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特開2024-147148端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置のための制御方法
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  • 特開-端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置のための制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147148
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置のための制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241008BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241008BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 L
G06F3/0484
G06F3/12 303
G06F3/12 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059975
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野尻 弘也
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC22
5C062AC42
5C062AC58
5C062AE15
5E555AA08
5E555BA02
5E555BB02
5E555BB10
5E555BC04
5E555CA17
5E555CB20
5E555CC01
5E555DB05
5E555DC13
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画像読取装置のユーザの利便性を向上させ得る技術を提供すること。
【解決手段】端末装置は、画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信し、特定の読取キーに対応する設定値がユーザによって指定済みでない場合に、設定値の指定に関連する関連画面を表示し、特定の読取キーに対応する設定値がユーザによって指定済みである場合に、関連画面を表示しない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、前記1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信する第1の受信部と、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する設定値であって、画像の読取に関連する前記設定値がユーザによって指定済みでない場合に、前記設定値の指定に関連する関連画面を表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みである場合に、前記関連画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記関連画面は、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するためのメッセージを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記関連画面は、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するためのオブジェクトを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記関連画面に含まれる前記オブジェクトが前記ユーザによって選択される場合に、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するための指定画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部として機能させる、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記画像読取装置は、画像の読取を実行するための複数個の読取キーを備え、
前記第2の表示制御部は、前記関連画面に含まれる前記オブジェクトが前記ユーザによって選択される場合に、前記複数個の読取キーのうちの前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するための前記指定画面を前記表示部に表示させる、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記関連画面は、画像の読取に関連するデフォルトの設定値を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1の表示制御部は、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みでない場合に、読取要求が前記画像読取装置に送信される前に、前記関連画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記関連画面が前記表示部に表示されることに応じて、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定される場合に、指定済みの前記設定値に従った前記読取要求を前記画像読取装置に送信する第1の送信部として機能させる、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みでない場合に、デフォルトの設定値に従った読取要求を前記画像読取装置に送信する第2の送信部として機能させ、
前記第1の表示制御部は、前記読取要求が前記画像読取装置に送信された後に、前記関連画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記読取要求が前記画像読取装置に送信されることに応じて、前記画像読取装置から読取データを受信する第2の受信部と、
前記関連画面が前記表示部に表示されることに応じて、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定される場合に、指定済みの前記設定値に従って前記読取データを変更する変更部と、
として機能させる、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記1個以上の読取キーは、ハードウェアキーである、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記画像読取装置は、文字列を表示するための表示部を備えない、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
