(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147132
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】モータ、ポンプ装置およびモータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059949
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 直哉
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605AA08
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC01
(57)【要約】
【課題】部品コストを低減することが可能になるとともに、製造工程を簡素化することが可能なモータを提供する。
【解決手段】モータ3は、駆動用コイル21から引き出されて回路基板6に接続される引出し導線部分25の一部が内周側に配置されるガイドパイプ7を備えており、ガイドパイプ7のZ1方向側の端面は、インシュレータ23のZ2方向側の端面に接触している。回路基板6には、ガイドパイプ7からZ2方向側に向かって突出する引出し導線部分25の端部が半田付けされて固定され、ガイドパイプ7のZ1方向側の端部には、ガイドパイプ7の外周面から内周面に通じるとともに引出し導線部分25の一部が配置される開口部が形成されている。引出し導線部分25は、ガイドパイプ7の内周側でたるんでおり、インシュレータ23には、インシュレータ23のZ2方向側の端面から突出するとともにガイドパイプ7の内周側に配置される突起部が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動用磁石を有するロータと、複数の駆動用コイルを有するステータと、複数の前記駆動用コイルが電気的に接続される回路基板と、少なくとも複数の前記駆動用コイルを覆う樹脂製の樹脂部材と、前記駆動用コイルに繋がるとともに前記駆動用コイルから引き出されて前記回路基板に接続される引出し導線部分の一部が内周側に配置される筒状の複数のガイドパイプとを備え、
前記ステータは、絶縁性材料で形成されるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、筒状に形成されるとともに前記ロータの外周側に配置され、
前記ロータの回転中心軸の軸方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
筒状に形成される前記ガイドパイプの軸方向は、前記回転中心軸の軸方向と平行になっており、
前記ガイドパイプの第2方向側の端面は、前記インシュレータの第1方向側の端面に接触し、
前記回路基板は、前記インシュレータ、前記ステータコアおよび前記ガイドパイプよりも第1方向側に配置され、
前記回路基板には、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって突出する前記引出し導線部分の端部が半田付けされて固定され、
前記ガイドパイプの第2方向側の端部には、前記ガイドパイプの外周面から内周面に通じるとともに前記引出し導線部分の一部が配置される開口部が形成され、
前記引出し導線部分は、前記ガイドパイプの内周側でたるんでおり、
前記インシュレータには、前記インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともに前記ガイドパイプの内周側に配置される突起部が形成され、
前記ガイドパイプの、少なくとも前記開口部が形成された部分は、前記樹脂部材に覆われていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記ガイドパイプは、前記ガイドパイプの第1方向側部分を構成する小径部と、前記ガイドパイプの第2方向側部分を構成する大径部とを備え、
前記大径部の外径は、前記小径部の外径よりも大きくなっており、
前記大径部の内径は、前記小径部の内径よりも大きくなっており、
前記大径部の第2方向側の端面は、前記インシュレータの第1方向側の端面に接触し、
前記突起部は、前記大径部の内周側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のモータ。
【請求項3】
前記小径部の軸心と前記大径部の軸心とが一致するとともに、前記大径部の軸心と前記突起部の軸心とが一致していることを特徴とする請求項2記載のモータ。
【請求項4】
前記回転中心軸の軸方向における前記突起部の長さは、前記回転中心軸の軸方向における前記大径部の長さよりも短くなっていることを特徴とする請求項2または3記載のモータ。
【請求項5】
前記回転中心軸の軸方向における前記突起部の長さは、前記回転中心軸の軸方向における前記開口部の幅以上の長さとなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ。
【請求項6】
前記インシュレータには、前記インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともに前記駆動用コイルから引き出される前記引出し導線部分を前記ガイドパイプの内周側に案内するための第2突起部が形成され、
前記引出し導線部分は、前記第2突起部に接触して前記第2突起部の側面に沿うように曲がっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ。
【請求項7】
前記第2突起部は、前記ガイドパイプに接触して前記回転中心軸の軸方向に直交する方向で前記ガイドパイプを位置決めしていることを特徴とする請求項6記載のモータ。
【請求項8】
前記第2突起部の第1方向側の端部には、前記引出し導線部分の一部の第1方向側に配置され前記引出し導線部分の一部の第1方向側への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴とする請求項6記載のモータ。
【請求項9】
請求項1から3のいずれかに記載のモータと、前記ロータに取り付けられる羽根車と、前記羽根車および前記ロータが配置されるとともに流体が通過するポンプ室とを備えることを特徴とするポンプ装置。
【請求項10】
請求項1から3のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
前記インシュレータを介して前記突極部に巻回された前記駆動用コイルから引き出される前記引出し導線部分の一部を前記突起部に巻き付ける導線巻付け工程と、
前記導線巻付け工程後に、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって前記引出し導線部分の端部が突出するように複数の前記ガイドパイプを配置するガイドパイプ配置工程と、
前記ガイドパイプ配置工程後に、前記ステータおよび複数の前記ガイドパイプを金型の中に配置して射出成形によって前記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、
前記樹脂部材形成工程後に、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって前記引出し導線部分の端部を引き出す導線端部引出し工程と、
前記導線端部引出し工程後に、前記樹脂部材に前記回路基板を固定する回路基板固定工程と、
