(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146966
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ドラムユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G03G21/16 171
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059698
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】桐山 翼
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 道雄
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA09
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA39
2H171JA02
2H171JA23
2H171JA31
2H171JA48
2H171KA05
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171QA04
2H171QA08
2H171QC22
2H171UA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドラムフレームに対して軸受部材を精度良く位置決めできるドラムユニットを提供する。
【解決手段】ドラムユニットは、第1方向に延びる感光体ドラムと、感光体ドラムの第1方向における一端部に取り付けられる軸受部材60と、軸受部材60が挿入される第1貫通孔313を有するドラムフレームとを備える。軸受部材60は、感光体ドラムの外周面の一部を覆うドラム軸受部62と、他の一部を覆うフラップ63と、ドラム軸受部62の外周面から径方向外側に向かって突出する第1リブ64とを有する。フラップ63は、感光体ドラムの周方向においてドラム軸受部62と間隔を空けて位置し、感光体ドラムの径方向である第2方向において感光体ドラムの一端部に接触し、感光体ドラムをドラム軸受部62に向かって第2方向の一方に付勢する。第1リブ64は、軸受部材60をドラムフレームに対して付勢する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの前記第1方向における一端部に取り付けられる軸受部材と、
前記第1方向に貫通し、前記軸受部材が挿入される貫通孔を有するドラムフレームと、
を備え、
前記軸受部材は、
前記感光体ドラムの外周面の一部を覆うドラム軸受部と、
前記感光体ドラムの周方向において前記ドラム軸受部と間隔を空けて位置し、前記感光体ドラムの前記外周面の他の一部を覆うフラップであって、前記感光体ドラムの径方向である第2方向において前記感光体ドラムの前記一端部に接触し、前記感光体ドラムを前記ドラム軸受部に向かって前記第2方向の一方に付勢するフラップと、
前記ドラム軸受部の外周面から前記径方向外側に向かって突出する第1リブであって、前記軸受部材を前記ドラムフレームに対して付勢する第1リブと、
を有することを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項2】
前記第1リブは、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項3】
前記第1リブは、
前記ドラム軸受部の前記外周面から前記径方向外側へ延びる基端部と、
前記基端部の先端から前記第2方向に延びる先端部であって、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触する先端部と、
を有することを特徴とする、請求項2に記載のドラムユニット。
【請求項4】
前記先端部は、前記基端部から前記第2方向における他方に延び、前記第2方向の他方の端部が前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする、請求項3に記載のドラムユニット。
【請求項5】
前記第1リブは、弾性を有することを特徴とする、請求項2に記載のドラムユニット。
【請求項6】
前記貫通孔は、
前記ドラム軸受部の外周面および前記フラップの外周面と対向する内周面を有する孔本体部と、
前記孔本体部から前記径方向外側へ凹む凹部と、
を有し、
前記第1リブは、前記凹部内に位置することを特徴とする、請求項3に記載のドラムユニット。
【請求項7】
前記貫通孔の内周面は、互いに異なる方向に延びる第1平面および第2平面を含み、
前記第1平面および前記第2平面はそれぞれ、前記ドラム軸受部の外周面と向かい合い、かつ、前記ドラム軸受部の外周面と接触することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項8】
前記フラップは、前記感光体ドラムの前記第1方向における他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、
前記ドラム軸受部は、前記感光体ドラムの前記他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、
前記ドラム軸受部の前記一端は、前記第1方向において前記感光体ドラムの前記他端部と前記フラップの前記一端との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項9】
前記フラップは、前記感光体ドラムの前記第1方向における他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、
前記ドラムフレームは、前記貫通孔の周りに位置し、前記第1方向に交差する方向に拡がる平面を有し、
前記ドラムフレームの前記平面は、前記第1方向において前記感光体ドラムの前記他端部と前記フラップの前記一端との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項10】
前記軸受部材は、
前記ドラム軸受部の外周面から前記径方向外側に向かって突出する第2リブであって、前記第1リブとともに前記軸受部材を前記ドラムフレームに対して付勢する第2リブ
をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項11】
前記フラップは、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向において前記第1リブと前記第2リブとの間に位置することを特徴とする、請求項10に記載のドラムユニット。
【請求項12】
前記第1リブおよび前記第2リブは、前記軸受部材を前記ドラムフレームに向かって前記第2方向における一方に付勢することを特徴とする、請求項11に記載のドラムユニット。
【請求項13】
前記第2リブは、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする、請求項10に記載のドラムユニット。
【請求項14】
前記第2リブは、
前記ドラム軸受部の前記外周面から前記径方向外側へ延びる基端部と、
前記基端部の先端から前記第2方向に延びる先端部であって、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触する先端部と、
を有することを特徴とする、請求項13に記載のドラムユニット。
【請求項15】
前記先端部は、前記基端部から前記第2方向における他方に延び、前記第2方向の他方の端部が前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする、請求項14に記載のドラムユニット。
【請求項16】
前記第2リブは、弾性を有することを特徴とする、請求項13に記載のドラムユニット。
【請求項17】
前記第1方向に沿って延び、前記感光体ドラムの外周面と接触するクリーニングローラ
をさらに備え、
前記軸受部材は、
前記クリーニングローラの前記第1方向における一端部を支持する円筒状のクリーニングローラ軸受部
をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項18】
前記第1方向は、前記第2方向と直交することを特徴とする、請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載のドラムユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドラムユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザープリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、例えば、現像剤を供給するための現像ローラを有する現像カートリッジと、感光体ドラムを有するドラムユニットとを有する。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の画像形成装置は、感光体ドラムを有する感光体カートリッジ(ドラムユニット)を有する。現像カートリッジは、感光体カートリッジに対して装着される。感光体カートリッジに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。
【0003】
このように、感光体ドラムと現像ローラとを接触させる構成において、感光体ドラムと現像ローラとの相対的な位置を精度良く決める必要がある。そのためには、ドラムユニットにおける感光体ドラムの位置を精度良く決める必要がある。
【0004】
特許文献1には、感光体ドラムの軸方向両端部にフランジ部材を固定し、そのフランジ部材をドラムフレームに形成された貫通孔に固定された軸受部材に対して相対回転可能に取り付ける構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像形成装置では、軸受部材が、所定の押圧方向にフランジ部材を押圧する押圧部材を有することによって、軸受部材と感光体ドラムとの押圧方向における位置決めを行っている。
【0007】
より精度の高い位置決めを行うためには、ドラムフレームに対する軸受部材の位置決め精度を向上させる必要がある。
【0008】
本開示の目的は、ドラムフレームに対して軸受部材を精度良く位置決めできるドラムユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1開示は、第1方向に延びる第1軸について回転可能な感光体ドラムと、前記感光体ドラムの前記第1方向における一端部に取り付けられる軸受部材と、前記第1方向に貫通し、前記軸受部材が挿入される貫通孔を有するドラムフレームと、を備え、前記軸受部材は、前記感光体ドラムの外周面の一部を覆うドラム軸受部と、前記感光体ドラムの周方向において前記ドラム軸受部と間隔を空けて位置し、前記感光体ドラムの前記外周面の他の一部を覆うフラップであって、前記感光体ドラムの径方向である第2方向において前記感光体ドラムの前記一端部に接触し、前記感光体ドラムを前記ドラム軸受部に向かって前記第2方向の一方に付勢するフラップと、前記ドラム軸受部の外周面から前記径方向外側に向かって突出する第1リブであって、前記軸受部材を前記ドラムフレームに対して付勢する第1リブと、を有することを特徴とする、ドラムユニットである。
【0010】
本願の第2開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記第1リブは、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする。
【0011】
本願の第3開示は、第2開示のドラムユニットであって、前記第1リブは、前記ドラム軸受部の前記外周面から前記径方向外側へ延びる基端部と、前記基端部の先端から前記第2方向に延びる先端部であって、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触する先端部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本願の第4開示は、第3開示のドラムユニットであって、前記先端部は、前記基端部から前記第2方向における他方に延び、前記第2方向の他方の端部が前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする。
【0013】
本願の第5開示は、第2開示のドラムユニットであって、前記第1リブは、弾性を有することを特徴とする。
【0014】
