(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014699
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240125BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240125BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240125BHJP
C03C 27/12 20060101ALI20240125BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 366A
G09F9/00 362
G02F1/1333
B60K35/00 Z
C03C27/12 R
B32B17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052836
(22)【出願日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2022116830
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭
(72)【発明者】
【氏名】中西 太
(72)【発明者】
【氏名】吉田 仁
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀之
(72)【発明者】
【氏名】番匠谷 晃
(72)【発明者】
【氏名】朝香 真吾
(72)【発明者】
【氏名】石川 孔悦
【テーマコード(参考)】
2H189
3D344
4F100
4G061
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA55
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2H189LA02
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2H189LA17
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2H189LA28
2H189LA30
3D344AA01
3D344AA27
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3D344AD13
4F100AG00B
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5G435GG43
5G435HH05
5G435HH18
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5G435LL17
(57)【要約】
【課題】使用者に対する殺傷性が低い表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示パネル110と、表示パネル110の表示面110aに設けられる保護部200とを備える。保護部200は、使用者側に位置する第1ガラス基板210と、第1ガラス基板210と表示面110aとの間に位置する第2ガラス基板220と、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを接着する第1接着層230とを有する。第1ガラス基板210の厚さは0.5mm以下であり、第1接着層230のパンメル値は7以上10以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの表示面に設けられる保護部と、を備え、
前記保護部は、使用者側に位置する第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記表示面との間に位置する第2ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板とを接着する第1接着層とを有し、
前記第1ガラス基板の厚さは0.5mm以下であり、
前記第1接着層のパンメル値は7以上10以下である、
表示装置。
【請求項2】
前記保護部は、前記第2ガラス基板と前記表示パネルとを接着する第2接着層を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2接着層のパンメル値は、前記第1接着層のパンメル値以下である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記保護部は、前記第1ガラス基板に対する接触位置を検出するタッチパネルである、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記保護部は、前記第2ガラス基板と前記表示面との間に位置する第3ガラス基板と、前記第2ガラス基板と前記第3ガラス基板とを接着する第2接着層と、前記第3ガラス基板と前記表示パネルとを接着する第3接着層とを有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2接着層のパンメル値は、前記第1接着層のパンメル値以下である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記保護部は、前記第1ガラス基板に対する接触位置を検出するタッチパネルである、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2ガラス基板の厚さが、前記第1ガラス基板の厚さと前記第3ガラス基板の厚さよりも厚い、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1ガラス基板が強化ガラスから形成されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1接着層と前記第2接着層の少なくとも一方が、ポリビニルブチラールから形成されている、
