(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147242
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
F16L 13/08 20060101AFI20241008BHJP
F16L 13/007 20060101ALI20241008BHJP
F25B 41/40 20210101ALI20241008BHJP
【FI】
F16L13/08
F16L13/007
F25B41/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060136
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】森 未帆
(72)【発明者】
【氏名】中川 大樹
【テーマコード(参考)】
3H013
【Fターム(参考)】
3H013CA03
3H013CA06
(57)【要約】
【課題】ステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムを提供する。
【解決手段】接合配管14が、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とを軸線方向D11に接合した配管であって、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とがろう材143aによりろう付け接合され、ステンレス配管141とアルミニウム配管142との間にろう材部143が形成され、ステンレス配管141とろう材部143との接合面には、軸線方向D11の負荷荷重F11を受ける荷重受け部144が設けられることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレス配管とアルミニウム配管とを軸線方向に接合した接合配管であって、
前記ステンレス配管と前記アルミニウム配管とがろう材によりろう付け接合され、前記ステンレス配管と前記アルミニウム配管との間にろう材部が形成され、
前記ステンレス配管と前記ろう材部との接合面には、前記軸線方向の負荷荷重を受ける荷重受け部が設けられることを特徴とする接合配管。
【請求項2】
前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面から径方向に凹んだ荷重受け溝で構成され、
前記ろう材部が前記荷重受け溝に入り込んで設けられることを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項3】
前記荷重受け溝は、前記軸線方向に並んで複数設けられるか、螺旋状に連続して設けられることを特徴とする請求項2に記載の接合配管。
【請求項4】
前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面から前記ステンレス配管における径方向に突出した荷重受け凸部で構成され、
前記荷重受け凸部が前記ろう材部に入り込んで設けられることを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項5】
前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面に対して傾斜した荷重受け傾斜面を有していることを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項6】
前記荷重受け部の前記軸線方向の寸法は、前記接合面との間に形成される前記ろう材との金属間化合物の層厚よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項7】
前記荷重受け部の前記軸線方向と交差する交差方向の寸法は、前記接合面との間に形成される前記ろう材との金属間化合物の層厚よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項8】
前記ステンレス配管及び前記アルミニウム配管は、一方の配管の外径よりも他方の配管の内径が大きく、前記一方の配管が前記他方の配管に所定長さだけ差し込まれ、前記一方の配管の外周面と前記他方の配管の内周面との間にて前記ろう材部が略円筒形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項9】
前記ステンレス配管及び前記アルミニウム配管は、一方の配管の外径よりも他方の配管の内径が大きく、前記一方の配管が前記他方の配管に所定長さだけ差し込まれ、前記一方の配管において前記他方の配管に差し込まれた差込み端部と、前記他方の配管において前記差込み端部を内側に収める収容端部とは、それぞれ前記軸線方向に径寸法が変化しない略円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の接合配管。