本願の第6開示は、第3開示のドラムユニットであって、前記貫通孔は、前記ドラム軸受部の外周面および前記フラップの外周面と対向する内周面を有する孔本体部と、前記孔本体部から前記径方向外側へ凹む凹部と、を有し、前記第1リブは、前記凹部内に位置することを特徴とする。
【0015】
本願の第7開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記貫通孔の内周面は、互いに異なる方向に延びる第1平面および第2平面を含み、前記第1平面および前記第2平面はそれぞれ、前記ドラム軸受部の外周面と向かい合い、かつ、前記ドラム軸受部の外周面と接触することを特徴とする。
【0016】
本願の第8開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記フラップは、前記感光体ドラムの前記第1方向における他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、前記ドラム軸受部は、前記感光体ドラムの前記他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、前記ドラム軸受部の前記一端は、前記第1方向において前記感光体ドラムの前記他端部と前記フラップの前記一端との間に位置することを特徴とする。
【0017】
本願の第9開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記フラップは、前記感光体ドラムの前記第1方向における他端部から前記第1方向において最も離れた一端を有し、前記ドラムフレームは、前記貫通孔の周りに位置し、前記第1方向に交差する方向に拡がる平面を有し、前記ドラムフレームの前記平面は、前記第1方向において前記感光体ドラムの前記他端部と前記フラップの前記一端との間に位置することを特徴とする。
【0018】
本願の第10開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記軸受部材は、前記ドラム軸受部の外周面から前記径方向外側に向かって突出する第2リブであって、前記第1リブとともに前記軸受部材を前記ドラムフレームに対して付勢する第2リブをさらに有することを特徴とする。
【0019】
本願の第11開示は、第10開示のドラムユニットであって、前記フラップは、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向において前記第1リブと前記第2リブとの間に位置することを特徴とする。
【0020】
本願の第12開示は、第11開示のドラムユニットであって、前記第1リブおよび前記第2リブは、前記軸受部材を前記ドラムフレームに向かって前記第2方向における一方に付勢することを特徴とする。
【0021】
本願の第13開示は、第10開示のドラムユニットであって、前記第2リブは、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする。
【0022】
本願の第14開示は、第13開示のドラムユニットであって、前記第2リブは、前記ドラム軸受部の前記外周面から前記径方向外側へ延びる基端部と、前記基端部の先端から前記第2方向に延びる先端部であって、前記貫通孔の内周面と前記第2方向に向かい合い、かつ、前記貫通孔の内周面と接触する先端部と、を有することを特徴とする。
【0023】
本願の第15開示は、第14開示のドラムユニットであって、前記先端部は、前記基端部から前記第2方向における他方に延び、前記第2方向の他方の端部が前記貫通孔の内周面と接触することを特徴とする。
【0024】
本願の第16開示は、第13開示のドラムユニットであって、前記第2リブは、弾性を有することを特徴とする。
【0025】
本願の第17開示は、第1開示のドラムユニットであって、前記第1方向に沿って延び、前記感光体ドラムの外周面と接触するクリーニングローラをさらに備え、前記軸受部材は、前記クリーニングローラの前記第1方向における一端部を支持する円筒状のクリーニングローラ軸受部をさらに有することを特徴とする。
【0026】
本願の第18開示は、第1開示ないし請求項17のいずれか一開示のドラムユニットであって、前記第1方向は、前記第2方向と直交することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
第1開示~第18開示によれば、第1リブによって、ドラムフレームの有する貫通孔に対して、軸受部材の位置決めができる。
【0028】
また、第3開示によれば、ドラム軸受部の外周面のどの位置から第1リブが延びても、先端部を第2方向にフレームと向かい合って接触させることができる。すなわち、設計自由度を高くできる。
【0029】
また、第6開示によれば、設計自由度をさらに高くできる。
【0030】
また、第7開示によれば、円筒面同士で位置決めする場合と比べて、位置決め精度を向上できる。
【0031】
また、第8開示によれば、フラップの基端部がドラム軸受部の基端部よりも第1方向の一方に配置されることにより、フラップの第1方向の長さを長くして、フラップの第2方向の変形量を大きくできる。
【0032】
第10開示~第16開示によれば、第2リブによって、ドラムフレームの有する貫通孔に対して、軸受部材の位置決めをより正確にできる。
【0033】
また、第14開示によれば、ドラム軸受部の外周面のどの位置から第1リブが延びても、先端部を第2方向にフレームと向かい合って接触させることができる。すなわち、設計自由度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図3】ドラムフレームの側板、感光体ドラム、クリーニングローラおよび軸受部材の斜視図である。
【
図4】ドラムフレームの側板、感光体ドラム、クリーニングローラおよび軸受部材の部分分解斜視図である。
【
図6】ドラムユニットの第1方向に直交する断面図である。
【
図7】ドラムユニットの第1方向に沿う方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
なお、以下の説明では、感光体ドラムが延びる方向を「第1方向」と称する。また、感光体ドラムの径方向であって、感光体ドラムの中心軸とフラップとが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差する。より好ましくは、第1方向と第2方向とは、互いに直交する。
【0037】
