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特開2024-14715再生医学用超強力電気伝導性生体適合ハイドロゲル製造用光硬化性バイオインク及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014715
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】再生医学用超強力電気伝導性生体適合ハイドロゲル製造用光硬化性バイオインク及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/22 20060101AFI20240125BHJP
   A61L 27/38 20060101ALI20240125BHJP
   A61L 27/52 20060101ALI20240125BHJP
   A61L 27/44 20060101ALI20240125BHJP
   A61L 27/08 20060101ALI20240125BHJP
   C08F 299/02 20060101ALI20240125BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
A61L27/22
A61L27/38
A61L27/52
A61L27/44
A61L27/08
C08F299/02
B33Y70/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079724
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0091120
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】523177137
【氏名又は名称】ハルリム大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】halrim daehakkkyo sanhakhyomnyokttan
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンフム
(72)【発明者】
【氏名】リー ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】アジテル、オラトゥンジ アボラリン
(72)【発明者】
【氏名】リー オクジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジスン
(72)【発明者】
【氏名】リー ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】スルタン ムドゥティプ
(72)【発明者】
【氏名】キム チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】クォン オジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジイェ
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム スンヒ
【テーマコード(参考)】
4C081
4J127
【Fターム(参考)】
4C081AB11
4C081AB31
4C081BA15
4C081BA16
4C081BB03
4C081BB08
4C081BC01
4C081CD11
4C081CD15
4C081CF16
4C081DA12
4C081DC11
4J127AA03
4J127BA051
4J127BA111
4J127BB031
4J127BB051
4J127BB081
4J127BB131
4J127BB221
4J127BC031
4J127BD011
4J127BE281
4J127BE28Y
4J127BE311
4J127BE31Y
4J127BF081
4J127BG101
4J127BG151
4J127BG221
4J127BG231
4J127BG251
4J127CA01
4J127DA02
4J127DA05
4J127DA08
4J127EA12
4J127FA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】超強力、伸縮性、電気伝導性及び生体適合性に優れたハイドロゲルでプリンティング可能なデジタル光処理(DLP)用広硬化性バイオインク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】シルクナノ繊維の製造及びゼラチンの二重メタクリル化のような天然高分子の物理的または化学的変形の(a)段階、酸化グラフェン(GO)カルボキシル化の(b)段階、(a)段階のメタクリル化天然高分子と(b)段階のカルボジイミド化の(c)段階、及びシルクナノ繊維が入ったり入っていない3Dバイオプリンティングを含む超強力、生体適合性、電気伝導性及び伸縮性ハイドロゲル組成物を提供する方法を提供する。本発明によるハイドロゲル組成物は、従来のハイドロゲルとは異なり、腱及び心臓のような荷重支持軟組織範囲で高い機械的強度を有する生体適合性ハイドロゲルを製造することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マクロマーを含むハイドロゲル組成物において、
上記マクロマーは、二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)を含み、
上記の二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)は、カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)と共有結合されることを特徴とするハイドロゲル組成物。
【請求項2】
請求項1記載のハイドロゲル組成物において、
シルクフィブロインナノファイバーをさらに含むハイドロゲル組成物。
【請求項3】
請求項1記載のハイドロゲル組成物において、
上記カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件でグラフェンオキシド(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応によって得られることを特徴とするハイドロゲル組成物。
【請求項4】
マクロマーを含むハイドロゲル組成物の製造方法において、
a) ゼラチンとメタクリル酸塩(MA)無水物を一次メタクリル化反応させる、GelGMA製造段階;
b) GelGMAとグリシジルメタクリル酸塩(GMA)を二次メタクリル化反応させる、GelMAGMA製造段階;及び
c) GelMAGMAとカルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)のカルボジイミド化反応が行われるGelGOMA製造段階;
を含む、ハイドロゲル組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載のハイドロゲル組成物の製造方法において、
上記GelGOMA製造段階において、上記カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件で酸化グラフェン(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応を通じて得られることを特徴とするハイドロゲル組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項4記載のハイドロゲル組成物の製造方法において、
上記GelGOMA製造段階において、上記カルボキシル化された酸化グラフェン(GO-COOH)は攪拌条件下で、N-ヒドロキシルスクシンイミド(NHS)及び1-エチル-3-(3-(ジメチルアミノ)プロフィール)-カルボジイミド塩酸(EDC)の添加により活性化されることを特徴とするハイドロゲル組成物の製造方法。
