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特開2024-147240同軸コネクタ及び同軸コネクタユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147240
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】同軸コネクタ及び同軸コネクタユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/38 20110101AFI20241008BHJP
【FI】
H01R24/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060134
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】大熊 健允
(72)【発明者】
【氏名】金村 佳佑
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB21
5E223AB31
5E223AB41
5E223AB60
5E223BA12
5E223BA15
5E223BA17
5E223BB12
5E223CA13
5E223CC09
5E223CD01
5E223EC02
5E223GA08
5E223GA11
5E223GA75
(57)【要約】
【課題】外導体端子同士を円滑に接続できるようにすることを目的とする。
【解決手段】同軸コネクタ10は、相手側同軸端子130が接続される同軸端子30を備える同軸コネクタであって、内導体端子32と、内導体端子を囲む筒状外導体端子36とを有する同軸端子と、同軸端子を保持する端子保持部42を有する樹脂ハウジング40と、を備え、同軸端子は、端子保持部によって保持される保持対象部30Rと、端子保持部から突出して相手側同軸端子と接続される接続端部30Fとを有し、樹脂ハウジングは、端子保持部から接続端部を囲むように延出して、接続端部の姿勢を規制する規制筒部60を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸端子に相手側同軸端子が接続される同軸コネクタであって、
内導体端子と、前記内導体端子を囲む筒状外導体端子と、を有する前記同軸端子と
前記同軸端子を保持する端子保持部を有する樹脂ハウジングと、
を備え、
前記同軸端子は、前記端子保持部によって保持される保持対象部と、前記端子保持部から突出して前記相手側同軸端子と接続される接続端部と、を有し、
前記樹脂ハウジングは、前記端子保持部から前記接続端部を囲むように延出して、前記接続端部の姿勢を規制する規制筒部を有する、同軸コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸コネクタであって、
前記規制筒部は、前記接続端部の先端よりも先端側に位置する先端縁部を有し、
前記先端縁部は、前記筒状外導体端子内に向うテーパ状の案内面を有する、同軸コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の同軸コネクタであって、
前記先端縁部は、前記接続端部の外周面よりも内周側に突出している、同軸コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載の同軸コネクタと、前記相手側同軸端子を有する相手側同軸コネクタと、を備える同軸コネクタユニットであって、
前記相手側同軸端子は、前記筒状外導体端子内に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に段部を介して連なる基端部と、を有し、前記基端部は、前記挿入部よりも外径が大きい相手側外導体端子を有し、
前記筒状外導体端子の先端は、前記先端縁部を介して前記段部に対向する、同軸コネクタユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸コネクタであって、
前記内導体端子と前記筒状外導体端子との間に、前記相手側同軸端子の相手側外導体端子が配置される端子配置空間が形成されている、同軸コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸コネクタであって、
前記樹脂ハウジングは、前記規制筒部を、間隔をあけて囲う外壁部を有し、
前記規制筒部と前記外壁部との間に、前記相手側同軸端子を囲む相手側ハウジングが入り込むハウジング配置空間が形成されている、同軸コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載の同軸コネクタであって、
前記外壁部は、前記相手側ハウジングと係止し合うロック部を有する、同軸コネクタ。
【請求項8】
請求項6に記載の同軸コネクタであって、
前記外壁部は、前記規制筒部を1つのみ囲っている、同軸コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸コネクタであって、
前記内導体端子は、ピン状の端子であり、
前記筒状外導体端子は、前記内導体端子に対して同軸上に配置された円筒状の端子である、同軸コネクタ。
【請求項10】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸コネクタであって、
前記同軸端子は、前記筒状外導体端子の基端側に位置するケーブル保持部を有し、
前記ケーブル保持部は、同軸ケーブルの端部を保持し、
