(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147192
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
B65D 83/14 20060101AFI20241008BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65D83/14 200
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060050
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100138254
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 容子
(72)【発明者】
【氏名】尾形 謙
(72)【発明者】
【氏名】坪内 誠
(72)【発明者】
【氏名】上條 北斗
(72)【発明者】
【氏名】松下 将士
【テーマコード(参考)】
3E014
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PC03
3E014PC20
3E014PD01
3E014PE15
3E014PF10
4F033RA02
4F033RC01
4F033RC15
4F033RC21
4F033RC24
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、バルブユニットと容器口部との固定部に使用者が不意に触れてしまうことがなく、バルブユニットが勢いよく外れることのないエアゾール製品を提供すること。
【解決手段】エアゾール容器Cbを閉塞するバルブユニット110と、バルブ固定部120と、誤離脱防止カバー130とを有するエアゾール製品100であって、バルブユニット110は容器口部Cnを押圧可能に構成された押圧部114を有し、容器口部Cnには係合部Csが形成され、バルブ固定部120は被係合部123を有し、押圧部114を押圧可能に構成され、被係合部123は、係合部Csと係合可能に構成され、誤離脱防止カバー130は、バルブ固定部120の周囲を覆う筒状部132と係止部133とを有し、係止部133が形成する最も小さい内接円の半径は、スカート壁122の下端の最外径よりも小さいこと。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器と、前記エアゾール容器の容器口部を閉塞するバルブユニットと、前記バルブユニットを前記容器口部に対して位置固定するバルブ固定部と、前記バルブ固定部の周囲を覆う誤離脱防止カバーとを有するエアゾール製品であって、
前記バルブユニットは、前記容器口部を押圧可能に構成された押圧部を有し、
前記容器口部の外周面には、係合部が形成され、
前記バルブ固定部は、外周縁から垂下するスカート壁と、前記スカート壁の内周面に設けられた被係合部とを有し、
前記バルブ固定部は、前記押圧部を押圧可能に構成され、
前記被係合部は、前記係合部と係合可能に構成され、
前記誤離脱防止カバーは、前記バルブ固定部の周囲を覆う筒状部と、前記筒状部の内周面に形成された係止部とを有し、
前記係止部が形成する最も小さい内接円の半径は、前記スカート壁の下端の最外径よりも小さいことを特徴とするエアゾール製品。
【請求項2】
前記係合部と前記被係合部とは、ネジ係合することを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項3】
前記バルブ固定部の外面には、ラチェットツメが設けられ、
前記誤離脱防止カバーの内面には、前記ラチェットツメとラチェット係合可能な係合突起が設けられ、
前記ラチェットツメと前記係合突起とは、少なくとも前記バルブ固定部が前記容器口部とのネジ係合を解除する方向への回動を阻止するようにラチェット係合することを特徴とする請求項2に記載のエアゾール製品。
【請求項4】
前記筒状部の上部には、前記筒状部の内周面から半径方向内方に形成された縮径部を有し、
前記縮径部には、前記縮径部の下面から下方に突出した接触突起を有することを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項5】
前記筒状部には、上下方向に連続する弱化部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項6】
前記筒状部のうち、前記係止部が形成されている箇所よりも上部には、周方向に連続する弱化部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項7】
