(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146970
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】基板接続部材及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20241008BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241008BHJP
H05K 13/04 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
G09F9/00 348Z
G09F9/30 310
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059705
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 仁
【テーマコード(参考)】
5C094
5E353
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB03
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB20
5E353BB06
5E353BC02
5E353BC03
5E353EE02
5E353EE03
5E353EE22
5E353EE23
5E353QQ12
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE32
5G435EE42
(57)【要約】
【課題】第1基板が小型化等しても、位置合わせを容易に行う。
【解決手段】基板接続部材10Cは、第1主面11B2を有する第1基板11Bと、第2主面12Aを有し、第2主面12Aが第1主面11B2と対向するよう第1基板11Bに取り付けられる第2基板12と、第1基板11Bの第1主面11B2内に設けられる第1アライメントマーク22と、第2基板12の第2主面12A内に設けられ、第1基板11Bに対する第2基板12の取付位置に応じて第1アライメントマーク22との位置関係が変化する第2アライメントマーク35と、を備え、第1アライメントマーク22は、第1基板11Bに関連する情報を表すコード形状を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有する第1基板と、
第2主面を有し、前記第2主面が前記第1主面と対向するよう前記第1基板に取り付けられる第2基板と、
前記第1基板の前記第1主面内に設けられる第1アライメントマークと、
前記第2基板の前記第2主面内に設けられ、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置に応じて前記第1アライメントマークとの位置関係が変化する第2アライメントマークと、を備え、
前記第1アライメントマークは、前記第1基板に関連する情報を表すコード形状を有する基板接続部材。
【請求項2】
前記コード形状は、二次元コードとされる請求項1記載の基板接続部材。
【請求項3】
前記二次元コードは、データマトリックスとされる請求項2記載の基板接続部材。
【請求項4】
前記第2アライメントマークは、平面に視た大きさが、前記データマトリックスよりも小さくされており、
前記第2アライメントマークは、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が適切な場合には、前記データマトリックスの内側に収まるよう配されるものの、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が不適切な場合には、前記データマトリックスの外側にはみ出すよう配される請求項3記載の基板接続部材。
【請求項5】
前記データマトリックスは、データエリアに複数の第1単位セルと、前記第1単位セルよりも光透過率が低い複数の第2単位セルと、を有しており、
前記データエリアには、複数の前記第2単位セルによって構成される第1セル部と、前記第1セル部とは別の複数の前記第2単位セルによって構成される第2セル部と、が含まれ、
前記第2アライメントマークは、平面に視た大きさが、前記第1セル部よりも小さい第1マーク部と、前記第1マーク部に対して間隔を空けた位置に配されて、平面に視た大きさが、前記第2セル部よりも小さい第2マーク部と、を有しており、
前記第2アライメントマークは、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が適切な場合には、前記第1マーク部が前記第1セル部の内側に収まるとともに前記第2マーク部が前記第2セル部の内側に収まるよう配されるものの、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が不適切な場合には、前記第1マーク部が前記第1セル部の外側にはみ出すとともに前記第2マーク部が前記第2セル部の外側にはみ出すよう配される請求項3記載の基板接続部材。
【請求項6】
前記第1基板の前記第1主面内に設けられる識別表示部を備え、
前記識別表示部は、前記第1基板に関連し、前記情報とは異なる他の情報を表す他のコード形状を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板接続部材。
【請求項7】
前記第1アライメントマークが有する前記コード形状は、前記第1基板に関連する情報を表すものであって、他の前記第1基板と共通に設けられる第1のコード形状であり、
前記識別表示部が有する前記他のコード形状は、少なくとも一部に、前記第1基板に固有の情報を表す第2のコード形状を含む請求項6記載の基板接続部材。
【請求項8】
前記第1基板の前記第1主面内に設けられて前記第1アライメントマークに接続される第1配線と、
前記第2基板の前記第2主面内に設けられて前記第2アライメントマークに接続される第2配線と、
前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとの間に挟まれて前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを接続する異方性導電膜と、を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板接続部材。
【請求項9】
前記第1基板は、リジッド基板とされ、
前記第2基板は、フレキシブル基板とされており、
前記フレキシブル基板は、前記リジッド基板の端部に取り付けられる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板接続部材。
【請求項10】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板接続部材と、
第3主面を有し、前記第3主面が前記第1主面と対向するよう前記第1基板に取り付けられる第3基板と、を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、基板接続部材及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル等の表示パネルにフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)を接続してなる基板接続部材の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、基板接続部材として有機ELパネルにFPCを接続する実装構造が開示されている。当該実装構造は、第1端子の形成領域を切り欠いた第1のアライメントマークを有する第1基板と、第2端子の形成領域を切り欠いた第2のアライメントマークを有する第2基板と、を備え、前記第1のアライメントマークと前記第2のアライメントマークとを用いて、前記第1端子と前記第2端子とを相対的に位置合わせされ、前記第1端子と前記第2端子とが電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の実装構造では、各端子に各アライメントマークを含ませた構成とされる。しかしながら、表示パネルの小型化や狭額縁化等が進行し、各端子の配置スペースが狭くなるのに伴って各端子が細線化されると、各アライメントマークも細線化されるため、位置合わせが困難になる、という問題があった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、第1基板が小型化等しても、位置合わせを容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる基板接続部材は、第1主面を有する第1基板と、第2主面を有し、前記第2主面が前記第1主面と対向するよう前記第1基板に取り付けられる第2基板と、前記第1基板の前記第1主面内に設けられる第1アライメントマークと、前記第2基板の前記第2主面内に設けられ、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置に応じて前記第1アライメントマークとの位置関係が変化する第2アライメントマークと、を備え、前記第1アライメントマークは、前記第1基板に関連する情報を表すコード形状を有する。
