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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146988
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】移乗装置及び移乗装置用ベルト
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/14 20060101AFI20241008BHJP
   A61G 7/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61G 1/003 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61G5/14
A61G7/14
A61G1/003 702
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059732
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】511258167
【氏名又は名称】カネタコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】市原 晴夫
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA08
4C040JJ03
4C040JJ08
(57)【要約】
【課題】被介護者の負担、特に腰部又は脊椎への負担が小さい移乗装置を提供する。
【解決手段】移乗装置の保持部材5は、可撓性を有して被介護者Mを保持するベルト17を有する。ベルト17は、被介護者Mの腰部を周回する環状部材61と、基端部44aから先端部44cまで帯状に延びる引張部材43、45とを含む。引張部材43、45は、基端部44aが被介護者Mの前部中央で環状部材61に固定され、基端部44aと先端部44cとの間が中央部材11を跨ぎ、先端部44cが可動部材33、35に固定される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスタを有する基台と、
前記基台から上方に延びる支柱と、
被介護者を保持しつつ、前記支柱に対して水平な揺動軸心周りで初期位置から移送位置まで揺動可能な保持部材と、
操作によって前記保持部材を揺動させる操作機構とを備え、
前記保持部材は、前記初期位置では前記揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になり、前記移送位置では前記揺動軸心より上方でほぼ水平な状態になって前記被介護者の胸部を受けることが可能な中央部材と、
前記初期位置では前記中央部材よりも前方に位置し、前記移送位置では前記中央部材よりも下方に位置する可動部材と、
可撓性を有して前記被介護者を保持するベルトとを有し、
前記ベルトは、前記被介護者の腰部を周回する環状部材と、基端部から先端部まで帯状に延びる引張部材とを含み、
前記引張部材は、前記基端部が前記被介護者の前部中央で前記環状部材に固定され、前記基端部と前記先端部との間が前記中央部材を跨ぎ、前記先端部が前記可動部材に固定されることを特徴とする移乗装置。
【請求項2】
前記可動部材は、前記初期位置では前記中央部材よりも上方に位置し、前記移送位置では前記中央部材よりも下方に位置する係止部を含み、
前記引張部材は、前記基端部と前記先端部との間が前記係止部を跨ぐ請求項1記載の移乗装置。
【請求項3】
前記引張部材は、前記被介護者の前記前部中央から右側で帯状に延びる右引張部材と、前記被介護者の前記前部中央から左側で帯状に延びる左引張部材とからなる請求項1又は2記載の移乗装置。
【請求項4】
前記可動部材は、前記被介護者の右側に位置する右可動部材と、前記被介護者の左側に位置する左可動部材とからなり、
前記右引張部材の前記先端部には、前記右引張部材の長さを調整可能に前記右可動部材に係合される複数の右係合部が設けられ、
前記左引張部材の前記先端部には、前記左引張部材の長さを調整可能に前記左可動部材に係合される複数の左係合部が設けられている請求項3記載の移乗装置。
【請求項5】
前記環状部材は、一端部から他端部まで延びる帯材からなり、前記一端部及び前記他端部には、前記環状部材の内径を調整可能に互いに面着する面ファスナが設けられている請求項1又は2記載の移乗装置。
【請求項6】
前記一端部と前記他端部とは前記被介護者の腹部で面着されるように構成されている請求項5記載の移乗装置。
【請求項7】
前記一端部には第1安全帯が設けられ、
前記他端部には、前記第1安全帯と係合する第2安全帯が設けられている請求項5記載の移乗装置。
【請求項8】
前記ベルトは、クッション材を有し、前記被介護者の前記前部中央で前記環状部材に脱着可能に設けられ、前記中央部材と当接する胸当部を含む請求項1又は2記載の移乗装置。
