(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147239
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】1ビットデジタル-アナログ変換器、信号処理装置、送信機、および変換方法
(51)【国際特許分類】
H03M 3/02 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
H03M3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060131
(22)【出願日】2023-04-03
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前畠 貴
【テーマコード(参考)】
5J064
【Fターム(参考)】
5J064BA03
5J064BB14
5J064BC07
5J064BC11
5J064BC16
(57)【要約】
【課題】遷移期間の波形部分の歪による影響が生じない信号を生成することができる技術を提供する。
【解決手段】1ビットデジタル-アナログ変換器12は、1ビットのデジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を出力するクロックデータリカバリ回路20と、再生クロック信号に基づくアナログパルス列が与えられるスイッチ28と、を備え、スイッチ28は、リカバリ信号によって断続制御され、リカバリ信号に応じてアナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ビットのデジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を出力するクロックデータリカバリ回路と、
前記再生クロック信号に基づくアナログパルス列が与えられるスイッチと、を備え、
前記スイッチは、前記リカバリ信号によって断続制御され、前記リカバリ信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する
1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項2】
前記アナログパルス列は、時間軸に沿って交互に並ぶ、前記再生クロック信号から得られる複数のパルスと、所定の時間間隔を有する複数の無信号期間と、を含む
請求項1に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項3】
前記再生クロック信号に基づいて前記アナログパルス列を生成するパルス生成器をさらに備える
請求項2に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項4】
前記パルス生成器は、前記再生クロック信号のうちの一部のみを増幅するように設定された動作点を有する増幅回路を含む
請求項3に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項5】
前記リカバリ信号における一定レベル期間内に前記パルスが配置されるように前記再生クロック信号の位相または前記アナログパルス列の位相を調整する位相器をさらに備える
請求項2に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項6】
前記再生クロック信号に含まれる高調波成分を前記再生クロック信号から除去するバンドパスフィルタをさらに備える
請求項1に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項7】
前記1ビットのデジタル入力信号は、ΔΣ変調器によって変調された量子化信号である
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器。
【請求項8】
ΔΣ変調器と、
前記ΔΣ変調器が出力する量子化信号が1ビットのデジタル入力信号として与えられる請求項1に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器と、を備える
信号処理装置。
【請求項9】
RF信号をΔΣ変調するΔΣ変調器と、
前記ΔΣ変調器が出力する量子化信号が1ビットのデジタル入力信号として与えられる請求項1に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器と、
前記アナログパルス信号を無線送信する送信部と、を備える
送信機。
【請求項10】
1ビットのデジタル入力信号を変換する変換方法であって、
前記デジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を生成するステップと、
前記再生クロック信号に基づいてアナログパルス列を生成するステップと、
前記リカバリ信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を生成するステップと、を含む