端末装置であって、
画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、前記1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信する第1の受信部と、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する設定値であって、画像の読取に関連する前記設定値がユーザによって指定済みでない場合に、前記設定値の指定に関連する関連画面を表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みである場合に、前記関連画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項14】
端末装置のための制御方法であって、
画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、前記1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信する第1の受信工程と、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する設定値であって、画像の読取に関連する前記設定値がユーザによって指定済みでない場合に、前記設定値の指定に関連する関連画面を表示部に表示させる第1の表示制御工程であって、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みである場合に、前記関連画面は表示されない、前記第1の表示制御工程と、
を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、画像読取装置と通信可能な端末装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、Multi-Function Peripheral(MFP)とPCとを備えるシステムが開示されている。PCは、MFPにおいて読取開始指示が受け付けられると、MFPからイベント通知を受信し、スキャン要求をMFPに送信する。これにより、いわゆるプッシュスキャンが実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-186672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、画像読取装置のユーザの利便性を向上させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。当該コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、前記1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信する第1の受信部と、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する設定値であって、画像の読取に関連する前記設定値がユーザによって指定済みでない場合に、前記設定値の指定に関連する関連画面を表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みである場合に、前記関連画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、端末装置は、画像読取装置から特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信し、かつ、特定の読取キーに対応する設定値がユーザによって指定済みでない場合に、設定値の指定に関連する関連画面を表示する。このために、ユーザの利便性が向上し得る。
【0007】
上記のためのコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、当該コンピュータプログラムによって実現される端末装置そのもの、及び、端末装置のための制御方法も、新規で有用である。また、端末装置と画像読取装置とを備えるシステムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】ホーム画面及びワークフロー指定画面の一例を示す。
図3】スキャンアプリケーションの処理のフローチャートを示す。
図4】ケースAのシーケンス図を示す。
図5】ケースBのシーケンス図を示す。
図6】第2実施例のスキャンアプリケーションの処理のフローチャートを示す。
図7】第3実施例のスキャンアプリケーションの処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成:図1
図1に示されるように、通信システム2は、Personal Computer(PC)10とスキャナ100とを備える。PC10とスキャナ100とは、Local Area Network(LAN)4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。変形例では、PC10とスキャナ100とは、Universal Serial Bus(USB)ケーブルを介して相互に通信可能であってもよい。
【0010】
(PC10の構成)
PC10は、ノートPCであってもよいし、デスクトップPCであってもよいし、タブレットPCであってもよい。PC10は、操作部12と、表示部14と、LANインターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線に接続されている。操作部12は、様々な情報をPC10に入力するためのインターフェースであり、例えば、マウス、キーボードを備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイ又はパネルである。パネルは、例えば、タッチパネルであってもよいし、タッチパネルでなくてもよい。パネルは、液晶パネルであってもよいし、有機ELパネルであってもよい。LANインターフェース20は、LAN4に接続されている。
【0011】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム40等に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ34は、OSプログラム40と、スキャンアプリケーション50と、仲介プログラム52と、を記憶する。以下では、OSプログラムのことを「OS」と記載し、アプリケーションのことを「アプリ」と記載する。
【0012】
