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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146896
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/30 20060101AFI20241004BHJP
   F04D 29/16 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F04D29/30 A
F04D29/16
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055206
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2023058713
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】河内谷 佑季
(72)【発明者】
【氏名】西村 公佑
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 有弘
(72)【発明者】
【氏名】福田 大悟
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA14
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC11
3H130BA53A
3H130BA53C
3H130CA06
3H130CB01
3H130CB06
3H130DB03Z
3H130DB08Z
3H130DB10Z
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA08A
3H130EA08C
3H130EB05C
(57)【要約】
【課題】翼の先端とケーシングとの間の隙間における漏れ流れを抑制すること。
【解決手段】遠心圧縮機10は、ハブ121、及び、ハブ121の外周に設けられた翼122を有する、オープン型式のインペラ12A,12Bと、インペラ12A,12Bに連結された駆動軸13と、駆動軸13を支持する軸受14A,14Bと、インペラ12A,12Bを覆うケーシング11と、を備え、軸受14A,14Bに対する駆動軸13の径方向の可動範囲は、軸受14A,14Bに対する駆動軸13の軸方向の可動範囲よりも大きく、翼122のガス入口側の外周縁123aとケーシング11の内壁15との間の第1隙間t1は、翼122のガス出口側の外周縁123bとケーシング11の内壁15との間の第2隙間t2よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ、及び、ハブの外周に設けられた翼を有する、オープン型式のインペラと、
前記インペラに連結された回転軸と、
前記回転軸を支持する軸受と、
前記インペラを覆うケーシングと、を備え、
前記軸受に対する前記回転軸の径方向の可動範囲は、前記軸受に対する前記回転軸の軸方向の可動範囲よりも大きく、
前記翼のガス入口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第1隙間は、前記翼のガス出口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第2隙間よりも大きい遠心圧縮機。
【請求項2】
前記翼の翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記翼角度の最小点は、子午面長さmに対して、0.6m以上、1.0m以下の位置に存在する請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
子午面長さmの方向に対して垂直な方向で、前記翼に沿う方向をスパン方向とし、
前記スパン方向における、前記ハブの外周面から前記翼の外周縁までの長さをスパン長さsとしたとき、
前記スパン長さsに対して0.5s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記スパン長さsに対して、0.9s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項4に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記軸受は、空気軸受又はフォイル軸受又は制御型磁気軸受又は転がり軸受又はすべり軸受である請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記軸受は制御型磁気軸受であり、
前記制御型磁気軸受は、前記回転軸の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、前記回転軸の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、前記回転軸の位置を制御する、請求項6に記載の遠心圧縮機。
【請求項8】
前記第1隙間の距離は、前記第2隙間の2倍以上の距離である、請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
【請求項9】
