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特開2024-147195動態画像解析装置、プログラム及び動態画像解析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147195
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】動態画像解析装置、プログラム及び動態画像解析方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241008BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
A61B6/00 330A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060054
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 哲嗣
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA13
4C093AA26
4C093CA16
4C093CA18
4C093DA03
4C093FA35
4C093FD03
4C093FD11
4C093FF24
(57)【要約】
【課題】動態画像の解析用の解析パラメーターのうち、修正が必要な解析パラメーターをユーザーが容易に認識できるようにする。
【解決手段】解析用コンソールの制御部は、動態画像を取得し、取得した動態画像の解析に用いる一又は複数種類の解析パラメーターの修正の要否を判断する。例えば、制御部は、解析パラメーターの信頼度を算出し、算出した信頼度に基づいて、解析パラメーターの修正の要否を判断する。そして、修正が必要であると判断された解析パラメーターを通知する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置であって、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する判断部と、
前記判断部により修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する通知部と、
を備える動態画像解析装置。
【請求項2】
前記解析パラメーターの信頼度を算出する信頼度算出部を備え、
前記判断部は、算出された前記信頼度に基づいて、前記解析パラメーターの修正の要否を判断する、請求項1に記載の動態画像解析装置。
【請求項3】
前記判断部は、算出された前記信頼度が所定の閾値より小さい前記解析パラメーターの修正が必要であると判断する、請求項2に記載の動態画像解析装置。
【請求項4】
前記信頼度算出部は、前記解析パラメーターとは異なる方法で取得された前記解析パラメーターと同一種類の複数の解析パラメーターのうち、前記解析パラメーターと一致している解析パラメーターの数に基づいて、前記解析パラメーターの信頼度を算出する、請求項2に記載の動態画像解析装置。
【請求項5】
前記信頼度算出部は、前記解析パラメーターの候補となる複数の解析パラメーター候補を異なる複数の方法で取得し、取得した複数の前記解析パラメーター候補のそれぞれが他の前記解析パラメーター候補と一致している数に基づいて、前記解析パラメーター候補のそれぞれの信頼度を算出し、
算出された前記信頼度が最も高い前記解析パラメーター候補を前記解析パラメーターに決定する決定部を備える、請求項2に記載の動態画像解析装置。
【請求項6】
前記信頼度算出部は、前記解析パラメーター候補のうち、予め定められた適正範囲でない解析パラメーター候補を前記信頼度の算出対象から除外する、請求項5に記載の動態画像解析装置。
【請求項7】
前記通知部は、さらに、前記解析パラメーターの修正が必要な原因及び修正方法を通知する、請求項1に記載の動態画像解析装置。
【請求項8】
修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを修正するための修正情報をユーザーが入力するための修正入力部と、
前記修正入力部からの入力に基づいて、修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを修正する修正部と、を備え、
前記解析処理部は、前記修正された解析パラメーターを用いて前記動態画像を再解析し、再度解析結果画像を生成する、請求項1に記載の動態画像解析装置。
【請求項9】
修正された前記解析パラメーターの信頼度を算出する信頼度算出部を備え、
前記通知部は、修正された前記解析パラメーターの信頼度が所定の閾値より小さい場合、再撮影を促す通知を行う、請求項8に記載の動態画像解析装置。
【請求項10】
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置に用いられるコンピューターを、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する判断部、
前記判断部により修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する通知部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置における動態画像解析方法であって、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する工程と、
前記修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する工程と、
を含む動態画像解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動態画像解析装置、プログラム及び動態画像解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像が診断に用いられている。動態画像では、静止画像では捉えられなかった被写体の動態を捉えることができるため、動態画像解析装置において動態画像を解析することで、被写体の動き情報や機能情報を取得することができる。例えば、胸部の動態画像に血流解析や換気解析等の機能解析を行うことで、胸部の機能情報、例えば血流情報や換気情報を示す解析結果画像を診断に提供することが可能となる。
【0003】
解析結果画像を診断に提供するには、解析結果画像が診断に使用できる品質を有しているか否かを技師等のユーザーが判断する必要がある。しかし、この判断は熟練度を要する。そこで、例えば、特許文献1には、動態画像の解析結果から得られた動態解析に関連する特徴量が基準を満たしているか否かを判断することで解析結果が診断に使えるものであるか否かを判断し、判断結果を表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-103679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、解析結果が診断に使えるものであるか否かの判断結果を表示するだけである。そのため、解析結果が診断に使えないという判断結果の場合、ユーザーは再撮影をすることになる。しかしながら、再撮影をせずとも、解析に使用される解析パラメーターの修正で、診断に適した解析結果画像を得ることが可能な場合もある。しかし、どの解析パラメーターを修正したらよいのかをユーザーが認識することは難しい。
【0006】
