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特開2024-146958地図生成装置、地図生成プログラム、経路生成装置、経路生成プログラム、地図生成システム、および、自動運転システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146958
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】地図生成装置、地図生成プログラム、経路生成装置、経路生成プログラム、地図生成システム、および、自動運転システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20241008BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20241008BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20241008BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241008BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/01 C
G08G1/0969
G01C21/34
G09B29/00 A
G09B29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059687
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】組 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴之
(72)【発明者】
【氏名】樋口 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】日笠 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直樹
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HB22
2C032HC08
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB22
2F129BB26
2F129CC15
2F129CC24
2F129DD14
2F129DD21
2F129DD29
2F129EE52
2F129EE77
2F129FF20
2F129FF36
2F129FF62
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181MC11
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する。
【解決手段】車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図生成装置であって、
前記測位精度取得部は、
前記人工衛星から車両ごとに得られた衛星情報を取得し、当該衛星情報を用いて測位精度を判定する衛星測位精度判定部、
を含み構成されている、
ことを特徴とする地図生成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地図生成装置であって、
前記測位精度地図生成部により生成された前記測位精度地図を、通信回線網を介して配信する地図出力部、
を備えた、
地図生成装置。
【請求項4】
コンピュータを、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成装置として動作させる地図生成プログラム。
【請求項5】
車両に搭載される経路生成装置であって、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、経路生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の経路生成装置であって、
前記自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得する周辺環境取得部と、
前記周辺環境に基づいて前記自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する走行可能領域特定部と、
を備え、
前記目標経路生成部により生成された前記目標経路は、前記走行可能領域特定部によって特定された走行可能領域の内部領域を通る、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の経路生成装置であって、
前記測位精度地図を用いて、前記目標経路を走行する場合のリスクである走行リスクを判定する走行リスク判定部、
をさらに備え、
前記目標経路生成部は、さらに前記走行リスクを用いて、前記目標経路を生成する、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の経路生成装置であって、
前記目標経路生成部により生成された前記目標経路に追従して前記自車両を走行させるような制御指示値を算出する車両制御値出力部
を備え、
前記車両制御値出力部は、前記目標経路における前記走行リスクを用いて前記制御指示値を算出する、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の経路生成装置であって、
前記自車両の走行状況を、前記自車両の内部または外部の情報出力装置を介して出力する走行状況出力部を備え、
前記走行状況出力部は、前記目標経路における前記走行リスクがしきい値以上である場合に、前記情報出力装置を介して前記自車両の走行状況を出力する、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項10】
請求項5から請求項8のうちのいずれか1項に記載の経路生成装置であって、
前記測位精度地図に基づいて、複数の測位手段の中から、前記自車両の位置を測位する測位手段を選択する測位手段切替部、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項11】
請求項5から請求項8のうちのいずれか1項に記載の経路生成装置であって、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報取得部により取得された前記衛星情報および前記自車両の位置を、前記測位精度地図を生成する地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項12】
請求項5から請求項8のうちのいずれか1項に記載の経路生成装置であって、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報を用いて人工衛星による測位精度を判定する衛星測位精度判定部と、
前記自車両の位置および当該位置における人工衛星の測位精度を、前記測位精度地図を生成する地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。
【請求項13】
コンピュータを、
車両に搭載される経路生成装置であって、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、
前記経路生成装置として動作させる経路生成プログラム。
【請求項14】
車両に搭載される車載装置と、地図生成装置とを含む地図生成システムであって、
前記車載装置は、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記車載装置が搭載された車両である自車両の位置および前記衛星情報取得部により取得された前記衛星情報を、前記地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備え、
前記地図生成装置は、
前記車載装置から取得した衛星情報を用いて、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成システム。
【請求項15】
車両に搭載される車載装置と、地図生成装置とを含む地図生成システムであって、
前記車載装置は、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報を用いて人工衛星による測位精度を判定する衛星測位精度判定部と、
前記車載装置が搭載された車両である自車両の位置および当該位置における人工衛星の測位精度を、前記地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備え、
前記地図生成装置は、
前記車載装置から取得した人工衛星の測位精度に関する情報を用いて、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成システム。
【請求項16】
地図生成装置と、車両に搭載される経路生成装置とを備えた自動運転システムであって、
前記地図生成装置は、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備え、
前記経路生成装置は、
前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、
自動運転システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、人工衛星を利用して現在位置を測位する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星を利用して現在位置を測位する、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などの技術においては、現在位置から見て人工衛星が構造物に遮蔽されてしまう場合があり、構造物に遮蔽されてしまった場合、測位結果には誤差が生じてしまう。
これに対し、特許文献1には、構造物による遮蔽を考慮して測位する技術が記載されている。
特許文献1に記載の「走行制御装置」は、人工衛星の配置状況および予め記憶している地図に含まれる構造物の情報に基づいて、人工衛星が構造物に遮蔽されてしまうであろう領域を表す地図である衛星遮蔽領域マップを生成し、当該衛星遮蔽領域マップを用いて走行経路を設定する。
特許文献1の走行制御装置は、衛星遮蔽領域マップを用いることにより、構造物による遮蔽領域を避けるような走行経路を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-042106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、当該技術においては、例えば、時刻ごとの、可視衛星の数、電離層および対流層の状態、または、一時的な障害物といった、構造物以外の要素が誤差の要因に含まれる可能性があり、測定結果に誤差が生じやすいといった課題がある。
特許文献1に記載の走行制御装置は、そもそも、時刻ごとの、可視衛星の数、電離層および対流層の状態、または、一時的な障害物といった要素を考慮するものではなく、上記課題を解決できない。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するもので、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の地図生成装置は、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制可能にすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の地図生成装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の車載装置200の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態1に係る地図生成装置100Aおよび車載装置200Aを含む地図生成システム1Aの一部の構成例を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態1に係る車載装置200Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本開示の実施の形態1に係る地図生成装置100Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、地図生成装置100を含む地図サーバ10と車載装置200を含む車載システム20との通信の状態を模式的に示す図である。
図7図7は、本開示における測位精度地図の例を模式的に示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態2に係る地図生成装置100Bおよび車載装置200Bを含む地図生成システム1Bの一部の構成例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施の形態2に係る車載装置200Bの処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、本開示の実施の形態2に係る地図生成装置100Bの処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
図12図12は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)を含む自動運転システム2Cの構成の一例を示す図である。
図13図13は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の第1の処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の第2の処理の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
図16図16は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)を含む自動運転システム2Dの構成の第1の例を示す図である。
図17図17は、本開示において用いられる走行可能領域と衝突リスクとを模式的に示す図である。
図18図18は、地図生成装置100Dおよび車載装置200D´(経路生成装置)を含む自動運転システム2D´の構成の第2の例を示す図である。
図19図19は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)の第1の処理の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)の第2の処理の一例を示すフローチャートである。
図21図21は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
図22図22は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)を含む自動運転システム2Eの構成の一例を示す図である。
図23図23は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
図24図24は、車載装置200E(経路生成装置)における目標経路生成処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
図25図25は、本開示の実施の形態6に係る車載装置200F(経路生成装置)を含む自動運転システム2Fの構成の一例を示す図である。
図26図26は、本開示の実施の形態6に係る車載装置200F(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
図27図27は、車載装置200F(経路生成装置)における車両制御値算出処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
図28図28は、本開示の実施の形態7に係る車載装置200G(経路生成装置)を含む自動運転システム2Gの構成の一例を示す図である。
図29図29は、本開示の実施の形態7に係る車載装置200G(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
図30図30は、制御装置Gにおける走行状況出力処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
図31図31は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
図32図32は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)を含む自動運転システム2Hの構成の一例を示す図である。
図33図33は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
図34図34は、車載装置200H(経路生成装置)における測位手段切替判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
図35図35は、本開示における地図生成装置100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100Hまたは車載装置200,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H(経路生成装置)の機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図36図36は、本開示における地図生成装置100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100Hまたは車載装置200,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H(経路生成装置)の機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示の実施の形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされているものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも厳密に表現されたものではなく、適宜変更され得るものである。
【0011】
以下の説明においては、詳細な説明の重複を避ける目的で、同一の符号および同一の名称を付して、その説明を適宜省略する場合がある。
また、以下の説明においては、「第1の」、または、「第2の」などの序数が用いられる場合がある。これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1は、人工衛星の測位精度を車両から収集して測位精度地図を生成する構成について、地図生成装置、車載装置、および、地図生成システムの形態を説明する。
【0013】
図1は、本開示の地図生成装置100の構成の一例を示す図である。
地図生成装置100は、測位精度地図を生成または更新する。
測位精度地図は、位置ごとの測位精度を表す地図である。
地図生成装置100は、1以上の車両から、車両ごとに人工衛星を利用した測位の測位精度を収集して、位置ごとにおける測位精度を表す測位精度地図を生成する。
地図生成装置100は、測位精度取得部110、地図取得部120、測位精度地図生成部130、および、地図出力部140、を含み構成されている。
【0014】
測位精度取得部110は、車両ごとに、位置および測位精度を取得する。
測位精度は、人工衛星から出力された衛星情報を用いて得られた測位の信頼度に基づく測位の精度を示す。
具体的には、測位精度取得部110は、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を車両ごとの車載装置200から取得する。
測位精度取得部110は、車両に搭載された車載装置200から出力された信号に基づき、車両の現在位置を示す位置情報、および、測位の信頼度に基づく測位精度を示す測位精度情報、を取得する。測位精度取得部110は、位置情報および測位精度情報を組み合わせて出力する。
位置情報は、例えば、緯度、経度、方位を示す情報である。
【0015】
地図取得部120は、予め保持されている地図情報を取得する。
地図取得部120は、測位精度取得部110により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する。
具体的には、地図取得部120は、例えば、測位精度取得部110により取得された位置情報を確認して位置を取得する。地図取得部120は、位置を用いて、図示しない記憶部に記憶された地図情報データベースを参照し、当該位置を含む地図である地図情報を取得する。
地図取得部120は、位置情報に示される位置を含む測位精度地図が保持されていない場合、静的地図を表す地図情報を取得する。静的地図は、静的な構造物の情報を含んだ地図であり、測位精度の情報が重畳されていない状態である初期状態の地図である。
地図取得部120は、位置情報に示される位置を含む測位精度地図が既に保持されている場合、当該測位精度地図を表す地図情報を取得する。
地図取得部120は、取得した地図情報を出力する。
【0016】
測位精度地図生成部130は、位置および測位精度を用いて測位精度地図を生成する。
測位精度地図生成部130は、測位精度取得部110により取得された位置および測位精度、ならびに、地図取得部120により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する。