請求項2から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、列車等では、搭乗者(乗員、乗客等)の安全性の向上のために、車両、列車等に設けられる表示装置が搭乗者に与える危害を小さくする必要がある。例えば、車両に関する欧州規格(ECE-R21:the Economic Commission for Europe of the United Nations(UN/ECE)-Regulation No 21)は、表示装置を含む車両の内装部品に、適用される。ECE-R21は、車両の内装部品に殺傷性がないこと、を求めている。
【0003】
一方、優れた、耐久性と静音特性と破壊特性とを有する、ガラス積層体が知られている。例えば、特許文献1は、第1の外側ガラス板と第2の外側ガラス板と高分子中間層とを含むガラス積層体を開示している。第1の外側ガラス板と第2の外側ガラス板は2mm未満の厚さを有し、第1の外側ガラス板と第2の外側ガラス板の少なくとも一方は化学強化されたガラスである。また、高分子中間層は、アイオノマー、ポリカーボネート等の特定の高分子材料から形成されている。さらに、特許文献1のガラス積層体は、少なくとも7のパンメル値を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のガラス積層体では、使用されるガラスと高分子材料が限定される。特に、特許文献1のガラス積層体には、高価な化学強化ガラスが使用される。また、特許文献1のガラス積層体では、使用者に対する殺傷性が十分に考慮されていない。
【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、使用者に対する殺傷性が低い表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の表示装置は、
表示パネルと、
前記表示パネルの表示面に設けられる保護部と、を備え、
前記保護部は、使用者側に位置する第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記表示面との間に位置する第2ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板とを接着する第1接着層とを有し、
前記第1ガラス基板の厚さは0.5mm以下であり、
前記第1接着層のパンメル値は7以上10以下である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、使用者側に位置する第1ガラス基板の厚さが0.5mm以下であり、第1ガラス基板と第2ガラス基板に対する第1接着層のパンメル値が7以上10以下であるので、表示装置の殺傷性を低くできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る表示装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す表示装置をA-A線で矢視した断面図である。
【
図3】実施形態1に係る液晶表示パネルを示す断面図である。
【
図4】実施形態1に係る保護部を示す断面図である。
【
図5】実施形態1に係る保護部の破損を示す模式図である。
【
図6】実施形態2に係る保護部を示す断面図である。
【
図7】実施形態3に係る第2ガラス基板を示す平面図である。
【
図9】実施例1と比較例1に係る飛散物の最大径を示す模式図である。
【
図10】実施例1と比較例1に係る第1ガラスの厚さと飛散物の平均最大径との関係を示す図である。
【
図11】実施例2と比較例2に係る第1接着層のパンメル値と飛散物の平均最大径との関係を示す図である。
【
図12】実施例3に係る第2接着層のパンメル値と段差との関係を示す図である。
【
図13】実施例4に係る表示装置の固定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る表示装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1~
図5を参照して、本実施形態に係る表示装置10を説明する。表示装置10は、車両、航空機、家電、家具等に搭載される。本実施形態と以下の実施形態では、車両への搭載を例に表示装置10を説明する。車両の搭乗者が使用者(観察者)に相当する。
【0012】
表示装置10は、
図1と
図2に示すように、車両のインストルメントパネル500の開口部510に配置される。インストルメントパネル500は、例えば、樹脂から形成されている。なお、理解を容易にするため、本明細書では、
図1における表示装置10の長手方向(紙面の右方向)を+X方向、短手方向(紙面の上方向)を+Y方向、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向、搭乗者側)を+Z方向として説明する。
【0013】
表示装置10は、表示部100と保護部200とを備える。表示部100は、文字、画像等を表示する。保護部200は、後述する、表示部100の表示パネル110を保護する。
