(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147069
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】イヤホン及び補聴器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20241008BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20241008BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20241008BHJP
H04R 25/02 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R1/10 104A
H04R25/00 E
H04R25/00 F
H04R1/00 317
H04R25/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059842
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 彰希
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BA11
5D005BA13
5D005BE01
5D017AB11
(57)【要約】
【課題】高い音質のイヤホン及び補聴器を提供する。
【解決手段】イヤホン10,10A,10Bは、耳Eに取り付けられる取付部21を含むイヤホン本体20と、イヤホン本体20に上下方向に並んで設けられる複数のスピーカユニット30と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳に取り付けられる取付部を含むイヤホン本体と、
前記イヤホン本体に上下方向に並んで設けられる複数のスピーカユニットと、
を備えるイヤホン。
【請求項2】
前記複数のスピーカユニットは、後方に向けて放音する第1スピーカユニットと、前記第1スピーカユニットの下側に配置され、後方に向けて放音する第2スピーカユニットとを含み、
前記取付部は、後方に向けて延在し、
前記イヤホン本体は、前記第1スピーカユニットと前記第2スピーカユニットの間の距離を調整可能な調整構造を備える、請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記調整構造は、前記第1スピーカユニットに対して前記第2スピーカユニットが移動可能に設けられる、請求項2に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記調整構造は、前記第1スピーカユニットと前記第2スピーカユニットが夫々、ガイド部材に沿って移動可能に設けられる、請求項2に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記取付部は、前記第1スピーカユニットの上側から後方に向かって延在する耳掛け部と、前記第2スピーカユニットの下側から後方に向かって延在する支持部と、を有する請求項2に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記複数のスピーカユニットは、前方に向けて延在する第1音導管を備える第1スピーカユニットと、前記第1スピーカユニットの下側に配置されると共に前方に向けて延在する第2音導管を備える第2スピーカユニットとを含み、
前記取付部は、前方に向けて延在する、
請求項1に記載のイヤホン。
【請求項7】
前記イヤホン本体は、マイクを含む、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のイヤホンを備える補聴器。
【請求項8】
前記イヤホン本体は、前記複数のスピーカユニットに対向して配置される振動子を含み、
前記振動子は、装着時において軟骨を含む耳の骨部近傍に接するように配置される、請求項7に記載の補聴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホン及び補聴器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、耳の外耳道を塞がない開放型のイヤホンが提供されている。例えば、特許文献1には、略環状に形成されて耳介に装着されるイヤーモールドの開口に振動子が設けられたイヤホンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のイヤホンは、外耳道に直接的に音が発せられるため、音の広がりを感じることができず、音楽鑑賞等においては音質に不満を感じることがあった。
【0005】
本発明は、高い音質のイヤホン及び補聴器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るイヤホンは、耳に取り付けられる取付部を含むイヤホン本体と、前記イヤホン本体に上下方向に並んで設けられる複数のスピーカユニットと、を備える。
