(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147164
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】包装ケースおよび包装ケースの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/38 20060101AFI20241008BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65D85/38
B65D5/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060002
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船木 敬一
(72)【発明者】
【氏名】根本 慎二
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AB16
3E060BA06
3E060BB01
3E060BC02
3E060CG12
3E060DA25
3E060EA06
3E060EA16
3E096BA01
3E096BA08
3E096BB08
3E096CA03
3E096CB03
3E096DA01
3E096DA23
3E096DC01
3E096EA01X
3E096FA09
3E096FA30
3E096GA01
3E096GA12
(57)【要約】
【課題】段ボール紙等のシートから組み立てられる包装ケースにおいて、簡易な構成で組立て状態を保持可能な包装ケースを提供する。
【解決手段】包装ケースは、矩形状の底板と、一対の第1側板と、第2側板と、天板と、一対の第3側板と、を備える。一対の第1側板は、底板の対向する二辺に第1折り線を介して連結され、第1折り線と対向する端縁から第1折り線に向かって延在し、さらに第2側板側に屈曲するL字状の第1係合溝を有する。一対の第3側板は、天板の第1側板に平行な二辺に第4折り線を介して連結され、第4折り線と対向する端縁から第4折り線に向かって延在し、さらに第1側板に重なった状態で第1係合溝と反対側に屈曲するL字状の第2係合溝を有する。第2係合溝を第1係合溝に係合することで、第1側板と第3側板とが厚み方向において互い違いに交差した状態で連結される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを折り曲げて組み立てられる包装ケースであって、
矩形状の底板と、
前記底板の対向する二辺に第1折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対して起立する一対の第1側板と、
前記底板の前記第1側板と隣接する辺に第2折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対して起立する第2側板と、
前記第2側板の前記底板と対向する辺に第3折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対向する天板と、
前記天板の前記第1側板に平行な二辺に第4折り線を介して連結され、組立状態で前記第1側板に重なる一対の第3側板と、
を備え、
前記第1側板は、前記第1側板の前記第1折り線と対向する端縁から前記第1折り線に向かって延在し、さらに前記第2側板側に屈曲するL字状の第1係合溝を有し、
前記第3側板は、前記第3側板の前記第4折り線と対向する端縁から前記第4折り線に向かって延在し、さらに前記第1側板に重なった状態で前記第1係合溝と反対側に屈曲するL字状の第2係合溝を有し、
前記第2係合溝を前記第1係合溝に係合することで、前記第1側板と前記第3側板とが厚み方向において互い違いに交差した状態で連結されることを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記第1係合溝および前記第2係合溝の屈曲部分の内コーナー部は、斜めに切り欠かれていることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項3】
前記第1係合溝の開放側の端部は、前記第1側板の厚み方向から見て開放側ほど溝幅が広くなるテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項4】
矩形状の底板と、
前記底板の対向する二辺に第1折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対して起立する一対の第1側板と、
