(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147160
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】グリップ検知センサおよびその製造方法ならびにステアリングホイール構造体
(51)【国際特許分類】
B62D 1/06 20060101AFI20241008BHJP
H01R 4/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B62D1/06
H01R4/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059998
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝村 俊介
(72)【発明者】
【氏名】梅村 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】増森 淳史
(72)【発明者】
【氏名】濱口 純吉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 尚冬
【テーマコード(参考)】
3D030
5E085
【Fターム(参考)】
3D030DB13
5E085BB26
5E085DD05
5E085EE34
5E085JJ36
(57)【要約】
【課題】グリップ検知センサにおける第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態の向上を図り得る技術を提供すること。
【解決手段】
ステアリングホイール10に設けられるグリップ検知センサ15であって、
センサ部30を含み導電性を有する第1導電部材3と、
前記第1導電部材とは別体であり導電性を有する第2導電部材4と、
導電性接着剤を材料とし、前記第1導電部材3と前記第2導電部材4とを接着し電気的に接合させる接着層5と、
前記接着層5に接着された状態で、前記第1導電部材3、前記第2導電部材4および前記接着層5の電気的接合部19を挟み込む挟持部材6と、を具備するグリップ検知センサ15。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールに設けられるグリップ検知センサであって、
センサ部を含み導電性を有する第1導電部材と、
前記第1導電部材とは別体であり導電性を有する第2導電部材と、
導電性接着剤を材料とし、前記第1導電部材と前記第2導電部材とを接着し電気的に接合させる接着層と、
前記接着層に接着された状態で、前記第1導電部材、前記第2導電部材および前記接着層の電気的接合部を挟み込む挟持部材と、を具備するグリップ検知センサ。
【請求項2】
前記挟持部材は、可撓性を有し、折り返されて前記電気的接合部を挟み込む、請求項1に記載のグリップ検知センサ。
【請求項3】
前記挟持部材は、互いに別体の第1挟持部材および第2挟持部材を有し、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に前記電気的接合部を挟み込む、請求項1に記載のグリップ検知センサ。
【請求項4】
前記挟持部材は、互いに別体の第1挟持部材および第2挟持部材を有し、
前記第1挟持部材は、凹溝状をなし前記第2挟持部材に向けて開口し前記電気的接合部において前記第2導電部材と前記接着層とを収容する収容溝部を有し、
前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に前記電気的接合部を挟み込む、請求項1に記載のグリップ検知センサ。
【請求項5】
ステアリングホイールと、前記ステアリングホイールに設けられている請求項1~請求項4の何れか一項に記載のグリップ検知センサと、を有するステアリングホイール構造体。
【請求項6】
センサ部を含み導電性を有する第1導電部材、前記第1導電部材とは別体であり導電性を有する第2導電部材、および、導電性接着剤を挟持部材で挟み込んだ状態で、前記導電性接着剤を硬化させて接着層を形成することで、
前記接着層に接着された前記挟持部材により、前記第1導電部材、前記第2導電部材および前記接着層の電気的接合部を挟み込む、請求項1~請求項4の何れか一項に記載のグリップ検知センサを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のステアリングホイールに搭載されるグリップ検知センサおよびその製造方法ならびにステアリングホイール構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用のステアリングホイールにグリップ検知センサを搭載したステアリングホイール構造体が提案されている。
当該ステアリングホイール構造体によると、ドライバーがステアリングホイールを握っている状態か否かを、グリップ検知センサによって検出することができる。これにより、例えば、車両の自動運転と運転支援との切替えを適切なタイミングで行うことが可能になる。
【0003】
ところで、この種のステアリングホイール構造体においては、グリップ検知センサのうちセンサ部を含む第1導電部材に給電したり、当該第1導電部材のセンサ部で取得した情報を各種の制御装置に伝送したりする必要がある。このため、一般的なグリップ検知センサは、第1導電部材に加え、外部装置と当該第1導電部材とを電気的に接続する第2導電部材を有する。