前記端子保持部は、前記ケーブル保持部が挿入される保持筒部と、前記保持筒部に挿入された前記ケーブル保持部に係止するランス部と、を有する、同軸コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、同軸コネクタ及び同軸コネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、雌端子を有する相手側コネクタと、タブ形状の雄端子を有するコネクタとの接続構造を開示している。特許文献1の技術によると、コネクタのフード部に、ガイド溝が形成されており、ガイド溝によって相手側コネクタの進入時の傾きが矯正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-160591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、同軸端子に相手側同軸端子が接続される同軸コネクタにおいては、内導体端子の外周側に外導体端子が位置している。このため、両コネクタの同軸端子同士を接続する際に、互いの外導体端子が突合う関係になる可能性があり、外導体端子同士が円滑に接続されることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、外導体端子同士を円滑に接続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の同軸コネクタは、同軸端子に相手側同軸端子が接続される同軸コネクタであって、内導体端子と、前記内導体端子を囲む筒状外導体端子と、を有する前記同軸端子と前記同軸端子を保持する端子保持部を有する樹脂ハウジングと、を備え、前記同軸端子は、前記端子保持部によって保持される保持対象部と、前記端子保持部から突出して前記相手側同軸端子と接続される接続端部と、を有し、前記樹脂ハウジングは、前記端子保持部から前記接続端部を囲むように延出して、前記接続端部の姿勢を規制する規制筒部を有する、同軸コネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、外導体端子同士を円滑に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態に係る同軸コネクタと相手側同軸コネクタとの接続状態を示す斜視図である。
図2図2は同軸コネクタと相手側同軸コネクタとの接続前の状態を示す斜視図である。
図3図3は同軸コネクタと相手側同軸コネクタとの接続前の状態を示す斜視図である。
図4図4は同軸コネクタを示す正面図である。
図5図5図2のV-V線断面図である。
図6図6図1のVI-VI線断面図である。
図7図7図1のVII-VII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の同軸コネクタは、次の通りである。
【0011】
(1)同軸端子に相手側同軸端子が接続される同軸コネクタであって、内導体端子と、前記内導体端子を囲む筒状外導体端子と、を有する前記同軸端子と、前記同軸端子を保持する端子保持部を有する樹脂ハウジングと、を備え、前記同軸端子は、前記端子保持部によって保持される保持対象部と、前記端子保持部から突出して前記相手側同軸端子と接続される接続端部と、を有し、前記樹脂ハウジングは、前記端子保持部から前記接続端部を囲むように延出して、前記接続端部の姿勢を規制する規制筒部を有する、同軸コネクタである。
【0012】
この同軸コネクタによると、規制筒部によって筒状外導体端子の姿勢が規制される。このため、相手側同軸コネクタの相手側外導体端子と筒状外導体端子とが突合わせ状態になることが抑制され、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが円滑に接続される。
【0013】
(2)(1)の同軸コネクタであって、前記規制筒部は、前記接続端部の先端よりも先端側に位置する先端縁部を有し、前記先端縁部は、前記筒状外導体端子内に向うテーパ状の案内面を有してもよい。
【0014】
この場合、相手側外導体端子が案内面に当ると、案内面によって筒状外導体端子内に向けて案内される。このため、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが突合わせ状態になることが抑制され、相手側外導体端子と筒状外導体端子とがより円滑に接続される。
【0015】
(3)(2)の同軸コネクタであって、前記先端縁部は、前記接続端部の外周面よりも内周側に突出していてもよい。
【0016】
この場合、案内面を、接続端部の外周面よりも内周側に広がるように形成し易い。これにより、相手側外導体端子が、接続端部の内側に、より確実に案内される。また、先端縁部によって、接続端部の位置決めを行える。
【0017】
(4)(3)の同軸コネクタと、前記相手側同軸端子を有する相手側同軸コネクタと、を備える同軸コネクタユニットであって、前記相手側同軸端子は、前記筒状外導体端子内に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に段部を介して連なる基端部と、を有し、前記基端部は、前記挿入部よりも外径が大きい相手側外導体端子を有し、前記筒状外導体端子の先端は、前記先端縁部を介して前記段部に対向する、同軸コネクタユニットとされてもよい。
【0018】
挿入部は、筒状外導体端子内に挿入できる程度の太さである。基端部は、挿入部よりも太いので、基端部の太さを、筒状外導体端子の太さに近付けることができる。筒状外導体端子の先端が先端縁部を介して段部に対向するため、筒状外導体端子から相手側同外導体端子に至る部分で、先端縁部が入り込む部分を除いて、なるべく太さを同じ保つことができる。これにより、同軸端子と相手側同軸端子との接続部分で、所期の特性インピーダンスを得やすくなり、高速通信性能を良好にできる。
