(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146964
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/32 20060101AFI20241008BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N1/32 005
H04N1/00 127Z
H04N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059694
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】浦川 豊
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB26
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC42
5C062AE15
5C062AF01
(57)【要約】
【課題】画像データの受信の制限又は許可に関する多様な設定を行うことにより、柔軟性の高い処理を実行できる印刷装置を提供すること。
【解決手段】許可リスト22には、登録された発信元番号から送信された画像データをMFP10が受信する際の動作内容(着信・受信の許可・拒否、鳴動の動作)を示すリスト内動作設定AL1が対応付けられている。コントローラ11は、FAXデータの受信を許可する場合(S23:YES)、リスト内動作設定AL1が示す動作内容でMFP10を制御し受信する(NO8~NO9)。これにより、許可リスト22に登録された発信元番号からFAXデータを受信する際のMFP10の動作内容として多様な設定を行うことができるようにした。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷エンジンと、
外部インタフェースと、
コントローラと、
を備えた印刷装置であって、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を許可する前記送信元情報が登録された許可リストに基づいて、前記許可リストに登録されている前記送信元情報について前記画像データの受信を許可すると判断する許可リスト判断処理を実行可能に構成され、
前記許可リストは、
前記許可リストに登録された前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示すリスト内動作設定が対応付けられており、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断した場合に、前記リスト内動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する受信処理を実行可能に構成されている、印刷装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、
電話を着信可能であり、
前記リスト内動作設定は、
前記印刷装置の電話の着信に対する鳴動の設定であり、
前記コントローラは、
前記受信処理において、ファクシミリ方式で前記画像データを受信する前に、前記リスト内動作設定に基づいた着信に対する鳴動を前記印刷装置に実行させる、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、所定条件を満たしているか否かを判断する条件判断処理を実行可能に構成され、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、前記リスト内動作設定とは別に設定されている、第2動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する、又は、当該送信元情報が示す送信元から送信された画像データの受信を制限する、請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記所定条件は、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報と、前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示す前
記第2動作設定とが対応付けられている、という条件である、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記印刷装置は、
電話を着信可能であり、
前記第2動作設定は、
前記印刷装置の電話の着信に対する鳴動の設定であり、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行し、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データをファクシミリ方式で受信する前に、前記第2動作設定に基づいた着信に対する鳴動を前記印刷装置に実行させる、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第2動作設定は、
前記画像データのファクシミリ方式での受信の制限に関する設定であり、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行し、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データのファクシミリ方式での受信を、前記第2動作設定に基づいて制限する、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記許可リストは、
前記許可リストに登録されていない前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示すリスト外動作設定が対応付けられており、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可するとは、前記許可リスト判断処理で判断しない場合に、前記リスト外動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データの受信を制限する、請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、所定条件を満たしているか否かを判断する条件判断処理を実行可能に構成され、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、前記リスト内動作設定とは別に設定されている、第2動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する、又は、当該送信元情報が示す送信元から送信された画像データの受信を制限し、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を許可するとは、前記許可リスト判断処理で判断しない場合に、前記第2動作設定による制御を前記印刷装置に実行しない、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記所定条件は、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報と、前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示す前記第2動作設定とが対応付けられている、という条件である、請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データの受信を制限する制限の厳しさは、
第1ケースに比べて第2ケース及び第3ケースが厳しく設定されており、
前記第1ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしているとは、判断しないケースであり、
前記第2ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断し、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断するケースであり、
前記第3ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を許可するとは、前記許可リスト判断処理において判断しないケースである、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記許可リストは、