【請求項10】
請求項1~9のうちの何れか一項に記載の接合配管を備えたことを特徴とする機器。
【請求項11】
請求項10に記載の機器を備えたことを特徴とする冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機等の冷凍サイクルシステムを構成する接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機(冷凍サイクルシステム、冷凍装置)等を構成する機器として、冷媒の吐出管及び吸入管が機器本体に接続された機器が冷媒機器として利用されている(例えば特許文献1参照)。そして、このような機器における配管として、2つの配管が互いに接合された接合配管が用いられる場合がある。
【0003】
近年、材料高騰等の影響により、機器本体や各種配管の構成材料が従来の銅から安価なステンレスやアルミニウムに変わりつつある。このとき、ある程度の強度が必要な機器本体等はステンレス製とされ、加工の容易性等から一部の配管がアルミニウム製とされる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般的に、アルミニウムについてはろう付けの難易度が高い。特にステンレスとのろう付けは非常な困難を伴うことが多く、その困難さ故に接合強度が不安定になることがある。ステンレスとアルミニウムとの接合面には、アルミニウム用のろう材とステンレスとの金属間化合物が形成される。アルミニウム用のろう材とアルミニウムとの境界は合金化して高い接合強度が得られる一方、ステンレスとの接合面に形成される金属間化合物は、硬く脆い性質があってステンレスとの密着性がそれほど高くない。ステンレスとの接合面におけるこの金属間化合物の性質が、ろう付けの困難さと接合強度の不安定さをもたらす一因となっている。このとき、上記のような接合配管では、ステンレス製の機器本体に接続される配管には、ステンレス用のろう材を用いることで高い接合強度が得られるステンレス配管が用いられることが多い。他方、冷媒機器まで様々な形状の配管ルートで設置されることが想定される機器側の配管には、加工の容易なアルミニウム配管が用いられる場合がある。そして、このような接合配管では、ステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について、ろう付けの困難さと接合強度の不安定さをもたら可能性があることから、接合強度を維持するために高い品質管理が要求されるのが現状である。
【0006】
本発明の目的は、ステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の接合配管は、ステンレス配管とアルミニウム配管とを軸線方向に接合した接合配管であって、前記ステンレス配管と前記アルミニウム配管とがろう材によりろう付け接合され、前記ステンレス配管と前記アルミニウム配管との間にろう材部が形成され、前記ステンレス配管と前記ろう材部との接合面には、前記軸線方向の負荷荷重を受ける荷重受け部が設けられることを特徴とする。
【0008】
この接合配管によれば、ステンレス配管とろう材部との接合面に設けられた荷重受け部が、接合面からの金属間化合物の剥がれの原因となり易いせん断方向(即ち軸線方向)の負荷荷重を受け止めることができる。そして、このような受止めにより、上記の負荷荷重が金属間化合物に直に掛かることを抑えることで金属間化合物の剥がれが抑えられるので、アルミニウム配管の軸線方向への力に抵抗することができる。つまり、上記の接合配管によれば、ステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる。
【0009】
ここで、前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面から径方向に凹んだ荷重受け溝で構成され、前記ろう材部が前記荷重受け溝に入り込んで設けられることが好適である。
【0010】
この構成によれば、荷重受け部を構成する荷重受け溝の内側にろう材を入り込ませるという単純な構成によって効果的に軸線方向の負荷荷重を受け止めて金属間化合物の剥がれを一層抑えることができる。
【0011】
また、前記荷重受け溝は、前記軸線方向に並んで複数設けられるか、螺旋状に連続して設けられることが好適である。
【0012】
この構成によれば、接合面における軸線方向の断面には、複数の凹部が軸線方向に並ぶことになり、これら複数の凹部にろう材が入り込むことで、軸線方向の負荷荷重を一層効果的に受け止めて金属間化合物の剥がれを更に抑えることができる。
【0013】
また、前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面から前記ステンレス配管における径方向に突出した荷重受け凸部で構成され、前記荷重受け凸部が前記ろう材部に入り込んで設けられることが好適である。
【0014】
