(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146965
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ドラムユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G03G21/16 171
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059697
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】清水 圭太
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA09
2H171FA13
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA39
2H171JA02
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA48
2H171JA52
2H171KA06
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171MA11
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB32
(57)【要約】
【課題】ドラムユニットに対する現像カートリッジの位置ずれを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】ドラムユニット2は、ドラムフレーム92に対して移動可能なレバー93と、レバー93を付勢する付勢部材と、を備える。レバー93は、ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、現像カートリッジ1が、レバー93と接触しない第1位置から、レバー93と接触する第2位置へ、ドラムフレーム92に対して回動する場合、付勢部材の付勢力により、現像カートリッジ1を第2位置から第1位置へ移動させる。これにより、ドラムユニット2に対する現像カートリッジ1の位置ずれを抑制できる。また、現像カートリッジ1が第1位置に位置する状態では、レバー93は、現像カートリッジ1に接触しないため、現像カートリッジ1は、レバー93から外力を受けない。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のために使用されるドラムユニットであって、
現像カートリッジを装着可能であり、感光ドラムを有するドラムフレームと、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジの一部分と間隔をあけて第1方向に向かい合うレバーであって、前記ドラムフレームに対して移動可能なレバーと、
前記レバーを付勢する付勢部材と、
を備え、
前記レバーは、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジが、前記一部分が前記レバーと前記第1方向に間隔を空けて向かい合う第1位置から、前記一部分が前記レバーと接触する第2位置へ、前記ドラムフレームに対して回動する場合、前記付勢部材の付勢力により前記現像カートリッジを前記第2位置から前記第1位置へ移動させることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のドラムユニットであって、
前記レバーは、前記第1方向と交差する第2方向に延びる回動軸について、回動可能であることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のドラムユニットであって、
前記第1方向と前記第2方向は直交することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項4】
請求項2に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、
トナーを収容する筐体と、
前記筐体から前記第2方向に延びる凸部と、
を有し、
前記現像カートリッジの前記一部分は、前記凸部であり、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記レバーは、前記凸部と間隔をあけて前記第1方向に向かい合うことを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のドラムユニットであって、
前記付勢部材は、
前記ドラムフレームに接触する一端と、
前記レバーに接触する他端と、
を有し、
前記第1方向における前記一端と前記他端の距離が、前記第1方向に伸縮可能であることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項6】
請求項1に記載のドラムユニットであって、
前記付勢部材はバネであることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項7】
請求項2に記載のドラムユニットであって、
前記レバーは、前記第2方向における前記ドラムフレームの一端部に位置することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、電気的接触面を有するメモリを有し、
前記ドラムユニットは、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記電気的接触面と接触する電気端子であって、前記第2方向における前記ドラムフレームの他端部に位置する電気端子
をさらに有することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項9】
請求項4に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、現像ローラを有し、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像ローラと前記感光ドラムとが、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に接触し、
前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記レバーは、前記第3方向において、前記感光ドラムと前記凸部との間に位置することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項10】
