(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147001
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059753
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 寛哲
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴子
(72)【発明者】
【氏名】柴田 翔平
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333BA02
2C333CA50
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】液晶表示装置に表示する1フレーム分の画像として、共通の演出画像データCH1と、第1演出画像データKH10を合成する際に、共通の演出画像データCH1に対して乗算処理を行い、さらに、第1演出画像データKH10に対して加算処理を行っている。なお、共通の演出画像データCH1の背景色は、白色で、第1演出画像データKH10の背景色は、黒色である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に表示する画像に対する画像処理を実行可能な画像処理手段と、
所定の予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、
第1背景色を有する第1予告素材画像と、
第2背景色を有する第2予告素材画像と、を備え、
前記第2予告素材画像は、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの信頼度に応じた複数の第2予告素材画像を有し、
前記予告演出実行手段は、
前記第1予告素材画像と、前記複数の第2予告素材画像から選択された第2予告素材画像と、を用いて前記所定の予告演出を実行し、
前記第1予告素材画像は、前記複数の第2予告素材画像に対して共通に使用され、
前記画像処理手段は、
前記表示手段に表示する1フレーム分の画像として、前記第1予告素材画像と前記選択された第2予告素材画像を合成する際に、前記第1予告素材画像に対して、所定の画像処理を行い、さらに、前記選択された第2予告素材画像に対して、前記所定の画像処理とは異なる画像処理を行ってなる遊技機。
【請求項2】
前記第1背景色は、白色で、
前記第2背景色は、黒色で、ある請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロット、封入された遊技球を内部で循環させる封入式パチンコ機(管理遊技機)などの遊技機に関し、より詳しくは、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機等の遊技機として、例えば特許文献1に記載のような遊技機が知られている。この遊技機は、演出画像のデータにαチャンネルを用いて透過させる画像処理を行うというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の遊技機は、αチャンネルを用いて画像の特定部分を透明にする画像処理を行っているため、画像データのデータ量が増加するという問題があった。さらには、演出内容が増加する場合、予め定められたROM容量を効率的に使用する必要があるが、上記のような遊技機は、演出に用いる画像データに対する対策が不十分であるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明に係る遊技機によれば、表示手段(例えば、
図2に示す液晶表示装置41)と、
前記表示手段に表示する画像に対する画像処理を実行可能な画像処理手段(例えば、
図3に示すVDP803)と、
所定の予告演出を実行可能な予告演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a)と、
第1背景色(例えば、白色)を有する第1予告素材画像(例えば、
図5(b)に示す共通の演出画像データCH1)と、
第2背景色(例えば、黒色)を有する第2予告素材画像(例えば、
図5(a-1)に示す第1演出画像データKH10,
図5(a-2)に示す第2演出画像データKH11)と、を備え、
前記第2予告素材画像は、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの信頼度に応じた複数の第2予告素材画像(例えば、
図5(a-1)に示す第1演出画像データKH10,
図5(a-2)に示す第2演出画像データKH11)を有し、
前記予告演出実行手段は、
前記第1予告素材画像と、前記複数の第2予告素材画像から選択された第2予告素材画像と、を用いて前記所定の予告演出を実行し(例えば、
図6(d)に示す青色の炎の画像KH10aだけが背景画像PH10に重なった画像参照)、
前記第1予告素材画像は、前記複数の第2予告素材画像に対して共通に使用され、
前記画像処理手段は、
前記表示手段に表示する1フレーム分の画像として、前記第1予告素材画像と前記選択された第2予告素材画像を合成する際に、前記第1予告素材画像に対して、所定の画像処理(例えば、乗算処理)を行い、さらに、前記選択された第2予告素材画像に対して、前記所定の画像処理とは異なる画像処理(例えば、加算処理)を行ってなることを特徴としている。
請求項2の発明に係る遊技機によれば、上記請求項1に記載の遊技機において、
前記第1背景色は、白色で、
前記第2背景色は、黒色で、あることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、背景画像に対して、青色の炎の画像を表示させる予告演出が実行された場合の画面例を示し、(b)は、青色の炎の画像と黒色の背景画像とからなる1枚の画像データの例を示す図である。
【
図5】(a-1)は、青色の炎の画像と黒色の背景画像とからなる第1演出画像データの例を示し、(a-2)は、緑色の炎の画像と黒色の背景画像とからなる第2演出画像データの例を示し、(b)は、黒色の炎の画像と白色の背景画像とからなる共通の演出画像データの例を示す図である。
【
図6】(a)~(c-1),(d)は、青色の炎の画像だけが背景画像に重なったように表示される工程を示し、(a)~(c-2)は、緑色の炎の画像だけが背景画像に重なったように表示される工程を示す図である。
【
図7】(a)~(c-1)は、リーチの画像だけが背景画像に重なったように表示される工程を示し、(a)~(c-2)は、チャンスの画像だけが背景画像に重なったように表示される工程を示し、(a)~(c-3)は、激アツの画像だけが背景画像に重なったように表示される工程を示す図である。
【
図8】(a)は、ランプ用のレイヤー1~3に、赤色、緑色、青色の点灯データを配置していることを示し、(b)は、ランプ用のレイヤー4に、赤色の編集データを配置していることを示し、ランプ用のレイヤー5に、緑色の編集データを配置していることを示し、ランプ用のレイヤー6に、青色の編集データを配置していることを示し、(c)は、遊技盤上の装飾ランプの点灯状態を示す説明図である。
【
図9】(a)は、SPリーチA時における、遊技盤上の装飾ランプが、黄色の点灯から消灯状態に移行する状態を示し、(b)は、SPリーチB時における、遊技盤上の装飾ランプが、緑色の点灯から消灯状態に移行する状態を示し、(c)は、SPリーチC時における、遊技盤上の装飾ランプが、赤色の点灯から消灯状態に移行する状態を示す説明図である。
【
図10】(a)は、SPリーチA時において、ランプ用のレイヤー1に、黄色の点灯データが配置され、ランプ用のレイヤー2に、白色のフェードアウトデータが配置され、遊技盤上の装飾ランプが、黄色の点灯から消灯状態に移行する状態を示し、(b)は、SPリーチB時において、ランプ用のレイヤー1に、緑色の点灯データが配置され、ランプ用のレイヤー2に、白色のフェードアウトデータが配置され、遊技盤上の装飾ランプが、緑色の点灯から消灯状態に移行する状態を示し、(c)は、SPリーチC時において、ランプ用のレイヤー1に、赤色の点灯データが配置され、ランプ用のレイヤー2に、白色のフェードアウトデータが配置され、遊技盤上の装飾ランプが、赤色の点灯から消灯状態に移行する状態を示す説明図である。
【
図11】同実施形態に係る主制御のメイン処理を説明するフローチャート図である。
【
図12】
図11に示す主制御のメイン処理の続きを説明するフローチャート図である。
【
図13】
図11に示す設定切替処理を説明するフローチャート図である。
【
図14】電源異常チェック処理を説明するフローチャート図である。
【
図15】同実施形態に係る主制御のタイマ割込み処理を説明するフローチャート図である。
【
図16】
図15に示す普通図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図17】
図15に示す特別図柄処理を説明するフローチャート図である。
【
図18】
図17に示す始動口チェック処理1(2)を説明するフローチャート図である。
【
図19】
図17に示す特別図柄変動開始処理を説明するフローチャート図である。
【
図20】
図19に示す当たり判定処理を説明するフローチャート図である。
【
図21】
図19に示す特別図柄変動中処理を説明するフローチャート図である。
【
図22】
図19に示す特別図柄確認時間中処理を説明するフローチャート図である。
【
図23】(a)は普通図柄の当否抽選を実行する際に使用される普通図柄当たり判定テーブルを示し、(b)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄大当たり判定テーブルを示し、(c)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特別図柄小当たり判定テーブルを示し、(d)は特別図柄の当否抽選を実行する際に使用される特殊電サポ図柄当たり判定テーブルを示す図である。
【
図24】同実施形態に係るサブ制御のメイン処理を示すフローチャート図である。
【
図25】
図24に示すデータ解析処理を示すフローチャート図である。
【
図26】同実施形態に係るサブ制御のコマンド受信処理を示すフローチャート図である。
【
図27】同実施形態に係るサブ制御のタイマ割込み処理を示すフローチャート図である。
【
図28】(a)は動画に関する初期コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(b)は動画に関する定常コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(c)は静止画に関するコマンドリストを説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0011】
<パチンコ遊技機外観構成の説明>
まず、
図1~
図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
【0012】
<パチンコ遊技機前面の外観構成の説明>
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、
図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、
図1に示すように、この遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(
図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
【0014】
一方、パチンコ遊技機1は、
図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられ、さらに、略十字キーからなる設定ボタン15が設けられている。この設定ボタン15は、遊技者による操作が可能なもので、中央部に設けられた円形の決定キー15aと、その決定キー15aの図示上側に設けられた三角形状の上キー15bと、その決定キー15aの図示左側に設けられた三角形状の左キー15cと、その決定キー15aの図示右側に設けられた三角形状の右キー15dと、その決定キー15aの図示下側に設けられた三角形状の下キー15eとで構成されている。
【0015】
一方、
図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル16が設けられ、前面枠3の上部両側面側及び発射ハンドル16の近傍には、BGM(Background music)や効果音等を発するスピーカ17が設けられている。なお、上記前面枠3の周枠には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
【0016】
<遊技盤の外観構成の説明>
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、
図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配置されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタ、文字(キャラクタの会話や歌詞テロップ等)あるいは図柄(特別図柄や普通図柄)の変動表示が可能なものである。そしてこのような液晶表示装置41の周囲には、装飾用の上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cが設けられており、この上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cの背面側には可動役物装置43が配置されている。なお、上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cには、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0017】
この可動役物装置43は、
図2に示すように、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う上可動役物43aと、左可動役物43bと、右可動役物43cと、左上可動役物43dと、さらに、上・左・右・左上可動役物43a~43dを、夫々、駆動する2相のステッピングモータ等のモータ(図示せず)とで構成されている。なお、これら上・左・右・左上可動役物43a~43dには、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0018】
一方、液晶表示装置41の真下には、特別図柄1始動口44が配置され、その内部には入賞球を検出する特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が設けられている。そしてこの特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第1始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第1始動保留球数は、特別図柄1始動口44へ遊技球が入賞し、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。なお、特別図柄1始動口44及びその周囲には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0019】
他方、液晶表示装置41の右下部側には、
図2に示すように、特別図柄2始動装置45が配置されている。この特別図柄2始動装置45は、特別図柄2始動口45aと、この特別図柄2始動口45aを遊技球が入球可能な開状態とする「開放状態」と入球不可能な閉状態とする「閉鎖状態」とに変化可能な開閉部45bと、遊技球を特別図柄2始動口45aに向けて案内する「案内状態」と案内しない「非案内状態」とに変化可能な入球案内部45cと、特別図柄2始動口45aに入球した遊技球を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)と、で構成されている。
【0020】
特別図柄2始動口45aは、
図2の図示正面左右方向の右側に向けて略横向きに開口しており、その特別図柄2始動口45aの内部に入賞球を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)が設けられている。この特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)が検出した有効入賞球数、すなわち、第2始動保留球数が所定数(例えば、4個)液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、この第2始動保留球数は、特別図柄2始動口45aへ遊技球が入賞し、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)にて検出されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(-1)されるというものである。
【0021】
開閉部45bは、特別図柄2始動口45aに対して左右方向に移動可能な開閉部材(図示せず)と、開閉部材(図示せず)を駆動制御する普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)とを備えている。この開閉部45bは、閉鎖状態のときには、開閉部材(図示せず)が特別図柄2始動口45a内に突出してこの特別図柄2始動口45aへの遊技球の入球を阻止し、開放状態のときには、退避して特別図柄2始動口45aへの遊技球の入球を許容するようになっている。
【0022】
入球案内部45cは、
図2に示す右側から左側に向かって下り状に傾斜(特別図柄2始動口45a側に向かって下り状に傾斜)している案内部材(図示せず)と、を備えている。そして、この案内部材(図示せず)は、普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)にて駆動制御されることとなる。
【0023】
この入球案内部45cは、案内状態のときには、案内部材(図示せず)が遊技領域40の前側(
図1に示すガラス扉枠5側)にスライドして突出し、その上側に乗った遊技球を特別図柄2始動口45aへ案内し、非案内状態のときには、案内部材(図示せず)が後向き(遊技領域40の後側)にスライドして退避するようになっている。これにより、案内部材(図示せず)が案内状態のときにその上に遊技球が乗ったとしても、その遊技球が特別図柄2始動口45aに入球する前に非案内状態に変化して案内部材(図示せず)が後向きにスライドした場合、その遊技球は特別図柄2始動口45aに入球することなく下流側に流下することとなる。なお、案内部材(図示せず)と開閉部材(図示せず)とは連動して動作するようになっている。
【0024】
なお、以下では、上記のような特別図柄2始動装置45を普通電動役物と称することがある。また、特別図柄2始動装置45には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0025】
他方、特別図柄1始動口44の右側には、
図2に示すように、入賞装置46が配置されている。この入賞装置46は、後述する特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち、当たり遊技状態の際、開閉扉46aにて閉止されている図示しない大入賞口が開放するように開閉扉46aが特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって駆動制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球可能となる。なお、大入賞口(図示せず)に入球した遊技球は入賞球として大入賞口(図示せず)内部に設けられている大入賞口スイッチ46c(
図3参照)によって検出される。
【0026】
一方、特別図柄の抽選に当選していないとき、すなわち、当たり遊技状態でない場合は、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)によって開閉扉46aが駆動制御され、大入賞口(図示せず)が閉止される。これにより、大入賞口(図示せず)内に遊技球が入球することができなくなる。なお、以下では、このような開閉扉46a及び特別電動役物ソレノイド46bを合せた装置を特別電動役物と称することがある。また、入賞装置46には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0027】
ところで、入賞装置46内には、従来周知の構造である振分装置47が設けられている。この振分装置47は、
図2に示すように、V領域47aと、アウト口47bとを備えており、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球は、V領域47aか、アウト口47bかに振り分けられるようになっている。なお、振分装置47は、所定の遊技状態とならない限り、大入賞口(図示せず)に入球された遊技球を、V領域47aに振り分けず、アウト口47bに振り分けるようになっている。
【0028】
他方、液晶表示装置41の右上部には、
図2に示すように、ゲートからなる普通図柄始動口48が配置され、その内部には、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)が設けられている。また、上記入賞装置46の右側及び上記特別図柄1始動口44の左側には、一般入賞口49が夫々配置されている。この一般入賞口49は、上記入賞装置46の右側に配置されている右上一般入賞口49aと、上記特別図柄1始動口44の左側に配置されている左上一般入賞口49bと、左中一般入賞口49cと、左下一般入賞口49dとで構成されている。そして、右上一般入賞口49aの内部には遊技球の通過を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照)が設けられ、左上一般入賞口49bの内部には遊技球の通過を検出する左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照)が設けられ、左中一般入賞口49cの内部には遊技球の通過を検出する左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照)が設けられ、左下一般入賞口49dの内部には遊技球の通過を検出する左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)が設けられている。なお、一般入賞口49には、光の装飾により演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが配置されている。