【0019】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記内導体端子と前記筒状外導体端子との間に、前記相手側同軸端子の相手側外導体端子が配置される端子配置空間が形成されていてもよい。
【0020】
相手側外導体端子は、筒状外導体端子内に配置されるため、当該相手側外導体端子の外周側に姿勢を規制する構造を組込むことは難しい可能性がある。そこで、筒状外導体端子の姿勢を、規制筒部によって規制することで、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが突合わせ状態になることが抑制され、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが円滑に接続される。
【0021】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記樹脂ハウジングは、前記規制筒部を、間隔をあけて囲う外壁部を有し、前記規制筒部と前記外壁部との間に、前記相手側同軸端子を囲む相手側ハウジングが入り込むハウジング配置空間が形成されていてもよい。
【0022】
これにより、樹脂ハウジング内と相手側ハウジングとが嵌り合う構造内で、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが円滑に接続される。
【0023】
(7)(6)の同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記外壁部は、前記相手側ハウジングと係止し合うロック部を有してもよい。
【0024】
このように、ハウジングの外壁部のロック部を、相手側ハウジングに係止させることによって、同軸コネクタと相手側同軸コネクタとを接続状態に保つことができる。
【0025】
(8)(6)又は(7)の同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記外壁部は、前記規制筒部を1つのみ囲っていてもよい。
【0026】
これにより、同軸コネクタが大型化することが抑制される。
【0027】
(9)(1)から(8)のいずれか1つの同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記内導体端子は、ピン状の端子であり、前記筒状外導体端子は、前記内導体端子に対して同軸上に配置された円筒状の端子であってもよい。
【0028】
この場合、高速通信のための信号伝送特性を良好にできる。
【0029】
(10)(1)から(9)のいずれか1つの同軸コネクタ又は同軸コネクタユニットであって、前記同軸端子は、前記筒状外導体端子の基端側に位置するケーブル保持部を有し、前記ケーブル保持部は、同軸ケーブルの端部を保持し、前記端子保持部は、前記ケーブル保持部が挿入される保持筒部と、前記保持筒部に挿入された前記ケーブル保持部に係止するランス部と、を有してもよい。
【0030】
ケーブル保持部が保持筒部に挿入されて、ランス部がケーブル保持部に係止した状態で、同軸端子が傾く可能性がある。このような場合に、規制筒部によって同軸端子における接続端部の傾きを規制することで、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが突合わせ状態になることが抑制され、相手側外導体端子と筒状外導体端子とが円滑に接続される。
【0031】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の同軸コネクタ及び同軸コネクタユニットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0032】
[実施形態]
以下、実施形態に係る同軸コネクタについて説明する。図1は同軸コネクタ10に相手側同軸コネクタ110が接続された状態を示す斜視図である。図2及び図3は同軸コネクタ10に相手側同軸コネクタ110を接続する前の状態を示す斜視図である。図4は同軸コネクタ10を示す正面図である。
【0033】
同軸コネクタ10は、同軸端子30と、ハウジング40とを備えている。同軸端子30は、ハウジング40によって保持されている。
【0034】
相手側同軸コネクタ110は、相手側同軸端子130と、相手側ハウジング140とを備えている。相手側同軸端子130は、相手側ハウジング140によって保持されている。
【0035】
同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110が接続されることで、同軸端子30と相手側同軸端子130との接続状態が維持される。ここでは、相手側ハウジング140がハウジング40内に挿入接続される。この状態で、相手側ハウジング140の相手側ロック部150がハウジング40に係止する。これにより、同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110との接続状態が維持される。同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110との組合せユニットは、同軸コネクタユニットである。
【0036】
同軸端子30はハウジング40内に配置されており、相手側同軸端子130は相手側ハウジング140内に配置されている。同軸端子30と相手側同軸端子130とは、ハウジング40及び相手側同軸端子130の内部で接続され、かつ、接続状態が維持される。
