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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147012
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】信号送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20241008BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04B1/38
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059776
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【テーマコード(参考)】
5E322
5K011
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322BA01
5E322BA05
5E322BB03
5E322EA06
5K011AA06
5K011AA13
5K011AA15
5K011DA02
5K011DA12
5K011KA05
(57)【要約】
【課題】高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することが可能な信号送受信装置を提供する。
【解決手段】信号送受信装置10は、受信した第1光信号を電気信号に変換し、電気信号を複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する送信部100を備える。また、信号送受信装置10は、外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して出力する受信部200を備える。また、信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200を冷却するための放熱部400を備える。放熱部400は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有し、複数の隔壁によって放熱部400に形成される複数の経路は、所定の方向において幅が異なる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した第1光信号を電気信号に変換し、前記電気信号を複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する送信部と、
外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して出力する受信部と、
前記送信部及び前記受信部を冷却するための放熱部と、を備え、
前記放熱部は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有し、
複数の前記隔壁によって前記放熱部に形成される複数の経路は、所定の方向において幅が異なる、信号送受信装置。
【請求項2】
前記放熱部は、前記送信部及び前記受信部に隣接するように、前記送信部及び前記受信部の外部に設けられ、
前記所定の方向は、前記複数の第1増幅部及び前記複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される第1方向である、請求項1に記載の信号送受信装置。
【請求項3】
前記送信アンテナと、前記受信アンテナとは、前記第1方向において、離れた位置に設けられる、請求項2に記載の信号送受信装置。
【請求項4】
前記送信部及び前記受信部の間に冷却経路を設ける請求項3に記載の信号送受信装置。
【請求項5】
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、前記送信部の一つの表面である第1表面と、前記第1表面と同じ側に位置する前記受信部の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられる、請求項4に記載の信号送受信装置。
【請求項6】
前記送信アンテナは、前記送信部の一つの表面である第1表面と、前記第1表面と同じ側に位置する前記受信部の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられ、
前記受信アンテナは、前記第1表面と反対側に位置する前記送信部の一つの表面である第3平面と、前記第1表面と反対側に位置する前記受信部の一つの表面である第4平面と、によって形成される第2平面に設けられる、請求項4に記載の信号送受信装置。
【請求項7】
前記放熱部は、前記送信部及び前記受信部の内部に設けられ、
前記所定の方向は、前記複数の第1増幅部及び前記複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される方向と垂直になる第2方向である、請求項1に記載の信号送受信装置。
【請求項8】