【0029】
一方、特別図柄1始動口44の真下には、入賞することなく遊技領域40最下流部まで流下してきた遊技球(アウト球)が入球されるアウト口50が配置されている。なお、このアウト口50に入球した遊技球は非入賞球として内部に設けられているアウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出され、さらに、上述した入賞球も遊技盤4の背面側を通って最下流部まで流下することとなるため、アウト口スイッチ50a(
図3参照)によって検出されることとなる。それゆえ、アウト口スイッチ50a(
図3参照)は、排出されたアウト総数、すなわち、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出することとなる。また、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球をカウントするにあたっては、球誘導レール6から遊技領域40へと進入する箇所にスイッチを設けて、カウントするようにしてもよい。
【0030】
他方、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並べて構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置51であり、その他の7セグメント表示装置53aは特別図柄1や特別図柄2、普通図柄の始動保留球数、遊技状態(例えば、有利遊技状態等)を表示するものである。この特別図柄表示装置51は、
図2に示すように、特別図柄1表示装置51aと特別図柄2表示装置51bとで構成されており、その特別図柄1表示装置51aの左側には、1個のLEDからなる普通図柄表示装置52が設けられ、さらに、大当たり遊技のラウンド数を報知するラウンドランプ53b、右打ちを報知するための右打ち報知ランプ53cが設けられている。
【0031】
また、特別図柄1,特別図柄2に対応する識別情報を示す識別ランプ装置51Aが左飾り43b上端部側に設けられている。
【0032】
この識別ランプ装置51Aは、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たり、はずれの情報を遊技者に知らせるための第1,第2識別ランプ51Aa,51Abを有している。この第1識別ランプ51Aaは、特別図柄1に対応しており、第2識別ランプ51Abは、特別図柄2に対応している。そして、特別図柄1が変動中の場合、第1識別ランプ51Aaは点滅し、特別図柄1が当たりの場合、第1識別ランプ51Aaは点灯し、特別図柄1がはずれの場合、第1識別ランプ51Aaは消灯する。そしてさらに、特別図柄2が変動中の場合、第2識別ランプ51Abは点滅し、特別図柄2が当たりの場合、第2識別ランプ51Abは点灯し、特別図柄2がはずれの場合、第2識別ランプ51Abは消灯するというものである。
【0033】
なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配置され、遊技球の落下方向変換部材としての風車54が配置されている。
【0034】
<制御装置の説明>
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、
図3を用いて説明する。この制御装置は、
図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出・発射制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。
【0035】
<主制御基板に関する説明>
主制御基板60は、主制御CPU600aと、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM600bと、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM600cとで構成されたワンチップマイクロコンピュータ600と、低確時(当たり抽選確率が通常の低確率状態)に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容の表示(性能表示)、及び、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容の表示を兼用する7セグメントからなる計測・設定表示装置610と、RAMクリアスイッチ620と、設定キースイッチ630と、を主に搭載している。
【0036】
そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出・発射制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄1始動口44への入賞を検出する特別図柄1始動口スイッチ44aと、特別図柄2始動口45aへの入賞を検出する特別図柄2始動口スイッチ45a1と、普通図柄始動口48の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ48aと、一般入賞口49(右上一般入賞口49a,左上一般入賞口49b,左中一般入賞口49c,左下一般入賞口49d)への入賞を検出する右上一般入賞口スイッチ49a1,左上一般入賞口スイッチ49b1,左中一般入賞口スイッチ49c1,左下一般入賞口スイッチ49d1と、開閉扉46aによって開放又は閉止される大入賞口(図示せず)の入賞を検出する大入賞口スイッチ46cと、発射ハンドル16にて遊技領域40に発射された遊技球と同数の遊技球を検出可能なアウト口スイッチ50aとが接続されている。またさらには、開閉部材(図示せず)及び案内部材(図示せず)を駆動制御する普通電動役物ソレノイド45b2と、開閉扉46aの動作を制御する特別電動役物ソレノイド46bと、振分装置47と、特別図柄1表示装置51aと、特別図柄2表示装置51bと、普通図柄表示装置52と、7セグメント表示装置53aと、ラウンドランプ53bと、右打ち報知ランプ53cと、が接続されている。またさらには、遊技者の不正行為を検出する不正検出基板55が接続されている。
【0037】
このように構成される主制御基板60は、特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口スイッチ45a1あるいは普通図柄始動口スイッチ47aからの信号を主制御CPU600aにて受信すると、抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に送信する。これにより、特別図柄1表示装置51a又は特別図柄2表示装置51bあるいは普通図柄表示装置52に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、その決定した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、サブ制御基板80に送信する。なお、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aが、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドPAY_CMDを払出・発射制御基板70に送信することで、払出・発射制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
【0038】
また、抽選を行った結果、普通図柄の抽選に当選した場合、所定時間、開閉部材(図示せず)が開放状態、及び、案内部材(図示せず)が案内状態となるように普通電動役物ソレノイド45b2が駆動制御され、特別図柄の抽選に当選した場合、特別電動役物ソレノイド46bが大入賞口(図示せず)を開放するように制御される。
【0039】
そして、1種2種混合タイプの遊技機では、小当たり遊技状態となった際、開閉扉46aにて大入賞口(図示せず)の開放閉止を繰り返し行うように制御され、遊技球が大入賞口(図示せず)に入球されると、その遊技球がV領域47aに振り分けられるように、振分装置47が制御される。
【0040】
他方、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a、特別図柄2始動口スイッチ45a1、右上一般入賞口スイッチ49a1、左上一般入賞口スイッチ49b1、左中一般入賞口スイッチ49c1、左下一般入賞口スイッチ49d1、大入賞口スイッチ46cからの信号を受信する毎に、賞球数を計測し、アウト口スイッチ50aからの信号を受信する毎に、排出された遊技球の総数を計測する。そして、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、この計測した賞球数及び排出された遊技球の総数に基づき、低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)を計測・設定表示装置610に出力する。これにより、計測・設定表示装置610に低確時に幾らの賞球がされたかの比率等に関する内容(性能表示)が表示されることとなる。
【0041】
さらに、計測・設定表示装置610は、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を、例えば、「1」~「6」の6段階で表示することができるようになっている。したがって、このような設定内容を変更するにあたっては、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされると、RAMクリアスイッチ620にて、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定内容を例えば「1」~「6」の6段階で設定変更することができるようになっている(例えば、設定「6」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も高く、設定「1」が、遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率が最も低くなっている)。そして、その設定変更内容は、計測・設定表示装置610に表示され、設定変更内容が確定すると、7セグメントの右下側にあるドットが点灯し、設定内容が確定したことが表示されるようになっている。
【0042】
他方、RAMクリアスイッチ620は、設定キースイッチ630に専用キーを挿入し、ONされた場合以外に、RAMクリアスイッチ620が押下されると、主制御RAM600cのメモリ領域は全てクリアされず、一部のメモリ領域のみクリアされるようになっている。
【0043】
一方、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600aは、不正検出基板55に搭載されている磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサにて遊技者の不正行為を検出した不正行為検知信号を受信すると、不正エラーコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を生成し、サブ制御基板80に送信する。
【0044】
<払出・発射制御基板に関する説明>
払出・発射制御基板70は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの払出制御コマンドPAY_CMDを受信し、その受信した払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払出す。そしてさらに、払出・発射制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステータス信号に基づいて、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる動作を開始又は停止させる処理を行う。
【0045】
一方、
図1に示す発射ハンドル16の周縁部には、タッチセンサが設けられており、遊技者の手が発射ハンドル16のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検出信号を、
図3に示すように、払出・発射制御基板70に出力する。これを受けて、払出・発射制御基板70は、その検出信号を、主制御基板60(主制御CPU600a)に送信することとなる。そして、主制御基板60(主制御CPU600a)は、その検出信号を、演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80に送信することとなる。これにより、遊技者がハンドル16に触って遊技したか否かの情報を、サブ制御基板80に送信することが可能となる。
【0046】
ところで、払出・発射制御基板70は、遊技者への球貸し処理も行っている。すなわち、
図1及び
図3に示す球貸しボタン11が押下されると、球貸し信号が、パチンコ遊技機1に隣接して配置されているCRユニット(図示省略)に送信される。これを受けて、CRユニットは、球貸し要求信号を払出・発射制御基板70に送信する。そして、払出・発射制御基板70は、この信号を受けて、遊技者に遊技球を払い出し、払い出しが完了すると、球貸し完了信号をCRユニットに送信することとなる。したがって、このようにして、払出・発射制御基板70は、遊技者への球貸し処理を行うこととなる。
【0047】
<サブ制御基板に関する説明>
サブ制御基板80は、上記主制御基板60(主制御CPU600a)からの演出制御コマンドDI_CMDを受けて各種演出を実行制御すると共に、液晶表示装置41に表示される表示画像を制御するサブ制御CPU800aと、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されているサブ制御ROM800bと、作業領域やバッファメモリ等として機能するサブ制御RAM800cとで構成されたサブワンチップマイコン800を搭載している。
【0048】
またさらに、サブ制御基板80は、所望のBGMや効果音等を生成する音LSI801と、作業領域やバッファメモリ等として機能する音RAM802と、サブワンチップマイコン800の指示に基づき液晶表示装置41に表示される画像データを生成するVDP803と、動画圧縮データを伸張する作業領域と、液晶表示装置41に表示される画像データを一時的に保存するフレームバッファ領域とで構成されるDDR2SDRAM804と、静止画圧縮データと動画圧縮データのCGデータと、BGMや効果音等の音データと、が予め格納されている遊技ROM805と、が搭載されている。なお、静止画とは、いわゆるスプライト画像であって、文字等のテキストデータや背景画像、あるいは、特別図柄等、単一の画像を示すものである。また、動画とは、連続的に変化する複数枚(複数フレーム分)の静止画の集合を意味し、液晶表示装置41に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。
【0049】
このように構成されるサブ制御基板80には、ランプ演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプが搭載されていると共に、これら装飾ランプを制御するLEDドライバが搭載されている装飾ランプ基板90が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ17が接続されている。そしてさらに、サブ制御基板80には、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動役物装置43が接続され、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当たり、はずれの情報を遊技者に知らせるための識別ランプ装置51Aが接続され、各種設定が可能な設定ボタン15が接続され、液晶表示装置41が接続されている。
【0050】
かくして、このように構成されるサブ制御基板80は、主制御基板60(主制御CPU600a)より送信される抽選結果に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドDI_CMDをサブ制御CPU800aにて受信する。そして、サブ制御CPU800aは、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号をサブ制御RAM800c内に一時的に格納する。
【0051】
サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI801に送信する。これを受けて音LSI801は、当該制御信号に対応する音データを遊技ROM805又は音RAM802より読み出し、スピーカ17に出力する。これにより、スピーカ17より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0052】
またサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板90に送信する。これにより、装飾ランプ基板90が、ランプ演出効果を現出するフルカラーLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
【0053】
そしてサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶表示装置41に表示される画像データは1フレーム毎に更新されるが、この1フレームの表示動作が終わったことをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が把握できるように、
図3に示すVSYNC(垂直同期信号)を割込み信号としてVDP803からサブ制御CPU800aに対して送信するようにしている。これにより、サブ制御CPU800aは、1フレーム分の画像データが液晶表示装置41に表示されたことを把握することができる。なお、このVSYNC割込み信号は、例えば、33ms毎に発生するようにしている。
【0054】
さらにサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、可動役物に関する制御信号を可動役物装置43に送信する。これにより、可動役物装置43は、上記決定された演出パターンに対応した可動をすることとなる。
【0055】
<電源基板の説明>
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、
図3に示す電源基板130より供給されている。この電源基板130は、電圧生成部1300と、電圧監視部1310と、システムリセット生成部1320とを含んで構成されている。この電圧生成部1300は、遊技店に設置された図示しない変圧トランスから供給される外部電源である交流電圧AC24Vを受けて複数種類の直流電圧を生成するもので、その生成された直流電圧は、図示はしないが各基板に供給されている。
【0056】
また、電圧監視部1310は、上記交流電圧AC24Vの電圧を監視するもので、この電圧が遮断されたり、停電が発生したりして電圧異常を検出した場合に電圧異常信号ALARMを主制御基板60に出力するものである。なお、電圧異常信号ALARMは、電圧異常時には「L」レベルの信号を出力し、正常時には「H」レベルの信号を出力する。
【0057】
また、一方、システムリセット生成部1320は、電源投入時のシステムリセット信号RSTを生成するもので、その生成されたシステムリセット信号RSTは、各基板に出力されている。
【0058】
<画像データに関する説明>
ここで、画像データに関する説明を行う。
【0059】
一般的に、画像データにαチャンネルデータを持たせることで、画像データの一部又は全部に対して透過度を指定する方法が知られている。
【0060】
例えば、
図4(a)に示すような背景画像PH1に対して、青色の炎の画像(画像P1参照)を表示させる予告演出が実行される場合、
図4(a)に示す背景画像PH1に対して、
図4(b)に示す青色の炎の画像KH1aと黒色の背景画像KH1bとからなる1枚の画像データKH1を重ね合わせることとなる。より詳し説明すると、この1枚の画像データKH1のうち、黒色の背景画像KH1bは液晶表示装置41(
図2参照)に表示したくないため、この黒色の背景画像KH1bを透過させるため、αチャンネルを用いて、黒色の背景画像KH1bを透過させて、
図4(a)に示す背景画像PH1に対して重ね合わせれば、
図4(a)に示すように、背景画像PH1に対して、青色の炎の画像(画像P1参照)だけが液晶表示装置41(
図2参照)に表示されることとなる。
【0061】
しかしながら、αチャンネルを使用すると、1ドットに対して、「RGB」の8bit×3+「αチャンネル」の8bitをプラスした計32bitのデータ量が必要となる。この点、予告演出のバリエーションとして、
図4(a)に示す青色の炎の画像(画像P1参照)以外に、緑色の炎の画像や、赤色の炎の画像などがある場合、それぞれの画像データでαチャンネルを持つとデータ量が増加してしまうこととなる。そのため、αチャンネルを無くした方が、容量が少なくなる。
【0062】
しかしながら、予告演出を他の演出画像と重ね合わせて液晶表示装置41(
図2参照)に表示させることが多いため、不要な部分を透過するために、αチャンネルを用いなければならない。そのため、αチャンネルを無くすことができず、もって、画像データのデータ量を増加させてしまうという問題があった。
【0063】
そこで、本実施形態においては、αチャンネルを用いずとも、αチャンネルを用いた時と同様の画像処理が行えるようにしている。この点、以下、詳しく説明する。
【0064】
まず、予告演出において、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの信頼度が異なる複数の演出に対応した演出画像データ(例えば、
