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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147060
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ヒュージブルリンクユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/20 20060101AFI20241008BHJP
   H01H 85/175 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01H85/20 C
H01H85/175
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059831
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 達弥
(72)【発明者】
【氏名】田沼 賢一
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA20
5G502BA01
5G502CC33
5G502FF08
(57)【要約】
【課題】バッテリへの組付けが容易に行えるヒュージブルリンクユニットを提供すること。
【解決手段】ヒュージブルリンクユニット1は、バッテリ10に対し長辺方向Xへ移動可能に掛止され、バッテリ10に取り付けられるロアカバー2と、バッテリ10から供給される電流が過電流である場合に溶断する可溶部33を有し、ロアカバー2に対し長辺方向Xと交差する短辺方向Yへ移動可能に掛止され、ロアカバー2に取り付けられるヒュージブルリンク3と、ヒュージブルリンク3に対し取り付けられバッテリポスト12に接続されるバッテリ端子4と、を備えて構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリに対しバッテリポストの軸方向と交差する第一方向へ移動可能に掛止され、前記バッテリに取り付けられる保持部材と、
前記バッテリから供給される電流が過電流である場合に溶断する可溶部を有し、前記保持部材に対し前記軸方向及び前記第一方向と交差する方向である第二方向へ移動可能に掛止され、前記保持部材に取り付けられるヒュージブルリンクと、
前記ヒュージブルリンクに対し取り付けられ、前記バッテリポストに接続されるバッテリ端子と、を備える、
ヒュージブルリンクユニット。
【請求項2】
前記保持部材は、前記バッテリを掛止し前記バッテリに対し前記保持部材の前記第一方向への移動を許容する第一掛止部と、前記ヒュージブルリンクを掛止し前記保持部材に対する前記ヒュージブルリンクの前記第二方向への移動を許容する第二掛止部と、を有する、
請求項1に記載のヒュージブルリンクユニット。
【請求項3】
前記バッテリ端子は、前記バッテリポストを挿通させるための挿通孔を形成した装着部を有し、
前記保持部材は、前記バッテリポストを挿通させるための孔であって前記挿通孔より大きく形成される設置孔を形成している、
請求項1又は2に記載のヒュージブルリンクユニット。
【請求項4】
上面から窪んだ凹部の位置に前記バッテリポストが設けられている前記バッテリに対し組み付けられている、
請求項1又は2に記載のヒュージブルリンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒュージブルリンクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒュージブルリンクユニットとして、例えば、バッテリに対しロアカバーを取り付け、ロアカバーに対しヒュージブルリンクを取り付けて構成されるものが知られている。このヒュージブルリンクユニットは、連結端子を介してヒュージブルリンクにバッテリ端子を接続し、バッテリ端子をバッテリのバッテリポストに接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5869789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなヒュージブルリンクユニットにあっては、ヒュージブルリンクのバッテリへの組付けが煩雑となる点で改善の余地がある。例えば、上述したヒュージブルリンクユニットにおいて、ヒュージブルリンクのバッテリへの組付けは、ヒュージブルリンクと連結端子を締結し、連結端子とバッテリ端子を接続した後、バッテリ端子をバッテリポストに接続して行われる。すなわち、上述したヒュージブルリンクユニットでは、ヒュージブルリンクの組み付けに連結端子が用いられ、連結端子の締結作業が必要となり、多くの作業工程を要する。