(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146984
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】カートリッジ装着容器
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20241008BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241008BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B41J2/165 401
B41J2/01 451
B41J2/17 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059727
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 次郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA27
2C056EB06
2C056EB50
2C056JA01
2C056JA24
2C056JB03
2C056JB04
2C056JB15
2C056JC13
2C056JC25
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】ニードルがシール部材に対して斜めに挿入された場合であっても液漏れが発生しない。
【解決手段】カートリッジ装着容器110は、内部空間と外部とを連通する廃液用連通孔73を有する洗浄液カートリッジ76が後方に向かってに挿入される。洗浄液カートリッジ76が挿入されるケース130と、ケース130の終面111に位置しており、前向きに延びる廃液ニードル114、および前後方向8に沿った貫通孔148を有する廃液ジョイント22と、終面111と連続しており、貫通孔148の内面150と隙間Sを有して挿入されるビス145と、後方に廃液ジョイント22と当接する当接部146と、廃液ジョイント22が終面11から離れた状態で、廃液ジョイント22を前向きに付勢するコイルバネ151と、を備える。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間と外部とを連通する第1連通孔を有するカートリッジが第1向きに挿入される装着装置であって、
上記カートリッジが挿入されるケースと、
上記ケースの終面に位置しており、上記第1向きと反対向きの第2向きに延びる第1ニードル、および上記第1向きに沿った貫通孔を有する第1ジョイントと、
上記終面と連続しており、上記貫通孔の内面と隙間を有して挿入される規制部と、
上記第1向きに上記第1ジョイントと当接する当接部と、
上記第1ジョイントが上記終面から離れた状態で、上記第1ジョイントを上記第2向きに付勢する弾性部材と、を備えたカートリッジ装着容器。
【請求項2】
上記貫通孔は、上記第1ニードルの周囲に複数が位置しており、
上記規制部は、複数であって、それぞれの上記貫通孔に挿入されており、
上記弾性部材は、上記規制部がそれぞれ挿通される複数のコイルバネである請求項1に記載のカートリッジ装着容器。
【請求項3】
上記貫通孔は、上記第1ニードルの周囲に3つが位置する請求項2に記載のカートリッジ装着容器。
【請求項4】
上記カートリッジは、上記第1連通孔を開閉するバルブと、当該バルブを上記第1向きへ付勢する第1バネと、を有しており、
上記弾性部材の付勢力は、上記第1バネの付勢力よりも大きい請求項1から3のいずれかに記載のカートリッジ装着容器。
【請求項5】
上記ケースの内部空間を区画する底面から突出するロック部と、
上記ロック部を付勢する第2バネと、をさらに備えており、
上記ロック部は、上記ケースに挿入された上記カートリッジと当接した状態で、上記第2バネの付勢力により、上記第1向きと交差する向きへ上記カートリッジを付勢する請求項1から3のいずれかに記載のカートリッジ装着容器。
【請求項6】
上記カートリッジは、上記第1連通孔を複数有しており、
複数の上記第1連通孔にそれぞれ進入する上記第1ニードルをそれぞれ有する複数の上記第1ジョイントと、
複数の上記第1ジョイントの上記貫通孔の内面とそれぞれ隙間を有して挿入される複数の上記規制部と、
上記第1向きに複数の上記第1ジョイントとそれぞれ当接する上記当接部と、
複数の上記第1ジョイントそれぞれを上記第2向きに付勢する複数の上記弾性部材と、を備えた請求項1から3のいずれかに記載のカートリッジ装着容器。
【請求項7】
上記カートリッジは、上記内部空間に位置しており液体を貯留する貯留部と、当該貯留部と外部とを連通する第2連通孔と、をさらに有しており、
上記ケースの上記終面に固定されており、上記第2向きに延びる第2ニードルを有する第2ジョイントを、さらに備えた請求項6に記載のカートリッジ装着容器。
【請求項8】
複数の上記第1連通孔は、上下方向において異なる位置にある請求項6または7に記載のカートリッジ装着容器。
【請求項9】
上記カートリッジの上記内部空間に貯留された液体の液面を検知するセンサをさらに備えており、
複数の上記第1連通孔は、上記カートリッジを大気に連通する大気連通孔と、廃液を上記カートリッジに排出する廃液連通孔とを有しており、
上記センサは、上下方向において、上記ケースに挿入された上記カートリッジの上部に隣接し、上記大気連通孔より下方に位置する請求項6または7に記載のカートリッジ装着容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯留するカートリッジが装着されるカートリッジ装着容器に関する。
【背景技術】
【0002】
カートリッジ装着容器では、ニードルを有するカートリッジが装置に装着される。特許文献1のインク供給装置は、シール部材が設けられたインクカートリッジと、インクカートリッジが挿抜可能なカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部に設けられてシール部材を脱抜方向へ移動可能に接触するインクニードルと、ストッパに係合して複数のコイルバネによる弾性力に抗してカートリッジ装着部からインクカートリッジが脱抜するのを制止するロックアームと、を具備する。
【0003】
特許文献1に係るインク供給装置では、インクカートリッジがガイド溝によって直線的に案内されてカートリッジ装着部に装着される。このため、インクカートリッジにおけるシール部材の軸線方向と、カートリッジ装着部におけるインクニードルの軸線方向とが一致する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カートリッジが、産業用等の重量があるものである場合には、カートリッジの脱抜を制止するためにカートリッジに大きな付勢力を負荷させる必要がある。このため、例えば、カートリッジを確実且つシンプルな構成でカートリッジ装着部に係合させるために、カートリッジ装着部に弾性部材によって回転方向に付勢するピンを配置してカートリッジの底に設けたクランク状の溝に係合させることも想定される。この場合、カートリッジにかかる負荷がカートリッジ装着部への挿抜方向に対して斜めになってニードルの軸心がカートリッジに対して斜めに挿入されることがある。このとき、ニードルとカートリッジとの間に隙間が生じ液体が漏れるおそれがある。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニードルが斜めに挿入された場合であっても液漏れが発生しないカートリッジ装着容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカートリッジ装着容器は、内部空間と外部とを連通する第1連通孔を有するカートリッジが第1向きに挿入される装着装置である。カートリッジ装着容器は、上記カートリッジが挿入されるケースと、上記ケースの終面に位置しており、上記第1向きと反対向きの第2向きに延びる第1ニードル、および上記第1向きに沿った貫通孔を有する第1ジョイントと、上記終面と連続しており、上記貫通孔の内面と隙間を有して挿入される規制部と、上記第1向きに上記第1ジョイントと当接する当接部と、上記第1ジョイントが上記終面から離れた状態で、上記第1ジョイントを上記第2向きに付勢する弾性部材と、を備える。