具体的には、測位精度地図生成部130は、車両ごとに出力された位置および測位精度を取得する。測位精度地図生成部130は、地図取得部120から地図情報を取得する。測位精度地図生成部130は、位置、測位精度、および、地図情報を用いて、地図に含まれる位置に測位精度の情報を重畳して測位精度地図を生成する。測位精度地図生成部130は、測位精度地図を表す測位精度地図情報を出力する。
【0017】
地図出力部140は、生成された測位精度地図を外部へ出力する。
地図出力部140は、測位精度地図生成部130により生成された測位精度地図を、通信回線網を介して配信する。
具体的には、地図出力部140は、測位精度地図生成部130から測位精度地図情報を取得する。地図出力部140は、取得した測位精度地図情報を、例えば、車両に搭載された車載装置200からの要求を受けて配信する。
【0018】
なお、地図生成装置100は、上記構成部のほかに、図示しない制御部、および、図示しない記憶部、などの構成部を備えている。
図示しない制御部は、地図生成装置100の全体を制御する。例えば、地図生成装置100における各構成部への処理の実行、または、処理の終了を指令する。
図示しない記憶部は、地図生成装置100における処理に用いられるデータを保持する。例えば、静的な地図を表す地図情報、および、測位精度地図を表す測位精度地図情報を保持する。また、例えば、測位精度に関する情報を保持する。
静的な地図を表す地図情報、および、測位精度地図を表す測位精度地図情報は、地図生成装置100の外部のデータベース(地図データベース、測位精度地図データベース)に保持されるように構成してもよい。
【0019】
図2は、本開示の車載装置200の構成の一例を示す図である。
車載装置200は、人工衛星を利用した測位の測位精度に関する情報に基づく情報であって、測位精度地図を生成するために必要な情報を、地図生成装置100へ提供する。
説明において、車載装置200は、車両に搭載された状態で使用されるものとして記載する。ただし、車載装置200は、車両に固定されたものであってもよく、着脱可能なものであってもよい。
車載装置200は、衛星情報取得部201、衛星測位精度判定部202、および、衛星関連情報出力部203、を含み構成されている。
【0020】
衛星情報取得部201は、衛星測位に関する情報を取得する。
衛星情報取得部201は、例えばGNSS受信機から出力される衛星情報を取得する。
衛星情報は、人工衛星を利用して測位された位置および方位を示す測位情報、ならびに、測位情報の信頼度、を含む。
測位情報に示される位置および方位は、GNSS受信機が搭載された車両の絶対位置および絶対方位である。
測位情報の信頼度は、DOP(Dilution Of Precision)、測位品質、可視衛星数、などである。
DOPは、測位品質および測位衛星の配置が測位精度へ与える影響度である。
RTK(Real Time Kinematic)測位が用いられる場合、測位情報の信頼度は、Fix解やFloat解が得られているかどうかの情報を含む。
【0021】
衛星測位精度判定部202は、衛星測位精度を判定する。
衛星測位精度判定部202は、衛星情報取得部201により取得された衛星情報を用いて、衛星情報に含まれる測位情報の信頼度に基づいて、衛星測位精度を判定する。衛星測位精度判定部202は、衛星測位精度を示す測位精度情報、および、位置および方位を示す測位情報、を出力する。
【0022】
衛星関連情報出力部203は、測位情報および測位精度情報を示す衛星関連情報を出力する。
【0023】
なお、車載装置200は、上記構成部のほかに、図示しない制御部、および、図示しない記憶部、などの構成部を備えている。
図示しない制御部は、車載装置200の全体を制御する。例えば、車載装置200における各構成部への処理の実行、または、処理の終了を指令する。
図示しない記憶部は、車載装置200における処理に用いられるデータを保持する。例えば、取得した衛星情報、および、測位精度に関する情報を保持する。また、例えば、地図情報、および、測位精度地図を表す測位精度地図情報を保持する。また、例えば、各センサからの信号を保持する。また、例えば、生成された目標経路を保持する。
【0024】
地図生成装置および車載装置を地図生成システムに適用した場合の地図生成システムの構成例を説明する。
図3は、本開示の実施の形態1に係る地図生成装置100Aおよび車載装置200Aを含む地図生成システム1Aの一部の構成例を示す図である。
【0025】
地図生成システム1Aは、測位精度地図を生成するための複数の装置を連携させたシステムである。
地図生成システム1Aは、地図サーバ10Aおよび車載システム20Aを含み構成されている。
地図サーバ10Aと車載システム20Aとは、図示しない通信回線網を介して通信可能に適宜接続される。
地図サーバ10Aは、地図生成装置100Aを含み、車載システム20Aは、車両に搭載される車載装置200Aを含む。
すなわち、地図生成システム1Aは、車両に搭載される車載装置200Aと、地図生成装置100Aとを含む。
【0026】
地図サーバ10Aは、測位精度地図を生成または更新するための情報を車載装置200Aから取得し、測位精度地図を生成または更新して外部へ配信する。配信先は、車載装置200である。本開示において、情報の取得元の車載装置200Aと配信先の車載装置200とは、必ず1対1で対応するものではない。配信先の車載装置200の一部または全部が情報の取得元の車載装置200Aである場合もあり、配信先の車載装置200の全部が情報の取得元の車載装置200Aではない場合もある。
地図サーバ10Aは、受信機11、送信機12、および、地図生成装置100A、を含み構成されている。
【0027】
受信機11は、地図サーバ10Aの外部から信号を受信する。受信機11は、例えば、測位精度に関する情報を受信する。
送信機12は、地図サーバ10Aの外部へ信号を送信する。送信機12は、例えば、測位精度地図情報を送信する。
なお、説明において、受信機11と送信機12とを別の構成として記載したが、受信および送信が可能な通信機の形態で構成されていてもよい。
【0028】
地図生成装置100Aは、既に説明した地図生成装置100と同様に、測位精度地図を生成または更新する機能を有する。
地図生成装置100Aは、測位精度取得部110A、地図取得部120A、測位精度地図生成部130A、および、地図出力部140A、を含み構成されている。
【0029】
測位精度取得部110Aは、既に説明した測位精度取得部の機能と同様の機能を有する。
測位精度取得部110Aは、地図サーバ10Aの受信機11を介して、車両ごとの位置および測位精度を取得する。
【0030】
地図取得部120Aは、既に説明した地図取得部120と同様の機能を有する。
地図取得部120Aは、地図サーバ10Aの受信機11を介して、車両ごとの位置を取得し、当該位置を含む地図を取得する。
【0031】
測位精度地図生成部130Aは、既に説明した測位精度地図生成部130と同様の機能を有する。
測位精度地図生成部130Aは、測位精度取得部110Aから取得した位置および測位精度、ならびに、地図取得部120Aから取得した地図を用いて、測位精度地図を生成する。
【0032】
地図出力部140Aは、既に説明した地図出力部140と同様の機能を有する。
地図出力部140Aは、地図サーバ10Aの送信機12を介して、外部の装置へ宛てて測位精度地図を配信する。
【0033】
車載システム20Aは、車両ごとに搭載されるシステムである。
車載システム20Aは、GNSS受信機21、送信機22、および、車載装置200A、を含み構成されている。
【0034】
GNSS受信機21は、衛星情報を出力する。
GNSS受信機21は、複数の測位衛星から送信される複数の電波を受信し、車両の絶対位置および絶対方位を演算する。GNSS受信機21は、車両の絶対位置および絶対方位を衛星情報として出力する。
【0035】
送信機22は、車載システム20Aの外部へデータを送信する。
具体的には、送信機22は、車載装置200Aにより出力された衛星関連情報を、地図サーバ10Aへ宛てて送信する。
衛星関連情報は、位置情報、および、測位精度を示す測位精度情報、を含む。
【0036】
車載装置200Aは、既に説明した車載装置200と同様の機能を有する。
車載装置200Aは、衛星情報取得部201A、衛星測位精度判定部202A、および、衛星関連情報出力部203A、を含み構成されている。
【0037】
衛星情報取得部201Aは、既に説明した衛星情報取得部201と同様に、衛星測位に関する情報を取得する機能を有する。
衛星情報取得部201Aは、GNSS受信機21から出力される衛星情報を取得する。
【0038】
衛星測位精度判定部202Aは、既に説明した衛星測位精度判定部202と同様に、衛星測位精度を判定する機能を有する
【0039】
衛星関連情報出力部203Aは、既に説明した衛星関連情報出力部203と同様に、測位情報および測位精度情報を出力する機能を有する。
測位情報は、既に説明したとおりの情報であり、人工衛星を利用した測位による測位結果である絶対位置および絶対方位を含む。
測位精度情報は、既に説明したとおりの情報であり、衛星情報に含まれる測位情報の信頼度に基づき判定された衛星測位精度を含む。
【0040】
車載装置200Aが実行する処理を説明する。
図4は、本開示の実施の形態1に係る車載装置200Aの処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Aが実行する処理は、図4に示すように、衛星情報取得処理(ステップST1110)、衛星測位精度判定処理(ステップST1120)、衛星関連情報出力処理(ステップST1130)、および、終了判定処理(ステップST1140)、を含む。
【0041】
車載装置200Aは、処理を開始すると、まず、衛星情報取得処理を実行する(ステップST1110)。
衛星情報取得処理において、車載装置200Aの衛星情報取得部201Aは、GNSS受信機21により出力される衛星情報を取得する。衛星情報取得部201Aは、取得した衛星情報を出力する。
【0042】
車載装置200Aは、衛星測位精度判定処理を実行する。(ステップST1120)
衛星測位精度判定処理において、車載装置200Aの衛星測位精度判定部202Aは、衛星情報取得部201Aにより取得された衛星情報を用いて、衛星情報に含まれる測位情報の信頼度に基づいて、衛星測位精度を判定する。衛星測位精度判定部202Aは、判定結果である衛星測位精度を示す測位精度情報、および、位置および方位を示す測位情報、を出力する。
【0043】
車載装置200Aは、衛星関連情報出力処理を実行する。(ステップST1130)
衛星関連情報出力処理において、車載装置200Aの衛星関連情報出力部203Aは、衛星測位精度判定部202Aにより出力された測位情報および測位精度情報を取得する。衛星関連情報出力部203Aは、取得した測位情報および測位精度情報を示す衛星関連情報を出力する。
【0044】
車載装置200Aは、一連の処理を終了するか判定する。(ステップST1140)
車載装置200Aは、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップST1140“NO”)、ステップST1110の処理へ移行する。
車載装置200Aは、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップST1140“YES”)、処理を終了する。
【0045】
地図生成装置100Aが実行する処理を説明する。
図5は、本開示の実施の形態1に係る地図生成装置100Aの処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
地図生成装置100Aが実行する処理は、図5に示すとおり、測位精度取得処理(ステップST1210)、測位精度地図生成処理(ステップST1220)、地図出力処理(ステップST1230)、終了判定処理(ステップST1240)、を含む。
【0047】
地図生成装置100Aは、地図生成処理を開始すると、まず、測位精度取得処理を実行する。(ステップST1210)
測位精度取得処理において、地図生成装置100Aの測位精度取得部110Aは、衛星関連情報を取得する。
具体的には、測位精度取得部110Aは、受信機11を介して、車両ごとに搭載された車載装置200Aから衛星関連情報が出力されるごとに、現在時刻の位置ごとの衛星関連情報を取得する。
【0048】
地図生成装置100Aは、測位精度地図生成処理を実行する。(ステップST1220)
測位精度地図生成処理において、まず、地図生成装置100Aの測位精度地図生成部130Aは、測位精度取得部110Aにより取得された衛星関連情報を取得する。
次いで、地図生成装置100Aの地図取得部120Aは、受信機11を介して取得した衛星関連情報に含まれる位置情報を用いて、図示しない地図データベースを参照し、位置情報に示される位置を含む地図を表す地図情報を取得する。この処理において、地図取得部120Aは、例えば、サーバ起動後、再起動後、および、静的地図データ更新時に、静的地図を表す地図情報(静的地図情報)を取得する。静的地図データ更新時は、静的地図が最新の静的地図に更新された状況である。一方、地図取得部120Aは、例えば、現在時刻の直近に作成された測位精度地図がある場合、測位精度地図を表す地図情報を取得する。
次いで、測位精度地図生成部130Aは、地図取得部120Aにより取得された地図情報を取得する。
次いで、測位精度地図生成部130Aは、衛星関連情報(位置情報および測位精度情報)および地図情報を用いて、位置情報に示される位置に対応する地図情報に示される地図上の領域に測位精度を反映させて測位精度地図を生成または更新する。測位精度地図に含まれる測位精度の初期値は、作成直前または更新直前の時刻における人工衛星の位置、および、静的地図情報に含まれる静的な構造物の位置などから算出される。なお、初期値は、予めデータ収集用の車両を走行させ、当該車両が取得したデータを用いてもよい。
測位精度地図生成部130Aは、生成または更新した測位精度地図を表す測位精度地図情報を出力する。
【0049】
地図生成装置100Aは、地図出力処理を実行する。(ステップST1230)
地図出力処理において、地図生成装置100Aの地図出力部140Aは、外部(例えば、車両ごとに搭載された装置)からの要求を受けると、測位精度地図生成部130Aにより出力された測位精度地図情報を取得する。次いで、地図出力部140Aは、測位精度地図情報を要求元に宛てて、送信機12を介して出力する。
【0050】
地図生成装置100Aは、一連の処理を終了するか判定する。(ステップST1240)
地図生成装置100Aは、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップST1240“NO”)、ステップST1210の処理へ移行して、一連の処理を継続する。
地図生成装置100Aは、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップST1240“YES”)、処理を終了する。
【0051】
ここで、仮に、測位精度地図を自動運転に用いる場合について説明する。
人工衛星による測位を利用した自動運転システムは、その測位の精度による影響を受ける。
衛星測位の精度は、その時間の人工衛星の配置や、車両周囲の静的な構造物の位置関係だけでなく、大気(電離層・対流層)の状態、車両周辺の障害物、車両周辺のノイズの影響も受けて変動する。
車両が走行中に衛星測位の精度が悪い領域に進入し、誤差が一定以上になると、車両が本来通行すべき道路や通路から逸脱してしまい、自動運転を継続できなくなってしまう。
このことは、人工衛星以外に測位手段を持たない車両の場合、より顕著になる。
本開示において、各車両から送信される測位精度情報は、大気の状態や車両周辺の障害物といった変動する要素による影響も加味されたものである。
本開示は、測位精度情報を用いることにより、現時点の衛星測位精度を正確に表現したダイナミックマップである測位精度地図を生成することができる。
本開示における測位精度地図により、場所・時間・天候などの諸条件によって変動する各場所の測位精度を1つの地図情報として統合できる。
測位精度地図を取得した車両においては、例えば、リアルタイムに更新される測位精度地図を活用して、目標経路を変更し、測位精度の悪い領域に入らないように走行できる。
測位精度地図を自動運転に用いた場合、測位結果の誤差の発生が抑制されるので、自動運転車両が本来走行すべき経路から逸脱する可能性が低くなり、自動運転の精度が向上する。
【0052】
仮に、本開示を自動運転に用いた場合における、地図生成装置100を含むサーバと車載装置200を搭載した車両との間の関係を説明する。
図6は、地図生成装置を含む地図サーバと車載装置200を含む車載システムとの通信の状態を模式的に示す図である。
道路1010を走行中の複数の車両1020はそれぞれ、現在位置と衛星測位精度(測位精度情報1030)を地図サーバ1010(地図サーバ1010Aの地図生成装置100A)に送信し、地図サーバ1010Aの地図生成装置100Aで生成された測位精度に関する情報を含むダイナミックマップ(測位精度地図)1040を受信している状態を示している。
【0053】
図7は、本開示における測位精度地図の例を模式的に示す図である。
図7に示す模式的に表した測位精度地図の内容1100は、障害物1101が車両の走行する道路の脇に存在し、その近辺の領域の測位精度(衛星測位精度(低レベル)1130)が他の領域の測位精度(衛星測位精度(高レベル)1110、衛星測位精度(中レベル)1120)に対し低下している。
また、障害物1101の位置から離れるに従い、衛星測位精度(低レベル)1130、衛星測位精度(中レベル)1120、衛星測位精度(高レベル)1110の順に分布している。
なお、図においては、測位精度地図は領域を正方形のメッシュで分割しているが、分割する大きさおよび形状は適宜設計されるものであり、図示した形状に限定しない。
【0054】
本開示の地図生成装置は、以下のように構成した。

「 車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置200から取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成装置。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制させることが可能な「測位精度地図」を生成する地図生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0055】
本開示の地図生成プログラムは、以下のように構成した。

「 コンピュータを、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成装置として動作させる地図生成プログラム。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制させることが可能な「測位精度地図」を生成する地図生成プログラムを提供することができる、という効果を奏する。
【0056】
本開示の地図生成方法は、以下のように構成した。

「 地図生成装置による地図生成方法であって、
前記地図生成装置の測位精度取得部が、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を前記車両ごとの車載装置から取得する測位精度取得部と、
前記地図生成装置の地図取得部が、前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
前記地図生成装置の測位精度地図生成部が、前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成ステップと、
を備えた、
地図生成方法。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制させることが可能な「測位精度地図」を生成する地図生成方法を提供することができる、という効果を奏する。
【0057】
本開示の地図生成システムは、以下のように構成した。

「 車両に搭載される車載装置と、地図生成装置とを含む地図生成システムであって、
前記車載装置は、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報を用いて前記人工衛星による測位精度を判定する衛星測位精度判定部と、
現在位置および当該現在位置における人工衛星の測位精度を、前記地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備え、
前記地図生成装置は、
前記車載装置から取得した人工衛星の測位精度に関する情報を用いて、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成システム。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」を生成することができ、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する地図生成システムを提供することができる、という効果を奏する。
または、車載装置の処理を低減させることができる、という効果を奏する。
【0058】
本開示の地図生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記測位精度地図生成部により生成された前記測位精度地図を、通信回線網を介して配信する地図出力部、
を備えた地図生成装置。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制させる「測位精度地図」を配信するので、「測位精度地図」を利用者が容易に利用できるようにする地図生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記地図作成プログラム、上記地図作成方法、または、上記地図作製システム、に適用することによっても、上記効果と同様の効果を奏する。
【0059】
実施の形態2.
