(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147150
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241008BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059977
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】濱沖 孟
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 隆之
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707BS15
3C707BS26
3C707CS04
3C707CT04
3C707ES17
3C707HS27
3C707KV11
3C707MS14
3C707NS12
5F131AA02
5F131CA09
5F131CA69
5F131DA02
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB04
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5F131DB58
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5F131DB76
5F131DD03
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5F131DD43
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5F131EA04
5F131KA16
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5F131KA64
5F131KA66
5F131KB32
5F131KB45
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】高温の処理装置の内部でガラス基板を受け渡す場合であって、ハンド上のガラス基板の有無を検出する検出センサが熱の影響による損傷を抑制することが可能なロボットを提供すること。
【解決手段】ロボット100は、基板Wが載置されるハンド3と、ハンド3が先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向で伸縮するアーム4と、アームの基端側が回動可能に連結されるアーム支持部51を備える本体部5と、アーム支持部に設けられハンドに基板Wが載置されたかどうかを検出する検出機構6と、を有する。検出機構6は、上下方向の一方側に光を発する発光部と、上下方向の他方側からの光を受光する受光部と、発光部の一方側に配置された遮蔽板と、を備える。検出機構6は、発光部からの光が基板Wで反射された反射光を受光部が受光することにより、基板Wの存在を検出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状であるワークを搬送するロボットにおいて、
前記ワークが載置されるハンドと、
前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向で伸縮するアームと、
前記アームの基端側が回動可能に連結されるアーム支持部を備える本体部と、
前記アーム支持部に設けられ前記ハンドに前記ワークが載置されたかどうかを検出する検出機構と、
前記アームを制御して、前記ワークの有無を検出する検出位置に前記ハンドを移動させる制御部と、
を有し、
前記検出機構は、上下方向の一方側に光を発する発光部と、上下方向の他方側からの光を受光する受光部と、前記発光部の前記一方側に配置された遮蔽板と、を備え、
前記ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記ハンドに載置されていた場合には、
前記ワークは、上下方向において、前記発光部と前記遮蔽板との間に位置し、
前記検出機構は、前記発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記受光部が受光することにより、前記ワークの存在を検出することを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記ハンドは、前記ワークが載置される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備え、
前記アームは、前記第1ハンドが先端側に回転可能に連結された第1アームと、前記第2ハンドが先端側に回転可能に連結された第2アームと、を備え、
前記アーム支持部は、前記第1アームの基端側が回動可能に連結されるとともに、前記第1アームの下方側で前記第2アームの基端側が回動可能に連結され、
前記制御部は、前記第1アームおよび第2アームをそれぞれ制御して、前記検出位置に前記第1ハンドおよび前記第2ハンドをそれぞれ移動させ、
前記発光部は、上方側に光を発する第1発光部と、下方側に光を発する第2発光部と、を備え、
前記受光部は、上方側からの光を受光する第1受光部と、下方側からの光を受光する第2受光部と、を備え、
前記遮蔽板は、上下方向において前記第1発光部および前記第2発光部の間に配置され、
前記第1ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第1ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第1発光部および前記遮蔽板の間に位置し、