【請求項9】
前記操作機構は、手動によって前記保持部材を揺動させる請求項1又は2記載の移乗装置。
【請求項10】
キャスタを有する基台と、
前記基台から上方に延びる支柱と、
被介護者を保持しつつ、前記支柱に対して水平な揺動軸心周りで初期位置から移送位置まで揺動可能な保持部材と、
操作によって前記保持部材を揺動させる操作機構とを備え、
前記保持部材は、前記初期位置では前記揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になり、前記移送位置では前記揺動軸心より上方でほぼ水平な状態になって前記被介護者の胸部を受けることが可能な中央部材と、
前記初期位置では前記中央部材よりも前方に位置し、前記移送位置では前記中央部材よりも下方に位置する可動部材とを有する移乗装置に用いられるベルトであって、
可撓性を有して前記被介護者の腰部を周回する環状部材と、基端部から先端部まで帯状に延びる引張部材とを含み、
前記引張部材は、前記基端部が前記被介護者の前部中央で前記環状部材に固定され、前記基端部と前記先端部との間が前記中央部材を跨ぎ、前記先端部が前記可動部材に固定されることを特徴とする移乗装置用ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移乗装置と、移乗装置用ベルトとに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、非特許文献1及び特許文献2に従来の移乗装置が開示されている。これらの移乗装置は、基台と、支柱と、保持部材と、操作機構とを備えている。
【0003】
基台はキャスタを有している。支柱は基台から上方に延びている。保持部材は被介護者を保持する。保持部材は、支柱に対して水平な揺動軸心周りで初期位置から移送位置まで揺動可能である。操作機構は、手動操作によって保持部材を揺動させる。
【0004】
特許文献1及び非特許文献1の保持部材は、中央部材と、右側部材と、左側部材とを有している。中央部材は、初期位置では揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になり、移送位置では揺動軸心より上方でほぼ水平な状態になって被介護者の胸部を受けることが可能である。右側部材は、中央部材に対して水平な第1方向における被介護者の右側に位置するとともに、第1方向と略直交しながら中央部材から離間する第2方向に延びて被介護者の右脇を載せ得る。左側部材は、中央部材に対して第1方向における被介護者の左側に位置するとともに、第2方向に延びて被介護者の左脇を載せ得る。また、保持部材は、初期位置では中央部材よりも前方に位置し、移送位置では中央部材よりも下方に位置する可動部材を有している。
【0005】
また、特許文献1の保持部材は、非特許文献1に開示されているように、可撓性を有する補助ベルトや専用スリングシートを有し得る。補助ベルトは、中央部材とともに被介護者の肩甲骨近傍を周回する。専用スリングシートは、X字状をなし、被介護者の右股関節近傍及び左股関節近傍を保持しつつ、被介護者の右肩甲骨近傍及び左肩甲骨近傍を中央部材に近づけている。一方、特許文献2の保持部材は、可撓性を有して被介護者を保持するベルトを有している。
【0006】
これらの移乗装置では、介護者は、被介護者を別の場所に移送したり、被介護者を保持部材に保持させた状態で着替え等を行ったりする介護を容易に行うことが可能である。特に、これらの移乗装置において、可撓性を有する補助ベルト、専用スリングシート又はベルトを用いた場合には、円背(猫背)、側彎、片麻痺等、高齢や障害により、常態での姿勢が不十分な被介護者であっても、介護を容易に行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-154773号公報
【特許文献2】特開2020-168307号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】https://www.abilities.jp/fukushi_kaigo_kiki/fukusiyougu/idouyoulift/703100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、発明者らの評価によれば、上記従来の移乗装置では、被介護者の身体、特に腰部又は脊椎への負担が大きい。特に、特許文献2の移乗装置で用いられていた補助ベルト等は、被介護者を上方へ引っ張り上げるようになっており、被介護者の身体への負担が大きい。このため、被介護者が高齢や障害により常態での姿勢が不十分な者である場合、初期位置から移送位置までの揺動中及び移送位置での移動中に被介護者が痛がったり、脱落したりする。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、被介護者の負担、特に腰部又は脊椎への負担が小さい移乗装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の移乗装置は、キャスタを有する基台と、
