブロックチェーンで利用するトークンを管理するソフトウェアやハードウェアが利用される。利用者端末400において、ウォレットがインストール済みであれば、トークン制御処理受付部300を介さずに直接利用者端末400からトークン処理部200に処理依頼を投げてもよい。本実施形態1においては、多くの利用者がウォレットを保持していないことを想定し、トークン制御処理受付部300を用いてトークン処理部200に処理依頼を行う例で説明する。
【0019】
図2は、ブロックチェーンネットワーク100を構築するノード端末110に関する構成図である。ノード端末110は、通常のコンピュータであってよく、CPU120、メモリ130、ストレージ140、ストレージを接続するためのインタフェースであるストレージI/F150、外部のキーボードやマウス、ディスプレイと接続するための入出力I/F160、外部のコンピュータと接続してネットワークを構築するためのネットワークI/F170で構成されてよい。
【0020】
また図示していないが、その他の演算処理部としてGPUやFPGAなどの半導体チップをノード端末110に搭載可能としており、これらの機能部において、例えば、不正チェックをできるようにするためとして、新しいトークン情報に関するブロックを生成する際における承認作業を行うマイニングなど、ブロックチェーン運用に必要な処理をオフロードできるようにしている。
【0021】
また、ノード端末110のストレージ140には、ブロックチェーンネットワークの情報が格納される。例えば、ストレージ140からスマートコントラクトに関する情報がメモリ130に読みだされてCPU120(場合によっては、GPUやFPGA)で実行されるようになる。なお、本実施形態1におけるトークン制御処理受付部300及び利用者端末400は、ノード端末110と同様の構成(通常のコンピュータに相当)となる。
【0022】
図3は、利用者が新規にNFT(非代替性トークン)を受け取るまでの処理手順であり、利用者に対してNFTを配信する際の準備部分(事前にNFTを作成する、又はリクエストに応じてNFTを作成する仕組み)の処理を含んで示すものとしている。
【0023】
まず、NFTの提供によって、NFTを配布するにあたり必要となる、NFTを管理・運用するためのコンピュータプロトコルに関するスマートコントラクトの作成が行われる(ステップS1000)。作成したものにバグなどがないことが確認できたら、ブロックチェーンネットワーク100に対して、作成したスマートコントラクトに係るトークン処理部200の登録を行う(ステップS1010。ブロックチェーンネットワーク100、スマートコントラクトはこのフローに図示していない)。
【0024】
また、並行的にNFTの情報参照に関するコンテンツを作成し、スマートコントラクトに係るトークン処理部200に登録できるようにする(ステップS1020)。そして、コンテンツの作成ができることに基づいてトークン処理部200にコンテンツ設定を行う(ステップS1030)。
【0025】
なお本実施形態1では、スマートコントラクトに係るトークン処理部200をブロックチェーンネットワーク100に登録した後でコンテンツ設定をする形で説明したが、トークン処理部200の登録後にコンテンツ設定をするのではなく、スマートコントラクトの作成時においてコンテンツに関する情報も確定した上で登録する、という手順で進める場合もありうる。
【0026】
本実施形態1においては、スマートコントラクトやコンテンツの開発・作成と並行して配信手段の準備が可能とされる。これを実現するのが設定情報生成処理(ステップS1100)である。ここでは、設定情報として十分な範囲を持った乱数を利用する。例えば、2の256乗の範囲の数値を乱数で割り振る、などである。設定できる空間が広ければ広いほど生成した乱数が一致する可能性は低くなる。配信手段によっては、印刷や専用デバイスにデータ書き込みなどの作業が必要になる。
【0027】
QRコードなどの配信手段で提供する情報と、NFTで管理するID情報とを1対1に対応させようとすると、NFT側の開発完了を待つ必要があるが、アクセスすべきサイトのURLなど一定の準備やルールが確定できていれば、その後は乱数を使って自由に配信手段を生成することができる。こうして開発と独立で作業を進めることができるとともに、配信手段側の作業も機械的に実施することができる。または、乱数ではなく各配信手段に対して利用する数値範囲を割り当てて通番を振るというルールを定義してもよい。
【0028】
例えば、QRコードは1から10000、NFCは10001から20000、という形で全て一意となるように番号を割り当てる。こうして生成した情報を配信手段に設定し(ステップS1110)、利用者に配布する(ステップS1120)。開発と配布を分離できることにより、事前販売も実現することができ、他の製品とのコラボレーションなどもやりやすくなる。
【0029】
図4に示すトークン制御情報600は、配信手段から利用者端末400に提供される情報構成となる。ここでは、制御情報としてNFTの発行または配布で利用する乱数、又は事前定義した通番が設定され、付加情報としてNFT取得用のアクセス先URLなどが格納されることを想定している。なお付加情報は、アクセス先URL以外のものが含まれてもよい。例えば、配信手段の種類や管理番号、販売開始日時、提供会社のURLなどである。
【0030】
こうして、例えば、配信手段として印刷されたQRコードを利用者が受け取り、これを利用者端末(スマートフォンなど)400のカメラアプリを起動させて読み込んで、アクセス先の情報、及び、NFTの引き換え用として設定された乱数の取得をする(ステップS1200)。
【0031】
次に利用者は、取得したアクセス先に対して取得した乱数の通知をすることで、NFTの出力を要求するリクエストを行う(ステップS1210)。本実施形態1では、アクセス先としてトークン制御処理受付部300が設定される。そのため、トークン制御処理受付部300が利用者からの要求を受け付けることとなる(ステップS1300)。
【0032】
なお、利用者からの要求を行う際において、本要求を行う利用者端末400を識別させてNFTを受け取れるようにするための個別情報(パブリックブロックチェーンの場合、利用者のアドレスが相当する。以降、この情報をアドレスとして説明する。)なども送信可能としている。
【0033】
図5では、トークン制御処理受付部300が受信した情報を格納する受信データ格納部700を示している。なお、送信者の欄(記憶領域)には、ブロックチェーンネットワーク100で利用者のアドレスが格納されるが、必要であれば利用者のIPアドレスなどを格納して確実に個人、又は個人の利用者端末400を特定する情報(例えば、端末識別子)を格納してもよい。また、トークン制御情報600の付加情報の全体または一部が不要であれば、これらを削除した上で受信データ格納部700のトークン制御情報600の欄(記憶領域)に格納してもよい。
【0034】
トークン制御処理受付部300は、受信データの格納時に同じトークン制御情報600を持つものがないかを確認し、既に登録済みであった場合はその配信手段の内容が利用済みであったことを利用者に伝え、処理を終了する。あるいは、「一人3個まで」というように同じ利用者が複数個持つことを許容する場合は、その数を超えていないかどうかをチェックして超えていれば処理を終了する。
【0035】
利用可能とさせる利用者数に関する上限のチェックは、トークン制御処理受付部300でなく、スマートコントラクトに係るトークン処理部200においてチェックをしても構わない。チェックを実施して問題がなければそのまま受け取った情報を格納し、受信した情報を使ってNFT(非代替性トークン)の発行または設定をトークン処理部200に依頼することとなる(ステップS1310)(スマートコントラクトはこのフローに図示していない)。
【0036】
トークン処理部200からNFTの発行または設定の情報を受け取ったトークン制御処理受付部300は、利用者からの要求に係る通知の情報に不備がないことを確認した上で対象のNFTの保有者を利用者に変更する。または新規にNFTを発行して保有者を利用者に設定する。
【0037】
なお、NFTを管理・運用するスマートコントラクトに係るトークン処理部200は、トークン管理情報800として、NFTのIDと保有者の情報を保持している。図6は、スマートコントラクトのトークン管理情報800の一例を示す図である。一番シンプルなやり方は、通知された乱数や通番をそのままIDとして設定し、そのIDに通知された利用者のアドレスを関連付けてトークン管理情報800に格納する方法である。スマートコントラクトの実装上の制約からとりうるIDの上限値はあるが、乱数や通番を割り当てる際にそのことを考慮して送信情報に設定する情報を定義すれば、この制約は回避できる。
【0038】
また、NFTは100個、10000個などの上限を設ける場合は、このことに対応する一例として、受け取った乱数の剰余を求めて対応する方法がある。例えば配布するNFTが100個なのであれば、受け取った乱数を100で割って、その余りをIDとして利用する。剰余を使うことで、どのような値が通知されても、一定範囲に収めることができる。しかし、この場合は後から通知された乱数の剰余を算出すると、利用済みのIDと同じ値になることが考えられる。この場合、算出した値の次の値をIDにするクローズドハッシュ法を使うなどの工夫で対応することができる。通番を割り振る際に個数上限を想定済みであれば、そのままその値をIDとして使えばよい。
【0039】
さらに、NFTの発行数に制約をつけて流通数を少なくして希少性を出すという取り組みを行うようにしてもよい。本実施形態1であれば、配信手段で提供する個数を制限することで実現できる。
【0040】
別の実現方法として、IDの範囲により希少性を表現する場合も考えられる。例えば100個のNFTがあるが、1から10までのNFTの価値が高い(特別なコンテンツと関連付けるなど)という場合である。これも剰余で実現できるが、クローズドハッシュ法を使ったときに「剰余は10なのにずれて11になり価値の高いNFTがもらえない」ということが発生しうる。このような場合は単純にクローズドハッシュ法を使うのではなく、剰余が1から10になったものはこの範囲でクローズドハッシュ法を使う、とすれば対応できる。
【0041】
ただ、本実施形態1では複数の配信手段の利用を想定しているため、ある配信手段で価値の高いNFTを大量に配布してしまう可能性がある。配信手段によっては受信できる利用者が限られる場合もありえるため、配布の公平性も担保する必要がある。それを管理するのが、例えば図7に示すようなトークン配布数管理900であってよい。これは利用を想定している配信手段において、どのIDをどのくらい割り当てるかを管理する情報であり、最大割り当て数と配布開始後は実際に割り当てた数を管理するために利用する。スマートコントラクトで利用者を割り当てる際に、この情報も参照して、IDを割り当てる。ある配信手段で最大数を割り当てた後に通知された送信情報の剰余がその範囲となった場合にどのIDを割り当てるかは、開発者がそのNFTのコンセプトや運用ルールなどからスマートコントラクトに実装するものとする。ここでは単純にID範囲だけを定義したが、販売を開始してから1ヶ月以内、3ヶ月以内などの時間的な制約や、総受信数に対する統計値などを使ってもよいし、これらを組み合わせたルールを作成してもよい。
【0042】
本実施形態1では、「いずれかの配信手段から入手した情報を使ってNFTを取得する」場合についての説明であった。実際には同じ場所でNFT配布情報がQRコードと放送音声で提供されるなど複数の配信手段が利用される場合がある。この時、複数の配信手段によるトークン配布情報を送信した場合のみNFTを配布する、複数の配信手段を利用すると特別なNFTを配布するといった応用も考えることができる。このように複数の配信手段を組み合わせることで、送信情報や付加情報に追加情報を加えることなく、場所や時間に応じたNFT配布を実現できる。また、「QRコードを持っているだけでは配布しない」といった、ある程度のセキュリティ対策にもなりうる。
【0043】
また、本例は「NFTの発行」処理を想定して説明したが、発行だけでなくNFTを含めたブロックチェーンネットワーク100上のトークンに対する処理の実施をこの仕組みで実現することができる。例えば、ゲームに利用されるNFTが「ある特定の日時にある場所に行けばパラメータが向上する」など、現実世界とNFT情報とを連携させるサービスを構築する際にも活用できる。
【0044】
本実施形態1では、利用者がトークン制御処理受付部300経由でトークン処理部200に処理を依頼する構成を例として説明しているが、利用者端末400にウォレットが搭載されるのが当たり前になった場合、利用者は直接トークン処理部200にトークン制御情報600を通知して処理を依頼する形になることが多いと考えられる。この場合、トークン制御処理受付部300にて管理している受信データ格納部700はスマートコントラクトであるトークン処理部200で管理することで本実施形態1を実現できる。
【0045】
[実施形態2]
上述した実施形態1の方法により、コンテンツ作成と独立して配布用情報を作成でき、様々な配布手段で事前に利用者にNFTなどのトークンを配布することができる。しかし、個数制限や高価値のトークン配布に配布手段を単純に利用すると悪用される恐れがある。例えばQRコードを利用する場合について考えると、QRコードの情報自体は誰でも受け取ることができて、その内容を簡単に確認することができる。
【0046】
つまり、アクセス先のURLなどの情報とID割り当てに利用する乱数や通番を利用者が簡単に知ることができる。また、QRコード作成ツールもWebなどで公開されているため、QRコードを受け取ると利用者側でオリジナルの情報を加工した上でトークン制御処理受付部300に処理を依頼することができてしまう。このため、「利用者が望むIDを持つトークンが取得できてしまう」「配布手段から情報を入手することなくいくらでもトークンが取得できてしまう」という大きく2つの課題がある。
【0047】
「任意のIDのトークンが取得可能」については、受信側で乱数を加工することで対応できる。トークン制御処理受付部300が利用者からの要求を受け付けた(ステップS1300)際に、乱数を生成してこれと合成(XORするなど)して新しい情報を作成し、これをID割り当ての情報として利用する。乱数生成でなく、ソルト(任意の可変情報)と通知された情報からハッシュ値を求めてそれを割り当て情報として使ってもよい。利用者から通知された情報をそのまま使わないことで、この問題は対応できる。
【0048】
なお、ここではトークン制御処理受付部300で、乱数作成&合成、又はハッシュ値作成する例を説明したが、同様の処理をスマートコントラクトに関する処理において実施してもよい。通常、スマートコントラクトに関する処理では乱数を生成することはできないが、外部から信頼できる情報を提供するオラクルという仕組みがある。これを使って乱数を取得することでスマートコントラクトに関する処理でも乱数を利用することができる。トークン制御処理受付部300はトークン提供者の管理下にあることが多いため、利用者から見える場所であるブロックチェーンネットワーク100上に情報を公開して公平性を提示するためにスマートコントラクトに関する処理において実装するということはありえる。
【0049】
後者の「利用者が任意個のトークンを取得できてしまう」ことは、より大きな問題である。送信者情報としてブロックチェーンネットワーク100のアドレス情報しか保持していない場合、利用者はアドレスを自由に複数個作成することができるため、個数制限は制約として機能できない。この問題に対する1つの方法として、配布手段からトークン制御情報600を受領する際に名前や住所、メールアドレスなどの利用者情報を収集し、利用者がトークン制御情報600を利用する際に利用者情報も入力してもらうという形にすれば、この問題に対応ができる。しかし、QRコードやNFCなどの配信手段だけでは、利用者の詳細情報を取得することが実現できず、別のシステムが必要になるため運用も手間がかかる。また、利用者にとっても手間を強いられ、人によっては不必要に個人情報を提供するように感じる人も出てくるため、トークンを受け取ってもらえないという課題が生じる。
【0050】
そこで、本実施形態2ではこの問題に対応するために配信手段で伝達するトークン制御情報600を暗号化して提供することで対応する。手順自体は図3と同じであるが、一部処理が追加になる。その内容について、以下説明する。
【0051】
まず、トークン制御情報600に格納する制御情報を暗号化するために、暗号鍵を用意する。ここでは公開鍵暗号(暗号化と復号とに異なる鍵を用い、暗号化用の鍵は公開できるようにした暗号方式)を使う場合について説明するが、AESなどの共通鍵暗号を使う場合でも同様である。
【0052】
まずトークン提供者がトークン作成を実施する前に公開鍵を作成する。秘密鍵はトークン提供者が管理すると共に、安全に利用できる形でトークン制御処理受付部300に設定し、秘密鍵と対になる公開鍵を配信手段向けに情報設定作業を行う設定者に提供する。配信手段では、トークン提供者から受け取ることで設定可能にされた公開鍵を使って乱数または通番の生成の際に制御情報を暗号化する(ステップS1100)。
【0053】
なお、トークン制御情報600の付加情報は、アクセス先のURLなどの情報を格納するため、利用者が情報を取得した際に利用可能とさせる平文のままで情報を格納する。処理上、他に秘匿したい情報があれば、その部分も暗号化して格納してもよい。また、暗号化用の公開鍵は、配信手段にトークン制御情報600を設定する設定者だけが利用し、他の作業者や外部に公開してはいけない。以降の処理は図3の通りだが、ステップS1300で利用者からの要求に基づいて送信された暗号化済みのトークン制御情報600を受け取ったトークン制御処理受付部300は、公開鍵と対になる秘密鍵を使って暗号化済みのトークン制御情報600を復号し、この復号に基づいて得られる制御情報に係るNFTの発行依頼や乱数など(配信手段から利用者端末400に提供された情報構成)を取得して以降の処理を実施する処理が追加になる。
【0054】
また、トークン制御処理受付部300において復号をできるようにするために、暗号化されたデータと付加情報(利用者側からの情報)を受信データ格納部700に格納して管理するようにしてもよい。例えば、トークン制御処理受付部300がスマートコントラクトに係るトークン処理部200に対してNFTの発行または設定を依頼する暗号化された送信情報を受信(ステップS1310)した後、これを受け取ったトークン処理部200は、受信データ格納部700に格納された秘密鍵を用いて受信した暗号化済みの制御情報を復号できるようにしてもよい。こうして、スマートコントラクトに関する処理を行う場合に秘密鍵の情報を受信データ格納部700へ登録可能にして暗号化済みのトークン制御情報600を安全に利用することができる。なお、通常の公開鍵と秘密鍵のペアの持ち方と逆の持たせ方を可能としてもよい。また、スマートコントラクトにおいて登録可能とされた鍵情報で復号はできても暗号化できないようにしてもよい。