図5(a-1),(a-2)に示すような演出画像データ)を用意する。具体的に説明すると、
図5(a-1)に示す第1演出画像データKH10は、青色の炎の画像KH10aと黒色の背景画像KH10bとからなる1枚の画像データで、
図5(a-2)に示す第2演出画像データKH11は、緑色の炎の画像KH11aと黒色の背景画像KH11bとからなる1枚の画像データである。なお、
図5(a-2)に示す第2演出画像データKH11の方が、
図5(a-1)に示す第1演出画像データKH10よりも、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かの信頼度が高くなっている。
【0065】
一方、上記演出画像データ(例えば、
図5(a-1),(a-2)に示すような演出画像データKH10,KH11)とは別に、共通の演出画像データ(例えば、
図5(b)に示すような共通の演出画像データ)を用意する。具体的に説明すると、
図5(b)に示す共通の演出画像データCH1は、黒色の炎の画像CH1aと白色の背景画像CH1bとからなる1枚の画像データである。なお、演出画像データ(例えば、
図5(a-1),(a-2)に示すような演出画像データKH10,KH11)と、共通の演出画像データ(例えば、
図5(b)に示すような共通の演出画像データCH1)は、
図3に示す遊技ROM805内に予め格納されている。
【0066】
ところで、上記説明した演出画像データ(例えば、
図5(a-1),(a-2)に示すような演出画像データKH10,KH11)と、共通の演出画像データ(例えば、
図5(b)に示すような共通の演出画像データCH1)は、上記説明したαチャンネルを備えていない。そのため、αチャンネルを用いた時と同様に演出画像データの不要な部分を透過するために以下のような画像処理を行うようにしている。
【0067】
すなわち、VDP803(
図3参照)は、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図6(a)に示す背景画像PH10を描画し、そして、その描画した背景画像PH10の一部PH10aに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している共通の演出画像データCH1を重ねて描画する際に、描画モードを「乗算」に設定して合成する。なお、
図6(a)に示す共通の演出画像データCH1の白色の背景画像CH1bは、「乗算」では重なる画像(
図6(a)に示す背景画像PH10の一部PH10a)に対して無視される色である。すなわち、白色は、RGBデータで表現すると、RGB=(255,255,255)となる。255は、8bitの最大値であるから、比率で考えると、白色は(1,1,1)となる。そのため、
図6(a)に示す背景画像PH10の一部PH10aに対して、1を乗算しても、背景画像PH10の一部PH10aの色は変化しないこととなる。
【0068】
かくして、このようにすれば、
図6(b)に示すように、背景画像PH10に対して、
図6(a)に示す共通の演出画像データCH1の白色の背景画像CH1bが透過又は非表示となるから、黒色の炎の画像CH1aだけが背景画像PH10に重なったように表示される。なお、背景画像PH10は、その重なった部分が暗くなる。
【0069】
次いで、VDP803(
図3参照)は、
図6(c-1)に示す背景画像PH10に黒色の炎の画像CH1aが重なった背景画像PH10の一部PH10bに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納している第1演出画像データKH10を重ねて描画する際に、描画モードを「加算」に設定して合成する。なお、
図6(c-1)に示す第1演出画像データKH10の黒色の背景画像KH10bは、「加算」では重なる画像(
図6(c-1)に示す背景画像PH10の一部PH10b)に対して無視される色である。すなわち、黒色は、RGBデータで表現すると、RGB=(0,0,0)となる。そのため、
図6(c-1)に示す背景画像PH10の一部PH10bに対して、0を加算しても、背景画像PH10の一部PH10bの色は変化しないこととなる。
【0070】
かくして、このようにすれば、背景画像PH10に対して、
図6(c-1)に示す第1演出画像データKH10の黒色の背景画像KH10bが透過又は非表示となるから、
図6(d)に示すように、青色の炎の画像KH10aだけが背景画像PH10に重なったように液晶表示装置41に表示される。
【0071】
他方、予告演出のバリエーションの1つである第2演出画像データKH11(
図5(a-2)参照)に対しても、上記と同様の処理を行うことができる。すなわち、VDP803(
図3参照)は、
図6(c-2)に示す背景画像PH10に黒色の炎の画像CH1aが重なった背景画像PH10の一部PH10bに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納している第2演出画像データKH11を重ねて描画する際に、描画モードを「加算」に設定して合成する。これにより、背景画像PH10に対して、
図6(c-2)に示す第2演出画像データKH11の黒色の背景画像KH11bが透過又は非表示となるから、
図6(c-2)に示すように、緑色の炎の画像KH11aだけが
図6(d)に示す背景画像PH10に重なったように表示される。
【0072】
かくして、上記のような処理を行うようにすれば、αチャンネルが無くとも、αチャンネルを用いた時と同様の画像処理が行えるようになる。そのため、画像データのデータ量を増加させてしまうという問題も解決することができる。すなわち、上記説明した演出画像データ(例えば、
図5(a-1),(a-2)に示すような演出画像データKH10,KH11)が、αチャンネルありで、例えばデータ量が1MBとなる場合、αチャンネル無しにすると、データ量が0.7MBとなる。この演出画像データのバリエーションが、青色、黄色、緑色、赤色、レインボー色の5パターンあるとすると、αチャンネルありの場合、1MB×5=5MBのデータ量となり、αチャンネル無しの場合、0.7MB×5=3.5MBのデータ量となる。そして、
図5(b)に示す共通の演出画像データCH1が0.5MBのデータ量となる場合、αチャンネル無しの場合、合計で、3.5MB+0.5MB=4.0MBのデータ量となる。そのため、αチャンネルありの場合のデータ量より、1MB分のデータ容量を削減することができる。それゆえ、画像データのデータ量を増加させてしまうという問題も解決することができる。
【0073】
ところで、上記のような処理の際、「乗算」処理をせずとも、「加算」処理だけでも、
図6(d)に示すような状態にできるのではないかという考え方もできる。
【0074】
しかしながら、「加算」処理は、重ねる色が明るくなる性質があるため、「加算」処理のみで行うと、背景画像PH10に対して重ねた部分が明るくなりすぎ、所謂、白飛びが発生する可能性がある。そのため、本実施形態においては、重ねた部分が明るくなりすぎないよう、「乗算」処理は、重ねる色が暗くなる性質があることから、背景画像PH10に対して一旦共通の演出画像データCH1を乗算処理にて重ねた後で、演出画像データを加算処理にて重ねることで、暗くした後、明るくするという処理を行っている。これにより、背景画像PH10に対して重ねた部分が明るくなりすぎ、所謂、白飛びが発生することが無いようにしている。
【0075】
したがって、上記のような処理を行うようにすれば、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる。
【0076】
ここで、上記「乗算」処理、「加算」処理以外にも、「ハードライト」処理や「オーバーレイ」処理を用いることができる。「ハードライト」処理は、重ねた色の明るさに応じて、結果が異なるもので、明るい色同士を重ねると明るくなり、暗い色同士を重ねると暗く表示されるというものである。そして、「オーバーレイ」処理は、合成後、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く表示されるというものである。すなわち、このような「ハードライト」処理、「オーバーレイ」処理は、灰色を基準に明るい所は明るく、暗い所は暗く表示されるようになるため、演出に応じて「ハードライト」処理、「オーバーレイ」処理を行うこととなる。以下、具体例を用いて詳しく説明する。
【0077】
VDP803(
図3参照)は、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図7(a)に示す背景画像PH20を描画し、そして、その描画した背景画像PH20の一部PH20aに対して、装飾図柄画像P20を描画して合成する。
【0078】
ところで、装飾図柄画像P20はαチャンネルを有している。これは、装飾図柄画像は使用頻度が高く、上記説明した「加算」処理、「乗算」処理を常に行うと、処理負荷が大きくなり、処理速度が低下するため、それを防ぐために、装飾図柄画像P20はαチャンネルを有している。
【0079】
ここで、このような装飾図柄画像P20を合成するにあたっては、
図7(a)に示すように、左装飾図柄画像P20aと右装飾図柄画像P20cとは「7」で停止した状態であるため、VDP803(
図3参照)は、
図7(a)に示す背景画像PH20の一部PH20aに対して「7」図柄の装飾図柄画像データを、αチャンネルで設定された透過度データに基づいて、左装飾図柄画像P20aと右装飾図柄画像P20cの不要な部分(例えば装飾図柄画像の背景部分)を透過した上で合成する。その一方で、中装飾図柄画像P20bは複数の図柄が変動している状態であるため、VDP803(
図3参照)は、複数の図柄それぞれに対してαチャンネルで設定された透過度データに基づいて、中装飾図柄画像P20bの不要な部分(例えば装飾図柄画像の背景部分)を透過した上で、
図7(a)に示す背景画像PH20の一部PH20aに対して描画して合成する。これにより、
図7(b-1)~(b-3)に示すような、装飾図柄画像P20が重ね合わさった背景画像PH20となる。
【0080】
次いで、VDP803(
図3参照)は、
図7(b-1)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図7(b-1)に示す灰色の背景画像EG1aの中央に「リーチ」という文字画像EG1bが配置された第1演出素材画像データEG1を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-1)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-1)に示す第1演出素材画像データEG1の灰色の背景画像EG1aが透過又は非表示となるから、
図7(c-1)に示すように、「リーチ」という文字画像EG1bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。なお、この背景画像EG1aの灰色は、RGBの値が(127,127,127)又は(128,128,128)で構成されている。
【0081】
一方、
図7(b-2)に示す灰色の背景画像EG2aの中央に「チャンス」という文字画像EG2bが配置された第2演出素材画像データEG2では、
図7(b-2)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、その第2演出素材画像データEG2を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-2)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-2)に示す第2演出素材画像データEG2の灰色の背景画像EG2aが透過又は非表示となるから、
図7(c-2)に示すように、「チャンス」という文字画像EG2bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。なお、この背景画像EG2aの灰色は、RGBの値が(127,127,127)又は(128,128,128)で構成されている。
【0082】
また一方、
図7(b-3)に示す灰色の背景画像EG3aの中央に「激アツ」という文字画像EG3bが配置された第3演出素材画像データEG3では、
図7(b-3)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、その第3演出素材画像データEG3を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-3)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-3)に示す第3演出素材画像データEG3の灰色の背景画像EG3aが透過又は非表示となるから、
図7(c-3)に示すように、「激アツ」という文字画像EG3bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。なお、この背景画像EG3aの灰色は、RGBの値が(127,127,127)又は(128,128,128)で構成されている。
【0083】
かくして、上記「乗算」処理、「加算」処理以外にも、「ハードライト」処理や「オーバーレイ」処理を用いることができる。
【0084】
したがって、このようにしても、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる。
【0085】
なお、「ハードライト」処理や「オーバーレイ」処理を用いる際、共通の演出画像データCH1は不要で、ハードライト処理やオーバーレイ処理用の1つの演出画像(本実施形態においては、第1演出素材画像データEG1~第3演出素材画像データEG3を例示)を用意すれば良い。
【0086】
ところで、「ハードライト」処理や「オーバーレイ」処理は、「乗算」処理や「加算」処理よりも、明るさや暗さを調整したいときに使用するもので、この辺りは、デザイナーの完成度やこだわりによって用いられることとなる。そのため、当然のことながら、
図7を参照して説明した「ハードライト」処理や「オーバーレイ」処理と、
図6を参照して説明した「乗算」処理や「加算」処理は、演出に応じて、混合して使用することは勿論可能である。
【0087】
<ランプデータに関する説明>
次に、ランプデータに関する説明を行う。
【0088】
一般的に、演出の多様化によってランプデータのボリュームが増大してきている。しかしながら、従来の遊技機は、ランプデータのボリュームが増大しないようにランプデータの構成に対する対策がなされておらず、又、ランプデータの作成工数の増大に対する対策が不十分であるという問題があった。例えば、装飾ランプが、「赤色」⇒「黄色」⇒「緑色」⇒「水色」⇒「青色」⇒「紫色」のように虹色に変化して点灯する場合、従来においては、色が変化する途中段階を、階調などを使って虹色に変化させるための1つのランプデータを作成していた。そのため、これでは、ランプデータの作成の手間がかかり作成工数が増大するばかりか、1つのデータで作成していることから、データ量も大きくなってしまうという問題があった。
【0089】
そこで、本実施形態においては、上記のような問題を解決すべく、ランプデータも画像の描画処理のように、レイヤーごとにランプデータを配置し、「加算」、「減算」、「乗算」という色の演算処理ができることから、複数のランプレイヤーに対して、赤色・緑色・青色(R・G・B)それぞれの単色データを用意し、演算処理を行うようにしている。この点、以下、詳しく説明する。
【0090】
まず、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT1時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている単色の赤色点灯データを、
図8(a)に示すように、ランプ用のレイヤー1に配置し、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている単色の緑色点灯データを、
図8(a)に示すように、ランプ用のレイヤー2に配置し、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている単色の青色点灯データを、
図8(a)に示すように、ランプ用のレイヤー3に配置する。そして、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT1時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている緑色の減算用ランプデータを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー5に配置し、
図8に示すタイミングT1時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている青色の減算用ランプデータを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー6に配置する。
【0091】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、
図8(c)に示すようにタイミングT1~タイミングT2の間、赤色に点灯させる場合、
図8(a)に示すランプ用のレイヤー1~3に配置されているデータを全て加算し、これを基準としたうえで、緑色及び青色を減算すべく、
図8(b)に示すランプ用のレイヤー5に配置されている緑色の減算用ランプデータとランプ用のレイヤー6に配置されている青色の減算用ランプデータを用いるようにする。具体的には、ランプ用のレイヤー1:(255,0,0)+ランプ用のレイヤー2:(0,255,0)+ランプ用のレイヤー3:(0,0,255)-ランプ用のレイヤー5:(0,255,0)-ランプ用のレイヤー6:(0,0,255)=(255,0,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが赤色に点灯することとなる。
【0092】
次いで、
図8に示すようにタイミングT2~タイミングT3の間、
図8(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、赤色から黄色へ変化させて点灯させる場合、赤色に緑色を加え、オレンジ色を経て黄色に変化させるため、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT2時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている緑色のフェードイン用ランプデータを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー5に配置する。
【0093】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、
図8(c)に示すようにタイミングT2~タイミングT3の間、赤色から黄色へ変化させて点灯させる場合、
図8(a)に示すランプ用のレイヤー1~3に配置されているデータを全て加算し、これを基準としたうえで、
図8(b)に示すランプ用のレイヤー5に配置されている緑色のフェードイン用ランプデータとランプ用のレイヤー6に配置されている青色の減算用ランプデータを用いるようにする。具体的には、{ランプ用のレイヤー1:(255,0,0)+ランプ用のレイヤー2:(0,255,0)+ランプ用のレイヤー3:(0,0,255)}×ランプ用のレイヤー5:(255/255,25/255,255/255)-ランプ用のレイヤー6:(0,0,255)=(255,25,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが赤色から黄色へ変化して点灯することとなる。なお、本実施形態の計算例では、25/255と、緑色を10%乗算した計算例のみを示しているが、赤色に加わる緑色が徐々に増えるように、30/255,35/255,40/255,・・・・・255/255というように徐々に値を変化させて乗算することとなる。したがって、このようにすれば、赤色に緑色を加える量を徐々に増やしていくことができ、もって、遊技盤4上の装飾ランプを、赤色からオレンジ色を経て黄色に変化させることができる。また、本実施形態においては、サブ制御CPU800aが、乗算する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aは緑色を(例えば、10%)乗算という命令だけを行い、装飾ランプ基板90に搭載されているLEDドライバにて乗算処理を行うようにしても良い。
【0094】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図8に示すようにタイミングT3~タイミングT4の間、
図8(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、黄色に点灯させる場合、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT3時、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー5に何も配置しないようにする。
【0095】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、
図8(c)に示すようにタイミングT3~タイミングT4の間、黄色に点灯させる場合、
図8(a)に示すランプ用のレイヤー1~3に配置されているデータを全て加算し、これを基準としたうえで、青色を減算すべく、
図8(b)に示すランプ用のレイヤー6に配置されている青色の減算用ランプデータを用いるようにする。具体的には、ランプ用のレイヤー1:(255,0,0)+ランプ用のレイヤー2:(0,255,0)+ランプ用のレイヤー3:(0,0,255)-ランプ用のレイヤー6:(0,0,255)=(255,255,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが黄色に点灯することとなる。