このため、バッテリへの組付けがより容易に行えるヒュージブルリンクユニットの開発が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、バッテリへの組付けが容易に行えるヒュージブルリンクユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るヒュージブルリンクユニットは、バッテリに対しバッテリポストの軸方向と交差する第一方向へ移動可能に掛止され、前記バッテリに取り付けられる保持部材と、前記バッテリから供給される電流が過電流である場合に溶断する可溶部を有し、前記保持部材に対し前記軸方向及び前記第一方向と交差する方向である第二方向へ移動可能に掛止され、前記保持部材に取り付けられるヒュージブルリンクと、前記ヒュージブルリンクに対し取り付けられ、前記バッテリポストに接続されるバッテリ端子と、を備えて構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るヒュージブルリンクユニットによれば、電気機器と接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るヒュージブルリンクユニットの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るヒュージブルリンクユニットの分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るヒュージブルリンクユニットの側面図である。
図4図4は、図1のIV-IVにおけるヒュージブルリンクユニットの断面図である。
図5図5は、実施形態に係るヒュージブルリンクのバッテリ端子の斜視図である。
図6図6は、実施形態に係るヒュージブルリンクの組付けについて説明図である。
図7図7は、実施形態に係るヒュージブルリンクの組付けについて説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
本実施形態は、ヒュージブルリンクユニットに関する。なお、以下の説明では、互いに交差する第一方向、第二方向、及び、第三方向のうち、第一方向を「長辺方向X」といい、第二方向を「短辺方向Y」といい、第三方向を「高さ方向Z」という。ここでは、長辺方向Xと短辺方向Yと高さ方向Zとは、相互に直交する。長辺方向Xは、平面形状を長方形としたバッテリの長辺に沿った方向に相当する。短辺方向Yは、バッテリの短辺に沿った方向に相当する。高さ方向Zは、バッテリの高さ方向であって、バッテリポストの軸方向に相当する。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が車両に搭載された状態での方向を表すものとする。なお、ここでいう直交は、ほぼ直交を含む。
【0011】
図1、2に示すように、ヒュージブルリンクユニット1は、車両に搭載されるバッテリ10に取り付けられ、バッテリ10の電力を受ける電気機器に対し過電流保護を行うユニットである。バッテリ10は、車両に設置される電気機器に対し電力供給を行う蓄電装置であり、例えば、直方体の外観を呈し、平面形状が長方形とされる。例えば、バッテリ10は、短辺方向Yに沿って形成される二つの側面11Aと長辺方向Xに沿って形成される二つの側面11Bを有している。ここで、直方体にはほぼ直方体を含み、長方形にはほぼ長方形を含む。
【0012】
バッテリ10には、バッテリポスト12が設けられている。バッテリポスト12は、バッテリ10から電力を取り出すための端子部材であり、バッテリ10の上面13から窪んだ凹部14に設けられている。凹部14は、例えば、上面13から一段低く形成された領域であり、バッテリ10の角部部分に二箇所形成され、一方の側面11Bの両端の位置に形成されている。二つの凹部14の床面14Aには、それぞれバッテリポスト12が立設されている。バッテリポスト12は、円柱状又は円錐台状を呈し、例えば、金属により形成されている。バッテリポスト12は、例えば、軸方向Aをバッテリ10の高さ方向Zに沿った方向として設けられている。バッテリ10として、例えば、EN(European Norm)規格のバッテリが用いられる。ヒュージブルリンクユニット1は、二つのバッテリポスト12のうちの一方に対し設置される。
【0013】
ヒュージブルリンクユニット1は、ロアカバー2、ヒュージブルリンク3及びバッテリ端子4を備えている。ロアカバー2は、バッテリ10の上部に取り付けられる保持部材であり、ヒュージブルリンク3を保持している。ロアカバー2は、例えば、平面形状を矩形とした板状の部材であり、短辺方向Yにおいてバッテリ10より大きく形成され、バッテリ10の上面13及び凹部14の一部を覆い、一方のバッテリポスト12の設置位置を含むように設けられている。ロアカバー2には、設置孔21が形成されている。設置孔21は、バッテリポスト12を挿通させるための孔である。設置孔21は、例えば、下層部22に形成されている。下層部22は、ヒュージブルリンク3を設置する設置面23から一段下がった位置に形成される板状の部位である。設置孔21は、後述するバッテリ端子4の挿通孔411と比べて大きく形成されている。