【請求項7】
DLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物において、
マクロマーを含むハイドロゲル;
細胞; 及び
光開始剤; を含み、
上記マクロマーは、二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)を含み、
上記の二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)は、カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)と共有結合されることを特徴とするDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物。
【請求項8】
請求項7記載のDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物において、
上記マクロマーを含むハイドロゲルは、シルクフィブロインナノ繊維をさらに含むことを特徴とするDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物。
【請求項9】
請求項7記載のDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物において、
上記カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件下で酸化グラフェン(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応によって得られることを特徴とするDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物。
【請求項10】
請求項7記載のDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物において、
上記の二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)は、
ゼラチンとメタクリル酸エステル(MA)無水物の一次メタクリル化反応が行われて得られたGelGMAを、グリシジルメタクリル化反応させて得られることを特徴とするDLP 3Dプリンティング用バイオインク組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超強力、伸縮性、電気伝導性及び生体適合性に優れたハイドロゲルでプリンティング可能なデジタル光処理(DLP)用広硬化性バイオインク及びその製造方法に関するもので、天然高分子を使用して耐荷重特性及び電気伝導性に優れて組織の再生に適したバイオインクを機能化して提供するためのものである。
【0002】
研究課題情報
〔課題固有番号〕HI20C0408
〔省庁名〕保健福祉部
〔研究管理専門機関〕韓国保健産業振興院
〔研究事業名〕先端医療技術開発
〔研究課題名〕幹細胞脳疾患治療向上のための鼻腔内伝達法及び幹細胞機能強化ハイドロゲル共通基盤技術開発
〔主管機関〕ハンリム大学校
〔寄与度〕1/1
〔研究期間〕2020.04.23.~2022.12.31
【背景技術】
【0003】
組織工学分野では、ヒトの組織再生のために細胞、生体材料、物理化学的特性を使用する。
【0004】
組織特異的機械的信号および細胞支援システムと関連して、様々な生体材料を基本細胞外基質(ECM)でモデリングするために多くの研究が行われてきており、その一つとしてハイドロゲルが挙げられる。
【0005】
構造的および物理的特性の側面でハイドロゲルはECMに対して高い類似性を持ち、水に溶解せず定義された構造を維持できる高い吸収性、架橋および親水性高分子である。
【0006】
このようなハイドロゲルは構造内に多量の水と不均一な架橋点を保有するため、荷重に耐える基本軟組織を効果的に代替するには十分ではないと考えられる。
【0007】
例えば、膨潤程度が増加すると、ハイドロゲルは靭性、強度、延伸率および回復性が減少するが、これにより軟骨、皮膚、筋肉、心臓弁膜、血管および腱のような荷重支持軟組織の組織工学分野ではハイドロゲルを使用できない場合が多い。
【0008】
また、ECM剛性(stiffness)はDNA復旧効率と誘電毒性感度を制御することが知られており、ターゲット天然組織に対するスキャフォールド機械的類似性が非常に重要である。
【0009】
このためにハイドロゲルマトリックスの化学的ネットワークを制御したり、酸化グラフェン(GO)生体複合物のような生体複合物を使用することで、弾性および超強力ハイドロゲルを製造することができる。
【0010】
この場合、ハイドロゲルの水分含量が減少したり、脆性および破断が誘発されることがあるので、生体複合材料を高分子骨格に共有結合させることで機械的特性を向上させることができる。
【0011】
ECMを模倣するための合成および天然ポリマーの使用は、再生医学分野で広く利用されてきた。
【0012】
合成ポリマーは機能化しやすいが、自然な過程で分解されにくく、しばしば移植中に周辺組織との物質統合に必要な細胞相互作用モチーフが不足する。
【0013】
反面、ゼラチン、シルクフィブロイン(SF)のような天然高分子は、生物学的過程によって簡単に分解されるが機能化しにくい。
【0014】
合成高分子に比べて天然高分子を機能化することが難しいため、天然高分子を使用して超強力ハイドロゲルを製造することは依然として難しい研究課題として残っている。
【0015】
SFとゼラチンは軟組織工学用スキャポルドとして広く使われる天然高分子で、生体適合性とライシンアミノ酸残基にあるアミノエッジチェーンの存在による生体内研究の容易さから組織工学分野では広く製作および探求されてきた。
【0016】
SFベースのハイドロゲルはゼラチンハイドロゲルに比べて機械的強度に優れていると広く知られているが、適切な刺激下でβシートを形成し、その強度が増加する。
【0017】
また、GOあるいは酸化鉄(IO)のような他のナノ粒子にSFナノ繊維を適用して支持体の機械的強度を向上させることができるが、それにもかかわらずシルクナノ繊維から抽出したハイドロゲルは耐荷重ECM代替材として広く適用されなかった。
【0018】
負荷に耐えるECM代替材としての応用の他にも電気伝導性超強力ハイドロゲルは、ソフトセンサー、ウェアラブル電子装置および損傷した脳復旧のための電気感光性細胞のカプセル化のような電子応用分野で望ましく活用できる。 GOの共有還元(covalent reduction)はSFハイドロゲル複合物に電気的活性を付与することができ、これによりシルクハイドロゲルが半導体から電気伝導性ハイドロゲルに転換されるようにする。
【0019】
本発明の出願人は、大韓民国特許第10-2180865号において、ハイドロゲルの電気伝導性が細胞-細胞伝達、細胞分化及び全体組織機能に影響を及ぼすことを確認した。
【0020】
生体適合性に優れた光硬化性バイオインクは細胞カプセル化および繊細な組織への薬物伝達のための重要な道具として使用でき、ハイドロゲルに変形された後の粘弾性特性はカプセル化された細胞を保護することができる。
【0021】
また、時間による分解は移植後の内容物の漸進的な放出を保障し、低い反応性はその中にカプセル化された化学物質の化学的安定性を意味する。
【0022】
大韓民国登録特許第10-2180865号には、生体複合体を3次元構造で製作する方法が提示されている。
【0023】
Vat重合は高い効率と分解能によって一般的に使われる積層製造工程である。
【0024】
すべてのVat重合積層製造工程の中でDLPは、マイクロミラーアレイ装置を使用したレイヤー別印刷パターンによって長寿命の光源、向上した速度および精度に優れている。
【0025】
したがって、DLPバイオプリンターを通じて光硬化性高分子から印刷されたハイドロゲルは組織工学分野に広範囲に適用できる(WO2018-186611A2)。
