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特開2024-146974サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146974
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059712
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】星 有里枝
(72)【発明者】
【氏名】沖中 耕平
(72)【発明者】
【氏名】秋本 教夫
(72)【発明者】
【氏名】三宅 聡
(72)【発明者】
【氏名】草野 泰宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】家事代行に関するより正確なスケジュールを生成する、サーバ装置を提供する。
【解決手段】サーバ装置は、記憶手段と、スケジュール生成手段と、を備える。記憶手段は、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する。スケジュール生成手段は、依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する。スケジュール生成手段は、作業者が1日に複数の依頼者の家事を代行する場合、複数の依頼者それぞれの住宅において家事代行を開始する時刻を決定してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、
を備える、サーバ装置。
【請求項2】
前記スケジュール生成手段は、前記作業者が1日に複数の依頼者の家事を代行する場合、前記複数の依頼者それぞれの住宅において家事代行を開始する時刻を決定する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記スケジュール生成手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間に基づいて、前記作業者が家事代行の依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、
を含む、システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記スケジュール生成手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間に基づいて、前記作業者が家事代行の依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記作業者が依頼者の住宅に入室する際及び前記依頼者の住宅から退室する際に、前記作業者を認証する、認証手段と、
前記作業者の認証履歴に基づいて、前記作業者が家事の代行を開始した開始時刻と家事の代行を終了した終了時刻を算出すると共に、前記算出された開始時刻と終了時刻に基づいて前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を含む作業実績を生成する、作業実績生成手段と、
をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記スケジュール生成手段は、
スケジュール生成対象の依頼者及び依頼内容と同じ組み合わせの作業実績が少なくとも1以上存在する場合、前記少なくとも1以上の作業実績それぞれに対応する作業時間の平均値を計算し、前記計算された作業時間の平均値を前記スケジュール生成対象の依頼者及び依頼内容の家事代行に要する作業時間として扱い、前記作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
サーバ装置において、
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、サーバ装置の制御方法。
【請求項9】
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する処理と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家事代行に関する技術が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザのニーズを先読みしたサービスを提供することができる洗濯サービス提供システムを提供する、と記載されている。特許文献1の洗濯サービス提供システムは、車両により登録家庭を訪問し、その登録家庭から洗濯物を受け取って洗濯物の洗濯を代行して行うシステムである。洗濯サービス提供システムは、管理サーバを備える。管理サーバの制御部は、登録家庭ごとに、洗濯が必要な洗濯物の量に関する洗濯物量情報を取得し、その取得した各登録家庭の洗濯物量情報に基づき、車両によりいずれの登録家庭を訪問するか決定する。また、制御部は、訪問が決定された各登録家庭を車両により訪問する際の車両の走行計画を作成し、作成した走行計画をサービス提供者に対して通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-081993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたように、洗濯物に関する代行の場合、システムは、依頼者の状況等による影響を受けずに走行計画を立案できる。しかし、他の内容に関する家事代行の場合、システムが作業者の正確な予定を立案するのは困難である。依頼内容によって作業時間が異なるためである。
【0006】
本発明は、家事代行に関するより正確なスケジュールを生成することに寄与する、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点によれば、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、を備える、サーバ装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の視点によれば、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、を含む、システムが提供される。
【0009】
本発明の第3の視点によれば、サーバ装置において、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶し、前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、サーバ装置の制御方法が提供される。
【0010】
本発明の第4の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する処理と、前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する処理と、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の各視点によれば、家事代行に関するより正確なスケジュールを生成することに寄与する、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及びプログラムが提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態の概要を説明するための図である。