前記第2ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第2ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第2発光部および前記遮蔽板の間に位置し、
前記検出機構は、前記第1発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第1受光部が受光することにより、前記第1ハンドに前記ワークが存在することを検出し、前記第2発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第2受光部が受光することにより、前記第2ハンドに前記ワークが存在することを検出することを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記遮蔽板は、平面を備える板状部材であり、上下方向に傾いて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
前記遮蔽板は、黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項5】
前記本体部は、前記アーム支持部を上下方向に移動させる駆動部を備えることを特徴と
する請求項1に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を搬送するロボットに関する。
【0002】
ガラス基板などの搬送対象物を搬送するロボットは、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のロボットは、ガラス基板が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドを有するハンドと、ハンドが回転可能に連結されたアームと、アームを保持するアーム支持部材とを備えている。アームは、前後方向に細長い略直方体状に形成されている。アームは、水平方向で伸縮することにより、第1ハンドおよび第2ハンドを直線的に往復移動させる。
【0003】
同文献のロボットは、複数枚のガラス基板が収容される収容カセットからガラス基板に対して所定の処理を行う処理装置まで、ガラス基板を搬送する。処理装置は、高温環境下でガラス基板に対する処理が実行される。このため、処理装置の内部温度は、高温となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハンドには、ハンド上のガラス基板の有無を検出する検出センサが設けられることがある。ロボットは、検出センサにより、ハンド上のガラス基板の有無を認識し、ガラス基板が確実に搬送されたかを確認している。ここで、処理装置の内部温度は高温となっているので、ハンドが処理装置の内部でガラス基板を受け渡す際に、検出センサが熱の影響で損傷するおそれがある。検出センサが損傷した場合には、ロボットは、ハンド上のガラス基板の有無を認識できないという問題がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、高温の処理装置の内部でガラス基板を受け渡す場合であって、ハンド上のガラス基板の有無を検出する検出センサが熱の影響による損傷を抑制することが可能なロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の平板状であるワークを搬送するロボットは、前記ワークが載置されるハンドと、前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向で伸縮するアームと、前記アームの基端側が回動可能に連結されるアーム支持部を備える本体部と、前記アーム支持部に設けられ前記ハンドに前記ワークが載置されたかどうかを検出する検出機構と、前記アームを制御して、前記ワークの有無を検出する検出位置に前記ハンドを移動させる制御部と、を有し、前記検出機構は、上下方向の一方側に光を発する発光部と、上下方向の他方側からの光を受光する受光部と、前記発光部の前記一方側に配置された遮蔽板と、を備え、前記ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記発光部と前記遮蔽板との間に位置し、前記検出機構は、前記発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記受光部が受光することにより、前記ワークの存在を検出することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ハンド上のワークの有無を検出する検出機構が、アーム支持部に設け
られているので、ロボットが、高温の処理装置の内部でワークを受け渡す場合であって、検出機構は、熱の影響を受けにくい。これにより、検出機構が熱の影響により損傷しにくいので、ロボットが、ハンド上のワークの有無を認識できないということを抑制することができる。
【0009】
また、検出機構は遮蔽板を備えるので、ロボットの動作中に、受光部が外部からの光を誤って検出しにくい。これにより、検出機構が誤作動することを抑制することができる。
【0010】