前記バルブユニットと前記バルブ固定部とは、一体に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアゾール容器と、エアゾール容器の容器口部を閉塞するバルブユニットと、バルブユニットを容器口部に固定するバルブ固定部とを有するエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアゾール容器の容器口部を閉塞するように固定されたバルブユニットを有するエアゾール製品は、様々な態様が提案されており、バルブユニットの一部を変形加工して容器口部に直接抜け止め固定するものが一般的であるが、他の態様として、例えば特許文献1に記載のエアゾール製品(吐出容器10)が公知である。
【0003】
この特許文献1で公知のエアゾール製品(吐出容器10)は、エアゾール容器(容器本体)の容器口部(口部12)の上端にバルブユニット(固定蓋13、エアゾールバルブ14)のフランジ部22を載せるように配置して超音波溶着して位置固定し、さらにバルブユニット(固定蓋13、エアゾールバルブ14)を覆うように、吐出部材15の下部の装着部38に設けられた雌ネジ44と、容器口部(口部12)の外周に形成された雄ネジ20とを係合させて、バルブユニット(固定蓋13、エアゾールバルブ14)を容器口部(口部12)に固定するものであり、これによって、エアゾール容器(吐出容器10)内を密封することができ、また、吐出部材15を簡単にエアゾール容器(吐出容器10)から着脱可能に構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1で公知のエアゾール製品には、未だ改善の余地があった。
【0006】
すなわち、特許文献1で公知のエアゾール製品は、簡単に装着部を回転して雌ネジと雄ネジとの係合を解除できるため、バルブユニットと容器口部との溶着部を簡単に露出することができ、使用者が誤ってバルブユニットに触れて容器口部から離脱させるような操作をしてエアゾール製品を破損させたり、バルブユニットと容器口部との固定部が弱化してエアゾール容器内の内容物や噴射剤が漏れ出す虞があった。
また、例えば劣化等でバルブユニットの容器口部への超音波溶着が弱化した場合、エアゾール容器内に内容液を噴射するための圧力が残っている状態で使用者が吐出部材を取り外すと、内圧によってバルブユニットが勢いよく外れてしまう虞や、超音波溶着が不十分だった場合にバルブユニットと容器口部との隙間から内容液が漏出してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡単な構成で、バルブユニットと容器口部との固定部に使用者が不意に触れてしまうことがなく、バルブユニットが勢いよく外れることのないエアゾール製品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
エアゾール容器と、前記エアゾール容器の容器口部を閉塞するバルブユニットと、前記バルブユニットを前記容器口部に対して位置固定するバルブ固定部と、前記バルブ固定部の周囲を覆う誤離脱防止カバーとを有するエアゾール製品であって、前記バルブユニットは、前記容器口部を押圧可能に構成された押圧部を有し、前記容器口部の外周面には、係合部が形成され、前記バルブ固定部は、外周縁から垂下するスカート壁と、前記スカート壁の内周面に設けられた被係合部とを有し、前記バルブ固定部は、前記押圧部を押圧可能に構成され、前記被係合部は、前記係合部と係合可能に構成され、前記誤離脱防止カバーは、前記バルブ固定部の周囲を覆う筒状部と、前記筒状部の内周面に形成された係止部とを有し、前記係止部が形成する最も小さい内接円の半径は、前記スカート壁の下端の最外径よりも小さいことにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明のエアゾール製品によれば、バルブ固定部は、バルブユニットを容器口部に対して位置固定し、誤離脱防止カバーは、バルブ固定部の周囲を覆う筒状部と、筒状部の内周面に形成された係止部とを有しているため、誤離脱防止カバーによってバルブ固定部の周囲を使用者が直接触れることができず、使用者が誤ってバルブ固定部を容器口部から離脱することを防止でき、エアゾール容器内に噴射圧力が残った状態で不意のバルブの離脱を防止できる。
また、係止部が形成する最も小さい内接円の半径は、スカート壁の下端の最外径よりも小さいため、係止部がバルブ固定部の下端に引っ掛かって抜け止めとなり、誤離脱防止カバーが意図せず脱落することを防止できる。
【0010】
請求項2に記載の構成によれば、係合部と被係合部とは、ネジ係合しているため、バルブ固定部を容器口部に被せて回転させることのみで簡単にバルブ固定部越しにバルブユニットを容器口部に位置固定できる。
また、例えば、バルブユニットと容器口部との間にシール部材を挟んで密封する場合、シール部材の仕様変更に伴う圧縮量の調整を、係合部と被係合部との締め付け量によって簡単に調整することができる。