【0004】
上記のステアリングホイール構造体は、第1導電部材と第2導電部材との接合部を有する。第1導電部材と第2導電部材とが電気的に接続される都合上、当該接合部において、第1導電部材と第2導電部材とは電気的に接合される必要がある。
【0005】
互いに別体である第1導電部材と第2導電部材とを電気的に接合させるために、従来は、当該第1導電部材と第2導電部材とを上記の接合部においてはんだ付したり、金属のかしめ部材を用いてかしめたりする方法を採用するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記したように第1導電部材と第2導電部材とを接合部においてはんだ付けしたり金属のかしめ部材を用いてかしめたりする場合には、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合を十分に維持できない局面が想定される。
【0008】
つまり、グリップ検知センサが搭載されるステアリングホイールには、車両の走行時や操舵時に、振動等の負荷が繰り返し作用する。
例えば、第1導電部材と第2導電部材との接合部において両者をはんだ付けする場合、金属製のはんだに金属疲労が生じると、第1導電部材と第2導電部材とが物理的および電気的に離隔して、両者の充分な電気的接合状態が維持できなくなる虞がある。
また、例えば第1導電部材と第2導電部材との接合部において両者を金属のかしめ部材を用いてかしめる場合にも、カシメ部材の緩み等が生じると、第1導電部材と第2導電部材とが物理的および電気的に離隔して、両者の充分な電気的接合状態が維持できなくなる虞がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、グリップ検知センサにおける第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態の向上を図り得る技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明のグリップ検知センサは、ステアリングホイールに設けられるグリップ検知センサであって、
センサ部を含み導電性を有する第1導電部材と、
前記第1導電部材とは別体であり導電性を有する第2導電部材と、
導電性接着剤を材料とし、前記第1導電部材と前記第2導電部材とを接着し電気的に接合させる接着層と、
前記接着層に接着された状態で、前記第1導電部材、前記第2導電部材および前記接着層の電気的接合部を挟み込む挟持部材と、を具備するグリップ検知センサである。
【0011】
また、上記課題を解決する本発明のステアリングホイール構造体は、
ステアリングホイールと、前記ステアリングホイールに設けられている本発明のグリップ検知センサと、を有するステアリングホイール構造体である。
【0012】
また、上記課題を解決する本発明のグリップ検知センサの製造方法は、
センサ部を含み導電性を有する第1導電部材、前記第1導電部材とは別体であり導電性を有する第2導電部材、および、導電性接着剤を挟持部材で挟み込んだ状態で、前記導電性接着剤を硬化させて接着層を形成することで、
前記接着層に接着された前記挟持部材により、前記第1導電部材、前記第2導電部材および前記接着層の電気的接合部を挟み込む、本発明のグリップ検知センサを製造する方法である。
【0013】
本発明によると、グリップ検知センサにおける第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態の向上を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例1のステアリングホイール構造体を模式的に表す説明図である。
【
図2】実施例1のグリップ検知センサを模式的に表す説明図である。
【
図3】実施例1のステアリングホイール構造体を
図1中のA-A位置で切断した様子を模式的に表す説明図である。
【
図4】実施例1のグリップ検知センサを切断した様子を模式的に表す説明図である。
【
図5】実施例2のグリップ検知センサを切断した様子を模式的に表す説明図である。
【
図6】実施例3のグリップ検知センサを模式的に表す説明図である。
【
図7】実施例3のグリップ検知センサを
図6中のA-A位置で切断した様子を模式的に表す説明図である。
【
図8】実施例4のグリップ検知センサを切断した様子を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のグリップ検知センサは、第1導電部材と第2導電部材とを、導電性接着剤を材料とする接着層により接着することで、電気的に接合させたものである。第1導電部材と第2導電部材とを接着する接着層は導電性接着剤を材料とするために、第1導電部材と第2導電部材とは、例え直接的に接触していなくても、接着層を介して電気的に接続される。
【0016】
また、導電性接着剤が結着剤を含むために、接着層は、当該結着剤に由来する機械的特性を有し、ステアリングホイールに作用する振動等の負荷を吸収したり減衰したりすることが可能である。これにより、本発明のグリップ検知センサにおける接着層は、振動等の負荷が繰り返し作用した場合にも破損し難く、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態は十分に良好に維持される。