変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1ビットデジタル-アナログ変換器、信号処理装置、送信機、および変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RF信号を送信する送信機が開示されている。この送信機は、ΔΣ変調器を備えている。
ΔΣ変調器が生成する量子化信号は、所定の周波数(ターゲット周波数)においてRF信号をアナログ信号成分として含む。
特許文献1は、ΔΣ変調後のパルス信号の波形において、立ち上がり波形部分および立ち下がり波形部分が非対象となるように波形が歪むと、信号成分としてパルス信号に含まれるRF信号の品質を低下させること、を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ΔΣ変調器の後段には1ビットデジタル-アナログ変換器が設けられる。1ビットデジタル-アナログ変換器は、ΔΣ変調器が生成するデジタル信号である量子化信号を2つの電圧レベル(2状態)のパルス信号として出力する。
よって、1ビットデジタル-アナログ変換器は、ΔΣ変調の信号波形に生じる上述の歪(立ち下がり波形部分と立ち下がり波形部分との非対象性)を助長している可能性がある他、1ビットデジタル-アナログ変換器自身が上述の歪を生じさせている可能性がある。
このため、立ち下がり波形部分および立ち下がり波形部分といった遷移期間の波形部分の歪による影響が生じない信号を生成することができる1ビットデジタル-アナログ変換器が望まれる。
【0005】
なお、1ビットデジタル-アナログ変換器が出力する信号波形の遷移期間に生じる歪は、ΔΣ変調器の量子化信号以外の他のデジタル信号を変換する際においても、そのデジタル信号の特性に影響を与えることが考えられる。よって、上記課題は、ΔΣ変調器の量子化信号以外のデジタル信号を変換する1ビットデジタル-アナログ変換器が有する課題でもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態である1ビットデジタル-アナログ変換器は、1ビットのデジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を出力するクロックデータリカバリ回路と、前記再生クロック信号に基づくアナログパルス列が与えられるスイッチと、を備える。前記スイッチは、前記リカバリ信号によって断続制御され、前記リカバリ信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、遷移期間の波形部分の歪による影響が生じない信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、送信機の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、ΔΣ変調器が出力する量子化信号の周波数スペクトラムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る1ビットデジタル-アナログ変換器の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、1bitDACにおける各部の出力の信号波形の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、パルス生成器が含むC級増幅回路のゲート-ソース間電圧Vgと、ドレイン電流Idと、の関係を示す図である。
【
図6】
図6は、リカバリ信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
【
図7】
図7は、アナログパルス信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
【
図8】
図8は、理想波形信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
[実施形態の概要]
(1)実施形態である1ビットデジタル-アナログ変換器は、1ビットのデジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を出力するクロックデータリカバリ回路と、前記再生クロック信号に基づくアナログパルス列が与えられるスイッチと、を備える。前記スイッチは、前記リカバリ信号によって断続制御され、前記リカバリ信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する。
【0010】
上記構成によれば、アナログパルス信号は、再生クロック信号に基づくアナログパルス列を断続することで生成される。
よって、アナログパルス信号は、デジタル入力信号およびリカバリ信号の遷移期間(立ち下がり波形部分および立ち下がり波形部分の期間)に関係なく生成される。
このため、デジタル入力信号およびリカバリ信号の遷移期間の波形部分に歪が存在していたとしても、アナログパルス信号は、デジタル入力信号およびリカバリ信号が有する歪を引き継ぐことがない。