【0008】
ケースにカートリッジが第1向きへ挿入されると、第1ニードルが第1連通孔に進入する。第1ジョイントに第2向きの力が加わると、第1ジョイントは第2向きへ移動可能である。また、規制部が貫通孔の
内面に当接するまで、第1ジョイントは第2向きと直交する方向に移動可能である。カートリッジに第1向きと交差する向きに力が加わると、第1連通孔に進入している第1ニードルに、第1向きと交差する向きの力が伝達される。この力により、第1ジョイントは、第1ニードルが第1向きと交差する向きに沿うように姿勢変化する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ニードルがシール部材に対して斜めに挿入された場合であっても液漏れが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置100の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、液体貯留装置10を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、洗浄液カートリッジ76を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、洗浄液カートリッジ76を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、ケース本体77を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、スパウト92および後壁84の部分断面図である。
【
図9】
図9は、ラッチ136が溝95の第1面164の前端付近にある状態の洗浄液カートリッジ76およびケース130の下面図である。
【
図10】
図10は、カートリッジ装着容器110を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、カートリッジ装着容器110の終面111を示す図である。
【
図12】
図12は、支持板137および回動部材138についてケース130を省略して示す図である。
【
図13】
図13は、カートリッジ装着容器110の一部を分解して示す図である。
【
図14】
図14は、カートリッジ装着容器100の廃液ジョイント22の周辺を拡大して示す断面図である。
【
図15】
図15は、カートリッジ装着容器100の大気ジョイント23の周辺を拡大して示す断面図である。
【
図16】
図16は、廃液用連通孔73に廃液ニードル114が斜めに挿入された状態を示す図である。
【
図17】
図17は、変形例1に係る廃液ジョイント22Aを示す図である。
【
図18】
図18は、変形例2に係る廃液ジョイント22Bを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、画像記録装置100が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、排出口33が設けられている側を手前側(前面)として前後方向8が定義され、画像記録装置100を手前側(前面)から見て左右方向9が定義される。
【0012】
[画像記録装置100の外観構成]
図1に示される画像記録装置100は、インクジェット記録方式でロール体37をなすシートSに画像を記録する。
図1に示されるように、画像記録装置100は、筐体30を備える。筐体30は、上筐体31及び下筐体32を備える。上筐体31及び下筐体32は、全体として概ね直方体形状であって、卓上に載置可能な大きさである。すなわち、画像記録装置100は、卓上に載置されて使用されるのに適している。もちろん、画像記録装置100は、床面やラックに載置されて使用されてもよい。なお、筐体30の内部には、各部材を支持するためのフレームが適宜設けられてもよい。
【0013】
図2に示されるように、上筐体31は、下筐体32によって回動可能に支持されている。上筐体31は、後下端部に設けられ且つ左右方向9に延びる回動軸15周りに、閉位置と、開位置(図示省略)とに回動可能である。なお、上筐体31が回動する構成は、回動軸15によるものに限らず、例えば蝶番などによって回動してもよい。
【0014】
上筐体31が閉位置のとき、上筐体31の内部空間31Aと下筐体32の内部空間32Aとが、外部に対して遮蔽される。上筐体31が開位置のとき、上筐体31の内部空間31Aと下筐体32の内部空間32Aとが、外部に対して露出される。
【0015】
図1に示されるように、下筐体32の前面32Fには、左右方向9に長いスリット状の排出口33が形成されている。排出口33からは、画像記録済みのシートSが排出される。
【0016】
上筐体31の前面31Fには、操作パネル44(
図1参照)が設けられている。ユーザは、操作パネル44に、画像記録装置100を動作させたり各種設定を確定したりするための入力を行う。
【0017】
図1に示されるように、下筐体32の前面32Fには、前カバー39が位置する。前カバー39は、下端付近において左右方向9に沿って延びる回動軸(不図示)周りに、上端側が前方へ倒れるように開くことができる。前カバー39の開閉により、下筐体32の内部空間32Aに位置する液体貯留装置10(
図2参照)が露出されたり遮蔽されたりする。
【0018】
[画像記録装置100の内部構成]
図2に示されるように、内部空間31A,32Aには、ホルダ35、テンショナ45、搬送ローラ対36、排出ローラ対40、ヘッドユニット38、第1支持機構51、第2支持機構52、メンテナンス機構60、および液体貯留装置10などが配置されている。
【0019】
内部空間32Aにおいて、ヘッドユニット38よりもシートSが搬送される搬送向き8Aの下流側には、図示しない定着ユニットおよび画像センサ等が位置する。定着ユニットは、ヒータや紫外線照射装置であり、シートS上のインクをシートSに定着させる。定着ユニットがヒータの場合、インクは、熱によりシートS上に膜を形成する樹脂を含有する。定着ユニットが紫外線照射装置の場合、インクは、紫外線の照射により硬化する樹脂を含有する。画像センサは、シートS上に記録された画像を光学的に読み取って、読み取り結果を示す画像データを不図示のコントローラに出力する。
【0020】
内部空間32Aには、隔壁41が設けられている。隔壁41は、内部空間32Aの後下部を仕切って、シート収容空間32Cを区画する。シート収容空間32Cは、隔壁41、下筐体32により包囲され、ヘッドユニット38などから隔離された空間である。
【0021】
シート収容空間32Cには、ロール体37が収容される。ロール体37は、芯管と、長尺のシートSとを有している。シートSは、芯管の軸芯の周方向にロール状に芯管に巻回されている。
【0022】
図2に示されるように、シート収容空間32Cは、後部において上方へ向かって開口している。シートSは、搬送ローラ対36が回転することで、ロール体37の後端から上方に引き出され隙間42を通ってテンショナ45へと案内される。
【0023】
テンショナ45は、内部空間32Aの後部において隔壁41よりも上方に位置する。テンショナ45は、外周面45Aを有している。外周面45Aは、左右方向9においてシートの最大幅以上の大きさであり、シートSの左右方向9における中心に対して互いに対称な形状を有している。外周面45Aの上端は、上下方向7において搬送ローラ対36のニップ位置と概ね同じである。