【0014】
ロアカバー2は、バッテリ10に対し長辺方向Xへ移動可能に掛止されている。長辺方向Xは、側面11Bに沿った方向であり、バッテリポスト12の軸方向Aと交差する第一方向である。例えば、図3に示すように、ロアカバー2は、短辺方向Yにおける側部から下方へ延びる掛止部24を有している。掛止部24は、バッテリ10の側面11Bから突出する凸部15に掛止する第一掛止部である。掛止部24は、ロアカバー2の短辺方向Yにおける両方の側部にそれぞれ設けられている。掛止部24は、下方へ延びるアーム部24A、及び、アーム部24Aから側面11B側に突出して凸部15を掛け止める鉤部24Bを有している。掛止部24は、バッテリ10の凸部15を掛止することで、バッテリ10に対しロアカバー2の長辺方向Xへの移動を許容する。つまり、ロアカバー2は、掛止部24を形成することにより、短辺方向Y及び高さ方向Zへの移動が規制されるが、バッテリ10に対し長辺方向Xには移動可能に掛止されている。なお、ロアカバー2は、凸部15及び掛止部24以外の機構により、バッテリ10に対し移動可能に掛止されていてもよい。なお、ヒュージブルリンクユニット1は、ロアカバー2の上部を覆うアッパカバーを備えていてもよい。
【0015】
図1、2において、ヒュージブルリンク3は、外部出力部31と接続される電気機器に過電流が流れることを防止する部材である。ヒュージブルリンク3は、外部出力部31、端子接続部32及び可溶部33を有している。外部出力部31は、車両に設置される電気機器に接続される端子部材であり、例えば、スタッドボルトが用いられる。外部出力部31は、例えば、ヒュージブルリンク3の本体部30に複数設けられる。本体部30は、板状の部材であり、例えば、樹脂材料により構成される。本体部30は、ロアカバー2の設置面23に設置される。端子接続部32は、バッテリ端子4と接続される部位であり、本体部30から下方へ下がった位置に配置される。端子接続部32には、接続用の孔321が形成されている。外部出力部31と端子接続部32は、可溶部33を介して電気的に接続されている。外部出力部31と端子接続部32は、例えば、本体部30に内蔵されるバスバーなどの導電性部材30Aにより接続されている。可溶部33は、導電性部材30Aに組み込まれて設けられている。可溶部33は、バッテリ10から供給される電流が過電流となる場合に溶断する可溶体により構成され、ヒュージブルリンク又はヒューズとして機能する。例えば、可溶部33は、ヒュージブルリンク3において所定電流値以上の電流が所定時間以上の時間流れる場合に溶断する。また、可溶部33は、導電性部材30Aに対し複数設けられていてもよい。
【0016】
図4に示すように、ヒュージブルリンク3は、ロアカバー2に対し短辺方向Yへ移動可能に掛止されている。短辺方向Yは、側面11Bの沿った方向であって、バッテリポスト12の軸方向A及び長辺方向Xと交差する第二方向である。ヒュージブルリンク3は、例えば、本体部30がロアカバー2に形成される掛止部25に掛止されている。掛止部25は、ヒュージブルリンク3の本体部30を掛止する第二掛止部である。掛止部25は、例えば、設置面23に設けられ、本体部30を挟むように複数形成されている。掛止部25は、上方へ延びるアーム部25A、及び、アーム部25Aから本体部30側に突出する鉤部25Bを有している。掛止部25は、本体部30を掛止することで、ロアカバー2に対しヒュージブルリンク3の短辺方向Yへの移動を許容する。つまり、ヒュージブルリンク3は、掛止部25に掛止されることにより、長辺方向X及び高さ方向Zへの移動が規制されるが、ロアカバー2に対し短辺方向Yには移動可能に掛止されている。なお、ヒュージブルリンク3は、掛止部25以外の機構により、ロアカバー2に対し移動可能に掛止されていてもよい。
【0017】
図5に示すように、バッテリ端子4は、バッテリポスト12に接続される端子部材であり、例えば、金属などの導電性材料により構成される。バッテリ端子4は、装着部41、締付け機構42及び接続部43を有している。装着部41は、バッテリポスト12の外周に装着される部位であり、バッテリポスト12を挿通するための挿通孔411を形成している。例えば、装着部41は、リング状の一部を切り欠いた形状とされる。装着部41には、接続部43が連なって形成されている。接続部43は、ヒュージブルリンク3の端子接続部32と接続するための部位であり、板状に形成されている。接続部43にはスタッドボルト431が立設されている。接続部43は、スタッドボルト431を端子接続部32に挿通させ、スタッドボルト431にナット432を螺合させて締結することにより、端子接続部32と接続される。
【0018】