本発明の課題は、動態画像の解析用の解析パラメーターのうち、修正が必要な解析パラメーターをユーザーが容易に認識できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の動態画像解析装置は、
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置であって、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する判断部と、
前記判断部により修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する通知部と、
を備える。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置に用いられるコンピューターを、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する判断部、
前記判断部により修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する通知部、
として機能させる。
【0009】
また、本発明の動態画像解析方法は、
被写体の動態を放射線撮影することにより得られた動態画像を取得する取得部と、
一又は複数種類の解析パラメーターを用いて前記動態画像を解析し、解析結果画像を生成する解析処理部と、
を備える動態画像解析装置における動態画像解析方法であって、
前記解析パラメーターの修正の要否を判断する工程と、
前記修正が必要であると判断された前記解析パラメーターを通知する工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動態画像の解析用の解析パラメーターのうち、修正が必要な解析パラメーターをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態における動態解析システムの全体構成を示す図である。
図2】解析処理の種類が血流解析である場合の解析パラメーターテーブルの一例を示す図である。
図3】解析処理の種類が換気解析である場合の解析パラメーターテーブルの一例を示す図である。
図4】解析処理の種類が血流解析である場合の原因特定テーブルの一例を示す図である。
図5図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態において図1の解析用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Aを示すフローチャートである。
図7】動態画像上に設定された心臓ROI、素抜けROI、大動脈弓ROI、大動脈起始部ROI、心臓径を示す図である。
図8】心臓ROI内の平均濃度の時間変化を表すグラフ上における解析区間及び基準フレーム画像を示す図である。
図9】心臓径、心臓面積、大動脈弓ROI内の平均濃度、大動脈起始部ROI内の平均濃度、を示すグラフ上における解析区間及び基準フレーム画像を示す図である。である。
図10】解析パラメーター修正通知画面の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態において図1の解析用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Bを示すフローチャートである。
図12図11のステップS49において表示される信頼度通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0013】
<第1の実施形態>
〔動態解析システム100の構成〕
まず、本実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における動態解析システム100の全体構成例を示す。
図1に示すように、動態解析システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、解析用コンソール3と、がLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態解析システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
【0014】
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ胸部の動態を放射線撮影する撮影手段である。動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
ここで、動態撮影には動画撮影が含まれるが、動画を表示しながら静止画を撮影するものは含まれない。動態画像には、動画像が含まれるが、動画像を表示しながら静止画像を撮影して得られた画像は含まれない。
以下の実施形態では、パルス照射により胸部正面の動態撮影を行う場合について説明する。
【0015】
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
【0016】
放射線検出部13は、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
【0017】
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
【0018】
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
【0019】
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御する。また、撮影用コンソール2は、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
【0020】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
【0021】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図5に示す撮影制御処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、検査対象部位及び撮影方向に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0022】
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えている。操作部23は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良い。この場合、操作部23は、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
【0023】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成される。表示部24は、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
【0024】
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
【0025】
〔解析用コンソール3の構成〕
解析用コンソール3は、撮影用コンソール2から胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像を解析することにより解析結果画像を生成する動態画像解析装置である。解析用コンソール3は、通信ネットワークNTを介して図示しないPACS(Picture Archiving and Communication System)の画像サーバとデータ送受信が可能である。