【0024】
外周面45Aには、ロール体37から引き出されたシートSが掛けられ当接する。シートSは、外周面45Aに沿って前方に湾曲して、搬送向き8Aに延びて搬送ローラ対36に案内される。搬送向き8Aは、前後方向8に沿う前向きである。テンショナ45は、周知の手法により、シートSにテンションを与える。
【0025】
テンショナ45の前方には、搬送ローラ対36が位置する。搬送ローラ対36は、搬送ローラ36Aとピンチローラ36Bとを有する。搬送ローラ36A、及びピンチローラ36Bは、外周面45Aの上端と概ね同じ上下位置で当接する。
【0026】
搬送ローラ対36の前方には、排出ローラ対40が位置する。排出ローラ対40は、排出ローラ40Aとピンチローラ40Bとを有する。排出ローラ40A、及びピンチローラ40Bは、外周面45Aの上端と概ね同じ上下位置で当接する。
【0027】
搬送ローラ36Aおよび排出ローラ40Aは、不図示のモータから駆動力が伝達されて回転する。搬送ローラ対36および排出ローラ対40は、搬送向き8Aに延びるシートSをニップしつつ回転することによりシートSを送り出す。
【0028】
ヘッドユニット38は、搬送ローラ対36よりも搬送向き8Aの下流側であって、排出ローラ対40よりも搬送向き8Aの上流側に位置する。ヘッドユニット38は、複数のノズル38Aが形成されたノズル面50を有する。複数のノズル38Aから、インクが搬送ベルト101に支持されたシートSへ向かって下方へ吐出される。これにより、シートSに画像が記録される。
【0029】
第1支持機構51は、ノズル面50に対向しており搬送ローラ対36よりも搬送向き8Aの下流に位置する。第1支持機構51は、搬送ベルト101と支持部104を有する。搬送ベルト101は、ヘッドユニット38の直下に位置するシートSを搬送する。支持部104は、メンテナンス機構60を支持可能である。
【0030】
第2支持機構52は、排出ローラ対40の下方に位置しており、下筐体32の内部に固定されている。第2支持機構52は、メンテナンス機構60を支持可能である。
【0031】
メンテナンス機構60は、ヘッドユニット38のメンテナンスを行うためのものである。メンテナンス機構60は、第1支持機構51と第2支持機構52の間を移動可能に構成されており、ヘッドユニット38のメンテナンスが行われるときにヘッドユニット38の直下に移動される。
図2に示されるように、メンテナンス機構60は、メンテナンス時にノズル面50を覆うキャップ62と、液体を吸収して保持する多孔質体のスポンジワイパ64と、スポンジワイパ64によって払拭されたノズル面50に残る洗浄液を払拭するゴムワイパ63と、キャップ62、スポンジワイパ64、およびゴムワイパ63を支持する支持体61と、支持体61を第1支持機構51に移動する移動機構120と、を備えている。
【0032】
ヘッドユニット38のメンテナンスは、パージ処理、浸漬処理、及びワイピング処理などである。パージ処理は、メンテナンス機構60のキャップ62によってノズル38Aを被覆した上で吸引ポンプ117によってノズル38Aからインクを吸引する処理である。浸漬処理は、キャップ62がノズル38Aを被覆した状態でキャップ62に供給された洗浄液にノズル38Aを浸漬する処理である。ワイピング処理は、メンテナンス機構60のスポンジワイパ64及びゴムワイパ63によってヘッドユニット38のノズル面50を払拭する処理である。
【0033】
[液体貯留装置10]
図2、
図3に示されるように、液体貯留装置10は、下筐体32の前端および下端付近に位置する。液体貯留装置10は、インクカートリッジ34と、洗浄液カートリッジ76と、カートリッジ装着容器110とを有している。
【0034】
インクカートリッジ34
インクカートリッジ34は、インクを貯留している。インクは、顔料などを含む液体である。インクは、顔料を均一に分散させるに適した粘度を有している。顔料は、インクの色となるものである。インクは、インクカートリッジ34からカートリッジ装着容器110のインクジョイント20(
図11参照)を通じてヘッドユニット38に供給される。インクカートリッジ34は、インクが消費されるとカートリッジ装着容器110から取り外され、インクを貯留している新しいインクカートリッジ34と交換される。
【0035】
[洗浄液カートリッジ76]
洗浄液カートリッジ76は、洗浄液を貯留している。洗浄液は、ヘッドユニット38のノズル38Aを洗浄するときに使用される。洗浄液カートリッジ76は、ノズル38Aを洗浄した洗浄液を廃液として貯留するためにも使用される。洗浄液は、有機溶剤や界面活性剤、水などを含む液体である。
【0036】
図4、
図5に示されるように、洗浄液カートリッジ76は、ケース本体77と、カバー78と、パウチ90(
図6参照)とを有する。洗浄液カートリッジ76において、洗浄液はパウチ90に貯留されており、廃液はパウチ90の外側においてケース本体77に貯留される。洗浄液カートリッジ76は、洗浄液が消費されたり、廃液で満たされたりすると、カートリッジ装着容器110から取り外されて、新しい洗浄液カートリッジ76が前向き(第1向きの一例)に挿入されて交換される。なお、以下では、洗浄液カートリッジ76の上下方向7、前後方向8、左右方向9は、洗浄液カートリッジ76がカートリッジ装着容器110に装着された状態において、筐体30の各方向に合わせて説明がされている。
【0037】
ケース本体77は、上向きの開口81を有する箱形状である。ケース本体77は、下壁82、前壁83、後壁84、左壁85、および右壁86を有する。下壁82は、上下方向7から視て前後方向8に長い長方形である。前壁83は、下壁82の前端から上方へ延びている。前壁83には、後方へ凹む凹部83Aが形成されている。凹部83Aは、下壁82にも開口している。凹部83Aは、ユーザがケース本体77を引き出すときの持ち手となる。後壁84は、下壁82の後端から上方へ延びている。後壁84の外面が装着向きの前面となる。
【0038】
左壁85は、下壁82の左端から上方へ延びており、前壁83と後壁84とを繋いでいる。右壁86は、下壁82の右端から上方へ延びており、前壁83と後壁84とを繋いでいる。
【0039】
図6に示されるように、開口81は、前壁83の上端、後壁84の上端、左壁85の上端、および右壁86の上端により区画されている。開口81により、ケース本体77の内部空間が外部に露出される。ケース本体77の内部空間は、貯留室(貯留部の一例)77Aである。開口81を区画する前壁83の上端、後壁84の上端、左壁85の上端、および右壁86の上端には、フィルムを溶着するための溶着面87が位置する。溶着面87は、開口81を囲む矩形をなしている。
図4、
図6に示されるように、溶着面87にフィルムが溶着されることにより、開口81が液密に封止される。
【0040】
カバー78は、前壁83の上端、後壁84の上端、左壁85の上端、および右壁86の上端に当接する矩形の平板形状である。カバー78がフィルムを覆った状態において、ケース本体77にビス97によってビス留めされる。
【0041】
ケース本体77の後壁84には、3つの開口が形成されており、各開口に、スパウト70,71,92が嵌め込まれている。スパウト70は、前後方向8に延びる大気用連通孔72を有する。大気用連通孔72は、スパウト70において前後方向8の両側に向かって開口している。スパウト70が後壁84の開口に嵌め込まれることにより、大気用連通孔72は、貯留室77Aと外部とを連通する。大気用連通孔72には、大気ニードル(第1ニードルの一例)122が挿入される。大気用連通孔72は、バルブ190(