前記インペラの回転数は30000rpm以上である、請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば空気調和装置に適用される冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を備える。特許文献1では、圧縮機として、遠心圧縮機が開示されている。特許文献1に記載の遠心圧縮機は、ハブ及び翼を有するロータと、ロータを囲繞するケーシングと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/146752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠心圧縮機の運転時に、翼の先端とケーシングとの間の隙間を通じて、高圧側から低圧側へ気体が流れる漏れ流れが生じる。この漏れ流れにより遠心圧縮機の運転効率が低下する。本開示は、翼の先端とケーシングとの間の隙間における漏れ流れを抑制することが可能な遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機は、ハブ、及び、ハブの外周に設けられた翼を有する、オープン型式のインペラと、インペラに連結された回転軸と、回転軸を支持する軸受と、インペラを覆うケーシングと、を備え、軸受に対する回転軸の径方向の可動範囲は、軸受に対する回転軸の軸方向の可動範囲よりも大きく、翼のガス入口側の外周縁とケーシングの内壁との間の第1隙間は、翼のガス出口側の外周縁とケーシングの内壁との間の第2隙間よりも大きい。
【0006】
本態様の遠心圧縮機では、翼のガス出口側の外周縁とケーシングの内壁との間の第2隙間は、翼のガス入口側の外周縁とケーシングの内壁との間の第1隙間より狭い。この遠心圧縮機では、ガスの流れ方向において、圧力が高い方である出口側に、圧力が低い方である入口側の第1隙間より狭い第2隙間が形成されている。これにより、圧力が高い出口側において、翼の外周縁とケーシングとの間の隙間における漏れ流れを抑制することができる。
【0007】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、翼の翼角度の最小点は、翼の後半部分に存在する。
【0008】
本態様の遠心圧縮機では、翼角度が最小点となる位置において、翼負荷が高くなる。翼負荷が高い部分では、翼の正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる。本態様の遠心圧縮機では、翼の後半部分において、翼の正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる。
【0009】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、翼角度の最小点は、子午面長さmに対して、0.6m以上、1.0m以下の位置に存在する。
【0010】
なお、「子午面長さ」とは、子午面(回転軸線に沿った断面において、翼形状を当該回転軸線の周りに回転投影した形状を重ね合わせた図)上で規定される長さである。
【0011】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、子午面長さmの方向に対して垂直な方向で、翼に沿う方向をスパン方向とし、スパン方向における、ハブの外周面から翼の外周縁までの長さをスパン長さsとしたとき、スパン長さsに対して0.5s以上の位置において、翼角度の最小点は、翼の後半部分に存在してもよい。
【0012】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、スパン長さsに対して、0.9s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在してもよい。
【0013】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、空気軸受又はフォイル軸受又は制御型磁気軸受又は転がり軸受又はすべり軸受でもよい。
【0014】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、軸受は制御型磁気軸受であり、制御型磁気軸受は、回転軸の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、回転軸の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、回転軸の位置を制御することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、第1隙間の距離は、前記第2隙間の2倍以上の距離でもよい。
【0016】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機において、インペラの回転数は30000rpm以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る遠心圧縮機を備える冷凍機を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る遠心圧縮機を示す概略図である。
図3】インペラの側面図である。
図4】インペラの外周縁とケーシングの内壁との間の隙間を示す縦断面図である。
図5】子午面長さと翼角度との関係を示すグラフである。