【0055】
このようにして、公開鍵を用いてトークン制御情報600を暗号化する場合に、配信手段又は利用者には複合に必要な秘密鍵の情報公開をしない仕組みを構築することにより、公開鍵暗号の技術的特徴から、秘密鍵から公開鍵の導出は容易だが、公開鍵から秘密鍵の導出は莫大な計算時間がかかるため、現実的に不可能とすることができるようになる。したがって、利用者がトークン制御情報600を自由に変更することを防ぐことができ、「利用者が任意個のトークンを取得できてしまう」問題を解決することができる。
【0056】
上記ではトークン制御処理受付部300にて秘密鍵を管理する方法について説明した。しかし、トークン制御処理受付部300が用意しているページ内のJavaScript(登録商標)などのプログラムが鍵ペアを生成し、ブラウザのローカルストレージなどに格納させて管理をさせる処理を実行可能となるようにしてもよい。また、トークン処理部200は、ブロックチェーンネットワーク100にアクセスする者に公開可能とされ得るものである。そのため、変形例として、トークン処理部200においても、公開鍵暗号などを利用してスマートコントラクトに係る処理に基づくNFTの発行または設定の情報に関する暗号化の処理をできるようにしてもよい。
【0057】
[実施形態3]
利用者がNFTなどのトークンを受け取る際には、ブロックチェーンネットワーク100で利用者を一意に特定する情報が必要になる。Ethereumなどのパブリックブロックチェーンでは利用者が管理している鍵ペアの公開鍵から生成したアドレスがこれに相当する。しかし、アドレスを持つためにはその元となる鍵ペアを管理するためのウォレットなどのアプリまたはハードウェアが必要になり、一般の利用者からは利用しづらいものになる。そこで、本例ではこの問題を解決する方法について説明する。
【0058】
図8は、実施形態3に係るトークン受け取り処理の説明図である。図8に示すトークン受け取り処理は、図3のステップS1200の処理としてステップS1210の前に実行されてよい。
【0059】
図3のステップS1200では、上述したように、利用者は配信手段から情報を取得する。具体的にQRコードの場合で説明すると、配信手段はQRコードを利用者に提供する。この提供方法は人が紙を渡すのでも、会社などの入り口にQRコードを掲示しておくのでも、インターネット経由で配信するのでも、どのような形でもよい。利用者はスマートフォンのカメラアプリやスキャナアプリを使ってQRコードを読み取る(ステップS2100)。なお、配布手段から提供される方法により、起動するアプリが変更になってもよい。
【0060】
次いで、アプリがこれを読み取るとURLを提示してアクセスするかどうかを確認し、利用者が「アクセスする」と指示した後、スマートフォンはブラウザを立ち上げて(ステップS2110)、トークン制御情報600で指定されたURL先にアクセスする(ステップS2200)。なお、「アクセスする」との指示は、自動的に発生されてもよい。すなわち、アプリがQRコードを読み取ると、トークン制御情報600で指定されたURL先へのアクセスが自動的に実現されてもよい。
【0061】
この時に、アクセス先である配布サイトに係るトークン制御処理受付部300が利用者側処理送信を実行し(ステップS2300)、トークン制御処理受付部300が用意しているページ内のJavaScript(登録商標)などのプログラムが利用者用のアドレス作成の元になる鍵ペアを生成して(ステップS2210)、公開鍵ペア及び/又はアドレス情報をブラウザのローカルストレージに鍵ペアに係る鍵情報を格納する処理を実行する(ステップS2220)。こうして利用者は自身が意識することなくブロックチェーンネットワーク100で一意であるアドレス情報を取得することができる。また、ローカルストレージはそのスマートフォンの利用者しか利用できないため、比較的安全であるといえる。
【0062】
なお、変形例では、鍵情報(鍵ペア)は、ブラウザのローカルストレージに代えて、ブラウザのセッションストレージ、及びブラウザのクッキー等のような他のブラウザのストレージに記憶されてもよいし、ブラウザのストレージ以外の記憶領域(例えば利用者端末400内の記憶領域や、トークン制御処理受付部300等によりアクセス可能なサーバ装置の記憶領域等)に記憶されてもよい。
【0063】
ただし、ブラウザのローカルストレージは、利用者操作により削除できてしまう。鍵ペア(特に秘密鍵)が削除されてしまうと、利用者に付与されたトークンの移動が永久に利用できなくなってしまう。それを回避するために鍵ペアの作成後に、鍵ペアに関する情報、又はそれらの生成に利用した情報の記録を含むQRコード化した画像表示として利用者に提示可能とする(ステップS2230)。
【0064】
このQRコード化した画像表示は、その解析を行うことにより、ブラウザのローカルストレージから鍵ペア(特に秘密鍵)が削除された場合でも、当該鍵ペアの復元を可能とできる。したがって、QRコード化した画像表示は、鍵ペアの復元可能とできる復元手段(バックアップ用QR/復元情報)となる。そして、利用者がQRコード化した画像表示(画面)をキャプチャする、又は自動的にQRコード化した画像表示の情報をブラウザのローカルストレージ以外の場所(例えばスマートフォン内の記憶装置や他のクラウドストレージ)に保存可能となるようにする(ステップS2120)。したがって、QRコード化した画像表示の情報が保存されていれば、利用者はアクセス時に生成された鍵ペアをいつでも再生成でき、付与されたトークンを無駄にすることがなくなる。
【0065】
図9には、復元手段の保存を利用者に促すUI(User Interface)990の一例が示されている。この場合、UI990は、復元手段となるQRコードC12の画像表示に関する保存を利用者に促すメッセージを含む。なお、QRコードでなく、複数の単語や記号の組み合わせ又はバーコードなど、生成した鍵ペアを復元できるものであればどのようなものでもよい。
【0066】
ブラウザのローカルストレージに格納する鍵情報(鍵ペア)は、受け取り用の暫定情報ともいえる。このため、利用者が配布サイトから利用するウォレットの口座番号にあたるウォレットアドレス(恒常的に利用するアドレス、トークン保管場所)を入手した後、対象のトークンとウォレットアドレスと復元情報のセット、又は対象のトークンとウォレットアドレスとローカルストレージに格納した鍵情報のセット、をトークン制御処理受付部300に提供することに基づいて、利用者のローカルストレージに格納したアドレスから、ウォレットアドレスに対象トークンを送信する機能も提供する。
【0067】
このウォレットアドレスに対象トークンを送信する機能のUIイメージが図12である。図12にて示す「From」は、ローカルストレージに格納したアドレスであるため、自動的に設定されるが、手動で設定(入力)されてもよい。図12にて示す「To」は、ウォレットアドレス(恒常的に利用するアドレス)又はその類(例えば、代理処理を経る場合は、代理処理用のアドレス等)のような、対応するウォレットを特定可能なウォレット情報を入力する欄であり、利用者自身に入力してもらう。この「To」は、QRコードなどから読み取って設定してもよい。復元情報は、ここでは別ファイルとして保持されているものとしている。
【0068】
次いで、利用者からの指示に応じて、ブラウザにおける生成用情報を通知する処理(ステップS2240)を介して、NFTの取得を要求する(図3のステップS1210)処理が実行される。なお、配布手段からは、トークン制御情報600が通知され、ここから必要な情報を取得して暗号化などを行う処理に関しては、生成用情報通知に係る処理(S2240)において実行させるようにしてもよい。なお、トークン制御情報600の一部又は全部は、対応するURL(Uniform Resource Locator/ブラウザのアドレス欄に表示されるウェブページアドレス)内に組み込まれもよいし、対応するURLに基づき展開されるWEBページ内に含まれてもよい。
【0069】
例えば、図9に示す画面例では、下方画面領域にて表示されるメッセージの「保存したので進む」と付されたボタンBT990を利用者がスマートフォン上で操作すると、ステップS2240を介して図3のステップS1210以降の処理が実行される。この場合、利用者のスマートフォン上では、図10に示す画面990を介して、図10に示すUI991が出力されてよい。
【0070】
図10に示す画面例では、取得対象のNFT(トークン)を表す画像G10やそのNFTの説明G11、取得中であることを視覚的に示す処理中表示G12等を含む画面990が表示されている。利用者は、画面990を見ることで、取得中のNFTについての情報を得ることができる。なお、NFTの説明G11には、配布元に係る広告情報が含められてもよい。
【0071】
次いで、図11に示す画面例のUI992は、取得完了時の画面であり、「NFT保存完了!」なるメッセージを含む。なお、ここでいう「保存」は、上述したように、ブラウザのローカルストレージへの保存である。図11に示すUI992は、保存完了したNFT(トークン)を表す画像G10やその説明G13等を含む画面990が表示されている。NFTの説明G13では、より詳細な説明画面へのリンクや、広告情報に係るサイトへのリンク等を含んでもよい。
【0072】
なお、図8に示す例では、復元手段通知の処理において復元手段保存を促す処理(ステップS2230)が実行されるが、本処理は、省略されてもよいし、後から通知する態様で事後的に実行されてもよい。また、図8では、パブリックブロックチェーン用のアドレス作成処理は明示していないが、アドレスは公開鍵から生成されるため、鍵ペア作成に係る処理(S2210)にて作成されることとしてよい。
【0073】
また、本実施形態において、トークン制御情報600で指定されたURL先に基づく表示情報(この場合、WEB画面)は、取得対象のNFT(トークン)の保存先を選択可能なUIを有してもよい。例えば、図13に示す例では、ウォレットを所有している利用者が選択可能なボタンB21と、ウォレットを所有していない利用者による選択が好適なボタンB22とを含む。利用者がボタンB21を操作した場合は、ウォレットアドレスへの対象トークンの対応付けが実行され、図12を参照して上述した処理を不要とすることができる。他方、利用者がボタンB22を操作した場合は、図8を参照して上述した各種処理が実行され、ウォレットを所有している利用者に対しても対象トークンの付与が可能となる。このようにして、取得対象のNFT(トークン)の保存先を選択可能なUIを提供することで、幅広い利用者に対して利便性の高いサービスを提供できる。
【0074】
また、ブロックチェーンネットワーク100に処理を依頼する場合は多くのブロックチェーンではガス代と呼ばれる手数料が発生する。このガス代は各ブロックチェーンにおいて仮想通貨に係るガス代用トークンを使って支払う必要があるが、一般の利用者はガス代用トークンを確保すること自体が難しい。そこで、利用者の鍵ペアを使ってブロックチェーンネットワーク100向けの処理を作成するが、依頼に必要なガス代はトークン制御処理受付部300が負担する方法を提供して対応する。
【0075】
そして利用者端末400は、ブラウザからローカルストレージに格納した鍵ペアの秘密鍵を使い、自身が配信手段から受け取ったトークン制御情報600に署名して確実に使う旨をトークン制御処理受付部300に通知することで、ガス代負担を依頼することとなる。トークン制御処理受付部300では、利用者端末400を用いる送信者情報と署名から確実に送信者を確認することができ、その確認によりガス代負担の許可が可能となる。具体的に、スマートコントラクトに係る処理として、ガス代負担の代理依頼を実行できるようにブロックチェーンネットワーク100において準備しておき、トークン制御処理受付部300からはそのスマートコントラクトに係る処理を依頼可能とすることで、代理処理を実行させるようにする。
【0076】
このように、ブロックチェーンネットワーク100に対する処理をトークン制御処理受付部300において代理可能とすることにより、利用者はガス代を意識せずにブロックチェーンネットワーク100に処理を依頼することができる。
【0077】
上記でウォレットアドレスに保有トークンを送信して保管させる方法についても説明したが、鍵情報などを提供せず代理手段でも実現できる。大きく2通りあり、一つは利用者がローカルストレージに格納したウォレットアドレスから自身が対象トークンを送信して保管させる処理依頼を作成し、ローカルストレージ等で所有する鍵情報(格納した秘密鍵など)を用いて署名してその実行をトークン制御処理受付部300に依頼する。もう一つは、トークン制御処理受付部300に対象トークンを操作する権限を付与する処理依頼を作成し、ローカルストレージ等で所有する鍵情報(格納した秘密鍵など)を用いて署名して、その実行をトークン制御処理受付部300に依頼する。いずれの場合も、利用者端末400からの要求を受け取ったトークン制御処理受付部300は、ガス代を設定した上で代理処理を実現するスマートコントラクトに係る処理依頼をして処理を完了させる。
【0078】
なお、ウォレットアドレス(トークン保管場所)の変更をこれらの手段で実現する場合は、図12で示すUI1000における「復元用情報」の設定に関する項目は不要であり、2通りの方法を提示して選択してもらう、システムとして2通りのうち片方を利用するよう実装し、UI上は選択肢をなくす、といった方法が考えられる。実際に代理処理をする場合、図5の受信データ格納部700を参照して、要求する利用者が正しいかどうかを確認した上でブロックチェーンネットワーク100に代理処理を依頼する。また、受信データ格納部700の情報を参照して代理実行の可否を決定してもよい。
【0079】
例えば、QRコードは、配布数が多いのでガス代は補助しないが音声経由でNFTを取得した利用者に対しては許可する、特定のNFCで取得した人であって3日以内の実施であればガス代負担と将来ガス代として利用できる少額をプレゼントし、1ヶ月以内であればガス代負担のみ、それ以上は許可しないなどの制御をしてもよい。このような制御をすることで、複数種の配信手段のそれぞれに対する重みづけることができ、NFTの配布方法のバリエーションを増やすことができる。
【0080】
[実施形態4]
図14図16は、XRを表示するための方法を含むシステム(別の実現方法)を示すものである。本開示では、利用者によるトークンの取得に関する付加価値性を高めてシステム運営を効果的に支援可能とすることを目的とする。
【0081】
以下、図14図16に係る説明をする。この場合において、配信手段500を“配信媒体(所定の流通カード)5”であるものとする例示とし、利用者端末400を“モバイル装置(スマートフォン)4”であるものとする例示として説明をする。
【0082】
図14に示す配信媒体5は、配信媒体5の表面5aにおいて読取用コード5c(数字、文字、記号、又はそれらの2種以上の組み合わせ)が付されるとともに、配信媒体5の裏面5bにおいてARマーカー5d(識別図柄5d’)が付されるものとしている。詳細には、紙製又はプラスチック製などの基材の表裏において、読取用コード5c及びARマーカー5dをそれぞれ物理的に印刷、貼り付け、又は刻印などの処理を施してなる配信媒体5の構成としている。
【0083】
ここで、本実施形態4における「読取用コード5c」は、利用者端末400の一例であるモバイル装置4のカメラ4cによって読み取り可能なマトリックス型2次元コード(デンソーウェーブの登録商標となるQRコード)の形式に基づく構成にしているが、1次元コードなどの他の形式に基づくコードであってもよい。
【0084】
先ず、図15(A)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによってタッチスクリーン(表示パネル+タッチパネル)4dに読取用コード5cを撮影して読み取らせることにより、アクセス先となるWEBサーバ230のドメイン含むURL(Uniform Resource Locator)、及び、WEBサーバ230にログインするためのログインIDなどの情報特定をモバイル装置4におけるローカル制御部401にて実行可能とする。そして、この情報特定に係るWEBサーバ230へのアクセスを促す処理として指示画像4eをタッチスクリーン4dに呼び出しする表示が行われるようになる。
【0085】
そして、利用者によってタッチスクリーン4dに呼び出しされた指示画像4eに係る所定表示領域部を押す操作がされた場合に、前述の情報特定に係るWEBサーバ230へのログイン要求が実行可能にされ、その結果として、WEBサーバ230のWEB制御部231に係る処理(サーバアプリケーション)に基づいてモバイル装置4との通信制御の確立が行われる。ついで、この通信制御の確立に基づくモバイル装置4のローカル制御部401に係る処理(ブラウザ/クライアントアプリケーション)の起動により、配信媒体5の裏面5bに付されている識別図柄(WEBサーバ230にて事前登録された所定の風景絵柄)5d’をARマーカー5dとして撮影可能とするカメラ4cの機能設定などを行わせるためのブラウザ(ソフトウェア)の能動化が行われるようになる。
【0086】
またこの際に、前述したブラウザのローカルストレージにおいて、改ざんできない唯一無二のノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token、以下、NFTとも称す)221を保管可能とするブラウザのウォレット(不図示)が自動生成されてもよい。
【0087】
次いで、図15(B)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによってタッチスクリーン4dにARマーカー5d(識別図柄5d’)を撮影して読み取らせることにより、WEBサーバ230の記憶部34にて登録され制御可能としているデータベース240に格納されているデジタルコンテンツ5eを、タッチスクリーン4dに表示させる表示トリガーに関するマーカー認識が行われるようになる。
【0088】
具体的には、前述のブラウザに係る処理に基づくモバイル装置4のカメラ装置部402及び表示処理部403に係る実行処理として、カメラ4cによってARマーカー5d(識別図柄5d’)を撮影することにより、モバイル装置4のブラウザ用メモリ領域においてプログラム展開が可能なWEBサーバ230のARマーカー認識部232(LiDAR)によるスキャン(画像解析)を実行させ、そのスキャン結果として認識されたARマーカー5dと紐付けられているデジタルコンテンツ5eをデータベース240から呼び出しをして、タッチスクリーン4dに表示できるようにしている。