OS40は、PC10の基本的な動作を制御するためのプログラムである。スキャンアプリ50は、キャンに関連する様々な画面を表示したり、スキャン要求をスキャナ100に送信して原稿のスキャンをスキャナ100に実行させたりするためのプログラムである。スキャンアプリ50は、スキャナ100のベンダによって提供される。スキャンアプリ50は、例えば、インターネット上のサーバからPC10にダウンロードされる。仲介プログラム52は、スキャナ100から後述のキー選択情報を受信して、当該情報をスキャンアプリ50に供給するプログラムである。本実施例では、仲介プログラム52は、スキャナ100のベンダによって提供され、スキャンアプリ50と共にPC10にダウンロードされる。変形例では、仲介プログラム52は、例えば、OS標準のプログラムであってもよい。
【0013】
(スキャナ100の構成)
スキャナ100は、原稿の読取機能(即ちスキャン機能)を実行可能な周辺装置(例えばPC10の周辺装置)である。スキャナ100は、操作部112と、スキャン実行部116と、LANインターフェース120と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線に接続されている。
【0014】
操作部112は、様々な情報をスキャナ100に入力するためのインターフェースである。操作部112は、複数個のハードウェアキーを備える。複数個のハードウェアキーは、電源キー150と、Wi-Fiキー152と、3個のプッシュスキャンキー160,162,164と、を備える。電源キー150は、スキャナ100の電源のON及びOFFを切り替えるためのキーである。Wi-Fiキー152は、スキャナ100をアクセスポイントに接続するためのキーである。各プッシュスキャンキー160,162,164は、いわゆるプッシュスキャンを実行するためのキーである。
【0015】
プッシュスキャンでは、ユーザが、PC10においてスキャン実行のための操作を実行することなく、スキャナ100の所定のキーを操作することに応じて、当該操作が実行されたことを示す情報がスキャナ100からPC10に送信される。その後、スキャン要求がPC10からスキャナ100に送信される。これにより、原稿のスキャンがスキャナ100によって実行される。広義のプッシュスキャンでは、スキャンによって得られるスキャンデータの出力先は特に限定されない。例えば、スキャンデータは、スキャナ100からPC10に送信されてもよいし、スキャナ100からデータ保存サーバに送信されてもよいし、スキャナ100から電子メールで送信されてもよいし、スキャナ100内に保存されてもよい。
【0016】
なお、本実施例では詳しく説明しないが、スキャナ100は、いわゆるプルスキャンを実行することもできる。プルスキャンでは、ユーザが、PC10においてスキャン実行のための操作を実行することに応じて、スキャン要求がPC10からスキャナ100に送信される。これにより、原稿のスキャンがスキャナ100によって実行される。広義のプルスキャンも、スキャンによって得られるスキャンデータの出力先は特に限定されない。
【0017】
スキャナ100は、文字列を表示するための表示部(即ちディスプレイ、パネル等)を備えない。従って、ユーザは、例えば、タッチパネルに表示されるスキャン設定値(例えば原稿サイズ、カラー設定、解像度、両面スキャンの有無等)を見ながら、プッシュスキャンのための操作をスキャナ100に実行することができない。
【0018】
スキャン実行部116は、Charge-Coupled Device(CCD)、Contact Image Sensor(CIS)等の読取センサを含むスキャナエンジンを備える。LANインターフェース120は、LAN4に接続されている。
【0019】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、ROM、RAM等によって構成される。
【0020】
(プッシュスキャンの設定値を指定するための画面:図2
図2を参照して、プッシュスキャンの設定値を指定するための画面の内容を説明する。スキャンアプリ50は、スキャンアプリ50を起動する操作を受け付けると、ホーム画面SC0を表示する。ホーム画面SC0は、プルスキャン実行ボタン60と、プルスキャンワークフロー設定ボタン62と、プッシュスキャンワークフロー設定ボタン64と、を含む。
【0021】
ボタン60は、ユーザがプルスキャンをスキャナ100に実行させるためのボタンである。スキャンアプリ50は、ボタン60の選択を受け付けると、プルスキャンのためのスキャン設定値(図示省略)を含むスキャン要求をスキャナ100に送信して、スキャナ100からスキャンデータを受信する。次いで、スキャンアプリ50は、プルスキャンのための保存設定値(図示省略)に従ってスキャンデータを保存する。ここで、保存設定値は、最も広義に解釈されると、PC10内に保存するための値のみならず、外部装置に保存するための値も含む。例えば、保存設定値は、PC10内の或るフォルダのパスを示してもよいし、電子メールの宛先アドレスを示してもよいし、データ保存サーバのURLを示してもよい。本実施例では、スキャン設定値と保存設定値との組み合わせを「ワークフロー」と記載することがある。また、以下では、ワークフローのことを「WF」と省略して記載することがある。
【0022】
ボタン62は、ユーザがプルスキャンのためのWFを指定するためのボタンである。スキャンアプリ50は、ボタン62の選択を受け付けると、プルスキャンのためのWF指定画面(図示省略)を表示する。ユーザは、当該画面において、プルスキャンのためのスキャン設定値及び保存設定値(即ちWF)を指定することができる。この場合、スキャンアプリ50は、プルスキャンのためのWFを記憶する。従って、スキャンアプリ50は、記憶済みのWFに従ったプルスキャンをスキャナ100に実行させることができる。
【0023】
ボタン64は、ユーザがプッシュスキャンのためのWFを指定するためのボタンである。スキャンアプリ50は、ボタン64の選択を受け付けると、プッシュスキャンのためのWF指定画面SC1を表示する。WF指定画面SC1は、3個のプッシュスキャンキー160,162,164に対応する3個のキーボタン70,72,74と、OKボタン76と、スキャン設定領域80と、保存設定領域90と、を含む。
【0024】
3個のキーボタン70,72,74のいずれかが指定されている状態では、指定済みのキーボタンの色は、他の2個のキーボタンとは異なる。図2の例では、キーボタン70の色がキーボタン72,74の色とは異なる。スキャン設定領域80、保存設定領域90は、それぞれ、指定済みのキーボタン70に対応する現在のスキャン設定値、現在の保存設定値を示す。指定済みのキーボタン70にスキャン設定値及び保存設定値がまだ指定されていない状態では、スキャン設定領域80、保存設定領域90は、それぞれ、デフォルトのスキャン設定値、デフォルトの保存設定値を示す。
【0025】