図6】インペラの外周縁及び子午面長さを示す図である。
図7】子午面長さと静圧係数との関係を示すグラフである。
図8】子午面長さと静圧との関係を示すグラフである。
図9】一実施形態に係る遠心圧縮機を示す概略図である。
図10】回転軸線C1に沿った断面において、翼形状を当該回転軸線C1の周りに回転投影した形状を重ね合わせた図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照しながら、本発明の限定的でない実施例について説明する。なお、添付図面では同一又は対応する部材又は部品には同一又は対応する参照符号が付される。また、以下では同一又は対応する部材又は部品の重複する説明を省略する。また、図面では部材又は部品は必ずしも縮尺通りには描かれていない。従って、当業者は、以下の限定的でない実施例を参照して具体的な寸法を任意に決定できる。また、以下の実施例は発明を限定するものではなく例示するものである。また、実施例に記述される特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
[実施形態に係る冷凍機の概要]
図1を参照して、実施形態に係る遠心圧縮機を備える冷凍機100について説明する。図1に示される冷凍機100は、例えば、空気調和装置、冷凍機器、及び冷蔵機器に利用される。冷凍機100は、その他の機器に利用されてもよい。冷凍機100は冷凍サイクルを実行する。冷凍機100の冷凍サイクルは、蒸気圧縮式冷凍サイクルである。冷凍機100は、遠心圧縮機10、凝縮器20、膨張弁30、及び蒸発器40を備える。遠心圧縮機10は、ターボ圧縮機である。
【0020】
冷凍機100の作動流体である冷媒は、特に限定されない。遠心圧縮機10は、冷媒ガスを圧縮する。凝縮器20は、遠心圧縮機10によって圧縮された冷媒ガスを凝縮する。膨張弁30は、凝縮器20によって凝縮された冷媒を膨張させる。蒸発器40は、膨張弁30によって膨張された冷媒を蒸発させる。蒸発器40で蒸発した冷媒ガスは、遠心圧縮機10に吸入される。
【0021】
遠心圧縮機10は、冷媒ガスを可逆断熱圧縮する。凝縮器20に供給された冷媒ガスは、定圧で放熱して液化する。液化した冷媒は、膨張弁30でエンタルピ一定で不可逆膨張して、冷媒の一部が蒸発する。冷媒は、蒸発器40において定圧で吸熱する。
【0022】
冷凍機100は、冷媒が流れる配管L11~L14を備える。配管L11は、蒸発器40と遠心圧縮機10とを接続する吸入配管である。配管L12は、遠心圧縮機10と凝縮器20とを接続する。配管L13は、凝縮器20と膨張弁30とを接続する。配管L14は、膨張弁30と蒸発器40と接続する。
【0023】
冷媒ガスは、配管L11を流れて、遠心圧縮機10に吸入される。遠心圧縮機10で圧縮された冷媒ガスは、配管L12を流れて、凝縮器20に供給される。凝縮器20で液化した冷媒液は、配管L13を流れて、膨張弁30に流入する。膨張弁30で膨張した冷媒は、配管L14を流れて、蒸発器40に供給される。蒸発器40で吸熱した冷媒ガスは、配管L11を流れて、遠心圧縮機10に供給される。
【0024】
[遠心圧縮機]
次に遠心圧縮機10について説明する。遠心圧縮機10は、例えば2段圧縮機である。遠心圧縮機10は単段圧縮機でもよい。図2に示されるように、遠心圧縮機10は、ケーシング11、インペラ12A,12B、駆動軸13、軸受14A,14B、及びモータ50を備える。ケーシング11は、インペラ12A,12B、駆動軸13、軸受14A,14B、及びモータ50を収容する。遠心圧縮機10は、インペラ12A,12Bの背面同士が向かい合うバックトゥバック構造を有する。図9に示されるように、遠心圧縮機10は、インペラ12A,12Bが同じ向きで連結されているインライン構造を有していてもよい。
【0025】
ケーシング11は、インペラ12Aを収容する圧縮室11aと、インペラ12Bを収容する圧縮室11bと、モータ50を収容するモータ室11cと、を有する。遠心圧縮機10は、圧縮室11aと圧縮室11bとを接続する配管L11Bを備える。配管L11Bは、低圧側の圧縮室11aから吐出された冷媒ガスを、高圧側の圧縮室11bに供給する配管である。
【0026】
[駆動軸]
インペラ12A,12Bは、駆動軸13の両端部に設けられている。インペラ12Aは、駆動軸13の一端に設けられ、インペラ12Bは、駆動軸13の他端に設けられている。インペラ12A,12Bは、駆動軸13の軸方向に離れて配置されている。駆動軸13は、モータ50の回転軸を含む。モータ50の回転軸は、駆動軸13において、インペラ12Aとインペラ12Bとの間の部分を含む。
【0027】
[軸受]
軸受14A,14Bは、駆動軸13を回転可能に支持する。軸受14A,14Bは、ケーシング11に固定されている。軸受14A,14B,14Cは、ラジアル軸受及びスラスト軸受である。遠心圧縮機10は、複数の軸受14A,14B,14Cを備える。軸受14A,14B,14Cは、例えばオイルレス軸受である。軸受14A,14Bは、すべり軸受でもよく、転がり軸受でもよい。軸受14A,14B,14Cは、静圧軸受でもよい。オイルレス軸受は、潤滑油の供給を必要としない軸受である。オイルレス軸受としては、例えば、気体軸受、空気軸受、フォイル軸受、及び磁気軸受がある。
【0028】