【0007】
(2)また、上記基板接続部材は、上記(1)に加え、前記コード形状は、二次元コードとされてもよい。
【0008】
(3)また、上記基板接続部材は、上記(2)に加え、前記二次元コードは、データマトリックスとされてもよい。
【0009】
(4)また、上記基板接続部材は、上記(3)に加え、前記第2アライメントマークは、平面に視た大きさが、前記データマトリックスよりも小さくされており、前記第2アライメントマークは、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が適切な場合には、前記データマトリックスの内側に収まるよう配されるものの、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が不適切な場合には、前記データマトリックスの外側にはみ出すよう配されてもよい。
【0010】
(5)また、上記基板接続部材は、上記(3)に加え、前記データマトリックスは、データエリアに複数の第1単位セルと、前記第1単位セルよりも光透過率が低い複数の第2単位セルと、を有しており、前記データエリアには、複数の前記第2単位セルによって構成される第1セル部と、前記第1セル部とは別の複数の前記第2単位セルによって構成される第2セル部と、が含まれ、前記第2アライメントマークは、平面に視た大きさが、前記第1セル部よりも小さい第1マーク部と、前記第1マーク部に対して間隔を空けた位置に配されて、平面に視た大きさが、前記第2セル部よりも小さい第2マーク部と、を有しており、前記第2アライメントマークは、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が適切な場合には、前記第1マーク部が前記第1セル部の内側に収まるとともに前記第2マーク部が前記第2セル部の内側に収まるよう配されるものの、前記第1基板に対する前記第2基板の取付位置が不適切な場合には、前記第1マーク部が前記第1セル部の外側にはみ出すとともに前記第2マーク部が前記第2セル部の外側にはみ出すよう配されてもよい。
【0011】
(6)また、上記基板接続部材は、上記(1)から上記(5)のいずれかに加え、前記第1基板の前記第1主面内に設けられる識別表示部を備え、前記識別表示部は、前記第1基板に関連し、前記情報とは異なる他の情報を表す他のコード形状を有してもよい。
【0012】
(7)また、上記基板接続部材は、上記(6)に加え、前記第1アライメントマークが有する前記コード形状は、前記第1基板に関連する情報を表すものであって、他の前記第1基板と共通に設けられる第1のコード形状であり、前記識別表示部が有する前記他のコード形状は、少なくとも一部に、前記第1基板に固有の情報を表す第2のコード形状を含んでもよい。
【0013】
(8)また、上記基板接続部材は、上記(1)から上記(7)のいずれかに加え、前記第1基板の前記第1主面内に設けられて前記第1アライメントマークに接続される第1配線と、前記第2基板の前記第2主面内に設けられて前記第2アライメントマークに接続される第2配線と、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとの間に挟まれて前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを接続する異方性導電膜と、を備えてもよい。
【0014】
(9)また、上記基板接続部材は、上記(1)から上記(8)のいずれかに加え、前記第1基板は、リジッド基板とされ、前記第2基板は、フレキシブル基板とされており、前記フレキシブル基板は、前記リジッド基板の端部に取り付けられてもよい。
【0015】
(10)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から上記(9)のいずれかに記載の基板接続部材と、第3主面を有し、前記第3主面が前記第1主面と対向するよう前記第1基板に取り付けられる第3基板と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本明細書に記載の技術によれば、第1基板が小型化等しても、位置合わせを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を構成する液晶パネル及びフレキシブル基板の平面図
【
図2】実施形態1に係る液晶パネル及びフレキシブル基板の概略的な断面図
【
図3】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素の配列を示す回路図
【
図4】実施形態1に係る液晶パネルを構成するアレイ基板の突き出し部付近を拡大した平面図
【
図5】実施形態1に係る液晶パネルに備わるTFTと、第1アライメントマーク及び第1端子と、を模式的に示す断面図
【
図6】実施形態1に係るアレイ基板の突き出し部とフレキシブル基板との接続構造を示す断面図
【
図7】実施形態1に係るアレイ基板の突き出し部のうち、第1アライメントマーク及び第1端子を拡大して示す平面図
【
図8】実施形態1に係るフレキシブル基板のうち、第2アライメントマーク及び第2端子を拡大して示す平面図
【
図9】実施形態1に係るアレイ基板に対するフレキシブル基板の取付位置が適切な場合を示す平面図
【
図10】実施形態1に係るアレイ基板に対するフレキシブル基板の取付位置が不適切な場合を示す平面図
【
図11】実施形態1に係る従来例の識別マークを示す平面図
【
図12】実施形態1に係る
図4の識別マークを示す平面図
【
図13】実施形態2に係るフレキシブル基板のうち、第2アライメントマーク及び第2端子を拡大して示す平面図
【
図14】実施形態2に係るアレイ基板に対するフレキシブル基板の取付位置が適切な場合を示す平面図
【
図15】実施形態2に係るアレイ基板に対するフレキシブル基板の取付位置が不適切な場合を示す平面図
【
図16】実施形態3に係るアレイ基板の突き出し部のうち、第1アライメントマーク及び第1端子を拡大して示す平面図
【
図17】実施形態3に係るフレキシブル基板のうち、第2アライメントマーク及び第2端子を拡大して示す平面図
【
図18】実施形態3に係る第1アライメントマークと第2アライメントマークとの接続構造と、第1端子と第2端子との接続構造と、を示す断面図
【
図19】実施形態3に係るアレイ基板に対するフレキシブル基板の取付位置が適切な場合を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図12によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10に備わる基板接続部材10Cについて例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、
図2,
図5及び
図6の上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0019】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、横長の方形状をなしていて画像を表示可能な液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11に対して表示に利用するための光を照射する外部光源であるバックライト装置(照明装置)と、を少なくとも備える。バックライト装置は、液晶パネル11に対して裏側(背面側)に配置され、白色の光(白色光)を発する光源(例えばLEDなど)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。液晶パネル11は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAとされる。これに対し、液晶パネル11の画面における表示領域AAを取り囲む額縁状の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。
【0020】
液晶パネル11に関して
図1に加えて