図2図2は、一実施形態の動作概要を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る認証サーバの処理構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る作業者管理データベースの一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る認証履歴管理データベースの一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る制御サーバの処理構成の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る業務管理データベースの一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る作業履歴管理データベースの一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る作業実績管理データベースの一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る業務制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図15図15は、本願開示に係る制御サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0014】
一実施形態に係るサーバ装置100は、記憶手段101と、スケジュール生成手段102と、を備える(図1参照)。記憶手段101は、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する(図2のステップS1)。スケジュール生成手段102は、依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する(ステップS2)。
【0015】
サーバ装置100は、家事代行業務における依頼内容ごとの作業時間を管理し、当該作業時間に基づいて作業者が各依頼先を訪問する際のスケジュールを決定する。依頼内容ごとの作業時間が考慮されてスケジュールが生成されるので、より正確なスケジュールが生成される。
【0016】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0018】
[システムの構成]
図3は、第1の実施形態に係る情報処理システム(家事代行システム)の概略構成の一例を示す図である。第1の実施形態に係る情報処理システムには、家事代行事業者が含まれる。家事代行事業者は、利用者に家事代行サービスを提供する。
【0019】
第1の実施形態では、マンションの住民(住人)に家事代行サービスが提供される場合を例にとり、情報処理システムの構成、動作等を説明する。なお、家事代行サービスは、マンションの住民以外に提供されてもよいことは勿論である。
【0020】
図3に示すマンション30は、生体認証に対応するマンションである。例えば、マンション30の各住宅にて生体認証が行われる。生体認証に成功したマンション住民は、自宅に入ることができる。
【0021】
本願開示では、マンション30の各住宅にて生体認証が行われる場合について説明する。各住宅のドアには認証モジュールが取り付けられている。
【0022】
認証モジュールは、被認証者を撮影するためのカメラ装置、ドアの解錠、施錠を行う電子錠、ネットワークに接続するための通信装置、メッセージを表示したり利用者の操作を受け付けたりするタッチパネル等を備える。なお、認証モジュールの構成や動作等は当業者にとって明らかであり、且つ、本願開示の趣旨とは異なるので、詳細な説明を省略する。
【0023】
図3に示すように、第1の実施形態に係る情報処理システムは、認証サーバ10と、制御サーバ20と、を含む。
【0024】
認証サーバ10は、マンション30において行われる生体認証を制御するサーバである。認証サーバ10は、マンションやマンションの管理会社の建物に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0025】
制御サーバ20は、住民に提供される家事代行サービスに関する制御を行うサーバである。制御サーバ20は、家事代行サービスを提供する家事代行事業者の建物に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0026】
利用者(マンション住民)は、端末40を所持する。利用者は、端末40を操作して、種々の情報を認証サーバ10に入力する。あるいは、利用者は、端末40を操作して、制御サーバ20に家事代行サービスの申し込みを行う。
【0027】
図3に示す各装置は、ネットワークに接続されている。具体的には、認証サーバ10、制御サーバ20、マンション30(各住宅の認証モジュール)及び端末40は、有線又は無線の通信手段によりネットワークに接続されている。
【0028】
図3に示す情報処理システムの構成は例示であって、その構成を限定する趣旨ではない。例えば、複数の認証サーバ10や制御サーバ20がシステムに含まれていてもよい。
【0029】
[概略動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略動作について説明する。
【0030】
<作業者登録>
家事代行事業者とマンション30の管理会社等は、家事代行サービスに関する所定の契約を締結している。当該契約に基づき、家事代行事業者の作業者は、家事代行サービスの享受を希望する住民が自宅に不在な場合であっても、当該住民の住宅に入室できる。家事代行事業者の作業者等は、生体認証により家事代行の依頼者の住宅に入室できる。
【0031】
当該作業者の入室を可能にするため、作業者には事前登録が求められる。具体的には、家事代行事業者の管理者等は、各作業者のID(作業者ID)、氏名、性別、生体情報等の情報を含むリストをマンション管理会社等に提出する。マンション管理会社の担当者等は、提出されたリストに基づいて、作業者登録を行う。
【0032】
認証サーバ10は、作業者ID、氏名、性別、生体情報等を対応付けて記憶する。認証サーバ10は、作業者ID等を作業者管理データベースに記憶する。作業者管理データベースの詳細は後述する。
【0033】
なお、上記生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。生体情報は、個人の身体的特徴を情報として含むものであればよい。第1の実施形態では、生体情報は、人の顔画像又は顔画像から生成された特徴量とする。
【0034】
<家事代行サービス>
利用者(マンション住民)は、必要に応じて、家事代行事業者に家事代行を依頼する。利用者は、端末40を操作して、制御サーバ20にアクセスする。利用者は、当該制御サーバ20が提供するウェブサイト等において、家事代行の依頼を行う。例えば、利用者は、氏名(世帯の代表者名)、住所(マンションの部屋番号)、家事代行の希望日及び家事代行の依頼内容(例えば、買い物、清掃、食事の準備、洗濯)等をウェブサイトに入力する。
【0035】
なお、家事代行は、住民が不在の場合にも行われることから、住民は、家事代行が行われる時間(時間帯)の指定はできない。基本的に、家事代行事業者(作業者)は、依頼者により指定された日の日中に依頼された家事(業務)を完了する。また、家事代行事業者は、一日に家事代行サービスを受注する依頼者の数を制限することで、依頼者から指定された日の日中に作業を完了する。
【0036】
制御サーバ20は、各依頼者の依頼内容(依頼事項)を管理する。制御サーバ20は、業務管理データベースを用いて各依頼者からの家事代行業務を管理する。業務管理データベースの詳細は後述する。
【0037】