請求項9に記載のドラムユニットであって、
前記第3方向と前記第2方向は直交することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項11】
請求項9に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、
前記現像カートリッジが装着された前記ドラムフレームが、前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置から前記第2方向の押圧力を受ける押圧受け面を有する離間部材であって、前記押圧力により、前記現像ローラを、前記感光ドラムに接触する接触位置から、前記感光ドラムから離れた離間位置へ、前記第3方向に移動させる離間部材
をさらに有し、
前記凸部は、前記第2方向における前記筐体の一端部に位置し、
前記押圧受け面は、前記第2方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項12】
請求項4に記載のドラムユニットであって、
前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記凸部が前記レバーに接触することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項13】
請求項12に記載のドラムユニットであって、
前記レバーは、
前記現像カートリッジの装着方向において前記感光ドラムへ近づくにつれて、前記第1方向において前記感光ドラムから離れる向きに傾斜するガイド面
を有し、
前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記凸部が前記ガイド面に接触することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項14】
請求項12に記載のドラムユニットであって、
前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記現像カートリッジは、前記第2位置から前記第1位置へ、前記ドラムフレームに対して回動することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項15】
請求項14に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、
前記第2方向に延びる現像シャフトを有する現像ローラと、
前記第2方向における前記現像シャフトの一端部に装着されたカラーと、
を有し、
前記ドラムフレームは、凹部を有し、
前記現像カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記カラーが前記凹部内に位置することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項16】
請求項4に記載のドラムユニットであって、
前記現像カートリッジは、
前記筐体から前記第2方向に突出するカップリング
を有し、
前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記カップリングが前記レバーよりも前記感光ドラムの近くへ移動した後に、前記凸部が前記レバーに接触することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のドラムユニットであって、
前記画像形成装置に対して前記第1方向に装着可能であることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項18】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のドラムユニットであって、
前記ドラムフレームは、前記現像カートリッジを前記ドラムフレームから取り外す際、前記現像カートリッジが前記第1位置から前記第2位置に回動し、さらに、前記第2位置から前記付勢部材の付勢力に抗して第3位置へ回動することを許容することを特徴とする、ドラムユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドラムユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の画像形成装置は、ドラムユニットと、現像カートリッジとを有する。現像カートリッジは、ドラムユニットに装着される。また、現像カートリッジが装着されたドラムユニットは、画像形成装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像形成装置では、現像カートリッジが装着されたドラムユニットを、画像形成装置に装着するとき、または、現像カートリッジが装着されたドラムユニットを、画像形成装置から取り出すときに、ドラムユニットが、画像形成装置に対して第2方向に移動する。
【0005】
しかし、ドラムユニットが第2方向に移動するときに、ドラムユニットに対する現像カートリッジの位置がずれる場合必要がある。
【0006】
本開示の目的は、ドラムユニットに対する現像カートリッジの位置ずれを抑制できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1開示は、画像形成装置のために使用されるドラムユニットであって、現像カートリッジを装着可能であり、感光ドラムを有するドラムフレームと、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジの一部分と間隔をあけて第1方向に向かい合うレバーであって、前記ドラムフレームに対して移動可能なレバーと、前記レバーを付勢する付勢部材と、を備え、前記レバーは、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像カートリッジが、前記一部分が前記レバーと前記第1方向に間隔を空けて向かい合う第1位置から、前記一部分が前記レバーと接触する第2位置へ、前記ドラムフレームに対して回動する場合、前記付勢部材の付勢力により前記現像カートリッジを前記第2位置から前記第1位置へ移動させることを特徴とする。
【0008】
第2開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記レバーは、前記第1方向と交差する第2方向に延びる回動軸について、回動可能であることを特徴とする。
【0009】
