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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147190
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】仮設足場
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/08 20060101AFI20241008BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
E04G5/08 Q
E04G5/00 301J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060048
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西口 昌利
(72)【発明者】
【氏名】池側 勝己
(72)【発明者】
【氏名】小山 聖司
(72)【発明者】
【氏名】竹中 一貴
(72)【発明者】
【氏名】菅原 健
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇一
(57)【要約】
【課題】感電対策を行うことに時間を要さず、安全性を向上させた仮設足場を提供する。
【解決手段】金属製の補強部60(例えば、第1補強部61)と、他の金属製の補強部60(例えば、第2補強部62)とは、所定間隔(例えば、間隔X1)を離隔して配設されており、金属製の補強部60(例えば、第1補強部61)と、他の金属製の補強部60(例えば、第2補強部62)との間には、電気的に絶縁される絶縁部(例えば、絶縁部I1)が設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延設される第1フレームと、
前記第1フレームと直交する第2方向に延設される第2フレームと、
矩形状の足場板と、
前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第1位置を補強する金属製の第1補強部と、
前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第2位置を補強する金属製の第2補強部と、
を備え、
前記第1補強部と、前記第2補強部とは、所定間隔を離隔して配設され、
前記第1補強部と、前記第2補強部との間には、電気的に絶縁される絶縁部が設けられている仮設足場。
【請求項2】
索状により吊持される吊り金具を備え、
前記吊り金具は、
前記索状により吊持される吊持状態と、前記索状により吊持されない非吊持状態とに切替可能に配置されている請求項1に記載の仮設足場。
【請求項3】
少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記足場板の裏側に取り付けられる裏板と、
を備え、
前記吊り金具は、
金属製からなるとともに、前記足場板と、前記裏板との間に配置されている請求項2に記載の仮設足場。
【請求項4】
少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記第1補強部、及び/または前記第2補強部を被覆する絶縁性の被覆部を備えている請求項1から請求項3に何れか記載の仮設足場。
【請求項5】
前記第1フレームは、
金属製の連結部と、
他の仮設足場の前記連結部が連結される被連結部と、
を備えている請求項1から請求項3に何れか記載の仮設足場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁下などで工事をする際に用いられる仮設足場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁下などで工事をする際に用いられる仮設足場が知られている(例えば、特許文献1)。このような仮設足場は、連結具を互いに連結するとともに、橋梁の支持材から吊り下げられた索状を取り付けることで吊り下げ支持される。これにより、橋梁下で工事をする際の足場を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2923200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
橋梁には、高電圧での送電に用いられる架線や、架線に電力を供給することを目的として架線と並行して設けられる饋電線が多く配置されている。このため、金属製の仮設足場は、作業者の安全性を確保するために感電対策が必要となる。
【0005】
ここで、図1を用いて従来の仮設足場である金属製仮設足場100の感電対策について説明を行う。まず、図1(A)に示す通り、金属製仮設足場100の金属製連結部101を他の金属製仮設足場100の金属製被連結部102に挿入して、一の金属製仮設足場100を他の金属製仮設足場100と連結して設置する。
【0006】
次に、図1(B)に示す通り、切断部材103を用いて、絶縁シート104を適切な大きさ(例えば、連結された金属製仮設足場100の金属製足場板105と略同等の大きさ)に切断する。そして、図1(C)に示す通り、切断された絶縁シート104を連結された金属製足場板105に敷設する。
【0007】
このように、金属製仮設足場100の感電対策を行うためには、切断部材103を用いて絶縁シート104を切断する工程、および切断された絶縁シート104を金属製足場板105に敷設する工程が必要となる。そうすると、金属製仮設足場100の感電対策を行うためには、一定の時間を要するため、橋梁下などで工事をする際の工期に影響を及ぼしてしまう虞があるという問題点があった。
【0008】
上述した通り、金属製仮設足場100の感電対策は一定の時間を要することから、FRP(Fiber-Reinforced-Plastics)樹脂製の棒部材を懸吊された索状に挿通し、挿通された棒部材の上に木製の板部材を載置することで作業者の足場を確保する方法が採用される場合がある。これにより、時間を要することなく感電対策を施すことができる。しかしながら、FRP樹脂製の棒部材を懸吊された索状に挿通し、挿通された棒部材の上に木製の板部材を載置しただけであるため、安全性の観点から望ましくない。
【0009】
また、金属製仮設足場100による感電事故は、金属製仮設足場100を設置するときや、金属製仮設足場100を撤去するときに起こり易い。具体的には、図2に示す通り、金属製仮設足場100は、金属製仮設足場100に設けられた一の係止部に対して一の索状を取り付けて係止してから、他の係止部に対して他の索状を取り付けて係止することにより設置されることになる。
【0010】
このため、金属製仮設足場100の一の係止部に対して一の索状を取り付けて係止したあと、他の係止部が他の索状を取り付ける前においては、他の係止部側の金属製仮設足場100が落下してしまう可能性がある。そうすると、落下した金属製仮設足場100が橋梁の下方に架けられた架線106や、饋電線107に接触してしまう虞や、地絡して感電事故が発生してしまう虞がある。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑み、感電対策を行うことに時間を要さず、安全性を向上させた仮設足場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような課題を解決するために、本発明に係る仮設足場は、第1方向に延設される第1フレームと、前記第1フレームと直交する第2方向に延設される第2フレームと、矩形状の足場板と、前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第1位置を補強する金属製の第1補強部と、前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第2位置を補強する金属製の第2補強部と、を備え、前記第1補強部と、前記第2補強部とは、所定間隔を離隔して配設され、前記第1補強部と、前記第2補強部との間には、電気的に絶縁される絶縁部が設けられている。
【0013】
また、本発明に係る仮設足場は、索状により吊持される吊り金具を備え、前記吊り金具は、前記索状により吊持される吊持状態と、前記索状により吊持されない非吊持状態とに切替可能に配置されている。
【0014】
また、本発明に係る仮設足場は、少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記足場板の裏側に取り付けられる裏板と、を備え、前記吊り金具は、金属製からなるとともに、前記足場板と、前記裏板との間に配置されている。
【0015】
また、本発明に係る仮設足場は、少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記第1補強部、及び/または前記第2補強部を被覆する絶縁性の被覆部を備えている。
【0016】
また、本発明に係る仮設足場において、前記第1フレームは、金属製の連結部と、他の仮設足場の前記連結部が連結される被連結部と、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、感電対策を行うことに時間を要さず、安全性を向上させた仮設足場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】金属製仮設足場の感電対策の方法を示す図である。