【0007】
本発明に係る補聴器は、前記イヤホン本体は、マイクを含む、上述のイヤホンを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い音質のイヤホン及び補聴器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係るイヤホンの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るイヤホンの調整構造を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るイヤホンの調整構造が固定されている状態を示す、
図2のIII-III断面を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るイヤホンの調整構造が調整可能な状態を示す、
図2のIII-III断面に相当する断面図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係るイヤホンを人の耳に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係るイヤホンを人の耳に取り付けた状態を示す、前側から見た図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係るイヤホンを人の耳に取り付けた状態を示す、後側から見た図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係るイヤホン(補聴器)の斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態3に係るイヤホンの側面図である。
【
図10】本発明の実施形態3に係るイヤホンを人の耳に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図11】本発明の実施形態4に係るイヤホンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を
図1~
図7に基づいて説明する。
図1に示すイヤホン10は、人の耳に取り付けられる取付部21を含むイヤホン本体20と、イヤホン本体20に上下方向に並んで設けられる複数のスピーカユニット30とを備えている。なお、以下の説明においては、イヤホン10が人の耳に取り付けられる際の人の頭側を上、人の足側を下とし、人の顔側を前、顔の反対側を後とする。また、イヤホン10は、両耳にそれぞれ取り付けることができるが、以下の説明では人の左耳に取り付ける場合について説明する。
【0011】
スピーカユニット30は、上側に配置される第1スピーカユニット31と、第1スピーカユニット31の下側に配置される第2スピーカユニット32とを含む。スピーカユニット30は、内部にスピーカ35が設けられている。スピーカユニット30は、複数の放音孔(不図示)が設けられて、スピーカ35から放音される音を外部に放音する放音部36が設けられている。イヤホン10では、放音部36は、後方に向けて配置されている。換言すれば、スピーカユニット30(第1スピーカユニット31、第2スピーカユニット32)は、後方に向けて放音する。第1スピーカユニット31及び第2スピーカユニット32には、放音部36から効率よく音を出力させるために、それぞれ放音部36と反対側に図示しない孔が設けられている。
【0012】
なお、イヤホン10は、図示しない通信部を備えることにより、無線通信又は有線通信によりスマートフォン等と接続し、スマートフォン等で再生される音楽等を放音することができる。無線通信を行う所定の無線通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)やBluetooth(登録商標)のバージョン4以降に係るBluetooth Low Energy(BLE)等とすることができる。
【0013】
取付部21は、耳掛け部21aと、支持部21bとを含む。耳掛け部21aは、第1スピーカユニット31の上側から後方に向かって上側に凸とされる円弧状に延在している。一方、支持部21bは、第2スピーカユニット32の下側から後方に向かって延在している。
【0014】
耳掛け部21aは、樹脂材料等により設けることもできるが、例えば、可撓性を有するワイヤー等をエラストマ等で覆うことで、変形自在な形態とすることもできる。
【0015】
支持部21bには、第2スピーカユニット32の下側から下方に延び、後方に向けてやや湾曲する支持基部21b1が設けられている。支持基部21b1は、直線状(棒状)に設けられる支持本体21b3と回転軸21b2を介して接続している。支持本体21b3は、左右方向に配置される回転軸21b2の軸心周りに回転自在に設けられている。ここで、回転軸21b2は、支持本体21b3の回転方向に対して、例えばスプリングピンを用いる等して、適度な摺動抵抗を付与している。よって、支持本体21b3は、任意の回転位置で固定することができる。