【0026】
解析用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0027】
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する動態解析処理A(図6参照)を始めとする各種処理を実行する。制御部31は、本発明の取得部、解析処理部、判断部、通知部、信頼度算出部、決定部、修正入力部、修正部として機能する。
【0028】
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で動態解析処理Aを実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0029】
本実施形態において、記憶部32には、動態画像に対して実施可能な解析処理の種類ごとの解析パラメーターテーブルが記憶されている。図2は、解析処理の種類が血流解析である場合の解析パラメーターテーブル321の一例を示す図である。図3は、解析処理の種類が換気解析である場合の解析パラメーターテーブル322の一例を示す図である。図2図3に示すように、解析パラメーターテーブルには、解析処理で使用される解析パラメーター(解析パラメーターの種類)と、解析処理において当該解析パラメーターを使用する処理ステップと、当該解析パラメーターの取得方法と、が対応付けて記憶されている。
なお、本実施形態では、解析処理で複数種類の解析パラメーターが用いられる場合を例にとり説明するが、解析処理で用いられる解析パラメーターは一種類であってもよい。
【0030】
また、記憶部32には、解析処理の種類ごとの原因特定テーブルが記憶されている。図4は、解析処理の種類が血流解析である場合の原因特定テーブル323の一例を示す図である。図4に示すように、原因特定テーブルには、解析処理で使用される解析パラメーター(解析パラメーターの種類)と、当該解析パラメーターが異常であると判断される条件(異常条件)と、異常の原因及び修正方法と、が対応付けて記憶されている。
【0031】
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備える。操作部33は、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良い。この場合、操作部33は、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0032】
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成される。表示部33は、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。
【0033】
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された、撮影用コンソール2やPACS等の外部機器との間のデータ送受信を制御する。
【0034】
〔動態解析システム100の動作〕
次に、本実施形態における上記動態解析システム100の動作について説明する。
【0035】
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図5に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0036】
まず、制御部21は、撮影実施者の操作部23の操作による、被検者(被写体M)の患者情報、検査情報の入力を受け付ける(ステップS1)。
患者情報には、患者ID、氏名、年齢、性別、身長、体重等の情報が含まれる。検査情報には、検査ID、検査対象部位(ここでは、胸部)、解析の種類(例えば、血流解析、換気解析等)が含まれる。
【0037】
次いで、制御部21は、入力された患者情報及び検査情報に基づいて、放射線照射条件を記憶部22から読み出して放射線照射制御装置12に設定するとともに、画像読取条件を記憶部22から読み出して読取制御装置14に設定する(ステップS2)。
【0038】
次いで、制御部21は、操作部23の操作による放射線照射の指示を待機する(ステップS3)。ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
【0039】
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、制御部21は、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示を出力し、動態撮影を開始させる(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線を照射させ、放射線検出部13によりフレーム画像を取得させる。動態撮影中、撮影実施者は、検査情報に含まれる解析の種類に基づいて、例えば「息を吸って」「息を吐いて」「息を止めて」等の呼吸誘導を行う。例えば、換気解析の場合、「息を吸って」「息を吐いて」等の呼吸誘導を行い、呼吸状態での撮影を行う。血流解析の場合、呼吸による構造物の動きはノイズとなるため、「息を止めて」等の、息止めの誘導を行い、息止め状態での撮影を行う。なお、撮影装置1が音声出力部や表示部を備え、撮影開始指示が出力されると、「息を吸って」「息を吐いて」「息を止めて」等の呼吸誘導の音声や表示を行うこととしてもよい。
【0040】
操作部23により放射線照射終了指示が入力されると、制御部21は、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示を出力し、撮影動作を停止させる。
【0041】
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力される。制御部21は、入力されたフレーム画像に撮影順を示す番号(フレーム番号)を対応付けて記憶部22に記憶させるとともに(ステップS5)、表示部24に表示させる(ステップS6)。撮影実施者は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
【0042】
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、制御部21は、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報を付帯させ、通信部25を介して解析用コンソール3に送信する(ステップS8)。そして、撮影制御処理を終了する。
一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、制御部21は、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像を削除し(ステップS9)、撮影制御処理を終了する。この場合、再撮影が必要となる。
【0043】
(解析用コンソール3の動作)
次に、解析用コンソール3における動作について説明する。
解析用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から胸部の動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により、図6に示す動態解析処理Aが実行される。以下、図6を参照して動態解析処理Aについて説明する。
【0044】
まず、制御部31は、通信部35により受信された動態画像を取得する(ステップS11)。
【0045】