前記導線端部引出し工程後に、前記引出し導線部分の端部を前記回路基板に半田付けして固定する半田付け工程とを備えることを特徴とするモータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置等で使用されるモータに関する。また、本発明は、かかるモータを備えるポンプ装置、および、かかるモータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ装置で使用されるモータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のモータは、円筒状のステータと、ステータの内周側に配置されるロータと、ステータを覆う樹脂製のハウジングと、モータを制御するための回路基板とを備えている。ステータは、ステータコアと、ステータコアに取り付けられるインシュレータと、インシュレータを介してステータコアに巻回される駆動用コイルと、インシュレータに取り付けられる金属製の端子ピン(巻線端子、コモン端子)とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のモータでは、駆動用コイルから引き出される導線の端部は、ヒュージング加工(熱カシメ加工)によって端子ピンに固定されている。端子ピンは、回路基板に半田付けされて固定されている。ハウジングは、端子ピンが取り付けられたステータを金型の中に配置した状態で行う射出成形(インサート成形)によって形成されている。すなわち、ステータとハウジングとはインサート成形によって一体化されている。端子ピンの、導線の端部が固定されている部分は、ハウジングの中に埋まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のモータでは、回路基板に駆動用コイルを電気的に接続するために金属製の端子ピンが必要になる。したがって、特許文献1に記載のモータでは、モータの部品コストが高くなるおそれがある。また、特許文献1に記載のモータでは、回路基板に駆動用コイルを電気的に接続するために、ヒュージング加工によって導線の端部を端子ピンに固定する工程と、端子ピンを回路基板に半田付けして固定する工程とが必要になる。したがって、特許文献1に記載のモータの場合、モータの製造工程が煩雑になるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、部品コストを低減することが可能になるとともに、製造工程を簡素化することが可能なモータを提供することにある。また、本発明の課題は、かかるモータを備えるポンプ装置を提供することにある。さらに、本発明の課題は、かかるモータの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のモータは、駆動用磁石を有するロータと、複数の駆動用コイルを有するステータと、複数の駆動用コイルが電気的に接続される回路基板と、少なくとも複数の駆動用コイルを覆う樹脂製の樹脂部材と、駆動用コイルに繋がるとともに駆動用コイルから引き出されて回路基板に接続される引出し導線部分の一部が内周側に配置される筒状の複数のガイドパイプとを備え、ステータは、絶縁性材料で形成されるインシュレータと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、筒状に形成されるとともにロータの外周側に配置され、ロータの回転中心軸の軸方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、筒状に形成されるガイドパイプの軸方向は、回転中心軸の軸方向と平行になっており、ガイドパイプの第2方向側の端面は、インシュレータの第1方向側の端面に接触し、回路基板は、インシュレータ、ステータコアおよびガイドパイプよりも第1方向側に配置され、回路基板には、ガイドパイプから第1方向側に向かって突出する引出し導線部分の端部が半田付けされて固定され、ガイドパイプの第2方向側の端部には、ガイドパイプの外周面から内周面に通じるとともに引出し導線部分の一部が配置される開口部が形成され、引出し導線部分は、ガイドパイプの内周側でたるんでおり、インシュレータには、インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともにガイドパイプの内周側に配置される突起部が形成され、ガイドパイプの、少なくとも開口部が形成された部分は、樹脂部材に覆われていることを特徴とする。
【0008】
本発明のモータでは、駆動用コイルに繋がるとともに駆動用コイルから引き出されて回路基板に接続される引出し導線部分の端部が回路基板に半田付けされて固定されている。そのため、本発明では、特許文献1に記載された端子ピンが不要になる。したがって、本発明では、モータの部品コストを低減することが可能になる。また、本発明では、特許文献1に記載のモータの製造時に必要となる導線の端部を端子ピンに固定する工程が不要となるため、モータの製造工程を簡素化することが可能になる。さらに、本発明では、引出し導線部分がガイドパイプの内周側でたるんでいるため、たとえば、モータが振動しても、引出し導線部分に過剰な張力が作用するのを防止することが可能になる。したがって、本発明では、引出し導線部分の断線を防止することが可能になる。
【0009】
また、本発明では、インシュレータの第1方向側の端面に第2方向側の端面が接触するガイドパイプの内周側に引出し導線部分の一部が配置されている。そのため、本発明では、たとえば、インサート成形によってステータおよび複数のガイドパイプと一体で樹脂部材を形成する場合であっても、ステータおよび複数のガイドパイプを金型の中に配置するときに、引出し導線部分が金型に引っ掛かりにくくなる。したがって、本発明では、インサート成形によってステータおよび複数のガイドパイプと一体で樹脂部材を形成する場合であっても、ステータおよび複数のガイドパイプを金型の中に容易にセットすることが可能になる。
【0010】
さらに、本発明では、インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出する突起部がガイドパイプの内周側に配置されている。そのため、本発明では、たとえば、引出し導線部分の一部を突起部に巻き付けることで、ガイドパイプの内周側で引出し導線部分をたるませることが可能になる。したがって、本発明では、ガイドパイプの内周側で引出し導線部分を容易にたるませることが可能になる。
【0011】
また、本発明では、ガイドパイプの第2方向側部分の内周側に突起部が配置されているため、たとえば、ガイドパイプの、開口部が形成された部分が樹脂部材に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部からガイドパイプの内周側に樹脂が流れ込みにくくなる。したがって、本発明では、インサート成形によってステータおよび複数のガイドパイプと一体で樹脂部材を形成する場合であっても、ガイドパイプの内周側でたるんでいる引出し導線部分が樹脂によって固められてしまうのを防止することが可能になる。
【0012】
本発明において、ガイドパイプは、ガイドパイプの第1方向側部分を構成する小径部と、ガイドパイプの第2方向側部分を構成する大径部とを備え、大径部の外径は、小径部の外径よりも大きくなっており、大径部の内径は、小径部の内径よりも大きくなっており、大径部の第2方向側の端面は、インシュレータの第1方向側の端面に接触し、突起部は、大径部の内周側に配置されていることが好ましい。
【0013】
このように構成すると、たとえば、インサート成形によってステータおよび複数のガイドパイプと一体で樹脂部材を形成する場合に、ガイドパイプの大径部と小径部との間に形成される段差部分を利用して、金型の中でステータおよび複数のガイドパイプを回転中心軸の軸方向において位置決めすることが可能になる。したがって、金型の中でステータおよび複数のガイドパイプを回転中心軸の軸方向において容易に位置決めすることが可能になる。また、このように構成すると、ガイドパイプの第1方向側部分を構成する小径部によって引出し導線部分を直線的に案内することが可能になるため、ガイドパイプから第1方向側に向かって引出し導線部分の端部を直線的に突出させることが可能になる。したがって、引出し導線部分の端部を回路基板に半田付けしやすくなる。