図2を参照して詳しく説明する。液晶パネル11は、
図1及び
図2に示すように、液晶パネル11は、一対のほぼ透明な(透光性を有する)基板11A,11Bを貼り合わせてなる。一対の基板11A,11Bのうち表側(正面側)が対向基板(第3基板、CF基板)11Aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板(第1基板、TFT基板)11Bとされる。対向基板11A及びアレイ基板11Bは、いずれも後述するフレキシブル基板12よりも機械的な剛性が高いリジッド基板である。対向基板11A及びアレイ基板11Bは、いずれもリジッドなガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。一対の基板11A,11B間には、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層11Cが介在して配される。一対の基板11A,11Bの外周端部間には、液晶層11Cをシールするシール部11Dが介在して設けられている。シール部11Dは、液晶層11Cを取り囲むよう方形の枠状に形成されている。なお、両基板11A,11Bの外面側には、それぞれ偏光板14が貼り付けられている。
【0021】
アレイ基板11Bは、
図1及び
図2に示すように、長辺寸法が対向基板11Aの同寸法よりも大きくされており、長辺方向についての一方の端部が、対向基板11Aから側方に突き出す突き出し部11B1となっている。突き出し部11B1は、対向基板11Aにより覆われずに露出している。突き出し部11B1は、全域が非表示領域NAAであり、各種信号を供給するためのフレキシブル基板(第2基板)12が取り付けられている。本実施形態に係る基板接続部材10Cは、アレイ基板11Bにフレキシブル基板12を取り付けた構成とされる。アレイ基板11Bは、表裏一対の主面のうち、表側を向いた主面が第1主面11B2とされる。フレキシブル基板12は、アレイ基板11Bの第1主面11B2と対向する第2主面12Aを有する。対向基板11Aは、アレイ基板11Bの第1主面11B2と対向する第3主面11A1を有する。また、突き出し部11B1は、2つの角部が平面に視て丸められている。なお、突き出し部11B1の平面形状は、図示以外にも適宜に変更可能であり、2つの角部が平面に視て丸められていなくてもよい。
【0022】
フレキシブル基板12には、
図1及び
図2に示すように、ドライバ(実装部品、信号供給部)13がCOF(Chip On Film)実装されている。ドライバ13は、平面形状が横長の方形状であり、フレキシブル基板12の中央付近に配されている。ドライバ13は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ドライバ13は、フレキシブル基板12に供給される各種信号を処理する。フレキシブル基板12は、Y軸方向の一方の端部がアレイ基板11Bの突き出し部11B1に、Y軸方向についての他方の端部が外部のコントロール基板(プリント基板)に、それぞれ接続されている。
【0023】
次に、アレイ基板11Bにおける表示領域AAの構成について
図3を用いて説明する。アレイ基板11Bの表示領域AAにおける第1主面11B2内には、
図3に示すように、TFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)15及び画素電極16が少なくとも設けられている。TFT15及び画素電極16は、複数ずつX軸方向及びY軸方向に沿って間隔を空けて並んでマトリクス状(行列状)に設けられている。これらTFT15及び画素電極16の周りには、互いに直交(交差)するゲート配線(走査配線)17及びソース配線(画像配線、信号配線)18が配設されている。ゲート配線17は、X軸方向に沿って延在する。ソース配線18は、Y軸方向に沿って延在する。TFT15は、ゲート配線17に接続されるゲート電極15Aと、ソース配線18に接続されるソース電極15Bと、画素電極16に接続されるドレイン電極15Cと、ソース電極15B及びドレイン電極15Cに接続されて半導体材料からなる半導体部15Dと、を有する。そして、TFT15は、ゲート配線17によってゲート電極15Aに供給される走査信号に基づいて駆動される。すると、ドライバ13からソース配線18によってソース電極15Bに供給される画像信号(データ信号)に係る電位が、半導体部15Dを介してドレイン電極15Cに供給される。その結果、画素電極16は、画像信号に係る電位に充電される。画素電極16は、ゲート配線17とソース配線18とに取り囲まれた領域に配されており、平面形状が例えば略長方形状とされる。画素電極16は、対向基板11Aの表示領域AAに配されるカラーフィルタと重畳する関係にあり、カラーフィルタと共に画素を構成する。カラーフィルタは、例えば青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する3色とされる。なお、両基板11A,11Bの最内位置には、それぞれ液晶層11Cに含まれる液晶分子を配向させるための配向膜が設けられている。
【0024】
アレイ基板11Bの非表示領域NAAである突き出し部11B1における第1主面11B2内は、
図4に示すように、第1端子19、検査端子20、識別マーク(識別表示部)21、第1アライメントマーク22、その他の記号23等が設けられる。突き出し部11B1におけるY軸方向についての寸法は、狭額縁化の観点から、できるだけ小さくすることが望まれる。例えば、本実施形態における5.5インチのスマートフォン用ディスプレイの場合、突き出し部11B1におけるY軸方向についての寸法は、典型的には、1mm以下(例えば、0.75mm以下)と狭額縁化されている。
【0025】
第1端子19は、
図4に示すように、突き出し部11B1のうちのフレキシブル基板12が取り付けられる領域(フレキシブル基板12の実装領域)において、X軸方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されている。第1端子19は、L/S(Line & Space)が、例えば0.045mm程度とされる。第1端子19の具体的なL/Sは、上記以外にも適宜に変更可能である。複数の第1端子19は、X軸方向について識別マーク21を両側から挟み込む2つの端子群を構成する。複数の第1端子19によって構成される一方の端子群は、識別マーク21に対して
図4に示す左側に配される。複数の第1端子19によって構成される他方の端子群は、識別マーク21に対して
図4に示す右側に配される。詳しくは後述するが、第1端子19には、ゲート配線17やソース配線18が接続されている。なお、複数の第1端子19は、図示したような2つの端子群に分かれる構成以外にも、1つの端子群のみを構成していてもよく、その場合は例えば複数の第1端子19からなる1つの端子群が、第1アライメントマークと識別マーク21との間に挟まれる配置であってもよい。また、複数の第1端子19は、3つ以上の端子群に分かれていてもよい。
【0026】
検査端子20は、
図4に示すように、突き出し部11B1において、複数の第1端子19によって構成される一方の端子群に対して後述する第1アライメントマーク22を挟んで
図4に示す左側に配されている。検査端子20は、複数(ここでは20個)のものが千鳥状に一群となって配列されている。なお、検査端子20の平面に視た配列は、図示したような千鳥配列以外にも、例えばマトリクス状の配列等であってもよい。検査端子20は、液晶パネル11の製造工程において、液晶パネル11の検査を行うために用意された接続端子である。検査端子20は、検査用スイッチング回路等を介して、複数ずつのゲート配線17及びソース配線18のうちの任意のゲート配線17及びソース配線18に接続されている。
【0027】
識別マーク21は、
図4に示すように、突き出し部11B1において、X軸方向について複数ずつの第1端子19によって構成される2つの端子群の間に挟まれる配置とされる。識別マーク21は、平面形状が横長の長方形とされる。識別マーク21は、液晶パネル11(アレイ基板11B)の識別コードシンボルであり、液晶パネル11に関連する情報を含んでいる。識別マーク21は、在庫管理やトレーサビリティの目的で、典型的には、例えば、液晶パネル11に関する(a)製造工場,(b)機種番号,(c)製造年月日,(d)ロット番号,(e)シート番号,(f)セル番地等のコード化された情報が、コードシンボルとして表示されている。(a)製造工場,(b)機種番号,(c)製造年月日,(d)ロット番号,(e)シート番号,(f)セル番地等の情報の組み合わせは、個々の液晶パネル11を識別し得るものであり、個々の液晶パネル11に付される識別マーク21はそれぞれ異なるものとなっている。本実施形態の識別マーク21は、ISO16022にて規定されるデータマトリックス(DataMatrix)形式に従う二次元コードのシンボルである。つまり、識別マーク21のコード形状は、二次元コードの一種であるデータマトリックスとされる。この識別マーク21は、例えば、光透過率が相対的に高い部分と、光透過率が相対的に低い部分と、の組み合わせによって所望の情報を表示している。識別マーク21は、データマトリックス形式に対応したバーコードリーダーによって機械的に読み取ることで、そのシンボルに対応するコード情報を把握することができる。データマトリックス形式のコードは、数字、英数字、バイナリ等が含まれる。