次いで、制御部31は、実施する解析処理(解析処理の種類)を選択する(ステップS12)。
例えば、制御部31は、動態画像に付帯されている検査情報に含まれる解析の種類(例えば、血流解析、換気解析等)の情報に基づいて、解析処理を選択する。
【0046】
次いで、制御部31は、受信された動態画像に基づいて、選択された解析処理で使用される複数種類の解析パラメーターのそれぞれを、複数の取得方法で取得し、解析パラメーター候補とする(ステップS13)。
例えば、制御部31は、選択された解析処理に対応する解析パラメーターテーブルを記憶部32から読み出して、読み出した解析パラメーターテーブルで指定されている、選択された解析処理で使用される複数種類の解析パラメーターのそれぞれを、読み出した解析パラメーターテーブルで指定されている複数の取得方法で取得する。
【0047】
例えば、選択された解析処理が血流解析である場合、制御部31は、図2に示すように、解析区間、パネルノイズ、心拍周波数、基準フレーム画像、解析領域、の5種類の解析パラメーターのそれぞれを、動態画像に基づいて図2に示す複数の取得方法で取得し、複数の解析パラメーター候補を取得する。
【0048】
例えば、制御部31は、選択された解析処理が血流解析である場合、解析区間を以下の(A1)~(A3)の方法により取得する。
(A1)全フレームをそのまま使用
受信した動態画像の全てのフレーム画像を解析区間として取得する。
(A2)心臓ROI内の平均濃度グラフの振幅が小さい区間を取得
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から心臓領域を抽出し、図7に示すように、抽出した心臓領域に心臓ROI51を設定する。次いで、図8に示すように、心臓ROI51内の画素の信号値の平均値(平均濃度)の時間変化を示す波形(平均濃度グラフ)を生成する。そして、生成した波形の振幅が予め定められた範囲内の区間を解析区間として取得する。
(A3)1心拍又は複数心拍分の区間を取得
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から心臓領域を抽出し、図7に示すように、抽出した心臓領域に心臓ROI51を設定する。次いで、図8に示すように、心臓ROI51内の画素の信号値の平均値(平均濃度)の時間変化を示す波形(平均濃度グラフ)を生成する。心臓領域には、心拍に応じて血液が吐入したり吐出したりする。これにより心臓領域の濃度は低下したり増大したりする。すなわち、心臓領域の濃度の時間変化を示す波形は、心拍の波形を表す。そして、生成した波形の予め定められた所定周期分(1又は複数周期分)の区間に相当するフレーム画像を解析区間として取得する。
なお、(A2)、(A3)においては、心臓ROI51の平均濃度グラフの代わりに、図7に示す大動脈弓ROI53の平均濃度グラフ、大動脈起始部ROI54の平均濃度グラフ、心臓径55の時間変化の波形(心臓径グラフ)、心臓面積の時間変化の波形(心臓面積グラフ)等を用いることとしてもよい。
【0049】
例えば、制御部31は、選択された解析処理が血流解析である場合、パネルノイズを以下の(B1)の方法により取得する。
(B1)まず、取得した動態画像の各フレーム画像から複数の素抜け領域を抽出し、図7に示すように、抽出した素抜け領域のそれぞれに素抜けROI52を設定する。素抜け領域は、放射線検出部13の直接放射線が照射された領域に対応する画像領域(被写体が写っていない領域)である。素抜け領域は、画素値が他の領域に比べて非常に高いため、例えば、信号値が所定の閾値以上の高濃度領域を素抜け領域として認識することができる。次いで、素抜けROI52ごとに、フレーム画像ごとの画素の信号値の平均値(平均濃度)のばらつきを算出する。すなわち、素抜けROI52ごとに、素抜けROI52内の平均濃度のフレーム画像ごとのばらつきを算出する。このばらつきは、例えば、全フレーム画像から算出された平均濃度の中央値(又は平均値)と各フレーム画像から算出された平均濃度の中央値(又は平均値)を差分することにより求めることができる。そして、算出されたばらつきをパネルノイズとして取得する。
【0050】
例えば、制御部31は、選択された解析処理が血流解析である場合、心拍周波数を以下の(C1)~(C5)の方法により取得する。
(C1)心臓ROIの平均濃度グラフから計算した周波数
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から心臓領域を抽出し、図7に示すように、抽出した心臓領域に心臓ROI51を設定する。次いで、図8に示すように、心臓ROI51内の画素の信号値の平均値(平均濃度)の時間変化を示す波形(平均濃度グラフ)を生成する。次いで、生成した波形をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。そして、心拍数が例えば35~220BPMに収まるとした場合、0.58~3.67Hzの中から最大強度を持つ周波数(代表周波数)を探索し、心拍周波数とする。
(C2)大動脈弓ROI内の平均濃度グラフから計算した周波数
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から大動脈弓の領域を抽出し、図7に示すように、抽出した領域に大動脈弓ROI53を設定する。次いで、図9に示すように、大動脈弓ROI53内の画素値の平均値(平均濃度)の時間変化を示す波形(平均濃度グラフ)を生成する。次いで、生成した波形をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。そして、心拍数が例えば35~220BPMに収まるとした場合、0.58~3.67Hzの中から最大強度を持つ周波数(代表周波数)を探索し、心拍周波数とする。
(C3)大動脈起始部ROI内の平均濃度グラフから計算した周波数
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から大動脈起始部の領域を抽出し、図7に示すように、抽出した領域に大動脈起始部ROI54を設定する。次いで、図9に示すように、大動脈起始部ROI54内の画素値の平均値(平均濃度)の時間変化を示す波形(平均濃度グラフ)を生成する。次いで、生成した波形をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。そして、心拍数が例えば35~220BPMに収まるとした場合、0.58~3.67Hzの中から最大強度を持つ周波数(代表周波数)を探索し、心拍周波数とする。
ここで、大動脈弓や大動脈起始部は、心拍による血流に応じて濃度が変化する領域である。
(C4)心臓径グラフから計算した周波数
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から心臓領域を抽出し、図7に示すように、抽出した心臓領域の径(幅)の最大値を心臓径55として取得する。次いで、図9に示すように、心臓径55の時間変化を示す波形(心臓径グラフ)を生成する。次いで、生成した波形をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。そして、心拍数が例えば35~220BPMに収まるとした場合、0.58~3.67Hzの中から最大強度を持つ周波数(代表周波数)を探索し、心拍周波数とする。
(C5)心臓面積グラフから計算した周波数