この構成によれば、荷重受け部を構成する荷重受け凸部がろう材部に入り込むという単純な構成によって効果的に軸線方向の負荷荷重を受け止めて金属間化合物の剥がれを一層抑えることができる。
【0015】
また、前記荷重受け部は、前記接合面のうち前記ステンレス配管側の面であるステンレス側接合面に対して傾斜した荷重受け傾斜面を有していることが好適である。
【0016】
この構成によれば、荷重受け部における荷重受け傾斜面によって、軸線方向の負荷荷重を広域に受け止めて金属間化合物の剥がれを広範囲に抑えることができるので、ろう付け箇所について接合強度を一層高めることができる。
【0017】
また、前記荷重受け部の前記軸線方向の寸法は、前記接合面との間に形成される前記ろう材との金属間化合物の層厚よりも大きいことが好適である。
【0018】
この構成によれば、荷重受け部の軸線方向の寸法が金属間化合物の層厚よりも大きいことから、接合面からの金属間化合物の剥がれの原因となり易いせん断方向(即ち軸線方向)の負荷荷重を、軸線方向に十分な長さに亘って受け止めることができる。このような受止めにより、上記の負荷荷重が金属間化合物に直に掛かることを効果的に抑えることができる。
【0019】
また、前記荷重受け部の前記軸線方向と交差する交差方向の寸法は、前記接合面との間に形成される前記ろう材との金属間化合物の層厚よりも大きいことが好適である。
【0020】
この構成によれば、せん断方向(即ち軸線方向)の負荷荷重を上記の交差方向に十分な長さに亘って受け止めることができ、このような受止めによっても、上記の負荷荷重が金属間化合物に直に掛かることを効果的に抑えることができる。
【0021】
また、前記ステンレス配管及び前記アルミニウム配管は、一方の配管の外径よりも他方の配管の内径が大きく、前記一方の配管が前記他方の配管に所定長さだけ差し込まれ、前記一方の配管の外周面と前記他方の配管の内周面との間にて前記ろう材部が略円筒形状に形成されることが好適である。
【0022】
この構成によれば、ステンレス配管及びアルミニウム配管の相互間にあって両配管を接合するろう材部が略円筒形状に形成されることから、ステンレス配管の接合面の金属間化合物への負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向)となる。負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向)となることから、金属間化合物の強度低下を抑えて接合強度を一層高めることができる。
【0023】
また、前記ステンレス配管及び前記アルミニウム配管は、一方の配管の外径よりも他方の配管の内径が大きく、前記一方の配管が前記他方の配管に所定長さだけ差し込まれ、前記一方の配管において前記他方の配管に差し込まれた差込み端部と、前記他方の配管において前記差込み端部を内側に収める収容端部とは、それぞれ前記軸線方向に径寸法が変化しない略円筒形状であることが好適である。
【0024】
この構成によれば、略円筒形状の差込み端部と収容端部との間のろう材部が略円筒形状に形成されることとなり、ステンレス配管の接合面の金属間化合物への負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向)となる。負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向)となることから、金属間化合物の強度低下を抑えて接合強度を一層高めることができる。
【0025】
また、本発明の機器は、上述の接合配管を備えたことを特徴とする。
【0026】
この機器によれば、その接合配管が上述のものであることから、接合配管におけるステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる。
【0027】
また、本発明の冷凍サイクルシステムは、上述の機器を備えたことを特徴とする。
【0028】
この冷凍サイクルシステムによれば、上述の機器を備えていることから、その機器におけるステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムによれば、ステンレス配管とアルミニウム配管とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】接合配管を備えた機器の第1実施形態である電動弁を示す部分断面図である。
【
図2】
図1に示されている電動弁を備えた冷凍サイクルシステムを示す模式図である。
【
図3】互いに共通の構成を有する
図1中の第1エリアA11及び第2エリアA12を含む壁部分の拡大図である。
【
図4】第2実施形態における荷重受け部を、
図3と同様の拡大断面で示した図である。
【
図5】第3実施形態における荷重受け部を、
図3(A)及び
図4(A)と同様の拡大断面で示した図である。
【
図6】第4実施形態における荷重受け部を、