【0014】
本発明において、小径部の軸心と大径部の軸心とが一致するとともに、大径部の軸心と突起部の軸心とが一致していることが好ましい。このように構成すると、たとえば、ガイドパイプの内周側で引出し導線部分が突起部に巻き付けられていても、ガイドパイプの内周側で小径部に向かって引出し導線部分を容易に引き回すことが可能になる。
【0015】
本発明において、回転中心軸の軸方向における突起部の長さは、回転中心軸の軸方向における大径部の長さよりも短くなっていることが好ましい。このように構成すると、ガイドパイプの内周側で小径部に向かって引出し導線部分を引き回すときに、突起部が支障になりにくくなる。したがって、ガイドパイプの内周側で小径部に向かって引出し導線部分を容易に引き回すことが可能になる。
【0016】
本発明において、回転中心軸の軸方向における突起部の長さは、回転中心軸の軸方向における開口部の幅以上の長さとなっていることが好ましい。このように構成すると、たとえば、ガイドパイプの、開口部が形成された部分が樹脂部材に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部からガイドパイプの内周側に樹脂がより流れ込みにくくなる。
【0017】
本発明において、インシュレータには、インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともに駆動用コイルから引き出される引出し導線部分をガイドパイプの内周側に案内するための第2突起部が形成され、引出し導線部分は、第2突起部に接触して第2突起部の側面に沿うように曲がっていることが好ましい。このように構成すると、ガイドパイプの外周側から内周側に引き回される引出し導線部分の引回し経路を安定させることが可能になる。したがって、ガイドパイプの開口部を小さくしても、引出し導線部分が開口部を通過するように引出し導線部分を引き回すことが可能になる。その結果、たとえば、ガイドパイプの、開口部が形成された部分が樹脂部材に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部からガイドパイプの内周側に樹脂がより流れ込みにくくなる。
【0018】
本発明において、第2突起部は、ガイドパイプに接触して回転中心軸の軸方向に直交する方向でガイドパイプを位置決めしていることが好ましい。このように構成すると、引出し導線部分をガイドパイプの内周側に案内するための第2突起部を利用して、回転中心軸の軸方向に直交する方向でガイドパイプを位置決めすることができるため、回転中心軸の軸方向に直交する方向でガイドパイプを位置決めするための位置決め部が別途設けられている場合と比較して、モータの構成を簡素化することが可能になる。
【0019】
本発明において、たとえば、第2突起部の第1方向側の端部には、引出し導線部分の一部の第1方向側に配置され引出し導線部分の一部の第1方向側への移動を規制する規制部が形成されている。この場合には、引出し導線部分をガイドパイプの内周側に案内するための第2突起部を利用して、引出し導線部分の一部の第1方向側への移動を規制することができる。
【0020】
本発明のモータは、たとえば、ロータに取り付けられる羽根車と、羽根車およびロータが配置されるとともに流体が通過するポンプ室とを備えるポンプ装置に用いることができる。このポンプ装置では、モータの部品コストを低減することが可能になるとともに、モータの製造工程を簡素化することが可能になる。
【0021】
本発明のモータは、たとえば、インシュレータを介して突極部に巻回された駆動用コイルから引き出される引出し導線部分の一部を突起部に巻き付ける導線巻付け工程と、導線巻付け工程後に、ガイドパイプから第1方向側に向かって引出し導線部分の端部が突出するように複数のガイドパイプを配置するガイドパイプ配置工程と、ガイドパイプ配置工程後に、ステータおよび複数のガイドパイプを金型の中に配置して射出成形によって樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、樹脂部材形成工程後に、ガイドパイプから第1方向側に向かって引出し導線部分の端部を引き出す導線端部引出し工程と、導線端部引出し工程後に、樹脂部材に回路基板を固定する回路基板固定工程と、導線端部引出し工程後に、引出し導線部分の端部を回路基板に半田付けして固定する半田付け工程とを備えるモータの製造方法によって製造される。
【0022】
このモータの製造方法では、樹脂部材形成工程前の導線巻付け工程において、引出し導線部分の一部を突起部に巻き付けるとともに、樹脂部材形成工程後であって半田付け工程前の導線端部引出し工程において、ガイドパイプから第1方向側に向かって引出し導線部分の端部を引き出している。そのため、樹脂部材形成工程の前に、ガイドパイプから第1方向側に向かって突出する引出し導線部分の端部の突出量が小さくなるように引出し導線部分を引き回しても、樹脂部材形成工程の後に、回路基板に半田付けできる位置まで引出し導線部分の端部を引き出すことが可能になる。
【0023】
したがって、この製造方法でモータを製造すれば、インサート成形によってステータおよび複数のガイドパイプと一体で樹脂部材を形成しても、ステータおよび複数のガイドパイプを金型の中に配置するときに、引出し導線部分が金型により引っ掛かりにくくなる。また、このモータの製造方法では、導線巻付け工程において、引出し導線部分の一部を突起部に巻き付けているため、導線端部引出し工程において、ガイドパイプから第1方向側に向かって引出し導線部分の端部を引き出しても、完成後のモータにおいて、ガイドパイプの内周側で引出し導線部分を容易にたるませることが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明では、モータの部品コストを低減することが可能になるとともに、モータの製造工程を簡素化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるポンプ装置の断面図である。
【
図2】
図1に示すポンプ装置からケースおよびカバーを取り外した状態を底面側から示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す回路基板を取り外した状態のステータおよびハウジング等の斜視図である。
【
図4】
図1に示すステータおよびガイドパイプを底面側から示す斜視図である。
【
図5】
図3に示すガイドパイプの周辺部分の構成を説明するための断面図である。
【
図6】(A)は、
図4に示すガイドパイプの斜視図であり、(B)は、(A)に示すガイドパイプの構成を説明するための平面図である。
【
図7】
図4に示すガイドパイプを取り外した状態のステータの下端部の構成を説明するための側面図である。
【
図9】
図1に示すモータの製造方法を説明するための工程図である。
【
図10】
図9に示すガイドパイプ配置工程の後のガイドパイプの周辺部分の状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
(ポンプ装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるポンプ装置1の断面図である。
図2は、
図1に示すポンプ装置1からケース9およびカバー10を取り外した状態を底面側から示す斜視図である。
図3は、