前記放熱部は、前記複数の経路に空気を送り込むための放熱ファンを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の信号送受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号の増幅や電源等で発生する熱を放熱するための構造が提案されている。特許文献1には、漏れ電磁波のアイソレーションを確保するための高周波回路が開示されている。特許文献1に開示された高周波回路は、ベースプレート(回路基板)の裏面に装着又は形成された放熱フィンを設け、フィン間に冷却風を流すことで、増幅部や電源部が発生する熱を放熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-60873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高周波の信号を増幅させる増幅器においては、増幅器の出力信号が回り込み、増幅器や他の受信部側の入力信号との干渉による発振が発生する場合がある。しかし、特許文献1で開示された高周波回路においては、放熱フィン自体には、信号の発振抑制については考慮されていない。そのため、特許文献1に開示された高周波回路においては、放熱フィン自体の周期構造に応じた共振ピークの発生に伴う発振が懸念される。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することが可能な信号送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る信号送受信装置は、受信した第1光信号を電気信号に変換し、電気信号を複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する送信部と、外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して出力する受信部と、送信部及び受信部を冷却するための放熱部と、を備え、放熱部は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有し、複数の隔壁によって放熱部に形成される複数の経路は、所定の方向において幅が異なる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することが可能な信号送受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る信号送受信装置が適用される構成例について説明するための図である。
図2A】第1の実施形態に係る信号送受信装置の構成を示す図である。
図2B】第1の実施形態に係る信号送受信装置の構成を示す側面図である。
図3】第2の実施形態に係る信号送受信装置の構成を説明するための図である。
図4A】第2の実施形態に係る信号送受信装置の送信部について説明するための図である。
図4B】第2の実施形態に係る信号送受信装置の受信部について説明するための図である。
図5】第2の実施形態に係る信号送受信装置の構成を示す図である。
図6】他の実施形態に係る信号送受信装置の構成について説明するための図である。
図7A】他の実施形態に係る信号送受信装置の構成について説明するための図である。
図7B】他の実施形態に係る信号送受信装置の構成について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係る信号送受信装置10について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0010】
(信号送受信装置10の適用例)
図1は、本実施形態に係る信号送受信装置10の適用例について説明するための図である。信号送受信装置10は、例えば、図1に示すように、屋外の基地局20や屋内の端末30との通信を可能にする装置である。図1に示す例においては、複数の信号送受信装置10として、信号送受信装置10a及び信号送受信装置10bが示されている。なお、以降、信号送受信装置10a及び信号送受信装置10bのそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「信号送受信装置10」と表記する。
【0011】
図1に示すように、信号送受信装置10aは、例えば、基地局20などの外部(屋外)の通信対象に対して、無線信号の送受信を行う。また、信号送受信装置10aは、基地局20から送信された信号を光信号に変換し、光通信ケーブル500を介して、屋内に備えられた他の信号送受信装置10bに送る。他の信号送受信装置10bは、送られてきた光信号を電気信号に変換し、例えば、屋内にある端末30に当該電気信号を無線信号として送信する。
【0012】
また、信号送受信装置10bは、例えば、端末30から無線通信により送信された信号を光信号に変換し、光通信ケーブル500を介して、他の信号送受信装置10aに送る。他の信号送受信装置10aは、送られてきた光信号を電気信号に変換し、例えば、屋外にある基地局20に当該電気信号を無線信号として送信する。すなわち、信号送受信装置10は、屋内にある端末30と、屋外にある基地局20との通信を中継する装置として適用される。
【0013】
ここで、例えば、28GHz帯の無線信号は伝搬損失が大きく、無線通信により受信した信号は、増幅器等で増幅して出力することが求められる。本実施形態に係る信号送受信装置10は、受信した微弱な無線信号を、再放射に十分な信号レベルに増幅する機能を備える。また、この信号を増幅させる機能は、例えば、複数段の増幅回路によって構成される。
【0014】
この複数段の増幅回路を設ける装置においては、各増幅回路の入力信号に、他の増幅回路からの出力信号が回り込むことにより発生する信号間での干渉を防ぐことが求められる。また、信号を増幅させる回路においては、増幅回路や電源回路により温度が上昇するため、発生した熱を放熱させることが求められている。本実施形態に係る信号送受信装置10は、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することを可能にする。以下、本実施形態に係る信号送受信装置10が適用される構成例について具体的に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図2A及び図2Bは、第1の実施形態に係る信号送受信装置10の構成を示す図である。図2Aは、第1の実施形態に係る信号送受信装置10の外観を示す正面図であり、図2Bは、第1の実施形態に係る信号送受信装置10の外観を示す側面図である。なお、図2Bに示す側面図は、図2Aに示す信号送受信装置10を、図面、向かって右方向から見た場合の図である。