前記許可リストに登録されていない前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データの受信の制限に関する設定であるリスト外動作設定が対応付けられており、
前記コントローラは、
前記第2ケースの場合、前記第2動作設定で前記印刷装置を制御し、
前記第3ケースの場合、前記リスト外動作設定で前記印刷装置を制御し、
前記リスト外動作設定として設定可能な複数の動作設定のうち、前記画像データの受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定は、前記第2動作設定として設定可能な複数の動作設定のうち、前記画像データの受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定に比べて制限の高さが高い、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
印刷エンジンと、
外部インタフェースと、
コントローラと、
を備えた印刷装置であって、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を制限する前記送信元情報が登録された制限リストに基づいて、前記制限リストに登録された前記送信元情報について前記画像データの受信を制限すると判断する制限リスト判断処理を実行可能に構成され、
前記制限リストは、
前記制限リストに登録された前記送信元情報が示す送信元から送信される画像データの受信を制限する際の前記印刷装置の動作内容を示すリスト内動作設定が対応付けられており、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を制限する、と前記制限リスト判断処理において判断した場合に、前記リスト内動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データの前記外部インタフェースを介した受信を制限する受信処理を実行可能に構成されている、印刷装置。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行する、請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、所定条件を満たしているか否かを判断する条件判断処理を実行可能に構成され、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理において判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、前記リスト内動作設定とは別に設定されている、第2動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する、又は、当該送信元情報が示す送信元から送信された画像データの受信を制限する、請求項13又は請求項14に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記所定条件は、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報と、前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示す前記第2動作設定とが対応付けられている、という条件である、請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記印刷装置は、
電話を着信可能であり、
前記第2動作設定は、
前記印刷装置の電話の着信に対する鳴動の設定であり、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行し、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理において判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データをファクシミリ方式で受信する前に、前記第2動作設定に基づいた着信に対する鳴動を前記印刷装置に実行させる、請求項15に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第2動作設定は、
前記画像データのファクシミリ方式での受信の制限に関する設定であり、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、ファクシミリ方式による受信を実行し、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理において判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データのファクシミリ方式での受信を、前記第2動作設定に基づいて制限する、請求項15に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記制限リストは、
前記制限リストに登録されていない前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示すリスト外動作設定が対応付けられており、
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理で判断しない場合に、前記リスト外動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する、請求項13又は請求項14に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記コントローラは、
前記外部インタフェースを介して画像データを受信する際に、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、所定条件を満たしているか否かを判断する条件判断処理を実行可能に構成され、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限すると、前記制限リスト判断処理で判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断した場合に、前記リスト内動作設定とは別に設定されている、第2動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する、又は、当該送信元情報が示す送信元から送信された画像データの受信を制限し、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を制限すると、前記制限リスト判断処理で判断した場合に、前記第2動作設定による制御を前記印刷装置に実行しない、請求項19に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記所定条件は、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報と、前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示す前記第2動作設定とが対応付けられている、という条件である、請求項20に記載の印刷装置。
【請求項22】
前記送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データの受信を制限する制限の厳しさは、
第1ケースに比べて第2ケース及び第3ケースが厳しく設定されており、
前記第1ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理において判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしているとは、判断しないケースであり、
前記第2ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限するとは、前記制限リスト判断処理において判断せず、且つ、前記条件判断処理において前記所定条件を満たしている、と判断するケースであり、
前記第3ケースは、
前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記受信処理において、前記画像データの受信を制限する、と前記制限リスト判断処理において判断するケースである、請求項15に記載の印刷装置。
【請求項23】
前記コントローラは、