前記底板の前記第1側板と隣接する辺に第2折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対して起立する第2側板と、
前記第2側板の前記底板と対向する辺に第3折り線を介して連結され、組立状態で前記底板に対向する天板と、
前記天板の前記第1側板に平行な二辺に第4折り線を介して連結され、組立状態で前記第1側板に重なる一対の第3側板と、
を備え、シートを折り曲げて組み立てられる包装ケースの組み立て方法であって、
前記第1側板は、前記第1側板の前記第1折り線と対向する端縁から前記第1折り線に向かって延在し、さらに前記第2側板側に屈曲するL字状の第1係合溝を有し、
前記第3側板は、前記第3側板の前記第4折り線と対向する端縁から前記第4折り線に向かって延在し、さらに前記第1側板に重なった状態で前記第1係合溝と反対側に屈曲するL字状の第2係合溝を有し、
一対の前記第1側板を前記第1折り線に沿って谷折りして前記底板に対して起立させる工程と、
一対の前記第3側板を前記第4折り線に沿って谷折りして前記天板に対して起立させるとともに、前記第2側板および前記天板を、それぞれ前記第2折り線、前記第3折り線に沿って谷折りして前記天板を前記底板に対して対向させる工程と、
前記第3側板と前記第1側板とが厚み方向において互い違いに交差するように前記第2係合溝を前記第1係合溝に係合させる工程と、
前記天板および前記第3側板を前記第2側板方向にスライドさせて、前記第1係合溝と前記第2係合溝を互いにL字状の屈曲部分まで差し込む工程と、
を含むことを特徴とする包装ケースの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールシート等のシートから組み立てられ、製品等を梱包する包装ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電機製品や精密機器本体、或いは交換部品等の被梱包物を梱包する際の梱包材として、矩形状の底壁部と、組立状態において底壁部に対向するように配置される上壁部とを有する組立式の梱包ケースが知られている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の梱包体は、底壁部の長手方向に延びる二辺のうちの一方には、糊代片が折り線を介して接続されている。上壁部の一の辺部には、組立状態において糊代片に重なる側面カバー部が折り線を介して接続されている。梱包体の組立に際しては、糊代片に接着材を塗布した状態で、側面カバー部を糊代片に重ねて固定する。
【0004】
上記特許文献1に示す梱包体の組立方法では、糊代片(第一側壁部)に側面カバー部(第二側壁部)を固定する際に接着材が必要になるので、その分だけ材料コストが増加するという問題がある。また、梱包体の組立てに際して、第一側壁部に接着材を塗布する作業が必要になるので、組立工数が増加してコスト増加を招くという問題がある。
【0005】
そこで、特許文献2には、第一側壁部と第二側壁部とを有する組立式梱包体が開示されている。第一側壁部は、組立状態において第一側壁部の厚み方向に折り曲げられる切欠片と、第一側壁部の折り線に沿う方向において切欠片に対して間隔を空けて形成され、組立状態において上側に開放する第一スリット溝とを有する。第二側壁部は、組立状態において下側に開放して第一スリット溝に係合することで、第一側壁部と第二側壁部とをX字状に交差させた状態で連結する第二スリット溝と、組立状態において折り曲げられた切欠片と係合する貫通孔とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-115984号公報
【特許文献2】特開2017-7709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の梱包体では、組み立てを行う際に第一側壁部の切欠片を折り曲げて第二側壁部の貫通孔に係合させる必要があり、組み立て工数が多くなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、段ボール紙等のシートから組み立てられる包装ケースにおいて、簡易な構成で組立て状態を保持可能な包装ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、矩形状の底板と、一対の第1側板と、第2側板と、天板と、一対の第3側板と、を備え、シートを折り曲げて組み立てられる包装ケースである。