(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147154
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ミラー装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/08 20060101AFI20241008BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20241008BHJP
B81B 3/00 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
G02B26/08 E
G02B26/10 104Z
B81B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059985
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】井出 智行
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
3C081
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045AB73
2H045BA12
2H045DA02
2H045DA04
2H141MA12
2H141MB23
2H141MB24
2H141MC05
2H141MD13
2H141MD16
2H141MD20
2H141MD23
2H141MD24
2H141MD40
2H141MF10
2H141MZ06
2H141MZ26
2H141MZ30
3C081AA13
3C081BA28
3C081BA30
3C081BA44
3C081BA47
3C081BA54
3C081CA32
3C081DA04
3C081DA27
3C081EA08
(57)【要約】
【課題】枠部材のベース部に対する配置精度が向上されていると共に、走査可能範囲が広く確保されたミラー装置を提供する。
【解決手段】ミラー装置1は、配置面3aに開口する凹部33が形成されたベース部3と、凹部33内に配置された磁石部4と、ミラー面15aを有するミラーユニット2と、第2表面5bにおいて配置面3a上に配置された枠部材5と、窓部材6と、を備える。窓部材6は、枠部材5の第1壁部51及び第2壁部52の頂面51a,52a上に配置され、ミラー面15aに対して傾斜している。枠部材5の第2表面5bには、突起部7が形成されている。突起部7は、Z方向から見た場合に、磁石部4と凹部33の開口縁33aとの間に配置されている。枠部材5の第1表面5aのうち、Z方向において突起部7と重なる部分は、ミラー面15aに対して傾斜した傾斜面となっており、当該傾斜面上に窓部材6が配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置面を有し、前記配置面に開口する凹部が形成されたベース部と、
前記凹部内に配置された磁石部と、
所定の軸線周りに揺動可能に構成された可動部、前記可動部に設けられ、前記磁石部が発生させる磁界が作用するコイル、及び前記可動部上に設けられたミラー面を有し、前記磁石部上に配置されたミラーユニットと、
第1方向における一方側を向いた第1表面、及び前記第1方向における他方側を向いた第2表面を有し、前記第2表面において前記ベース部の前記配置面上に配置された枠部材と、
前記枠部材上に配置された窓部材と、を備え、
前記枠部材は、第1壁部と、前記第1方向に垂直な第2方向において前記第1壁部と向かい合う第2壁部と、を有し、
前記第1壁部の高さは、前記第2壁部の高さよりも低く、
前記窓部材は、前記第1壁部の頂面上及び前記第2壁部の頂面上に配置され、前記ミラー面に対して傾斜しており、
前記枠部材の前記第2表面には、突起部が形成されており、
前記突起部は、前記第1方向から見た場合に、前記磁石部と前記凹部の開口縁との間に配置されており、
前記枠部材の前記第1表面のうち、前記第1方向において前記突起部と重なる部分の少なくとも一部は、前記ミラー面に対して傾斜した傾斜面となっており、前記傾斜面上に前記窓部材が配置されている、ミラー装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記第1方向に垂直な一の方向において、前記磁石部と前記凹部の側面との間に配置されている、請求項1に記載のミラー装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記第1壁部の底面に形成された第1部分を有している、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項4】
前記第1部分は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って延在している、請求項3に記載のミラー装置。
【請求項5】
前記突起部は、前記第2壁部の底面に形成された第2部分を更に有している、請求項3に記載のミラー装置。
【請求項6】
前記第2部分は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って延在している、請求項5に記載のミラー装置。
【請求項7】
前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、
前記突起部は、前記一対の第3壁部の底面にそれぞれ形成された一対の第3部分を有している、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項8】
前記第3部分は、前記第2方向に沿って延在している、請求項7に記載のミラー装置。
【請求項9】
前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、
前記突起部は、前記第1壁部の底面に形成された第1部分と、前記第2壁部の底面に形成された第2部分と、前記一対の第3壁部の一方の底面に形成された第3部分と、を有し、
前記第3部分は、前記第2方向に沿って延在しており、前記第2方向における一端において前記第1部分に接続され、前記第2方向における他端において前記第2部分に接続されている、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項10】
前記突起部は、前記第1方向から見た場合に前記凹部の隅部に対応する箇所に配置された部分を有している、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項11】
前記突起部は、前記第1方向から見た場合に前記磁石部を囲むように環状に形成されている、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項12】
前記第2壁部は、前記第2方向における頂面の幅が前記第2方向における底面の幅よりも狭い部分を有している、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項13】
前記枠部材は、第1接着材により前記ベース部に固定されており、
前記第1接着材は、前記突起部と前記凹部の側面との間に配置されている、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項14】
前記枠部材は、第1接着材により前記ベース部に固定されており、
前記第1接着材は、全周にわたって前記枠部材と前記ベース部との間に配置されている、請求項1又2に記載のミラー装置。
【請求項15】
前記第2方向において、前記第1部分は、前記窓部材の外縁に対して前記ミラーユニットの側に位置しており、前記第2方向において、前記枠部材の開口の縁は、前記窓部材の外縁に対して前記ミラーユニットの側に位置しており、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から見た場合に、前記第2方向における前記枠部材の開口の縁の位置は、前記第2方向における前記第1壁部の位置と重なっている、請求項3に記載のミラー装置。