前記第2ケースの場合、前記第2動作設定で前記印刷装置を制御し、
前記第3ケースの場合、前記リスト内動作設定で前記印刷装置を制御し、
前記リスト内動作設定として設定可能な複数の動作設定のうち、前記画像データの受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定は、前記第2動作設定として設定可能な複数の動作設定のうち、前記画像データの受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定に比べて制限の高さが高い、請求項22に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、画像データの受信の許可又は制限をする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送信元のファックス番号を、ファックス受信を拒否する拒否ファックス番号として登録する印刷装置がある(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した印刷装置では、拒否ファックス番号として登録したファックス番号についてファックスの画像データの受信を制限できる。しかしながら、柔軟性が低い部分があり、改善の余地があった。
【0005】
本明細書は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、画像データの受信の許可又は制限に関する多様な設定を行うことにより、柔軟性の高い処理を実行できる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書係る印刷装置は、印刷エンジンと、外部インタフェースと、コントローラと、を備えた印刷装置であって、前記コントローラは、前記外部インタフェースを介して受信する画像データの送信元情報について、前記画像データの受信を許可する前記送信元情報が登録された許可リストに基づいて、前記許可リストに登録されている前記送信元情報について前記画像データの受信を許可すると判断する許可リスト判断処理を実行可能に構成され、前記許可リストは、前記許可リストに登録された前記送信元情報が示す送信元から送信された画像データを前記印刷装置が受信する際の動作内容を示すリスト内動作設定が対応付けられており、前記コントローラは、前記画像データの受信を許可する、と前記許可リスト判断処理において判断された前記送信元情報について、前記リスト内動作設定が示す動作内容で前記印刷装置を制御し、当該送信元情報が示す送信元から送信された前記画像データを、前記外部インタフェースを介して受信する受信処理を実行可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本明細書に係る印刷装置によれば、画像データの受信の制限又は許可に関する多様な設定を行うことにより、柔軟性の高い処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施例のMFPの電気的構成を示すブロック図。
【
図3】リスト適用ルール確認処理のフローチャート。
【
図7】メモリに記憶される情報、各ルールの対応関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
以下、本明細書の印刷装置を具体化した一実施例である第1実施例のMFP10について
図1を参照しつつ説明する。MFP10は、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能を備える複合機である。MFP10は、コントローラ11、メモリ12、印刷エンジン13、読取エンジン14、FAXIF(インタフェースの略)15、外付け電話用ジャック16、ネットワークIF17、及びユーザIF18を備えている。これらのコントローラ11等は、バス19を介して互いに通信可能に接続されている。本実施例では、MFP10が印刷装置の一例である。FAXIF15が外部インタフェースの一例である。
【0010】
コントローラ11は、CPUや内部メモリを備える。本実例では、主に、プログラムに記述された命令に従ったコントローラ11の処理を示す。即ち、以下の説明における「検出」、「判断」、「受信」、「設定」、「取得」、「制御」等の処理は、コントローラ11の処理を表している。尚、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。即ち、コントローラ11が要求することなくデータを受信するという処理も、「コントローラ11がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コントローラ11に読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、コントローラ11は、1つに限らず、複数のコントローラにより構成されていても良い。この場合において、コントローラ11により実行される後述する各処理は、複数のコントローラにより分散されて実行されてもよい。
【0011】
メモリ12は、例えば、RAM、ROM、NVRAM、HDD、SSDなどを組み合わせて構成することができる。メモリ12は、コンピュータが読取可能なストレージ媒体の一例である。コンピュータが読取可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記憶媒体も含まれる。non-transitoryな媒体には、CPUが備えるバッファ等も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読取可能な媒体の一種であるコンピュータが読取可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読取可能なストレージ媒体には含まれない。メモリ12は、制御プログラム21などの各種プログラムを記憶している。制御プログラム21は、例えば、MFP10の各部を統括的に制御するファームウェアである。コントローラ11は、制御プログラム21をCPUで実行することでバス19に接続された各装置を制御する。尚、以下の説明では、制御プログラム21を実行するコントローラ11のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「コントローラ11がFAXIF15を介してFAXデータを受信する」という記載は、「コントローラ11が制御プログラム21を実行しFAXIF15を制御することでFAXデータを受信する」ということを意味する場合がある。また、メモリ12には、許可リスト22、制限リスト23、リスト設定情報24、電話帳25、電話フラグ26、FAXフラグ27、鳴動フラグ28、回数設定情報29が記憶可能となっている。以下の説明では、許可リスト22及び制限リスト23の両方を説明する場合、単に「両リスト」と記載する場合がある。
【0012】
尚、制御プログラム21、許可リスト22、制限リスト23、リスト設定情報24、電話帳25、電話フラグ26、FAXフラグ27、鳴動フラグ28、回数設定情報29を記憶する媒体は、MFP10に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、MFP10に接続した、コンピュータが読取可能なストレージ媒体でも良い。
【0013】
印刷エンジン13は、記録紙、OHPシートやディスクなどの被記録媒体に画像を印刷する。印刷エンジン13は、インクジェット方式で印刷する構成や、電子写真方式により印刷する構成を採用できる。読取エンジン14は、原稿から画像を読み取る読取センサ(CISやCCD)などを備え、読取センサを制御して原稿の画像を読取る。
【0014】
FAXIF15は、不図示の電話回線に接続され、電話の発呼、電話の着信、FAXの画像データ(以下、FAXデータという場合がある)の送受信に用いられるインタフェースである。本実施例では、FAXデータが画像データの一例である。外付け電話用ジャック16は、外付け電話(図示略)を着脱可能に接続するコネクタである。ネットワークIF17は、例えば、LANインタフェースであり、LANやWANに接続される。尚、ネットワークIF17は、有線通信のネットワークIFに限らず、無線通信のネットワークIFでも良い。また、本明細書のFAXは、FAXデータを外部装置との間で公衆電話回線を介して送受信するFAXに限らない。例えば、FAXは、FAXデータを電子メールに添付して外部装置との間で送受信するインターネットFAXでも良い。ユーザIF18は、例えば、タッチパネルや押しボタンスイッチ等を備え、ユーザの操作入力の受け付けや、ユーザへの情報の表示を行なう。