前記基台から上方に延びる支柱と、
被介護者を保持しつつ、前記支柱に対して水平な揺動軸心周りで初期位置から移送位置まで揺動可能な保持部材と、
操作によって前記保持部材を揺動させる操作機構とを備え、
前記保持部材は、前記初期位置では前記揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になり、前記移送位置では前記揺動軸心より上方でほぼ水平な状態になって前記被介護者の胸部を受けることが可能な中央部材と、
前記初期位置では前記中央部材よりも前方に位置し、前記移送位置では前記中央部材よりも下方に位置する可動部材と、
可撓性を有して前記被介護者を保持するベルトとを有し、
前記ベルトは、前記被介護者の腰部を周回する環状部材と、基端部から先端部まで帯状に延びる引張部材とを含み、
前記引張部材は、前記基端部が前記被介護者の前部中央で前記環状部材に固定され、前記基端部と前記先端部との間が前記中央部材を跨ぎ、前記先端部が前記可動部材に固定されることを特徴とする。
【0012】
本発明の移乗装置用ベルトは、キャスタを有する基台と、
前記基台から上方に延びる支柱と、
被介護者を保持しつつ、前記支柱に対して水平な揺動軸心周りで初期位置から移送位置まで揺動可能な保持部材と、
操作によって前記保持部材を揺動させる操作機構とを備え、
前記保持部材は、前記初期位置では前記揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になり、前記移送位置では前記揺動軸心より上方でほぼ水平な状態になって前記被介護者の胸部を受けることが可能な中央部材と、
前記初期位置では前記中央部材よりも前方に位置し、前記移送位置では前記中央部材よりも下方に位置する可動部材とを有する移乗装置に用いられるベルトであって、
可撓性を有して前記被介護者の腰部を周回する環状部材と、基端部から先端部まで帯状に延びる引張部材とを含み、
前記引張部材は、前記基端部が前記被介護者の前部中央で前記環状部材に固定され、前記基端部と前記先端部との間が前記中央部材を跨ぎ、前記先端部が前記可動部材に固定されることを特徴とする。
【0013】
本発明の移乗装置では、移乗装置用ベルトの環状部材が被介護者の腰部を周回しているため、被介護者が安定して安全に保持される。特に、この移乗装置では、保持部材を初期位置から揺動させれば、すぐに被介護者を前傾姿勢として体重バランスを移し、被介護者の上半身を中央部材に載せた安定した状態の移送位置にすることができるため、被介護者が安定して保持される。こうして、被介護者は安定した状態で移送される。また、本発明に係る移乗装置用ベルトの引張部材は、基端部と先端部との間が中央部材を跨ぎ、先端部が可動部材に固定されるため、被介護者は安定して変位される。このため、この移乗装置では、揺動中及び移動中において、被介護者に無理な姿勢を強いることはなく、被介護者に苦痛を与え難い。
【0014】
例えば、トイレ室に移送した場合には、移送状態において、介護者は被介護者の臀部を容易に露出させることができる。また、操作機構の操作によって保持部材を初期位置に揺動させることにより、被介護者を洋風便座に腰掛けさせて洋風便器内に用便をさせることができる。そして、用便後、操作機構の操作によって保持部材を移送位置に揺動させることにより、被介護者の臀部の清拭や洋風便器の清掃作業を行うことができる。この間、本発明に係る移乗装置用ベルトは、被介護者の臀部を全く覆わないため、介護者がこれらの行為を容易に行うことができる。
【0015】
したがって、この移乗装置によれば、被介護者の身体、特に腰部又は脊椎への負担が小さい。
【0016】
環状部材及び引張部材としては、車両用のシートベルト等で用いられているようなポリエステル繊維等を編み込んだ素材を採用することが好ましい。この場合、環状部材及び引張部材が強固に被介護者を保持できる。
【0017】
特に、環状部材は、筒状をなす筒体と、筒体内に収容されたクッション材とを有して構成されることが好ましい。クッション材としては、ウレタンフォーム等を採用することができる。この場合、被介護者に局部的な力が作用し難く、被介護者が痛がり難い。筒体内に補強板を収容すれば、環状部材が変形し難くなる。筒体の被介護者に当接する部分には、滑り止め性を有する素材が設けられていることが好ましい。この場合、移乗中に被介護者が環状部材から外れ難くなる。
【0018】
可動部材は、初期位置では中央部材よりも上方に位置し、移送位置では中央部材よりも下方に位置する係止部を含み得る。そして、引張部材は、基端部と先端部との間が係止部を跨ぐことが好ましい。この場合、初期位置からの移動初期において、環状部材に腰部が保持された被介護者に上方への力が作用し、被介護者は安定的に初期位置から変位される。
