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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147126
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】端子モジュールおよびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/502 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
H01R13/502 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059924
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】宮村 哲矢
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF08
5E087FF13
5E087GG14
5E087JJ05
5E087JJ09
5E087MM05
5E087RR06
(57)【要約】
【課題】端子モジュールの強度を向上させることを目的とする。
【解決手段】端子モジュール30は、端子を収容する端子モジュールであって、電線16と、電線の端部に取付けられた端子12とを有する端子付電線11と、端子を収容するキャビティ36g1、36g2を有し、キャビティの開口から電線が延出する端子ホルダ32とを備え、端子ホルダは、第1部品36と、第1部品との合体によりキャビティを形成する第2部品38とを有し、第1部品がキャビティを区画する壁部36Wを有し、第2部品が壁部の先端部に対向する蓋部38Bを有し、蓋部が、壁部を、その厚み方向に位置決めする壁位置決め面45fを有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子を収容する端子モジュールであって、
電線と、前記電線の端部に取付けられた前記端子とを有する端子付電線と、
前記端子を収容するキャビティを有し、前記キャビティの開口から前記電線が延出する端子ホルダと、
を備え、
前記端子ホルダは、第1部品と、前記第1部品との合体により前記キャビティを形成する第2部品とを有し、
前記第1部品は、前記キャビティを区画する壁部を有し、前記第2部品は、前記壁部の先端部に対向する蓋部を有し、
前記蓋部は、前記壁部を、前記壁部の厚み方向に位置決めする壁位置決め面を有する、端子モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の端子モジュールであって、
前記壁位置決め面は、前記壁部のうち前記電線が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されている、端子モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の端子モジュールであって、
前記蓋部は、前記壁部の先端が嵌る壁位置決め溝を有し、
前記壁位置決め溝の内面が前記壁位置決め面である、端子モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の端子モジュールであって、
前記壁部の先端のうち前記壁部の延在方向中央よりも前記電線が延出する端側に、壁位置決め突部が形成され、
前記壁位置決め突部が前記壁位置決め溝に嵌っている、端子モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の端子モジュールであって、
前記蓋部は、前記壁位置決め突部よりも前記電線の延出方向とは反対側で、前記壁部の先端に対向すると共に前記壁部の厚み方向に平面的に広がる面を有する、端子モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の端子モジュールであって、
前記端子は、端子接続部と、前記電線が接続される電線接続部とを有し、
前記壁位置決め突部は、前記端子接続部よりも前記電線の延出方向側に位置する、端子モジュール。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の端子モジュールであって、
前記壁部は、前記電線の延出方向側の縁に、前記キャビティ内に突出する厚肉形成部を有し、
前記壁位置決め面は、前記厚肉形成部を前記壁部の厚み方向に位置決めしている、端子モジュール。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の端子モジュールであって、
前記壁部は、一対の側壁と、前記一対の側壁の間に位置する仕切壁とを有し、
前記壁位置決め面は、前記一対の側壁のそれぞれを前記各側壁部の厚み方向に位置決めする一対の側壁位置決め面と、前記仕切壁を前記仕切壁の厚み方向に位置決めする仕切壁位置決め面とを有する、端子モジュール。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の端子モジュールであって、
前記端子ホルダは、ベース壁部を有するベースホルダをさらに有し、
前記ベースホルダに前記第1部品が重ねられることで、前記ベース壁部によって区画されるベースキャビティが形成され、
前記キャビティのうちの前記電線の出口側開口縁部は、前記ベースキャビティのうちの前記電線の出口側開口縁部よりも外側に位置している、端子モジュール。
【請求項10】
請求項9の端子モジュールであって、
前記第1部品は、前記ベース壁部を、前記ベース壁部の厚み方向に位置決めするベース壁位置決め面を有する、端子モジュール。
【請求項11】
請求項1または請求項2に記載の端子モジュールと、
前記端子ホルダを保持するホルダ保持部と、前記ホルダ保持部から延出する前記電線を案内する電線案内部とを有するハウジングと、
を備える、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子モジュールおよびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、合成樹脂製の誘電体と、一対の内導体とを備える端子ユニットを開示している。誘電体は、半割状をなす保持部材と、半割状をなすカバー部材とを組み付けて構成されている。保持部材は、底壁部と、底壁部の左右両側縁から上方へ立ち上がった一対の側壁部とを備えており、底壁部の左右方向中央には、上方へ立ち上がる隔壁部が形成されている。保持部材の内部には、隔壁部と一対の側壁部とによって区画された左右一対の収容室が形成されている。各収容室内には内導体が収容されている。内導体に固着された電線が、収容室の後方開口から延出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-147558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端子モジュールから延出する電線が引っ張られた場合等に備えて、端子モジュールの強度を向上させることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、端子モジュールの強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の端子モジュールは、端子を収容する端子モジュールであって、電線と、前記電線の端部に取付けられた前記端子とを有する端子付電線と、前記端子を収容するキャビティを有し、前記キャビティの開口から前記電線が延出する端子ホルダと、を備え、前記端子ホルダは、第1部品と、前記第1部品との合体により前記キャビティを形成する第2部品とを有し、前記第1部品は、前記キャビティを区画する壁部を有し、前記第2部品は、前記壁部の先端部に対向する蓋部を有し、前記蓋部は、前記壁部を、前記壁部の厚み方向に位置決めする壁位置決め面を有する、端子モジュールである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端子モジュールの強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
図2図2は同上のコネクタを示す斜視図である。
図3図3は同上のコネクタを示す分解斜視図である。
図4図4は同上のコネクタを示す分解斜視図である。
図5図5図1のV-V線断面図である。