請求項3に記載の構成によれば、バルブ固定部の外面に設けられたラチェットツメと、誤離脱防止カバーの内面に設けられた係合突起とは、少なくともバルブ固定部が容器口部とのネジ係合を解除する方向への回動を阻止するようにラチェット係合するため、誤離脱防止カバーを回転させても、誤離脱防止カバー越しにバルブ固定部が容器口部から離脱する方向に共回りすることはなく、より確実に使用者がバルブ固定部を容器口部から離脱することを防止できる。
【0011】
請求項4に記載の構成によれば、筒状部の上部の縮径部の下面には、下方に突出した接触突起を有しているため、バルブ固定部の上面に縮径部を直接接触する場合に比べてバルブ固定部との接触面積が減ることで摩擦抵抗が減り、誤離脱防止カバーがバルブ固定部に対して空転しやすくなり、より一層バルブ固定部の誤離脱を防止することができる。
請求項5に記載の構成によれば、筒状部には、上下方向に連続する弱化部が設けられているため、弱化部を破断させて誤離脱防止カバーを取り去ることでバルブ固定部を使用者が直接操作できる。
これによって、例えばエアゾール製品内の内容物を噴射しきった後にバルブ固定部とエアゾール容器とを簡単に分別廃棄することができる。
【0012】
請求項6に記載の構成によれば、筒状部のうち、係止部が形成されている箇所よりも上部には、周方向に連続する弱化部が設けられているため、弱化部を破断させて誤離脱防止カバーの弱化部よりも上方側を取り去ることでバルブ固定部を使用者が直接操作できる。
これによって、例えばエアゾール製品内の内容物を噴射しきった後にバルブ固定部とエアゾール容器とを簡単に分別廃棄することができ、バルブ固定部を取り外せば、誤離脱防止カバーの弱化部よりも下部も分別廃棄することができる。
請求項7に記載の構成によれば、バルブユニットとバルブ固定部とは、一体に構成されているため、エアゾール製品製造時に取り扱う部品単位としての部品点数を削減でき、バルブユニットとバルブ固定部とが位置ズレせず、作業時の手間やコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の断面図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、バルブユニット110およびバルブ固定部120を組んだ中間体105の断面図。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、誤離脱防止カバー130の断面図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、組み立て工程1を示す断面図。
【
図5】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、組み立て工程2を示す断面図。
【
図6】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、薄肉弱化部135aを有した誤離脱防止カバー130の斜視図。
【
図7】本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100の、ミシン目弱化部135bを有した誤離脱防止カバー130の斜視図。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るエアゾール製品100の、バルブ固定部220の斜視図。
【
図9】本発明の他の実施形態に係るエアゾール製品100の、誤離脱防止カバー230の斜視図。
【
図10】本発明の他の実施形態に係るエアゾール製品100の、ラチェットツメ225と係合突起235との位置関係を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100について、図面に基づいて説明する。
【0015】
本発明の一実施形態に係るエアゾール製品100は、
図1乃至
図3に示すように、エアゾール容器Cbと、エアゾール容器Cbの容器口部Cnを閉塞するバルブユニット110と、バルブユニット110を容器口部Cnに対して位置固定するバルブ固定部120と、バルブ固定部120の周囲を覆う誤離脱防止カバー130と、噴射ボタンBとで構成されている。
【0016】
エアゾール容器Cbは、容器口部Cnの外周面に係合部である雄ネジCsが設けられている。
バルブユニット110には、ハウジング(図示しない)が装着されたバルブ本体部111と、バルブ本体部111の上方に突出するようにハウジング(図示しない)に接続されたステム112と、バルブ本体部111の下方にのびるようにハウジング(図示しない)に接続されたディップチューブ113と、バルブ本体部111の上部から半径方向外方に形成された押圧部114と、押圧部114の下部に配置されたリング状のシール部材115とが形成されている。