第3開示は、第2開示のドラムユニットであって、前記第1方向と前記第2方向は直交することを特徴とする。
【0010】
第4開示は、第2開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、トナーを収容する筐体と、前記筐体から前記第2方向に延びる凸部と、を有し、前記現像カートリッジの前記一部分は、前記凸部であり、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記レバーは、前記凸部と間隔をあけて前記第1方向に向かい合うことを特徴とする。
【0011】
第5開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記付勢部材は、前記ドラムフレームに接触する一端と、前記レバーに接触する他端と、を有し、前記第1方向における前記一端と前記他端の距離が、前記第1方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0012】
第6開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記付勢部材はバネであることを特徴とする。
【0013】
第7開示は、第2開示のドラムユニットであって、前記レバーは、前記第2方向における前記ドラムフレームの一端部に位置することを特徴とする。
【0014】
第8開示は、第7開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、電気的接触面を有するメモリを有し、前記ドラムユニットは、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記電気的接触面と接触する電気端子であって、前記第2方向における前記ドラムフレームの他端部に位置する電気端子をさらに有することを特徴とする。
【0015】
第9開示は、第4開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、現像ローラを有し、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記現像ローラと前記感光ドラムとが、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に接触し、前記ドラムフレームに前記現像カートリッジが装着された状態において、前記レバーは、前記第3方向において、前記感光ドラムと前記凸部との間に位置することを特徴とする。
【0016】
第10開示は、第9開示のドラムユニットであって、前記第3方向と前記第2方向は直交することを特徴とする。
【0017】
第11開示は、第9開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムフレームが、前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置から前記第2方向の押圧力を受ける押圧受け面を有する離間部材であって、前記押圧力により、前記現像ローラを、前記感光ドラムに接触する接触位置から、前記感光ドラムから離れた離間位置へ、前記第3方向に移動させる離間部材をさらに有し、前記凸部は、前記第2方向における前記筐体の一端部に位置し、前記押圧受け面は、前記第2方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0018】
第12開示は、第4開示のドラムユニットであって、前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記凸部が前記レバーに接触することを特徴とする。
【0019】
第13開示は、第12開示のドラムユニットであって、前記レバーは、前記現像カートリッジの装着方向において前記感光ドラムへ近づくにつれて、前記第1方向において前記感光ドラムから離れる向きに傾斜するガイド面を有し、前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記凸部が前記ガイド面に接触することを特徴とする。
【0020】
第14開示は、第12開示のドラムユニットであって、前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記現像カートリッジは、前記第2位置から前記第1位置へ、前記ドラムフレームに対して回動することを特徴とする。
【0021】
第15開示は、第14開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、前記第2方向に延びる現像シャフトを有する現像ローラと、前記第2方向における前記現像シャフトの一端部に装着されたカラーと、を有し、前記ドラムフレームは、凹部を有し、前記現像カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記カラーが前記凹部内に位置することを特徴とする。
【0022】
第16開示は、第4開示のドラムユニットであって、前記現像カートリッジは、前記筐体から前記第2方向に突出するカップリングを有し、前記ドラムユニットに前記現像カートリッジが装着される過程において、前記カップリングが前記レバーよりも前記感光ドラムの近くへ移動した後に、前記凸部が前記レバーに接触することを特徴とする。
【0023】
第17開示は、第1開示から第16開示のいずれか一開示のドラムユニットであって、前記画像形成装置に対して前記第1方向に装着可能であることを特徴とする。
【0024】
第18開示は、第1開示から第16開示のいずれか一開示のドラムユニットであって、前記ドラムフレームは、前記現像カートリッジを前記ドラムフレームから取り外す際、前記現像カートリッジが前記第1位置から前記第2位置に回動し、さらに、前記第2位置から前記付勢部材の付勢力に抗して第3位置へ回動することを許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
第1開示~第18開示によれば、現像カートリッジが、ドラムフレームに対して第1位置から第2位置へ回動する場合、レバーが、付勢部材の付勢力により、現像カートリッジ1を第2位置から第1位置へ移動させる。これにより、ドラムユニットに対する現像カートリッジの位置ずれを抑制できる。また、現像カートリッジが第1位置に位置する状態では、レバーは、現像カートリッジの一部分に接触しないため、現像カートリッジは、レバーから外力を受けない。
【0026】