【0019】
引張部材は、被介護者の前部中央から右側で帯状に延びる右引張部材と、被介護者の前部中央から左側で帯状に延びる左引張部材とからなることが好ましい。この場合、環状部材に腰部が保持された被介護者に前方の左右2方向で力が作用し、被介護者は、左右に振られ難く、安定的に初期位置から移送位置に変位される。右引張部材と左引張部材とは平行に設けられていることが特に好ましい。
【0020】
可動部材は、被介護者の右側に位置する右可動部材と、被介護者の左側に位置する左可動部材とからなり得る。そして、右引張部材の先端部には、右引張部材の長さを調整可能に右可動部材に係合される複数の右係合部が設けられていることが好ましい。また、左引張部材の先端部には、左引張部材の長さを調整可能に左可動部材に係合される複数の左係合部が設けられていることが好ましい。この場合、被介護者は、太っていても、痩せていても、また左右のバランスが悪くても、安定的に保持される。
【0021】
環状部材は、一端部から他端部まで延びる帯材からなり得る。そして、一端部及び他端部には、環状部材の内径を調整可能に互いに面着する面ファスナが設けられていることが好ましい。この場合、被介護者の体型に応じて腰部に環状部材を周回し易くなる。
【0022】
一端部と他端部とは、被介護者の臀部上部、背中等で面着されるように構成されてもよいが、被介護者の腹部で面着されるように構成されていることが好ましい。被介護者の腹部で帯材の一端部と他端部とが面着されれば、一端部と他端部とが外れ難く、被介護者が安全である。
【0023】
一端部には第1安全帯が設けられ、他端部には、第1安全帯と係合する第2安全帯が設けられていることが好ましい。この場合、一端部と他端部との面ファスナの面着が外れたとしても、第1安全帯と第2安全帯との係合によって一端部と他端部とが離隔することがなく、被介護者の脱落を確実に防止できる。第1安全帯と第2安全帯との係合には、車両用のシートベルト等で用いられているバックルとタングとを採用することができる。第1安全帯及び第2安全帯の少なくとも一方は、長さを調整できるようにしていることが好ましい。
【0024】
ベルトは胸当部を含むことが好ましい。胸当部は、クッション材を有し、被介護者の前部中央で環状部材に脱着可能に設けられ、中央部材と当接する。このクッション材としても、ウレタンフォーム等を採用することができる。この場合、被介護者は胸当部を介して中央部材と当接するため、被介護者の負担をより軽減できる。環状部材と胸当部との脱着には、互いに面着する面ファスナを採用することが好ましい。
【0025】
操作機構は、電動によって保持部材を揺動させてもよく、介護者の手動によって保持部材を揺動させてもよいが、介護者の手動によって保持部材を揺動させることが好ましい。手動で保持部材を揺動させれば、介護者が被介護者の様子を見ながら揺動速度を調整できるため、被介護者が負担を感じ難い。
【発明の効果】
【0026】
本発明の移乗装置によれば、被介護者Mの身体、特に腰部又は脊椎への負担が小さい。このため、被介護者が高齢や障害により常態での姿勢が不十分な者である場合であっても、被介護者は痛がることなく、安定して安全に移乗できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施例1、2に係り、移乗装置用ベルトを除いた移乗装置の初期位置での右側面図である。
図2図2は、実施例1、2に係り、移乗装置用ベルトの一部を除いた移乗装置の移送位置での上面図である。
図3図3は、実施例1の移乗装置用ベルトの分解平面図である。
図4図4は、実施例1の移乗装置用ベルトにおける環状部材の断面図である。
図5図5は、実施例1の移乗装置用ベルトに係り、被介護者と当接する表面図である。
図6図6は、実施例1の移乗装置用ベルトに係り、裏面図である。
図7図7は、実施例1の移乗装置用ベルトに係り、被介護者が周回した状態を上方から見た一部断面図である。
図8図8は、実施例1、2の移乗装置に係り、初期位置での右側面図である。
図9図9は、実施例1、2の移乗装置に係り、初期位置から移送位置までの途中での右側面図である。
図10図10は、実施例1、2の移乗装置に係り、移送位置での右側面図である。
図11図11は、実施例2の移乗装置用ベルトに係り、被介護者が周回した状態上方から見た一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施例1)
以下、本発明を具体化した実施例1を図面を参照しつつ説明する。実施例1の移乗装置は、図1、2及び図8~10に示すように、基台1と、支柱3と、保持部材5と、操作機構7とを備えている。
【0029】