制御サーバ20は、作業日の前日に、当該作業日における作業者のスケジュールを生成する。なお、家事代行サービスは、1棟のマンションに関し、1人の作業者により行われるものとする。制御サーバ20は、当該1人の作業者に関する作業日当日のスケジュールを生成する。
【0038】
制御サーバ20は、業務管理データベースに記憶された各家事代行業務について、作業者の1日のスケジュール(各住宅を訪問する時間)を自動的に決定する。
【0039】
例えば、住民Aは「買い物」を依頼し、住民Bは「簡易清掃」、住民Cは「全室清掃」を依頼した場合を考える。この場合、制御サーバ20は、買い物には1時間、簡易清掃には30分、全室清掃には2時間が必要と各業務について作業時間を見積もる。なお、マンションの住民が初めての作業内容を依頼した場合、各作業内容の作業時間には予め定められた初期値が用いられる。
【0040】
家事代行事業者が定める作業開始時刻が9時であれば、制御サーバ20は、住民Aの家事代行を9時に開始、住民Bの家事代行を10時に開始、住民Cの家事代行を10時30分に開始するといった内容のスケジュールを生成する。なお、作業者の全ての業務が完了するのは、12時30分であり、ここでは、理解の容易のため、住宅間の移動時間等は考慮されていない。
【0041】
家事代行事業者は、制御サーバ20が生成したスケジュールを作業者に通知する。あるいは、制御サーバ20は、作業者が所持する端末に上記生成されたスケジュールを送信してもよい。あるいは、作業者は、所持する端末を操作し、制御サーバ20から自身のスケジュールを取得してもよい。
【0042】
制御サーバ20が生成したスケジュールに従い、作業者は、家事代行依頼者の住宅(作業現場)に到着する。作業者が住宅のドアの前に立つと、ドアに取り付けられた認証モジュールは、当該作業者が入室を希望するのか退室を希望するのか取得する。例えば、認証モジュールは、タッチパネルに「入室」ボタンと「退室」ボタンを表示し、上記作業者の希望を取得する。
【0043】
例えば、作業者が「入室」ボタンを押下すると、認証モジュールは、当該作業者(ドアの面前に立つ被認証者)を撮影する。認証モジュールは、撮影により得られた画像データ(作業者が写る画像データ)と住宅IDを含む「認証要求」を認証サーバ10に送信する(図4参照)。
【0044】
住宅IDは、各住宅を識別するためのIDである。住宅IDには、住宅の部屋番号等を用いることができる。なお、住宅IDは、認証サーバ10と制御サーバ20の間において任意の方法によって共有される。例えば、マンション管理会社の担当者が住宅IDを認証サーバ10に設定する。また、当該担当者は、住宅IDを家事代行事業者に通知する。家事代行事業者の担当者は、通知された住宅IDを制御サーバ20に設定する。
【0045】
あるいは、マンション住民自身が住宅IDを登録してもよい。具体的には、マンション住民には、マンションの管理会社等から2次元バーコードが配布される。当該2次元バーコードには、各住民の住宅ID(部屋番号)が登録されている。住民は、スマートフォン等の端末40を操作して、当該2次元バーコードを読み取り、認証サーバ10にアクセスする。その際、端末40から認証サーバ10に住宅ID(部屋番号)が通知される。また、認証サーバ10は、住民の個人情報(氏名、顔画像等)を登録するためのウェブサイト(ポータルサイト)を端末40に表示する。住民は、当該ウェブサイト上で氏名等を入力する。住民が入力した住宅ID(部屋番号)は、認証サーバ10から制御サーバ20に送信され、住宅IDが制御サーバ20と認証サーバ10の間で共有される。
【0046】
認証サーバ10は、認証モジュールから取得した生体情報と、作業者管理データベースに登録された生体情報と、を用いて生体認証を実行する。認証サーバ10は、被認証者(作業者)の生体情報が作業者管理データベースに登録されていれば、認証成功と判定する。
【0047】
認証サーバ10は、被認証者の認証に成功すると、その旨を示す肯定応答を認証モジュールに送信する。認証サーバ10は、被認証者の認証に失敗すると、その旨を示す否定応答を認証モジュールに送信する。
【0048】
認証に成功した場合、認証サーバ10は、作業者の入室履歴を生成する。具体的には、認証サーバ10は、被認証者(作業者)の作業者ID、生体情報、作業者が入室した住宅の住宅ID(部屋番号等)、入室日、入室時刻等を入室履歴として作成する。認証サーバ10は、生成した入室履歴を認証履歴管理データベースに記憶する。認証履歴管理データベースの詳細は後述する。
【0049】
肯定応答(認証成功)を受信すると、認証モジュールは、ドアを解錠する。否定応答(認証失敗)を受信すると、認証モジュールは、ドアを解錠しない。
【0050】
認証に成功すると(ドアが解錠されると)、作業者は、家事代行の依頼者の住宅に入室できる。
【0051】
作業者は、指示された業務(家事の代行)を完了すると、家事代行サービスの依頼者の住宅を退室する。依頼者の住宅を退室する際、作業者は、当該住宅のドアを施錠する。具体的には、作業者は、ドアのタッチパネルに表示された「退室」ボタンを押下する。当該退室ボタンの押下に応じて、ドアに取り付けられた認証モジュールは、ドアを施錠すると共に作業者を撮影する。
【0052】
認証モジュールは、撮影により得られた画像データと住宅IDを含む「退室者通知」を認証サーバ10に送信する(図5参照)。
【0053】
退室者通知を受信すると、認証サーバ10は、当該退室者通知に含まれる生体情報と認証履歴管理データベースに記憶された生体情報を用いた照合処理(1対1照合)を実行する。認証サーバ10は、照合処理により退室者が作業者であることを確かめる。認証サーバ10は、照合処理に成功すると作業者の退室時刻を認証履歴管理データベースに記憶する。
【0054】
作業者の家事代行完了を検出すると、認証サーバ10は、その旨を制御サーバ20に通知する。認証サーバ10は、1軒の住宅(1人の依頼者)における家事代行が完了したことを示す「作業完了通知」を制御サーバ20に送信する。
【0055】
作業完了通知には、家事代行を完了した作業者の作業者ID、作業者が作業した住宅の住宅ID(部屋番号等)等が含まれる。
【0056】
<作業実績の生成>
制御サーバ20は、作業完了通知を処理する。制御サーバ20は、作業完了通知に含まれる情報を用いて、家事代行業務に関する作業履歴を生成する。制御サーバ20は、当該生成された作業履歴を、作業履歴管理データベースを用いて管理する。作業履歴管理データベースの詳細は後述する。
【0057】
さらに、制御サーバ20は、作業完了通知に含まれる情報や業務管理データベースに記憶された情報に基づいて、作業者が実施した業務(家事代行の依頼内容)の作業実績を生成する。
【0058】
制御サーバ20は、作業履歴に含まれる作業開始時刻及び作業完了時刻に基づいて依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を計算する。例えば、制御サーバ20は、利用者Aの「買い物」に「30分」、利用者Bの「簡易清掃」に「1時間」、利用者Cの「全室清掃」に「2時間」のように依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を計算する。
【0059】
制御サーバ20は、計算した作業時間を作業実績管理データベースに記憶する。制御サーバ20は、依頼者(マンション住民)及び作業内容(家事代行項目)ごとの作業実績を作業実績管理データベースに記憶する。作業実績管理データベースの詳細は後述する。
【0060】
制御サーバ20は、作業実績管理データベースに記憶された依頼者及び作業内容ごとの作業実績を、作業者の新たなスケジュール生成に活用する。例えば、制御サーバ20は、同じ住民から同じ内容の家事代行依頼を受けた際、作業実績管理データベースに登録された作業実績に基づいて、作業時間の見積もりを行う。