【0026】
GO、SFまたはゼラチンを使用した生体複合体および超強力ハイドロゲルの一部初期3Dプリンティングは中国登録特許第110003392号に提示されているが、ここで言及された大部分のアプローチは劣悪な処理条件により細胞カプセル化に望ましくない。
【0027】
しかし、以下で後述される本発明によるバイオインクの製造方法及びこのような方法で製造されたバイオインクの場合、細胞カプセル化に適しており、強力な機械的特性と共に高い荷重を支持することができ、ハイドロゲルの適用範囲を多様な機関に拡大させることができる長所が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-2180865号公報
【特許文献2】国際公開特許第2018/186611号
【特許文献3】中国特許第110003392号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、ハイドロゲル製造に使用される天然高分子(SF及びゼラチン)を使用してDLPプリンティング用バイオインクに関するもので、SFとゼラチンは細胞相互作用モチーフ、生体適合性、安価で生分解性を有する。
【0030】
具体的な製造例を通じてこのようなバイオインクで印刷された生体複合体の細胞適合性を観察し、使用された溶媒および化学物質は簡単に除去され、試験管内および生体内の両方で細胞毒性が確認されなかった。
【0031】
本発明による化学的に改質された天然高分子は、心臓筋肉のように緊張に耐える軟組織を製作に使われるハイドロゲルを形成できるよう機械的物性が向上し、GO還元と関連した製造工程を通じてバイオインクの電気的特性を成功的に導入することができた。
【0032】
また、損傷時に脳のような電気敏感組織への簡単な細胞移植及び薬物伝達を保障できるように光硬化特性を保有することで、本発明によって製作されたハイドロゲルは心臓または脳組織のように負荷に耐える電気敏感組織のECMと機械的、電気的に非常に類似した長所を持つ。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の一実施形態に他の電気伝導性と生体適合性に優れたハイドロゲルは、マクロマー(macromer)を含み、上記マクロマーは二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)を含むが、上記二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)はカルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)と共有結合されることを特徴とする。
【0034】
上記電気伝導性と生体適合性に優れたハイドロゲルは、シルクフィブロであるナノ繊維をさらに含むことができる。
【0035】
上記カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件でグラフェンオキシド(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応を通じて得られることが望ましい。
【0036】
本発明の他の実施形態としては、マクロマーを含むハイドロゲルの製造方法が挙げられ、a)ゼラチン及びメタクリル酸(MA)無水物を一次メタクリル化反応させるGelGMA製造段階、b)GelGMA及びグリシジルメタクリル酸塩(GMA)を二次メタクリル化反応させるGelMAGMAとカルボキシル酸化グラフェン(GOH)のカルボジイミド化反応ができる。
上記GelGOMA製造段階で、上記カルボン化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件で酸化グラフェン(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応を通じて得られることが望ましい。
【0037】
上記GelGOMA製造段階において、上記カルボキシル化された酸化グラフェン(GO-COOH)は攪拌条件下で、N-ヒドロキシルスクシンイミド(NHS)及び1-エチル-3-(3-(ジメチルアミノ)プロフィール)-カルボジイミド塩酸(EDC)の添加により活性化することができる。
【0038】
本発明のもう一つの実施形態としてDLP 3Dプリンティング用バイオインクが挙げられるが、マクロマーを含むハイドロゲル;細胞;および光開始剤;を含み、上記マクロマーは二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)を含み、上記二重メタクリレーションされたゼラチン(GelMAGMA)はカルボキシル化された酸化グラフェン(GO-COOH)と共有結合されることを特徴とする。
【0039】
上記マクロマーを含むハイドロゲルは、シルクフィブロであるナノ繊維をさらに含むことができ、カルボキシル化された酸化グラフェン(GO-COOH)は、超音波処理条件下で酸化グラフェン(GO)とクロロ酢酸(ClCH2COOH)の反応によって得られることが望ましい。
【0040】
二重メタクリル化されたゼラチン(GelMAGMA)は、ゼラチンとメタクリル化反応が行われて得られたGelGMAをグリシジルメタクリル化反応させてより好ましい。
【発明の効果】
【0041】
本発明はDLPプリンティングによって超強力ハイドロゲル(GelGOMAおよびその誘導体)の組成および製造技術を提供することで、前述したハイドロゲルの問題点を解決することができる。
【0042】
本発明はスポンジ製造、バイオインク組成、生体適合性3Dプリンティングされたハイドロゲル、およびこれらのハイドロゲルの適用方法を提供するためのもので、先に背景となる技術で言及された既存のハイドロゲルの限界を克服し、架橋ネットワークを改善するために、ゼラチン天然ポリマーは光重合中に二重メタクリルレート化された。
【0043】
また、二重メタクリレートゼラチンの機械的物性を向上させるためにSFナノ繊維を用意した後、二重メタクリレートゼラチン(GelMAGMA)との向上した接合のためにヒドロキシル作用機が豊富なGOをカルボキシル化した。
【0044】
また別の側面で、本発明ではa)メタクリル酸塩水物(MA)とのゼラチン反応及びb)グリシジルメタクリル酸塩(GMA)と単一メタクリル酸塩反応を含むゼラチンの二重メタクリル化過程を行った。
【0045】
例えば、ゼラチンはGMAと直接反応して光硬化性ポリマーであるGelGMAを生成した。 GelMAGMAの余分なアミノ作用機は、エステル化反応を通じてGOのカルボン作用機を通じてカルボン化されたGOに共有結合で連結されることができる。
【0046】
このような過程は酸素分子の除去によるπオービタルの非偏在化を通じてGelGOMAに電気的特性を付与することになる。
【0047】
他の側面で、連結されたGOの濃度は選択的にGelGOMA01、GelGOMA02およびGelGOMA03に変更させながら、試料を製造した。
【0048】
このような本発明による製造方法では、スポンジサンプルを得るために透析を通じて未反応物質を除去した後、凍結及び凍結乾燥を含むことができる。
【0049】
また、スポンジ溶液に光架橋剤を導入することによって、DLPを通じて強い伸縮性および電気伝導性ハイドロゲルで印刷する段階を含むことができる。
【0050】
このような製造方法及びこれにより製造されたバイオインクは、伸縮性及び生体適合性を有する3D印刷された複合構造物を提供することができる。
【0051】
高い水準の架橋およびSFナノフィラーによって印刷された複合構造物は高い機械的強度を持つだけでなく、バイオインクの光硬化性は組織への安全な伝達のために細胞および薬物の容易なカプセル化が可能である。
【0052】
本発明のもう一つの長所は、印刷されたGelGOMAの電気伝導性によって電気感光性組織の再生にまで活用及び適用分野を広げることができる。
【0053】