図6図6は端子モジュールを示す分解斜視図である。
図7図7は端子モジュールを示す分解斜視図である。
図8図8はハウジングの部分切欠き斜視図である。
図9図9はハウジングの部分切欠き斜視図である。
図10図10図2のX-X線断面図である。
図11図11図3のXI-XI線断面図である。
図12図12は端子モジュールの断面図である。
図13図12は端子モジュールの断面図である。
図14図14図3のXIV-XIV線断面図である。
図15図15はコネクタとは別のコネクタを示す斜視図である。
図16図16はコネクタを示す分解斜視図である。
図17図17図15のXVII-XVII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の端子モジュールは、次の通りである。
【0011】
(1)端子を収容する端子モジュールであって、電線と、前記電線の端部に取付けられた前記端子とを有する端子付電線と、前記端子を収容するキャビティを有し、前記キャビティの開口から前記電線が延出する端子ホルダと、を備え、前記端子ホルダは、第1部品と、前記第1部品との合体により前記キャビティを形成する第2部品とを有し、前記第1部品は、前記キャビティを区画する壁部を有し、前記第2部品は、前記壁部の先端部に対向する蓋部を有し、前記蓋部は、前記壁部を、前記壁部の厚み方向に位置決めする壁位置決め面を有する、端子モジュールである。
【0012】
キャビティから延出する電線が引っ張られることによって、電線が壁部に押し当てられると、壁部にその厚み方向に押す力が加わる。本開示の端子モジュールによると、壁部を厚み方向に押す力は、壁位置決め面によって受止められる。このため、壁部が変形し難くなり、端子モジュールの強度がより向上する。
【0013】
(2)(1)の端子モジュールであって、前記壁位置決め面は、前記壁部のうち前記電線が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されていてもよい。
【0014】
電線が延出する側で、壁部が電線によって押され易い。よって、壁位置決め面が、壁部のうち電線が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されていれば、電線によって押される力を、効果的に受止めることができる。
【0015】
(3)(1)または(2)の端子モジュールであって、前記蓋部は、前記壁部の先端が嵌る壁位置決め溝を有し、前記壁位置決め溝の内面が前記壁位置決め面であってもよい。
【0016】
このように、壁部の先端が壁位置決め溝に嵌ることによって、壁部がその厚み方向に位置決めされる。
【0017】
(4)(3)の端子モジュールであって、前記壁部の先端のうち前記壁部の延在方向中央よりも前記電線が延出する端側に、壁位置決め突部が形成され、前記壁位置決め突部が前記壁位置決め溝に嵌っていてもよい。
【0018】
このように、壁位置決め突部が壁位置決め溝に嵌ることによって、壁部のうち電線が延出する側の部分が効果的に位置決めされる。
【0019】
(5)(4)の端子モジュールであって、前記蓋部は、前記壁位置決め突部よりも前記電線の延出方向とは反対側で、前記壁部の先端に対向すると共に前記壁部の厚み方向に平面的に広がる面を有してもよい。
【0020】
この場合、壁部が幅方向に変形したとしても、蓋部のうち電線の延出方向とは反対側の部分には、影響が及び難い。これにより、端子の先端部に外力が及び難い。
【0021】
(6)(5)の端子モジュールであって、前記端子は、端子接続部と、前記電線が接続される電線接続部とを有し、前記壁位置決め突部は、前記端子接続部よりも前記電線の延出方向側に位置してもよい。
【0022】
これにより、端子接続部よりも電線の延出方向側で、壁部を位置決めできるので、端子の先端部に外力が及び難い。
【0023】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの端子モジュールであって、前記壁部は、前記電線の延出方向側の縁に、前記キャビティ内に突出する厚肉形成部を有し、前記壁位置決め面は、前記厚肉形成部を前記壁部の厚み方向に位置決めしていてもよい。
【0024】
電線が引っ張られた場合の力は、壁部のうち電線の延出方向側の縁部に最も強く作用すると考えられる。壁部のうち電線の延出方向側の縁に位置する厚肉形成部が壁位置決め面によって位置決めされれば、当該力が効果的に受止められる。
【0025】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの端子モジュールであって、前記壁部は、一対の側壁と、前記一対の側壁の間に位置する仕切壁とを有し、前記壁位置決め面は、前記一対の側壁のそれぞれを前記各側壁の厚み方向に位置決めする一対の側壁位置決め面と、前記仕切壁を前記仕切壁の厚み方向に位置決めする仕切壁位置決め面とを有してもよい。
【0026】
一対の側壁と仕切壁とによって複数のキャビティが形成される。複数のキャビティのそれぞれから引出される電線のいずれが引っ張られた場合においても、当該引張り力に耐え得るように一対の側壁及び仕切壁を位置決めできる。
【0027】
(9)(1)から(8)のいずれか1つの端子モジュールであって、前記端子ホルダは、ベース壁部を有するベースホルダをさらに有し、前記ベースホルダに前記第1部品が重ねられることで、前記ベース壁部によって区画されるベースキャビティが形成され、前記キャビティのうちの前記電線の出口側開口縁部は、前記ベースキャビティのうちの前記電線の出口側開口縁部よりも外側に位置していてもよい。
【0028】
この場合、キャビティのうちの電線の出口側開口縁部が、ベースキャビティのうちの前記電線の出口側開口縁部よりも外側に位置している。このため、キャビティから延出する電線の方が強い力で引っ張られ易い可能性がある。当該キャビティを区画する壁部を位置決めすることで、電線の引張り力を効果的に受止めることができる。
【0029】
(10)(9)の端子モジュールであって、前記第1部品は、前記ベース壁部を、前記ベース壁部の厚み方向に位置決めするベース壁位置決め面を有してもよい。
【0030】
これにより、ベースキャビティを区画するベース壁部についても、位置決めすることができる。
【0031】
また、本開示のコネクタは次の通りである。
【0032】
(11)(1)から(10)のいずれか1つの端子モジュールと、前記端子ホルダを保持するホルダ保持部と、前記ホルダ保持部から延出する前記電線を案内する電線案内部とを有するハウジングと、を備える、コネクタである。
【0033】
このコネクタによると、端子モジュールをハウジング内に組込む際に、電線が引っ張られることによって壁部に力が加わっても、当該力が壁位置決め面によって効果的に受止められる。
【0034】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子モジュールおよびコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0035】
[実施形態]
以下、実施形態に係る端子モジュールおよびコネクタについて説明する。
【0036】
<全体構造>
コネクタの全体構造について説明する。図1および図2はコネクタ20を示す斜視図である。図3及び図4はコネクタ20を示す分解斜視図である。図5図1のV-V線断面図である。
【0037】
コネクタ20は、端子ホルダ32を介して端子12を保持するコネクタである。端子12及び端子ホルダ32については、後に図6等を参照して説明される。このコネクタ20に相手側コネクタが接続されることで、当該相手側コネクタの相手側端子が端子12に接続される。
【0038】
コネクタ20は、端子付電線11と、端子ホルダ32と、ハウジング50とを備える。
【0039】
端子付電線11は、電線16と、電線16の端部に取付けられた端子12とを有する。
【0040】
端子12が端子ホルダ32に収容されている。端子12と当該端子12を収容する端子ホルダ32とで、端子モジュール30が構成される。電線16は、端子ホルダ32から外方に延出している。端子12は端子モジュール30内に組込まれた状態で、ハウジング50に組込まれる。
【0041】
ハウジング50は、端子ホルダ32を介して端子12を保持する。ハウジング50は、ホルダ保持部60と、電線案内部52とを有している。ホルダ保持部60に、端子ホルダ32が収容される。電線案内部52は、ホルダ保持部60に一体的に繋がっており、ホルダ保持部60から延出する電線16を案内する。電線案内部52によって、コネクタ20からの電線16の延出方向が案内される。