図2】金属製仮設足場を設置する作業者を示す図である。
図3】仮設足場の上面図、及び下面図である。
図4】足場板を取り外した仮設足場を示す図である。
図5】連結部の拡大図である。
図6】絶縁部と、非絶縁部を示す図である。
図7】吊り金具の吊持状態、及び非吊持状態を示す図である。
図8】吊持された仮設足場を示す図である。
図9】仮設足場に架線や、饋電線が接触した場合を示す図である。
図10】連結時における仮設足場1の感電対策の方法を示す図である。
図11】カバー部材の取付態様を示す図である。
図12】仮設足場をX方向に連結する連結方法を示す図である。
図13】仮設足場をZ方向に連結する連結方法を示す図である。
図14】取付部材にパイプを取り付ける取付方法を示す図である。
図15】取付部材に足場パネルを取り付ける取付方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(仮設足場1)
まず、図3図5を用いて、仮設足場1の各部材について説明を行う。なお、図3(A)は、仮設足場1の上面図であり、図3(B)は、仮設足場1の下面図である。また、図4は、足場板40を取り外した仮設足場1を示す図である。また、図5(A)は、第1連結部11Aの拡大図である。また、図5(B)は、第2連結部12Aの拡大図である。
【0020】
図3図4に示す通り、仮設足場1は、複数の縦フレーム10と、複数の横フレーム20とを備えている。
【0021】
縦フレーム10は、第1方向(図3のX方向)に延設され、第1縦フレーム11と、第2縦フレーム12と、第3縦フレーム13と、第4縦フレーム14と、第5縦フレーム15と、第6縦フレーム16と、第7縦フレーム17と、第8縦フレーム18とにより構成されている。縦フレーム10は、FRP樹脂からなり電気的に絶縁性を有している。
【0022】
なお、縦フレーム10は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部(例えば、後述する絶縁部I)が電気的に絶縁性を有していればよい。また、縦フレーム10の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0023】
例えば、縦フレーム10は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、縦フレーム10は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(Fiberglass-Reinforced-Thermo-Plastic)を採用することもできる。なお、縦フレーム10を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0024】
第1縦フレーム11には第2補強部62が取り付けられ、この第2補強部62には、他の仮設足場1と連結するための金属製の第1連結部11Aが取り付けられる。また、第1縦フレーム11には第3補強部63が取り付けられ、この第3補強部63には、他の仮設足場1の第1連結部11Aが連結される第1被連結部11Bが設けられている。また、第1連結部11Aには、第1固定ピン72Aが挿通される第1連結孔70Aが穿設されている。
【0025】
第2縦フレーム12には第5補強部65が取り付けられ、この第5補強部65には、他の仮設足場1と連結するための金属製の第2連結部12Aが取り付けられる。また、第2縦フレーム12には第6補強部66が取り付けられ、この第6補強部66には、他の仮設足場1の第2連結部12Aが連結される第2被連結部12Bが設けられている。また、第2連結部12Aには、第2固定ピン72Bが挿通される第2連結孔70Bが穿設されている。
【0026】
第3縦フレーム13~第8縦フレーム18のそれぞれの略中央には、第1横フレーム21が挿通される中央貫通孔H6が穿設されている。
【0027】
横フレーム20は、縦フレーム10と直交する第2方向(図3のZ方向)に延設され、第1横フレーム21と、第2横フレーム22と、第3横フレーム23とにより構成されている。横フレーム20は、FRP樹脂からなり縦フレーム10と同様に電気的に絶縁性を有している。
【0028】
なお、横フレーム20は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部が電気的に絶縁性を有していることとしてもよい。また、横フレーム20の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0029】
例えば、横フレーム20は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、横フレーム20は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、横フレーム20を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0030】
第1横フレーム21には、金属製の吊り金具30が複数取り付けられる。具体的には、複数の吊り金具30(第1吊り金具30A、第2吊り金具30B、第3吊り金具30C、第4吊り金具30D)に設けられた軸通孔31(第1軸通孔31A、第2軸通孔31B、第3軸通孔31C、第4軸通孔31D)に対して第1横フレーム21が軸通されることにより、第1横フレーム21に対して吊り金具30が取り付けられることとなる。
【0031】
第2横フレーム22には、第1縦フレーム11に取り付けられた第2補強部62の一部が挿通される第1貫通孔H1と、第2縦フレーム12に取り付けられた第5補強部65の一部が挿通される第2貫通孔H2とが穿設されている。また、第2横フレーム22には、第3縦フレーム13~第8縦フレーム18を取り付けるためのフレーム取付孔H5が複数設けられている。また、第2横フレーム22には、他の仮設足場1と連結するときに操作される第1調整ボルト73Aと、第2調整ボルト73Bとが設けられている。
【0032】
第3横フレーム23には、第1縦フレーム11に取り付けられた第3補強部63の一部が挿通される第3貫通孔H3と、第2縦フレーム12に取り付けられた第6補強部66の一部が挿通される第4貫通孔H4とが穿設されている。また、第3横フレーム23には、第3縦フレーム13~第8縦フレーム18を取り付けるためのフレーム取付孔H5が複数設けられている。また、第3横フレーム23には、第1固定ピン72Aが挿通される第3連結孔70Cと、第2固定ピン72Bが挿通される第4連結孔70Dとが穿設されている。
【0033】
第3横フレーム23には、第1固定チェーン71Aの一端が取り付けられており、第1固定チェーン71Aの他端には、第1固定ピン72Aが取り付けられている。同様に、第3横フレーム23には、第2固定チェーン71Bの一端が取り付けられており、第2固定チェーン71Bの他端には、第2固定ピン72Bが取り付けられている。これにより、仮設足場1が設置されているときにおいて、固定ピン72の紛失を防止することができる。
【0034】
吊り金具30は、第1吊り金具30Aと、第2吊り金具30Bと、第3吊り金具30Cと、第4吊り金具30Dとにより構成されており、後述する索状Cにより仮設足場1を吊持するために設けられている。吊り金具30には、第1横フレーム21が軸通される軸通孔31と、後述する索状Cが係止される係止孔32とが設けられている。具体的には、第1吊り金具30Aには第1軸通孔31Aと、第1係止孔32Aとが設けられており、第2吊り金具30Bには第2軸通孔31Bと、第2係止孔32Bとが設けられている。同様に、第3吊り金具30Cには第3軸通孔31Cと、第3係止孔32Cとが設けられており、第4吊り金具30Dには第4軸通孔31Dと、第4係止孔32Dとが設けられている。
【0035】
ここで、橋梁下などの工事は屋外で行われることから、仮設足場1は屋外で設置されることとなる。このため、本実施形態において、吊り金具30の材質は、錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、吊り金具30の材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、吊り金具30の材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0036】
足場板40は、矩形状からなり、縦フレーム10や、横フレーム20の上方から取り付けられている。足場板40の表面には、作業者Wが足を滑らせて転倒してしまうことを防止するための突起部41が設けられている。また、足場板40には、取出孔42と、操作孔43と、取付孔44とが穿設されている。また、足場板40は、FRP樹脂からなり電気的に絶縁性を有している。
【0037】
なお、足場板40は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部(例えば、取出孔42、操作孔43、取付孔44から所定の範囲内)が電気的に絶縁性を有していればよい。また、足場板40の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0038】