本発明によるGelGOMAのこのような特徴および長所、効果などは後述される発明の詳細な説明および図面から明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】超強力、伸縮性及び電気伝導性ハイドロゲルの製造工程の概略図である。(i) 二重メタクリル化工程を通じた光硬化性ゼラチンポリマーバックボーン(GelMAGMA)の合成は、最初は無水メタクリル酸塩(MA)を使用し、後にグリシジルメタクリル酸塩(GMA)を使用し、(ii) GO上のカルボキシル作用器の数を増加させるカルボキシル化及びカルボキシル基の後続活性化を含む酸化グラフェン(GO)を活性化させ、(iii) 活性化されたGO溶液と二重メタクリル酸塩(GelMAGMA)との間のカルボジイミド化反応でGelGOMAスポンジ提供する。(iv) DLPバイオプリンティングを通じたGelGOMAハイドロゲルの製作で超強力、伸縮性および電気伝導性ハイドロゲル(GelGOMA)の複雑な構造を提供することができる。
図2a】FT-IRスペクトルを通じたGelGOMAおよび関連スポンジの化学的特性の図である。
図2b】1H-NMRを通じたGelGOMAおよび関連スポンジの化学的特性の図である。
図3】GelGOMA溶液の溶解度、分散および沈降特性を観察した結果で、GOとメタクリル化スポンジ(スポンジ+GO溶液)およびカルボキシル化GO(スポンジ+GO-COOH溶液)があるメタクリル化スポンジの混合物に対する時間変化による分散および溶解度を示すGelGOMA溶液の写真である。
図4a】走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した加工されたスポンジ(SGMA、GelGMA、GelMAGMA)の写真である。
図4b】走査電子顕微鏡(SEM)を通じて観察したGO濃度別GelGOMAの写真である。
図5】C/N/O重量比と原子パーセント表を得るために製作されたスポンジ表面のEDX元素マッピングで、円はEDX元素分析ポイントを意味する。
図6a】絶縁及び光硬化性樹脂からDLPプリンターに印刷した4ポイントプローブEISセルモデルである。
図6b】多様なハイドロゲル濃度で多様な周波数を持つGelGOMA及びその他のハイドロゲルの電気伝導度グラフである。
図6c】多様なハイドロゲル濃度でハイドロゲルの電流-電圧(I-V)曲線測定結果である。
図7a】引張試験実験設定の概略図である。
図7b】圧縮テスト設定の概略図である。
図7c】多様なハイドロゲル濃度で製作されたすべてのハイドロゲルの変位対引張応力のグラフである。
図7d】多様な濃度のハイドロゲルに対する初期長さの最大変形率が30%から90%であるGelGOMAハイドロゲルの循環引張応力グラフである。
図7e】多様な濃度で製作されたすべてのハイドロゲルの変位対圧縮応力のグラフである。
図7f】多様な濃度のハイドロゲルに対する初期高さの最大変位40%~55%に対するGelGOMAの循環圧縮応力グラフである。
図8a】様々な濃度のGO(すなわち、GelGOMA 01、GelGOMA 02及びGelGOMA 03)から10、20又は30%(w/v)バイオインクで作られたGelGOMAの引張強度グラフである。
図8b】多様な濃度のGO(すなわち、GelGOMA 01、GelGOMA 02及びGelGOMA 03)から10、20又は30%(w/v)バイオインクで作られたGelGOMAの圧縮強度グラフである。
図9a】落ちる500g鉄ビードに対する20%(w/v)GelGOMA02ハイドロゲルの柔軟性、伸縮性および人性を示す写真である。
図9b】滑らかな表面で20%(w/v)GelGOMA02ハイドロゲルビードの弾性反動の写真である。
図10】本発明によって製造されたハイドロゲルの粘弾性特性である。
図11】同等の濃度のGelGMAおよびGelMAGMAハイドロゲルに対する10、20および30%(w/v)GelGOMA02ハイドロゲルの酵素分解比(degradation ratio,%)である。
図12】(a)はGelGOMA 02のミニチュア人間頭蓋骨ハイドロゲルの写真、(b)は50μm気孔を持つGelGOMA02のキューブハイドロゲルの写真、(c)はGelGOMA 02で作ったDNA二重らせんハイドロゲルの写真、(d)はGelGOMA 02で作った多孔性支持体(空隙大きさ50μm)の写真、(e)はGelGOMA 02から印刷された気孔の大きさが<100μmの幾何学的構造、(f)はGelGOMAから印刷されたAuguste Rodin複製の思想家写真、(g)はGelGOMA 02のマイクロ人間の手形で印刷されたハイドロゲルの写真、(h)はGelGOMA 02の測定目盛子ハイドロゲルの写真である。
図13】伝導性ハイドロゲルでGelGOMAを使用したLED照明で、a)はHALYM2021を形成するために特別に配列されたLED電球を明らかにするためにGelGOMAハイドロゲルに代替された伝導性鋼があるブレッドボードの写真であり、b)は低電圧の2Vから配置されたLED照明の低照度照明であり、c)は高電圧の4Vから配置された高輝度LED照明である。
図14a】リアルタイム増殖モニタリングのためにGelGOMAハイドロゲル溶出液で培養されたヒト真皮線維芽細胞(HDF)のイメージであり、ヒト真皮線維芽細胞をFITCに対してPKH67と標識し、明示野(BF)で標識されていないHDFと標識することによって細胞増殖を観察したものである。
図14b】共焦点顕微鏡で観察したGelGOMAハイドロゲル内部HDFの生存可能性を示す写真である。
図14c】HDF増殖及びGelGOMA適合性を示すグラフである。iはリアルタイムGelGOMAハイドロゲル溶出液テストで細胞数の計算結果であり、iiはGelGOMAの細胞適合性を確認するためのハイドロゲルカプセル化されたHDFのCCK-8分析結果である。
図15a】GelGOMAハイドロゲルにおける電気感受性細胞の分化の証拠としてC2C12分化を観察するためのミオシン重鎖(MHC)免疫蛍光染色結果である。
図15b】GelGOMAハイドロゲルにおける電気感受性細胞の分化の証拠として神経分化を示すNeuro2aのアルファ-テューブリン免疫蛍光染色結果である。
図15c】高倍率におけるGelGOMAハイドロゲル(矢印は神経突起を指す矢印)である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下では、本発明の望ましい実施例を通じて詳しく説明する前に、これは明細書および請求範囲に使用された用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならないことを明らかにしておく。
【0056】
これは明細書全体において、ある部分がある構成要素を“含む”とするとき、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含めることができることを意味する。
【0057】
一方、本発明で開示されるそれぞれの説明および実施形態は、それぞれの異なる説明および実施形態にも適用できる。
すなわち、本発明で開示された多様な要素のすべての組み合わせが本発明の範疇に属する。
また、下記記述される具体的な叙述により本発明の範疇が制限されるとは言えない。
【0058】
また、当該技術分野の通常の知識を有する者は、通常の実験のみを使用して本発明の明細書に記載された本発明の特定態様に対する多数の等価物を認知したり、確認することができる。
また、このような等価物は本発明に含まれるものと解釈されなければならない。
【0059】
上述したような従来技術の問題点を解決するための本発明の目的は、ハイドロゲルで製造される時、天然由来高分子の物理的特性の短所を解決するためである。
【0060】
以下の本発明の明細書では、ゼラチンの二重メタクリル化に基づく超強力ハイドロゲルを得る方法、天然高分子をナノ充填材として使用し、化学的に連結されたGOを有する高分子の電気伝導度を向上させる方法についてより具体的に説明する。