【0014】
表示装置10の表示部100は、
図2に示すように、液晶表示パネル110と、バックライト120と、筐体130とを備える。なお、
図2では、理解を容易にするため、筐体130のハッチングを省略している。
【0015】
表示部100の液晶表示パネル110は、例えば、公知の透過型横電界方式の液晶表示パネルである。液晶表示パネル110は、TFT(Thin Film Transistor)によりアクティブマトリクス駆動される。液晶表示パネル110は、バックライト120からの光を変調して、文字、画像等を表示する。液晶表示パネル110は、表示領域111と周縁部112とを有する。表示領域111は、画素がマトリクス状に配置され、文字、画像等を表示可能な領域である。周縁部112は、配線、駆動回路等が配置された領域である。
【0016】
液晶表示パネル110は、
図3に示すように、TFT基板114と、対向基板115と、液晶116と、第1偏光板117と、第2偏光板118とを備える。TFT基板114と対向基板115は、液晶116を挟持する。第1偏光板117はTFT基板114に設けられ、第2偏光板118は対向基板115に設けられる。
【0017】
TFT基板114は、例えば、ガラス基板である。TFT基板114は、-Z側に位置している。TFT基板114の液晶116側の主面114aには、画素を選択するためのTFT、共通電極、画素電極、駆動回路、液晶116を配向する配向膜等が設けられている(いずれも図示せず)。TFT基板114の主面114aと反対側の主面114bには、第1偏光板117が設けられている。
【0018】
対向基板115は、+Z側に位置し、TFT基板114に対向している。対向基板115は、シール材119によりTFT基板114に貼り合わされている。対向基板115は、例えば、ガラス基板である。対向基板115の液晶116側の主面115aには、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、液晶116を配向する配向膜等が設けられている(いずれも図示せず)。対向基板115の主面115aと反対側の主面115bには、第2偏光板118が設けられている。
【0019】
液晶116は、TFT基板114と対向基板115とに挟持される。液晶116は、例えば、ポジ型のネマチック液晶である。液晶116は、配向膜により、TFT基板114の主面114aに平行な方向に初期配向している。また、液晶116は、電圧を印加されることにより、TFT基板114の主面114aに平行な面内で回転する。
【0020】
第1偏光板117はTFT基板114の主面114bに設けられ、第2偏光板118は対向基板115の主面115bに設けられる。第1偏光板117の透過軸と第2偏光板118の透過軸のうちの、一方の透過軸が液晶116の初期配向方向に平行に配置され、第1偏光板117の透過軸と第2偏光板118の透過軸は直交している。本実施形態では、第2偏光板118の+Z側の主面118aが、液晶表示パネル110の表示面110aに相当する。
【0021】
表示部100のバックライト120は、
図2に示すように、液晶表示パネル110の背面側(-Z側)に配置される。バックライト120は、液晶表示パネル110の光源であり、液晶表示パネル110に白色光を出射する。バックライト120は、白色LED(Light Emitting Diode)素子、反射シート、拡散シート、点灯回路等を備えている(いずれも図示せず)。
【0022】
表示部100の筐体130は、液晶表示パネル110とバックライト120とを収容する。筐体130は、シャーシ132とベゼル136とを有する。なお、ベゼル136は筐体130に設けられなくともよい。
【0023】
シャーシ132は、箱形形状を有し、樹脂又は金属から形成される。シャーシ132は、内側に、液晶表示パネル110とバックライト120とを収容する。
【0024】
ベゼル136は、箱形形状で、底部137に開口部138を有する。ベゼル136は、例えば、金属から形成される。ベゼル136は、底部137を+Z側に向けて、シャーシ132を覆い、液晶表示パネル110の周縁部112を保護する。開口部138からは、液晶表示パネル110の表示領域111が露出している。本実施形態では、ベゼル136の側板139が、図示しない接着剤により、インストルメントパネル500の開口部510の内壁510aに接着される。これにより、表示装置10はインストルメントパネル500の開口部510に固定されている。
【0025】
表示装置10の保護部200は、
図2に示すように、液晶表示パネル110の表示面(+Z側の面)110aに設けられて、液晶表示パネル110を覆う。保護部200は、液晶表示パネル110を保護する。保護部200は、第1ガラス基板210と、第2ガラス基板220と、第1接着層230と、第2接着層240とを備える。
【0026】
保護部200の第1ガラス基板210は、矩形形状を有し、搭乗者側(+Z側)に位置する。第1ガラス基板210は、
図4に示すように、+Z側の第1主面210aと-Z側の第2主面210bとを有する。第1ガラス基板210は、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス等から形成される。第1ガラス基板210の厚さ(Z方向の長さ)T1は0.5mm以下である。本実施形態では、搭乗者側(+Z側)に位置する第1ガラス基板210の厚さT1が薄い(0.5mm以下)ので、第1ガラス基板210の破損によって生じる飛散物(例えば、ガラス片)の大きさが小さくなる。これにより、表示装置10の殺傷性が低下する。