【0042】
なお、上記ホルダ保持部60にリテーナ90が装着される。リテーナ90によって、端子モジュール30がハウジング50から脱しないように保持される。本実施形態では、リテーナ90は、端子モジュール30からの電線16の引出方向とは逆側からハウジング50に装着される。かかるリテーナ90は、フロントリテーナと呼ばれてもよい。
【0043】
本コネクタ20に対しては、端子モジュール30からの電線16の引出方向とは逆側から相手側コネクタが接続される。以下の説明において、便宜上、相手側コネクタが接続される側を前側、その反対側を後側という場合がある。また、ハウジング50に、相手側コネクタとの接続状態を維持するロック片68aが位置している。便宜上、ハウジング50に対して当該ロック片68aが位置する側を上側、その反対側を下側という場合がある。さらに、それらの前後、上下を基準にして、左右が参照される場合がある。
【0044】
各部構成について説明する。
【0045】
<端子モジュールについて>
図6及び図7は端子モジュール30を示す分解斜視図である。なお、図7において一方の側壁34SW、36SWが破断されている。図3から図7に示すように、端子モジュール30は、端子12と、端子12を保持する端子ホルダ32とを含む。端子12は、金属板のプレス加工等によって形成された部品であり、電線接続部12aと端子接続部12bとを含む。電線接続部12aと端子接続部12bとは例えば直線状に連なっている。端子12の一端部の電線接続部12aが電線16の端部に圧着等によって接続されている。端子接続部12bは、例えば、筒状に形成されており、相手側端子のピン状又はタブ状のオス接続部が当該端子接続部12bに挿入接続される。
【0046】
本実施形態では、端子モジュール30は、端子12を複数含む。より具体的には、端子モジュール30は、4つの端子12を含む。4つの端子12は、横に2つ、縦に2段並んでいる。端子モジュール30の後端から複数の電線16が延び出ている。端子モジュール30が保持する端子12の数は任意であり、1つの端子のみ含んでもよいし、2以上の端子を含んでもよい。
【0047】
端子ホルダ32は、端子12を収容するキャビティ34g1、34g2、36g1、36g2を有する樹脂部品である。端子ホルダ32は、複数の端子12を相互に絶縁した状態で、所定の配列で保持する。複数の端子12が端子ホルダ32によって保持された状態で、当該端子ホルダ32がハウジング50に保持される。これにより、ハウジング50において、複数の端子12が所定の配列状態で容易に保持され得る。端子12に接続された電線16は、キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2の後側開口から延出している。
【0048】
より具体的には、端子ホルダ32は、ベースホルダ34と、中間ホルダ36と、カバーホルダ38とを含む。
【0049】
ベースホルダ34に複数(ここでは2つ)のキャビティ34g1、34g2が形成される。キャビティ34g1、34g2は、並列しており、上方及び後方側に開口している。ベースホルダ34の前縁に前壁34FWが立設されている。端子12が、キャビティ34g1、34g2の上方及び後方の開口を通って、キャビティ34g1、34g2内に配置される。キャビティ34g1は第1キャビティの一例であり、キャビティ34g2は第2キャビティの一例である。ベースホルダ34に、より多数のキャビティが形成されてもよい。
【0050】
より具体的には、ベースホルダ34は、底部34Bと、仕切壁34Wと、一対の側壁34SWとを含む。仕切壁34Wと、一対の側壁34SWとは、底部34Bの幅方向において間隔をあけて並んでいる。底部34B上に、仕切壁34Wと一対の側壁34SWとによって区画される第1キャビティ34g1と第2キャビティ34g2とが形成される。仕切壁34Wは、第1キャビティ34g1と第2キャビティ34g2とを仕切る壁である。一対の側壁34SWは、キャビティ34g1、34g2の両側外側を仕切る壁である。
【0051】
上記仕切壁34Wと一対の側壁34SWとは、ベースホルダ34に形成されたベース壁部の一例である。また、キャビティ34g1、34g2は、ベースホルダ34と中間ホルダ36とが重ねられることで、仕切壁34Wと一対の側壁34SWとで区画されて形成されるベースキャビティの一例である。仕切壁34Wと一対の側壁34SWとは、キャビティ34g1、34g2を区画する壁部の一例として把握されてもよい。
【0052】
キャビティ34g1、34g2の底部に位置決め突部34gpが突出している。端子12は、電線接続部12aのうち電線の被覆部に圧着される被覆圧着部と、端子接続部12bとの間で凹む凹部12gを有している。上記位置決め突部34gpが端子12の当該凹部12gに嵌ることで、端子12が位置決め突部34gp内で位置決めされる。
【0053】
中間ホルダ36は、複数のキャビティ34g1、34g2の上方開口を塞ぐことができる程度の広がりを有する部品である。中間ホルダ36はベースホルダ34の係止突部34r1に係止可能な係止片36pを有している。
【0054】
中間ホルダ36が複数のキャビティ34g1、34g2の上方開口を塞いだ状態で、係止片36pがベースホルダ34の両側の係止突部34r1に係止することで、中間ホルダ36がベースホルダ34に対して重ねられた状態に保たれる。この状態で、キャビティ34g1、34g2内の端子12が上方に移動することが規制され、上記位置決め突部34gpが凹部12gに嵌り込んだ状態が維持される。
【0055】
中間ホルダ36は、ベースホルダ34とは反対側に位置する複数(ここでは2つ)のキャビティ36g1、36g2を有する。キャビティ36g1、36g2は、並列しており、上方及び後方側に開口している。中間ホルダ36がベースホルダ34に合体した状態で、ベースホルダ34の前壁34FWがキャビティ36g1、36g2の前側開口よりも前側に位置する。端子12が、キャビティ36g1、36g2の上方及び後方の開口を通って、キャビティ36g1、36g2内に配置される。
【0056】
キャビティ36g1は第1キャビティの一例であり、キャビティ36g2は第2キャビティの一例である。ベースホルダ34に、より多数のキャビティが形成されてもよい。
【0057】
中間ホルダ36は、板部36Bと、仕切壁36Wと、一対の側壁36SWとを含む。
【0058】
板部36Bは、仕切壁34Wと一対の側壁34SWとの先端部に対向するように配置されて、キャビティ34g1、34g2の上方開口を塞ぐ板状部分である。ベースホルダ34に板部36Bが合体することによって、周囲四方が囲まれたキャビティ34g1、34g2が形成される。
【0059】
ベースホルダ34が壁部を有する第1部品であり、中間ホルダ36とは、蓋部として板部36Bを有する第2部品であると把握されてもよい。
【0060】
中間ホルダ36の板部36Bは、仕切壁34Wを、厚み方向に位置決めする仕切壁位置決め面40fを有している。板部36Bは、一対の側壁34SWのそれぞれを、厚み方向に位置決めする側壁位置決め面41fを有している。仕切壁位置決め面40f、側壁位置決め面41fは、壁位置決め面の一例であるし、ベース壁位置決め面の一例でもある。これらの壁位置決め面40f、41fが仕切壁34Wと一対の側壁34SWを位置決めする具体的な構成については後に説明される。
【0061】
仕切壁36Wと、一対の側壁36SWとは、板部36Bの幅方向において間隔をあけて並んでいる。板部36B上に、仕切壁36Wと一対の側壁36SWとによって区画される第1キャビティ36g1と第2キャビティ36g2とが形成される。仕切壁36Wと一対の側壁36SWとは、キャビティ36g1、36g2を区画する壁部の一例である。特に、仕切壁36Wは、第1キャビティ36g1と第2キャビティ36g2とを仕切る壁である。また、一対の側壁36SWは、キャビティ36g1、36g2の両側外側を仕切る壁である。
【0062】
キャビティ36g1、36g2の底部に位置決め突部36gpが突出している。位置決め突部36gpが端子12の当該凹部12gに嵌ることで、端子12が位置決め突部36gp内で位置決めされる。
【0063】
端子ホルダ32が中間ホルダ36を複数備えていれば、端子ホルダ32は、端子12を縦に3段以上保持できる。
【0064】