この結果、遷移期間における波形部分の歪による影響が生じない信号としてアナログパルス信号を生成することができる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器において、前記アナログパルス列は、時間軸に沿って交互に並ぶ、前記再生クロック信号から得られる複数のパルスと、所定の時間間隔を有する複数の無信号期間と、を含んでいてもよい。
この場合、無信号期間でアナログパルス列が断続されるようにスイッチを制御することができる。よって、スイッチの断続に伴う過渡成分が生じるのを抑制でき、スイッチの断続による歪の発生を抑制することができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)の1ビットデジタル-アナログ変換器において、前記再生クロック信号に基づいて前記アナログパルス列を生成するパルス生成器をさらに備えていてもよい。
(4)さらに(3)の前記パルス生成器は、前記再生クロック信号のうちの一部のみを増幅するように設定された動作点を有する増幅回路を含むものであってもよい。
この場合、パルス生成器は、再生クロック信号のうちの一部を増幅する期間において、再生クロック信号のうちの一部を出力する。一方、再生クロック信号のうちの一部を増幅する期間以外の期間は、無信号期間となる。よって、増幅回路を用いることで、交互に並ぶ、複数のパルスと、複数の無信号期間と、を含むアナログパルス信号を得ることができる。
【0013】
(5)上記(2)の1ビットデジタル-アナログ変換器において、前記リカバリ信号における一定レベル期間内に前記パルスが配置されるように前記再生クロック信号の位相または前記アナログパルス列の位相を調整する位相器をさらに備えることがある。
この場合、リカバリ信号において時間軸に沿って並ぶ遷移期間同士の間にパルスを配置させることができる。
【0014】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの1ビットデジタル-アナログ変換器において、前記再生クロック信号に含まれる高調波成分を前記再生クロック信号から除去するバンドパスフィルタをさらに備えていてもよい。
この場合、高調波成分を除いた再生クロック信号が得られる。つまり、主として基本波成分を含む再生クロック信号が得られる。これにより、再生クロック信号に含まれる歪成分を抑制することができる。
【0015】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの1ビットデジタル-アナログ変換器において、前記1ビットのデジタル入力信号は、ΔΣ変調器によって変調された量子化信号であってもよい。
この場合、ΔΣ変調器による量子化信号を、遷移期間における波形部分に生じる歪による影響を受けないアナログ信号に変換することができる。
【0016】
(8)また、他の観点から見た実施形態である信号処理装置は、ΔΣ変調器と、前記ΔΣ変調器が出力する量子化信号が1ビットのデジタル入力信号として与えられる上記(1)の1ビットデジタル-アナログ変換器と、を備える。
【0017】
(9)また、他の観点から見た実施形態である送信機は、RF信号をΔΣ変調するΔΣ変調器と、前記ΔΣ変調器が出力する量子化信号が1ビットのデジタル入力信号として与えられる上記(1)に記載の1ビットデジタル-アナログ変換器と、前記アナログパルス信号を無線送信する送信部と、を備える。
【0018】
(10)また、他の観点から見た実施形態である変換方法は、1ビットのデジタル入力信号を変換する変換方法である。この変換方法は、前記デジタル入力信号に基づいて再生クロック信号およびリカバリ信号を生成するステップと、前記再生クロック信号に基づいてアナログパルス列を生成するステップと、前記リカバリ信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を生成するステップと、を含む。
【0019】
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔送信機の構成〕
図1は、送信機の一例を示すブロック図である。この送信機1は、例えば、第5世代移動体通信システムの基地局や移動端末において用いられる送信機である。
図1中、送信機1は、デジタル信号処理部2と、送信部3と、アンテナ4とを備えている。
【0020】
デジタル信号処理部2には、デジタルの送信信号であるベースバンド信号I,Qが与えられる。デジタル信号処理部2は、ベースバンド信号I,Qに対して信号処理を行い、信号処理によって得られた2値レベルのパルス信号であるアナログパルス信号を送信部3へ与える。
送信部3は、デジタル信号処理部2からのアナログパルス信号を増幅し、アナログパルス信号に含まれるRF(Radio Frequency)信号をアンテナ4へ与える。
アンテナ4は、送信部3から与えられたRF信号を無線波として空間に放射する。
送信機1が送信するRF信号は、例えば、第4世代移動体通信システムにおいて用いられる周波数帯域の信号の他、第5世代移動体通信システムにおいて用いられる周波数帯域の信号を含む。
【0021】