また、第12開示によれば、ドラムユニットに現像カートリッジが装着される過程において、レバーにより凸部をガイドできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図4】現像カートリッジを第1外表面側から第2方向に視た図である。
【
図5】現像カートリッジを、第2方向に対して垂直な面で切断した断面図である。
【
図8】ドラムユニットを、第2方向に対して垂直な面で切断した断面図である。
【
図11】ドラムユニットに現像カートリッジが装着されるときの様子を示す断面図である。
【
図12】ドラムユニットに現像カートリッジが装着されるときの様子を示す断面図である。
【
図13】ドラムユニットに現像カートリッジが装着されるときの様子を示す断面図である。
【
図14】離間動作を行ったときの様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
なお、以下では、ドラムユニットに現像カートリッジが装着された状態において、ドラムユニットのレバーと現像カートリッジの凸部とが向かい合う方向を「第1方向」と称する。また、レバーの回動軸が延びる方向を「第2方向」と称する。また、ドラムユニットに現像カートリッジが装着された状態において、現像ローラと感光ドラムとが接触する方向を「第3方向」と称する。
【0030】
第1方向と第2方向とは、互いに交差する。好ましくは、第1方向と第2方向とは、互いに直交する。第2方向と第3方向とは、互いに交差する。好ましくは、第2方向と第3方向とは、互いに直交する。第3方向と第1方向とは、互いに交差する。
【0031】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概略図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置100は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
図1に示すように、画像形成装置100は、本体フレーム101、ドラムユニット2、および4つの現像カートリッジ1を備える。
【0032】
4つの現像カートリッジ1は、ドラムユニット2に装着可能である。また、4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2は、本体フレーム101に装着可能である。ドラムユニット2は、本体フレーム101に対して第1方向に移動することにより、本体フレーム101に装着される。
【0033】
4つの現像カートリッジ1は、一例として、第1方向において、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ1、マゼンダのトナーを収容する現像カートリッジ1、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ1、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジ1の順に配列されている。画像形成装置100は、現像カートリッジ1から供給されるトナーにより、印刷用紙の表面に画像を印刷する。
【0034】
<2.現像カートリッジの構成>
図2および
図3は、現像カートリッジ1の斜視図である。
図4は、現像カートリッジ1をギアカバー12側から第2方向に視た図である。
図5は、現像カートリッジ1を、第2方向に対して垂直な面で切断した断面図である。
図2~
図5に示すように、現像カートリッジ1は、筐体10、現像ローラ20、ギア部30、メモリアセンブリ40、および離間部材50を備えている。
【0035】
<2-1.筐体>
筐体10は、トナーを収容可能な容器11と、ギアカバー12とを有する。容器11は、第1外表面111と第2外表面112とを有する。第1外表面111は、第2方向における容器11の一端部に位置する。第2外表面112は、第2方向における容器11の他端部に位置する。第1外表面111と第2外表面112とは、第2方向において互いに離れている。
【0036】
容器11の内部には、収容室113が設けられている。トナーは、収容室113に収容される。また、
図5に示すように、容器11は開口114を有する。開口114は、第3方向における容器11の一端部に位置する。筐体10の外部空間と、収容室113とは、開口114を介して連通する。また、
図2および
図3に示すように、容器11は、ハンドル115を有する。ハンドル115は、第3方向における容器11の他端部に位置する。
【0037】
ギアカバー12は、容器11の第1外表面111に取り付けられている。具体的には、ギアカバー12は、容器11の第1外表面111に、ネジにより固定されている。ギアカバー12は、凸部121を有する。凸部121は、ギアカバー12の外表面から、第2方向に延びる。すなわち、凸部121は、第2方向における筐体10の一端部に位置する。凸部121は、筐体10の外表面から、第2方向において外側へ延びる。
【0038】
凸部121の形状は、例えば円柱状である。ただし、凸部121は、角柱状などの他の形状であってもよい。凸部121は、筐体10とともに、ドラムユニット2に対して第1方向、第2方向、および第3方向に移動可能である。
【0039】
本実施形態では、凸部121は、ギアカバー12と一体で成型されている。しかしながら、凸部121は、ギアカバー12と別部品であってもよい。その場合、ギアカバー12に対して凸部121が固定されていればよい。また、凸部121は、容器11から延びていてもよい。
【0040】
<2-2.現像ローラ>
現像ローラ20は、第2方向に延びる現像軸について回転可能なローラである。現像ローラ20は、容器11の開口114に位置する。すなわち、現像ローラ20は、第3方向における容器11の一端部に位置する。現像ローラ20は、現像ローラ本体21と現像シャフト22とを有する。現像ローラ本体21は、第2方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体21は、例えば、弾性を有するゴムからなる。現像シャフト22は、現像ローラ本体21を貫通して第2方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラ本体21は、現像シャフト22に対して固定される。現像シャフト22は、金属または導電性を有する樹脂からなる。
【0041】