まず、取得した動態画像の各フレーム画像から心臓領域を抽出し、図7に示すように、抽出した心臓領域の面積を算出する。次いで、図9に示すように、心臓面積の時間変化を示す波形(心臓面積グラフ)を生成する。次いで、生成した波形をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。そして、心拍数が例えば35~220BPMに収まるとした場合、0.58~3.67Hzの中から最大強度を持つ周波数(代表周波数)を探索し、心拍周波数とする。
【0051】
例えば、制御部31は、選択された解析処理が血流解析である場合、基準フレーム画像を以下の(D1)~(D5)の方法により取得する。
(D1)心臓ROI51内の平均濃度の時間変化を示す波形の極小点に相当するフレーム画像(フレーム番号)を基準フレーム画像として取得する。
(D2)大動脈起始部ROI54内の平均濃度の時間変化を示す波形の極大点に相当するフレーム画像(フレーム番号)を基準フレーム画像として取得する。
(D3)大動脈弓ROI53内の平均濃度の時間変化を示す波形の極大点に相当するフレーム画像(フレーム番号)を基準フレーム画像として取得する。
(D4)心臓径55内の平均濃度の時間変化を示す波形の極大点に相当するフレーム画像(フレーム番号)を基準フレーム画像として取得する。
(D5)心臓領域の面積の時間変化を示す波形の極大点に相当するフレーム画像(フレーム番号)を基準フレーム画像として取得する。
【0052】
例えば、制御部31は、選択された解析処理が血流解析である場合、解析領域を以下の(E1)~(E3)の方法により取得する。
(E1)濃度コントラストに基づいて各フレーム画像から肺野領域を検出し、肺野面積が最小となるフレーム画像又は心拡張期のフレーム画像の肺野領域を解析領域として取得する。
(E2)Deep Leaningにより各フレーム画像から肺野領域を検出し、肺野面積が最小となるフレーム画像又は心拡張期のフレーム画像の肺野領域を解析領域として取得する。
(E3)濃度コントラストに基づいて又はDeep Leaningにより各フレーム画像から肺野領域を検出し、全フレーム画像の肺野領域のAND領域(重なっている領域)を解析領域として取得する。
【0053】
選択された解析処理が換気解析の場合、制御部31は、図3に示す解析パラメーターテーブル322に基づいて、複数種類の解析パラメーターのそれぞれの複数の解析パラメーター候補を取得する。
【0054】
次いで、制御部31は、解析パラメーター候補が適正範囲であるか否かを評価し、適正範囲ではない解析パラメーター候補を信頼度の算出対象から除外する(ステップS14)。
ここで、記憶部32には、解析の種類ごとに、各解析パラメーターの適正範囲が予め記憶されている。例えば、選択された解析処理が血流解析である場合、解析区間、パネルノイズ、心拍周波数、基準フレーム画像、解析領域のそれぞれの適正範囲は、以下の範囲とすることができる。
解析区間:処理に必要な最小フレーム数=6秒以上のフレーム画像区間
パネルノイズ:素抜けROIの平均濃度の各フレーム画像のばらつきが1%以内
心拍周波数:0.58~3.67Hz(35~220BPM)
基準フレーム画像:フレーム番号が1~最大フレーム数の範囲
解析領域:領域サイズが画像サイズの1/4~3/4
【0055】
次いで、制御部31は、解析パラメーター(解析パラメーターの種類)ごとに、複数の解析パラメーター候補のそれぞれが他の解析パラメーター候補と一致(値が一致)している数に基づいて、各解析パラメーター候補の信頼度を算出する(ステップS15)。
各解析パラメーター候補の信頼度は、各解析パラメーターが信頼できる度合いを示す値である。
ここで、差分が解析パラメーター(解析パラメーターの種類)ごとに予め定められた範囲内となる解析パラメーター候補同士は一致しているとみなされる。
【0056】
信頼度(%)は、例えば、以下の(式1)により算出することができる。
信頼度=(信頼度算出対象の解析パラメーター候補と一致している他の解析パラメーター候補の数+1)÷(解析パラメーター候補全体の数) …(式1)
ここで、パネルノイズについては、信頼度を算出する際に用いる解析パラメーター候補として、フレーム画像ごとに算出されたばらつきのうちの最大値を用いる。
なお、解析パラメーター候補全体の数には、ステップS14で除外された解析パラメーターの数を含めてもよい。
すなわち、一致している他の解析パラメーター候補の数が多い解析パラメーター候補ほど、信頼度は高くなる。
【0057】
ここで、ステップS15における信頼度の算出手法について、心拍周波数の解析パラメーター候補の信頼度算出を例にとり説明する。なお、説明を簡単にするため、心拍周波数の解析パラメーター候補が以下の解析パラメーター候補1~解析パラメーター候補3であることとして説明する。
解析パラメーター候補1:心臓ROI51内の平均濃度グラフの代表周波数=1.5Hz
解析パラメーター候補2:大動脈弓ROI53内の平均濃度グラフの代表周波数=1.0Hz
解析パラメーター候補3:心臓径55の時間変化グラフの代表周波数=1.0Hz
【0058】
解析パラメーター候補1~解析パラメーター候補3を比較すると、解析パラメーター候補2と解析パラメーター候補3は一致しているが、解析パラメーター候補1は他のパラメーター候補と一致していない。よって、(式1)より、解析パラメーター候補1~解析パラメーター候補3のそれぞれの信頼度は、下記のとおりとなる。
解析パラメーター候補1の信頼度=1/3=33.3(%)
解析パラメーター候補2の信頼度=2/3=66.7(%)
解析パラメーター候補3の信頼度=2/3=66.7(%)
【0059】
なお、解析パラメーター候補の取得方法に予め優先度を設定しておき、優先度に基づいて解析パラメーター候補に重み付けを行って信頼度を算出することとしてもよい。
例えば、上記の解析パラメーター候補1の重み係数を1.5、解析パラメーター候補2の重み係数を1.2、解析パラメーター候補3の重み係数を0.9とすると、各解析パラメーター候補の信頼度は、下記のようにして算出することができる。
解析パラメーター候補1の信頼度=1×1.5/(1×1.5+1×1.2+1×0.9)=41.7(%)
解析パラメーター候補2の信頼度=(1×1.2+1×0.9)/(1×1.5+1×1.2+1×0.9)=58.3(%)
解析パラメーター候補3の信頼度=(1×1.2+1×0.9)/(1×1.5+1×1.2+1×0.9)=58.3(%)
【0060】
次いで、制御部31は、算出した信頼度に基づいて、解析処理に使用する解析パラメーターを決定する(ステップS16)。
制御部31は、解析処理に使用する解析パラメーターの種類ごとに、算出した信頼度が最も高い解析パラメーター候補を、使用する解析パラメーターとして決定する。例えば、上記の心拍周波数の例では、解析パラメーター候補2と3の値である1.0Hzを心拍周波数の解析パラメーターとして決定する。決定した解析パラメーターを表示部34に表示してユーザーが確認できるようにしてもよい。
【0061】
なお、一致していない解析パラメーター候補同士の信頼度が等しい場合は、上述の解析パラメーター候補の取得方法の優先度に基づいて、採用する解析パラメーターを決定する。あるいは、解析パラメーター候補を表示部34に表示してユーザーに選択させることとしてもよい。
【0062】
次いで、制御部31は、決定された解析パラメーターを用いて、ステップS12で選択された解析処理を実行し、解析結果画像を生成する(ステップS17)。