軸受14A,14B,14Cは、空気軸受でもよい。空気軸受は、静圧軸受の一種であり、駆動軸13と、軸受面との間に圧縮空気を吹き込んで、空気圧で駆動軸13を浮かせ荷重を支持することができる。軸受14A,14Bは、駆動軸13と、軸受面との間に圧縮ガスを吹き込んで、駆動軸13を浮かせる気体軸受でもよい。気体軸受は、圧縮ガスとして冷媒ガスを駆動軸13に吹き付けて浮かせるものでもよい。
【0029】
軸受14A,14B,14Cは、空気動圧軸受の一種であるフォイル軸受でもよい。フォイル軸受は、軸受面として薄膜(フォイル)を有する。薄膜は曲げに対して低い剛性を有し、かつ、可撓性を有する。フォイル軸受は、フォイルのたわみを許容して荷重を支持する。駆動軸13の回転時には、駆動軸13とフォイルである軸受面との間に流体膜(空気膜)が形成される。フォイル軸受は、フォイル及び流体膜を用いて駆動軸13を支持する。フォイル軸受は、フォイルの可撓性により、駆動軸13の回転速度、駆動軸13の荷重、駆動軸13の周囲の温度、及びその他の運転条件に応じた軸受隙間を形成できる。
【0030】
軸受14A,14B,14Cは、磁気の吸引力又は反発力を利用して回転軸を支持する磁気軸受でもよい。軸受14A,14B,14Cは、制御型磁気軸受(Active Magnetic Bearing : AMB)でもよい。制御型磁気軸受において、例えば軸受14A,14Bがラジアル磁気軸受であり、軸受14Cがスラスト磁気軸受でもよい。ラジアル磁気軸受は、駆動軸13の周囲に配置された電磁石を含む。電磁石は鉄心及びコイルを有する。スラスト磁気軸受は、駆動軸13から径方向外側に張り出すアキシャルディスク、及び、軸方向においてアキシャルディスクに対向するように配置された電磁石を含む。
【0031】
軸受14A,14B,14Cの種類、位置、及び数量は、上記のものに限定されない。遠心圧縮機10は、タッチダウン軸受を備えていてもよい。タッチダウン軸受は、補助軸受又はバックアップ軸受とも呼ばれる。タッチダウン軸受は、駆動軸13の可動範囲を制限する。タッチダウン軸受は、駆動軸13の径方向における可動範囲を制限できる。タッチダウン軸受は、駆動軸13の軸方向における可動範囲を制限できる。タッチダウン軸受は、ステータとロータとが接触しないようにすることができる。タッチダウン軸受は、磁気軸受が通電されていない状態において、駆動軸13を支持できる。
【0032】
制御型磁気軸受は、駆動軸13の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、駆動軸13の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、駆動軸13の位置を制御できる。タッチダウンまでの距離とは、駆動軸13がタッチダウン軸受に接触するまでの距離でもよい。タッチダウンまでの距離は、駆動軸13の可動範囲でもよい。タッチダウンまでの距離は、駆動軸13の最大の可動範囲でもよい。
【0033】
遠心圧縮機10は、駆動軸13の可動範囲を制御可能な制御部70を備えていてもよい。制御部70は、制御型磁気軸受である軸受14A,14B,14Cのコイルに供給される電流を制御することができる。制御部70は、コイルに供給される電流を制御することにより、駆動軸13の径方向における可動範囲及び軸方向における可動範囲を制御できる。制御部70は、駆動軸13の径方向における可動範囲が、駆動軸13の軸方向における可動範囲よりも大きくなるように、駆動軸13の位置を制御できる。
【0034】
[モータ]
モータ50は、遠心圧縮機10の駆動源である。モータ50は、回転子51及び固定子52を有する。回転子51は、駆動軸13に固定され、駆動軸13と共に回転する。固定子52は、ケーシング11に固定され、回転子51の周囲に配置されている。
【0035】
冷凍機100は、インバータ60を備える。インバータ60は、モータ50の回転数を制御する。インバータ60は、モータ50の運転周波数を制御するコントローラである。インペラ12A,12B及び駆動軸13の回転数は、30000rpm以上でもよい。インバータ60は、モータ50の運転周波数を制御することにより、インペラ12A,12B及び駆動軸13の回転数を変更できる。
【0036】
遠心圧縮機10のインペラ12A,12Bは、モータ50による回転駆動力を受けて回転する。インペラ12A,12Bが回転することにより、冷媒ガスが圧縮される。インペラ12Aは、低圧側のインペラであり、インペラ12Bは、高圧側のインペラである。インペラ12Aによって圧縮された冷媒ガスは、インペラ12Bに供給される。インペラ12Bは、インペラ12Aから排出された冷媒ガスをさらに圧縮する。
【0037】
[制御部]
制御部70は、CPU71、及び記憶部72を備える。CPU(Center Processing Unit)71は、冷凍機100における全体の処理を司る。CPU71は、インバータ60を介して、モータ50の回転数を制御できる。CPU71は、膨張弁30の開閉動作を制御できる。
【0038】
記憶部72は、ROM(Read Only Memory)73及びRAM(Random Access Memory)74を含む。ROM73には、CPU71に制御処理を実行させるための各種プログラムの他、冷凍機100における動作に必要な各種データ等が記憶されている。RAM74は、各種センサから取得したデータ等を一時的に記憶できる。
【0039】
[インペラ]