締付け機構42は、装着部41を締め付けてバッテリ端子4をバッテリポスト12に取り付ける機構である。締付け機構42は、ナット部材421、楔部材422及びボルト423を有している。ナット部材421は、ボルト423と螺合する挿入孔421Aを形成している。ナット部材421は、例えば、断面矩形の棒状を呈し、長辺方向Xに向けて配置されている。ナット部材421は、装着部41の締付け片412A、412Bに対し挿通して設けられている。締付け片412A、412Bは、装着部41におけるリング形状の切り欠かれた部分を挟んで形成されている。すなわち、締付け片412A、412Bは長辺方向Xに離間して形成されている。締付け片412A、412Bは、締付け機構42により互いに接近する方向へ移動させられ、装着部41に締付け力を与える。
【0019】
ナット部材421の端部は、長辺方向Xと交差する方向に拡大される拡大部421B、拡大部421Cを形成している。拡大部421B及び拡大部421Cは、締付け片412A、412Bを挿通できない大きさに形成されている。拡大部421Bは締付け片412Aと当接するように設けられ、拡大部421Cは楔部材422と当接するように設けられている。
【0020】
楔部材422は、ナット部材421の上方に設けられ、台座部422A及び楔部422Bを有している。台座部422Aは、ボルト423の頭部423Aを設置するための板状の部材であり、挿入孔421Aから高さ方向Zに向けて離間した位置に配置される。台座部422Aには、ボルト423の軸部423Bを挿通させる長孔422Cが形成されている。長孔422Cは、長辺方向Xに対し長い孔となっている。このため、楔部材422に対しボルト423が長辺方向Xへ相対的に移動可能となっている。楔部422Bは、台座部422Aの端部から垂下して設けられる三角形状の板体であり、台座部422Aの両端の位置にそれぞれ設けられている。楔部422Bは、下方に向けて先細りとなるように形成されており、拡大部421C及び締付け片412Bに当接するように設けられている。
【0021】
締付け機構42は、ナット部材421に対しボルト423を締結することにより、ボルト423の頭部423Aと共に楔部材422を押し下げ、ナット部材421の長辺方向Xの移動によって装着部41を締め付ける。すなわち、ナット部材421に対しボルト423が締結されることで、楔部材422の楔部422Bが押し下げられ、拡大部421Cと締付け片412Bの間に楔部422Bが入り込む。このため、拡大部421Cと締付け片412Bが離間していき、ナット部材421が長辺方向X(図5では左上の方向)へ移動し、締付け片412Bと締付け片412Aが接近する。これにより、装着部41がバッテリポスト12を締め付け、バッテリ端子4がバッテリポスト12に対し取り付けられる。
【0022】
なお、バッテリ端子4の締付け機構としては、締付け片412A、412Bを接近させてバッテリ端子4をバッテリポスト12へ取り付けることが可能であれば、上述した締付け機構42以外の機構を用いてもよい。
【0023】
次に、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1の組付けについて説明する。
【0024】
ここでは、車両に設置されているバッテリ10に対しヒュージブルリンクユニット1を組み付ける場合について説明する。
【0025】
まず、図2に示すように、バッテリ10にヒュージブルリンクユニット1が組み付けられる前に、ヒュージブルリンク3に対するバッテリ端子4の接続、及び、ロアカバー2に対するヒュージブルリンク3の取付が行われる。ヒュージブルリンク3に対するバッテリ端子4の接続は、バッテリ端子4のスタッドボルト431をヒュージブルリンク3の端子接続部32の孔321に挿通させ、スタッドボルト431にナット432を締結して行われる(図5参照)。これにより、ヒュージブルリンク3にバッテリ端子4が取り付けられて一体となる。このとき、ヒュージブルリンク3とバッテリ端子4は、直接接続される。
【0026】
図2において、ヒュージブルリンク3のロアカバー2に対する取付は、ヒュージブルリンク3にバッテリ端子4を取り付けた状態で、ヒュージブルリンク3の本体部30を設置面23上に載置して行われる。このとき、本体部30に対し掛止部25が掛け止められ、ヒュージブルリンク3がロアカバー2に対して取り付けられる。これにより、ロアカバー2にヒュージブルリンク3が取り付けられて一体となるが、ロアカバー2に対しヒュージブルリンク3は短辺方向Yに沿って移動可能となっている(図6参照)。
【0027】
そして、図6に示すように、バッテリ10に対しヒュージブルリンクユニット1が組み付けられる。ヒュージブルリンクユニット1の組付けは、挿通孔411へバッテリポスト12を挿通させるように、ロアカバー2及びヒュージブルリンク3の位置を調整しながら行われる。例えば、ロアカバー2に対しヒュージブルリンク3を短辺方向Yに移動させて、挿通孔411の短辺方向Yにおける位置が調整される。また、バッテリ10に対しロアカバー2を長辺方向Xに移動させて、挿通孔411の長辺方向Xにおける位置が調整される。
【0028】