スキャン設定領域80は、スキャン設定ボタン82を含む。スキャンアプリ50は、ユーザからボタン82の選択を受け付けると、スキャン設定値(即ち、原稿サイズ、カラー設定、解像度、及び、両面スキャンの有無)を指定するための別の画面(図示省略)を表示する。これにより、ユーザは、上記の別の画面において、指定済みのキーボタンに対応するスキャン設定値を新たに指定することができる。この場合、スキャン設定領域80には、ユーザによって新たに指定されたスキャン設定値が表示される。
【0026】
保存設定領域90は、保存設定ボタン92を含む。スキャンアプリ50は、ユーザからボタン92の選択を受け付けると、保存設定値を指定するための別の画面(図示省略)を表示する。本実施例では、保存設定値は、「PCへ保存」、「メール添付」、及び、「クラウド保存」のいずれかである。「PCへ保存」が指定される場合には、ユーザは、さらに、ファイル名と、PC10内の保存場所(即ちフォルダのパス)と、ファイル形式と、スキャンデータの保存後にフォルダを開くのか否かを示す値と、を指定することができる。「メール添付」が指定される場合には、ユーザは、さらに、電子メールを送信するためのアプリケーションと、ファイル名と、ファイル形式と、を指定することができる。「クラウド保存」が指定される場合には、ユーザは、さらに、ファイル名と、データ保存サーバ内の保存場所と、ファイル形式と、を指定することができる。ユーザは、上記の別の画面において、指定済みのキーボタンに対応する保存設定値を新たに指定することができる。この場合、保存設定領域90には、ユーザによって新たに指定された保存設定値が表示される。
【0027】
スキャンアプリ50は、スキャン設定値及び保存設定値の指定を受け付けた後に、OKボタン76の選択を受け付けると、指定済みのキーボタン(図2の例では70)を識別するキー識別情報(図2の例では「第1のキー」)に対応付けて、指定済みのスキャン設定値と、指定済みの保存設定値と、指定フラグ「ON」と、をメモリ34に記憶する。指定フラグは、WFがユーザによって指定されたことを意味する「ON」と、まだ指定されていないことを意味する「OFF」と、のどちらかの値を示す。
【0028】
(スキャンアプリ50の処理:図3
図3を参照して、PC10のCPU32が、キー選択情報を受信することに応じて、スキャンアプリ50に従って実行する処理について説明する。なお、PC10において、スキャンアプリ50は、OS40を介して、CPU32等のハードウェア及びドライバを制御する。ハードウェア、ドライバ等がOSを介してアプリによって制御されることは、本明細書では適宜省略して説明する。
【0029】
S10では、スキャンアプリ50は、スキャナ100からキー選択情報を受信することを待機する。スキャナ100の複数個のプッシュスキャンキー160,162,164のいずれかが選択されると、スキャナ100は、どのプッシュスキャンキーが選択されたのかを示すキー選択情報をPC10に送信する。この場合、まず、仲介プログラム52は、キー選択情報を受信する。そして、仲介プログラム52は、キー選択情報をスキャンアプリ50に供給する。スキャンアプリ50は、仲介プログラム52からキー選択情報を取得すると、即ち、スキャナ100から仲介プログラム52を介してキー選択情報を受信すると、S10でYESと判断してS20に進む。なお、変形例では、仲介プログラム52が存在しなくてもよく、スキャンアプリ50は、スキャナ100からキー選択情報を直接的に受信してもよい。
【0030】
S20では、スキャンアプリ50は、メモリ34から、キー選択情報によって示される選択キーのキー識別情報に対応付けられている指定フラグを取得する。そして、スキャンアプリ50は、当該指定フラグがONを示すのかOFFを示すのかを判断する。スキャンアプリ50は、当該指定フラグがOFFを示す場合にS20でYESと判断してS22に進み、当該指定フラグがONを示す場合にS20でNOと判断してS40に進む。
【0031】
S22では、スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けてデフォルトの設定値が記憶されているのか否かを判断する。スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けて何らかの設定値が記憶されている場合に、S22でYESと判断してS30に進む。スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けて設定値が記憶されていない場合、即ち、設定値が記憶されるべき記憶領域がブランクである場合(図2のメモリ34内の「第2のキー」、「第3のキー」参照)に、S22でNOと判断してS24に進む。
【0032】
S24では、スキャンアプリ50は、能力情報要求をスキャナ100に送信して、スキャナ100から能力情報を受信する。能力情報は、スキャナ100がスキャン可能な全ての原稿サイズ、全てのカラー、及び、全ての解像度を示す。スキャナ100が両面スキャンを実行可能である場合には、能力情報は、さらに、その旨の情報を含む。
【0033】
S26では、スキャンアプリ50は、まず、選択キーのキー識別情報に対応付けて、能力情報に応じたデフォルトのスキャン設定値をメモリ34に記憶する。具体的には、スキャンアプリ50では、デフォルトのスキャン設定値として利用されるべき各値の優先順位が決められている。例えば、原稿サイズであれば、「A4」、「A3」、「B4」、「B5」等の順が決められている。従って、能力情報が原稿サイズ「A4」及び「B5」を示す場合には、スキャンアプリ50は、デフォルトの原稿サイズとして「A4」を決定する。スキャンアプリ50は、他の項目についても同様にデフォルトの値を決定する。また、スキャンアプリ50では、デフォルトの保存設定値(例えば「PCへ保存」)が予め決められている。スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けて、予め決められているデフォルトの保存設定値をメモリ34に記憶する。
【0034】
S30では、スキャンアプリ50は、問合画面SC2を表示する。なお、スキャンアプリ50は、いわゆるNotifierプログラムに指示して問合画面SC2を表示してもよいし、Notifierプログラムを介さずに問合画面SC2を表示してもよい。以下の各画面も、Notifierプログラムを介して表示されてもよいし、Notifierプログラムを介さずに表示されてもよい。問合画面SC2は、プッシュスキャンのためのWFがまだ指定されていないことを示すメッセージと、2個のボタン200,202と、を含む。ボタン200は、デフォルトの設定値でプッシュスキャンを実行することを示す文字列を含む。ボタン202は、プッシュスキャンのためのWFを指定することを示す文字列を含む。ユーザは、これらの文字列を見ることによって、デフォルトの設定値でプッシュスキャンを実行可能であること(即ちボタン200)、及び、プッシュスキャンのためのWFを指定可能であること(即ちボタン202)、を知ることができる。
【0035】
S32では、スキャンアプリ50は、問合画面SC2において、ボタン200が選択されたのか、ボタン202が選択されたのか、を判断する。スキャンアプリ50は、ボタン200が選択される場合に、S32でYESと判断してS40に進み、ボタン202が選択される場合に、S32でNOと判断してS50に進む。