実施の形態2は、地図生成装置および車載装置を含む地図生成システムの別の形態を説明する。
【0060】
図8は、本開示の実施の形態2に係る地図生成装置100Bおよび車載装置200Bを含む地図生成システム1Bの一部の構成例を示す図である。
【0061】
地図生成システム1Bは、測位精度地図を生成するための複数の装置を連携させたシステムである。
地図生成システム1Bは、地図サーバ10Bおよび車載システム20Bを含み構成されている。
地図サーバ10Bと車載システム20Bとは、図示しない通信回線網を介して通信可能に適宜接続される。
地図サーバ10Bは、地図生成装置100Bを含み、車載システム20Bは、車両に搭載される車載装置200Bを含む。
すなわち、地図生成システム1Bは、車両に搭載される車載装置200Bと、地図生成装置100Bとを含む。
【0062】
地図サーバ10Bは、測位精度地図を生成または更新するための情報を車載装置200Bから取得し、測位精度地図を生成または更新して外部へ配信する機能を有する。
地図サーバ10Bは、受信機11、送信機12、および、地図生成装置100B、を含み構成されている。
受信機11は、既に説明した受信機11と同様に構成されている。
送信機12は、既に説明した送信機12と同様に構成されている。
【0063】
地図生成装置100Bは、測位精度取得部110B、地図取得部120B、測位精度地図生成部130B、および、地図出力部140B、を含み構成されている。
【0064】
地図取得部120B、測位精度地図生成部130B、および、地図出力部140B、の構成は、既に説明した地図取得部120A、測位精度地図生成部130A、および、地図出力部140A、の構成と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0065】
測位精度取得部110Bは、地図サーバ10Bの受信機11を介して、衛星情報を用いて測位精度を取得する。
測位精度取得部110Bは、衛星測位精度判定部111を含み構成されている。
衛星測位精度判定部111は、衛星情報に基づいて測位精度を判定する。
衛星測位精度判定部111は、既に説明した衛星測位精度判定部202と同様の機能を有する。
衛星測位精度判定部111は、人工衛星から車両ごとに得られた衛星情報を取得し、当該衛星情報を用いて測位精度を判定する。
衛星測位精度判定部111は、衛星測位精度を示す測位精度情報、および、位置および方位を示す測位情報、を出力する。
【0066】
車載システム20Bは、車両に搭載される装置から構成されるシステムである。
車載システム20Bは、GNSS受信機21、送信機22、および、車載装置200B、を含み構成されている。
【0067】
GNSS受信機21、および、送信機22は、既に説明したGNSS受信機21、および、送信機22と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0068】
車載装置200Bは、衛星情報を取得して、地図生成装置100Bへ提供する。
車載装置200Bは、衛星情報取得部201B、および、衛星関連情報出力部203B、を含み構成されている。
【0069】
衛星情報取得部201Bは、既に説明した衛星情報取得部201Aと同様に、人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する。
【0070】
衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報取得部201Bから衛星情報を取得し、取得した衛星情報を出力する。
衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報を、車載システム20Bの送信機22を介して地図生成装置100Bへ出力する。
衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報取得部201により取得された衛星情報および自車両(「自車両」は、当該衛星関連情報出力部203Bを含む車載装置200Bを搭載した車両)の位置を、測位精度地図を生成する地図生成装置100へ宛てて出力する。
【0071】
車載装置200Bが実行する処理を説明する。
図9は、本開示の実施の形態2に係る車載装置200Bの処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Bが実行する処理は、図9に示すように、衛星情報取得処理(ステップST2110)、衛星情報出力処理(ステップST2130)、および、終了判定処理(ステップST2140)、を含む。
衛星情報取得処理(ステップST2110)、および、終了判定処理(ステップST2140)、はそれぞれ、既に説明した、衛星情報取得処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0072】
車載装置200Bは、衛星情報出力処理を実行する。(ステップST2120)
衛星情報出力処理において、車載装置200Bの衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報取得部201Bから衛星情報を取得し、取得した衛星情報を出力する。
具体的には、衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報取得部201により出力された衛星情報および自車両の位置(現在位置)を取得する。
衛星関連情報出力部203Bは、現在位置および衛星情報を、測位精度地図を生成する機能を有する地図生成装置100Bへ宛てて出力する。
衛星関連情報出力部203Bは、衛星情報を、車載システム20Bの送信機22を介して地図生成装置100Bへ出力する。
【0073】
地図生成装置100Bが実行する処理を説明する。
図10は、本開示の実施の形態2に係る地図生成装置100Bの処理の一例を示すフローチャートである。
地図生成装置100Bが実行する処理は、図10に示すとおり、測位精度取得処理(ステップST2210)、測位精度地図生成処理(ステップST2220)、地図出力処理(ステップST2230)、および、終了判定処理(ステップST2240)、を含む。
【0074】
測位精度地図生成処理(ステップST2220)、地図出力処理(ステップST2230)、および、終了判定処理(ステップST2240)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図生成処理、地図出力処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0075】
地図生成装置100Bは、地図生成処理を開始すると、まず、測位精度取得処理を実行する。(ステップST2210)
測位精度取得処理において、地図生成装置100Bの測位精度取得部110Bにおける衛星測位精度判定部111は、衛星情報を用いて、衛星情報に含まれる測位情報の信頼度に基づいて、衛星測位精度を判定する。衛星測位精度判定部111は、判定結果である衛星測位精度を示す測位精度情報、および、位置および方位を示す測位情報、衛星関連情報として出力する。
【0076】
本開示の地図生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記測位精度取得部は、
前記人工衛星から車両ごとに得られた衛星情報を取得し、当該衛星情報を用いて測位精度を判定する衛星測位精度判定部、
を含み構成されている、
ことを特徴とする地図生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、車載装置による処理の負荷を軽減させる地図生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
または、本開示は、車載装置と地図生成装置との間の通信量を低減させることができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記地図作成プログラムまたは上記地図作成方法に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0077】
本開示の地図生成システムは、以下のように構成した。

「 車両に搭載される車載装置と、地図生成装置とを含む地図生成システムであって、
前記車載装置は、
人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記車載装置が搭載された車両である自車両の位置および前記衛星情報取得部により取得された前記衛星情報を、前記地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備え、
前記地図生成装置は、
前記車載装置から取得した衛星情報を用いて、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備えた、
地図生成システム。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」を生成することができ、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する地図生成システムを提供することができる、という効果を奏する。
【0078】
実施の形態3.
実施の形態3は、車載装置が、「測位精度地図」を用いて目標経路を生成する経路生成装置である場合の形態を説明する。
【0079】
図11は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
車載装置200Cは、既に説明した車載装置200,200A,200Bの機能に加え、経路生成装置としての機能を有する。
車載装置200Cは、車両に搭載されて用いられる。
車載装置200Cは、衛星情報取得部201C、衛星測位精度判定部202C、衛星関連情報出力部203C、地図情報取得部205、自車位置特定部206、測位精度地図取得部210、および、目標経路生成部220、を含み構成されている。
【0080】
衛星情報取得部201Cは、既に説明した衛星情報取得部201Aと同様に構成されている。
衛星測位精度判定部202Cは、既に説明した衛星測位精度判定部202Aと同様に構成されている。
衛星関連情報出力部203Cは、既に説明した衛星関連情報出力部203Aと同様に構成されている。
【0081】
地図情報取得部205は、地図情報を取得する。
具体的には、地図情報取得部205は、地図サーバ10Cへ地図情報を要求して、地図サーバ10Cから地図情報を取得する。取得した地図情報は、自車両の現在位置を特定するために用いられるものである。
本実施の形態において、自車両の現在位置を特定するための地図情報は、地図サーバ10Cから取得する形態を示しているが、車載システム20Cまたは車載装置200Cの内部に予め記憶されているように構成してもよい。
【0082】
自車位置特定部206は、自車両の位置を特定し、自車両の位置および自車両の周辺の地図情報を出力する。
具体的には、自車位置特定部206は、衛星情報および地図情報を取得し、衛星情報および地図情報を用いて自車両の現在位置および方位を特定する。
また、自車位置特定部206は、自車両の位置を用いて当該位置を含む領域の地図情報を取得する。
自車位置特定部206は、自車両の現在位置を示す位置情報、および、当該位置を含む領域(自車両の周辺領域)の地図情報を出力する。
【0083】
測位精度地図取得部210は、地図生成装置100Cにより生成された測位精度地図を取得する。
測位精度地図取得部210は、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、車載装置200C(経路生成装置)が搭載された車両である自車両の位置を含む測位精度地図を取得する。
【0084】
目標経路生成部220は、測位精度地図を用いて目標経路を生成する。
目標経路生成部220は、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。
具体的には、目標経路生成部220は、測位精度地図取得部210から測位精度地図情報を取得する。また、目標経路生成部220は、自車位置特定部206から自車両の現在位置を含む位置情報を取得する。目標経路生成部220は、測位精度地図および位置情報を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るように目標経路を生成する。目標経路生成部220は、生成した目標経路を含む目標経路情報を出力する。
目標経路を示す目標経路情報は、一定の時間の未来にわたる車両の走行位置を示す点群の形態で示され、点群には位置情報だけでなく目標とする車速や加速度の情報を含んでいてもよい。
【0085】
車載装置200Cを自動運転システムに適用した場合の自動運転システムの構成例を説明する。
図12は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)を含む自動運転システム2Cの構成の一例を示す図である。
自動運転システム2Cは、測位精度地図を用いて車両を自動運転させるための複数の装置を連携させたシステムである。本開示における自動運転は、運転支援を含む。運転支援は、例えば、運転に利用される情報を提供することを含む。
また、図12に示す自動運転システム2Cは、既に説明した地図生成システム1A,1Bを含むように構成されている。
自動運転システム2Cは、地図サーバ10Cおよび車載システム20Cを含み構成されている。
地図サーバ10Cと車載システム20Cとは、図示しない通信回線網を介して通信可能に適宜接続される。
地図サーバ10Cは、地図生成装置100Cを含み、車載システム20Cは、車両に搭載される車載装置200Cを含む。
すなわち、自動運転システム22Cは、地図生成装置100Cと、車両に搭載される経路生成装置Cとを含み構成されている。
【0086】
地図サーバ10Cは、既に説明した地図サーバ10Aと同様に構成されている。
地図サーバ10Cは、受信機11、送信機12、および、地図生成装置100C、を含み構成されている。
図12における地図生成装置100Cは、実施の形態1の地図生成装置100Aと同一である。
なお、地図サーバ10Cは、地図サーバ10Bと同じように構成してもよい。この場合、地図生成装置100Cは、既に説明した地図生成装置100Bのように構成される。
【0087】
車載システム20Cは、車両ごとに搭載されるシステムである。
車載システム20Cは、GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載装置200C、および、出力先装置26、を含み構成されている。
GNSS受信機21および送信機22は、それぞれ既に説明したGNSS受信機21および送信機22と同様に構成されている。
受信機23は、自車両の外部から信号を受信する。受信機23は、例えば、地図サーバにより送信された地図の情報を受信する。具体的には、自車両が存在する位置を含む、地図および測位精度地図の情報を取得する。
【0088】
出力先装置26は、車載装置200Cにおいて生成された目標経路を用いた処理を実行する装置である。
出力先装置26は、例えば、目標経路を表示する表示装置、目標経路に沿って案内を行う経路案内装置、目標経路に追従するように車両を制御する車両制御装置、または、目標経路に関する警告または注意喚起する情報を出力する情報出力装置28、等が含まれ得る。
【0089】
車載装置200Cは、既に説明したように、衛星情報取得部201C、衛星測位精度判定部202C、衛星関連情報出力部203C、地図情報取得部205、自車位置特定部206、測位精度地図取得部210、および、目標経路生成部220、を含み構成されている。
【0090】
衛星情報取得部201Cは、既に説明した衛星情報取得部201Aと同様に人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得して出力するよう構成され、当該構成に加え、取得した衛星情報をさらに自車位置特定部206へ出力するよう構成されている。
【0091】
衛星測位精度判定部202Cは、既に説明した衛星測位精度判定部202Aと同様に衛星情報を用いて人工衛星による測位精度を判定する。
【0092】
衛星関連情報出力部203Cは、既に説明した衛星関連情報出力部203Aと同様に自車両の位置および当該位置における人工衛星の測位精度を、測位精度地図を生成する地図生成装置100Cへ宛てて出力する。
【0093】
自動運転システム2Cは、衛星情報取得部201C、衛星測位精度判定部202C、および、衛星関連情報出力部203C、を備えており、既に説明した地図生成システム1Aまたは地図生成システム1Bを含むように構成されている。ただし、自動運転システム2Cは、自動運転機能を有していればよく、衛星測位精度判定部202Cおよび衛星関連情報出力部203C、を含まないように構成してもよい。
【0094】
図12においては、衛星情報取得部201C、衛星測位精度判定部202C、および、衛星関連情報出力部203Cは、実施の形態1に説明した構成と同様であるが、実施の形態2に説明した構成を適用することができる。
実施の形態2の構成を適用した場合、衛星情報取得部201Cは、既に説明した衛星情報取得部201Bと同一である。また、同様に、衛星関連情報出力部203Cは、既に説明した衛星関連情報出力部203Bと同一である。また、実施の形態2の構成を適用した場合、衛星測位精度判定部202Cに替えて、地図生成装置100Cに、既に説明した衛星測位精度判定部202111を設けた構成である
すなわち、自動運転システム2Cの車載装置200Cは、地図生成システム1Aの車載装置200A、または、地図生成システム1Bの車載装置200Bと同様の構成を有する。
【0095】
自動運転システム2Cの車載装置200Cにおける地図情報取得部205は、具体的には、受信機23を介して地図サーバ10Cから地図情報を取得し、取得した地図情報を出力する。
自動運転システム2Cの車載装置200Cにおける測位精度地図取得部210は、具体的には、受信機23を介して地図サーバ10Cの地図生成装置100Cから出力された測位精度地図を取得し、取得した測位精度地図を出力する。
自動運転システム2Cの車載装置200Cにおける自車位置特定部206は、具体的には、衛星情報取得部201Cから出力された衛星情報、および、地図情報取得部205により出力された地図情報を取得して、取得した衛星情報および地図情報を用いて自車両の現在位置を特定し、自車両の現在位置を示す位置情報と現在位置を含む領域を表す地図情報とを出力する。
自動運転システム2Cの車載装置200Cにおける目標経路生成部220は、既に説明したように目標経路を生成し、生成した目標経路を、出力先装置26へ出力する。
【0096】
車載装置200C(経路生成装置)が実行する処理を説明する。