図1に示すように、基台1は、下面に複数個のキャスタ9を有し、床面Fを各キャスタ9によって水平に移動可能である。基台1には1本の支柱3が固定されている。支柱3は上方に向かって基台1に対して垂直に延びている。保持部材5は、図2に示すように、中央部材11と、右側部材13と、左側部材15とを有するとともに、図3~7に示す移乗装置用ベルト(以下、ベルトという。)17を有している。
【0030】
図2に示すように、中央部材11、右側部材13及び左側部材15は表皮をもつクッション材からなる。クッション材はウレタンフォームである。中央部材11は、図1に示すように、バックプレート19の後面に固定されている。図2に示すように、右側部材13は図示しないバックプレートの左面に固定され、左側部材15は図示しないバックプレートの右面に固定されている。
【0031】
右側部材13は、中央部材11に対して水平な第1方向における被介護者Mの右側に位置するとともに、第1方向と略直交しながら中央部材11から離間する第2方向、つまり図1では後方、図2では紙面の手前に向かって延びており、被介護者Mの右脇を載せ得るようになっている。左側部材15は、中央部材11に対して第1方向における被介護者Mの左側に位置するとともに、第2方向に延びており、被介護者Mの左脇を載せ得るようになっている。これら右側部材13及び左側部材15は、それぞれとバックプレート19との間に設けられた図示しない機構により、互いの間隔を狭めたり、広めたりすることができるようになっている。
【0032】
図1に示すように、支柱3の上部には水平方向に延びるピン21が設けられており、ピン21にはリンクバー23の第1バー23aが揺動可能に軸支されている。ピン21は支柱3に対して水平な揺動軸心を構成している。リンクバー23は、第1バー23aと、第2バー23bと、第3バー23cとからなる。これら第1バー23a、第2バー23b及び第3バー23cは、前後及び上下で決定される平面内において、中心部分が固定されているとともに、中心部分からそれぞれ所定の長さで延びている。支柱3の上部には、ピン21及び第1バー23aを隠蔽するカバー25が固定されている。
【0033】
図2に示すように、支柱3の中央部分には膝当て27が設けられている。膝当て27は、被介護者Mの右膝と当接する右膝当て27aと、被介護者Mの左膝と当接する左膝当て27bとを有している。右膝当て27a及び左膝当て27bも表皮をもつクッション材からなる。このクッション材もウレタンフォームからなる。なお、右膝当て27a及び左膝当て27bは、被介護者Mの身長に応じて前後方向や上下方向に移動可能に構成されてもよい。
【0034】
図1に示すように、リンクバー23の第1バー23aの先端にはダンパ29のロッド29aが揺動可能に設けられている。基台1の前部にはブラケット31が固定されており、ブラケット31の先端にはダンパ29のシリンダ29bが揺動可能に設けられている。ダンパ29は、シリンダ29bからロッド29aを徐々に突出させたり、シリンダ29bにロッド29aを徐々に進入させたりすることが可能である。
【0035】
リンクバー23の第2バー23bは、初期位置において、被介護者Mに向かって後方に延びている。第2バー23bの先端にバックプレート19が固定されている。リンクバー23の第3バー23cは、初期位置において、被介護者Mから遠ざかるように上方かつ前方に延びている。第3バー23cには、先端の第1位置に第1ハンドル33が左右に水平に突出して設けられており、先端と中心部分との中間である第2位置に第2ハンドル35が左右に水平に突出して設けられている。第1ハンドル33及び第2ハンドル35が可動部材に相当する。図2に示すように、第1ハンドル33の右側部分33aは右可動部材に相当し、第1ハンドル33の左側部分33bは左可動部材に相当する。図示はしないが、第2ハンドル35の右側部分も右可動部材に相当し、第2ハンドル35の左側部分も左可動部材に相当する。
【0036】
図1に示すように、第3バー23cの先端にはハンドルレバー37が固定されている。ハンドルレバー37は、図2に示すように、略Y字形状をなしている。すなわち、ハンドルレバー37は、基部37aと、横棒37bと、右アーム37cと、左アーム37dと、右ハンドル37eと、左ハンドル37fとからなる。
【0037】
基部37aは、図1に示すように、第3バー23cと略直交して延びている。横棒37bは、図2に示すように、基部37aの先端に設けられて左右に水平に延びている。横棒37bが係止部に相当する。右アーム37cは横棒37bの右端から延び、左アーム37dは横棒37bの左端から延び、右アーム37c及び左アーム37dは同一平面内で横棒37bから遠ざかるに従って互いの距離が大きくなっている。右ハンドル37eは右アーム37cの先端から水平に突出し、左ハンドル37fは左アーム37dの先端から水平に突出している。ピン21、リンクバー23及びハンドルレバー37は操作機構7を構成している。
【0038】