【0096】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図8に示すようにタイミングT4~タイミングT5の間、
図8(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、黄色から緑色へ変化させて点灯させる場合、黄色から赤色が減って、黄緑色を経て緑色に変化させるため、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT4時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている赤色のフェードアウト用ランプデータを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー4に配置する。
【0097】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、
図8(c)に示すようにタイミングT4~タイミングT5の間、黄色から緑色へ変化させて点灯させる場合、
図8(a)に示すランプ用のレイヤー1~3に配置されているデータを全て加算し、これを基準としたうえで、
図8(b)に示すランプ用のレイヤー4に配置されている赤色のフェードアウト用ランプデータとランプ用のレイヤー6に配置されている青色の減算用ランプデータを用いるようにする。具体的には、{ランプ用のレイヤー1:(255,0,0)+ランプ用のレイヤー2:(0,255,0)+ランプ用のレイヤー3:(0,0,255)}×ランプ用のレイヤー4:(235/255,255/255,255/255)-ランプ用のレイヤー6:(0,0,255)=(235,255,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが黄色から緑色へ変化して点灯することとなる。なお、本実施形態の計算例では、235/255と、赤色を90%乗算した計算例のみを示しているが、黄色から赤色が徐々に減るように、215/255,195/255,175/255,・・・・・0/255というように徐々に値を変化させて乗算することとなる。したがって、このようにすれば、黄色から赤色が徐々に減るようにすることができ、もって、遊技盤4上の装飾ランプを、黄色から黄緑色を経て緑色に変化させることができる。また、本実施形態においては、サブ制御CPU800aが、乗算する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aは赤色を(例えば、90%)乗算という命令だけを行い、装飾ランプ基板90に搭載されているLEDドライバにて乗算処理を行うようにしても良い。
【0098】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図8に示すようにタイミングT5以降、
図8(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、緑色に点灯させる場合、サブ制御CPU800aは、
図8に示すタイミングT5時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている赤色の減算用ランプデータを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー4に配置する。
【0099】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、
図8(c)に示すようにタイミングT5以降、緑色に点灯させる場合、
図8(a)に示すランプ用のレイヤー1~3に配置されているデータを全て加算し、これを基準としたうえで、赤色と青色を減算すべく、
図8(b)に示すランプ用のレイヤー4に配置されている赤色の減算用ランプデータとランプ用のレイヤー6に配置されている青色の減算用ランプデータを用いるようにする。具体的には、ランプ用のレイヤー1:(255,0,0)+ランプ用のレイヤー2:(0,255,0)+ランプ用のレイヤー3:(0,0,255)-ランプ用のレイヤー4:(255,0,255)-ランプ用のレイヤー6:(0,0,255)=(0,255,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが緑色に点灯することとなる。
【0100】
したがって、上記のようにすれば、ランプ用のレイヤー1~3に、点灯データを配置し、さらに、ランプ用のレイヤー4~6に、それぞれの点灯データの編集データを配置するだけで、後は、制御上で、「加算」,「減算」,「乗算」の処理をすることにより、装飾ランプの色変化を実現させることができる。そのため、本実施形態によれば、従来のように、手間がかかるばかりか、データ量が増大する1つのランプデータを作成する必要が無くなる。それゆえ、本実施形態によれば、ランプデータのボリュームが増大せず、且つ、ランプデータの作成工数を削減することができる。
【0101】
なお、上記例示した、フェードイン/フェードアウトは、赤色のフェードイン/フェードアウト、緑色のフェードイン/フェードアウト、青色のフェードイン/フェードアウトの全てに利用することができるため、様々な演出シーンに適用することができる。
【0102】
また、上記のようなフェードイン/フェードアウトの時間は、演出シナリオ上で調整できるようになっている。
【0103】
ところで、上記説明した処理内容は、SPリーチ時の装飾ランプのフェードアウトにも適用することができる。
【0104】
すなわち、
図9(a)に示すように、SPリーチA時、遊技盤4上の装飾ランプがタイミングT10からタイミングT11の間、黄色に点灯し、抽選結果がはずれの場合、タイミングT12以降、黄色からだんだん消灯へフェードアウトするようになっている。また、
図9(b)に示すように、SPリーチB時、遊技盤4上の装飾ランプがタイミングT10からタイミングT11の間、緑色に点灯し、抽選結果がはずれの場合、タイミングT12以降、緑色からだんだん消灯へフェードアウトするようになっている。さらに、
図9(c)に示すように、SPリーチC時、遊技盤4上の装飾ランプがタイミングT10からタイミングT11の間、赤色に点灯し、抽選結果がはずれの場合、タイミングT11以降、赤色からだんだん消灯へフェードアウトするようになっている。
【0105】
ところで、このような3種類のSPリーチで、従来においては、それぞれのSPリーチの内容に合わせた色で装飾ランプを点灯させ、それぞれの色がフェードアウト(輝度が下がっていく)するランプデータ作成していた。そのため、これでは、ランプデータの作成の手間がかかり作成工数が増大するばかりか、それぞれの色がフェードアウト(輝度が下がっていく)するランプデータを作成していることから、データ量も大きくなってしまうという問題があった。
【0106】
そこで、本実施形態においては、上記のような問題を解決すべく、以下のような処理を行っている。
【0107】
図10(a)に示すSPリーチA時、
図10(a)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、タイミングT20~タイミングT21の間、黄色に点灯させる場合、サブ制御CPU800aは、タイミングT20時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている赤色の点灯データと緑色の点灯データを読み出して加算((255,0,0)+(0,255,0)=(255,255,0))し、ランプ用のレイヤー1に配置する。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが黄色に点灯することとなる。
【0108】
次いで、サブ制御CPU800aは、抽選結果がはずれの場合、遊技盤4上の装飾ランプを、
図10(a)に示すようにタイミングT21以降、黄色から消灯へフェードアウトさせるため、サブ制御CPU800aは、タイミングT21時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている白色のフェードアウトデータを、ランプ用のレイヤー2に配置する。なお、この白色のフェードアウトデータは、(R,G,B)=(255,255,255)~(0,0,0)へと変化するデータである。
【0109】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、黄色から消灯へフェードアウトさせるため、
図10(a)に示すランプ用のレイヤー1に配置されている黄色の点灯データとランプ用のレイヤー2に配置されている白色のフェードアウトデータを用いるようにする。具体的には、{(255,0,0)+(0,255,0)}×(235/255,235/255,235/255)=(235,235,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが黄色点灯から消灯へと変化していくこととなる。なお、言うまでもないが、白色のフェードアウトデータは、(R,G,B)=(255,255,255)~(0,0,0)へと変化するデータであるから、(235/255,235/255,235/255),(215/255,215/255,215/255),(195/255,195/255,195/255),・・・・・,(0/255,0/255,0/255)というように徐々に値を変化させて乗算することとなる。また、本実施形態においては、サブ制御CPU800aが、乗算する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aは白色を(例えば、90%)乗算という命令だけを行い、装飾ランプ基板90に搭載されているLEDドライバにて乗算処理を行うようにしても良い。
【0110】
一方、
図10(b)に示すSPリーチB時、
図10(b)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、タイミングT30~タイミングT31の間、緑色に点灯させる場合、サブ制御CPU800aは、タイミングT30時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている緑色の点灯データを、ランプ用のレイヤー1に配置する。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが緑色に点灯することとなる。
【0111】
次いで、サブ制御CPU800aは、抽選結果がはずれの場合、遊技盤4上の装飾ランプを、
図10(b)に示すようにタイミングT31以降、緑色から消灯へフェードアウトさせるため、サブ制御CPU800aは、タイミングT31時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている白色のフェードアウトデータを、ランプ用のレイヤー2に配置する。なお、この白色のフェードアウトデータは、
図10(a)に示す白色のフェードアウトデータと同一である。
【0112】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、緑色から消灯へフェードアウトさせるため、
図10(b)に示すランプ用のレイヤー1に配置されている緑色の点灯データとランプ用のレイヤー2に配置されている白色のフェードアウトデータを用いるようにする。具体的には、(0,255,0)×(235/255,235/255,235/255)=(0,235,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが緑色点灯から消灯へと変化していくこととなる。なお、言うまでもないが、白色のフェードアウトデータは、(R,G,B)=(255,255,255)~(0,0,0)へと変化するデータであるから、(235/255,235/255,235/255),(215/255,215/255,215/255),(195/255,195/255,195/255),・・・・・,(0/255,0/255,0/255)というように徐々に値を変化させて乗算することとなる。また、本実施形態においては、サブ制御CPU800aが、乗算する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aは白色を(例えば、90%)乗算という命令だけを行い、装飾ランプ基板90に搭載されているLEDドライバにて乗算処理を行うようにしても良い。
【0113】
また一方、
図10(c)に示すSPリーチC時、
図10(b)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプを、タイミングT40~タイミングT41の間、赤色に点灯させる場合、サブ制御CPU800aは、タイミングT40時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている赤色の点灯データを、ランプ用のレイヤー1に配置する。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが赤色に点灯することとなる。
【0114】
次いで、サブ制御CPU800aは、抽選結果がはずれの場合、遊技盤4上の装飾ランプを、
図10(b)に示すようにタイミングT41以降、赤色から消灯へフェードアウトさせるため、サブ制御CPU800aは、タイミングT41時、
図3に示すサブ制御ROM800b内に予め格納されている白色のフェードアウトデータを、ランプ用のレイヤー2に配置する。なお、この白色のフェードアウトデータは、
図10(a)に示す白色のフェードアウトデータと同一である。
【0115】
かくして、サブ制御CPU800aは、遊技盤4上の装飾ランプを、赤色から消灯へフェードアウトさせるため、
図10(c)に示すランプ用のレイヤー1に配置されている赤色の点灯データとランプ用のレイヤー2に配置されている白色のフェードアウトデータを用いるようにする。具体的には、(255,0,0)×(235/255,235/255,235/255)=(235,0,0)という算出を行う。これにより、遊技盤4上の装飾ランプが赤色点灯から消灯へと変化していくこととなる。なお、言うまでもないが、白色のフェードアウトデータは、(R,G,B)=(255,255,255)~(0,0,0)へと変化するデータであるから、(235/255,235/255,235/255),(215/255,215/255,215/255),(195/255,195/255,195/255),・・・・・,(0/255,0/255,0/255)というように徐々に値を変化させて乗算することとなる。また、本実施形態においては、サブ制御CPU800aが、乗算する例を示したが、それに限らず、サブ制御CPU800aは白色を(例えば、90%)乗算という命令だけを行い、装飾ランプ基板90に搭載されているLEDドライバにて乗算処理を行うようにしても良い。
【0116】
したがって、上記のようにすれば、SPリーチA~Cいずれも共通の白色のフェードアウトデータを1つ用意し、その共通の白色のフェードアウトデータを、SPリーチ時のそれぞれの装飾ランプの点灯データに対して乗算処理するだけで、SPリーチA~C毎の装飾ランプの色をフェードアウトすることができる。そのため、本実施形態によれば、従来のように、それぞれのSPリーチの内容に合わせた色で装飾ランプを点灯させ、それぞれの色がフェードアウト(輝度が下がっていく)するランプデータ作成する必要がないため、ランプデータのボリュームが増大せず、且つ、ランプデータの作成工数を削減することができる。
【0117】
なお、本実施形態においては、消灯へとフェードアウトする白色のフェードアウトデータを例に説明したが、消灯させずに輝度を10%までフェードアウトするような場合でも、上記に示すような白色のフェードアウトデータを用いるようにしてもよい。
【0118】
ところで、
図8,
図10を参照して説明したランプデータ(点灯データ)として、理解を容易にするために、簡易的なランプデータ(点灯データ)を用いて説明したが、実際のランプデータ(点灯データ)は、以下のようになっている。
【0119】
すなわち、実際のランプデータ(点灯データ)として、4バイト=32ビット(0x00000000)で表現されるランプデータ(点灯データ)であれば、24ビットで1つのフルカラーLEDのデータ(8ビット×3)となるため、12バイトでフルカラーLED4個分のランプデータ(点灯データ)となる。この場合、先頭からフルカラーLEDのR1,G1,B1,・・・・・のデータ順に配置されることとなる。
【0120】
すなわち、ランプデータ(点灯データ)として、
0x00000000 0x00000000 0x00000000
となる場合、
先頭の「0x00000000」は、「0x00(←R1のデータ)00(←G1のデータ)00(←B1のデータ)00(←R2のデータ)」となり、
中間の「0x00000000」は、「0x00(←G2のデータ)00(←B2のデータ)00(←R3のデータ)00(←G3のデータ)」となり、
最後の「0x00000000」は、「0x00(←B3のデータ)00(←R4のデータ)00(←G4のデータ)00(←B4のデータ)」となる。
【0121】
上記の点を踏まえると、赤色、緑色、青色の単色点灯データは、以下のようになる。
【0122】
赤色の点灯データ:0xFF0000FF 0x0000FF00 0x00FF0000
緑色の点灯データ:0x00FF0000 0xFF0000FF 0x0000FF00
青色の点灯データ:0x0000FF00 0x00FF0000 0xFF0000FF
【0123】
かくして、上記説明した赤色の減算、緑色の減算、青色の減算を行う場合、赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したうえで、上記の点灯データをそのまま流用し、赤色の減算を行う場合は、赤色の点灯データを用い、緑色の減算を行う場合は、緑色の点灯データを用い、青色の減算を行う場合は、青色の点灯データを用いるようにすれば良い。
【0124】
一方、それに限らず、減算したい色をマスクして他の色はそのままとなるようなデータを用いても良い。具体的には、以下のようなデータとなる。
【0125】
赤色の減算データ:0x00FFFF00 0xFFFF00FF 0xFF00FFFF
緑色の減算データ:0xFF00FFFF 0x00FFFF00 0xFFFF00FF
青色の減算データ:0xFFFF00FF 0xFF00FFFF 0x00FFFF00
【0126】
すなわち、赤色を減算する場合、赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したうえで、上記赤色の減算データと論理積をとれば、赤色が0x00となり、他の色は変化しないこととなる。
【0127】
また、緑色を減算する場合、赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したうえで、上記緑色の減算データと論理積をとれば、緑色が0x00となり、他の色は変化しないこととなる。
【0128】
さらに、青色を減算する場合、赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したうえで、上記青色の減算データと論理積をとれば、青色が0x00となり、他の色は変化しないこととなる。
【0129】
かくして、このようにしても、赤色の減算、緑色の減算、青色の減算を行うことができる。
【0130】
一方、赤色、緑色、青色のフェードイン/フェードアウトは、以下のように処理することができる。すなわち、赤色、緑色、青色のフェードインは、上記赤色の点灯データ、緑色の点灯データ、青色の点灯データの「FF」の部分が、00→10→20→30→・・・・・・→FFのように変化するから、これを赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したデータに対して乗算処理を行うようにすれば、フェードインすることができる。また、赤色、緑色、青色のフェードアウトは、上記赤色の点灯データ、緑色の点灯データ、青色の点灯データの「FF」の部分が、FF→EF→DF→CF→・・・・・・→00のように変化するから、これを赤色の点灯データと、緑色の点灯データと、青色の点灯データとを全て加算したデータに対して乗算処理を行うようにすれば、フェードアウトすることができる。なお、「FF」(=「255」)が輝度100%の状態であり、この数値が低くなるほど輝度が低くなる。
【0131】
したがって、このようにして、上記説明したランプデータは処理されることとなる。
【0132】
<主制御:プログラムの説明>
ここで、上記種々説明した内容の処理方法を、以下、詳しく説明することとする。まず、主制御基板60にて処理される主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムの概要を
図24~
図35を参照して説明することで、詳しく説明することとする。
【0133】
<主制御:メイン処理の説明>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(
図3参照)の電圧生成部1300にて生成された直流電圧が各制御基板に投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、主制御CPU600a(
図3参照)は、主制御ROM600b(
図3参照)内に格納されているプログラムを読み出し、
図11に示す主制御メイン処理を行う。この際、主制御CPU600aは、まず、最初に自らを割込み禁止状態に設定する(ステップS1)。
【0134】
次いで、主制御CPU600aは、主制御CPU600a内部のスタックポインタの値を、通常用スタック領域の最終アドレスに対応して設定するスタックポインタの設定処理を行う(ステップS2)。
【0135】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS3)、発射制御信号を出力する出力ポートをクリアする(ステップS4)。
【0136】
続いて、主制御CPU600aは、サブ制御基板80の起動待ち時間をセットし(ステップS5)、セットした待ち時間をデクリメント(-1)し(ステップS6)、WDT(図示せず)をクリアする(ステップS7)。