【0027】
保護部200の第2ガラス基板220は、矩形形状を有し、第1ガラス基板210と液晶表示パネル110の表示面110aとの間に位置する。第2ガラス基板220は、+Z側の第1主面220aと-Z側の第2主面220bとを有する。第2ガラス基板220は、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス等から形成される。第2ガラス基板220の厚さT2は、例えば、0.3mm~2.0mmである。
【0028】
保護部200の第1接着層230は、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを接着する。具体的には、第1接着層230は、第1ガラス基板210の第2主面210bと、第2ガラス基板220の第1主面220aとを接着する。第1接着層230は、ポリビニルアセタール樹脂(例えば、ポリビニルブチラール)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等から形成される。第1接着層230厚さT3は、例えば、100μm~500μmである。本実施形態では、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値は、7以上10以下である。
【0029】
ここで、パンメル値とパンメル試験とを説明する。パンメル値は、合わせガラスを形成しているガラス板と中間層との間の密着性を表す指標であり、ガラス板に対する中間層の接着力を示す。パンメル値が大きいほど、ガラス板に対する中間層の接着力は高い。本明細書において、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値とは、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを第1接着層230により接着した積層体のパンメル値を指す。第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値は、第1接着層230の剪断強度と比例関係にある。なお、本明細書では、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値を、第1接着層230のパンメル値とも記載する。
【0030】
パンメル試験は、パンメル値を測定する測定方法である。本実施形態のパンメル試験では、まず、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを第1接着層230により接着した積層体を、-18℃で16時間放置する。次に、積層体を鉛直方向に対して45°傾斜した鋼板上に設置した後、積層体を重量450gのハンマーで殴打する。そして、殴打された積層体を観察し、第1接着層230の露出度を、予め設定されている限度見本と比較することにより、第1接着層230のパンメル値を求める。本実施形態では、パンメル値と第1接着層230の露出度との関係は、下記の表1に示す通りであり、米国特許US3434915号公報に記載の基準に沿っている。
【0031】
【0032】
本実施形態では、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを接着する第1接着層230のパンメル値が大きい(8以上10以下)ので、表示装置10は、第1ガラス基板210に衝撃を受けて保護部200が破損することによって生じる、第1ガラス基板210からの飛散物の量を少なくできる。さらに、表示装置10は、第1ガラス基板210が細かく割れる前に、第1ガラス基板210の破片が第1接着層230から剥がれることを抑制できる。すなわち、第1ガラス基板210の破片が第1接着層230から剥がれる場合、第1ガラス基板210が細かく割れているので、表示装置10は、第1ガラス基板210からの飛散物の大きさを小さくできる。これらにより、表示装置10の殺傷性は低下する。
【0033】
保護部200の第2接着層240は、第2ガラス基板220と液晶表示パネル110とを接着する。具体的には、第2接着層240は、第2ガラス基板220の第2主面220bと液晶表示パネル110の表示面110aとを接着する。第2接着層240は、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等から形成される。第2接着層240厚さT4は、例えば、100μm~500μmである。本実施形態では、第2ガラス基板220と液晶表示パネル110に対する第2接着層240のパンメル値は、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値以下である。なお、第2ガラス基板220と液晶表示パネル110に対する第2接着層240のパンメル値(以下、第2接着層240のパンメル値とも記載)は、第2ガラス基板220と液晶表示パネル110とを第2接着層240により接着した積層体のパンメル値を指す。第2接着層240のパンメル値の測定(パンメル試験)は第1接着層230のパンメル値の測定と同様である。第2接着層240のパンメル値も第2接着層240の剪断強度と比例関係にある。
【0034】
本実施形態では、第1ガラス基板210よりも液晶表示パネル110側に位置する第2ガラス基板220と、液晶表示パネル110とを接着する第2接着層240のパンメル値が、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220とを接着する第1接着層230のパンメル値以下である。したがって、第1ガラス基板210に衝撃を受けて保護部200が破損した場合、