【0016】
支持本体21b3の先端には、回転軸21b4を介して、略三日月形の支持当接部21b5が設けられている。支持当接部21b5は、左右方向に配置される回転軸21b4の軸心周りに回転自在に設けられている。支持当接部21b5は、回転軸21b4に付与される摺動抵抗により、支持本体21b3に対して、任意の回転位置で固定することができる。支持当接部21b5は、略三日月形の凹湾曲状の部分が耳の後側に当接する。支持当接部21b5の両先端部は丸みを帯びており、仮に先端部が長時間、耳に当接していても耳を傷つけることはない。
【0017】
イヤホン本体20は、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の間の距離(放音部36の中心間距離S)を調整可能な調整構造40が設けられている。イヤホン10における調整構造40は、第1スピーカユニット31に対して第2スピーカユニット32が移動可能に設けられている。
【0018】
調整構造40は、具体的には、
図2に示すように、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32との間で固定されて上下方向に長い楕円ガイド41と、略円筒状の回転筒42と、固定部材43とを含む。固定部材43は、ゴム等の弾性材料からなり、径方向における、楕円ガイド41と回転筒42との間に設けられている。
【0019】
図3に示すように、楕円ガイド41は、横断面視において前後方向が長軸とされる楕円筒状に設けられている。回転筒42は、
図2に示すように、内側の回転筒本体42aと、回転筒本体42aの外周に設けられる把持部42bとを有する。回転筒本体42aの下端外周には、下フランジ部42a1と上フランジ部42a2間により画成される環状凹部42a3が設けられている。回転筒本体42a(回転筒42)は、環状凹部42a3に、第2スピーカユニット32の上端面で開口する円形孔部32aの縁部が摺動自在に係合することで、楕円ガイド41の外周周りに回転自在に設けられている。
【0020】
固定部材43は、回転筒本体42aの内周面に固定されている。把持部42bを摘まんで、
図4に示す状態から
図3に示す状態に、つまり回転筒42を図中時計周りに回転させることによって、
図3に示すように楕円ガイド41の外周面と回転筒本体42aの内周面とで固定部材43を押し潰す状態においては、第2スピーカユニット32は、第1スピーカユニット31に対して固定されている。
【0021】
一方、把持部42bを摘まんで、
図3に示す状態から
図4に示す状態に、つまり回転筒42を図中反時計回りに回転させることによって、
図4に示すように楕円ガイド41の外周面と回転筒本体42aの内周面とで押し潰されていた固定部材43を解放する状態とすれば、第2スピーカユニット32は、第1スピーカユニット31に対して上下方向に移動させることができる。すなわち、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の間の距離(放音部36の中心間距離S)を調整することができる。
【0022】
図5~
図7に示すように、イヤホン10は、人の耳Eの上側に耳掛け部21aを引っ掛けて装着することができる。下側の支持部21bは、支持本体21b3や支持当接部21b5の回転位置を調整することで、支持当接部21b5の凹円弧状の内側部分を耳Eの後側に当接させる。支持部21bにより、歩く等、人が体を動かしても、イヤホン10が耳掛け部21aを支点として振り子のように動いてしまうことを低減することができる。
【0023】
第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32は、放音方向が耳甲介E1の上下となるように、第2スピーカユニット32の位置を調整構造40により調整することができる。換言すれば、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の間に、耳珠E2が位置するように、第2スピーカユニット32を第1スピーカユニット31に対して移動させて、第1スピーカユニット31に対する第2スピーカユニット32の位置を調整することができる。
【0024】
このように使用者(被装着者)或いは使用以外の第三者(装着者)が第2スピーカユニット32の上下方向の位置を適宜調整することで、第1スピーカユニット31により耳甲介E1の上側部分に第1スピーカユニット31の放音部36からの音が当てられ、第2スピーカユニット32により耳甲介E1の下側部分に第2スピーカユニット32の放音部36からの音を当てることができる。すると、使用者が聞く音は、広くて厚みのある音とすることができる。
【0025】
(実施形態2)
次に、