図13は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の第1の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Cが実行する第1の処理は、図13に示すように、測位精度地図取得処理(ステップST3310)、目標経路生成処理(ステップST3320)、および、終了判定処理(ステップST3330)、を含む。
【0097】
車載装置200Cは、第1の処理を開始すると、まず、測位精度地図取得処理を実行する。(ステップST3310)
測位精度地図取得処理において、車載装置200Cの測位精度地図取得部210は、受信機23を介して地図サーバ10Cの地図生成装置100Cから出力された測位精度地図を取得し、取得した測位精度地図を表す測位精度地図情報を出力する。
【0098】
次いで、車載装置200Cは、目標経路生成処理を実行する。(ステップST3320)
目標経路生成処理において、車載装置200Cの目標経路生成部220は、測位精度地図を用いて目標経路を生成する。
具体的には、目標経路生成部220は、まず、測位精度地図取得部210から測位精度地図情報を取得する。次いで、目標経路生成部220は、自車位置特定部206から自車両の現在位置を含む位置情報を取得する。
目標経路生成部220は、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。例えば、目標経路生成部220は、測位精度地図および位置情報を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るように目標経路を生成する。目標経路生成部220は、生成した目標経路を含む目標経路情報を、出力先装置26へ宛てて出力する。
【0099】
次いで、車載装置200Cは、一連の処理を終了するか判定する。(ステップST3330)
車載装置200Cは、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップST3330“NO”)、ステップST3310の処理へ移行して、一連の処理を継続する。
車載装置200Cは、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップST3330“YES”)、第1の処理を終了する。
【0100】
図14は、本開示の実施の形態3に係る車載装置200C(経路生成装置)の第2の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Cが実行する第2の処理は、図14に示すように、地図情報取得処理(ステップST3410)および自車位置特定処理(ステップST3420)を含む。
【0101】
車載装置200Cは、第2の処理を開始すると、まず、地図情報取得処理を実行する。(ステップST3410)
地図情報取得処理において、車載装置200Cの地図情報取得部205は、地図サーバ10Cへ地図情報を要求して、地図サーバ10Cから地図情報を取得する。
【0102】
次いで、車載装置200Cは、自車位置特定処理を実行する。(ステップST3420)
自車位置特定処理において、車載装置200Cの自車位置特定部206は、衛星情報取得部201から出力された衛星情報、および、地図情報取得部205から出力された地図情報、を取得する。自車位置特定部206は、衛星情報および地図情報を用いて自車両の現在位置および方位を特定する。また、自車位置特定部206は、自車両の位置を用いて当該位置を含む領域の地図情報を取得する。
自車位置特定部206は、自車両の位置を示す位置情報、および、当該位置を含む領域(自車両の周辺領域)の地図情報を、目標経路生成部220へ出力する。
【0103】
次いで、車載装置200Cは、第2の処理における一連の処理を終了する、または、一連の処理を繰り返す。
【0104】
本開示の経路生成装置は、以下のように構成した。

「 車両に搭載される経路生成装置であって、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、
経路生成装置。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」に基づいて目標経路を生成するので、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制させる経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
例えば、予め定められている基準以上の測位精度が得られるような目標経路を生成することが可能になる。または、必要とする測位精度が得られるような目標経路を用いた制御が可能になる。
【0105】
本開示の経路生成プログラムは、以下のように構成した。

「 コンピュータを、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、
経路生成装置として動作させる経路生成プログラム。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」に基づき目標経路を生成させることができ、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する経路生成プログラムを提供することができる、という効果を奏する。
【0106】
本開示の経路生成方法は、以下のように構成した。

「 車両に搭載される経路生成装置の経路生成方法であって、
前記経路生成装置の測位精度地図取得部が、車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を用いて生成された、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図であって、前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得ステップと、
前記経路生成装置の目標経路生成部が、前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成ステップと、
を備えた、
経路生成方法。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」に基づき目標経路を生成させることができ、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する経路生成方法を提供することができる、という効果を奏する。
【0107】
本開示の自動運転システムは、以下のように構成した。

「 地図生成装置と、車両に搭載される経路生成装置とを備えた自動運転システムであって、
前記地図生成装置は、
車両ごとの位置および当該位置における人工衛星の測位精度を取得する測位精度取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置を含む地図を表す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記測位精度取得部により取得された位置および測位精度、ならびに、前記地図情報取得部により取得された地図情報、を用いて、位置ごとの測位精度を表す測位精度地図を生成する測位精度地図生成部と、
を備え、
前記経路生成装置は、
前記経路生成装置が搭載された車両である自車両の位置を含む前記測位精度地図を取得する測位精度地図取得部と、
前記測位精度地図に基づいて、前記自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する目標経路生成部と、
を備えた、
自動運転システム。」

これにより、本開示は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することを可能にする「測位精度地図」に基づいて目標経路を生成することができ、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制する自動運転システムを提供することができる、という効果を奏する。
【0108】
本開示の経路生成装置は、以下のように構成した。

「 人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報取得部により取得された前記衛星情報および前記自車両の位置を、前記測位精度地図を生成する地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、地図生成システムを構成する経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0109】
本開示の経路生成装置は、以下のように構成した。

「 人工衛星から測位精度に係る衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
前記衛星情報を用いて人工衛星による測位精度を判定する衛星測位精度判定部と、
前記自車両の位置および当該位置における人工衛星の測位精度を、前記測位精度地図を生成する地図生成装置へ宛てて出力する衛星関連情報出力部と、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、地図生成システムを構成する経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。
または、地図生成装置における処理を低減させることができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0110】
実施の形態4.
実施の形態4は、測位精度地図に加え、周辺環境に基づく自車両の走行可能領域を考慮して目標経路を生成する構成の形態を説明する。
【0111】
図15は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
車載装置200Dは、既に説明した車載装置200Cと同様の機能に加え、周辺環境に基づく自車両の走行可能領域を考慮して目標経路を生成する経路生成装置の機能を有する。
車載装置200Dは、衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、目標経路生成部220D、周辺環境取得部231、および、走行可能領域特定部232、を含み構成されている。
【0112】
衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、および、測位精度地図取得部210D、はそれぞれ、既に説明した衛星情報取得部201C、衛星測位精度判定部202C、衛星関連情報出力部203C、地図情報取得部205、自車位置特定部206、および、測位精度地図取得部210、と同様の機能を有する。
【0113】
周辺環境取得部231は、自車両の周辺環境を取得する。
具体的には、周辺環境取得部231は、自車両の周辺に存在する地物を検知した結果である検知情報を用いて、自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得する。
地物は、構造物および移動体に加え、車線および障害物を含む。
さらに具体的には、周辺環境取得部231は、自車両に取り付けられた複数のセンサによる検知情報を統合し、統合した検知情報である周辺環境情報を出力する。
【0114】
走行可能領域特定部232は、周辺環境に基づいて自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する。
具体的には、走行可能領域特定部232は、自車位置特定部206Dにより出力された位置情報および地図情報を取得するとともに、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報を取得する。走行可能領域特定部232は、位置情報、地図情報、および、周辺環境情報、を用いて、例えば、自車両が走行可能な走行車線において、構造物、移動体、および、障害物に衝突しないような領域を、走行可能領域に特定する。走行可能領域特定部232は、特定した走行可能領域を示す走行可能領域情報を出力する。
【0115】
目標経路生成部220Dは、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。
目標経路生成部220Dは、さらに、走行可能領域特定部232によって特定された走行可能領域の内部領域を通るように目標経路を生成する。
具体的には、目標経路生成部220Dは、測位精度地図取得部210から測位精度地図情報を取得する。また、目標経路生成部220Dは、自車位置特定部206Dから自車両の現在位置を含む位置情報を取得する。
また、目標経路生成部220Dは、走行可能領域特定部232により出力された走行可能領域情報を取得する。
目標経路生成部220Dは、測位精度地図、位置情報、および、走行可能領域情報、を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るようにする目標経路であって、走行可能領域特定部232によって特定された走行可能領域の内部領域を通るようにする目標経路を生成する。
目標経路生成部220は、生成した目標経路を含む目標経路情報を出力する。
【0116】
車載装置200Dを自動運転システムに適用した場合の自動運転システムの構成例を説明する。
図16は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(経路生成装置)を含む自動運転システム2Dの構成の第1の例を示す図である。
自動運転システム2Dは、地図生成装置100Dと、車両に搭載される経路生成装置Dとを含み構成されている。
自動運転システム2Dは、既に説明した自動運転システム2Cと同様の説明内容になるため、詳細な説明の記載を省略する。
【0117】
地図サーバ10Dは、既に説明した地図サーバ10Cと同様の説明内容になるため、詳細な説明の記載を省略する。
【0118】
車載システム20Dは、車両ごとに搭載されるシステムである。
車載システム20Dは、GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、車載装置200D、および、出力先装置26、を含み構成されている。
GNSS受信機21、送信機22、受信機23、および、出力先装置26、は、それぞれ既に説明したGNSS受信機21、送信機22、受信機23、および、出力先装置26、と同様に構成されている。
【0119】
車載センサ群24は、自車両の周辺に存在する地物を検知する。
車載センサ群24は、例えば、前方カメラ24a、前方レーダ24b、および、周辺レーダ24c、を含み構成されている。
【0120】
前方カメラ24aは、車両の前方における物体を、画像として検出可能な部位に設けられている。
前方カメラ24aは、検出した画像の情報に基づいて、車両の前方環境を検出する。
前方環境とは、例えば、障害物や車線である。
前方カメラ24aは、車両から見える前方の障害物の相対位置と、相対速度、向き、幅、奥行き、高さ、種別を出力する。
前方カメラ24aは、車両から見える前方の車線を多項式またはスプライン曲線により近似した結果と、近似した結果に対する信頼度とを出力する。
【0121】
前方レーダ24bは、車両の前方の障害物を検知することができるように、例えば、車両の前方に設けられている。
前方レーダ24bは、車両の周囲に入射波としての電波を照射し、この入射波に対する反射波を検出する。
これにより、前方レーダ24bは、車両の周囲の動的物標との相対位置、動的物標との相対速度、静的物標との相対位置、および静的物標との相対速度を出力する。
動的物標とは、例えば、車両および歩行者であり、静的物標とは、例えば、側壁およびガードレールである。
【0122】
周辺レーダ24cは、例えば複数の周辺レーダ24cから構成される。
複数の周辺レーダ24cは、車両の前側方および車両の後側方の障害物を検知することができるように、例えば、車両の4隅にそれぞれ設けられている。
各周辺レーダ24cは、車両の周囲に入射波としての電波を照射し、この入射波に対する反射波を検出する。
これにより、各周辺レーダ24cは、車両の周囲の動的物標との相対位置、動的物標との相対速度、静的物標との相対位置、および静的物標との相対速度を出力する。
動的物標とは、例えば、車両および歩行者であり、静的物標とは、例えば、側壁およびガードレールである。
【0123】
なお、車載センサ群24は、前方カメラ24a、前方レーダ24b、および、周辺レーダ24c、以外に、図18に図示していない他のセンサを含む。例えば、後述する自車状態センサ24dを含む。
または、車載センサ群24による車線や障害物の検知は、他のセンサ構成によって実施されてもよい。例えば、周辺カメラ、LiDAR、ソナーセンサによる検知に置き換えてもよい。
【0124】
図16に示す車載装置200Dは、既に説明したように、衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、目標経路生成部220D、周辺環境取得部231、および、走行可能領域特定部232、を含み構成されている。
衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、目標経路生成部220D、周辺環境取得部231、および、走行可能領域特定部232、は、それぞれ、既に説明した機能を有する。
【0125】
周辺環境取得部231は、既に説明した周辺環境取得部231と同様に、自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得するように構成されている。周辺環境取得部231は、既に説明した構成において、車載センサ群24により出力された検知信号に基づいて周辺環境情報を取得し、走行可能領域特定部232へ出力するように構成されている。
【0126】
走行可能領域特定部232は、既に説明した走行可能領域特定部232と同様に、周辺環境に基づいて自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定するように構成されている。走行可能領域特定部232は、既に説明した構成に加え、特定した走行可能領域における衝突リスクを判定し、走行可能領域および衝突リスクを示す走行可能領域情報を出力するように構成されている。
【0127】
目標経路生成部220Dは、既に説明した目標経路生成部220Dと同様に、目標経路生成部220により生成された目標経路が、走行可能領域特定部232によって特定された走行可能領域の内部領域を通るように生成されるようにした構成を有し、既に説明した構成に加え、走行可能領域特定部232から取得した走行可能領域を出力するように構成されている。
【0128】
次に、さらに、走行可能領域における衝突リスクを判定する構成を説明する。
図17は、本開示において用いられる走行可能領域と衝突リスクとを模式的に示す図である。
図18は、地図生成装置100Dおよび車載装置200D´(経路生成装置)を含む自動運転システム2D´の構成の第2の例を示す図である。
自動運転システム2D´は、車載システム20D´において、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、および、車載装置200D´が車載システム20Dとは異なる。