【0137】
次いで、主制御CPU600aは、セットした待ち時間が「0」になったか否かを確認し(ステップS8)、「0」になっていなければ(ステップS8:≠0)、ステップS7の処理に戻り、「0」になっていれば(ステップS8:=0)、ステップS9の処理に進む。
【0138】
次いで、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で図示しない当該主制御CPU600aの内部レジスタ内に格納し、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する(ステップS9)。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS10:YES)、ステップS9の処理に戻り、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS10:NO)、ステップS11の処理に進む。すなわち、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMが正常レベル(すなわち「H」レベル)に変化するまで同一の処理を繰り返す(ステップS9~ステップS10)。このように、電圧異常信号ALARMを2回取得することで、正確な信号を読み込むことができる。
【0139】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書き込みを許可し(ステップS11)、主制御RAM600cの作業領域の初期設定を行う(ステップS12)。具体的には、電源異常確認カウンタに00Hをセットし、システム動作ステータスに01Hをセットする。
【0140】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に液晶表示装置41に待機画面を表示させるような処理コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS13)。
【0141】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS14)、払出制御基板70から電源が投入された旨の信号(電源投入信号)が来たか否かを確認する(ステップS15)。電源投入信号が来ていなければ(ステップS15:OFF)、ステップS14の処理に戻り、電源投入信号が来ていれば(ステップS15:ON)、ステップS16の処理に進む。
【0142】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620、設定キースイッチ630のレベルデータを取得し、主制御RAM600cの通常用RAM領域の作業領域に退避させる(ステップS16)。
【0143】
次いで、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、主制御RAM600cの作業領域に退避させたRAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS17)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS18)。全てONになっていれば(ステップS18:YES)、主制御CPU600aは、設定切替処理を行う(ステップS19)。
【0144】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
ここで、この設定切替処理について、
図13を参照して具体的に説明する。
【0145】
まず、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定変更中であることを示す設定切替開始コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS50)。
【0146】
次いで、主制御CPU600aは、バックアップフラグをクリアする(ステップS51)。なお、このバックアップフラグとは、
図14に示す電源異常チェック処理にて、停電等による電圧低下を検出した場合に、バックアップの処理が実行されたか否かを示すデータである。また、このバックアップフラグをクリアするのは、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図12に示すステップS21にて検出するためである。
【0147】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスに02Hをセットし(ステップS52)、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値を取得し、Wレジスタにセットする(ステップS53)。具体的に説明すると、設定値が、例えば「1」~「6」である場合、プログラム上では、設定値「1」~「6」を「00H」~「05H」の値に対応させて、Wレジスタにセットすることとなる。
【0148】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値と、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)を比較する(ステップS54)。そして、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」」に対応した「05H」)よりも大きければ(ステップS55:YES)、異常値であると判断し、Wレジスタに00Hをセットする(ステップS56)。
【0149】
一方、Wレジスタにセットした値が遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)よりも小さければ(ステップS55:NO)、正常値であると判断し、ステップS57の処理に進む。
【0150】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、そのセキュリティ信号を、ホールコンピュータに出力する(ステップS57)。
【0151】
次いで、主制御CPU600aは、LEDコモンポートに00Hをセットする(ステップS58)。
【0152】
次いで、主制御CPU600aは、Wレジスタにセットされている値をLEDデータポートに出力する(ステップS59)。
【0153】
次いで、主制御CPU600aは、設定値を表示するLEDコモンポートをONにセットする(ステップS60)。
【0154】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS61)。なお、この処理は、RAMクリアスイッチ620(
図3参照)、設定キースイッチ630(
図3参照)のレベルデータの変化を確認する際、前回のスイッチレベルの取得から少なくとも4msの時間をおくことで、ノイズ等のイレギュラーによるレベルデータの変化ではないことを確認するための処理である。またさらに、この後の電源異常チェック処理における電圧異常信号の変化を確認して、電源異常確認カウンタをカウントする際にも、4msの時間をおくことで、電圧異常信号の「L」レベルがノイズ等のイレギュラーによるレベルデータでないことを確認するための処理でもある。
【0155】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS62)。この電源異常チェック処理について、
図14を参照して具体的に説明する。
【0156】
<主制御:メイン処理:電源異常チェック処理に関する説明>
図14に示すように、主制御CPU600aは、電源基板130(電圧監視部1310)(
図3参照)より出力されている電圧異常信号ALARM(
図3参照)を2回取得し(ステップS80)、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認する(ステップS81)。一致していれば(ステップS81:YES)、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルを確認し(ステップS82)、一致していなければ(ステップS81:NO)、ステップS80の処理に戻る。
【0157】
次いで、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS82:OFF)、電源異常確認カウンタをクリアし(ステップS83)、電源異常チェック処理を終える。
【0158】
一方、主制御CPU600aは、電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS82:ON)、電源異常確認カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS84)、電源異常確認カウンタの値を確認する(ステップS85)。電源異常確認カウンタの値が2以上でなければ(ステップS85:NO)、電源異常チェック処理を終える。
【0159】
一方、主制御CPU600aは、電源異常確認カウンタの値が2以上であれば(ステップS85:YES)、サブ制御基板80に電源が遮断されたことを示す電断コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS86)。
【0160】
次いで、主制御CPU600aは、システム動作ステータスの値を確認する(ステップS87)。システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理中であると判断し(ステップS87:YES)、バックアップフラグをONにセットせず、ステップS89の処理に進む。このようにすれば、設定切替処理中に、何らかの要因で電断し、主制御RAM600cが正常にバックアップされなかった場合を、後述する
図12に示すステップS21にて検出することができる。
【0161】
一方、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更処理中でないと判断し(ステップS87:NO)、バックアップフラグをONにセットする(ステップS88)。
【0162】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cへのデータ書込みを禁止状態に設定する(ステップS89)と共に、全ての出力ポートの出力データをクリアし(ステップS90)。そして、タイマ割込みを禁止し(ステップS91)、無限ループ処理を繰り返し電圧が降下するのを待つ処理を行う。
【0163】
<主制御:メイン処理:設定切替処理に関する説明>
かくして、上記のような処理を経て、電源異常チェック処理(ステップS62)を終えると、主制御CPU600aは、前回と今回のRAMクリアスイッチ620のレベルデータ、並びに、設定キースイッチ630のレベルデータから、RAMクリアスイッチ620信号のスイッチエッジデータ、並びに、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS63)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0164】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS64:NO)、ステップS65の処理に進み、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS64:YES)、ステップS67の処理に進む。
【0165】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620がONであれば(ステップS65:NO)、Wレジスタの値をインクリメント(+1)し(ステップS66)、ステップS54の処理に戻る。
【0166】
一方、RAMクリアスイッチ620がOFFであれば(ステップS65:NO)、ステップS57の処理に戻る。
【0167】
かくして、設定キースイッチ630がOFFされるまで、上記処理を繰り返し行い、設定キースイッチ630がOFFされると、主制御CPU600aは、Wレジスタの値を、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」)の設定値)に上書きして格納する(ステップS67)。
【0168】
次いで、主制御CPU600aは、設定確定表示をLEDデータポートに出力する(ステップS68)。
【0169】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定切替終了コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS69)。
【0170】
<主制御:メイン処理の説明>
かくして、上記のような処理を経て、
図11に示す設定切替処理(ステップS19)を終えると、主制御CPU600aは、
図12に示すステップS26の処理に進むこととなる。
【0171】
他方、主制御CPU600aは、RAMクリアスイッチ620の信号、並びに、設定キースイッチ630の信号が、全てONになっているか否かを確認し(ステップS18)、全てONになっていなければ(ステップS18:NO)、主制御CPU600aは、
図12に示すステップS20の処理を行う。
【0172】
すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得し、設定最大値(例えば「6」に対応した「05H」)以下か否かを確認する(ステップS20)。設定最大値以下であれば(ステップS20:YES)、バックアップフラグがONにセットされているか否かを確認する(ステップS21)。
【0173】
<主制御:メイン処理:RAMエラー処理に関する説明>
設定最大値以下でないか(ステップS20:NO)、又は、バックアップフラグがONにセットされていなければ(ステップS21:NO)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80にRAMエラーであることを示すRAMエラーコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS22)。
【0174】
次いで、主制御CPU600aは、エラー表示をLEDデータポートに出力する(ステップS23)。
【0175】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行い(ステップS24)、ステップS23の処理に戻り、処理を繰り返すこととなる。なお、この電源異常チェック処理は、
図14に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0176】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、バックアップフラグがONにセットされていれば(ステップS21:YES)、RAMクリアスイッチ620の信号を確認する(ステップS25)。
【0177】
<主制御:メイン処理:RAMクリア処理に関する説明>
RAMクリアスイッチ620の信号がON(ステップS25:YES)、又は、
図11に示す設定切替処理(ステップS19)を行った場合、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの計測用RAM領域、計測用スタック領域はクリアせず、主制御RAM600cの通常用RAM領域、通常用スタック領域をクリアする(ステップS26)。
【0178】
次いで、主制御CPU600aは、RAMクリア報知タイマを30秒(30s)に設定し(ステップS27)、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS28)。
【0179】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cの一部に、初期値設定を行い(ステップS29)、ステップS41の処理に進む。
【0180】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、RAMクリアスイッチ620の信号がOFF(ステップS25:NO)であれば、主制御CPU600aは、
図1に示すガラス扉枠5が開放されているか否かの扉開放信号、及び、設定キースイッチ630の信号を取得し(ステップS30)、全てONになっているか否かを確認する(ステップS31)。全てONになっていなければ(ステップS31:NO)、ステップS40の処理に進む。
【0181】
<主制御:メイン処理:設定確認処理に関する説明>
一方、全てONになっていれば(ステップS31:YES)、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に設定値を反映した設定値コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS32)。
【0182】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号を出力するタイマを30秒(30s)に設定する(ステップS33)。
【0183】
次いで、主制御CPU600aは、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに出力されるセキュリティ信号をONに設定し、ホールコンピュータに、上記タイマにて設定された30秒(30s)間、セキュリティ信号を出力する(ステップS34)。
【0184】
次いで、主制御CPU600aは、設定値をLEDデータポートに出力する(ステップS35)。
【0185】
次いで、主制御CPU600aは、4msのウェイトがかかるように、主制御CPU600a内のレジスタに所定値をセットして、カウントダウンする処理を行う(ステップS36)。
【0186】
次いで、主制御CPU600aは、電源異常チェック処理を行う(ステップS37)。なお、この電源異常チェック処理は、
図14に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0187】
次いで、主制御CPU600aは、前回と今回の設定キースイッチ630のレベルデータから、設定キースイッチ630信号のスイッチエッジデータを作成する(ステップS38)。なお、主制御CPU600aは、作成したエッジデータを主制御RAM600cに格納する。
【0188】
次いで、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているエッジデータを確認し(ステップS39)、設定キースイッチ630がONであれば(ステップS39:NO)、ステップS34の処理に戻る。
【0189】
<主制御:メイン処理の説明>
一方、設定キースイッチ630がOFFであれば(ステップS39:YES)、主制御RAM600cの一部に、バックアップフラグやエラー検出タイマ等の初期値設定を行う(ステップS40)。
【0190】
次いで、主制御CPU600aは、サブ制御基板80に、RAMクリアによる電断復帰か、又は、バックアップによる電断復帰かを示すコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)を送信する(ステップS41)。
【0191】
次いで、主制御CPU600aは、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う(ステップS42)。
【0192】
次いで、主制御CPU600aは、内部機能レジスタの設定を行う(ステップS43)。具体的には、発射制御信号をONに設定し、払出制御基板70に送信する。これにより、払出制御基板70は、発射制御基板71の動作を開始させるように制御する。また、主制御CPU600aの内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTCの設定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCTCの時間定数レジスタを設定する。
【0193】
かくして、上記の処理までが、主制御メイン処理における初期処理となる。
【0194】
次いで、主制御CPU600aは、自身への割込みを禁止状態にセットした状態(ステップS44)で、賞球数,非入賞数を含む遊技領域40に発射された遊技球の総数等の性能を算出する賞球入賞数管理処理1の処理を行う(ステップS45)。そして、主制御CPU600aは、各種の乱数カウンタの更新処理を行った後(ステップS46)、割込み許可状態に戻して(ステップS47)、ステップS44に戻り、ステップS44~ステップS47の処理を繰り返し行うループ処理を行う。なお、このループ処理と、後述する割込み処理が定常処理となる。
【0195】
<主制御:タイマ割込み処理の説明>
次に、
図15を参照して、上述したメイン処理を中断させて、4ms毎に開始されるタイマ割込みプログラムについて説明する。
【0196】
このタイマ割込みが生じると、主制御CPU600a内のレジスタ群の内容を主制御RAM600cのスタック領域に退避させる退避処理を実行し(ステップS100)、その後、電圧異常チェック処理を実行する(ステップS101)。この電圧異常チェック処理は、
図14に示す電源異常チェック処理と同一の処理である。
【0197】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)と、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)と、普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)と、右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照),左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照),左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照),左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)と、アウト口スイッチ50a(
