(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146893
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】水処理システム
(51)【国際特許分類】
C02F 3/10 20230101AFI20241004BHJP
C02F 3/34 20230101ALI20241004BHJP
C02F 3/28 20230101ALI20241004BHJP
B01D 65/08 20060101ALI20241004BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20241004BHJP
【FI】
C02F3/10 Z
C02F3/34 Z
C02F3/28 B
B01D65/08
C02F1/44 K
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024054975
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0042634
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524122266
【氏名又は名称】ハイフィルム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ムン ヒ-ワン
(72)【発明者】
【氏名】シン ヨン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ホ-チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チュル ウン
(72)【発明者】
【氏名】チョ クァン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ピュン-キュ
(72)【発明者】
【氏名】オ ヒュン-スク
(72)【発明者】
【氏名】イ キベク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェウ
【テーマコード(参考)】
4D003
4D006
4D040
【Fターム(参考)】
4D003AA01
4D003CA02
4D003CA10
4D003EA16
4D003EA30
4D003EA38
4D006GA02
4D006HA02
4D006JA08A
4D006JA16Z
4D006KA01
4D006KA41
4D006KB21
4D006PB08
4D040AA04
4D040AA24
4D040AA34
4D040DD01
4D040DD11
4D040DD31
(57)【要約】
【課題】水処理中にもたらされる膜汚染を相対的に少ない費用で、且つ、ろ過膜自体の水透過度の低下なしで抑制できる水処理システムを提供する。
【解決手段】廃水の生物学的処理のための生物学的処理部;及び前記生物学的処理部で処理された廃水のろ過のための分離膜部;を含み、前記生物学的処理部及び前記分離膜部からなるグループから選ばれる少なくとも一つは、その内部の所定空間内に閉じ込められている多数の定足数感知抑制媒体を含む水処理システムを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水の生物学的処理のための生物学的処理部;及び
前記生物学的処理部で処理された廃水のろ過のための分離膜部;
を含み、
前記生物学的処理部及び前記分離膜部からなるグループから選ばれる少なくとも一つは、その内部の所定空間内に閉じ込められている多数の定足数感知抑制媒体を含む、水処理システム。
【請求項2】
前記多数の定足数感知抑制媒体は、メッシュ型コンテナによって前記所定空間内に閉じ込められている、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記各定足数感知抑制媒体のそれぞれは、
担体;及び
前記担体に固定された定足数感知抑制微生物;
を含む、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項4】
前記担体は、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む3次元網状構造のハイドロゲルである、請求項3に記載の水処理システム。
【請求項5】
前記分離膜部は、
前記生物学的処理部で処理された廃水が流入するタンク;及び
前記タンク内に流入した廃水に少なくとも一部が浸漬され、ろ過作業を行う少なくとも一つの膜ろ過装置;
を含む、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項6】
前記分離膜部は、前記廃水に少なくとも一部が浸るように前記タンクに装着されたメッシュ型コンテナをさらに含み、
前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部が前記メッシュ型コンテナ内に配置されており、
前記各定足数感知抑制媒体は、前記メッシュ型コンテナの気孔サイズより大きい粒子サイズを有する、請求項5に記載の水処理システム。
【請求項7】
前記膜ろ過装置は、
スキッドフレーム;
前記スキッドフレーム内に装着された多数の膜モジュール;及び
前記スキッドフレーム内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール;
を含み、
前記定足数感知抑制モジュールは、
前記スキッドフレームにそれぞれ分離可能に結合された上部及び下部ヘッダー;及び
前記上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に配置されており、両末端が前記上部及び下部ヘッダーにそれぞれ結合されているメッシュ型コンテナ;
を含み、
前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部が前記メッシュ型コンテナ内に配置されており、
前記各定足数感知抑制媒体は、前記メッシュ型コンテナの気孔サイズより大きい粒子サイズを有する、請求項5に記載の水処理システム。
【請求項8】
前記分離膜部は、前記膜ろ過装置の往復運動のための駆動部をさらに含む、請求項5に記載の水処理システム。
【請求項9】
前記分離膜部は、
前記膜ろ過装置と共に往復運動を行える第1レール;
前記膜ろ過装置の往復運動をガイドできる第2レール;及び
前記第1及び第2レールの全てに対して相対的移動が可能な、前記第1レールと第2レールとの間のフリーローラー;
をさらに含む、請求項8に記載の水処理システム。
【請求項10】
前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置を含み、
前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置が個別的に締結された往復フレームをさらに含み、
前記駆動部は、前記往復フレームを通じて前記各膜ろ過装置の往復運動を具現することができ、
前記往復フレームは、前記フリーローラーに向かう底面を有し、
前記第1レールは、前記往復フレームの前記底面に装着された、請求項9に記載の水処理システム。
【請求項11】
前記第1レールが前記往復フレームの前記底面に弾性的に装着されることによって、前記第1レールと前記往復フレームとの間の距離が可変的である、請求項10に記載の水処理システム。
【請求項12】
前記分離膜部は、前記タンクの上部に提供されたガイドフレームをさらに含み、
前記ガイドフレームは、前記フリーローラーに向かう上面を有し、
前記第2レールは、前記ガイドフレームの前記上面に装着された、請求項10に記載の水処理システム。
【請求項13】
前記分離膜部は、中央ホールを有するピボット部材をさらに含み、
前記ピボット部材の第1末端は、前記ガイドフレームにピボット可能に結合されており、
前記ピボット部材の第2末端は、第1及び第2フィンガーを有する二股末端(two-pronged end)で、
前記フリーローラーの回転軸に連結された回転シャフトが前記ピボット部材の前記中央ホールを貫通し、
前記往復フレームに提供された突起部が前記第1フィンガーと第2フィンガーとの間のギャップに配置されている、請求項12に記載の水処理システム。
【請求項14】
前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置を含み、
前記各膜ろ過装置のそれぞれは、
スキッドフレーム;及び
前記スキッドフレーム内に装着された多数の膜モジュール;
を含み、
前記スキッドフレームは、
支持フレーム;
下部水平フレーム;
前記支持フレームと前記下部水平フレームとの間の上部水平フレーム;及び
前記支持フレーム、前記上部水平フレーム、及び前記下部水平フレームを連結する多数の垂直部材;
を含み、
前記支持フレームは、前記フリーローラーに向かう底面を有し、
前記第1レールは、前記支持フレームの前記底面に装着された、請求項9に記載の水処理システム。
【請求項15】
前記第1レールが前記支持フレームの前記底面に弾性的に装着されることによって、前記第1レールと前記支持フレームとの間の距離が可変的である、請求項14に記載の水処理システム。
【請求項16】
前記分離膜部は、前記タンクの上部に提供されたガイドフレームをさらに含み、
前記ガイドフレームは、前記フリーローラーに向かう上面を有し、
前記第2レールは、前記ガイドフレームの前記上面に装着された、請求項14に記載の水処理システム。
【請求項17】
前記分離膜部は、中央ホールを有するピボット部材をさらに含み、
前記ピボット部材の第1末端は、前記ガイドフレームにピボット可能に結合されており、
前記ピボット部材の第2末端は、第1及び第2フィンガーを有する二股末端で、
前記フリーローラーの回転軸に連結された回転シャフトが前記ピボット部材の前記中央ホールを貫通し、
前記支持フレームに提供された突起部が前記第1フィンガーと第2フィンガーとの間のギャップに配置されている、請求項16に記載の水処理システム。
【請求項18】
複数個の前記膜ろ過装置の前記各支持フレームは、互いに分離可能に締結されており、
前記各膜ろ過装置のそれぞれは、前記支持フレーム上に提供されたリフティングフックレシーバーをさらに含む、請求項14に記載の水処理システム。
【請求項19】
前記生物学的処理部は、無酸素槽、嫌気槽、及び好気槽からなるグループから選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項20】
前記生物学的処理部は、前記好気槽を含み、
前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部は、前記無酸素槽、嫌気槽、及び好気槽からなるグループから選ばれる少なくとも一つの所定空間内に閉じ込められている、請求項19に記載の水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理システムに関し、より具体的には、水処理中にもたらされる膜汚染(membrane fouling)を相対的に少ない費用で、且つ、ろ過膜自体の水透過度の低下なしで抑制できる水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
膜生物反応器システム(以下、「MBRシステム」という)は、廃水から汚染物を除去するために、生物学的処理工程(biological treatment process)と膜分離工程(membrane separation process)とを結合させた水処理システムである。
【0003】