なお、シール部材115は、例えば、ゴム質の弾性部材や樹脂製のシート等を使用することができるが、材質はこれらに特に限定されることはなく、既知の素材を使用することができる。
【0017】
バルブ固定部120には、中央にステム112を挿通可能な孔が設けられた平板部121と、平板部121の外周縁から垂下したスカート壁122と、スカート壁122の内周面側に形成された被係合部である雌ネジ123と、平板部121の上面から上方にのびるように形成された環状部124とが形成されている。
なお、バルブユニット110とバルブ固定部120とは、所定の方法によって接続され中間体105として一体に構成されている。
これによって、エアゾール製品100の製造時に取り扱う部品単位としての部品点数を削減でき、バルブユニット110とバルブ固定部120とが位置ズレせず、作業時の手間やコストを削減できる。
【0018】
誤離脱防止カバー130には、中央に環状部124を挿通可能な孔が設けられた縮径部131と、縮径部131の外周縁から垂下する筒状部132と、筒状部132の内周面の下部から半径方向内方に複数突出形成された係止部133とが設けられている。
また、縮径部131の下面側には、下方に突出したリング状の接触突起131aが設けられている。
なお、係止部133は、複数の係止部133が形成する最も小さい内接円の半径が、スカート壁122の下端の最外径よりも小さくなるように形成されている。
【0019】
次に、本発明の一実施形態であるエアゾール製品100の、中間体105と誤離脱防止カバー130の容器口部Cnへの装着手順について、
図1、
図4、
図5に基づいて説明する。
【0020】
まず、中間体105を容器口部Cnの上方に配置し、雌ネジ123と雄ネジCsの始端を係合させて閉栓方向へ回転させると、
図4に示すように徐々に中間体105は容器口部Cn側へ下降し、やがてシール部材115が容器口部Cnの上端に接触する。
さらに中間体105を閉栓方向へ回転させると、押圧部114の下面と容器口部Cnの上端に挟まれたシール部材115が圧縮変形され、エアゾール容器Cbを密封することができる。
なお、シール部材115の仕様を変更した場合であっても、中間体105の閉栓方向への回転数を変えることで、簡単にシール部材115の圧縮変形量を調整してエアゾール容器Cbを適度に密封することができる。
なお、中間体105を開栓方向へ回転させると、簡単にエアゾール容器Cbを開封することもできる。
【0021】
次に、
図5に示すように、エアゾール容器Cbを密封した状態の中間体105の上方から、誤離脱防止カバー130を被せて押し込む。
誤離脱防止カバー130の筒状部132の内周面下部には、係止部133が形成されているため、係止部133をスカート壁122よりも下方に位置するように誤離脱防止カバー130を押し込むと、
図1に示すように、係止部133はスカート壁122の下端に潜り込むように位置して収まる。
【0022】
これによって、誤離脱防止カバー130を持ち上げてもバルブ固定部120に係止部133が干渉して抜け止めとなり離脱を防ぐため、使用者はバルブ固定部120の側面に触れて中間体105を操作することができない。
すなわち、使用者が誤ってバルブ固定部120を容器口部Cnから離脱することを防止でき、エアゾール製品100内に噴射圧力が残った状態で不意のバルブの離脱を防止できる。
【0023】
また、中間体105を覆う誤離脱防止カバー130の縮径部131は、平板部121の上面側に位置するため、誤離脱防止カバー130の上方からスカート壁122と筒状部132との間に棒やドライバー等の工具を差し込む等して無理矢理バルブ固定部120を開栓方向に回転させることを防止できる。
さらに、縮径部131の下面には下方に突出した接触突起131aを有しているため、バルブ固定部120の上面に縮径部131を直接接触する場合に比べてバルブ固定部120との接触面積が減ることで摩擦抵抗が減り、誤離脱防止カバー130がバルブ固定部120に対して空転しやすくなり、バルブ固定部120の誤離脱を防止することができる。
【0024】
噴射ボタンBをステム112に取り付けることで、エアゾール製品100の組み立ては完了する。
【0025】
なお、誤離脱防止カバー130は、
図6に示すように、縮径部131の外周縁に把持部134を設け、把持部134の近傍から筒状部132の下部まで薄肉に形成された弱化部135である薄肉弱化部135aを設けた形態とすることも可能である。
また、
図7に示すような、ミシン目状に形成された弱化部135であるミシン目弱化部135bを設けた形態としてもよい。
このように誤離脱防止カバー130を形成することで、把持部134を持って引張り弱化部135を破断させて誤離脱防止カバー130を簡単に取り去ることができ、バルブ固定部120を使用者が直接操作することができる。