図8により、本発明の実施形態2を説明する。実施形態2のイヤホン10Aは、実施形態1のイヤホン10における調整構造40に換えて、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32が夫々、ガイド部材45に沿って移動可能な調整構造40Aとしたものである。ここで、実施形態1と同一又は略同一の部材や部位は同じ符号を用いて、その説明は省略又は簡略化する。実施形態3,4の説明においても同様である。
【0026】
ガイド部材45は、上下方向に長い円柱状とすることができる。また、スピーカユニット30(第1スピーカユニット31、第2スピーカユニット32)には、調整構造40Aとして、上下方向の貫通孔が設けられている。調整構造40Aは、例えば、スピーカユニット30の貫通孔とガイド部材45との間にゴム材料等の弾性部材を設けることで適度な摺動抵抗を付与しておくことができる。これにより、スピーカユニット30は、ガイド部材45に沿った任意の位置に移動して固定することができる。
【0027】
更に、イヤホン10Aは、外部音を収音するマイク51を設けることで、補聴器50とすることもできる。マイク51は、イヤホン本体20における上側の部分に設けることができる。マイク51は、前方向からの音及び後方向からの音の両方を集音しやすいよう耳掛け部21aの頭頂付近に上向きに集音するよう配置されていることが好ましい。この位置は、第1スピーカユニット31及び第2スピーカユニット32の放音部36と反対側に設けられた孔から出力される、放音部36の音と逆位相の音が入りにくい位置になっているためである。
【0028】
(実施形態3)
次に、
図9及び
図10により、本発明の実施形態3を説明する。実施形態3のイヤホン10Bは、耳Eの前側に配置されていた実施形態1のイヤホン10における複数のスピーカユニット30を耳Eの後側に配置したものである。
【0029】
具体的には、イヤホン本体20に設けられる複数のスピーカユニット30Bは、第1スピーカユニット31Bと、第2スピーカユニット32Bとを含む。スピーカユニット30Bのスピーカ35は、放音方向が後方となるよう配置されている。
【0030】
スピーカユニット30Bは、音導管38を含む。音導管38は、可撓性を有するエラストマ材料等により管状に設けられている。音導管38は、先端部に複数の放音孔を備える放音部36が設けられている。音導管38は、後方に向けて放音されるスピーカ35からの音を、音導管38を通して前方配置される放音部36から放音するように湾曲して前方に延在している。
【0031】
上側の第1スピーカユニット31Bは、スピーカ35から放音された音を導く第1音導管38aを備えている。下側の第2スピーカユニット32Bは、スピーカ35から放音された音を導く第2音導管38bを備えている。
【0032】
イヤホン10Bは、第1音導管38aが耳掛け部21a(取付部21)ともされている。イヤホン10Bは、
図10に示すように人の耳Eに装着することができる。耳Eに装着されたイヤホン10Bの音導管38の先端の放音部36は、第1音導管38aの放音部36を耳甲介E1の上側に位置させて、第2音導管38bの放音部36を耳甲介E1の下側に位置させることができる。放音部36からの音は、前側から後側に向かって放音される。このように、取付部21(耳掛け部21a、支持部21b)を音導管38と兼用することもできるが、実施形態1のイヤホン10のように、取付部21を別に設けることもできる。
【0033】
(実施形態4)
次に、
図11により、本発明の実施形態4を説明する。本実実施形態に係る補聴器50Aは、実施形態1のイヤホン10のイヤホン本体20に、実施形態2で示したマイク51と、軟骨伝導装置60を加えたものである。イヤホン本体20は、複数のスピーカユニット30に対向して配置される振動子62を含む。
【0034】
軟骨伝導装置60は、耳掛け部21aの先端から下方に垂下して膨出するケース61を有している。振動子62は、ケース61の内部に設けられている。振動子62は、補聴器50Aを耳E(
図5参照)に装着したとき、軟骨を含む耳Eの骨部近傍に接するように配置されている。
【0035】
ここで、
図5を参照して、耳Eは、外部に露出している外耳の耳介AEから外耳道に至る部分が軟骨で形成されており、特に外耳道の入り口付近の耳甲介艇CE1、耳甲介腔CE2を含む耳甲介E1からは振動が伝わりやすくなっている。
【0036】
軟骨伝導装置60は、耳介AEと頭部との間に嵌まるようになっている。そして、耳Eへの装着時に、ケース61の内側面61aが下側から耳Eの裏側に接触する。従って、振動子62は、ケース61が耳Eの裏側に接触した状態において、耳甲介E1に対応する位置に配置される。これにより、振動子62が軟骨を含む耳の骨部近傍に接するように配置され、振動子62が振動としての音波(音データ)を骨部(軟骨部)に伝達しやすくなる。軟骨伝導装置60から出力される音データ及び放音部36から出力される音データは人が聴覚として認識できる音として同じ周波数帯域のものでもよく、軟骨伝導装置60から出力される音データで聴こえる周波数帯域と、放音部36から出力される音データで聴こえる周波数帯域とを、軟骨伝導装置60及びスピーカユニット30と使用者の聴覚特性とに合わせて互いに異なるようにしてもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態によれば、イヤホン10,10A,10Bは、耳Eに取り付けられる取付部21を含むイヤホン本体20と、イヤホン本体20に上下方向に並んで設けられる複数のスピーカユニット30と、を備える。