【0037】
また、同軸端子30は、同軸ケーブル20に接続されており、相手側同軸端子130は相手側同軸ケーブル120に接続されている。
【0038】
同軸ケーブル20は、例えば、中心導体22と、内部絶縁体24と、外側導体26と、シース28とを備える。中心導体22は、内導体であり、銅等の導電性部材によって形成された線状導体である。内部絶縁体24は、樹脂等の誘電体であり、中心導体22の周囲を囲んでいる。外側導体26は、内部絶縁体24の周囲を覆う導体であり、例えば、編組又は金属箔である。中心導体22と外側導体26とは、同軸上に配置される。シース28は、外側導体26の周囲を覆う樹脂等の絶縁体である。
【0039】
相手側同軸ケーブル120も、同軸ケーブル20と同様に、中心導体122と、内部絶縁体124と、外側導体126と、シース128とを備える。
【0040】
同軸端子30が相手側同軸端子130に接続されることで、同軸ケーブル20の中心導体22と相手側同軸ケーブル120の中心導体122とが電気的に接続される。また、同軸ケーブル20の外側導体26と相手側同軸ケーブル120の外側導体126とが電気的に接続される。
【0041】
なお、同軸端子30が同軸ケーブル20に接続されていることは必須ではない。例えば、同軸端子30は回路基板上に実装されていてもよい。また、相手側同軸端子130が相手側同軸ケーブル120に接続されていることも必須ではない。例えば、相手側同軸端子130は回路基板上に実装されていてもよい。
【0042】
本実施形態の説明において、便宜上、同軸コネクタ10を基準に、相手側同軸コネクタ110が接続される側を前側、同軸ケーブル20が延出する側を後側という場合がある。また、上記相手側ロック部150側を上側、その反対側を下側という場合がある。さらに、当該上下関係を前提として、前を向いた状態で、左側又は右側が参照されることがある。
【0043】
<同軸コネクタ>
図5図2のV-V線断面図であり、図6図1のVI-VI線断面図であり、図7図1のVII-VII線断面図である。図1から図7に示すように、同軸コネクタ10は、同軸端子30と、ハウジング40とを備える。
【0044】
同軸端子30は、同軸ケーブル20に接続される端子である。同軸ケーブル20の先端には内部絶縁体24が露出している。露出する内部絶縁体24の先端から中心導体22が突出している。また、シース28の先端側から外側導体26が延出して内部絶縁体24に被さっている。内部絶縁体24の先端よりも手前の位置で、外側導体26に金属リング29がかしめ固定等によって装着されている。外側導体26のうち金属リング29から延出する端部が金属リング29上に折返されている。
【0045】
同軸端子30は、内導体端子32と、誘電体34と、筒状外導体端子36とを備える。
【0046】
内導体端子32は、金属等によって、細長い形状に形成されている。本実施形態では、内導体端子32は、ピン状の端子である。内導体端子32の前側の端部は、棒状に形成されており、後述する相手側の内導体端子132の先端の管状部分に挿入接続される。内導体端子32の後側の端部は、管状に形成されており、当該管状部分に同軸ケーブル20の先端に突出する中心導体22が挿入接続される。内導体端子32の管状部分に中心導体22が挿入された状態で、内導体端子32の管状部分が中心導体22にかしめ固定されてもよい。
【0047】
誘電体34は、樹脂等によって円柱状に形成されている。誘電体34内に上記内導体端子32が収容される孔が形成されている。内導体端子32の先端は、誘電体34の先端から突出している。
【0048】
筒状外導体端子36は、金属等によって円筒状に形成されている。筒状外導体端子36は、内導体端子32を囲んでいる。ここでは、筒状外導体端子36は、誘電体34を覆った状態で、内導体端子32に対して同軸上に配置されている。
【0049】
筒状外導体端子36の前端は、誘電体34の前端よりも突出している。筒状外導体端子36の前端は、内導体端子32の前端よりも突出している。筒状外導体端子36の内部のうち誘電体の前端よりも前側には、筒状外導体端子36の前部の内周面と中心導体22の前部の外周面とで囲まれる空間S1が形成される。この空間に、後述する相手側同軸端子130の外導体端子136及び誘電体134の前端部が配置される。つまり、空間S1は、少なくとも外導体端子136が配置される端子配置空間S1の一例である。
【0050】
本実施形態では、筒状外導体端子36は、一定の形状を保つ円筒形状に形成されている。後に説明するように、筒状外導体端子36に挿入される相手側の外導体端子136には弾性接触片136sが形成されている。
【0051】
同軸端子30は、筒状外導体端子36の基端側に位置するケーブル保持部38を有している。ケーブル保持部38は、同軸ケーブル20の端部を保持する部分である。より具体的には、ケーブル保持部38は、金属等によって筒状に形成されている。ケーブル保持部38は、同軸ケーブル20の端部においてシース28から延出する内部絶縁体24の周りに外装されている。
【0052】
上記筒状外導体端子36の基端部がケーブル保持部38の先端部に外嵌めされて、かしめ等によって固定されている。これにより、筒状外導体端子36とケーブル保持部38とが連なった状態に保たれる。
【0053】
ケーブル保持部38の基端部がシース28の先端部に外嵌めされて、かしめ等によって固定されている。これにより、ケーブル保持部38が同軸ケーブル20の端部を保持する。
【0054】