【0016】
なお、本明細書において、図2Aに示す信号送受信装置10の横方向をX軸方向として定める。また、図2Aに示す信号送受信装置10の縦方向をY軸方向として定める。さらに、図2Aに示す信号送受信装置10の奥行方向をZ軸方向として定める。すなわち、図2Bに示す信号送受信装置10の側面図は、図2Aに示す信号送受信装置10の図面の右側からX軸方向に沿って見た場合の図に相当する。
【0017】
図2Aに示すように、第1の実施形態に係る信号送受信装置10は、送信部100と、受信部200と、アンテナ部300と、放熱部400と、を含んで構成される。アンテナ部300は、アンテナ筐体350に覆われ、送信アンテナ及び受信アンテナを備えている。また、送信部100は、アンテナ部300及び光通信ケーブル500に接続されている。同様に、受信部200は、アンテナ部300及び光通信ケーブル500に接続されている。また、送信部100及び受信部200は、それぞれ信号を増幅させるための増幅回路である第1増幅部及び第2増幅部を備える。
【0018】
送信部100は、光通信ケーブル500を介して送られてきた光信号を、電気信号に変換し、アンテナ部300を介して、外部に無線送信を行う。なお、光通信ケーブル500から送られてきた光信号は第1光信号に相当する。すなわち、送信部100は、光通信ケーブル500を介して受信した第1光信号を変換し、複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する。
【0019】
また、受信部200は、外部から無線通信で送信されてきた信号を受信し、受信した電気信号を光信号に変換して、光通信ケーブル500に出力する。なお、光通信ケーブル500を介して出力する光信号は第2光信号に相当する。すなわち、受信部200は、外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して、光通信ケーブル500に出力する。
【0020】
放熱部400は、送信部100及び受信部200を冷却するための機能を備える。第1の実施形態において、放熱部400は、送信部100及び受信部200の両方に隣接するように、送信部100及び受信部200の外部に設けられる。
【0021】
なお、送信部100に接する放熱部400を、送信側放熱部400aとし、受信部200に接する放熱部400を、受信側放熱部400bと称する。また、以降、送信側放熱部400a及び受信側放熱部400bのそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「放熱部400」と表記する。
【0022】
また、図2Aに示すように、放熱部400は、受信側放熱部400bに放熱ファン410及び通気孔420を設ける。この放熱ファン410及び通気孔420により、放熱部400の外部から放熱用の空気を取り込み、取り込まれた放熱用の空気が受信側放熱部400bの経路(B1)~経路(B4)を介して、送信側放熱部400aに送られる。また、送信側放熱部400aは、送られてきた空気を、経路(A1)~経路(A4)を介して、外部に出力する。これにより、信号送受信装置10は、多くの冷却用の空気を放熱部400に取り込むことが可能となり、より効果的に送信部100及び受信部200を放熱させることが可能となる。
【0023】
放熱部400は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有する。図2Aに示す例においては、複数の隔壁は、隔壁451a、451b、452a、452b、453a、453bに相当する。なお、隔壁451a及び隔壁451b、隔壁452a及び隔壁452b、並びに隔壁453a及び隔壁453bはそれぞれ連続して構成されているものとする。
【0024】
なお、図2Aに示すように、複数の隔壁451a、451b、452a、452b、453a、453bによって形成される複数の経路A1~A4及び経路C1~C4は、所定の方向において幅が異なる。第1の実施形態においては、所定の方向は、図2Aに示すように、Y軸方向及びX軸方向に相当する。すなわち、図2Aに示す例においては、各経路A1~A4及び経路C1~C4のY軸方向の幅は、それぞれ幅W1~W4となる。また、図2Aに示す例においては、幅W1、幅W2、幅W3、及び幅W4の順に幅が小さくなるものとする。
【0025】
また、第1の実施形態において、第1増幅部(図示なし)及び第2増幅部(図示なし)は、それぞれ信号が流れる方向に直列に接続されているものとする。なお、第1の実施形態において、信号が流れる方向は、第1方向に相当し、図2Aにおいては、Y軸方向に相当する。
【0026】
上述の通り、第1の実施形態に係る信号送受信装置10は、受信した第1光信号を電気信号に変換し、電気信号を複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する送信部100を備える。また、信号送受信装置10は、外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して出力する受信部200を備える。また、信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200を冷却するための放熱部400を備える。放熱部400は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有し、複数の隔壁によって放熱部400に形成される複数の経路は、所定の方向において幅が異なる。
【0027】
これにより、信号送受信装置10は、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することが可能となる。
【0028】