図2に示す回路基板6を取り外した状態のステータ5およびハウジング8等の斜視図である。
図4は、
図1に示すステータ5およびガイドパイプ7を底面側から示す斜視図である。以下の説明では、
図1等のZ1方向側を「上」側とし、上側の反対側となる
図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0028】
本形態のポンプ装置1は、キャンドポンプ(キャンドモータポンプ)と呼ばれるタイプのポンプであり、たとえば、冷却用の液体を循環させるために使用される。ポンプ装置1は、羽根車2と、羽根車2を回転させるモータ3とを備えている。モータ3は、三相ブラシレスモータである。モータ3は、ロータ4と、ステータ5と、モータ3を駆動制御するための回路基板6とを備えている。また、モータ3は、後述の駆動用コイル21を構成する導線を回路基板6に案内するための複数のガイドパイプ7を備えている。本形態のモータ3は、6本のガイドパイプ7を備えている。羽根車2、モータ3、回路基板6およびガイドパイプ7は、ハウジング8と、ハウジング8の上側を覆うケース9と、ハウジング8の下側を覆うカバー10によって構成されるケース体11の内部に配置されている。
【0029】
ハウジング8、ケース9およびカバー10は、樹脂で形成されている。ケース9は、超音波溶着によってハウジング8の上端に接合され、カバー10は、超音波溶着によってハウジング8の下端に接合されている。ケース9には、流体の吸入部9aと、流体の吐出部9bとが形成されている。ケース体11は、モータ3の一部を構成している。ケース体11の内部には、吸入部9aから吸入された流体が吐出部9bに向かって通過するポンプ室12が形成されている。ポンプ室12は、ハウジング8とケース9とによって画定されている。
【0030】
ロータ4は、円筒状の駆動用磁石14と、円筒状のスリーブ15と、駆動用磁石14およびスリーブ15を保持する保持部材16とを備えている。保持部材16は、樹脂で形成されている。また、保持部材16は、鍔付きの略円筒状に形成されている。駆動用磁石14は、保持部材16の外周側に固定され、スリーブ15は、保持部材16の内周側に固定されている。羽根車2は、樹脂で形成されている。羽根車2は、保持部材16の上端部を構成する鍔部16aの上面に、超音波溶着によって接合されている。すなわち、羽根車2は、ロータ4に取り付けられている。羽根車2およびロータ4は、ポンプ室12に配置されている。
【0031】
ロータ4は、固定軸17に回転可能に支持されており、固定軸17は、ロータ4の回転中心軸となっている。固定軸17は、固定軸17の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、ロータ4の回転中心軸の軸方向となっている。本形態の下側(Z2方向側)は、ロータ4の回転中心軸の軸方向の一方側である第1方向側となっており、上側(Z1方向側)は、第1方向側の反対側である第2方向側となっている。
【0032】
固定軸17の上端は、ケース9に保持されている。固定軸17の下端は、ハウジング8に保持されている。固定軸17は、スリーブ15の内周側に挿通されている。固定軸17には、スリーブ15の上端面に接触するスラスト軸受部材18が取り付けられている。本形態では、スリーブ15がロータ4のラジアル軸受として機能し、スリーブ15およびスラスト軸受部材18がロータ4のスラスト軸受として機能している。
【0033】
ステータ5は、筒状に形成されている。具体的には、ステータ5は、全体として略円筒状に形成されている。ステータ5は、ロータ4の外周側に配置されている。また、ステータ5は、ステータ5の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、ステータ5の軸方向となっている。以下の説明では、ロータ4およびステータ5の径方向(すなわち、モータ3の径方向)を「径方向」とし、ロータ4およびステータ5の周方向(すなわち、モータ3の周方向(円周方向))を「周方向」とする。
【0034】
ステータ5は、複数の駆動用コイル21と、ステータコア22と、インシュレータ23と、接地用の端子ピン24とを備えている。本形態のステータ5は、9個の駆動用コイル21を備えている。上述のように、モータ3は、三相ブラシレスモータである。9個の駆動用コイル21のうちの3個の駆動用コイル21は、U相コイルであり、残りの6個の駆動用コイル21のうちの3個の駆動用コイル21は、V相コイルであり、残りの3個の駆動用コイル21は、W相コイルである。U相の駆動用コイル21とV相の駆動用コイル21とW相の駆動用コイル21とは、周方向においてこの順番に配列されている。
【0035】
ステータコア22は、たとえば、磁性材料からなる薄い磁性板が上下方向に積層されて形成された積層コアである。ステータコア22は、環状に形成される外周環部22aと、外周環部22aから径方向の内側に向かって突出する複数の突極部22bとを備えている。本形態のステータコア22は、9個の突極部22bを備えている。突極部22bの先端面(径方向の内側面)は、ハウジング8の一部分を構成する後述の円筒部8aを介して駆動用磁石14の外周面と対向している。インシュレータ23は、絶縁性材料で形成されている。本形態のステータ5は、9個の突極部22bのそれぞれに取り付けられる9個のインシュレータ23を備えている。インシュレータ23の具体的な構成については後述する。
【0036】
突極部22bには、インシュレータ23を介して駆動用コイル21が巻回されている。本形態では、3個のU相の駆動用コイル21は、1本の導線が3個の突極部22bに順次巻回されることで形成されている。同様に、3個のV相の駆動用コイル21は、1本の導線が3個の突極部22bに順次巻回されることで形成され、3個のW相の駆動用コイル21は、1本の導線が3個の突極部22bに順次巻回されることで形成されている。
【0037】
9個の駆動用コイル21は、回路基板6に電気的に接続されている。本形態では、3個のU相の駆動用コイル21を形成する1本の導線の両端部と、3個のV相の駆動用コイル21を形成する1本の導線の両端部と、3個のW相の駆動用コイル21を形成する1本の導線の両端部とが回路基板6に直接、半田付けされて固定されている。以下の説明では、1本の導線の、駆動用コイル21から引き出され回路基板6まで引き回されてから回路基板6に半田付けされて固定される部分を引出し導線部分25とする。引出し導線部分25は、駆動用コイル21に繋がっている。
【0038】
端子ピン24は、インシュレータ23に固定されている。端子ピン24は、インシュレータ23から下側に向かって突出している。端子ピン24は、ステータコア22の外周環部22aに電気的に接続されている。また、端子ピン24は、回路基板6に直接、半田付けされて固定されており、回路基板6に電気的に接続されている。
【0039】
ガイドパイプ7は、樹脂で形成されている。ガイドパイプ7は、筒状に形成されている。具体的には、ガイドパイプ7は、段付きの円筒状に形成されている。ガイドパイプ7は、ガイドパイプ7の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、筒状に形成されているガイドパイプ7の軸方向は、固定軸17の軸方向と平行になっている。ガイドパイプ7の上端面は、インシュレータ23の下端面に接触している。ガイドパイプ7の内周側には、引出し導線部分25の一部が配置されている。ガイドパイプ7の具体的な構成については後述する。
【0040】