また、ケーブル保持部38の中間部が内側にかしめ変形されて、内部絶縁体24に被さっている外側導体26に押付けられている。これにより、外側導体26とケーブル保持部38とが電気的に接触した状態に保たれる。上記のように、筒状外導体端子36の基端部がケーブル保持部38の先端部に外嵌めされて、筒状外導体端子36がケーブル保持部38に電気的に接続されている。よって、外側導体26は、筒状外導体端子36に電気的に接続されている。
【0055】
ケーブル保持部38の中間部が内側にかしめ変形されることによって、ケーブル保持部38が外側導体26及び金属リング29等を介して誘電体34を抱持することによっても、ケーブル保持部38が同軸ケーブル20の端部を保持する。
【0056】
この同軸端子30のように、内導体端子32が相手側の内導体端子132に接続されるタイプの端子は、オス型端子と呼ばれてもよい。また、オス型端子を有する同軸コネクタ10は、オス型同軸コネクタと称されてもよい。
【0057】
ハウジング40は、樹脂によって金型一体形成された樹脂ハウジングであり、端子保持部42と、規制筒部60と、外壁部46とを有する。
【0058】
端子保持部42は、同軸端子30を保持する部分である。本実施形態では、端子保持部42は、保持筒部43と、ランス部43rとを有する。
【0059】
保持筒部43は、ケーブル保持部38が挿入される部分である。より具体的には、保持筒部43は、同軸端子30の基端部、より具体的には、筒状外導体端子36の基端部とケーブル保持部38とを挿入可能な孔43hを有する筒形状に形成されている。
【0060】
ランス部43rは、保持筒部43に挿入されたケーブル保持部38に係止可能に構成されている。より具体的にはランス部43rは、孔43h内に向けて突出及び退避可能な弾性変形部分に形成されている(図1図2図5及び図6参照)。同軸端子30の基端部が保持筒部43に挿入された状態で、ランス部43rがケーブル保持部38の凹みに引っ掛ることで、同軸端子30が端子保持部42に挿入された状態で一定位置に保持される。
【0061】
この状態で、同軸端子30の筒状外導体端子36の先端部は、端子保持部42から前側に突出している。同軸端子30のうち、端子保持部42によって保持される後端側の部分が保持対象部30Rであり、端子保持部42から突出して相手側同軸端子130と接続される部分が接続端部30Fである。本実施形態では、同軸端子30のうち筒状外導体端子36の基端部とケーブル保持部38とが保持対象部30Rであり、筒状外導体端子36のうちの残りの部分が接続端部30Fである。
【0062】
外壁部46は、端子保持部42から突出する筒状に形成されており、接続端部30Fを、間隔をあけて囲っている。より具体的には、外壁部46は、端子保持部42の前端から前側に延出する角筒状に形成されている。
【0063】
外壁部46の内周面は、相手側同軸コネクタ110の外壁部146を嵌込可能な形状に形成されている。外壁部46の内側に、相手側同軸コネクタ110の外壁部146、外導体端子136、誘電体134及び内導体端子132が挿入される。
【0064】
外壁部46は、相手側ハウジング140の相手側ロック部150と係止するロック部48を有している。本実施形態では、ロック部48は、外壁部46のうち上側壁部の内面先端から内側に突出する凸部である(図4及び図7参照)。相手側同軸コネクタ110の外壁部146が外壁部46内に挿入された状態で、相手側同軸コネクタ110側の相手側ロック部150が当該ロック部48に係止することで、ハウジング40と相手側ハウジング140とが抜け止め状態に保たれる。
【0065】
規制筒部60は、端子保持部42から接続端部30Fを囲むように前側に延出して、接続端部30Fの姿勢を規制する筒形状部分である。接続端部30Fの姿勢は、例えば、保持筒部43の中心軸に対する接続端部30Fの中心軸の傾きによって表現され得る。規制筒部60の中心軸は、保持筒部43の中心軸に沿って延びている。接続端部30Fの中心軸が保持筒部43の中心軸に沿うように、規制筒部60が接続端部30Fの姿勢を規制する。
【0066】
より具体的には、規制筒部60は、端子保持部42の前端から突出する円筒部62を有する。円筒部62の内周面は、接続端部30Fの外径に応じた内径を有する円周面に形成されている。円筒部62の内径は、同軸端子30、130同士の接続時の衝突が生じないように、接続端部30Fの傾きを規制できる範囲内で、接続端部30Fの外径と同じか当該外径よりも大きくてもよい。本実施形態では、円筒部62の外周の一部にスリットが形成されているが、これは必須ではない。
【0067】
規制筒部60は、接続端部30Fの先端よりも先端側(前側)に位置する先端縁部64を有している。つまり、先端縁部64は、接続端部30Fの先端を越えて前側に位置する環状部分である。
【0068】
先端縁部64は、筒状外導体端子36内に向うテーパ状の案内面64gを有している。より具体的には、案内面64gは、規制筒部60よりも前側において、先端縁部64の内周側に位置する環状面である。案内面64gは、後側に向うにつれて徐々に縮径するテーパ状に形成されている。規制筒部60の中心軸方向に沿って見て、案内面64gの外周縁は、接続端部30Fの外周面と同じ位置又は外周側に位置していることが好ましい。
【0069】
先端縁部64は、接続端部30Fの外周面30Faよりも内周側に突出していることが好ましい。これにより、案内面64gの存在領域を、接続端部30Fの外周面30Faの内側に配置することができる。例えば、規制筒部60の中心軸方向に沿って見て、案内面64gの内周縁を、接続端部30Fの外周面30Faよりも内側に配置することができる。規制筒部60の中心軸方向に沿って見て、案内面64gの内周縁は、接続端部30Fの内周面30Fbと同じ位置又は内側に配置することがより好ましい。