<1.画像形成装置について>
図1は、画像形成装置100の概略図である。画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置100の例としては、レーザープリンタまたはLEDプリンタが挙げられる。
【0038】
図1に示すように、画像形成装置100は、ドラムユニット1と、4つの現像カートリッジ2と、制御部10とを備える。4つの現像カートリッジ2は、ドラムユニット1にそれぞれ装着される。また、4つの現像カートリッジ2が装着されたドラムユニット1は、画像形成装置100に装着される。
【0039】
図2は、ドラユニット1の斜視図である。
図2に示すように、ドラムユニット1は、ドラムフレーム30と、4つの感光体ドラム40とを有する。
【0040】
ドラムフレーム30は、4つの感光体ドラム40のそれぞれを保持する。ドラムフレーム30は、第1フレーム31および第2フレーム32を有する。
【0041】
第1フレーム31および第2フレーム32は、第1方向において互いに向かい合う。また、第1フレーム31および第2フレーム32は、それぞれ、第1方向に対して垂直に拡がる。第1フレーム31は、4つの感光体ドラム40の第1方向における一端部を回転可能に保持する。第2フレーム32は、4つの感光体ドラム40の第1方向における他端部を回転可能に保持する。
【0042】
4つの感光体ドラム40は、第1方向と直交する方向に並ぶ。隣り合う2つの感光体ドラム40は、互いに間隔をあけて位置する。なお、本実施形態では、4つの感光体ドラム40は、等間隔に位置する。
【0043】
感光体ドラム40は、第1方向に延びる第1軸91について回転可能である。感光体ドラム40は、第1軸91を中心とする円筒状の外周面を有する。感光体ドラム40の外周面は、感光材料に覆われている。
【0044】
4つの現像カートリッジ2は、シアンの現像剤を収容する現像カートリッジ2と、マゼンタの現像剤を収容する現像カートリッジ2と、イエローの現像剤を収容する現像カートリッジ2と、ブラックの現像剤を収容する現像カートリッジ2と、を有する。制御部10は、予め記憶されたコンピュータプログラムに従って、画像形成装置100内の各部の動作を制御する。画像形成装置100は、現像カートリッジ2から供給される現像剤により、印刷用紙に画像を形成する。現像剤は、例えばトナーである。
【0045】
現像カートリッジ2は、感光体ドラム40を備えるドラムユニット1に対して着脱可能である。本実施形態では、4つの感光体ドラム40を備えるドラムユニット1に、4つの現像カートリッジ2が装着可能である。ただし、ドラムユニット1に装着可能な現像カートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。その場合、感光体ドラム40の数も、現像カートリッジ2の数と同じとなる。
【0046】
現像カートリッジ2は、現像ローラ21と、現像ローラ21に対して現像剤を供給する図示しない供給機構とを有する。供給機構は、例えば、トナー貯留部と、トナー貯留部から現像ローラ21に対してトナーを供給する供給ローラとを有する。現像ローラ21は、第1方向に延びる回転軸を中心に回転可能である。現像ローラ21は、導電性のシャフトと、シャフトの周囲を覆う円筒状のローラ本体とを有する。ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。
【0047】
現像カートリッジ2が駆動力を受けると、現像剤が現像ローラ21の外周面に供給される。その際、現像ローラ21のシャフトにはバイアス電圧がかけられているとともに、供給される現像剤は帯電されている。このため、現像ローラ21のシャフトと現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ21の外周面に、現像剤が引きつけられる。
【0048】
現像ローラ21の外周面の一部は、現像カートリッジ2の筐体から露出する。ドラムユニット1に現像カートリッジ2が装着されると、現像ローラ21の外表面が、感光体ドラム40に接触する。これにより、現像ローラ21から感光体ドラム40へと現像剤を供給できる。
【0049】
感光体ドラム40の表面は、感光体ドラム40の回転に伴って、帯電器によって一様に帯電される。その後、感光体ドラム40の表面は、LED光源やレーザ光源を有する図示しない露光部によって露光され、当該表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム40の表面に形成された静電潜像に現像ローラ21からトナーが供給され、感光体ドラム40の表面にトナー像が形成される。
【0050】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム40の表面が印刷用紙等の記録媒体に接触することにより、記録媒体上に画像が形成される。
【0051】
<2.ドラムフレームに対する感光体ドラムの取り付け>
<2-1.第1固定板、軸受部材、および感光体ドラムおよびクリーニングローラの接続箇所の構造について>
図3は、ドラムフレーム30の第1固定板312および第2固定板322に対して1組の感光体ドラム40およびクリーニングローラ50が取り付けられた様子を示した斜視図である。
図4は、第1固定板312と、感光体ドラム40およびクリーニングローラ50の第1方向における一端部付近と、軸受部材60との分解斜視図である。
図5は、軸受部材60の斜視図である。
図6は、ドラムユニット1の第1方向に直交する方向の断面図である。
図7は、ドラムユニット1の第1方向および第2方向に拡がる平面における断面図である。
【0052】
図2および
図3に示すように、第1フレーム31は、外側に露出する第1外板311と、第1外板311の内側に固定される第1固定板312とを有する。また、第2フレーム32は、外側に露出する第2外板321と、第2外板321の内側に固定される第2固定板322とを有する。第1外板311および第2外板321は、例えば、樹脂材料で形成される。また、第1固定板312および第2固定板322は、例えば、金属で形成される。
【0053】
図2ないし
図4に示すように、第1外板311、第1固定板312、第2外板321、および第2固定板322はいずれも、第1方向に交差する方向に拡がっている。本実施形態では、第1外板311、第1固定板312、第2外板321、および第2固定板322は第1方向に直交する方向に拡がる。