【0061】
ゼラチンには化学的変形に使用できるアミノ、ヒドロキシルおよびカルボン作用機が存在する。
【0062】
ゼラチン分子のアミノグループとメチルアクリレート(MA)の反応後、残りのヒドロキシルおよびカルボキシルグループはGMAと共に酸性環境で追加反応に使用できる。
【0063】
図1で確認されたように、まずGelMAマクロマーを合成した後、GelMAマクロマー溶液を使用してGelMAGMAを合成した。
【0064】
図2(a)のFT-IRスペクトルは、それぞれ1645、1513及び1229cm-1において明確なアミドI、II及びIIIの存在を示した。
【0065】
メタクリレート化されたサンプルで約1295cm-1の新しい吸収ピークは、C-Nアミド結合の存在を意味する。
【0066】
ゼラチンに対するGMAの結合は、δ=2.9ppmにおけるライシン残基ピークの減少及びδ=6.2-6及び5.8-5.6ppmにおけるメタクリル酸基ピークの増加によって確認できる。
【0067】
メチル基ピークはδ=1.8ppmにおいて現れ、メタクリル酸塩グループの陽子は1H-NMRスペクトルに表示される(図2(b)参照)
【0068】
生体複合物の凝集および沈殿は接合が良くないことを意味する。 高分子バックボーンでGO-COOH粒子の相互作用と分散挙動を確認するために、図3のように分散試験を行った。
この時、蒸留水(DW)に溶かした5mg/mLスポンジ溶液を常温に放置した。
【0069】
メタクリル酸ポリマー溶液でナノ粒子の沈降、分散及び分布を確認するために時間とともに写真を撮影した。 数時間放置すると、物理的に混合されたグループで高分子白本とナノ複合体の間の沈降および相分離が観察された。
図4(a)と(b)のSEMイメージを通じてGOが結合されたGelGOMAの多孔性構造を確認することができる。
【0070】
上記図4(a)と(b)の結果で確認されるように、GOが結合されたGelGOMAの多孔性構造は細胞の増殖を助けることができ、ハイドロゲルの物性を高める効果が存在することを意味する。
【0071】
図5および表1のEDXを通じた表面組成分析結果によると、炭素の原子%が最大57.87%および最小51.07%の値を持つことを示している。
【0072】
酸素は22.0%以上41.21%以下、窒素値はすべてのサンプルで最大24.33%および最小19.99%を示した。
【0073】
このような酸素減少は、電気伝導度に対して非偏在化された電子の可用性を意味する。
【0074】
【表1】
【0075】
本発明ではハイドロゲルの向上した電気伝導度を具現した。
【0076】
GOとGelMAGMAの接合過程を通じた酸素除去は、非偏在化された電子がゲルマトリックスを通じて自由に移動できる対になっていない電子と重畳軌道を生成して電気的活性を増加させる。
【0077】
修正された電気インピーダンス分光法(EIS)で伝導度を確認した。
【0078】
4プローブ絶縁セルモデルは、3D印刷絶縁モールドに各面に5個ずつ計10個の金でコーティングされたステンレス電極を装着した。
【0079】
セルの各側面にある5つの針状電極は、電流を提供する4つの外部電極と電圧を測定する1つの中央電極で構成される(図6a参照)。
【0080】
ハイドロゲル伝導度測定は信頼性を高めるためにC-FおよびI-V方法の両方を使用して行った。
【0081】
まずC-F方式では20Hz~2x105Hz範囲で測定し、その結果、測定されたすべてのハイドロゲルはある一定時点で周波数と関係なく一定の値を示した。
【0082】
GelGOMAグループとGelGOMA_SFグループはいずれもGOのない最小電気伝導性ハイドロゲルと比較して最大約100倍の伝導度差を示した(図6(b)および6(c)参照)。
【0083】
また、下記の表2で確認されるように、GOと連結されたハイドロゲルとGOと連結されていないハイドロゲル間の伝導度差は約9~100倍範囲であることが分かる。
【0084】
逆に抵抗値は場合によって伝導度と対照的に最小7倍から最大400倍の差を示した。
【0085】
【表2】
【0086】
本発明の主な特徴の一つとしてハイドロゲルの伸縮性および強度が挙げられ、圧縮、引張および反復試験を通じて製作された構造物の機械的強度を確認した。
【0087】
圧縮強度と引張強度ともに破断点での応力と変形率を最大強度でとった(図7ないし図11参照)。
【0088】
少なくとも引張強度は277.95、308.91、406.42及び454.33kPaであることができ、一部の例で引張強度は最大364.39kPa、476.6kPa、755.67kPa及び846.87kPaを示した。
【0089】
圧縮応力は場合によっては最大756.984kPa、822.342kPa、1602.738kPa及び2226.076kPaであることができる。
【0090】
一部の例では圧縮応力は少なくとも296.55kPa、363.86kPa、863.313kPa及び1090.603kPaであることができる。
【0091】
周期的テスト(cyclic test)の場合、ハイドロゲルが30%(w/v)の高濃度を除いて連続10回で55%および90%伸長または圧縮後に初期構造を回復することを確認した。
【0092】
表3および4の引張強度および圧縮強度の結果、いずれもGOの濃度が増加するほど強度は増加するが、一定量以上のGOを添加すれば物性が低下することが確認できた。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
すべての群で貯蔵弾性率(G')が損失弾性率(G')より大きい結果を示したが、これはすべてのグループのハイドロゲルがエラストマー物質の挙動を示すことを意味する。
【0096】
超強力ハイドロゲルは100kPa範囲内で架橋程度を示す印象的な貯蔵モジュラスを持っており、構造的完全性を損傷させずに強力な伸縮性を持っていることを意味する。
【0097】
GelGOMAバイオインクを使用して製作されたすべての構造は、CAD設計の形で、高精度で印刷されている(図12参照)。
【0098】
例えば、人間の頭蓋骨型構造では骨の湾曲と微細な歯の形が具現され、DNA二重らせん構造は支持台なしでも100μm以下の穴がある横構造を具現することができた。
【0099】
また不規則な構造で多様な方向に存在する直径30~100μmの気孔を印刷することができ、20~30μmの厚さで人の手の形をした指部分に該当する構造を具現することができた。
【0100】
また、1cm未満の人の手の形で規則的な空隙構造、屈曲、背中筋肉の関節表現が完璧に表現された。 本発明の発明者は、化学的に連結されたGOの存在により、光開始剤を使用しなくてもすべての製造された構造に対する詳細な微細気孔を達成できることが分かった。
【0101】
本発明の明細書で提示しているハイドロゲルのもう一つの長所は、電気敏感性組織再生のための支持体に関することが挙げられる。
【0102】
Myoblast cells(C1C12)およびneuroblast cells(Neuro2a)は、例示的に使用できる筋肉およびニューロン組織の電気感受性細胞である。
【0103】
GelGOMAの機械的および電気伝導性特性は、図15(a)ないし(c)に提示されたように、それぞれC1C12およびNeuro2aで根管および神経突起派生物の発現によって立証された筋肉およびニューロン組織でこのような細胞の分化及び成熟を可能とする。
【0104】
〔実施例1〕SFナノファイバーの製造(Fabrication of SF nanofiber)
【0105】
Bombyx moriのシルク繭(silk cocoons)はゴムひもを除去し、ゴムひもを除去したシルクは一定の攪拌下で2時間60℃から40%(v/v)H2SO4に加水分解された。
【0106】
加水分解反応はDWで5倍希釈して終結し、中性pHになるまで10,000rpmで遠心分離して繰り返し洗浄した。
【0107】
加水分解後、得られた水不溶性シルクフィブロインを0.1%(w/v)の蒸留水(DW)に懸濁させた。