【請求項16】
前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、
前記窓部材は、第2接着材により前記一対の第3壁部の頂面に固定されている、請求項1又2に記載のミラー装置。
【請求項17】
前記窓部材と前記第1壁部の頂面との間、及び前記窓部材と前記第2壁部の頂面との間の少なくとも一方には、隙間が形成されている、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項18】
前記第1方向から見た場合に、前記ミラーユニットの外縁は、前記磁石部の外縁の内側に位置している、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【請求項19】
前記軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向と平行である、請求項1又は2に記載のミラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミラー装置として、回転可能なミラー部を有するミラーユニットを備え、ベース部上に配置された枠状の部材によりガラス板をミラー部と向かい合うように支持したものがある(例えば特許文献1の
図7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなミラー装置には、ミラー部へ向かう光、又はミラー部で反射した光が枠状の部材により遮られることを防止するために、枠状の部材をベース部上に精度良く配置することが求められ得る。また、ミラー装置には、ミラー部により光を走査可能な範囲を広く確保することが併せて求められ得る。
【0005】
そこで、本発明は、枠部材のベース部に対する配置精度が向上されていると共に、走査可能範囲が広く確保されたミラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のミラー装置は、[1]「配置面を有し、前記配置面に開口する凹部が形成されたベース部と、前記凹部内に配置された磁石部と、所定の軸線周りに揺動可能に構成された可動部、前記可動部に設けられ、前記磁石部が発生させる磁界が作用するコイル、及び前記可動部上に設けられたミラー面を有し、前記磁石部上に配置されたミラーユニットと、第1方向における一方側を向いた第1表面、及び前記第1方向における他方側を向いた第2表面を有し、前記第2表面において前記ベース部の前記配置面上に配置された枠部材と、前記枠部材上に配置された窓部材と、を備え、前記枠部材は、第1壁部と、前記第1方向に垂直な第2方向において前記第1壁部と向かい合う第2壁部と、を有し、前記第1壁部の高さは、前記第2壁部の高さよりも低く、前記窓部材は、前記第1壁部の頂面上及び前記第2壁部の頂面上に配置され、前記ミラー面に対して傾斜しており、前記枠部材の前記第2表面には、突起部が形成されており、前記突起部は、前記第1方向から見た場合に、前記磁石部と前記凹部の開口縁との間に配置されており、前記枠部材の前記第1表面のうち、前記第1方向において前記突起部と重なる部分は、前記ミラー面に対して傾斜した傾斜面となっており、前記傾斜面上に前記窓部材が配置されている、ミラー装置」である。
【0007】
このミラー装置では、第1壁部の高さが第2壁部の高さよりも低く、窓部材が、第1壁部の頂面上及び第2壁部の頂面上に配置され、ミラー面に対して傾斜している。これにより、窓部材で反射した光が進む方向をミラー面で反射した光が進む方向とは異ならせることができ、窓部材で反射した光がノイズ光となることを抑制することができる。また、枠部材の第2表面に突起部が形成されており、突起部が、第1方向から見た場合に磁石部と凹部の開口縁との間に配置されている。これにより、例えば枠部材をベース部上に配置する際に、突起部が第1方向から見た場合に磁石部と凹部の開口縁との間に位置するように枠部材を配置することで、枠部材を狙いの位置に配置することができる。また、例えば枠部材をベース部上に配置した後に枠部材がベース部に対して第1方向と垂直な方向に移動してしまった場合でも、突起部が凹部の側面に接触することで、枠部材の位置ずれを所定量以下に抑えることができる。これらの理由により、このミラー装置では、枠部材のベース部に対する配置精度が向上されている。また、このミラー装置では、枠部材の第1表面のうち第1方向において突起部と重なる部分が、ミラー面に対して傾斜した傾斜面となっており、当該傾斜面上に窓部材が配置されている。これにより、窓部材の面積を広くすることができ、ミラー面により光を走査可能な範囲を広く確保することができる。このように、このミラー装置においては、枠部材のベース部に対する配置精度が向上されていると共に、走査可能範囲が広く確保されている。
【0008】
本発明のミラー装置は、[2]「前記突起部は、前記第1方向に垂直な一の方向において、前記磁石部と前記凹部の側面との間に配置されている、[1]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、例えば枠部材をベース部上に配置した後に枠部材がベース部に対して第1方向に垂直な方向に移動してしまった場合でも、突起部が凹部の側面又は磁石部に接触することで、枠部材の位置ずれを所定量以下に抑えることができる。
【0009】
本発明のミラー装置は、[3]「前記突起部は、前記第1壁部の底面に形成された第1部分を有している、[1]又は[2]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第2壁部がミラー面に近づくように移動することを抑制することができ、第1壁部よりも高い第2壁部によってミラー面へ向かう光又はミラー面で反射した光が遮られることを抑制することができる。
【0010】
本発明のミラー装置は、[4]「前記第1部分は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って延在している、[3]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。また、第1壁部の強度を高めることができる。
【0011】
本発明のミラー装置は、[5]「前記突起部は、前記第2壁部の底面に形成された第2部分を更に有している、[3]又は[4]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第2方向において枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。
【0012】
本発明のミラー装置は、[6]「前記第2部分は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿って延在している、[5]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第2方向において枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。また、第2壁部の強度を高めることができる。
【0013】
本発明のミラー装置は、[7]「前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、前記突起部は、前記一対の第3壁部の底面にそれぞれ形成された一対の第3部分を有している、[1]~[6]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第3方向において枠部材をベース部に対して精度良く配置することができる。
【0014】