本発明において、前記ハンドは、前記ワークが載置される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備え、前記アームは、前記第1ハンドが先端側に回転可能に連結された第1アームと、前記第2ハンドが先端側に回転可能に連結された第2アームと、を備え、前記アーム支持部は、前記第1アームの基端側が回動可能に連結されるとともに、前記第1アームの下方側で前記第2アームの基端側が回動可能に連結され、前記制御部は、前記第1アームおよび第2アームをそれぞれ制御して、前記検出位置に前記第1ハンドおよび前記第2ハンドをそれぞれ移動させ、前記発光部は、上方側に光を発する第1発光部と、下方側に光を発する第2発光部と、を備え、前記受光部は、上方側からの光を受光する第1受光部と、下方側からの光を受光する第2受光部と、を備え、前記遮蔽板は、上下方向において前記第1発光部および前記第2発光部の間に配置され、前記第1ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第1ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第1発光部および前記遮蔽板の間に位置し、前記第2ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第2ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第2発光部および前記遮蔽板の間に位置し、前記検出機構は、前記第1発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第1受光部が受光することにより、前記第1ハンドに前記ワークが存在することを検出し、前記第2発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第2受光部が受光することにより、前記第2ハンドに前記ワークが存在することを検出することが好ましい。
【0011】
このようにすれば、第1ハンドおよび第2ハンドの2個のハンドによってワークを搬送する場合であっても、ハンド上のワークの有無を検出することができる。また、遮蔽板は、上下方向において第1発光部および第2発光部の間に配置されているので、第1発光部が発した光を第2受光部が誤って受光することを抑制することができる。同様に、第2発光部が発した光を第1受光部が誤って受光することを抑制することができる。
【0012】
本発明において、前記遮蔽板は、平面を備える板状部材であり、上下方向に傾いて配置されていることが好ましい。このようにすれば、発光部からの光が遮蔽板で反射した場合であっても、遮蔽板で反射した反射光が受光部に向かわないようにすることができる。この結果、発光部と遮蔽板との間隔を短くした場合であっても、受光部が遮蔽板で反射した反射光を受光することを抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記遮蔽板は、黒色であることが好ましい。このようにすれば、遮蔽板で光が反射しにくい。
【0014】
本発明において、前記本体部は、前記アーム支持部を上下方向に移動させる駆動部を備えることができる。このようにすれば、ロボットは、水平方向および上下方向に、ワークを搬送することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、検出機構がアーム支持部に設けられているので、ロボットが、高温の処理装置の内部でワークを受け渡す場合であって、検出機構は、熱の影響により損傷しにくい。これにより、ロボットが、ハンド上のワークの有無を認識できないということを抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】アーム支持部および検出機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明では、搬送対象物としてのワークが、液晶ディスプレイ用のガラス基板(以下、「基板」とする。)である場合を中心に説明する。基板Wは、矩形の平板状である。
図1は、本発明を適用したロボットの平面図である。
図2は、
図1に示すロボットの側面図である。
図3は、アーム支持部および検出機構を説明する図である。
【0018】
(ロボットの全体構成)
本形態のロボット100は、液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。ロボット100は、水平多関節型のロボットである。
図1に示すように、ロボット100は、複数枚のガラス製の基板Wが収容される収容カセット1から基板Wに対して所定の処理を行う処理装置2まで、基板Wを搬送する。処理装置2では、高温環境下で基板Wに対する処理が実行される。処理装置2で処理された基板Wは、ロボット100により、次工程に搬送される。
【0019】
図1および
図2に示すように、ロボット100は、基板Wが載置されるハンド3と、ハンド3が先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向で伸縮するアーム4と、アーム4の基端側が回動可能に連結されるアーム支持部51を備える本体部5と、本体部5を水平方向に移動可能に支持するベース8と、を有する。また、ロボット100は、アーム支持部51に設けられハンド3に基板Wが載置されたかどうかを検出する検出機構6と、アーム4を制御して基板Wの有無を検出する検出位置30Aにハンド3を移動させる制御部7と、を有する。
【0020】
以下の説明では、便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。ベース8に対する本体部5の移動方向をY軸方向とする。上下方向をZ軸方向とする。Z軸方向において、上方側をZ1側とし、下方側をZ2側とする。
【0021】
図1および
図2に示すように、ハンド3は、基板Wが載置される第1ハンド31および第2ハンド32と、を備える。第1ハンド31および第2ハンド32は、アーム4の先端側に回動可能に連結されるハンド基部33と、Z1側に基板Wが載置される直線状の複数のフォーク34と、を備える。本形態では、フォーク34は、2本設けられている。2本のフォーク34は、ハンド基部33から水平方向の同方向へ突出している。2本のフォーク34は、間隔をあけた状態で互いに平行に配置されている。