カバーホルダ38は、複数のキャビティ36g1、36g2の上方開口を塞ぐことができる程度の広がりを有する部品である。カバーホルダ38は、蓋部38Bと、ベースホルダ34の係止突部34r2に係止可能な係止片38pを有している。
【0065】
蓋部38Bが、仕切壁36Wと一対の側壁36SWとの先端部に対向するように配置されて、キャビティ36g1、36g2の上方開口を塞ぐ板状部分である。中間ホルダ36にカバーホルダ38が合体することによって、周囲四方が囲まれたキャビティ34g1、34g2が形成される。中間ホルダ36は、壁部として仕切壁36Wと一対の側壁36SWとを有する第1部品の一例であり、カバーホルダ38は蓋部を有する第2部品の一例である。
【0066】
カバーホルダ38の蓋部38Bが複数のキャビティ36g1、36g2の上方開口を塞いだ状態で、係止片38pが中間ホルダ36の外側を越えてベースホルダ34の両側の係止突部34r2に係止する。これにより、ベースホルダ34とカバーホルダ38との間に中間ホルダ36が配置された状態で、カバーホルダ38がベースホルダ34に対して合体状態に保たれる。この状態で、キャビティ36g1、36g2内の端子12が上方に移動することが規制され、上記位置決め突部36gpが凹部12gに嵌り込んだ状態が維持される。
【0067】
蓋部38Bは、仕切壁36Wを、厚み方向に位置決めする仕切壁位置決め面45fを有している。蓋部38Bは、一対の側壁36SWのそれぞれを、厚み方向に位置決めする側壁位置決め面46fを有している。仕切壁位置決め面45f、側壁位置決め面46fは、壁位置決め面の一例でもある。これらの壁位置決め面45f、46fが仕切壁36Wと一対の側壁36SWを位置決めする具体的な構成については後に説明される。
【0068】
複数の端子12が端子ホルダ32によって保持された状態で、複数の電線16がキャビティ34g1、34g2、36g1、36g2の後方開口から延出する。
【0069】
端子ホルダ32のうちキャビティ34g1、34g2から電線16を延出させるための開口縁部がベースホルダ34側の出口開口縁部35h1、35h2である。出口開口縁部35h1は、ベースホルダ34の第1キャビティ34g1に対応する縁部であり、当該第1キャビティ34g1の後縁に位置する、ベースホルダ34側の第1出口開口縁部35h1である。出口開口縁部35h2は、ベースホルダ34の第2キャビティ34g2に対応する縁部であり、当該第2キャビティ34g2の後縁に位置する、ベースホルダ34側の第2出口開口縁部35h2である。
【0070】
端子ホルダ32のうちキャビティ36g1、36g2から電線16を延出させるための開口縁部が中間ホルダ36側の出口開口縁部37h1、37h2である。出口開口縁部37h1は、中間ホルダ36の第1キャビティ36g1に対応する縁部であり、当該第1キャビティ36g1の後縁に位置する、中間ホルダ36側の第1出口開口縁部37h1である。出口開口縁部37h2は、中間ホルダ36の第2キャビティ36g2に対応する縁部であり、当該第2キャビティ36g2の後縁に位置する、中間ホルダ36側の第2出口開口縁部37h2である。
【0071】
キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2の延在方向において、中間ホルダ36の出口開口縁部37h1、37h2よりも、ベースホルダ34の出口開口縁部35h1、35h2が後方外側に位置している。
【0072】
出口開口縁部37h1、37h2から延出する電線16の方が、ベースホルダ34の出口開口縁部35h1、35h2から延出する電線16よりも端子ホルダ32に対して外側に位置しているため、出口開口縁部37h1、37h2から延出する電線16の方が引っ張られやすい可能性がある。
【0073】
出口開口縁部35h1、35h2、37h1、37h2は、キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2の内周面から当該キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2の延在方向に対して交差する方向に向って曲面をなしつつ曲る凸曲面35h1a、35h1b、35h2a、35h2b、37h1a、37h1b、37h2a、37h2bを有する。
【0074】
凸曲面35h1a、35h2a、37h1a、37h2aは、キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2に対して下側に形成されている。よって、電線16が下側に引出される際、当該電線16が凸曲面35h1a、35h2a、37h1a、37h2aに押し当てられる。これにより、電線16と出口開口縁部35h1、35h2、37h1、37h2との接触面積が大きくなり、電線16に作用する力が広範囲に分散する。
【0075】
凸曲面35h1b、35h2b、37h1b、37h2bは、キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2に対して側方、ここでは、右側に形成されている。よって、電線16が側方である右側に引出される際、当該電線16が凸曲面35h1b、35h2b、37h1b、37h2bに押し当てられる。これにより、電線16と出口開口縁部35h1、35h2、37h1、37h2との接触面積が大きくなり、電線16に作用する力が広範囲に分散する。
【0076】
電線16に対する接触面積を大きくするため、凸曲面は、なるべく大きい曲率半径で、なるべく長い弧をなしていることが好ましい。そこで、端子ホルダ32のベースホルダ34は、厚肉形成部34pを有している。本実施形態では、厚肉形成部34pは、キャビティ34g1、34g2のうち出口開口縁部35h1、35h2側の部分をキャビティ34g1、34g2の内側に突出させる部分である。より具体的には、仕切壁34Wの両側部と、一方側(右側)の側壁34SWの内向き部分とのそれぞれから底に向う部分に、厚肉形成部34pが形成されている(図6参照)。35h1a、35h1b、35h2a、35h2bは、当該厚肉形成部34pからキャビティ34g1、34g2の延在方向に対して交差する外方向に向う曲面に形成されている。
【0077】
凸曲面35h1a、35h1b、35h2a、35h2bを、厚肉形成部34pによって厚く形成することで、凸曲面35h1a、35h1b、35h2a、35h2bを大きい曲率半径かつ広い範囲に延在させ易くなる。また、凸曲面35h1a、35h1b、35h2a、35h2bの外側部分で、端子ホルダ32が薄肉になることが抑制される。
【0078】
また、前壁34FWに相手側端子が通過可能な貫通孔が形成されている。複数の相手側端子のそれぞれは、当該貫通孔を通って対応する端子12に接続される。
【0079】
端子ホルダ32の側面にランス66が係止可能な係止凹部33が形成されている。本実施形態では、カバーホルダ38の係止片38pの基端部に内外に貫通する方形状の孔が形成されており、当該孔が係止凹部33である。ランスが係止する凹部は、有底凹部であってもよい。
【0080】
<ハウジングについて>
図8及び図9はハウジング50を部分的に切り欠いた斜視図である。図10図2のX-X線断面図である。図9において端子モジュール30は断面図ではなく平面図として描かれている。
【0081】
図1から図5図8から図10に示すように、ハウジング50は、樹脂等による金型成形部品である。上記したように、ハウジング50は、ホルダ保持部60と、電線案内部52とを備える。
【0082】
ホルダ保持部60は、端子モジュール30を保持することによって、端子12を保持する部分である。また、ホルダ保持部60は、端子12を保持した状態で、相手側コネクタと接続される部分である。
【0083】
本実施形態では、ホルダ保持部60は、収容壁部62と、外壁部68とを備える。
【0084】
収容壁部62は、端子モジュール30を囲む筒状に形成されている。外壁部68は、収容壁部62のうち前寄りの部分を、間隔をあけて囲う筒状に形成されている。本実施形態では、収容壁部62及び外壁部68は、角筒状に形成されている。ここで、角筒状は、角が直角である角筒だけでなく、角筒の角が丸められている形状であってもよい。
【0085】
収容壁部62のうち後側開口が第1開口62aであり、前側開口が第2開口62bである。端子モジュール30は、第1開口62aから電線16を引出した状態で、収容壁部62内に配置される。
【0086】