【0054】
図3および
図4に示すように、第1固定板312は、第1方向に貫通する第1貫通孔313、第2貫通孔314および第3貫通孔315を有する。具体的には、第1固定板312は、4つの第1貫通孔313、3つの第2貫通孔314、および4つの第3貫通孔315を有する。また、
図2に示すように、第1外板311は、4つの第1貫通孔313のそれぞれと第1方向に重なる位置に、第1方向に貫通する4つの外板貫通孔319を有する。
【0055】
感光体ドラム40およびクリーニングローラ50の第1方向における一端部は、軸受部材60を介して第1固定板312に保持される。このため、このドラムユニット1は、4組の感光体ドラム40およびクリーニングローラ50に対して、4つの軸受部材60を有する。
【0056】
軸受部材60は、第1固定板312の有する第1貫通孔313および第2貫通孔314に一部が挿入され、第1固定板312に対して固定される。また、軸受部材60は、感光体ドラム40およびクリーニングローラ50の第1方向における一端部を回転可能に支持する。
【0057】
図3および
図4に示すように、感光体ドラム40は、円筒状のドラム本体41と、第1フランジ部材42と、第1ギア43を有する。ドラム本体41の外周面は、正帯電性の感光層に覆われている。ドラム本体41は、第1方向に延びる第1軸91を中心とした円筒状である。第1フランジ部材42は、ドラム本体41の第1方向における一端部に挿入され、固定されている。
【0058】
図7に示すように、第1フランジ部材42は、第1方向において、感光体ドラム40の他端部に近い方から順に、本体挿入部421、ギア部422、および軸受挿入部423を有する。本体挿入部421はドラム本体41の第1方向における一端部に挿入される部位である。ギア部422は、その外周面が第1ギア43を構成する。
【0059】
第1ギア43は、いわゆるヘリカルギアである。第1ギア43は、ドラム本体41とともに、第1軸91について回転可能である。
図4に示すように、第1ギア43の外径は、感光体ドラム40の外周面の径よりも小さい。
【0060】
第1フランジ部材42の第1方向の一端部の端面には、画像形成装置100の本体に設けられた図示しない駆動力伝達部と嵌合する嵌合溝420が設けられている。第1フランジ部材42の嵌合溝420を有する端面は、第1固定板312の有する第1貫通孔313および第1外板311の有する外板貫通孔319を介してドラムユニット1の外側に露出している。ドラムユニット1が画像形成装置100内に装着されると、駆動力伝達部が嵌合溝420と嵌合し、駆動力伝達部から第1フランジ部材42に駆動力が伝達され、感光体ドラム40を回転駆動させることができる。第1フランジ部材42は、例えば、樹脂材料で形成される。
【0061】
本実施形態では、第1ギア43は、第1フランジ部材42と単一の部品で形成されている。ただし、第1フランジ部材42の他の部位と、第1ギア43とは、互いに別部品であってもよい。その場合、第1フランジ部材42の他の部位に対して第1ギア43が、相対回転不能に固定されていればよい。そうすれば、第1フランジ部材42に回転駆動力が入力されると、第1フランジ部材42とともに第1ギア43も、第1軸91について回転する。
【0062】
クリーニングローラ50は、感光体ドラム40の外周面をクリーニングするための部材である。クリーニングローラ50は、第1方向に延びる第2軸92について、回転可能である。
図4に示すように、クリーニングローラ50は、クリーニングローラ本体51と、第2ギア52と、オルダムカップリング53とを有する。
【0063】
クリーニングローラ本体51は、シャフト511と、ローラ本体512とを有する。シャフト511は、第2軸92に沿って延びる円柱状の部材である。シャフト511は、導電性材料で形成される。具体的には、シャフト511は、金属または導電性樹脂からなる。ローラ本体512は、弾性変形可能なゴムまたはスポンジからなる。ローラ本体512は、シャフト511に固定されている。
【0064】
シャフト511は、ローラ本体512を貫通して、第1方向に延びる。第1方向におけるシャフト511の一端部は、軸受部材60を介して、第1固定板312に回転可能に支持される。ローラ本体512の外周面は、感光体ドラム40の外周面に接触する。
【0065】
第2ギア52は、第1方向におけるシャフト511の一端部に位置する。具体的には、第2ギア52は、第1方向におけるシャフト511の一端部に、オルダムカップリング53を介して接続されている。したがって、第2ギア52は、クリーニングローラ50とともに、第2軸92について回転可能である。
【0066】
第2ギア52は、いわゆるヘリカルギアである。第2ギア52は、第1ギア43と噛み合う。したがって、第1ギア43が回転すると、第2ギア52が、第2軸92について回転する。また、第2ギア52とともにクリーニングローラ50も、第2軸について回転する。
【0067】
オルダムカップリング53は、第2ギア52とシャフト511とを接続する継手である。オルダムカップリング53は、第2ギア52とシャフト511の軸ずれを許容しつつ、第2ギア52からシャフト511へ、回転駆動力を伝達する。これにより、第1ギア43と第2ギア52の噛み合いによる反発力を低減しつつ、クリーニングローラ50を、感光体ドラム40へ向けて押圧できる。したがって、感光体ドラム40に対してクリーニングローラ50を、安定した圧力で接触させることができる。その結果、感光体ドラム40の外周面を、クリーニングローラ50により良好にクリーニングできる。
【0068】
軸受部材60は、支持部61と、ドラム軸受部62と、フラップ63と、第1リブ64と、第2リブ65と、クリーニングローラ軸受部66と、フック67と、を有する。
【0069】
支持部61は、第1固定板312に沿って拡がる。支持部61は、
図3および
図7に示すように、第1固定板312の外側の面に沿って配置される。すなわち、支持部61は、第1固定板312に対して、感光体ドラム40の第1方向の他端部よりも遠くに位置する。支持部61は、第1方向に貫通する円形の軸受貫通孔610を有する。
【0070】