【0108】
その後、300Wおよび19.5kHzで15分間作動する均質化器プローブ(f=13mm)を通じて超音波均質化器によってアイスバスで機械的に消化された。
【0109】
均質化を3回繰り返して乳白色のSFナノ繊維溶液を得た。
【0110】
機械的分解後、4000rpmで15分間遠心分離して除細動されたシルクフィブロインを得た。
【0111】
DWのSFナノ繊維分散液は追加で使用するまで4℃に維持させた。
【0112】
SFナノ繊維は超強力ハイドロゲルの機械的特性をさらに強化するためのナノ充填剤として使われることができる。
【0113】
〔実施例2〕ゼラチンのメタクリル化(Methacrylation of gelatin)
【0114】
天然高分子の機能化は調整可能なハイドロゲルを製造する過程で非常に重要である。
【0115】
本発明では、天然ゼラチンバイオポリマーをメタクリル酸塩によって改質した。
【0116】
本発明で提示する一般ハイドロゲルと超強力ハイドロゲルとの比較実験のために、本発明では単一メタクリレートゼラチンを共に考慮した。
【0117】
GMAを通じて単一メタクリレートゼラチン(GelGMA)を生成した。
【0118】
ここでゼラチンは50℃でDW(Deionized Water)に持続的に攪拌しながら溶解させ、2%(w/v)のゼラチン溶液を用意した。
【0119】
以後、24時間10mLのGMAでメタクリル化させた。
【0120】
GelGMA溶液を40℃からDWに対する透析で後処理した後、-80℃で凍結し、3日間凍結乾燥した後、-20℃で使用するまで保管した。
【0121】
ここまでが二重メタクリレートゼラチン(GelMAGMA)の合成過程で、超強力ハイドロゲル製造する第一段階である(一次メタクリレーション)。
【0122】
GelMAは50℃で、DWで製造された3%(w/v)ゼラチン溶液と7mLメタクリレート無水物(MA)を反応させて一次合成した後、MAの疎水性特性を考慮し、適切な混合を保障するためにMAを一定の攪拌下でゆっくり添加した。
【0123】
1次メタクリル化3時間後、10mLGMAを添加する前に溶液のpHを1MのHClを使用して3.5に調整した後、反応を24時間一定の攪拌下で、50℃で進行した。
【0124】
二次メタクリル化は40℃の真湯培養器で7日間、12-14kDaの透析膜を通じてDWに対するGelMAGMAの透析で完了し、精製されたGelMAGMA溶液を冷凍して3日間凍結乾燥させた後、さらに使用するまで-20℃で保管した。
【0125】
〔実施例3〕カルボキシル化及びカルボジイミド化反応(Carboxylation and carbodiimidation reactions)
【0126】
GelMAGMA-GO生体複合体(GelGOMA)の合成は透析による精製前のGELMAGMAに対して、先に実施例2で言及された方法の後続段階である。
【0127】
GelMAGMA 2次メタクリル化が完了する直前に、5mL DWで製造された1、2または3mg/mL GO(Fine Chemicals, S. Korea)懸濁液を1時間超音波処理してGOのカルボン化を進めた。
【0128】
以後、1.2gの水酸化ナトリウム(NaOH)と1gのクロロ酢酸(ClCH2COOH)を3時間連続超音波処理条件で、各GO懸濁液に添加した。
【0129】
このように生成されたカルボン化されたGO(GO-COOH)溶液をDWで反復的な懸濁液および遠心分離によって洗浄し、GOカルボン化はカルボンシル-アミノ接合を通じてGelMAGMAに結合するGOの反応部位を増加させる。
【0130】
したがって、GO表面上に存在するほとんどのヒドロキシル作用器は、このような過程を通じてカルボキシル基に転換できる。
【0131】
GO-COOHのカルボキシ基の活性化は、2mg/mL N-hydroxylsuccinimide(NHS)及び4mmol/Lof1-ethyl-3-(3-(dimethylamino)propyl)-carbodiimide hydrochloric acid(EDC)を暗闇の中で継続的に攪拌しながらGO-COOH溶液で、mercaptoethanolで終結する前に反応を一晩中放置した。
【0132】
活性化されたGO-COOH(1、2及び3mg/mL)溶液と精製されていないGelMAGMA間のカルボジイミド化反応(Carbodiimidation reaction)は、一定の攪拌下で24時間丸い底フラスコで同じ体積の二つの反応物を混合することにより終結させた。
【0133】
GelMAGMA と1、2又は3mg/mL GO-COOH 溶液のカルボジイミド化反応(Carbodiimidation reaction)結果物を以下ではそれぞれGelGOMA01、GelGOMA02又はGelGOMA03と呼ぶこととする。
【0134】
このようにカルボジイミド化反応が行われたGelGOMA溶液を7日間、真湯培養器で40℃の温水に対して透析した。
【0135】
透析された溶液をフィルター(miracloth)でろ過し、凝集体を除去するために遠心分離器で凍結乾燥させ-20℃で保管した。
【0136】
〔実施例4〕ハイドロゲルの特性化(Characterization of hydrogels)
【0137】
GelGMAのメタクリル化、GelMAGMAの二重メタクリル化及びGelGOMAのカーボジイミド化を確認するために、Bruker Analytik GmbH社のBruker DPX FT-NMR Spectrometer(9.4T)を利用して400MHzで陽子核磁気共鳴(H1-NMR)を行った。
【0138】
重水素(D2O)を使用してGelGMA、GelMAGMAおよびGelGOMAスポンジから5mg/mlサンプル溶液を用意した。
【0139】
すべてのサンプル溶液は分析前に0.45μm注射器フィルターでろ過し、ACD/NMRプロセッサソフトウェアは関心スペクトルを測定する前に基準線補正に使用された。
【0140】
ゼラチンに対するGMAの共有結合は、二重メタクリル酸塩グループでより高いメタクリル酸塩およびメチルピークの出現によって確認され、二重メタクリル化グループでライシンピークの減少が著しく減少した。
【0141】
GelGMA、GelMAGMAおよびGelGOMAスポンジの製造で発生するグラフト共重合反応をFrontier Perkin Elmerで確認した。
【0142】
電界放出(SEM)で製作されたスポンジの表面形態を観察した反面、FT-IRの場合、臭化カリウムで研磨してFT-IRスペクトルを得たサンプルを準備し、金/パラジウム(gold/palladium)コーティングされたサンプルを使用してSEM結果を確認した。
【0143】
GO-COOHの還元は製作されたハイドロゲルに電気伝導性を付与するので、金/パラジウムコーティングされたサンプルをEDXマッピングに使用してGelMAGMAに対する共有結合時のGO-COOHの減少率を決定した。
【0144】
amide I、II及びIIIの出現はFT-IRスペクトルにおけるグラフト共重合を意味する(図2(a)。
【0145】
テストサンプルは、スポンジ+GOグループ、スポンジ+GO-COOHグループおよびGelGOMAグループの計3つのグループに分けて製造された。
【0146】
より具体的には、スポンジ+GOグループはGO、GelGMA+GO、SGMA+GO及びGelMAGMA+GOを含み、スポンジ+GO-COOHグループはGO-COOH、SGMA + GO-COOH、GelGMA + GO-COOH及びGelMAGMA + GO-COOHを含む。
【0147】
GelGOMAグループはGelGOMA 01、GelGOMA 02及びGelGOMA 03で構成される。
【0148】
スポンジ+GOグループとスポンジ+GO-COOHグループの場合には、GOまたはGO-COOHをDWに分散させて2mg/mL濃度を作り、SGMA、GelGMAまたはGelMAGMAスポンジを5mg/mLの濃度になるよう溶解させた。