【0129】
車載センサ群24は、既に説明した、前方カメラ24a、前方レーダ24b、および、周辺レーダ24c、に加え、さらに、自車状態センサ24d、を含み構成されている。
自車状態センサ24dは、自車両の状態を示す自車状態情報を出力する。
具体的には、自車状態センサ24dは、車両の速度を検出する車速センサ、車両のヨーレートを検出するジャイロセンサ、車両の前後加速度および横加速度を検出する加速度センサ、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサを備える。
自車状態センサ24dは、速度、ヨーレート、前後加速度および横加速度、ならびに、操舵角、を含む自車状態情報を出力する。
【0130】
車載システム20D´は、インフラ設置センサ25を含み構成されている。
インフラ設置センサ25は、車両が通行する道路近傍のインフラに設置されているセンサである。
インフラ設置センサ25は、カメラ、レーダ、LiDARおよびソナーセンサの少なくとも1つを備えており、車両周辺にある障害物の絶対位置、絶対速度、向き、幅、奥行き、高さ、種別を検知する。
インフラ設置センサ25が検知した障害物の絶対位置、絶対速度、向き、幅、奥行き、高さ、種別といった情報を含むインフラ周辺情報は、無線通信によって車載装置200D´に送信される。
【0131】
車載装置200D´は、衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、目標経路生成部220D´、周辺環境取得部231、走行可能領域特定部232D、自車状態取得部236、インフラ情報取得部237、および、目標状態決定部238、を含み構成されている。
【0132】
衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、および、周辺環境取得部231、は、それぞれ、既に説明した衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、周辺環境取得部231、および、走行可能領域特定部232と同様に構成されている。
【0133】
自車状態取得部236は、自車状態センサ24dにより検知された自車状態を示す自車状態情報を取得する。
自車状態取得部236は、取得した自車状態情報を、目標状態決定部238および走行可能領域特定部232Dへ出力する。
【0134】
インフラ情報取得部237は、インフラ設置センサ25により検知された地物の情報であるインフラ周辺情報を取得する。
インフラ情報取得部237は、取得したインフラ周辺情報を、走行可能領域特定部232Dへ出力する。
【0135】
走行可能領域特定部232Dは、周辺環境に基づいて自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する。
具体的には、走行可能領域特定部232Dは、自車位置特定部206Dにより出力された位置情報および地図情報を取得するとともに、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報、自車状態取得部236により出力された自車状態情報、および、インフラ情報取得部237により出力されたインフラ周辺情報、を取得する。走行可能領域特定部232Dは、周辺環境情報、および、インフラ周辺情報、を統合して1つの地物検知情報として扱えるようにする。
走行可能領域特定部232Dは、位置情報、地図情報、周辺環境情報(地物検知情報)、自車状態情報、および、インフラ周辺情報(地物検知情報)、を用いて、例えば、現在時刻から一定時間経過するまで走行する間に、自車両が走行可能な走行車線において、構造物、移動体、および、障害物などに衝突しないような領域を、走行可能領域に特定する。また、走行可能領域特定部232Dは、併せて、走行可能領域を自車両が走行した場合に障害物等と衝突するリスクである衝突リスクを判定する。
走行可能領域特定部232Dは、現在位置を含む走行可能領域および衝突リスクを含む走行可能領域情報を出力する。
【0136】
目標状態決定部238は、車両が到達すべき目標の状態である目標状態を決定する。
具体的には、目標状態決定部238は、自車位置特定部206Dにより出力された自車位置情報および地図情報(自車の位置を含む周辺領域の地図を表す地図情報)を取得する。また、目標状態決定部238は、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報(地物検知情報)を取得する。また、目標状態決定部238は、自車状態取得部236により出力された自車状態情報を取得する。また、目標状態決定部238は、インフラ情報取得部237により出力されたインフラ周辺情報(地物検知情報)を取得する。
目標状態決定部238は、自車位置情報および地図情報、周辺環境情報(地物検知情報)、自車状態情報、ならびに、インフラ周辺情報(地物検知情報)、を用いて、車両が到達すべき目標の状態である目標状態を決定する。
目標状態決定部238は、目標状態を示す目標状態情報を出力する。
目標状態とは、例えば、「指定された地点まで走行し停止する」、「走行中の道路をそのまま走行し、接続されている別の道路へ進入する」といった、一定の時間経過した未来において車両が到達すべき状態である。
目標状態決定部238は、説明において車載装置200D´の内部の構成部であるが、車載装置200D´の外部の構成部であってもよい。例えば、目標状態決定部238は、外部のサーバに備えられて、決定した目標状態を車載装置200D´に送信するように構成してもよい。
【0137】
目標経路生成部220D´は、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。
目標経路生成部220D´は、さらに、走行可能領域特定部232Dによって特定された走行可能領域の内部領域を通るように目標経路を生成する。
目標経路生成部220D´は、さらに、目標状態決定部238によって決定された目標状態に到達する目標経路を生成する。
具体的には、目標経路生成部220D´は、測位精度地図取得部210Dから測位精度地図情報を取得する。
また、目標経路生成部220D´は、走行可能領域特定部232Dにより出力された走行可能領域情報を取得する。
また、目標経路生成部220D´は、目標状態決定部238により出力された目標状態情報を取得する。
目標経路生成部220D´は、測位精度地図、走行可能領域情報、および、目標状態情報、を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るようにする目標経路であって、走行可能領域特定部232Dによって特定された走行可能領域の内部領域を通る目標経路であって、目標状態決定部238によって決定された目標状態に到達するようにする目標経路を生成する。
目標経路生成部220D´は、生成した目標経路を含む目標経路情報を出力する。
【0138】
ここで、走行可能領域および衝突リスクについて説明する。
走行可能領域特定部232Dは、まず、地物の検知結果である地物検知情報(周辺環境情報およびインフラ周辺情報)および地図情報(現在位置の周辺領域の地図を表す地図情報)を用いて、車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する。
ここで特定される走行可能領域とは、物理的に自車両4010が進入できるかどうかという基準によって特定され、例えば対向車線・路肩・路側帯を含む。
また、検知された障害物の周囲は走行不能な領域として設定される。
障害物の形状、速度および向きに基づいて、走行不能な領域の大きさは変わる。
例えば、図17において道路4000上に静止している障害物4020の周囲には一様に走行不能な領域が設定される。また、自車両4010の走行車線の対向車線上を走行している対向車両4030の周囲には、走行不能な領域が対向車両4030の進行方向に広く設定される。
次に、特定された走行可能領域内の領域に対して、車両が走行した場合に障害物に衝突するリスクである衝突リスクを判定する。
衝突リスクは、地図情報から得られる先験的な情報(自車が走行するべき車線は衝突リスクが低く、対向車線や路肩は衝突リスクが高い、といった情報)および、実際の地物の検知結果(地物検知情報)に基づいて判定される。
自車両4010が走行するべき車線であっても、障害物4020が存在する場合は、障害物4020の近傍の領域の衝突リスクが高く設定され(走行可能領域(衝突リスク:高)4300)、障害物4020が存在する位置から離れた領域ほど衝突リスクが低く設定される(走行可能領域(衝突リスク:中)4200、走行可能領域(衝突リスク:低)4100)。
また、追い越し用の領域が存在する場合または追い越し用の車線が設定されている場合、追い越し用の領域または追い越し用の車線の衝突リスクは、自車両4010が走行するべき車線において障害物4020から十分に離れた領域の衝突リスク(走行可能領域(衝突リスク:低)4100)より高く、障害物4020の近傍の領域の衝突リスク(走行可能領域(衝突リスク:高)4300)、かつ、対向車線の衝突リスク(走行可能領域(衝突リスク:高)4300)よりは低く設定される(走行可能領域(衝突リスク:中)4200)。
【0139】
車載装置200D,200D´(経路生成装置)が実行する処理を説明する。
図19は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D(車載装置200D´)(経路生成装置)の第1の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200D,200D´が実行する処理は、図19に示すように、測位精度地図取得処理を実行する。(ステップST4310)、周辺環境取得処理を実行する(ステップST4320)、走行可能領域特定処理を実行する(ステップST4330)、目標経路生成処理を実行する。(ステップST4340)、および、終了判定処理(ステップST4350)、を含む。
【0140】
測位精度地図取得処理(ステップST4310)、および、終了判定処理(ステップST4350)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図取得処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0141】
車載装置200D(車載装置200D´)は、周辺環境取得処理を実行する。(ステップST4320)
周辺環境取得処理において、車載装置200D(車載装置200D´)の周辺環境取得部231は、自車両の周辺に存在する地物を検知した結果である検知情報を用いて、自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得する。
周辺環境取得部231は、車載センサ群24の各センサから検知情報を取得し、自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得する。
【0142】
車載装置200D(車載装置200D´)は、走行可能領域特定処理を実行する(ステップST4330)。
走行可能領域特定処理において、車載装置200D(車載装置200D´)の走行可能領域特定部232は、周辺環境に基づいて自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する。
具体的には、車載装置200Dである場合、走行可能領域特定部232は、自車位置特定部206Dにより出力された位置情報および地図情報を取得する。走行可能領域特定部232は、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報を取得する。走行可能領域特定部232は、位置情報、地図情報、および、周辺環境情報、を用いて、例えば、自車両が走行可能な走行車線において、構造物、移動体、および、障害物に衝突しないような領域を、走行可能領域に特定する。走行可能領域特定部232は、特定した走行可能領域を示す走行可能領域情報を出力する。走行可能領域情報は、現在位置を示す位置情報を含めてもよい。
また、具体的には、車載装置200D´である場合、走行可能領域特定部232Dは、自車位置特定部206Dにより出力された位置情報および地図情報を取得する。走行可能領域特定部232Dは、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報を取得する。走行可能領域特定部232Dは、自車状態取得部236により出力された自車状態情報を取得する。走行可能領域特定部232Dは、インフラ情報取得部237により出力されたインフラ周辺情報、を取得する。走行可能領域特定部232Dは、周辺環境情報、および、インフラ周辺情報、を統合して1つの地物検知情報として扱えるようにする。
走行可能領域特定部232Dは、位置情報、地図情報、周辺環境情報(地物検知情報)、自車状態情報、および、インフラ周辺情報(地物検知情報)、を用いて、例えば、現在時刻から一定時間経過するまで走行する間に、自車両が走行可能な走行車線において、構造物、移動体、および、障害物などに衝突しないような領域を、走行可能領域に特定する。また、走行可能領域特定部232Dは、併せて、走行可能領域を自車両が走行した場合に障害物等と衝突するリスクである衝突リスクを判定する。
走行可能領域特定部232Dは、走行可能領域および衝突リスクを含む走行可能領域情報を出力する。
【0143】
車載装置200D(車載装置200D´)は、次いで、目標経路生成処理を実行する。(ステップST4340)
目標経路生成処理において、車載装置200D(車載装置200D´)の目標経路生成部220Dは、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。
【0144】
車載装置200Dの場合における目標経路生成部220Dは、測位精度地図取得部210Dから測位精度地図情報を取得する。また、目標経路生成部220Dは、自車位置特定部206Dから自車両の現在位置を含む位置情報を取得する。また、目標経路生成部220Dは、走行可能領域特定部232により出力された走行可能領域情報を取得する。
次いで、目標経路生成部220Dは、測位精度地図、位置情報、および、走行可能領域情報、を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るようにする目標経路であって、走行可能領域特定部232によって特定された走行可能領域の内部領域を通るようにする目標経路を生成する。
次いで、目標経路生成部220Dは、生成した目標経路を含む目標経路情報を出力する。
【0145】
一方、車載装置200D´の場合における目標経路生成部220Dは、目標経路生成部220Dは、測位精度地図取得部210Dから測位精度地図情報を取得する。また、目標経路生成部220Dは、走行可能領域特定部232Dにより出力された走行可能領域情報を取得する。また、目標経路生成部220Dは、目標状態決定部238により出力された目標状態情報を取得する。
次いで、目標経路生成部220Dは、測位精度地図、走行可能領域情報、および、目標状態情報、を用いて、測位精度地図に示される精度がしきい値以上の領域を通るようにする目標経路であって、走行可能領域特定部232Dによって特定された走行可能領域の内部領域を通る目標経路であって、目標状態決定部238によって決定された目標状態に到達するようにする目標経路を生成する。
次いで、目標経路生成部220Dは、生成した目標経路を含む目標経路情報を出力する。
【0146】
車載装置200D´における第2の処理を説明する。
図20は、本開示の実施の形態4に係る車載装置200D´(経路生成装置)の第2の処理の一例を示すフローチャートである。
【0147】
車載装置200D´は、第2の処理を開始すると、まず、自車状態取得処理を実行する。(ステップST4510)
自車状態取得処理において、車載装置200D´の自車状態取得部236は、自車状態センサ24dにより出力された自車状態情報を取得する。自車状態取得部236は、自車状態情報を、走行可能領域特定部232および目標状態決定部238へ宛てて出力する。
【0148】
次いで、車載装置200D´は、インフラ情報取得処理を実行する。(ステップST4520)
インフラ情報取得処理において、車載装置200D´のインフラ情報取得部237は、インフラ設置センサ25により出力されたインフラ周辺情報を取得する。インフラ情報取得部237は、インフラ周辺情報を走行可能領域特定部232へ宛てて出力する。
【0149】
次いで、車載装置200D´は、目標状態決定処理を実行する。(ステップST4530)
目標状態決定処理において、車載装置200D´の目標状態決定部238は、車両が到達すべき目標の状態である目標状態を決定する。
具体的には、目標状態決定部238は、自車位置特定部206Dにより出力された自車位置情報および地図情報(自車の位置を含む周辺領域の地図を表す地図情報)を取得する。また、目標状態決定部238は、周辺環境取得部231により出力された周辺環境情報(地物検知情報)を取得する。また、目標状態決定部238は、自車状態取得部236により出力された自車状態情報を取得する。また、目標状態決定部238は、インフラ情報取得部237により出力されたインフラ周辺情報(地物検知情報)を取得する。
目標状態決定部238は、自車位置情報および地図情報、周辺環境情報(地物検知情報)、自車状態情報、ならびに、インフラ周辺情報(地物検知情報)、を用いて、車両が到達すべき目標の状態である目標状態を決定する。
目標状態決定部238は、目標状態を示す目標状態情報を、目標経路生成部220へ宛てて出力する。
【0150】
次いで、車載装置200D´は、第2の処理を終了する。
【0151】
このような構成により、周辺環境を加味したことによる効果:周辺環境の認識結果から、車両が走行できる領域を特定し、その中で測位精度の良い領域を選択して走行できる。
【0152】
本開示の経路生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記自車両の周辺の地物を示す周辺環境を取得する周辺環境取得部と、
前記周辺環境に基づいて前記自車両が走行できる領域である走行可能領域を特定する走行可能領域特定部と、
を備え、
前記目標経路生成部により生成された前記目標経路は、前記走行可能領域特定部によって特定された走行可能領域の内部領域を通る、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、自車両の周辺環境に応じた自車両が走行可能な領域内に、目標経路を生成する経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。例えば、走行可能な領域かつ測位精度が高い領域を通る目標経路を生成することが可能になる。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0153】
実施の形態5.