一般に、MBRシステムは、流量調整槽(flow control tank)、無酸素槽(anoxic tank)、嫌気槽(anaerobic tank)、好気槽(aerobic tank)、及び分離膜槽(membrane tank)を含むことができる。前記無酸素槽、嫌気槽、及び好気槽で廃水が生物学的に処理され(すなわち、有機物、窒素、リンなどの汚染物が微生物によって除去され)、前記分離膜槽で固液分離(solid-liquid separation)のためのろ過が行われる。
【0004】
前記分離膜槽でろ過が行われる間に、廃水に存在する微生物がろ過膜の表面に付着及び成長し、生物膜(biofilm)を形成することによって膜汚染がもたらされる。このような膜汚染は、ろ過膜の分離性能及びろ過効率を低下させ、エネルギー消耗を増加させる。
【0005】
微生物は、温度、pH、養分などの多くの環境条件の変化に反応して特定信号物質を排出する。微生物の密度が増加し、このような信号物質の濃度が一定レベルに至ると、各微生物は生物膜形成などの集団行動を示す。各微生物が、前記信号物質の濃度が一定レベルに到逹したことを認知することを「定足数感知(quorum sensing)」と称する。
【0006】
本明細書に参照として組み込まれる大韓民国公開特許公報第10-2013-0034935号(以下、「特許文献1」という)は、定足数感知に用いられる前記信号物質を分解可能な酵素を生産できる各定足数感知抑制微生物(quorum quenching microbes)を担体に固定した後、この担体を分離膜槽の廃水内に投入することを提案している。特許文献1には、各定足数感知抑制微生物が固定されている前記担体が生物膜形成を分子生物学的に抑制できるだけでなく、分離膜槽での水中曝気によって流動性を有するようになり、ろ過膜の表面を直接打撃することによって既存の生物膜の脱離を誘導できると説明されている。
【0007】
しかし、ほとんどのMBRシステムにおいて、分離膜槽の廃水中の一部(例えば、2/3)は、返送活性スラッジ(Return Activated Sludge:RAS)として無酸素槽又は嫌気槽に返送される一方で、その残り(例えば、1/3)は、廃活性スラッジ(Waste Activated Sludge:WAS)又は余剰活性スラッジ(Surplus Activated Sludge:SAS)として前記分離膜槽から排出されることによって前記MBRシステムから除去される。よって、各定足数感知抑制微生物が固定されている各担体が前記分離膜槽の廃水内に流動可能に(fluidizably)分散されている特許文献1では、前記廃活性スラッジ(WAS)又は余剰活性スラッジ(SAS)と共に前記各担体が持続的になくなるしかない。よって、MBRシステムの稼動中に膜汚染防止効果を維持させるためには、各微生物が固定されている各担体が分離膜槽に持続的に投入されなければならないが、これは、MBRシステムの経済性を低下させる。
【0008】
一方、本明細書に参照として組み込まれる大韓民国公開特許公報第10-2022-0161764号(以下、「特許文献2」という)は、親水性高分子を通じて定足数感知抑制微生物をろ過膜自体に付着させることを提案している。
【0009】
しかし、特許文献2のろ過膜は、そこに付着した定足数感知抑制微生物自体が一種の汚染物として作用し得るので、相対的に低い水透過度(water permeability)を示すしかなく、このような問題は特許文献2でも認めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2013-0034935号
【特許文献2】大韓民国公開特許公報第10-2022-0161764号
【特許文献3】大韓民国公開特許公報第10-2018-0062257A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、上記のような各先行技術の制限及び短所に起因した問題を防止できる水処理システムに関する。
【0012】
本発明の一観点は、水処理中にもたらされる膜汚染を相対的に少ない費用で、且つ、ろ過膜自体の水透過度の低下なしで抑制できる水処理システムを提供することにある。
【0013】
上記で言及した本発明の観点以外にも、本発明の他の特徴及び利点は、以下で説明され、そのような説明から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような本発明の一観点によって、廃水の生物学的処理のための生物学的処理部(biological treatment unit);及び前記生物学的処理部で処理された廃水のろ過のための分離膜部(membrane unit);を含み、前記生物学的処理部及び前記分離膜部からなるグループから選ばれる少なくとも一つは、その内部の所定空間内に閉じ込められている(confined)多数の定足数感知抑制媒体(quorum quenching media)を含む、水処理システムが提供される。
【0015】
前記多数の定足数感知抑制媒体は、メッシュ型コンテナ(mesh-shaped container)によって前記所定空間内に閉じ込められていてもよい。
【0016】
前記各定足数感知抑制媒体のそれぞれは、担体(carrier);及び前記担体に固定された定足数感知抑制微生物;を含むことができる。
【0017】
前記担体は、アルギン酸塩(alginate)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、及びポリウレタン(polyurethane)からなる群から選ばれる少なくとも一つを含む3次元網状構造のハイドロゲル(hydrogel)であり得る。
【0018】
前記分離膜部は、前記生物学的処理部で処理された廃水が流入するタンク(tank);及び前記タンク内に流入した廃水に少なくとも一部が浸漬され、ろ過作業を行う少なくとも一つの膜ろ過装置(membrane filtration apparatus);を含むことができる。
【0019】
前記分離膜部は、前記廃水に少なくとも一部が浸るように前記タンクに装着されたメッシュ型コンテナをさらに含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部が前記メッシュ型コンテナ内に配置されていてもよく、前記各定足数感知抑制媒体は、前記メッシュ型コンテナの気孔サイズより大きい粒子サイズを有することができる。
【0020】
前記膜ろ過装置は、スキッドフレーム;前記スキッドフレーム内に装着された多数の膜モジュール;及び前記スキッドフレーム内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール(quorum quenching module);を含むことができ、前記定足数感知抑制モジュールは、前記スキッドフレームにそれぞれ分離可能に結合された上部及び下部ヘッダー;及び前記上部ヘッダーと下部ヘッダーとの間に配置されており、両末端が前記上部及び下部ヘッダーにそれぞれ結合されているメッシュ型コンテナを含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部が前記メッシュ型コンテナ内に配置されていてもよく、前記各定足数感知抑制媒体は、前記メッシュ型コンテナの気孔サイズより大きい粒子サイズを有することができる。
【0021】
前記分離膜部は、前記膜ろ過装置の往復運動(reciprocating motion)のための駆動部(driving unit)をさらに含むことができる。
【0022】
前記分離膜部は、前記膜ろ過装置と共に往復運動を行える第1レール;前記膜ろ過装置の往復運動をガイドできる第2レール;及び前記第1及び第2レールの全てに対して相対的移動が可能な、前記第1レールと第2レールとの間のフリーローラー(free-roller);をさらに含むことができる。
【0023】
前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置を含むことができ、前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置が個別的に締結された往復フレーム(reciprocating frame)をさらに含むことができ、前記駆動部は、前記往復フレームを通じて前記各膜ろ過装置の往復運動を具現することができ、前記往復フレームは、前記フリーローラーに向かう底面(bottom surface)を有することができ、前記第1レールは、前記往復フレームの前記底面に装着され得る。
【0024】
前記第1レールが前記往復フレームの前記底面に弾性的に装着されることによって、前記第1レールと前記往復フレームとの間の距離が可変的になり得る。
【0025】
前記分離膜部は、前記タンクの上部に提供されたガイドフレームをさらに含むことができ、前記ガイドフレームは、前記フリーローラーに向かう上面(top surface)を有することができ、前記第2レールは、前記ガイドフレームの前記上面に装着され得る。
【0026】
前記分離膜部は、中央ホール(central hole)を有するピボット部材(pivot member)をさらに含むことができ、前記ピボット部材の第1末端は、前記ガイドフレームにピボット可能に結合されていてもよく、前記ピボット部材の第2末端は、第1及び第2フィンガー(fingers)を有する二股末端(two-pronged end)であってもよい。また、前記フリーローラーの回転軸に連結された回転シャフト(rotating shaft)が前記ピボット部材の前記中央ホールを貫通することができ、前記往復フレームに提供された突起部が前記第1フィンガーと第2フィンガーとの間のギャップに配置されていてもよい。
【0027】
前記分離膜部は、複数個の前記膜ろ過装置を含むことができ、前記各膜ろ過装置のそれぞれは、スキッドフレーム;及び前記スキッドフレーム内に装着された多数の膜モジュール;を含むことができ、前記スキッドフレームは、支持フレーム(supporting frame);下部水平フレーム(lower horizontal frame);前記支持フレームと前記下部水平フレームとの間の上部水平フレーム(upper horizontal frame);及び前記支持フレーム、前記上部水平フレーム、及び前記下部水平フレームを連結する多数の垂直部材(vertical members);を含むことができ、前記支持フレームは、前記フリーローラーに向かう底面を有することができ、前記第1レールは、前記支持フレームの前記底面に装着され得る。
【0028】
前記第1レールが前記支持フレームの前記底面に弾性的に装着されることによって、前記第1レールと前記支持フレームとの間の距離が可変的になり得る。
【0029】
前記分離膜部は、前記タンクの上部に提供されたガイドフレームをさらに含むことができ、前記ガイドフレームは、前記フリーローラーに向かう上面を有することができ、前記第2レールは、前記ガイドフレームの前記上面に装着され得る。
【0030】
前記分離膜部は、中央ホールを有するピボット部材をさらに含むことができ、前記ピボット部材の第1末端は、前記ガイドフレームにピボット可能に結合されていてもよく、前記ピボット部材の第2末端は、第1及び第2フィンガーを有する二股末端であってもよい。また、前記フリーローラーの回転軸に連結された回転シャフトが前記ピボット部材の前記中央ホールを貫通することができ、前記支持フレームに提供された突起部が前記第1フィンガーと第2フィンガーとの間のギャップに配置されていてもよい。
【0031】
複数個の前記膜ろ過装置の前記各支持フレームは、互いに分離可能に締結されていてもよく、前記各膜ろ過装置のそれぞれは、前記支持フレーム上に提供されたリフティングフックレシーバー(lifting hook receiver)をさらに含むことができる。
【0032】
前記生物学的処理部は、無酸素槽、嫌気槽、及び好気槽からなるグループから選ばれる少なくとも一つを含むことができる。
【0033】