【0149】
このグループはスポンジとGOまたはGO-COOHの物理的混合を含むため、物理的混合グループに該当し、スポンジなしで2mg/mL濃度のGOおよびGO-COOHを対照群として含まれた。
【0150】
3番目のGelGOMAグループは、Carbodiimidation反応を通じてGelGOMAにGO-COOHの共有結合が存在するため、化学グループに該当する。
【0151】
5mg/mL濃度のDWにGelGOMA 01、GelGOMA 02またはGelGOMA 03スポンジを溶解して化学グループ溶液を製造し、すべての試料溶液をガラスバイアルに移し常温で観察し間隔を置いてサンプル画像を撮影した(図3参照)。
【0152】
本発明では、DLPプリンターに使用できるように光重合特性を有する有細胞あるいは無細胞バイオインクを提供することができる。
【0153】
二重にメタクリル化された多様な濃度の合成バイオインクは、光開始剤の存在下で光硬化可能になるので、ハイドロゲル製造用DLPプリンターに適している。
【0154】
一実施例として本発明では、lithium phenyl-2,4,6-trimethylbenzoylphosphinate (LAP)は細胞および/または無細胞ハイドロゲル製造のための光開始剤として使用された。
【0155】
無細胞ハイドロゲル製作のために0.3%(w/v)のLAP溶液をリン酸塩緩衝食塩水を使用して製造し、以後メタクリル化されたスポンジを0.3%(w/v)LAP溶液に完全に溶解させた後、真空ミキサーを使用して10,20または30%(w/v)濃度のバイオインクを製造し、40℃でしばらく維持した。
【0156】
本発明の明細書内で言及されるヒドロゲル濃度は、これらが製造されるバイオインクの濃度を意味する。
【0157】
LAPおよびバイオインクの濃度は多様に変化することができ、適用対象およびその他の要因によって変化することができる。
【0158】
溶解したバイオインクを40μmナイロンメッシュセルストレーナー(nylon-mesh cell strainer)を使用してろ過し不純物を除去した。
【0159】
細胞カプセル化ハイドロゲルの場合、0.3%(w/v)LAP溶液を無血清DMEMで、滅菌条件で製造し、LAP溶液を0.22μm注射器フィルターでろ過した後、メタクリル化スポンジを真空ミキサーにより溶解させた。
【0160】
スポンジのかすあるいは不純物はセルストレーナーで除去し、バイオインクを60℃で30分間低温殺菌した。
【0161】
〔実施例5〕ハイドロゲルの製造及び特性
【0162】
バイオインクの光重合は、バイオ親和的な波長である365nmでUVソースを使用してDLPプリンターで行われた。
【0163】
希望するCAD(Computer-Aided Design)モデルをDLPプリンターにエクスポートする前に、バイオプリンターのスライサーソフトウェアにステレオリソグラフィ(STL)ファイルに変換した。
【0164】
優れたハイドロゲル構造を得るためにプリンティングパラメータを選択し、この過程でGelGOMAハイドロゲル製作に使われたプリンティングパラメータは表5に整理した。
【0165】
【表5】
【0166】
場合によっては上記プリンティングパラメータを一部変更して最善の結果を得ることもできるが、これは他の要因の中でもバイオインクの特性によって変化する可能性があるためである。
【0167】
バイオインクをバイオプリンターに供給して層別に自動化された光重合を進め、プリンティング後ハイドロゲルをPBSで洗い流して硬化していないバイオインクを除去した。
【0168】
DLPプリンターは、バイオプリンターの中でも設計された構造の反復性を保障する強力な手段であり、GelGOMAバイオインクの複雑な構造プリンティング性をこのようなカスタマイズDLPプリンターで調査した。
【0169】
微細多孔性支持体、ロダンの考える人、DNA二重らせん、メートル法、人の手といった微細及びナノサイズの複雑な構造をSolidWorksでモデリングし、CADをSTLファイルでDLPプリンターに伝送した。
【0170】
25%(w/v)光硬化性GelGOMAバイオインクを使用して前述したすべての構造をプリンティングし(図12参照)、このように得られた3D構造は強力な機械的特性と構造的完全性を示した。
【0171】
本発明の主要な特性の一つはハイドロゲルの機械的強度であり、実施例によるGelGOMAの改善された強度、弾性および生体適合性はプリンティングされたハイドロゲルの物理的特性化を通じて確認された。
【0172】
超強力ハイドロゲルの有変学的特性確認はAnton Paar MCR302を使用して行われ、このようなレオメーターにはPeltier要素、自動温度調節フードおよびサンドブラストタイプ幾何学(PP25、25mm直径)が装着された。
【0173】
粘弾性分析は直径25mmおよび厚さ2mmのディスク状ハイドロゲルサンプルで行われ、周波数スイープ(frequency sweep)測定では動的係数はせん断変形率を1%に一定に維持しながら0.1~100rad/sの周波数範囲で測定された。
【0174】
応力-変形率曲線と周期的応力-変形率曲線を得るために10kgfロードセルが装着された万能試験機(UTM)を使用し、圧縮テストのためにDLPプリンターで直径8mm(d)および厚さ(t)10mmハイドロゲルディスクを使用し、各ハイドロゲルに対して10mm/minの速度で圧縮力を加えた。
【0175】
一方、15mm長さ(l)、10mm幅(w)、2mmtの凹柱を持つ犬骨状ハイドロゲルの引張強度を決定するためにサンプルが破損するまで10mm/minの引張速度で引張ジグを移動させた。
【0176】
最大変形率の100%、90%、80%で反復的な圧縮および引張試験を行い、50mm/minの速度で各ハイドロゲルサンプルに対してLoad-Unloading周期を10回遂行した。
【0177】
機械的および有変学的分析のためのすべてのハイドロゲルサンプルは、前述したようにDLPバイオプリンターを通じて10、20または30%(w/v)バイオインクで印刷されました。
【0178】
GelGOMAハイドロゲルが既存ハイドロゲルの問題点を解決できる特性を示したが、GelGOMA物理的特性を追加で改善した。
【0179】
GelGOMA_SFハイドロゲルを提供するためにDLPプリンティング前にGelGOMA 02光硬化性溶液に0.1%(w/v)SFナノ繊維を追加し、80%湿度および周辺温度でハイドロゲルプリンティング直後にテストを行った。
【0180】
また、ハイドロゲルが突然の荷重衝撃に耐える能力を確認するために鉄ビード落下テストも行った。
【0181】
10cmから500gの鉄玉をジグに固定された7×4×0.3cm(l×w×t)30%(w/v)GelGOMA_SFハイドロゲルに落とした。
【0182】
さらに、30%(w/v)GelGOMA_SFハイドロゲルの直径1cmビードを30cm高さから滑らかな表面に落とし、超強力ハイドロゲルの弾性を確認した。
【0183】
高速カメラを使用して固定された距離で鉄ビードとハイドロゲルビードの跳ね返り現象を記録し、GelGOMAと鉄ビードを使用してハイドロゲル強度、延伸率、弾力性および反発高さの視覚的分析を遂行した。
【0184】
〔実施例6〕ハイドロゲルの分解
【0185】
本発明による超強力ハイドロゲルの組織工学的応用を検討するためには、生分解性分析が必要である。
【0186】
DLPプリンターを使用して10、20または30%(w/v)GelGOMA02、GelMAGMAおよびGelGMAバイオインクで直径10mmおよび厚さ4mmのハイドロゲルディスクを製造した後、各ハイドロゲルに対して3つのサンプルを30日間、真湯インキュベーターで37℃でPBS製2U Pronase E溶液で培養した。
【0187】
〔実施例7〕ハイドロゲルの電気的特性
【0188】
電流の流れと連結部との接触による電気抵抗を除去するために4プローブ測定が適用された。