第2方向における現像シャフト22の一端部は、ギア部30に含まれる現像ローラギア32に取り付けられる。第2方向における現像シャフト22の他端部は、容器11の第2外表面112に、軸受を介して支持される。現像ローラギア32が回転すると、現像シャフト22および現像ローラ本体21は、現像軸について回転する。容器11内のトナーは、現像ローラ本体21の外周面に担持される。
【0042】
また、
図2~
図4に示すように、現像カートリッジ1は、第1カラー23および第2カラー24を有する。第1カラー23は、第2方向における現像シャフト22の一端部に装着される。第2カラー24は、第2方向における現像シャフト22の他端部に装着される。第1カラー23および第2カラー24は、現像軸を中心とする円筒状の外周面を有する。第1カラー23および第2カラー24は、現像シャフト22に対して、現像軸について回転可能であってもよい。
【0043】
<2-3.ギア部>
ギア部30は、容器11の第1外表面111に位置する。ギア部30は、カップリング31と、複数のギアとを有する。複数のギアは、現像ローラギア32を含む。カップリング31および複数のギアは、それぞれ、第2方向に延びる軸について回転可能である。複数のギアの少なくとも一部は、第2方向において、第1外表面111とギアカバー12との間に位置する。すなわち、複数のギアの少なくとも一部は、ギアカバー12に覆われる。
【0044】
カップリング31は、ギアカバー12から露出する。また、カップリング31の少なくとも一部は、ギアカバー12の外表面から、外側へ向けて、第2方向に突出する。現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、画像形成装置100に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトが、カップリング31に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング31へ伝達される。そして、カップリング31の回転が、現像ローラギア32を含む複数のギアへ伝達される。
【0045】
<2-4.メモリアセンブリ>
メモリアセンブリ40は、容器11の第2外表面112に位置する。
図2に示すように、メモリアセンブリ40は、メモリ41、ホルダ42、およびホルダカバー43を有する。
【0046】
メモリ41は、現像カートリッジ1に関する情報を記憶する記憶媒体である。メモリ41は、例えばICチップである。メモリ41には、例えば、現像カートリッジ1の仕様または寿命に関する情報が記憶される。メモリ41は、電気的接触面411を有する。電気的接触面411は、メモリ41の記憶素子と電気的に接続されている。電気的接触面411は、第1方向におけるホルダ42の一端部に位置する。本実施形態では、メモリ41が、第1方向におけるホルダ42の一端部に保持されている。ただし、メモリ41のうち、電気的接触面411のみがホルダ42に保持され、メモリ41の記憶素子は、現像カートリッジ1の他の部分に保持されていてもよい。
【0047】
ホルダカバー43は、容器11の第2外表面112に取り付けられている。ホルダ42の少なくとも一部分は、ホルダカバー43により覆われる。ホルダ42は、容器11の第2外表面112とホルダカバー43との間に位置する。ホルダ42は、筐体10およびホルダカバー43に対して、第1方向、第2方向、および第3方向に移動可能である。したがって、メモリ41の電気的接触面411も、筐体10およびホルダカバー43に対して、第1方向、第2方向、および第3方向に移動可能である。
【0048】
<2-5.離間部材>
4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、画像形成装置100に装着された状態において、画像形成装置100は、各現像カートリッジ1に対して、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光ドラム91に対して現像ローラ20を、感光ドラム91に接触する接触位置から、感光ドラム91から離れる離間位置へ、移動させる動作である。画像形成装置100は、4つの現像カートリッジ1のうち、画像形成に使用しない色のトナーに対応する現像カートリッジ1に対して、離間動作を行う。これにより、使用しない現像カートリッジ1の現像ローラ20を、感光ドラム91から離れた状態とする。
【0049】
離間部材50は、現像ローラ20を、上述した接触位置と離間位置との間で切り替えるための部品である。つまり、現像カートリッジ1は、離間部材50によって、現像ローラ20が接触位置にある状態から、現像ローラ20が離間位置にある状態へ、切り替わる。離間部材50は、第3方向における筐体10の一端部と他端部との間に位置する。
【0050】
図2および
図3に示すように、離間部材50は、第1カム51、第2カム52、および離間シャフト53を有する。離間部材50は、例えば樹脂製である。具体的には、第1カム51、第2カム52、および離間シャフト53が、樹脂により一体に成型される。ただし、第1カム51、第2カム52、および離間シャフト53は、互いに別部品であってもよい。その場合、第1カム51および第2カム52のみを樹脂製とし、離間シャフト53は金属製としてもよい。
【0051】
図2および
図3に示すように、現像カートリッジ1は、第1貫通孔13、第2貫通孔14、およびガイド溝15を有する。ガイド溝15は、筐体10の外表面に位置する。第1貫通孔13は、第2方向における現像カートリッジ1の一端部に位置する。第1貫通孔13は、第2方向に延びる孔である。第2貫通孔14は、第2方向における現像カートリッジ1の他端部に位置する。第2貫通孔14は、第2方向に延びる孔である。ガイド溝15は、第2方向において、第1貫通孔13と第2貫通孔14との間に位置する。ガイド溝15は、筐体10の外表面において、第2方向に延びる。
【0052】
離間シャフト53は、ガイド溝15の中に配置される。離間シャフト53は、ガイド溝15に沿って、第2方向に延びる。第2方向における離間シャフト53の一端部は、第1貫通孔13に挿入される。これにより、第2方向における離間シャフト53の一端部が、筐体10に支持される。第2方向における離間シャフト53の他端部は、第2貫通孔14に挿入される。これにより、第2方向における離間シャフト53の他端部が、筐体10に支持される。
【0053】
第1カム51は、第2方向における離間部材50の一端部に位置する。第1カム51は、第1傾斜面511および押圧受け面512を有する。第1傾斜面511は、離間シャフト53を中心とする周面の一部である。第1傾斜面511は、第2方向に対して傾斜する。より具体的には、第1傾斜面511は、第2方向において離間部材50の他端部へ近づくにつれて、第3方向において現像ローラ20から離れるように、傾斜する。押圧受け面512は、第2方向における第1カム51の一端に位置する。押圧受け面512は、第2方向に対して交差する面である。