図15参照)により開閉可能である。大気用連通孔72には、バルブ190がコイルバネ(第1バネの一例)191によって後方に向かって付勢されている。大気ニードル122が大気用連通孔72に挿入されることにより、バルブ190が閉状態から開状態となる。このとき、大気ニードル122は、シール68に挿通され、コイルバネ191に抗してバルブ190を前方に押す。コイルバネ191によって付勢されたバルブ190は、大気ニードル122が挿入されていない状態において、シール68に当接する。
【0042】
スパウト71は、前後方向8に延びる廃液用連通孔73を有する。廃液用連通孔73は、スパウト71において前後方向8の両側に向かって開口している。スパウト71が後壁84の開口に嵌め込まれることにより、廃液用連通孔73は、貯留室77Aと外部とを連通する。廃液用連通孔73には、廃液ニードル(第1ニードルの一例)114が挿入される。廃液用連通孔73には、バルブ185(
図14参照)により開閉可能である。廃液用連通孔73には、コイルバネ(第1バネの一例)186によって後方に向かって付勢されている。廃液ニードル114が廃液用連通孔73に挿入されることにより、バルブ185が閉状態から開状態となる。このとき、廃液ニードル114は、シール67に挿通され、コイルバネ186に抗してバルブ185を前方に押す。コイルバネ186によって付勢されたバルブ185は、廃液ニードル114が挿入されていない状態において、シール67に当接する。
【0043】
スパウト92は、前後方向8に延びる洗浄液用連通孔93(第2連通孔の一例)を有する。スパウト92は、パウチ90を構成する部品である。洗浄液用連通孔93は、スパウト92において前後方向8の両側に向かって開口している。スパウト92が後壁84の開口に嵌め込まれることにより、洗浄液用連通孔93は、パウチ90の袋91(
図8参照)の内部空間と外部とを連通する。洗浄液用連通孔93には、洗浄液ニードル(第2ニードルの一例)112が挿入される。洗浄液用連通孔93は、バルブ195(
図7参照)により開閉可能である。洗浄液用連通孔93には、コイルバネ196によって後方に向かって付勢されている。洗浄液ニードル112が洗浄液用連通孔93に挿入されることにより、バルブ195が閉状態から開状態となる。このとき、洗浄液ニードル112は、シール69に挿通され、コイルバネ196に抗してバルブ195を前方に押す。コイルバネ196によって付勢されたバルブ195は、洗浄液ニードル112が挿入されていない状態において、シール69に当接する。
【0044】
図7に示されるように、後壁84の開口において、スパウト92と後壁84の開口周縁との間には、Oリング74が配置されて液密に封止されている。図示はされていないが、スパウト70,71と後壁84の開口周縁との間にも、Oリング74が配置されて液密に封止されている。
【0045】
図4に示されるように、後壁84には、インジケータ75が位置する。インジケータ75は、透光性を有する部材からなる中空の箱形状である。インジケータ75は、上下方向7に細長な外形である。インジケータ75は、後壁84の開口84Aを通じて外部に露出されている。インジケータ75の内部空間は貯留室77Aと連通している。貯留室77Aに貯留された廃液の液面がインジケータ75の位置まで上昇すると、インジケータ75の内部空間に廃液が進入して、貯留室77Aと同じ高さの液面が形成される。インジケータ75が透光性を有するので、インジケータ75の内部空間に形成された廃液の液面は、外部から視認可能である。インジケータ75と開口84Aの周縁との間は、パッキンなどにより液密に封止されている。インジケータ75は、後述するように、カートリッジ装着容器110に光学センサが設けられることにより、インジケータ75の所定の位置に廃液の液面が上昇したかを判定するために用いられる。
【0046】
後壁84において上下方向7の中央付近には、2つの円筒96が左右方向9に離れて位置する。2つの円筒96の距離は、後述するケース130の2つの位置決めボス132の距離と同等である。円筒96は、後向きへ開口している。
【0047】
ケース本体77の貯留室77Aには、洗浄液を貯留するパウチ90が収容される。
図8に示されるように、パウチ90は、可撓性の袋91とスパウト92とを有する。
図7、
図8に示されるように、スパウト92は、ケース本体77の後壁84の開口に嵌め込まれており、袋91が貯留室77Aに位置する。
【0048】
図8に示されるように、袋91は、合成樹脂製のシートが溶着されることによって、立方体に膨らむものである。スパウト92は、袋91の下端付近に位置する。スパウト92は、合成樹脂製の部材である。スパウト92は、袋91に形成された貫通穴の周囲に溶着されている。
【0049】
袋91に充填されている洗浄液は、メンテナンス機構60に供給されて、最終的には廃液として貯留室77Aに排出される。貯留室77Aに排出される廃液には、ヘッドユニット38から排出されたインクも含まれるので、廃液に含まれるインク量を考慮すると、袋91に充填される洗浄液の量は、貯留室77Aの容積よりも若干少ないことが好ましい。
【0050】
図9に示されるように、洗浄液カートリッジ76の下壁82の外面である下面94には前後方向8に沿って延びる一対のリブ88が左右方向9に離れて位置する。一対のリブ88は、下面94から下方へ突出している。一対のリブ88は対向する面が平坦であり互いに平行である。
【0051】
下面94には上方へ凹む溝95が位置する。溝95は、前壁83の外面である前面において前方へ開口する進入口160を有する。溝95は、進入口160から右方に傾斜しつつ前方に向かって延びた後、更に左方に傾斜しつつ前方に向かって延びる。
【0052】
溝95は、左右方向9において対向する右面161および左面162を有する。上下方向7に沿って拡がる右面161および左面162によって溝95が区画されている。右面161と左面162との間は下方へ向かって開口している。
【0053】
左面162は少なくとも第1面163と、第1面163に連続する第2面164とを有している。第1面163は、法線ベクトルが前後方向8の後向き且つ左右方向9の右向きへ向いている。第2面164は、第1面163より前後方向8の前向きに位置しており、法線ベクトルが前後方向8の前向き且つ左右方向9の右向きへ向いている。右面161は、後述するラッチ136が溝95を通過できる程度に第1面163および第2面164から離間して位置している。右面161の前端は左面162の前端と繋がっている。
【0054】
図10、
図11に示されるように、カートリッジ装着容器110は、ケース130と、位置決めボス132と、ラッチ(ロック部の一例)136と、ねじりコイルバネ(第2バネの一例)141と、インクジョイント20と、洗浄液ジョイント21と、廃液ジョイント22と、大気ジョイント23と、廃液センサ(センサの一例)129と、を備えている。メンテナンス機構60への洗浄液の供給は、カートリッジ装着容器110の洗浄液ジョイント(第2ジョイントの一例)21を通じて行われる。メンテナンス機構60から排出された廃液は、カートリッジ装着容器110の廃液ジョイント(第1ジョイントの一例)22を通じて洗浄液カートリッジ76に回収される。洗浄液カートリッジ76は、洗浄液カートリッジ76内の圧力が大気圧に保持されるように大気ジョイント(第1ジョイントの一例)23によって外部と連通している。
【0055】
ケース130は、前方を向いて開口する箱形状である。ケース130は、内部空間を左右方向9において仕切る仕切り板131を有する。仕切り板131によって仕切られたケース130の内部空間のうち、右側に洗浄液カートリッジ76が挿入され、左側にインクカートリッジ34が挿入される。インクカートリッジ34は、ケース130の終面111に位置するインクジョイント20に連結される。以下、洗浄液カートリッジ76が挿入される右側の内部空間の構成について説明される。
【0056】