収容壁部62の延在方向中間部と、外壁部68の後端部とは、連結壁61を介して連なっている。つまり、連結壁61は、収容壁部62の延在方向中間部に位置し、収容壁部62のうち連結壁61よりも前側の部分が、外壁部68と共に二重壁をなす。
【0087】
上記収容壁部62の前側の部分及び外壁部68は、相手側コネクタに接続される部分である。相手側コネクタの筒状部分が、収容壁部62の前側の部分と外壁部68との間に入り込むことができる。このため、端子12と相手側端子との接続部分が、収容壁部62、相手側コネクタの筒状部分及び外壁部68で囲まれる。これにより、端子接続箇所の止水性、保護性が高められる。また、収容壁部62と相手側コネクタの筒状部分との間に環状弾性部材G1を介在させることができ、これにより、上記接続箇所に対する止水性が高められる。
【0088】
上記外壁部68の周方向の一部(上部)に、相手側コネクタに係止するロック片68aが形成されている。
【0089】
収容壁部62の後側の部分は、前側の部分よりも肉厚に形成されており、外壁部68の後端よりも後方に延び出ている。
【0090】
ホルダ保持部60がランス66を有している。ランス66は、収容壁部62に連なる基端を支点として弾性変形可能に形成されている。ランス66は、収容壁部62の内側に突出して収容壁部62内の端子モジュール30に係止可能な係止突部67を有している。
【0091】
ランス66は、収容壁部62の内外に弾性変形可能に形成されている。ランス66の係止突部67は初期状態において収容壁部62の内側に突出している。収容壁部62内に端子モジュール30が挿入される際、ランス66は外側に弾性変形して、端子モジュール30の挿入を許容する。収容壁部62内に端子モジュール30が収容された状態で、ランス66が弾性力によって内周側の元の位置に復帰する。これにより、係止突部67が端子モジュール30に係止することができる。
【0092】
より具体的には、収容壁部62の前側部分は、一対の側壁63と、上壁64と、下壁65とを有している。一対の側壁63と、上壁64と、下壁65とが角筒をなすように連なっている。
【0093】
上壁64と下壁65とは、一対の側壁63よりも前側に延出している。一対の側壁63の前縁から板状のランス66が延出している。
【0094】
ランス66は、収容壁部62の内外に弾性変形可能に形成されている。本実施形態では、ランス66は、側壁63の前縁から前側に延出する板状に形成されている。ランス66の上縁と上壁64との間、ランス66の下縁と下壁65との間に前後方向に沿ってスリットSが形成されている。このため、ランス66は、側壁に連なる後端側の基端66Pを支点として収容壁部62の内外に弾性変形できる。つまり、ランス66は、収容壁部62の軸方向に沿って、収容壁部62から電線16が延出する側とは反対側の前側(第2開口62b側)に向うように片持ち状に支持されている。
【0095】
係止突部67は、ランス66のうち端子部品収容空間62S側に突出する部分である。本実施形態では、係止突部67は、ランス66の幅方向において部分的に突出している。より具体的には、係止突部67は、ランス66の内面のうち上寄りの部分に形成されている。収容壁部62内に端子モジュール30が収容された状態で、係止突部67が端子モジュール30の係止凹部33に嵌る位置に形成されている。係止突部67は、後方に向って徐々に突出寸法を小さくするガイド面67f1を有している。端子モジュール30を収容壁部62内に挿入する際、端子モジュール30がガイド面67f1に押し当てられることで、係止突部67を外側に移動させることができる。ランス66が初期形状に戻って係止突部67が端子モジュール30の係止凹部33に嵌ることで、端子モジュール30が後方に抜出ないように位置規制される。
【0096】
電線案内部52は、ホルダ保持部60と共に樹脂で金型一体成形された部分である。電線案内部52は、角筒状に形成されている。電線案内部52の上端部は、収容壁部62の後端側に連なっている。電線案内部52は、収容壁部62の後端側に連なっている部分から下方に延びる。電線案内部52の内部空間は、端子モジュール30の後方から下方に向うように形成される。端子モジュール30から延出する電線16は、端子モジュール30の後方において電線案内部52の上側内部空間で下方に曲る。電線16は、さらに電線案内部52内を通って下方に導きだされる。
【0097】
電線案内部52の後部には、セット用開口52hが形成される。
【0098】
セット用開口52hは、収容壁部62の後方に開口しているため、端子モジュール30を、当該セット用開口52hを通じて収容壁部62内にセットし易い。また、セット用開口52hは、収容壁部62の後方から下方の電線16の電線引出方向に沿って開口している。このため、端子モジュール30のセット作業時に、当該端子モジュール30から延出する電線16を、セット用開口52hを通じてハウジング50から引出しておくことができる。このため、端子モジュール30のセット作業時に、電線16の取回スペースを確保し易い。
【0099】
セット用開口52hは、カバー部材70によって閉じられる。カバー部材70は、樹脂等で金型一体成形された部品である。カバー部材70は、セット用開口52hを閉じる板状のカバー本体71と、当該カバー部材70から延出する係止片72とを有する。カバー本体71がセット用開口52hを閉じた状態で、ハウジング50の外側面の係止突部50p1が係止片72の係止孔に係止する。これにより、カバー部材70がセット用開口52hを閉じた状態で、ハウジング50と合体する。
【0100】
セット用開口52hの内周縁とカバー部材70との間に、それらの隙間を塞ぐ環状弾性部材G2が配置されてもよい。
【0101】
電線案内部52のうちホルダ保持部60とは反対側の下端部は、全体が囲まれた引出端部54に形成されている。電線16は、電線案内部52を通り、さらに、当該引出端部54を通って外側に引出される。
【0102】
上記引出端部54にゴム栓G3が装着されており、電線16がゴム栓G3に形成された挿通孔に挿通されていてもよい。これにより、電線16を伝った水の侵入が抑制される。ゴム栓G3は、押え部材74によって引出端部54から脱しないように外から押えられていてもよい。
【0103】
本実施形態では、電線案内部52が、電線16を下方に案内する例が説明された。電線案内部52は、電線16を他の方向に案内してもよい。例えば、電線案内部52は、電線16を真後ろ、右、左又は上に案内してもよい。後に、電線案内部がホルダ保持部に対して水平方向、より具体的には、右方向に延出するハウジングの例が説明される。
【0104】
<リテーナについて>
図2から図5図8から図10に示すように、リテーナ90は、ランス66の弾性変形を規制する部材である。より具体的には、リテーナ90は、ランス66が外側に変形することを規制する。ランス66が端子モジュール30に係止した状態で、リテーナ90によってランス66が外側に変形することが規制される。これにより、収容壁部62からの端子モジュール30の抜けが抑制される。
【0105】
リテーナ90は、樹脂等による金型成形部品である。本実施形態では、リテーナ90は、収容壁部62のうち前側の第2開口62b側の端部に装着される。
【0106】
より具体的には、リテーナ90は、前壁91と、周壁92とを備える。
【0107】
前壁91は、第2開口62bを塞ぐように配置可能な板状に形成されている。前壁91のうち各端子12に対応する位置に、相手側端子が通過可能な貫通孔が形成されている。
【0108】
周壁92は、収容壁部62のうち前側端部の外周面を囲む角筒状に形成されている。周壁92のうち左右の壁部分の内面に装着用凹部92gが形成されている(図8参照)。本実施形態では、ランス66の外向き面に装着用突部62pが形成されている(図9参照)。装着用突部は収容壁部62の外面に形成されてもよい。リテーナ90を収容壁部62の先端に外嵌めすると、装着用突部62pが装着用凹部92gに嵌り込む。これにより、周壁92が収容壁部62のうち前側端部の外周面を囲むと共に、前壁91が収容壁部62の前側に配置された状態で、リテーナ90が収容壁部62の前端部に装着される。
【0109】
リテーナ90は、ランス66の外側に位置してランス66の外側への移動を規制する規制部94を有している。本実施形態では、周壁92のうち左右の壁部分の内面であって装着用凹部92gの隣の部分が規制部94である。リテーナ90が収容壁部62の前端部に装着された状態で、規制部94がランス66の外向き面に対向する位置に配置される。ここでは、規制部94は、ランス66のうち先端部の外向き面に対向する位置に配置される。