ドラム軸受部62およびフラップ63は、支持部61の軸受貫通孔610の縁部からドラム本体41へ向けて、第1方向に延びる。ドラム軸受部62およびフラップ63の第1方向における一端部である基端部は、支持部61の軸受貫通孔610の縁部と接続される。ドラム軸受部62の第1方向における他端部である先端部は、ドラム軸受部62の基端部よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部の近くに位置する。また、フラップ63の先端部は、フラップ63の基端部よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部の近くに位置する。
【0071】
ドラム軸受部62は、感光体ドラム40の外周面の一部を覆う。具体的には、ドラム軸受部62は、第1フランジ部材42の軸受挿入部423の外周面の周方向の一部を覆う。なお、ドラム軸受部62は、軸受挿入部423の外周面の周方向の半分以上の部分を覆う。
【0072】
フラップ63は、感光体ドラム40の外周面の一部を覆う。具体的には、フラップ63は、第1フランジ部材42の軸受挿入部423の外周面の周方向の一部を覆う。フラップ63は、ドラム軸受部62と比べて周方向の距離が短い。フラップ63は、感光体ドラム40の周方向において、ドラム軸受部62と間隔を空けて位置する。ドラム軸受部62およびフラップ63によって、周方向に途切れた略円筒形状が形成される。ここで、
図6に示すように、感光体ドラム40の径方向であって、感光体ドラム40の中心軸である第1軸91とフラップ63とが並ぶ方向を第2方向とする。第1軸91は、フラップ63に対して第2方向の一方に位置する。
【0073】
第1リブ64は、ドラム軸受部62の外周面から感光体ドラム40の径方向外側に向かって突出する。第1リブ64は、第1方向に見てL字型である。具体的には、第1リブ64は、第1リブ基端部641と、第1リブ先端部642とを有する。第1リブ基端部641は、ドラム軸受部62の外周面から感光体ドラム40の径方向外側へ延びる。第1リブ先端部642は、第1リブ基端部641の先端から第2方向における他方に延びる。
【0074】
第2リブ65は、ドラム軸受部62の外周面から感光体ドラム40の径方向外側に向かって突出する。第2リブ65は、第1方向に見てL字型である。具体的には、第2リブ65は、第2リブ基端部651と、第2リブ先端部652とを有する。第2リブ基端部651は、ドラム軸受部62の外周面から感光体ドラム40の径方向外側へ延びる。第2リブ先端部652は、第2リブ基端部651の先端から第2方向における他方に延びる。
【0075】
図3、
図6および
図7に示すように、ドラム軸受部62、フラップ63、第1リブ64および第2リブ65は、第1固定板312の第1貫通孔313に挿入される。ここで、
図4および
図6に示すように、第1貫通孔313は、孔本体部71と、第1凹部72と、第2凹部73とを有する。
【0076】
孔本体部71には、ドラム軸受部62およびフラップ63が挿入される。孔本体部71は、ドラム軸受部62の外周面およびフラップ63の外周面と向かい合う内周面710を有する。内周面710は、平面状の第1平面711および第2平面712を有する。内周面710のその他の部分は、円筒形状の周方向の一部である。
【0077】
図4および
図6に示すように、第1凹部72は、孔本体部71から感光体ドラム40の径方向外側へ凹む。第1凹部72には、第1リブ64が挿入される。第2凹部73は、孔本体部71から感光体ドラム40の径方向外側へ凹む。第2凹部73には、第2リブ65が挿入される。
【0078】
クリーニングローラ軸受部66は、支持部61から第1方向に円筒状に延びる。クリーニングローラ軸受部66の第1方向における一端部である基端部は、支持部61と接続される。クリーニングローラ軸受部66の第1方向における他端部である先端部は、クリーニングローラ軸受部66の基端部よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部の近くに位置する。
【0079】
クリーニングローラ軸受部66は、第1固定板312の第2貫通孔314に挿入される。なお、4つの軸受部材60のうちの1つでは、クリーニングローラ軸受部66は、第2貫通孔314に挿入されるのではなく、第1固定板312に設けられた切り欠き317に嵌められる。
【0080】
第1固定板312よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部側において、クリーニングローラ軸受部66に、第2ギア52が取り付けられる。具体的には、クリーニングローラ軸受部66が、第2ギア52の内部に挿入される。これにより、第2ギア52を含むクリーニングローラ50は、クリーニングローラ軸受部66によって回転可能に支持される。
【0081】
フック67は、支持部61から第1方向に平板状に延びる。フック67の第1方向における一端部である基端部は、支持部61と接続される。フック67の第1方向における他端部である先端部は、フック67の基端部よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部の近くに位置する。フック67は、第1固定板312の第3貫通孔315に挿入される。フック67は、第3貫通孔315の縁部316に沿って配置される。
【0082】
<2-2.第1固定板に対する軸受部材の位置決めについて>
次に、第1固定板312に対する軸受部材60の位置決めについて説明する。
【0083】
図4および
図6に示すように、第1凹部72は、孔本体部71から感光体ドラム40の径方向外側へ凹む。第1凹部72には、第1リブ64が挿入される。第1リブ64の第1リブ先端部642の先端は、第1凹部72の内周面と第2方向に向かい合い、かつ、第1凹部72の内周面と接触する。すなわち、第1リブ64は、第1貫通孔313の内周面と第2方向に向かい合い、かつ、第1貫通孔313の内周面と接触する。これにより、第1リブ64は、軸受部材60をドラムフレーム30の第1固定板312に対して第2方向の一方へ付勢する。その結果、ドラムフレーム30の第1貫通孔313に対して、軸受部材60の位置決めを行うことができる。
【0084】