上述のように、ハウジング8は樹脂で形成されている。ハウジング8は、ステータ5の一部分およびガイドパイプ7の一部分を覆うようにステータ5およびガイドパイプ7と一体で形成されている。本形態では、インサート成形によって、ハウジング8がステータ5およびガイドパイプ7と一体で成形されている。ハウジング8は、9個の駆動用コイル21を完全に覆っている。また、ハウジング8は、ステータコア22およびインシュレータ23の大半部分を覆っている。また、ハウジング8は、端子ピン24の上端部およびガイドパイプ7の上端側の一部を覆っている。本形態のハウジング8は、少なくとも複数の駆動用コイル21を覆う樹脂製の樹脂部材である。なお、ハウジング8は、ステータコア22およびインシュレータ23を完全に覆っていても良い。
【0041】
ハウジング8は、ステータコア22の突極部22bの先端面と駆動用磁石14の外周面の間に配置される円筒状の円筒部8aと、円筒部8aの下端を塞ぐ底部8bとを備えている。底部8bは、ポンプ室12の下面を構成している。ハウジング8の下端部には、上側に向かって窪む凹部8cが形成されている。凹部8cは、底部8bの下側に配置されている。また、ハウジング8には、凹部8cの上面から下側に向かって突出する2個の突起部8dが形成されている。突起部8dは、円筒状に形成されている。突起部8dの下端面は、ガイドパイプ7の下端面よりも下側に配置されている。
【0042】
凹部8cは、駆動用コイル21、ステータコア22およびインシュレータ23の下側に配置されている。回路基板6は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。回路基板6は、回路基板6の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。回路基板6は、凹部8cの下端部に配置されており、ポンプ室12の外側に配置されている。また、回路基板6は、駆動用コイル21、ステータコア22、インシュレータ23およびガイドパイプ7よりも下側に配置されている。ハウジング8は、ステータ5および回路基板6の配置箇所にポンプ室12の中の流体が流入するのを防止する機能を果たしている。カバー10は、凹部8cに配置される回路基板6を下側から覆うようにハウジング8の下端に固定されている。
【0043】
回路基板6は、固定用ネジ26によってハウジング8に固定されている。回路基板6の上面は、突起部8dの下端面に接触している。固定用ネジ26は、突起部8dの内周面に形成されるネジ穴に締め込まれている。回路基板6には、インターフェース用の複数の端子ピン27が直接、半田付けされて固定されており、複数の端子ピン27が電気的に接続されている。端子ピン27は、ハウジング8に固定されている。端子ピン27の一端部は、下側に向かって突出し、端子ピン27の他端部は、ハウジング8の外周側に向かって突出している。ハウジング8の外周側に向かって突出する端子ピン27の他端部は、ハウジング8に形成されるコネクタ部8eの中に配置されている。
【0044】
(ガイドパイプおよびガイドパイプの周辺部分の構成)
図5は、
図3に示すガイドパイプ7の周辺部分の構成を説明するための断面図である。
図6(A)は、
図4に示すガイドパイプ7の斜視図であり、
図6(B)は、
図6(A)に示すガイドパイプ7の構成を説明するための平面図である。
図7は、
図4に示すガイドパイプ7を取り外した状態のステータ5の下端部の構成を説明するための側面図である。
図8は、
図7のE-E断面の断面図である。
【0045】
上述のように、ガイドパイプ7は、段付きの円筒状に形成されている。ガイドパイプ7は、ガイドパイプ7の下側部分を構成する小径部7aと、ガイドパイプ7の上側部分を構成する大径部7bと、小径部7aと大径部7bとを繋ぐ接続部7cとを備えている。本形態のガイドパイプ7は、小径部7aと大径部7bと接続部7cとから構成されている。インシュレータ23の下端面には、大径部7bの上端面が接触している。小径部7aおよび大径部7bは、円筒状に形成されている。大径部7bの外径は、小径部7aの外径よりも大きくなっている。大径部7bの内径は、小径部7aの内径よりも大きくなっている。小径部7aの内径は、引出し導線部分25の外径(すなわち、駆動用コイル21を構成する導線の外径)よりもわずかに大きくなっている。
【0046】
円筒状に形成される小径部7aの軸心と円筒状に形成される大径部7bの軸心とは一致している。すなわち、上下方向から見たときに、小径部7aの中心と大径部7bの中心とが一致している。接続部7cは、筒状に形成されるとともに円錐台状に形成されている。接続部7cの外径および内径は、上側に向かうにしたがって次第に大きくなっている。接続部7cの上端は、大径部7bの下端に繋がり、接続部7cの下端は、小径部7aの上端に繋がっている。
【0047】
ガイドパイプ7の上端部には、ガイドパイプ7の外周面から内周面に通じる開口部7dが形成されている。すなわち、大径部7bの上端部には、大径部7bの外周面から内周面に通じる開口部7dが形成されている。開口部7dは、大径部7bの上端面から下側に向かって所定の範囲に形成されている。ガイドパイプ7は、開口部7dの開口方向と周方向とが略一致するように配置されている。開口部7dには、ガイドパイプ7の内周側に引き回される引出し導線部分25の一部が配置されている。開口部7dの上下方向の幅は、引出し導線部分25の外径の2.5倍程度の幅となっている。大径部7bの周方向における開口部7dの幅は、引出し導線部分25の外径よりも若干広くなっている。
【0048】
また、大径部7bの上端部には、大径部7bの外周面から内周側に向かって窪む凹部7eが形成されている。凹部7eは、開口部7dに隣接しており、開口部7dの横には、平面状の当接面7fが形成されている。凹部7eは、大径部7bの上端面から下側に向かって所定の範囲に形成されている。開口部7dの下面と凹部7eの下面とは、同一平面上に配置されている。当接面7fは、開口部7dの側面7gに略直交する平面である。
【0049】
インシュレータ23は、外周環部22aの一部を下側から覆う覆部23aを備えている。覆部23aは、駆動用コイル21よりも径方向の外側に配置されている。覆部23aの下端面は、上下方向に直交する平面となっている。覆部23aの下端面は、インシュレータ23の下端面となっており、大径部7bの上端面は、覆部23aの下端面に接触している。覆部23aの下端面は、駆動用コイル21よりも下側に配置されている。インシュレータ23には、インシュレータ23の下端面(すなわち、覆部23aの下端面)から下側に向かって突出するとともにガイドパイプ7の内周側に配置される突起部23bが形成されている。具体的には、9個のインシュレータ23のうちの6個のインシュレータ23に突起部23bが形成されている。
【0050】
突起部23bは、円柱状に形成されている。突起部23bは、周方向における覆部23aの中心部に形成されている。また、突起部23bは、径方向における覆部23aの中心部に形成されている。突起部23bの長さ(上下方向の長さ)は、大径部7bの上下方向の長さよりも短くなっている。また、突起部23bの長さは、開口部7dの上下方向の幅以上の長さとなっている。本形態では、突起部23bの長さは、開口部7dの上下方向の幅と等しくなっている。
【0051】
突起部23bは、大径部7bの内周側に配置されている。円筒状に形成される大径部7bの軸心と円柱状に形成される突起部23bの軸心とは一致している。具体的には、設計上、大径部7bの軸心と突起部23bの軸心とが一致している。すなわち、設計上、上下方向から見たときに、大径部7bの中心と突起部23bの中心とが一致している。突起部23bの直径と大径部7bの内径との差は、引出し導線部分25の外径よりも若干大きくなっている。
【0052】
また、インシュレータ23には、インシュレータ23の下端面(すなわち、覆部23aの下端面)から下側に向かって突出するとともに駆動用コイル21から引き出される引出し導線部分25をガイドパイプ7の内周側に案内するための第2突起部23cが形成されている。具体的には、突起部23bが形成される6個のインシュレータ23に第2突起部23cが形成されている。なお、