図5に示すように、第2接着層240は第2ガラス基板220と液晶表示パネル110から剥離した後に伸長する。これにより、表示装置10は、第1ガラス基板210に衝撃を受けて保護部200が破損することによって生じる、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。ここで、保護部200の段差LDは、
図5に示すように、割れた第1ガラス基板210における第1主面210aの高さの差(Z方向の長さ)である。また、亀裂の幅CLは、保護部200を搭乗者側から平面視した場合における、割れた第1ガラス基板210の第1主面210a間の幅である。なお、第2接着層240が破断する場合であっても、第2接着層240は破断する前に伸長するので、表示装置10は、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。
【0035】
以上のように、搭乗者側に位置する第1ガラス基板210の厚さT1が0.5mm以下であるので、表示装置10は破損によって生じる飛散物の大きさを小さくできる。第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値が7以上10以下であるので、表示装置10は、第1ガラス基板210からの飛散物の量を少なくでき、また、第1ガラス基板210からの飛散物の大きさを小さくできる。これらにより、表示装置10は搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0036】
さらに、第2接着層240のパンメル値が第1接着層230のパンメル値以下であるので、表示装置10は、保護部200の破損により生じる、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。これにより、表示装置10は、搭乗者に対する殺傷性を更に低くできる。
【0037】
<実施形態2>
実施形態1では、保護部200は第1ガラス基板210~第2接着層240を備える。保護部200は、第1ガラス基板210~第2接着層240と、第3ガラス基板250と、第3接着層260とを備えてもよい。本実施形態の表示部100の構成は実施形態1の表示部100と同様であるので、本実施形態の保護部200を説明する。
【0038】
本実施形態の保護部200は、
図6に示すように、第1ガラス基板210と、第2ガラス基板220と、第1接着層230と、第2接着層240と、第3ガラス基板250と、第3接着層260とを備える。本実施形態の第1ガラス基板210~第2接着層240は、第2接着層240が第2ガラス基板220と第3ガラス基板250とを接着することを除き、実施形態1の第1ガラス基板210~第2接着層240と同様である。
【0039】
第3ガラス基板250は、矩形形状を有し、第2ガラス基板220と液晶表示パネル110の表示面110aとの間に位置する。第3ガラス基板250は、+Z側の第1主面250aと-Z側の第2主面250bとを有する。第3ガラス基板250は、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス等から形成される。第3ガラス基板250の厚さT5は、例えば、0.3mm~1.0mmである。
【0040】
第3ガラス基板250は、第2接着層240により、第2ガラス基板220に接着される。具体的には、第3ガラス基板250の第1主面250aと第2ガラス基板220の第2主面220bが、第2接着層240により、接着される。第3ガラス基板250と第2ガラス基板220に対する第2接着層240のパンメル値は、実施形態1の第2ガラス基板220と液晶表示パネル110に対する第2接着層240のパンメル値と同様に、第1ガラス基板210と第2ガラス基板220に対する第1接着層230のパンメル値以下である。したがって、本実施形態の表示装置10は、実施形態1の表示装置10と同様に、保護部200の破損により生じる、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。
【0041】
第3接着層260は、第3ガラス基板250と液晶表示パネル110とを接着する。具体的には、第3接着層260は、第3ガラス基板250の第2主面250bと液晶表示パネル110の表示面110aとを接着する。第3接着層260は、例えば、透光性を有する接着剤(例えば、OCA:Optical Clear Adhesive、OCR:Optical Clear Resin)、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂等から形成される。第3接着層260の厚さT6は、例えば、0.5mm~1mmである。
【0042】
本実施形態では、液晶表示パネル110の表示面110aの状態、材質等に合わせて、第3接着層260を形成する接着剤を選択することができる。これにより、本実施形態の表示装置10は、保護部200と液晶表示パネル110とをより強固に接着できる。さらに、表示装置10の表示のムラを抑制できる。
【0043】
以上のように、本実施形態の表示装置10は、保護部200と液晶表示パネル110とをより強固に接着できる。また、本実施形態の表示装置10は、実施形態1の表示装置10と同様に、第1ガラス基板210からの飛散物の大きさを小さくできる。本実施形態の表示装置10は、第1ガラス基板210からの飛散物の量を少なくできる。さらに、本実施形態の表示装置10は、保護部200が破損により生じる、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。これらにより、本実施形態の表示装置10は搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0044】