前記生物学的処理部は、前記好気槽を含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部は、前記好気槽内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。
【0034】
前記生物学的処理部は、前記無酸素槽又は前記嫌気槽を含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体の少なくとも一部は、前記無酸素槽又は前記嫌気槽内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。
【0035】
前記水処理システムは、前記生物学的処理部に供給される廃水の流量調節のための流量調整槽をさらに含むことができる。
【0036】
上記のような本発明に対する一般的敍述は、本発明を例示又は説明するためのものに過ぎなく、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、生物学的処理部及び/又は分離膜部が各定足数感知抑制媒体を含んでおり、各微生物の定足数感知による生物膜形成及びそれによる膜汚染を防止することができる。また、各定足数感知抑制媒体が前記生物学的処理部及び/又は分離膜部内の所定空間内に閉じ込められているので、廃活性スラッジ(WAS)又は余剰活性スラッジ(SAS)が前記分離膜部から排出されることによって水処理システムから除去されるとき、前記各定足数感知抑制媒体がこれらと共に除去されることを防止することができる。よって、特許文献1と異なり、本発明は、各定足数感知抑制媒体の遺失を防止又は最小化することによって水処理システムの経済性を向上させることができる。また、本発明によると、特許文献2と異なり、前記各定足数感知抑制媒体がろ過膜と離隔した状態で所定空間内に閉じ込められているので、前記ろ過膜自体の水透過度(すなわち、初期水透過度)は前記定足数感知抑制媒体によって悪影響を受けない。
【0038】
また、本発明の一実施例によると、前記分離膜部でのろ過膜洗浄(cleaning)が曝気方式(aeration method)ではない膜往復運動方式(membrane-reciprocating method)を通じて行われることによって、エネルギー消耗が画期的に減少し得る。また、本発明のさらに他の実施例によると、如何なるフレームにも固定・付着しない「フリーローラー」という新しい概念を採択することによって、ろ過作業中に膜ろ過装置の荷重を全てのフリーローラーに均一に分配させることができる。よって、荷重偏重による部品(特に、ローラー)の破損を防止することによって、運用及び維持費用を画期的に節減することができ、ろ過作業中の騒音発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
添付の図面は、本発明の理解を促進し、本明細書の一部を構成するためのものであって、本発明の各実施例を例示し、発明の詳細な説明と共に本発明の各原理を説明する。
【0040】
【
図1】(a)乃至(c)は、本発明の第1乃至第3実施例に係る水処理システムをそれぞれ概略的に示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係る水処理システムの膜ろ過装置を概略的に示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る分離膜部を概略的に示す分解斜視図である。
【
図4】前記分離膜部の膜ろ過装置を概略的に示す分解斜視図である。
【
図5】(a)及び(b)は、前記分離膜部のガイドメカニズムをそれぞれ概略的に示す斜視図及び断面図である。
【
図6】本発明の他の実施例に係るダブル-デッキ(double-deck)タイプの膜ろ過装置を概略的に示す分解斜視図である。
【
図7】(a)及び(b)は、本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的に示す断面図である。
【
図8】(a)、(b)及び(c)は、本発明のさらに他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的にそれぞれ示す斜視図、断面図及び正面図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係る分離膜部を概略的に示す斜視図である。
【
図10】前記分離膜部の膜ろ過装置を概略的に示す分解斜視図である。
【
図11】(a)及び(b)は、前記分離膜部のガイドメカニズムをそれぞれ概略的に示す斜視図及び断面図である。
【
図12】(a)及び(b)は、本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的に示す断面図である。
【
図13】(a)、(b)及び(c)は、本発明のさらに他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的にそれぞれ示す斜視図、断面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、添付の各図面を参照して本発明の多様な実施例を具体的に説明する。
【0042】
図1の(a)乃至(c)は、本発明の第1乃至第3実施例に係る水処理システムをそれぞれ概略的に示す。
図1の(a)乃至(c)に例示したように、本発明の水処理システムは、廃水の生物学的処理のための生物学的処理部20a、20b、20c、及び前記生物学的処理部20a、20b、20cで処理された廃水のろ過のための分離膜部40を含む。
【0043】
前記生物学的処理部20a、20b、20cは、無酸素槽、嫌気槽、及び好気槽からなるグループから選ばれる少なくとも一つを含むことができる。すなわち、本発明の生物学的処理部20a、20b、20cは、処理されなければならない廃水の種類(すなわち、主要な汚染成分の種類)に合わせてその構成を異ならせることができる。
【0044】
例えば、
図1(a)に例示したように、本発明の第1実施例に係る水処理システムの生物学的処理部20aは、第1タンク21a、第2タンク22a、及び第3タンク23aを含む。前記第1タンク21aは、脱窒微生物によって亜硝酸及び/又は硝酸が窒素ガスに還元されて除去される無酸素槽であってもよく、前記第2タンク22aは、嫌気性微生物によるリン放出反応が進められる嫌気槽であってもよく、前記第3タンク23aは、好気性微生物によって有機物が二酸化炭素及び水に分解され、硝化微生物によってアンモニア性窒素が亜硝酸又は硝酸に硝化される好気槽であってもよい。場合によって、前記無酸素槽と前記嫌気槽の順序が変わってもよい。
【0045】
代案的に、
図1(b)に例示したように、本発明の第2実施例に係る水処理システムの生物学的処理部20bは、第1タンク21b及び第2タンク22bを含み、前記第1タンク21bは無酸素槽であってもよく、前記第2タンク22bは嫌気槽又は好気槽であってもよい。
【0046】
本発明の第3実施例に係る水処理システムの生物学的処理部20cは、
図1(c)に例示したように、一つのタンク21cのみを含むが、これは、無酸素槽、嫌気槽、又は好気槽であり得る。
【0047】
図1の(a)乃至(c)にそれぞれ例示したように、本発明の水処理システムは、選択的構成要素(optional element)として流量調整部10をさらに含むことができる。前記流量調整部10は、前記生物学的処理部20a、20b、20cに供給される廃水の流量調節及びその水質の均等化(equalization)を行うことができる。
【0048】
前記流量調整部10から供給される廃水は、前記生物学的処理部20a、20b、20cを通過しながら生物学的に処理され、次いで、前記分離膜部40に流入する。前記分離膜部40では、前記生物学的処理部20a、20b、20cで処理された廃水に対して固液分離(すなわち、ろ過)が行われる。
【0049】
前記分離膜部40に流入する廃水中の一部は、返送活性スラッジ(RAS)として前記生物学的処理部20a、20b、20cのタンク21a、21b、21cに返送される一方で、その残りは、廃活性スラッジ(WAS)又は余剰活性スラッジ(SAS)として前記分離膜部40から排出されることによって前記水処理システムから除去される。
【0050】
本発明によると、前記生物学的処理部20a、20b、20c及び前記分離膜部40からなるグループから選ばれる少なくとも一つは、その内部の所定空間内に閉じ込められている多数の定足数感知抑制媒体31を含む。すなわち、
図1の(a)乃至(c)には、前記生物学的処理部20a、20b、20c及び前記分離膜部40の全てが前記各定足数感知抑制媒体31を含む水処理システムがそれぞれ例示されているが、これらのうちいずれか一つのみが前記各定足数感知抑制媒体31を含むこともできる。
【0051】
本明細書において、「所定空間内に閉じ込められている」という用語は、水処理作業中に前記各定足数感知抑制媒体が前記所定空間内でのみ移動できるだけで、前記所定空間から抜け出られないことを意味する。
【0052】
図1の(a)乃至(c)に概略的に例示したように、本発明の分離膜部40は、前記生物学的処理部20a、20b、20cで処理された廃水が流入するタンク100と、前記タンク100内に流入した廃水に少なくとも一部が浸漬され、ろ過作業を行う少なくとも一つの膜ろ過装置1000とを含む。また、上述したように、本発明の分離膜部40は、前記タンク100内の所定空間内に閉じ込められている多数の定足数感知抑制媒体31を含むことができる。前記各定足数感知抑制媒体31のそれぞれは、担体、及び前記担体に固定された定足数感知抑制微生物を含むことができる。
【0053】
定足数感知抑制微生物が固定される前記担体は、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む3次元網状構造のハイドロゲルであり得る。
【0054】
前記定足数感知抑制微生物は、定足数感知に用いられる信号物質(N-acyl homoserine lactones:AHL)を分解できる酵素(例えば、ラクトナーゼ、アシラーゼなど)を生産できる微生物である。例えば、ロドコッカスBH4(Rhodococcus sp.BH4)、シュードモナスKS2(Pseudomonas sp.KS2)、シュードモナス1A1(Pseudomonas sp.1A1)、シュードモナスKS10(Pseudomonas sp.KS10)、バシラスSDC-U1(Bacillus sp.SDC-U1)などが本発明の定足数感知抑制微生物として使用され得る。
【0055】
前記各定足数感知抑制微生物の定足数感知活性をテストした結果、これらの全ては、長い炭素基(例えば、C8、C10、3-oxo-C12)を有するAHLであるほど、さらに速く分解する傾向を示した。ただし、シュードモナス1A1及びシュードモナスKS10は、短い炭素基(例えば、C4、C6、3-oxo-C6)を有するAHLは分解できないことが確認された。よって、前記定足数感知抑制微生物として、ロドコッカスBH4、シュードモナスKS2、及びバシラスSDC-U1を用いることが好ましく、短い炭素基を有するAHLを最も速く分解することが確認されたロドコッカスBH4を用いることがさらに好ましい。
【0056】
例えば、前記定足数感知抑制媒体31は、前記定足数感知抑制微生物を振盪培養(shacked culture)して増殖させる段階と、振盪培養液を遠心分離した後、上澄液(すなわち、培養液)を除去することによって微生物凝集体を得る段階と、前記微生物凝集体を緩衝溶液で洗浄した後、超純水に懸濁させることによって微生物懸濁液を得る段階と、前記微生物懸濁液を担体用高分子溶液(例えば、アルギン酸塩溶液)と混合することによって混合液を得る段階と、前記混合液を塩化カルシウム溶液に噴射することによって架橋反応を誘導する段階と、前記架橋反応を通じて得られる網状構造のハイドロゲルを乾燥させる段階とを含む方法によって製造され得る。前記定足数感知抑制媒体31の製造のための方法は、本明細書に参照として組み込まれる特許文献1に詳細に開示されている。