図3参照)と、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)を含む各種スイッチ類のON/OFF信号が入力され、主制御RAM600c内の作業領域にON/OFF信号レベルや、その立ち上がり状態が記憶される(ステップS102)。
【0198】
次いで、主制御CPU600aは、各遊技動作の時間を管理している各種タイマ(普通図柄変動タイマ、普通図柄役物タイマ等)のタイマ減算処理を行う(ステップS103)。
【0199】
次いで、主制御CPU600aは、乱数管理処理を行う(ステップS104)。具体的には、当否抽選に使用する普通図柄、特別図柄等の乱数を更新する処理を行うものである。
【0200】
次いで、主制御CPU600aは、エラー管理処理を行う(ステップS105)。なお、エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、あるいは、遊技球が詰まったり、特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)、特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)、普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)、右上一般入賞口スイッチ49a1(
図3参照)、左上一般入賞口スイッチ49b1(
図3参照)、左中一般入賞口スイッチ49c1(
図3参照)、左下一般入賞口スイッチ49d1(
図3参照)、アウト口スイッチ50a(
図3参照)、大入賞口スイッチ46c(
図3参照)の断線など、機器内部に異常が生じていないかの判定を行うものである。なお、何らかのエラーが発生した際、サブ制御基板80へ、そのエラーに応じたコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)が送信されることとなる。
【0201】
次いで、主制御CPU600aは、賞球管理処理を実行する(ステップS106)。この賞球管理処理は、払出・発射制御基板70(
図3参照)に払出し動作を行わせるための払出制御コマンドPAY_CMDを出力している。
【0202】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄処理を実行する(ステップS107)。この普通図柄処理は、普通図柄の当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示状態を決定したりするものである。なお、この処理の詳細は後述することとする。
【0203】
次いで、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS108)。この普通電動役物管理処理は、普通図柄処理(ステップS107)の抽選結果に基づき、普通電動役物開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)の制御に関する信号が生成されるものである。なお、後述する特別図柄処理(ステップS109)にて、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグがONとなった際、次のタイマ割込み処理にて、普通電動役物開放遊技が発生することとなる。
【0204】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄処理を実行する(ステップS109)。この特別図柄処理では、特別図柄の当否抽選を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様を決定するものである。また、遊技状態が時短遊技状態か否かを示す入賞容易フラグ、普通図柄確変フラグの処理も行われる。なお、入賞容易フラグがONになった状態の特別図柄の当否抽選は、次のタイマ割込み処理にて行われる。また、この処理の詳細は後述することとする。
【0205】
次いで、主制御CPU600aは、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS110)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行うものである。この際、特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号も生成される。なお、大当たり抽選結果が「大当たり」、「小当たり」であった場合、それに関するコマンド(演出制御コマンドDI_CMD)がサブ制御基板80に送信される。
【0206】
次いで、主制御CPU600aは、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS111)。この右打ち報知情報管理処理では、開閉部材(図示せず)が所定回数、所定時間開放する場合や、開閉扉46aが開放され大入賞口(図示せず)が開放される場合など、右打ちが有利な状況において右打ち指示報知を行う「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。
【0207】
次いで、主制御CPU600aは、LED管理処理を実行する(ステップS112)。このLED管理処理では、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。すなわち、同じタイマ割込み内である上述した特別図柄処理にて、入賞容易フラグがONされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号出力として、
図2に示す7セグメント表示装置53aへ出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが点灯することとなる。一方、入賞容易フラグがOFFされれば、主制御CPU600aの出力ポートから、入賞容易遊技状態LED信号が出力される。これにより、
図2に示す7セグメント表示装置53aのLEDが消灯することとなる。
【0208】
次いで、主制御CPU600aは、外部端子管理処理を実行する(ステップS113)。この外部端子管理処理では、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータに、当り遊技中、当りの発生回数、特別図柄の変動回数、入賞口への入賞球検出情報、時短遊技状態中情報、セキュリティ情報など、所定の遊技情報が出力されるものである。
【0209】
次いで、主制御CPU600aは、ソレノイド管理処理を行う(ステップS114)。この際、主制御CPU600aは、普通電動役物管理処理(ステップS108)にて生成された普通電動役物ソレノイド45b2(
図3参照)の制御に関する信号を確認すると共に、特別電動役物管理処理(ステップS110)にて生成された特別電動役物ソレノイド46b(
図3参照)の制御に関する信号を確認する。そしてこの信号に基づき、普通電動役物ソレノイド45b2又は特別電動役物ソレノイド46bの作動/停止が制御され、電チュー(普通電動役物)の開閉部材(図示せず)が開放状態、及び、案内部材(図示せず)が案内状態となる時間が延長状態/非延長状態、あるいは、大入賞口(図示せず)が開放又は閉止するように開閉扉46a(
図2参照)が動作することとなる。
【0210】
次いで、主制御CPU600aは、使用領域外処理を行う(ステップS115)。この処理では、
図12に示すステップS45の賞球入賞数管理処理1にて算出した性能表示の値を計測・設定表示装置610(
図3参照)に表示させる処理を行う。
【0211】
次いで、主制御CPU600aは、WDT(図示せず)をクリアし(ステップS116)、割込み許可状態に戻し(ステップS117)、主制御RAM600cのスタック領域に退避させておいたレジスタの内容を復帰させタイマ割込みを終える(ステップS118)。これにより、割込み処理ルーチンからメイン処理(
図15参照)に戻ることとなる。
【0212】
<主制御:普通図柄処理の説明>
次に、
図16を参照して、上記普通図柄処理について詳細に説明する。
【0213】
図16に示すように、普通図柄処理は、先ず、ゲートからなる普通図柄始動口48(
図2参照)において、遊技球の通過を検出したか否かを確認、すなわち、普通図柄始動口48の普通図柄始動口スイッチ48a(
図3参照)の信号レベルを確認する(ステップS150)。そして遊技球の通過を検出した場合(ステップS150:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が例えば4以上か否かを判断するため、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認する(ステップS151)。その際、普通図柄の始動保留球数が4未満であれば(ステップS151:≠MAX)、普通図柄の始動保留球数を1加算する(ステップS152)。その後、主制御CPU600aは、普通図柄の当否抽選に用いられる普通図柄当り判定用乱数値を普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納した上で(ステップS153)、ステップS154の処理に進む。
【0214】
一方、ステップS150にて、遊技球の通過を検出しなかった場合(ステップS150:NO)、ステップS151にて、普通図柄の始動保留球数が4以上であると判断した場合(ステップS151:=MAX)には、ステップS152~S153の処理は行わず、ステップS154の処理に進む。
【0215】
主制御CPU600aは、ステップS154の処理に進むと、普通図柄当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS154)。普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS154:ON)、普通図柄が当たり中であると判断し、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0216】
一方、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS154:OFF)、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS155)。そして、普通図柄動作ステータスフラグが00Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄の変動開始前の状態であると判断し、ステップS156に進み、普通図柄の始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS156)。
【0217】
主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数が格納されている主制御RAM600cを確認した上で、0であると判断した場合(ステップS156:=0)は、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS163)、普通図柄処理を終える。一方、0でないと判断した場合(ステップS156:≠0)は、普通図柄の始動保留球数を1減算する(ステップS157)。
【0218】
その後、主制御CPU600aは、
図23(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBLを用いて主制御RAM600cに格納されている普通図柄の始動保留球数に対応した乱数値の当たり判定を行う。すなわち、主制御CPU600aは、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがOFFであれば、当該乱数値が、
図23(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBL(通常状態)の下限値(図示では、249)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにする。
【0219】
一方、遊技状態を示す普通図柄確変フラグがONであれば、当該乱数値が、
図23(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBL(確変状態)の下限値(図示では、4)以上で上限値(図示では、250)以下か否かを判定し、下限値以上で上限値以下であれば、普通図柄当たり判定フラグに5AHをセットし、ONにする。それ以外の場合は、普通図柄当たり判定フラグをOFFにセットする処理を行う(ステップS158)。
【0220】
かくして、主制御CPU600aは、上記乱数抽選処理にて決定した抽選結果に基づいて、停止図柄(普通図柄停止図柄)を決定する(ステップS159)。
【0221】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の変動時間を短くする普通図柄時短フラグがONに設定されているかを確認し、ONに設定されていれば、普通図柄変動タイマにそれに応じた変動時間を設定し、OFFに設定されていれば、普通図柄変動タイマに通常の変動時間を設定する処理を行う(ステップS160)。
【0222】
次いで、主制御CPU600aは、普通図柄の始動保留球数に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されている主制御RAM600cの記憶領域をシフトする(ステップS161)。すなわち、普通図柄の始動保留球数を最大で4個保留できるとすると、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトし、普通図柄の始動保留球数2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄の始動保留球数1に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cにシフトするという処理を行う。
【0223】
この処理の後、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し、普通図柄の始動保留球数4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600cに00Hを設定する処理を行う(ステップS162)。
【0224】
そして、主制御CPU600aは、上記ステップS162の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0225】
他方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が01Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が変動中であると判断し、ステップS164に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS164)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS164:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS164:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し、普通図柄の当否抽選結果を一定時間維持させるために、普通図柄変動タイマに例えば約600msの時間が設定される(ステップS165)。
【0226】
主制御CPU600aは、上記ステップS165の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。
【0227】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が02Hであれば、主制御CPU600aは、普通図柄が確認時間中(普通図柄の変動が終了して停止中)であると判断し、ステップS166に進み、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS166)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS166:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS166:=0)、主制御CPU600aは、上記ステップS155にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに00Hを設定し(ステップS167)、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されているかを確認する(ステップS168)。
【0228】
これにより、普通図柄当たり判定フラグがOFFに設定(5AHが設定されていない)されていれば(ステップS168:OFF)、主制御CPU600aは、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS163)、普通図柄処理を終える。そして、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されていれば(ステップS168:ON)、主制御CPU600aは、ステップS154にて用いられる普通図柄当たり作動フラグをON(5AHを設定)に設定した(ステップS169)後、普通図柄処理を終える。
【0229】
<主制御:特別図柄処理の説明>
次に、
図17~
図22を参照して、上記特別図柄処理について詳細に説明する。
【0230】
図17に示すように、特別図柄処理は、先ず、特別図柄1始動口44(
図2参照)の特別図柄1始動口スイッチ44a(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出した否かを確認し(ステップS200)、さらに、特別図柄2始動口45a(
図2参照)の特別図柄2始動口スイッチ45a1(
図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検出したか否かを確認する(ステップS201)。
【0231】
<主制御:特別図柄処理:始動口チェック処理の説明>
この処理について、
図18を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄1始動口44又は特別図柄2始動口45aに遊技球が入球(入賞)したか否かを確認、すなわち、特別図柄1始動口44の特別図柄1始動口スイッチ44a又は特別図柄2始動口45aの特別図柄2始動口スイッチ45a1のレベルを確認する(ステップS250)。これにより、遊技球の入球(入賞)を検出しなければ(ステップS250:NO)、特別図柄処理を終える。
【0232】
一方、遊技球の入球(入賞)を検出すれば(ステップS250:YES)、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が所定数、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認する(ステップS251)。その始動保留球数が、4未満であれば(ステップS251:≠MAX)、当該始動保留球数を1加算(+1)する(ステップS252)。
【0233】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値を特別図柄の変動契機となる始動保留球数が格納されている主制御RAM600cに格納する(ステップ253)。
【0234】
次いで、主制御CPU600aは、現在の遊技状態(特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか否か等)を確認し、先読み禁止状態か否かを判定する(ステップS254)。そして、先読み禁止状態でなければ(ステップS254:NO)、主制御CPU600aは、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄の当否抽選に用いられる大当たり判定用乱数値を取得し(ステップS255)、さらに、図示しない始動口入賞時乱数判定テーブルを取得する(ステップS256)。
【0235】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS255にて取得した大当たり判定用乱数値及びステップS256にて取得した始動口入賞時乱数判定テーブル(図示せず)を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じて、特別図柄の図柄抽選を行う。さらに、上記ステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄用乱数値を用いて、大当たりの種類(ランクアップボーナス当り,通常の大当り等)を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成する(ステップS257)。なお、この際、大当たり抽選だけでなく、小当たり抽選も行い、上記説明した特別図柄用乱数値を用いるか、又は、特別図柄用乱数値とは別の乱数値を用いて、小当たりの種類を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成してもよい。
【0236】
次いで、主制御CPU600aは、上記生成された特別図柄始動口入賞コマンドに応じた下位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS258)。
【0237】
一方、主制御CPU600aは、上記ステップS258の処理を終えるか、又は、上記ステップS251にて特別図柄1又は2の第1始動保留球数又は第2始動保留球数が4以上であるか(ステップS251:=MAX)、あるいは、先読み禁止状態であれば(ステップS254:YES)、増加した始動保留球数に応じた上位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS259)。
【0238】
次いで、主制御CPU600aは、上記ステップS258にて生成した下位バイトの始動保留加算コマンドと、上記ステップS259にて生成した上位バイトの始動保留加算コマンドとを結合した上で、始動保留加算コマンド(演出制御コマンドDI_CMD)として、サブ制御基板80に送信する処理を行う(ステップS260)。