【0089】
なお、前述のARマーカー認識部232における括弧書きで示す“LiDAR(光を用いたリモートセンシング技術のライダー読取モジュールなど)”に係る技術に本発明は限定されない。例えば、所定の画像認識技術、ミリ波レーダー技術、又はAI(artificial intelligence)技術などを含む、他技術に基づく利用を適宜にするようにしてもよい。
【0090】
本実施形態4におけるデジタルコンテンツ5eは、利用者がなんらかの体験可能なコンテンツであれば任意である。ここでいう、デジタルコンテンツ5eの体験とは、典型的には、デジタルコンテンツ5eの再生(実行)を通して得られうる体験であるが、利用者が再生だけして視聴しない場合も含む概念である。すなわち、デジタルコンテンツ5eの体験とは、デジタルコンテンツ5eの再生と同義であってもよい。本実施形態では、デジタルコンテンツ5eは、仮想現実、拡張現実又は複合現実の少なくともいずれかの視聴技術に基づくデジタル形式で構成されるXR(クロスリアリティ)再生により、現実では知覚できない体験が可能なコンテンツとなるようにしている。デジタルコンテンツ5eは、対応するNFT221の発行元などに関連した広告コンテンツを含んでもよい。この場合、広告コンテンツに含まれる条件(例えばアプリケーションなどのダウンロード)が満たされた場合に、対応するNFT221の取得要求の生成が可能とされてもよい。
【0091】
そして、前述のモバイル装置4のブラウザ用メモリ領域において、AR(Augmented Reality)に係る拡張現実的な表示に供するためのプログラム展開をさせるようにして、実行環境をブラウザベースとするAR技術(いわゆる、ウェブAR/アプリケーション)の制御を可能とすることに基づいて、そのままシームレス(専用アプリのインストールが不要)に、カメラ4cの撮影によってタッチスクリーン4dに映し出される識別図柄(風景絵柄)5d’に対してデジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクト(3次元コンピュータグラフィックス、例えば飛行機)を重畳表示させるとともに、この3Dオブジェクトを用いたXR再生を可能(飛行機の動的な表示)な構成としている。
【0092】
なお、ここでは、一例として、飛行機の動的な表示を例示しているが、当然ながらこれに限らない。例えばデジタルコンテンツ5eが音楽コンテンツを含む場合、デジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトは、レコードが再生されている状態の3Dオブジェクトを含んでよい。
【0093】
また、本実施形態4におけるARマーカー5d及びデジタルコンテンツ5eは、方位の情報を備える構成としている。ここから、前述のブラウザに係る実行処理として、ARマーカー5d(画像)の形状及びサイズ情報や、位置センサ情報、角度情報などを取得して利用可能とすることにより、モバイル装置4とARマーカー5d(識別図柄5d’)との位置関係(距離、方向)の解析をさせることに基づいて、タッチスクリーン4d上にて形成可能とする3次元画像空間5e’における視点位置を算出し、この算出した視点位置からデジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトを見たようにする投影表示をさせ、かつカメラ4cの撮影位置や姿勢(回転、傾き)の変化に応じて視点を移動させてデジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトを動的に変化表示させることが可能な構成としている。
【0094】
したがって、タッチスクリーン4dに撮像されている識別図柄5d’に基づいて形成される3次元画像空間5e’(図15(B)参照)に対して、デジタルコンテンツ5eを重畳させる投影表示をさせるときにおいて、XR技術(現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものの知覚を可能とする技術)に関する体験をできるようにしている。
【0095】
次いで、本実施形態4においては、前述のデジタルコンテンツ5eに基づくXR再生を終了させたこと(デジタルコンテンツ5eを動作させるアプリケーションにて定められた終了条件を満たす場合)の固有特典として、図14に示すブロックチェーン220において取引が記録可能とされるNFT(非代替性トークン)221の取得要求を管理サーバ210に対して送信可能とするとともに、この取得要求に応答して発行可能とされるNFT221を前述したブラウザのウォレットを介して保管できるようにしている。
【0096】
具体的には、図15(B)に示すタッチスクリーン4dの中央部における規定位置5fにデジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトが移動したタイミングで、タッチスクリーン4dの下方領域に表示される“捕獲ボタン”の画像5gを押すこと(ミニゲームの終了条件の達成)ができた場合にXR再生の終了を行うとともに、図14に示す管理サーバ210に対してNFT221の取得要求を行わせることに基づいて、NFT221の発行及び配布をさせる構成となるようにしている。なお、“捕獲ボタン”の画像5gを押すことに代えて、他の利用者入力が利用されてもよいし、XR再生の終了とともに取得要求が自動的に生成されてもよい。
【0097】
本実施形態4における管理サーバ210は、複数のモバイル装置4(ノード端末110/コンピュータ)を相互に接続可能とするP2P(Peer to Peer)のブロックチェーンネットワーク100に接続され、運営システム101において必要とされる運用・管理処理ができる装置構成にしている。なお、本実施形態4における管理サーバ210の機能は、一例として、上述した実施形態1におけるトークン制御処理受付部300により実現されてもよい。
【0098】
また、図14に示すブロックチェーンネットワーク100との接続に基づいて構成されるブロックチェーン220にてNFTの記録部223(ウォレット)を設けるようにすることで、NFT221の所有者、及び、NFT221の取引記録を開示し得るようにしている。なお取引記録は、過去の所有者に関する情報も含み得るようにしてもよい。
【0099】
また、管理サーバ210は、図14に示すブロックチェーン220上におけるコントラクトアドレス(不図示)に対応付けられるスマートコントラクト222の制御を可能とすることで、この制御に係る結果としてNFT221を発行させて配布をできる構成となるようにしている。
【0100】
なお、本実施形態4におけるウォレットアドレス又はコントラクトアドレスは、NFT221又はスマートコントラクト222が格納されるアカウント(NFT221を所有する利用者の識別)として機能するユニークなブロックチェーンアドレスとなるように構成される。
【0101】
また、本実施形態4におけるスマートコントラクト222は、管理サーバ210がブロックチェーン220の構成に係る個々のモバイル装置4から取得要求を受けることに基づいて所定のプロトコルを自動的に実行可能とするコンピュータプロトコル(ソフトウェア/コンピュータプログラム)の構成とされ、NFT221A(又は、NFT221Bを発行するための実行処理をできるようにしている。
【0102】
ここから、スマートコントラクト222の実行機能(トークン処理部)200においてNFT221の発行を可能にするとともに、他のNFT221と区別される独自の価値構成(非代替性)を備えさせるようにすることで、改ざんできない唯一無二となるようにしている。
【0103】
また、本実施形態4に係るNFT221は、NFTの記録部223において他のNFT221と区別するための固有(ユニーク)なNFT識別子221aと、NFT識別子221aに対応付けられたNFT用データ221bと、に分けて管理できるようにしている。
【0104】
そのため、NFT221の構成は、一つのNFT識別子221aが、一つのNFT用データ221bにだけ対応付けられる1対1対応となるようにしている。なお変形例として、NFT識別子221a及びNFT用データ221bを1つに含んで構成されるNFT221とするようにしてもよい。
【0105】
本実施形態4におけるNFT識別子221aは、個々の識別をするために割り当てられるシリアルID(特定情報)に基づく構成としており、一例として、上述した実施形態1におけるトークン制御情報600を形成してもよい。
【0106】
また、このNFT識別子221aは、ブロックチェーン220に係る処理に基づいて、アドレス(例えばブラウザのウォレットのアドレスや、恒常的に利用するアドレスウォレットアドレス)に対応付けられ、当該対応付けられているアドレスに基づいて、当該アドレスに対応付けられている利用者が、NFT識別子221a及びNFT用データ221bに紐付けられた利用者であることを、当該記録によって証明できるようにしている。
【0107】
本実施形態4におけるNFT用データ221bは、デジタルコンテンツ5eとの関連付けを可能とするデジタル形式の固有データであり、画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせからなる構成とされ、ブロックチェーンネットワーク100に接続されたファイルシステムに基づく所定のデータベース(不図示)に格納させる構成となるようにしている。なお、デジタルコンテンツ5eは、対応するNFT用データ221bと同一又は略同一の画像を含んでもよい。
【0108】
また、NFT用データ221bは、タッチスクリーン4d上に現れるデータ又は現れないデータを含む構成としている。なお、タッチスクリーン4d上に現れないデータとは、例えば、NFT用データ221bの管理用のデータであり、例えば、有効期限管理データなどになる。
【0109】
また、前述の不図示とした所定のデータベースは、例えば、Arweaveなどの分散型ストレージ(言い換えると、永続性を備える情報記録装置)、或いは、アクセス制御機能やデータ更新機能を備えた専用のサーバ装置などとすることにより、格納されたNFT用データ221bへの外部からのアクセスをコントロール可能な構成とされ、NFT用データ221bに対応付けられたNFT識別子221aに関するアクセスがある場合、そのNFT識別子221aに対応付けられたNFT用データ221bへのアクセスを許可することができるようにし、NFT用データ221bに対応付けられたNFT識別子221a以外に関するアクセスがある場合、そのアクセスを拒否することができるものとしている。
【0110】
なお応用例として、本実施形態4ではNFT識別子221aとNFT用データ221bとを1対1で対応付けてなる構成としているが、NFT識別子221aの所有者が変更されると、それに伴って、NFT用データ221bの所有者も変更されるようにしてもよい。すなわち、NFT221の取引(第三者に販売・譲渡)をできるようにしてもよい。
【0111】
次いで、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいて、上述したXR再生の終了(ミニゲーム終了条件の達成)となることに基づいてNFT221の取得要求を管理サーバ210が受信可能な状態とされ、その結果として発行されたNFT221が、モバイル装置4側(ブラウザのウォレット)に保管されることに基づいて、図15(C)に示すようなNFT221(NFT識別子221a及びNFT用データ221b)の発行完了の報知として、NFT用データ221bと関連付けされたデジタルコンテンツ5eに関する表示(一例として、飛行機)がモバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいて行われることとなる。
【0112】
また、この際において、図15(C)のタッチスクリーン4dの下方領域に表示される“特設サイトに進む”の画像5hに係る所定表示領域を押すことで、利用者にNFT221を取得させる固有特典(プラスアルファの付加価値)として、図15(D)に示すようなアクセス制限をしている特別なWEBサイトに移行させること(限定コンテンツの開示)をできるようにしている。
【0113】
そして、図15(D)に示す特別なWEBサイト(タッチスクリーン4dの下方領域)にて表示される“NFT一覧”の画像5iに係る所定表示領域部を押す操作がされた場合に、図15(E)に示すようなサイト画面に移行して、ブロックチェーン220上において可視化ができるようにされる1又は複数のNFT221の取得履歴の確認をできるようにするとともに、利用者の行動やスキルの証明書(例えば、ミニゲームのクリア証明)として機能させ得るようになる。
【0114】
なお応用例として、このNFT221の配布後において、当該NFT221を証票とした「その場に居た証明」又は「参加証明」のフラグとして活用可能にさせることにより、トークングラフマーケティング(例えば、スタンプラリー)に用いることができる構成となるようにしてよい。
【0115】
以上により、利用者によるモバイル装置4を用いた所定操作によって、ブロックチェーンネットワーク100へのアクセスに必要な資格情報(URLやログイン情報など)を取得可能とさせることに基づいて、シームレス(専用アプリのインストールが不要)に、デジタルコンテンツ5eの表示(XR体験)を可能にするとともに、NFT221の発行及び当該NFT221を利用者に対応付け可能とする配布をできるようにすることで、利用者によるNFT221の取得に関する付加価値性を高めて、システム運営(利用者がクローズドなコミュニティを利用可能な状態)を効果的に支援することができるようになる。
【0116】
なお、本実施形態4における管理サーバ210、WEBサーバ230、モバイル装置4は、プロセッサ及びこのプロセッサと接続するメモリを備えるコンピュータに基づいて構成される情報処理装置となるようにしている。そして、メモリは、プロセッサによって実行させ得るコンピュータプログラム(コンピュータの実行処理に関するプログラムコード)が格納されており、プロセッサによってメモリに格納されたコンピュータプログラムを読み出させて所定の実行処理をできるようにしている。なお、メモリは、一例として、一次記憶装置(RAMなど)及び二次記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)など)を備える装置構成となるようにしている。
【0117】
また本実施形態4では、上述したXR再生の終了(ミニゲーム終了条件の達成)に基づいて管理サーバ210にNFT221の取得要求をできるようにしたが、静止画又は所定アニメーション(例えば、コマーシャルメッセージ)に係るデジタルコンテンツ5eの表示完了に基づいて管理サーバ210にNFT221の取得要求を可能となるようにしてもよいし、デジタルコンテンツ5eに係る所定の音楽再生が終了することに基づいて管理サーバ210にNFT221の取得要求を可能となるようにしてもよいし、モバイル装置4のGPS機能を使用しながら移動することでデジタルコンテンツ5eの捕獲・育成・バトルなどのゲームをタッチスクリーン4d上で行わせた結果に基づいて管理サーバ210にNFT221の取得要求を可能となるようにしてもよい。
【0118】
また、利用者によるデジタルコンテンツ(ゲームやオーディオ等を含む任意のコンテンツ)の体験後、又は体験中、かつNFT221の発行(トークンと利用者に対応付け可能とする)となる前に、当該デジタルコンテンツの体験を少なくとも経ることでNFT221の発行要求をできるようにする所定のインタラクティブ制御をできるようにしてもよい。これにより、例えば、デジタルコンテンツの体験を起因とするインタラクティブ制御に関する情報(トークン関連情報)を出力可能にすることで、利用者によるトークン取得要求の入力操作又は自動的なトークン取得要求の実行を可能とすることができるようになる。
【0119】
また、上述したXR再生におけるデジタルコンテンツ5eの表示態様のパターン種類(バリエーション)を複数設けるようにして、デジタルコンテンツ5eが所定の表示態様となる場合のパラメータの値に基づいて、NFT221の種類を互いに異なるもの(デジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトの形状や色彩を変化させる)とするようにして発行・配布をできるようにしてもよいし、XR再生の終了させるミニゲームの結果(ゲームクリアの達成度合、リザルト情報)に関するパラメータの値に基づいて、NFT221の種類を互いに異なるものとするようにして発行・配布をできるようにしてもよい。この場合、例えば達成度合やリザルトが良好であるほど、希少価値の高い(例えば発行数が少ない)種類のNFT221が設定されてもよい。また、この場合、XR再生中に、その時点で終了した場合に得られるNFT221の種類の情報が視認可能に出力されてもよい。
【0120】
ここで、NFT221の種類は、発行元により決定されるものであり、任意であるが、XR再生におけるデジタルコンテンツ5eに関連した画像データを含んでもよい。例えば、NFT221は、ミニゲームの結果(ゲームクリアの達成度合、リザルト情報)に関するパラメータの値を含む画像データを含んでもよい。
【0121】
また本実施形態4におけるデジタルコンテンツ5eは、任意であり、例えば、ブロックチェーンネットワーク100を介してデータベース240に事前登録された所定の知覚情報(画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせに係る情報)を利用可能とさせるプログラミング言語(アプリケーション)の実行に関する提供処理に基づいて、モバイル装置4を介して当該知覚情報の呼び出しが可能なデジタル形式で構成されるコンテンツであるようにしてよい。
【0122】
また本実施形態4では、読取用コード5c及びARマーカー5dが、配信媒体5の表面5a及び裏面5bに分散して付されていているようにしたが、どのような形態であってもよい。例えば、変形例として、配信媒体5における表裏いずれかの同一面内に付されているようにしてもよい。また、所定の配信媒体5に読取用コード5cを付すとともに、所定外となる他の配信媒体5にARマーカー5dを付すように分けてもよい。また、配信媒体5は、所定商品、レシート、商品の包装やタグなどの媒体であってもよい。例えば、ある商品を購入した場合に得られるレシートとすれば、当該商品の販促ツールとして機能できる。なお、配信媒体5は、画面に表示される表示媒体やメタバース空間内に配置可能なオブジェクトの形態であってもよい。