【0057】
前記分離膜部40の前記各定足数感知抑制媒体31により、各微生物の定足数感知による生物膜形成及びそれによる膜汚染を防止することができる。
【0058】
図1の(a)乃至(c)に概略的に例示したように、本発明の一実施例に係る分離膜部40は、前記廃水に少なくとも一部が浸るように前記タンク100に装着されたメッシュ型コンテナ32をさらに含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体31の少なくとも一部は、前記メッシュ型コンテナ32内に配置されていてもよい。前記各定足数感知抑制媒体31は、前記メッシュ型コンテナ32の気孔サイズより大きい粒子サイズを有することによって前記メッシュ型コンテナ32内に閉じ込められていてもよい。すなわち、前記多数の定足数感知抑制媒体31の少なくとも一部は、前記メッシュ型コンテナ32によって前記分離膜部40内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。
【0059】
前記メッシュ型コンテナ32は、例えば、支持台(図示せず)を通じて前記タンク100に装着され得る。例えば、前記支持台は、前記タンク100の上部に載せた状態でボルトなどの締結手段によって前記タンク100に分離可能に固定されてもよく、前記メッシュ型コンテナ32は、前記支持台にぶら下がっており、少なくともその一部が前記タンク100内の廃水に浸っていてもよい。前記支持台を前記タンク100から分離した後、前記メッシュ型コンテナ32と共に前記タンク100の外側に取り出すことによって、前記各定足数感知抑制媒体31の投入及び交換が容易に行われ得る。
【0060】
前記生物学的処理部20a、20b、20cでも、定足数感知に用いられる信号物質が微生物から排出されるので、前記生物学的処理部20a、20b、20cで生物学的に処理された廃水が前記分離膜部40に流入するとき、前記信号物質が共に流入し得る。このような信号物質の流入は、前記分離膜部40での定足数感知抑制効果を半減させ得る。
【0061】
したがって、上述したように、前記分離膜部40に加えて、又はその代わりに、前記生物学的処理部20a、20b、20cは、その内部の所定空間内に閉じ込められている多数の定足数感知抑制媒体31を含むことができる。
【0062】
特に、廃水が前記分離膜部40に留まる時間が相対的に短いので、前記生物学的処理部20a、20b、20cから前記分離膜部40に流入する信号物質の量に比べて前記分離膜部40内で新しく生成される信号物質の量が極めて微々たるものである場合は、前記生物学的処理部20a、20b、20cにのみ各定足数感知抑制媒体31が含まれ得る。前記各定足数感知抑制媒体31は、生物学的処理部20a、20b、20cで微生物から排出される信号物質を分解させることによって、前記信号物質が前記分離膜部40に流入することを防止又は最小化することができる。
【0063】
前記分離膜部40の各定足数感知抑制媒体31と同様に、前記生物学的処理部20a、20b、20cの各定足数感知抑制媒体31もメッシュ型コンテナ32内に配置され、前記メッシュ型コンテナ32の気孔サイズより大きい粒子サイズを有することによって、前記メッシュ型コンテナ32内に(すなわち、前記生物学的処理部20a、20b、20c内の所定空間内に)閉じ込められていてもよい。
【0064】
図1(a)は、第1乃至第3タンク21a、22a、23aのうち第3タンク23a(すなわち、好気槽)のみが各定足数感知抑制媒体31をその内部に含む生物学的処理部20aを例示しているが、本発明がこれに限定されることはなく、前記信号物質が前記分離膜部40に流入することを防止又は最小化するという目的を達成するために、前記第1及び/又は第2タンク21a、22a(すなわち、無酸素槽及び/又は嫌気槽)も、各定足数感知抑制媒体をその内部に含むことができる。
【0065】
これと同様に、
図1(b)は、第1及び第2タンク21b、22bのうち第2タンク22b(すなわち、嫌気槽又は好気槽)のみが各定足数感知抑制媒体31をその内部に含む生物学的処理部20bを例示しているが、前記信号物質が前記分離膜部40に流入することを防止又は最小化するという目的を達成するために、前記第1タンク21b(すなわち、無酸素槽)も、各定足数感知抑制媒体をその内部に含むことができる。
【0066】
要約すると、前記生物学的処理部20a、20b、20cは好気槽を含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体31の少なくとも一部は、メッシュ型コンテナ32を通じて前記好気槽内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。また、代案的に又は追加的に、前記生物学的処理部20a、20b、20cは、無酸素槽及び/又は嫌気槽を含むことができ、前記各定足数感知抑制媒体31の少なくとも一部は、メッシュ型コンテナ32を通じて前記無酸素槽及び/又は嫌気槽内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。
【0067】
図2は、各定足数感知抑制媒体31を分離膜部40内の所定空間内に閉じ込めるための代案的な実施例を例示する。
図2に例示したように、前記分離膜部40の各定足数感知抑制媒体31の少なくとも一部は、前記膜ろ過装置1000に統合(integrated)され得る。
【0068】
さらに具体的には、この実施例の膜ろ過装置1000は、スキッドフレーム(skid frame)1100、前記スキッドフレーム1100内に装着された多数の膜モジュール1200、及び前記スキッドフレーム内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール1300を含むことができる。
【0069】
前記スキッドフレーム1100は、上部水平フレーム1110、下部水平フレーム1120、及び前記上部水平フレーム1110と前記下部水平フレーム1120とを連結する多数の垂直部材1130を含むことができる。
【0070】
図面には示していないが、機械的耐久性を増加させるために、前記スキッドフレーム1100は、前記各垂直部材1130と前記上部及び下部水平フレーム1110、1120とを多様な方式で連結する多数の強化ロッド(reinforcing rods)をさらに含むことができる。
【0071】
前記各膜モジュール1200のそれぞれは、一端に第1排出ポートOP1を有する上部ヘッダー1211と、一端に第2排出ポートOP2を有する下部ヘッダー1212と、前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212と流体連通するろ過膜1220とを含むことができる。
【0072】
前記ろ過膜1220の一端及び他端が各ポッティング層(potting layers)1230を通じて上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212にそれぞれ固定される。前記ろ過膜1220が前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212とそれぞれ流体連通することによって、前記ろ過膜1220を透過したろ過水(permeate)が前記上部ヘッダー1211と前記下部ヘッダー1212の各集水空間(water-collecting spaces)内にそれぞれ流入する。次いで、前記ろ過水は、前記上部ヘッダー1211の第1排出ポートOP1及び前記下部ヘッダー1212の第2排出ポートOP2を介して膜モジュール1200から排出される。
【0073】
図2には、前記ろ過膜1220として、前記各垂直部材1130と平行な長さ方向を有する中空糸膜が例示されているが、本発明のろ過膜1220がそれに限定されることはなく、平膜であってもよい。
【0074】
前記上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212が前記上部水平フレーム1110及び下部水平フレーム1120にそれぞれ締結されることによって、前記膜モジュール1200が前記スキッドフレーム1100内に装着される。
【0075】
具体的には、前記上部水平フレーム1110は、前記第1排出ポートOP1を介して前記上部ヘッダー1211の一端が締結される上部クロスパイプ1111、前記上部ヘッダー1211の他端が締結される上部クロスバー1112、前記上部クロスパイプ1111の一端と前記上部クロスバー1112の一端とを連結する第1上部水平部材1113、及び前記上部クロスパイプ1111の他端と前記上部クロスバー1112の他端とを連結する第2上部水平部材1114を含むことができる。前記上部クロスパイプ1111の第1ホールH1に前記上部ヘッダー1211の第1排出ポートOP1が挿入されることによって、前記上部ヘッダー1211の一端が前記上部クロスパイプ1111に締結される。前記第1排出ポートOP1を介して前記上部ヘッダー1211から排出されるろ過水は、前記上部クロスパイプ1111内に流入した後、ろ過水排出ポートPOPを介して外部に流れ出るようになる。
【0076】
これと同様に、前記下部水平フレーム1120は、前記第2排出ポートOP2を通じて前記下部ヘッダー1212の一端が締結される下部クロスパイプ1121、前記下部ヘッダー1212の他端が締結される下部クロスバー1122、前記下部クロスパイプ1121の一端と前記下部クロスバー1122の一端とを連結する第1下部水平部材1123、及び前記下部クロスパイプ1121の他端と前記下部クロスバー1122の他端とを連結する第2下部水平部材1124を含むことができる。前記下部クロスパイプ1121の第2ホールH2に前記下部ヘッダー1212の第2排出ポートOP2が挿入されることによって、前記下部ヘッダー1212の一端が前記下部クロスパイプ1121に締結される。前記第2排出ポートOP2を介して前記下部ヘッダー1212から排出されるろ過水は、前記下部クロスパイプ1121内に流入する。
【0077】
前記上部クロスパイプ1111と前記下部クロスパイプ1121とを連結する各垂直部材1130のうち少なくとも一つがこれらと流体連通するパイプ形態を有することによって、前記下部クロスパイプ1121内に流入したろ過水は、前記上部クロスパイプ1111に流れ込み、次いで、前記ろ過水排出ポートPOPを介して外部に排出され得る。
【0078】
代案的に、前記下部クロスパイプ1121に別途のろ過水排出ポートを形成することによって、前記下部クロスパイプ1121内に流入したろ過水が、これを介して外部に排出されることも可能である。
【0079】
前記上部ヘッダー1211の他端は、前記上部クロスバー1112に締結される。例えば、
図2に例示したように、前記上部クロスバー1112に提供された第1リブ(rib)R1が前記上部ヘッダー1211の他端に提供された第1収容部材1241に挿入されることによって、前記上部ヘッダー1211の他端が前記上部クロスバー1112に締結され得る。
【0080】
これと同様に、前記下部クロスバー1122に提供された第2リブR2が前記下部ヘッダー1212の他端に提供された第2収容部材1242に挿入されることによって、前記下部ヘッダー1212の他端が前記下部クロスバー1122に締結され得る。
【0081】
図2に概略的に例示したように、前記少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール1300は、上部ヘッダー1311と、下部ヘッダー1312と、前記上部ヘッダー1311と下部ヘッダー1312との間に配置されており、両末端が前記上部及び下部ヘッダー1311、1312にそれぞれ結合されているメッシュ型コンテナ1320とを含むことができ、本発明の各定足数感知抑制媒体31は、前記メッシュ型コンテナ1320内に配置され得る。前記各定足数感知抑制媒体31は、前記メッシュ型コンテナ1320の気孔サイズより大きい粒子サイズを有することによって、前記メッシュ型コンテナ1320内に閉じ込められていてもよい。