ケース130の終面111には、上下方向7の中央寄りの位置において、2つの位置決めボス132が左右方向9に離れて位置している。位置決めボス132は、ケース130に進入した洗浄液カートリッジ76を終面111に対して位置決めする。位置決めボス132は前方へ向かって突出する円柱形状である。位置決めボス132は、洗浄液カートリッジ76の円筒96のそれぞれに嵌合する。
【0057】
ケース130の底面133より前方には、案内面134が位置する。案内面134は、底面133の前端から前方かつ下方へ延びている。案内面134により、ケース130に挿入される洗浄液カートリッジ76が底面133へ案内される。
【0058】
ケース130の底面133には、前後方向8に沿って延びる2つのガイドリブ143が左右方向9に離れて位置する。ガイドリブ143は底面133から上方へ突出している。2つのガイドリブ143の間隔は、洗浄液カートリッジ76の左右方向9の寸法よりも若干小さい。2つのガイドリブ143は、洗浄液カートリッジ76の一対のリブ88に沿いつつ且つそれぞれのリブ88から隙間を空けて位置している。2つのガイドリブ143のそれぞれは、左右方向9における外側を向く面が平坦であり互いに平行である。2つのガイドリブ143は、左右方向9において、洗浄液カートリッジ76の一対のリブ88の内側に位置する。2つのガイドリブ143の間において、底面133上に位置する洗浄液カートリッジ76の移動方向が前後方向8へ案内される。
【0059】
ケース130の底面133にける後方寄りの位置には、左右方向9へ延びる貫通孔135が位置する。貫通孔135を底面133においてケース130を上下方向7に貫通している。貫通孔135には、ラッチ136が位置する。ラッチ136は、貫通孔135において左右方向9へ移動可能である。
【0060】
ラッチ136は上下方向7を軸線とする円柱形状である。
図12に示されるように、ラッチ136は、ケース130の下面に取り付けられた支持板137および回動部材138によって、ケース130に連結されている。支持板137はケース130の下面に固定されている。なお、
図12では、ケース130が省略されている。
【0061】
支持板137は、上下方向7に延びる軸139を有する。軸139に回動部材138が所定範囲で回動可能に連結されている。なお、回動部材138の回動範囲は、支持板137において下方へ折り曲げられたストッパ142により規制されている。回動部材138の回動先端側には、上下方向7に延びる軸140が連結されている。軸140には、ラッチ136が回転自在に連結されている。支持板137と回動部材138との間にはねじりコイルバネ141が設けられている。ねじりコイルバネ141は、
図12において回動部材138を時計周りに付勢している。回動部材138の回動範囲において、ねじりコイルバネ141は、回動部材138を概ね左右方向9の左向きに付勢している。ねじりコイルバネ141は、当接部146,171を付勢する2つのコイルバネ151,172の付勢力の和よりも付勢力が大きく、且つ、洗浄液カートリッジ76においてバルブ185,190、195を付勢する3つのコイルバネ186,191,196の付勢力の和よりも付勢力が大きい。なお、詳細な説明は省略されるが、ケース130の内部空間のうち左側の内部空間にも、同様に、インクジョイント20、インクニードル121、底面133、ガイドリブ143、位置決めボス(不図示)、案内面134、貫通孔135、およびラッチ(不図示)などが位置する。
【0062】
インクジョイント20には、インクカートリッジ34が連結される。
図11に示されるように、インクジョイント20は、ケース130における終面111の左側に位置する。インクジョイント20は、ベース123と、インクニードル121と、案内壁124とを有している。
【0063】
ベース123は、インクニードル121および案内壁124を、終面111において支持する。ベース123は、前後方向8に所定の厚みを有し、上下方向7よりも左右方向9に長い略直方体形状である。ベース123は、左右の上下4箇所において、それぞれビス125によって終面111にビス留めされている。
【0064】
インクニードル121は、円筒形状でありベース123の前後方向8および左右方向9における中央から前方に延びている。インクニードル121は、カートリッジ装着容器110とヘッドユニット38とを繋ぐインク流路(
図10参照)に接続されている。案内壁124は、インクニードル121の軸心から径方向外向きに離れて位置する。案内壁124には、中心位置がずれて挿入されるインクカートリッジ34の先端をインクニードル121に案内するために、前端の内側面においてテーパーを有していてもよい。
【0065】
ケース130の終面111の右側には、下部の左右方向9における中央において洗浄液ジョイント21が位置し、上部の左右方向9における左側において廃液ジョイント22が位置し、上部の左右方向9における中央において大気ジョイント23が位置する。
【0066】
洗浄液ジョイント21には、洗浄液カートリッジ76のスパウト92が連結される。
図13に示されるように、洗浄液ジョイント21は、ベース105と、洗浄液ニードル112と、案内壁106とを有している。
【0067】
ベース105は、洗浄液ニードル112および案内壁106を、終面111において支持する。ベース105は、前後方向8に所定の厚みを有し、上下方向7よりも左右方向9に長い略直方体形状である。ベース105は、左右の上下4箇所において、それぞれビス107によって終面111にビス留めされている。
【0068】
洗浄液ニードル112は、円筒形状でありベース105の前後方向8および左右方向9における中央から前方に延びている。洗浄液ニードル112は、カートリッジ装着容器110とメンテナンス機構60の洗浄液の入口とを繋ぐ洗浄液流路(
図13参照)108に接続されている。洗浄液流路108には、バルブ116(
図2参照)が位置する。
【0069】
案内壁106は、洗浄液ニードル112の軸心から径方向外向きに離れて位置する。案内壁106の前端は、洗浄液ニードル112の前端よりも後方に位置する。案内壁106には、中心位置がずれて挿入される洗浄液カートリッジ76のスパウト92を洗浄液ニードル112に案内するために、前端の内側面においてテーパーを有していてもよい。
【0070】
図14に示されるように、廃液ジョイント22には、洗浄液カートリッジ76のスパウト71が連結される。
図13、
図14に示されるように、廃液ジョイント22は、カートリッジ装着容器110の終面111を構成する壁109に、3つのビス(規制部の一例)145と、当接部146と、弾性部材147と、によって固定されている。廃液ジョイント22は、前後方向8に厚みを有する。廃液ジョイント22は、前後方向8から視て外形が略三角形である。
【0071】
廃液ジョイント22は、廃液ニードル(第1ニードルの一例)114と、案内壁152と、3つの貫通孔148とを有している。廃液ニードル114は、円筒形状であり廃液ジョイント22の前後方向8および左右方向9における中央付近から前後方向8に沿いつつ前方(第2向きの一例)に向かって延びている。廃液ニードル114は、先端において開口している廃液ニードル114は、後方において下方に折れ曲がって形成されており、カートリッジ装着容器110とメンテナンス機構60の廃液の出口とを繋ぐ廃液流路115と接続されている。廃液流路115には吸引ポンプ117(
図2参照)が位置する。
【0072】
案内壁152は、廃液ニードル114の軸心から径方向外向きに離れて位置する円筒形状である。案内壁152の前端は、廃液ニードル114の前端よりも前方に位置する。案内壁152には、中心位置がずれて挿入される洗浄液カートリッジ76のスパウト71を廃液ニードル114に案内するために、前端の内側面においてテーパーを有していてもよい。
【0073】