【0036】
S40では、スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けられているスキャン設定値を含むスキャン要求をスキャナ100に送信する。S20でNOを経たS40の場合には、ユーザによって指定済みのスキャン設定値を含むスキャン要求がスキャナ100に送信される。S32でYESを経たS40の場合には、デフォルトのスキャン設定値を含むスキャン要求がスキャナ100に送信される。これにより、スキャナ100によって原稿のスキャンが実行され、スキャン要求に含まれるスキャン設定値に従ったスキャンデータが生成される。
【0037】
S42では、スキャンアプリ50は、スキャナ100からスキャンデータを受信する。
【0038】
S44では、スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けられている保存設定値に従って、スキャンデータを保存するための保存処理を実行する。
【0039】
S46では、スキャンアプリ50は、完了画面SC3を表示する。詳しくは後述するが、完了画面SC3は、プッシュスキャンに利用されたスキャン設定値及び保存設定値を含む。S46が終了すると、図3の処理が終了する。
【0040】
S50では、スキャンアプリ50は、プッシュスキャンのためのWF指定画面SC1(図2参照)を表示する。ここで表示されるWF指定画面SC1では、キーボタン70,72,74のうち、選択キーに対応するキーボタンが指定されている。スキャン設定領域80、保存設定領域90は、それぞれ、選択キーのキー識別情報に対応付けられているデフォルトのスキャン設定値、デフォルトの保存設定値(S22でYES又はS26参照)を示す。このため、ユーザは、選択キーに対応するデフォルトの設定値を見ながら、選択キーに対応するWFを指定することができる。
【0041】
WF指定画面SC1に含まれるOKボタン76が選択されると、S52では、スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けて、ユーザによって指定されたWFと、指定フラグONと、を記憶する。そして、スキャンアプリ50は、指定済みのWFに従ってS40~S46の処理を実行する。これにより、ユーザは、指定済みのWFに従ったスキャンをスキャナ100に実行させることができる。
【0042】
(ケースA:図4
続いて、図4を参照して、図3の処理によって実現される具体的なケースAを説明する。図4の初期状態では、PC10のメモリ34は、第1のプッシュスキャンキー160のキー識別情報に対応付けて、スキャン設定値、保存設定値、及び、指定フラグONを記憶しており、第2及び第3のプッシュスキャンキーのそれぞれのキー識別情報に対応付けて、スキャン設定値及び保存設定値を記憶しておらず、指定フラグOFFを記憶している。
【0043】
スキャナ100は、T10において、ユーザから第1のプッシュスキャンキー160の選択を受け付けると、T12において、第1のプッシュスキャンキー160のキー識別情報を含むキー選択情報をPC10に送信する。
【0044】
PC10の仲介プログラム52は、T12において、スキャナ100からキー選択情報を受信すると、キー選択情報をスキャンアプリ50に供給する。即ち、PC10のスキャンアプリ50は、スキャナ100から仲介プログラム52を介してキー選択情報を受信する(図3のS10でYES)。
【0045】
スキャンアプリ50は、第1のプッシュスキャンキー160のキー識別情報に対応付けられている指定フラグがONを示すと判断し(S20でNO)、T20において、第1のプッシュスキャンキー160のキー識別情報に対応付けて記憶されているスキャン設定値を含むスキャン要求をスキャナ100に送信する(S40)。
【0046】
スキャナ100は、T20において、PC10からスキャン要求を受信すると、T22において、スキャン要求に含まれるスキャン設定値に従って原稿のスキャンを実行する。そして、スキャナ100は、T24において、スキャンデータをPC10に送信する。
【0047】
スキャンアプリ50は、T24において、スキャナ100からスキャンデータを受信すると(S42)、T26において、第1のプッシュスキャンキー160のキー識別情報に対応付けて記憶されている保存設定値に従って保存処理を実行する(S44)。次いで、スキャンアプリ50は、T30において、完了画面SC3を表示する(S46)。完了画面SC3は、第1のプッシュスキャンキー160に対応するスキャンが実行されたことを示すメッセージと、第1のプッシュスキャンキー160に対応するスキャン設定値と、第1のプッシュスキャンキー160に対応する保存設定値と、を含む。これにより、ユーザは、複数個のプッシュスキャンキー160,162,164のうちのどのキーに従ってスキャンが実行されたのかと、当該キーに対応するワークフローの内容と、を知ることができる。
【0048】
(ケースB:図5
続いて、図5を参照して、図3の処理によって実現される具体的なケースBを説明する。図5の初期状態は、図4の初期状態と同じであり、PC10のメモリ34は、第2及び第3のプッシュスキャンキーのそれぞれのキー識別情報に対応付けて、スキャン設定値及び保存設定値を記憶しておらず、指定フラグOFFを記憶している。
【0049】
スキャナ100は、T110において、ユーザから第2のプッシュスキャンキー162の選択を受け付けると、T112において、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報を含むキー選択情報をPC10に送信する。
【0050】
PC10のスキャンアプリ50は、T112において、スキャナ100から仲介プログラム52を介してキー選択情報を受信すると(図3のS10でYES)、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報に対応付けられている指定フラグがOFFを示すと判断し(S20でYES)、デフォルトの設定値を記憶済みでないと判断する(S22でNO)。
【0051】
スキャンアプリ50は、T120において、能力情報要求をスキャナ100に送信して、T122において、スキャナ100から能力情報を受信する(S24)。スキャンアプリ50は、T124において、能力情報に従ってデフォルトのスキャン設定値を決定し、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報に対応付けて、決定済みのデフォルトのスキャン設定値と、予め決められているデフォルトの保存設定値と、を記憶する(S26)。そして、スキャンアプリ50は、T130において、問合画面SC2を表示する(S30)。
【0052】
(ケースB1)