本発明のミラー装置は、[8]「前記第3部分は、前記第2方向に沿って延在している、[7]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第3方向において枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。また、第3壁部の強度を高めることができる。
【0015】
本発明のミラー装置は、[9]「前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、前記突起部は、前記第1壁部の底面に形成された第1部分と、前記第2壁部の底面に形成された第2部分と、前記一対の第3壁部の一方の底面に形成された第3部分と、を有し、前記第3部分は、前記第2方向に沿って延在しており、前記第2方向における一端において前記第1部分に接続され、前記第2方向における他端において前記第2部分に接続されている、[1]~[6]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第2方向及び第3方向の両方において枠部材をベース部に対して精度良く配置することができる。また、枠部材の強度を高めることができる。
【0016】
本発明のミラー装置は、[10]「前記突起部は、前記第1方向から見た場合に前記凹部の隅部に対応する箇所に配置された部分を有している、[1]~[9]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。
【0017】
本発明のミラー装置は、[11]「前記突起部は、前記第1方向から見た場合に前記磁石部を囲むように環状に形成されている、[1]~[10]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、枠部材をベース部に対して一層精度良く配置することができる。
【0018】
本発明のミラー装置は、[12]「前記第2壁部は、前記第2方向における頂面の幅が前記第2方向における底面の幅よりも狭い部分を有している、[1]~[11]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、第1壁部よりも高い第2壁部によってミラー面へ向かう光又はミラー面で反射した光が遮られることを抑制することができる。
【0019】
本発明のミラー装置は、[13]「前記枠部材は、第1接着材により前記ベース部に固定されており、前記第1接着材は、前記突起部と前記凹部の側面との間に配置されている、[1]~[12]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、枠部材をベース部に強固に固定することができる。
【0020】
本発明のミラー装置は、[14]「前記枠部材は、第1接着材により前記ベース部に固定されており、前記第1接着材は、全周にわたって前記枠部材と前記ベース部との間に配置されている、[1]~[13]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、枠部材をベース部に強固に固定することができる。
【0021】
本発明のミラー装置は、[15]「前記第2方向において、前記第1部分は、前記窓部材の外縁に対して前記ミラーユニットの側に位置しており、前記第2方向において、前記枠部材の開口の縁は、前記窓部材の外縁に対して前記ミラーユニットの側に位置しており、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向から見た場合に、前記第2方向における前記枠部材の開口の縁の位置は、前記第2方向における前記第1壁部の位置と重なっている、[3]に記載のミラー装置」であってもよい。この場合、窓部材の面積を広くすることができ、ミラー面により光を走査可能な範囲を広く確保することができる。また、枠部材の開口を広くすることができ、枠部材によって光が遮られることを抑制することができる。
【0022】
本発明のミラー装置は、[16]「前記枠部材は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において互いに向かい合う一対の第3壁部を更に有し、前記窓部材は、第2接着材により前記一対の第3壁部の頂面に固定されている、[1]~[15]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、固定時に枠部材が撓むことを抑制することができる。
【0023】
本発明のミラー装置は、[17]「前記窓部材と前記第1壁部の頂面との間、及び前記窓部材と前記第2壁部の頂面との間の少なくとも一方には、隙間が形成されている、[1]~[16]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、ミラー装置内における結露の発生を抑制することができる。
【0024】
本発明のミラー装置は、[18]「前記第1方向から見た場合に、前記ミラーユニットの外縁は、前記磁石部の外縁の内側に位置している、[1]~[17]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。この場合、例えば枠部材をベース部上に配置する際に、枠部材(第1~第3壁部及び突起部)がミラーユニットに接触してミラーユニットが破損してしまうことを抑制することができる。
【0025】
本発明のミラー装置は、[19]「前記軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向と平行である、[1]~[18]のいずれか1つに記載のミラー装置」であってもよい。このようなミラー装置においても、枠部材のベース部に対する配置精度が向上されると共に、走査可能範囲が広く確保される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、枠部材のベース部に対する配置精度が向上されていると共に、走査可能範囲が広く確保されたミラー装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図3】
図2のIII-III線に沿っての断面図である。
【
図4】
図2のIV-IV線に沿っての断面図である。
【
図6】枠部材及び磁石部を底面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0029】
図1~
図6に示されるように、ミラー装置1は、ミラーユニット2と、ベース部3と、磁石部4と、枠部材5と、窓部材6と、を備えている。まず、
図7を参照しつつ、ミラーユニット2について説明する。ミラーユニット2は、この例ではミラーデバイス10のみにより構成されているが、例えばミラーデバイス10が固定されるベース部材を更に備えていてもよい。以下、各図に示されるようにX方向(第2方向)、Y方向(第3方向)、Z方向(第1方向)を設定して説明する。X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。
[ミラーデバイス(ミラーユニット)]
【0030】
ミラーデバイス10は、支持部11と、支持部11に対して揺動可能な可動ミラー部12と、を有している。可動ミラー部12は、可動部13と、一対の連結部14と、ミラー15と、を有している。支持部11、可動部13及び一対の連結部14は、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板により一体的に形成されている。つまり、ミラーデバイス10は、半導体材料を用いて形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスである。
【0031】
支持部11は、例えば矩形枠状に形成されている。可動部13は、例えば矩形板状に形成されており、光軸方向から見た場合に支持部11の内側に配置されている(支持部11により囲まれている)。光軸方向は、支持部11及び可動ミラー部12が配置される平面に垂直な方向であり、この例ではミラー15に垂直な方向である。この例では光軸方向はZ方向と平行である。可動部13は、軸線A周りに揺動可能となるように、一対の連結部14により支持部11に連結されている。軸線Aは、この例ではY方向と平行である。