第1リブ64は弾性を有する。このため、第1リブ先端部642の先端が確実に第1凹部72の内周面に接触するように設計した場合であっても、第1リブ64を第1凹部72内に収容することができる。したがって、設計誤差や、部材間の膨張係数の差があった場合にも、第1リブ64による付勢力を確保することができる。本実施形態では、具体的に、第1リブ先端部642が第1リブ基端部641の基端に対して第2方向の一方へ移動するように第1リブ64が弾性変形する。軸受部材60を第1固定板312に取り付けた際、第1リブ64の第1リブ先端部642は、自然状態よりも第2方向の一方に弾性変形した状態で第1凹部72の内周面と接触する。これにより、第1リブ64が自然状態に戻ろうとする復元力が第1凹部72の内周面に作用する。第1リブ64は、この復元力の反力を第1凹部72の内周面から受け、反力によって軸受部材60がドラムフレーム30の第1固定板312に対して第2方向の一方へ付勢される。
【0085】
なお、第1リブ64は、弾性変形によって第1凹部72内に収容されてもよいが、塑性変形を伴ってもよい。その場合、第1リブ64が第1凹部72内に圧入されることにより、第1リブ先端部642の先端が第1凹部72の内周面に接触して塑性変形し、潰れる。
【0086】
第1リブ64は、ドラム軸受部62の外表面から感光体ドラム40の径方向に延びる第1リブ基端部641と、第2方向に延びる第1リブ先端部642の2つの部位によって構成される。これにより、ドラム軸受部62の外表面のどの位置から第1リブ64が延びても、第1リブ先端部642が第2方向に第1貫通孔313の内周面と接触し、軸受部材60を第2方向に付勢することができる。すなわち、第1リブ64が、第1リブ基端部641と第1リブ先端部642の2つの部位によって構成されることにより、設計自由度を高くできる。
【0087】
第2凹部73は、孔本体部71から感光体ドラム40の径方向外側へ凹む。第2凹部73には、第2リブ65が挿入される。第2リブ65の第2リブ先端部652の先端は、第2凹部73の内周面と第2方向に向かい合い、かつ、第2凹部73の内周面と接触する。すなわち、第2リブ65は、第1貫通孔313の内周面と第2方向に向かい合い、かつ、第1貫通孔313の内周面と接触する。これにより、第2リブ65は、軸受部材60をドラムフレーム30の第1固定板312に対して第2方向の一方へ付勢する。その結果、ドラムフレーム30の第1貫通孔313に対して、軸受部材60の位置決めをより正確に行うことができる。
【0088】
第2リブ65は弾性を有する。このため、第2リブ先端部652の先端が確実に第2凹部73の内周面に接触するように設計した場合であっても、第2リブ65を第2凹部73内に収容することができる。したがって、設計誤差や、部材間の膨張係数の差があった場合にも、第2リブ65による付勢力を確保することができる。本実施形態では、具体的に、第2リブ先端部652が第2リブ基端部651の基端に対して第2方向の一方へ移動するように第2リブ65が弾性変形する。軸受部材60を第1固定板312に取り付けた際、第2リブ65の第2リブ先端部652は、自然状態よりも第2方向の一方に弾性変形した状態で第2凹部73の内周面と接触する。これにより、第2リブ65が自然状態に戻ろうとする復元力が第2凹部73の内周面に作用する。第2リブ65は、この復元力の反力を第2凹部73の内周面から受け、反力によって軸受部材60がドラムフレーム30の第1固定板312に対して第2方向の一方へ付勢される。
【0089】
なお、第2リブ65は、弾性変形によって第2凹部73内に収容されてもよいが、塑性変形を伴ってもよい。その場合、第2リブ65が第2凹部73内に圧入されることにより、第2リブ先端部652の先端が第2凹部73の内周面に接触して塑性変形し、潰れる。
【0090】
第2リブ65は、ドラム軸受部62の外表面から感光体ドラム40の径方向に延びる第2リブ基端部651と、第2方向に延びる第2リブ先端部652の2つの部位によって構成される。これにより、ドラム軸受部62の外表面のどの位置から第2リブ65が延びても、第2リブ先端部652が第2方向に第1貫通孔313の内周面と接触し、軸受部材60を第2方向に付勢することができる。すなわち、第2リブ65が、第2リブ基端部651と第2リブ先端部652の2つの部位によって構成されることにより、設計自由度を高くできる。
【0091】
また、第1貫通孔313は、孔本体部71から突出する第1凹部72および第2凹部73を有する。そして、第1リブ64が第1凹部72内に位置する。これにより、第1リブ64の第1リブ先端部642の先端と第1凹部72の内周面とが、第2方向に向かい合い、かつ、接触する。また、第2リブ65が第2凹部73内に位置する。これにより、第2リブ65の第2リブ先端部652の先端と第2凹部73の内周面とが、第2方向に向かい合い、かつ、接触する。第1凹部72および第2凹部73を設けることにより、第1貫通孔313の内周面と第1リブ64および第2リブ65とが第2方向に向かい合うように設計しやすい。すなわち、第1凹部72および第2凹部73を設けることにより、第1固定板312と軸受部材60との位置決めを行うための設計自由度を高くできる。
【0092】
図6に示すように、感光体ドラム40の周方向において、第1リブ64と第2リブ65とは、フラップ63を挟んで位置する。すなわち、フラップ63は、第1方向および第2方向と交差する第3方向において、第1リブ64と第2リブ65との間に位置する。なお、本実施形態では、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。
【0093】
これにより、感光体ドラム40と軸受部材60との第2方向の位置決めを行うフラップ63に対して、第2方向と直交する第3方向の両側において、第1リブ64および第2リブ65が、ドラムフレーム30の第1固定板312に対する軸受部材60の第2方向の位置決めを行う。これにより、軸受部材60を介して、ドラムフレーム30に対する感光体ドラム40の第2方向の位置決めをより正確に行うことができる。
【0094】
また、本実施形態では、第1リブ64と第2リブ65とは、感光体ドラム40の周方向において、180°離れて配置される。これにより、位置決めを行う第1リブ64の第1リブ先端部642と第2リブ65の第2リブ先端部652との第3方向の距離を大きくできる。これにより、ドラムフレーム30の第1固定板312に対する軸受部材60の第2方向に対する傾きやずれが生じにくく、安定する。したがって、ドラムフレーム30に対する軸受部材60の第2方向の位置決めをより正確に行うことができる。
【0095】