【0123】
また、本実施形態におけるARマーカー5dは、配信媒体5に付される識別図柄5d’に係る風景絵柄(白黒の図形、特定の写真、イラスト、文字、等の平面画像でもよい)としたが、これに限られない。例えば、位置情報(GPS情報)や、カメラやセンサ等を通じて得られる現実世界の空間情報(高低差や大きさ、奥行き等)、特定の三次元の立体物(例えば、顔、体、風景)、マイクなどにより得た音声情報、を事前登録することでARマーカー5d(XR再生のトリガー)となるようにする対応をさせてもよい。
【0124】
また本実施形態4における配信手段500の他の例として、アクセス先となるWEBサーバ230のドメイン含む“URL”の情報からなる所定のデータ配布(利用者端末にダウンロードした所定のローカルデータ、アプリケーションを含む)とするようにしてもよい。また、モバイル装置4を用いた所定操作条件の成立(関連商品の購入情報、位置情報、音楽情報、時間情報などの取得)に基づいて、ブロックチェーンネットワーク100(所定サイト、所定サーバ)のアクセスに必要な資格情報(URLやログイン情報など)を取得可能とさせるようにしてもよい。
【0125】
また本実施形態4における利用者端末400の他の例として、タブレット、PC、ウエアラブルデバイス(眼鏡型のデバイスなど)、ヘッドマウントディスプレイとするようにしてもよい。
【0126】
[実施形態4に係る情報処理フロー]
図16は、NFT221の取得要求をサーバ(管理サーバ210)に対して送信可能とするとともに、その結果として発行されたNFT221をウォレット(モバイル装置4側又はブロックチェーン220側)に保管できるようにする処理手順である。以下において、本処理手順の説明をする。
【0127】
まず、利用者によって図15(A)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによって配信媒体5に付された読取用コード5cを読み取らせること起因とする立ち上げ処理を行わせ、このことによりアクセスが可能とされるブロックチェーンネットワーク100に接続されるサーバ(WEBサーバ230などの情報処理装置)の特定を可能とし、この特定に基づくサーバとの通信制御により能動化されるモバイル装置4側のブラウザに係る処理として、ARマーカー5dを撮影可能とするカメラ4cの動作設定、及び、NFT221を保管可能とするためウォレットを構築する(例えば、ブラウザのウォレットを自動生成する)ことが可能されることとなる。
【0128】
また、前述のブラウザに係る処理(以下、“ブラウザ機能”とも称す)として、ウォレットに係るユニークなアドレス(NFT221Aを保管するためのアクセス先)を確認可能とすることとなる(ステップS3001)。
【0129】
なお、本実施形態4におけるウォレットのアドレスは、個々の識別をするために割り当てられる識別子であるID(IDENTIFICATION)の機能を有する。なお、ウォレットのアドレスが、ブラウザのウォレットのアドレスでなく、ウォレットアドレス(恒常的に利用するアドレス)である場合、ブロックチェーン220の性質上、全て公開可能なものとされる。ここから、ブロックチェーン220上では、個人名ではなく、ウォレットアドレスに保管される改ざんできない唯一無二のNFT221に含まれる情報に基づいて、所有しているNFT221がどのようなタイプ(類型)なのかといった情報(個人の趣味嗜好を示す特定のNFT、寄付のNFT、イベント参加証明のNFT、等の情報)をガラス張りのようにオープンにすることができ、利用者の行動やスキルの証明書として機能させることができるようになる。
【0130】
次いで、図15(B)に示すような姿勢態様にして、前述のブラウザ機能(ARマーカー認識部232に係る処理)に基づいて能動化されるカメラ4cによってARマーカー5d5d(識別図柄5d’)を撮影することによりスキャン(画像解析)を実行させ、その結果として認識されたARマーカー5dと紐付けられているデジタルコンテンツ5eをデータベース240から呼び出して、タッチスクリーン4d(端末表示部)上でデジタルコンテンツ5eに係る3Dオブジェクトを用いたXR再生(動画、ミニゲームを含む)をできるようにする(ステップS3002)。
【0131】
なお本実施形態4では、ステップS3003に基づいて確認したウォレットのアドレスと、過去にXR再生を行うときに使用され所定のサーバに保管されることとなったウォレットのアドレスとの一致判定が行うようにされる。そのため、この一致判定に基づいて既に保管されているウォレットのアドレスと同じとなった場合には、エラーとするようにして本処理手順の終了となる構成にしている。すなわち、XR再生は、一利用者に対して1回しか実行できないようにしている。また、このことにより、後述するNFT221の配布についても、一利用者に対して1回しか実行できないようにしている。ただし、制限回数は任意(制限無しを含む)であり、所定増減条件(ユースケース)に応じて増減可能とされてもよい。
【0132】
次いで、前述したXR再生が終了(ミニゲーム終了条件の達成)することに応じてアクセスが可能とされるブロックチェーンネットワーク100に接続されるサーバ(管理サーバ210などの情報処理装置)に対して、NFT221の取得要求、及びステップS3001において確認した「ウォレットのアドレスの情報」の送信を実行可能にする(ステップS3003)。
【0133】
ステップS3003での取得要求を受信したサーバは、スマートコントラクト222に係る処理を行わせることにより推測困難な署名対象文字列に係る識別データ(キーワード・日付)を生成させ、受信したウォレットのアドレスに紐付けられるモバイル装置4におけるブラウザ機能に対して識別データを送付可能とするとともに、当該識別データをベースとした署名送付に関する応答要求をさせ得るようにする(ステップS3004)。なお、署名対象文字列に係る識別データは、スマートコントラクト222を介さずに生成されてもよい。
【0134】
ステップS3004での識別データを受信したモバイル装置4は、ブロックチェーンネットワーク100において構築されるウォレットに対して規定のハッシュ関数(所定の計算手順)を用いてハッシュ値にする算出(固定長の数値へ変換)を行うようにさせるデータへの署名要求をし(ステップS3005)、この署名要求を受けたウォレットにより算出されたハッシュ値(固有値情報)を第1署名情報として生成をさせて、この第1署名情報を前述の署名送付の応答として準備対応をできるようにする(ステップS3006)。
【0135】
そして、ステップS3003にて応答要求をしたサーバに対して、引き続き行われる前述のブラウザ機能に基づいて、ステップS3001にて確認した「ウォレットのアドレスの情報」と、ステップS3006にて生成された「第1署名情報」と、プラスアルファとして取得可能な「追加情報」とからなるセット情報にして送付をできるようにする(ステップS3007)。
【0136】
ステップS3007でのセット情報を受信したサーバは、先ず、当該セット情報に含まれるウォレットアドレスと、前段のステップS3003にて取得したウォレットアドレスとが一致する判定となった場合に、ステップS3004にて生成をした識別データを規定のハッシュ関数を用いてハッシュ値にする算出のデータに係る第2署名情報を生成し、当該セット情報に含まれる第1署名情報と一致するか否かの署名検証を行うようにする(ステップS3008)。このステップS3008におけるウォレットアドレスの一致判定、又は、署名検証において、一致しない判定となった場合にはエラーとするようにして、本処理手順の終了となる構成にしている。
【0137】
なお、ステップS3006にて生成される第1署名情報(又は、前述のセット情報)は、公開鍵や秘密鍵などを用いてハッシュ値を暗号化するようにして署名送付の応答できるようにさせてもよい。この暗号化を行う場合は、ステップS3008において、暗号化された第1署名情報(又は、前述のセット情報)を公開鍵や秘密鍵などを用いて復号する過程が追加されることになる。
【0138】
次いで、ステップS3008において正常な署名検証となった場合に、前述の受信したセット情報に含まれる追加情報の正当性判定を行うようにする(ステップS3009)。
【0139】
なお、本実施形態4における追加情報とは、ステップS3003において、モバイル装置4におけるブラウザ機能に基づいて取得可能とさせる現在位置の情報、XR再生に基づく画面情報、読取用コード5cの読み取りから得られる情報と紐付く商品関連の情報などのいずれかであり、これらいずれかの情報と前述の受信したセット情報に含まれる追加情報との一致判定を行うことにより、正当性判定を行わせる構成としている。また、追加情報は、例えば、対応するデジタルコンテンツ5eの表示(XR体験)に関連した情報を含んでよい。例えば、追加情報は、デジタルコンテンツ5eの表示画面(例えばリザルト画面)に係る画像情報(例えばスクリーンショット)を含んでもよい。
【0140】
そして、追加情報の正当性を満たす判定となった場合に、ステップS3008にて一致判定となったウォレットのアドレスに基づくウォレットに対してNFT221を保管させる配布をできるようにすることで(ステップS3010)、本処理手順の終了となる。
【0141】
また、このステップS3009における追加情報の正当性判定において、正当性を満たさない判定となった場合にはエラーとするようにして、本処理手順の終了となる構成にしている。したがって、高い安全性(不正対策)を確保した上で、サーバ側からモバイル装置4側のウォレットに対してNFT221の配布を行うことができるようになる。ただし、変形例では、ステップS3004からステップS3009のうちの一部又は全部が省略されてもよい。
【0142】
なお、本実施形態4におけるウォレットに関し、モバイル装置4側におけるブラウザのキャッシュ部分となるように構築する場合は、NFT221の発行を行う場合において、ブラウザのウォレットに配布させる当該NFT221の情報を記録する読取用コード(例えば、QRコード)化をさせてなる復元用画像データを生成して、利用者に提供できる構成となるようにしている。
【0143】
そして、NFT221の配布の際に提供された復元用画像データを利用者によってキャプチャできるようにすることで、ブラウザのウォレットに配布されるNFT221のバックアップを実現可能にしている。ここで、変形例として、手動的又は自動的に復元用画像データを所定のウォレット(例えばスマートフォン内のローカルストレージや、ブロックチェーン220上のクラウドストレージ)に保存可能となるようにしてもよい。また、読取用コード化に係る復元用画像データの生成は、モバイル装置4側で生成してもよいし、所定のサーバ側で生成してモバイル装置4側に通知させるようにしてもよい。
【0144】
以上により、本実施形態の情報処理装置(サーバ装置)は、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワークに接続可能な情報処理装置であって、利用者が有する利用者端末からの要求実行に応じて、前記ネットワークを介してデジタルコンテンツの呼び出し(視聴等の体験)が当該利用者端末の表示部にて行われた場合に、前記ネットワーク上で流通可能なトークンを、前記要求実行に基づいて得られる特定情報(シリアルIDとなるよう生成された情報、利用者端末に対して固有に付されたアドレス情報、等)を用いて前記利用者に対応付けること(トークンの発行/配布や、所有/管理などの実行制御を含む)を可能とする所定処理を実行可能とすることができるようになる。
【0145】
また、本実施形態において、前記デジタルコンテンツは、仮想現実、拡張現実又は複合現実の少なくともいずれかの視聴技術(XR再生)に基づくデジタル形式で構成され、前記利用者端末の表示部にて呼び出し可能とされるコンテンツとしてよい。
【0146】
また、本実施形態において、前記デジタルコンテンツが所定の表示態様となる場合のパラメータの値に基づいて、前記トークンの種類を変化(特別の表示態様となる場合に、通常とは異なるトークン態様にするなど)させるようにしてよい。
【0147】
また、本実施形態において、前記利用者端末を用いた所定操作条件の成立(例えば関連商品の購入など)に基づいて、前記ネットワークへのアクセスに必要な資格情報(URL、ログイン情報など)を取得可能にするようにしてよい。
【0148】
また、本実施形態において、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通するトークンを制御するシステムであって、利用者が有する利用者端末が前記ネットワークに接続される情報処理装置にアクセスするのに必要な所定の資格情報を取得することに基づいて、当該利用者端末に対して所与情報(ARマーカー)の取得が可能な入力制御状態にさせる要求処理を実行可能とし、前記利用者端末が前記所与情報の取得をすることに基づいて、前記ネットワークを介してデジタルコンテンツを当該利用者端末の表示部にて表示可能とさせる提供処理を実行可能にし、前記利用者端末の表示部にて前記デジタルコンテンツが所定の表示態様(XR体験)となることに基づいて、前記ブロックチェーンに係るデータベースにおいて固有(所有者の記録又は管理が可能)とされる特定情報を含む前記トークンの発行を可能とさせる発行処理を実行可能とし、前記発行処理の実行となることに基づいて所定記憶領域(ブラウザのキャッシュ)に前記トークンの取得又は管理に関する情報を格納させ、前記特定情報を所有する前記利用者として対応付けを可能とする配布処理を実行可能とするようにしてよい。
【0149】
また、本実施形態において、前記所与情報は、前記利用者端末の取得に基づいて前記提供処理を実行可能とさせるトリガー用のマーカーとして対応付けされた特定の視覚情報、聴覚情報、又は位置情報の少なくともいずれかを含むようにしてよい。
【0150】
また、本実施形態において、前記所与情報は、さらに、乱数又は特定のルールで設定された一意の一意情報(特定情報であってもよい)が含まれ、前記要求処理又は前記提供処理の少なくともいずれかは、前記一意情報を利用することで前記デジタルコンテンツが1回表示された後の提供処理の実行制限を可能とするようにしてよい。
【0151】
また、本実施形態において、前記発行処理は、前記提供処理における前記デジタルコンテンツを呼び出し可能とする特定アプリケーションにて定められた終了条件(XR再生の終了)を満たすことを契機に開始可能とされるようにしてよい。
【0152】
また、本実施形態において、前記発行処理は、前記提供処理における前記デジタルコンテンツを呼び出し可能とする特定アプリケーションにて定められた達成条件の内容(ゲームクリア、ゲームスコア、コンテンツ達成度合、進捗度合)に応じたパラメータの値に基づいて、発行可能とする前記トークンの種類を互いに異なるものとするようにしてよい。
【0153】
また、本実施形態において、前記デジタルコンテンツは、前記ネットワークを介して所定の前記情報処理装置に事前登録された知覚情報を利用可能とさせるプログラミング言語(アプリケーション)の実行に関する前記提供処理に基づいて、前記利用者端末を介して前記知覚情報の呼び出しをして出力が可能なデジタル形式で構成されているコンテンツであるようにしてよい。
【0154】
また、本実施形態において、前記デジタルコンテンツは、前記ネットワークを介して所定の前記情報処理装置に事前登録されたオブジェクトを閲覧可能とさせるプログラミング言語の実行に関する前記提供処理に基づいて、前記利用者端末による撮影によって前記表示部に表示される現実世界に対して前記オブジェクトを追加して見せる拡張現実の体験(受動的/能動的/仮想的に感得させる再生処理を含む)を提供可能なデジタル形式で構成されているコンテンツあるようにしてよい。
【0155】
また、本実施形態において、前記利用者端末の前記所定記憶領域(ウォレット)は、前記入力制御状態とするときに、前記利用者端末の表示部において前記デジタルコンテンツの閲覧を可能とさせるよう能動化が行われるブラウザのメモリ機能部に構築(自動的な生成を含む)されるようにしてよい。
【0156】
また、本実施形態において、前記発行処理は、前記ネットワークに接続される所定の情報処理装置から前記ブラウザに対して署名対象情報を配信し、前記ブラウザに係る機能処理に基づいて前記署名対象情報を所定の計算手順(ハッシュ関数)により算出される固有値情報に変換する応答を可能にし、前記応答となる前記固有値情報の検証に基づいて正当性が確立した場合に前記トークンを発行可能とするようにしてよい。
【0157】
また、本実施形態において、前記配布処理は、さらに、前記発行処理を実行又は前記正当性が確立することに基づいて前記発行された前記トークンの復元をできるようにする復元情報を生成可能とし、前記トークンとともに前記復元情報を前記所定記憶領域に格納可能とさせるようにしてよい。
【0158】
また、本実施形態において、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワークに接続可能な情報処理装置によって実行される方法であって、利用者が有する利用者端末からのアクセスに基づいて、当該利用者端末に対して所与情報(ARマーカー)の取得が可能な入力制御状態にさせる要求ステップと、前記利用者端末が前記所与情報の取得をした場合に、前記ネットワークを介してデジタルコンテンツを当該利用者端末の表示部にて表示可能とさせる提供ステップと、前記利用者端末にて前記デジタルコンテンツが所定の表示態様(XR体験表示)となる場合に、前記ブロックチェーンに係るデータベースにおいて固有とされる特定情報を含む前記トークンの発行を可能とさせる発行ステップと、前記利用者端末における所定記憶領域(ブラウザのキャッシュ)に前記トークンの取得又は管理に関する情報を格納させ、前記特定情報を所有する前記利用者として対応付けを可能とする配布ステップと、を含む方法とするようにしてもよい。
【0159】
[実施形態5]
図17図20は、トークンをコンバージョンさせて管理するための方法を含むシステム(別の実現方法)を示すものである。本開示では、利用者によるトークンの利用に関する付加価値性を高めてシステム運営を効果的に支援可能とすることを目的とする。
【0160】
以下、図17図20に係る説明をする。この場合において、配信手段500を“配信媒体(所定の流通カード、クーポン、ギフト、チケットなど)5”であるものとする例示とし、利用者端末400を“モバイル装置(スマートフォン)4”であるものとする例示として説明をする。
【0161】