そして、挿通孔411の位置を調整した状態で、ロアカバー2がバッテリ10の上面13に載置される。そして、図3に示すように、ロアカバー2の掛止部24をバッテリ10の凸部15に掛止させて、ロアカバー2及びヒュージブルリンク3がバッテリ10に対し取り付けられる。そして、図1において、バッテリ端子4のボルト423が締結され、バッテリ端子4がバッテリポスト12へ取り付けられる。バッテリ端子4がバッテリポスト12へ取り付けられることにより、バッテリ10に対しヒュージブルリンク3が固定され、バッテリ10に対しロアカバー2もヒュージブルリンク3が固定され、バッテリ10に対しヒュージブルリンクユニット1を組み付けが完了する。ヒュージブルリンクユニット1の組付けは、締結作業としてボルト423を締結するだけで行えるため、組付け作業が容易に行うことができる。
【0029】
図7に示すように、バッテリ10において、バッテリポスト12の位置がバッテリ規格などにより異なる場合があるが、ヒュージブルリンクユニット1は、それに対応して確実かつ容易に取り付けることができる。すなわち、ヒュージブルリンクユニット1は、バッテリ10に対し長辺方向Xへ移動させてロアカバー2を取付可能とし、ロアカバー2に対し短辺方向Yへ移動させてヒュージブルリンク3を取付可能とすることにより、異なる位置にバッテリポスト12が設置されるバッテリ10に対し容易に取り付けることができる。
【0030】
また、ヒュージブルリンクユニット1は、ヒュージブルリンク3とバッテリ端子4を直接接続する構造であるため、ヒュージブルリンク3とバッテリ端子4の間にバッテリポスト12の位置対応のための部材を接続する必要がない。このため、ヒュージブルリンクユニット1の部品数を削減することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、バッテリ10に対しロアカバー2を長辺方向Xに移動可能とし、ロアカバー2に対しヒュージブルリンク3を短辺方向Yに移動可能とすることにより、バッテリポスト12の位置に応じロアカバー2及びヒュージブルリンク3を移動させてバッテリ10に容易に組み付けることができる。また、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、ヒュージブルリンク3に対しバッテリ端子4を直接接続することができ、少ない部品でバッテリ10に組み付けることができる。
【0032】
また、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、ロアカバー2に掛止部24及び掛止部25を備えることにより、バッテリ10に対しロアカバー2を長辺方向Xへ移動可能とし、ロアカバー2に対しヒュージブルリンク3を短辺方向Yへ移動可能とすることができる。
【0033】
また、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、ロアカバー2の設置孔21をバッテリ端子4の挿通孔411より大きく形成することにより、バッテリ10に対しロアカバー2及びヒュージブルリンク3を移動させてもロアカバー2に対しバッテリポスト12を挿通させることができる。このため、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、バッテリ10に対し適切に組み付けることができる。
【0034】
また、本実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1は、上面13から窪んだ凹部14の位置にバッテリポスト12が設けられているバッテリ10(例えば、EN規格のバッテリ)に対し、適切かつ容易に組み付けることができる。
【0035】
なお、本発明に係るヒュージブルリンクユニットは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係るヒュージブルリンクユニットは、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0036】
例えば、上述した実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1では、凹部14を形成しているバッテリ10に組み付けられる場合について説明したが、凹部14を形成していないバッテリに対して組み付けられてもよい。このようなヒュージブルリンクユニットであっても、上述した実施形態に係るヒュージブルリンクユニット1と同様に、バッテリに容易に組み付けることができ、少ない部品でバッテリ10に組み付けることができる。
【符号の説明】
【0037】
1:ヒュージブルリンクユニット
2:ロアカバー(保持部材)
3:ヒュージブルリンク
4:バッテリ端子
10:バッテリ
12:バッテリポスト
13:上面
14:凹部
21:設置孔
24:掛止部(第一掛止部)
25:掛止部(第二掛止部)
33:可溶部
41:装着部
411:挿通孔
A:軸方向
X:長辺方向(第一方向)
Y:短辺方向(第二方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7