例えば、選択された解析処理が血流解析である場合、制御部31は、まず、受信された動態画像から、決定された解析区間のフレーム画像を取得する。次いで、制御部31は、各フレーム画像に対し、決定されたパネルノイズの値に基づいて、ノイズ補正処理を施す。例えば、素抜けROI52の平均濃度の各フレーム画像のばらつきを各フレーム画像の信号値に減算または加算し、全フレーム画像の中央値(又は平均値)に近い値に補正する。次いで、制御部31は、決定された解析領域を各フレーム画像に解析領域として設定し、設定された解析領域を所定サイズ(例えば、10mm×10mm)のブロック領域に分割し、ブロック領域内の各画素の信号値(濃度値)をブロック領域内の信号値の代表値(例えば、平均値)に置き換えて平滑化する。次いで、制御部31は、解析領域内に、決定された心拍周波数をカットオフ周波数としてハイパスフィルター処理を施して血流成分を抽出する。次いで、制御部31は、各フレーム画像について、解析領域のブロック領域ごとに、決定された基準フレーム画像の対応するブロック領域との信号値の差分値(基準フレーム差分値)を算出する。対応するブロック領域とは、画像内における位置が同じブロック領域である。そして、制御部31は、各フレーム画像の各ブロック領域に、フレーム間差分値に応じた色を付加して、各ブロック領域の血流量を表す解析結果画像を生成する。
【0063】
また、例えば、選択された解析処理が換気解析である場合、制御部31は、まず、受信された動態画像から、決定された解析区間のフレーム画像を取得する。次いで、制御部31は、各フレーム画像に対し、決定されたパネルノイズの値に基づいて、ノイズ補正処理を施す。例えば、素抜けROI52の平均濃度の各フレーム画像のばらつきを各フレーム画像の信号値に減算または加算し、全フレーム画像の中央値(又は平均値)に近い値に補正する。次いで、制御部31は、決定された解析領域を各フレーム画像に解析領域として設定し、設定された解析領域を所定サイズ(例えば、10mm×10mm)のブロック領域に分割し、ブロック領域内の各画素の信号値(濃度値)をブロック領域内の信号値の代表値(例えば、平均値)に置き換えて平滑化する。次いで、制御部31は、解析領域内に、決定された呼吸周波数をカットオフ周波数としてローパスフィルター処理を施して換気成分を抽出する。次いで、制御部31は、各フレーム画像について、解析領域のブロック領域ごとに、決定された基準フレーム画像の対応するブロック領域との信号値の差分値(基準フレーム差分値)を算出する。そして、制御部31は、各フレーム画像の各ブロック領域に、フレーム間差分値に応じた色を付加して、各ブロック領域の換気量を表す解析結果画像を生成する。
【0064】
次いで、制御部31は、解析に用いられた各解析パラメーターの信頼度を表示部34に表示させる(ステップS18)。
【0065】
次いで、制御部31は、解析処理に使用した各解析パラメーターの信頼度が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS19)。
解析処理に使用した各解析パラメーターの信頼度が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS19;YES)、制御部31は、解析パラメーターの修正は不要であると判断し、受信された動態画像及び解析結果画像を記憶部32に保存し(ステップS20)、動態解析処理Aを終了する。
【0066】
一方、信頼度が所定の閾値未満の解析パラメーターが存在すると判断した場合(ステップS19;NO)、制御部31は、解析パラメーターの修正が必要であると判断し、信頼度が所定の閾値未満の解析パラメーターのそれぞれについて、修正が必要な原因(信頼度が低い原因)及び修正方法を特定する処理を行う(ステップS21)。
例えば、制御部31は、記憶部32に記憶されている原因特定テーブル(図4参照)を参照し、信頼度が所定の閾値未満の解析パラメーターが原因特定テーブルの異常条件に該当するか否かを判断する。異常条件に該当すると判断した場合、制御部31は、その異常条件に対応付けられている原因及び修正方法を、修正が必要な原因及び修正方法として特定する。
【0067】
次いで、制御部31は、解析パラメーター修正通知画面341を表示部34に表示させる(ステップS22)。解析パラメーター修正通知画面341は、修正が必要な解析パラメーターを通知し、ユーザーによる解析パラメーターの修正を受け付ける画面である。
【0068】
図10は、解析パラメーター修正通知画面341の一例を示す図である。図10は、一例として、心拍周波数の修正を通知する画面を示している。図10に示すように、解析パラメーター修正通知画面341には、患者情報341a、撮影日341b、修正入力欄341c、解析結果画像341d、通知情報341e、等が表示されている。
【0069】
修正入力欄341cは、解析パラメーターを修正するための修正情報をユーザーが入力するための欄である。修正入力欄341cには、撮影画像(動態画像)と、解析パラメーターを修正するための修正情報をユーザーが入力するためのユーザーインターフェース(UI)とが表示される。
例えば、図10に示すように、修正入力欄341cには、撮影画像(動態画像)上に、解析パラメーターを取得するために用いられた画像情報が強調表示されている。解析パラメーターを取得するために用いられた画像情報とは、例えば、ROI、心臓径などの計測位置、心臓領域の輪郭線や特徴点などの計測領域等である。図10においては、心臓ROI51が丸で囲んで強調表示された場合が示されている。修正入力欄341cにおいて撮影画像上に強調表示されたROI、輪郭、特徴点等は、ユーザーによる操作部33による操作により移動や拡大/縮小等の修正が可能である。なお、例えば解析区間のように、撮影画像上で修正しづらい解析パラメーターの場合は、撮影画像とは別にUIが表示されることとしてもよい。例えば、解析区間の修正が必要な場合は、図8図9に示すようなグラフが表示され、ユーザーが操作部33によりグラフ上から解析区間の始点及び終点を設定可能としてもよい。また、解析パラメーターの取得方法の選択肢を表示し、解析パラメーターの取得方法をユーザー操作に応じて修正可能としてもよい。
【0070】
解析結果画像341dは、ステップS17の解析処理によって生成された解析結果画像である。なお、解析結果画像341dは、動画再生可能に表示してもよいし、解析結果画像のうちのいずれか一つのフレーム画像を表示してもよい。
【0071】
通知情報341eは、解析パラメーターの修正が必要であることを通知する情報である。通知情報341eは、例えば、修正対象の解析パラメーターの種類、解析パラメーターの取得結果(値)、信頼度、信頼度が低い原因及び修正方法等を含む。
また、通知情報341eの近傍には、修正不要ボタン341fと、修正完了ボタン341gと、再撮影ボタン341hと、が表示されている。
修正不要ボタン341fは、修正が不要であることを入力するためのボタンである。修正完了ボタン341gは、修正入力欄341cから解析パラメーターの取得に用いた情報の修正が完了したことを入力するためのボタンである。再撮影ボタン341hは、再撮影を行うことを入力するためのボタンである。
【0072】
ユーザーは、解析パラメーター修正通知画面341に表示されている通知情報341eを確認することで、修正が必要な解析パラメーターを容易に認識することが可能となる。また、修正が必要な原因や修正方法を確認して、どのように修正したら解析パラメーターの信頼度が向上するのかを容易に把握することができる。
【0073】
次いで、制御部31は、修正完了ボタン341gが押下されたか否かを判断する(ステップS23)。
修正完了ボタン341gが押下されたと判断した場合(ステップS23;YES)、制御部31は、修正入力欄341cから入力された修正情報に基づいて、修正対象の解析パラメーターを再取得(修正)する(ステップS24)。