【0038】
これにより、耳珠E2の上付近と下付近の2か所から耳甲介E1に向けて音を発生することで、耳甲介E1の上部と下部夫々に音をぶつけ、耳甲介E1を幅広く利用することにより、耳の外で音を発する2つの小さなスピーカ(スピーカユニット30)でも、広くて厚みのある音を届けることを可能とするとともに耳孔が解放されているので周囲の環境を把握しやすい。
【0039】
また、複数のスピーカユニット30は、後方に向けて放音する第1スピーカユニット31と、第1スピーカユニット31の下側に配置され後方に向けて放音する第2スピーカユニット32とを含み、取付部21の耳掛け部21aは、後方に向けて延在し、イヤホン本体20は、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の間の距離を調整可能な調整構造40,40Aを備える。
【0040】
これにより、正面からの音が聞こえやすい場所である耳珠E2の上付近と下付近の2か所に、イヤホン10,10Aに搭載された、少なくとも二つのスピーカユニット30を固定することができる。そして、調整構造40,40Aにより、人の耳Eの大きさに合わせて的確に耳甲介E1に対応した位置にスピーカユニット30を配置することができる。
【0041】
また、調整構造40は、第1スピーカユニット31に対して第2スピーカユニット32が移動可能に設けられる。これにより、第1スピーカユニット31は、上側からの位置が固定的とされ、第2スピーカユニット32の位置だけ調整すればよいので、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の間の距離の調整を容易とすることができる。
【0042】
また、調整構造40は、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32が夫々、ガイド部材45に沿って移動可能に設けられる。これにより、第1スピーカユニット31と第2スピーカユニット32の上下方向の位置を精密に調整することができる。
【0043】
また、取付部21は、第1スピーカユニット31の上側から後方に向かって延在する耳掛け部21aと、第2スピーカユニット32の下側から後方に向かって延在する支持部21bとを有する。これにより、装着し易く、人が動いてもズレ難いイヤホン10,10Aを提供することができる。
【0044】
また、イヤホン10Bは、前方に向けて延在する第1音導管38aを備える第1スピーカユニット31Bと、第1スピーカユニット31Bの下側に配置されると共に前方に向けて延在する第2音導管38bを備える第2スピーカユニット32Bとを含み、取付部21は、前方に向けて延在する。これにより、正面から見て目立ちにくい耳Eの後側に、イヤホン本体20を配置することができる。
【0045】
また、イヤホン10等は、マイク51を備えることで補聴器50とすることができ、補聴器50Aのイヤホン本体20は、複数のスピーカユニット30に対向して配置される振動子62を含み、振動子62は、装着時において軟骨を含む耳Eの骨部近傍に接するように配置される。これにより、スピーカユニット30からの高い音質の音を聞きつつ、外部ノイズが大きい環境では軟骨伝導により容易に補聴することができる補聴器50Aを提供することができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10 イヤホン 10A イヤホン
10B イヤホン 20 イヤホン本体
21 取付部 21a 耳掛け部
21b 支持部 21b1 支持基部
21b2 回転軸 21b3 支持本体
21b4 回転軸 21b5 支持当接部
30 スピーカユニット 30B スピーカユニット
31 第1スピーカユニット 31B 第1スピーカユニット
32 第2スピーカユニット 32B 第2スピーカユニット
32a 円形孔部 35 スピーカ
36 放音部 38 音導管
38a 第1音導管 38b 第2音導管
40 調整構造 40A 調整構造
41 楕円ガイド 42 回転筒
42a 回転筒本体 42a1 下フランジ部
42a2 上フランジ部 42a3 環状凹部
42b 把持部 43 固定部材
45 ガイド部材 50 補聴器
50A 補聴器 51 マイク
60 軟骨伝導装置 61 ケース
61a 内側面 62 振動子
AE 耳介 CE1 耳甲介艇
CE2 耳甲介腔 E 耳
E1 耳甲介 E2 耳珠