【0054】
第2カム52は、第2方向における離間部材50の他端部に位置する。第2カム52は、第2傾斜面521を有する。第2傾斜面521は、離間シャフト53を中心とする周面の一部である。第2傾斜面521は、第2方向に対して傾斜する。より具体的には、第2傾斜面521は、第2方向において離間部材50の他端部へ近づくにつれて、第3方向において現像ローラ20から離れるように、傾斜する。
【0055】
離間部材50は、第2方向において、待機位置と押圧位置との間で、筐体10および現像ローラ20に対して移動可能である。押圧位置は、待機位置よりも、離間部材50の他端部側の位置である。したがって、待機位置から押圧位置への移動は、第1カム51から第2カム52へ向かう方向の移動である。
【0056】
また、現像カートリッジ1は、離間部材50を付勢するバネを有する。バネは、第2方向に伸縮可能である。バネは、容器11の第1外表面111と第1カム51との間に、自然長よりも第2方向に縮んだ状態で配置される。このため、バネの弾性力により、離間部材50は、押圧位置から待機位置へ向けて付勢される。したがって、離間部材50は、外力を受けていない状態では、待機位置に配置される。
【0057】
4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、画像形成装置100に装着された状態において、画像形成装置100は、離間動作を行う場合、第1カム51を、第2カム52へ向けて第2方向に押圧する。具体的には、画像形成装置100は、第1カム51の押圧受け面512に、第2方向の押圧力を与える。そうすると、その押圧力によってバネが縮み、筐体10に対して離間部材50が、待機位置から押圧位置へ移動する。
【0058】
離間部材50が待機位値から押圧位置へ移動する過程において、第1カム51の第1傾斜面511は、ドラムフレーム92に接触しつつ、第2方向に移動する。このとき、第1カム51は、ドラムフレーム92から受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、第3方向に移動する。より具体的には、第1カム51は、ドラムフレーム92から受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、感光ドラム91から離れる向きに移動する。
【0059】
同様に、離間部材50が待機位値から押圧位置へ移動する過程において、第2カム52の第2傾斜面521は、ドラムフレーム92に接触しつつ、第2方向に移動する。このとき、第2カム52は、ドラムフレーム92から受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、第3方向に移動する。より具体的には、第2カム52は、ドラムフレーム92から受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、感光ドラム91から離れる向きに移動する。
【0060】
これにより、筐体10および現像ローラ20は、離間部材50とともに、ドラムユニット2に対して、第3方向に移動する。より具体的には、筐体10および現像ローラ20は、ドラムユニット2に対して、感光ドラム91から離れる向きに移動する。その結果、現像ローラ20が、感光ドラム91に接触する接触位置から、感光ドラム91から離れる離間位置へ、第3方向に移動する。
【0061】
<3.ドラムユニットの構成>
図6は、ドラムユニット2の斜視図である。
図7は、ドラムユニット2を第2方向に視た図である。
図8は、ドラムユニット2を、第2方向に対して垂直な面で切断した断面図である。
図6~
図8に示すように、ドラムユニット2は、4つの感光ドラム91、ドラムフレーム92、4つのレバー93、および4つの付勢部材94を有する。
【0062】
<3-1.感光ドラム>
感光ドラム91は、第3方向におけるドラムユニット2の一端部に位置する。感光ドラム91は、第2方向に延びるドラム軸を中心とする円筒状の外周面を有する。感光ドラム91の外周面は、感光材料に覆われている。
【0063】
4つの感光ドラム91は、一例として、第1方向において、イエローのトナーに対応する感光ドラム91、マゼンダのトナーに対応する感光ドラム91、シアンのトナーに対応する感光ドラム91、ブラックのトナーに対応する感光ドラム91の順に配列されている。
【0064】
イエローのトナーに対応する感光ドラム91とマゼンダのトナーに対応する感光ドラム91は、第1方向に間隔をあけて配列されている。マゼンダのトナーに対応する感光ドラム91とシアンのトナーに対応する感光ドラム91は、第1方向に間隔をあけて配列されている。シアンのトナーに対応する感光ドラム91とブラックのトナーに対応する感光ドラム91は、第1方向に間隔をあけて配列されている。
【0065】
<3-2.ドラムフレーム>
ドラムフレーム92は、4つの感光ドラム91を、ドラム軸について回転可能に支持する。ドラムフレーム92は、第1サイドフレーム921、第2サイドフレーム922、および接続フレーム923を有する。第1サイドフレーム921は、第2方向におけるドラムフレーム92の一端部に位置する。第2サイドフレーム922は、第2方向におけるドラムフレーム92の他端部に位置する。第1サイドフレーム921と第2サイドフレーム922とは、第2方向に互いに離れている。接続フレーム923は、第1サイドフレーム921と第2サイドフレーム922とを、第2方向に接続する。
【0066】
4つの現像カートリッジ1は、ドラムフレーム92に装着される。ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、筐体10は、第2方向において、第1サイドフレーム921と第2サイドフレーム922との間に位置する。また、ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、現像ローラ20と感光ドラム91とは、第3方向に接触する。より具体的には、現像ローラ20の外周面と、感光ドラム91の外周面とが、第3方向に接触する。これにより、現像ローラ20の外周面に担持されたトナーが、感光ドラム91へ供給可能となる。
【0067】
図8に示すように、ドラムフレーム92は、第1凹部924を有する。また、