デジタル信号処理部2は、直交変調部6と、周波数変換部8と、ΔΣ変調器10と、1ビットデジタル-アナログ変換器12とを備える。
【0022】
直交変調部6は、デジタル信号処理によって、ベースバンド信号I,Qに対して一次変調としての直交変調を行う機能を有する。
直交変調部6は、ベースバンド信号I,Qに対して直交変調を行い、デジタル信号であるIF(Intermediate Frequency)信号を出力する。
IF信号は、
図1に示すように、マルチ(多値)レベルの離散時間信号である。IF信号に含まれる各離散値は中間周波数の変調信号を表す。つまり、IF信号は、離散時間信号によって表された中間周波数の変調信号である。IF信号は、周波数変換部8へ与えられる。
【0023】
周波数変換部8は、デジタル信号処理によって、IF信号に対して周波数変換を行う機能を有する。また、周波数変換部8は、デジタル信号処理によって、IF信号をアップサンプリングする機能を有する。
周波数変換部8は、IF信号を中間周波数から無線周波数へ周波数変換(アップコンバート)する。
周波数変換部8によるアップサンプリングは、無線周波数に応じたサンプリング周波数となるように行われる。
周波数変換部8は、IF信号に対して、アップコンバートを行うとともにアップサンプリングを行い、デジタル信号であるRF信号を出力する。
周波数変換部8が出力するRF信号は、
図1に示すように、マルチ(多値)レベルの離散時間信号である。RF信号に含まれる各離散値は無線周波数の変調信号を表す。RF信号は、離散時間信号によって表された無線周波数の変調信号である。RF信号は、ΔΣ変調器10へ与えられる。
【0024】
ΔΣ変調器(BP-DSM)10は、デジタル信号処理によって、RF信号に対して二次変調としてのΔΣ変調を行う機能を有する。本実施形態のΔΣ変調器10は、バンドパス型のΔΣ変調器である。
ΔΣ変調器10は、RF信号に対してΔΣ変調を行い、デジタル信号である量子化信号を出力する。
量子化信号は、
図1に示すように、2値レベルの離散時間信号である。量子化信号は、RF信号を周波数成分として含んでいる。
【0025】
図2は、ΔΣ変調器10が出力する量子化信号の周波数スペクトラムの一例を示す図である。
図2に示すように、量子化信号の周波数スペクトラムは、量子化雑音阻止帯域を有する。量子化雑音阻止帯域は、量子化信号に含まれる量子化雑音が阻止される帯域である。
【0026】
量子化雑音阻止帯域は、ΔΣ変調器10が有するループフィルタ(図示省略)の通過帯域によって定まる。ΔΣ変調器10は、前記ループフィルタの通過帯域に対応する周波数帯域に量子化雑音阻止帯域を有する。
ループフィルタの通過帯域は、RF信号の周波数帯域を含む帯域に設定されている。
よって、
図2に示すよう、RF信号は、量子化雑音阻止帯域に表れている。つまり、量子化信号は、量子化雑音阻止帯域内にRF信号を周波数成分として含む。
このように、ΔΣ変調器10は、RF信号を含む量子化信号を生成する。
【0027】
図1に示すように、ΔΣ変調器10が生成した量子化信号は、1ビットデジタル-アナログ変換器(1bitDAC)12へ与えられる。
1ビットデジタル-アナログ変換器12は、1ビットのデジタル信号である量子化信号を、アナログパルス信号に変換する機能を有する。
量子化信号に基づいて変換されたアナログパルス信号は、2値レベルのパルス信号である。よって、アナログパルス信号も、量子化信号と同様、RF信号を周波数成分として含んでいる。アナログパルス信号は、送信部3へ与えられる。
なお、1ビットデジタル-アナログ変換器12については、後に詳述する。
【0028】
本実施形態の直交変調部6、周波数変換部8、ΔΣ変調器10、および1ビットデジタル-アナログ変換器12の一部は、CPUや記憶部等の含んだコンピュータによって構成することもできる。この場合、コンピュータは、前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラム等を読み出して実行することによって上記各部6、8、10、および12が有する各機能部を実現することができる。
また、本実施形態の上記各部6、8、10、および12は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体集積回路によって構成することができる。
【0029】
送信部3は、電力増幅器14と、バンドパスフィルタ(BPF)16とを備える。
電力増幅器14は、1ビットデジタル-アナログ変換器12から与えられるアナログパルス信号を増幅する。
電力増幅器14により増幅されたアナログパルス信号は、バンドパスフィルタ16へ与えられる。
【0030】
バンドパスフィルタ16は、RF信号を通過させる通過帯域を持つ。
アナログパルス信号がバンドパスフィルタ16に与えられると、バンドパスフィルタ16は、RF信号を出力する。つまり、バンドパスフィルタ16は、2値レベルのパルス信号であるアナログパルス信号からRF信号の帯域外の周波数成分(雑音成分等)を除去する。
バンドパスフィルタ16から出力されたRF信号は、アンテナ4へ与えられ、無線波として空間に放射される。
【0031】