図5と同様の拡大断面で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムの第1実施形態について
図1~
図3に基づいて説明する。
【0032】
図1は、接合配管を備えた機器の第1実施形態である電動弁を示す部分断面図であり、
図2は、
図1に示されている電動弁を備えた冷凍サイクルシステムを示す模式図である。また、
図3は、互いに共通の構成を有する
図1中の第1エリアA11及び第2エリアA12を含む壁部分の拡大図である。
【0033】
本実施形態の電動弁10は、
図2に示されている冷凍サイクルシステム1において後述の膨張弁100として利用される。この電動弁10は、機器本体11と、第1接合配管12と、第2接合配管13と、を備えている。電動弁10は、モータ駆動により弁室11a内の弁体11bを弁座部材11cに対して進退動作させることで、弁室11aを介して第1接合配管12と第2接合配管13の間を流れる冷媒の流量を調節する機器となっている。機器本体11は、内部に弁室11aが形成された弁本体111-1と、弁体11bの進退機構を内蔵したケース111-2とを備えている。弁本体111-1にケース111-2が溶接されて両端閉塞の円筒形状を有する機器本体11のハウジング111が構成される。第1接合配管12は、機器本体11の弁本体111-1における弁室11aの底壁部分111aに、弁軸X1に沿って延在するように一端がろう付けによって接続されている。また、第2接合配管13は、この弁本体111-1における弁室11aの周壁部分111bに、弁軸X1と直交して延在するように一端がろう付けによって接続されている。本実施形態では、第1接合配管12及び第2接合配管13は、互いに同等な構成を有している。以下、第1接合配管12及び第2接合配管13については、第1及び第2の概念を捨象して単に接合配管14と呼んで説明を行う。
【0034】
接合配管14は、何れも円筒状のステンレス配管141とアルミニウム配管142とを互いに同軸の配管軸X2に沿った軸線方向D11に接合したものである。他方、機器本体11において接合配管14が接合される弁本体111-1がステンレス製の部分となっている。そして、接合配管14のうちのステンレス配管141の一端がステンレス製の弁本体111-1にステンレス用のろう材によってろう付けによって接続されている。他方、接合配管14におけるステンレス配管141とアルミニウム配管142との接合は、アルミニウム用のろう材を用いたろう付けによって行われている。接合配管14におけるこのろう材を用いたろう付け構造については、
図3を参照して後で詳述する。
【0035】
まず、電動弁10におけるろう付け構造の説明に先立って、この電動弁10を膨張弁100として備えて冷媒を流通させる冷凍サイクルシステム1について、
図2を参照してその概要を説明する。本実施形態の冷凍サイクルシステム1は、膨張弁100、室外熱交換器200、室内熱交換器300、流路切換弁400、及び圧縮機500、を備え、それぞれ導管によって図示のように接続され、ヒートポンプ式の冷凍サイクルを構成している。尚、アキュムレータ、圧力センサ、温度センサ等は図示を省略してある。
【0036】
冷凍サイクルの流路は、流路切換弁400により冷房運転時の流路と暖房運転時の流路の2通りに切換えられる。冷房運転時には、
図2に実線の矢印で示したように、圧縮機500で圧縮された冷媒は流路切換弁400から室外熱交換器200に流入される。この室外熱交換器200は凝縮器として機能し、室外熱交換器200から流出された液冷媒は膨張弁100を介して室内熱交換器300に流入され、この室内熱交換器300は蒸発器として機能する。
【0037】
一方、暖房運転時には、
図2に破線の矢印で示したように、圧縮機500で圧縮された冷媒は流路切換弁400から室内熱交換器300、膨張弁100、室外熱交換器200、流路切換弁400、そして、圧縮機500の順に循環される。室内熱交換器300が凝縮器として機能し、室外熱交換器200が蒸発器として機能する。膨張弁100は、冷房運転時に室外熱交換器200から流入する液冷媒、または暖房運転時に室内熱交換器300から流入する液冷媒を、それぞれ減圧膨張し、さらにその冷媒の流量を制御する。尚、
図2においては、冷房運転時に室外熱交換器200から液冷媒が第2配管102(第2接合配管13)に流入し、暖房運転時には、室内熱交換器300からの液冷媒が第1配管101(第1接合配管12)に流入するように膨張弁100を設けている。しかしながら、これに限らず、冷房運転時に室外熱交換器200からの液冷媒が第1配管101に流入し、暖房運転時には室内熱交換器300からの液冷媒が第2配管102に流入するように膨張弁100を設けてもよい。
【0038】
次に、
図1に示されている接合配管14におけるステンレス配管141と、アルミニウム配管142と、のろう付け構造について
図3も参照して説明する。
図3には、接合配管14におけるろう付け構造が、