【0082】
前記定足数感知抑制モジュール1300は、上述した膜モジュール1200の装着方式と実質的に同一の方法で前記スキッドフレーム1100内に装着され得る。
【0083】
前記定足数感知抑制モジュール1300の上部及び下部ヘッダー1311、1312は、前記膜モジュール1200の上部及び下部ヘッダー1211、1212と実質的に同一の構造を有することができる。すなわち、前記定足数感知抑制モジュール1300の上部及び下部ヘッダー1311、1312のそれぞれも、その内部に空のスペースを有することができ、ポッティング層(図示せず)を通じて前記メッシュ型コンテナ1320と結合され得る。ただし、前記膜モジュール1200によって生産されたろ過水が、前記各クロスパイプ1111、1121を介して前記上部及び下部ヘッダー1311、1312の空のスペースに流入することを防止するために、前記定足数感知抑制モジュール1300の上部及び下部ヘッダー1311、1312のそれぞれの排出ポートが閉塞(clogged)されていてもよい。
【0084】
代案的に、前記定足数感知抑制モジュール1300の上部及び下部ヘッダー1311、1312は、その内部に空のスペースがない構造を有することができ、前記メッシュ型コンテナ1320の両末端は、通常の機械的及び/又は化学的結合方式を通じて前記上部及び下部ヘッダー1311、1312にそれぞれ結合され得る。
【0085】
要約すると、本発明の前記各定足数感知抑制媒体31は、
図1の(a)乃至(c)に例示したように、前記生物学的処理部20a、20b、20c及び/又は前記分離膜部40内に配置されたメッシュ型コンテナ32によって所定空間内に閉じ込められていたり、又は、
図2に例示したように、前記膜ろ過装置1000に統合された前記定足数感知抑制モジュール1300のメッシュ型コンテナ1320によって前記分離膜部40内の所定空間内に閉じ込められていてもよい。よって、廃活性スラッジ(WAS)又は余剰活性スラッジ(SAS)が前記分離膜部40から排出されることによって水処理システムから除去されるとき、前記各定足数感知抑制媒体31がこれらと共になくなることを防止又は最小化することができ、その結果、水処理システムの経済性が向上し得る。また、前記各定足数感知抑制媒体31がろ過膜1220と離隔した状態で存在するので、前記ろ過膜1220自体の水透過度(すなわち、初期水透過度)が前記定足数感知抑制媒体31によって低下する危険もない。
【0086】
前記膜ろ過装置1000による固液分離が進められることによって、前記ろ過膜1220の表面に汚染物質がくっ付いてしまい、ろ過膜1220の透過性能が低下し得る。よって、汚染物質をろ過膜1220の表面から分離する洗浄作業が要求される。このような洗浄作業は、ブロワー(blower)から供給される空気が散気管(aeration tube)の各散気ホール(aeration holes)を介してろ過膜に噴出されることによって、膜の表面に付いている汚染物質を除去する曝気方式を通じて主に行われている。しかし、曝気方式の洗浄は、ブロワーによるエネルギー消耗量を増加させる。
【0087】
このような曝気洗浄の問題を克服するために、大韓民国公開特許公報第10-2018-0062257A号(以下、「特許文献3」という)は、処理されなければならない廃水内でろ過膜の往復運動を通じて膜汚染を防止又は減少させる装置及び方法を提案した。具体的には、特許文献3は、多数のローラー(rollers)が装着された一つの往復フレームに多数の膜ろ過装置を共に締結し、水処理作業中に駆動部を用いて前記往復フレームをガイドレールに沿って往復運動させることによって、前記各膜ろ過装置の各ろ過膜を洗浄することを教示している。
【0088】
このような特許文献3の方法は、曝気洗浄方式に比べてエネルギー消耗量が相対的に少ないという長所を有する。しかし、往復フレームとガイドレールとの間の扁平度(flatness)の差により、往復フレームの全てのローラーが前記ガイドレールに同時に接触できないという問題があり、これは、ガイドレールと接触する一部のローラーへの荷重偏重(load bias)を誘発することによって、ローラーの摩耗及びベアリング破損を加速させる。また、前記往復フレームの往復移動中にガイドレールに対する各ローラーの接触及び非接触が繰り返し発生するので、接触衝撃によるローラー破損はもちろんで、相当な騒音が誘発される。
【0089】
本発明のさらに他の観点によると、相対的に少ないエネルギー消耗でろ過膜1220の洗浄を行えるだけでなく、部品破損及び騒音誘発を防止できる分離膜部40が提供される。
【0090】
以下では、
図3乃至
図5を参照して本発明の一実施例に係る分離膜部40を具体的に説明する。
【0091】
図3は、本発明の一実施例に係る分離膜部40を概略的に示す分解斜視図で、
図4は、前記分離膜部40の膜ろ過装置1000を概略的に示す分解斜視図で、
図5の(a)及び(b)は、前記分離膜部40のガイドメカニズムをそれぞれ概略的に示す斜視図及び断面図である。
【0092】
図面の単純化及び発明の容易な理解のために、
図3では、膜ろ過装置1000が省略された。
【0093】
図3乃至
図5に例示したように、本発明の一実施例に係る分離膜部40は、処理されなければならない廃水が流入するタンク100と、前記廃水内に少なくとも一部が浸漬され、ろ過作業を行える少なくとも一つの膜ろ過装置1000と、前記膜ろ過装置1000の往復運動のための駆動部200と、前記膜ろ過装置1000と共に往復運動を行える第1レール300と、前記膜ろ過装置1000の往復運動をガイドできる第2レール400と、前記第1レール300と第2レール400との間のフリーローラー500とを含む。
【0094】
往復フレームに多数のローラーが固定・付着した(fixedly coupled)特許文献3と異なり、本発明の前記フリーローラー500は、如何なるフレームにも固定・付着しておらず、よって、前記第1及び第2レール300、400の全てに対して相対的移動が可能である。ろ過作業中に、各膜ろ過装置1000の荷重が本発明の前記フリーローラー500に均一に分配され得る。結果的に、本発明の分離膜部40は、散気洗浄方式で要求されるエネルギーよりも少ない量のエネルギーのみを用いてろ過膜を洗浄することを可能にするだけでなく、荷重集中による部品破損(特に、ローラー破損)を防止することによって、運用及び維持費用を画期的に節減することができ、ろ過作業中の騒音発生を抑制することができる。
【0095】
本発明の一実施例に係る分離膜部40は、複数個の膜ろ過装置1000が個別的に締結された往復フレーム600をさらに含む。前記駆動部200は、前記往復フレーム600を通じて前記各膜ろ過装置1000の往復運動を具現することができる。
【0096】
図3に例示したように、前記駆動部200は、モーター210、前記往復フレーム600に連結された動力伝達部材220、及び前記モーター210の回転運動を前記動力伝達部材220の直線往復運動に変換させ得る運動変換メカニズム230を含むことができる。
【0097】
前記運動変換メカニズム230は、クランクロッドメカニズム(crank-rod mechanism)であり得る。すなわち、前記運動変換メカニズム230は、前記モーター210によって回転するクランクシャフト(crank shaft)231と、一端が前記クランクシャフト231に連結され、他端が前記動力伝達部材220に連結されたコネクティングロッド(connecting rod)232とを含むことができる。代案的に、前記運動変換メカニズム230は、カムフォロアメカニズム(cam-follower mechanism)であり得る。
【0098】
図4に例示したように、前記往復フレーム600に締結された複数個の膜ろ過装置1000のそれぞれは、スキッドフレーム1100、及びその内部に装着された多数の膜モジュール1200を含むことができる。図面には示していないが、上述したように、前記各膜ろ過装置1000のうち少なくとも一つは、前記スキッドフレーム1100内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール1300をさらに含むこともできる。
【0099】
前記スキッドフレーム1100は、上部水平フレーム1110、下部水平フレーム1120、及び前記上部水平フレーム1110と前記下部水平フレーム1120とを連結する多数の垂直部材1130を含むことができる。前記スキッドフレーム1100は、多様な公知の方式を通じて前記往復フレーム600に締結され得る。
【0100】
例えば、
図4に例示したように、前記各垂直部材1130が前記上部水平フレーム1110を通過するように延長され得る。また、これらの延長部(extensions)が前記往復フレーム600に締結され得るが、これは、前記駆動部200、前記往復フレーム600、前記第1及び第2レール300、400、及び前記フリーローラー500などがタンク100内の廃水に浸漬されない場合にも、前記膜ろ過装置1000の各膜モジュール1200が前記廃水内に浸漬され、ろ過作業を行えるようにする。よって、廃水内に浸ることによって腐食に脆弱になるしかない部品の個数を最小化できるだけでなく、腐食抑制のための別途の化学的処理の必要性も最小化することができる。
【0101】
図面には示していないが、機械的耐久性を増加させるために、前記スキッドフレーム1100は、前記各垂直部材1130と前記上部及び下部水平フレーム1110、1120とを多様な方式で連結する多数の強化ロッドをさらに含むことができる。
【0102】
前記各膜モジュール1200のそれぞれは、一端に第1排出ポートOP1を有する上部ヘッダー1211と、一端に第2排出ポートOP2を有する下部ヘッダー1212と、前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212と流体連通するろ過膜1220とを含むことができる。
【0103】
前記ろ過膜1220の一端及び他端が各ポッティング層1230を通じて上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212にそれぞれ固定される。前記ろ過膜1220が前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212とそれぞれ流体連通することによって、前記ろ過膜1220を透過したろ過水(permeate)は、前記上部ヘッダー1211と前記下部ヘッダー1212の各集水空間内にそれぞれ流入する。次いで、前記ろ過水は、前記上部ヘッダー1211の第1排出ポートOP1及び前記下部ヘッダー1212の第2排出ポートOP2を介して膜モジュール1200から排出される。
【0104】
図4には、前記ろ過膜1220として、前記各垂直部材1130と平行な長さ方向を有する中空糸膜が例示されているが、本発明のろ過膜1220がそれに限定されることはなく、平膜であってもよい。
【0105】
前記上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212が前記上部水平フレーム1110及び下部水平フレーム1120にそれぞれ締結されることによって、前記膜モジュール1200が前記スキッドフレーム1100内に装着される。
【0106】