〔1ビットデジタル-アナログ変換器の構成〕
図3は、実施形態に係る1ビットデジタル-アナログ変換器12の構成を示すブロック図である。
1ビットデジタル-アナログ変換器12(以下、1bitDAC12ともいう)は、入力端子18と、CDR(クロックアンドデータリカバリ回路)20と、バンドパスフィルタ(BPF)22と、位相器24と、パルス生成器26と、スイッチ28と、出力端子30と、を備える。
入力端子18には、1ビットのデジタル入力信号が与えられる。本実施形態において、デジタル入力信号は、ΔΣ変調器10からの量子化信号である。また、1bitDAC12の出力端子30からは、アナログパルス信号が出力される。アナログパルス信号は、上述のように、2値レベルのパルス信号である。
【0032】
ΔΣ変調器10からの量子化信号は、まず、CDR20へ与えられる。
CDR20は、クロック再生回路20aと、データ再生回路20bと、を有する。
クロック再生回路20aは、量子化信号に基づいて量子化信号におけるクロック信号を抽出し再生する回路である。クロック再生回路20aは、量子化信号からクロック信号を抽出し再生した再生クロック信号を出力する。
再生クロック信号は、2値レベルの矩形波信号である。
【0033】
データ再生回路20bは、量子化信号および再生クロック信号に基づいて、リカバリ信号を出力する。データ再生回路20bは、サンプルホールド回路等を含んでおり、量子化信号を再生したリカバリ信号を出力する。リカバリ信号は、量子化信号と同様、RF信号を信号成分として含む。
リカバリ信号は、2値レベルの矩形波信号である。リカバリ信号は、Hiレベルの電圧値と、Loレベルの電圧値と、によって1ビットの量子化信号を表す。例えば、量子化信号の1データは、リカバリ信号のHiレベルの電圧値に対応する。また、量子化信号の0データは、リカバリ信号のLoレベルの電圧値に対応する。
データ再生回路20bは、量子化信号のデータに応じて電圧レベルを保持する機能を有していればよく、サンプルホールド回路以外に、インバータ回路や、フリップフロップ回路等を含んで構成することもできる。
【0034】
CDR20が生成した再生クロック信号は、BPF22に与えられる。
BPF22は、再生クロック信号に含まれる高調波成分を再生クロック信号から除去する機能を有する。再生クロック信号は、上述のように、矩形波信号であり、基本波成分の他、3倍波、5倍波といった高調波成分を含む。
BPF22を通過した再生クロック信号は、高調波成分が除去され、基本波成分を含む信号となる。つまり、BPF22を通過した再生クロック信号(BPF22の出力)は、基本波周波数の正弦波となる。
【0035】
BPF22を通過した再生クロック信号は、位相器24へ与えられる。位相器24は、再生クロック信号の位相を調整する機能を有する。位相器24による位相調整については後に説明する。
【0036】
位相器24の出力は、パルス生成器26へ与えられる。
パルス生成器26は、位相器24の出力(再生クロック信号)に基づいて、アナログパルス列を生成する。パルス生成器26は、C級増幅回路を含む。
アナログパルス列は、再生クロック信号から得られる複数のパルスを含む。アナログパルス列については、後に説明する。
【0037】
パルス生成器26が生成したアナログパルス列は、出力線路32に与えられる。出力線路32は、パルス生成器26と、出力端子30と、を接続する線路である。
スイッチ28は、出力線路32に設けられている。
スイッチ28は、出力線路32を接続状態(オン状態)、または、遮断状態(オフ状態)のいずれかの状態に維持する。スイッチ28は、リカバリ信号によって断続制御される。
例えば、リカバリ信号の電圧値がHiレベルである場合、スイッチ28は、出力線路32を接続状態で維持する。また、リカバリ信号の電圧値がHiレベルよりも低い電圧である場合、スイッチ28は、出力線路32を遮断状態で維持する。
よって、スイッチ28は、リカバリ信号に応じてアナログパルス列を断続した信号(アナログパルス信号)を出力する。
スイッチ28は、例えば、半導体スイッチ等を含む。
【0038】
図4は、1bitDAC12における各部の出力の信号波形の一例を示す図である。
図4中、最上段には、データ再生回路20bの出力であるリカバリ信号の信号波形が示されている。以降、上から順番に、BPF22の出力、位相器24の出力、パルス生成器26の出力(アナログパルス列)、およびスイッチ28の出力(アナログパルス信号)の信号波形が示されている。
図4中、横軸は時間であり、各段の図における横軸(時間)は互いに対応している。
図4では、再生クロック信号がBPF22に与えられてから、スイッチ28から出力されるまでの各部における信号の変化を示している。
【0039】
図4中、最上段のリカバリ信号において、HはHiレベルの電圧値、LはLoレベルの電圧値を示している。リカバリ信号は、遷移期間PTと、一定レベル期間PCと、を有する。
遷移期間PTと、一定レベル期間PCと、は、時間軸上に交互に並んでいる。