<実施形態3>
実施形態1と実施形態2では、保護部200は液晶表示パネル110を保護する。保護部200は、液晶表示パネル110を保護すると共に、タッチパネルとして機能してもよい。本実施形態では、保護部200の第2ガラス基板220がタッチパネルとして機能する。本実施形態の表示装置10の構成は、保護部200の第2ガラス基板220を除き、実施形態1の表示装置10と同様である。ここでは、本実施形態の保護部200の第2ガラス基板220を説明する。
【0045】
本実施形態の第2ガラス基板220は、投影型静電容量方式のタッチパネルとして機能する。本実施形態の第2ガラス基板220は、
図7に示すように、液晶表示パネル110の表示領域111に対応する領域302に、複数の駆動電極310と、複数の検出電極320とを有する。
【0046】
駆動電極310は、第2ガラス基板220の第1主面220aの上に設けられる。駆動電極310はY方向に延びる。駆動電極310は、複数の四角形の角部が一列に接続されたパターン(所謂、ダイヤモンドパターン)を有している。駆動電極310のそれぞれは、配線312を介して、図示しない制御部に接続している。
【0047】
検出電極320は、第2ガラス基板220の第2主面220bの上に設けられる。検出電極320はX方向に延びる。検出電極320は、複数の四角形の角部が一列に接続されたパターンを有している。検出電極320のそれぞれは、配線322を介して、制御部に接続している。
【0048】
駆動電極310と検出電極320は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)から形成される。駆動電極310と検出電極320は、第2ガラス基板220を平面視した場合、四角形の角部を接続している接続部で交差している。駆動電極310に電圧が印加されると、駆動電極310と検出電極320と搭乗者の指示体(指、ペン等)との間に、静電容量が形成される。制御部が形成された静電容量を測定することによって、搭乗者の指示体が接触した位置を検出できる(自己容量検出方式)。なお、検出方式は、自己容量検出方式に限られず、相互容量検出方式であってもよい。また、制御部は、CPU(Central Processing Unit)、駆動回路、検出回路等から構成されている。
【0049】
以上のように、本実施形態の保護部200(第2ガラス基板220)は、タッチパネルとして機能する。また、本実施形態の表示装置10は、実施形態1の表示装置10と同様に、第1ガラス基板210からの飛散物の大きさを小さくできる。本実施形態の表示装置10は、第1ガラス基板210からの飛散物の量を少なくできる。さらに、本実施形態の表示装置10は、保護部200が破損により生じる、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくできる。これらにより、本実施形態の表示装置10は搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0050】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
例えば、第1ガラス基板210は、強化ガラス(例えば、化学強化されたアルミノシリケートガラス)から形成されてもよい。これにより、飛散物が更に小さくなり、本実施形態の表示装置10は搭乗者に対する殺傷性を更に低くできる。
【0052】
また、第1ガラス基板210の第1主面210aには、各種の処理が施されてもよい。例えば、低反射処理が、第1ガラス基板210の第1主面210aに施されてもよい。
【0053】
実施形態では、表示部100は、液晶表示パネル110とバックライト120とを備える。表示部100は、他の表示パネルを備えてもよい。例えば、表示部100は、液晶表示パネル110とバックライト120の代わりに、有機EL(Electro Luminescence)表示パネルを備えてもよい。
【0054】
実施形態2では、第2ガラス基板220の厚さT2は第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250の厚さT5よりも厚い、ことが好ましい。
【0055】
実施形態3では、駆動電極310が第2ガラス基板220の第1主面220aの上に設けられ、検出電極320が第2ガラス基板220の第2主面220bの上に設けられている。駆動電極310と検出電極320は、第2ガラス基板220の一方の主面の上に設けられてもよい。例えば、駆動電極310と配線312が第2ガラス基板220の第1主面220aの上に設けられ、検出電極320と配線322が駆動電極310と第1主面220aの上に形成された絶縁層の上に設けられてもよい。
【0056】
実施形態3では、保護部200の第2ガラス基板220がタッチパネルとして機能する。実施形態1又は実施形態3の第1ガラス基板210、又は実施形態2の第3ガラス基板250が、タッチパネルとして機能してもよい。例えば、駆動電極310と配線312が第3ガラス基板250の第1主面250aに設けられ、検出電極320と配線322が第3ガラス基板250の第2主面250bに設けられてもよい。
【0057】