【0061】
例えば、利用者Aの「買い物」は、初期値よりも短い30分で見積もられ、利用者Bの「簡易清掃」は初期値よりも長い1時間で見積もられる。このような見積もりに基づいて生成されたスケジュールは、各家庭の作業量、状況等が反映された正確なものとなる。
【0062】
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0063】
[認証サーバ]
図6は、第1の実施形態に係る認証サーバ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図6を参照すると、認証サーバ10は、通信制御部201と、作業者管理部202と、認証部203と、記憶部204と、を備える。
【0064】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、制御サーバ20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、制御サーバ20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0065】
作業者管理部202は、家事代行事業者に所属する作業者を管理する手段である。例えば、作業者管理部202は、GUI(Graphical User Interface)等を用いてマンション管理会社の担当者等から作業者の情報が記載されたリストを取得する。
【0066】
当該取得したリストには各作業者の生体情報(顔画像)が含まれる。作業者管理部202は、各作業者の顔画像それぞれから特徴量を生成する。
【0067】
作業者管理部202による特徴量の生成処理に関しては既存の技術を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。例えば、作業者管理部202は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、作業者管理部202は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算する(複数の特徴量からなる特徴ベクトルを生成する)。
【0068】
作業者管理部202は、取得したリストに含まれる作業者ID、氏名、性別、上記生成した特徴量等を対応付けて作業者管理データベースに記憶する(図7参照)。なお、図7に示す作業者管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、生体情報として「顔画像」が作業者管理データベースに登録されていてもよい。
【0069】
認証部203は、被認証者の認証を行う手段である。認証部203は、認証モジュールから受信する認証要求や退室者通知を処理する。認証部203は、作業者が依頼者の住宅に入室する際及び当該依頼者の住宅から退室する際に、作業者を認証する。
【0070】
認証部203は、認証モジュールから認証要求を受信すると、当該認証要求に含まれる画像データから顔画像を抽出する。
【0071】
認証部203による顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、認証部203は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、認証部203は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0072】
画像データから顔画像を抽出すると、認証部203は、画像データから抽出した顔画像(生体情報)と作業者管理データベースに記憶された生体情報を用いた照合処理を行う。
【0073】
具体的には、認証部203は、抽出した顔画像から特徴量を生成する。認証部203は、当該生成された特徴量を照合対象に設定し、作業者管理データベースに登録された特徴量との間で照合処理(1対N照合;Nは正の整数、以下同じ)を行う。
【0074】
認証部203は、照合対象の特徴量と登録側の複数の特徴量それぞれとの間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
【0075】
認証部203は、作業者管理データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在しなければ、被認証者の認証に失敗したと判定する。
【0076】
認証部203は、作業者管理データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在すれば、被認証者の認証に成功したと判定する。認証部203は、類似度が最も高い特徴量に対応するエントリの作業者を被認証者(家事代行で依頼者宅を訪れた作業者)として特定する。
【0077】
認証部203は、認証結果(認証成功、認証失敗)を認証モジュールに通知する。認証部203は、認証要求に対する応答(肯定応答、否定応答)を認証モジュールに送信する。
【0078】
また、作業者の認証に成功すると、認証部203は、認証履歴管理データベースを更新する。作業者の認証に成功すると、認証部203は、認証履歴管理データベースに新たなエントリを追加する。
【0079】
認証部203は、当該追加したエントリに、被認証者(作業者)の作業者ID、生体情報、作業者が入室した住宅の住宅ID(認証要求に含まれる住宅ID;部屋番号等)、入室日、入室時刻等を記憶する(図8参照)。認証部203は、認証要求の受信日時に基づき入室日、入室時刻を算出する。なお、図8に示す認証履歴管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0080】
認証部203は、住宅に取り付けられた認証モジュールから退室者通知を受信する。認証部203は、当該退室者通知を処理する。
【0081】
認証部203は、認証履歴管理データベースのエントリのうち退室時刻が設定されていないエントリを抽出する。認証部203は、当該抽出されたエントリのうち、退室者通知に含まれる住宅IDが住宅IDフィールドに設定されているエントリを特定する。認証部203は、当該特定されたエントリの生体情報フィールドに設定された生体情報(特徴量)を取得する。
【0082】
認証部203は、取得した生体情報と退室者通知に含まれる生体情報を用いた照合処理を実行し、住宅から退室した退出者が作業者か否か判定する。認証部203は、退室者通知に含まれる画像データから顔画像を抽出する。認証部203は、当該抽出された顔画像から特徴量を生成する。
【0083】
認証部203は、認証履歴管理データベースから得られた特徴量と、退室者通知に含まれる画像データから得られる特徴量と、を用いた照合処理(1対1照合)を実行する。認証部203は、2つの特徴量を用いて対応する顔画像間の類似度を算出する。認証部203は、当該算出した類似度に対する閾値処理の結果に基づき、2つの画像が同一人物の顔画像か否かを判定する。
【0084】
類似度が所定の値よりも大きければ(距離が所定の値よりも短ければ)、認証部203は、照合処理成功と判定する。この場合、認証部203は、住宅から退室した退室者は作業者であると判定する。
【0085】
類似度が所定の値以下であれば、認証部203は、照合処理失敗と判定する。この場合、認証部203は、住宅から退室した退室者は作業者以外の人物(例えば、マンションの住民)と判定する。
【0086】
照合処理に失敗すると、認証部203は、特段の処理を実行しない。
【0087】