遷移期間PTは、パルス信号(矩形波信号)の波形のうちの立ち上がり波形部分または立ち下がり波形部分を含む期間である。立ち上がり波形部分は、LoレベルからHiレベルへ立ち上がる波形部分である。立ち下がり波形部分は、HiレベルからLoレベルへ立ち下がる波形部分である。
一定レベル期間PCは、パルス信号(矩形波信号)の波形において、HiレベルまたはLoレベルのうちのいずれかのレベルを示す電圧となっている期間である。なお、
図4では、一定レベル期間PC1、PC2、PC3と示している。一定レベル期間PC1、PC2、PC3を総括して一定レベル期間PCと呼ぶ。
【0040】
図4中、一定レベル期間PC1、PC3は、Hiレベルを示す電圧となっている期間である。一定レベル期間PC2は、Loレベルを示す電圧となっている期間である。
【0041】
図4に示すように、BPF22の出力(再生クロック信号)は、正弦波である。上述のように、BPF22を通過した再生クロック信号(BPF22の出力)は、基本波周波数の正弦波である。
BPF22の出力の位相は、BPF22を通過することで、BPF22を通過する前の信号の位相に対して遅延が生じることがある。このため、BPF22の出力の山部は、リカバリ信号の遷移期間PT付近に現れている。BPF22の出力の山部は、一定レベル期間PCに対してずれが生じている。
【0042】
図4に示すように、位相器24の出力も、正弦波である。
位相器24の出力の山部は、リカバリ信号の一定レベル期間PCのほぼ中央に位置しており、一定レベル期間PCに対してほぼ一致している。
このように、位相器24は、BPF22の出力の位相を調整し、BPF22の出力の位相と、リカバリ信号の位相と、を一致させる。
【0043】
この位相器24の出力は、パルス生成器26へ与えられる。
図4に示すように、パルス生成器26の出力(アナログパルス列)は、時間軸に沿って交互に並ぶ複数のパルスpと、複数の無信号期間PNと、を含む。
複数のパルスpは、位相器24の出力から得られる信号である。パルスpは、正弦波(位相器24の出力波形)の一部分の波形を有する。
複数の無信号期間PNは、出力される信号が無い期間である。
パルス生成器26は、上述のように、C級増幅回路を含む。パルス生成器26は、C級増幅回路を含むことで、上記アナログパルス列を出力する。
【0044】
図5は、パルス生成器26が含むC級増幅回路のゲート-ソース間電圧Vgと、ドレイン電流Idと、の関係を示す図である。
図5中、横軸はゲート-ソース間電圧Vgを示している。縦軸はドレイン電流Idを示している。線
図Lは、C級増幅回路の特性を示している。線
図Lは、
図5中、原点0から立ち上がっている。よって、
図5では、原点0がC級増幅回路のオン電圧である。
【0045】
図5中、線
図Sは、位相器24の出力を示している。パルス生成器26が含むC級増幅回路の動作点Pは、オン電圧(原点0)よりも低い電圧に設定されている。
この場合、パルス生成器26(C級増幅回路)は、
図5中、位相器24の出力のうちの破線Wで示す部分のみにおいて、位相器24の出力を増幅した信号を出力する。破線Wで示す部分で出力される信号は、位相器24の出力である正弦波の山部の波形を有する。
互いに並ぶ一対の破線Wの部分同士の間においては、位相器24の出力の電圧がオン電圧よりも低い。よって、パルス生成器26は、一対の破線Wの部分同士の間の期間においては、信号を出力しない。このため、一対の破線Wの部分同士の間は、無信号期間PNとなる。
【0046】
つまり、パルス生成器26の増幅回路は、位相器24の出力(再生クロック信号)のうちの一部のみを増幅するように設定された動作点Pを有する。
この場合、パルス生成器26は、位相器24の出力のうちの一部を増幅する期間において、位相器24の出力のうちの一部を出力する。一方、位相器24の出力のうちの一部を増幅する期間以外の期間は、無信号期間PNとなる。よって、C級増幅回路を用いることで、交互に並ぶ複数のパルスpと、複数の無信号期間PNと、を含むアナログパルス信号を得ることができる(
図4参照)。
【0047】
パルス生成器26が生成したアナログパルス列は、スイッチ28へ与えられる(
図3参照)。
上述したように、スイッチ28は、リカバリ信号の電圧値がHiレベルである場合、出力線路32を接続状態で維持する。また、リカバリ信号の電圧値がHiレベルよりも低い電圧である場合、スイッチ28は、出力線路32を遮断状態に維持する。
【0048】
図4中、一定レベル期間PC1の直前の遷移期間PTでは、スイッチ28は出力線路32を遮断状態で維持する。よって、スイッチ28は、遷移期間PTでは、信号の出力を行わない。
遷移期間PTを終えて一定レベル期間PC1に到達すると、リカバリ信号の電圧値はHiレベルとなる。よって、スイッチ28は、出力線路32を遮断状態から接続状態へ切り替え、出力線路32を接続状態で維持する。一定レベル期間PC1の間、スイッチ28は、パルス生成器26の出力を出力する。
【0049】
一定レベル期間PC1に到達した直後では、アナログパルス列は、無信号期間PNである。よって、スイッチ28は、信号等を出力しない。その後、無信号期間PNが終わると、スイッチ28は、