次に、インペラ12Aについて説明する。インペラ12Aは、図3に示されるように、ハブ121及びハブ121の外周に設けられた翼122を有する。ハブ121は、駆動軸13の端部に連結されている。
【0040】
ハブ121は、その前方から後方に向けて拡径する略円錐形状を有する。ハブ121は、駆動軸13と一体回転する。ハブ121は、軽量化の観点から、軸周辺部分や外縁部分を除く内側が中空となっていてもよい。
【0041】
翼122は、ハブ121の外周面から径方向外側に張り出す。翼122は、ハブ121の外周面に沿って、らせん状に配置されている。インペラ12Bは、インペラ12Aと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0042】
[駆動軸の可動範囲]
次に、駆動軸13の可動範囲について説明する。遠心圧縮機10において、駆動軸13の径方向における可動範囲は、駆動軸13の軸方向における可動範囲よりも大きい。軸受14A,14B,14Cに対する駆動軸13の径方向における可動範囲は、軸受14A,14B,14Cに対する駆動軸13の軸方向における可動範囲より大きい。例えば、駆動軸13の可動範囲は、駆動軸13の実際の可動範囲でもよく、駆動軸13に連結されたインペラ12A,12Bの可動範囲でもよい。駆動軸13の可動範囲は、駆動軸13に固定された回転子51の可動範囲でもよい。駆動軸13の可動範囲は、任意の1箇所の可動範囲でもよく、複数の箇所の平均値でもよい。
【0043】
[インペラの翼とケーシングの内壁との間の隙間]
次に、図4を参照して、インペラ12A,12Bの翼122とケーシング11の内壁15との間の隙間について説明する。図4は、インペラ12A,12Bの外周縁123とケーシング11の内壁15との間の隙間を示す縦断面図であり、インペラ12A,12Bの子午断面を含む。
【0044】
翼122のガス入口側の外周縁123aとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t1は、翼122のガス出口側の外周縁123bとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t2よりも大きい。翼端隙間t1は、第1隙間の一例である。翼端隙間t2は、第2隙間の一例である。
【0045】
外周縁123a,123bは、翼122の先端である。外周縁123a,123bは、インペラ12A,12Bの径方向において、ハブ121の外周面から離れている。外周縁123a,123bは、インペラ12A,12Bの径方向における端部である。
【0046】
ガス入口側は、ハブ121の小径側であり、ガス出口側は、ハブ121の大径側である。ハブ121の小径側は、駆動軸13の軸方向において、モータ50から遠い側であり、ハブ121の大径側は、駆動軸13の軸方向において、モータ50に近い側である。
【0047】
ガス入口側の翼端隙間t1は、ガス出口側の翼端隙間t2の2倍以上の距離もよい。ガス入口側の翼端隙間t1は、ガス入口に近い前縁122aの位置における翼端隙間でもよく、軸方向において前縁122aよりも後方の位置における翼端隙間でもよい。翼端隙間t1は、翼端隙間が最大となる位置でもよい。翼端隙間は、インペラ12A,12Bの軸方向に沿う切断面において、外周縁123の形状を示す曲線と、ケーシング11の内壁15の形状を示す曲線との距離でもよい。例えば、翼端隙間は、外周縁123の形状を示す曲線に対する法線に沿う長さでもよい。
【0048】
ガス出口側の翼端隙間t2は、ガス出口に近い後縁122bの位置における翼端隙間でもよく、軸方向において後縁122bよりも前方の位置における翼端隙間でもよい。ガス出口側の翼端隙間t2は、翼端隙間が最小となる位置でもよい。ガス出口側の翼端隙間t2は、後述する子午面長さmに対して、0.5m以上1.0m以下の位置における翼端隙間でもよい。なお、0.5m、1.0mは、それぞれ、子午面長さmの0.5倍、1.0倍の長さを意味する。翼端隙間t2は、子午面長さmに対して、0.6m以上1.0m以下の位置における翼端隙間でもよく、0.75m以上0.95m以下の位置における翼端隙間でもよい。翼端隙間t2は、子午面長さmに対して、例えば0.8mの位置における翼端隙間でもよく、子午面長さmに対して、例えば0.9mの位置における翼端隙間でもよい。
【0049】
[子午面長さと翼角度との関係]
次に、子午面長さと翼角度との関係について説明する。図5は、子午面長さと翼角度との関係を示すグラフである。図5では、横軸に正規化された子午面長さを示し、縦軸に翼角度を示す。「子午面長さ」とは、子午面(回転軸線C1に沿った断面において、翼形状を当該回転軸線C1の周りに回転投影した形状を重ね合わせた図、図10参照)上で規定される長さである。回転軸線C1は、駆動軸13の回転軸線であり、インペラ12A,12Bの回転軸線である。翼形状とは、翼122の外周縁に沿う形状である。
【0050】
また、図5に示す横軸では、子午面長さの全長を「m」とした場合の割合(正規化された値)が示されている。「0」は、ガス入口側の端部における子午面長さmの0倍に相当する長さであり、翼122の前縁122aの位置であり、「1」は、ガス出口側の端部であり、翼122の後縁122bの位置における子午面長さmの1倍に相当する長さである。以下の図6図9においても同様である。
【0051】