図6に示すように、ドラムフレーム92は、第2凹部925を有する。第1凹部924および第2凹部925は、接続フレーム923に設けられている。第1凹部924は、第2方向における接続フレーム923の一端部に位置する。第2凹部925は、第2方向における接続フレーム923の他端部に位置する。ただし、第1凹部924は、第1サイドフレーム921に設けられていてもよい。また、第2凹部925は、第2サイドフレーム922に設けられていてもよい。第1凹部924および第2凹部925は、第3方向において、感光ドラム91へ向けて凹む。
【0068】
また、ドラムユニット2は、図示を省略した電気端子を有する。電気端子は、第2サイドフレーム922に取り付けられている。ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、メモリ41の電気的接触面411は、電気端子に接触する。これにより、メモリ41と電気端子とが、電気的に接続される。また、現像カートリッジ1が装着されたドラムフレーム92が、本体フレーム101に装着された状態において、電気端子は、画像形成装置100の制御部と、電気的に接続される。これにより、画像形成装置100の制御部は、メモリ41からの情報の読み出しおよびメモリ41への情報の書き込みの少なくともいずれか一方を行うことが可能となる。
【0069】
<3-3.レバーおよび付勢部材>
レバー93および付勢部材94は、ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、ドラムフレーム92に対する現像カートリッジ1の移動を抑制するための部品である。レバー93および付勢部材94は、第2方向におけるドラムフレーム92の一端部に位置する。より具体的には、レバー93および付勢部材94は、第1サイドフレーム921に取り付けられる。
【0070】
図9は、ドラムユニット2の部分斜視図である。
図10は、ドラムユニット2の部分分解斜視図である。
図9および
図10に示すように、レバー93は、第1端部931と、第2端部932と、レバーシャフト933とを有する。レバーシャフト933は、第1端部931から第2方向に延びる。レバーシャフト933は、第2方向に延びる回動軸Aを中心とする円柱状である。第2端部932は、第1端部931よりも、回動軸Aに対してレバーシャフト933の径方向外側に位置する。径方向における第2端部932と回動軸Aとの間の距離は、径方向における第1端部931と回動軸Aとの間の距離よりも長い。
【0071】
第1サイドフレーム921は、軸受926を有する。軸受926は、回動軸Aを中心とする円形の孔である。レバーシャフト933は、軸受926に挿入される。これにより、第1サイドフレーム921に対してレバー93が、回動軸Aについて回動可能に支持される。すなわち、レバー93の第1端部931に対して第2端部932が、回動軸Aについて回動する。
【0072】
また、レバー93は、第1ストッパ934および第2ストッパ935を有する。第1ストッパ934と第2ストッパ935とは、回動軸Aを中心とするレバーシャフト933の周方向に並んでいる。レバー93は、第1ストッパ934が第1サイドフレーム921に接触する第1レバー位置と、第2ストッパ935が第1サイドフレーム921に接触する第2レバー位置との間で、レバーシャフト933について回動する。
【0073】
付勢部材94は、レバー93を、第2レバー位置から第1レバー位置へ向けて付勢するための部品である。付勢部材94は、例えばバネである。付勢部材94は、一端941と他端942とを有する。一端941は、第1サイドフレーム921に接触する。他端942は、レバー93の第2端部932に接触する。第1方向における一端941と他端942の距離は、第1方向に伸縮可能である。
【0074】
本実施形態では、付勢部材94として、ねじりコイルばねが使用されている。付勢部材94は、螺旋状のコイル部940と、第1アーム943と、第2アーム944とを有する。コイル部940には、レバーシャフト933が挿入される。第1アーム943および第2アーム944は、それぞれ、コイル部940からレバーシャフト933の径方向外側へ延びる。第1アーム943の先端は、上述した付勢部材94の一端941である。第2アーム944の先端は、上述した付勢部材94の他端942である。
【0075】
付勢部材94の一端941と他端942の間の第1方向における距離は、自然状態よりも縮んでいる。このため、付勢部材94は、その弾性力により、第1サイドフレーム921に対してレバー93を、常に第2レバー位置から第1レバー位置へ向けて付勢する。
【0076】
<4.ドラムユニットへの現像カートリッジの装着>
続いて、ドラムユニット2に現像カートリッジ1が装着されるときの動作について、説明する。
図11~
図13は、ドラムユニット2に現像カートリッジ1が装着されるときの様子を示した図である。
図11~
図13は、レバー93を含み、かつ、第2方向に対して垂直な断面を示している。
【0077】
図11に示すように、現像カートリッジ1は、ドラムユニット2の感光ドラム91へ向けて移動する。
図11の状態では、レバー93は、付勢部材94により、第1レバー位置に配置されている。この状態で、カップリング31は、レバー93を通過する。すなわち、レバー93が第1レバー位置に配置された状態で、カップリング31は、レバー93よりも感光ドラム91から離れた位置から、レバー93よりも感光ドラム91に近い位置へ移動する。
【0078】
レバー93の第2端部932は、ガイド面936を有する。ガイド面936は、第2端部932の表面のうち、第3方向において、感光ドラム91とは反対側を向く面である。ガイド面936は、現像カートリッジ1の装着方向において、感光ドラム91へ近づくにつれて、第1方向において感光ドラム91から離れる向きに傾斜する。
【0079】
カップリング31がレバー93よりも感光ドラム91の近くへ移動した後、
図12のように、現像カートリッジ1の凸部121が、レバー93のガイド面936に接触する。凸部121は、レバー93を第3方向に押圧する。これにより、レバー93が、回動軸Aについて、第1レバー位置から第2レバー位置へ回動する。
【0080】
図12のように、凸部121がレバー93に接触し、かつ、レバー93が第2レバー位置に位置するときの、ドラムフレーム92に対する現像カートリッジ1の位置を、以下では「第3位置」と称する。現像カートリッジ1が第3位置に位置する場合、第1カラー23は、第1凹部924の外に位置する。また、現像カートリッジ1が第3位置に位置する場合、第2カラー24は、第2凹部925の外に位置する。この状態から、現像カートリッジ1の凸部121が、レバー93のガイド面936に沿って、レバー93の第1端部931へ向けて移動する。