照合処理に成功すると、認証部203は、作業者の退室を記憶する。認証部203は、認証履歴管理データベースを更新する。認証部203は、住宅IDにより特定されたエントリの退室時刻フィールドに退室者通知の受信時刻を設定する。
【0088】
認証履歴管理データベースの退室時刻フィールドが埋まることで、認証部203は、1軒の住宅における家事代行業務が終了したと判定する。
【0089】
1軒の住宅における作業者の家事代行業務が終了すると、認証部203は、その旨を家事代行事業者(制御サーバ20)に通知する。具体的には、認証部203は、認証履歴管理データベースから、作業者ID、住宅ID、作業日(入室日)、作業開始時刻(入室時刻)及び作業終了時刻(退室時刻)等を読み出す。また、認証部203は、住宅IDと住民の氏名(世帯の代表者名)を対応付けて記憶するテーブル情報を参照して、住民の氏名を取得する。
【0090】
認証部203は、作業者ID、住民の氏名、住宅ID、作業日(入室日)、作業開始時刻(入室時刻)及び作業終了時刻(退室時刻)等を含む作業完了通知を制御サーバ20に送信する。
【0091】
認証部203は、マンションの住民が自宅に入室する際の生体認証等に関する制御も行う。マンション住民の生体認証は本願開示の趣旨とは異なるので説明を省略する。
【0092】
記憶部204は、認証サーバ10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0093】
[制御サーバ]
図9は、第1の実施形態に係る制御サーバ20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図9を参照すると、制御サーバ20は、通信制御部301と、業務制御部302と、作業完了通知処理部303と、記憶部304と、を備える。
【0094】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、認証サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、認証サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部301は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0095】
業務制御部302は、家事代行業務に関する制御を行う手段である。
【0096】
業務制御部302は、依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段としての機能を備える。より詳細には、業務制御部302は、依頼者及び依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行の依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する。
【0097】
業務制御部302は、家事代行サービスを希望する住民(マンション住民)から家事の代行依頼を取得する。例えば、業務制御部302は、GUI等を用いて家事代行サービスを希望する住民の氏名、住所(部屋番号)、家事代行の実施希望日及び依頼内容を取得する。
【0098】
業務制御部302は、取得した情報を業務管理データベースに記憶する(図10参照)。なお、図10に示す業務管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、家事代行サービスの依頼を受けた日時等が業務管理データベースに登録されていてもよい。
【0099】
また、上述のように、業務制御部302は、家事代行業務を担当する作業者のスケジュールを生成する。業務制御部302は、例えば、作業実施日の前日に作業者のスケジュール(作業日当日に作業者が各住宅での作業を開始する予定時刻)を生成する。業務制御部302は、生成したスケジュールを業務管理データベースに記憶する。
【0100】
図10の例では、業務制御部302は、2023年3月2日の前日(3月1日)に、3軒の住宅それぞれにおける家事代行業務の開始予定時刻を算出する。即ち、業務制御部302は、作業者が1日に複数の依頼者の家事を代行する場合、当該複数の依頼者それぞれの住宅において家事代行を開始する時刻を決定する。業務制御部302は、算出した開始予定時刻を対応する業務のエントリに記憶する。
【0101】
業務制御部302は、生成したスケジュールを作業者に通知する。例えば、業務制御部302は、作業者が所持するスマートフォン等の端末に上記生成したスケジュール等を送信する。業務制御部302は、依頼者の氏名、部屋番号、作業内容(依頼内容)、家事代行の開始予定時刻(訪問する住宅の順番)等を作業者の端末に送信する。あるいは、家事代行事業者の職員等が、電話連絡等により上記生成されたスケジュールを作業者に通知してもよい。
【0102】
なお、作業者のスケジュールの生成に関する業務制御部302のより詳細な動作は後述する。
【0103】
作業完了通知処理部303は、認証サーバ10から受信する作業完了通知を処理する手段である。
【0104】
作業完了通知処理部303は、作業完了通知を受信すると作業履歴を生成する。具体的には、作業完了通知を受信すると、作業完了通知処理部303は、作業履歴管理データベースに新たなエントリを追加する。作業完了通知処理部303は、当該追加したエントリに、作業完了通知に含まれる情報を記憶する(図11参照)。なお、図11に示す作業履歴管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0105】
さらに、作業完了通知処理部303は、作業完了通知に含まれる情報(認証サーバ10による認証履歴)と業務管理データベースに記憶された情報を用いて、作業者が実施した家事代行(家事代行の依頼内容)の作業時間を計算する。
【0106】
作業完了通知処理部303は、作業完了通知に含まれる作業者ID、依頼者氏名、住宅IDを用いて業務管理データベースに記憶されたエントリのなかから作業完了が通知されたエントリ(作業が完了した依頼内容)を特定する。例えば、作業完了通知に、作業者ID「wID14」、依頼者氏名「佐藤一郎」、住宅ID「202」が含まれる場合、図10に示す1行目のエントリが特定される。
【0107】
作業完了通知処理部303は、特定したエントリの依頼内容フィールドから作業が完了した依頼内容を取得する。上記の例では、「簡易清掃」が取得される。
【0108】
次に、作業完了通知処理部303は、作業完了通知に含まれる作業終了時刻(退室時刻)から作業開始時刻(入室時刻)を減算することで、業務が完了した依頼内容の作業時間を計算する。
【0109】
作業完了通知処理部303は、上記特定された作業内容と計算した作業時間を作業実績管理データベースに記憶する(図12参照)。図12に示すように、作業完了通知処理部303は、家事代行依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を作業実績管理データベースに記憶する。
【0110】
例えば、上記の例では、依頼者「佐藤一郎」に関し、2023年3月2日に実施された「簡易清掃」の作業時間は33分と計算され、作業実績管理データベースに記憶される。なお、図12に示す作業実績管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0111】
このように、作業完了通知処理部303は、作業実績を生成する、作業実績生成手段としての機能を備える。作業完了通知処理部303は、作業者の認証履歴に基づいて、当該作業者が家事の代行を開始した開始時刻と家事の代行を終了した終了時刻を算出する。作業完了通知処理部303は、当該算出された開始時刻と終了時刻に基づいて依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を含む作業実績を生成する。