図4では、2個の第2突起部23cのみが図示されている。
【0053】
第2突起部23cは、覆部23aの下端面から下側に向かって突出する四角柱状の突起本体部23dと、突起本体部23dの上端部から径方向の外側に伸びる規制部23eとから構成されている。すなわち、第2突起部23cの上端部には、規制部23eが形成されている。周方向から見たときの第2突起部23cの形状は、L形状となっている。第2突起部23cは、周方向において突起部23cから若干ずれた位置に配置されている。上下方向から見たときに、突起本体部23dの中心は、突起部23bの中心よりも径方向の内側に配置されている。
【0054】
第2突起部23cの長さ(上下方向の長さ)は、突起部23bの長さ(上下方向の長さ)と等しくなっている。また、第2突起部23cの長さは、開口部7dの上下方向の幅と等しくなっている。
図6(B)に示すように、第2突起部23cの一部は、ガイドパイプ7の開口部7dおよび凹部7eに配置されている。突起本体部23dの側面には、当接面7fが接触している。規制部23eの先端面(径方向の外側の端面)には、開口部7dの2個の側面7gのうちの一方の側面7gが接触している。第2突起部23cは、ガイドパイプ7に接触して上下方向に直交する方向でガイドパイプ7を位置決めしている。
【0055】
図6(B)に示すように、径方向における規制部23eの長さ(
図6(B)の左右方向の長さ)は、大径部7bの周方向における開口部7dの幅と等しくなっている。また、
図7に示すように、規制部23eの上面と覆部23aの下端面との間隔は、引出し導線部分25の外径よりも若干広くなっている。規制部23eは、引出し導線部分25の一部の下側に配置されており、引出し導線部分25の一部の下側への移動を規制している。
【0056】
上述のように、ガイドパイプ7の内周側には、引出し導線部分25の一部が配置されている。引出し導線部分25の端部は、ガイドパイプ7から下側に向かって突出している。具体的には、引出し導線部分25の端部は、小径部7aの下端面から下側に向かって突出している。回路基板6には、ガイドパイプ7から下側に向かって突出する引出し導線部分25の端部が半田付けされて固定されている。引出し導線部分25は、ガイドパイプ7の内周側でたるんでいる。本形態では、ガイドパイプ7の内周側において、たとえば、引出し導線部分25の一部が突起部23bに半周から3/4周程度巻かれた状態となっている。なお、一部が突起部23bに巻かれていない状態の引出し導線部分25がガイドパイプ7の内周側でたるんでいても良い。
【0057】
駆動用コイル21から引き出されてガイドパイプ7の内周側に引き回される引出し導線部分25は、
図8に示すように、第2突起部23cに接触して第2突起部23cの側面に沿うように曲がっている。具体的には、引出し導線部分25は、突起本体部23dの角部に接触して略直角に1回曲がっている。また、引出し導線部分25は、周方向における突起本体部23dの1つの側面と、径方向における突起本体部23dの1つの側面とに沿うように曲がっている。
【0058】
上述のように、ガイドパイプ7の上端側の一部は、ハウジング8に覆われている(
図3参照)。具体的には、径方向の外側端部分および下端部を除いた大径部7bの大半部分がハウジング8に覆われている。そのため、ガイドパイプ7の、開口部7dが形成された部分はハウジング8に覆われている。また、ガイドパイプ7の、凹部7eが形成された部分もハウジング8に覆われている。また、引出し導線部分25の、駆動用コイル21とガイドパイプ7との間の部分もハウジング8に覆われている。すなわち、ガイドパイプ7の、開口部7d、凹部7eが形成された部分、および、引出し導線部分25の、駆動用コイル21とガイドパイプ7との間の部分はハウジング8の中に埋まっている。なお、径方向における大径部7bの外側端部分がハウジング8に覆われていても良い。
【0059】
(モータの製造方法)
図9は、
図1に示すモータ3の製造方法を説明するための工程図である。
図10は、
図9に示すガイドパイプ配置工程ST2の後のガイドパイプ7の周辺部分の状態を説明するための断面図である。
【0060】
モータ3を製造するときには、ステータコア22にインシュレータ23を取り付けた後、ステータコア22の突極部22bにインシュレータ23を介して駆動用コイル21を巻回する。その後のモータ3の製造工程には、以下の工程が含まれている。すなわち、インシュレータ23を介して突極部22bに巻回された駆動用コイル21から引き出される引出し導線部分25の一部をインシュレータ23の突起部23bに巻き付ける(導線巻付け工程ST1)。導線巻付け工程ST1では、たとえば、引出し導線部分25の一部を突起部23bに2.5周程度巻き付ける(
図10参照)。
【0061】
その後、ガイドパイプ7から下側に向かって引出し導線部分25の端部が突出するように6本のガイドパイプ7を配置する(ガイドパイプ配置工程ST2、
図10参照)。ガイドパイプ配置工程ST2では、覆部23aの下端面に大径部7bの上端面が接触するように、かつ、大径部7bの内周側に突起部23bが配置されるようにガイドパイプ7を配置する。また、ガイドパイプ配置工程ST2では、突起本体部23dの側面に当接面7fが接触し、かつ、規制部23eの先端面に開口部7dの側面7gが接触するようにガイドパイプ7を配置する。
【0062】
その後、ステータ5および6本のガイドパイプ7を金型30(
図10参照)の中に配置して射出成形によってハウジング8を形成する(ハウジング形成工程ST3)。ハウジング形成工程ST3では、ガイドパイプ7の接続部7cの外周面を金型30の中の所定の支持面に当接させることで、金型30の中で上下方向においてステータ5およびガイドパイプ7が位置決めされる。本形態のハウジング形成工程は、樹脂部材形成工程である。その後、ガイドパイプ7から下側に向かって引出し導線部分25の端部を引き出す(導線端部引出し工程ST4)。導線端部引出し工程ST4では、たとえば、導線巻付け工程ST1において突起部23bに2.5周程度巻き付けられた引出し導線部分25の一部のうちの2周分程度を下側に向かって引き出す。
【0063】
その後、ハウジング8に回路基板6を固定する(回路基板固定工程ST5)。回路基板固定工程ST5では、回路基板6の上面を突起部8dの下端面に接触させた状態で、固定用ネジ26によってハウジング8に回路基板6を固定する。また、回路基板固定工程ST5では、回路基板6に形成される貫通穴に引出し導線部分25の端部および端子ピン24、27の端部を挿入する。その後、引出し導線部分25の端部を回路基板6に半田付けして固定する(半田付け工程ST6)。半田付け工程ST6では、端子ピン24、27の端部も回路基板6に半田付けして固定する。なお、導線端部引出し工程ST4の後、半田付け工程ST6を行ってから、回路基板固定工程ST5を行っても良い。
【0064】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、駆動用コイル21から引き出される引出し導線部分25の端部が回路基板6に直接、半田付けされて固定されている。そのため、本形態では、上述の特許文献1に記載された端子ピンが不要になる。したがって、本形態では、モータ3の部品コストを低減することが可能になる。また、本形態では、特許文献1に記載のモータの製造時に必要となる導線の端部を端子ピンに固定する工程が不要となるため、モータ3の製造工程を簡素化することが可能になる。
【0065】