図17に示す配信媒体5は、商品の販売促進などの所定目的(マーケティング戦略)をもって配布(取得意思を示す任意の利用者ごとのバラ撒き)がされ得る所定の配信媒体5の表面5aにおいて、読取用コード5c(数字、文字、記号、又はそれらの2種以上の組み合わせ)が付されるものとしている。詳細には、紙製又はプラスチック製などの基材面において、読取用コード5cを物理的に印刷、貼り付け、又は刻印などの処理を施してなる配信媒体5の構成としている。なお、配信媒体5は、画面に表示される表示媒体やメタバース空間内に配置可能なオブジェクトの形態であってもよい。
【0162】
ここで、本実施形態5における「読取用コード5c」は、モバイル装置4のカメラ4cによって読み取り可能なマトリックス型2次元コード(デンソーウェーブの登録商標となるQRコード)の形式に基づく構成にしているが、1次元コードなどの他の形式に基づくコードであってもよい。
【0163】
先ず、図18(A)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによってタッチスクリーン(表示パネル+タッチパネル)4dに読取用コード5cを撮影して読み取らせることにより、アクセス先となる管理サーバ210のドメイン含むURL(Uniform Resource Locator)、及び、管理サーバ210にログインするためのログインIDなどの情報特定をモバイル装置4におけるローカル制御部401にて実行可能とすることに基づいて、この情報特定に係る管理サーバ210へのアクセスを促す処理として指示画像4eをタッチスクリーン4dに呼び出しする表示が行われるようになる。
【0164】
そして、利用者によってタッチスクリーン4dに呼び出しされた指示画像4eに係る所定表示領域部を押す操作がされた場合に、前述の情報特定に係る管理サーバ210へのログイン要求が実行可能にされ、その結果として、管理サーバ210の制御部に係る処理(サーバアプリケーション)に基づいてモバイル装置4との通信制御の確立が行われ、この通信制御の確立に基づくモバイル装置4のローカル制御部401に係る処理(ブラウザ/クライアントアプリケーション)の起動により、所定のコンテンツを閲覧させるためのラウザ(ソフトウェア)の能動化が行われるようになる。
【0165】
またこの際に、前述したブラウザのローカルストレージにおいて、改ざんできない唯一無二のノンファンジブルトークン(非代替性トークン)221を保管可能とするブラウザのウォレット(不図示)が自動生成されてもよい。
【0166】
そして、図17に示すブロックチェーン220において取引が記録可能とされるNFT(非代替性トークン)221の取得要求を管理サーバ210に対して送信可能とするとともに、この取得要求に応答して発行可能とされるNFT221をウォレットのアドレス(例えばブラウザのウォレットのアドレスや、恒常的に利用するアドレスウォレットアドレス)に対応付けるようにしている。
【0167】
本実施形態5における管理サーバ210は、複数のモバイル装置4(ノード端末110/コンピュータ)を相互に接続可能とするP2P(Peer to Peer)のブロックチェーンネットワーク100に接続され、運営システム101において必要とされる運用・管理処理ができる装置構成にしている。なお、本実施形態5における管理サーバ210の機能は、一例として、上述した実施形態1におけるトークン制御処理受付部300により実現されてもよい。
【0168】
また、図17に示すブロックチェーンネットワーク100との接続に基づいて構成されるブロックチェーン220にてNFTの記録部223(ウォレット)を設けるようにすることで、NFT221A(又は、後述するNFT221B)の所有者、及び、NFT221A(又は、NFT221B)の取引記録や後述するコンバージョンが行われた旨の履歴を開示し得るようにしている。なお取引記録は、過去の所有者に関する情報も含み得るようにしてもよい。
【0169】
また管理サーバ210は、図17に示すブロックチェーン220上におけるコントラクトアドレス(不図示)に対応付けられるスマートコントラクト222(後述するスマートコントラクト222A又はスマートコントラクト222B)の制御を可能とすることで、この制御に係る結果としてNFT221A又はNFT221Bを発行させて配布をできる構成となるようにしている。
【0170】
なお、本実施形態5におけるウォレット又はコントラクトのアドレスは、NFT221又はスマートコントラクト222が格納されるアカウント(NFT221を所有する利用者の識別)として機能するユニークなブロックチェーンアドレスとなるように構成される。
【0171】
また、本実施形態5におけるスマートコントラクト222Aは、管理サーバ210が個々のモバイル装置4から取得要求を受けることに基づいて所定のプロトコルを自動的に実行可能とするコンピュータプロトコル(ソフトウェア/コンピュータプログラム)の構成とされ、NFT221Aを発行するための実行処理をできるようにしている。
【0172】
また、本実施形態5におけるスマートコントラクト222Bは、管理サーバ210が個々のモバイル装置4から取得要求を受けることに基づいて所定のプロトコルを自動的に実行可能とするコンピュータプロトコル(ソフトウェア/コンピュータプログラム)の構成とされ、NFT221Bを発行するための実行処理をできるようにしている。
【0173】
ここから、スマートコントラクト222の実行機能(トークン処理部)200においてNFT221A(又は、NFT221B)の発行を可能にするとともに、他のNFT221と区別される独自の価値構成(非代替性)を備えさせるようにすることで、改ざんできない唯一無二となるようにしている。
【0174】
また、本実施形態5に係るNFT221A(又は、NFT221B)は、NFTの記録部223において他のNFT221A(又は、他のNFT221B)と区別するための固有(ユニーク)なNFT識別子221a(又は、後述するNFT識別子221c)と、NFT識別子221aに対応付けられたNFT用データ221b(又は、後述するNFT用データ221d)と、に分けて管理できるようにしている。
【0175】
そのため、NFT221A(又は、NFT221B)の構成は、一つのNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)が、一つのNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)にだけ対応付けられる1対1対応となるようにしている。なお変形例として、NFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)及びNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)を1つに含んで構成されるNFT221とするようにしてもよい。
【0176】
本実施形態5におけるNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)は、個々の識別をするために割り当てられる、シリアルID(特定情報)に基づく構成としており、一例として、上述した実施形態1におけるトークン制御情報600を形成してよい。
【0177】
また、このNFT識別子221aは、ブロックチェーン220に係る処理に基づいて、アドレス(例えばブラウザのウォレットのアドレスや、恒常的に利用するアドレスウォレットアドレス)に対応付けられ、当該対応付けられているアドレスに基づいて、当該アドレスに対応付けられている利用者が、NFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)及びNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)に紐付けられた利用者であることを、当該記録によって証明できるようにしている。
【0178】
本実施形態5におけるNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)は、デジタルコンテンツ5e1(又は、後述するデジタルコンテンツ5e2もしくはデジタルコンテンツ5e3)との関連付けを可能とするデジタル形式の固有データであり、画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせからなる構成とされ、ブロックチェーンネットワーク100に接続されたファイルシステムに基づく所定のデータベース(不図示)に格納させる構成となるようにしている。
【0179】
また、NFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)は、タッチスクリーン4d上に現れるデータ又は現れないデータを含む構成としている。なお、タッチスクリーン4d上に現れないデータとは、例えば、NFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)の管理用のデータであり、例えば、有効期限管理データなどになる。
【0180】
また、前述の不図示とした所定のデータベースは、例えば、Arweaveなどの分散型ストレージ(言い換えると、永続性を備える情報記録装置)、或いは、アクセス制御機能やデータ更新機能を備えた専用のサーバ装置などとすることにより、格納されたNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)への外部からのアクセスをコントロール可能な構成とされ、NFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)に対応付けられたNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)に関するアクセスがある場合、そのNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)に対応付けられたNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)へのアクセスを許可することができるようにし、NFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)に対応付けられたNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)以外に関するアクセスがある場合、そのアクセスを拒否することができるものとしている。
【0181】
なお応用例として、本実施形態5ではNFT識別子221a(又は、NFT識別子221c)とNFT用データ221b(又は、NFT用データ221d)とを1対1で対応付けてなる構成としているが、NFT識別子221aの所有者が変更されると、それに伴って、NFT用データ221bの所有者も変更されるようにしてもよい。すなわち、NFT221の取引(第三者に販売・譲渡)をできるようにしてもよい。
【0182】
次いで、利用者によってモバイル装置4のタッチスクリーン4dに呼び出しさせた指示画像4eに係る所定表示領域部を押す操作がされることに基づいて、NFT221Aの取得要求をスマートコントラクトA(又は管理サーバ210)が受信可能な状態とされ、その結果として発行されたNFT221A(NFT識別子221a及びNFT用データ221b)が、モバイル装置4側(ブラウザのウォレット)に保管されることに基づいて、図18(B)に示すようなNFT221Aの発行完了の報知として、「NFT―Ver.1」の表記とともに、NFT用データ221bと関連付けされたデジタルコンテンツ5e1(一例として、カブト虫の蛹のオブジェクト)がモバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいて表示可能にされることとなる。
【0183】
なお、NFT221Aの取得方法(利用者への付与方法)は、任意であり、例えば、上述した実施形態4による方法で利用者に取得させてもよい。
【0184】
本実施形態5では、前述のモバイル装置4のブラウザ用メモリ領域においてプログラム展開をさせるようにして実行環境をブラウザベースとする技術(アプリケーション)の制御に基づいて、そのままシームレス(専用アプリのインストールが不要)に、タッチスクリーン4dにデジタルコンテンツ5e1(又は、デジタルコンテンツ5e2もしくはデジタルコンテンツ5e3)を表示させることのできる構成としている。
【0185】
また、この際において、図18(B)のタッチスクリーン4dの下方領域に表示される“特設サイト”の画像5hに係る所定表示領域を押す操作がされることで、利用者にNFT221Aを取得させる固有特典(プラスアルファの付加価値)として、図18(E)に示すようなアクセス制限をしている特別なWEBサイトに移行可能にさせて、ブロックチェーン220上において可視化ができるようにされる1又は複数のNFT221の取得履歴の確認をできるようにするとともに、利用者の行動やスキルの証明書(例えば、コンバージョンが行われた旨の履歴成果)として機能させることをできるようにしている。
【0186】
ここから、このNFT221Aの配布後において、当該NFT221を証票とした「その場に居た証明」又は「参加証明」のフラグ(証明書)として活用可能にさせることにより、ミッション設定(例えば、スタンプラリー)に用いることができる構成となるようにしてよい。
【0187】
次いで、図18(C)に示すような姿勢態様にして、配信媒体5を配布する主体(販売店など)が意図する所定エリア(ショッピングモールなど)に設置するようにした認証装置250(例えば、キャッシュレジスター)に搭載されているカメラ250aによって、タッチスクリーン4dに表示されたデジタルコンテンツ5e1を撮影して読み取らせて、ブロックチェーン220に対してNFT221Aの所有に関する認証要求の通知を可能とし、その結果として当該認証が正常に行われる場合に、所定のデータベース(不図示)に格納されているデジタルコンテンツ5e2(一例として、国内生息するカブト虫の成長体のオブジェクト)を呼び出して、デジタルコンテンツ5e1から不可逆的に変化させるコンバージョンに関する処理(成長を概念的に示す表示)を実行可能とさせるとともに、所定サービス(商品の割引きなど)を提供するクーポンに係る処理を実行可能とさせるようにしている。
【0188】
また本実施形態5では、認証装置250にてデジタルコンテンツ5e1を読み取らせた際のブラウザのウォレット、又は、NFTの記録部223におけるNFT221の保管状態(保管されるNFT221の個数、種類、保管期間、など)の情報取得を可能にして、あらかじめ定められた所定条件を満たす場合には、コンバージョンに関する処理を実行可能となるようにしている。コンバージョンに関する処理は、NFT221に関連するパラメータの値を変化させる処理であり、例えば、図18(F)で示すデジタルコンテンツ5e2を、それとは異なるデジタルコンテンツ5e3(一例として、外来種のカブト虫のオブジェクト)に変化させる処理を含む。
【0189】
然るに、本実施形態5では、認証装置250にデジタルコンテンツ5e1を読み取らせてNFT221Aの所有に関する認証を行わせることが、所定条件の成立(すなわちコンバージョン条件の成立)となるようにしており、その結果として、利用者に対してデジタルコンテンツ5e2(NFT識別子221c及びNFT用データ221d)を配布可能となるようにしていることから、達成感及びコンテンツ収集の満足感を提供可能となるようにしている。
【0190】
さらには、利用者によるNFT221Aの提示に基づいて、所定サービス(商品の割引など)の提供が受けられるクーポン機能を発揮できるようにしているため、経済的な満足感も提供できるようにしていることから、所定条件の成立への意欲を向上させることをできるようにしている。
【0191】
所定条件は、任意であるが、NFT221Aの発行元が、拡販や広告効果を高める観点から設定されてもよい。例えば、あるアプリAをダウンロードすることを条件としてNFT221Aが付与される場合、アプリAの実行時に表示されるアプリBに対する広告をクリックした場合やそれに後続してアプリBをダウンロードした場合に所定条件が満たされてもよい。この場合、アプリAとアプリBの拡販や広告効果を高めることができる。
【0192】
したがって本実施形態5では、NFT221Aを取得した複数の利用者のうち、どのくらいがコンバージョン(NFT221Bへの変化)に至ったかの結果に基づいて、実際の利用者の行動に応じて生じる所定条件(何かの申し込み、会員登録、資料請求、商品の注文などを行なった利用)を満たすこととなった割合を示す数値を導き出して、マーケティングに活用することが可能となる。
【0193】
具体的に、複数の利用者の各々に向けて発行されたNFT221Aの発行数と、デジタルコンテンツ5eのコンバージョンが行われた履歴を有するNFT221Aの数又はNFT221Bの発行数との関係(コンバージョン率)を算出する算出処理を可能とし、この算出処理に基づいて得られた算出値の情報を活用することで、市場と顧客の需要を明確にし、それに基づき商品を作り、商品の存在を広く知らせつつ需要を喚起し、そして顧客の需要を満たし、最終的に自社の利益にも繋げる、といった一連の活動支援をすることができるようになる。この関係は、ブロックチェーンネットワーク100上の情報に基づいて精度良く算出できるので、一般的な他のコンバージョン算出方法に比べて、信頼性や精度を大幅に高めることができる。
【0194】
例えば、NFT221Aは、ある期間に、ある商品Aを購入した利用者すべてに付与され、所定条件は、NFT221Aを所持する利用者が商品Bを更に購入した場合に満たされるようなケースを想定する。このケースでは、ある期間に商品Aを購入した利用者の数と、商品Bを更に購入する利用者の数との関係を算出できる。
【0195】
なお、変形例として、不可逆的に変化(コンバージョン)させるデジタルコンテンツ5e2とはせずに、デジタルコンテンツ5e1とデジタルコンテンツ5e2を個々に取得可能とさせて、タッチスクリーン4d上において双方を表示可能となるようにしてもよい。あるいは、更なる所定変化条件の成立時に、可逆的変化が可能とされてもよい。
【0196】
また、デジタルコンテンツ5e1からデジタルコンテンツ5e2に変化、又は、デジタルコンテンツ5e2を追加して取得させるコンバージョンの実行に関して、有効期限を設けるようにしてもよい。
【0197】
また、変形例として、NFT221Aの所有に関する認証を実行可能にする所定条件に関して、利用者の消費行動に関連したパラメータ(ブロックチェーン220に係るネットワーク上で成立可能なGPS機能を使用した移動(来店)結果/所定サイト(商品URL)へのアクセス結果、コマーシャルメッセージの視聴など)、又は、時間の経過に関連したパラメータ(ブロックチェーン220に係るネットワーク上で成立可能な売買・保険等に係る設定契約、結婚記念日などの記念・約束に係る設定日付や設定時間など)に基づいて成立する所定条件となるようにしてもよい。