図4に示すように、パルスpを出力する。パルスpの期間が終わると、アナログパルス列は、再度、無信号期間PNとなる。よって、スイッチ28は、信号等を出力しない。
その後、一定レベル期間PC1の後の遷移期間PTに到達すると、リカバリ信号の電圧値はHiレベルよりも低くなる。よって、スイッチ28は、出力線路32を接続状態から遮断状態へ切り替え、出力線路32を遮断状態で維持する。
【0050】
遷移期間PTを終えて、一定レベル期間PC2に到達したとき、リカバリ信号の電圧値はLoレベルである。よって、スイッチ28は、引き続き、出力線路32を遮断状態で維持する。
一定レベル期間PC2の間、スイッチ28は、信号の出力を行わない。よって、一定レベル期間PC2では、パルスpは表れない。
【0051】
一定レベル期間PC2および遷移期間PTを終えて、一定レベル期間PC3に到達すると、リカバリ信号の電圧値はHiレベルとなる。よって、スイッチ28は、出力線路32を遮断状態から接続状態へ切り替え、出力線路32を接続状態で維持する。スイッチ28は、一定レベル期間PC1と同様、パルス生成器26の出力を出力する。
【0052】
以上のように、スイッチ28は、リカバリ信号に応じてアナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する。
アナログパルス信号は、リカバリ信号のHiレベルの期間においてパルスpを出力し、リカバリ信号のLoレベルの期間においては無信号である。
よって、アナログパルス信号は、量子化信号およびリカバリ信号と同様、RF信号を信号成分として含む。
アナログパルス信号は、後段の送信部3へ与えられ、アナログパルス信号に含まれるRF信号が無線波として放射される。
【0053】
ここで、デジタル入力信号およびリカバリ信号の遷移期間PTにおける波形部分は、立ち上がり波形部分および立ち下がり波形部分が非対象となるように波形が歪むことがある。
これに対して、上記構成によれば、アナログパルス信号は、再生クロック信号(位相器24の出力)に基づくアナログパルス列を断続することで生成される。
よって、アナログパルス信号は、デジタル入力信号およびリカバリ信号の遷移期間PTに関係なく生成される。
このため、デジタル入力信号およびリカバリ信号の遷移期間PTにおける波形部分に上述の波形歪が存在していたとしても、アナログパルス信号は、デジタル入力信号およびリカバリ信号が有する歪を引き継ぐことがない。
この結果、遷移期間PTにおける波形部分の歪による影響が生じない信号としてアナログパルス信号を生成することができる。
【0054】
また、本実施形態では、1bitDAC12に与えられるデジタル入力信号が、ΔΣ変調器10によって変調された量子化信号であるので、この量子化信号を、遷移期間PTにおける波形部分に生じる歪による影響を受けないアナログ信号に変換することができる。
【0055】
よって、このアナログパルス信号を送信部3へ与え、RF信号を無線波として放射する場合、RF信号には、上述の遷移期間PTにおける波形部分の歪による影響が与えられることはない。よって、RF信号の信号品質の向上が図られる。
【0056】
また、本実施形態では、アナログパルス列が、時間軸に沿って交互に並ぶ、複数のパルスpと、所定の時間間隔を有する複数の無信号期間PNと、を含んでいるので、無信号期間PNでアナログパルス列が断続されるようにスイッチ28を制御することができる。よって、スイッチの断続に伴う過渡成分が生じるのを抑制でき、スイッチ28の断続による歪の発生を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態の位相器24は、リカバリ信号における一定レベル期間PC内にパルスpが配置されるようにBPF22の出力の位相を調整する。
これにより、リカバリ信号において時間軸に沿って並ぶ遷移期間PT同士の間にパルスpを配置させることができる。
【0058】
また、本実施形態では再生クロック信号に含まれる高調波成分を、再生クロック信号から除去するBPF22を備えるので、高調波成分を除いた再生クロック信号が得られる。つまり、主として基本波成分を含む正弦波とされた再生クロック信号が得られる。これにより、再生クロック信号に含まれる歪成分を抑制することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、パルス生成器26がC級増幅回路を含む場合を例示したが、パルス生成器26に含まれる増幅回路は、位相器24の出力(再生クロック信号)のうちの一部のみを増幅するように設定された動作点Pを有していればよく、C級増幅回路に代えてB級増幅回路またはAB級増幅回路を用いることができる。
【0060】
また、本実施形態では、1bitDAC12が位相器24を有する場合を例示したが、リカバリ信号の遷移期間PT同士の間にパルスpが配置できれば、位相器24を省略した構成とすることができる。
また、本実施形態では、1bitDAC12がBPF22を有する場合を例示したが、例えば、パルス生成器26に含まれる増幅回路が基本周波数の帯域に制限された信号を出力する場合、BPF22を省略した構成とすることができる。
【0061】