ケースB1では、スキャンアプリ50は、T140において、ユーザから「デフォルトでスキャン」を示すボタン200の選択を受け付ける(S32でYES)。この場合、スキャンアプリ50は、T150において、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報に対応付けられているデフォルトのスキャン設定値(T124参照)を含むスキャン要求をスキャナ100に送信する(S40)。
【0053】
スキャナ100は、T150において、PC10からスキャン要求を受信すると、T152において、スキャン要求に含まれるスキャン設定値に従って原稿のスキャンを実行する。そして、スキャナ100は、T154において、スキャンデータをPC10に送信する。
【0054】
スキャンアプリ50は、T154において、スキャナ100からスキャンデータを受信すると(S42)、T156において、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報に対応付けて記憶されているデフォルトの保存設定値に従って保存処理を実行する(S44)。次いで、スキャンアプリ50は、T160において、完了画面SC3を表示する(S46)。ここでの完了画面SC3は、第2のプッシュスキャンキー162に対応するスキャンが実行されたことを示すメッセージと、第2のプッシュスキャンキー162に対応するデフォルトのスキャン設定値と、第2のプッシュスキャンキー162に対応するデフォルトの保存設定値と、を含む。
【0055】
(ケースB2)
ケースB2では、スキャンアプリ50は、T170において、ユーザから「ワークフローの指定」を示すボタン202の選択を受け付ける(S32でNO)。この場合、スキャンアプリ50は、T172において、ワークフロー指定画面SC1(図2参照)を表示する。ここでのワークフロー指定画面SC1では、第2のプッシュスキャンキー162に対応するキーボタン72が指定されており、スキャン設定領域80、保存設定領域90には、それぞれ、デフォルトのスキャン設定値、デフォルトの保存設定値が示される。
【0056】
スキャンアプリ50は、T172において、ユーザからスキャン設定値及び保存設定値の指定を受け付けると、T176において、第2のプッシュスキャンキー162のキー識別情報に対応付けて、指定済みのスキャン設定値、指定済みの保存設定値、及び、指定フラグONを記憶する。その後の処理は、T150~T160と同様である。
【0057】
(第1実施例の効果)
本実施例のスキャナ100は、文字列を表示するための表示部を備えない。従って、ユーザは、スキャナ100に表示される設定値を見ながら、プッシュスキャンキー160~164を操作することができない。そもそも、ユーザは、スキャナ100を見ても、どのプッシュスキャンキーに対応するWFを指定済みであるのかも知ることができない。従って、図5のケースBに示されるように、ユーザは、スキャナ100にスキャンを実行させるために、WFがまだ指定されていないプッシュスキャンキー162を選択し得る(T110)。この場合、PC10は、WFの指定に関連する問合画面SC2を表示する(T130)。これにより、ユーザは、問合画面SC2に従って、プッシュスキャンキー162に対応するWFを指定することができる(T174)。このために、ユーザの利便性が向上する。
【0058】
(対応関係)
PC10、スキャナ100が、それぞれ、「端末装置」、「画像読取装置」の一例である。キー選択情報が、「操作情報」の一例である。プッシュスキャンキー160~164が、「1個以上の読取キー」及び「複数個の読取キー」の一例である。スキャン設定値及び保存設定値が、「設定値」の一例である。問合画面SC2、ワークフロー指定画面SC1が、それぞれ、「関連画面」、「指定画面」の一例である。問合画面SC2に含まれるボタン202が、「メッセージ」及び「オブジェクト」の一例である。
【0059】
図3のS10の処理、S30の処理、S50の処理が、それぞれ、「第1の受信部」、「第1の表示制御部」、「第2の表示制御部」によって実行される処理の一例である。S50及びS52を経て実行されるS40の処理が、「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。
【0060】
(第2実施例:図6
本実施例では、図3の処理に代えて図6の処理が実行される。S110~S126,S140~S144は、図3のS10~S26,S40~S44と同様である。
【0061】
S150では、スキャンアプリ50は、S120と同様に、選択キーのキー識別情報に対応付けられている指定フラグがONを示すのかOFFを示すのかを判断する。スキャンアプリ50は、当該指定フラグがOFFを示す場合にS150でYESと判断してS152に進み、当該指定フラグがONを示す場合にS150でNOと判断して図6の処理を終了する。
【0062】
S152では、スキャンアプリ50は、問合画面SC4を表示する。問合画面SC4は、選択キーに対応するWFを指定するのか否かを問い合わせるメッセージと、ボタン210と、を含む。ボタン210は、プッシュスキャンのためのWFを指定することを示す文字列を含む。ユーザは、上記のメッセージ及び文字列を見ることによって、プッシュスキャンのためのWFを指定可能なことを知ることができる。
【0063】
S160では、スキャンアプリ50は、問合画面SC4において、ボタン210が選択されたのか否かを判断する。スキャンアプリ50は、ボタン210が選択される場合に、S160でYESと判断してS162に進み、ボタン210が選択されない場合に、S160でNOと判断して図6の処理を終了する。
【0064】
S162では、スキャンアプリ50は、プッシュスキャンのためのWF指定画面SC1(図2参照)を表示する。ここで表示されるWF指定画面SC1では、選択キーに対応するキーボタンが指定されている。スキャン設定領域80、保存設定領域90は、それぞれ、選択キーのキー識別情報に対応付けられているデフォルトのスキャン設定値、デフォルトの保存設定値(S122でYES又はS126参照)を示す。S162が終了すると、図6の処理が終了する。
【0065】
(第2実施例の効果)
PC10は、WFがユーザによって指定済みでない場合(S150でYES)に、WFの指定に関連する問合画面SC4を表示する(S162)。これにより、ユーザは、問合画面SC4及びその後に表示されるWF指定画面SC1に従って、選択キーに対応するWFを指定することができる。このために、ユーザの利便性が向上する。特に、本実施例では、PC10は、スキャン要求をスキャナ100に送信した後に、問合画面SC4を表示する。従って、PC10は、原稿のスキャンをスキャナ100に迅速に実行させることができる。
【0066】
(対応関係)
本実施例では、問合画面SC4が、「関連画面」の一例である。問合画面SC4に含まれるボタン210が、「メッセージ」及び「オブジェクト」の一例である。図6のS122でYES又はS126を経て実行されるS140の処理が、「第2の送信部」によって実行される処理の一例である。
【0067】
(第3実施例:図7