【0198】
以上により、利用者によるモバイル装置4を用いた所定操作又は所定アプリケーションの起動によって、ブロックチェーンネットワーク100へのアクセスに必要な資格情報(URLやログイン情報など)を取得可能とさせることに基づいて、シームレス(専用アプリのインストールが不要)に、デジタルコンテンツ5e1の呼び出しを可能にした後、所定条件がモバイル装置4側に係る所定処理によって満たされた場合に、デジタルコンテンツ5e1とは異なる表示態様(変化)となるデジタルコンテンツ5e2を表示可能にし、利用者によるNFT221Aの取得後の利用に関する付加価値性を高めて、システム運営(利用者がクローズドなコミュニティを利用可能な状態)を効果的に支援することができるようになる。
【0199】
なお、本実施形態5における管理サーバ210、モバイル装置4、認証装置250は、プロセッサ及びこのプロセッサと接続するメモリを備えるコンピュータに基づいて構成される情報処理装置となるようにしている。そして、メモリは、プロセッサによって実行させ得るコンピュータプログラム(コンピュータの実行処理に関するプログラムコード)が格納されており、プロセッサによってメモリに格納されたコンピュータプログラムを読み出させて所定の実行処理をできるようにしている。なお、メモリは、一例として、一次記憶装置(RAMなど)及び二次記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)など)を備える装置構成となるようにしている。
【0200】
また本実施形態5では、利用者によってモバイル装置4のタッチスクリーン4dに呼び出しさせた指示画像4eに係る所定表示領域部を押す操作がされることに基づいて、NFT221Aの取得できるようにしたが、タッチスクリーン4dに呼び出しをさせたXR再生の終了(ミニゲーム終了条件の達成でもよい)に基づいて管理サーバ210にNFT221の取得要求をできるようにしてもよいし、静止画又は所定アニメーション(例えば、コマーシャルメッセージ)に係るデジタルコンテンツ5eの表示完了に基づいて管理サーバ210にNFT221Aの取得要求を可能となるようにしてもよいし、デジタルコンテンツ5eに係る所定の音楽再生が終了することに基づいて管理サーバ210にNFT221Aの取得要求を可能となるようにしてもよいし、モバイル装置4のGPS機能を使用しながら移動することでデジタルコンテンツ5eの捕獲・育成・バトルなどのゲームをタッチスクリーン4d上で行わせた結果に基づいて管理サーバ210にNFT221Aの取得要求を可能となるようにしてもよい。
【0201】
また、利用者によるデジタルコンテンツ(ゲームやオーディオ等を含む任意のコンテンツ)の体験後、又は体験中、かつNFT221A又はNFT221Bの発行となる前に、当該デジタルコンテンツの体験を少なくとも経ることでNFT221A又はNFT221Bの発行要求をできるようにする所定のインタラクティブ制御をできるようにしてもよい。これにより、例えば、デジタルコンテンツの体験を起因とするインタラクティブ制御に関する情報(トークン関連情報)を出力可能にすることで、利用者によるトークン取得要求の入力操作又は自動的なトークン取得要求の実行を可能とすることができるようになる。
【0202】
また本実施形態5におけるデジタルコンテンツ5eは、ブロックチェーンネットワーク100を介してデータベース240に事前登録された所定の知覚情報(画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせに係る情報)を利用可能とさせるプログラミング言語(アプリケーション)の実行に関する提供処理に基づいて、モバイル装置4を介して当該知覚情報の出力が可能なデジタル形式で構成されるコンテンツであるようにしてよい。
【0203】
また本実施形態5では、読取用コード5cを配信媒体5の表面5aに付されていているようにしたが、変形例として、読取用コード5cの代わりにARマーカーを付すようにしてもよい。また、配信媒体5は、所定商品、レシート、商品の包装やタグなどの媒体であってもよい。
【0204】
また、前述のARマーカーは、配信媒体5に付される識別図柄に係る風景絵柄(白黒の図形、特定の写真、イラスト、文字、等の平面画像でもよい)としてもよいし、位置情報(GPS情報)や、カメラやセンサ等を通じて得られる現実世界の空間情報(高低差や大きさ、奥行き等)、特定の三次元の立体物(例えば、顔、体、風景)、マイクなどにより得た音声情報、を事前登録することでARマーカーとして機能させ得るものとなるようにしてもよい。
【0205】
また本実施形態5における配信手段500又は認証装置250の他の別例として、アクセス先となるWEBサーバ230のドメイン含む“URL”の情報からなる所定のデータ提供(利用者端末にダウンロードした所定のローカルデータ、アプリケーションを含む)とするようにしてもよい。また、モバイル装置4を用いた所定操作条件の成立(関連商品の購入情報、位置情報、音楽情報、時間情報などの取得)に基づいて、ブロックチェーンネットワーク100(所定のコントラクト/所定のサーバ)におけるNFT221A又はNFT221Bの発行要求のために必要な情報取得を可能とさせるようにしてもよい。
【0206】
また本実施形態5における利用者端末400の他の例として、タブレット、PC、ウエアラブルデバイス(眼鏡型のデバイスなど)、ヘッドマウントディスプレイとするようにしてもよい。
【0207】
[実施形態5に係る情報処理フロー(その1)]
図19は、コントラクトA又はBに対する発行要求に基づいて発行されたNFT221A又はBをウォレット(モバイル装置4側又はブロックチェーン220側)に保管できるようにするとともに、NFT221A又はBに関連付けられる画像情報を更新できるようにする処理手順である。以下において、本処理手順の説明をする。
【0208】
まず、利用者によって図18(A)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによって配信媒体5に付された読取用コード5cを読み取らせ、このことを起因としてブラウザの立ち上げ処理を行わせることに基づいて、ブロックチェーンネットワーク100上で動作可能なアプリケーションに係るコントラクトA(スマートコントラクト222A)、又はコントラクトB(スマートコントラクト222B)との通信制御が確立可能となるようにする。
【0209】
そして、前述のブラウザに係る処理(以下、“ブラウザ機能”とも称す)として、前述の通信制御を確立する際に構築されるウォレットのアドレス(NFT221Aを保管するためのアクセス先)を確認可能とすることとなる(ステップS4001)。
【0210】
次いで、前述のブラウザ機能は、ウォレットアドレスの確認を受けたウォレットから、ウォレットアドレスや不正対策に係る署名の情報を受け取りすることができるようにされ(ステップS4002)、当該受け取りが行われたことに基づいて、コントラクトAに対してNFT221Aの発行要求とウォレットアドレスの情報取得を可能とすることとなる(ステップS4003)。
【0211】
次いで、NFT221Aの発行要求を受けたコントラクトAは、スマートコントラクト機能(契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコル)に基づく実行処理により、NFT221Aの発行をするとともに、NFT発行要求時に受け取りをしているウォレットアドレス先のウォレットに当該NFT221Aを保管可能とすることとなる(ステップS4004)。
【0212】
次いで、前述のブラウザ機能は、NFT221Aがウォレットに保管されることに基づいて、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツを表示させるための画像情報要求を可能とし(ステップS4005)、当該画像情報要求を受けたコントラクトAによって、コントラクトBのスマートコントラクト機能に基づく実行処理に基づいてNFT221Aとは異なるNFT221Bが発行されてなる保有状態であるか否かの確認をさせることとなる(ステップS4006)。
【0213】
この確認の際において、コントラクトBからNFT221Bの保有状態ではない旨(保有なし)の情報(ステップS4007)を受けた場合は、コントラクトAによって図18(B)に示すようなデジタルコンテンツ5e1(カブト虫の蛹)をモバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいて表示可能にする画像(変更前)情報の出力を可能とすることとなる(ステップS4008)。
【0214】
次いで、前述のブラウザ機能は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツ5e1が表示可能になることに基づいて、コントラクトAに対してコンバージョン確認を可能とし(ステップS4009)、当該コンバージョン確認を受けたコントラクトAによって、コントラクトBによりNFT221Bが発行されてなる保有状態であるか否かの確認をさせ(ステップS4010)、NFT221Bの保有状態ではない旨の応答(ステップS4011)を受け得るようになるコントラクトAから、コンバージョンなしに関する情報取得が可能とされることとなる(ステップS4012)。
【0215】
次いで、前述のブラウザ機能は、所定のパラメータ(利用者の消費行動又は時間の経過に関連したトリガーなど)に基づいて成立する所定条件が満たされた場合、利用者の所有コンテンツの有無に関する認証処理が実行可能とされ、このことに基づいてコントラクトBに対してNFT221Bの発行要求とウォレットアドレスの情報送信を可能とすることなる(ステップS4013)。そして、コントラクトBにおいてNFT221Bの発行をするとともに、NFT発行要求時に受け取りをしているウォレットアドレス先のウォレットにNFT221Bを保管可能とすることとなる(ステップS4014)。
【0216】
なお、前述の認証処理は、図18(C)に示すような姿勢態様にして、配信媒体5を配布する主体(販売店など)が意図して設置するようにした認証装置250に搭載されているカメラ250aによってタッチスクリーン4dに表示されたデジタルコンテンツ5e1を撮影して読み取らせることを起因として実行可能となるようにしてもよいし、モバイル装置4における前述のブラウザ又は当該ブラウザに係る処理以外の所定プログラムの起動条件が満たされることに基づいて実行可能となるようにしてもよい。
【0217】
次いで、前述のブラウザ機能は、NFT221Bがウォレットに保管されることに基づいて、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツを表示させるための画像情報要求を可能とし(ステップS4015)、当該画像情報要求を受けたコントラクトAによって、コントラクトBによりNFT221Bが発行されてなる保有状態であるか否かの確認をさせることとなる(ステップS4016)。
【0218】
この確認の際において、コントラクトBからNFT221Bの保有状態である旨(保有あり)の情報(ステップS4017)をコントラクトAが受けた場合は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいてデジタルコンテンツ5e1から、図18(D)に示すようなデジタルコンテンツ5e2(カブト虫の成長体)に代替えして表示可能にする画像(変更後)情報の出力を可能とすることとなる(ステップS4018)。
【0219】
次いで、前述のブラウザ機能は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツ5e2が表示可能になることに基づいて、コントラクトAに対してコンバージョン確認を可能とし(ステップS4019)、当該コンバージョン確認を受けたコントラクトAによって、コントラクトBによりNFT221Bが発行されてなる保有状態であるか否かの確認をさせ(ステップS4020)、NFT221Bの保有状態である旨の応答(ステップS4021)を受け得るようになるコントラクトAから、コンバージョンありに関する情報取得が可能とされることとなる(ステップS4022)。
【0220】
なお、変形例として、ブロックチェーンネットワーク100に接続される所定のサーバ(又はアプリケーション)によって、コントラクトAに対するNFT221A又はNFT221Bの発行要求をさせる処理を実行可能とするようにしてもよい。
【0221】
ここで、図19に示す上記の例では、NFT221Aを発行したコントラクトA(スマートコントラクト222A)とは別のコントラクトB(スマートコントラクト222B)における、NFT221Aとは異なるNFT221Bの発行状況、保有状況に基づいてトークンのコンバージョンの実行が決定されるようにしている。しかしながら、トークンのコンバージョンが実行されるための条件は別コントラクトにおけるトークンの発行状況、保有状況に限定されるものではなく、例えば下記の情報に基づいてトークンのコンバージョンの実行が決定されるようにしてもよい。この場合は、図19に示す例におけるステップS4006の処理に代わり、コントラクトAが下記の情報を確認するようにしてよい。
【0222】
ア) NFT221Aを発行したコントラクトA(スマートコントラクト222A)とは別のオラクル(具体的には例えば、ソフトウェアオラクルであり、インバウンドオラクルに分類されるもの)から取得されうる、例えば気温などの社会的な状況に関する情報。
この場合は例えば、気温が所定の閾値以下であったり所定の閾値以上であったりする場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0223】
イ) NFT221Aを所有している利用者の、例えばトークン保有残高などのウォレットの情報。
この場合は例えば、トークン保有残高が所定の閾値以下であったり所定の閾値以上であったりする場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0224】
ウ) NFT221Aに係るオンチェーンに記録されているトークングラフから取得されうる情報。
この場合は例えば、NFT221Aを所有している利用者が特定のゲームをプレイしていることが確認された場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0225】
エ) NFT221Aに係るオンチェーンから取得される、NFT221Aの取得時に支払った金額。
この場合は例えば、NFT221Aの取得時に支払った金額が所定の閾値以上である場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0226】
オ) NFT221Aに係るオンチェーンから取得される、コントラクトA(スマートコントラクト222A)によるNFT221Aの発行日や発行からの経過時間。
この場合は例えば、NFT221Aの発行日が所定の日付(例えば、誕生日や結婚記念日などの記念・約束に係る日付)である場合や、NFT221Aの発行からの経過時間が所定の閾値以上である場合に、トークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0227】
カ) NFT221Aを発行したコントラクトA(スマートコントラクト222A)での発行済みトークンの総量。
この場合は例えば、発行済みトークンの総量が所定の閾値以上である場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0228】
キ) NFT221Aを発行したコントラクトA(スマートコントラクト222A)における、NFT221Aを所有している利用者のウォレットに保管されているトークンの量。
この場合は例えば、利用者のウォレットに保管されているトークンの量が所定の閾値以上である場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0229】
ク) コントラクトA(スマートコントラクト222A)が発行したNFT221Aがウォレット間で転送された回数。
この場合は例えば、ウォレット間の転送回数が所定の閾値以上である場合にトークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0230】
ケ) NFT221Aを発行したコントラクトA(スマートコントラクト222A)における、NFT221Aを所有している利用者のウォレットに保管されているNFT221AのトークンID、また、NFT221Aを所有している利用者のウォレットとは別のウォレットに保管されているNFTのトークンID。
この場合は例えば、或る系列/種別のNFTの発行順序を表す連続番号(即ち、シーケンス)がNFTのトークンIDとして付与されたうえで、NFT221AのトークンIDが所定の閾値以下である場合や、NFT221AのトークンIDが、別のウォレットに保管されている、NFT221AのトークンIDと同じ系列/種別のトークンIDを有するNFTのトークンIDよりも小さい場合に、トークンのコンバージョンが実行されるようにしてもよい。
【0231】
上記のア乃至ケの情報が所定の条件を満たす場合に、トークン(上記では具体的にはNFT221A)のコンバージョンが実行されるようにしてもよい。なお、上記のウ、エ、オ、ク、ケは、コンバージョンの判定対象であるNFT221A自体に関する情報であって、NFT221Aに係るオンチェーンから取得されうる情報であるといえ、一方、上記のア、イ、カ、キは、NFT221A自体には関係しない情報であって、トークンの実社会における利用に関する情報であるともいえる。
【0232】
[実施形態5に係る情報処理フロー(その2)]
図20は、コントラクトAに対する発行要求に基づいて発行されたNFT221Aをウォレット(モバイル装置4側又はブロックチェーン220側)に保管できるようにするとともに、コントラクトAがサーバからコンバージョン情報更新を受けることによりNFT221Aに関連付けられる画像情報の更新をできるようにする処理手順である。以下において、本処理手順の説明をする。
【0233】
まず、利用者によって図18(A)に示すような姿勢態様にして、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによって配信媒体5に付された読取用コード5cを読み取らせ、このことを起因としてブラウザの立ち上げ処理を行わせることに基づいて、ブロックチェーンネットワーク100上で動作可能なアプリケーションに係るコントラクトA(スマートコントラクト222A)、又はサーバ(管理サーバ210)との通信制御が確立可能となるようにする。