具体的には、前記上部水平フレーム1110は、前記第1排出ポートOP1を通じて前記上部ヘッダー1211の一端が締結される上部クロスパイプ1111、前記上部ヘッダー1211の他端が締結される上部クロスバー1112、前記上部クロスパイプ1111の一端と前記上部クロスバー1112の一端とを連結する第1上部水平部材1113、及び前記上部クロスパイプ1111の他端と前記上部クロスバー1112の他端とを連結する第2上部水平部材1114を含むことができる。前記上部クロスパイプ1111の第1ホールH1に前記上部ヘッダー1211の第1排出ポートOP1が挿入されることによって、前記上部ヘッダー1211の一端が前記上部クロスパイプ1111に締結される。前記第1排出ポートOP1を介して前記上部ヘッダー1211から排出されるろ過水は、前記上部クロスパイプ1111内に流入した後、ろ過水排出ポートPOPを介して外部に流れ出るようになる。
【0107】
これと同様に、前記下部水平フレーム1120は、前記第2排出ポートOP2を通じて前記下部ヘッダー1212の一端が締結される下部クロスパイプ1121、前記下部ヘッダー1212の他端が締結される下部クロスバー1122、前記下部クロスパイプ1121の一端と前記下部クロスバー1122の一端とを連結する第1下部水平部材1123、及び前記下部クロスパイプ1121の他端と前記下部クロスバー1122の他端とを連結する第2下部水平部材1124を含むことができる。前記下部クロスパイプ1121の第2ホールH2に前記下部ヘッダー1212の第2排出ポートOP2が挿入されることによって、前記下部ヘッダー1212の一端が前記下部クロスパイプ1121に締結される。前記第2排出ポートOP2を介して前記下部ヘッダー1212から排出されるろ過水は、前記下部クロスパイプ1121内に流入する。
【0108】
前記上部クロスパイプ1111と前記下部クロスパイプ1121とを連結する各垂直部材1130のうち少なくとも一つがこれらと流体連通するパイプ形態を有することによって、前記下部クロスパイプ1121内に流入したろ過水は、前記上部クロスパイプ1111に流れ込み、次いで、前記ろ過水排出ポートPOPを介して外部に排出され得る。
【0109】
代案的に、前記下部クロスパイプ1121に別途のろ過水排出ポートを形成することによって、前記下部クロスパイプ1121内に流入したろ過水がこれを介して外部に排出されることも可能である。
【0110】
前記上部ヘッダー1211の他端は、前記上部クロスバー1112に締結される。例えば、
図4に例示したように、前記上部クロスバー1112に提供された第1リブR1が前記上部ヘッダー1211の他端に提供された第1収容部材1241に挿入されることによって、前記上部ヘッダー1211の他端が前記上部クロスバー1112に締結され得る。
【0111】
これと同様に、前記下部クロスバー1122に提供された第2リブR2が前記下部ヘッダー1212の他端に提供された第2収容部材1242に挿入されることによって、前記下部ヘッダー1212の他端が前記下部クロスバー1122に締結され得る。
【0112】
複数個の前記膜ろ過装置1000がそれぞれ締結されている前記往復フレーム600は、前記フリーローラー500に向かう底面を有し、前記第1レール300は、前記往復フレーム600の前記底面に装着される。したがって、前記駆動部200によって前記往復フレーム600が往復運動をするとき、本発明の前記第1レール300は、前記各膜ろ過装置1000と共に往復運動をすることができる。
【0113】
図3及び
図5に例示したように、前記分離膜部40は、タンク100に提供されたガイドフレーム700をさらに含むことができる。前記ガイドフレーム700は、前記フリーローラー500に向かう上面を有することができ、前記第2レール400は、前記ガイドフレーム700の前記上面に装着され得る。
【0114】
図6は、本発明の他の実施例に係るダブル-デッキタイプの膜ろ過装置2000を概略的に示す分解斜視図である。
【0115】
図6に例示したように、ダブル-デッキタイプの膜ろ過装置2000は、第1及び第2内部空間を有するスキッドフレーム2100、前記第1内部空間内に装着された第1膜モジュール2200a、及び前記第2内部空間内に装着された第2膜モジュール2200bを含む。図面には示していないが、上述したように、前記膜ろ過装置2000は、前記第1及び/又は第2空間内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール1300をさらに含むこともできる。
【0116】
前記スキッドフレーム2100は、上部水平フレーム2110、下部水平フレーム2120、及び前記上部水平フレーム2110と前記下部水平フレーム2120とを連結する多数の垂直部材2130を含むことができる。前記各垂直部材2130は、前記上部水平フレーム2110を通過するように延長され得る。また、これらの延長部が前記往復フレーム600に締結され得る。
【0117】
図面には示していないが、機械的耐久性を増加させるために、前記スキッドフレーム2100は、前記各垂直部材2130と前記上部及び下部水平フレーム2110、2120とを多様な方式で連結する多数の強化ロッドをさらに含むことができる。
【0118】
前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bのそれぞれは、一端に第1排出ポートOP1を有する上部ヘッダー1211と、一端に第2排出ポートOP2を有する下部ヘッダー1212と、前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212と流体連通するろ過膜1220とを含むことができる。
【0119】
前記ろ過膜1220の一端及び他端が各ポッティング層1230を通じて上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212にそれぞれ固定される。前記ろ過膜1220が前記上部ヘッダー1211及び前記下部ヘッダー1212とそれぞれ流体連通することによって、前記ろ過膜1220を透過したろ過水は、前記上部ヘッダー1211と前記下部ヘッダー1212の各集水空間内にそれぞれ流入する。次いで、前記ろ過水は、前記上部ヘッダー1211の第1排出ポートOP1及び前記下部ヘッダー1212の第2排出ポートOP2を介して各膜モジュール2200a、2200bのそれぞれから排出される。
【0120】
図6には、前記ろ過膜1220として、前記各垂直部材2130と平行な長さ方向を有する中空糸膜が例示されているが、本発明のろ過膜1220がそれに限定されることはなく、平膜であってもよい。
【0121】
前記上部ヘッダー1211及び下部ヘッダー1212が前記上部水平フレーム2110及び下部水平フレーム2120にそれぞれ締結されることによって、前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bのそれぞれが前記スキッドフレーム2100に装着される。
【0122】
具体的には、前記上部水平フレーム2110は、共通上部クロスパイプ(common upper cross pipe)2111、第1及び第2上部クロスバー2112a、2112b、前記共通上部クロスパイプ2111の一端と前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bの一端とを連結する第1上部水平部材2113、及び前記共通上部クロスパイプ2111の他端と前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bの他端とを連結する第2上部水平部材2114を含むことができる。前記共通上部クロスパイプ2111は、前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bと平行な長さ方向を有し、前記第1上部クロスバー2112aと第2上部クロスバー2112bとの間に配置される。
【0123】
前記共通上部クロスパイプ2111は、前記第1上部クロスバー2112aに向かう面及びその反対側面[すなわち、前記第2上部クロスバー2112bに向かう面]のそれぞれに第1ホールH1を有する。前記第1ホールH1に第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの第1排出ポートOP1がそれぞれ挿入されることによって、前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各上部ヘッダー1211の一端が前記共通上部クロスパイプ2111にそれぞれ締結される。前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bのそれぞれの第1排出ポートOP1を介して排出されるろ過水は、前記共通上部クロスパイプ2111内に流入した後、ろ過水排出ポートPOPを介して外部に流れ出るようになる。
【0124】
これと同様に、前記下部水平フレーム2120は、共通下部クロスパイプ(common lower cross pipe)2121、第1及び第2下部クロスバー2122a、2122b、前記共通下部クロスパイプ2121の一端と前記第1及び第2下部クロスバー2122a、2122bの一端とを連結する第1下部水平部材2123、及び前記共通下部クロスパイプ2121の他端と前記第1及び第2下部クロスバー2122a、2122bの他端とを連結する第2下部水平部材2124を含むことができる。前記共通下部クロスパイプ2121は、前記第1及び第2下部クロスバー2122a、2122bと平行な長さ方向を有し、前記第1下部クロスバー2122aと第2下部クロスバー2122bとの間に配置される。
【0125】
前記共通下部クロスパイプ2121は、前記第1下部クロスバー2122aに向かう面及びその反対側面[すなわち、前記第2下部クロスバー2122bに向かう面]のそれぞれに第2ホールH2を有する。前記第2ホールH2に第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの第2排出ポートOP2がそれぞれ挿入されることによって、前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各下部ヘッダー1212の一端が前記共通下部クロスパイプ2121にそれぞれ締結される。前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bのそれぞれの第2排出ポートOP2を介して排出されるろ過水は、前記共通下部クロスパイプ2121内に流入する。
【0126】
前記共通上部クロスパイプ2111と前記共通下部クロスパイプ2121とを連結する各垂直部材2130のうち少なくとも一つがこれらと流体連通するパイプ形態を有することによって、前記共通下部クロスパイプ2121内に流入したろ過水は、前記共通上部クロスパイプ2111に流れ込み、次いで、前記ろ過水排出ポートPOPを介して外部に排出され得る。
【0127】
代案的に、前記共通下部クロスパイプ2121に別途のろ過水排出ポートを形成することによって、前記共通下部クロスパイプ2121内に流入したろ過水がこれを介して外部に排出されることも可能である。
【0128】
前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各上部ヘッダー1211の他端は、前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bにそれぞれ締結される。例えば、
図6に例示したように、前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bに提供された第1リブ(ribs)R1が前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各上部ヘッダー1211の他端に提供された第1収容部材1241にそれぞれ挿入されることによって、前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各上部ヘッダー1211の他端が前記第1及び第2上部クロスバー2112a、2112bにそれぞれ締結され得る。