貫通孔148は、廃液ニードル114の軸心から径方向外向きに離れて位置している。貫通孔148は、廃液ニードル114の軸心を中心とする仮想円周上において、等間隔に隔てられて配置されている。貫通孔148は3つである。つまり、貫通孔148はそれぞれ、仮想円周上において120度毎に配置されている。各貫通孔148は、廃液ジョイント22を前後方向8に貫通している。各貫通孔148には、終面111から前方に向かって延びる3つの円筒形状の筒部149が挿通されている。各貫通孔148の内径は、筒部149の外径よりも大きい。このため、各貫通孔148の内面150と各筒部149の外面との間には隙間が形成される。廃液ジョイント22は、3つの筒部149に対して隙間だけ、上下方向7および左右方向9を含む平面に沿って移動可能である。
【0074】
当接部146は、廃液ジョイント22の前方への動きを規制する。当接部146は、前後方向8において所定の厚みを有している。当接部146は、上下方向7および左右方向9における中心において前後方向8に貫通する貫通穴144を有している。貫通穴144には、廃液ジョイント22の案内壁152および廃液ニードル114が挿通される。当接部146は、前後方向8から視て廃液ジョイント22の外形と同じ大きさの略三角形である。当接部146は、廃液ジョイント22の3つの貫通孔148の軸心と同軸上において3つの貫通孔153を有している。当接部146の貫通孔153の開口寸法は、大気ジョイント23の貫通孔148の開口寸法よりも小さい。
【0075】
ビス145は、先端部分154が筒部149に螺合されている。ビス145は貫通孔153の内径よりも大きい外径の頭部155を有している。ビス145の先端部分154と頭部155との間に位置する胴部156には、筒部149および当接部146が位置している。ビス145によって、当接部146が筒部149に当接した状態に固定されている。
【0076】
廃液ジョイント22における貫通孔148の周囲の前後方向8に沿った長さは、終面111と当接部146とが前後方向8に離間する長さよりも短い。このため、廃液ジョイント22が当接部146と当接した状態において、終面111と廃液ジョイント22との間には前後方向8に沿った隙間Sが形成される。廃液ジョイント22は、隙間Sだけ前後方向8に移動可能である。
【0077】
終面111と廃液ジョイント22との間の隙間Sのそれぞれには、コイルバネ151がそれぞれ位置している。換言すれば、コイルバネ151は、終面111と廃液ジョイント22との間に位置しており、廃液ジョイント22を当接部146へ向けて前方に付勢している。3つのコイルバネ151の付勢力の和は、洗浄液カートリッジ76の廃液用連通孔73を塞ぐバルブ185を後方へ付勢するコイルバネ186の付勢力よりも大きい。
【0078】
廃液ジョイント22に前後方向8の後向きの力が加わると、3つのコイルバネ151が弾性的に収縮して、廃液ジョイント22が後方へ移動する。3つのコイルバネ151は、それぞれが独立して前後方向8に圧縮変形するので、廃液ジョイント22に廃液ニードル114の軸線と交差する向きの力が加わると、その力の向きに応じて3つのコイルバネ151がそれぞれ圧縮変形する。
図16において破線で示されるように、3つのコイルバネ151の圧縮変形が異なることにより、廃液ニードル114の軸線が、その力の向きに沿うように廃液ジョイント22が傾く。
【0079】
大気ジョイント23は、廃液ジョイント22と同様の構成である。大気ジョイント23には、洗浄液カートリッジ76のスパウト70が連結される。
図13、
図15に示されるように、大気ジョイント23は、壁109に、3つのビス(規制部の一例)170と、当接部171と、弾性部材172と、により固定されている。大気ジョイント23は、前後方向8に厚みを有する。大気ジョイント23は、前後方向8から視て外形が略三角形である。
【0080】
大気ジョイント23は、大気ニードル(第1ニードルの一例)122と、案内壁178と、3つの貫通孔173とを有している。大気ニードル122は、円筒形状であり大気ジョイント23の前後方向8および左右方向9における中央付近から前後方向8に沿いつつ前方に向かって延びている。大気ニードル122は、先端において開口している。大気ニードル122は、後方において下方に折れ曲がって形成されており、外部と連通する大気流路113と接続されている。
【0081】
案内壁178は、大気ニードル122の軸心から径方向外向きに離れて位置する円筒形状である。案内壁178の前端は、大気ニードル122の前端よりも前方に位置する。案内壁178には、中心位置がずれて挿入される洗浄液カートリッジ76のスパウト71を大気ニードル122に案内するために、前端の内側面においてテーパーを有していてもよい。
【0082】
貫通孔173は、大気ニードル122の軸心から径方向外向きに離れて位置している。貫通孔173は、大気ニードル122の軸心を中心とする仮想円周上において、等間隔に隔てられて配置されている。貫通孔173は3つである。つまり、貫通孔173はそれぞれ、仮想円周上において120度毎に配置されている。各貫通孔173は、大気ジョイント23を前後方向8に貫通している。各貫通孔173には、終面111から前方に向かって延びる3つの円筒形状の筒部174が挿通されている。各貫通孔173の内径は、筒部174の外径よりも大きい。このため、各貫通孔173の内面176と各筒部174の外面との間には隙間が形成される。大気ジョイント23は、3つの筒部174に対して隙間だけ、上下方向7および左右方向9を含む平面に沿って移動可能である。
【0083】
当接部171は、大気ジョイント23の前方への動きを規制する。当接部171は、前後方向8において所定の厚みを有している。当接部171は、上下方向7および左右方向9における中心において前後方向8に貫通する貫通穴169を有している。貫通穴169には、大気ジョイント23の案内壁178および大気ニードル122が挿通される。当接部171は、前後方向8から視て大気ジョイント23の外形と同じ大きさの略三角形である。当接部171には、大気ジョイント23の3つの貫通孔173の軸心と同軸上において3つの貫通孔175を有している。当接部171の貫通孔175の開口寸法は、大気ジョイント23の貫通孔173の開口寸法よりも小さい。
【0084】
ビス170は、先端部分179が筒部174に螺合されている。ビス170は貫通孔175の内径よりも大きい外径の頭部180を有している。ビス170の先端部分179と頭部180との間に位置する胴部181には、筒部174および当接部171とが位置している。ビス170によって、当接部171が筒部174に当接した状態に固定されている。
【0085】
大気ジョイント23における貫通孔173の周囲の前後方向8に沿った長さは、終面111と当接部171とが前後方向8に離間する長さよりも短い。このため、大気ジョイント23が当接部171と当接した状態において、終面111と大気ジョイント23との間には前後方向8に沿った隙間Sが形成される。大気ジョイント23は、隙間Sだけ前後方向8に移動可能である。
【0086】
終面111と大気ジョイント23との間の隙間Sのそれぞれには、コイルバネ172がそれぞれ位置している。換言すれば、コイルバネ172は、終面111と大気ジョイント23との間に位置しており、大気ジョイント23を当接部171へ向けて前方に付勢している。3つのコイルバネ172の付勢力の和は、洗浄液カートリッジ76の大気用連通孔72を塞ぐバルブ190を後方へ付勢するコイルバネ191の付勢力よりも大きい。
【0087】
大気ジョイント23に前後方向8の後向きの力が加わると、3つのコイルバネ172が弾性的に収縮して、大気ジョイント23が後方へ移動する。3つのコイルバネ172は、それぞれが独立して前後方向8に圧縮変形するので、大気ジョイント23に大気ニードル122の軸線と交差する向きの力が加わると、その力の向きに応じて3つのコイルバネ172がそれぞれ圧縮変形する。廃液ジョイント22と同様に、3つのコイルバネ172の圧縮変形が異なることにより、大気ニードル122の軸線が、その力の向きに沿うように大気ジョイント23が傾く。