【0234】
そして、前述のブラウザに係る処理(以下、“ブラウザ機能”とも称す)として、前述の通信制御を確立する際に構築されるウォレットに係るユニークなウォレットアドレス(ブロックチェーンネットワーク100を介して配布されるNFT221Aを保管するためのアクセス先)を確認可能とすることとなる(ステップS5001)。
【0235】
次いで、前述のブラウザ機能は、ウォレットアドレスの確認を受けたウォレットから、ウォレットアドレスや不正対策に係る署名の情報を受け取りすることができるようにされ(ステップS5002)、当該受け取りが行われたことに基づいて、コントラクトAに対してNFT221Aの発行要求とウォレットアドレスの情報取得を可能とすることとなる(ステップS5003)。
【0236】
次いで、NFT221Aの発行要求を受けたコントラクトAは、スマートコントラクト機能(契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコル)に基づく実行処理により、NFT221Aの発行をするとともに、NFT発行要求時に受け取りをしているウォレットアドレス先のウォレットに当該NFT221Aを保管可能とすることとなる(ステップS5004)。
【0237】
次いで、前述のブラウザ機能は、NFT221Aがウォレットに保管されることに基づいて、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツを表示させるための画像情報要求を可能とし(ステップS5005)、当該画像情報要求を受けたコントラクトAによって、サーバからコンバージョン更新情報を取得しているか否かのコンバージョン確認に係る判定を行うこととなる(ステップS5006)。
【0238】
ステップS5006の判定において、コンバージョン更新情報を取得していない旨(コンバージョンなし)の結果となる場合は、図18(B)に示すようなデジタルコンテンツ5e1(カブト虫の蛹)をモバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいて表示可能にする画像(変更前)情報の出力を行うこととなる(ステップS5007)。
【0239】
次いで、前述のブラウザ機能は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツ5e1が表示可能になることに基づいて、コントラクトAに対してコンバージョン確認を行うことを可能とし(ステップS5008)、当該コンバージョン確認を受けたコントラクトAによって、サーバからコンバージョン更新情報を取得しているか否かのコンバージョン確認に関する判定を行わせ(ステップS5009)、コンバージョンなしの判定結果とする旨の情報取得をできるようにされることとなる(ステップS5010)。
【0240】
次いで、前述のブラウザ機能は、所定のパラメータ(利用者の消費行動又は時間の経過に関連したトリガーなど)に基づいて成立する所定条件が満たされた場合、所定条件の達成通知(ステップS5011)をサーバに対して行うことでコンバージョン情報更新を実行可能とさせるようにし、サーバからコントラクトAがコンバージョン更新情報の取得(ステップS5012)をできるようにさせた後に続いて、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツを表示させるための画像情報要求を実行可能とすることとなる(ステップS5013)。
【0241】
なお、前述の認証処理は、図18(C)に示すような姿勢態様にして、配信媒体5を配布する主体(販売店など)が意図して設置するようにした認証装置250に搭載されているカメラ250aによってタッチスクリーン4dに表示されたデジタルコンテンツ5e1を撮影して読み取らせることを起因として実行可能となるようにしてもよいし、モバイル装置4における前述のブラウザ又は当該ブラウザに係る処理以外の所定プログラムの起動条件が満たされることに基づいて実行可能となるようにしてもよい。
【0242】
そして、画像情報要求を受けたコントラクトAによって、サーバからコンバージョン更新情報を取得しているか否かのコンバージョン確認に係る判定を行わせ(ステップS50014)、コンバージョン更新情報の取得をしている旨(コンバージョンあり)の結果となる場合は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにおいてデジタルコンテンツ5e1から、図18(D)に示すようなデジタルコンテンツ5e2(カブト虫の成長体)に代替えして表示可能にするための画像(変更後)情報の出力を可能とすることとなる(ステップS5015)。
【0243】
次いで、前述のブラウザ機能は、モバイル装置4のタッチスクリーン4dにデジタルコンテンツ5e2が表示可能になることに基づいて、コントラクトAに対してコンバージョン確認を行うことを可能とし(ステップS5016)、当該コンバージョン確認を受けたコントラクトAによって、サーバからコンバージョン更新情報を取得しているか否かのコンバージョン確認に係る判定を行わせ(ステップS5017)、コンバージョンありの判定結果とする旨の情報取得をできるようにされることとなる(ステップS5018)。
【0244】
なお、変形例として、ブロックチェーンネットワーク100に接続される所定のサーバ(又はアプリケーション)によって、コントラクトAに対するNFT221Aの発行要求をさせる処理を実行可能とするようにしてもよい。
【0245】
以上により、本実施形態の情報処理装置(サーバ装置)は、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能な一のトークンを取得するための利用者による取得要求に基づいて、当該利用者のモバイル装置4(利用者端末)の表示部(タッチスクリーン)に前述のネットワークを介して第1のデジタルコンテンツ(取得したトークンに関連付けられる所定情報/オブジェクト)を表示可能とさせた後、所定条件(例えば、利用者の行動に応じて成立しうる所定条件)が利用者端末を介して満たされた場合に、第1のデジタルコンテンツとは異なる表示態様又はパラメータとなる第2のデジタルコンテンツを前述のネットワークを介して表示可能にさせるコンバージョン処理(所定処理)の実行を可能とすることができるようになる。
【0246】
なお、本実施形態では、一のNFTに関して画像情報(所定情報としての、トークンの表示時の外観に関する情報)の変化は、1段階の変化(例えば蛹から成虫への変化)であるが、2段階以上の変化(例えば卵、幼虫、蛹、成虫)が実現されてもよい。この場合、それぞれの変化に係る所定条件が設定されてよい。また、所定条件は、利用者ごとに異なる態様で設定されてもよい。例えば、初めてNFTを取得するような利用者に対しては、そうでない利用者よりも、所定条件が緩く設定されてもよい。
【0247】
また、本実施形態において、前記所定条件は、前記ブロックチェーンに前記達成応答の通知が可能な認証端末を用いて、前記利用端末によって提示される前記第1コンテンツ(又は、取得要求に基づいて所有することとなったトークン)に関する認証処理が行われることであるようにしてよい。
【0248】
また、本実施形態において、前記所定条件は、前記取得要求に係る関係処理として前記ブロックチェーンに前記達成応答の通知を可能とするコンポーネント(所定のプログラムから呼び出されたり連結されたりして使用されるプログラム部品)を構築可能とし、当該コンポーネントに関する設定とされる条件情報(位置情報、音楽情報、時間情報など)の取得が前記利用者端末にて行われることであるようにしてよい。
【0249】
また、本実施形態において、前記利用者端末は、当該利用者端末を用いた所定操作条件の成立(QR読取りなど)に基づいて前記取得要求の実行、及び、前記ネットワーク上のアドレスに対応可能なトークン保管用記憶部(ウォレット)の構築が可能とされ、前記達成応答となるときの前記トークン保管用記憶部における1又は複数の前記トークンの保管状態の情報に基づいて、前記第2のデジタルコンテンツ、又は、当該第2のデジタルコンテンツとはことなる第3のデジタルコンテンツ(画像情報B’)を表示可能にするようにしてよい。
【0250】
また、本実施形態において、前記トークンを発行する際に、当該トークンの復元をできるようにする復元情報(バックアップ用のQRコード情報)を生成可能とし、前記復元情報を前記トークン保管用記憶部又は所定のバックアップ用記憶部に格納可能にするようにしてよい。
【0251】
また、本実施形態において、前記ブロックチェーンにおいて管理可能となる、発行された前記トークンの数、前記トークンの保管期間、前記トークンに関連付けられた行動データ、前記コンバージョンが行われた数の少なくとも1つに基づいて、発行可能な前記トークンの種類を決定するようにしてよい。
【0252】
また、本実施形態において、前記ブロックチェーンにおいて管理可能となる、発行された前記トークンの数と、前記トークンに対応付けられた第1のデジタルコンテンツが第2のデジタルコンテンツへとコンバージョンが行われた数との関係(コンバージョン率)を算出する算出処理を更に実行するようにしてよい。
【0253】
また、本実施形態において、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通するトークンを制御するシステムであって、利用者が有する利用者端末を用いた所定操作条件の成立(QR読取りなど)に基づいて前記トークンの取得要求を可能とする取得要求処理を実行可能とし、前記取得要求処理の実行となることに基づいて発行させられる前記トークンの配布を示す第1コンテンツ(画像情報A)を、当該利用者端末の表示部に表示させる第1表示処理を実行可能とし、所定条件(例えば、利用者の行動に応じて成立しうる所定条件)が前記利用者端末を介して満たされることによる達成応答に応じて、前記第1コンテンツとは異なる表示態様又はパラメータの第2コンテンツ(画像情報B)の表示をさせる第2表示処理を実行可能とするシステムであるようにしてよい。
【0254】
また、本実施形態において、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワークに接続可能な情報処理装置によって実行される方法であって、利用者が有する利用者端末を用いた所定操作条件の成立(QR読取りなど)に基づいて前記トークンの取得要求を可能とする取得要求ステップと、前記取得要求ステップの実行となることに基づいて発行させられる前記トークンの配布を示す第1コンテンツ(画像情報A)を、当該利用者端末の表示部に表示させる第1表示ステップと、所定条件(例えば、利用者の行動に応じて成立しうる所定条件)が前記利用者端末を介して満たされることによる達成応答に応じて、前記第1コンテンツとは異なる表示態様又はパラメータの第2コンテンツ(画像情報B)の表示をさせる第2表示ステップと、を含む方法とするようにしてもよい。
【0255】
ここで、図20に示す上記の例では、コンバージョン実施時に、所定条件の達成通知(ステップS5011)をサーバに対して行うことでコンバージョン情報更新を実行可能とさせるようにし、サーバがコントラクトAのコンバージョン情報を更新し(ステップS5012)、コントラクトAが提示するトークンURI(図20に示す例では具体的には、画像情報としての画像データのURL)を変更する(ステップS5014、S5015)ようにしている。しかしながら、この態様に限定されるものではなく、コンバージョン実施時に、所定条件の達成通知をウォレットに対して行うことでコンバージョン情報更新を実行可能とさせるようにし、コントラクトAがウォレットからコンバージョン更新情報を取得し、コントラクトAが提示するトークンURI(具体的には、画像情報としての画像データのURL)を変更するようにしてもよい。
【0256】
[実施形態5に係る情報処理フロー(その3)]
図21は、コントラクトAに対する発行要求に基づいて発行されたNFT221Aをウォレット(モバイル装置4側又はブロックチェーン220側)に保管できるようにするとともに、サーバがブラウザから情報を受けることにより自サーバ上のNFT221Aに関連付けられる画像情報の更新をできるようにする処理手順である。以下において、本処理手順の説明をする。
【0257】
まず、利用者により、図18(A)に示すような姿勢態様にされて、モバイル装置4に搭載されているカメラ4cによって配信媒体5に付された読取用コード5cが読み取られ、このことを契機としてブラウザの立ち上げ処理が行われ、ブロックチェーンネットワーク100上で動作可能なアプリケーションに係るコントラクトA(スマートコントラクト222A)及びサーバ(管理サーバ210)との通信制御が確立される。また、この際、NFTを保管するためのウォレットが構築される。
【0258】
そして、前述のブラウザに係る処理(「ブラウザ機能」とも称する)として、前述の通信制御を確立する際に構築されるウォレットに係るユニークなウォレットアドレス(即ち、ブロックチェーンネットワーク100を介して配布されるNFTを保管するためのアクセス先)の確認が行われる(ステップS6001)。
【0259】
ウォレットアドレスの確認を受けたウォレットが、ウォレットアドレスの情報や不正対策に係る署名をブラウザ機能へと提示し(ステップS6002)、ウォレットアドレスの情報や署名の提示を受けたブラウザ機能が、コントラクトAに対してNFTの発行を要求するとともにウォレットアドレスの情報を提示する(ステップS6003)。
【0260】
NFTの発行要求を受けたコントラクトAが、スマートコントラクト機能(即ち、契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコル)に基づく実行処理により、NFT221Aを発行するとともに、NFTの発行要求の受け取りの際に提示されたウォレットアドレス先のウォレットに当該NFT221Aを保管する(ステップS6004)。
【0261】
NFT221Aがウォレットに保管されることに基づいて、ブラウザ機能が、NFT221Aに対応するデジタルコンテンツをモバイル装置4のタッチスクリーン4dに表示させるための画像情報(具体的には、ブロックチェーンの外側であるオフチェーンに保存されている画像データのURL)の提示をコントラクトAに対して要求し(ステップS6005)、画像情報の提示要求を受けたコントラクトAが、画像情報(具体的には、画像データのURL)をブラウザ機能へと提示する(ステップS6006)。ステップS6006の処理に関連して、具体的な処理内容としては、画像データのURLが変化するようにしてもよく、或いは、画像データの中身が変化するようにしてもよい。例えば、JSONファイルによって指し示される画像データのURLが変化するようにしてもよく、或いは、画像データが存在するURLは変化せずに画像データの中身が変化するようにしてもよい。
【0262】
画像情報(具体的には、画像データのURL)の提示を受けたブラウザ機能が、提示された画像情報に基づいて(具体的には、画像データのURLに対応するサーバに対して)画像データの取得を要求し(ステップS6007)、画像データの取得要求を受けたサーバが、画像データ及び文字列(具体的には、NFTに紐づけられている情報に相当する文字列)をブラウザ機能へと提供する(ステップS6008)。ここでの画像データは、コンバージョン前のNFT221Aに対応する画像である。
【0263】
次いで、所定のパラメータ(具体的には例えば、利用者の消費行動や時間の経過に関連したトリガーなど)に基づいて成立する所定条件(「コンバージョン条件」と称する)が満たされた場合、ブラウザ機能が、コンバージョン条件の達成通知をサーバへと出力し(ステップS6009)、サーバが自サーバ上のNFT221Aのメタデータを書き換えてNFT221Aについてコンバージョンが実行された内容へと変更してコンバージョン情報を更新する(ステップS6010)。図21に示す例では、すなわち、コンバージョンに関係するメタデータ(例えば、所定情報としての、トークンの表示時の外観に関する情報;具体的には、画像データのURL)がオフチェーンに保存されて管理される。
【0264】
ブラウザ機能は、さらに、デジタルコンテンツをモバイル装置4のタッチスクリーン4dに表示させるための画像情報(具体的には、画像データのURL)の提示をコントラクトAに対して要求し(ステップS6011)、画像情報の提示要求を受けたコントラクトAが、画像情報(具体的には、画像データのURL)をブラウザ機能へと提示する(ステップS6012)。
【0265】
画像情報(具体的には、画像データのURL)の提示を受けたブラウザ機能が、提示された画像情報に基づいて(具体的には、画像データのURLに対応するサーバに対して)画像データの取得を要求し(ステップS6013)、画像データの取得要求を受けたサーバが、画像データ及び文字列(具体的には、NFTに紐づけられている情報に相当する文字列)をブラウザ機能へと提供する(ステップS6014)。ここでの画像データは、コンバージョン後のNFT221Aに対応する画像である。
【0266】
図21に示す例は、すなわち、コントラクトA(スマートコントラクト222A)によって提示されるトークンURI(所定情報としての、トークンの表示時の外観に関する情報;図21に示す例では具体的には、画像データのURL)がサーバ(管理サーバ210)のURLであり、NFTのコンバージョンが起こったタイミングでサーバ(管理サーバ210)上のNFT221Aのメタデータが書き換えられる処理構成である。
【0267】
ここで、図21に示す例は、データがオフチェーンに保存されるという点においてNFT221Aのメタデータ(例えば、所定情報としての、トークンの表示時の外観に関する情報;具体的には、画像データのURL)の永続性に課題があるともいえる。このため、例えばNFT221Aの発行から所定の期間が経過した後、NFT221AのメタデータがArweaveなどの分散型ストレージ(言い換えると、永続性を備える情報記録装置)へとアップロードされ、コントラクトAによって提示されるトークンURIが、アップロードした内容に差し替えられるようにしてもよい。
【0268】
また、図21に示す例の場合、ステップS6012の処理においてコントラクトAが提示するトークンURI(図21に示す例では具体的には、画像データのURL)は、気温や株価などの外部公開APIと連携してリアルタイムに変化する(即ち、コントラクトAが複数のトークンURIを使い分ける、出し分ける)ようにしてもよい。
【0269】
図21に示す例の場合、また、ステップS6012の処理においてコントラクトAが提示するトークンURI(図21に示す例では具体的には、画像データのURL)は、各種のセンサを備えたIoT機器と連携してリアルタイムに変化する(即ち、コントラクトAが複数のトークンURIを使い分ける、出し分ける)ようにしてもよい。