ステップS24においては、修正入力欄341cから解析パラメーターの取得方法の修正が入力されていない場合、制御部31は、ステップS16で決定された解析パラメーターと同様の取得方法で、修正内容を加味して、修正対象の解析パラメーターを再取得する。例えば、心臓ROIの位置が修正された場合には、修正後の心臓ROIを用いて、ステップS16で決定された解析パラメーターと同様の取得方法で、修正対象の解析パラメーターを再取得(修正)する。一方、解析パラメーターの取得方法の修正がユーザーにより入力されている場合は、修正後の取得方法で修正対象の解析パラメーターを再取得(修正)する。
【0074】
次いで、制御部31は、修正対象となった解析パラメーターについては再取得された解析パラメーターを用いて、その他の解析パラメーターについてはステップS16で決定された解析パラメーターを用いて、受信された動態画像に対してステップS12で選択された解析処理を再度実行(再解析)する(ステップS25)。
そして、受信された動態画像及び再解析によって生成された解析結果画像を記憶部32に保存し(ステップS26)、動態解析処理Aを終了する。
【0075】
一方、修正完了ボタン341gが押下されていないと判断した場合(ステップS23;NO)、制御部31は、修正不要ボタン341fが押下されたか否かを判断する(ステップS27)。
修正不要ボタン341fが押下されたと判断した場合(ステップS27;YES)、制御部31は、ステップS20に移行して、受信された動態画像及びステップS17で生成された解析結果画像を記憶部32に保存し(ステップS20)、動態解析処理Aを終了する。
【0076】
修正不要ボタン341fが押下されていないと判断した場合(ステップS27;NO)、制御部31は、再撮影ボタン341hが押下されたか否かを判断する(ステップS28)。
再撮影ボタン341hが押下されていないと判断した場合(ステップS28;NO)、制御部31は、ステップS23に戻る。
再撮影ボタン341hが押下されたと判断した場合(ステップS28;YES)、制御部31は、動態解析処理Aを終了する。
ユーザーは、撮影装置1にて被写体Mの再撮影を行う。再撮影された動態画像は、撮影用コンソール2を介して解析用コンソール3に送信され、再撮影された動態画像に対して動態解析処理Aが実行される。
【0077】
制御部31は、記憶部32に記憶された動態画像及び解析結果画像を、例えば通信部35を介して、通信ネットワークNTに接続された図示しないPACSに送信する。これにより、動態画像及び解析結果画像は、医師による診断に供される。
【0078】
以上のように、解析用コンソール3の制御部31は、取得した動態画像の解析に用いる一又は複数種類の解析パラメーターの修正の要否を判断し、修正が必要であると判断された解析パラメーターを解析パラメーター修正通知画面341に表示して通知する。したがって、動態画像の解析用の解析パラメーターのうち、修正が必要な解析パラメーターをユーザーが容易に認識することが可能となる。また、解析パラメーター修正通知画面341には、解析パラメーターの修正が必要な原因及び修正方法が通知されるので、ユーザーが解析パラメーターの修正が必要な原因及び修正方法を容易に特定して修正し、修正後の解析パラメーターを用いて再解析された解析結果画像を得ることが可能となる。
【0079】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、修正された解析パラメーターの信頼度を算出し、修正された解析パラメーターの信頼度が所定の閾値より小さい場合、再撮影を促す通知を行う例について説明する。
【0080】
第2の実施形態において、記憶部32には、制御部31が後述する動態解析処理B(図11参照)を実行するためのプログラムが記憶されている。その他の動態解析システム100は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
【0081】
動態解析処理Bにおいて、まず、制御部31は、ステップS31~S42の処理を実行する。ステップS31~S42の処理は、図6のステップS11~S22の処理と同様であるので説明を援用する。なお、第2の実施形態では、解析パラメーター修正通知画面341には解析パラメーターの取得方法を修正するための選択肢は表示されない。
【0082】
次いで、ステップS43において、制御部31は、修正完了ボタン341gが押下されたか否かを判断する(ステップS43)。
修正完了ボタン341gが押下されたと判断した場合(ステップS43;YES)、制御部31は、修正入力欄341cから入力された修正情報に基づいて、修正対象の解析パラメーターの解析パラメーター候補を再取得する(ステップS44)。
ステップS44において、制御部31は、図6のステップS13と同様に、記憶部32に記憶されている解析パラメーターテーブルに基づいて、複数の異なる取得方法により、修正対象の解析パラメーターの複数の解析パラメーター候補を取得する。
【0083】
次いで、制御部31は、再取得された複数の解析パラメーター候補のそれぞれについて、適正範囲の評価、解析パラメーター候補の信頼度の算出を行って、複数の解析パラメーター候補の中から解析パラメーターを決定する(ステップS45~S47)。ステップS45~S47の処理は、図6のステップS14~S16で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0084】
次いで、制御部31は、修正対象となった解析パラメーターについては再決定された解析パラメーターを用いて、その他の解析パラメーターについてはステップS36で決定された解析パラメーターを用いて、受信された動態画像に対してステップS32で選択された解析処理を再度実行(再解析)する(ステップS48)。
【0085】
次いで、制御部31は、修正された解析パラメーターの信頼度を表示部34に表示させる(ステップS49)。
図12は、ステップS49において表示される信頼度通知画面342の一例を示す図である。図12に示すように、信頼度通知画面342には、例えば、修正された解析パラメーターの種類、取得結果(値)、修正前の信頼度、修正後の信頼度が表示される。
【0086】
次いで、制御部31は、修正された信頼度が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS50)。
修正された信頼度が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS50;YES)、制御部31は、受信された動態画像及び再解析によって生成された解析結果画像を記憶部32に保存し(ステップS51)、動態解析処理Bを終了する。
【0087】
修正された信頼度が所定の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS50;NO)、制御部31は、再撮影を促す通知を表示部34に表示させ(ステップS52)、動態解析処理Bを終了する。
例えば、制御部31は、信頼度通知画面342に再撮影を促す通知を追加表示させる。
【0088】
一方、ステップS43において、修正完了ボタン341gが押下されていないと判断した場合(ステップS43;NO)、制御部31は、修正不要ボタン341fが押下されたか否かを判断する(ステップS53)。
修正不要ボタン341fが押下されたと判断した場合(ステップS53;YES)、制御部31は、ステップS40に移行して、受信された動態画像及びステップS37で生成された解析結果画像を記憶部32に保存し(ステップS40)、動態解析処理Bを終了する。
【0089】