【0032】
可動部13は、第1部分131と、第2部分132と、を含んでいる。第1部分131は、光軸方向から見た場合に、例えば円形状に形成されている。第2部分132は、光軸方向から見た場合に、例えば矩形環状に形成されている。第1部分131は、光軸方向から見た場合に第2部分132の内側に配置されており(第2部分132により囲まれており)、複数(この例では2つ)の接続部分133を介して第2部分132と接続されている。第1部分131と第2部分132との間には、複数の接続部分133を除いて隙間が形成されている。接続部分133は、例えば、第2部分132の矩形状の内縁のうち軸線Aと平行な2辺の中央部に位置している。
【0033】
一対の連結部14は、支持部11と可動部13との間の隙間において、可動部13を挟むように軸線A上に配置されている。各連結部14は、この例では長方形板状に形成されて軸線Aに沿って延在している。各連結部14は、トーションバーとして機能する。
【0034】
ミラー15は、可動部13の第1部分131に設けられている。ミラー15は、光軸方向における第1部分131の一方側の表面上に形成されている。ミラー15は、例えば、アルミニウム、アルミニウム系合金、金又は銀等の金属材料により、円形、楕円形又は矩形の膜状に形成されている。ミラー15における可動部13とは反対側の表面は、光軸方向と垂直に延在するミラー面15aを構成している。ミラー15の中心は、光軸方向から見た場合に、第1部分131の中心(ミラーデバイス10の中心)に一致している。ミラーデバイス10では、複数の接続部分133を介して第2部分132と接続された第1部分131にミラー15が設けられているため、可動部13が共振周波数レベルで軸線A周りに揺動する場合でも、ミラー15に撓み等の変形が生じることが抑制されている。
【0035】
さらに、ミラーデバイス10は、コイル16と、一対の電極パッド17a,17bと、を有している。コイル16は、可動部13の第2部分132に設けられている。コイル16は、光軸方向から見た場合に、ミラー15の外側の領域(すなわち、第2部分132)においてスパイラル状(渦巻き状)に複数回巻かれている。コイル16には、磁石部4が発生させる磁界が作用する。
【0036】
コイル16は、例えば、銅等の金属材料からなり、可動部13の表面に形成された溝内に配置されている。つまり、コイル16は、可動部13に埋め込まれている。コイル16の一端は、配線(図示省略)を介して電極パッド17aに接続されており、コイル16の他端は、配線(図示省略)を介して電極パッド17bに接続されている。各電極パッド17a,17bには、ミラーデバイス10を外部機器(例えば電源装置等)と電気的に接続するためのワイヤ(図示両略)が接続されている。
【0037】
ミラーデバイス10の駆動方法の例を説明する。一例として、コイル16に高周波数の駆動電流が印加される。このとき、コイル16には、磁石部4により発生させられた磁界が作用しているため、コイル16にローレンツ力が発生する。これにより、可動部13が、例えば、共振周波数レベルで軸線A周りに揺動させられる。このようにミラーデバイス10を駆動することにより、所定の光源からの光をミラー15(ミラー面15a)により反射させて走査することができる。別例として、コイル16に一定の大きさの駆動電流が印加されてもよい。この場合、可動部13は、駆動電流の大きさに応じて軸線A周りに回転し、所定の回転角度で停止する。このように、可動部13は静的に駆動されてもよい(リニア駆動)。
[ミラー装置]
【0038】
図1~
図6を参照しつつ、ミラー装置1の各部の構成について説明する。ベース部3は、樹脂材料により形成された本体部31と、金属材料により形成された金属板部32と、を有し、全体として略直方体状の外形を有している。ベース部3は、配置面3a及び底面3bを有している。配置面3aは、Z方向における一方側の面であり、ベース部3の頂面を構成している。底面3bは、Z方向における他方側の面であり、配置面3aとは反対側に位置している。この例では、配置面3a及び底面3bは、Z方向に垂直な平坦面であり、互いに平行である。配置面3aは本体部31により構成されており、底面3bは本体部31及び金属板部32により構成されている。すなわち、金属板部32は、底面3bの一部を構成するようにベース部3の底部に配置されている。
【0039】
ベース部3には、配置面3aに開口する凹部33が形成されている。この例では、凹部33の開口縁33a(配置面3aにおける凹部33の縁)は、Y方向と平行な長辺を有する略長方形状に形成されている。
図6には開口縁33aが二点鎖線により示されている。凹部33の側面33b(内側面)は本体部31により構成されており、凹部33の底面33cは金属板部32により構成されている。
【0040】
凹部33内には、磁石部4が配置されている。磁石部4は、凹部33の底面33c上に配置されている。磁石部4は、例えば、ハルバッハ配列で並べられた複数の永久磁石を含んで構成されており、全体として略直方体状に形成されている。磁石部4は、ミラーデバイス10のコイル16に作用する磁界を発生させる。
図2及び
図6に示されるように、磁石部4は、Z方向から見た場合に、例えばY方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。
【0041】
ミラーデバイス10(ミラーユニット2)は、Z方向において磁石部4上に配置されている。より具体的には、ミラーデバイス10は、ミラー面15aがZ方向における一方側(窓部材6側)を向き、且つ軸線AがY方向と平行になるように、支持部11において磁石部4の頂面4a(窓部材6側の表面)上に配置されている。
図2に示されるように、Z方向から見た場合に、ミラーデバイス10の外縁10aの全体は、磁石部4の外縁4bの内側に位置している。ミラーユニット2が、ミラーデバイス10が固定されるベース部材を備える場合、ミラーユニット2は、当該ベース部材を介して磁石部4上に配置されてもよい。
【0042】
ベース部3の配置面3a上には、枠部材5が配置されている。枠部材5は、Z方向における一方側を向いた第1表面5aと、Z方向における他方側を向いた第2表面5bと、を有し、第2表面5bにおいて(Z方向において)配置面3a上に配置されている。第1表面5aは、後述する第1壁部51、第2壁部52及び一対の第3壁部53の頂面51a~53aにより構成されている。第2表面5bは、後述する第1壁部51、第2壁部52、一対の第3壁部53及び一対の立壁部54の底面51b~54bにより構成されている。枠部材5は、第1表面5aにおいて光通過開口5cを画定している。光通過開口5cは、ミラーデバイス10のミラー面15aへ向かう光、又はミラー面15aで反射した光が通過する開口である。
図6には、光通過開口5cが破線により示されている。枠部材5は、Z方向から見た場合にミラーデバイス10(ミラー面15a)を囲むように配置されている。Y方向における光通過開口5cの幅は、Y方向における各立壁部54の幅W5よりも大きい。立壁部54及びその幅W5については後述する。これにより、ミラー面15aへ向かう光、又はミラー面15aで反射した光が枠部材5と干渉することを抑制することができる。
【0043】
枠部材5は、第1壁部51と、第2壁部52と、一対の第3壁部53と、一対の立壁部54と、を有している。この例では、一対の第3壁部53は、一対の立壁部54とそれぞれ一体に形成されている。各壁部51,52,54は、略平板状の中実な(内部に空洞を有しない)壁部であり、Z方向に沿って延在している。各第3壁部53は、後述するように、Z方向に沿って延在する略平板状の中実な本体部531を有している。第1壁部51及び第2壁部52は、互いに平行に延在し、X方向において互いに向かい合っている。一対の第3壁部53の本体部531は、互いに平行に延在し、Y方向において互いに向かい合っている。一方の第3壁部53の本体部531は、Y方向における第1壁部51の一端及び第2壁部52の一端に接続されており、他方の第3壁部53の本体部531は、Y方向における第1壁部51の他端及び第2壁部52の他端に接続されている。