【0022】
図1および
図2に示すように、アーム4は、水平方向に伸縮する多関節アームである。アーム4は、第1ハンド31が先端側に回転可能に連結された第1アーム41と、第2ハンド32が先端側に回転可能に連結された第2アーム42と、を備える。第1アーム41は、第1部分43と第2部分44とを備える。第1部分43の基端側は、第1関節部41aを介して、アーム支持部51に回動可能に連結されている。第1部分43の先端側には、第2関節部41bを介して、第2部分44の基端側が回動可能に連結されている。第2部分44の先端側には、第3関節部41cを介して、第1ハンド31が回動可能に連結されている。第1関節部41a、第2関節部41bおよび第3関節部41cには、回転駆動の駆動源であるサーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置セ
ンサとが配置されている。第1アーム41は、制御部7がサーボモータの駆動力を制御することにより、第1ハンド31をX方向に直線移動させて、処理装置2の内部に基板Wを搬送する。ここで、本形態では、第1ハンド31が検出位置30Aに移動した場合には、第1アーム41は、最も縮まった状態であり、第1ハンド31の先端は、X軸方向を向いている。
【0023】
第2アーム42は、第1アーム41のZ2側に位置する。第2アーム42は、第1部分46と第2部分47とを備える。第1部分46の基端側は、第1関節部42aを介して、第1アーム41の第1部分43の下方側でアーム支持部51に回動可能に連結されている。第1部分46の先端側には、第2関節部42bを介して、第2部分47の基端側が回動可能に連結されている。第2部分47の先端側には、第3関節部42cを介して、第2ハンド32が回動可能に連結されている。第1関節部42a、第2関節部42bおよび第3関節部42cには、回転駆動の駆動源であるサーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置センサとが配置されている。第2アーム42は、制御部7がサーボモータの駆動力を制御することにより、第2ハンド32をX方向に直線移動させて、処理装置2の内部に基板Wを搬送する。ここで、本形態では、第2ハンド32が検出位置30Aに移動した場合には、第2アーム42は、最も縮まった状態であり、第2ハンド32の先端は、X軸方向を向いている。
【0024】
図1および
図2に示すように、本体部5は、アーム支持部51と、アーム支持部51を昇降可能に支持する支持フレーム52と、Z軸方向の沿った回転軸を中心に支持フレーム52を回転可能に支持する基台53と、を備える。
【0025】
図3に示すように、アーム支持部51は、支持フレーム52に支持された本体部511と、本体部511の上端部から突出する第1支持部512と、本体部511の下端部から突出する第2支持部513と、本体部511の中央に設けられた第3支持部514と、を備える。第1支持部512は、第1部分43の基端側が回動可能に連結されている。第2支持部513は、第1部分46の基端側が回動可能に連結されている。第1支持部512および第2支持部513は、本体部511から同じ方向に突出する。第3支持部514は、Z軸方向において、第1支持部512および第2支持部513の間に位置する。第3支持部514は、検出機構6を支持する。
【0026】
図1および
図2に示すように、支持フレーム52は、Z軸方向に延在する。支持フレーム52は、支持フレーム52に対して、アーム支持部51をZ軸方向に移動させる駆動部54を備える。
駆動部54は、駆動源となるモータと、モータの動力をアーム支持部51に伝達する動力伝達部と、を備える。駆動部54は、制御部7に電気的に接続されており、制御部7により、モータの駆動力が制御される。
【0027】
基台53は、ベース8に対してY軸方向に直線的に移動可能となっている。基台53は、基台53に対して、支持フレーム52をZ軸方向に沿った回転軸を中心に回転させる駆動部55を備える。駆動部55は、駆動源となるモータと、モータの動力を支持フレーム52に伝達する動力伝達部と、を備えている。駆動部55は、制御部7に電気的に接続されており、制御部7により、モータの駆動力が制御される。これにより、アーム支持部51は、基台53に対して、Z軸方向に沿った回転軸を中心に回転する。
【0028】
図1および
図2に示すように、ベース8は、基台53をY軸方向に移動させる駆動部81を備える。駆動部81は、駆動源となるモータと、モータの動力を基台53に伝達する動力伝達部と、を備えている。駆動部81は、制御部7に電気的に接続されており、制御部7により、モータの駆動力が制御される。これにより、本体部5は、ベース8に対して
、Y軸方向に往復移動する。
【0029】
図3に示すように、検出機構6は、第1光センサ61と、第1光センサ61のZ2側に配置された第2光センサ62と、Z軸方向において第1光センサ61および第2光センサ62の間に配置された遮蔽板67と、を備える。第1光センサ61および第2光センサ62は、反射型の光センサである。第1光センサ61は、Z1側に光を発する第1発光部63と、Z1側からの光を受光する第1受光部64と、を備える。第2光センサ62は、Z2側に光を発する第2発光部65と、Z2側からの光を受光する第2受光部66と、を備える。
【0030】
ここで、
図3に示すように、第1ハンド31が検出位置30Aに移動した際に基板Wが第1ハンド31に載置されていた場合には、基板Wは、Z軸方向において、第1光センサ61および遮蔽板67の間に位置する。同様に、第2ハンド32が検出位置30Aに移動した際に基板Wが第2ハンド32に載置されていた場合には、基板Wは、Z軸方向において、第2光センサ62および遮蔽板67の間に位置する。このとき、第1ハンド31および第2ハンド32のフォーク34の先端は、X軸方向を向いている。なお、フォーク34の先端が向く方向は、X1側およびX2側の何れであってもよい。