【0070】
また、先端縁部64が接続端部30Fの外周面30Faよりも内周側に突出していれば、筒状外導体端子36を規制筒部60に挿入する際に、筒状外導体端子36の先端を先端縁部64の後ろ向き面に押し当てることができる。これにより、規制筒部60に対して筒状外導体端子36の位置決めを行うことができる。
【0071】
上記外壁部46は、規制筒部60を1つのみ囲っている。同軸コネクタ10は、多極同軸コネクタであってもよい。この場合、外壁部は、複数の規制筒部及び同軸端子30を囲っていてもよい。
【0072】
外壁部46は、規制筒部60を、間隔をあけて囲っている。外壁部46と規制筒部60との間に、相手側同軸端子130を囲む相手側ハウジング140が入り込むハウジング配置空間S2が形成されている。
【0073】
<相手側同軸コネクタ>
相手側同軸コネクタ110について説明する。図1から図3図5から図7に示すように、相手側同軸コネクタ110は、相手側同軸端子130と、相手側ハウジング140とを備える。
【0074】
相手側同軸端子130は、相手側同軸ケーブル120に接続される端子である。相手側同軸ケーブル120の端部の構成は、上記同軸ケーブル20の構成と同じである。
【0075】
相手側同軸端子130は、内導体端子132と、誘電体134と、外導体端子136と、ケーブル保持部138とを備える。外導体端子136は、相手側外導体端子の一例である。
【0076】
役割から見ると、内導体端子132は内導体端子32に対応し、誘電体134は誘電体34に対応し、外導体端子136は筒状外導体端子36に対応し、ケーブル保持部138はケーブル保持部38に対応する。相手側同軸端子130について、同軸端子30との相違点を中心に説明すると、次の通りである。
【0077】
内導体端子132は、金属等によって、細長い形状に形成されている。内導体端子132の一端部は、管状に形成されており、当該管状部分に内導体端子32が挿入接続される。内導体端子132の一端部に、その長手方向に沿って延びる複数のスリットが形成されていてもよい。この場合、内導体端子132の一端部のうち複数のスリット間の部分が、内導体端子32の外面に押付けるバネ接点として利用され得る。
【0078】
内導体端子132の他端部は、管状に形成されており、内導体端子32の端部と同様に、同軸ケーブル120の中心導体122に接続される。
【0079】
誘電体134は、樹脂等によって円柱状に形成されている。誘電体134内に上記内導体端子132が収容される孔が形成されている。内導体端子132の先端は、誘電体134の先端よりも内側に位置している。内導体端子32は、当該孔の先端側開口から誘電体134内に進入して、内導体端子132の一端部に挿入接続される。
【0080】
外導体端子136は、金属等によって筒状に形成されている。外導体端子136は、誘電体134を覆っている。外導体端子136は、挿入部136aと、基端部136bとを有している。挿入部136aは、同軸端子30の筒状外導体端子36に挿入される部分である。
【0081】
基端部136bは、挿入部136aよりも太くなっており、基端部136bは、挿入部136aの基端部に段部136cを介して連なっている。基端部136bは、好ましくは、筒状外導体端子36と同じ太さである。例えば、基端部136bは、筒状外導体端子36に対して±20パーセントの誤差範囲で同じ太さであってもよい。
【0082】
なお、誘電体134のうち基端部136bが被さる部分は、挿入部136aが被さる部分よりも太くなっており、その太さが変る部分に段部134cが形成されている。段部136cが段部134cに接することができる。
【0083】
挿入部136aは、外導体端子136の軸方向に沿う複数のスリットによって分割された複数の弾性接触片136sを有している。複数の弾性接触片136sは、挿入部136aの内外方向に弾性変形できる。この弾性接触片136sの弾性力を利用して、挿入部136aが筒状外導体端子36の内周面に押付けられた状態で接触する。
【0084】
同軸コネクタ10、110の接続状態で、同軸端子30と相手側同軸端子130とが接続される。この接続状態で、同軸端子30と相手側同軸端子130との中心軸に沿う方向において、筒状外導体端子36の先端と相手側の外導体端子136の段部136cとが間隔をあけて対向する。筒状外導体端子36の先端が、先端縁部64のうち内周側に突出する部分を介して、段部136cと対向する。
【0085】
ケーブル保持部138は、外導体端子136の基端側に位置している。ケーブル保持部138は、ケーブル保持部38と同様構成であり、相手側同軸ケーブル120の端部を保持する。
【0086】
この相手側同軸端子130のように、内導体端子132の管状部分に内導体端子32が挿入されるタイプの端子は、メス型端子と呼ばれてもよい。また、メス型端子を有する相手側同軸コネクタ110は、メス型同軸コネクタと称されてもよい。
【0087】
相手側ハウジング140は、樹脂によって金型一体形成された樹脂ハウジングであり、端子保持部142と、外壁部146とを有する。
【0088】
端子保持部142は、相手側同軸端子130を保持する部分である。本実施形態では、端子保持部142は、相手側同軸端子130の基端部、より具体的には、外導体端子136の基端部136bと、ケーブル保持部138とを挿入可能な孔を有している。端子保持部142は、孔内側に向けて突出及び退避可能なランス部143rを有している(図7参照)。相手側同軸端子130の基端部が端子保持部142に挿入された状態で、ランス部143rがケーブル保持部138の凹みに引っ掛ることで、相手側同軸端子130が端子保持部142に挿入された状態で、一定位置に保持される。