【0129】
これと同様に、前記第1及び第2下部クロスバー2122a、2122bに提供された第2リブR2が前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各下部ヘッダー1212の他端に提供された第2収容部材1242にそれぞれ挿入されることによって、前記第1及び第2膜モジュール2200a、2200bの各下部ヘッダー1212の他端が前記第1及び第2下部クロスバー2122a、2122bにそれぞれ締結され得る。
【0130】
スキッドフレーム2100内の各膜モジュール2200a、2200bの集積度増加により、上述したダブル-デッキタイプの膜ろ過装置2000は向上した回収率(recovery rate)を有する。
【0131】
図7の(a)及び(b)は、本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的に示す断面図である。
【0132】
本発明の他の実施例によると、前記第1レール300と前記往復フレーム600との間の距離が可変的になり得るように(すなわち、d1<->d2)、前記第1レール300が前記往復フレーム600の底面に弾性的に装着され得る。
【0133】
具体的には、
図7に例示したように、前記往復フレーム600は、前記底面の反対側上面から前記底面まで延長された貫通ホールTHを有することができ、前記第1レール300は、結合部材810を通じて前記往復フレーム600の前記底面に装着され得る。前記結合部材810は、前記往復フレーム600の上面側に位置したヘッド811、前記第1レール300に挿入されたねじ末端812、及び前記ヘッド811と前記ねじ末端812との間の中央ボディー813を含むことができる。
【0134】
前記中央ボディー813は、前記貫通ホールTHに沿って移動可能であり、前記貫通ホールTHより長い長さを有する。前記往復フレーム600と前記第1レール300との間に弾性部材820が介在する。例えば、前記中央ボディー813は、前記往復フレーム600の底面と前記第1レール300との間で露出している部分を含むことができ、前記弾性部材820は、前記露出した部分を取り囲むスプリングであり得る。
【0135】
如何なるフレームにも固定・付着していない本発明のフリーローラー500は、重力の作用によってガイドフレーム700上の第2レール400との接触状態を常に維持することができる。その一方で、往復フレーム600とガイドフレーム700との間の扁平度の差により、前記往復フレーム600の底面に装着された前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の接触が常に維持され得るわけではない。しかし、上述した本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムによると、往復フレーム600とガイドフレーム700との間の扁平度の差により、往復フレーム600のいずれかの部分と前記ガイドフレーム700との間のギャップが一時的に大きくなる場合が往復運動中に発生したとしても、前記部分に対応する第1レール300が前記弾性部材820の弾性力によって該当のフリーローラー500側に移動することによって、前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の堅固な接触が常に維持され得る。したがって、一部のフリーローラー500への荷重偏重によるフリーローラー500の破損が防止され得る。また、前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の接触及び非接触の繰り返しによるフリーローラー500の破損及び騒音発生も防止され得る。
【0136】
図8の(a)、(b)及び(c)は、本発明のさらに他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的にそれぞれ示す斜視図、断面図及び正面図である。
【0137】
図8に例示したように、本発明の分離膜部40は、中央ホールCHを有するピボット部材910をさらに含むことができる。前記ピボット部材910の第1末端は、前記ガイドフレーム700にピボット可能に結合されていてもよく、前記ピボット部材910の第2末端は、第1及び第2フィンガー911、912を有する二股末端(two-pronged end)であってもよい。
【0138】
前記フリーローラー500の回転軸に連結された回転シャフト510が前記ピボット部材910の前記中央ホールCHを貫通することができ、前記往復フレーム600に提供された突起部610が前記第1フィンガー911と第2フィンガー912との間のギャップに配置されていてもよい。前記突起部610は、前記往復フレーム600にねじを通じて結合された円形リング部材(circular ring member)であり得る。
【0139】
前記駆動部200によって実行される前記往復フレーム600の往復運動は、(i)前記フリーローラー500の回転及び往復運動、(ii)前記ピボット部材910のピボット運動、及び(iii)前記第1フィンガー911と第2フィンガー912との間のギャップ内での前記ピボット部材910に対する前記突起部610の相対的往復運動(前記ギャップの長さ方向に沿う)を発生させる。
【0140】
上述したピボット部材910は、本発明のフリーローラー500の離脱を防止することができる。選択的に、前記分離膜部40は、前記ピボット部材910の中央ホールCHを貫通した前記回転シャフト510の末端に結合された離脱防止部材(separation-preventing member)920をさらに含むことができる。
【0141】
本発明の分離膜部40は、上述した
図7のガイドメカニズム及び
図8のガイドメカニズムのうちいずれか一つのみを採択することもでき、これらの全てを組み合わせて採択することもできる。
【0142】
以下では、
図9乃至
図11を参照して本発明の他の実施例に係る分離膜部40を具体的に説明する。
【0143】
図9は、本発明の他の実施例に係る分離膜部40を概略的に示す斜視図で、
図10は、前記分離膜部40の膜ろ過装置3000を概略的に示す分解斜視図で、
図11の(a)及び(b)は、前記分離膜部40のガイドメカニズムをそれぞれ概略的に示す斜視図及び断面図である。
【0144】
図面の単純化及び発明の容易な理解のために、
図9では、タンク及び膜モジュールが省略されたことに留意しなければならない。
【0145】
図9乃至
図11に例示したように、本発明の他の実施例に係る分離膜部40は、タンク(図示せず)に流入した廃水内に少なくとも一部が浸漬され、ろ過作業を行える複数個の膜ろ過装置3000と、前記各膜ろ過装置3000の往復運動のための駆動部200と、前記各膜ろ過装置3000と共に往復運動を行える第1レール300と、前記各膜ろ過装置3000の往復運動をガイドできる第2レール400と、前記第1レール300と第2レール400との間の各フリーローラー500とを含む。
【0146】
上述した本発明の一実施例に係る分離膜部40と同様に、本発明の前記フリーローラー500は、如何なるフレームにも固定・付着しておらず、よって、前記第1及び第2レール300、400の全てに対して相対的移動が可能である。また、ろ過作業中に、各膜ろ過装置3000の荷重が本発明の前記フリーローラー500に均一に分配され得る。結果的に、本発明の他の実施例に係る分離膜部40も、散気洗浄方式で要求されるエネルギーよりも少ない量のエネルギーのみを用いてろ過膜を洗浄することを可能にするだけでなく、荷重集中による部品破損(特に、ローラー破損)を防止することによって、運用及び維持費用を画期的に節減することができ、ろ過作業中の騒音発生を抑制することができる。
【0147】
図10に例示したように、前記各膜ろ過装置3000のそれぞれは、スキッドフレーム3100、及び前記スキッドフレーム3100内に装着された多数の膜モジュール3200を含むことができる。図面には示していないが、上述したように、前記各膜ろ過装置3000のうち少なくとも一つは、前記スキッドフレーム3100内に装着された少なくとも一つの定足数感知抑制モジュール1300をさらに含むこともできる。
【0148】
前記スキッドフレーム3100は、支持フレーム3140と、下部水平フレーム3120と、前記支持フレーム3140と前記下部水平フレーム3120との間の上部水平フレーム3110と、前記支持フレーム3140、上部水平フレーム3110、及び下部水平フレーム3120を連結する多数の垂直部材3130とを含むことができる。
【0149】
図面には示していないが、機械的耐久性を増加させるために、前記スキッドフレーム3100は、前記支持フレーム3140、前記上部及び下部水平フレーム3110、3120、及び前記各垂直部材3130を多様な方式で連結する多数の強化ロッドをさらに含むことができる。
【0150】
前記支持フレーム3140は、前記フリーローラー500に向かう底面を有することができ、前記第1レール300は、前記支持フレーム3140の前記底面に装着され得る。したがって、前記駆動部200によって前記膜ろ過装置3000が往復運動をするとき、本発明の前記第1レール300は、前記各膜ろ過装置3000と共に往復運動をすることができる。
【0151】
前記各膜モジュール3200のそれぞれは、一端に第1排出ポートOP1を有する上部ヘッダー3211と、一端に第2排出ポートOP2を有する下部ヘッダー3212と、前記上部ヘッダー3211及び前記下部ヘッダー3212と流体連通するろ過膜3220とを含むことができる。
【0152】
前記ろ過膜3220の一端及び他端が各ポッティング層3230を通じて上部及び下部ヘッダー3211、3212にそれぞれ固定される。前記ろ過膜3220が前記上部及び下部ヘッダー3211、3212とそれぞれ流体連通することによって、前記ろ過膜3220を透過したろ過水は、前記上部及び下部ヘッダー3211、3212の各集水空間内にそれぞれ流入する。次いで、前記ろ過水は、前記上部及び下部ヘッダー3211、3212の各排出ポートOP1、OP2を介して膜モジュール3200から排出される。
【0153】
前記上部及び下部ヘッダー3211、3212が前記上部及び下部水平フレーム3110、3120にそれぞれ締結されることによって、前記膜モジュール3200が前記スキッドフレーム3100内に装着される。
【0154】
具体的には、前記上部水平フレーム3110は、前記第1排出ポートOP1を通じて前記上部ヘッダー3211の一端が締結される上部クロスパイプ3111、前記上部ヘッダー3211の他端が締結される上部クロスバー3112、前記上部クロスパイプ3111の一端と前記上部クロスバー3112の一端とを連結する第1上部水平部材3113、及び前記上部クロスパイプ3111の他端と前記上部クロスバー3112の他端とを連結する第2上部水平部材3114を含むことができる。前記上部クロスパイプ3111の第1ホールH1に前記上部ヘッダー3211の第1排出ポートOP1が挿入されることによって、前記上部ヘッダー3211の一端が前記上部クロスパイプ3111に締結される。前記第1排出ポートOP1を介して前記上部ヘッダー3211から排出されるろ過水は、前記上部クロスパイプ3111内に流入した後、ろ過水排出ポートPOPを介して外部に流れ出るようになる。
【0155】
これと同様に、前記下部水平フレーム3120は、前記第2排出ポートOP2を通じて前記下部ヘッダー3212の一端が締結される下部クロスパイプ3121、前記下部ヘッダー3212の他端が締結される下部クロスバー3122、前記下部クロスパイプ3121の一端と前記下部クロスバー3122の一端とを連結する第1下部水平部材3123、及び前記下部クロスパイプ3121の他端と前記下部クロスバー3122の他端とを連結する第2下部水平部材3124を含むことができる。前記下部クロスパイプ3121の第2ホールH2に前記下部ヘッダー3212の第2排出ポートOP2が挿入されることによって、前記下部ヘッダー3212の一端が前記下部クロスパイプ3121に締結される。前記第2排出ポートOP2を介して前記下部ヘッダー3212から排出されるろ過水は、前記下部クロスパイプ3121内に流入する。