また、図2Aに示す例において、X軸方向に延伸する隔壁451a、451b、452a、452b、453a、453bは、送信部100及び受信部200の増幅器等に対応する位置に設けられてもよい。具体的には、送信部100は、複数の第1増幅部として3つの増幅器を設け、それぞれの増幅器の位置がY軸方向において、隔壁451a、隔壁452a、及び隔壁453aの位置に設けられてもよい。同様に、受信部200は、複数の第2増幅部として3つの増幅器を設け、それぞれの増幅器の位置がY軸方向において、隔壁451b、隔壁452b、及び隔壁453bの位置に設けられてもよい。これにより、信号送受信装置10は、増幅器の位置に隔壁が設けられることで、より増幅器の冷却効果を得ることが可能なる。また、放熱部400の複数の隔壁によって形成される複数の経路は、送信部100の第1増幅部及び受信部200の第2増幅部が直列に接続される方向に幅が異なるため、発生した熱を放熱しつつ、より効果的に信号間の干渉を防ぐことが可能となる。
【0029】
(第2の実施形態)
以上の通り、具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示であって実施形態を限定するものではない。例えば、上述の実施形態では、送信部100及び受信部200のアンテナ部300が、図2Aに示す例において、Y軸方向で同じ側(位置)で、アンテナ筐体350に覆われる場合の形態を例示した。また、上述の実施形態では、送信部100及び受信部200が隣接し、その隣接した送信部100及び受信部200の側面に接する形で放熱部400設けられる例を示した。ここではさらに、信号送受信装置10において、送信部100及び受信部200に対応する送信アンテナ310及び受信アンテナ320が、それぞれ、Y軸方向において異なる側(位置)に設けられる構成について説明する。また、信号送受信装置10において、送信部100及び受信部200の間に放熱部400として、冷却経路が設けられた第2の実施形態に係る信号送受信装置10について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0030】
図3に示すように、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200のアンテナ部300が、それぞれ送信アンテナ310及び受信アンテナ320として離れた位置に設けられる点で第1の実施形態に係る信号送受信装置10と異なる。また、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200の間に放熱部400として冷却経路が設けられる点において、第1の実施形態に係る信号送受信装置10と異なる。
【0031】
図3に示すように、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、XY平面において、送信アンテナ310と、受信アンテナ320とが離れた位置に設けられる。具体的には、図3に示すXY平面において対角の位置に送信アンテナ310と、受信アンテナ320とが位置する。これにより、第2の実施形態に係る信号送受信装置10においては、送信アンテナ310から出力される無線信号が、受信アンテナ320に回り込む干渉を防ぐことが可能となる。
【0032】
図4Aは、送信部100の構成について説明するための図である。図4Aに示すように、送信部100は、光電気変換部111と、多段アンプ112とを備える。光電気変換部111は、光通信ケーブル500を介して、入力された光信号を電気信号に変換する。また、多段アンプ112は、光電気変換部111で変換された電気信号を増幅し、送信アンテナ310に送る。これにより、送信部100は、増幅した信号を、送信アンテナ310を介して出力することが可能となる。なお、多段アンプ112は、第1増幅部に相当する。
【0033】
また、送信部100は、光通信ケーブル500から送信アンテナ310までの間に、光電気変換部111及び多段アンプ112が直列に接続されてもよい。これにより、送信部100は、図3に示す構成においてY軸方向の長さがX軸方向の長さより長くなる。すなわち、送信部100の長手方向は、Y軸方向に相当し、短手方向はX軸方向に相当する。
【0034】
図4Bは、受信部200の構成について説明するための図である。図4Bに示すように、受信部200は、電気光変換部211と、多段アンプ212とを備える。多段アンプ212は、受信アンテナ320を介して受信した電気信号を増幅する。電気光変換部211は、多段アンプ212で増幅された電気信号を電気光変換部211で光信号に変換し、光通信ケーブル500を介して出力する。すなわち、受信部200は、受信した微弱な信号を増幅し、光通信ケーブル500に出力することが可能となる。なお、多段アンプ212は、第2増幅部に相当する。
【0035】
また、受信部200は、受信アンテナ320から光通信ケーブル500からまでの間に、多段アンプ212及び電気光変換部211が直列に接続されてもよい。これにより、受信部200は、図3に示す構成においてY軸方向の長さがX軸方向の長さより長くなる。すなわち、受信部200の長手方向は、Y軸方向に相当し、短手方向はX軸方向に相当する。
【0036】
また、第2の実施形態において、信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200の間に冷却経路である放熱部400を設ける。
【0037】
図5は、第2の実施形態に係る信号送受信装置10の構成を示す図である。図5に示す例においては、図中の上段に受信部200が設けられ、図中の下段に送信部100が設けられている。また、送信部100及び受信部200の間に冷却経路である放熱部400が設けられている。
【0038】
また、放熱部400には、複数の隔壁451、452、453が設けられている。この隔壁451、452、453で形成される空気の経路により、多段アンプ112及び多段アンプ212における発熱を冷却することが可能となる。