【0110】
規制部94とランス66とは接触していてもよい。係止凹部33に対する係止突部67の係止を解除できない範囲で、規制部94とランス66との間に隙間が形成されてもよい。当該隙間は可及的に小さく設定されることが好ましい。
【0111】
<端子モジュールの保持構造>
端子モジュール30が後側から収容壁部62内に挿入されると、端子モジュール30の前端縁が係止突部67のガイド面67f1に接触し、ランス66を外側に変位させる。端子モジュール30の前端縁が係止突部67を越えると、ランス66が弾性力によって元の形状に戻って、係止突部67が係止凹部33に嵌り込む。これにより、端子モジュール30の後方への抜止めがなされる。
【0112】
また、端子モジュール30の後端の突部30Pが収容壁部62の後端部に接触することで、端子モジュール30の前方への移動が規制される(図10参照)。
【0113】
この後、リテーナ90が収容壁部62の前端部に装着される。すると、規制部94がランス66の外向き面に対向する。これにより、ランス66の先端部が外向きに移動することが規制され、係止突部67が係止凹部33から離れる外側に移動し難くなる。
【0114】
<壁部の位置決め構造について>
図11図3のXI-XI線断面図である。図12及び図13は、図11の断面と平行、かつ、前後方向の位置が異なる面における断面図である。図11は上側の仕切壁36W及び一対の側壁36SWが位置決めされる部分を示している。図12は下側の仕切壁34W及び一対の側壁34SWが位置決めされる部分を示している。図13は仕切壁36W及び一対の側壁36SWが蓋部38Bによって位置決めされない部分を示している。図14図3のXIV-XIV線断面図である。図14において端子12の側面図が重ねて示されている。
【0115】
主に図6図7図11及び図14を参照して、仕切壁36W及び一対の側壁36SWの位置決め構造について説明する。
【0116】
仕切壁36Wに壁位置決め突部45Pが形成されている。壁位置決め突部45Pは、仕切壁36Wの先端から突出する部分的な突部である。壁位置決め突部45Pは、仕切壁36Wの先端のうち当該仕切壁36Wの延在方向中央よりも電線16が延出する端側、つまり、後側に形成されていることが好ましい。
【0117】
より好ましくは、壁位置決め突部45Pは、キャビティ36g1、36g2内に収容される端子12の端子接続部12bよりも後側に位置することが好ましい(図14参照)。即ち、側面視した場合に、前後方向において、壁位置決め突部45Pが端子接続部12bと重ならない範囲に配置されることが好ましい。本実施形態では、壁位置決め突部45Pは、電線接続部12aのうち芯線圧着部から後方に位置する。壁位置決め突部45Pの後端は、仕切壁36Wの後端縁に連なっている。
【0118】
蓋部38Bの下面の幅方向中間部であって上記壁位置決め突部45Pが対向する部分に、壁位置決め溝45gが形成されている。壁位置決め溝45gは、前後方向に沿って延びる溝である。仕切壁36Wの先端、ここでは、上記壁位置決め突部45Pが壁位置決め溝45gに嵌る。壁位置決め溝45gの内面が、仕切壁36Wを、その厚み方向に位置決めする壁位置決め面であり、本実施形態では、仕切壁位置決め面である。特に、壁位置決め溝45gの内面のうち左右一対の内面が壁位置決め面45fである。
【0119】
壁位置決め溝45gの幅は、壁位置決め突部45Pの厚みに応じ、仕切壁36Wをその厚み方向に位置決め可能な大きさに設定される。例えば、壁位置決め溝45gの幅は、壁位置決め突部45Pの厚みと同じであってもよい。電線16の引張りによって仕切壁36Wと共に壁位置決め突部45Pが変位した場合に、当該壁位置決め突部45Pの変位を規制できる範囲で、壁位置決め溝45gの幅は、壁位置決め突部45Pの厚みよりも大きくてもよい。
【0120】
本実施形態では、壁位置決め突部45Pの位置に対応して、壁位置決め溝45gは、蓋部38Bのうち後端寄りの部分に形成されている。よって、壁位置決め面45fは、仕切壁36Wのうち電線16が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されている。
【0121】
一対の側壁36SWのそれぞれに壁位置決め突部46Pが形成されている。壁位置決め突部46Pは、側壁36SWの先端から突出する部分的な突部である。壁位置決め突部45Pと同様に、壁位置決め突部46Pは、側壁36SWの先端のうち当該側壁36SWの延在方向中央よりも電線16が延出する端側、つまり、後側に形成されていることが好まく、端子接続部12bよりも後側に位置することより好ましい。
【0122】
本実施形態では、壁位置決め突部46Pは、電線接続部12aのうち芯線圧着部から後方に位置する。壁位置決め突部46Pの後端は、側壁36SWの後端縁よりも前側に位置する(図6参照)。
【0123】
壁位置決め突部46Pの外向き面は、側壁36SWの外面よりも突出している。また、壁位置決め突部46Pの外向き面は、上方に向けて徐々に内向き傾斜する面を有している。
【0124】
蓋部38Bのうち壁位置決め突部46Pに対向する部分に壁位置決め溝46gが形成されている。壁位置決め溝46gは、前後方向に沿って延びる溝である。また、壁位置決め溝46gは、蓋部38Bの上下に貫通している。また、壁位置決め溝45gは、側壁36SWの内面の部分的な凹みを形成している。
【0125】
側壁36SWの先端、ここでは、上記壁位置決め突部46Pが壁位置決め溝46gに嵌る。壁位置決め溝46gの内面が、側壁36SWを、その厚み方向に位置決めする壁位置決め面であり、本実施形態では、側壁位置決め面である。特に、壁位置決め溝46gの内面のうち側壁36SWの内面に対して凹む面が壁位置決め突部46Pの外向き面にあたって外側への移動を規制する壁位置決め面46fである。また、壁位置決め溝46gの内面のうち蓋部38Bに形成されて外側を向く面が、壁位置決め突部46Pの内向き面にあたって内側への移動を規制する壁位置決め面46fである。
【0126】
壁位置決め溝45gと同様に、壁位置決め溝46gの幅は、壁位置決め突部46Pの厚みに応じ、側壁36SWをその厚み方向に位置決め可能な大きさに設定される。
【0127】
本実施形態では、壁位置決め突部46Pの位置に応じて、壁位置決め溝46gは、蓋部38Bのうち後端寄りの部分に形成されている。よって、壁位置決め面46fは、側壁36SWのうち電線16が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されている。
【0128】
カバーホルダ38の蓋部38Bのうち壁位置決め溝45gよりも前側には、仕切壁36Wの先端部が嵌り込む溝は形成されていない(図7図12及び図13参照)。このため、蓋部38Bは、壁位置決め突部45Pよりも前側の部分で、仕切壁36Wの先端に対向すると共にその厚み方向に平面的に広がる平面38Bfを有する。蓋部38Bのうち仕切壁36Wの両側よりも離れた位置には、各キャビティ36g1、36g2内の端子接続部12bを押え付けるための押え突部38Bpが形成されている。2つの押え突部38Bpの内面間の幅は、壁位置決め溝45gの幅よりも大きい。押え突部38Bpは、仕切壁36Wの側面には接触しない程度に、仕切壁36Wから離れている。
【0129】
主に図6図7図12及び図14を参照して、仕切壁34W及び一対の側壁34SWの位置決め構造について説明する。
【0130】
仕切壁34Wに壁位置決め突部40Pが形成されている。壁位置決め突部40Pは、仕切壁34Wの先端から突出する部分的な突部である。壁位置決め突部40Pは、仕切壁34Wの先端のうち当該仕切壁34Wの延在方向中央よりも電線16が延出する端側、つまり、後側に形成されていることが好ましい。
【0131】
より好ましくは、壁位置決め突部40Pは、キャビティ34g1、34g2内に収容される端子12の端子接続部12bよりも後側に位置することが好ましい(図14参照)。即ち、側面視した場合に、前後方向において、壁位置決め突部40Pが端子接続部12bと重ならない範囲に配置されることが好ましい。本実施形態では、壁位置決め突部40Pは、電線接続部12aのうち被覆圧着部から後方に位置する。壁位置決め突部40Pの後端は、仕切壁34Wの後端縁に連なっている。
【0132】