【0156】
前記上部クロスパイプ3111と前記下部クロスパイプ3121とを連結する各垂直部材3130のうち少なくとも一つがこれらと流体連通するパイプ形態を有することによって、前記下部クロスパイプ3121内に流入したろ過水は、前記上部クロスパイプ3111に流れ込み、次いで、前記ろ過水排出ポートPOPを介して外部に排出され得る。
【0157】
代案的に、前記下部クロスパイプ3121に別途のろ過水排出ポートを形成することによって、前記下部クロスパイプ3121内に流入したろ過水がこれを介して外部に排出されることも可能である。
【0158】
前記上部ヘッダー3211の他端は、前記上部クロスバー3112に締結される。例えば、
図10に例示したように、前記上部クロスバー3112に提供された第1リブR1が前記上部ヘッダー3211の他端に提供された第1収容部材3241に挿入されることによって、前記上部ヘッダー3211の他端が前記上部クロスバー3112に締結され得る。
【0159】
これと同様に、前記下部クロスバー3122に提供された第2リブR2が前記下部ヘッダー3212の他端に提供された第2収容部材3242に挿入されることによって、前記下部ヘッダー3212の他端が前記下部クロスバー3122に締結され得る。
【0160】
前記分離膜部40によると、各膜モジュール3200が装着される上部及び下部水平フレーム3110、3120上に前記支持フレーム3140が配置され、この支持フレーム3140に前記第1レール300が装着される。よって、前記駆動部200、前記支持フレーム3140、前記第1及び第2レール300、400、及び前記フリーローラー500などが廃水に浸漬されない場合にも、前記膜ろ過装置3000の各膜モジュール3200が前記廃水内に浸漬され、ろ過作業を行うことができる。したがって、廃水内に浸ることによって腐食に脆弱になるしかない部品の個数を最小化できるだけでなく、腐食抑制のための別途の化学的処理の必要性も最小化することができる。
【0161】
図10に例示した膜ろ過装置3000の代わりに、
図6に例示したダブル-デッキタイプの膜ろ過装置2000に前記支持フレーム3140を締結した膜ろ過装置が使用されることもある。この場合にも、支持フレーム3140の底面に前記第1レール300が装着される。
【0162】
図10に例示したように、前記スキッドフレーム3100の支持フレーム3140は、第1レール300がそれぞれ装着された一対の平行バー(parallel bars)3141、3142、及び前記一対の平行バー3141、3142を連結する少なくとも一つのコネクティングバー(connecting bar)3143、3144を含むことができ、前記コネクティングバー3143、3144に前記各垂直部材3130が結合され得る。
【0163】
図9及び
図11に例示したように、前記分離膜部40は、タンク(図示せず)に提供されたガイドフレーム700をさらに含むことができ、前記ガイドフレーム700は、前記フリーローラー500に向かう上面を有することができ、前記第2レール400は、前記ガイドフレームの前記上面に装着され得る。
【0164】
図9に例示したように、前記駆動部200は、モーター210、前記膜ろ過装置3000に連結された動力伝達部材220、及び前記モーター210の回転運動を前記動力伝達部材220の直線往復運動に変換させ得る運動変換メカニズム230を含むことができる。
【0165】
前記運動変換メカニズム230は、クランクロッドメカニズムであり得る。すなわち、前記運動変換メカニズム230は、前記モーター210によって回転するクランクシャフトと、一端が前記クランクシャフトに連結され、他端が前記動力伝達部材220に連結されたコネクティングロッドとを含むことができる。代案的に、前記運動変換メカニズム230は、カムフォロアメカニズムであり得る。
【0166】
図9に例示した実施例の分離膜部40は、前記直線往復運動の方向に沿って並んで配列された複数個の膜ろ過装置を含む。例えば、前記駆動部200の動力伝達部材220が第1膜ろ過装置の支持フレームに直接締結され、前記第1膜ろ過装置の支持フレームは、第2膜ろ過装置の支持フレームに直接締結される。したがって、前記駆動部200は、前記第1膜ろ過装置の往復運動のための直接的駆動源(direct driving source)になり、前記第1膜ろ過装置は、前記第2膜ろ過装置の往復運動のための直接的駆動源になる。すなわち、前記駆動部200は、自身に直接締結された膜ろ過装置を除いた残りの膜ろ過装置に対して間接的駆動源として作用する。
【0167】
前記各膜ろ過装置3000のそれぞれの支持フレーム3140は、前記動力伝達部材220及び/又は他の膜ろ過装置の支持フレーム3140と、例えば、ボルトを用いて互いに分離可能に締結され得る。よって、多数の膜ろ過装置3000のうちいずれか一つが損傷すると、それのみをタンクから取り出して修理又は交替することが可能である。その結果、分離膜部40の維持補修が相対的に低い費用で容易に行われ得る。損傷した膜ろ過装置のみをタンクから容易に取り出すために、前記各膜ろ過装置3000のそれぞれは、前記支持フレーム3140上に提供されたリフティングフックレシーバー3150をさらに含むことができる。
【0168】
図9乃至
図11に例示した実施例による分離膜部40は、「往復フレーム」を使用しないという点で特許文献3及び
図3乃至
図5に例示した実施例による分離膜部40と相違する。往復フレームは、多数の膜ろ過装置が同時に締結され得る程度に大きいサイズを有さなければならないので、(i)交通法規などの運搬制約によって往復フレームの各部分を個別的に水処理場所に運搬した後、そこで溶接を通じて往復フレームを完成しなければならないという不便さがあり、(ii)いずれか一つの膜ろ過装置の一部(例えば、膜モジュール)の損傷が誘発される場合、その補修のために大きい重量の往復フレーム、及びこれに締結された全ての膜ろ過装置を共に持ち上げなければならないという困難さ及び不便さがある。これに反して、往復フレームを採択しない
図9乃至
図11に例示した実施例によると、(i)往復フレームの部分別運搬及びこれらの溶接を省略できるので、分離膜部40を相対的に低い費用で容易に設置することができ、(ii)ろ過作業中にいずれか一つの膜ろ過装置の損傷が発生する場合、該当の膜ろ過装置のみを分離し、タンクから取り出すことが可能であるので、分離膜部40の維持補修が相対的に容易になるだけでなく、その費用を画期的に節減することができる。
【0169】
図12の(a)及び(b)は、本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的に示す断面図である。
【0170】
本発明の他の実施例によると、第1レール300と膜ろ過装置3000の支持フレーム3140との間の距離が可変的になり得るように(すなわち、d1<->d2)、前記第1レール300が前記支持フレーム3140の底面に弾性的に装着され得る。
【0171】
具体的には、
図12に例示したように、前記支持フレーム3140は、前記底面の反対側上面から前記底面まで延長された貫通ホールTHを有することができ、前記第1レール300は、結合部材810を通じて前記支持フレーム3140の前記底面に装着され得る。前記結合部材810は、前記支持フレーム3140の上面側に位置したヘッド811、前記第1レール300に挿入されたねじ末端812、及び前記ヘッド811と前記ねじ末端812との間の中央ボディー813を含むことができる。
【0172】
前記中央ボディー813は、前記貫通ホールTHに沿って移動可能であり、前記貫通ホールTHより長い長さを有する。前記支持フレーム3140と前記第1レール300との間に弾性部材820が介在する。例えば、前記中央ボディー813は、前記支持フレーム3140の底面と前記第1レール300との間で露出している部分を含むことができ、前記弾性部材820は、前記露出した部分を取り囲むスプリングであり得る。
【0173】
如何なるフレームにも固定・結合されていない本発明のフリーローラー500は、重力の作用によってガイドフレーム700上の第2レール400との接触状態を常に維持することができる。その一方で、支持フレーム3140とガイドフレーム700との間の扁平度の差により、前記支持フレーム3140の底面に装着された前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の接触が常に維持され得るわけではない。しかし、上述した本発明の他の実施例に係るガイドメカニズムによると、支持フレーム3140とガイドフレーム700との間の扁平度の差により、支持フレーム3140のいずれかの部分と前記ガイドフレーム700との間のギャップが一時的に大きくなる場合が往復運動中に発生したとしても、前記部分に対応する第1レール300が前記弾性部材820の弾性力によって該当のフリーローラー500側に移動することによって、前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の堅固な接触が常に維持され得る。したがって、一部のフリーローラー500への荷重偏重によるフリーローラー500の破損が防止され得る。また、前記第1レール300と前記フリーローラー500との間の接触及び非接触の繰り返しによるフリーローラー500の破損及び騒音発生も防止され得る。
【0174】
図13の(a)、(b)及び(c)は、本発明のさらに他の実施例に係るガイドメカニズムを概略的にそれぞれ示す斜視図、断面図及び正面図である。
【0175】
図13に例示したように、前記分離膜部40は、中央ホールCHを有するピボット部材910をさらに含むことができる。前記ピボット部材910の第1末端は、前記ガイドフレーム700にピボット可能に結合されていてもよく、前記ピボット部材910の第2末端は、第1及び第2フィンガー911、912を有する二股末端(two-pronged end)であってもよい。
【0176】
前記フリーローラー500の回転軸に連結された回転シャフト510が前記ピボット部材910の前記中央ホールCHを貫通することができ、前記支持フレーム3140に提供された突起部3141は、前記第1フィンガー911と第2フィンガー912との間のギャップに配置されていてもよい。前記突起部3141は、前記支持フレーム3140にねじを通じて結合された円形リング部材であり得る。
【0177】
前記ピボット部材910の第2末端として、細長いホール(elongated hole)が形成された末端の代わりに二股末端を採択することによって、損傷した膜ろ過装置3000のみを分離して取り出すとき、前記突起部3141が障害物(obstacle)として作用することを防止することができる。
【0178】
前記駆動部200によって実行される前記膜ろ過装置3000の往復運動は、(i)前記フリーローラー500の回転及び往復運動、(ii)前記ピボット部材910のピボット運動、及び(iii)前記第1フィンガー911と第2フィンガー912との間のギャップ内での前記ピボット部材910に対する前記突起部3141の相対的往復運動(前記ギャップの長さ方向に沿う)を発生させる。
【0179】
上述したピボット部材910は、本発明のフリーローラー500の離脱を防止することができる。選択的に、前記分離膜部40は、前記ピボット部材910の中央ホールCHを貫通した前記回転シャフト510の末端に結合された離脱防止部材920をさらに含むことができる。
【0180】
上述した
図12のガイドメカニズム及び
図13のガイドメカニズムは、互いに独立的に又は組み合わせて採択され得る。