介護者がハンドルレバー37を手動操作すれば、つまり介護者が右ハンドル37e及び左ハンドル37fを握ってハンドルレバー37をピン21周りで揺動させてハンドルレバー37を手前に引けば、中央部材11、右側部材13及び左側部材15を図8に示す初期位置から図9の状態を経て図10に示す移送位置まで揺動させることが可能である。図8に示すように、中央部材11は、初期位置ではピン21より後方でほぼ垂直な状態になる。また、第1、2ハンドル33、35は、初期位置では中央部材11よりも前方に位置している。
【0039】
図10に示すように、移送位置では、中央部材11はピン21より上方でほぼ水平な状態になって被介護者Mの胸部を受けることが可能になる。また、第1、2ハンドル33、35は、中央部材11よりも下方に位置する。
【0040】
図3に示すように、保持部材5のベルト17は、帯材41、右引張部材43、左引張部材45、胸当部47、第1安全帯49及び第2安全帯51からなる。
【0041】
帯材41は可撓性を有している。この帯材41は、図4に示すように、筒状をなす筒体53と、筒体53内に収容されたクッション材55及び補強板57とからなる。クッション材55は高反発ウレタンフォームからなる。補強板57は強化レザーである。
【0042】
筒体53は、ポリエステル繊維を編み込んだ通気性を有する第1素材53aと、ポリエステル繊維を有して滑り止め性を有する第2素材53bとが縫製されて構成されている。筒体53の被介護者に当接する裏面が第2素材53bとなっている。この帯材41は、図3に示すように、一端部41aから他端部41bまで所定長さで延び延びている。
【0043】
帯材41の表面には、他端部41bに面ファスナの雌部材59a、59b、59cが縫い付けられている。図5に示すように、雌部材59aは他端部41bと端面が一致している。雌部材59bは雌部材59aとの間に右引張部材43の基端部44aの幅分の隙間を有している。雌部材59cは雌部材59bとの間に左引張部材45の基端部44aの幅分の隙間を有している。
【0044】
図6に示すように、帯材41の裏面には、一端部41aに面ファスナの雄部材59dが縫い付けられている。雄部材59dは基端部44aよりも帯材41の長さ方向に沿って長くなっている。
【0045】
図3に示すように、右引張部材43及び左引張部材45は、ポリエステル繊維を編み込んだ通気性を有する第3素材44と、5個の係合紐46とからなる。第3素材44は、長手方向に延びる基端部44aと、基端部44aと一体に長手方向に延び、長手方向に開口44bを有する先端部44cとからなる。各係合紐46は、異なる位置で開口44bを跨いで先端部44cに縫製されている。この際、各係合紐46の両端部は、両端部の延びる方向に沿いつつ、右引張部材43及び左引張部材45が延びる方向に対して傾斜するように先端部44cに縫製されている。右引張部材43の各係合紐46と、左引張部材45の各係合紐46とは互いに位置が等しくされている。各係合紐46は、右引張部材43と左引張部材45とにおいて、位置が等しければ同色であり、位置が異なれば異なる色を呈している。右引張部材43の各係合紐46が右係合部に相当し、左引張部材45の各係合紐46が左係合部に相当する。
【0046】
右引張部材43及び左引張部材45は、図5及び図6に示すように、帯材41の他端部41bの端面からやや離れた位置において、帯材41とは直交しつつ上方に延びるように縫製されている。雌部材59aと雌部材59bとの間に左引張部材45が配置され、雌部材59bと雌部材59cとの間に右引張部材43が配置されている。この際、右引張部材43及び左引張部材45は、図4に示すように、基端部44aが帯材41の筒体53を周回して互いに平行になるように筒体53及び自己に縫製されている。
【0047】
図3に示すように、胸当部47は、野球のホームベース形状をなし、表皮をもつクッション材からなる。クッション材はウレタンフォームからなる。胸当部47の裏面には面ファスナの雄部材47aが縫い付けられている。帯材41の裏面には、雌部材59bと同じ位置に面ファスナの雌部材47bが縫い付けられている。図5及び図6に示すように、胸当部47は、雌部材47bに雄部材47aを面着したり、雌部材47bから雄部材47aを取り外したりすることにより、帯材41の裏面に脱着可能に設けられる。
【0048】
図3に示すように、第1安全帯49は、ポリエステル繊維を編み込んだ通気性を有する第4素材49aと、第4素材49aの一端に固定されたタング49bとからなる。図5及び図6に示すように、第4素材49aの他端は帯材41の一端部41aの裏面に縫製されている。
【0049】
図3に示すように、第2安全帯51は、ポリエステル繊維を編み込んだ通気性を有する第5素材51aと、バックル51bと、スペーサ51cとからなる。バックル51b及びスペーサ51cは第5素材51aに設けられている。バックル51bは第1安全帯49のタング49bを係合可能である。また、バックル51b及びスペーサ51cは、第5素材51aの任意の位置に設けられ、第5素材51aの一端との長さを調整できるようになっている。図5及び図6に示すように、第5素材51aの他端は帯材41の一端部41aの表面に縫製されている。