【0112】
続いて、業務制御部302による作業者のスケジュール生成について説明する。
【0113】
図13は、第1の実施形態に係る業務制御部302の動作の一例を示すフローチャートである。図13を参照し、業務制御部302による作業者のスケジュール生成について説明する。
【0114】
業務制御部302は、予め定められたタイミングで業務管理データベースにアクセスし、スケジュールの生成対象となるエントリ(業務;依頼者と依頼内容の組み合わせ)を特定する(スケジュール生成対象の特定;ステップS101)。
【0115】
例えば、図10の例では、家事代行希望日(2023年3月2日)の前日に、業務制御部302は、「佐藤一郎」、「鈴木二郎」、「高橋三郎」の3人の住民から依頼された家事代行業務を作業者のスケジュール生成対象として特定する。
【0116】
その後、業務制御部302は、住民及び依頼内容ごとに作業時間の推定を行う(ステップS102)。
【0117】
具体的には、業務制御部302は、業務管理データベースの特定されたエントリから住民(依頼者)の氏名と依頼内容を取得する。例えば、業務制御部302は、依頼者氏名「佐藤一郎」と依頼内容「簡易清掃」を取得する。
【0118】
業務制御部302は、取得した依頼者氏名及び依頼内容の組み合わせが作業実績管理データベースに登録されているか否か判定する。例えば、図12の2行目、3行目を参照すると、「佐藤一郎」及び「簡易清掃」の組み合わせは作業実績管理データベースに登録されている。
【0119】
依頼者氏名と依頼内容の組み合わせが作業実績管理データベースに登録されていなければ、業務制御部302は、スケジュール生成対象の業務(依頼内容)の作業時間として初期値を採用する。この場合、例えば、業務制御部302は、依頼内容と作業時間の初期値が記憶されたテーブル情報等を参照し、依頼された依頼内容の作業時間を取得する。
【0120】
依頼者氏名と依頼内容の組み合わせが作業実績管理データベースに登録されていれば、業務制御部302は、過去の作業実績に基づいて依頼された依頼内容の作業時間を推定する。図12を参照すると、依頼者氏名「佐藤一郎」及び依頼内容「簡易清掃」の例では、当該依頼者は過去に2回の簡易清掃を依頼し、その作業時間は、30分と34分であることが分かる。
【0121】
ここで、同一の依頼者及び同一の依頼内容について、複数回の作業実績が含まれる場合、業務制御部302は、当該複数回の作業時間の平均値を依頼された業務の推定作業時間とする。上記の例では、依頼者「佐藤一郎」及び依頼内容「簡易清掃」の作業時間として「32分」が推定される。
【0122】
同一の依頼者及び同一の依頼内容について、1回の作業実績が含まれる場合、業務制御部302は、当該1回の作業時間を依頼された業務の推定作業時間とする。例えば、依頼者が「佐藤一郎」であって依頼内容が「買い物」の場合、作業時間は45分と推定される。
【0123】
依頼者及び依頼内容ごとの作業時間の推定が完了すると、業務制御部302は、各スケジュール生成対象の業務について開始予定時刻を計算する(ステップS103)。
【0124】
業務制御部302は、1軒目の開始予定時刻は、家事代行事業者が定める業務開始時刻(例えば、9時00分)を設定する。2軒目以降の開始予定時刻に関し、業務制御部302は、先の家事代行業務の開始予定時刻に対応する推定作業時間を加算し、先の家事代行業務の作業終了予定時刻を計算する。業務制御部302は、計算した作業終了予定時刻に所定時間(作業者の移動時間やマージン等を考慮した時間)を加算して、2軒目以降の開始予定時刻を計算する。
【0125】
業務制御部302は、各家事代行業務について開始予定時刻を計算すると、作業者のスケジュール生成を終了する。生成されたスケジュールは、業務管理データベースに記憶される。
【0126】
このように、業務制御部302は、スケジュール生成対象の家事代行業務(依頼者及び依頼内容の組み合わせ)と同じ組み合わせの作業実績が少なくとも1以上存在する場合、少なくとも1以上の作業実績それぞれに対応する作業時間の平均値を計算する。業務制御部302は、計算された作業時間の平均値をスケジュール生成対象の依頼者及び依頼内容の家事代行に要する作業時間として扱い、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する。なお、上述のように、スケジュール生成対象の家事代行業務と同じ組み合わせの作業実績が存在しない場合、業務制御部302は、初期値(デフォルト値)の作業時間をスケジュール生成に用いる。また、スケジュール生成対象の家事代行業務と同じ組み合わせの作業実績が1つ存在する場合、業務制御部302は、当該1度の作業実績の作業時間をスケジュール生成に用いる。
【0127】
記憶部304は、制御サーバ20の動作に必要な情報を記憶する手段である。記憶部304は、少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間(作業時間の初期値)を記憶する。さらに、記憶部304は、作業実績管理データベースを用いて依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を記憶する。
【0128】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。
【0129】
図14は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図14を参照し、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明する。
【0130】
認証サーバ10は、作業者が訪問した住宅の認証モジュールから「認証要求」を受信する(ステップS01)。
【0131】
認証サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報と作業者管理データベースに記憶された生体情報を用いた認証処理を実行する(ステップS02)。
【0132】
認証サーバ10は、認証に成功すると、その旨を示す肯定応答を認証モジュールに送信する(ステップS03)。
【0133】
作業者が依頼された家事を終了すると、認証サーバ10は、認証モジュールから「退室者通知」を受信する(ステップS04)。
【0134】
退室者通知を受信すると、認証サーバ10は、生体認証によって退室者が作業者であることを確認した後に、作業完了通知を制御サーバ20に送信する(ステップS05)。
【0135】
制御サーバ20は、作業完了通知の受信に応じて、家事代行業務に関する作業履歴を生成する。また、制御サーバ20は、作業完了通知の受信に応じて、家事代行の依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を計算し、作業実績管理データベースに記憶する(作業実績の生成;ステップS06)。
【0136】
作業実績管理データベースに記憶された作業実績(依頼者及び依頼内容ごとの作業時間)は、作業者の新たなスケジュール生成時に利用される。
【0137】
続いて、第1の実施形態に係る変形例について説明する。
【0138】
<変形例1>
制御サーバ20は、スケジュールが生成された作業者の情報を認証サーバ10と共有してもよい。具体的には、作業者のスケジュールを生成すると、制御サーバ20は、当該作業者の作業者ID及び作業日を認証サーバ10に送信してもよい。例えば、図10の例では、制御サーバ20は、作業者ID「wID14」と作業日「2023年3月2日」を認証サーバ10に送信する。