図1中の第1エリアA11及び第2エリアA12ついての共通の拡大図として示されている。尚、
図3では、
図3(A)に拡大図が示され、
図3(B)には、ステンレス配管141における接合端部の、配管軸X2に沿った断面が示されている。
【0039】
図1及び
図3に示されているように、本実施形態では、ステンレス配管141及びアルミニウム配管142は、その接合部において、ステンレス配管141(一方の配管)の外径φAよりもアルミニウム配管142(他方の配管)の内径φBが大きい。ステンレス配管141及びアルミニウム配管142は円筒形状の配管であり、アルミニウム配管142がステンレス配管141との接合部において上記の内径φBを有するように拡径されている。ステンレス配管141は、アルミニウム配管142における拡径部分に所定の差込み長さL11だけ差し込まれている。アルミニウム配管142における上記の拡径は、軸線方向D11についてこの差込み長さL11に亘って行われている。ステンレス配管141は、アルミニウム配管142の内面142aに拡径によって開口から差込み長さL11だけ離れた位置に生じた段差部分142a-1に至るまで挿入されている。
【0040】
尚、配管同士の接合は、本実施形態のように、一方の配管を拡径させて他方の配管を拡径部に挿入することに限るものではない。例えば、本実施形態とは逆に一方の配管を縮径させ、その縮径部を他方の配管に挿入することとしてもよい。あるいは、元々配管径の異なる2種類の配管を用意し、大径の配管に小径の配管を挿入することとしてもよい。この場合、挿入深さの位置は、配管内部あるいは外部に向けてポンチを打つこと等で設定することとしてもよい。
【0041】
本実施形態では、ステンレス配管141における差込み端部141-1と、アルミニウム配管142における収容端部142-1とは、それぞれ軸線方向D11に径寸法が変化しない略円筒形状となる。差込み端部141-1は、ステンレス配管141においてアルミニウム配管142に差し込まれた部分である。また、収容端部142-1は、アルミニウム配管142において差込み端部141-1を内側に収める部分である。ステンレス配管141の差込み端部141-1とアルミニウム配管142の収容端部142-1との間には、アルミニウム用のろう材143aによるろう付け接合の結果、ろう材部143が形成されている。このろう材部143は、差込み長さL11に亘って略円筒形状に形成される。
【0042】
そして、ステンレス配管141とろう材部143との接合面に、軸線方向D11の負荷荷重F11を受ける荷重受け部144が設けられている。本実施形態における荷重受け部144は、接合面のうちステンレス配管141側の面であるステンレス側接合面141aからステンレス配管141における径方向D12に突出した荷重受け凸部144aで構成されている。本実施形態の荷重受け凸部144aは、外面が球面の一部をなすように突出した湾曲凸形状を有している。この荷重受け凸部144aが、ろう材部143に入り込んで設けられている。荷重受け凸部144aは、ステンレス配管141を内側から外側へと突出させて形成されたもので、ステンレス配管141の内面141bにおける荷重受け凸部144aとの対応箇所には、凹部141cが形成される。また、本実施形態では、荷重受け凸部144aが、周方向D13に90°間隔で4つ配列されている。そして、これら4つの荷重受け凸部144aを有する荷重受け部144は、各荷重受け凸部144aをろう材部143に入り込ませることで軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止める。尚、
図3(B)では、
図1では小さ過ぎて示されていない、ろう材部143に入り込んだ荷重受け凸部144aが、大きめに強調されて示されている。
【0043】
ここで、荷重受け部144における各荷重受け凸部144aの軸線方向D11の凸幅寸法W11は、ステンレス側接合面141aとアルミニウム用のろう材143aとの間に形成される金属間化合物145の層厚t11よりも大きい。詳述すると、この凸幅寸法W11は、金属間化合物145の層厚t11の2倍よりも大きい。
【0044】
尚、金属間化合物145の層厚t11は、ろう付けの温度、加熱時間の影響を受けるため具体的な数値には幅があるが、概ね数μm~10μmである。この値は、ろう材143aが無い場合のステンレス側接合面141aとアルミニウム配管142とのクリアランスt12の概ね3~25%程度の厚みに当たる。このクリアランスt12は、ステンレス側接合面141aにおいて荷重受け凸部144aが形成されていない部分とアルミニウム配管142との間のろう材143aの厚みとなる。
【0045】
また、荷重受け部144における各荷重受け凸部144aの、軸線方向D11と交差する交差方向、即ち径方向D12の凸高さ寸法W12は、金属間化合物145の層厚t11よりも大きい。この凸高さ寸法W12について、詳述すると、凸高さ寸法W12は、金属間化合物145の層厚t11の1倍よりも大きい。また、この凸高さ寸法W12は、ステンレス側接合面141aとアルミニウム配管142とのクリアランスt12よりも大きくなっている。