【0015】
次に、コントローラ11が実行する受信判断処理について説明する。コントローラ11は、例えば、電源を投入され制御プログラム21を実行しシステムを起動した後、
図2に示す受信判断処理を開始する。尚、
図2の処理を開始する条件は、電源を投入する条件に限らない。例えば、コントローラ11は、電話回線の切断や電話線の取り外しを検出した後、電話回線の接続を再度検出した場合に、
図2に示す処理を開始しても良い。
【0016】
また、本願のフローチャート(
図2~
図6)の処理は、基本的に、制御プログラム21に記述された命令に従ったコントローラ11の処理を示す。即ち、以下の説明における「判断」等の処理は、コントローラ11の処理を示している。コントローラ11による処理はハードウェア制御も含む。また、本願中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本願中の「情報」についても同様である。また、コントローラ11による判断処理において、「AがBである場合」とは、「AがBであると判断した場合」を意味している。
【0017】
まず、コントローラ11は、
図2のステップ(以下、単にSと記載する)11において、FAXIF15に接続された電話回線を介して、外部装置から送信された呼び出し信号を検出したか否か、即ち、電話が掛かってきているか否かを判断する。コントローラ11は、呼び出し信号を検出しなかった場合(S11:NO)、S11の処理を繰り返し実行する。コントローラ11は、例えば、所定の時間(例えば、100ms)ごとにS11の処理を繰り返し実行する。一方、コントローラ11は、呼び出し信号を検出した場合(S11:YES)、FAXIF15を介して取得した検出信号に基づいて発信元の電話番号である発信元番号を外部装置から取得し(S13)、S15のリスト適用ルール確認処理を実行する。
【0018】
図3に示すように、コントローラ11は、リスト適用ルール確認処理を開始すると、リスト設定情報24(
図1参照)に基づいて利用設定が許可リスト22を利用する設定であるか判断する(S21)。
図7は、メモリ12に記憶される各情報を示している。また、
図7には、コントローラ11の処理を理解するための参考情報として、各情報に基づいて判断を行うステップ(S)の番号と、その判断結果によって電話の着信及びFAXデータの受信に適用されるルールを識別する番号(ルールA~C)を図示している。
図7の一番上に示すように、リスト設定情報24は、発信元番号の判断について、許可リスト22を
利用する設定、制限リスト23を利用する設定、あるいは両リストを使用しない設定の3つの設定のうち、何れか1つの設定を利用設定として設定可能となっている。コントローラ11は、例えば、ユーザIF18を介してリスト設定情報24の利用設定を受け付け、受け付けた利用設定をリスト設定情報24としてメモリ12の不揮発性領域に記憶している。尚、リスト設定情報24を受け付ける方法は、ユーザIF18を用いる方法に限らず、例えば、ネットワークIF17に接続されたPC(プリンタドライバ)から受け付ける方法でも良い。また、他の設定情報(許可リスト22の登録情報、リスト内動作設定AL1、リスト外動作設定AL2、制限リスト23の登録情報、リスト内動作設定BL1、リスト外動作設定BL2、電話帳25の登録情報、個別設定CL、鳴動フラグ28、回数設定情報29など)の受け付け方法についてもユーザIF18等で受け付けても良い。また、本実施例では、発信元番号(電話番号)が送信元情報の一例である。また、FAXデータを受信する方法として、ネットワークIF17を介してFAXデータを受信するインターネットファックス(IFAX)を採用した場合、ネットワークIF17が外部インタフェースの一例であり、送信元のIPアドレスや電子メールアドレスが送信元情報の一例である。
【0019】
コントローラ11は、リスト設定情報24の利用設定が許可リスト22を利用することを示す(以下、「リスト設定情報24が許可リスト22である」と記載する)場合(S21:YES、ルールA)、S13で取得した発信元番号が許可リスト22に登録されているか否かを判断する(S23)。本実施例では、コントローラ11が実行するS23の処理が、許可リスト判断処理の一例である。コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録されている場合(S23:YES)、メモリ12の電話フラグ26及びFAXフラグ27を設定する(S25)。
【0020】
電話フラグ26は、電話の着信を許可することを示す値と、制限することを示す値とを設定可能なフラグ値である。FAXフラグ27は、FAXデータの受信を許可することを示す値と、制限することを示す値を設定可能なフラグ値である。尚、以下の説明において、電話の着信を許可又は制限することを、単に着信を許可又は制限と記載し、FAXデータの受信を許可又は制限することを、単に受信を許可又は制限と記載する場合がある。着信を許可するとは、電話の着信時にMFP10又は外付け電話のハンドセットが持ち上げられた場合に、電話回線を接続して通話可能とする制御である。着信を制限するとは、例えば、電話の着信時にハンドセットが持ち上げられても回線の接続を実行しない制御である。また、着信の制限は、回線を接続しない制限に限らず、着信を切断する等の他の制限でも良い。また、受信を許可するとは、通常のFAXの受信動作を実行することである。また、受信の制限とは、例えば、FAXデータを受信しない制御である。受信の制限は、FAXデータを受信しない制御に限らず、例えば、受信するもののFAXデータを破棄する制御でも良い。
【0021】
図1及び
図7に示すように、許可リスト22には、許可リスト22に登録された発信元番号から送信されたFAXデータをMFP10が受信する際の動作内容を示すリスト内動作設定AL1、及び、許可リスト22に登録されていない発信元番号のFAXデータを受信する際の動作内容を示すリスト外動作設定AL2の各々が対応付けられている。リスト内動作設定AL1及びリスト外動作設定AL2は、許可リスト22の一部のデータでも良く、許可リスト22とは別で許可リスト22と関連付けられたデータでも良い。
【0022】
図7のルールA1に示すように、許可リスト22は、例えば、電話番号を登録するリストであり、ルールA2に示すように、本実施例では登録された電話番号については電話の着信及びFAXの受信を許可するリスト内動作設定AL1が設定されている。このため、コントローラ11は、S25において、リスト内動作設定AL1に従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26及
びFAXフラグ27の両方に許可することを示す値を設定し(以下、単に「許可を設定する」と記載する)、S27の鳴動有無設定処理を実行する。一方、
図7のルールA3に示すように、本実施例では許可リスト22に未登録の電話番号については電話の着信及びFAXの受信を制限するリスト外動作設定AL2が設定されている。このため、コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録されていない場合(S23:NO)、S29において、リスト外動作設定AL2に従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26及びFAXフラグ27の両方に制限することを示す値を設定し(以下、単に「制限を設定する」と記載する)、S27を実行する。尚、コントローラ11は、S13において発信元番号が取得できなかった場合(非通知設定である場合)、S23において登録されてないと判断しても良い。また、後述するS33の制限リスト23の登録判断やS55の電話帳25の登録判断についても同様である。また、コントローラ11は、発信元番号が取得できなかった場合、登録を判断せずに一律に着信及び受信の両方を制限しても良い。
【0023】
また、コントローラ11は、リスト設定情報24の利用設定が許可リスト22でない場合(S21:NO)、リスト設定情報24の利用設定が制限リスト23を利用する設定であるか否かを判断する(S31)。
図1及び
図7に示すように、制限リスト23には、許可リスト22と同様に、制限リスト23に登録された発信元番号から送信されたFAXデータをMFP10が受信する際の動作内容を示すリスト内動作設定BL1、及び、制限リスト23に登録されていない発信元番号のFAXデータを受信する際の動作内容を示すリスト外動作設定BL2の各々が対応付けられている。