【0089】
この状態で、相手側同軸端子130の挿入部136aは、端子保持部142から突出している。外壁部146は、端子保持部142から突出する筒状に形成されており、挿入部136aを、間隔をあけて囲っている。より具体的には、外壁部146は、部分的な角筒と部分的な円筒とが内部空間を連続させるように隣合って一体化された形状に形成されている。
【0090】
相手側ハウジング140は、ハウジング40に係止する相手側ロック部150を有している。本実施形態では、相手側ロック部150は、外壁部146のうち部分的な角筒をなす部分の先端部から端子保持部142に向けて弾性片152と、当該弾性片152の長手方向の途中に突設されたロック突部153とを有する。ロック突部153は、外壁部146のうちハウジング40内に挿入される位置に形成されている。ロック突部153は、ハウジング40の外壁部46の内周に形成されたロック部48に係止することができる。
【0091】
弾性片152には操作部156が突設されている。操作部156は、ハウジング40外に露出する位置に形成されている。外壁部146がハウジング40内に挿入された状態で、操作部156を押込むことで、ロック突部153を下方に押下げることができる。これにより、ロック部48に対するロック突部153の係止を解除して、相手側ハウジング140をハウジング40から引抜くことができる。
【0092】
<接続動作及び接続状態について>
同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110との接続動作及び接続状態について説明する。
【0093】
接続作業開始時に、同軸コネクタ10の外壁部46の開口と相手側同軸コネクタ110の外壁部146の開口とが対向配置される。この状態で、外壁部46内の同軸端子30と外壁部146の相手側同軸端子130とが対向配置される(図2図3及び図5参照)。
【0094】
同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110とを近付けると、外壁部146が外壁部46内に入り込む。外壁部146の先端部が外壁部46の先端部内に入り込むと、外壁部46、146内で、相手側同軸端子130の外導体端子136が同軸端子30の筒状外導体端子36内に入り込もうとする。
【0095】
この際、ハウジング40、140によるガイド下、外導体端子136が筒状外導体端子36内に入ろうとする。このため、仮にハウジング40に対して筒状外導体端子36が傾いていると、外導体端子136の先端が筒状外導体端子36の先端に突き当ってしまう可能性がある。
【0096】
本実施形態では、筒状外導体端子36は、規制筒部60によって端子保持部42に対して一定姿勢となるように規制されている。より具体的には、筒状外導体端子36の接続端部30Fの中心軸が端子保持部42の中心軸に沿った状態となるように、接続端部30Fの姿勢が規制されている。このため、外導体端子136は、所定の姿勢の筒状外導体端子36に円滑に挿入される。
【0097】
また、筒状外導体端子36が所定姿勢に保たれていたとしても、仮に、相手側ハウジング140に対して外導体端子136が傾いていると、斜め姿勢の外導体端子136の先端が筒状外導体端子36の先端に突き当ってしまう可能性がある。
【0098】
本実施形態では、規制筒部60の先端縁部64が案内面64gを有する。このため、外導体端子136の先端の中心軸が、筒状外導体端子36の先端に中心軸に対してずれた状態で、外導体端子136が筒状外導体端子36に近づこうとすると、外導体端子136の先端が案内面64gに接触する。すると、外導体端子136の先端が案内面64gのテーパ形状に従って、案内面64gの内周側、即ち、筒状外導体端子36内に向けて案内される。これにより、外導体端子136の傾きが矯正されて、外導体端子136の先端が筒状外導体端子36の先端に突き当ることが抑制される。そして、外導体端子136が筒状外導体端子36内に円滑に挿入される。
【0099】
特に、先端縁部64が接続端部30Fの外周面よりも内側に突出していると、外導体端子136を、接続端部30Fの外周面よりも内側に案内し易い。
【0100】
外導体端子136の先端が筒状外導体端子36の先端内に挿入された後、相手側同軸コネクタ110が同軸コネクタ10に向けてさらに押込まれる。すると、相手側同軸端子130の挿入部136aと誘電体134と内導体端子132とが、接続端部30F内に入り込んでいく。
【0101】
やがて、内導体端子32が誘電体134内に挿入され、さらに、誘電体134内の相手側の内導体端子132の端部に挿入される。誘電体34の先端が挿入部136aの先端内に入り込んで、誘電体134と突き当る程度になるまで、同軸端子30と相手側同軸端子130とが接近して接続される。この接続状態で、内導体端子32の先端が内導体端子132の先端に挿入されることによって、内導体端子32、132が電気的に接続される。また、挿入部136aの弾性接触片136sが筒状外導体端子36の内周面に押し当てられることで、筒状外導体端子36と外導体端子136とが電気的に接続される。
【0102】
また、上記接続状態において、相手側ロック部150のロック突部153が外壁部46の内側で、当該外壁部46のロック部48に抜止め係止する。これにより、同軸コネクタ10と相手側同軸コネクタ110とが接続状態に保たれる。
【0103】
<効果等>