例えば、足場板40は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、足場板40は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、足場板40を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0039】
取出孔42は、吊り金具30が出入り可能な大きさで足場板40に穿設されている。取出孔42は、第1取出孔42Aと、第2取出孔42Bと、第3取出孔42Cと、第4取出孔42Dとにより構成されている。
【0040】
操作孔43は、取出孔42の近傍に設けられており、作業者Wの指が挿入可能な大きさで足場板40に穿設されている。操作孔43は、第1操作孔43Aと、第2操作孔43Bと、第3操作孔43Cと、第4操作孔43Dとにより構成されている。なお、本実施形態における操作孔43は、取出孔42と繋がっている。
【0041】
取付孔44は、取付部材45を取付可能な大きさで足場板40に穿設されている。取付孔44は、第1取付孔44Aと、第2取付孔44Bとにより構成されている。
【0042】
取付部材45は、他の部品を取り付けるために設けられており、第1取付孔44Aに位置する第1取付部材45Aと、第2取付孔44Bに位置する第2取付部材45Bとにより構成されている。また、本実施形態において、取付部材45は、ボルトを採用して説明を行うが他の部品を取り付けることができればどのようなものを採用することとしてもよい。なお、取付部材45に取り付けられる他の部品については、図14図15を用いて具体的に説明する。
【0043】
裏板50は、矩形状の第1裏板50Aと、第1裏板50Aと同じ大きさである矩形状の第2裏板50Bとにより構成されており、足場板40の裏側に取り付けられる。裏板50は、FRP樹脂からなり電気的に絶縁性を有している。
【0044】
なお、裏板50は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部(例えば、吊り金具30の近傍の所定の範囲内)が電気的に絶縁性を有していればよい。また、裏板50の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0045】
例えば、裏板50は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、裏板50は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、裏板50を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0046】
補強部60は、第1補強部61~第8補強部68により構成されており、縦フレーム10、及び/または横フレーム20を補強するために取り付けられている。また、本実施形態における補強部60は、全て金属製となっている。
【0047】
本実施形態において、補強部60の材質は、吊り金具30の材質と同様の理由で錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、補強部60の材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、補強部60の材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0048】
第1補強部61は、第1縦フレーム11と、第1横フレーム21とが直交する位置の近傍の第1位置P1にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第1縦フレーム11に穿設されたビス孔と、第1補強部61に穿設されたビス孔とを位置合わせすると、第1横フレーム21に穿設されたビス孔と、第1補強部61に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第1縦フレーム11、第1横フレーム21、及び第1補強部61がビス止め固定される。これにより、第1縦フレーム11と、第1横フレーム21とが補強される。
【0049】
第2補強部62は、第1縦フレーム11と、第2横フレーム22とが直交する位置(具体的には、第1縦フレーム11を延設した場合における第1縦フレーム11と、第2横フレーム22とが直交する位置)の近傍の第2位置P2にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第2補強部62の一部が第1縦フレーム11に挿入されることにより、第1縦フレーム11に穿設されたビス孔と、第2補強部62に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。また、第2横フレーム22に穿設されたビス孔と、第2補強部62のビス孔とを位置合わせする。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第1縦フレーム11、第2横フレーム22、及び第2補強部62がビス止め固定される。これにより、第1縦フレーム11と、第2横フレーム22とが補強される。
【0050】
第3補強部63は、第1縦フレーム11と、第3横フレーム23とが直交する位置(具体的には、第1縦フレーム11を延設した場合における第1縦フレーム11と、第3横フレーム23とが直交する位置)の近傍の第3位置P3にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第3補強部63の一部が第1縦フレーム11に挿入されることにより、第1縦フレーム11に穿設されたビス孔と、第3補強部63に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。また、第3横フレーム23に穿設されたビス孔と、第3補強部63のビス孔とを位置合わせする。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第1縦フレーム11、第3横フレーム23、及び第3補強部63がビス止め固定される。これにより、第1縦フレーム11と、第3横フレーム23とが補強される。
【0051】
第4補強部64は、第2縦フレーム12と、第1横フレーム21とが直交する位置の近傍の第4位置P4にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第2縦フレーム12に穿設されたビス孔と、第4補強部64に穿設されたビス孔とを位置合わせすると、第1横フレーム21に穿設されたビス孔と、第4補強部64に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第2縦フレーム12、第1横フレーム21、及び第4補強部64がビス止め固定される。これにより、第2縦フレーム12と、第1横フレーム21とが補強される。
【0052】
第5補強部65は、第2縦フレーム12と、第2横フレーム22とが直交する位置(具体的には、第2縦フレーム12を延設した場合における第2縦フレーム12と、第2横フレーム22とが直交する位置)の近傍の第5位置P5にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第5補強部65の一部が第2縦フレーム12に挿入されることにより、第2縦フレーム12に穿設されたビス孔と、第5補強部65に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。また、第2横フレーム22に穿設されたビス孔と、第5補強部65のビス孔とを位置合わせする。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第2縦フレーム12、第2横フレーム22、及び第5補強部65がビス止め固定される。これにより、第2縦フレーム12と、第2横フレーム22とが補強される。
【0053】
第6補強部66は、第2縦フレーム12と、第3横フレーム23とが直交する位置(具体的には、第2縦フレーム12を延設した場合における第2縦フレーム12と、第3横フレーム23とが直交する位置)の近傍の第6位置P6にビスBによりビス止め固定される(図6参照)。具体的には、第6補強部66の一部が第2縦フレーム12に挿入されることにより、第2縦フレーム12に穿設されたビス孔と、第6補強部66に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。また、第3横フレーム23に穿設されたビス孔と、第6補強部66のビス孔とを位置合わせする。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第2縦フレーム12、第3横フレーム23、及び第6補強部66がビス止め固定される。これにより、第2縦フレーム12と、第3横フレーム23とが補強される。
【0054】
第7補強部67は、第5縦フレーム15と、第1横フレーム21とが直交する位置の近傍の第7位置P7にビスBによりビス止め固定される。具体的には、第7補強部67には、第1横フレーム21が挿通される第1補強取付孔67Aが穿設されており、第1補強取付孔67Aに第1横フレーム21が挿通されると、第7補強部67に穿設されたビス孔と、第5縦フレーム15に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第5縦フレーム15、第1横フレーム21、及び第7補強部67がビス止め固定される。このように、第5縦フレーム15、及び第1横フレーム21に対して第7補強部67がビス止め固定されることにより、第5縦フレーム15、及び第1横フレーム21が補強される。