【0081】
凸部121が、レバー93のガイド面936に沿ってレバー93の第1端部931へ向けて移動することにより、ドラムフレーム92に対して現像カートリッジ1が回動する。そして、第1カラー23が第1凹部924に挿入され、第2カラー24が第2凹部925に挿入される。また、レバー93は、付勢部材94の付勢力により、第2レバー位置から第1レバー位置へ回動する。このように、凸部121がレバー93に接触し、かつ、レバー93が第1レバー位置に位置するときの、ドラムフレーム92に対する現像カートリッジ1の位置を、以下では「第2位置」と称する。
【0082】
その後、ドラムフレーム92に対して現像カートリッジ1をさらに回動させると、
図13のように、現像カートリッジ1の凸部121が、レバー93から離れる。具体的には、凸部121が、レバー93から第1方向に離れる。このように、凸部121とレバー93とが、第1方向に間隔を空けて向かい合うときの、ドラムフレーム92に対する現像カートリッジ1の位置を、以下では「第1位置」と称する。
【0083】
すなわち、現像カートリッジ1は、ドラムユニット2が装着される過程において、第3位置から第2位置を経て第1位置へ、ドラムフレーム92に対して回動する。そして、現像カートリッジ1が第1位置に配置されることにより、レバー93は、現像カートリッジ1の一部分である凸部121と、第1方向に間隔をあけて向かい合う。
【0084】
ドラムユニット2は、図示を省略した押圧機構を有する。押圧機構は、ばねを有する。押圧機構は、第1位置に配置された現像カートリッジ1の筐体10を、感光ドラム91へ向けて第3方向に押圧する。これにより、現像ローラ20が、感光ドラム91に押し付けられる。
【0085】
<5.本体フレームに対するドラムユニットの着脱>
現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、本体フレーム101に装着されるとき、または、現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、本体フレーム101から取り出されるとき、ドラムユニット2は、本体フレーム101に対して第1方向に移動する。
【0086】
このとき、ドラムユニット2に装着された現像カートリッジ1に、第1方向の慣性力が加わる。これにより、現像カートリッジ1が、上述した第1位置から第2位置へ、ドラムフレーム92に対して回動する場合がある。しかしながら、現像カートリッジ1が第1位置から第2位置へ回動すると、凸部121がレバー93に接触する。より具体的には、第1レバー位置にあるレバー93の第2端部932に、凸部121が接触する。そうすると、付勢部材94の付勢力により、レバー93は、凸部121を押し返す。これにより、現像カートリッジ1が、第2位置から第1位置へ戻る。
【0087】
このように、ドラムユニット2は、ドラムフレーム92に対して現像カートリッジ1が第1位置から第2位置へ回動することを、レバー93により抑制する。このため、本体フレーム101に対してドラムユニット2を第1方向に移動させるときの慣性力で、ドラムユニット2から現像カートリッジ1が外れることを抑制できる。
【0088】
また、現像カートリッジ1が第1位置に位置する状態では、レバー93は、凸部121に接触しない。このため、現像カートリッジ1が第1位置に位置する状態では、現像カートリッジ1は、レバー93から外力を受けない。
【0089】
<6.ドラムユニットからの現像カートリッジの取り外し>
ドラムユニット2から現像カートリッジ1が取り外される際、現像カートリッジ1は、まず、
図13の第1位置から第2位置へ回動する。そして、現像カートリッジ1は、さらに、第2位置から付勢部材94の付勢力に抗して、
図12の第3位置まで回動する。これにより、第1カラー23が第1凹部924内から第1凹部924の外へ移動し、第2カラー24が第2凹部925内から第2凹部925の外へ移動する。また、レバー93が、回動軸Aについて、第1レバー位置から第2レバー位置へ回動する。
【0090】
その後、現像カートリッジ1は、
図12の状態から
図11の状態へ、感光ドラム91から離れる向きに移動する。このとき、レバー93から凸部121が離れるため、レバー93は、付勢部材94の付勢力により、第2レバー位置から第1レバー位置へ回動する。
【0091】
<7.離間動作>
図14は、上述した離間部材50により離間動作を行ったときの様子を示した図である。
図14は、レバー93を含み、かつ、第2方向に対して垂直な断面を示している。
【0092】
ドラムフレーム92に現像カートリッジ1が装着された状態において、レバー93は、第3方向において、感光ドラム91と凸部121との間に位置する。このため、
図14のように、離間動作を行うときに、凸部121は、レバー93に妨げられることなく、第3方向において、感光ドラム91から離れる向きに移動することができる。
【0093】
<8.変形例>
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0094】
上記の実施形態では、レバー93は、回動軸Aについて回動するものであった。しかしながら、レバー93は、ドラムフレーム92に対して、回動することなく、移動するものであってもよい。例えば、レバー93は、ドラムフレーム92に対して、直線的に移動するものであってもよい。レバー93は、付勢部材94の付勢力により、現像カートリッジ1を第2位置から第1位置へ移動させることができればよい。
【0095】
上記の実施形態では、ドラムユニット2に装着可能な現像カートリッジ1の数が、4つであった。しかしながら、ドラムユニット2に装着可能な現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0096】
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせたり、一部を削除したりしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 現像カートリッジ
2 ドラムユニット
10 筐体
20 現像ローラ
23 第1カラー
24 第2カラー
30 ギア部
40 メモリアセンブリ
50 離間部材
91 感光ドラム
92 ドラムフレーム
93 レバー
94 付勢部材
100 画像形成装置
121 凸部
924 第1凹部
925 第2凹部
936 ガイド面