【0139】
認証サーバ10は、制御サーバ20から通知された作業日に認証成功と判定する作業者を、通知された作業者IDに対応する作業者に限定してもよい。上記の例では、認証サーバ10は、2023年3月2日に認証要求を処理する場合、作業者管理データベースに記憶された作業者のうち作業者ID「wID14」に対応する作業者に限り認証成功と判定する。
【0140】
このように、作業日にマンション30内で作業をする作業者の情報が事前に認証サーバ10に通知されることで、作業者以外の作業者が各住宅に入ることができない。その結果、情報処理システムのセキュリティが向上する。
【0141】
あるいは、制御サーバ20は、作業者が入室する予定の住宅の情報(住宅ID)や入室予定の時間帯を認証サーバ10に事前通知してもよい。認証サーバ10は、事前に通知された住宅や時間帯において認証要求を受信した場合に限り、認証成功(作業者の入室許可)と判定してもよい。このような構成により、家事代行を依頼していない住民の住宅に作業者が入室したり、既に作業が完了した住宅に再び作業者が入室したりすることが防止される。
【0142】
<変形例2>
制御サーバ20は、認証履歴に基づいて生成された依頼者(住民)及び依頼内容ごとの作業実績を、家事代行サービスを希望する利用者に料金を提示する際に活用してもよい。
【0143】
例えば、時給によって家事代行サービスの料金が利用者に請求される場合、制御サーバ20は、作業内容により最終的に請求されると想定される金額を利用者に提示してもよい。具体的には、利用者及び依頼内容の組み合わせについて作業実績がなければ、当該依頼内容に関する初期値の料金が提示される。また、利用者及び依頼内容の組み合わせについて作業実績が存在すれば、過去の実績に基づいて算出された料金が提示される。
【0144】
例えば、利用者Dが初めて「買い物」の家事代行を依頼した場合、当該買い物の作業時間の初期値が1時間であれば、1時間に応じた料金が利用者Dに提示される。利用者Dが2回目以降に「買い物」の家事代行を依頼する場合であって、当該利用者Dの買い物の作業実績が「30分」の場合、30分に応じた料金が利用者Dに提示される。
【0145】
このように、制御サーバ20は、依頼者及び依頼内容ごとの作業実績(作業時間)に基づいて料金を提示することで、利用者は家事代行サービスを依頼するか否か容易に判断できる。
【0146】
以上のように、第1の実施形態に係る制御サーバ20は、依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を管理し、当該作業時間に基づいて家事代行スタッフが各家庭を回る際のスケジュールを決定する。その際、制御サーバ20は、生体認証により依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を蓄積する。制御サーバ20は、同じ組み合わせの家事代行業務が発生した際、蓄積された作業時間に基づいて、家事代行業務の作業時間を推定し、家事代行スタッフのスケジュールを決定する。このようにして決定されたスケジュールは、各家庭の状況等が反映された正確なスケジュールといえる。
【0147】
続いて、情報処理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図15は、制御サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0148】
制御サーバ20は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図15に例示する構成を備える。例えば、制御サーバ20は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0149】
但し、図15に示す構成は、制御サーバ20のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。制御サーバ20は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、制御サーバ20に含まれるプロセッサ311等の数も図15の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311が制御サーバ20に含まれていてもよい。
【0150】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0151】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0152】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0153】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0154】
制御サーバ20の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0155】
なお、認証サーバ10も制御サーバ20と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成は制御サーバ20と相違する点はないので説明を省略する。
【0156】
制御サーバ20は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで制御サーバ20の機能が実現できる。また、制御サーバ20は、当該プログラムにより制御サーバ20の制御方法を実行する。
【0157】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した情報処理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0158】
上記実施形態では、認証サーバ10は、生体情報を用いた照合処理により被認証者を特定する場合について説明した。しかし、認証サーバ10は、他の方法により被認証者を特定してもよい。例えば、認証サーバ10は、作業者IDを被認証者から取得することで被認証者を特定してもよい。その際、被認証者(作業者)は、自身の作業者IDが変換された2次元バーコードを認証モジュールに提示したり、作業者IDを認証モジュールに入力したり、作業者IDが格納されたカードを認証モジュールに読み込ませてもよい。
【0159】
上記実施形態では、依頼者が自宅に不在の場合を想定し、情報処理システムの動作を説明した。依頼者が在宅している場合であっても、作業者は、依頼者の住宅に入室する際及び退室する際、認証モジュールによる認証を受ける。即ち、作業者は、依頼者の在宅、不在に関わらず、認証モジュールによる生体認証を受ける。
【0160】
上記実施形態では、住宅からの退室者が「退室」ボタンを押下することで、ドアが施錠されることを説明した。しかし、当該ドアはオートロックにより施錠されてもよい。この場合、認証モジュールは、「入室」ボタンと「作業終了」ボタンをディスプレイ等に表示する。作業者は、家事代行業務を終了すると、「作業終了」ボタンを押下する。当該ボタンの押下に応じて、認証モジュールは、退室者の生体情報と住宅IDを含む退室者通知を認証サーバ10に送信すればよい。
【0161】
制御サーバ20は、作業履歴から生成された作業実績を用いて、各依頼内容の初期値を決定(変更)してもよい。例えば、制御サーバ20は、所定量の作業実績が蓄積された依頼内容について、作業時間の平均値を算出し、当該算出された平均値を依頼内容の初期値に採用してもよい。例えば、複数の依頼者に関する「買い物」の作業実績が所定量(所定回数)、蓄積されていれば、制御サーバ20は、蓄積された作業時間の平均値を計算することで、依頼内容「買い物」の初期値を計算する。当該計算された初期値は、初めて「買い物」の家事代行を依頼する依頼者の作業時間として用いられる。