実施の形態5は、走行リスクを考慮して目標経路を算出する構成の形態を説明する。
【0154】
図21は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
車載装置200Eは、経路生成装置としての機能を有する。
車載装置200Eは、衛星情報取得部201E、衛星測位精度判定部202E、衛星関連情報出力部203E、地図情報取得部205E、自車位置特定部206E、測位精度地図取得部210E、目標経路生成部220E、周辺環境取得部231E、および、走行可能領域特定部232E、を含み構成されている。
【0155】
衛星情報取得部201E、衛星測位精度判定部202E、衛星関連情報出力部203E、地図情報取得部205E、自車位置特定部206E、測位精度地図取得部210E、周辺環境取得部231E、および、走行可能領域特定部232E、は、既に説明した衛星情報取得部201D、衛星測位精度判定部202D、衛星関連情報出力部203D、地図情報取得部205D、自車位置特定部206D、測位精度地図取得部210D、周辺環境取得部231、および、走行可能領域特定部232、と同様の機能を有する。
【0156】
目標経路生成部220Eは、さらに走行リスクを用いて、目標経路を生成する。
目標経路生成部220Eの詳細な内部構成を説明する。
目標経路生成部220Eは、走行リスク判定部221、および、目標経路算出部222、を含み構成されている。
【0157】
走行リスク判定部221は、測位精度地図を用いて、目標経路を走行する場合のリスクである走行リスクを判定する。
走行リスクは、走行可能領域内の領域に対して定義される。また、走行リスクは、自車両がその領域を走行したときに障害物に衝突するリスクと、自車両がその領域を走行したときに衛星の測位誤差により経路逸脱するリスクを総合的に考慮して判定されるリスクである。
具体的には、走行リスク判定部221は、測位精度地図取得部210Eから測位精度地図を取得し、自車位置特定部206Eから位置情報を取得し、走行可能領域特定部232から走行可能領域および衝突リスクを取得する。
走行リスク判定部221は、測位精度地図に基づいて、走行可能領域内を適当な形式で分割した各領域における、車両がその領域を走行したときに測位誤差により目標経路から逸脱してしまうリスクである逸脱リスクを判定する。
逸脱リスクは、例えば、測位精度地図に含まれる衛星の測位精度に関する情報から、車両が単位距離走行したときに発生しうる最大の測位誤差を分割した領域ごとに推定した結果に基づいて判定される。
走行リスク判定部221は、衝突リスクおよび逸脱リスクを用いて、走行リスクを判定する。
走行リスクは、衝突リスクと逸脱リスクとのそれぞれの重み付きの和として定義される(衝突リスク×第1の重み値+逸脱リスク×第2の重み値)。
【0158】
目標経路算出部222Eは、走行リスクおよび目標状態に基づいて、目標経路を算出する。
目標経路算出部222Eは、走行リスク判定部221から走行リスクを取得する。また、目標経路算出部222Eは、後述する目標状態決定部238Eから目標状態を取得する。
目標経路の生成は、走行リスクと、目標状態の到達までにかかるコストである走行コストとに基づいた評価関数を最小にする経路を選択することで行われる。
具体的には、走行コストは、生成された経路に従って車両が走行した場合に、目標状態を達成するまでにかかると予測される時間である。
評価関数は、例えば、走行リスクと走行コストのそれぞれの重み付きの和として定義される。
【0159】
車載装置200Eを上記自動運転システム2D´に適用した場合の自動運転システムの構成例を説明する。
図22は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)を含む自動運転システム2Eの構成の一例を示す図である。
自動運転システム2Eは、自動運転システム2Dまたは自動運転システム2D´と同様の機能に加え、走行リスクを用いて目標経路を生成する機能を有する。
図22の自動運転システム2Eは、自動運転システム2D´の機能に加えて、上記機能を実現するための構成を示している。
自動運転システム2Eは、地図生成装置100Eと、車両に搭載される経路生成装置Eとを含み構成されている。
自動運転システム2Eは、既に説明した自動運転システムと同様の説明内容になるため、詳細な説明の記載を省略する。
【0160】
地図サーバ10Eは、既に説明した地図サーバ10Cと同様の説明内容になるため、詳細な説明の記載を省略する。
【0161】
車載システム20Eは、GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、車載装置200E、および、出力先装置26、を含み構成されている。
GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、および、出力先装置26、は、それぞれ既に説明したGNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、および、出力先装置26、と同様に構成されている。
【0162】
車載装置200Eは、衛星情報取得部201E、衛星測位精度判定部202E、衛星関連情報出力部203E、地図情報取得部205E、自車位置特定部206E、測位精度地図取得部210E、目標経路生成部220E、周辺環境取得部231E、走行可能領域特定部232E、自車状態取得部236E、インフラ情報取得部237E、および、目標状態決定部238E、を含み構成されている。
衛星情報取得部201E、衛星測位精度判定部202E、衛星関連情報出力部203E、地図情報取得部205E、自車位置特定部206E、測位精度地図取得部210E、目標経路生成部220E、周辺環境取得部231E、および、走行可能領域特定部232E、は、それぞれ、既に説明した機能を有する。
自車状態取得部236E、インフラ情報取得部237E、および、目標状態決定部238E、はそれぞれ、既に説明した自車状態取得部236、インフラ情報取得部237、および、目標状態決定部238、と同様の機能を有する。
【0163】
車載装置200Eが実行する処理を説明する。
図23は、本開示の実施の形態5に係る車載装置200E(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Eが実行する処理は、図23に示すように、測位精度地図取得処理(ステップST5310)、周辺環境取得処理(ステップST5320)、走行可能領域特定処理(ステップST5330)、目標経路生成処理(ステップST5340)、および、終了判定処理(ステップST5350)、を含む。
【0164】
測位精度地図取得処理(ステップST5310)、周辺環境取得処理(ステップST5320)、走行可能領域特定処理(ステップST5330)、および、終了判定処理(ステップST5350)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図取得処理、周辺環境取得処理、走行可能領域特定処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0165】
車載装置200Eは、目標経路生成処理を実行する。(ステップST5340)
目標経路生成処理において、車載装置200Eの目標経路生成部220Eは、測位精度地図情報により表される測位精度地図に基づいて、自車両が走行すべき経路である目標経路を生成する。
【0166】
ここで、目標経路生成処理の詳細な一例を説明する。
図24は、車載装置200E(経路生成装置)における目標経路生成処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
【0167】
車載装置200Eの目標経路生成部220Eは、目標経路生成処理を開始すると、まず、走行可能領域取得処理を実行する。(ステップST5341)
走行可能領域取得処理において、目標経路生成部220Eの走行リスク判定部221は、走行可能領域特定部232から走行可能領域情報を取得し、走行可能領域情報に含まれる走行可能領域を取得する。
【0168】
次いで、目標経路生成部220Eは、衝突リスク取得処理を実行する。(ステップST5342)
衝突リスク取得処理において目標経路生成部220Eの走行リスク判定部221は、走行可能領域特定部232から走行可能領域情報を取得し、走行可能領域情報に含まれる衝突リスクを取得する。
【0169】
次いで、目標経路生成部220Eは、測位精度地図取得処理を実行する。(ステップST5343)
測位精度地図取得処理において目標経路生成部220Eの走行リスク判定部221は、測位精度地図取得部210Eから測位精度地図情報を取得する。
【0170】
次いで、目標経路生成部220Eは、走行リスク判定処理を実行する。(ステップST5344)
走行リスク判定処理において目標経路生成部220Eの走行リスク判定部221は、まず、測位精度地図に基づいて、走行可能領域内を適当な形式で分割した各領域における、車両がその領域を走行したときに測位誤差により目標経路から逸脱してしまうリスクである逸脱リスクを判定する。
走行リスク判定部221は、次いで、衝突リスクおよび逸脱リスクを用いて、走行リスクを判定する。
【0171】
次いで、目標経路生成部220Eは、走行リスク出力処理を実行する。(ステップST5345)
走行リスク出力処理において目標経路生成部220Eの走行リスク判定部221は、判定した走行リスクを示す走行リスク情報を目標経路算出部222へ宛てて出力する。
【0172】
次いで、目標経路生成部220Eは、走行リスク取得処理を実行する(ステップST5346)。
走行リスク取得処理において目標経路生成部220Eの目標経路算出部222は、走行リスク判定部221により出力された走行リスク情報を取得する。
【0173】
次いで、目標経路生成部220Eは、目標状態取得処理を実行する(ステップST5347)
目標状態取得処理において目標経路生成部220Eの目標経路算出部222は、目標状態決定部238Eから目標状態を示す目標状態情報を取得する。
【0174】
次いで、目標経路生成部220Eは、目標経路算出処理を実行する(ステップST5348)。
目標経路算出処理において、目標経路生成部220Eの目標経路算出部222は、走行リスクおよび目標状態に基づいて、目標経路を算出する。目標経路算出部222は、走行リスクと、目標状態の到達までにかかるコストである走行コストとに基づいた評価関数を最小にする経路を選択することで目標経路を算出する。
【0175】
次いで、目標経路生成部220Eは、目標経路を出力して目標経路生成処理を終了する。
目標経路生成処理において、目標経路生成部220Eは、目標経路を示す目標経路情報を、出力先装置26へ宛てて出力する。
【0176】
上記の構成により、衛星精度の悪い領域を通行し、経路逸脱するリスクや、他の障害物との衝突などのリスクに基づいて、総合的なリスクが低い経路を走行できる。
【0177】
本開示の制御装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記測位精度地図を用いて、前記目標経路を走行する場合のリスクである走行リスクを判定する走行リスク判定部、
をさらに備え、
前記目標経路生成部は、さらに前記走行リスクを用いて、前記目標経路を生成する、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、走行リスクを考慮した目標経路を生成する経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。例えば、走行可能領域において走行リスクが低い目標経路を生成することが可能になる。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0178】
実施の形態6.
実施の形態6は、測位精度地図に基づいて車両を制御する値を算出する車載装置の形態を説明する。
【0179】
図25は、本開示の実施の形態6に係る車載装置200F(経路生成装置)を含む自動運転システム2Fの構成の一例を示す図である。
自動運転システム2Fは、自動運転システム2D、自動運転システム2D´、または、自動運転システム2E、と同様の機能に加え、自動運転システム2Fの車載装置200Fにおいて自車両の運転および走行を制御する機能を有する。すなわち、車載装置200Fは、自動運転装置として機能する。
図25の自動運転システム2Fは、自動運転システム2Eの機能に加え、上記機能を実現するための構成を示している。
自動運転システム2Fは、地図サーバ10Fおよび車載システム20Fを含み構成されている。
地図サーバ10Fと車載システム20Fとは、図示しない通信回線網を介して通信可能に適宜接続される。
【0180】
地図サーバ10Fは、受信機11、送信機12、および、地図生成装置100F、を含み構成されている。
地図サーバ10Fは、既に説明した地図サーバ10A、地図サーバ10B、地図サーバ10C、地図サーバ10D、または、地図サーバ10E、と同様に構成される。
図25における地図生成装置100Fは、既に説明した地図生成装置100A、地図生成装置100C、地図生成装置100D、または、地図生成装置100E、と同一である。
なお、地図生成装置100Fは、既に説明した地図生成装置100Bのように構成されていてもよい。
【0181】
車載システム20Fは、GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、車載装置200F、および、車載アクチュエータ群27、を含み構成されている。
GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、および、インフラ設置センサ25、は、それぞれ既に説明したGNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、および、インフラ設置センサ25、と同様に構成されている。
【0182】
車載アクチュエータ群27は、既に説明した出力先装置26の一例に相当する。
車載アクチュエータ群27は、例えば、操舵制御装置27a、および、加減速制御装置27b、を含み構成されている。
【0183】
操舵制御装置27aは、車両制御装置内の車両制御部から出力される目標操舵角を実現するために、操舵角に基づいたフィードバック制御を行い、車両の操舵角を制御する。
【0184】
加減速制御装置27bは、車両制御装置内の車両制御部から出力される目標速度および目標加速度を実現するために、車速および加速度に基づいたフィードバック制御を行い、車両の加減速を制御する。
【0185】
車載装置200Fは、さらに、車載アクチュエータ群27を構成する装置それぞれの制御指示値を算出する。
車載装置200Fは、衛星情報取得部201F、衛星測位精度判定部202F、衛星関連情報出力部203F、地図情報取得部205F、自車位置特定部206F、測位精度地図取得部210F、目標経路生成部220F、周辺環境取得部231F、走行可能領域特定部232F、自車状態取得部236F、インフラ情報取得部237F、目標状態決定部238F、および、車両制御値出力部240、を含み構成されている。
衛星情報取得部201F、衛星測位精度判定部202F、衛星関連情報出力部203F、地図情報取得部205F、自車位置特定部206F、測位精度地図取得部210F、周辺環境取得部231F、走行可能領域特定部232F、自車状態取得部236F、インフラ情報取得部237F、および、目標状態決定部238F、は、それぞれ、既に説明した衛星情報取得部201E、衛星測位精度判定部202E、衛星関連情報出力部203E、地図情報取得部205E、自車位置特定部206E、測位精度地図取得部210E、周辺環境取得部231E、走行可能領域特定部232E、自車状態取得部236、インフラ情報取得部237、および、目標状態決定部238、と同様の機能を有する。
【0186】
目標経路生成部220Fは、既に説明した目標経路生成部220Eと同様に構成されている。
目標経路生成部220Fは、目標経路を車両制御値出力部240へ出力する。目標経路生成部220Fは、走行リスクを算出する構成である場合には、目標経路と合わせて走行リスクを出力する。
【0187】
車両制御値出力部240は、制御指示値を算出する。
具体的には、車両制御値出力部240は、目標経路生成部220Fにより出力された目標経路(目標経路および走行リスク)を取得する。
車両制御値出力部240は、目標経路生成部220Fにより生成された目標経路に追従して自車両を走行させるような制御指示値を算出する。
制御指示値の算出方法は、PID制御またはモデル予測制御(MPC: Model Predictive Control)など、既知の方法を適用することができる。
車両制御値出力部240は、目標経路における走行リスクを用いて制御指示値を算出する。車両制御値出力部240は、走行リスクの大きさに応じて制御指示値を制限し、制限した制御指示値を出力する。
車両制御値出力部240は、制御指示値を車載アクチュエータ群27へ出力する。車両制御値出力部240は、例えば、目標車速の最大値、操舵速度の絶対値の最大値、操舵角の絶対値の最大値、を走行リスクの大きさに応じて制限する。
【0188】
車載装置200Fが実行する処理を説明する。
図26は、本開示の実施の形態6に係る車載装置200F(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Fが実行する処理は、図26に示すように、測位精度地図取得処理(ステップST6310)、周辺環境取得処理(ステップST6320)、走行可能領域特定処理(ステップST6330)、目標経路生成処理(ステップST6340)、車両制御値算出処理(ステップST6350)、および、終了判定処理(ステップST6360)、を含む。
【0189】
測位精度地図取得処理(ステップST6310)、周辺環境取得処理(ステップST6320)、走行可能領域特定処理(ステップST6330)、目標経路生成処理(ステップST6340)、および、終了判定処理(ステップST6360)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図取得処理、周辺環境取得処理、走行可能領域特定処理、目標経路生成処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0190】
車載装置200Fは、車両制御値算出処理を実行する。(ステップST6350)
車両制御値算出処理において、車載装置200Fの車両制御値出力部240は、目標経路を用いて、車両を目標経路に追従させて走行させるよう制御するための値(車両制御値)である制御指示値を算出する。
具体的には、車両制御値出力部240は、まず、目標経路生成部220Fにより出力された目標経路および走行リスクを取得する。
次いで、車両制御値出力部240は、目標経路生成部220Fにより生成された目標経路に追従して自車両を走行させるような制御指示値を算出する。このとき、車両制御値出力部240は、目標経路における走行リスクを用いて制御指示値を算出する。車両制御値出力部240は、走行リスクの大きさに応じて制御指示値を制限し、制限した制御指示値を出力する。
【0191】
ここで、車両制御値算出処理の詳細な一例を説明する。
図27は、車載装置200F(経路生成装置)における車両制御値算出処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
ここでは、走行リスクを用いる構成の場合における、車両制御値算出処理の一例を説明する。
【0192】
車載装置200Fの車両制御値出力部240は、車両制御値算出処理を開始すると、まず、目標経路取得処理を実行する。(ステップST6351)
車両制御値出力部240は、目標経路生成部220Fにより出力された目標経路情報に基づき、目標経路を取得する。
【0193】
次いで、車両制御値出力部240は、走行リスク取得処理を実行する。(ステップST6352)
車両制御値出力部240は、目標経路生成部220Fにより出力された走行リスク情報に基づき、走行リスクを取得する。
【0194】
次いで、車両制御値出力部240は、制御指示値算出処理を実行する。(ステップST6353)
制御指示値算出処理において、車両制御値出力部240は、まず、目標経路に対応する走行リスクが予め記憶されたしきい値以下であるかどうかを判定する。
車両制御値出力部240は、走行リスクがしきい値以下であると判定した場合(走行リスク≦しきい値)、次いで、目標経路生成部220Fにより生成された目標経路に追従して自車両を走行させるような制御指示値を算出する。
車両制御値出力部240は、走行リスクがしきい値より大きい値であると判定した場合(走行リスク>しきい値)、次いで、目標経路生成部220Fにより生成された目標経路に追従して自車両を走行させるような制御指示値を、走行リスクの大きさに応じて制限して算出する。
【0195】
次いで、車両制御値出力部240は、算出した制御指示値を車載アクチュエータ群27へ出力する。
車両制御値出力部240は、制御指示値を出力すると車両制御値算出処理を終了する。
【0196】
上記の構成により、走行リスクの高い領域を通行するときに車速を下げ、安全に走行することができる。
【0197】
本開示の経路生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記目標経路生成部により生成された前記目標経路に追従して前記自車両を走行させるような制御指示値を算出する車両制御値出力部
を備え、
前記車両制御値出力部は、前記目標経路における前記走行リスクを用いて前記制御指示値を算出する、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、走行リスクに応じて自車両を制御することができる、という効果を奏する。例えば、走行リスクが高い領域を走行する場合に車速を下げるといった制御をすることができる。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0198】
実施の形態7.