【0028】
なお、識別マーク21の形成に際しては、例えばレーザリソグラフィ技術を用いることができる。具体的には、アレイ基板11Bの第1主面11B2上の金属膜(第1金属膜や第2金属膜)に対して塗布されたレジスト膜に対して、例えば、レーザ印字によってレジスト膜の一部を除去して微細な開口を設けることで、コード形状に対応したレジストパターンを形成してもよい。これにより、レジストパターンの微細な開口を通じて金属膜を高精細にエッチングすることができる。また、レーザ印字の手法を用いると、量産される複数の液晶パネル11(アレイ基板11B)毎にレジストパターンの形状、つまり識別マーク21のコード形状を容易に変更することができる。
【0029】
第1アライメントマーク22は、
図4に示すように、突き出し部11B1におけるフレキシブル基板12の実装領域において、X軸方向について検査端子20と複数の第1端子19によって構成される一方の端子群との間に挟まれる配置とされる。第1アライメントマーク22は、アレイ基板11Bの突き出し部11B1に対してフレキシブル基板12を取り付ける際に、フレキシブル基板12の取付位置を調整するために用いられる。第1アライメントマーク22の詳しい構成は、後述する。
【0030】
その他の記号23としては、例えば、視認記号23A、導通パッド23C等が挙げられる。なお、本明細書において、「記号」とは、ヒトに対する情報伝達を助ける媒体を意味し、例えば、平仮名や漢字、アルファベット、数字等を含む文字や、+、-等の数学記号、絵など、意味付けされた図形を指す。
【0031】
視認記号23Aは、
図4に示すように、突き出し部11B1において、
図4に示す右端付近に配されている。視認記号23Aは、上記の識別マーク21とは異なり、アルファベットや数字等の人が目視(拡大鏡観察を含む。)で判別可能な記号によって構成される。視認記号23Aとしては、例えば、液晶パネル11の製造工程から出荷のための梱包工程までの間に知得できると有用な液晶パネル11に関する情報とすることができる。一例として、視認記号23Aとしては、液晶パネル11の製造場所を表す記号等が挙げられる。この視認記号23Aは、例えば、目視によって判別可能な光透過率が相対的に高い部分と、光透過率が相対的に低い部分と、の組み合わせによって構成することができる。視認記号23Aは、任意に設けることができる。
【0032】
マーク23Bは、
図4に示すように、突き出し部11B1において、X軸方向について複数の第1端子19によって構成される他方の端子群と視認記号23Aとの間に挟まれた配置とされる。マーク23Bは、対向基板11Aやアレイ基板11Bに対して偏光板14を取り付ける際に、偏光板14の取付位置を調整するために用いられたり、液晶パネル11に対してカバーガラスやバックライト装置を取り付ける際に、カバーガラスやバックライト装置の取付位置を調整するために用いられたりする。このマーク23Bは、例えば、公知の位置決め用の撮像装置によって読み取り可能な構成であればよく、例えば、光透過率が相対的に高い部分と、光透過率が相対的に低い部分と、の組み合わせによって構成することができる。
【0033】
導通パッド23Cは、
図4に示すように、突き出し部11B1において、
図4に示す左端付近に配されている。導通パッド23Cは、静電気放電(Electro-Static Discharge:ESD)用のアースパッド(チャージ抜き用パッド)であり、静電気放電に伴って発生する高電圧パルスが、表示領域AAにあるTFT15等を破壊したり、誤動作させたりすることを防止する。導通パッド23Cは、アレイ基板11Bの突き出し部11B1の表面に、銀(Ag)、カーボンブラック(C)、銅(Cu)等の導電性インクでパッドを印刷したり、導電テープを貼着することで、形成することができる。導通パッド23Cは、任意に設けることができる。
【0034】
ここで、第1端子19及び第1アライメントマーク22の構成を、アレイ基板11Bの第1主面11B2に積層形成された各種の膜と共に
図5を参照して説明する。アレイ基板11Bには、
図5に示すように、下層側から順に、第1金属膜、第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)24、半導体膜、第2金属膜、第2絶縁膜(第1層間絶縁膜)25等が積層形成されている。なお、アレイ基板11Bには、これらの各膜以外にも、画素電極16を構成する透明電極膜等が形成されている。
【0035】
第1金属膜及び第2金属膜は、それぞれ銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどの中から選択される1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1金属膜は、ゲート配線17、TFT15のゲート電極15A等を構成する。第2金属膜は、ソース配線18、TFT15のソース電極15B及びドレイン電極15C、第1端子19、第1アライメントマーク22等を構成する。つまり、本実施形態では、アレイ基板11Bの表示領域AAに備わる配線や電極を構成する金属膜である第2金属膜を用いて第1端子19及び第1アライメントマーク22等が構成されている。半導体膜は、アモルファスシリコンや酸化物半導体材料等からなる。半導体膜は、TFT15の半導体部15D等を構成する。第1絶縁膜24及び第2絶縁膜25は、それぞれ窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiO2)等の無機材料からなる。
【0036】
続いて、アレイ基板11Bとフレキシブル基板12との接続部分の構成について
図6を用いて説明する。まず、フレキシブル基板12の構成について説明する。フレキシブル基板12は、
図6に示すように、絶縁性及び可撓性を有する基材26を備える。基材26は、合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなるフィルムである。基材26の第2主面12A上には、銅箔等からなる金属箔が積層され、その金属箔上に絶縁材料からなるカバーレイ27が積層されている。金属箔は、アレイ基板11Bに備わる第1端子19に対して接続される第2端子28と、第2端子28から引き出される配線部29と、を構成する。第2端子28は、基材26のうち、アレイ基板11Bに取り付けられる端部に配されている。第2端子28は、金属箔のうち、カバーレイ27によって覆われずに露出した部分からなる。また、金属箔のうち、カバーレイ27によって覆われる部分が配線部29を構成する。
【0037】
アレイ基板11Bに備わる第1端子19と、フレキシブル基板12に備わる第2端子28と、は、
図6に示すように、異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)30を介して接続されている。異方性導電膜30は、熱硬化性樹脂材料からなるバインダに、多数の導電性粒子を分散配合してなる。フレキシブル基板12の取り付けに際しては、アレイ基板11Bの突き出し部11B1上に異方性導電膜30をセットし、その状態でフレキシブル基板12を、アレイ基板11B側に向けて荷重を掛けて熱圧着する。すると、アレイ基板11B側の第1端子19と、フレキシブル基板12側の第2端子28と、が導電性粒子を介して電気的に接続される。このとき、バインダが熱硬化することで、アレイ基板11Bに対してフレキシブル基板12が機械的に固定される。複数の第1端子19には、フレキシブル基板12に備わる複数の第2端子28によって各種信号が供給されるようになっている。第1端子19は、アレイ基板11Bに設けられた引き出し配線31に接続されている。引き出し配線31は、一方の端部が第1端子19に接続され、他方の端部がゲート配線17またはソース配線18に接続されている。第1端子19は、第2絶縁膜25により覆われずに露出している。引き出し配線31は、第2金属膜等からなり、第2絶縁膜25により覆われている。なお、
図6では、アレイ基板11Bに備わる第1絶縁膜24(
図5を参照)の図示を省略している。