本形態では、インシュレータ23の下端面に上端面が接触するガイドパイプ7の内周側に引出し導線部分25の一部が配置されている。そのため、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ステータ5および6本のガイドパイプ7を金型30の中に配置するときに、引出し導線部分25が金型30に引っ掛かりにくくなる。したがって、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ステータ5および6本のガイドパイプ7を金型の中に容易にセットすることが可能になる。
【0066】
特に本形態では、ハウジング形成工程ST3の前の導線巻付け工程ST1において、引出し導線部分25の一部を突起部23bに巻き付けるとともに、ハウジング形成工程ST3の後であって半田付け工程ST6の前の導線端部引出し工程ST4において、ガイドパイプ7から下側に向かって引出し導線部分25の端部を引き出しているため、ハウジング形成工程ST3の前に、ガイドパイプ7から下側に向かって突出する引出し導線部分25の端部の突出量が小さくなるように引出し導線部分25を引き回しても、ハウジング形成工程ST3の後に、回路基板6に半田付けできる位置まで引出し導線部分25の端部を引き出すことが可能になる。
【0067】
したがって、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ステータ5および6本のガイドパイプ7を金型30の中に配置するときに、引出し導線部分25が金型30により引っ掛かりにくくなる。その結果、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ステータ5および6本のガイドパイプ7を金型の中により容易にセットすることが可能になる。
【0068】
本形態では、ガイドパイプ7は、小径部7aと大径部7bと接続部7cとによって構成されている。そのため、本形態では、上述のように、接続部7cを利用して、金型30の中で上下方向においてステータ5および6本のガイドパイプ7を位置決めすることが可能になる。したがって、本形態では、金型30の中で上下方向においてステータ5および6本のガイドパイプ7を容易に位置決めすることが可能になる。また、本形態では、ガイドパイプの下側部分を構成する小径部7aの内径が引出し導線部分25の外径よりもわずかに大きくなっているため、小径部7aによって引出し導線部分25を直線的に案内することが可能になる。したがって、本形態では、ガイドパイプ7から下側に向かって引出し導線部分25の端部を直線的に突出させることが可能になり、その結果、引出し導線部分25の端部を回路基板6に半田付けしやすくなる。
【0069】
本形態では、引出し導線部分25がガイドパイプ7の内周側でたるんでいる。そのため、本形態では、たとえば、モータ3が振動しても、引出し導線部分25に過剰な張力が作用するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、引出し導線部分25の断線を防止することが可能になる。
【0070】
また、本形態では、インシュレータ23の下端面から下側に向かって突出する突起部23bがガイドパイプ7の内周側に配置されているため、たとえば、引出し導線部分25の一部を突起部23bに巻き付けることで、ガイドパイプ7の内周側で引出し導線部分25をたるませることが可能になる。したがって、本形態では、ガイドパイプ7の内周側で引出し導線部分25を容易にたるませることが可能になる。また、本形態では、導線巻付け工程ST1において、引出し導線部分25の一部を突起部23bに巻き付けているため、導線端部引出し工程ST4において、ガイドパイプ7から下側に向かって引出し導線部分25の端部を引き出しても、完成後のモータ3において、ガイドパイプ7の内周側で引出し導線部分25を容易にたるませることが可能になる。
【0071】
本形態では、ガイドパイプ7の大径部7bの内周側に突起部23bが配置されている。そのため、本形態では、ガイドパイプ7の、開口部7dが形成された部分がハウジング8に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部7dからガイドパイプ7の内周側に樹脂が流れ込みにくくなる。したがって、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ガイドパイプ7の内周側でたるんでいる引出し導線部分25が樹脂によって固められてしまうのを防止することが可能になる。
【0072】
特に本形態では、突起部23bの上下方向の長さが開口部7dの上下方向の幅以上の長さとなっているため、ガイドパイプ7の、開口部7dが形成された部分がハウジング8に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部7dからガイドパイプ7の内周側に樹脂がより流れ込みにくくなる。したがって、本形態では、インサート成形によってステータ5および6本のガイドパイプ7と一体でハウジング8を形成しても、ガイドパイプ7の内周側でたるんでいる引出し導線部分25が樹脂によって固められてしまうのを効果的に防止することが可能になる。
【0073】
また、本形態では、引出し導線部分25は、駆動用コイル21から引き出される引出し導線部分25をガイドパイプ7の内周側に案内するための第2突起部23cに接触して第2突起部23cの側面に沿うように曲がっている。そのため、本形態では、ガイドパイプ7の外周側から内周側に引き回される引出し導線部分25の引回し経路を安定させることが可能になる。したがって、本形態では、ガイドパイプ7の開口部7dを小さくしても、引出し導線部分25が開口部7dを通過するように引出し導線部分25を引き回すことが可能になる。その結果、本形態では、ガイドパイプ7の、開口部7dが形成された部分がハウジング8に覆われるようにインサート成形が行われても、開口部7dからガイドパイプ7の内周側に樹脂がより流れ込みにくくなる。
【0074】
本形態では、ガイドパイプ7の小径部7aの軸心と大径部7bの軸心とが一致するとともに、大径部7bの軸心と突起部23bの軸心とが一致しており、小径部7aの軸心と突起部23bの軸心とが一致している。そのため、本形態では、ガイドパイプ7の内周側で引出し導線部分25が突起部23bに巻き付けられていても、ガイドパイプ7の内周側で小径部7aに向かって引出し導線部分25を容易に引き回すことが可能になる。また、本形態では、突起部23bの上下方向の長さが大径部7bの上下方向の長さよりも短くなっているため、ガイドパイプ7の内周側で小径部7aに向かって引出し導線部分25を引き回すときに、突起部23bが支障になりにくくなる。したがって、本形態では、ガイドパイプ7の内周側で小径部7aに向かって引出し導線部分25を容易に引き回すことが可能になる。
【0075】
本形態では、第2突起部23cは、ガイドパイプ7に接触して上下方向に直交する方向でガイドパイプ7を位置決めしている。すなわち、本形態では、引出し導線部分25をガイドパイプ7の内周側に案内するための第2突起部23cを利用して、上下方向に直交する方向でガイドパイプ7を位置決めしている。そのため、本形態では、上下方向に直交する方向でガイドパイプ7を位置決めするための位置決め部が別途設けられている場合と比較して、モータ3の構成を簡素化することが可能になる。
【0076】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0077】
上述した形態において、ハウジング形成工程ST3の前に、ガイドパイプ7をインシュレータ23に仮固定するための固定用突起部23g(