以上のように構成された同軸コネクタ10によると、規制筒部60によって筒状外導体端子36の姿勢が規制される。このため、筒状外導体端子36が傾くことが抑制され、相手側同軸コネクタ110の相手側の外導体端子136と、筒状外導体端子36とが突合わせ状態になることが抑制される。これにより、外導体端子136と筒状外導体端子36とが円滑に接続される。
【0104】
また、規制筒部60の先端縁部64は、テーパ状の案内面64gを有する。このため、相手側の外導体端子136が案内面64gに当ると、当該外導体端子136が筒状外導体端子36内に向けて案内される。このため、外導体端子136が傾いていたとしても、外導体端子136と筒状外導体端子36とが突合わせ状態になることが抑制され、外導体端子136と筒状外導体端子36とが円滑に接続される。
【0105】
また、先端縁部64は、接続端部30Fの外周面30Faよりも内周側に突出しているため、案内面64gを、当該外周面30Faよりも内周側に形成し易い。これにより、外導体端子136が接続端部30Fの内側に向けてより確実に案内される。また、接続端部30Fの先端を先端縁部64に押し当てることによって、接続端部30Fの位置決めを行える。
【0106】
また、外導体端子136の挿入部136aは、筒状外導体端子36に挿入できる程度の太さに設定される。仮に外導体端子の全体が挿入部136aの太さと同じ太さに形成されると、互いに接続される同軸端子において、外側の導体の太さが変動し、所期の特性インピーダンス性能が得られない可能性がある。そこで、外導体端子136が、挿入部136aよりも太い基端部136bを有する構成とすることで、基端部136bの太さを外導体端子136の太さに近付けることができる。また、基端部136bは、挿入部136aに対して段部136cを介して太くなっており、筒状外導体端子36の先端が先端縁部64を介して当該段部136cに対向する。このため、筒状外導体端子36から外導体端子136に至る部分で、先端縁部64が入り込む部分を除いて、なるべく太さを均一に保つことができる。これにより、同軸端子30と相手側同軸端子130との接続部分で、所期の特性インピーダンス性能に近付けることができ、高速通信性能を良好にできる。
【0107】
また、外導体端子136は、筒状外導体端子36内に配置される構成であるため、当該外導体端子136の外周側には、当該外導体端子136の姿勢を規制する構造を組込むことは難しい可能性がある。そこで、筒状外導体端子36の姿勢を、規制筒部60によって規制することで、外導体端子136と筒状外導体端子36とが突合わせ状態になることが抑制される。
【0108】
また、規制筒部60と外壁部46との間に、相手側同軸端子130を囲む相手側ハウジング140が入り込むハウジング配置空間S2が形成されている。よって、ハウジング40と相手側ハウジング140とが嵌り合う構造内で、外導体端子136と筒状外導体端子36とが円滑に接続される。
【0109】
また、外壁部46は、相手側ハウジング140の係止するロック部48を有するため、当該ロック部48を用いて、同軸コネクタ10、110を接続状態に保つことができる。
【0110】
また、外壁部46は、規制筒部60を1つのみ囲っている。このため、同軸コネクタ10が大型かすることが抑制される。
【0111】
また、内導体端子32は、ピン状の端子であり、筒状外導体端子36は、内導体端子32に対して同軸上に配置された円筒状の端子である。このため、高速通信のための信号伝送特性を良好にできる。
【0112】
また、同軸端子30は、ケーブル保持部38を有し、端子保持部42は、保持筒部43とランス部43rとを有する。これにより、ケーブル保持部38を、端子保持部42で容易に保持できる。この場合、ランス部43rがケーブル保持部38に係止した状態で、同軸端子30がケーブル保持部38に対して傾く可能性がある。このような場合に、同軸端子30における接続端部30Fの傾きを規制することで、外導体端子136と筒状外導体端子36とが突合わせ状態になることが抑制され、外導体端子136と筒状外導体端子36とが円滑に接続される。
【0113】
なお、同軸コネクタ10は、複数の同軸端子30を有する多極同軸コネクタであってもよい。この場合、外壁部は、複数の同軸端子を一括して囲ってもよいし、複数の同軸端子を別々に囲ってもよい。
【0114】
また、規制筒部60が筒状外導体端子36の姿勢を規制する機能を持たず、上記案内面64gによる案内機能を有していてもよい。
【0115】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0116】
10 同軸コネクタ
20 同軸ケーブル
22、122 中心導体
24、124 内部絶縁体
26、126 外側導体
28、128 シース
29 金属リング
30 同軸端子
30F 接続端部
30Fa 外周面
30Fb 内周面
30R 保持対象部
32、132 内導体端子(ピン状の端子)
34、134 誘電体
36 筒状外導体端子(円筒状の端子)
38、138 ケーブル保持部
40 ハウジング(樹脂ハウジング)
42、142 端子保持部
43 保持筒部
43h 孔
43r、143r ランス部
46、146 外壁部
48 ロック部
60 規制筒部
62 円筒部
64 先端縁部
64g 案内面
110 相手側同軸コネクタ
120 相手側同軸ケーブル
130 相手側同軸端子
134c 段部
136 外導体端子(相手側外導体端子)
136a 挿入部
136b 基端部
136c 段部
136s 弾性接触片
140 相手側ハウジング
150 相手側ロック部
152 弾性片
153 ロック突部
156 操作部
S1 端子配置空間
S2 ハウジング配置空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7