【0044】
第1壁部51の頂面51a(ベース部3とは反対側の表面)は、第2壁部52に近づくにつれてベース部3の配置面3aから遠ざかるように、配置面3a(ミラー面15a)に対して傾斜している。第2壁部52の頂面52a(ベース部3とは反対側の表面)は、第1壁部51に近づくにつれてベース部3の配置面3aに近づくように、配置面3a(ミラー面15a)に対して傾斜している。第1壁部51の高さH1は、第2壁部52の高さH2よりも低い。第1壁部51の高さH1は、配置面3aから頂面51aまでの距離の最大値であり、第2壁部52の高さH2は、配置面3aから頂面52aまでの距離の最大値である。
【0045】
第3壁部53は、Y方向に垂直な平面に沿って延在する平板状の本体部531と、本体部531からY方向の内側(ミラーデバイス10側)に突出した庇部532と、を有している。庇部532は、Y方向又はZ方向から見た場合に、第1壁部51と第2壁部52との間にわたって連続して延在するように設けられている。この例では、第3壁部53の頂面53a(ベース部3とは反対側の表面)は、庇部532により構成されており、第3壁部53の底面53bは、本体部531により構成されている。
図5では、破線により底面53bが示されている。
【0046】
この例では、Z方向から見た場合に、枠部材5は、Y方向と平行な長辺を有する長方形枠状に形成されており、X方向における第3壁部53の長さL3は、Y方向における第1壁部51の長さL1及び第2壁部52の長さL2よりも短い。この例では、長さL1,L2は互いに等しく、第3壁部53の長さL3は、X方向における立壁部54の長さと等しい。
【0047】
第3壁部53の頂面53aは、第1壁部51に近づくにつれてベース部3の配置面3aに近づくように(第2壁部52に近づくにつれて配置面3aから遠ざかるように)、配置面3a(ミラー面15a)に対して傾斜している。この例では、頂面53aは、第1壁部51の頂面51a及び第2壁部52の頂面52aに接続されている。頂面51a~53aは、面一となっており、同一平面上に位置している。すなわち、枠部材5の第1表面5aの全体は、配置面3a(ミラー面15a)に対して傾斜した傾斜面となっている。なお、「ミラー面15aに対して傾斜している」とは、可動部13が揺動していない状態におけるミラー面15a(この例ではZ向に垂直なミラー面15a)に対して傾斜していることをいう。
【0048】
頂面51a~53a上には、窓部材6が配置されている。窓部材6は、例えば、ガラス等の透光性材料により矩形平板状に形成されている。ミラー装置1では、ミラーデバイス10のミラー面15aへ向かう光が窓部材6を透過すると共に、ミラー面15aで反射した光が窓部材6を透過する。窓部材6は、頂面51a~53a上に配置されることにより、第1壁部51に近づくにつれてベース部3の配置面3aに近づくように、配置面3a(ミラー面15a)に対して傾斜している。換言すれば、各頂面51a~53aは、窓部材6の傾斜に応じた角度で傾斜している。なお、後述するとおり、この例では、頂面51a,52aと窓部材6との間には、通気用の隙間Gが形成されている。すなわち、窓部材6は、隙間Gを介して頂面51a,52a上に配置されていてもよい。
[突起部]
【0049】
枠部材5の第2表面5bには、一対の突起部7が形成されている。一対の突起部7は、Y方向に垂直な平面に関して互いに対称な形状を有している。各突起部7は、第1壁部51の底面51bに形成された第1部分71と、第2壁部52の底面52bに形成された第2部分72と、第3壁部53の底面53b及び立壁部54の底面54bに形成された第3部分73と、を有している。底面51b~54bは、壁部51~54におけるベース部3側の表面である。
図6には、枠部材5及び磁石部4を底面51b~54b側から見た図が示されている。
図6には、
図2のIII-III線、IV-IV線、V-V線にそれぞれ対応するIII-III線、IV-IV線、V-V線が示されている。
【0050】
第1部分71は、Y方向に沿って真っ直ぐに延在している。この例では、第1部分71は、Z方向から見た場合に、Y方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。第1部分71は、Y方向に垂直な断面において略矩形状に形成されており、Y方向に関して一様な断面形状を有している。第1部分71は、第1壁部51の底面51bのうちX方向における内側の領域に形成されている。この例では、第1部分71は、底面51bの内縁に沿って延在するように形成されている。
【0051】
第2部分72は、Y方向に沿って真っ直ぐに延在している。この例では、第2部分72は、X方向に垂直な平面に関して第1部分71と対称な形状を有しており、第1部分71と平行に延在している。第2部分72は、Z方向から見た場合に、Y方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。第2部分72は、Y方向に垂直な断面において略矩形状に形成されており、Y方向に関して一様な断面形状を有している。第2部分72は、第2壁部52の底面52bのうちX方向における内側の領域に形成されている。この例では、第2部分72は、底面52bの内縁に沿って延在するように形成されている。
【0052】
第3部分73は、X方向に沿って真っ直ぐに延在している。すなわち、この例では、第3部分73は、第1部分71及び第2部分と垂直に延在している。第3部分73は、Z方向から見た場合に、X方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。第3部分73は、X方向に垂直な断面において略矩形状に形成されており、X方向に関して一様な断面形状を有している。第3部分73は、X方向における一端において第1部分71に接続され、X方向における他端において第2部分72に接続されている。すなわち、各突起部7における第1部分71、第2部分72及び第3部分73は一体に形成されている。各突起部7における第1部分71、第2部分72及び第3部分73は、Z方向から見た場合に略C字状(コ字状)を呈している。
【0053】
各突起部7は、Z方向から見た場合に、磁石部4と凹部33の開口縁33aとの間に配置されている(
図6参照)。この例では、各突起部7は、Z方向に垂直な方向において、磁石部4と凹部33の側面33bとの間に配置されている。すなわち、各突起部7は、凹部33内に位置する部分(ベース部3の配置面3aに対して窓部材6とは反対側に位置する部分)を有している。より具体的には、第1部分71及び第2部分72は、X方向及びY方向の両方に対して傾斜した方向において、磁石部4と側面33b(開口縁33a)との間に位置している。第3部分73は、Y方向において、磁石部4と側面33b(開口縁33a)との間に位置している。Y方向において、第3部分73と側面33bとの間の距離は、第3部分73と磁石部4との間の距離よりも短い。
【0054】
各突起部7において、第1部分71と第3部分73との間の接続部分74、及び第2部分72と第3部分73との間の接続部分75は、Z方向から見た場合に凹部33の隅部33dに対応する箇所に配置されている。この例では、接続部分74,75は、隅部33dと向かい合うように配置されている。接続部分74,75は、磁石部4の角部に対応する箇所に配置されているとみなすこともできる。
【0055】
枠部材5の第1表面5aのうち、Z方向において(Z方向から見た場合に)突起部7と重なる部分は、ミラー面15a(配置面3a)に対して傾斜した傾斜面となっている。上述したとおり、この例では、第1表面5aの全体が、ミラー面15aに対して傾斜した傾斜面となっている。このように傾斜した第1表面5a上に、窓部材6が配置されている。窓部材6は、Z方向において突起部7の少なくとも一部と重なっている。この例では、窓部材6は、Z方向において第1部分71及び第2部分72と重なっており、第3部分73とは重なっていない。