【0239】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図17に示すステップS200及びステップS201の処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS202)。特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS202:ON)、特別図柄が小当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0240】
一方、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS202:OFF)、特別図柄大当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS203)。特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS203:ON)、特別図柄が大当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0241】
一方、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS203:OFF)、特別図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、特別図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS204)。より詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグの値が00H又は01Hであれば、特別図柄変動待機中(特別図柄の変動が行われておらず次回の変動のための待機状態であることを示す)であると判定し、特別図柄変動開始処理を行う(ステップS205)。
【0242】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
この処理について、
図19を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、特別図柄の変動契機となる始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS300)。すなわち、主制御CPU600aは、主制御RAM600cに格納されているか否かを確認し、始動保留球数が0であると判断した場合(ステップS300:=0)、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hか否かを確認する(ステップS301)。特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hであれば(ステップS301:YES)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0243】
一方、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hでなければ(ステップS301:NO)、主制御CPU600aは、客待ちデモコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(
図3参照)に送信する(ステップS302)。
【0244】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに00Hをセットし(ステップS303)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0245】
他方、主制御CPU600aは、始動保留球数が0でないと判断した場合(ステップS300:≠0)、始動保留球数を1減算(-1)し(ステップS304)、始動保留減算コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS305)。
【0246】
次いで、主制御CPU600aは、後述する特別図柄時短回数カウンタの値を確認し、時短回数コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS306)。これを受けて、サブ制御CPU800aは、所定の時短回数以下となるまで、現在の時短回数を、液晶表示装置41に表示しないか、100回などの固定回数を液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されないか、又は、100回などの固定回数が表示されることとなる。そして、所定の時短回数となった際、サブ制御CPU800aは、受信した時短回数情報を、液晶表示装置41に表示するような画像(映像)に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像(映像)データを生成し、その生成した画像(映像)データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41には、現在の時短回数が表示されることとなる。
【0247】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄停止の際用いられる乱数値及び変動パターン用乱数値並びに大当たり判定用乱数値(
図18のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600c内の記憶領域をシフトし(ステップS307)、始動保留4に対応した特別図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM600c内の領域に0を設定する(ステップS308)。
【0248】
次いで、主制御CPU600aは、当たり判定処理を行う(ステップS309)。
【0249】
<主制御:特別図柄処理:当たり判定処理の説明>
この処理について、
図20を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、大当たり判定用乱数値(
図18のステップS253参照)が格納されている主制御RAM600cから、大当たり判定用乱数値を取得する(ステップS370)。
【0250】
次いで、主制御CPU600aは、変動する特図に応じた当たり判定テーブルのアドレス番地を取得する。すなわち、
図23(b)に示す特別図柄大当たり判定テーブルSDH_TBL、
図23(c)に示す特別図柄小当たり判定テーブルSDP_TBLのアドレス番地を取得する(ステップS371)。
【0251】
次いで、主制御CPU600aは、取得したアドレス番地を、判定値が格納されたアドレス番地に変更する(ステップS372)。
【0252】
次いで、主制御CPU600aは、設定値毎に判定値が異なるかの情報を取得し(ステップS373)、取得した情報の値を確認する(ステップS374)。取得した値が「0」であれば(ステップS374:=0)、ステップS377の処理に進み、取得した値が「0」でなければ(ステップS374:≠0)、主制御CPU600aは、主制御RAM600c(
図3参照)内に記憶されている遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる確率の設定値(例えば「1」~「6」に対応した「00H」~「05H」の設定値)を取得する(ステップS375)。
【0253】
次いで、主制御CPU600aは、取得した設定値に応じた判定値が格納されているアドレス番地に変更する(ステップS376)。
【0254】
次いで、主制御CPU600aは、現在のアドレス番地から、判定値を取得する(ステップS377)。
【0255】
次いで、主制御CPU600aは、アドレス番地を次の判定値が格納された先頭アドレス番地に変更し(ステップS378)、取得した大当たり判定用乱数値と、取得した判定値を比較する(ステップS379)。
【0256】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなければ(ステップS380:NO)、ステップS373の処理に戻り、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなるまで(ステップS380:YES)ステップS373~ステップS380の処理を繰り返す。
【0257】
次いで、主制御CPU600aは、取得した大当たり判定用乱数値が取得した判定値より小さくなれば(ステップS380:YES)、遊技状態に応じた特別図柄大当たり判定フラグ、特別図柄小当たり判定フラグを取得し(ステップS381)、当たり判定処理を終える。
【0258】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動開始処理の説明>
かくして、上記のような当たり判定処理(ステップS309)を終えた後、主制御CPU600aは、
図18のステップS253にて主制御RAM600cに格納した特別図柄停止の際用いられる乱数値を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を生成する(ステップS310)。
【0259】
次いで、主制御CPU600aは、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態等の遊技状態に移行する準備を行う(ステップS311)。なお、ここでは、大当りとなった場合に大当り後にセットされる普通図柄時短フラグと普通図柄確変フラグと特別図柄時短フラグと特別図柄確変フラグと入賞容易フラグとのうち、移行後の遊技状態に応じたフラグをONにするためのフラグデータを予め準備する。また、特別図柄時短回数カウンタに設定する時短回数と、特別図柄確変回数カウンタに設定する確変回数も準備することとなる。なお、入賞容易フラグは、遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグである。
【0260】
次いで、主制御CPU600aは、
図18のステップS253にて主制御RAM600cに格納した変動パターン用乱数値を用いて、抽選を行い、その抽選結果に応じた特別図柄の変動パターンの生成を行い、その生成された特別図柄の変動パターンの変動パターンコマンドを演出制御コマンドDI_CMDとして、サブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS312)。なお、このステップS312にて、主制御CPU600aは、特別図柄変動タイマに変動時間を設定することとなる。
【0261】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄変動中フラグに5AHを設定し、ON状態にする(ステップS313)。
【0262】
次いで、主制御CPU600aは、液晶表示装置41に表示される特別図柄の指定を行う図柄指定コマンドを生成し(ステップS314)、その生成した図柄指定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する処理を行う(ステップS315)。
【0263】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し(ステップS316)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0264】
<主制御:特別図柄処理の説明>
他方、
図17に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が02Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄変動中(特別図柄が現在変動中であることを示す)であると判定し、特別図柄変動中処理を行う(ステップS206)。
【0265】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄変動中処理の説明>
この処理について、
図21を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図19のステップS312にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS400)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS400:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0266】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS400:YES)、主制御CPU600aは、図柄確定コマンドを演出制御コマンドDI_CMDとしてサブ制御基板80(サブ制御CPU800a)に送信する(ステップS401)。
【0267】
次いで、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに03Hを設定し、特別図柄変動中フラグに00Hを設定する。そしてさらに、主制御CPU600aは、特別図柄の当否抽選結果を一定時間維持するために、特別図柄変動タイマに例えば約500msの時間を設定する(ステップS402)。その後、主制御CPU600aは、特別図柄変動中処理を終了する。
【0268】
<主制御:特別図柄処理の説明>
一方、
図17に示すように、特別図柄動作ステータスフラグの値が03Hの場合、主制御CPU600aは、特別図柄確認中(特別図柄の変動が終了して停止中であることを示す)であると判定し、特別図柄確認時間中処理を行う(ステップS207)。
【0269】
<主制御:特別図柄処理:特別図柄確認時間中処理の説明>
この処理について、
図22を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600aは、まず、
図19のステップS312にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS450)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS450≠0)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0270】
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS450=0)、主制御CPU600aは、特別図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し(ステップS451)、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS452)。特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS452:YES)、特別図柄大当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄大当たり作動フラグに5AHを設定し、そして普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定する。そしてさらに、後述する特別図柄時短回数カウンタに0000H、及び、特別図柄確変回数カウンタに00Hを設定する処理を行い(ステップS453)、主制御CPU600aは、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0271】
他方、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS452:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS454)。特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS454:YES)、特別図柄小当たり判定フラグに00Hを設定し、特別図柄小当たり作動フラグに5AHを設定する(ステップS455)。なお、この際、普通図柄時短フラグと特別図柄時短フラグと入賞容易フラグをON(5AHを設定)にし、特別図柄時短回数カウンタに時短回数をセットするようにする。
【0272】
主制御CPU600aは、上記ステップS455の処理を終えた後、又は、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS454:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS456)。
【0273】
特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS456:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS457)、主制御CPU600aは、再度、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS458)。そして、特別図柄時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS458:YES)、普通図柄時短フラグに00Hを設定すると共に、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、入賞容易フラグに00Hを設定し、そしてさらに、普通図柄時短フラグに00Hを設定する(ステップS459)。
【0274】
上記ステップS459の処理を終えた後、又は、特別図柄時短回数カウンタの値が0(ステップS456:YES)、あるいは、特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS458:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS460)。特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS460:YES)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0275】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS460:NO)、主制御CPU600aは、特別図柄確変回数カウンタの値を1減算(-1)し(ステップS461)、再度、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS462)。特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS462:NO)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0276】
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS462:YES)、主制御CPU600aは、普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、入賞容易フラグに00Hを設定し、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定する処理を行い(ステップS463)、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0277】
<主制御:特別図柄処理の説明>
かくして、
図17に示す上記ステップS205、ステップS206、ステップS207のいずれかの処理を終えると、主制御CPU600aは、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS208)、特別図柄処理を終える。
【0278】
<サブ制御基板の処理内容の説明>
次に、上記
図4~
図10を参照して説明した演出内容の処理方法について、
図24~
図28に示すサブ制御基板80の処理内容(プログラムの概要)を参照して具体的に説明する。
【0279】
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(
図3参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。そしてその信号を受けて、サブ制御CPU800aは、
図24に示すメイン処理を行う。
【0280】
<サブ制御:メイン処理の説明>
図24に示すように、まず、サブ制御CPU800aが、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS1000)。
【0281】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを格納するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化する(ステップS1001)。そして、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS1002)。
【0282】
次いで、サブ制御CPU800aは、作業領域、スタック領域として使用するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化し(ステップS1003)、音LSI801(
図3参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI801は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS1004)。
【0283】
次いで、サブ制御CPU800aは、上・左・右・左上可動役物43a~43d(
図2参照)を動作させるモータ(図示せず)に異常が発生しているか否か、そのモータ(図示せず)を動作させるモータデータが格納されるサブ制御RAM800c内のメモリ領域を確認する。異常データが格納されている場合は、サブ制御CPU800aは、当該モータを原点位置(退避位置)に戻す指令を行う。これにより、上・左・右・左上可動役物43a~43dは初期位置に戻ることとなる(ステップS1005)。