【0055】
第7補強部67には、第1取付部材45Aが取り付けられる第1位置決め孔67Bが穿設されており、縦フレーム10や、横フレーム20の上方から足場板40が取り付けられると、第1取付孔44Aと、第1位置決め孔67Bとが位置合わせされる。そして、位置合わせされた第1取付孔44A、及び第1位置決め孔67Bに対して、足場板40の上方から第1取付部材45Aを取り付ける。これにより、第1取付部材45Aが第7補強部67に対して取り付けられる。このように、第7補強部67に対して第1取付部材45Aが取り付けられることで、取り付けられた第1取付部材45Aを補強することができる。
【0056】
第8補強部68は、第6縦フレーム16と、第1横フレーム21とが直交する位置の近傍の第8位置P8にビスBによりビス止め固定される。具体的には、第8補強部68には、第1横フレーム21が挿通される第2補強取付孔68Aが穿設されており、第2補強取付孔68Aに第1横フレーム21が挿通されると、第8補強部68に穿設されたビス孔と、第6縦フレーム16に穿設されたビス孔とが位置合わせされる。そして、位置合わせされたビス孔に対してビスBを挿通することにより、第6縦フレーム16、第1横フレーム21、及び第8補強部68がビス止め固定される。このように、第6縦フレーム16、及び第1横フレーム21に対して第8補強部68がビス止め固定されることにより、第6縦フレーム16、及び第1横フレーム21が補強される。
【0057】
第8補強部68には、第2取付部材45Bが取り付けられる第2位置決め孔68Bが穿設されており、縦フレーム10や、横フレーム20の上方から足場板40が取り付けられると、第2取付孔44Bと、第2位置決め孔68Bとが位置合わせされる。そして、位置合わせされた第2取付孔44B、及び第2位置決め孔68Bに対して、足場板40の上方から第2取付部材45Bを取り付ける。これにより、第2取付部材45Bが第8補強部68に対して取り付けられる。このように、第8補強部68に対して第2取付部材45Bが取り付けられることで、取り付けられた第2取付部材45Bを補強することができる。
【0058】
図5(A)に示す通り、第1連結部11Aは、金属製の第1上連結部11Cと、この第1上連結部11Cの外側に当接する金属製の第1下連結部11Dとにより構成されている。第1上連結部11Cは、第1調整ボルト73Aに取り付けられた第1当接ナット74Aと当接している。第1調整ボルト73Aを所定方向に回動させると、第1当接ナット74Aが所定方向(図5のY方向)に移動するとともに、第1上連結部11Cが押し上げられて同方向に移動することとなる。これにより、第1連結部11Aが拡開されることになる。
【0059】
図5(B)に示す通り、第2連結部12Aは、金属製の第2上連結部12Cと、この第2上連結部12Cの外側に当接する金属製の第2下連結部12Dとにより構成されている。第2上連結部12Cは、第2調整ボルト73Bに取り付けられた第2当接ナット74Bと当接している。第2調整ボルト73Bを所定方向に回動させると、第2当接ナット74Bが所定方向(図5のY方向)に移動するとともに、第2上連結部12Cが押し上げられて第2上連結部12Cが同方向に移動することとなる。これにより、第2連結部12Aが拡開されることになる。
【0060】
(絶縁部I)
次に、図6を用いて、絶縁部Iと、非絶縁部について説明を行う。
【0061】
上述した通り、縦フレーム10、及び横フレーム20は、FRP樹脂からなることから、電気的に絶縁性を有している。これにより、作業者Wが仮設足場1を運搬する過程でふらついてしまい、縦フレーム10や、横フレーム20が架線106や、饋電線107と接触してしまったとしても感電事故を防止することができる。
【0062】
また、縦フレーム10、及び横フレーム20は、FRP樹脂からなることから、従来の金属製仮設足場100と比較して軽量化を図ることができる。これにより、作業者Wが仮設足場1を運搬する過程でふらついてしまう可能性を軽減することができる。
【0063】
これらのことから、仮設足場1の材質を全てFRP樹脂などの電気的に絶縁性を有している樹脂とすれば、感電事故を防止することができるとともに、仮設足場1の軽量化を図ることができる。しかしながら、仮設足場1を全てFRP樹脂などの電気的に絶縁性を有している樹脂とした場合には、従来の金属製仮設足場100と比較して強度の面で劣ってしまい、別の意味で安全性が損なわれてしまう虞がある。
【0064】
このため、本実施形態における第1補強部61~第6補強部66は、全て金属製となっている。これにより、縦フレーム10と、横フレーム20を補強することができるので、仮設足場1の強度を向上させることができる。なお、第1補強部61~第6補強部66は、金属製であることから非絶縁部となっている。同様に、第1連結部11Aや、第2連結部12A、吊り金具30についても、金属製であることから非絶縁部となっている。このように、本実施形態における仮設足場1は、第1補強部61~第6補強部66や、第1連結部11A、第2連結部12A、吊り金具30のように荷重のかかる箇所が金属製となっている。
【0065】
ここで、第1補強部61と、第2補強部62とが第1間隔X1を離隔して配設されており、第1補強部61と、第2補強部62との間には第1絶縁部I1が形成されている。より具体的には、第1補強部61と、第2補強部62の露出している部分とが第1間隔X1を離隔して配設されており、第1補強部61と、第2補強部62の露出している部分との間には第1絶縁部I1が形成されている。同様に、第1補強部61と、第3補強部63とが第2間隔X2を離隔して配設されており、第1補強部61と、第3補強部63との間には第2絶縁部I2が形成されている。より具体的には、第1補強部61と、第3補強部63の露出している部分とが第2間隔X2を離隔して配設されており、第1補強部61と、第3補強部63の露出している部分との間には第2絶縁部I2が形成されている。
【0066】
また、第4補強部64と、第5補強部65とが第3間隔X3を離隔して配設されており、第4補強部64と、第5補強部65との間には第3絶縁部I3が形成されている。より具体的には、第4補強部64と、第5補強部65の露出している部分とが第3間隔X3を離隔して配設されており、第4補強部64と、第5補強部65の露出している部分との間には第3絶縁部I3が形成されている。同様に、第4補強部64と、第6補強部66とが第4間隔X4を離隔して配設されており、第4補強部64と、第6補強部66との間には第4絶縁部I4が形成されている。より具体的には、第4補強部64と、第6補強部66の露出している部分とが第4間隔X4を離隔して配設されており、第4補強部64と、第6補強部66の露出している部分との間には第4絶縁部I4が形成されている。
【0067】
これにより、第1補強部61~第6補強部66の何れかに架線106や饋電線107が接触してしまったとしても、第1絶縁部I1~第4絶縁部I4により電気的に絶縁されることになるので、感電事故を防止することができる。なお、本実施形態において、第1間隔X1と、第2間隔X2と、第3間隔X3と、第4間隔X4とは等間隔となっているが、一定の間隔以上離隔して配設されていれば異なる間隔であってもよい。
【0068】
なお、図6に示す通り、金属製の第1連結部11Aは、金属製の第2補強部62に取り付けられており、この第2補強部62は、電気的に絶縁性を有している第2横フレーム22や、第1絶縁部I1と接している。これにより、第1連結部11Aに対して架線106や饋電線107が接触してしまったとしても電気的に絶縁されることになるので、感電事故を防止することができる。同様に、金属製の第2連結部12Aは、金属製の第5補強部65に取り付けられており、この第5補強部65は、電気的に絶縁性を有している第2横フレーム22や、第3絶縁部I3と接している。これにより、第2連結部12Aに対して架線106や饋電線107が接触してしまったとしても電気的に絶縁されることになるので、感電事故を防止することができる。
【0069】
(吊り金具30)
次に、図7を用いて、吊り金具30について説明を行う。なお、図7(A)は、非吊持状態の吊り金具30を示す図であり、図7(B)は、吊持状態の吊り金具30を示す図である。
【0070】
図7(A)に示す通り、非吊持状態である場合には、足場板40の上面よりも下方に吊り金具30が収納される。これにより、係止孔32が隠蔽されるので、後述する索状Cにより仮設足場1を吊持することが不可能となっている。また、非吊持状態においては、足場板40の上面よりも下方に吊り金具30が収納されている。このため、吊り金具30が架線106や、饋電線107に接触し難くなっている。
【0071】
また、非吊持状態において、索状Cにより仮設足場1を吊持することが可能な吊持状態に切り替える場合には、作業者Wが操作孔43に指を挿入して吊り金具30を引き出す。これにより、係止孔32が露出することになり、吊り金具30が非吊持状態から吊持状態となる。
【0072】