また、内容物を使い切ったエアゾール製品100を簡単に分別廃棄することもできる。
【0026】
なお、弱化部を筒状部132の係止部133よりも上方の位置で、係止部133と平行にのびる周状に形成すれば、弱化部を破断して誤離脱防止カバー130の弱化部形成部よりも上方のみ取り去り、バルブ固定部120を使用者が簡単に直接操作することもできる。
また、周状に形成した弱化部よりも下方に把持部を設けてバンド状に形成し、係止部を取り去り可能に構成してもよい。
【0027】
また、バルブ固定部120と誤離脱防止カバー230の代わりに、
図8に示すようなバルブ固定部220と、
図9に示すような誤離脱防止カバー230を使用することもできる。
バルブ固定部220は、バルブ固定部120と同様の構成に加えて、環状部224の外周面にラチェットツメ225が形成されているものである。
誤離脱防止カバー230は、誤離脱防止カバー130と同様の構成に加えて、縮径部231の上面から上方に突出形成された筒状の上部筒部234と、上部筒部234の内周面側に突出形成された係合突起235とを有しているものである。
【0028】
なお、ラチェットツメ225と係合突起235とは、
図10に示すように係合し、誤離脱防止カバー230を回転した際にバルブ固定部220の開栓方向への共回りを阻止するラチェット機構として機能するものである。
これによって、誤離脱防止カバー230のみが回転し、バルブ固定部220は回転しないため、より確実に使用者がバルブ固定部220を容器口部Cnから離脱することを防止できる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0030】
なお、上述した実施形態では、筒状部の内周面下部には半径方向内方に突出形成した係止部が設けられているものとして説明したが、誤離脱防止カバーの構成はこれに限定されず、例えば、係止部が筒上部の内周面にリング状のアンダーカットとして形成されていてもよく、筒状部の下端にフック状の係止部を設けてもよい。
また、上述した実施形態では、バルブ固定部と容器口部とは、ネジ係合するものとして説明したが、バルブ固定部と容器口部との固定方法はこれに限定されず、例えば、バルブ固定部を容器口部に圧入嵌合してもよく、容器口部の下部に容器口部のよりも外径の小さい首部を設け、スカート壁の下部内周面に設けたツメを容器口部の下部に引っ掛けることでバルブ固定部を容器口部に固定してもよい。
【0031】
また、上述した実施形態では、バルブユニットとバルブ固定部とは別体に構成され、エアゾール製品製造時に中間体として一体に構成されているものとして説明したが、バルブユニットおよびバルブ固定部の構成はこれに限定されず、例えば、バルブユニットとバルブ固定部とを別体の構成として順番に容器口部に装着してもよく、押圧部の外周縁からスカート壁が垂下するように一体形成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、ラチェットツメと係合突起とは、誤離脱防止カバーを回転した際にバルブ固定部の開栓方向への共回りを阻止するラチェット機構として機能するものとして説明したが、ラチェット機構の機能はこれに限定されず、例えば、ラチェット機構が誤離脱防止カバーを回転した際に、バルブ固定部が開栓方向だけでなく閉栓方向への共回りも阻止するように機能してもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、縮径部の下面側には、下方に突出したリング状の接触突起が設けられているものとして説明したが、縮径部の構成はこれに限定されず、例えば、縮径部の下面側に複数の接触突起が点在するように形成されていてもよく、接触突起がなくてもよい。
【符号の説明】
【0033】
100 ・・・ エアゾール製品
105 ・・・ 中間体
110 ・・・ バルブユニット
111 ・・・ バルブ本体部
112 ・・・ ステム
113 ・・・ ディップチューブ
114 ・・・ 押圧部
115 ・・・ シール部材
120、220 ・・・ バルブ固定部
121 ・・・ 平板部
122、222 ・・・ スカート壁
123 ・・・ 雌ネジ(被係合部)
124、224 ・・・ 環状部
225 ・・・ ラチェットツメ
130、230 ・・・ 誤離脱防止カバー
131、231 ・・・ 縮径部
131a ・・・ 接触突起
132、232 ・・・ 筒状部
133 ・・・ 係止部
134 ・・・ 把持部
135 ・・・ 弱化部
135a ・・・ 薄肉弱化部
135b ・・・ ミシン目弱化部
234 ・・・ 上部筒部
235 ・・・ 係合突起
Cb ・・・ エアゾール容器
Cn ・・・ 容器口部
Cs ・・・ 雄ネジ(係合部)
B ・・・ 噴射ボタン