【0038】
第1アライメントマーク22の詳しい構成について
図7を用いて説明する。第1アライメントマーク22は、
図7に示すように、アレイ基板11Bに関連する情報の一部を表すコード形状を有する。本実施形態では、第1アライメントマーク22が有するコード形状は、二次元コードの一種であるデータマトリックス32とされる。第1アライメントマーク22であるデータマトリックス32は、例えばECC200規格を満たす。データマトリックス32は、平面形状が概ね方形とされる。データマトリックス32の平面形状は、
図7では正方形とされる場合を例示しているが、長方形でもよい。平面形状が方形とされるデータマトリックス32は、4つの辺部を有する。データマトリックス32の各辺部の寸法は、例えば0.25mmとされる。このデータマトリックス32の各辺部の具体的な寸法は、適宜に変更可能である。
【0039】
図7に示すように、データマトリックス32の4つの辺部のうち、互いに直交する2つの辺部がアライメントパターン(ファインダパターン、ソリッドボーダ)33を構成し、残りの直交する2つの辺部がクロックパターン(タイミングパターン、ブロークンボーダ)34を構成する。データマトリックス32のうち、アライメントパターン33とクロックパターン34とによって囲まれた領域が、情報を表す単位セル32A,32Bが複数存在するデータエリアとなっている。
図7では、データマトリックス32のデータエリアに、X軸方向及びY軸方向について単位セル32A,32Bが10個ずつ、合計100個含まれる場合を例示しているが、データエリアに含まれる単位セル32A,32Bの具体的な数はそれ以外でもよい。
図7において、データマトリックス32の各辺部の寸法が0.25mmとされる場合、単位セル32A,32BのX軸方向及びY軸方向についての各寸法は0.025mmとされる。なお、単位セル32A,32Bの具体的な寸法は、データマトリックス32の各辺部の寸法に応じて適宜に変更可能である。データエリアには、単位セル32A,32Bとして、白色単位セル(第1単位セル)32Aと黒色単位セル(第2単位セル)32Bとが複数ずつ含まれている。白色単位セル32Aは、黒色単位セル32Bよりも光透過率が高い(遮光率が低い)ので、白色を呈する。黒色単位セル32Bは、白色単位セル32Aよりも光透過率が低い(遮光率が高い)ので、黒色を呈する。データマトリックス32のうち、光透過率が相対的に高い白色単位セル32Aは、例えば第1絶縁膜24や第2絶縁膜25によって構成されている。データマトリックス32のうち、光透過率が相対的に低い黒色単位セル32Bは、例えばソース配線18等を構成する第2金属膜によって構成されている。上記したアライメントパターン33は、複数の黒色単位セル32Bのみによって構成されており、複数の黒色単位セル32Bを平面に視てL字型に並べてなる。上記したクロックパターン34は、複数ずつの白色単位セル32A及び黒色単位セル32Bからなり、白色単位セル32A及び黒色単位セル32Bを任意の順番で平面に視て逆L字型に並べてなる。
【0040】
フレキシブル基板12には、
図8に示すように、第2アライメントマーク35が設けられている。第2アライメントマーク35は、フレキシブル基板12の第2主面12A内に設けられており、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置に応じて第1アライメントマーク22との位置関係が変化するものとされる。詳しくは、第2アライメントマーク35は、第2端子28及び配線部29と同様に、基材26の第2主面12A上に積層される金属箔により構成されている。なお、基材26の第2主面12A内には、第2アライメントマーク35に対してX軸方向について間隔を空けた位置に複数の第2端子28が並んで設けられている。第2端子28は、L/Sが、第1端子19のL/Sと同じ程度とされ、例えば0.045mm程度とされる。第2端子28の具体的なL/Sは、上記以外にも適宜に変更可能である。第2アライメントマーク35は、平面形状が方形であり、4つの辺部を有する。第2アライメントマーク35は、平面形状が第1アライメントマーク22と相似形とされる。具体的には、本実施形態では、第1アライメントマーク22の平面形状が正方形であるから、第2アライメントマーク35の平面形状も正方形とされる。第2アライメントマーク35は、平面に視た大きさが、第1アライメントマーク22のデータマトリックス32よりも一回り小さくされている。従って、第2アライメントマーク35は、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切な場合には、データマトリックス32の内側に収まるよう配される(
図9を参照)ものの、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が不適切な場合には、データマトリックス32の外側にはみ出すよう配される(
図10を参照)。
【0041】
より具体的には、第2アライメントマーク35の4つの辺部のうち、平面に視てL字型をなす2つの辺部35A,35B(
図8に示す左側の辺部35A及び下側の辺部35B)は、
図7及び
図8に示すように、データマトリックス32のうちのアライメントパターン33を構成する2つの辺部33A,33Bのそれぞれに対して平行をなしている。アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切な場合には、
図9に示すように、第2アライメントマーク35の一方の辺部35Aと、アライメントパターン33の一方の辺部33Aと、の間の間隔と、第2アライメントマーク35の他方の辺部35Bと、アライメントパターン33の他方の辺部33Bと、の間の間隔と、がそれぞれ所定の値となる。なお、
図9では、第2アライメントマーク35及び第2端子28の外形を二点鎖線にて図示している。上記した「取付位置が適切な場合」からフレキシブル基板12がX軸方向について位置ずれした場合には、第2アライメントマーク35の一方の辺部35Aと、アライメントパターン33の一方の辺部33Aと、の間の間隔が、「所定の値」とは異なる値となる。同様に、上記した「取付位置が適切な場合」からフレキシブル基板12がY軸方向について位置ずれした場合には、第2アライメントマーク35の他方の辺部35Bと、アライメントパターン33の他方の辺部33Bと、の間の間隔が、「所定の値」とは異なる値となる。このように、第2アライメントマーク35の2つの辺部35A,35Bと、アライメントパターン33の2つの辺部33A,33Bと、の間の間隔が所定の値であるか否かに基づいて、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切であるか否かを判定することが可能とされる。特に、
図10に示すように、第2アライメントマーク35がデータマトリックス32の外側にはみ出すよう配された場合には、上記した各辺部33A,33B,35A,35B間の間隔を測定することなく、目視によってアレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が不適切であると容易に判定することが可能とされる。なお、
図10では、第2アライメントマーク35及び第2端子28の外形を二点鎖線にて図示している。
【0042】
本実施形態に係る第1アライメントマーク22は、
図7に示すように、既述した通り、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状を含んでいる。具体的には、
図7に示される第1アライメントマーク22のデータマトリックス32は、3個の文字「ABC」をコード化した場合の例示である。データマトリックス32が表す具体的な文字等やデータマトリックス32に含ませる文字数は、上記以外にも適宜に変更可能である。一方、
図11に示される識別マーク21は、10個の文字「0123456789」をコード化した場合の例示である。識別マーク21が表す具体的な文字等や識別マーク21に含ませる文字数は、上記以外にも適宜に変更可能である。第1アライメントマーク22に含まれる3文字分のコード形状と、識別マーク21に含まれる10文字分のコード形状と、を読み取り機等によって読み取ることで、液晶パネル11(アレイ基板11B)の在庫管理等を容易に行うことが可能となる。
【0043】
このように、本実施形態では、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状が、第1アライメントマーク22と識別マーク21とに分散して含まれている。ここで、仮に、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状を、識別マーク21-1のみに含ませた場合には、識別マーク21-1は、