【0017】
さらに、本発明のグリップ検知センサでは、第1導電部材、第2導電部材および接着層の電気的接合部が挟持部材により挟み込まれており、当該挟持部材もまた接着層に接着された状態にある。
【0018】
したがって、第1導電部材、第2導電部材および接着層の電気的接合部は、挟持部材によって外側から挟み込まれ補強されるとともに、当該電気的接合部にある第1導電部材および第2導電部材は当該挟持部材に挟み込まれることにより相対的に位置変化し難くなる。このため振動等の負荷が繰り返し作用した場合にも、本発明のグリップ検知センサにおける電気的接合部では、第1導電部材、第2導電部材および接着層の物理的接続は十分に維持され、第1導電部材と第2導電部材との電気的接続もまた十分に維持される。
【0019】
これにより、本発明のグリップ検知センサによると、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態の向上を図り得る。また、本発明のステアリングホイール構造体によると、グリップ検知センサにおける第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態の向上を図り得る。
【0020】
本発明のグリップ検知センサの製造方法では、第1導電部材、第2導電部材および導電性接着剤を挟持部材で挟み込み、このうち導電性接着剤を硬化させて接着層を形成する。これにより、第1導電部材、第2導電部材および接着層の電気的接合部を、接着層に接着された状態の挟持部材で挟み込む。
【0021】
本発明のグリップ検知センサの製造方法は、上記の方法で電気的接合部を形成することにより、当該電気的接合部において第1導電部材、第2導電部材および接着層を強固に一体化でき、これらの物理的および電気的な離隔を抑制できる。
【0022】
一般的に、結着剤の硬化には、はんだの硬化に比べて長い時間を要する。このような結着剤を含む導電性接着剤を用いて第1導電部材と第2導電部材とを接合させる場合、例えば第2導電部材に反りがある等して第1導電部材と第2導電部材とが互いに密着し難い形状であると、導電性接着剤が硬化するまでの間に第1導電部材と第2導電部材とが相対的に離隔する虞がある。そして、第1導電部材と第2導電部材とが相対的に離隔した状態で導電性接着剤が硬化すると、第1導電部材と第2導電部材とが物理的に離隔し、これに伴い接着層と第1導電部材との間や接着層と第2導電部材との間に隙間が生じて、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態を維持できなくなる虞がある。
【0023】
本発明のグリップ検知センサの製造方法では、既述したように、第1導電部材、第2導電部材および導電性接着剤を挟持部材で挟み込み、当該導電性接着剤を硬化させて接着層を形成する。このため、たとえ第1導電部材と第2導電部材とが互いに密着し難い形状であっても、挟持部材により挟み込まれた第1導電部材、第2導電部材および接着層は相対的に離隔し難い。これにより、本発明のグリップ検知センサの製造方法によると、第1導電部材、第2導電部材および接着層の物理的および電気的な離隔を抑制でき、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合状態が好適に維持されたグリップ検知センサを得ることが可能である。
【0024】
以下、本発明のグリップ検知センサおよびその製造方法ならびにステアリングホイール構造体をその構成要素毎に説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限x及び上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、並びに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで新たな数値範囲を構成し得る。更に、上記の何れかの数値範囲内から任意に選択した数値を新たな数値範囲の上限、下限の数値とすることができる。
【0025】
〔グリップ検知センサ〕
本発明のグリップ検知センサは、ステアリングホイールに設けられるグリップ検知センサであり、具体的には、ドライバーが当該グリップ検知センサおよびステアリングホイールを含むステアリングホイール構造体を握っているか否かを検出するものである。当該グリップ検知センサは、第1導電部材、第2導電部材、接着層および挟持部材を具備し、このうち第1導電部材はセンサ部を含む。
【0026】
第1導電部材のセンサ部は、ドライバーがステアリングホイール構造体を握っているか否かを検出できれば良く、その作用機序は特に限定しない。このようなセンサ部としては、例えば、静電容量センサや赤外線センサ、荷重センサに代表される接触式または非接触式のセンサを適宜適切に選択すれば良い。
【0027】
第1導電部材は、センサ部のみからなっても良いし、センサ部以外の部分を有しても良い。例えば第1導電部材は、センサ部から延びるリード線を含み得る。
【0028】