一対の第1側板は、底板の対向する二辺に第1折り線を介して連結され、組立状態で底板に対して起立する。第2側板は、底板の第1側板と隣接する辺に第2折り線を介して連結され、組立状態で底板に対して起立する。天板は、第2側板の底板と対向する辺に第3折り線を介して連結され、組立状態で底板に対向する。一対の第3側板は、天板の第1側板に平行な二辺に第4折り線を介して連結され、組立状態で第1側板に重なる。第1側板は、第1側板の第1折り線と対向する端縁から第1折り線に向かって延在し、さらに第2側板側に屈曲するL字状の第1係合溝を有する。第3側板は、第3側板の第4折り線と対向する端縁から第4折り線に向かって延在し、さらに第1側板に重なった状態で第1係合溝と反対側に屈曲するL字状の第2係合溝を有する。第2係合溝を第1係合溝に係合することで、第1側板と第3側板とが厚み方向において互い違いに交差した状態で連結される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の構成によれば、第3側板と第1側板とを厚み方向において互い違いに交差させることにより、第1側板と第3側板との厚み方向の連結強度を高めることができる。また、第3側板には、折り曲げられたシートの復元力によって、L字状の第1係合溝および第2係合溝の係合を強める方向の力が作用するため、第1係合溝および第2係合溝の係合状態が容易に解除されず、第1側板と第3側板との水平方向および上下方向の連結強度を高めることができる。従って、第1側板および第3側板に係合状態を維持するための切り起こしや切り欠きを形成する必要がなくなり、包装ケースの組み立て作業が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装ケース1の展開図
【
図2】包装ケース1の組立手順の説明図であって、第3側板7の第2係合溝7aの位置を、第1側板3の第1係合溝3aの位置に合わせた状態を示す部分斜視図
【
図3】包装ケース1の組立手順の説明図であって、第2係合溝7aを係合溝3aに係合させた状態を示す部分斜視図
【
図4】包装ケース1の組立手順の説明図であって、
図3の状態から第2天板6および第3側板7をスライドさせた状態を示す部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る包装ケース1の展開図である。なお、矩形状の底板2の一辺方向(包装ケース1の長手方向)をX方向、X方向と垂直な方向(包装ケース1の幅方向)をY方向と称する。
【0013】
図1に示すように、包装ケース1は所定の形状に打ち抜いた1枚の段ボールシート等のシート材(厚紙)から組み立てられ、底板2と、一対の第1側板3と、一対の第2側板4と、第1天板5と、第2天板6と、一対の第3側板7と、を有する。
【0014】
底板2は矩形状に形成されており、一対の第1側板3は、それぞれ底板2のX方向に延びる二辺に第1折り線S1を介して連結されている。一対の第2側板4は、それぞれ底板2のY方向に延びる二辺に第2折り線S2を介して連結されている。
【0015】
一対の第1側板3には、それぞれ第1係合溝3a、傾斜辺部3bおよびスリット3cが形成されている。第1係合溝3aは、第1側板3の長手方向(X方向、第1折り線S1に沿う方向)の略中央部に形成されている。第1係合溝3aは、第1側板3の第1折り線S1と対向する端縁から第1折り線S1に向かって延在し、さらに第2側板4側(
図1の下側)に屈曲するL字状に形成されている。
【0016】
第1係合溝3aは、包装ケース1の組立状態(第1側板3が底板2に対して起立した状態)において上側に開放するように形成されている。第1係合溝3aの開放側の端部は、第1側板3の厚み方向から見て開放側ほど溝幅が広くなるテーパー状に形成されている。即ち、第1係合溝3aの開放側の2つのエッジ部は面取りされている。また、第1係合溝3aの屈曲部分の内コーナー部は面取りされている。本実施形態では、第1係合溝3aの開放側の端部、および屈曲部分の内コーナー部の面取りの角度は略45°である。
【0017】
傾斜辺部3bは、第1側板3の一方側(第1天板5側)の端部に形成されている。第1スリット3cは、第1側板3の第1折り線S1と対向する端縁から第1折り線S1に向かって直線状に延在している。第1スリット3cの開放側の端部は、第1側板3の厚み方向から見て開放側ほど溝幅が広くなるテーパー状に形成されている。
【0018】