【0050】
この移乗装置では、例えば図8に示すように、介護者は車いす63に乗った被介護者Mを図示しない洋風便器に移乗する。まず、介護者は、ベルト17だけを用意し、帯材41を被介護者Mの腰部に周回し、被介護者Mの腹部で面ファスナの雌部材59a~59cと雄部材59dとを面着する。これにより、帯材41は、図7に示すように、環状部材61となる。
【0051】
また、胸当部47が被介護者Mの前部中央に位置する。この状態において、第2安全帯51における第5素材51aの長さを調整しながら、第2安全帯51のバックル51bに第1安全帯49のタング49bを係合する。これにより、右引張部材43及び左引張部材45は、帯材41の他端部41b側、つまり環状部材61の内側において、各基端部44aが被介護者Mの前部中央に位置することとなる。右引張部材43及び左引張部材45は、胸当部47の外側に位置し、帯材41の一端部41aの内側に位置する帯材41の他端部41bの内側から上方に延びることとなる。右引張部材43及び左引張部材45の中間位置は被介護者Mの中心に位置している。
【0052】
介護者は、ベルト17のない移乗装置を被介護者Mの前までキャスタ9によって移動させ、初期位置とする。中央部材11は、ピン21の揺動軸心より後方でほぼ垂直な状態になっている。そして、介護者は、図2に示すように、ベルト17の右引張部材43及び左引張部材45の先端部44cを被介護者Mの前から延ばし、中央部材11及びハンドルレバー37の横棒37bを介して前方に延ばす。
【0053】
そして、介護者は、図8に示すように、被介護者Mの右膝を右膝当て27aに当接するとともに左膝を左膝当て27bに当接し、また被介護者Mの胸部を中央部材11に当接する。所望により、被介護者Mの右脇を右側部材13に載せ、被介護者Mの左脇を左側部材15に載せる。そして、ベルト17の右引張部材43の適切な係合紐46を第2ハンドル35に係合するとともに、左引張部材45の適切な係合紐46を第2ハンドル35に係合する。これにより、右引張部材43及び左引張部材45は、基端部44aと先端部44cとの間が中央部材11及び横棒37bを跨ぎ、先端部44cが第2ハンドル35に固定される。この際、被介護者Mの体型に応じて係合紐46を選択するとともに、係合紐46を第1ハンドル33に係合することもできる。係合紐46の色によってその選択が容易になる。これにより、被介護者Mは安定して安全に保持される。
【0054】
介護者は、移乗装置の前方で被介護者Mに向かって立ち、自己の左手で右ハンドル37eを握り、自己の右手で左ハンドル37fを握り、ハンドルレバー37を図8~10中の矢印ように手動で揺動させる。こうして、保持部材5は移乗装置の初期位置から移送位置に変位する。特に、この移乗装置では、保持部材5を初期位置から揺動させれば、すぐに被介護者Mを前傾姿勢として体重バランスを移し、被介護者Mの上半身を中央部材11に載せた安定した状態の移送位置にすることができるため、被介護者Mが安定して保持される。こうして、被介護者は安定した状態で安全に移送される。例えば、介護者は、移送位置のまま洋風便器まで被介護者Mをキャスタ9によって移送する。この際、被介護者Mには、所望により、第1ハンドル33又は第2ハンドル35を握ってもらう。また、被介護者Mには、その身体状況により、胸当部47に腕を回してもらったり、腕をだらりと下に下げたままの状態としてもらったりする。
【0055】
トイレ室では、移送状態において、介護者は被介護者Mの臀部を容易に露出させることができる。また、介護者が右ハンドル37e及び左ハンドル37fを握ってハンドルレバー37を上方に上げ、中央部材11を初期位置に揺動させることにより、被介護者Mを洋風便座に腰掛けさせて洋風便器内に用便をさせることができる。そして、用便後、介護者が右ハンドル37e及び左ハンドル37fを握ってハンドルレバー37を再び下げ、中央部材11を移送位置に揺動させることにより、被介護者Mの臀部の清拭や洋風便器の清掃作業を行うことができる。この間、移乗装置用ベルト17は、被介護者Mの臀部を全く覆わないため、介護者がこれらの行為を容易に行うことができる。
【0056】
この間、ベルト17の右引張部材43及び左引張部材45は、基端部44aと先端部44cとの間が中央部材11を跨ぎ、先端部44cが第2ハンドル35に固定されているため、被介護者Mは安定して変位される。このため、揺動中及び移動中において、被介護者Mに無理な姿勢を強いることはなく、被介護者Mに苦痛を与え難い。
【0057】
特に、ハンドルレバー37が横棒37bを有し、右引張部材43及び左引張部材45が横棒37bを跨いでいるため、初期位置からの移動初期において、環状部材61に腰部が保持された被介護者Mに上方への力が作用し、被介護者Mは安定的に初期位置から変位される。