【0088】
廃液センサ129は、洗浄液カートリッジ76の内部空間に貯留された廃液の液面を検知する。廃液センサ129は、ケース130に挿入された洗浄液カートリッジ76の上部に隣接するように、カートリッジ装着容器110の終面111の上部に設けられている。廃液センサ129は、貯留室77Aに貯留された廃液の液面がインジケータ75の位置まで上昇するとローレベルの信号を出力する。廃液センサ129は、液面が検知位置よりも下方にあるときに、ハイレベルの信号を出力する。液面が検知位置よりも上方にあるとき、貯留室77Aの状態がフルと判断される。なお、廃液センサ129は、本実施形態において説明されているものに限らず、公知のものが採用可能である。
【0089】
[カートリッジ装着容器110への洗浄液カートリッジ76の装着]
カートリッジ装着容器110のケース130に挿入される洗浄液カートリッジ76は、案内面134に案内されて、ケース130の底面133へ移動する。ケース130の底面133において、洗浄液カートリッジ76は、2つのガイドリブ143により前後方向8に案内されて後向きへ進む。
【0090】
図12に示されるように、ケース130の内部空間を後向きへ進む洗浄液カートリッジ76において、進入口160からラッチ136が溝95へ進入する。このとき、洗浄液カートリッジ76の廃液用連通孔73および大気用連通孔72は、ビス145,170に対して上下方向7および左右方向9を含む平面に沿った向きに移動可能な案内壁152,178に案内されて廃液ニードル114および大気ニードル122に対して位置決めされる。
【0091】
ラッチ136は、ねじりコイルバネ141により左向きへ付勢されているので、溝95に進入したラッチ136は、左面162の第1面163に当接しつつ軸140周りに回転しながら第2面164へ向かう。第1面163により、ラッチ136は、ねじりコイルバネ141の付勢力に抗して右向きへ移動する。ラッチ136から第1面163へ伝わる反力が前後方向8の前向きの成分を有するので、洗浄液カートリッジ76を後向きへ移動するときの抵抗として、洗浄液カートリッジ76を挿入するユーザに伝わる。
【0092】
ラッチ136が第1面163の前端付近にあるとき、ケース130の廃液ニードル114および大気ニードル122は、洗浄液カートリッジ76の廃液用連通孔73および大気用連通孔72に進入していない。ケース130の位置決めボス132は、洗浄液カートリッジ76の円筒96の内部空間に進入する(
図9参照)。これにより、洗浄液カートリッジ76がケース130に対して上下方向7および左右方向9に位置決めされる。
【0093】
洗浄液カートリッジ76がさらに後向きへ移動されると、ラッチ136は、第1面163から第2面164へ移動する。ラッチ136から第2面164へ伝わる反力は前後方向8の後向きの成分を有するので、洗浄液カートリッジ76を後向きへ移動するときの抵抗が消失した感覚がユーザに伝わる。
【0094】
ラッチ136が第1面163から第2面164へ移動するときに、洗浄液ニードル112が洗浄液用連通孔93へ進入する。洗浄液用連通孔93を閉塞していたバルブ195は、洗浄液ニードル112が当接することにより、コイルバネ196の付勢力に抗して洗浄液用連通孔93から離れる。これにより、パウチ90に貯留されている洗浄液が洗浄液ニードル112を通じて洗浄液流路108へ流入可能となる。
【0095】
また、ラッチ136が第1面163から第2面164へ移動するときに、廃液ニードル114および大気ニードル122は、廃液用連通孔73および大気用連通孔72にそれぞれ進入する。廃液用連通孔73および大気用連通孔72をそれぞれ閉塞していたバルブ185,190は、廃液ニードル114および大気ニードル122がそれぞれ当接することにより、コイルバネ186,191の付勢力に抗して廃液用連通孔73および大気用連通孔72からそれぞれ離れる。これにより、廃液ニードル114を通じて、廃液流路115からケース本体77へ流入可能となる。また、大気ニードル122を通じて、ケース本体77から大気流路113へ空気が流出可能となる。廃液ジョイント22および大気ジョイント23をそれぞれ付勢する3つのコイルバネ151,172による付勢力は、コイルバネ186,191の付勢力よりも大きいので、コイルバネ186,191が圧縮変形するときに、コイルバネ151,172は圧縮変形しない。
【0096】
図9に示されるように、第2面164は、前向きである。また、第1面163と第2面164は、それぞれ上下方向7に対して傾斜している。第1面163と第2面164とは前後方向にわたり、右方に膨らむ山形形状である。
図9において破線で示されるように、ラッチ136が第2面164にあるとき、ねじりコイルバネ141の付勢力が、ラッチ136から第2面164へ伝わる。この力が、
図9において矢印で示される。ラッチ136から第2面164へ伝わる力は、前後方向8の後向きの成分を有しており、且つ左右方向9の左向きの成分を有している。
【0097】
ねじりコイルバネ141の付勢力は、洗浄液や廃液を貯留する洗浄液カートリッジ76を保持する程度に十分に大きく、コイルバネ151,172よりも十分に大きい。したがって、洗浄液カートリッジ76は、ラッチ136により後向き且つ左向きへ付勢される。これにより、洗浄液カートリッジ76は、前壁83より後壁84が若干左側に位置するように傾く。これにより、廃液用挿通孔73および大気用連通孔72も後向き且つ左向きとなり、廃液ニードル114および大気ニードル122に対して、基端側(後端側)を左側へこじるような力が作用する。
【0098】
前述したように、3つのコイルバネ151,172の圧縮変形がそれぞれ異なることにより、廃液ニードル114および大気ニードル122の各軸線が、その力の向きに沿うように廃液ジョイント22および大気ジョイント23が傾く。これにより、
図16に示されるように、廃液ニードル114および大気ニードル122が、廃液用挿通孔73および大気用連通孔72に対して右方に傾く。廃液ニードル114および大気ニードル122が廃液用連通孔73および大気用連通孔72に沿うことで、廃液用連通孔73および大気用連通孔72の周囲に隙間が発生することが抑制され、廃液や空気の漏れが生じない。
【0099】
ケース130に装着された状態において、洗浄液カートリッジ76のパウチ90に貯留された洗浄液が、洗浄液流路108、洗浄液ニードル112を通じてメンテナンス機構60に供給される。また、メンテナンス機構60から流出する廃液が、廃液流路115、廃液ニードル114を通じて洗浄液カートリッジ76の貯留室77Aに排出される。また、洗浄液カートリッジ76内の空気が、大気流路113、大気ニードル122を通じて外部に排出される。なお、図には示されていないが、位置決めボス132が円筒96の内部空間の終面に当接することにより、ユーザは、洗浄液カートリッジ76がさらに後向きに移動できない感覚を得る。
【0100】
[本実施形態の作用効果]
ケース130に洗浄液カートリッジ76が後方へ向かって挿入されると、廃液ニードル114および大気ニードル122が廃液用連通孔73および大気用連通孔72に進入する。廃液ジョイント22および大気ジョイント23に前方への力が加わると、廃液ジョイント22および大気ジョイント23は前方へ移動可能である。また、ビス145,170が貫通孔148,173の内面150,176に当接するまで、廃液ジョイント22および大気ジョイント23は洗浄液カートリッジ76に左向きや右向きの力が加わると、廃液用連通孔73および大気用連通孔72に進入している廃液ニードル114および大気ニードル122に、左向きや右向きの力が伝達される。この力により、廃液ジョイント22および大気ジョイント23は、廃液ニードル114および大気ニードル122とともに左向きや右向きに沿うように姿勢変化する。廃液ニードル114および大気ニードル122が姿勢変化すると、廃液ニードル114および大気ニードル122がスパウト70,71の延びる方向に沿うため、廃液ニードル114および大気ニードル122がシール67,68に偏りなく接触する。これにより、シール67,68による耐圧が安定し、洗浄液および空気の漏れが生じない。