第1導電部材は、グリップ検知センサの一部を形成するものであり、その形状は特に限定されない。但し、ステアリングホイールに搭載されるグリップ検知センサとして好適に機能することを考慮すると、第1導電部材は、可撓性を有しステアリングホイールの少なくとも一部を覆い得る形状であるのが良く、例えばシート状、フィルム状、板状、帯状等であるのが好適である。第1導電層は、グリップ検知センサにおける層の一部を構成するのがより好適である。層をなす第1導電部材の厚みは均一であっても良いし不均一であっても良い。
【0029】
第1導電部材は、センサ部、および、既述した電気的接合部を構成する部分が導電性を有すれば良く、その全体が導電性を有しても良いし、一部が絶縁材で構成されていても良い。
【0030】
第2導電部材は、本発明のグリップ検知センサのうち、第1導電部材と外部装置とを電気的に接続する部分であり、第1導電部材とは別体の部材である。このような第2導電部材は、例えば、リード線等の外部装置から独立した部分であっても良いし、外部装置の一部であっても良い。
【0031】
第2導電部材の形状は特に限定されず、可撓性を有しても良いし、可撓性を有しない剛体であっても良い。
【0032】
接着層は、第1導電部材と第2導電部材との間に介在するとともに挟持部材にも接触する。
接着層の材料である導電性接着剤は、第1導電部材と第2導電部材とを電気的に接合できるものを用いれば良い。より具体的には、当該導電性接着剤としては、第1導電部材と第2導電部材とを接合できる程度の接着強度を有し、かつ、第1導電部材と第2導電部材とを電気的に接続できる程度の電気伝導率を有するものを用い得る。
【0033】
導電性接着剤は、結着剤に導電フィラーが分散されたものと言うこともできる。導電性接着剤に含まれる結着剤や導電フィラーとしては、本発明のグリップ検知センサに要求される導電性やコストに応じて適宜適切なものを選択し得る。
【0034】
例えば導電性接着剤における導電フィラーとしては、金、銀、銅、ニッケルに代表される電気伝導率の高い(または比抵抗の低い)金属を選択することもできるし、カーボンに代表される電気伝導率の高い非金属を選択することもできる。導電フィラーの形状は特に限定されず、粉末状、繊維状、フレーク状(鱗片状)に代表される各種の形状のものを使用し得る。導電フィラーの大きさについても特に限定しない。
【0035】
導電接着剤全体に対する導電フィラーの量は、本発明のグリップ検知センサに必要な導電性が得られる量であれば良い。
ここで、当該導電性は、接着層の電気抵抗として表すことができ、本発明のグリップ検知センサにおいては接着層の電気抵抗が0.001~0.1Ω・cmの範囲であるのが好適である。
【0036】
導電性接着剤における結着剤としては、エポキシ系結着剤、フェノール系結着剤、アクリル系結着剤またはウレタン系結着剤に代表される有機結着剤を選択することもできるし、シリコーン系結着剤に代表される有機-無機複合結着剤を選択することもできる。場合によっては、主鎖に炭素原子を含まない無機結着剤を選択しても良い。
【0037】
挟持部材は、第1導電部材、第2導電部材および接着層の電気的接合部を、接着層に接着された状態で挟み込む。
挟持部材は、電気的接合部において、少なくとも接着層に接触していれば良く、第1導電部材および第2導電部材には接触していても良いし、接触していなくても良い。挟持部材はグリップ検知センサのうち電気的接合部にのみ設けられていても良いし、当該電気的接合部に加えてその他の部分にも設けられていても良い。
【0038】
挟持部材は、接着時およびグリップ検知センサの使用時における第1導電部材と第2導電部材との相対的な位置変化を抑制できれば良く、第1導電部材と第2導電部材とが互いに近づく方向(対面方向と称する)に挟み込むのが好適であるが、場合によっては、当該対面方向に対して交差する方向に挟み込んでも良い。
【0039】
挟持部材は導電性を有しても良いし、導電性を有しなくても良い。本発明のグリップ検知センサにおいては、第1導電部材と接着層と第2導電部材との間で電気的な接続が為されているため、挟持部材はこれらの電気的な接続に関与する必要はない。このため挟持部材は、導電性を有しない絶縁材であるのが好適である。
【0040】
挟持部材の材料は特に限定しないが、本発明のグリップ検知センサや本発明のステアリングホイール構造体の軽量化を図るためには、樹脂やゴムを用いるのが好適である。
【0041】
挟持部材は、1部材からなっても良いし、2部材以上の多部材からなっても良い。
挟持部材が1部材からなる場合、例えば、挟持部材は、可撓性を有するのが好適である。そして、当該挟持部材は折り返されて電気的接合部を挟み込むのが好適である。当該態様の挟持部材によると、簡単な構造の挟持部材によって第1導電部材、第2導電部材および接着層を容易に挟み込むことができる。したがって当該態様の挟持部材を有する本発明のグリップ検知センサは、コスト面で有利である。
【0042】
挟持部材が多部材からなる場合、当該挟持部材は、互いに別体の第1挟持部材および第2挟持部材を有する。
この場合、挟持部材は、第1挟持部材と第2挟持部材との間に電気的接合部を挟み込むのが良い。または、挟持部材が第1挟持部材および第2挟持部材以外の他部材を有する場合には、第1挟持部材、第2挟持部材および当該他部材の間に、電気的接合部を挟み込んでも良い。
【0043】