実施の形態7は、さらに、車両の走行状況に関する情報を通知する車載装置の形態を説明する。
【0199】
図28は、本開示の実施の形態7に係る車載装置200G(経路生成装置)を含む自動運転システム2Gの構成の一例を示す図である。
自動運転システム2Gは、自動運転システム2D、自動運転システム2D´、自動運転システム2E、または、自動運転システム2Fと同様の機能に加え、自動運転システム2Gの車載装置200Gにおいて自車両の走行状況を自車両の乗員または監視者に通知する機能を有する。
図28の自動運転システム2Gは、自動運転システム2Fの機能に加え、上記機能を実現するための構成を示している。
自動運転システム2Gは、地図サーバ10Gおよび車載システム20Gを含み構成されている。
地図サーバ10Gと車載システム20Gとは、図示しない通信回線網を介して通信可能に適宜接続される。
【0200】
地図サーバ10Gは、受信機11、送信機12、および、地図生成装置100G、を含み構成されている。
地図サーバ10Gは、既に説明した地図サーバ10A、地図サーバ10B、地図サーバ10C、地図サーバ10D、地図サーバ10E、または、地図サーバ10F、と同様に構成される。
図28における地図生成装置100Gは、既に説明した地図生成装置100A、地図生成装置100C、地図生成装置100D、または、地図生成装置100E、または、地図生成装置100F、と同一である。
なお、地図生成装置100Gは、既に説明した地図生成装置100Bのように構成されていてもよい。
【0201】
車載システム20Gは、GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、車載装置200G、車載アクチュエータ群27、および、情報出力装置28、を含み構成されている。
GNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、および、車載アクチュエータ群27、は、それぞれ既に説明したGNSS受信機21、送信機22、受信機23、車載センサ群24、インフラ設置センサ25、および、車載アクチュエータ群27、と同様に構成されている。
【0202】
情報出力装置28は、目標経路の走行状況に関する情報を出力する。
情報出力装置28は、走行状況出力部250により出力された走行状況情報を取得し、 走行状況情報に示される目標経路における走行状況に関する情報を通知先に通知するよう出力する。
情報出力装置28は、車内警報装置28a、および、監視者通知装置28b、を含み構成されている。
【0203】
車内警報装置28aは、例えば運転者を含む、車両の乗員に対して警報の発報を行う。
車内警報装置28aは、例えば車内前方に設置された、ディスプレイやスピーカー、パトランプの少なくとも1つを含んだ装置である。
車内警報装置28aは、車載装置200Gの走行状況出力部250から警報指示を含む走行状況情報を受けて、ディスプレイ表示や音声、パトランプ点灯で車内の乗員に警報を発報する。
【0204】
監視者通知装置28bは、例えば自車両の現在位置から離れた遠隔地に存在する、車両の乗員以外の監視者に対して通知を行う。
監視者通知装置28bは、車載装置200Gにより出力された走行状況情報を取得し、自車両とは異なる位置に存在する監視者に車両の状態等を通知する。
具体的には、監視者通知装置28bは、無線または有線の通信回線網を介して、車載装置200Gの走行状況出力部250により出力された走行状況情報を取得する。監視者通知装置28bは、取得した走行状況情報に応じて、自車両とは異なる位置に存在する監視者に走行状況等を通知する。
監視者通知装置28bが通知する対象である監視者は、無人で運用される監視システムなどであっても良い。
【0205】
車載装置200Gは、衛星情報取得部201G、衛星測位精度判定部202G、衛星関連情報出力部203G、地図情報取得部205G、自車位置特定部206G、測位精度地図取得部210G、目標経路生成部220G、周辺環境取得部231G、走行可能領域特定部232G、自車状態取得部236G、インフラ情報取得部237G、目標状態決定部238G、車両制御値出力部240G、および、走行状況出力部250、を含み構成されている。
【0206】
衛星情報取得部201G、衛星測位精度判定部202G、衛星関連情報出力部203G、地図情報取得部205G、自車位置特定部206G、測位精度地図取得部210G、周辺環境取得部231G、走行可能領域特定部232G、自車状態取得部236G、インフラ情報取得部237G、目標状態決定部238G、および、車両制御値出力部240G、は、それぞれ、既に説明した衛星情報取得部201F、衛星測位精度判定部202F、衛星関連情報出力部203F、地図情報取得部205F、自車位置特定部206F、測位精度地図取得部210F、周辺環境取得部231F、走行可能領域特定部232F、自車状態取得部236F、インフラ情報取得部237F、目標状態決定部238F、および、車両制御値出力部240、と同様の機能を有する。
【0207】
目標経路生成部220Gは、既に説明した目標経路生成部220Fと同様に構成されている。
目標経路生成部220Fは、目標経路を、車両制御値出力部240へ出力するとともに、さらに走行状況出力部250へ出力する。目標経路生成部220Gは、走行リスクを算出する構成である場合には、目標経路と合わせて走行リスクを出力する。
【0208】
走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された情報を用いて、走行状況を出力する。
具体的には、走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された目標経路情報および走行リスクを用いて、目標経路における走行状況に関する走行状況情報を出力する。
走行状況情報は、現在時刻における車両の状態、ならびに、目標経路および当該目標経路における走行リスクに関する情報である。
走行状況出力部250は、走行リスクを用いる場合、例えば、目標経路における走行リスクがしきい値以上である場合に、情報出力装置28を介して自車両の走行状況を出力する。
走行状況出力部250は、自車両の走行状況を、自車両の内部または外部の情報出力装置28を介して出力する。具体的には、走行状況出力部250は、走行状況情報を、例えば、情報出力装置28の車内警報装置28aまたは監視者通知装置28bに宛てて出力する。
【0209】
車載装置200Gが実行する処理を説明する。
図29は、本開示の実施の形態7に係る車載装置200G(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Gが実行する処理は、図29に示すように、測位精度地図取得処理(ステップST7310)、周辺環境取得処理(ステップST7320)、走行可能領域特定処理(ステップST7330)、目標経路生成処理(ステップST7340)、車両制御値算出処理(ステップST7350)、走行状況出力処理(ステップST7360)、および、終了判定処理(ステップST7370)、を含む。
【0210】
測位精度地図取得処理(ステップST7310)、周辺環境取得処理(ステップST7320)、走行可能領域特定処理(ステップST7330)、目標経路生成処理(ステップST7340)、車両制御値算出処理(ステップST7350)、および、終了判定処理(ステップST7370)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図取得処理、周辺環境取得処理、走行可能領域特定処理、目標経路生成処理、車両制御値算出処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0211】
車載装置200Gは、走行状況出力処理を実行する。(ステップST7360)
走行状況出力処理において、車載装置200Gの走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された情報を用いて、走行状況を出力する。
具体的には、走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された目標経路情報および走行リスクを用いて、目標経路における走行状況に関する走行状況情報を出力する。
走行状況出力部250は、走行リスクを用いる場合、例えば、目標経路における走行リスクがしきい値以上である場合に、情報出力装置28を介して自車両の走行状況を出力する。
走行状況出力部250は、自車両の走行状況を、自車両の内部または外部の情報出力装置28を介して出力する。具体的には、走行状況出力部250は、走行状況情報を、例えば、情報出力装置28の車内警報装置28aまたは監視者通知装置28bに宛てて出力する。
【0212】
走行状況出力処理の詳細な一例を説明する。
図30は、制御装置Gにおける走行状況出力処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
【0213】
車載装置200Gの走行状況出力部250は、走行状況出力処理を開始すると、まず、目標経路取得処理を実行する。(ステップST7361)
目標経路取得処理において、走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された目標経路情報を取得する。
【0214】
走行状況出力部250は、次いで、走行リスク取得処理を実行する。(ステップST7362)
走行リスク取得処理において、走行状況出力部250は、目標経路生成部220Gにより出力された走行リスク情報を取得する。
【0215】
走行状況出力部250は、次いで、走行状況出力判定処理を実行する(ステップST7363)
走行状況出力判定処理において、走行状況出力部250は、目標経路情報および走行リスク情報を用いて走行状況に関する情報を出力するかを判定する。
【0216】
走行状況出力部250は、走行状況出力判定処理において、走行状況を出力しないと判定した場合(ステップST7363“NO”)、走行状況情報を出力せずに走行状況出力処理を終了する。
【0217】
走行状況出力部250は、走行状況出力判定処理において、走行状況を出力すると判定した場合(ステップST7363“YES”)、走行状況情報出力処理を実行する。(ステップST7364)
走行状況情報出力処理において、走行状況出力部250は、走行状況情報を走行状況出力部250へ出力する。
走行状況出力部250は、走行状況情報を出力すると、走行状況出力処理を終了する。
【0218】
上記構成により、走行リスクが一定以上の領域を走行する前に乗員や監視者に警告することができる。
【0219】
本開示の経路生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記自車両の走行状況を、前記自車両の内部または外部の情報出力装置を介して出力する走行状況出力部を備え、
前記走行状況出力部は、前記目標経路における前記走行リスクがしきい値以上である場合に、前記情報出力装置を介して前記自車両の走行状況を出力する、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、走行リスクがしきい値以上の領域を走行する前に、例えば乗員または外部の監視者に対して警告することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0220】
実施の形態8.