翼122の翼角度βの最小点βminは、翼122の子午面長さmにおける後半部分に存在する位置での翼角度の値である。子午面長さmにおける後半部分とは、0.5m以上1.0m以下の部分である。翼角度βの最小点βminは、0.6m以上、1.0m以下の位置でもよい。翼角度βの最小点βminは、0.75m以上、0.95m以下の位置でもよい。翼角度βの最小点βminは、例えば0.8mでもよく、0.9mでもよい。
【0052】
翼角度βは、次式(1)によって示される。
【0053】
tanβ=rdθ/dm・・・(1)
図6に示されるように、「r」は、インペラ12A,12Bの回転軸線(軸心)C1から翼122の外周縁123までの径方向における長さである。「θ」は、回転軸線C1に沿って見たときの、外周縁123aと回転軸線C1とを結ぶ径方向線分と、外周縁123上の任意の点Jと回転軸線C1とを結ぶ径方向線分との間の角度である。「m」は子午面長さである。
【0054】
[子午面長さと静圧係数及び静圧との関係]
図7は、子午面長さと静圧係数との関係を示すグラフである。図7では、横軸に正規化された子午面長さmを示し、縦軸に静圧係数を示す。図7では、翼122の正圧面の静圧係数P1及び翼122の負圧面の静圧係数P2を示す。図8は、子午面長さと静圧との関係である静圧分布を示すグラフである。図8では、横軸に正規化された子午面長さmを示し、縦軸に静圧を示す。図8では、翼122の正圧面の静圧P3及び翼122の負圧面の静圧P4を示す。
【0055】
図7に示されるように、インペラ12A,12Bでは、横軸の値が約0.85のときに、ΔP1(=P1-P2)が最大となる。また、図8に示されるように、インペラ12A,12Bでは、横軸の値が約0.85のときに、ΔP2(=P3-P4)が最大となる。翼端隙間が大きい部分(横軸の値が0付近)でΔP1及びΔP2が小さく、翼端隙間が小さい部分(横軸の値が0.85付近)でΔP1及びΔP2が大きくなるため、翼端漏れ損失を低減できる。
【0056】
[スパン方向S]
次にスパン方向Sについて説明する。図10は、回転軸線C1に沿った断面において、翼形状を当該回転軸線C1の周りに回転投影した形状を重ね合わせた図である。スパン方向Sは、子午面長さmに沿う方向に対して直交する方向であり、翼122に沿う方向である。「スパン長さs」は、スパン方向Sにおいて、ハブ121の外周面124から翼122の外周縁123までの長さである。スパン方向Sにおいて、スパン長さsが0である位置は、ハブ121の外周面124上の位置である。スパン方向Sにおいて、スパン長さsが1である位置は、外周縁123上の位置である。スパン方向Sにおいて、スパン長さsが0.5sである位置は、ハブ121の外周面124と外周縁123の中間位置である。スパン長さsが0.5sを越える位置は、0.5sの位置よりも外周縁123に近い位置である。
【0057】
[スパン長さsと翼角度の最小点との関係]
上述したように、翼122の翼角度βの最小点βminは、翼122の子午面長さmにおける後半部分に存在する。翼角度βの最小点βminは、スパン長さsに対して0.5s以上の位置に存在する。翼角度βの最小点βminは、スパン長さsに対して0.9s以上の位置に存在していてもよい。
【0058】
[遠心圧縮機の動作]
再び図1を参照し、遠心圧縮機10の動作について説明する。遠心圧縮機10の運転時には、モータ50は、通電状態である。モータ50に電力が供給されて、駆動軸13は回転駆動される。駆動軸13が回転することにより、インペラ12A,12Bが回転する。
【0059】
インペラ12Aが回転することにより、冷媒ガスは配管L11から圧縮室11aに流入する。圧縮室11a内の冷媒ガスは、インペラ12Aの回転によって圧縮されて昇圧される。圧縮室11a流入した冷媒ガスは、例えば中間圧まで圧縮される。中間圧まで圧縮された冷媒ガスは、配管L11Bを通り、インペラ12Bに供給される。
【0060】
配管L11B内の冷媒ガスは、インペラ12Bの回転に伴って、圧縮室11bに吸い込まれる。圧縮室11b内の冷媒ガスは、インペラ12Bの回転によって圧縮されて昇圧される。圧縮後の冷媒ガスは、配管L12の内部に吐出される。遠心圧縮機10から吐出された冷媒ガスは、配管L12の内部を流れて、凝縮器20に流入する。
【0061】
[実施形態に係る遠心圧縮機の作用効果]
遠心圧縮機10は、図3に示されるように、ハブ121、及び、ハブ121の外周に設けられた翼122を有する、オープン型式のインペラ12A,12Bと、図1に示されるように、インペラ12A,12Bに連結された駆動軸13と、駆動軸13を支持する軸受14A,14Bと、インペラ12A,12Bを覆うケーシング11と、を備え、軸受14A,14Bに対する駆動軸13の径方向の可動範囲は、軸受14A,14Bに対する駆動軸13の可動範囲よりも大きく、図4に示されるように、翼122のガス入口側の外周縁123aとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t1(第1隙間)は、翼122のガス出口側の外周縁123bとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t2(第2隙間)よりも大きい。
【0062】