挟持部材が第1挟持部材および第2挟持部材を有する場合、当該第1挟持部材と第2挟持部材とは同材であっても良いし、異材であっても良い。
【0044】
例えば、第1挟持部材および第2挟持部材は、樹脂製の基体や表皮材、クッション材等のステアリングホイールの構成部材であっても良い。または、第1挟持部材と第2挟持部材との一方がステアリングホイールの構成部材であり、他方は当該構成部材に貼り付けられるテープ等であっても良い。さらには、第1挟持部材と第2挟持部材とは、互いに係合または嵌合し得る形状を有する剛体であっても良い。
【0045】
または、第1挟持部材と第2挟持部材との一方に、第1導電部材、第2導電部材および接着層を収容するのも好適である。こうすることで、接着時およびグリップ検知センサの使用時における第1導電部材と第2導電部材との相対的な位置変化を効率良く抑制することが可能である。
【0046】
具体的には、この場合、第1挟持部材は、凹溝状をなし第2挟持部材に向けて開口する収容溝部を有すれば良い。当該収容溝部には、第2導電部材の少なくとも一部および接着層の少なくとも一部が収容されれば良い。
この場合、電気的接合部において、第1導電部材と、収容溝部に収容された第2導電部材および接着層とが、第1挟持部材と第2挟持部材との間に挟み込まれる。
【0047】
さらに、第1挟持部材は弾性変形可能であり、その弾性復元力により収容溝部で第2導電部材を挟み込んでも良い。この場合には、第1挟持部材に対する第2導電部材の位置変化を効率よく抑制でき、これにより、接着時およびグリップ検知センサの使用時における第1導電部材と第2導電部材との相対的な位置変化をより一層効率良く抑制することが可能である。
【0048】
または第1挟持部材は電気的接合部以外の部分において、第2導電部材と一体に形成されても良い。この場合にも第1挟持部材に対する第2導電部材の位置変化を効率よく抑制でき、これにより、接着時およびグリップ検知センサの使用時における第1導電部材と第2導電部材との相対的な位置変化を効率良く抑制することが可能である。
【0049】
同様に、第2挟持部材には第1導電部材を収容する凹溝状の第2の収容溝部が設けられても良い。当該第2の収容溝部には第1導電部材と接着層との一部が収容されれば良い。
この場合、電気的接合部において、第2導電部材と、収容溝部に収容された第1導電部材および接着層とが、第1挟持部材と第2挟持部材との間に挟み込まれる。
【0050】
第2挟持部材は弾性変形可能であり、その弾性復元力により第2の収容溝部で第1導電部材を挟み込んでも良い。さらに、第2挟持部材は電気的接合部以外の部分において、第1導電部材と一体に形成されても良い。
【0051】
これらの場合には、第2挟持部材に対する第1導電部材の位置変化を効率よく抑制でき、これにより、接着時およびグリップ検知センサの使用時における第1導電部材と第2導電部材との相対的な位置変化を効率良く抑制することが可能である。
【0052】
〔ステアリングホイール構造体〕
本発明のステアリングホイール構造体は、上記した本発明のグリップ検知センサと、車両用のステアリングホイールとを有する。また、本発明のステアリングホイール構造体は、その他のステアリングホイール機能部材を有し得る。ここでいうその他のステアリングホイール機能部材としては、例えば、ステアリングホイールを温めまたは冷却するための温度調整装置や、エアコンディショナーやカーナビゲーションシステム、オーディオ装置等を操作するためのリモートコントローラ等を挙げることが可能である。
【0053】
本発明のグリップ検知センサは、ステアリングホイールに設けられれば良く、例えばステアリングホイールを覆っても良いし、ステアリングホイールの一部に埋め込まれても良い。例えばグリップ検知センサは、ステアリングホイールの芯金に巻かれたクッション材と、ステアリングホイールの表面に露出する表皮材と、の間に埋設されても良い。
【0054】
本発明のグリップ検知センサにおける電気的接合部は、第1導電部材、第2導電部材および接着層で構成され挟持部材で覆われる、比較的シンプルな構造である。このため挟持部材と電気的接合部との複合部分は、厚みの薄い部分とすることができる。厚みが薄ければ、当該複合部分をステアリングホイールにおける種々の位置に設けることができる。
【0055】
例えばステアリングホイールの上部、外周部および下部にわたって連続する意匠面は、ユーザーから視認され易い部分である。ステアリングホイール構造体の見栄えが悪化することを避けるために、上記の複合部分の厚みが厚ければ、当該複合部分は、このようなステアリングホイールの意匠面に配置することができない。
しかし本発明のステアリングホイール構造体では、グリップ検知センサにおける当該複合部分の厚みを薄くすることが可能であり、当該複合部分をステアリングホイールの意匠面に配置することが可能である。
【0056】
〔グリップ検知センサの製造方法〕
本発明のグリップ検知センサの製造方法は、記述した本発明のグリップ検知センサを製造する方法であり、グリップ検知センサの構成要素については先に説明したとおりである。
【0057】
本発明のグリップ検知センサの製造方法では、先ず、第1導電部材、第2導電部材および導電性接着剤を挟持部材で挟み込む。そして、このうち導電性接着剤を硬化させることで接着層を形成する。
【0058】