図7(B)に示す通り、吊持状態である場合には、吊り金具30が足場板40の上面よりも上方に露出して立ち上がっている。これにより、係止孔32が露出するようになるので、後述する索状Cにより吊持することが可能となっている。また、吊持状態において、非吊持状態に切り替える場合には、吊り金具30を取出孔42に押し込む。これにより、係止孔32が隠蔽されて、吊り金具30が吊持状態から非吊持状態となる。
【0073】
(仮設足場1の吊持方法)
次に、図8を用いて、仮設足場1の吊持方法について説明を行う。なお、図8は、吊持された仮設足場1を示す図である。
【0074】
図8に示す通り、仮設足場1の吊持方法は、まず、吊り金具30を吊持状態とする。具体的には、第1吊り金具30A、第2吊り金具30B、第3吊り金具30C、第4吊り金具30Dのうち、一または複数の吊り金具30を選択して吊持状態とする。ここで、仮設足場1は、一般的に2つの吊り金具30を選択して吊持状態とすることが多い。具体的には、第1吊り金具30A、または第2吊り金具30Bの何れかと、第3吊り金具30C、または第4吊り金具30Dの何れかを吊持状態とする。そして、選択された2つの吊り金具30が吊持状態となることで、選択された吊り金具30が立ち上がって係止孔32が露出することになる。
【0075】
次に、係止孔32が露出した吊り金具30に対して索状Cを係止する。具体的には、選択された吊り金具30が第1吊り金具30Aである場合には、第1係止孔32Aが露出した第1吊り金具30Aに対して第1索状C1を係止する。同様に、選択された吊り金具30が第2吊り金具30Bである場合には、第2係止孔32Bが露出した第2吊り金具30Bに対して第2索状C2を係止する。また、選択された吊り金具30が第3吊り金具30Cである場合には、第3係止孔32Cが露出した第3吊り金具30Cに対して第3索状C3を係止する。同様に、選択された吊り金具30が第4吊り金具30Dである場合には、第4係止孔32Dが露出した第4吊り金具30Dに対して第4索状C4を係止する。これにより、仮設足場1が索状Cにより選択的に吊持されることとなる。
【0076】
(仮設足場1に架線106や、饋電線107が接触した場合)
次に、図9を用いて、仮設足場1に架線106や、饋電線107が接触した場合について説明を行う。なお、図9(A)は、裏板50が取り付けられていない状態で、架線106や饋電線107が吊り金具30に接触したときを示す図である。また、図9(B)は、架線106や饋電線107が裏板50に接触したときを示す図である。
【0077】
図9に示す通り、吊り金具30は、軸通孔31に第1横フレーム21が軸通されることにより取り付けられる。これにより、金属製の吊り金具30が電気的に絶縁性を有している第1横フレーム21に接触した状態で取り付けられる。このため、仮設足場1に裏板50が取り付けられていない状態で吊り金具30に架線106や饋電線107が接触したとしても、原則として電気的に絶縁されることになる。
【0078】
しかしながら、図9(A)に示す通り、吊り金具30の下方から架線106や饋電線107が接触した場合、吊り金具30の上方に通電してしまい、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが感電してしまう虞がある。このため、本実施形態における仮設足場1では、足場板40の裏側に裏板50が取り付けられている。
【0079】
図9(B)に示す通り、電気的に絶縁性を有している裏板50が足場板40の裏側に取り付けられていれば、仮設足場1の下方から架線106や饋電線107が裏板50に接触したとしても、架線106や饋電線107が吊り金具30に接触しなくなるので、仮設足場1の安全性をさらに向上させることができる。
【0080】
(連結時における仮設足場1の感電対策の方法)
次に、図10を用いて、連結時における仮設足場1の感電対策の方法について説明を行う。なお、図10(A)は、連結カバー108が取り付けられていない仮設足場1を示す図である。また、図10(B)は、連結カバー108を取り付けた仮設足場1を示す図である。
【0081】
図10(A)に示す通り、金属製の第1補強部61は、第1絶縁部I1や、第2絶縁部I2に接触している。同様に、図示はしないが、金属製の第4補強部64は、第3絶縁部I3や、第4絶縁部I4に接触している。このため、架線106や饋電線107が金属製の補強部60に接触したとしても仮設足場1全体に通電することはなく、絶縁されることになる。
【0082】
しかしながら、架線106や饋電線107が金属製の補強部60に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの補強部60自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが補強部60に接触すると感電してしまう虞がある。
【0083】
具体的には、図10(A)に示す通り、架線106や饋電線107が金属製の第1補強部61に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第1補強部61自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第1補強部61に接触すると感電してしまう虞がある。同様に、架線106や饋電線107が金属製の第2補強部62に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第2補強部62自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第2補強部62に接触すると感電してしまう虞がある。また、架線106や饋電線107が金属製の第3補強部63に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第3補強部63自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第3補強部63に接触すると感電してしまう虞がある。
【0084】
なお、図示はしないが、架線106や饋電線107が金属製の第4補強部64に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第4補強部64自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第4補強部64に接触すると感電してしまう虞がある。同様に、架線106や饋電線107が金属製の第5補強部65に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第5補強部65自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第5補強部65に接触すると感電してしまう虞がある。また、架線106や饋電線107が金属製の第6補強部66に接触すると、仮設足場1全体に通電することはないものの第6補強部66自体には通電してしまうので、仮設足場1の上で作業を行う作業者Wが第6補強部66に接触すると感電してしまう虞がある。これらのことから、図10(B)に示す通り、作業者Wが補強部60に接触することを防止するために電気的に絶縁性を有している連結カバー108が取り付けられる。
【0085】
図10(B)に示す通り、連結カバー108は、一の仮設足場1と、他の仮設足場1とを連結したときに、一の仮設足場1の足場板40と、他の仮設足場1の足場板40との間に生じる隙間を隠蔽するように取り付けられる。具体的には、連結カバー108は、以下の手順で取り付けられる。まず、連結カバー108に穿設されている固定部材取付孔108Aに対して、FRP樹脂からなり、電気的に絶縁性を有している固定部材109を挿通する。これにより、固定部材109の一端側に設けられた固定部材掛止部109Aと、連結カバー108とが掛止されることとなる。
【0086】
次に、固定部材取付孔108Aに挿通された固定部材109の他端側に設けられた固定部材係止部(図示せず)を縦フレーム10(より具体的には、一の仮設足場1の第1縦フレーム11)に対して係止することで、連結された仮設足場1に対して連結カバー108が取り付けられる。このように、連結された仮設足場1に対して連結カバー108を取り付けることにより、作業者Wは、補強部60に接触しなくなるので、感電事故を防止することができる。
【0087】
なお、連結カバー108は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部が電気的に絶縁性を有していればよい。また、連結カバー108の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0088】
例えば、連結カバー108は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、連結カバー108は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、連結カバー108を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0089】
なお、固定部材109は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部(例えば、固定部材掛止部109A)が電気的に絶縁性を有していればよい。また、固定部材109の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0090】