[立壁部]
【0056】
図5では、二点鎖線により立壁部54が示されている。一対の立壁部54は、互いに平行に延在し、Y方向において互いに向かい合っている。一対の立壁部54は、Z方向から見た場合に、Y方向における一対の第3壁部53の外側に配置されている(Y方向において一対の第3壁部53を挟むように配置されている)。この例では、一対の立壁部54は、一対の第3壁部53とそれぞれ一体に形成されている。各立壁部54は、Y方向から見た場合に、第1壁部51と第2壁部52との間にわたって連続して延在するように設けられている。
【0057】
立壁部54の頂面54a(ベース部3とは反対側の表面)は、平坦部を有している。この例では、立壁部54の頂面54aの全体が、Z方向に垂直な平坦面となっている。頂面54a(平坦部)は、ベース部3の底面3b(配置面3aとは反対側の表面)と平行に延在している。頂面54aは、Z方向から見た場合に、例えばX方向と平行な長辺を有する長方形状を呈している。立壁部54の底面54b(ベース部3側の表面)の全体は、Z方向に垂直な平坦面となっている。底面54bは、Z方向から見た場合に、例えばX方向と平行な長辺を有する長方形状を呈している。立壁部54は、枠部材5のうち、頂面54aからZ方向に沿って延在する部分であり、底面54bは、当該延在する部分における頂面54aとは反対側の端面である。この例では、立壁部54は、Z方向に関して一様な断面形状を有している。頂面54a及び底面54bは、互いに同じ形状を有している。
【0058】
Y方向における立壁部54の頂面54aの幅W3及び底面54bの幅W4の各々は、X方向における第1壁部51の幅W1及び第2壁部52の幅W2の各々よりも広い。第1壁部51の幅W1とは、ミラー15の中心を通るY方向に垂直な断面(
図4)でのX方向における第1壁部51の最大幅である。この点は第2壁部52及び立壁部54についても同様である。この例では、頂面54aの幅W3は底面54bの幅W4と等しい。立壁部54の高さH4は、第1壁部51の高さH1及び第2壁部52の高さH2よりも高く、且つ、第3壁部の高さH3よりも高い。第3壁部53の高さH3は、ベース部3の配置面3aから第3壁部53の頂面53aまでの距離の最大値である。立壁部54の高さH4は、ベース部3の配置面3aから立壁部54の頂面54aまでの距離の最大値である。
【0059】
枠部材5は、立壁部54の底面54bがベース部3の配置面3aに接触するように、配置面3a上に配置されている。なお、後述するように、この例では底面54bと配置面3aとの間に第1接着材81が配置されている。底面54bが配置面3aに接触していることには、底面54bが配置面3aに直接に接触している場合だけでなく、この例のように底面54bと配置面3aとの間に第1接着材81が配置されている場合が含まれる。Z方向から見た場合に、立壁部54の外縁は、ベース部3の外縁よりも外側に位置していない。この例では、Z方向から見た場合に、立壁部54の外縁は、ベース部3の外縁よりも内側に位置している。X方向から見た場合に、立壁部54の底面54bにおいて、配置面3aと接触している部分の幅は、配置面3aと接触していない部分の幅よりも広い。
【0060】
図1~
図6を参照しつつミラー装置1の各部の構成について更に説明する。第2壁部52は、第2壁部52における他の部分と比べて頂面52a側の幅が狭くなっている部分521を有している(
図4参照)。部分521においては、頂面52aの幅Waが底面52bの幅Wbよりも狭くなっている。部分521は、Y方向における第2壁部52の中間部に設けられている。
【0061】
枠部材5は、第1接着材81によりベース部3に固定されている。第1接着材81は、例えばエポキシ系、アクリル系、シリコーン系の材料からなる接着材である。この例では、第1接着材81は、枠部材5の第2表面5b(壁部51~54の底面51b~54b)とベース部3の配置面3aとの間に配置されて第2表面5b及び配置面3aに接触すると共に、突起部7と凹部33の側面33bとの間に配置されて突起部7及び側面33bに接触している(突起部7と凹部33の側面33bとの間に入り込んでいる)。また、第1接着材81は、全周にわたって(Z方向から見た場合に凹部33を囲むように)枠部材5とベース部3との間に配置されている。第1接着材81は、突起部7の第1部分71、第2部分72及び第3部分73に接触している。
【0062】
窓部材6は、第2接着材82により一対の第3壁部53の頂面53aに固定されている。第2接着材82は、例えばエポキシ系、アクリル系、シリコーン系の材料からなる接着材である。窓部材6と頂面53aとの間は、第2接着材82により気密に封止されている。一方、窓部材6と第1壁部51の頂面51aとの間、及び窓部材6と第2壁部52の頂面52aとの間には第2接着材82が配置されておらず、隙間Gが形成されている。すなわち、窓部材6は、第1壁部51の頂面51a及び第2壁部52の頂面52aに固定されていない。隙間Gは、ミラー装置1の内部と外部とを接続する通気口として機能する。
【0063】
Z方向において、窓部材6の全体は、各立壁部54の頂面54aに対してベース部3の側に位置している。すなわち、Z方向において、窓部材6の全体は、各立壁部54の頂面54aからベース部3とは反対側に突出していない。Y方向における窓部材6の長さL6は、Y方向における各立壁部54の幅W5よりも長い。立壁部54の幅W5とは、Y方向における立壁部54の最大幅であり、例えば立壁部54の頂面54aの幅W3及び底面54bの幅W4の広いほうである。この例では幅W3が幅W4と等しいため、立壁部54の幅W5は、頂面54aの幅W3であり、底面54bの幅W4でもある。また、この例では、Y方向における窓部材6の長さL6は、Y方向における一対の立壁部54の幅W5の和よりも長い。
【0064】
図6には窓部材6が破線により示されている。
図6に示されるように、Z方向から見た場合に、窓部材6の外縁6aは、枠部材5の光通過開口5cの外側に位置している。すなわち、窓部材6は、光通過開口5cの全体を覆うように配置されている。X方向において、突起部7の第1部分71及び第2部分72は、窓部材6の外縁6aに対して内側(ミラーデバイス10側)に位置している。X方向において、枠部材5の光通過開口5cの縁は、窓部材6の外縁6aに対して内側(ミラーデバイス10側)に位置している。Y方向から見た場合に、X方向における枠部材5の光通過開口5cの縁の位置は、X方向における第1壁部51及び第2壁部52の位置と重なっている。この例では、Y方向から見た場合に、X方向における枠部材5の光通過開口5cの縁の位置は、X方向における突起部7の第1部分71及び第2部分72の位置と重なっている。Y方向において、枠部材5の光通過開口5cの縁は、窓部材6の外縁6aに対して内側(ミラーデバイス10側)に位置している。Y方向において、枠部材5の光通過開口5cの縁及び窓部材6の外縁6aは、突起部7の第3部分73に対して内側に位置している。第3壁部53の頂面53aは、Z方向において突起部7の第3部分73と重なる部分を有している。
[作用及び効果]
【0065】