図6に示すように、第1平面711および第2平面712は、第1凹部72および第2凹部73よりも第2方向の一方に位置する。ここで、第1平面711の法線ベクトル方向を第4方向、第2平面712の法線ベクトル方向を第5方向と称する。第4方向および第5方向はいずれも、第1方向と交差し、かつ、第2方向と交差する。第1方向と第4方向および第5方向は、好ましくは直交する。また、第4方向と第5方向は、互いに交差し、好ましくは直交する。
【0096】
第1リブ64および第2リブ65によって、軸受部材60が第1固定板312に対して第2方向一方に付勢されると、ドラム軸受部62の外周面が、第1平面711および第2平面712に接触する。これにより、ドラム軸受部62が、第1固定板312に対して、第4方向および第5方向に正確に位置決めされる。特に、孔本体部71の内周面710が全周に亘って円筒面(曲面)である場合と比べて、位置決め精度を向上できる。
【0097】
<2-3.軸受部材に対する感光体ドラムの位置決めについて>
続いて、軸受部材60に対する感光体ドラム40の位置決めについて説明する。
【0098】
上述の通り、ドラム軸受部62およびフラップ63の内側には、感光体ドラム40の第1フランジ部材42の軸受挿入部423が挿入されている。フラップ63は、弾性力を有する。これにより、フラップ63の第1方向における他端部は、第2方向に揺動可能である。言い換えると、フラップ64の先端部は、第2方向に揺動可能である。感光体ドラム40の径方向内側へ向かって突出する押圧リブ631を有する。これにより、押圧リブ631が、軸受挿入部423の外周面に接触し、軸受挿入部423を第2方向の一方に付勢する。すなわち、フラップ63は、感光体ドラム40の第1方向の一端部に接触し、感光体ドラム40を第2方向の一方に付勢する。
【0099】
このとき、製造誤差や、部材間の熱膨張係数の差を吸収するために、仮に、フラップ63の押圧リブ631を有していないとすると、ドラム軸受部62およびフラップ63の内周面と、軸受挿入部423の外周面との間には、僅かな隙間が生じるように、ドラム軸受部62およびフラップ63の内周面の径が設計してある。このため、フラップ63の先端部に押圧リブ631を設けることで、感光体ドラム40の外表面と接触させて、感光体ドラム40をドラム軸受部62に向かって第2方向の一方に付勢する。これにより、感光体ドラム40をドラム軸受部62に対して第2方向に位置決めすることができる。
【0100】
製造誤差や、部材間の熱膨張係数の差を吸収するために、フラップ63の第1方向における一端部に対して、フラップ63の第1方向における他端部がより大きく変形できることが好ましい。言い換えると、フラップ63の基端部に対して、フラップ63の先端部がより大きく変形できることが好ましい。すなわち、フラップ63の弾性力を向上させることが好ましい。軸受部材60のその他の部分について、剛性等の性質を変更することなく、フラップ63の変形量を大きくさせるためには、フラップ63の第1方向の長さを大きくすることが考えられる。
【0101】
ここで、
図7に示すように、ドラムフレーム30の第1固定板312の外側の面のうち、第1貫通孔313の周りに位置し、第1方向に交差する方向に拡がる面を、平面300と称する。
【0102】
一方、
図5および
図7に示すように、軸受部材60の支持部61は、平面300と第1方向に向かい合う第1支持面611および第2支持面612とを有する。第1支持面611は、第2支持面612よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部の近くに位置する。このため、軸受部材60が第1固定板312に取り付けられ、第1支持面611が平面300と接触した場合、第2支持面612と平面300とは、第1方向に間隔を空けて向かい合う。
【0103】
フラップ63の基端部は、感光体ドラム40の第1方向における他端部から第1方向において最も離れた一端である。また、フラップ63の基端部は第2支持面612と接続する。ドラムフレーム30の有する平面300は、第1方向において感光体ドラム40の第1方向における他端部と、フラップ63の基端部との間に位置する。すなわち、フラップ63の基端部は、平面300よりも感光体ドラム40の第1方向における他端部から遠くに位置する。このように、フラップ63の基端部が第1固定板312よりも外側に位置することにより、フラップ63の第1方向の長さを大きくすることができる。したがって、フラップ63の変形量を大きくさせることができる。
【0104】
このように、軸受部材60のドラム軸受部62、フラップ63、第1リブ64、第2リブ65、クリーニングローラ軸受部66、およびフック67の各部が、第1固定板312の有する第1貫通孔313、第2貫通孔314または第3貫通孔315に挿入される。これにより、軸受部材60が第1固定板312に対して位置決めされ、固定される。また、軸受部材60は、感光体ドラム40の第1方向における一端部を回転可能に支持するとともに、感光体ドラム40を軸受部材60に対して位置決めする。軸受部材60は、クリーニングローラ50の第1方向における一端部を回転可能に支持する。
【0105】
<3.変形例>
以上、一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0106】
上記の実施形態では、ドラムユニット1が、4つの感光体ドラム40を有していた。しかしながら、ドラムユニット1が有する感光体ドラム40の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0107】
また、ドラムユニットの細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 ドラムユニット
30 ドラムフレーム
31 第1フレーム
40 感光体ドラム
41 ドラム本体
42 第1フランジ部材
43 第1ギア
50 クリーニングローラ
60 軸受部材
61 支持部
62 ドラム軸受部
63 フラップ
64 第1リブ
65 第2リブ
66 クリーニングローラ軸受部
71 孔本体部
72 第1凹部
73 第2凹部
91 第1軸
100 画像形成装置
300 平面
312 第1固定板
313 1貫通孔
314 第2貫通孔
315 第3貫通孔
423 軸受挿入部
610 軸受貫通孔
641 第1リブ基端部
642 第1リブ先端部
651 第2リブ基端部
652 第2リブ先端部
710 内周面
711 第1平面
712 第2平面