【0039】
具体的には、図5に示す例において、送信部100の多段アンプ112(第1増幅部)は、信号送受信装置10のY軸方向の中央部に位置する。同様に、受信部200の多段アンプ212(第2増幅部)は、信号送受信装置10のY軸方向の中央部に位置する。また、放熱部400の複数の隔壁451、452、453も、信号送受信装置10のY軸方向の中央部に位置する。これにより、信号送受信装置10は、増幅器等で発生する発熱を効果的に放熱することが可能となる。
【0040】
また、放熱部400の複数の隔壁451、452、453によって形成される空気の経路は、所定の方向において幅が異なる。図5に示す例においては、所定の方向は、多段アンプ112(第1増幅部)及び多段アンプ212(第2増幅部)がそれぞれ直列に接続される第1方向に相当する。また、図5に示す例においては、第1方向は、Y軸方向に相当する。
【0041】
上述の通り、第2の実施形態に係る信号送受信装置10において、送信アンテナ310と、受信アンテナ320とは、第1方向において、離れた位置に設けられてもよい。第2の実施形態において、第1方向は、図3に示すY軸方向に相当する。これにより、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、送信アンテナ310から出力される無線信号が受信アンテナ320に回り込む干渉を、より適切に防ぐことが可能となる。
【0042】
また、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200の間に冷却経路を設けてもよい。これにより、第2の実施形態に係る信号送受信装置10は、信号間の干渉を防ぎつつ、増幅器等で発生した熱をより効果的に放熱することが可能となる。
【0043】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0044】
上述の第1の実施形態においては、隣接する送信部100及び受信部200に対して、送信部100及び受信部200の両方に接する形で放熱部400が形成される構成を示した。この構成は、実施形態の構成を限定するものではなく、例えば、図6に示すように、送信部100及び受信部200の内部に放熱部400を設ける構成としてもよい。具体的には、放熱部400は、送信部100及び受信部200に複数の隔壁を設け、この隔壁によって、形成される経路を冷却用の空気が通過する。また、図6に示す例においては、所定の方向は、複数の第1増幅部及び複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される方向と垂直になる第2方向である。また、本実施形態において、複数の第1増幅部及び複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される方向は、それぞれ信号が流れる方向であり、図6に示す例においては、Y軸方向である。すなわち、図6に示す例においては、所定の方向は、Y軸方向と垂直となるX軸方向に相当し、X軸方向が第2の方向に相当する。これにより、図6に示す構成において、信号送受信装置10は、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱し、さらに信号送受信装置10の小型化を図ることが可能となる。
【0045】
また、上述の第2の実施形態においては、送信部100及び受信部200の長手方向に相当するY軸方向において、異なる側に送信アンテナ310及び受信アンテナ320が設けられる例を示した。例えば、この構成は、図7Aに示すように、送信部100及び受信部200と接する同一平面に設けられる構成であってもよい。具体的には、送信アンテナ310及び受信アンテナ320は、送信部100の一つの表面である第1表面と、第1表面と同じ側に位置する受信部200の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられる。
【0046】
図7Aに示す例においては、送信部100及び受信部200の上面側がそれぞれ第1表面及び第2表面に相当する。また第1平面は、この図7AにおけるX軸及びY軸によって形成されるXY平面であって、第1表面及び第2表面によって形成される平面に相当する。図7Aの構成のように、送信アンテナ310及び受信アンテナ320を設けることにより、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱し、さらに信号送受信装置10の小型化を図ることが可能となる。
【0047】
また、図7Bに示すように、信号送受信装置10は、送信アンテナ310及び受信アンテナ320を、送信部100及び受信部200と接する異なる平面にそれぞれ設けられる構成であってもよい。具体的には、送信アンテナ310は、送信部100の一つの表面である第1表面と、第1表面と同じ側に位置する受信部200の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられる。図7Bに示す例においては、図7Aと同様に、送信部100及び受信部200の上面側がそれぞれ第1表面及び第2表面に相当する。また第1平面は、この図7BにおけるX軸及びY軸によって形成されるXY平面であって、第1表面及び第2表面によって形成される平面に相当する。
【0048】
また、受信アンテナ320は、第1表面と反対側に位置する送信部100の一つの表面である第3平面と、第1表面と反対側に位置する受信部200の一つの表面である第4平面と、によって形成される第2平面に設けられる。図7Bに示す例においては、送信部100及び受信部200の下面側がそれぞれ第3表面及び第4表面に相当する。また第2平面は、この図7BにおけるX軸及びY軸によって形成されるXY平面であって、第3表面及び第4表面によって形成される平面に相当する。図7Bの構成のように、送信アンテナ310及び受信アンテナ320を設けることにより、図7Aの構成に加え、送信アンテナ310から出力される無線信号が受信アンテナ320に回り込む干渉を、より適切に防ぐことが可能となる。