本発明のグリップ検知センサの製造方法では、治具を用いた状態で導電性接着剤を硬化させても良いし、自然状態で導電性接着剤を硬化させても良い。
【0059】
例えば、第1導電部材、第2導電部材および導電性接着剤を挟持部材で挟み込み、さらに治具によって当該挟持部材に挟み方向の力を加える。この状態のまま導電性接着剤を硬化させ接着層を形成することで、第1導電部材、第2導電部材および接着層が密着性高く一体化され、これらの電気的な接続が確保される。また、この場合には、挟持部材と導電性接着剤とも密着性高く一体化されるために、挟持部材によって第1導電部材、接着層および第2導電部材を外側から押さえ込むことができ、グリップ検知センサに振動等の負荷が繰り返し作用した場合にも、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合を十分に維持することが可能である。
【0060】
また、例えば既述したように挟持部材が第1挟持部材と第2挟持部材とで構成され、第1挟持部材と第2挟持部材との一方が他方に貼り付けられるテープ等である場合には、治具を用いずに導電性接着剤を硬化させ接着層を形成しても、第1導電部材、接着層および第2導電部材が密着性高く一体化され、これらの電気的な接続が十分に確保される。第1挟持部材と第2挟持部材とが互いに係合または嵌合する場合にも同様に、治具を用いずに導電性接着剤を硬化させ接着層を形成しても、第1導電部材、接着層および第2導電部材が密着性高く一体化され、これらの電気的な接続が十分に確保される。
そして、これらの場合にも、上記した治具を用いた場合と同様に、グリップ検知センサに振動等の負荷が繰り返し作用した場合にも、第1導電部材と第2導電部材との電気的接合を十分に維持することが可能である。
【0061】
更には、第1導電部材、第2導電部材および導電性接着剤を、挟持部材で挟んだ状態で単に放置し、自然状態で導電性接着剤を硬化させる場合には、例えば挟持部材のうち上側にある部分の自重を当該接合部に作用させることで、挟持部材によって挟み込まれた電気的接合部を得ることが可能である。例えば挟持部材が軟質である場合や、第2導電部材や第1導電部材が反力により変形や位置変化しないような場合には、当該方法でも第1導電部材、接着層および第2導電部材を密着性高く一体化することが可能である。
【0062】
以下、具体例を挙げて本発明のグリップ検知センサおよびその製造方法ならびにステアリングホイール構造体を説明する。
【0063】
(実施例1)
実施例1のステアリングホイール構造体を模式的に表す説明図を
図1に示す。実施例1のグリップ検知センサを模式的に表す説明図を
図2に示す。実施例1のステアリングホイール構造体を
図1中のA-A位置で切断した様子を模式的に表す説明図を
図3に示す。実施例1のグリップ検知センサを切断した様子を模式的に表す説明図を
図4に示す。
【0064】
図1に示すように、実施例1のステアリングホイール構造体1は、ステアリングホイール10と、当該ステアリングホイール10に設けられている実施例1のグリップ検知センサ15と、を有する。
【0065】
図2に示すように、実施例1のグリップ検知センサ15は、基体2、第1導電部材3および第2導電部材4を有している。第1導電部材3は、導電材と繊維材とを含む導電繊維が織られた布状をなす。第1導電部材3はセンサ部30を含む。実施例1のグリップ検知センサ15におけるセンサ部30は、静電容量センサである。
【0066】
基体2は、発泡EPDM(エチレンプロピレンジエンゴムの発泡材)製でありシート状をなす。第1導電部材3は非導電性の接着剤により基体2上に接着され一体化されている。
第2導電部材4はリード線であり、当該第2導電部材4の一端部は導電性接着剤を材料とする接着層5によって第1導電部材3に接着されている。これにより第2導電部材4、接着層5および第1導電部材3が電気的に接合されている。この第2導電部材4、接着層5および第1導電部材3の接合部が電気的接合部19である。
【0067】
実施例1のグリップ検知センサ15においては、導電性接着剤としてエポキシ樹脂のマトリックスにニッケル粉末が分散されたものを用いた。この導電性接着剤を材料とする接着層5の電気抵抗は、0.001~0.1Ω・cmの範囲内である。
【0068】
図3に示すように、電気的接合部19は、ステアリングホイール10の上部、外周部および下部にわたって連続する意匠面11の奥側に配置されている。
図4に示すように、当該電気的接合部19は、挟持部材6によって挟み込まれている。
詳しくは、実施例1のグリップ検知センサ15における挟持部材6は、第1挟持部材61と第2挟持部材62とを有する。第1挟持部材61は既述した基体2であり、第2挟持部材62はシール層が設けられたアルミニウムテープである。
【0069】
図3および
図4に示すように、第1挟持部材61すなわち基体2には、凹溝状をなす収容溝部20が設けられている。第2導電部材4の一端部は、接着層5とともに当該収容溝部20に収容されている。
【0070】
第1導電部材3は、収容溝部20の開口21側に配置され、収容溝部20に収容された第2導電部材4および接着層5を外側から覆っている。当該第1導電部材3は、収容溝部20に収容されている接着層5によって、第2導電部材4のうち当該収容溝部20に収容されている部分に接着されている。これにより第1導電部材3は、接着層5および第2導電部材4に電気的に接続されている。実施例1のグリップ検知センサ15における電気的接合部19は、収容溝部20の内部から当該収容溝部20の開口21側にかけて形成されている。