【0058】
また、この移乗装置では、ベルト17が右引張部材43と左引張部材45とを有しているため、環状部材61に腰部が保持された被介護者Mに前方の左右2方向で力が作用し、被介護者Mは、左右に振られ難く、安定的に初期位置から移送位置に変位される。この際、右引張部材43と左引張部材45とが平行になっているため、被介護者Mは安定して変位される。
【0059】
さらに、この移乗装置では、第1ハンドル33及び第2ハンドル35がそれぞれ左右に延び、右引張部材43及び左引張部材45がそれぞれ複数の係合紐46を有しているため、被介護者Mは、太っていても、痩せていても、また左右のバランスが悪くても、安定的に保持される。万一、係合紐46が切断したとしても、右引張部材43及び左引張部材45は先端部44cが開口44bを有しているため、先端部44cの先端が第1ハンドル33や第2ハンドル35に引っ掛かり、被介護者Mが落下することはない。
【0060】
また、この移乗装置では、環状部材61が一端部41aから他端部41bまで延びる帯材41からなり、一端部41aと他端部41bとが雌部材59a及び雄部材59bによって面着されるため、被介護者Mの体型に応じて腰部に環状部材61を周回し易い。特に、雌部材59a、59b、59cが帯材41の長さ方向に長く設けられ、雄部材59dが基端部44aよりもその長さ方向に沿って長くなっているため、腰回りの大小にかかわらず、被介護者Mの腰部に環状部材61が周回される。
【0061】
さらに、一端部41aと他端部41bとが被介護者Mの腹部で面着されるため、一端部41aと他端部41bとが外れ難く、被介護者Mが安全である。
【0062】
また、一端部41aに第1安全帯49が設けられ、他端部41bに第2安全帯51が設けられているため、雌部材59a及び雄部材59bの面着が外れたとしても、第1安全帯49と第2安全帯51との係合によって一端部41aと他端部41bとが離隔することがなく、被介護者Mの脱落を確実に防止できる。
【0063】
さらに、ベルト17が胸当部47を含むため、被介護者Mは胸当部47を介して中央部材11と当接するため、被介護者Mの負担をより軽減できる。
【0064】
したがって、この移乗装置によれば、被介護者Mの身体、特に腰部又は脊椎への負担が小さい。このため、被介護者Mが高齢や障害により常態での姿勢が不十分な者である場合であっても、被介護者Mは痛がることなく、安定して安全に移乗できる。
【0065】
(実施例2)
実施例2の移乗装置のベルト18は、図11に示すように、一端部41aと他端部41bとが被介護者Mの臀部上部、背中等で面着されるように構成されている。また、胸当部47の外側かつ帯材41の内側において、右引張部材43及び左引張部材45が被介護者Mの前部中央から上方に延びているため、単一の長い雌部材59aを採用し、実施例1のような雌部材59b、59cを採用していない。他の構成は実施例1と同様である。この移乗装置においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0067】
上記実施例1、2では、操作機構7が介護者の手動で保持部材5を揺動させているが、操作機構が電動で保持部材を揺動させてもよい。
【0068】
また、上記実施例1、2では、保持部材5が可動部材である第1ハンドル33及び第2ハンドル35やベルト17の他、中央部材11、右側部材13及び左側部材15を有しているが、本発明では、右側部材13及び左側部材15は必ずしも必要ではない。被介助者Mが右脇を右側部材13に載せ難かったり、左脇を左側部材15に載せ難い場合には、移乗装置から右側部材13及び左側部材15の少なくとも一方を取り外していてもよい。
【0069】
さらに、上記実施例1、2では、可動部材として第1ハンドル33及び第2ハンドル35を採用したが、これらと位置の異なる第3ハンドル等、他の部材を可動部材としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は介護施設の他、家庭でも利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
9…キャスタ
1…基台
3…支柱
M…被介護者
21…ピン(揺動軸心)
5…保持部材
7…操作機構
11…中央部材
33、35…可動部材(33…第1ハンドル、35…第2ハンドル)
17…ベルト
61…環状部材
44a…基端部
44c…先端部
43、45…引張部材(43…右引張部材、45…左引張部材)
37b…係止部(横棒)
33a…右可動部材(第1ハンドルの右側部分)
33b…左可動部材(第1ハンドルの左側部分)
46…右係合部、左係合部
41a…一端部
41b…他端部
41…帯材
59a、59b、59c、59d…面ファスナ
49…第1安全帯
51…第2安全帯
47…胸当部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11