図12に示されるように、13個の文字「ABC0123456789」をコード化してなる。これら13文字の英数字は、例えば、液晶パネル11に関する(a)製造工場,(b)機種番号,(c)製造年月日,(d)ロット番号,(e)シート番号,(f)セル番地を表す。このような識別マーク21-1は、セルサイズ(シンボルサイズ)が例えば8セル×32セルとなる。この識別マーク21-1のデータ容量は、数字で20、英数字で13、バイナリで8となる。従って、識別マーク21-1の占有スペースは、1セルの寸法を0.045mmとした場合、縦寸法(Y軸方向についての寸法)が0.36mmとなり、横寸法(X軸方向についての寸法)が1.44mmとなる。これに対し、本実施形態に係る識別マーク21は、上記した10個の文字をコード化しているので、セルサイズが例えば8セル×18セルとなる。この識別マーク21のデータ容量は、数字で10、英数字で6、バイナリで3となる。10個の文字をコード化した識別マーク21の占有スペースは、1セルの寸法を0.045mmとした場合、縦寸法が0.36mmとなり、横寸法が0.81mmとなる。つまり、本実施形態では、識別マーク21の占有スペースの横寸法が、
図12に示される従来例に比べると、0.63mm小型化される。言い換えると、アレイ基板11Bの突き出し部11B1には、X軸方向について0.63mm分の余剰スペースSPが生じることになる。余剰スペースSPは、
図11において二点鎖線にて示される範囲である。この余剰スペースSPを利用すれば、突き出し部11B1に、例えばL/Sが0.045mmとされる第1端子19を、14本追加して設けることが可能となる。これにより、液晶パネル11の高解像度化を図る上で好適となる。なお、余剰スペースSPには、第1端子19以外にも、例えば接地電極(GND)の補強用端子等を設置することも可能である。また、識別マーク21のセルサイズを変更することなく、識別マーク21に、新たな情報を表示させるようにしてもよい。
【0044】
本実施形態に係る第1アライメントマーク22及び識別マーク21は、
図7及び
図11に示すように、それぞれ異なる情報のコード形状を有する。具体的には、第1アライメントマーク22は、量産される複数の液晶パネル11(アレイ基板11B)の全てに共通する情報をコード化してなる共通コード形状(第1のコード形状)を有している。これに対し、識別マーク21は、個々の液晶パネル11(アレイ基板11B)に固有の情報をコード化してなる個別コード形状(他のコード形状、第2のコード形状)を有している。これにより、量産される複数のアレイ基板11Bにおいて、第1アライメントマーク22のコード形状を同一の構成とすることができ、識別マーク21に備わる個別コード形状のみを複数のアレイ基板11Bごとに変えればよく、簡便に部品あるいは製造工程の共通化を図ることができる。このような構成は、第1アライメントマーク22をリソグラフィ技術等によって形成し、識別マーク21をレーザ印字等によって形成する場合に合わせて採用すると、その利点がより顕著となるために好ましい。
【0045】
以上説明したように本実施形態の基板接続部材10Cは、第1主面11B2を有するアレイ基板(第1基板)11Bと、第2主面12Aを有し、第2主面12Aが第1主面11B2と対向するようアレイ基板11Bに取り付けられるフレキシブル基板(第2基板)12と、アレイ基板11Bの第1主面11B2内に設けられる第1アライメントマーク22と、フレキシブル基板12の第2主面12A内に設けられ、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置に応じて第1アライメントマーク22との位置関係が変化する第2アライメントマーク35と、を備え、第1アライメントマーク22は、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状を有する。
【0046】
フレキシブル基板12がアレイ基板11Bに取り付けられると、アレイ基板11Bの第1主面11B2とフレキシブル基板12の第2主面12Aとが対向する。当該基板接続部材10Cは、アレイ基板11Bに設けられた第1アライメントマーク22に含まれるコード形状を読み取り機等によって読み取ることで、在庫管理等がなされる。アレイ基板11Bにフレキシブル基板12を取り付ける際には、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切な場合と不適切な場合とで、第1主面11B2及び第2主面12Aの各面内における第1アライメントマーク22と第2アライメントマーク35との位置関係が異なる。従って、第1主面11B2及び第2主面12Aの各面内における第1アライメントマーク22と第2アライメントマーク35との位置関係に基づいてアレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置を適正化することが可能とされる。アレイ基板11Bに設けられる第1アライメントマーク22は、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状を有しているので、仮に第1アライメントマーク22とは別途にコード形状を有する識別表示部を設けた場合に比べると、アレイ基板11Bの第1主面11B2内に占める占有スペースを小さくすることができる。これにより、アレイ基板11Bの第1主面11B2内に余剰スペースSPが生じるので、その余剰スペースSPを利用して別の端子等を配置することが可能となる。その上で、第1アライメントマーク22は、アレイ基板11Bに関連する情報を表すコード形状を有しているので、従来のようにアライメントマークが端子に含まれる場合に比べると、アレイ基板11Bの小型化等に起因する悪影響を受け難くなる。従って、アレイ基板11Bの小型化等した場合でも、第1アライメントマーク22による位置合わせ機能と、コード形状の読み取り機能と、がいずれも良好に発揮される確実性が高い。
【0047】
また、コード形状は、二次元コードとされる。二次元コードは、バーコードに比べると、単位面積当たりの情報量が遙かに多い。コード形状を二次元コードとすることで、第1アライメントマーク22がアレイ基板11Bの第1主面11B2内に占める占有スペースをより小さくすることができる。
【0048】
また、二次元コードは、データマトリックス32とされる。データマトリックス32は、平面形状が方形で、4つの辺部を有している。データマトリックス32の4つの辺部のいずれかに対する第2アライメントマーク35の位置関係に基づいて、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置を適正化することが可能となる。
【0049】
また、第2アライメントマーク35は、平面に視た大きさが、データマトリックス32よりも小さくされており、第2アライメントマーク35は、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切な場合には、データマトリックス32の内側に収まるよう配されるものの、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が不適切な場合には、データマトリックス32の外側にはみ出すよう配される。第2アライメントマーク35がデータマトリックス32の外側にはみ出すか否かに基づいて、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の取付位置が適切であるか否かを判定することができる。
【0050】
また、アレイ基板11Bの第1主面11B2内に設けられる識別マーク(識別表示部)21を備え、識別マーク21は、アレイ基板11Bに関連し、情報とは異なる他の情報を表す他のコード形状を有する。アレイ基板11Bの第1主面11B2内に、コード形状を有する第1アライメントマーク22と、他のコード形状を有する識別マーク21と、を設けることによって、大量の情報を表示することができる。
【0051】
また、第1アライメントマーク22が有するコード形状は、アレイ基板11Bに関連する情報を表すものであって、他のアレイ基板11Bと共通に設けられる第1のコード形状であり、識別マーク21が有する他のコード形状は、少なくとも一部に、アレイ基板11Bに固有の情報を表す第2のコード形状を含む。アレイ基板11Bが複数存在する場合において、第1アライメントマーク22には、複数のアレイ基板11Bに共通の情報が備えられ、識別マーク21には、少なくとも一部に、当該識別マーク21が設けられたアレイ基板11Bに固有の情報が備えられる。これにより、複数のアレイ基板11Bにおいて、第1アライメントマーク22のコード形状を同一の構成とすることができ、識別マーク21に備わる他のコード形状のみを複数のアレイ基板11Bごとに変えればよく、簡便に部品あるいは製造工程の共通化を図ることができる。このような構成は、第1アライメントマーク22をリソグラフィ技術等によって形成し、識別マーク21をレーザ印字等によって形成する場合に合わせて採用すると、その利点がより顕著となるために好ましい。