修正不要ボタン341fが押下されていないと判断した場合(ステップS53;NO)、制御部31は、再撮影ボタン341hが押下されたか否かを判断する(ステップS54)。
再撮影ボタン341hが押下されていないと判断した場合(ステップS54;NO)、制御部31は、ステップS43に戻る。
再撮影ボタン341hが押下されたと判断した場合(ステップS54;YES)、制御部31は、動態解析処理Bを終了する。
ユーザーは、撮影装置1にて被写体Mの再撮影を行う。再撮影された動態画像は、撮影用コンソール2を介して解析用コンソール3に送信され、再撮影された動態画像に対して動態解析処理Bが実行される。
【0090】
制御部31は、記憶部32に記憶された動態画像及び解析結果画像を、例えば通信部35を介して、通信ネットワークNTに接続された図示しないPACSに送信する。これにより、動態画像及び解析結果画像は、医師による診断に供される。
【0091】
第2の実施形態によれば、制御部31は、修正された解析パラメーターの信頼度を算出し、修正された解析パラメーターの信頼度が所定の閾値より小さい場合、再撮影を促す通知を行う。したがって、解析パラメーターを修正しても信頼度が低い場合は、再撮影を促すことができる。
【0092】
以上説明したように、解析用コンソール3の制御部31は、取得した動態画像の解析に用いる一又は複数種類の解析パラメーターの修正の要否を判断し、修正が必要であると判断された解析パラメーターを通知する。
したがって、動態画像の解析用の解析パラメーターのうち、修正が必要な解析パラメーターをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0093】
例えば、制御部31は、解析パラメーターの信頼度を算出し、算出された信頼度に基づいて、解析パラメーターの修正の要否を判断する。例えば、算出された信頼度が所定の閾値より小さい解析パラメーターの修正が必要であると判断する。
したがって、信頼度が低い解析パラメーターの修正をユーザーに促すことができる。
【0094】
また、制御部31は、解析パラメーターの候補となる複数の解析パラメーター候補を異なる複数の方法で取得し、取得した複数の解析パラメーター候補のそれぞれが他の解析パラメーター候補と一致している数に基づいて、解析パラメーター候補のそれぞれの信頼度を算出し、算出された信頼度が最も高い解析パラメーター候補を解析パラメーターに決定する。
したがって、複数の解析パラメーター候補のうち、信頼度が最も高い解析パラメーター候補を解析パラメーターとして解析を実施することができる。
【0095】
また、制御部31は、解析パラメーター候補のうち、予め定められた適正範囲でない解析パラメーター候補を信頼度の算出対象から除外する。
したがって、適正範囲にない解析パラメーター候補が解析パラメーターに決定されることを回避することができる。
【0096】
また、制御部31は、解析パラメーターの修正が必要な原因及び修正方法を通知する。したがって、解析パラメーターをどのように修正したらよいかをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0097】
また、制御部31は、修正が必要であると判断された解析パラメーターを修正するための修正情報をユーザーが入力するための解析パラメーター修正通知画面341を表示部34に表示し、解析パラメーター修正通知画面341からの入力に基づいて、修正が必要であると判断された解析パラメーターを修正する。そして、修正された解析パラメーターを用いて動態画像を再解析し、再度解析結果画像を生成する。
したがって、修正された解析パラメーターを用いた解析結果画像を提供することが可能となる。
【0098】
また、制御部31は、修正された解析パラメーターの信頼度を算出し、修正された解析パラメーターの信頼度が所定の閾値より小さい場合、再撮影を促す通知を行う。
したがって、解析パラメーターを修正しても信頼度が低い場合は、再撮影を促すことができる。
【0099】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、解析パラメーターを異なる複数の方法で算出した解析パラメーター候補の中から最も信頼度が高い解析パラメーター候補を解析に用いる解析パラメーターとして決定することとしたが、これに限定されない。例えば、解析パラメーターは、予め定められた優先度に基づいて、または設定に基づいて決定されることとしてもよい。そして、制御部31は、決定された解析パラメーターと同一種類の解析パラメーターであって、決定された解析パラメーターとは異なる方法で取得された複数の解析パラメーターのうち、決定された解析パラメーターと一致(値が一致)している解析パラメーターの数に基づいて、決定された解析パラメーターの信頼度を算出することとしてもよい。例えば、(式2)により、決定された解析パラメーターの信頼度を算出することとしてもよい。
信頼度=(決定された解析パラメーターと同一種類であって異なる方法で取得された複数の解析パラメーターのうち、決定された解析パラメーターと一致している解析パラメーターの数+1)÷(決定された解析パラメーターと同一種類の解析パラメーターの数+1) …(式2)
ここで、差分が解析パラメーター(解析パラメーターの種類)ごとに予め定められた範囲内となる解析パラメーター候補同士は一致しているとみなされる。
【0100】
また、解析パラメーター又は解析パラメーター候補の適正範囲及び閾値は、被検者の情報、例えば、身長や体重等の情報に基づいて調整できるようにしてもよい。
【0101】
また、解析パラメーター修正通知画面341において、解析パラメーターの取得に使用した画像情報の周辺に、当該解析パラメーターの信頼度を表示することとしてもよい。
また、解析パラメーターの信頼度が低い場合、解析パラメーターの信頼度が低い旨を文章で通知することとしてもよい。
また、解析パラメーターの信頼度が所定の閾値よりも低い解析結果画像をPACSに送信する際、又は保存する際に、表示部34又はPACSの表示部に注意メッセージを表示することとしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、解析パラメーターの信頼度に基づいて、解析パラメーターの修正の要否を判断することとしたが、解析パラメーターの修正の要否を判断は、信頼度にもるものに限定されない。また、信頼度の算出手法も上述したものに限定されない。
【0103】
また、上記実施形態では、本発明を胸部の動態画像から解析結果画像を生成する際に用いる解析パラメーターに適用した場合を例にとり説明したが、他の部位の動態画像から解析結果画像を生成する際に用いる解析パラメーターに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態で説明した解析処理や解析パラメーターの種類は一例であり、上述したものに限定されない。
【0104】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0105】
その他、動態解析システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0106】
100 動態解析システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 解析用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス
図1
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