本態様の遠心圧縮機10では、翼122のガス出口側の外周縁123bとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t2は、翼122のガス入口側の外周縁123aとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t1より狭い。この遠心圧縮機10では、ガスの流れ方向において、圧力が高い方である出口側に、圧力が低い方である入口側の翼端隙間t1より狭い翼端隙間t2が形成されている。これにより、圧力が高い出口側において、翼122の外周縁123bとケーシング11の内壁15との間の翼端隙間t2における漏れ流れを抑制することができる。遠心圧縮機10では、翼端漏れを抑制することにより、遠心圧縮機10における運転効率の低下を抑制することができる。
【0063】
遠心圧縮機10において、翼122の翼角度βの最小点は、翼122の子午面長さmにおける後半部分に存在する。このような遠心圧縮機10では、翼負荷分布が後半負荷型のインペラを備える圧縮機を実現できる。遠心圧縮機10では、ガス入口側における外周縁123aとケーシング11との接触を抑制することができると共に、翼端隙間における漏れ流れの発生を低減することができる。遠心圧縮機10では、入口翼端の接触回避と翼端漏れ損失の低減の両立を図ることができる。
【0064】
遠心圧縮機10では、ガス入口側の翼端隙間t1が大きいことにより、負圧面側の流体の剥離を抑制することができ、サージングの発生を抑制することができる。また、インペラ12A,12Bは、オープンインペラであるので、クローズドインペラと比較して加工が容易である。
【0065】
遠心圧縮機10では、翼角度βが最小点となる位置において、翼負荷が高くなる。翼負荷が高い部分では、翼122の正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる。本態様の遠心圧縮機10では、翼122の後半部分において、翼122の正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる。正圧面は、翼122の厚さ方向に対向する面のうち、圧力が高い方の面であり、負圧面は、圧力が低い方の面である。
【0066】
遠心圧縮機10において、翼角度βの最小点は、子午面長さmに対して、0.6m以上、1.0m以下の位置に存在する。
【0067】
遠心圧縮機10において、子午面長さmの方向に対して垂直な方向で、翼122に沿う方向をスパン方向Sとし、スパン方向Sにおける、ハブ121の外周面124から翼122の外周縁123までの長さをスパン長さsとしたとき、スパン長さsに対して0.5s以上の位置において、翼角度βの最小点は、翼122の後半部分に存在する。この構成の遠心圧縮機10によれば、翼122の正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる位置がスパン方向Sにおいて、スパン長さ0.5s以上の位置に存在することになる。このような遠心圧縮機10において、翼122の先端とケーシングとの間の隙間における漏れ流れを抑制することができる。その結果、遠心圧縮機10における運転効率の低下を抑制することができる。
【0068】
また、遠心圧縮機10において、スパン長さsに対して、0.9s以上の位置において、翼角度βの最小点は、翼122の後半部分に存在していてもよい。
【0069】
遠心圧縮機10において、軸受14A,14B,14Cは空気軸受でもよい。遠心圧縮機10において、軸受14A,14B,14Cはフォイル軸受でもよい。遠心圧縮機10において、軸受14A,14Bは制御型磁気軸受でもよい。このような軸受14A,14B,14Cを備える遠心圧縮機10によれば、高速で回転する駆動軸13を支持することができる。軸受14A,14Bによれば、軸受14A,14B,14Cのメンテナンスを軽減できる。
【0070】
遠心圧縮機10において、制御型磁気軸受である軸受14A,14B,14Cは、駆動軸13の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、駆動軸13の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、駆動軸13の位置を制御することができる。
【0071】
遠心圧縮機10では、インペラ12A,12Bの回転数は30000rpm以上でもよい。遠心圧縮機10は、高速回転を必要とするハイヘッドのインペラを備える圧縮機として利用できる。遠心圧縮機10において、インペラ12A,12Bの回転数は、30000rpm未満でもよい。
【0072】
このような遠心圧縮機10では、従来と比較して大きな非定常振動を許容することができる。遠心圧縮機10では、インペラ12A,12Bの非定常振動を許容できる。遠心圧縮機10は、例えば空冷高圧ターボ圧縮機として使用できる。遠心圧縮機10は、小容量の圧縮機として利用できる。従来の遠心圧縮機は、大容量の低差圧用に利用されることが多いが、本態様の遠心圧縮機10は、小容量の高差圧用の圧縮機として利用可能である。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形、置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
【0074】
上記の実施形態では、遠心圧縮機10を備える冷凍機100について例示しているが、遠心圧縮機10は、冷凍機100以外の用途に適用できる。遠心圧縮機10の内部流体は、冷媒に限定されない。