【0071】
電気的接合部19のさらに外側の位置には、第2挟持部材62が貼り付けられている。
図4に示すように、電気的接合部19は第2挟持部材62と第1挟持部材61とによって挟み込まれている。
【0072】
実施例1のグリップ検知センサ15では、挟持部材6のうち第1挟持部材61が接着層5に接着されている。
【0073】
図3に示すように、実施例1のステアリングホイール構造体1において、第1挟持部材61である基体2は、ステアリングホイール10の芯金18を外側から覆っている。そして、第1導電部材3は当該第1挟持部材61をさらに外側から覆っている。第1導電部材3の大部分はステアリングホイール10の表皮材17により外側から覆われ、
図4に示すように第1導電部材3のうち電気的接合部19に含まれる部分は第2挟持部材62によって外側から覆われている。
【0074】
このように、実施例1のステアリングホイール構造体1および実施例1のグリップ検知センサ15において、電気的接合部19は、第1挟持部材61と第2挟持部材62とによって挟み込まれている。さらに、挟持部材6の一部である第1挟持部材61は、電気的接合部19の一部である接着層5に接着された状態にある。
【0075】
このため電気的接合部19は第1挟持部材61と第2挟持部材62とによって外側から挟み込まれ補強されている。また、第1挟持部材61と第2挟持部材62とによって挟み込まれることで、電気的接合部19に含まれる第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5は相対的に位置変化し難い。
【0076】
このため、実施例1のステアリングホイール構造体1に振動等の負荷が繰り返し作用した場合にも、電気的接合部19における第1導電部材3、接着層5および第2導電部材4の物理的接続が十分に維持され、その結果、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接続もまた十分に維持される。
したがって、実施例1のグリップ検知センサ15および実施例1のステアリングホイール構造体1によると、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上する。
【0077】
また、接着層5の材料である導電性接着剤は、結着剤としてのエポキシ樹脂を含む。当該エポキシ樹脂は硬化した状態であっても弾性変形可能である。このため接着層5には、エポキシ樹脂に由来する機械的特性が付与され、当該接着層5はステアリングホイール10に作用する振動等の負荷を吸収したり減衰したりすることができる。
このことによっても、実施例1のグリップ検知センサ15および実施例1のステアリングホイール構造体1によると、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上する。
【0078】
さらに、
図3に示すように、実施例1のステアリングホイール構造体1において、第2挟持部材62は、ステアリングホイール10のロアカバー13によって外側から覆われている。ロアカバー13は内側すなわち芯金18側に突起するリブ14を有する。当該リブ14は、第2挟持部材62および第1導電部材3を収容溝部20の開口21に向けて押している。換言すると、当該リブ14は、電気的接合部19において第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5を互いに密着する方向に向けて押している。
【0079】
これにより、実施例1のステアリングホイール構造体1では、第1導電部材3、接着層5および第2導電部材4がさらに密着性高く一体化され、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態がより好適に維持される。
【0080】
実施例1のグリップ検知センサ15の製造方法を以下に説明する。
【0081】
先ず、第1挟持部材61の収容溝部20に第2導電部材4を収容し、さらに当該収容溝部20に導電性接着剤を注入する。そして、第1挟持部材61に第1導電部材3を重ねて、さらに収容溝部20付近に第2挟持部材62を重ねる。これにより、第1導電部材3、第2導電部材4および導電性接着剤を第1挟持部材61と第2挟持部材62とで挟み込む。
【0082】
次いで、図略の治具によって、この第1導電部材3、第2導電部材4、導電性接着剤、第1挟持部材61および第2挟持部材62の複合体を、第2挟持部材62と第1挟持部材61とが近づく方向に挟み込みむ。治具によって挟み込まれた状態の当該複合体を、加熱炉に入れ、導電性接着剤を硬化させる。これにより、接着層5に接着された第1挟持部材61と、第2挟持部材62とにより、第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5の電気的接合部19を挟み込んだ、実施例1のグリップ検知センサ15を得た。
【0083】
実施例1のグリップ検知センサ15の製造方法によると、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上した実施例1のグリップ検知センサ15を容易に製造することが可能である。