板部36Bの下面の幅方向中間部であって上記壁位置決め突部40Pが対向する部分に、壁位置決め溝40gが形成されている。壁位置決め溝40gは、前後方向に沿って延びる溝である。仕切壁34Wの先端、ここでは、上記壁位置決め突部40Pが壁位置決め溝40gに嵌る。壁位置決め溝40gの内面が、仕切壁34Wを、その厚み方向に位置決めする壁位置決め面であり、本実施形態では、仕切壁位置決め面である。特に、壁位置決め溝40gの内面のうち左右一対の内面が壁位置決め面40fである。
【0133】
壁位置決め溝40gの幅と、壁位置決め突部40Pの厚みとの関係は、壁位置決め溝45gの幅と壁位置決め突部45Pの厚みとの関係と同じとすることができる。
【0134】
一対の側壁34SWのそれぞれにも、上記と同様に、壁位置決め突部41Pが形成されている。また、板部36Bのうち一対の壁位置決め突部41Pが対向する部分に、壁位置決め溝40gと同様に、壁位置決め溝41gが形成されている。
【0135】
仕切壁34Wのうち電線16が延出される側である後側の縁に、キャビティ36g1、36g2内に突出する厚肉形成部34pが形成されている。壁位置決め突部40Pは、壁位置決め突部40Pの後端縁にも連なってキャビティ36g1、36g2内に突出している。つまり、壁位置決め突部40Pの後端縁は、その前側部分よりも肉厚に形成されている。
【0136】
壁位置決め溝40gの壁位置決め面は、厚肉形成部34pを仕切壁34Wの厚み方向に位置決めする。より具体的には、壁位置決め溝40gの後端部は、その前側部分よりも幅広に形成されている。厚肉形成部34pが壁位置決め溝45gの後端部の幅広部分に挿入されて、仕切壁34Wの厚み方向に位置決めされる。壁位置決め突部40Pのうち厚肉形成部34pよりも前側部分が壁位置決め溝45gの後端部よりも前側の幅狭部分に挿入されて、仕切壁34Wの厚み方向に位置決めされる。
【0137】
壁位置決め突部40Pが厚肉形成部34pによって変形し難い事に加えて、当該厚肉形成部34p自体が位置決めされている。このため、厚肉形成部34pが無い場合と比較して、壁位置決め溝40gは、厚肉形成部34pを含む仕切壁34Wをその厚み方向によりしっかりと位置決めできる。
【0138】
壁位置決め突部41Pについても厚肉形成部が形成されると共に、当該厚肉形成部が壁位置決め溝によって位置決めされてもよい。
【0139】
<電線の案内方向について>
上記ハウジング50は、電線案内部52がホルダ保持部60に対して下方向に延びている。端子モジュール30は、ハウジング50とは異なる方向に電線16を案内するハウジングに装着されてもよい。
【0140】
図15はコネクタ20とは別のコネクタ120を示す斜視図である。図16はコネクタ120を示す分解斜視図である。図17図15のXVII-XVII線断面図である。本コネクタ120は、端子モジュール30に対して電線16を横方向に案内するように構成されている。
【0141】
本コネクタ120について、コネクタ20との相違点を中心に説明する。
【0142】
コネクタ120は、端子付電線11と、端子ホルダ32と、ハウジング150とを備える。
【0143】
端子付電線11及び端子ホルダ32は、上記コネクタ20に関して説明した端子付電線11及び端子ホルダ32と同じである。このため、端子モジュール30は、コネクタ20及びコネクタ120に共通する部品として用いられる。
【0144】
リテーナ90も、上記コネクタ20に関して説明したリテーナ90と同じであってもよい。
【0145】
ハウジング150は、ホルダ保持部60と、電線案内部152とを備える。ホルダ保持部60は、コネクタ20に関して説明したホルダ保持部60と同じ形状部分であってもよい。
【0146】
電線案内部152は、上記電線案内部52と同様に、ホルダ保持部60と共に樹脂で金型一体成形された部分であり、角筒状に形成されている。
【0147】
電線案内部52とは異なり、電線案内部152は、水平方向に延在しており、その一端部(左段部)が収容壁部62の後端側に連なっている。よって、電線案内部152は、収容壁部62の後端側に連なっている部分から水平方向に延びる。電線案内部152の内部空間は、端子モジュール30の後方から水平方向に沿って右側に向うように形成される。端子モジュール30から延出する電線16は、端子モジュール30の後方において電線案内部152の一端部(左端部)の内部空間で右方向に曲る。電線16は、さらに電線案内部152内を通って右外側に導き出される。
【0148】
つまり、ハウジング50及びハウジング150は、端子モジュール30から延出する電線16を、端子12の延在方向に対して交差する方向に案内しているが、案内方向が異なっている。ハウジング50は、電線16を、ベースホルダ34に対する中間ホルダ36の積層方向に沿ってベースホルダ34側に案内している。ハウジング150は、電線16を、第1キャビティ34g1、36g1と第2キャビティ34g2、36g2とが並ぶ方向(図6参照)に沿って案内している。
【0149】
電線案内部152の後部には、電線案内部52と同様に、セット用開口152hが形成される。
【0150】
セット用開口152hは、収容壁部62の後方に開口しているため、端子モジュール30を、当該セット用開口152hを通じて収容壁部62内にセットし易い。また、セット用開口152hは、収容壁部62の後方から水平方向に沿った電線16の引出方向に沿って開口している。このため、端子モジュール30のセット作業時に、当該端子モジュール30から延出する電線16を、セット用開口152hを通じてハウジング150から引出しておくことができる。このため、端子モジュール30のセット作業時に、電線16の取回スペースを確保し易い。
【0151】
セット用開口152hは、カバー部材70によって閉じられる。上記コネクタ20に関して説明したカバー部材70と同じであってもよい。カバー本体71がセット用開口152hを閉じた状態で、ハウジング150の外側面の係止突部150p1が係止片72の係止孔に係止する。これにより、カバー部材70がセット用開口152hを閉じた状態で、ハウジング150と合体する。
【0152】
セット用開口152hの内周縁とカバー部材70との間に、それらの隙間を塞ぐ環状弾性部材G2が配置されてもよい。
【0153】
電線案内部152のうちホルダ保持部60とは反対側の下端部は、電線案内部52と同様に、全体が囲まれた引出端部54に形成されている。電線16は、電線案内部152を通り、さらに、当該引出端部54を通って外側に引出される。
【0154】
上記引出端部54にゴム栓G3が装着されており、電線16がゴム栓G3に形成された挿通孔に挿通されていてもよい。これにより、電線16を伝った水の侵入が抑制される。ゴム栓G3は、押え部材74によって引出端部54から脱しないように外から押えられていてもよい。
【0155】
本コネクタ20においては、電線16が右側に引出されている。このため、端子モジュール30をハウジング150に組込む際に、電線16が引っ張られると、電線16が仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWの後端縁にあたって右方向に押す可能性がある。電線16が仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWを押す力は、壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pが壁位置決め溝40g、41g、45g、46gに嵌り込む構造によって受止められる。このため、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWが変形し難く、端子モジュール30の強度が向上する。端子モジュール30の強度が向上することから、端子モジュール30の端子12、特に、端子接続部12bに影響を及し難い。
【0156】
<効果等>
以上のように構成され得た端子モジュール30及びコネクタ20、120によると、キャビティ34g1、34g2、36g1、36g2から延出する電線16が引っ張られることによって、電線16が仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWに押し当てられる可能性がある。この場合、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWに、その厚み方向に押す力が加わる。仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWの先端が壁位置決め面40f等によってその厚み方向に位置決めされる。このため、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWをその厚み方向に押す力は、壁位置決め面40f等によって受止められる。よって、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWが変形し難くなり、端子モジュール30の強度がより向上する。また、端子モジュール30の強度が向上する結果、端子モジュール30の取回し性が向上し、端子モジュール30及びコネクタ20、120の製造コストが低減され得る。