【0052】
また、第1基板であるアレイ基板11Bは、リジッド基板とされ、第2基板は、フレキシブル基板12とされており、フレキシブル基板12は、リジッド基板の端部に取り付けられる。リジッド基板であるアレイ基板11Bの端部にフレキシブル基板12を取り付ける際に、リジッド基板であるアレイ基板11Bの端部に対してフレキシブル基板12を容易に位置合わせすることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記記載の基板接続部材10Cと、第3主面11A1を有し、第3主面11A1が第1主面11B2と対向するようアレイ基板11Bに取り付けられる対向基板(第3基板)11Aと、を備える。このような液晶表示装置10によれば、アレイ基板11Bが小型化等しても、アレイ基板11Bに対するフレキシブル基板12の位置合わせを容易に行うことができるから、歩留まりが良好となる。
【0054】
<実施形態2>
実施形態2を
図13から
図15によって説明する。この実施形態2では、第2アライメントマーク135の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0055】
フレキシブル基板112に備わる第2アライメントマーク135は、
図13に示すように、2つのマーク部36,37を有する。2つのマーク部36,37のうちの一方を、第1マーク部36とし、他方を、第2マーク部37とする。第1マーク部36及び第2マーク部37は、平面形状がいずれも方形とされる。第1マーク部36及び第2マーク部37の平面形状は、
図13では正方形とされる場合を例示しているが、長方形でもよい。第1マーク部36は、第2マーク部37に対して
図13に示す左下に位置する。第1マーク部36は、各辺部の寸法が、第2マーク部37の各辺部の寸法よりも大きい。
【0056】
アレイ基板111Bに備わる第1アライメントマーク122を構成するデータマトリックス132は、
図14に示すように、データエリアに2つのセル部38,39を含んでいる。なお、
図14では、第2アライメントマーク135及び第2端子128の外形を二点鎖線にて図示している。2つのセル部38,39は、いずれも複数ずつの黒色単位セル132Bによって構成される。2つのセル部38,39のうちの一方を、第1セル部38とし、他方を、第2セル部39とする。第1セル部38及び第2セル部39は、平面形状がいずれも方形とされる。第1セル部38及び第2セル部39の平面形状は、
図14では正方形とされる場合を例示しているが、長方形でもよい。第1セル部38及び第2セル部39は、平面形状が第1マーク部36及び第2マーク部37のそれぞれと相似形とされる。第1セル部38は、第2セル部39に対して
図14に示す左下に位置する。第1セル部38は、各辺部の寸法が、第2セル部39の各辺部の寸法よりも大きい。具体的には、第1セル部38は、データエリアのうち、
図14の左下角部に位置する9個の黒色単位セル132Bにより構成される。第1セル部38を構成する9個の黒色単位セル132Bの一部は、アライメントパターン133を構成する。第2セル部39は、データエリアのうち、
図14の右上角部に対して左下に位置する4個の黒色単位セル132Bにより構成される。
【0057】
第1マーク部36は、
図14に示すように、平面に視た大きさが、第1セル部38よりも一回り小さい。つまり、第1マーク部36の各辺部の寸法は、第1セル部38の各辺部の寸法よりも小さい。第2マーク部37は、平面に視た大きさが、第2セル部39よりも一回り小さい。つまり、第2マーク部37の各辺部の寸法は、第2セル部39の各辺部の寸法よりも小さい。このような構成によれば、第2アライメントマーク135は、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が適切な場合には、
図14に示すように、第1マーク部36が第1セル部38の内側に収まるとともに第2マーク部37が第2セル部39の内側に収まるよう配される。一方、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が不適切な場合には、
図15に示すように、第1マーク部36が第1セル部38の外側にはみ出すとともに第2マーク部37が第2セル部39の外側にはみ出すよう配される。なお、
図15では、第2アライメントマーク135及び第2端子128の外形を二点鎖線にて図示している。第1マーク部36及び第2マーク部37がそれぞれ第1セル部38及び第2セル部39の外側にはみ出すか否かに基づいて、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が適切であるか否かを判定することができる。
【0058】
以上説明したように本実施形態によれば、データマトリックス132は、データエリアに複数の白色単位セル(第1単位セル)132Aと、白色単位セル132Aよりも光透過率が低い複数の黒色単位セル(第2単位セル)132Bと、を有しており、データエリアには、複数の黒色単位セル132Bによって構成される第1セル部38と、第1セル部38とは別の複数の黒色単位セル132Bによって構成される第2セル部39と、が含まれ、第2アライメントマーク135は、平面に視た大きさが、第1セル部38よりも小さい第1マーク部36と、第1マーク部36に対して間隔を空けた位置に配されて、平面に視た大きさが、第2セル部39よりも小さい第2マーク部37と、を有しており、第2アライメントマーク135は、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が適切な場合には、第1マーク部36が第1セル部38の内側に収まるとともに第2マーク部37が第2セル部39の内側に収まるよう配されるものの、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が不適切な場合には、第1マーク部36が第1セル部38の外側にはみ出すとともに第2マーク部37が第2セル部39の外側にはみ出すよう配される。第1マーク部36及び第2マーク部37がそれぞれ第1セル部38及び第2セル部39の外側にはみ出すか否かに基づいて、アレイ基板111Bに対するフレキシブル基板112の取付位置が適切であるか否かを判定することができる。
【0059】
<実施形態3>
実施形態3を
図16から
図19によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1からアレイ基板211B及びフレキシブル基板212の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0060】
本実施形態に係るアレイ基板211Bの第1主面211B2内には、
図16に示すように、第1アライメントマーク222に接続される第1配線40が設けられている。詳しくは、第1配線40は、第1アライメントマーク222のデータマトリックス232のうち、アライメントパターン233を構成する黒色単位セル232Bに接続されている。第1配線40は、Y軸方向に沿って延在するとともに、アライメントパターン233のうちのY軸方向に沿って延在する部分に接続されている。第1配線40は、黒色単位セル232Bと同様に、例えばソース配線18等を構成する第2金属膜によって構成されている(
図18を参照)。
【0061】
フレキシブル基板212の第2主面212A内には、
図17に示すように、第2アライメントマーク235に接続される第2配線41が設けられている。詳しくは、第2配線41は、X軸方向について第2アライメントマーク235と第2端子228との間に挟まれる配置とされる。第2配線41は、第2アライメントマーク235のうち、
図17に示す右側の辺部に接続されている。第2配線41は、第2アライメントマーク235と同様に、フレキシブル基板212の第2主面212A上に積層される金属箔により構成されている。第2配線41は、例えば接地電極(GND)に接続されている。
【0062】
アレイ基板211Bに備わる第1アライメントマーク222と、フレキシブル基板212に備わる第2アライメントマーク235と、は、