【0284】
次いで、サブ制御CPU800aは、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、サブ制御CPU800aは、1ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS1006)。
【0285】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い(ステップS1007)、そのチェックサム演算値と、後述するメモリバックアップ(ステップS1015参照)にて算出しサブ制御RAM800c内に格納されているチェックサム演算値とを比較し、一致しているか否かの確認を行う(ステップS1008)。一致していなければ(ステップS1008:NO)、サブ制御RAM800c内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS1009)。
【0286】
一方、一致(ステップS1008:YES)、あるいは、上記ステップS1009の処理を終えた後、サブ制御CPU800aは、図示しないウオッチドックタイマ機能を解除し(ステップS1010)、サブ制御CPU800aやVDP803等のハードウェアのリフレッシュを実行する(ステップS1011)。
【0287】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記サブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する(ステップS1012)。
【0288】
次いで、サブ制御CPU800aは、後述するタイマ割込み処理にて取得した設定ボタン15又は演出ボタン装置13の入力内容を解析する処理を行う(ステップS1013)。具体的には、設定ボタン15又は演出ボタン装置13が、遊技者によって、押圧された瞬間か、放された瞬間か、あるいは、押圧されたままの状態か等の解析を行う。
【0289】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに基づいて、上・左・右・左上可動役物43a~43d(
図2参照)の動作制御や、装飾ランプ基板90(
図3参照)に搭載されている発光手段であるLEDランプ等の装飾ランプの点灯又は消灯の制御や、スピーカ17の制御や、液晶表示装置41に表示される画像の制御を実行する(ステップS1014)。
【0290】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い、そのチェックサム演算値を、サブ制御RAM800c内に格納するメモリバックアップ処理を行う(ステップS1015)。
【0291】
次いで、サブ制御CPU800aは、VDP803からサブ制御CPU800aに対してVSYNC割込み信号が送信されてきたか否かの確認を行う(ステップS1016)。VSYNC割込み信号が送信されて来なければ(ステップS1016:NO)、サブ制御CPU800aは、VSYNC割込み信号が送信されてくるまで、ステップS1016の処理を繰り返し実行し、VSYNC割込み信号が送信されてくると(ステップS1016:YES)、再度ステップS1007の処理に戻り、ステップS1007~S1016の処理を繰り返すこととなる。
【0292】
<サブ制御:データ解析処理>
続いて、
図25を参照して、メイン処理のステップS1014のデータ解析処理にて詳述する。まず、サブ制御CPU800aは、
図24に示すステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに対応する演出シナリオデータに基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する(ステップS1050)。
【0293】
これを受けて、VDP803は、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図6(a)に示す背景画像PH10を描画し、そして、その描画した背景画像PH10の一部PH10aに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している共通の演出画像データCH1を重ねて描画する際に、描画モードを「乗算」に設定して合成する。これにより、
図6(b)に示すように、背景画像PH10に対して、
図6(a)に示す共通の演出画像データCH1の白色の背景画像CH1bが透過又は非表示となるから、黒色の炎の画像CH1aだけが背景画像PH10に重なったように表示される。
【0294】
次いで、VDP803(
図3参照)は、
図6(c-1)に示す背景画像PH10に黒色の炎の画像CH1aが重なった背景画像PH10の一部PH10bに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に、予め格納している第1演出画像データKH10を重ねて描画する際に、描画モードを「加算」に設定して合成する。これにより、背景画像PH10に対して、
図6(c-1)に示す第1演出画像データKH10の黒色の背景画像KH10bが透過又は非表示となるから、
図6(d)に示すように、青色の炎の画像KH10aだけが背景画像PH10に重なったように液晶表示装置41に表示される。
【0295】
したがって、上記のような処理を行うようにすれば、αチャンネルが無くとも、効率的に画像処理が行えるようになる。そのため、画像データのデータ量を増加させてしまうという問題も解決することができる。
【0296】
一方、VDP803(
図3参照)は、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図7(a)に示す背景画像PH20を描画し、そして、その描画した背景画像PH20の一部PH20aに対して、装飾図柄画像P20を描画して合成する。
【0297】
次いで、VDP803(
図3参照)は、
図7(b-1)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、遊技ROM805(
図3参照)内に予め格納している
図7(b-1)に示す灰色の背景画像EG1aの中央に「リーチ」という文字画像EG1bが配置された第1演出素材画像データEG1を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-1)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-1)に示す第1演出素材画像データEG1の灰色の背景画像EG1aが透過又は非表示となるから、
図7(c-1)に示すように、「リーチ」という文字画像EG1bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。
【0298】
一方、
図7(b-2)に示す灰色の背景画像EG2aの中央に「チャンス」という文字画像EG2bが配置された第2演出素材画像データEG2では、
図7(b-2)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、その第2演出素材画像データEG2を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-2)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-2)に示す第2演出素材画像データEG2の灰色の背景画像EG2aが透過又は非表示となるから、
図7(c-2)に示すように、「チャンス」という文字画像EG2bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。
【0299】
また一方、
図7(b-3)に示す灰色の背景画像EG3aの中央に「激アツ」という文字画像EG3bが配置された第3演出素材画像データEG3では、
図7(b-3)に示す背景画像PH20の一部PH20bに対して、その第3演出素材画像データEG3を重ねて描画する際に、描画モードを「ハードライト」又は「オーバーレイ」に設定して合成する。これにより、
図7(b-3)に示す背景画像PH20に対して、
図7(b-3)に示す第3演出素材画像データEG3の灰色の背景画像EG3aが透過又は非表示となるから、
図7(c-3)に示すように、「激アツ」という文字画像EG3bだけが背景画像PH20に重なったように液晶表示装置41に表示される。
【0300】
したがって、このようにしても、画像データのデータ量を増加させることなく、効率的に画像処理を行うことができる。
【0301】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに演出ボタン装置13の押下演出が有効である旨のデータ又は設定ボタン15の連打演出が有効である旨のデータが格納されている場合、そのデータをサブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納する。
【0302】
そしてさらに、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されているランプデータのデータ内容に基づき、光に関する制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する処理を行う。この際、サブ制御CPU800aは、
図3に示すサブ制御ROM800b内に格納されている点灯データを、
図8(a)に示すように、ランプ用のレイヤー1~3に配置し、さらに、
図3に示すサブ制御ROM800b内に格納されているそれぞれの点灯データの編集データを、
図8(b)に示すように、ランプ用のレイヤー4~6に配置し、「加算」,「減算」,「乗算」の処理をすることにより、
図8(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプが点灯するような制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する。
【0303】
したがって、上記のような処理を行うようにすれば、従来のように、手間がかかるばかりか、データ量が増大する1つのランプデータを作成する必要が無くなるため、ランプデータのボリュームが増大せず、且つ、ランプデータの作成工数を削減することができる。
【0304】
また、サブ制御CPU800aは、
図3に示すサブ制御ROM800b内に格納されている点灯データを、
図10(a)~(c)に示すランプ用のレイヤー1に配置し、さらに、
図3に示すサブ制御ROM800b内に格納されている白色のフェードアウトデータを、
図10(a)~(c)に示すランプ用のレイヤー2に配置し、乗算処理することにより、
図10(a)~(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプが点灯/消灯するような制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する。
【0305】
したがって、上記のようにすれば、SPリーチA~Cいずれも共通の白色のフェードアウトデータを1つ用意し、その共通の白色のフェードアウトデータを、SPリーチ時のそれぞれの装飾ランプの点灯データに対して乗算処理するだけで、SPリーチA~C毎の装飾ランプの色をフェードアウトすることができる。そのため、本実施形態によれば、従来のように、それぞれのSPリーチの内容に合わせた色で装飾ランプを点灯させ、それぞれの色がフェードアウト(輝度が下がっていく)するランプデータ作成する必要がないため、ランプデータのボリュームが増大せず、且つ、ランプデータの作成工数を削減することができる。
【0306】
なお、フェードイン/フェードアウトの時間は、
図24に示すステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに対応する演出シナリオデータ上で調整されることとなる。
【0307】
他方、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されている可動役物データのデータ内容に基づき、上・左・右・左上可動役物43a~43dの動作内容を決定し、その決定した動作内容に応じた可動役物装置43のモータ(図示せず)のモータデータを生成する。
【0308】
一方、サブ制御CPU800aは、上記演出シナリオデータに格納されている音データのデータ内容に基づき、音に関する制御信号を生成する(ステップS1051)。
【0309】
かくして、サブ制御CPU800aは、
図24に示すステップS1012にて抽選により決定した演出パターンに基づくデータを全て生成し終えるまで(ステップS1052:NO)、上記ステップS1050及びステップS1051の処理を繰り返し行い、上記データを全て生成し終えると(ステップS1052:YES)、ステップS1053の処理に進む。
【0310】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS1051にてサブ制御RAM800c内に格納した内容及び
図24に示すステップS1013にて処理した設定ボタン15又は演出ボタン装置13の入力内容に基づき、ボタン有効時処理を行う(ステップS1053)。
【0311】
<サブ制御:コマンド受信割込み処理>
続いて、
図26を参照して、このようなメイン処理の実行中に、主制御基板60より演出制御コマンドDI_CMD及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
【0312】
図26に示すように、サブ制御CPU800aは、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS1100)。その後、サブ制御CPU800aは、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS1101)、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS1102)。
【0313】
そしてその後、サブ制御CPU800aは、再度、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS1103)、ステップS1101にて読み出した値とステップS1103にて読み出した値が一致しているか否かを確認する。一致していなければ(ステップS1104:NO)、ステップS1107に進み、一致していれば(ステップS1104:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60より受信した演出制御コマンドDI_CMDを格納する(ステップS1105)。なお、この格納された演出制御コマンドDI_CMDが、
図24に示すステップS1012の処理の際、サブ制御CPU800aに読み出されることとなる。
【0314】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS1106)、ステップS1100の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS1107)。これにより、
図24に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0315】
<サブ制御:タイマ割込み処理>
続いて、
図27を参照して、メイン処理のステップS1006(
図24参照)の処理にて設定した、1ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
【0316】
図27に示すように、サブ制御CPU800aは、1ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS1150)。
【0317】
次いで、サブ制御CPU800aは、設定ボタン15のデータや演出ボタン装置13のデータや可動役物装置43のモータデータ等を2度取得し(ステップS1151)、その2度取得したデータが一致しているか否かを確認する(ステップS1152)。データが一致していなければ(ステップS1152:NO)、サブ制御CPU800aは、データが一致するまでステップS1151の処理を繰り返し、一致していれば(ステップS1152:YES)、一致したデータをサブ制御RAM800c内に格納する(ステップS1153)。
【0318】
次いで、サブ制御CPU800aは、設定ボタン15又は演出ボタン装置13からの信号を受信する(ステップS1154)。この受信した信号が、
図24に示すステップS1013のボタン解析処理にて解析されることとなる。
【0319】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図25に示すステップS1051にてサブ制御RAM800c内に記憶した光に関する制御信号を装飾ランプ基板90(
図3参照)に送信する(ステップS1155)。これにより、
図8(c),
図10(a)~(c)に示すように、遊技盤4上の装飾ランプが点灯することとなる。この際、識別ランプ装置51A(
図2参照)を点灯又は消灯させるのに必要な制御信号も送信されることとなる。
【0320】
次いで、サブ制御CPU800aは、ステップS1150の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS1156)。これにより、
図24に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0321】
<サブ制御:コマンドリスト>
ここで、
図25に示すステップS1050にて生成したコマンドリストについて、
図28を用いて詳しく説明する。
【0322】
このコマンドリストは、VDP803(コマンドパーサ8035)に対する指令を列記したコマンド列であるが、その記載内容や記載順序が、動画の描画を指示する場合と、静止画の描画を指示する場合とでやや相違する。
【0323】
動画の描画をVDP803に指示する場合は、
図28(a)の初期コマンドリストと、
図28(b)の定常コマンドリストの構成となる。
【0324】
図28(a)に示すように、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM804のメモリ領域、並びに、DDR2SDRAM804の動画データを格納するメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS1200)。
【0325】
次いで、動画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS1201)。具体的には、どの動画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する動画が格納されている遊技ROM805のCGデータ記憶領域のアドレス番地やその動画のフレーム数などと共に指示する。
【0326】
次いで、終了処理用コマンドを記入して初期コマンドリストの生成を終える(ステップS1202)。
【0327】
続いて、サブ制御CPU800aは、
図28(b)に示す定常コマンドリストを生成する。
【0328】
この定常コマンドリストは、
図28(b)に示すように、動画の描画指示で構成されており、上記初期コマンドリストにおいて、デコードした動画データに関し、どのフレーム番号のデコードデータを、液晶表示装置41のどの座標位置に描画するかのコマンドを生成する(ステップS1203)。次いで、終了処理用コマンドを記入して定常コマンドリストの生成を終える(ステップS1204)。
【0329】
一方、静止画の描画をVDP803に指示する場合、
図28(c)に示すとおり、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM804のメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS1210)。
【0330】
次いで、静止画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS1211)。具体的には、どの静止画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する静止画が格納されている遊技ROM805のCGデータ記憶領域のアドレス番地やデータサイズなどと共に指示する。
【0331】
次いで、デコードされた静止画データを、液晶表示装置41のどの座標位置に、どのような態様(回転角度や縮小拡大等)で描画するかのコマンドを生成する(ステップS1212)。次いで、終了処理用コマンドを記入して静止画に関するコマンドリストの生成を終える(ステップS1213)。
【0332】
かくして、このような動画に関するコマンドリスト並びに静止画に関するコマンドリストは、VDP803(
図4参照)に送信され、適宜処理された上で、液晶表示装置41に送信される。これにより、液晶表示装置41に、上記に詳しく説明した
図6(d),
図7(c-1)~(c-3)示す画像が表示されることとなる。
【0333】
したがって、上記のような処理を経て、上記
図4~
図10を参照して説明した演出内容が実行されることとなる。
【0334】
<変形例の説明>
なお、本実施形態においては、音LSI801と、VDP803と、を別々に構成する例を示したが、ワンチップとして一体化させても良い。
【0335】
また、本実施形態においては、サブワンチップマイコン800内にサブ制御CPU800aを設ける例を示したが、それに限らず、VDP803内にサブ制御CPU800aを設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0336】
1 パチンコ遊技機
41 液晶表示装置(表示手段)
800a サブ制御CPU(予告演出実行手段)
803 VDP(画像処理手段)
CH1 共通の演出画像データ(第1予告素材画像)
KH10 第1演出画像データ(第2予告素材画像)
KH11 第2演出画像データ(第2予告素材画像)
KH10a 青色の炎の画像
PH10 背景画像