第1天板5は、傾斜壁部5aと、第1水平壁部5bと、第2スリット5cとを有する。傾斜壁部5aは、一方の第2側板4に第5折り線S51を介して連結されている。第1水平壁部5bは、傾斜壁部5aに対して第2側板4と反対側に第5折り線S52を介して連結されている。第2スリット5cは、第1水平壁部5bの第5折り線S52と対向する端縁の2箇所から第2折り線S52に向かって直線状に延在している。第2スリット5cの開放側の端部は、第1天板5の厚み方向から見て開放側ほど溝幅が広くなるテーパー状に形成されている。
【0019】
第2天板6は、調整板6aと、第2水平壁部6bとを有する。調整板6aは、矩形状であって他方の第2側板4に第3折り線S31を介して連結されている。第2水平壁部6bは、調整板6aに対して第2側板4と反対側に第3折り線S32を介して連結されている。一対の第3側板7は、それぞれ水平壁部6bの四辺のうちX方向に延びる二辺(第1側板3と平行な二辺)に第4折り線S4を介して連結されている。
【0020】
一対の第3側板7は、それぞれ第2係合溝7aを有している。第2係合溝7aは、第3側板7の長手方向(X方向、第4折り線S4に沿う方向)の下端部に形成されている。第2係合溝7aは、第3側板7の折り線S6と対向する端縁から第4折り線S4に向かって延在し、さらに第2側板4と反対側(
図1の下側)に屈曲するL字状に形成されている。
【0021】
第2係合溝7aは、包装ケース1の組立状態(第3側板7が第2天板6に対して起立した状態)において下側に開放するように形成されている。また、第2係合溝7aの屈曲部分の内コーナー部は斜めに切り欠かれている。即ち、第1係合溝3aと同様に、第2係合溝7aの屈曲部分の内コーナー部は面取りされている。第3折り線S32から第2係合溝7aまでの寸法は、第2折り線S2から第1係合溝3aまでの寸法と略同一である。
【0022】
以下、本発明の包装ケース1の組み立て手順について説明する。先ず、一対の第1側板3を第1折り線S1に沿って谷折りして(
図1の紙面手前側に折り曲げて)、底板2に対して起立させる。
【0023】
次に、一方の第2側板4(
図1の上側の第2側板4)を第2折り線S2に沿って谷折りして(
図1の紙面手前側に折り曲げて)、底板2に対して起立させる。そして、第1天板5の傾斜壁部5aを第5折り線S51に沿って谷折りして第1側板3の傾斜辺部3cの上端に沿わせた後、第1天板5の第1水平壁部5bを第5折り線S52に沿って谷折りして底板2に対して略平行に配置する。
【0024】
その後、第1天板5の2箇所の第2スリット5cを、それぞれ一対の第1側板3の第1スリット3cに差し込む。これにより、底板2、傾斜辺部3b、第2側板4、第1天板5で囲まれた第1収納部8(
図4参照)が形成される。
【0025】
次に、第3側板7を第4折り線S4に沿って谷折りして(
図1の紙面手前側に折り曲げて)、第2天板6の水平壁部6bに対して起立させる。そして、他方の第2側板4(
図1の下側の第2側板4)、第2天板6の調整板6aおよび第2水平壁部6bを、それぞれ第2折り線S2、第3折り線S31、S32に沿って谷折りして、第2天板6を底板2に対して対向させる。
【0026】
次に、
図2に示すように、第3側板7の第2係合溝7aの位置を、第1側板3の第1係合溝3aの位置に合わせる。このとき、L字状の第1係合溝3aおよび第2係合溝7aは、X方向において互いに逆方向に屈曲するように上下方向に対向する。
【0027】
そして、
図3に示すように、第3側板7と第1側板3とが厚み方向において互い違いに交差するように第2係合溝7aを第1係合溝3aに係合させる。具体的には、第1側板3における第1係合溝3aよりも傾斜辺部3b側の部分(
図3の第1係合溝3aよりも右側部分)が第3側板7よりも包装ケース1の内側に位置し、第1側板3における第1係合溝3aを挟んで傾斜辺部3bと反対側の部分(
図3の第1係合溝3aよりも左側部分)が第3側板7よりも包装ケース1の外側に位置するように、第2係合溝7aを第1係合溝3aに係合させる。
【0028】
この状態で、第2天板6および第3側板7を第2側板4方向(
図3の左方向)にスライドさせる。これにより、
図4に示すように、第1係合溝3aと第2係合溝7aが互いにL字状の屈曲部分まで差し込まれる。その結果、第3側板7と第1側板3とが水平方向(X方向)および上下方向に連結され、底板2、第2側板4、第2天板6、第3側板7で囲まれた第2収納部9が形成される。以上のようにして、
図5に示すような包装ケース1が組み立てられる。
【0029】
本実施形態の包装ケース1によれば、第2収納部9を組立てる際に、第3側板7の第2係合溝7aを第1側板3の第1係合溝3aに係合させて、第3側板7と第1側板3とを厚み方向において互い違いに交差させる。この構成により、第1側板3と第3側板7との厚み方向(Y方向)の連結強度を高めることができる。