本実施例では、図3及び図6の処理に代えて図7の処理が実行される。スキャンアプリ50は、まず、図6のS110~S144と同様の処理を実行する。
【0068】
S250では、スキャンアプリ50は、選択キーのキー識別情報に対応付けられている指定フラグがONを示すのかOFFを示すのかを判断する。スキャンアプリ50は、当該指定フラグがOFFを示す場合にS250でYESと判断してS252に進み、当該指定フラグがONを示す場合にS250でNOと判断してS270に進む。
【0069】
S252では、スキャンアプリ50は、完了画面SC5を表示する。完了画面SC5は、選択キーに対応するスキャンが実行されたことを示すメッセージと、選択キーに対応するスキャン設定値と、選択キーに対応する保存設定値と、を含む。完了画面SC5は、さらに、選択キーに対応するWFを指定するのか否かを問い合わせるメッセージと、ボタン220と、を含む。ボタン220は、プッシュスキャンのためのWFを指定することを示す文字列を含む。ユーザは、上記のメッセージ及び文字列を見ることによって、プッシュスキャンのためのWFを指定可能なことを知ることができる。
【0070】
S260では、スキャンアプリ50は、完了画面SC5において、ボタン220が選択されたのか否かを判断する。スキャンアプリ50は、ボタン220が選択される場合に、S260でYESと判断してS262に進み、ボタン220が選択されない場合に、S260でNOと判断して図7の処理を終了する。
【0071】
S262では、スキャンアプリ50は、プッシュスキャンのためのWF指定画面SC1(図2参照)を表示する。ここで表示されるWF指定画面SC1では、選択キーに対応するキーボタンが指定されている。スキャン設定領域80、保存設定領域90は、それぞれ、選択キーのキー識別情報に対応付けられているデフォルトのスキャン設定値、デフォルトの保存設定値(S122でYES又はS126参照)を示す。
【0072】
S264では、スキャンアプリ50は、S262で指定されたWFに従って、S142で受信された元のスキャンデータを変更する。具体的には、スキャンアプリ50は、まず、元のスキャンデータを変換して、S262で指定されたスキャン設定値に対応する新たなスキャンデータを生成する。例えば、元のスキャンデータがカラーのデータであり、指定済みのスキャン設定値がモノクロを示す場合には、スキャンアプリ50は、元のカラーのスキャンデータからモノクロのスキャンデータを生成する。次いで、スキャンアプリ50は、S262で指定された保存設定値に従って、新たなスキャンデータの保存処理を実行する。例えば、元のスキャンデータのための保存設定値が「PCへ保存」であり、指定済みの保存設定値が「メール添付」である場合には、スキャンアプリ50は、新たなスキャンデータが添付された電子メールを生成する。S264が終了すると、図7の処理が終了する。
【0073】
S270では、スキャンアプリ50は、完了画面SC6を表示する。完了画面SC6は、選択キーに対応するスキャンが実行されたことを示すメッセージを含む。これにより、ユーザは、どのプッシュスキャンキーに対応するスキャンが実行されたのかを知ることができる。S270が終了すると、図7の処理が終了する。
【0074】
(第3実施例の効果)
PC10は、WFがユーザによって指定済みでない場合(S250でYES)に、WFの指定に関連する完了画面SC5を表示する(S252)。これにより、ユーザは、完了画面SC5及びその後に表示されるWF指定画面SC1に従って、選択キーに対応するWFを指定することができる。このために、ユーザの利便性が向上する。特に、本実施例では、PC10は、ユーザによって指定されたスキャン設定値に従って、元のスキャンデータを新たなスキャンデータに変更し、ユーザによって指定された保存設定値に従って保存処理を実行する。このために、ユーザの利便性が向上する。
【0075】
(対応関係)
本実施例では、完了画面SC5が、「関連画面」の一例である。完了画面SC5に含まれるボタン220が、「メッセージ」及び「オブジェクト」の一例である。図7で引用するS142の処理が、「第2の受信部」によって実行される処理の一例である。S264の処理が、「変更部」によって実行される処理の一例である。
【0076】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0077】
(変形例1)上記の各実施例では、メモリ34は、各キー識別情報に対応付けて指定フラグを記憶する。これに代えて、メモリ34は、各キー識別情報に対応付けてデフォルトの設定値と現在の設定値との双方を記憶するように構成されてもよい。この場合、スキャンアプリ50は、デフォルトの設定値と現在の設定値とが一致する場合に、設定値がユーザによって指定済みでないと判断し(例えば図3のS22でYES)、デフォルトの設定値と現在の設定値とが一致しない場合に、設定値がユーザによって指定済みであると判断することができる(図3のS22でNO)。
【0078】
(変形例2)上記の各実施例では、PC10が各キー識別情報に対応付けて設定値及び指定フラグを記憶する。これに代えて、スキャナ100が各キー識別情報に対応付けて設定値及び指定フラグを記憶してもよい。この場合、スキャンアプリ50は、図3のS10において、選択キーのキー識別情報に対応付けられている設定値及び指定フラグを含むキー選択情報を受信する。S26では、スキャンアプリ50は、デフォルトの設定値をスキャナ100に記憶させる。S52では、スキャンアプリ50は、指定済みの設定値をスキャナ100に記憶させる。
【0079】
(変形例3)図3のS30の問合画面SC2は、ボタン202を含んでいなくてもよい。この場合、S50及びS52が省略される。一般的に言うと、「関連画面」は、メッセージを含んでいなくてもよいし、オブジェクトを含んでいなくてもよい。また、「第2の表示制御部」は省略可能である。
【0080】
(変形例4)図3のS50では、スキャンアプリ50は、プッシュスキャンキー160~164のいずれが選択される場合であっても、第1のキー160に対応するキーボタン70が指定されているWF指定画面SC1を表示してもよい。一般的に言うと、「第2の表示制御部」は、特定の読取キーとは異なる読取キーに対応する設定値を指定するための指定画面を表示してもよい。
【0081】
(変形例5)スキャナ100は、複数個のプッシュスキャンキー160~164を備えなくてもよく、1個のプッシュスキャンキーのみを備えていてもよい。一般的に言うと、「画像読取装置」は、1個以上の読取キーを備えていればよい。
【0082】
(変形例6)図7のS252では、スキャンアプリ50は、デフォルトのスキャン設定値及びデフォルトの保存設定値を含まない完了画面を表示してもよい。一般的に言うと、「関連画面」は、デフォルトの設定値を含まなくてもよい。
【0083】
(変形例7)スキャンアプリ50は、図3のS32でNOと判断する場合に、S50及びS52の処理を実行せずに、図3の処理を終了してもよい。即ち、「第1の送信部」は省略可能である。