また、駆動電極310と配線312が第1ガラス基板210の第2主面210bに設けられ、検出電極320と配線322が第2ガラス基板220の第1主面220aに設けられてもよい。駆動電極310と配線312が第2ガラス基板220の第2主面220bに設けられ、検出電極320と配線322が第3ガラス基板250の第1主面250aに設けられてもよい。
【0058】
実施形態3では、保護部200が静電容量方式のタッチパネルとして機能する。保護部200は他の方式のタッチパネルとして機能してもよい。例えば、保護部200は超音波方式のタッチパネルとして機能してもよい。この場合、発信子と受信子(例えば、圧電トランスデューサ)が第1ガラス基板210の隅に設けられる。発信子が第1ガラス基板210の表面に表面弾性波を伝播させ、受信子が指示体の接触位置を表面弾性波の減衰によって検出する。
【0059】
保護部200の外形は、表示部100の外形よりも大きくともよい。例えば、
図8に示すように、保護部200の第1ガラス基板210と第2ガラス基板220と第1接着層230の外形が、表示部100の外形よりも大きくともよい。
【0060】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【実施例0061】
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本開示は実施例によって限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
実施形態2の表示装置10を作製した。第1ガラス基板210は無アルカリガラスから形成され、第1ガラス基板210の厚さT1は0.15mm、0.33mm、0.50mmである。第2ガラス基板220はソーダガラスから形成され、第2ガラス基板220の厚さT2は1.1mmである。第3ガラス基板250は無アルカリガラスから形成され、第3ガラス基板250の厚さT5は0.50mmである。
【0063】
第1接着層230はポリビニルブチラールから形成され、第1接着層230の厚さT3は380μmである。また、第1接着層230のパンメル値は9である。第2接着層240はポリビニルブチラールから形成され、第2接着層240の厚さT4は380μmである。第2接着層240のパンメル値は9である。第3接着層260はOCRから形成され、第3接着層260の厚さT6は1035μmである。
【0064】
また、比較例1の表示装置を作製した。比較例1の表示装置における第1ガラス基板210の厚さT1は1.1mm又は3.0mmである。比較例1の表示装置の構成は、第1ガラス基板210の厚さT1を除き、本実施例の表示装置10と同様である。
【0065】
衝突試験機を用いて、本実施例の表示装置10又は比較例の表示装置の第1ガラス基板210の第1主面210aの中心に、直径:165mm、重量:6.8kgの球形の衝突体を24.1km/hで衝突させた。そして、衝突体の衝突により生じた飛散物の平均最大径LAを、顕微鏡を用いて求めた。飛散物の最大径Lは、
図9に示すように、飛散物の最も長い幅である。飛散物の平均最大径LAは、5個~10個の飛散物の最大径Lの平均値である。さらに、衝突体の衝突により破損した、本実施例の表示装置10と比較例の表示装置における段差LDと亀裂の幅CLをノギスによって測定した。
【0066】
図10は、第1ガラス基板210の厚さT1と飛散物の平均最大径LAとの関係を示す。
図10に示すように、本実施例の表示装置10から生じる飛散物の平均最大径LAは1.0mm以下であり、本実施例の表示装置10から生じる飛散物の大きさは小さい。一方、比較例の表示装置から生じる飛散物の平均最大径LAは1.0mmよりも大きい。したがって、本実施例の表示装置10は、飛散物の大きさを小さくでき、搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0067】
衝突体の衝突により破損した本実施例の表示装置10の段差LDは、1.0mm以下であった。また、衝突体の衝突により破損した本実施例の表示装置10の亀裂の幅CLは、2.0mm以下であった。一方、衝突体の衝突により破損した比較例の表示装置の段差LDは、1.0mmよりも大きかった。衝突体の衝突により破損した比較例の表示装置の亀裂の幅CLは、2.0mmよりも大きかった。したがって、本実施例の表示装置10は、保護部200の段差LDと亀裂の幅CLを小さくでき、搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0068】
(実施例2)
実施形態2の表示装置10を作製した。第1ガラス基板210の厚さT1は0.33mm又は0.50mmである。第1接着層230のパンメル値は7又は9である。第2接着層240のパンメル値は、第1接着層230のパンメル値と同じである。本実施例の表示装置10のその他の構成は、実施例1の表示装置10と同様である。
【0069】
また、比較例2の表示装置を作製した。比較例2の表示装置における第1ガラス基板210の厚さT1は、0.50mmである。第1接着層230と第2接着層240のパンメル値は5である。比較例2の表示装置の構成は、第1ガラス基板210の厚さT1と、第1接着層230と第2接着層240のパンメル値とを除き、本実施例の表示装置10と同様である。
【0070】
実施例1と同様に、本実施例の表示装置10又は比較例2の表示装置の第1ガラス基板210の第1主面210aの中心に、球形の衝突体を衝突させて、飛散物の平均最大径LAを求めた。
【0071】
図11は、第1接着層230のパンメル値と飛散物の平均最大径LAとの関係を示す。