【0162】
制御サーバ20は、依頼者、依頼内容及び作業者ごとの作業時間に基づいて、作業者のスケジュールを生成してもよい。制御サーバ20は、家事代行業務に割り当てられた作業者が、同じ依頼者及び同じ依頼内容の家事を代行している実績が存在すれば、当該実績(作業時間)を作業者のスケジュール生成に用いてもよい。例えば、図12の例において、依頼者「佐藤一郎」、依頼内容「簡易清掃」を担当する作業者の作業者IDが「wID15」であれば、当該家事代行業務の作業時間は「30分」と推定される。対して、同じ依頼者及び依頼内容であっても作業者の作業者IDが「wID16」であれば、当該家事代行業務の作業時間は「34分」と推定される。
【0163】
上記実施形態では、1軒の住宅において1人の作業者が作業をすることを前提に、制御サーバ10が作業者のスケジュールを生成する場合について説明した。しかし、制御サーバ10は、1軒の住宅における作業が複数の作業者によって作業される場合のスケジュールを生成してもよい。また、制御サーバ10は、利用者に料金を提示する際、作業者数を選択可能にしてもよい。例えば、制御サーバ10は、作業者数、料金、作業時間を利用者に提示しつつ、家事代行サービスの受付をしてもよい。例えば、制御サーバ10は、「作業者数:1人、作業時間:1時間、料金:1000円」という選択肢と「作業者数:2人、作業時間:30分、料金:2000円」という選択肢を提示してもよい。このように、制御サーバ10は、作業者数が増えるとトータルの作業時間が減るが料金が高くなるような選択肢を利用者に提示してもよい。
【0164】
上記実施形態では、認証サーバ10と制御サーバ20が情報処理システムに含まれる場合について説明した。しかし、これらのサーバの機能は一台のサーバにより実現されてもよい。具体的には、制御サーバ20は、認証サーバ10の機能(例えば、認証部203)を備えていてもよい。
【0165】
上記実施形態では、認証サーバ10の内部に作業者管理データベース、認証履歴管理データベースが構成される場合について説明したが、これらのデータベースは外部のデータベースサーバ等に構築されてもよい。即ち、認証サーバ10の一部の機能は別の装置に実装されていてもよい。より具体的には、上記説明した「認証部(認証手段)」等がシステムに含まれるいずれかの装置に実装されていればよい。
【0166】
各装置(認証サーバ10、制御サーバ20)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、住民の氏名等が送受信され、これらの情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0167】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0168】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0169】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、家事代行サービスをマンション等の住民に提供する情報処理システムなどに好適に適用可能である。
【0170】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、
を備える、サーバ装置。
[付記2]
前記スケジュール生成手段は、前記作業者が1日に複数の依頼者の家事を代行する場合、前記複数の依頼者それぞれの住宅において家事代行を開始する時刻を決定する、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記記憶手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記スケジュール生成手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間に基づいて、前記作業者が家事代行の依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、付記1又は2に記載のサーバ装置。
[付記4]
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する、記憶手段と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、スケジュール生成手段と、
を含む、システム。
[付記5]
前記記憶手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記スケジュール生成手段は、前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間に基づいて、前記作業者が家事代行の依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、付記4に記載のシステム。
[付記6]
前記作業者が依頼者の住宅に入室する際及び前記依頼者の住宅から退室する際に、前記作業者を認証する、認証手段と、
前記作業者の認証履歴に基づいて、前記作業者が家事の代行を開始した開始時刻と家事の代行を終了した終了時刻を算出すると共に、前記算出された開始時刻と終了時刻に基づいて前記依頼者及び依頼内容ごとの作業時間を含む作業実績を生成する、作業実績生成手段と、
をさらに含む、付記5に記載のシステム。
[付記7]
前記スケジュール生成手段は、
スケジュール生成対象の依頼者及び依頼内容と同じ組み合わせの作業実績が少なくとも1以上存在する場合、前記少なくとも1以上の作業実績それぞれに対応する作業時間の平均値を計算し、前記計算された作業時間の平均値を前記スケジュール生成対象の依頼者及び依頼内容の家事代行に要する作業時間として扱い、前記作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、付記6に記載のシステム。
[付記8]
サーバ装置において、
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶し、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する、サーバ装置の制御方法。
[付記9]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
少なくとも家事代行の依頼内容ごとに作業時間を記憶する処理と、
前記依頼内容ごとの作業時間に基づいて、作業者が家事代行を依頼した依頼者の住宅を訪問する際のスケジュールを生成する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【0171】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0172】
10 認証サーバ
20 制御サーバ
30 マンション
40 端末
100 サーバ装置
101 記憶手段
102 スケジュール生成手段
201 通信制御部
202 作業者管理部
203 認証部
204 記憶部
301 通信制御部
302 業務制御部
303 作業完了通知処理部
304 記憶部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
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