【0031】
遮蔽板67は、板状部材である。遮蔽板67は、塗装などによって、黒色となっている。遮蔽板67は、第3支持部514からY軸方向に延びる第1部分671と、第1部分671の先端部からZ軸方向に傾いて延びる第2部分672と、を備える。第2部分672は、Z軸方向において、第1光センサ61および第2光センサ62と重なる。本形態の第2部分672は、X1側に延びるに従ってZ1側に傾斜する。ここで、第2部分672が傾斜するので、第1発光部63が発した光が第2部分672で反射した場合には、反射光は、第1受光部64には向かわない。同様に、第2発光部65が発した光が第2部分672で反射した場合には、反射光は、第2受光部66には向かわない。これにより、第1発光部63および第2発光部65からの光が遮蔽板67で反射した場合には、第1受光部64および第2受光部66は、反射光を受光しない。
【0032】
(ロボットの動作)
次に、ロボット100の動作について説明する。ロボット100は、収容カセット1から基板Wを、第1ハンド31および第2ハンド32に載置する。その後、ロボット100は、アーム4を制御して基板Wの有無を検出する検出位置30Aに第1ハンド31および第2ハンド32を移動させる。第1ハンド31が検出位置30Aに移動した際に、基板Wは、Z軸方向において、第1光センサ61および遮蔽板67の間に位置する。同様に、第2ハンド32が検出位置30Aに移動した際に、基板Wは、Z軸方向において、第2光センサ62および遮蔽板67の間に位置する。
【0033】
検出機構6は、第1発光部63からの光が基板Wで反射された反射光を第1受光部64が受光することにより、第1ハンド31に基板Wが存在することを検出する。また、検出機構6は、第2発光部65からの光が基板Wで反射された反射光を第2受光部66が受光することにより、第2ハンド32に基板Wが存在することを検出する。この際、検出機構6が、第1ハンド31に基板Wが存在すること、または、第2ハンド32に基板Wが存在することを検出できない場合には、ロボット100は、収容カセット1から基板Wを取り出すことができていないので、制御部7は、ロボット100の動作を停止させてもよい。また、ロボット100でエラーが発生したことをユーザ等に警告してもよい。
【0034】
検出機構6が、第1ハンド31および第2ハンド32に、それぞれ、基板Wが存在することを検出すると、ロボット100は、処理装置2A、2Bの内部に、それぞれの基板Wを載置する。その後、処理装置2では、高温環境下で基板Wに対する処理が実行される。
処理装置2で処理された基板Wは、ロボット100により、次工程に搬送される。なお、ロボット100が次工程に基板Wを搬送する際に、ロボット100は、アーム4を制御して基板Wの有無を検出する検出位置30Aに第1ハンド31および第2ハンド32を移動させて、検出機構6により、基板Wの存在を検出し、処理装置2から基板Wを取り出したことを確認してもよい。また、ロボット100が次工程に基板Wを搬送した後に、ロボット100は、アーム4を制御して基板Wの有無を検出する検出位置30Aに第1ハンド31および第2ハンド32を移動させて、検出機構6により、基板Wが存在しないことを検出し、次工程に基板Wを搬送したことを確認してもよい。
【0035】
(作用効果)
本形態のロボット100では、ハンド3上の基板Wの有無を検出する検出機構6が、アーム支持部51に設けられている。これにより、ロボット100が、高温の処理装置2の内部で基板Wを受け渡す場合であって、検出機構6は、熱の影響を受けにくい。この結果、検出機構6が熱の影響により損傷しにくいので、ロボット100が、ハンド3上の基板Wの有無を認識できないということを抑制することができる。
【0036】
また、検出機構6は遮蔽板67を備えるので、ロボット100の動作中に、受光部が外部からの光を誤って検出しにくい。これにより、検出機構6が誤作動することを抑制することができる。また、遮蔽板67は、Z軸方向において第1発光部63および第2発光部65の間に配置されているので、第1発光部63が発した光を第2受光部66が誤って受光することを抑制することができる。同様に、第2発光部65が発した光を第1受光部64が誤って受光することを抑制することができる。
【0037】
遮蔽板67は、平面を備える板状部材である。遮蔽板67は、Z軸方向に傾いて配置された第2部分672を備える。これにより、第1発光部63および第2発光部65からの光が遮蔽板67で反射した場合であっても、遮蔽板67で反射した反射光が第1受光部64および第2受光部66に向かわないようにすることができる。この結果、第1発光部63および第2発光部65と遮蔽板67との間隔を短くした場合であっても、第1受光部64および第2受光部66が遮蔽板67で反射した反射光を受光することを抑制することができる。また、遮蔽板67は、黒色である。これにより、遮蔽板67で光が反射しにくい。
【0038】
(他の実施形態)
上記形態では、第1ハンド31および第2ハンド32の2個のハンド3によって基板Wを搬送したが、他の実施形態のロボットは、1個のハンドおよび1個のアームで構成されてもよい。この場合、検出機構6は、Z軸方向の一方側に光を発する発光部と、Z軸方向の他方側からの光を受光する受光部と、発光部の一方側に配置された遮蔽板と、を備えればよい、この場合であっても、他の実施形態のロボットは、上記形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0040】