また、本実施形態では、BPF22と、パルス生成器26と、の間に位相器24を設けた場合を例示したが、位相器24は、BPF22の後段に設けられていればよく、パルス生成器26と、スイッチ28と、の間に設けられていてもよい。
【0062】
なお、上記実施形態について、他の観点からみた場合、1ビットのデジタル入力信号(量子化信号)に同期した同期クロック信号が直接与えられる1ビットデジタル-アナログ変換器である場合がある。
この1ビットデジタル-アナログ変換器は、同期クロック信号に基づくアナログパルス列が与えられるスイッチを備える。
前記スイッチは、前記デジタル入力信号によって断続制御され、前記デジタル入力信号に応じて前記アナログパルス列を断続したアナログパルス信号を出力する。
つまり、同期クロック信号は、BPF22、位相器24、およびパルス生成器26を経てアナログパルス列に変換され、スイッチ28へ与えられる。
この構成によれば、CDR20(クロック再生回路20aや、データ再生回路20b)が不要となる。
【0063】
〔信号品質の評価〕
次に、上記実施形態の送信機1を用いてRF信号を送信したときの信号品質を評価した結果について説明する。
評価方法としては、ΔΣ変調器10に、中心周波数7GHz、帯域幅100MHzのRF信号を与えたときのリカバリ信号、アナログパルス信号、および理想波形信号をコンピュータシミュレーションにより求め、求めた信号のACLR(Adjacent Channel Leakage Ratio:隣接チャネル漏洩電力比)を比較した。
なお、リカバリ信号は、データ再生回路20bから出力される信号であり、従来技術では、このリカバリ信号が後段の送信部3へ与えられることがあった。
アナログパルス信号は、スイッチ28から出力される信号である。
理想波形信号は、1bitDAC12から出力されるアナログパルス信号の波形を理想的な矩形波の波形にしたときの信号である。
【0064】
図6は、リカバリ信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
図7は、アナログパルス信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
図8は、理想波形信号のアイパターンおよびパワースペクトラムを示す図である。
図6から
図8において、上段にアイパターンが示され、下段にパワースペクトラムが示されている。また、
図6から
図8におけるパワースペクトラムは、RF信号の周波数帯域近傍を拡大して示している。
【0065】
図6に示すように、リカバリ信号のアイパターンでは、ゼロクロス点が下方にオフセットし、さらに立ち上がり波形部分と立ち下がり波形部分とが非対象となっている。
また、リカバリ信号のパワースペクトラムより、RF信号のACLRが約25dBであることが判る。
【0066】
図7に示すように、アナログパルス信号のアイパターンでは、パルスp(
図4)を示す波形が表れているのみである。アナログパルス信号は、パルスp(
図4)と、無信号期間PNと、を含むアナログパルス列を断続した信号であるため、パルスpを示す波形のみが表れている。
また、アナログパルス信号のパワースペクトラムより、RF信号のACLRが約52dBであることが判る。
また、
図8によると、理想波形信号におけるRF信号のACLRも約52dBである。
このように、アナログパルス信号におけるRF信号のACLRは、理想波形信号におけるRF信号のACLRと同等であり、本実施形態の1bitDAC12によって、RF信号の信号品質が向上していることが判る。
【0067】
アイパターンを比較すると、アナログパルス信号は、リカバリ信号の遷移期間PTの波形部分に相当する部分を含んでおらず、遷移期間PTに関係なく生成されていることが明らかである。このため、アナログパルス信号は、遷移期間PTにおける波形部分の歪による影響が生じない信号となる。
また、アナログパルス信号におけるRF信号のACLRと、理想波形信号におけるACLRとが、ほぼ同じ値であることから、遷移期間PTにおける波形部分の歪による影響がRF信号に及んでいないことが判る。
【0068】
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
上記実施形態では、1bitDAC12に与えられる1ビットのデジタル入力信号がΔΣ変調器10からの量子化信号である場合を例示した。しかし、1bitDAC12は、1ビットのデジタル入力信号であれば、ΔΣ変調器以外のデバイスによる信号を入力信号として処理することができる。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1 送信機
2 デジタル信号処理部(信号処理装置)
3 送信部
4 アンテナ
6 直交変調部
8 周波数変換部
10 ΔΣ変調器
12 1ビットデジタル-アナログ変換器
14 電力増幅器
16 バンドパスフィルタ
18 入力端子
20 クロックアンドデータリカバリ回路(CDR)
20a クロック再生回路
20b データ再生回路
22 BPF
24 位相器
26 パルス生成器
28 スイッチ
30 出力端子
32 出力線路