【0101】
廃液ジョイント22および大気ジョイント23が複数箇所において後方へ移動可能、かつ上下方向7および左右方向9に沿う方向に移動可能なので、廃液ジョイント22および大気ジョイント23が円滑に姿勢変化する。
【0102】
洗浄液カートリッジ76がカートリッジ装着容器110に装着されたとき、スパウト70,71内のバルブ185,190が廃液ジョイント22および大気ジョイント23の当接部146,171よりも先に移動するため、廃液ジョイント22および大気ジョイント23が終面111から離れた状態が維持される。また、廃液ニードル114および大気ニードル122の先端が、洗浄液ニードル112の先端よりも終面111から離間して位置するとき、廃液ジョイント22および大気ジョイント23が、洗浄液ジョイント21よりも先にスパウト70,71に挿通される。このとき、洗浄液ニードル112の挿通よりも先に廃液ニードル114および大気ニードル122が洗浄液カートリッジ76内に連通されることで洗浄液カートリッジ76内の圧力を解放させることができる。これにより、洗浄液ニードル112からの急な洗浄液の飛び出しを防止できる。
【0103】
ラッチ136により洗浄液カートリッジ76が左右方向9へ付勢されたときに、廃液ジョイント22および大気ジョイント23が姿勢変化する。
【0104】
例えば、廃液用連通孔73に進入した廃液ニードル114を通じて洗浄液カートリッジ76の内部空間に廃液が流出され、大気用連通孔72に進入した大気ニードル122を通じて洗浄液カートリッジ76の内部空間から気体が流出する。
【0105】
洗浄液カートリッジ76の内部空間へ廃液が流出する位置と、洗浄液カートリッジ76の内部空間から空気が流出位置と、が上下方向7に異なる位置になる。
【0106】
廃液センサ129が洗浄液カートリッジ76の上部に隣接するため、洗浄液カートリッジ76の最大容量に近い廃液を貯留できる。また、大気用連通孔72より下方において廃液が容量一杯であることを検知できるため、洗浄液カートリッジ76内の廃液を常に大気開放させることができ、廃液を洗浄液カートリッジ76にスムーズに回収することができる。
【0107】
[変形例1]
上述の実施形態においては、複数の弾性部材がコイルバネ151,177である場合を例にあげて説明したが、これに限らない。
図17に示されるように、コイルバネ151,177は、円筒形状のゴムや合成樹脂であっても良い。
【0108】
[変形例2]
上述の実施形態においては、廃液ジョイント22および大気ジョイント23が当接部146、171を有しており、且つ、筒部149,174がカートリッジ装着容器110の終面111から前方に延び貫通孔148,173に挿通されている場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、カートリッジ装着容器110の壁109は、
図18に示される廃液ジョイント22Bのように、終面111において筒部149が形成されていなくてもよい。この場合、コイルバネ151は、ビス145に挿通され、胴部156の外側に位置する。コイルバネ151は、終面111に対して廃液ジョイント22Bを後方に付勢する。
【0109】
[その他の変形例]
上述の実施形態においては、廃液ジョイント22および大気ジョイント23の貫通孔148,173が3つである場合を例にあげて説明したが、貫通孔148,173は、1つであってもよいし、2つであってもよい。また、3つ以上であってもよい。廃液ニードル114および大気ニードル122が廃液用連通孔73および大気用連通孔に追従して挿入可能であればよい趣旨である。
【0110】
上述の実施形態においては、廃液ジョイント22および大気ジョイント23を付勢する複数の各コイルバネ151,177のそれぞれが、廃液用連通孔73および大気用連通孔72のバルブ185,190を付勢するコイルバネ186,191よりも付勢力が大きい場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、複数のコイルバネ186,191が省略されてもよい。
【0111】
上述の実施形態においては、ラッチ136は、カートリッジ装着容器110に装着された洗浄液カートリッジ76を付勢して装着させる場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。ラッチ136は、カートリッジ装着容器110に装着された洗浄液カートリッジ76およびカートリッジ装着容器110を貫通するピンであってもよい。これにより、洗浄液カートリッジ76は、カートリッジ装着容器110に対してピンの抜き挿しによってロックおよびロック解除される。
【0112】
上述の実施形態においては、終面111において廃液ジョイント22および大気ジョイント23の2つが位置する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。廃液ジョイント22の1つであってもよいし、その他のジョイントを含む3つ以上であってもよい。
【0113】
上述の実施形態においては、洗浄液ジョイント21がケース130の終面111に固定される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。洗浄液ジョイント21は、廃液ジョイント22および大気ジョイント23と同様の構成であってもよい。
【0114】
上述の実施形態においては、廃液センサ129は、上下方向7において、大気用連通孔72と廃液用連通孔73との間に位置する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。廃液センサ129は、上下方向7において大気用連通孔72と重なる位置であってもよい。
【0115】
上述の実施形態においては、廃液用連通孔73が、大気用連通孔72よりも下方に位置する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。廃液用連通孔73は、大気用連通孔72よりも上方に位置してもよい。
【0116】
上述の実施形態においては、廃液ジョイント22および大気ジョイント23がそれぞれ、当接部146,171に当接する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、廃液ジョイント22と当接部146とは一体に形成されていてもよく、大気ジョイント23と当接部171も一体に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
21・・・洗浄液ジョイント(第2ジョイント)
22,22A,22B・・・廃液ジョイント(第1ジョイント)
23・・・大気ジョイント(第1ジョイント)
72・・・大気用連通孔(第1連通孔)
73・・・廃液用連通孔(第1連通孔)
76・・・洗浄液カートリッジ(カートリッジ)
77A・・・貯留室(貯留部)
93・・・洗浄液用連通孔(第2連通孔)
110・・・カートリッジ装着容器
111・・・終面
112・・・洗浄液ニードル(第2ニードル)
114・・・廃液ニードル(第1ニードル)
122・・・大気ニードル(第1ニードル)
129・・・廃液センサ(センサ)
130・・・ケース
133・・・底面
136・・・ラッチ(ロック部)
141・・・ねじりコイルバネ(第2バネ)
145,170・・・規制部
146,171・・・当接部
147,172・・・コイルバネ(弾性部材)
148,173・・・貫通孔
150,176・・・内面
185,190・・・バルブ
186,191・・・コイルバネ(第1バネ)