【0030】
また、L字状の第1係合溝3aおよび第2係合溝7aは、水平方向において互いに逆方向を向くように係合している。第2折り線S2、第3折り線S31に沿って折り曲げられた第2側板4、調整板6aの復元力によって、第3側板7には第2側板4側(
図4の左側)に引っ張る力が作用する。また、第3折り線S32に沿って折り曲げられた第2水平壁部6bの復元力によって、第3側板7には上方向の力が作用する。
【0031】
即ち、第3側板7には、折り曲げられたシートの復元力によって、L字状の第1係合溝3aおよび第2係合溝7aの係合を強める方向の力が作用する。そのため、第1係合溝3aおよび第2係合溝7aの係合状態が容易に解除されず、第1側板3と第3側板7との水平方向(X方向)および上下方向の連結強度を高めることができる。従って、第1側板3および第3側板7に係合状態を維持するための切り起こしや切り欠きを形成する必要がなくなり、組み立て作業が簡素化される。
【0032】
また、第1側板3に形成された第1係合溝3aおよび第3側板7に形成された第2係合溝7aの屈曲部分の内コーナー部は斜めに切り欠かれている。従って、第1係合溝3aと第2係合溝7aを係合させる際に内コーナー部が引っ掛からず、互いにL字状の屈曲部分まで円滑に差し込むことができる。
【0033】
また、第1側板3に形成された第1係合溝3aの開放側の端部は、第1側板3の厚み方向から見て開放側ほど溝幅が広くなるテーパー状に形成されている。従って、第2係合溝7aを第1係合溝3aに円滑に係合させることができる。
【0034】
また、底板2に連設される第2側板4、第1天板5、および第2天板6をそれぞれ折り曲げて、第1収納部8および第2収納部9を形成することにより、複数の部材を組み合わせることなく、一枚のシートから2つの収納部に仕切られた包装ケース1を組み立てることができる。その結果、包装ケース1の部材点数および組み立て工数を削減することができる。
【0035】
なお、本実施形態では第2収納部9を第1収納部8に比べて大きくしたが、底板2、第1天板5、および第2天板6の形状や大きさを変更することで、形成される第1収納部8および第2収納部9の形状や容積を自由に変更することができる。これにより、大きさの異なる2つの被梱包物を同時に収納可能となる。
【0036】
その他、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、包装ケース1が一枚のシート材で構成されている例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、底板2および第2天板6を含む第2収納部9と、第1天板5を含む第1収納部8とが別体で構成されていてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、第2係合溝7aを第1係合溝3aに係合させた状態で、第1側板3における第1係合溝3aよりも傾斜辺部3b側の部分が第3側板7よりも包装ケース1の内側に位置し、第1側板3における第1係合溝3aを挟んで傾斜辺部3bと反対側の部分が第3側板7よりも包装ケース1の外側に位置する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
例えば、第2係合溝7aを第1係合溝3aに係合させた状態で、第1側板3における第1係合溝3aよりも傾斜辺部3b側の部分が第3側板7よりも包装ケース1の外側に位置し、第1側板3における第1係合溝3aを挟んで傾斜辺部3bと反対側の部分が第3側板7よりも包装ケース1の内側に位置するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、段ボールシート等のシートから組み立てられる包装ケースに利用可能である。本発明の利用により、簡易な構成で組立て状態を保持可能な包装ケースを提供することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 包装ケース
2 底板
3 第1側板
3a 第1係合溝
3b 傾斜辺部
3c 第1スリット
4 第2側板
5 第1天板
5a 傾斜壁部
5b 第1水平壁部
6 第2天板(天板)
6a 調整板
6b 第2水平壁部
7 第3側板
7a 第2係合溝
8 第1収納部
9 第2収納部
S1 第1折り線
S2 第2折り線
S31、S32 第3折り線
S4 第4折り線
S51、S52 第5折り線