実施の形態8は、複数の測位手段を選択可能な構成の形態を説明する。
【0221】
図31は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)の構成の一例を示す図である。
図32は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)を含む自動運転システム2Hの構成の一例を示す図である。
自動運転システム2Hは、衛星による測位手段の他に、図示しない他の測位手段を1つ以上備えている。
他の測位手段とは、例えば、自車状態センサ24dによって検知された自車状態に基づく自律航法である。
また、LiDARなどのセンサを用いたSLAMによって地図上の自己位置を推定しても良い。
本実施の形態では、自律航法に測位手段を切り替える例を説明する。
【0222】
自動運転システム2Hにおける、車載装置200Hは、既に説明した形態に加え、既に説明した測位手段(人工衛星を利用した測位手段:第1の測位手段)と、当該測位手段とは異なる別の測位手段(第2の測位手段)とのうちから選択して切り替える機能を有する。
【0223】
車載装置200Hは、衛星情報取得部201H、衛星測位精度判定部202H、衛星関連情報出力部203H、地図情報取得部205H、自車位置特定部206H、測位精度地図取得部210H、目標経路生成部220H、自車状態取得部236H、測位精度地図取得部210H、車両制御値出力部240H、走行状況出力部250H、および、測位手段切替部260、を含み構成されている。
【0224】
衛星情報取得部201H、衛星測位精度判定部202H、衛星関連情報出力部203H、地図情報取得部205H、車両制御値出力部240H、および、走行状況出力部250H、は、それぞれ、既に説明した衛星情報取得部201G、衛星測位精度判定部202G、衛星関連情報出力部203G、地図情報取得部205G、車両制御値出力部240G、および、走行状況出力部250G、と同様の機能を有する。
【0225】
自車位置特定部206Hは、既に説明した自車位置特定部206Gの機能と同様の機能を有する。
自車位置特定部206Hは、さらに、位置情報を測位手段切替部260へ出力する。
【0226】
測位精度地図取得部210Hは、既に説明した測位精度地図取得部210Gの機能と同様の機能を有する。
測位精度地図取得部210Hは、さらに、測位精度地図を測位手段切替部260へ出力する。
【0227】
自車状態取得部236Hは、既に説明した自車状態取得部236Gの機能と同様の機能を有する。
自車状態取得部236Hは、さらに、自車状態情報を測位手段切替部260へ出力する。
【0228】
測位手段切替部260は、測位精度地図に基づいて、複数の測位手段の中から、自車両の位置を測位する測位手段を選択する。
測位手段切替部260は、自車位置特定部206Hにより出力された自車位置と、測位精度地図取得部210Hにより出力された測位精度地図と、自車状態取得部236Hにより出力された自車状態と、を用いて、人工衛星による測位の精度を判定して、判定結果に応じて測位手段を選択し、選択により測位手段を、人工衛星を利用した第1の測位手段から第2の測位手段に切り替えた場合、切り替えた第2の測位手段により得られた自車の現在位置を示す位置情報を目標経路生成部220Hへ出力する。
【0229】
目標経路生成部220Hは、測位手段切替部260から位置情報を取得した場合、人工衛星を利用した測位による位置情報に替えて、測位手段切替部260から取得した位置情報を用いて目標経路を生成する。
目標経路生成部220Hは、測位手段切替部260により人工衛星による測位の精度が低いと判定された場合、第2の測位手段による測位情報を測位手段切替部260から取得する。
目標経路生成部220Hは、第2の測位手段による測位情報を用いて目標経路を生成する。
【0230】
車載装置200H(経路生成装置)が実行する処理について説明する。
図33は、本開示の実施の形態8に係る車載装置200H(経路生成装置)の処理の一例を示すフローチャートである。
車載装置200Hが実行する処理は、図33に示すように、測位精度地図取得処理(ステップST8310)、周辺環境取得処理(ステップST8320)、測位手段切替判定処理(ステップST8330)、走行可能領域特定処理(ステップST8340)、目標経路生成処理(ステップST8350)、車両制御値算出処理(ステップST8360)、走行状況出力処理(ステップST8370)、および、終了判定処理(ステップST8380)、を含む。
測位精度地図取得処理(ステップST8310)、周辺環境取得処理(ステップST8320)、走行可能領域特定処理(ステップST8340)、目標経路生成処理(ステップST8350)、車両制御値算出処理(ステップST8360)、走行状況出力処理(ステップST8370)、および、終了判定処理(ステップST8380)、はそれぞれ、既に説明した、測位精度地図取得処理、周辺環境取得処理、走行可能領域特定処理、目標経路生成処理、車両制御値算出処理、走行状況出力処理、および、終了判定処理、と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
【0231】
車載装置200Hは、ステップST8330において、測位手段切替判定処理を実行する。
測位手段切替判定処理において、車載装置200Hの測位手段切替部260は、測位精度地図に基づいて、複数の測位手段の中から、自車両の位置を測位する測位手段を選択する。
【0232】
ここで、測位手段切替判定処理の詳細な一例を説明する。
図34は、車載装置200H(経路生成装置)における測位手段切替判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
【0233】
車載装置200Hの測位手段切替部260は、測位手段切替判定処理を開始すると、まず、測位手段切替部260は、測位精度地図取得処理を実行する。(ステップST8331)
測位精度地図取得処理において、測位手段切替部260は、測位精度地図取得部210Hにより出力された測位精度地図情報を取得する。
【0234】
測位手段切替部260は、次いで、車両状態取得処理を実行する。(ステップST8332)
車両状態取得処理において、測位手段切替部260は、自車状態取得部236Hにより出力された自車状態情報を取得する。
【0235】
測位手段切替部260は、次いで、精度判定処理を実行する。(ステップST8333)
精度判定処理において、測位手段切替部260は、測位精度がしきい値以上(測位精度≧しきい値?)であるかを判定する。
具体的には、測位手段切替部260は、測位精度地図に基づいて、車両の現在地や、前回の実行周期で得られた車両の目標経路上の測位精度を評価する。測位手段切替部260は、評価した測位精度が予め決められたしきい値以上であるかを判定する。
【0236】
測位手段切替部260は、測位精度がしきい値以上であると判定した場合(ステップST8333“YES”)、次いで、人工衛星を利用した測位手段(第1の測位手段)を選択する。(ステップST8334)
測位手段切替部260は、人工衛星を利用した測位手段による測位を実行または継続させたままの状態にして処理を終了する。
【0237】
一方で、測位手段切替部260は、測位精度がしきい値以上でないと判定した場合(ステップST8333“NO”)、次いで、第2の測位手段を選択する。(ステップST8335)
測位手段切替部260は、第2の測位手段により測位された位置を示す位置情報を出力する。
これにより、制御を継続するために十分な測位精度がなく、将来的に経路を逸脱する可能性があることを判定し、測位手段を別の測位手段に切り替えることができる。
測位手段切替部260が位置情報を出力すると、車載装置200Hは、人工衛星を利用した第1の測位手段による位置情報に替えて、測位手段切替部260から出力された位置情報を用いて処理を実行する。
次いで、測位手段切替部260は、終了判定処理(ステップST8380)へ遷移する。
【0238】
上記の構成により、衛星測位が悪い領域に入る前に測位手段を切り替えて、逸脱せずに走行できる。
上記の構成により、車両が走行する領域の測位精度を反映したダイナミックマップである測位精度地図に基づいて、車両制御装置は測位精度の悪化を先に予測した場合に、別の測位手段に切り替えることで自動運転を継続することができる。
【0239】
本開示の経路生成装置は、さらに、以下のように構成した。

「 前記測位精度地図に基づいて、複数の測位手段の中から、前記自車両の位置を測位する測位手段を選択して切り替える測位手段切替部、
を備えた、
ことを特徴とする経路生成装置。」

これにより、本開示は、さらに、測位精度地図が示す位置ごとの測位精度に応じて測位手段を切り替える経路生成装置を提供することができる、という効果を奏する。例えば、人工衛星を利用した測位の精度が悪い領域を走行する前に測位手段を切り替えることで、自車両が目標経路から逸脱してしまうことを抑制することができる。
さらに、本開示は、上記構成を、上記プログラム、上記方法、または、上記システムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0240】
ここで、本開示の地図生成装置または車載装置(経路生成装置)が有する機能を実現するハードウェア構成を説明する。
図35は、本開示における地図生成装置,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100Hまたは車載装置,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H(経路生成装置)の機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図36は、本開示における地図生成装置,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100Hまたは車載装置,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H(経路生成装置)の機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
本開示の制御装置は、図35または図36に示されるようなハードウェアにより実現される。
【0241】
地図生成装置,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100Hまたは車載装置,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H(経路生成装置)は、図35に示すように、例えばプロセッサ10001、メモリ10002、および、通信回路10004により構成される。
プロセッサ10001、メモリ10002は、例えば、コンピュータに搭載されているものである。
メモリ10002には、当該コンピュータを、 測位精度取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H、 衛星測位精度判定部111、 地図取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H、 測位精度地図生成部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H、 地図出力部140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H、 衛星情報取得部201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H、 衛星測位精度判定部202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H、 衛星関連情報出力部203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H、 地図情報取得部205,205D,205E,205F,205G,205H、 自車位置特定部206,206D,206E,206F,206G,206H、 測位精度地図取得部210,210D,210E,210F,210G,210H、 目標経路生成部220,220D,220E,220F,220G,220H、 走行リスク判定部221,221E,221F,221G,221H、 目標経路算出部222,222E,222F,221G,221H、 周辺環境取得部231,231E,231F,231G,231H、 走行可能領域特定部232,232E,232F,232G,232H、 自車状態取得部236,236E,236F,236G,236H、 インフラ情報取得部237,237E,237F,237G,237H、 目標状態決定部238,238E,238F,238G,238H、 車両制御値出力部240,240G,240H、 走行状況出力部250,250H、 測位手段切替部260、および、図示しない制御部として機能させるためのプログラムが記憶されている。プログラムは、上記機能を実現するためのソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせとして記述されたものである。メモリ10002に記憶されたプログラムをプロセッサ10001が読み出して実行することにより、測位精度取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H、 衛星測位精度判定部111、 地図取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H、 測位精度地図生成部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H、 地図出力部140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H、 衛星情報取得部201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H、 衛星測位精度判定部202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H、 衛星関連情報出力部203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H、 地図情報取得部205,205D,205E,205F,205G,205H、 自車位置特定部206,206D,206E,206F,206G,206H、 測位精度地図取得部210,210D,210E,210F,210G,210H、 目標経路生成部220,220D,220E,220F,220G,220H、 走行リスク判定部221,221E,221F,221G,221H、 目標経路算出部222,222E,222F,221G,221H、 周辺環境取得部231,231E,231F,231G,231H、 走行可能領域特定部232,232E,232F,232G,232H、 自車状態取得部236,236E,236F,236G,236H、 インフラ情報取得部237,237E,237F,237G,237H、 目標状態決定部238,238E,238F,238G,238H、 車両制御値出力部240,240G,240H、 走行状況出力部250,250H、 測位手段切替部260、および、図示しない制御部の機能が実現される。
メモリ10002に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
また、メモリ10002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。また、メモリ10002または図示しない他のメモリにより、図示しない地図データベースが実現される。
また、通信回路10004により、図示しない通信部が実現される。
プロセッサ10001は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはDSP(Digital Signal Processor)などを用いたものである。
メモリ10002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク又はフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)またはDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
プロセッサ10001とメモリ10002または通信回路10004は、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、プロセッサ10001とメモリ10002と通信回路10004とは、入出力インタフェース10003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
【0242】
または、測位精度取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H、 衛星測位精度判定部111、 地図取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H、 測位精度地図生成部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H、 地図出力部140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H、 衛星情報取得部201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H、 衛星測位精度判定部202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H、 衛星関連情報出力部203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H、 地図情報取得部205,205D,205E,205F,205G,205H、 自車位置特定部206,206D,206E,206F,206G,206H、 測位精度地図取得部210,210D,210E,210F,210G,210H、 目標経路生成部220,220D,220E,220F,220G,220H、 走行リスク判定部221,221E,221F,221G,221H、 目標経路算出部222,222E,222F,221G,221H、 周辺環境取得部231,231E,231F,231G,231H、 走行可能領域特定部232,232E,232F,232G,232H、 自車状態取得部236,236E,236F,236G,236H、 インフラ情報取得部237,237E,237F,237G,237H、 目標状態決定部238,238E,238F,238G,238H、 車両制御値出力部240,240G,240H、 走行状況出力部250,250H、 測位手段切替部260、および、図示しない制御部の機能は、図36に示すように、専用の処理回路20001により実現されるものであっても良い。
また、通信回路10004により、図示しない通信部が実現される。
処理回路20001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)またはシステムLSI(Large-Scale Integration)等を用いたものである。または、これらを組み合わせたものが相当する。
また、メモリ20002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。
メモリ20002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク又はフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
また、通信回路20004により、図示しない通信部が実現される。
処理回路20001とメモリ20002または通信回路20004とは、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、処理回路20001とメモリ20002と通信回路20004とは、入出力インタフェース20003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
なお、測位精度取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H、 衛星測位精度判定部111、 地図取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H、 測位精度地図生成部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H、 地図出力部140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H、 衛星情報取得部201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H、 衛星測位精度判定部202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H、 衛星関連情報出力部203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H、 地図情報取得部205,205D,205E,205F,205G,205H、 自車位置特定部206,206D,206E,206F,206G,206H、 測位精度地図取得部210,210D,210E,210F,210G,210H、 目標経路生成部220,220D,220E,220F,220G,220H、 走行リスク判定部221,221E,221F,221G,221H、 目標経路算出部222,222E,222F,221G,221H、 周辺環境取得部231,231E,231F,231G,231H、 走行可能領域特定部232,232E,232F,232G,232H、 自車状態取得部236,236E,236F,236G,236H、 インフラ情報取得部237,237E,237F,237G,237H、 目標状態決定部238,238E,238F,238G,238H、 車両制御値出力部240,240G,240H、 走行状況出力部250,250H、 測位手段切替部260、および、図示しない制御部の機能をそれぞれ別の処理回路で実現しても良いし,まとめて処理回路で実現しても良い。
【0243】
または、測位精度取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H、 衛星測位精度判定部111、 地図取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H、 測位精度地図生成部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H、 地図出力部140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H、 衛星情報取得部201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H、 衛星測位精度判定部202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H、 衛星関連情報出力部203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H、 地図情報取得部205,205D,205E,205F,205G,205H、 自車位置特定部206,206D,206E,206F,206G,206H、 測位精度地図取得部210,210D,210E,210F,210G,210H、 目標経路生成部220,220D,220E,220F,220G,220H、 走行リスク判定部221,221E,221F,221G,221H、 目標経路算出部222,222E,222F,221G,221H、 周辺環境取得部231,231E,231F,231G,231H、 走行可能領域特定部232,232E,232F,232G,232H、 自車状態取得部236,236E,236F,236G,236H、 インフラ情報取得部237,237E,237F,237G,237H、 目標状態決定部238,238E,238F,238G,238H、 車両制御値出力部240,240G,240H、 走行状況出力部250,250H、 測位手段切替部260、および、図示しない制御部のうちの一部の機能がプロセッサ10001およびメモリ10002により実現され、かつ、残りの機能が処理回路20001により実現されるものであっても良い。
このように、上述した各部の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、これらの組み合わせによって、実現することができる。
【0244】
本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施の形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
また、矛盾が生じない限り、以上に記載された実施の形態において「1つ」備えられるものとして記載された構成要素は、「1つ以上」備えられていてもよいものとする。
さらに、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素は概念的な単位であって、本願明細書に開示される技術の範囲内には、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合と、1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合と、さらには、複数の構成要素が1つの構造物に備えられる場合とを含むものとする。
また、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素には、同一の機能を発揮する限り、他の構造または形状を有する構造物が含まれるものとする。
また、本願明細書における説明は、本技術に関するすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。
また、以上に記載された実施の形態で記載されたそれぞれの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、それぞれの構成要素は「部」または「処理回路」または「手段」などと称される。
【0245】
本開示の技術は、人工衛星を利用した測位に係る誤差を抑制することができるので、例えば、車両の自動運転に係る測位技術に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0246】
1A,1B 地図生成システム、2C,2D,2D´,2E,2F,2G,2H 自動運転システム(運転支援システム)、10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H 地図サーバ、11 受信機、12 送信機、20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H 車載システム、21 GNSS受信機、22 送信機、23 受信機、24 車載センサ群、24a 前方カメラ、24b 前方レーダ、24c 周辺レーダ、24d 自車状態センサ、25 インフラ設置センサ、26 出力先装置、27 車載アクチュエータ群(出力先装置)、27a 操舵制御装置(出力先装置)、27b 加減速制御装置(出力先装置)、28 情報出力装置(出力先装置)、28a 車内警報装置(出力先装置)、28b 監視者通知装置(出力先装置)、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,100H 地図生成装置、110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H 測位精度取得部、111 衛星測位精度判定部、120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H 地図取得部、130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G,130H 測位精度地図生成部、140,140A,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H 地図出力部、200,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H 車載装置(経路生成装置)(自動運転装置)、201,201A,201B,201C,201D,201E,201F,201G,201H 衛星情報取得部、202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,202G,202H 衛星測位精度判定部、203,203A,203B,203C,203D,203E,203F,203G,203H 衛星関連情報出力部、205,205D,205E,205F,205G,205H 地図情報取得部、206,206D,206E,206F,206G,206H 自車位置特定部、210,210D,210E,210F,210G,210H 測位精度地図取得部、220,220D,220E,220F,220G,220H 目標経路生成部、221,221E,221F,221G,221H 走行リスク判定部、222,222E,222F,221G,221H 目標経路算出部、231,231E,231F,231G,231H 周辺環境取得部、232,232D,232E,232F,232G,232H 走行可能領域特定部、236,236E,236F,236G,236H 自車状態取得部、237,237E,237F,237G,237H インフラ情報取得部、238,238E,238F,238G,238H 目標状態決定部、240,240G,240H 車両制御値出力部、250,250H 走行状況出力部、260 測位手段切替部、1000 地図サーバ(クラウド)、1010 道路、1020 車両、1030 測位精度情報、1040 ダイナミックマップ(測位精度地図)、1100 模式的に表した測位精度地図の内容、1101 障害物、1110 衛星測位精度(高レベル)、1120 衛星測位精度(中レベル)、1130 衛星測位精度(低レベル)、4000 道路、4010 自車両、4020 障害物、4030 対向車両、4100 走行可能領域(衝突リスク:低)、4200 走行可能領域(衝突リスク:中)、4300 走行可能領域(衝突リスク:高)、10001 プロセッサ、10002 メモリ、10003 入出力インタフェース、10004 通信回路、20001 処理回路、20002 メモリ、20003 入出力インタフェース、20004 通信回路。
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