ミラー装置1では、第1壁部51の高さH1が第2壁部52の高さH2よりも低く、窓部材6が、第1壁部51の頂面51a上及び第2壁部52の頂面52a上に配置され、ミラー面15aに対して傾斜している。これにより、窓部材6で反射した光が進む方向をミラー面15aで反射した光が進む方向とは異ならせることができ、窓部材6で反射した光がノイズ光となることを抑制することができる。また、枠部材5の第2表面5bに突起部7が形成されており、突起部7が、Z方向(第1方向)から見た場合に磁石部4と凹部33の開口縁33aとの間に配置されている。これにより、例えば枠部材5をベース部3上に配置する際に、突起部7がZ方向から見た場合に磁石部4と凹部33の開口縁33aとの間に位置するように枠部材5を配置することで、枠部材5を狙いの位置に配置する(位置決めする)ことができる。また、例えば枠部材5をベース部3上に配置した後に枠部材5がベース部3に対してZ方向と垂直な方向に移動してしまった場合でも、突起部7が凹部33の側面33bに接触することで、枠部材5の位置ずれを所定量以下に(許容範囲内に)抑えることができる。このような枠部材5の移動は、例えば、枠部材5をベース部3上に配置した後、第1接着材81が硬化する前に起こり得る。異なる見方をすれば、ミラー装置1では、磁石部4と凹部33の開口縁33a(側面33b)との間に、枠部材5(突起部7)を位置決めするための空間が確保されている。これらの理由により、ミラー装置1では、枠部材5のベース部3に対する配置精度が向上されている。また、ミラー装置1では、枠部材5の第1表面5aのうちZ方向において突起部7と重なる部分が、ミラー面15aに対して傾斜した傾斜面となっており、当該傾斜面上に窓部材6が配置されている。これにより、窓部材6の面積を広くすることができ、ミラー面15aにより光を走査可能な範囲を広く確保することができる。このように、ミラー装置1においては、枠部材5のベース部3に対する配置精度が向上されていると共に、走査可能範囲が広く確保されている。
【0066】
突起部7が、Z方向に垂直な一の方向において、磁石部4と凹部33の側面33bとの間に配置されている。上述した例では、第1部分71及び第2部分72が、X方向及びY方向の両方に対して傾斜した方向において、磁石部4と側面33bとの間に位置しており、第3部分73が、Y方向において、磁石部4と側面33bとの間に位置している。これにより、例えば枠部材5をベース部3上に配置した後に枠部材5がベース部3に対してZ方向に垂直な方向に移動してしまった場合でも、突起部7が凹部33の側面33b又は磁石部4に接触することで、枠部材5の位置ずれを所定量以下に抑えることができる。
【0067】
突起部7が、第1壁部51の底面51bに形成された第1部分71を有している。これにより、第2壁部52がミラー面15aに近づくように移動することを抑制することができ、第1壁部51よりも高い第2壁部52によってミラー面15aへ向かう光又はミラー面15aで反射した光が遮られることを抑制することができる。
【0068】
第1部分71が、Y方向(第1方向及び第2方向に垂直な第3方向)に沿って延在している。これにより、枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。また、第1壁部51の強度を高めることができる。
【0069】
突起部7が、第2壁部52の底面52bに形成された第2部分72を有している。これにより、X方向(第1方向に垂直な第2方向)において枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。
【0070】
第2部分72が、Y方向に沿って延在している。これにより、X方向において枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。また、第2壁部52の強度を高めることができる。
【0071】
突起部7が、一対の第3壁部53の底面53bにそれぞれ形成された一対の第3部分73を有している。これにより、Y方向において枠部材5をベース部3に対して精度良く配置することができる。
【0072】
第3部分73が、X方向(第1方向に垂直な第2方向)に沿って延在している。これにより、Y方向において枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。また、第3壁部53の強度を高めることができる。
【0073】
第3部分73が、X方向に沿って延在しており、X方向における一端において第1部分71に接続され、X方向における他端において第2部分72に接続されている。これにより、X方向及びY方向の両方において枠部材5をベース部3に対して精度良く配置することができる。また、枠部材5の強度を高めることができる。
【0074】
突起部7が、Z方向から見た場合に凹部33の隅部33dに対応する箇所に配置された接続部分74,75を有している。これにより、枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。
【0075】
第2壁部52が、X方向における頂面53aの幅WaがX方向における底面52bの幅Wbよりも狭い部分521を有している。これにより、第1壁部51よりも高い第2壁部52によってミラー面15aへ向かう光又はミラー面15aで反射した光が遮られることを抑制することができる。
【0076】
枠部材5が、第1接着材81によりベース部3に固定されており、第1接着材81が、突起部7と凹部33の側面33bとの間に配置されている。これにより、枠部材5をベース部3に強固に固定することができる。
【0077】
第1接着材81が、全周にわたって枠部材5とベース部3との間に配置されている。これにより、枠部材5をベース部3に強固に固定することができる。
【0078】
X方向において、第1部分71が、窓部材6の外縁6aに対して内側(ミラーユニット2側)に位置している。X方向において、枠部材5の光通過開口5cの縁が、窓部材6の外縁6aに対して内側に位置している。Y方向から見た場合に、X方向における枠部材5の光通過開口5cの縁の位置が、X方向における第1壁部51の位置と重なっている。これにより、窓部材6の面積を広くすることができ、ミラー面15aにより光を走査可能な範囲を広く確保することができる。また、光通過開口5cを広くすることができ、枠部材5によって光が遮られることを抑制することができる。
【0079】
窓部材6が、第2接着材82により一対の第3壁部53の頂面53aに固定されている。これにより、例えば高さが低く撓みやすい第1壁部51の頂面51aに窓部材6が固定される場合と比べて、固定時に枠部材5が撓むことを抑制することができる。
【0080】
窓部材6と第1壁部51の頂面51aとの間、及び窓部材6と第2壁部52の頂面52aとの間に、隙間Gが形成されている。これにより、ミラー装置1内における結露の発生を抑制することができる。
【0081】
Z方向から見た場合に、ミラーデバイス10(ミラーユニット2)の外縁10aが、磁石部4の外縁4bの内側に位置している。これにより、例えば枠部材5をベース部3上に配置する際に、枠部材5(壁部51~壁部53及び突起部7)がミラーデバイス10に接触してミラーデバイス10が破損してしまうことを抑制することができる。
【0082】
ミラーデバイス10の軸線Aが、Y方向と平行である。このようなミラー装置1においても、枠部材5のベース部3に対する配置精度が向上されると共に、走査可能範囲が広く確保される。
[変形例]
【0083】
本発明は、上記実施形態及び変形例に限られない。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。Y方向における第1壁部51の長さL1及び第2壁部52の長さL2は、X方向における各第3壁部53の長さL3よりも短くてもよいし、長さL3と等しくてもよい。
【0084】
突起部7は、Z方向から見た場合に磁石部4を囲むように環状に形成されていてもよい。例えば、突起部7は、Z方向から見た場合に矩形環状を呈する1つの部分により構成されていてもよい。この場合、例えば、第1部分71及び第2部分72がX方向において向かい合う一対の辺部を構成し、一対の第3部分73がY方向において向かい合う一対の辺部を構成する。このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、枠部材5のベース部3に対する配置精度が向上されると共に、走査可能範囲が広く確保される。また、突起部7がZ方向から見た場合に磁石部4を囲むように環状に形成されているため、枠部材5をベース部3に対して一層精度良く配置することができる。