例えば、固定部材109は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、固定部材109は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、固定部材109を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0091】
(カバー部材80の取付態様)
次に、図11を用いて、カバー部材80の取付態様について説明を行う。
【0092】
図11に示す通り、カバー部材80は、FRP樹脂からなり電気的に絶縁性を有しており、第1補強部61に取り付けられる第1カバー部材81と、第2補強部62に取り付けられる第2カバー部材82と、第3補強部63に取り付けられる第3カバー部材83と、第4補強部64に取り付けられる第4カバー部材84と、第5補強部65に取り付けられる第5カバー部材85と、第6補強部66に取り付けられる第6カバー部材86とにより構成されている。
【0093】
カバー部材80は、蝶番部80Aと、開放部80Bとを備えている。具体的には、第1カバー部材81は、第1蝶番部81Aと、第1開放部81Bとを備えており、第2カバー部材82は、第2蝶番部82Aと、第2開放部82Bとを備えており、第3カバー部材83は、第3蝶番部83Aと、第3開放部83Bとを備えている。同様に、第4カバー部材84は、第4蝶番部84Aと、第4開放部84Bとを備えており、第5カバー部材85は、第5蝶番部85Aと、第5開放部85Bとを備えており、第6カバー部材86は、第6蝶番部86Aと、第6開放部86Bとを備えている。
【0094】
また、カバー部材80には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、開放部80Bが閉塞される。具体的には、第1カバー部材81には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第1開放部81Bが閉塞される。同様に、第2カバー部材82には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第2開放部82Bが閉塞される。また、第3カバー部材83には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第3開放部83Bが閉塞される。
【0095】
同様に、第4カバー部材84には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第4開放部84Bが閉塞される。また、第5カバー部材85には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第5開放部85Bが閉塞される。また、第6カバー部材86には、複数のピン孔が穿設されており、ピン孔にピンPnを挿通することにより、第6開放部86Bが閉塞される。
【0096】
カバー部材80は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有しているが、これに限定されることはなく、少なくとも一部が電気的に絶縁性を有していればよい。また、カバー部材80の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0097】
例えば、カバー部材80は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、カバー部材80は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、カバー部材80を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0098】
このように、電気的に絶縁性を有しているカバー部材80が補強部60のそれぞれに取り付けられることで、一の仮設足場1の足場板40と、他の仮設足場1の足場板40との間に生じる隙間に対して連結カバー108を取り付けることなく補強部60の露出を防止することができる。これにより、架線106や饋電線107が補強部60と接触しなくなるので、仮設足場1の安全性をさらに向上させることができる。
【0099】
(仮設足場1の連結方法)
次に、図12図13を用いて、仮設足場1の連結方法について説明を行う。なお、図12は、仮設足場1をX方向に連結する連結方法を示す図である。また、図13は、仮設足場1をZ方向に連結する連結方法を示す図である。
【0100】
まず、図12(A)に示す通り、一方の仮設足場1の第1連結部11A、及び第2連結部12Aを他方の仮設足場1の第1被連結部11B、及び第2被連結部12Bに挿入する。そうすると、一方の仮設足場1の第1連結部11Aに穿設された第1連結孔70Aと、他方の仮設足場1の第3横フレーム23に穿設された第3連結孔70Cとが位置合わせされるとともに、一方の仮設足場1の第2連結部12Aに穿設された第2連結孔70Bと、他方の仮設足場1の第3横フレーム23に穿設された第4連結孔70Dとが位置合わせされる。
【0101】
次に、図12(B)に示す通り、位置合わせされた連結孔70に対して固定ピン72を挿通する。具体的には、位置合わせされた第1連結孔70A、及び第3連結孔70Cに対して第1固定ピン72Aを挿通し、位置合わせされた第2連結孔70B、及び第4連結孔70Dに対して第2固定ピン72Bを挿通する。これにより、一方の仮設足場1と、他方の仮設足場1とが仮固定されることとなる。なお、第1連結孔70A、及び第2連結孔70Bは、固定ピン72の先端の直径よりも大きくなっており遊びが設けられている。これにより、固定ピン72を連結孔70に対して挿入し易くなっている。
【0102】
次に、一方の仮設足場1の第1調整ボルト73Aを所定方向に回動させる。これにより、第1調整ボルト73Aに取り付けられている第1当接ナット74Aが所定方向(図5のY方向)に移動するとともに、第1上連結部11Cが同方向に移動することとなる。これにより、第1連結部11Aが拡開されて、一方の仮設足場1の第1連結部11Aと、他方の仮設足場1の第1被連結部11Bとが接することになる。同様に、一方の仮設足場1の第2調整ボルト73Bを所定方向に回動させる。これにより、第2調整ボルト73Bに取り付けられている第2当接ナット74Bが所定方向(図5のY方向)に移動するとともに、第2上連結部12Cが同方向に移動することとなる。これにより、第2連結部12Aが拡開されて、一方の仮設足場1の第2連結部12Aと、他方の仮設足場1の第2被連結部12Bとが接することになる。これにより、一方の仮設足場1と、他方の仮設足場1とが本固定されて、一方の仮設足場1と、他方の仮設足場1とが連結される。
【0103】
図13に示す通り、一方の仮設足場1の第1縦フレーム11、及び他方の仮設足場1の第2縦フレーム12に対して第1クランプ90Aを取り付けることにより、一方の仮設足場1と、他方の仮設足場1とを連結することもできる。具体的には、一方の仮設足場1の第2絶縁部I2と、他方の仮設足場1の第4絶縁部I4に対して金属製の第1クランプ90Aを取り付けることで連結する。ここで、第2絶縁部I2、及び第4絶縁部I4に対して金属製の第1クランプ90Aが取り付けられることで、金属製の第1クランプ90Aに対して架線106や、饋電線107が接触したとしても電気的に絶縁されるので、感電事故を防止することができる。
【0104】
なお、一方の仮設足場1の第1絶縁部I1、及び他方の仮設足場1の第3絶縁部I3に対して金属製の第1クランプ90Aを取り付けて連結することとしてもよい。この場合においても、金属製の第1クランプ90Aに対して架線106や、饋電線107が接触したとしても電気的に絶縁されるので、感電事故を防止することができる。
【0105】
また、一方の仮設足場1の第2絶縁部I2、及び他方の仮設足場1の第4絶縁部I4に対して第1クランプ90Aを取り付けるとともに、一方の仮設足場1の第1絶縁部I1、及び他方の仮設足場1の第3絶縁部I3に対して第1クランプ90Aを取り付けて連結することとしてもよい。これにより、一方の仮設足場1と、他方の仮設足場1とを強固に連結することができる。
【0106】
本実施形態において、第1クランプ90Aの材質は、吊り金具30の材質や、補強部60の材質と同様の理由で錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、第1クランプ90Aの材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、第1クランプ90Aの材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0107】
(取付部材45にパイプ91を取り付ける取付方法)
次に、図14を用いて、取付部材45にパイプ91を取り付ける取付方法について説明を行う。
【0108】
図14に示す通り、本実施形態における仮設足場1は、取付部材45に金属製のパイプ91を取付可能となっている。具体的には、一方の仮設足場1、及び他方の仮設足場1をX方向に連結したうえで、一方の仮設足場1の第1取付部材45A、及び他方の仮設足場1の第1取付部材45Aに対して第1クランプ90Aとは形状が異なる第2クランプ90Bを取り付ける。そして、この取り付けられた第2クランプ90Bに対して第1パイプ91Aを取り付ける。