【0084】
(実施例2)
実施例2のグリップ検知センサ15は、第1挟持部材61の形状以外は、実施例1のグリップ検知センサ15と概略同じものである。実施例2のグリップ検知センサ15を切断した様子を模式的に表す説明図を
図5に示す。
【0085】
図5に示すように、実施例2のグリップ検知センサ15は、第1挟持部材61に収容溝部20を有さず、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間に、単に、電気的接合部19が挟み込まれたものである。
【0086】
このような実施例2のグリップ検知センサ15においても、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間に電気的接合部19を挟み込んだことで、電気的接合部19が外側から補強され、また、電気的接合部19に含まれる第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5の相対的な位置変化が抑制される。
また、電気的接合部19の一部を構成する接着層5はステアリングホイール10に作用する振動等の負荷を吸収したり減衰したりすることができる。
したがって、実施例2のグリップ検知センサ15によっても、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上する。
【0087】
(実施例3)
実施例3のグリップ検知センサ15は、挟持部材6が1部材であること以外は、実施例1のグリップ検知センサ15と概略同じものである。実施例3のグリップ検知センサ15を模式的に表す説明図を
図6に示し、実施例3のグリップ検知センサ15を
図6中のA-A位置で切断した様子を模式的に表す説明図を
図7に示す。
【0088】
図6、
図7に示すように、実施例3のグリップ検知センサ15における挟持部材6は、基体2で構成されている。
より具体的には、当該挟持部材6は、1部材であるものの、可撓性を有し、折り返されて電気的接合部19を挟み込んでいる。
【0089】
このような実施例3のグリップ検知センサ15においても、挟持部材6によって電気的接合部19を挟み込んだことで、電気的接合部19が外側から補強され、また、電気的接合部19に含まれる第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5の相対的な位置変化が抑制される。
また、実施例3のグリップ検知センサ15においても、電気的接合部19の一部を構成する接着層5はステアリングホイール10に作用する振動等の負荷を吸収したり減衰したりすることができる。
したがって、実施例3のグリップ検知センサ15によっても、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上する。
【0090】
(実施例4)
実施例4のグリップ検知センサ15は、挟持部材6が1部材であることおよび第1導電部材3の分布以外は、実施例1のグリップ検知センサ15と概略同じものである。実施例4のグリップ検知センサ15を切断した様子を模式的に表す説明図を
図8に示す。
【0091】
図8に示すように、実施例4のグリップ検知センサ15における挟持部材6は、1部材であるものの、可撓性を有する。第1導電部材3もまた可撓性を有し、当該第1導電部材3は挟持部材6に重ねられている。実施例4のグリップ検知センサ15において、第1導電部材3および挟持部材6は折り返されて電気的接合部19を挟み込んでいる。実施例4のグリップ検知センサ15における電気的接合部19は、接着層5および第2導電部材4が第1導電部材3で挟まれてなる。
【0092】
このような実施例4のグリップ検知センサ15においても、挟持部材6によって電気的接合部19を挟み込んだことで、電気的接合部19が外側から補強され、また、電気的接合部19に含まれる第1導電部材3、第2導電部材4および接着層5の相対的な位置変化が抑制される。
また、実施例4のグリップ検知センサ15においても、電気的接合部19の一部を構成する接着層5はステアリングホイール10に作用する振動等の負荷を吸収したり減衰したりすることができる。
したがって、実施例4のグリップ検知センサ15によっても、第1導電部材3と第2導電部材4との電気的接合状態が向上する。
【0093】
以上本発明を説明してきたが、本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、当該実施形態等に記載した要素を適宜抽出し組み合わせて実施することや、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
また、本発明の明細書は、出願当初における各請求項の引用関係に止まらず各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
【符号の説明】
【0094】
1:ステアリングホイール構造体 10:ステアリングホイール
15:グリップ検知センサ 19:電気的接合部
20:収容溝部 3:第1導電部材
30:センサ部 4:第2導電部材
5:接着層 6:挟持部材
61:第1挟持部材 62:第2挟持部材