図7のルールB1に示すように、制限リスト23は、例えば、電話番号を登録するリストであり、ルールB2に示すように、本実施例では電話の着信及びFAXの受信を制限するリスト内動作設定BL1が設定されている。このため、コントローラ11は、リスト設定情報24の利用設定が制限リスト23を利用することを示している(以下、「リスト設定情報24が制限リスト23である」と記載する)場合(S31:YES)、発信元番号が制限リスト23に登録されているか否かを判断し(S33)、登録されている場合(S33:YES)、リスト内動作設定BL1に従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する(S35)。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26及びFAXフラグ27の両方に制限を設定する(S35)。一方、
図7のルールB3に示すように、本実施例では制限リスト23に未登録の電話番号については電話の着信及びFAXの受信を許可するリスト外動作設定BL2が設定されている。このため、コントローラ11は、発信元番号が制限リスト23に登録されていない場合(S33:NO)、リスト外動作設定BL2に従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する(S37)。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26及びFAXフラグ27の両方に許可を設定する(S37)。コントローラ11は、S35又はS37を実行するとS27を実行する。本実施例では、コントローラ11が実行するS33の処理が、制限リスト判断処理の一例である。また、コントローラ11は、S31で否定判断した場合(S31:NO)、即ち、両リストを利用しない利用設定がリスト設定情報24に設定されていた場合、
図3に示す処理を終了する。
【0024】
図4に示すように、コントローラ11は、鳴動有無設定処理を実行することで鳴動フラグ28を設定する。鳴動フラグ28は、例えば、通常の電話の着信のように呼び出しを実行されている間は鳴動を繰り返し実行する設定(以下、「鳴動あり」という)、電話の着信時に鳴動を実行しない設定(以下、「鳴動なし」という)、電話の鳴動を所定回数だけ実行する設定の3つのうち、何れか1つの設定を設定可能となっている。本実施例では、所定回数として、例えば、3回を採用している。また、所定回数は、ユーザが適宜変更可能であっても良い。以下、「鳴動を所定回数だけ実行する設定」を、「鳴動3回まで」という。
【0025】
コントローラ11は、
図3のS27で
図4の処理を実行した場合、リスト内動作設定A
L1,BL1、及びリスト外動作設定AL2,BL2の何れか1つの動作設定に基づいて鳴動フラグ28を設定する。
図4に示すように、コントローラ11は、S41で動作設定が鳴動あり又は鳴動3回までであるか否か判断し、S41で肯定判断した場合(S41:YES)、S43で動作設定が鳴動3回までであるか否かを判断する。コントローラ11は、S43で肯定判断した場合(S43:YES)、鳴動フラグ28に「鳴動3回まで」を示す値を設定し、そうでない場合(S43:NO)、鳴動フラグ28に「鳴動あり」を示す値を設定し、
図4の処理を終了する。また、コントローラ11は、S41で否定判断した場合(S41:NO)、鳴動フラグ28に「鳴動なし」を示す値を設定し(S47)、
図4の処理を終了する。
【0026】
図7のルールA2に示すように、本実施例では、リスト内動作設定AL1として、「着信許可・受信許可・鳴動3回まで」、又は「着信許可・受信許可・鳴動あり」の一方の動作設定が設定可能である。従って、コントローラ11は、
図3のS23で肯定判断した場合、即ち、発信元番号が許可リスト22に登録されている場合、リスト内動作設定AL1の設定内容に基づいて
図4の判断処理を実行し、S45(鳴動3回まで)、又はS46(鳴動あり)の一方を実行する(S41:YES、S43:YES又はNO)。鳴動フラグ28は、リスト内動作設定AL1に応じた設定となる。
【0027】
同様に、
図7のルールA3に示すように、本実施例では、リスト外動作設定AL2として、「着信制限・受信制限・鳴動なし」、「着信制限・受信制限・鳴動3回まで」、及び「着信制限・受信制限・鳴動あり」のうち、何れか1つの動作設定が設定可能である。従って、コントローラ11は、
図3のS23で否定判断した場合、
図4のS45、S46、S47の何れか1つを実行する。その結果、鳴動フラグ28は、リスト外動作設定AL2に応じた設定となる。
【0028】
また、
図7のルールB2に示すように、本実施例では、制限リスト23のリスト内動作設定BL1として、「着信制限・受信制限・鳴動なし」、「着信制限・受信制限・鳴動3回まで」、及び「着信制限・受信制限・鳴動あり」のうち、何れか1つの動作設定が設定可能である。従って、コントローラ11は、
図3のS33で肯定判断した場合、
図4のS45、S46、S47の何れか1つを実行し、鳴動フラグ28を設定する。また、
図7のルールB3に示すように、本実施例では、リスト外動作設定BL2として、「着信許可・受信許可・鳴動3回まで」、又は「着信許可・受信許可・鳴動あり」の一方の動作設定が設定可能である。従って、コントローラ11は、
図3のS33で否定判断した場合、
図4のS45又はS46を実行する。
【0029】
尚、
図7に示すリスト内動作設定AL1,BL1、リスト外動作設定AL2,BL2の動作設定の組み合わせや内容は、一例である。例えば、許可リスト22は、着信と受信の両方を許可する電話番号を登録するリストではなく、電話の着信を許可する電話番号を登録するリストであっても良い。この場合、リスト内動作設定AL1として、「着信許可・受信許可」以外に「着信許可・受信制限」の組み合わせの設定を採用しても良い。そして、S25において、コントローラ11は、例えば、電話フラグ26に許可を、FAXフラグ27に制限を設定しても良い。また、制限リスト23は、着信と受信の両方を制限する電話番号を登録するリストではなく、電話の着信を制限する電話番号を登録するリストであっても良い。この場合、リスト内動作設定BL1として、「着信制限・受信制限」以外に「着信制限・受信許可」の組み合わせの設定を採用しても良い。また、リスト外動作設定AL2において「鳴動あり」の動作設定をなくしても良く、リスト外動作設定BL2において「鳴動なし」の動作設定を追加しても良い。
【0030】
図2に戻り、コントローラ11は、S15を実行した後、S17の電話帳ルール確認処理を実行する。
図5に示すように、コントローラ11は、電話帳ルール確認処理を開始す
ると、S51において、2つの条件のどちらか一方を満たすか否かを判断する。第1条件は、リスト設定情報24が許可リスト22であり、且つ、発信元番号が許可リスト22に登録されている条件である(ルールA2)。第2条件は、リスト設定情報24が制限リスト23であり、且つ、発信元番号が制限リスト23に登録されていない条件である(ルールB3)。
【0031】
図8は、
図7に示す各ルールA2、A3、B2、B3、C1を適用した結果(
図8中の電話・FAX・鳴動フラグ)、制限レベル、対応するステップの一覧を示している。
図8の「確定動作(電話・FAX・鳴動フラグ)」の列は、その右側に記載した対応するステップにおいて設定された最終的なフラグの値を示している。また、「確定動作(電話・FAX・鳴動フラグ)」の左側の2列(電話・FAX・鳴動フラグ)は、各ルールを適用した段階のフラグの値を示している。また、制限レベルの列は、電話の着信、FAXの受信、鳴動動作に対する制限の厳しさを示している。電話の着信及びFAXの受信は、許可よりも制限の方が制限のレベルが厳しい。また、鳴動動作は、鳴動あり、鳴動3回まで、鳴動なしの順に、鳴動回数が少なくなるほど制限が厳しい。また、制限レベルは、電話の着信、FAXの受信、鳴動動作の組み合わせごとの制限のレベルの高さをレベル1~7で表している。尚、レベル0は、許可リスト22、制限リスト23、及び後述する個別設定CLを使用しない場合、即ち、制限を実行しない通常動作の場合を示している。以下の説明では、
図8の各ルールが適用されるステップに、
図8の「NO」参考情報として記載する場合がある。
【0032】
コントローラ11は、上記した2つの条件のうち、どちらか一方を満たす場合(S51:YES)、S53以降を実行して電話帳個別設定機能(以下、単に個別設定機能という)によって各フラグを更新する。