図18に示すように、異方性導電膜230を介して接続されている。異方性導電膜230は、第1端子219と第2端子228との間に挟まれる部分に加え、第1アライメントマーク222と第2アライメントマーク235との間に挟まれる部分を有する。フレキシブル基板212の取り付けに際しては、異方性導電膜230は、アレイ基板211Bの突き出し部211B1上において、複数の第1端子219の形成範囲に加えて、第1アライメントマーク222の形成範囲まで覆うようセットされる。異方性導電膜230をセットした後に、フレキシブル基板212を、アレイ基板211B側に向けて荷重を掛けて熱圧着する。すると、アレイ基板211B側の第1端子219と、フレキシブル基板212側の第2端子228と、が導電性粒子を介して電気的に接続されるとともに、アレイ基板211B側の第1アライメントマーク222と、フレキシブル基板212側の第2アライメントマーク235と、が導電性粒子を介して電気的に接続される。この状態では、第1アライメントマーク222及び第1配線40が、第2アライメントマーク235に接続された第2配線41と同じ接地電位(グランド電位)となる。このように、第1アライメントマーク222及び第2アライメントマーク235を利用して接地電位の伝送を図ることができる。
【0063】
以上説明したように本実施形態によれば、アレイ基板211Bの第1主面211B2内に設けられて第1アライメントマーク222に接続される第1配線40と、フレキシブル基板212の第2主面212A内に設けられて第2アライメントマーク235に接続される第2配線41と、第1アライメントマーク222と第2アライメントマーク235との間に挟まれて第1アライメントマーク222と第2アライメントマーク235とを接続する異方性導電膜230と、を備える。アレイ基板211Bに対してフレキシブル基板212を取り付けると、異方性導電膜230を介して第1アライメントマーク222と第2アライメントマーク235との接続が図られる。第2配線41に電位が供給されると、その電位は、第2アライメントマーク235、異方性導電膜230及び第1アライメントマーク222を介して第1配線40へと伝送される。このように、第1アライメントマーク222及び第2アライメントマーク235を利用して電位の伝送を図ることができる。
【0064】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0065】
(1)識別マーク21の具体的なセルサイズに関しては、上記以外にも適宜に変更可能である。例えば、識別マーク21のセルサイズが14セル×14セルとすることができる。この場合の識別マーク21は、平面形状が正方形となり、そのデータ容量は、数字で16、英数字で10、バイナリで6となる。このとき、識別マーク21の占有スペースは、1セルの寸法を0.045mmとした場合、縦寸法が0.63mmとなり、横寸法が0.63mmとなる。従って、識別マーク21の占有スペースの横寸法が、
図12に示される従来例に比べると、0.81mm小型化される。言い換えると、アレイ基板11B,111B,211Bの突き出し部11B1,211B1には、X軸方向について0.81mm分の余剰スペースSPが生じることになる。この余剰スペースSPを利用すれば、突き出し部11B1に、例えばL/Sが0.045mmとされる第1端子19を、18本追加して設けることが可能となる。
【0066】
(2)第1アライメントマーク22,122,222のデータマトリックス32,132,232の具体的なセルサイズに関しては、上記以外にも適宜に変更可能である。第1アライメントマーク22,122,222のデータマトリックス32,132,232のセルサイズを変更すると、コード化される文字数やデータ容量が上記以外に変更される。
【0067】
(3)第1アライメントマーク22,122,222及び識別マーク21の各コード形状は、QRコード(登録商標)、VeriCode、MaxiCode等の他の二次元コード形状でもよい。また、第1アライメントマーク22,122,222及び識別マーク21の各コード形状は、データマトリックス形式を改変した形式のものであってもよい。また、第1アライメントマーク22,122,222及び識別マーク21の各コード形状は、例えば、JANシンボル、ITFシンボル,GS1データバー等に代表される一次元コード形状でもよい。
【0068】
(4)実施形態1,3に記載の構成において、第2アライメントマーク35,235の平面に視た大きさ(各辺部の寸法)は、適宜に変更可能である。例えば、第2アライメントマーク35,235が第1アライメントマーク22,222よりも平面に視て一回り大きい方形であってもよい。また、第2アライメントマーク35,235が第1アライメントマーク22,222と平面に視た大きさがほぼ同じでもよい。また、実施形態1,3に記載の第2アライメントマーク35,235を、実施形態2に記載した第1マーク部36または第2マーク部37のような大きさ・配置とすることも可能である。
【0069】
(5)実施形態2に記載の構成において、第1マーク部36と第2マーク部37との平面に視た大きさの大小関係は、適宜に変更可能である。例えば、上記した大小関係が
図13とは逆転していてもよく、同じ大きさでもよい。第1セル部38と第2セル部39との平面に視た大きさの大小関係は、
図14とは逆転していてもよく、同じ大きさでもよい。
【0070】
(6)実施形態2に記載の構成において、第2アライメントマーク135は、マーク部を3つ以上有する構成でもよい。例えば、平面形状が方形とされる第1アライメントマーク222の4つの角部付近に3つまたは4つのマーク部を配置することが可能である。
【0071】
(7)実施形態2に記載の構成において、第1セル部38及び第2セル部39の平面形状は、横長の長方形や縦長の長方形でもよい。その場合、第1マーク部36及び第2マーク部37の平面形状を、横長の長方形や縦長の長方形としてもよい。
【0072】
(8)第1端子19及び第1アライメントマーク22,122,222は、第1金属膜によって構成されてもよい。また、第1端子19及び第1アライメントマーク22,122,222は、第1金属膜及び第2金属膜の積層構造でもよい。また、第1端子19及び第1アライメントマーク22,122,222は、第2金属膜及び透明電極膜の積層構造でもよい。また、第1端子19及び第1アライメントマーク22,122,222は、第1金属膜、第2金属膜及び透明電極膜の積層構造でもよい。
【0073】
(9)アレイ基板11B,111B,211Bに取り付けられるフレキシブル基板12,112,212の数は、複数でもよい。
【0074】
(10)ドライバ13は、アレイ基板11B,111B,211Bの突き出し部11B1,211B1にCOG(Chip On Glass)実装されていてもよい。
【0075】
(11)液晶パネル11の表示モードは、VA、FFS、IPSのうちのいずれでもよい。
【0076】
(12)液晶パネル11の具体的な平面形状は、図示以外にも適宜に変更可能である。液晶パネル11の平面形状は、例えば正方形、円形、楕円形、台形等でもよい。
【0077】
(13)液晶パネル11は、透過型以外にも反射型や半透過型であってもよい。
【0078】
(14)液晶パネル11以外の表示パネル(有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等)を備える表示装置でもよい。その場合、表示装置は、バックライト装置を備えなくてもよい。
【0079】
(15)データマトリックス32,132,232は、光透過率が第2単位セルよりも高い第1単位セルとして透明な透明単位セルを有してもよい。この透明単位セルは、アレイ基板11B,111B,211Bを構成するガラス基板のうち、各金属膜等が非形成とされる部分によって構成される。また、データマトリックス32,132,232は、光透過率が第1単位セルよりも低い第2単位セルとして銀色を呈する銀色単位セルを有してもよい。この銀色単位セルは、アレイ基板11B,111B,211Bのガラス基板に形成された、いずれかの金属膜等によって構成される。
【符号の説明】
【0080】
10…液晶表示装置(表示装置)、10C…基板接続部材、11A…対向基板(第3基板)、11A1…第3主面、11B,111B,211B…アレイ基板(第1基板、リジッド基板)、11B2…第1主面、12,112,212…フレキシブル基板(第2基板)、12A…第2主面、21…識別マーク(識別表示部)、22,122,222…第1アライメントマーク、30,230…異方性導電膜、32,132,232…データマトリックス、32A,132A…白色単位セル(第1単位セル)、32B,132B,232B…黒色単位セル(第2単位セル)、35,135,235…第2アライメントマーク、36…第1マーク部、37…第2マーク部、…第1セル部、39…第2セル部、40…第1配線、41…第2配線