【0157】
また、壁位置決め面40f等は、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWのうち電線16が延出する側の端部を位置決めする位置に形成されている。電線16が延出する側で仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWが電線16によって押され易い。このため、電線16によって仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWが押される力を、後側の壁位置決め面40f等によって効果的に受止めることができる。
【0158】
また、壁位置決め溝40g、41g、45g、46gの内面が壁位置決め面40f等であるため、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWの先端を位置決めする構成を実現し易い。
【0159】
また、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWのうちその延在方向中央よりも後側に壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pが形成されており、これらの壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pが壁位置決め溝40g、41g、45g、46gに嵌っている。
【0160】
このため、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWのうち電線16が延出する後側の部分が、突部と溝との嵌り合い構造によって効果的に位置決めされる。
【0161】
また、蓋部38Bは、壁位置決め突部45Pよりも前側で、仕切壁36Wの先端に対向すると共にその厚み方向に平面的に広がる面38Bfを有する。このため、仕切壁36Wが厚み方向に変形したとしても、カバーホルダ38のうち前側の部分には、影響が及び難い。これにより、端子12の先端部に外力が及び難い。
【0162】
特に、壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pが端子接続部12bよりも後側に位置していれば、端子接続部12bよりも後側で仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWを位置決めできるので、端子12の先端部に外力が及び難い。
【0163】
また、仕切壁34Wは、後端縁に厚肉形成部34pを有し、壁位置決め溝45gが厚肉形成部34pを仕切壁34Wの厚み方向に位置決めしている。電線16が引っ張られた場合の力は、仕切壁34Wのうち後端縁部に最も強く作用すると考えられる。仕切壁34Wのうち後端縁に位置する厚肉形成部34pが壁位置決め溝45gによって位置決めされれば、当該力が効果的に受止められる。
【0164】
また、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWのそれぞれに、壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pが形成され、壁位置決め突部40P、41P、45P、46Pのそれぞれが壁位置決め溝40g、41g、45g、46gによって位置決めされる。このため、複数のキャビティ34g1、34g2、36g1、36g2から延出するいずれの電線16が引張られた場合でも、当該引張り力に耐え得るように、仕切壁34W、36W、側壁34SW、36SWを位置決めできる。
【0165】
また、上側のキャビティ36g1、36g2の出口開口縁部37h1、37h2が、下側のキャビティ34g1、34g2の出口開口縁部35h1、35h2よりも外側に位置している。外側の上側のキャビティ36g1、36g2から延出する電線16が強い力で引っ張られ易い可能性がある。そこで、当該キャビティ36g1、36g2を区画する仕切壁36W、側壁36SWを位置決めすることで、電線16の引張り力を効果的に受止めることができる。
【0166】
また、第1部品としてのベースホルダ34が、ベース壁部としての仕切壁34W、側壁34SWを位置決めするベース壁位置決め面として壁位置決め面40f、41fを有することで、ベースキャビティであるキャビティ34g1、34g2を区画する仕切壁34W、側壁34SWについても、位置決めすることができる。
【0167】
また、上記端子モジュール30がハウジング50、150を有するコネクタ20、120に適用されることで、端子モジュール30をハウジング50、150内に組込む際に、電線16が引っ張られることによって仕切壁34W、側壁34SWに力が加わっても、当該力が壁位置決め面40f、41f、45f、46fによって効果的に受止められる。
【0168】
[変形例]
なお、上記実施形態において、仕切壁または側壁の先端の延在方向全体が蓋部または板部に形成された溝に嵌ってもよい。
【0169】
また、板部または蓋部からキャビティ側に向けて、かつ、壁部を挟込む位置に第1突部と第2突部とを形成し、当該第1突部と第2突部との間で壁部の先端部を挟込んで、壁部を厚み方向の位置決めしてもよい。この場合、第1突部と第2突部のそれぞれのうち互いに対向する面を壁位置決め面とすることができる。
【0170】
なお、上記実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0171】
11 端子付電線
12 端子
12a 電線接続部
12b 端子接続部
12g 凹部
16 電線
20、120 コネクタ
30 端子モジュール
30P 突部
32 端子ホルダ
33 係止凹部
34 ベースホルダ
34B 底部
34FW 前壁
34SW 側壁(ベース壁部、壁部)
34W 仕切壁(ベース壁部、壁部)
34g1 第1キャビティ(ベースキャビティ)
34g2 第2キャビティ(ベースキャビティ)
34gp、36gp 位置決め突部
34p 厚肉形成部
34r1、34r2 係止突部
35h1、37h1 第1出口開口縁部(出口開口縁部)
35h2、37h2 第2出口開口縁部(出口開口縁部)
35h1a、35h1b、35h2a、35h2b、37h1a、37h1b、37h2a、37h2b 凸曲面
36 中間ホルダ(第1部品)
36B 板部
36p、38p 係止片
36SW 側壁(壁部)
36W 仕切壁(壁部)
36g1 第1キャビティ(キャビティ)
36g2 第2キャビティ(キャビティ)
38 カバーホルダ(第2部品)
38B 蓋部
38Bf 平面(面)
38Bp 押え突部
40P 壁位置決め突部
40f 仕切壁位置決め面(壁位置決め面、ベース壁位置決め面)
40g 壁位置決め溝
41P 壁位置決め突部
41f 側壁位置決め面(壁位置決め面、ベース壁位置決め面)
41g 壁位置決め溝
45P 壁位置決め突部
45f 仕切壁位置決め面(壁位置決め面)
45g 壁位置決め溝
46P 壁位置決め突部
46f 側壁位置決め面(壁位置決め面)
46g 壁位置決め溝
50、150 ハウジング
50p1、150p1 係止突部
52、152 電線案内部
52h、152h セット用開口
54 引出端部
60 ホルダ保持部
61 連結壁
62 収容壁部
62S 端子部品収容空間
62a 第1開口
62b 第2開口
62p 装着用突部
63 側壁
64 上壁
65 下壁
66 ランス
66P 基端
67 係止突部
67f1 ガイド面
68 外壁部
68a ロック片
70 カバー部材
71 カバー本体
72 係止片
74 押え部材
90 リテーナ
91 前壁
92 周壁
92g 装着用凹部
94 規制部
G1 環状弾性部材
G2 環状弾性部材
G3 ゴム栓
S スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17