【0189】
使用されたハイドロゲルは10%、20%または30%濃度でSGMA、GelGMA、GelMAGMAおよびGelGOMAであり、ハイドロゲルを貫通する電極の距離は1mmである。
【0190】
4点プローブ方法を使用してI-Vスイープテストを行った。
【0191】
まず、ハイドロゲルテスト試料に両端の外部電極4個を1mm深さで連結した後、-0.01Aから0.01Aまで5x10-5A間隔で電流をスイープ供給し、中央電極を通じて電圧を測定した。
【0192】
I-VスイープはKeithley 4200-SCSパラメータ分析器を使用して測定され、DC電圧を使用して各材料の抵抗値を確認し、電流スイープテストデータの信頼性を高めるためにAC電圧で周波数スイープテストを行った。
【0193】
電圧および電流はKeithley 4200-SCSパラメータ分析器を使用して制御し、コンダクタンスはAgilent 4284 LCRメーターで各測定に対して20Hzと200kHzの間の周波数を1000Hz単位でスイッチングして測定した。
【0194】
この時、信号レベルは0.4Vに設定し、I-Vを測定する時とは異なり両側の中央プローブを除いた4つの電極を全て連結して2-prove方式で測定した。
【0195】
無はんだ付けミニブレッドボードを使用して発光ダイオード(LED)照明でGelGOMAの電気伝導度を確認した。 ブレッドボードの電気伝導性金属クリップは25%(w/v)バイオインクで印刷されたGelGOMAハイドロゲルに交換し、ブレッドボードにLEDを配列されたパターンで固定し、暗室で2Vまたは4Vの電位差を認可した(図13参照)。
【0196】
〔実施例8〕ハイドロゲルの生体適合性
【0197】
本発明のもう一つの具体的特徴は、ハイドロゲルの生体適合性である。 超強力ハイドロゲルとその溶出液の細胞適合性および細胞増殖の可能性をヒト真皮線維芽細胞(HDF)細胞で分析した。
【0198】
HDF細胞は10%(v/v)ソテア血清(FBS)および1%(v/v)ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)を含む高ブドウ糖Dulbeccoの変形されたEagleバッジ(DMEM)にシードし、2Dおよび3D細胞培養の両方に対するハイドロゲル生体適合性効果を確認した。
【0199】
2D細胞培養のため、2mLの25%(w/v)光硬化性GelGMA、GelMAGMA及びGelGOMA02を6ウェルプレートに用意し、10秒間UV処理した後、10mLの完全なDMEMを各ハイドロゲルに添加し、37℃の5%CO2インキュベーターでインキュベーションした。
【0200】
72時間インキュベーション後、ハイドロゲル溶出液を抽出し、2DHF細胞培養のため滅菌ろ過した。
【0201】
その後、HDF細胞を完全なDMEMと共に5000個の細胞/ウェロ24ウェルプレートにシーディングし、細胞付着後培養培地を200μmのハイドロゲル溶出液に交換した後、次の24時間培養を続けた。
【0202】
細胞生存率はメーカーのプロトコルに従ってCCK-8分析で検査された。 同時に、INCELL2200イメージングシステムを通じてbright-field(BF)および緑色蛍光フィールド(Fluoresceinisothiocyanate;FITC)で24時間リアルタイム細胞増殖を観察した。
【0203】
蛍光イメージングのためにHDF細胞をPKH67染料で標識し、標識/非標識HDF細胞を6ウェルプレートに10,000個の細胞/ウェルの濃度で接種した。
【0204】
培養培地はINCELL培養チャンバーで24時間培養する前に各サンプルのハイドロゲル溶離液に変更され、分析はINCELL開発者ソフトウェアによって行われた。
【0205】
3D細胞培養のために、HDF細胞を3D DLPバイオプリンティングを通じて25%(w/v) GelGMA、GelMAGMAおよびGelGOMAハイドロゲルにカプセル化した。
【0206】
簡単に要約すると、passages4-5でHDF細胞を0.25%トリプシン-EDTAを使用して分離して計数した後、1x106細胞/mL濃度でそれぞれのバイオインクに再現濁させた。
【0207】
バイオインクは、前述の滅菌条件で25%(w/v)濃度の無血清DMEMを含有するLAP(0.3%w/v)に溶解したGelGMA、GelMAGMA及びGelGOMAスポンジから製造された。
【0208】
その後、細胞がロードされたバイオインク溶液を滅菌条件でDLPバイオプリンターに導入した。 細胞カプセル化印刷構造を標準細胞培養条件で完成したDMEMで7日間培養し、一定時間間隔でサンプルを回収した。
【0209】
メーカーのプロトコルに従ってカプセル化されたHDF細胞の細胞毒性及び増殖は、Live/Dead及びCCK-8分析キットによりそれぞれ評価され、サンプルは共焦点顕微鏡で観察した(図14参照)。
【0210】
〔実施例9〕電気感受性細胞分化及びマウントハイドロゲル免疫蛍光染色
【0211】
電気感受性細胞の分化に対するGelGOMAの電気伝導度の影響を調査するために、不滅化マウス筋母細胞(C2C12)および神経母細胞(Neuro2a)細胞をコラムバイオテックから購入した。
【0212】
10%(v/v)FBSおよび1%(v/v)P/Sが補充された高ブドウ糖DMEMはC1C12の成長バッジとして使用され、1%(v/v)P/S、1%が補充された高ブドウ糖DMEM(v/v)非必須アミノ酸(NEAA)、1%(v/v)ピルビン酸ナトリウム(NaPyr)および10%(V/v)FBSをN2a成長バッジに使用した。
【0213】
C2C12 及び Neuro2a はDLP プリンターにより上記のとおりGelGOMA にカプセル化された。
【0214】
細胞が含まれたハイドロゲルをそれぞれの成長バッジで3日間培養し、その後成長バッジを分化バッジに変更した。
【0215】
C1C12の場合、分化バッジは低ブドウ糖DMEM、2%(v/v)馬血清(HS;Gibco,Waltham,MA,USA)および1%(v/v)P/Sを含む反面、N2aに対する分化バッジは高ブドウ糖DMEM、1%(v/v)P/S、1%(v/v)NEAA、1%(v/v)NaPyr、1%(V/v)FBSおよび10μMレチノ酸を含む。
【0216】
細胞カプセル化ハイドロゲルを所定の間隔をあけて取り出し、PBSでやさしく洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで30分間固定した。
【0217】
全体ハイドロゲルは1 x PBS、5%(v/v)HS及び0.5%(v/v)Triton X-100を含む遮断緩衝液で、4℃で一晩中透過した。
【0218】
その後、C1C12含有ハイドロゲル及びNeuro2a含有ハイドロゲルをそれぞれミオシン重鎖1(MHC;1:200)及びα-チューブリン(1:200)一次抗体において4℃で一晩中培養した。
【0219】
PBSで数回洗浄した後、DyLight(R)550-接合(1:250)およびFITC-接合(1:250)二次抗体をハイドロゲルに添加し、DAPI(1:200)で対照染色した。
【0220】
ステンドハイドロゲルイメージはK1-fluo共焦点レーザースキャニング顕微鏡を使用して観察した(図15参照)。
【0221】
以上のように添付された図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者は本発明のその技術的思想や必須的な特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施できることが理解できるだろう。
【0222】
したがって、以上で述べた具体的な実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものと解釈されなければならない。
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図15a
図15b
図15c