【0075】
本発明の一態様は、以下のとおりでもよい。
【0076】
<1>
ハブ、及び、ハブの外周に設けられた翼を有する、オープン型式のインペラと、
前記インペラに連結された回転軸と、
前記回転軸を支持する軸受と、
前記インペラを覆うケーシングと、を備え、
前記軸受に対する前記回転軸の径方向の可動範囲は、前記軸受に対する前記回転軸の軸方向の可動範囲よりも大きく、
前記翼のガス入口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第1隙間は、前記翼のガス出口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第2隙間よりも大きい遠心圧縮機。
【0077】
<2>
前記翼の翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する上記<1>に記載の遠心圧縮機。
【0078】
<3>
前記翼角度の最小点は、子午面長さmに対して、0.6m以上、1.0m以下の位置に存在する上記<2>に記載の遠心圧縮機。
【0079】
<4>
子午面長さmの方向に対して垂直な方向で、前記翼に沿う方向をスパン方向とし、
前記スパン方向における、前記ハブの外周面から前記翼の外周縁までの長さをスパン長さsとしたとき、
前記スパン長さsに対して0.5s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する上記<2>又は<3>に記載の遠心圧縮機。
【0080】
<5>
前記スパン長さsに対して、0.9s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する上記<4>に記載の遠心圧縮機。
【0081】
<6>
前記軸受は、空気軸受又はフォイル軸受又は制御型磁気軸受又は転がり軸受又はすべり軸受である上記<1>~<5>の何れか一つに記載の遠心圧縮機。
【0082】
<7>
前記軸受は制御型磁気軸受であり、
前記制御型磁気軸受は、前記回転軸の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、前記回転軸の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、前記回転軸の位置を制御する、上記<6>に記載の遠心圧縮機。
【0083】
<8>
前記第1隙間の距離は、前記第2隙間の2倍以上の距離である、上記<1>~<7>の何れか一つに記載の遠心圧縮機。
【0084】
<9>
前記インペラの回転数は30000rpm以上である、上記<1>~<8>の何れか一つに記載の遠心圧縮機。
【符号の説明】
【0085】
10 遠心圧縮機
12A,12B インペラ
13 駆動軸(回転軸)
14A,14B 軸受(空気軸受、フォイル軸受、制御型磁気軸受)
15 内壁
121 ハブ
122 翼
t1 翼端隙間(第1隙間)
t2 翼端隙間(第2隙間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ、及び、ハブの外周に設けられた翼を有する、オープン型式のインペラと、
前記インペラに連結された回転軸と、
前記回転軸を支持する軸受と、
前記インペラを覆うケーシングと、を備え、
前記翼のガス入口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第1隙間は、前記翼のガス出口側の外周縁と前記ケーシングの内壁との間の第2隙間よりも大きく、
前記軸受に対する前記回転軸の径方向の可動範囲は、前記軸受に対する前記回転軸の軸方向の可動範囲よりも大きく、
前記軸受は、前記回転軸の径方向におけるタッチダウンまでの距離が、前記回転軸の軸方向におけるタッチダウンまでの距離より大きくなるように、前記回転軸の位置を制御する遠心圧縮機。
【請求項2】
前記翼の翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記翼角度の最小点は、子午面長さmに対して、0.6m以上、1.0m以下の位置に存在する請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
子午面長さmの方向に対して垂直な方向で、前記翼に沿う方向をスパン方向とし、
前記スパン方向における、前記ハブの外周面から前記翼の外周縁までの長さをスパン長さsとしたとき、
前記スパン長さsに対して0.5s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記スパン長さsに対して、0.9s以上の位置において、前記翼角度の最小点は、前記翼の後半部分に存在する請求項4に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記軸受は、空気軸受又はフォイル軸受又は制御型磁気軸受又は転がり軸受又はすべり
軸受である請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記第1隙間の距離は、前記第2隙間の2倍以上の距離である、請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。
【請求項8】
前記インペラの回転数は30000rpm以上である、請求項1~5の何れか一項に記載の遠心圧縮機。