【0109】
同様に、一方の仮設足場1の第2取付部材45B、及び他方の仮設足場1の第2取付部材45Bに対して第2クランプ90Bを取り付ける。そして、この取り付けられた第2クランプ90Bに対して第2パイプ91Bを取り付ける。このように、取付部材45に対してパイプ91を取り付けることにより、連結された仮設足場1のがたつきを防止することができる。また、本実施形態における仮設足場1に対してパイプ91を取り付けることによって、このパイプ91にさらなる部品を取り付けることができる。
【0110】
本実施形態において、第2クランプ90Bの材質は、第1クランプ90Aの材質と同様の理由で錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、第2クランプ90Bの材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、第2クランプ90Bの材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0111】
また、パイプ91の材質は、吊り金具30の材質や、補強部60の材質、クランプ90の材質と同様の理由で錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、パイプ91の材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、パイプ91の材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0112】
(取付部材45に足場パネル92を取り付ける取付方法)
次に、図15を用いて、取付部材45に足場パネル92を取り付ける取付方法について説明を行う。
【0113】
図15に示す通り、本実施形態における仮設足場1にパイプ91を取り付けると、足場パネル92を取付可能となる。具体的には、第1パイプ91A、及び第2パイプ91Bが第1取付部材45A、及び第2取付部材45Bに対して取り付けられた状態(図14参照)において、第1パイプ91A、及び第2パイプ91Bに対して第3パイプ91C、第4パイプ91D、第5パイプ91E、第6パイプ91F、第7パイプ91G、及び第8パイプ91Hを取り付ける。
【0114】
そして、第5パイプ91E、第6パイプ91F、第7パイプ91G、及び第8パイプ91Hに対して、第9パイプ91I、第10パイプ91J、第11パイプ91K、及び第12パイプ91Lを取り付ける。これにより、第1パイプ91A~第12パイプ91Lによって櫓が組まれることとなる。
【0115】
ここで、第1パイプ91A~第12パイプ91Lは、クロスクランプ93により取り付けられる。具体的には、クロスクランプ93は、X方向に延設されたパイプ91、及びZ方向に延設されたパイプ91に取り付けられる第1クロスクランプ93Aと、Y方向に延設されたパイプ91、及びZ方向に延設されたパイプ91に取り付けられる第2クロスクランプ93Bとにより構成されている。
【0116】
なお、第3パイプ91C~第12パイプ91Lの材質や、クロスクランプ93の材質は、第1パイプ91A~第2パイプ91Bの材質と同様の理由で錆び難いステンレス鋼を採用している。なお、第3パイプ91C~第12パイプ91Lの材質や、クロスクランプ93の材質は、アルミニウム、チタンなどを採用することとしてもよい。また、第3パイプ91C~第12パイプ91Lの材質や、クロスクランプ93の材質として鉄を採用するとともに、溶融亜鉛メッキを施すこととしてもよい。
【0117】
そして、図15に示す通り、第1パイプ91A~第12パイプ91Lにより組まれた櫓の上に足場パネル92を取り付ける。このように、仮設足場1に対して他の部品である足場パネル92を取り付けることができるので、仮設足場1の汎用性を高めることができる。
【0118】
なお、足場パネル92は、FRP樹脂からなることから全てが電気的に絶縁性を有している。これにより、金属製のパイプ91や、金属製のクロスクランプ93に対して架線106や、饋電線107が接触したとしても電気的に絶縁されるので、感電事故を防止することができる。なお、足場パネル92の素材は、電気的に絶縁性を有している他の素材を適用することもできる。
【0119】
例えば、足場パネル92は、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)などの熱硬化性樹脂を採用することもできる。また、足場パネル92は、例えば、ポリカーボネート(PC)や、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂にガラス繊維を補強材として混合させた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を採用することもできる。なお、足場パネル92を金属により成形し、電気的に絶縁性を有する樹脂でコーティングすることとしてもよい。
【0120】
(その他の実施形態)
以下において、その他の実施形態について説明を行う。
【0121】
上述した実施形態において、裏板50は、第1裏板50A、及び第2裏板50Bの2枚により構成されているが、これに限定されることはない。裏板50は、吊り金具30を基準として所定範囲が覆われていれば、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。
【0122】
上述した実施形態において、第1補強部61~第6補強部66に対して第1カバー部材81~第6カバー部材86を取り付けることとしているが、第7補強部67に対して図示しない第7カバー部材を取り付けるとともに、第8補強部68に対して図示しない第8カバー部材を取り付けることとしてもよい。
【0123】
上述した実施形態においては、第1縦フレーム11に対して第2補強部62、及び第3補強部63を取り付けて、第2補強部62の一部を第2横フレーム22に穿設された第1貫通孔H1に挿通するとともに、第3補強部63の一部を第3横フレーム23に穿設された第3貫通孔H3に挿通することとしているが、これに限定されることはない。例えば、第2横フレーム22に穿設された第1貫通孔H1、及び第3横フレーム23に穿設された第3貫通孔H3に対して第1縦フレーム11を挿通し、この第1縦フレーム11に対して第2補強部62、及び第3補強部63を取り付けることとしてもよい。同様に、第2横フレーム22に穿設された第2貫通孔H2、及び第3横フレーム23に穿設された第4貫通孔H4に対して第2縦フレーム12を挿通し、この第2縦フレーム12に対して第5補強部65、及び第6補強部66を取り付けることとしてもよい。
【0124】
上述した実施形態において、吊り金具30が非吊持状態の場合には、吊り金具30が足場板40の上面よりも下方に収納されることとなっているが、取出孔42、及び操作孔43を閉塞する蓋部材を取り付けることとしてもよい。この場合において、蓋部材は、電気的に絶縁性を有している素材(例えば、FRP樹脂)により成形されていることが望ましい。これにより、蓋部材により取出孔42、及び操作孔43が閉塞されている場合においては、架線106や、饋電線107が吊り金具30に接触する可能性がなくなるので、仮設足場1の安全性を高めることができる。
【0125】
ここで、蓋部材は、取出孔42、及び操作孔43が開放しており、吊り金具30を取り出し可能な開放状態と、取出孔42、及び操作孔43が閉塞しており、吊り金具30を取り出し不可能な閉塞状態とを切替可能なスライド式の蓋であることが望ましい。これにより、仮設足場1が設置された状態において、蓋部材が落下してしまうという事態を防止することができる。
【0126】
(第1発明)
第1発明は、第1方向(例えば、図3のX方向)に延設される第1フレーム(例えば、縦フレーム10)と、前記第1フレームと直交する第2方向(例えば、図3のZ方向)に延設される第2フレーム(例えば、横フレーム20)と、矩形状の足場板(例えば、足場板40)と、前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第1位置(例えば、第1位置P1)を補強する金属製の第1補強部(例えば、第1補強部61)と、前記第1フレーム、及び/または前記第2フレームの第2位置(例えば、第2位置P2)を補強する金属製の第2補強部(例えば、第2補強部62)と、を備え、前記第1補強部と、前記第2補強部とは、所定間隔(例えば、第1間隔X1)を離隔して配設され、前記第1補強部と、前記第2補強部との間には、電気的に絶縁される絶縁部(例えば、第1絶縁部I1)が設けられている仮設足場1である。
【0127】
第1発明における仮設足場1によれば、一の金属製の補強部60と、他の金属製の補強部60とは、間隔Xを離隔して配設されており、一の金属製の補強部60と、他の金属製の補強部60との間には、電気的に絶縁される絶縁部Iが設けられている。これにより、仮設足場1の強度を向上させることができるとともに、金属製の補強部60に架線106や、饋電線107が接触した場合における感電事故を防止することができる。
【0128】
具体的には、第1位置P1を補強する金属製の第1補強部61と、第2位置P2を補強する金属製の第2補強部62(より具体的には、第2補強部62の露出している部分)とは、第1間隔X1を離隔して配設されており、金属製の第1補強部61と、金属製の第2補強部62との間には、電気的に絶縁される第1絶縁部I1が設けられている。これにより、仮設足場1の強度を向上させることができるとともに、金属製の第1補強部61や、金属製の第2補強部62に架線106や、饋電線107が接触した場合における感電事故を防止することができる。