【0084】
(変形例8)図7のS264が省略されてもよい。即ち、「変更部」は省略可能である。
【0085】
(変形例9)スキャナ100は、文字列を表示するための表示部(即ち、ディスプレイ、パネル(例えば、液晶パネル、有機ELパネル)等)を備えていてもよい。この場合、スキャナ100は、ハードウェアキーであるプッシュスキャンキー160~164を備えなくてもよく、ソフトウェキーであるプッシュスキャンキーを備えてもよい。一般的に言うと、「画像読取装置」は、文字列を表示するための表示部を備えてもよいし、「1個以上の読取キー」は、ソフトウェアキーであってもよい。
【0086】
(変形例10)上記の実施例では、スキャンアプリ50は、PC10にインストールされるネイティブアプリであるが、ウェブアプリであってもよいし、クラウドアプリであってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0087】
(変形例11)「画像読取装置」は、単機能のスキャナに限らず、スキャナ機能に加えて印刷機能を有する複合機又はコピー機であってもよい。
【0088】
(変形例12)上記の各実施例では、図3図7の各ステップの処理がソフトウェアによって実現されるが、これらの各処理の少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0089】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0090】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
画像の読取を実行するための1個以上の読取キーを備える画像読取装置から、前記1個以上の読取キーのうちの特定の読取キーが操作されたことを示す操作情報を受信する第1の受信部と、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する設定値であって、画像の読取に関連する前記設定値がユーザによって指定済みでない場合に、前記設定値の指定に関連する関連画面を表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みである場合に、前記関連画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記関連画面は、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するためのメッセージを含む、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記関連画面は、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するためのオブジェクトを含む、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記関連画面に含まれる前記オブジェクトが前記ユーザによって選択される場合に、前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するための指定画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部として機能させる、項目3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記画像読取装置は、画像の読取を実行するための複数個の読取キーを備え、
前記第2の表示制御部は、前記関連画面に含まれる前記オブジェクトが前記ユーザによって選択される場合に、前記複数個の読取キーのうちの前記特定の読取キーに対応する前記設定値を指定するための前記指定画面を前記表示部に表示させる、項目4に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記関連画面は、画像の読取に関連するデフォルトの設定値を含む、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第1の表示制御部は、前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みでない場合に、読取要求が前記画像読取装置に送信される前に、前記関連画面を前記表示部に表示させる、項目1から6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記関連画面が前記表示部に表示されることに応じて、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定される場合に、指定済みの前記設定値に従った前記読取要求を前記画像読取装置に送信する第1の送信部として機能させる、項目7に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記画像読取装置から前記操作情報が受信され、かつ、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定済みでない場合に、デフォルトの設定値に従った読取要求を前記画像読取装置に送信する第2の送信部として機能させ、
前記第1の表示制御部は、前記読取要求が前記画像読取装置に送信された後に、前記関連画面を前記表示部に表示させる、項目1から6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記読取要求が前記画像読取装置に送信されることに応じて、前記画像読取装置から読取データを受信する第2の受信部と、
前記関連画面が前記表示部に表示されることに応じて、前記特定の読取キーに対応する前記設定値が前記ユーザによって指定される場合に、指定済みの前記設定値に従って前記読取データを変更する変更部と、
として機能させる、項目9に記載のコンピュータプログラム。
(項目11)
前記1個以上の読取キーは、ハードウェアキーである、項目1から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目12)
前記画像読取装置は、文字列を表示するための表示部を備えない、項目11に記載のコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0091】
2:通信システム、4:LAN、10:ノートPC、12:操作部、14:表示部、20:LANインターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、100:スキャナ、112:操作部、116:スキャン実行部、120:LANインターフェース、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、160~164:プッシュスキャンキー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7