【0049】
以下に、信号送受信装置10の特徴について記載する。
【0050】
第1の態様に係る信号送受信装置10は、受信した第1光信号を電気信号に変換し、電気信号を複数の第1増幅部で増幅した送信用電気信号を、送信アンテナを介して、外部に無線通信で送信する送信部100を備える。また、信号送受信装置10は、外部から受信アンテナを介して受信し、複数の第2増幅部で増幅した受信用電気信号を、第2光信号に変換して出力する受信部200を備える。また、信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200を冷却するための放熱部400を備える。放熱部400は、放熱用の空気を通過させるための複数の隔壁を有し、複数の隔壁によって放熱部400に形成される複数の経路は、所定の方向において幅が異なる。
【0051】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、高周波信号を増幅して出力する装置において、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱することが可能となる。
【0052】
第2の態様に係る信号送受信装置10の放熱部400は、送信部100及び受信部200に隣接するように、送信部100及び受信部200の外部に設けられてもよい。また、所定の方向は、複数の第1増幅部及び複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される第1方向であってもよい。
【0053】
上記構成によれば、放熱部400の複数の隔壁によって形成される複数の経路は、送信部100の第1増幅部及び受信部200の第2増幅部が直列に接続される方向に幅が異なるため、発生した熱を放熱しつつ、より効果的に信号間の干渉を防ぐことが可能となる。
【0054】
第3の態様に係る信号送受信装置10の送信アンテナ310と、受信アンテナ320とは、第1方向において、離れた位置に設けられてもよい。
【0055】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、送信アンテナ310から出力される無線信号が受信アンテナ320に回り込む干渉を、より適切に防ぐことが可能となる。
【0056】
第4の態様に係る信号送受信装置10は、送信部100及び受信部200の間に冷却経路を設けてもよい。
【0057】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、信号間の干渉を防ぎつつ、増幅器等で発生した熱をより効果的に放熱することが可能となる。
【0058】
第5の態様に係る信号送受信装置10の送信アンテナ310及び受信アンテナ320は、送信部100の一つの表面である第1表面と、第1表面と同じ側に位置する受信部200の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられてもよい。
【0059】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱し、さらに信号送受信装置10の小型化を図ることが可能となる。
【0060】
第6の態様に係る信号送受信装置10の送信アンテナ310は、送信部100の一つの表面である第1表面と、第1表面と同じ側に位置する受信部200の一つの表面である第2表面と、によって形成される第1平面に設けられてもよい。また、信号送受信装置10の受信アンテナ320は、第1表面と反対側に位置する送信部100の一つの表面である第3平面と、第1表面と反対側に位置する受信部200の一つの表面である第4平面と、によって形成される第2平面に設けられてもよい。
【0061】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、送信アンテナ310から出力される無線信号が受信アンテナ320に回り込む干渉を、より適切に防ぐことが可能となる。
【0062】
第7の態様に係る信号送受信装置10の放熱部400は、送信部100及び受信部200の内部に設けられてもよい。また、所定の方向は、複数の第1増幅部及び複数の第2増幅部がそれぞれ直列に接続される方向と垂直になる第2方向であってもよい。
【0063】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、信号間の干渉を防ぎつつ、発生した熱を放熱し、さらに信号送受信装置10の小型化を図ることが可能となる。
【0064】
第8の態様に係る信号送受信装置10の放熱部400は、複数の経路に空気を送り込むための放熱ファン410を備えてもよい。
【0065】
上記構成によれば、信号送受信装置10は、多くの冷却用の空気を放熱部400に取り込むことが可能となり、より効果的に送信部100及び受信部200を放熱させることが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
10、10a、10b 信号送受信装置
20 基地局
30 端末
100 送信部
100 送信部
111 光電気変換部
112、212 多段アンプ
200 受信部
200 受信部
211 電気光変換部
300 アンテナ部
310 送信アンテナ
320 受信アンテナ
350 アンテナ筐体
400 放熱部
400a 送信側放熱部
400b 受信側放熱部
410 放熱ファン
420 通気孔
451、451a、451b、452、452a、452b、453、453a、453b 隔壁
500 光通信ケーブル
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B