図7のルールC1に示すように、電話帳25は、例えば、電話番号、名前(氏名や会社名)、個別設定機能の設定(以下、個別設定CLという)を関連付けて登録可能となっている。個別設定CLは、
図7に示すように、電話帳25に登録された電話番号の各々について、着信の許可又は制限、受信の許可又は制限を設定する機能である。本実施例では、個別設定CLとして、「着信許可・受信制限」「着信制限・受信制限」の2つの設定のみが選択可能となっている。しかしながら、個別設定CLとしては、「着信許可・受信許可」や「着信制限・受信許可」を採用しても良い。
【0033】
また、
図7に示すように、個別設定CLは、鳴動の動作内容についても設定可能である。本実施例では、「着信許可・受信制限」「着信制限・受信制限」の各々について、「鳴動あり」又は「鳴動3回まで」を組み合わせ可能である。しかしながら、個別設定CLとしては、他の鳴動の組み合わせを適宜採用しても良い。例えば、個別設定CLとして、「着信制限・受信制限・鳴動なし」を採用しても良い。また、例えば、個別設定CLとして、「着信許可・受信許可」や「着信制限・受信許可」を採用し、「鳴動あり」、「鳴動3回まで」、「鳴動なし」と組み合わせても良い。本実施例では、個別設定CLは、第2動作設定の一例である。
【0034】
コントローラ11は、S53において、発信元番号について個別設定CLが登録されているか否かを判断する。コントローラ11は、発信元番号が電話帳25に登録されており、且つ、個別設定CLが登録されている場合(S53:YES)、S55を実行する。コントローラ11は、電話帳25において発信元番号と同じ電話番号に設定されている個別設定が「着信制限・受信制限」であるか否かを判断し(S55)、そうである場合(S55:YES)、個別設定CLに従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する(S57)。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26及びFAXフラグ27の両方に制限を設定する(S57)。これにより、上記した第1条件を満たしていた場合は、
図3のS25で電話フラグ26及びFAXフラグ27に設定された値が、着信制限・受信制限に更新される(
図8のNO4又はNO5)。また、上記した第2条件を満たしていた
場合は、
図3のS37で電話フラグ26及びFAXフラグ27に設定された値が、着信制限・受信制限に更新される(
図8のNO14又はNO16)。コントローラ11は、S57を実行すると、鳴動有無設定処理(S59)を実行する。本実施例では、コントローラ11が実行するS53の処理が、条件判断処理の一例である。また、電話帳25に登録され、且つ、個別設定CLが設定されている条件が、所定条件の一例である。
【0035】
また、コントローラ11は、電話帳25において発信元番号と同じ電話番号に設定されている個別設定が「着信制限・受信制限」でない場合(S55:NO)、個別設定CLに従って電話フラグ26及びFAXフラグ27の値を設定する(S61)。例えば、コントローラ11は、電話フラグ26に許可を設定し、FAXフラグ27に制限を設定する(S61)。これにより、上記した第1条件を満たしていた場合は、
図3のS25で電話フラグ26及びFAXフラグ27に設定された値が、着信許可・受信制限に更新される(
図8のNO6又はNO7)。また、上記した第2条件を満たしていた場合は、
図3のS37で電話フラグ26及びFAXフラグ27に設定された値が、着信許可・受信制限に更新される(
図8のNO16又はNO17)。コントローラ11は、S61を実行するとS59を実行する。尚、上記した通り、コントローラ11は、個別設定CLに従ってS57、S61を実行している。このため、個別設定CLとして、例えば、登録された電話番号について「着信許可・受信許可」を設定する構成を採用した場合、コントローラ11は、S55で「着信許可・受信許可」であるか判断し、肯定判断した場合(S55:YES)、S57において、電話フラグ26及びFAXフラグ27に許可を設定しても良い。
【0036】
コントローラ11は、S59において
図4の鳴動有無設定処理を実行し、
図7に示す個別設定CLの設定内容に基づいて
図4の各ステップを判断する。例えば、個別設定CLが「鳴動あり」であれば、コントローラ11は、S41:YES、S43:NO、S46の順に実行する。また、個別設定CLが「鳴動なし」であれば、コントローラ11は、S41:NO、S47の順に実行する。これにより、個別設定CLに応じた鳴動フラグ28を設定できる。
【0037】
一方、コントローラ11は、S53において発信元番号が電話帳25に登録されていない、又は発信元番号が電話帳25に登録されているものの、個別設定CLが登録されていない場合、否定判断し(S53:NO)、
図5に示す処理を終了する。この場合、個別設定機能によるフラグの更新は実行されない(
図8のNO8、NO9、NO18、又はNO19の何れか)。これにより、コントローラ11は、個別設定CLが設定されている発信元番号についてのみ、S55以降の処理を実行する。
【0038】
また、コントローラ11は、S51において上記した第1及び第2条件の両方を満たさない場合(S51:NO)、リスト設定情報24が両リストを使用しない設定であるか否かを判断する(S63)。コントローラ11は、両リストを使用しない設定である場合(S63:YES)、電話フラグ26及びFAXフラグ27に許可を設定する(S65)。この場合、両リスト及び個別設定機能の何れのも利用しない、即ち、通常動作となる。コントローラ11は、鳴動フラグ28に鳴動ありを設定し(S65)、
図5に示す処理を終了する(
図8のNO10又はNO20)。また、コントローラ11は、S63で否定判断する場合(S63:NO)、即ち、許可リスト22を利用するが未登録である場合(
図8のNO1~3)、あるいは、制限リスト23を利用し登録されている場合(NO11~13)、各フラグを更新せずに、
図5の処理を終了する。
【0039】
尚、本実施例では、個別設定機能が常に有効となっているが、ユーザの設定に応じて、個別設定機能の有効・無効を変更しても良い。この場合、例えば、
図5のS51とS53の間に、個別設定機能が有効であるか否かを判断するステップを追加し、有効である場合S53を実行し、無効である場合、
図5に示す処理を終了しても良い。これにより、個別
設定機能が有効である場合のみ各フラグの更新を実行し、個別設定機能が無効である場合、各リストによって設定されたフラグの設定を優先した制御を実行できる。
【0040】
図2に示すように、コントローラ11は、
図5の電話帳ルール確認処理を実行した後、
図6の呼び出し処理を実行する(S19)。コントローラ11は、呼び出し処理において、S19を開始するまでに最終的に設定した電話フラグ26、FAXフラグ27、鳴動フラグ28に基づいて、着信及び受信の各々の許可・制限、鳴動動作を制御する。コントローラ11は、
図6の処理を開始すると、鳴動フラグ28が鳴動あり又は鳴動3回までであるか否かを判断し(S81)、S81で肯定判断した場合(S81:YES)、S83を実行し、否定判断した場合(S81:NO)、鳴動しない設定とし(S85)、S87を実行する。S81で否定判断する場合、鳴動フラグ28は、鳴動なしの設定となる。S85を実行することで、コントローラ11は、呼び出し信号を検出した状態で着信音を鳴らさない(鳴動しない)制御を実行する。尚、コントローラ11は、鳴動しない状態において、ユーザIF18のディスプレイで呼び出し信号を検出している(着信している)ことを表示しても良い。
【0041】
また、コントローラ11は、S83においてFAXフラグ27に許可が設定されているか否かを判断し、許可が設定されている場合(S83:YES)、S89を実行しS87を実行する。コントローラ11は、S89において、設定情報29が示す所定の呼び出し回数、又は鳴動フラグ28が示す回数のうち、少ない回数だけ鳴動する設定とする。
図7に示すように、設定情報29には、所定の呼び出し回数が設定されている。この所定の呼び出し回数は、FAXの受信を知らせる呼び出し回数であり、例えば、4回である。尚、この所定の呼び出し回数は、ユーザが設定情報29を変更することで適宜変更可能であるが、変更できない構成でも良い。例えば、S89において、コントローラ11は、所定の呼び出し回数が4回で、鳴動フラグ28が鳴動ありである場合、少ない回数の4回を鳴動回数として設定する。また、コントローラ11は、所定の呼び出し回数が4回で、鳴動フラグ28が鳴動3回までである場合、少ない回数の3回を鳴動回数として設定する。これにより、FAXを受信する場合、所定回数と鳴動フラグ28が示す回数のうち、制限が厳しい回数を適用でき、ユーザの制限する意図をより適切に反映できる。