【0085】
突起部7は、第1部分71、第2部分72及び第3部分73のいずれか1つのみを有していてもよいし、いずれか2つのみを有していてもよい。第1部分71及び第2部分72は、任意の形状に形成されてよく、Y方向に沿って延在していなくてもよい。第3部分73は、任意の形状に形成されてよく、X方向に沿って延在していなくてもよい。第3部分73は、第1部分71及び第2部分72のいずれか1つ又は両方に接続されていなくてもよい。突起部7は、Z方向から見た場合に凹部33の隅部33dに対応する箇所に配置された部分を有していなくてもよい。
【0086】
突起部7は、磁石部4と凹部33の開口縁33a(側面33b)との間に配置されていればよく、磁石部4に接触していてもよいし、磁石部4から離間していてもよい。突起部7は、開口縁33a(側面33b)に接触していてもよいし、開口縁33aから離間していてもよい。突起部7は形成されていなくてもよい。この場合、各立壁部54の底面54bの全体が、ベース部3に接触していてもよい。これにより、枠部材5をベース部3に一層強固に固定することができる。
【0087】
上記実施形態では、枠部材5の第1表面5aの全体がミラー面15aに対して傾斜した傾斜面となっていたが、窓部材6が配置される領域が傾斜面となっていればよく、第1表面5aの全体が傾斜面となっていなくてもよい。すなわち、第1表面5aのうちZ方向において突起部7と重なる部分の少なくとも一部が傾斜面となっていればよく、第1表面5aのうちZ方向において突起部7と重なる部分は、ミラー面15aと平行に延在する領域を含んでいてもよい。例えば、上記実施形態において、第1表面5aのうちZ方向において第3部分73と重なる領域がミラー面15aと平行な平坦面となっていてもよい。上記実施形態では、窓部材6が、Z方向において第1部分71及び第2部分72と重なっており、第3部分73とは重なっていなかったが、窓部材6は、Z方向において突起部7の全体と重なっていてもよい。
【0088】
上記実施形態では立壁部54が第3壁部53と一体に形成されていたが、立壁部54は第3壁部53とは別体に形成されていてもよい。例えば、立壁部54は、第3壁部53からY方向に離れて設けられていてもよい。上記実施形態では立壁部54が第3壁部53とは別の部分であるとみなして説明したが、上記実施形態のように立壁部54が第3壁部53と一体に形成されている場合、立壁部54は第3壁部53の一部であるとみなすこともできる。立壁部54は省略されてもよい。
【0089】
第2壁部52は、X方向における頂面53aの幅WaがX方向における底面52bの幅Wbよりも狭い部分521を有していなくてもよく、Z方向に関して一様な幅を有していてもよい。突起部7の第1部分71及び第2部分72は、X方向において窓部材6の外縁6aに対して外側(ミラーユニット2とは反対側)に位置していてもよい。X方向において、枠部材5の光通過開口5cの縁は、第1壁部51及び第2壁部52の内側に位置していてもよいし、第1壁部51及び第2壁部52の外側に位置していてもよい。すなわち、Y方向から見た場合に、X方向における枠部材5の光通過開口5cの縁の位置は、X方向における第1壁部51及び第2壁部52の位置と重なっていなくてもよい。
【0090】
枠部材5とベース部3との間の固定方法は接着に限定されず、任意の方法であってよく、第1接着材81は省略されてもよい。第1接着材81は、突起部7と凹部33の側面33bとの間に配置されていなくてもよく、例えば枠部材5の第2表面5bとベース部3の配置面3aとの間のみに配置されていてもよい。第1接着材81は、必ずしも全周にわたって枠部材5とベース部3との間に配置されていなくてもよく、例えば周方向における一部のみに配置されていてもよい。
【0091】
窓部材6と枠部材5との間の固定方法は接着に限定されず、任意の方法であってよく、第2接着材82は省略されてもよい。第2接着材82は、全周にわたって窓部材6と枠部材5の第1表面5aとの間に配置されていてもよい。すなわち、上記実施形態において、窓部材6と第1壁部51の頂面51aとの間、及び窓部材6と第2壁部52の頂面52aとの間にも第2接着材82が配置されていてもよい。この場合、窓部材6と頂面51a,52aとの間には隙間Gが形成されない。上記実施形態では窓部材6と頂面51aとの間、及び窓部材6と頂面52aとの間の両方に隙間Gが形成されていたが、隙間Gは、窓部材6と頂面51aとの間、及び窓部材6と頂面52aとの間の一方のみに形成されていてもよい。
【0092】
Z方向から見た場合に、ミラーデバイス10(ミラーユニット2)の外縁10aは、磁石部4の外縁4bの外側に位置していてもよく、磁石部4の外縁4bと重なっていてもよい(一致していてもよい)。ミラーデバイス10の軸線Aは、必ずしもY方向と平行となっていなくてもよい。
【0093】
上記実施形態では突起部7がZ方向に垂直な方向において磁石部4と凹部33の側面33bとの間に配置されていたが、突起部7は、Z方向から見た場合に磁石部4と凹部33の開口縁33aとの間に配置されていればよく、必ずしもZ方向に垂直な方向において磁石部4と凹部33の側面33bとの間に配置されていなくてもよい。例えば、磁石部4の頂面4aがベース部3の配置面3aよりも低い(Z方向において窓部材6とは反対側に位置する)場合、突起部7は、Z方向に垂直な方向において凹部33の側面33bと向かい合う一方で磁石部4とは向かい合っていなくてもよい。立壁部54の底面54bとベース部3との間に第1接着材81が配置されていなくてもよい。
【0094】
窓部材6の長さL6は、一対の立壁部54の幅W5の和よりも短くてもよいし、各立壁部54の幅W5よりも短くてもよい。立壁部54の高さH4は、第2壁部52の高さH2よりも低くてもよい。窓部材6の少なくとも一部が、各立壁部54の頂面54aに対してベース部3とは反対側に位置していてもよい。すなわち、Z方向において、窓部材6の少なくとも一部が、各立壁部54の頂面54aからベース部3とは反対側に突出していてもよい。磁石部4は、必ずしもベース部3に形成された凹部33内に配置されていなくてもよく、例えばベース部3の表面(例えば配置面3a)上に配置されていてもよい。
【0095】
立壁部54は、Y方向から見た場合に第1壁部51と第2壁部52との間にわたって連続して延在するように設けられていなくてもよい。立壁部54は、分離された2つ以上の部分を含んで構成されてもよく、例えば、第1壁部51側に配置された第1部分と、第1部分から離間して第2壁部52側に配置された第2部分と、を含んで構成されていてもよい。立壁部54は、Z方向から見た場合に、第1壁部51及び第2壁部52の延在方向と交差する方向に沿って延在していればよく、必ずしも上記実施形態のように第1壁部51及び第2壁部52の延在方向と直交する方向に沿って延在していなくてもよい。上記実施形態では立壁部54の頂面54aの全体が平坦面となっていたが、頂面54aの少なくとも一部が平坦部となっていればよく、頂面54aは平坦でない部分を有していてもよい。また、立壁部54は、Z方向に関して一様な断面形状を有していなくてもよい。例えば、立壁部54は、Z方向における中間部において、頂面54a及び底面54bとは異なる断面形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…ミラー装置、2…ミラーユニット、10a…外縁、13…可動部、15a…ミラー面、16…コイル、3…ベース部、3a…配置面、33…凹部、33a…開口縁、33b…側面、33d…隅部、4…磁石部、4b…外縁、5…枠部材、5a…第1表面、5b…第2表面、5c…光通過開口、51…第1壁部、51a…頂面、51b…底面、52…第2壁部、52a…頂面、52b…底面、521…部分、53…第3壁部、53a…頂面、53b…底面、6…窓部材、6a…外縁、7…突起部、71…第1部分、72…第2部分、73…第3部分、74,75…接続部分、81…第1接着材、82…第2接着材、A…軸線、G…隙間、Wa,Wb…幅、L1,L2,L3…長さ。