図11に示すように、本実施例の表示装置10(第1接着層230のパンメル値:7、9)から生じる飛散物の平均最大径LAは1.0mm以下であり、本実施例の表示装置10から生じる飛散物の大きさは小さい。一方、比較例2の表示装置(第1接着層230のパンメル値:5)から生じる飛散物の平均最大径LAは1.0mmよりも大きい。したがって、第1接着層230のパンメル値を7以上10以下とすることにより、飛散物の大きさを小さくでき、搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0072】
(実施例3)
実施形態2の表示装置10を作製した。第1ガラス基板210の厚さT1は0.50mmである。第1接着層230のパンメル値は9である。第2接着層240のパンメル値は、9又は7である。本実施例の表示装置10のその他の構成は、実施例1の表示装置10と同様である。
【0073】
実施例1と同様に、本実施例の表示装置10の第1ガラス基板210の第1主面210aの中心に、球形の衝突体を衝突させて、段差LDを測定した。
【0074】
図12は、第2接着層240のパンメル値と段差LDとの関係を示す。
図12に示すように、第1接着層230のパンメル値と第2接着層240のパンメル値を9とした表示装置10と、第1接着層230のパンメル値を9とし第2接着層240のパンメル値を7とした表示装置10では、段差LDが1.0mm以下であった。したがって、第2接着層240のパンメル値を第1接着層230のパンメル値以下とすることにより、段差LDを小さくでき、搭乗者に対する殺傷性を低くできる。
【0075】
(実施例4)
実施形態2の表示装置10を作製した。本実施例の表示装置10では、保護部200の第1ガラス基板210と第2ガラス基板220と第1接着層230の外形が、表示部100の外形よりも大きい。第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250の厚さT5は、0.50mmである。第2ガラス基板220の厚さT2は、1.1mmである。すなわち、本実施例の表示装置10では、第1ガラス基板210と第3ガラス基板250との間に位置する第2ガラス基板220の厚さT2が、第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250の厚さT5よりも厚い。本実施例の表示装置10のその他の構成は、実施例1の表示装置10と同様である。
【0076】
本実施例の表示装置10を車両のインストルメントパネルに模した治具520に固定して、JIS規格のJIS R 3212:2015 自動車用安全ガラス試験方法(ISO規格のISO 3528.1997)における耐衝撃試験の条件で、鋼球を第1ガラス基板210の第1主面210aの中心に衝突させた。
【0077】
具体的には、本実施例の表示装置10は、
図13に示すように、治具520の開口部522に固定される。第2ガラス基板220が両面テープ532により治具520の側壁に接着され、シャーシ132の底が両面テープ534により治具520の開口を有する底板に接着されている。本実施例では、質量:227g±2g、直径:約38mmの表面が滑らかな鋼球を、第1ガラス基板210の第1主面210aの中心に、高さ9mから自由落下させた。なお、
図13では、第1接着層230、第2接着層240等を省略している。
【0078】
鋼球を衝突させた結果、第2ガラス基板220が破損し、第1ガラス基板210と第3ガラス基板250は破損しなかった。第1ガラス基板210と第3ガラス基板250との間に位置する第2ガラス基板220の厚さT2を、第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250の厚さT5よりも厚くすることにより、衝突による応力が第2ガラス基板220に集中し、第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250に掛かる応力が緩和されるため、第1ガラス基板210と第3ガラス基板250の破損が抑えられると、推定させる。搭乗者側に位置する第1ガラス基板210と表示部100側に位置する第3ガラス基板250の破損を抑えられるので、本実施例の表示装置10は、破片の飛散を抑制でき、搭乗者に対する殺傷性をより低くできる。
【0079】
以上のように、第2ガラス基板220の厚さT2は第1ガラス基板210の厚さT1と第3ガラス基板250の厚さT5よりも厚い、ことが好ましい。
10 表示装置、100 表示部、110 液晶表示パネル(表示パネル)、110a 表示面、111 表示領域、112 周縁部、114 TFT基板、114a,114b 主面、115 対向基板、115a,115b 主面、116 液晶、117 第1偏光板、118 第2偏光板、118a 主面、119 シール材、120 バックライト、130 筐体、132 シャーシ、136 ベゼル、137 底部、138 開口部、139 側板、200 保護部、210 第1ガラス基板、210a 第1主面、210b 第2主面、220 第2ガラス基板、220a 第1主面、220b 第2主面、230 第1接着層、240 第2接着層、250 第3ガラス基板、250a 第1主面、250b 第2主面、260 第3接着層、302 領域、310 駆動電極、312 配線、320 検出電極、322 配線、500 インストルメントパネル、510 開口部、510a 内壁、520 治具、522 開口部、532,534 両面テープ、T1~T6 厚さ、CL 亀裂の幅、LD 段差、L 最大径、LA 平均最大径