【0042】
また、コントローラ11は、S83で否定判断した場合(S83:NO)、S91を実行しS87を実行する。コントローラ11は、S91において、鳴動フラグ28が鳴動ありである場合には鳴動を繰り返す設定とし、鳴動フラグ28が鳴動3回である場合には鳴動回数を3回に設定する。
【0043】
コントローラ11は、S87において外付け電話用ジャック16に外付け電話が接続されているか判断し、接続されている場合(S87:YES)、S93を実行し、接続されていない場合(S87:NO)、S95を実行する。S87の判断方法は、特に限定されないが、外付け電話用ジャック16の所定端子のオープン又はクローズを検出する方法でも良く、ソフトウェアによる設定情報を確認する方法でも良い。コントローラ11は、S93において外付け電話用ジャック16を介して外付け電話へ呼び出し信号を流す制御を開始し、S95を実行する。これにより、外付け電話が鳴動を開始する。尚、MFP10が鳴動を開始するタイミングは、S89又はS91を実行したタイミングでも良く、S93で外付け電話を鳴らすタイミングと同時でも良い。
【0044】
S95において、コントローラ11は、MFP10本体又は外付け電話で鳴動を開始してからS89で設定した回数、即ち、FAXデータの受信時用に設定した鳴動回数だけ鳴動したか判断し、S89で設定した回数だけ鳴動した場合(S95:YES)、FAXフラグ27に許可が設定されているか判断する(S97)。コントローラ11は、FAXフラグ27に許可が設定されている場合(S97:YES)、例えば、鳴動を停止させて電
話回線を閉結し、FAX通信を受信可能な状態とする(S99)。コントローラ11は、電話回線を介したFAX信号の検出を判断し(S101)、FAX信号を検出すると(S101:YES)、FAXデータを受信する(S103)。MFP10は、受信したFAXデータについて、受信後すぐに印刷する設定と、メモリ12に蓄積する設定が可能となっている。コントローラ11は、S105でこの設定を判断し、印刷する設定である場合(S105:YES)、受信したFAXデータを印刷エンジン13で印刷し(S107)、処理を終了する。コントローラ11は、
図2のS19の実行が終了すると、例えば、所定の時間(例えば、100ms)だけ経過した後、S11からの処理を再度実行する。一方、コントローラ11は、蓄積する設定である場合(S105:NO)、FAXデータをメモリ12に記憶させ(S109)、処理を終了する。この場合、コントローラ11は、メモリ12に蓄積後、ユーザIF18に対する操作指示等に基づいて蓄積中のFAXデータを印刷する。尚、MFP10は、受信したFAXデータをメモリ12に蓄積する機能を備えなくとも良い。
【0045】
また、コントローラ11は、S95又はS97で否定判断した場合(S95:NO、S97:NO)、本体又は外付け電話のハンドセットが持ち上げられたか判断する(S111)。尚、コントローラ11は、S91を実行した場合、FAXフラグ27が制限であるため、S97で否定判断する。また、S85を実行する場合、即ち、鳴動なしの場合、
図7及び
図8に示すように、本実施例ではFAXフラグ27が制限となる。このため、この場合にも、コントローラ11は、S97で否定判断する。コントローラ11は、ハンドセットが持ち上げられた場合(S111:YES)、電話フラグ26に許可が設定されているか判断し(S113)、許可が設定されている場合(S113:YES)、例えば、鳴動を停止させ電話回線を閉結し通話可能な状態にし(S115)、処理を終了する。
【0046】
また、コントローラ11は、S111又はS113で否定判断した場合(S111:NO、S113:NO)、相手からの呼び出しが終了したか、即ち、呼び出し信号を検出できなくなったか判断し(S117)、呼び出し信号の検出が継続している場合(S117:NO)、S95からの処理を再度実行する。コントローラ11は、S89やS91で鳴動回数が制限されていた場合、この繰り返し処理中に設定された鳴動回数まで鳴動すると、鳴動を停止させる。これにより、鳴動フラグ28によって鳴動回数が制限される。また、コントローラ11は、呼び出しが終了した場合、即ち、電話回線が切断された場合(S117:YES)、処理を終了する。本実施例では、コントローラ11が実行するS97:YESの場合のS99~S103、S97:NOの場合のS111~S117の処理は、受信処理の一例である。
【0047】
以上、上記した第1実施例によれば、以下の効果を奏する。
第1実施例では、許可リスト22には、登録された発信元番号から送信されたFAXデータをMFP10が受信する際の動作内容(着信・受信の許可・拒否、鳴動の動作)を示すリスト内動作設定AL1が対応付けられている。コントローラ11は、受信を許可する場合に、リスト内動作設定AL1が示す動作内容でMFP10を制御し受信する(
図8のNO8、NO9)。これにより、許可リスト22に登録された発信元番号からFAXデータを受信する際のMFP10の動作内容として多様な設定を行うことができる。例えば、受信する際に鳴動し続けるのか、又は、3回だけ鳴動するのかといった設定を選ぶことができる。尚、上記実施例のフローチャートや
図7に示す動作設定の内容は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、許可リスト22に登録された発信元番号からの受信において、鳴動しない設定や、着信又は受信の一方を制限する設定などの実施例にない他の動作設定をリスト内動作設定AL1として採用できる。従って、このようなリスト内動作設定AL1を用いることで、許可リスト22に登録された発信元番号に対し、多様な設定で受信を実行でき、柔軟性の高い処理を実行できる。
【0048】
同様に、本実施例では、コントローラ11は、制限リスト23に基づいて受信を制限する場合に、制限リスト23に対応付けられたリスト内動作設定BL1が示す動作内容でMFP10を制御し受信を制限する(
図8のNO11~NO13)。これにより、受信を制限する場合にも、その動作や制限の厳しさをリスト内動作設定BL1で多様に設定できる。
【0049】
また、コントローラ11は、ファクシミリ方式による受信を実行する。これにより、FAXデータの受信又は受信の制限における動作を多様に設定できる。
【0050】
また、コントローラ11は、ファクシミリ方式でFAXデータを受信する、又は受信を制限する前に、リスト内動作設定AL1,BL1に基づいた着信に対する鳴動をMFP10に実行させる。これにより、着信の鳴動の設定として、鳴動あり、鳴動3回、鳴動なしなど多様な制限を設定できる。
【0051】
また、コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録され、且つ、電話帳25に登録されている場合に、リスト内動作設定AL1とは別に設定されている、個別設定CLが示す動作内容でMFP10を制御し、FAXデータの受信を制限する(
図8のNO4~NO7)。また、コントローラ11は、制限リスト23に登録されていない場合にも、個別設定CLの動作内容でMFP10を制御し受信を制限する(
図8のNO14~NO17)。これにより、許可リスト22に登録されている場合や、制限リスト23に登録されていない場合に、電話帳25に登録された発信元番号に対し、個別設定CLに基づく制御を実行できる。即ち、許可リスト22に登録されている又は制限リスト23に登録されていない発信元番号について、電話帳25の個別設定CLを優先適用し受信を制限できる。
【0052】
また、コントローラ11がS53で電話帳25に発信元番号が登録されていると判断する条件は、発信元番号と、発信元番号が示す送信元から送信されたFAXデータをMFP10が受信する際の動作内容を示す個別設定CL(着信・受信の許可・拒否、鳴動の動作)とが電話帳25で対応付けられている(登録されている)条件である。これにより、電話帳25に登録され、且つ個別設定CLが設定済み発信元番号に対してのみ、設定された個別設定CLに基づく動作をMFP10に実行させることができる。
【0053】
また、コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録され、且つ、電話帳25に登録されている場合に(
図8のNO4~NO7)、FAXデータを受信する前に、個別設定CLに基づいた着信に対する鳴動をMFP10に実行させる。また、コントローラ11は、制限リスト23に登録されておらず、電話帳25に登録されている場合にも(