(1)
平板状であるワークを搬送するロボットにおいて、
前記ワークが載置されるハンドと、
前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるとともに水平方向で伸縮するアームと、
前記アームの基端側が回動可能に連結されるアーム支持部を備える本体部と、
前記アーム支持部に設けられ前記ハンドに前記ワークが載置されたかどうかを検出する検出機構と、
前記アームを制御して、前記ワークの有無を検出する検出位置に前記ハンドを移動させ
る制御部と、
を有し、
前記検出機構は、上下方向の一方側に光を発する発光部と、上下方向の他方側からの光を受光する受光部と、前記発光部の前記一方側に配置された遮蔽板と、を備え、
前記ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記ハンドに載置されていた場合には、
前記ワークは、上下方向において、前記発光部と前記遮蔽板との間に位置し、
前記検出機構は、前記発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記受光部が受光することにより、前記ワークの存在を検出することを特徴とするロボット。
【0041】
これにより、検出機構がアーム支持部に設けられているので、ロボットが、高温の処理装置の内部でワークを受け渡す場合であって、検出機構は、熱の影響により損傷しにくい。
【0042】
(2)
前記ハンドは、前記ワークが載置される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備え、
前記アームは、前記第1ハンドが先端側に回転可能に連結された第1アームと、前記第2ハンドが先端側に回転可能に連結された第2アームと、を備え、
前記アーム支持部は、前記第1アームの基端側が回動可能に連結されるとともに、前記第1アームの下方側で前記第2アームの基端側が回動可能に連結され、
前記制御部は、前記第1アームおよび第2アームをそれぞれ制御して、前記検出位置に前記第1ハンドおよび前記第2ハンドをそれぞれ移動させ、
前記発光部は、上方側に光を発する第1発光部と、下方側に光を発する第2発光部と、を備え、
前記受光部は、上方側からの光を受光する第1受光部と、下方側からの光を受光する第2受光部と、を備え、
前記遮蔽板は、上下方向において前記第1発光部および前記第2発光部の間に配置され、
前記第1ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第1ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第1発光部および前記遮蔽板の間に位置し、
前記第2ハンドが前記検出位置に移動した際に前記ワークが前記第2ハンドに載置されていた場合には、前記ワークは、上下方向において、前記第2発光部および前記遮蔽板の間に位置し、
前記検出機構は、前記第1発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第1受光部が受光することにより、前記第1ハンドに前記ワークが存在することを検出し、前記第2発光部からの光が前記ワークで反射された反射光を前記第2受光部が受光することにより、前記第2ハンドに前記ワークが存在することを検出することを特徴とする(1)に記載のロボット。
【0043】
これにより、第1ハンドおよび第2ハンドの2個のハンドによってワークを搬送する場合であっても、ハンド上のワークの有無を検出することができる。また、遮蔽板は、上下方向において第1発光部および第2発光部の間に配置されているので、第1発光部が発した光を第2受光部が誤って受光することを抑制することができる。同様に、第2発光部が発した光を第1受光部が誤って受光することを抑制することができる。
【0044】
(3)
前記遮蔽板は、平面を備える板状部材であり、上下方向に傾いて配置されていることを特徴とする(1)または(2)に記載のロボット。
【0045】
これにより、発光部からの光が遮蔽板で反射した場合であっても、遮蔽板で反射した反射光が受光部に向かわないようにすることができる。この結果、発光部と遮蔽板との間隔を短くした場合であっても、受光部が遮蔽板で反射した反射光を受光することを抑制することができる。
【0046】
(4)
前記遮蔽板は、黒色であることを特徴とする(1)から(3)のうち何れか一項に記載のロボット。
【0047】
これにより、遮蔽板で光が反射しにくい。
【0048】
(5)
前記本体部は、前記アーム支持部を上下方向に移動させる駆動部を備えることを特徴とする(1)から(4)のうち何れか一項に記載のロボット。
【0049】
これにより、ロボットは、ワークを水平方向および上下方向に搬送することができる。
【符号の説明】
【0050】
100…ロボット、1…収容カセット、2・2A・2B…処理装置、3…ハンド、4…アーム、5…本体部、6…検出機構、6…遮蔽板、7…制御部、8…ベース、30A…検出位置、31…第1ハンド、32…第2ハンド、33…ハンド基部、34…フォーク、41…第1アーム、41a…第1関節部、41b…第2関節部、41c…第3関節部、42…第2アーム、42a…第1関節部、42b…第2関節部、42c…第3関節部、43…第1部分、44…第2部分、46…第1部分、47…第2部分、51…アーム支持部、52…支持フレーム、53…基台、54…駆動部、55…駆動部、61…第1光センサ、62…第2光センサ、63…第1発光部、64…第1受光部、65…第2発光部、66…第2受光部、67…遮蔽板、81…駆動部、511…本体部、512…第1支持部、513…第2支持部、514…第3支持部、671…第1部分、672…第2部分、W…基板。