【0129】
同様に、第1位置P1を補強する金属製の第1補強部61と、第3位置P3を補強する金属製の第3補強部63(より具体的には、第3補強部63の露出している部分)とは、第2間隔X2を離隔して配設されており、金属製の第1補強部61と、金属製の第3補強部63との間には、電気的に絶縁される第2絶縁部I2が設けられている。これにより、仮設足場1の強度を向上させることができるとともに、金属製の第1補強部61や、金属製の第3補強部63に架線106や、饋電線107が接触した場合における感電事故を防止することができる。
【0130】
同様に、第4位置P4を補強する金属製の第4補強部64と、第5位置P5を補強する金属製の第5補強部65(より具体的には、第5補強部65の露出している部分)とは、第3間隔X3を離隔して配設されており、金属製の第4補強部64と、金属製の第5補強部65との間には、電気的に絶縁される第3絶縁部I3が設けられている。これにより、仮設足場1の強度を向上させることができるとともに、金属製の第4補強部64や、金属製の第5補強部65に架線106や、饋電線107が接触した場合における感電事故を防止することができる。
【0131】
同様に、第4位置P4を補強する金属製の第4補強部64と、第6位置P6を補強する金属製の第6補強部66(より具体的には、第6補強部66の露出している部分)とは、第4間隔X4を離隔して配設されており、金属製の第4補強部64と、金属製の第6補強部66との間には、電気的に絶縁される第4絶縁部I4が設けられている。これにより、仮設足場1の強度を向上させることができるとともに、金属製の第4補強部64や、金属製の第6補強部66に架線106や、饋電線107が接触した場合における感電事故を防止することができる。
【0132】
(第2発明)
第2発明は、索状(例えば、索状C)により吊持される吊り金具(例えば、吊り金具30)を備え、前記吊り金具は、前記索状により吊持される吊持状態(例えば、図7(B)に示す吊持状態)と、前記索状により吊持されない非吊持状態(例えば、図7(A)に示す非吊持状態)とに切替可能に配置されている仮設足場1である。
【0133】
第2発明における仮設足場1によれば、索状Cにより吊持される吊り金具30を備えており、この吊り金具30は、索状Cにより吊持される吊持状態と、索状Cにより吊持されない非吊持状態とに切替可能に配置されている。これにより、仮設足場1を吊持することができる。
【0134】
(第3発明)
第3発明は、少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記足場板の裏側に取り付けられる裏板(例えば、裏板50)と、を備え、前記吊り金具は、金属製からなるとともに、前記足場板と、前記裏板との間に配置されている仮設足場1である。
【0135】
第3発明における仮設足場1によれば、少なくとも一部が電気的に絶縁され、足場板40の裏側に取り付けられる裏板50を備え、金属製の吊り金具30は、足場板40と、裏板50との間に配置されている。これにより、金属製の吊り金具30に対して、架線106や、饋電線107が接触しなくなるので、架線106や、饋電線107が吊り金具30に接触して起こる感電事故を防止することができる。
【0136】
(第4発明)
第4発明は、少なくとも一部が電気的に絶縁され、前記第1補強部、及び/または前記第2補強部を被覆する絶縁性の被覆部(例えば、カバー部材80)を備えている仮設足場1である。
【0137】
第4発明における仮設足場1によれば、補強部60を被覆する絶縁性のカバー部材80を備えている。これにより、連結カバー108を取り付けることなく、架線106や、饋電線107が補強部60に接触することがなくなるので、架線106や、饋電線107が補強部60に接触することによる感電事故を防止することができる。
【0138】
(第5発明)
第5発明において、前記第1フレームは、金属製の連結部(例えば、第1連結部11A、第2連結部12A)と、他の仮設足場の前記連結部が連結される被連結部(例えば、第1被連結部11B、第2被連結部12B)と、を備えている仮設足場1である。
【0139】
第5発明における仮設足場1によれば、金属製の第1連結部11A、及び金属製の第2連結部12Aと、他の仮設足場1の第1連結部11A、及び第2連結部12Aが連結される第1被連結部11B、及び第2被連結部12Bとを備えている。これにより、一の仮設足場1と、他の仮設足場1とを連結することができるので、作業者Wが乗ることとなる足場板40の広さを拡張することができる。
【0140】
なお、本発明の実施について図面を用いて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。また、各図面で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図面の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図面を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0141】
1 仮設足場
10 縦フレーム
11 第1縦フレーム
11A 第1連結部
11B 第1被連結部
11C 第1上連結部
11D 第1下連結部
12 第2縦フレーム
12A 第2連結部
12B 第2被連結部
12C 第2上連結部
12D 第2下連結部
13 第3縦フレーム
14 第4縦フレーム
15 第5縦フレーム
16 第6縦フレーム
17 第7縦フレーム
18 第8縦フレーム
20 横フレーム
21 第1横フレーム
22 第2横フレーム
23 第3横フレーム
30 吊り金具
30A 第1吊り金具
30B 第2吊り金具
30C 第3吊り金具
30D 第4吊り金具
31 軸通孔
31A 第1軸通孔
31B 第2軸通孔
31C 第3軸通孔
31D 第4軸通孔
32 係止孔
32A 第1係止孔
32B 第2係止孔
32C 第3係止孔
32D 第4係止孔
40 足場板
41 突起部
42 取出孔
42A 第1取出孔
42B 第2取出孔
42C 第3取出孔
42D 第4取出孔
43 操作孔
43A 第1操作孔
43B 第2操作孔
43C 第3操作孔
43D 第4操作孔
44 取付孔
44A 第1取付孔
44B 第2取付孔
45 取付部材
45A 第1取付部材
45B 第2取付部材
50 裏板
50A 第1裏板
50B 第2裏板
60 補強部
61 第1補強部
62 第2補強部
63 第3補強部
64 第4補強部
65 第5補強部
66 第6補強部
67 第7補強部
67A 第1補強取付孔
67B 第1位置決め孔
68 第8補強部
68A 第2補強取付孔
68B 第2位置決め孔
70 連結孔
70A 第1連結孔
70B 第2連結孔
70C 第3連結孔
70D 第4連結孔
71 固定チェーン
71A 第1固定チェーン
71B 第2固定チェーン
72 固定ピン
72A 第1固定ピン
72B 第2固定ピン
73 調整ボルト
73A 第1調整ボルト
73B 第2調整ボルト
74 当接ナット
74A 第1当接ナット
74B 第2当接ナット
80 カバー部材
80A 蝶番部
80B 開放部
81 第1カバー部材
81A 第1蝶番部
81B 第1開放部
82 第2カバー部材
82A 第2蝶番部
82B 第2開放部
83 第3カバー部材
83A 第3蝶番部
83B 第3開放部
84 第4カバー部材
84A 第4蝶番部
84B 第4開放部
85 第5カバー部材
85A 第5蝶番部
85B 第5開放部
86 第6カバー部材
86A 第6蝶番部
86B 第6開放部
90 クランプ
90A 第1クランプ
90B 第2クランプ
91 パイプ
91A 第1パイプ
91B 第2パイプ
91C 第3パイプ
91D 第4パイプ
91E 第5パイプ
91F 第6パイプ
91G 第7パイプ
91H 第8パイプ
91I 第9パイプ
91J 第10パイプ
91K 第11パイプ
91L 第12パイプ
92 足場パネル
93 クロスクランプ
93A 第1クロスクランプ
93B 第2クロスクランプ
100 金属製仮設足場
101 金属製連結部
102 金属製被連結部
103 切断部材
104 絶縁シート
105 金属製足場板
106 架線
107 饋電線
108 連結カバー
108A 固定部材取付孔
109 固定部材
109A 固定部材掛止部
B ビス
C 索状
C1 第1索状
C2 第2索状
C3 第3索状
C4 第4索状
H1 第1貫通孔
H2 第2貫通孔
H3 第3貫通孔
H4 第4貫通孔
H5 フレーム取付孔
H6 中央貫通孔
I 絶縁部
I1 第1絶縁部
I2 第2絶縁部
I3 第3絶縁部
I4 第4絶縁部
I5 第5絶縁部
I6 第6絶縁部
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
P4 第4位置
P5 第5位置
P6 第6位置
P7 第7位置
P8 第8位置
Pn ピン
W 作業者
X 間隔
X1 第1間隔
X2 第2間隔
X3 第3間隔
X4 第4間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15