図8のNO14~NO17)、個別設定CLに基づいた着信に対する鳴動をMFP10に実行させる。これにより、許可リスト22に登録されている場合や、制限リスト23に登録されていない場合に、電話帳25に登録された発信元番号に対し、個別設定CLに基づく鳴動の制御を実行できる。即ち、許可リスト22に登録されている又は制限リスト23に登録されていない発信元番号について、電話帳25の個別設定CLを優先適用し、鳴動を制御できる。
【0054】
また、コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録され、且つ、電話帳25に登録されている場合に(
図8のNO4~NO7)、ファクシミリ方式での受信を個別設定CLに基づいて制限する。また、コントローラ11は、制限リスト23に登録されておらず、電話帳25に登録されている場合にも(
図8のNO14~NO17)、ファクシミリ方式での受信を個別設定CLに基づいて制限する。これにより、許可リスト22に登録されている場合や、制限リスト23に登録されていない場合に、電話帳25に登録された発信元番号に対し、個別設定CLに基づくFAXデータの受信制限を実行できる。即ち
、許可リスト22に登録されている又は制限リスト23に登録されていない発信元番号について、電話帳25の個別設定CLを優先適用し受信を制限できる。
【0055】
また、コントローラ11は、発信元番号が許可リスト22に登録されていない場合に、リスト外動作設定AL2が示す動作内容でMFP10を制御し、受信を制限する(
図8のNO1~NO3)。これにより、許可リスト22に未登録の送信元について、リスト外動作設定AL2によって受信を制限することができる。
【0056】
また、コントローラ11は、発信元番号が制限リスト23に登録されていない場合に、リスト外動作設定BL2が示す動作内容でMFP10を制御し、FAXデータを受信する(
図8のNO18、NO19)。これにより、制限リスト23に未登録の送信元について、リスト外動作設定BL2によって受信を許可することができる。
【0057】
また、コントローラ11は、許可リスト22に登録され、且つ、電話帳25に登録されている場合に、個別設定CLで受信を制限する(
図8のNO4~NO7)。一方、コントローラ11は、許可リスト22に登録されていない場合に、個別設定CLによる制御を実行しない(
図8のNO1~NO3)。これにより、許可リスト22に未登録の発信元番号については、個別設定CLを適用せずに、リスト外動作設定AL2などを適用することができる。
【0058】
また、コントローラ11は、制限リスト23に未登録で、且つ、電話帳25に登録されている場合に、個別設定CLで受信を制限する(
図8のNO14~NO17)。一方、コントローラ11は、制限リスト23に登録されている場合に、個別設定CLによる制御を実行しない(
図8のNO11~NO13)。これにより、制限リスト23に登録された発信元番号については、個別設定CLを適用せずに、リスト内動作設定BL1などを適用することができる。
【0059】
また、上記実施例において、例えば、第1ケースを、
図8のNO8、NO9とする。第2ケースを、NO4~NO7とする。第3ケースを、NO1~NO3とする。この場合、
図8の制限レベルに示すように、FAXデータの受信を制限する制限の厳しさは、第1ケースに比べて第2ケース及び第3ケースが厳しく設定されている。具体的には、第1ケースでは、受信を許可し、第2、第3ケースでは受信を制限している。これにより、段階的な受信の制限を設定できる。
【0060】
また、コントローラ11は、上記第2ケースの場合(
図8のNO4~NO7)、個別設定CLで制御し、第3ケースの場合(NO1~NO3)、リスト外動作設定AL2で制御する。そして、リスト外動作設定AL2として設定可能な複数の動作設定のうち、受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定(NO1)は、個別設定CLとして設定可能な複数の動作設定のうち、制限の厳しさが最も高い動作設定(NO4)に比べて制限の高さが高い。具体的には、NO4では、鳴動3回であるが、NO1では鳴動なしである。これにより、段階的な受信の制限を設定できる。
【0061】
また、上記実施例において、例えば、第1ケースを、
図8のNO18、NO19とする。また、第2ケースを、NO14~NO17とする。また、第3ケースを、NO11~NO13とする。この場合、
図8の制限レベルに示すように、FAXデータの受信を制限する制限の厳しさは、第1ケースに比べて第2ケース及び第3ケースが厳しく設定されている。具体的には、第1ケースでは、受信を許可し、第2、第3ケースでは受信を制限している。これにより、段階的な受信の制限を設定できる。
【0062】
また、コントローラ11は、上記した第2ケースの場合(
図8のNO14~NO17)
、個別設定CLで制御し、第3ケースの場合(NO11~NO13)、リスト内動作設定BL1で制御する。そして、リスト内動作設定BL1として設定可能な複数の動作設定のうち、受信を制限する制限の厳しさが最も高い動作設定(NO11)は、個別設定CLとして設定可能な複数の動作設定のうち、制限の厳しさが最も高い動作設定(NO14)に比べて制限の高さが高い。具体的には、NO14では、鳴動3回であるが、NO11では鳴動なしである。これにより、段階的な受信の制限を設定できる。
【0063】
(第2実施例)
次に、本明細書の第2実施例について説明する。第1実施例では、電話フラグ26、FAXフラグ27、鳴動フラグ28の3つのフラグを用いたが、これに限らない。例えば、第2実施例として、電話フラグ26を用いない構成としても良い。第2実施例では、電話フラグ26を設定する各ステップ(S25、S29、S35、S37、S57、S61、S65、)における電話フラグ26を設定する処理をなくし、
図6のS113をなくす。コントローラ11は、S111:YESの場合S115を実行する。これにより、第2実施例では、電話の着信が制限されないものの、FAXフラグ27による受信の制限や、鳴動フラグ28による鳴動回数の制限を実行できる。
【0064】
尚、本明細書の内容は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本明細書の技術は、印刷装置に限らず、種々の形態で実現することが可能であり、印刷装置を制御するための制御方法や、上記装置の機能又は上記方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
上記実施例では、コントローラ11は、許可リスト22又は制限リスト23の一方が使用可能であったが、両方のリストを用いて判断しても良い。例えば、コントローラ11は、許可リスト22に登録されていなかった場合に、制限リスト23の登録を判断し、制限リスト23に登録されていなかった場合に、電話帳25の登録を判断しても良い。
また、上記実施例では、コントローラ11は、両リスト(許可リスト22、制限リスト23)と、個別設定機能の両方を用いて着信及び受信の許可・制限、鳴動動作を判断したが、これに限らない。コントローラ11は、許可リスト22や制限リスト23のみを用いて判断しても良い。また、コントローラ11は、両リストの一方しか備えない構成でも良い。
また、
図2~
図6に示すフローチャートの各ステップの順番、ステップの数、ステップの内容等は、一例である。例えば、第2実施例に記載したように、
図6の呼び出し処理のS113をなくしても良い。
【0065】
また、上記実施例では、本明細書のコントローラとして、所定のプログラムを実行するコントローラ11を採用したが、これに限らない。例えば、コントローラを、ASICなどの専用のハードウェアで構成してもよい。また、コントローラは、例えばソフトウェアによる処理と、ハードウェアによる処理とを併用して動作する構成でもよい。
また、上記実施例のMFP10の構成は、一例である。例えば、MFP10は、外付け電話用ジャック16を備えず、外付け電話を接続できない構成でも良い。
また、上記実施例では、本明細書の印刷装置として複合機であるMFP10を採用したが、これに限らない。本願の印刷装置は、FAX機能のみを有するFAX装置でもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 MFP(印刷装置)、11 コントローラ、13 印刷エンジン、15 FAXIF(外部インタフェース)、22 許可リスト、23 制限リスト、AL1,BL1 リスト内動作設定、AL2,BL2 リスト外動作設定。