【0270】
[その他の実施形態]
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、発明の範囲は、上述した実施形態の説明ではなくて、当該発明の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0271】
以上の各実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。なお、以下の括弧書き記載による補足内容は例示であり、その補足内容に限定されない。
【0272】
[付記1]
複数の計算機(コンピュータ又は利用者端末)で構成されるブロックチェーンネットワーク上で流通するトークン(発行主体が取引相手に交付する証券のような特定データ)を制御するシステムであって、
前記トークンを管理し処理するトークン処理部と、
利用者端末からの指示によって前記トークン処理部にトークン制御情報(トークンの発行要求、所定のURLにアクセスするための情報)を通知するとともに、前記トークン処理部からの結果を利用者端末に送信するトークン制御処理受付部と、
前記利用者端末に情報を配信可能とする配信手段(例えば、QRコード、URL)と、を有し、
前記配信手段は、
前記利用者端末に配信可能とする前記トークン制御情報の少なくとも一部に乱数又は所定のルールに基づいて設定可能な情報(冗長性を持たせた一意のシリアルデータなど)を含むよう設定し、
前記利用者端末は、
前記トークン制御情報を、前記トークン制御処理受付部を介して、又は介さずに前記トークン処理部に通知し、
前記トークン制御処理受付部又は前記トークン処理部は、
前記利用者端末から受け取った前記トークン制御情報を、該トークン制御情報を送信した前記利用者端末を示すことに関する利用者情報と共に格納し、
前記トークン処理部は、
前記配信手段によって前記トークン制御情報に設定された前記乱数又は前記ルールで設定された情報を参照して、前記乱数又は前記ルールに基づいて設定可能な情報を前記トークン処理部が管理するトークンの特定情報(一意となるように加工生成した特定データ情報)として利用することを特徴とするトークン制御システム。
【0273】
[付記2]
前記トークン処理部は、
前記トークン制御情報に格納された前記乱数又は前記ルールによって設定された情報を加工することで該情報を一定の範囲に収める情報加工処理部を有し、
前記情報加工処理部は、
前記乱数又は所定のルールによって設定された情報を加工した第1の加工情報が前記トークン制御情報に格納された既存の情報と同じ情報であった場合、前記第1の加工情報をさらに加工して第2の加工情報にすることで、
前記トークン制御情報を一定の範囲内に収めるとともに、前記第1の加工情報又は前記第2の加工情報を、前記トークン処理部が管理するトークンを特定するための情報として利用可能とし、当該トークンの特定情報として制御可能とすることを特徴とする付記1に記載のトークン制御システム。
【0274】
[付記3]
前記トークン処理部は、
前記情報加工処理部において情報を一定の範囲に収めると共に、前記範囲をさらに分割して重みづけし、前記情報加工処理部において既存の情報と同じ情報になった場合において、前記情報加工処理部において前記分割範囲に収まるように再加工し、前記分割範囲に収まった情報をトークンを特定するための情報として利用可能とし、当該トークンの特定情報として制御可能とすることを特徴とする付記2に記載のトークン制御システム。
【0275】
[付記4]
前記トークン処理部は、
前記情報加工処理部において情報を一定の範囲に収める際に、前記トークン制御情報に格納される付加情報を踏まえて情報を加工することを特徴とする付記2又は付記3に記載のトークン制御システム。
【0276】
[付記5]
前記トークン処理部は、
前記情報加工処理部において、前記配信手段の種別に応じて割り当て範囲および割り当て数を制御することを特徴とする付記2から付記4に記載のトークン制御システム。
【0277】
[付記6]
前記トークン制御処理部又は前記トークン処理部は、
前記利用者端末が前記トークン制御情報を送信する際に、送信された日時、及び/又は、利用した前記配信手段の組み合わせに応じて処理の受付可否、前記情報加工処理部の加工処理方法、前記範囲の分割範囲の重みづけを変更した上で、前記特定されたトークンに対して制御を実施することを特徴とする付記3から付記5に記載のトークン制御システム。
【0278】
[付記7]
前記情報加工処理部は、
情報を一定の範囲に収める際に、前記トークン処理受付部又は前記トークン処理部が前記ブロックチェーンネットワーク上で稼働する乱数生成機能を呼び出して乱数を生成し、前記乱数又は所定のルールで設定された情報と前記乱数を組み合わせて第3の加工情報を生成し、前記第3の加工情報を該情報加工処理部において利用可能とすることを特徴とする付記2から付記6に記載のトークン制御システム。
【0279】
[付記8]
前記配信手段は、
前記トークン制御情報のうち、前記トークン処理部が利用する情報を暗号化して情報を作成し、
前記トークン制御処理受付部又は前記トークン処理部は復号用暗号鍵を保持し、前記復号用暗号鍵を使って復号して利用し、
前記トークン制御処理受付部が復号する場合は前記復号用暗号鍵を前記トークン処理部に保持可能にすることを特徴とする付記1から付記7に記載のトークン制御システム。
【0280】
[付記9]
前記利用者端末は、
前記トークン制御情報を前記トークン制御処理受付部又は前記トークン処理部に送信する際に、前記利用者端末のみが利用することができる記憶部(ローカルストレージ、キャッシュ)に格納可能な前記ブロックチェーンネットワークで利用者を一意に特定するために必要な情報を自動で生成し、
又は前記記憶部に前記一意に特定するための情報が格納されている場合はその情報を読み出し、
前記一意に特定するための情報に基づいて設定可能な情報を含むよう設定をした上で前記トークン制御情報を送信することを特徴とする付記1から付記8に記載のトークン制御システム。
【0281】
[付記10]
前記利用者端末は、
前記生成した一意に特定するための情報を生成したときに、当該一意に特定するための情報を復元するための復元情報を生成するとともに、利用者に提示して前記復元情報の保管を指示する通知を行うことを特徴とする付記9に記載のトークン制御システム。
【0282】
[付記11]
前記利用者端末は、
利用者が恒常的に利用する前記ブロックチェーンネットワークにおいて一意に特定するための情報を入手した際に、前記利用者端末だけが利用することができる記憶部で管理している前記生成した一意に特定するための情報を読み出し、
前記トークン処理部で管理されている利用者に利用権限があるトークンを前記生成した一意に特定するための情報から、前記恒常的に利用する一意に特定するための情報に利用者情報の更新を指示するためのUIを提供し、
前記UIの指示に応じて前記利用者情報を更新することを特徴とする付記9又は付記10に記載のトークン制御システム。
【0283】
[付記12]
前記利用者端末は、
前記ブロックチェーンネットワークに対する処理要求を前記利用者端末で保持する鍵情報に基づいて電子署名した上で、前記トークン制御処理受付部に代理処理を依頼し、
前記トークン制御処理受付部は、
前記代理処理の依頼に基づいて前記ブロックチェーンネットワークに処理要求する際に必要となる手数料を利用者に代わって負担することで、前記ブロックチェーンネットワークに処理を行わせることができるようにすることを特徴とする付記9から付記11に記載のトークン制御システム。
【0284】
[付記13]
前記利用者端末は、
前記トークン制御処理受付部が前記代理処理を実施する際に、前記トークン制御情報処理受付部に格納された前記トークン制御情報を参照し、
前記トークン制御情報の内容に応じて代理処理の実施するか否か、又は代理処理実施時において追加処理すべき作業をするか否かの確定をしたうえで前記ブロックチェーンネットワークに処理を行わせる依頼をし、
前記追加処理も含む前記代理処理を実行する、又は前記代理処理を実行しない判断を可能とすることを特徴とする付記12に記載のトークン制御システム。
【0285】
また、以上の各実施形態の変形例に関して、更に以下の付記を開示する。
【0286】
[付記14]
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンを取得するための取得要求が、利用者端末により生成されることに基づいて、前記一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を生成するとともに、生成した前記所定情報を前記利用者端末又はサーバ装置に係る所定記憶領域に記憶させる第1処理を実行する、情報処理装置。
【0287】
[付記15]
前記所定記憶領域は、ブラウザのストレージ(キャッシュ)を含む、付記14に記載の情報処理装置。
【0288】
[付記16]
前記所定情報は、情報の暗号化又は復号を行うための鍵ペア(秘密鍵又は公開鍵)に係る一方の鍵情報を含む、付記14に記載の情報処理装置。
【0289】
[付記17]
前記一のトークンに係る状態を、ブロックチェーンネットワーク上で前記所定情報を介して管理される第1状態から、利用者によりアクセス可能なウォレットを介して管理される第2状態へと移行させる第2処理を更に実行する、付記14に記載の情報処理装置。
【0290】
[付記18]
前記第2処理は、前記所定情報と、前記ウォレットを特定可能なウォレット情報とに基づいて、実行される、付記17に記載の情報処理装置。
【0291】
[付記19]
前記所定情報を復元可能とする復元情報を前記利用者端末に向けて通知する第3処理を更に実行する、付記14に記載の情報処理装置。
【0292】
[付記20]
前記取得要求は、前記一のトークンに係るトークン制御情報に基づいて生成され、
前記トークン制御情報は、乱数又は所定のルールで設定された、前記一のトークンの特定情報を含む、付記14に記載の情報処理装置。
【0293】
[付記21]
前記トークン制御情報は、所定のURLにアクセスするための情報を含み、
前記取得要求は、前記所定のURLへのアクセスに基づいて生成される、付記20に記載の情報処理装置。
【0294】
[付記22]
前記取得要求は、前記所定のURLにおける第1所定入力に更に基づいて生成される、付記21に記載の情報処理装置。
【0295】
[付記23]
前記所定のURLに基づく表示情報は、前記第1所定入力、及び、前記第1所定入力とは異なる第2所定入力のいずれかを利用者が選択的に入力可能とするUIを含み、
前記第2所定入力に基づいて、利用者によりアクセス可能なウォレットを介して前記一のトークンが管理される状態を形成する、付記22に記載の情報処理装置。
【0296】
[付記24]
前記第1処理は、前記所定のURLに対応付けて用意されたプログラムによりブラウザ上で実行される、付記21又は22に記載の情報処理装置。
【0297】
[付記25]
前記利用者端末は、前記ブロックチェーンネットワークに対する処理要求を前記利用者端末又はブラウザのストレージ上で保持する暗号化に関する鍵情報に基づいて署名し、
前記第2処理は、前記所定情報に係るアドレス情報と前記署名された処理要求とに更に基づいて実行され、
前記アドレス情報は、ブラウザにおけるUI上で入力される、付記18に記載の情報処理装置。
【0298】
[付記26]
前記第3処理は、前記通知とともに、前記復元情報を保存するように利用者に促す情報を出力することを含む、付記19に記載の情報処理装置。
【0299】
[付記27]
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンを取得するための取得要求が、利用者端末により生成されることに基づいて、前記一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を生成するとともに、生成した前記所定情報を前記利用者端末に係る所定記憶領域に記憶させる第1処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
【0300】
[付記28]
ブロックチェーンネットワーク上で流通可能な一のトークンを取得するための取得要求が、利用者端末により生成されることに基づいて、前記一のトークンの取得又は管理を可能とする所定情報を生成するとともに、生成した前記所定情報を前記利用者端末又はサーバ装置に係る所定記憶領域に記憶させる第1処理を、コンピュータにより実行する情報処理方法。
【0301】
さらに、以上の各実施形態の変形例に関して、更に以下の付記を開示する。
【0302】
[付記29]
利用者によるデジタルコンテンツ(ゲーム、オーディオ、VR、AR、MRを含む)の体験(視聴、プレイ又は画面タップ、受動的/能動的/仮想的に感得させる再生処理を含む)、又は、デジタルコンテンツを体験する(アプリケーションの起動やジョブ処理などを行う)ための利用者入力に係る処理(利用者端末へデジタルコンテンツの提供/配信を行わせる制御に基づくトリガー処理を含む)に基づいて、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能なトークンを、前記利用者に対応付けること(トークンの発行/配布や、所有/管理などの実行制御を含む)を可能とする所定処理を実行する、情報処理装置。
【0303】
[付記30]
前記デジタルコンテンツの体験は、人の視聴覚を介した体験(例えばXR体験、その類、又はクロスリアリティ、或いは仮想現実、拡張現実又は複合現実に関する視聴再生技術の実行)を含む、付記29に記載の情報処理装置。
【0304】
[付記31]
前記デジタルコンテンツの体験に係るパラメータの値(例えばコンテンツを最後まで視聴したかどうか、ゲームならクリアしたか否か、又は特典)に基づいて、前記トークンの種類(例えば、特典が高いほどレア度を上げるなど)を変化させる、付記29に記載の情報処理装置。
【0305】
[付記32]
所定付与条件の成立(例えば、トークンの発行主体に係る関連商品の購入の受付処理など)に基づいて、前記デジタルコンテンツの体験を可能とさせるサーバ又はローカルデータ(事前にダウンロードしたアプリケーションなど)へのアクセスを可能とする手段(例えば、URL)を発行する、付記29に記載の情報処理装置。
【0306】
[付記33]
前記デジタルコンテンツの体験を可能とさせる前記サーバ(又は、アプリケーション)へのアクセスを可能とする手段(QRコード、ARマーカなど)を、所定商品又は媒体(レシート、商品の包装やタグ)に紐付ける、付記32に記載の情報処理装置。
【0307】
[付記34]
前記デジタルコンテンツの体験後又は体験中、かつ前記所定処理の前に、前記トークンに関連する情報(トークンを利用者に対応付け可能とするための制御情報、トークン発行に至らせるインタラクティブ処理に関する制御情報、など)を出力する処理が実行される、付記29に記載の情報処理装置。
【0308】
[付記35]
前記所定処理は、前記トークンを取得するための取得要求が、利用者端末により生成されることに基づいて、一の前記トークンの取得又は管理を可能とする所定情報を生成するとともに、生成した前記所定情報を前記利用者端末又はサーバ装置に係る所定記憶領域(例えばブラウザのストレージ、ウォレット)に記憶させる第1処理を含む、付記29から付記34のうちのいずれか1に記載の情報処理装置。
【0309】
加えて、以上の各実施形態の変形例に関して、更に以下の付記を開示する。
【0310】
[付記36]
所定条件(例えば、利用者の行動に応じて成立しうる所定条件)の成立に基づいて、複数の計算機で構成されるブロックチェーンに係るネットワーク上で流通可能なトークンに対応付けられている所定情報を変化させる所定処理を実行する、情報処理装置。
【0311】
[付記37]
前記所定条件は、
利用者の行動に関連したパラメータ(例えば、ブロックチェーンに係るネットワーク上で成立可能なコンバージョンの有無、認証の有無など)、又は時間の経過に関連したパラメータ(例えば、ブロックチェーンに係るネットワーク上で成立可能な売買・保険等に係る設定契約、記念・約束に係る設定日付など)に基づいて成立する条件、認証の有無、又は同一ウォレット内での別のトークンの受取に基づいて成立する条件、外部サーバの状態に基づいて成立する条件(例えば、発行済みトークンの総量が所定の閾値以上又は所定の閾値以下であるなど)、並びに、オラクルから取得される社会的な状況に基づいて成立する条件(例えば、気温が所定の閾値以上又は所定の閾値以下であるなど)、のうちの少なくとも1つを含む、付記36に記載の情報処理装置。
【0312】
[付記38]
前記所定情報は、
前記トークンの表示時の外観(デジタルコンテンツ)に関する情報を含む、付記36に記載の情報処理装置。
【0313】
[付記39]
前記所定情報の変化は、
前記トークンの外観に関する画像情報(オブジェクト)を、第1画像情報から第2画像情報へと変化させること、及び、前記トークンに関する情報を、画像又はそのたぐいの第1トークン情報からの変化を含む第2トークン情報へ変化させること、のうちの少なくともいずれか一方を伴う、付記36又は付記37に記載の情報処理装置。
【0314】
[付記40]
前記第1画像情報から前記第2画像情報の変化は、
前記第1画像情報が表すモノの成長を概念的に表す(例えば卵と、孵化した動物との関係など)、付記39に記載の情報処理装置。
【0315】
[付記41]
前記トークン(所定マーケティング媒体のクーポン、チケット等に係るトークン)は、
複数の利用者の各々に向けに発行(トークンの取得意思を示す任意の利用者ごとの配布、バラ撒き)が可能とされ、
複数の前記トークンの発行数(バラ撒き数)と、複数の前記トークンのうちの、前記所定情報が変化された前記トークンの数(第1画像情報から第2画像情報に変化させられた数)との関係(例えば、コンバージョン率や統計情報)を算出する算出処理を更に実行する、付記36から付記40のうちのいずれか1に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0316】
4…モバイル装置、5…配信媒体、5e…デジタルコンテンツ、100…ブロックチェーンネットワーク、210…管理サーバ、220…ブロックチェーン、221…NFT、222…スマートコントラクト、230…WEBサーバ、250…認証装置、600…トークン制御情報、700…受信データ格納部、800…トークン管理情報、900…トークン配布数管理、1000…トークン保管場所変更UI
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21