図6(B)参照)がインシュレータ23の覆部23aに形成されていても良い。固定用突起部23gは、覆部23aの下端面から下側に向かって突出する柱状に形成されている。固定用突起部23gは、ガイドパイプ7の径方向において第2突起部23cとの間で大径部7bを挟む込む位置に配置されている。この場合には、ガイドパイプ配置工程ST2において、ガイドパイプ7の大径部7bが第2突起部23cと固定用突起部23gとの間に軽圧入されて仮固定される。
【0078】
上述した形態において、小径部7aの軸心と大径部7bの軸心とが一致していなくても良い。また、上述した形態において、ガイドパイプ7は、内径および外径が一定の円筒状に形成されていても良い。さらに、上述した形態において、第2突起部23cに規制部23eが形成されていなくても良い。また、上述した形態において、第2突起部23cに加えて、上下方向に直交する方向でガイドパイプ7を位置決めするための位置決め部がインシュレータ23に形成されていても良い。また、上述した形態において、覆部23aに第2突起部23cが形成されていなくても良い。
【0079】
上述した形態において、突起部23bの上下方向の長さは、開口部7dの上下方向の幅より短くなっていても良いし、長くなっていても良い。また、上述した形態において、突起部23bは、円柱状以外の形状に形成されていても良い。たとえば、突起部23bは、四角柱状に形成されていても良い。また、本発明が適用されるモータ3は、ポンプ装置1以外の装置で使用されても良い。
【0080】
(本技術の構成)
なお、本技術は以下のような構成を取ることが可能である。
(1)駆動用磁石を有するロータと、複数の駆動用コイルを有するステータと、複数の前記駆動用コイルが電気的に接続される回路基板と、少なくとも複数の前記駆動用コイルを覆う樹脂製の樹脂部材と、前記駆動用コイルに繋がるとともに前記駆動用コイルから引き出されて前記回路基板に接続される引出し導線部分の一部が内周側に配置される筒状の複数のガイドパイプとを備え、
前記ステータは、絶縁性材料で形成されるインシュレータと、前記インシュレータを介して前記駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、筒状に形成されるとともに前記ロータの外周側に配置され、
前記ロータの回転中心軸の軸方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
筒状に形成される前記ガイドパイプの軸方向は、前記回転中心軸の軸方向と平行になっており、
前記ガイドパイプの第2方向側の端面は、前記インシュレータの第1方向側の端面に接触し、
前記回路基板は、前記インシュレータ、前記ステータコアおよび前記ガイドパイプよりも第1方向側に配置され、
前記回路基板には、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって突出する前記引出し導線部分の端部が半田付けされて固定され、
前記ガイドパイプの第2方向側の端部には、前記ガイドパイプの外周面から内周面に通じるとともに前記引出し導線部分の一部が配置される開口部が形成され、
前記引出し導線部分は、前記ガイドパイプの内周側でたるんでおり、
前記インシュレータには、前記インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともに前記ガイドパイプの内周側に配置される突起部が形成され、
前記ガイドパイプの、少なくとも前記開口部が形成された部分は、前記樹脂部材に覆われていることを特徴とするモータ。
(2)前記ガイドパイプは、前記ガイドパイプの第1方向側部分を構成する小径部と、前記ガイドパイプの第2方向側部分を構成する大径部とを備え、
前記大径部の外径は、前記小径部の外径よりも大きくなっており、
前記大径部の内径は、前記小径部の内径よりも大きくなっており、
前記大径部の第2方向側の端面は、前記インシュレータの第1方向側の端面に接触し、
前記突起部は、前記大径部の内周側に配置されていることを特徴とする(1)記載のモータ。
(3)前記小径部の軸心と前記大径部の軸心とが一致するとともに、前記大径部の軸心と前記突起部の軸心とが一致していることを特徴とする(2)記載のモータ。
(4)前記回転中心軸の軸方向における前記突起部の長さは、前記回転中心軸の軸方向における前記大径部の長さよりも短くなっていることを特徴とする(2)または(3)記載のモータ。
(5)前記回転中心軸の軸方向における前記突起部の長さは、前記回転中心軸の軸方向における前記開口部の幅以上の長さとなっていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のモータ。
(6)前記インシュレータには、前記インシュレータの第1方向側の端面から第1方向側に向かって突出するとともに前記駆動用コイルから引き出される前記引出し導線部分を前記ガイドパイプの内周側に案内するための第2突起部が形成され、
前記引出し導線部分は、前記第2突起部に接触して前記第2突起部の側面に沿うように曲がっていることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のモータ。
(7)前記第2突起部は、前記ガイドパイプに接触して前記回転中心軸の軸方向に直交する方向で前記ガイドパイプを位置決めしていることを特徴とする(6)記載のモータ。
(8)前記第2突起部の第1方向側の端部には、前記引出し導線部分の一部の第1方向側に配置され前記引出し導線部分の一部の第1方向側への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴とする(6)または(7)記載のモータ。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載のモータと、前記ロータに取り付けられる羽根車と、前記羽根車および前記ロータが配置されるとともに流体が通過するポンプ室とを備えることを特徴とするポンプ装置。
(10)(1)から(8)のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
前記インシュレータを介して前記突極部に巻回された前記駆動用コイルから引き出される前記引出し導線部分の一部を前記突起部に巻き付ける導線巻付け工程と、
前記導線巻付け工程後に、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって前記引出し導線部分の端部が突出するように複数の前記ガイドパイプを配置するガイドパイプ配置工程と、
前記ガイドパイプ配置工程後に、前記ステータおよび複数の前記ガイドパイプを金型の中に配置して射出成形によって前記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、
前記樹脂部材形成工程後に、前記ガイドパイプから第1方向側に向かって前記引出し導線部分の端部を引き出す導線端部引出し工程と、
前記導線端部引出し工程後に、前記樹脂部材に前記回路基板を固定する回路基板固定工程と、
前記導線端部引出し工程後に、前記引出し導線部分の端部を前記回路基板に半田付けして固定する半田付け工程とを備えることを特徴とするモータの製造方法。
【符号の説明】
【0081】
1 ポンプ装置
2 羽根車
3 モータ
4 ロータ
5 ステータ
6 回路基板
7 ガイドパイプ
7a 小径部
7b 大径部
7d 開口部
8 ハウジング(樹脂部材)
12 ポンプ室
14 駆動用磁石
17 固定軸(回転中心軸)
21 駆動用コイル
22 ステータコア
22b 突極部
23 インシュレータ
23b 突起部
23c 第2突起部
23e 規制部
25 引出し導線部分
ST1 導線巻付け工程
ST2 ガイドパイプ配置工程
ST3 ハウジング形成工程(樹脂部材形成工程)
ST4 導線端部引出し工程
ST5 回路基板固定工程
ST6 半田付け工程
Z1 第2方向側
Z2 第1方向側