【0046】
以上に説明した第1実施形態における、接合配管14、機器の一例としての電動弁10、及び、この電動弁10を膨張弁100として備える冷凍サイクルシステム1によれば、以下のような効果を奏することができる。即ち、本実施形態によれば、ステンレス配管141とろう材部143との接合面に設けられた荷重受け部144が、接合面からの金属間化合物145の剥がれの原因となり易いせん断方向(即ち軸線方向D11)の負荷荷重F11を受け止めることができる。そして、このような受止めにより、上記の負荷荷重F11が金属間化合物145に直に掛かることを抑えることで金属間化合物145の剥がれが抑えられるので、アルミニウム配管142の軸線方向D11への力に抵抗することができる。つまり、本実施形態によれば、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とのろう付け箇所について接合強度を高めることができる。
【0047】
ここで、本実施形態では、荷重受け部144が、ステンレス側接合面141aから径方向D12に突出した荷重受け凸部144aで構成され、荷重受け凸部144aがろう材部143に入り込んで設けられる。この構成によれば、荷重受け部144を構成する荷重受け凸部144aがろう材部143に入り込むという単純な構成によって効果的に軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止めて金属間化合物145の剥がれを一層抑えることができる。
【0048】
また、本実施形態では、荷重受け部144を構成する荷重受け凸部144aの軸線方向D11の凸幅寸法W11が金属間化合物145の層厚t11よりも大きい。この構成によれば、金属間化合物145の剥がれの原因となり易いせん断方向(即ち軸線方向D11)の負荷荷重F11を、軸線方向D11に十分な長さに亘って受け止めることができる。そして、このような受止めにより、上記の負荷荷重F11が金属間化合物145に直に掛かることを効果的に抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態では、荷重受け凸部144aにおける径方向D12の凸高さ寸法W12が金属間化合物145の層厚t11よりも大きい。この構成によれば、せん断方向(即ち軸線方向D11)の負荷荷重F11を径方向D12に十分な長さに亘って受け止めることができ、このような受止めによっても、上記の負荷荷重F11が金属間化合物145に直に掛かることを効果的に抑えることができる。
【0050】
また、本実施形態では、ステンレス配管141の外径φAよりもアルミニウム配管142の内径φBが大きい。そして、ステンレス配管141がアルミニウム配管142に差込み長さL11だけ差し込まれ、ステンレス配管141の外周面とアルミニウム配管142の内周面との間にてろう材部143が略円筒形状に形成されている。この構成によれば、ステンレス配管141及びアルミニウム配管142の相互間にあって両配管を接合するろう材部143が略円筒形状に形成されることから、金属間化合物145への負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向D11)となる。負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向D11)となることから、金属間化合物145の強度低下を抑えて接合強度を一層高めることができる。
【0051】
また、本実施形態では、ステンレス配管141における差込み端部141-1と、アルミニウム配管142における収容端部142-1とは、それぞれ軸線方向D11に径寸法が変化しない略円筒形状となっている。この構成によれば、略円筒形状の差込み端部141-1と収容端部142-1との間のろう材部143が略円筒形状に形成されることとなり、金属間化合物145への負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向D11)となる。負荷の方向が殆どせん断方向(即ち軸線方向D11)となることから、金属間化合物145の強度低下を抑えて接合強度を一層高めることができる。
【0052】
以上で第1実施形態についての説明を終了し、次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、荷重受け部144の構成要素である荷重受け凸部144aについて、凹凸の向きを第1実施形態とは逆向きの凹形状に変形したものである。以下、この変形点のみに注目して説明を行う。
【0053】
図4は、第2実施形態における荷重受け部を、
図3と同様の拡大断面で示した図である。尚、
図4では、
図3に示されている構成要素と同等な構成要素のうち説明に必要なものについて
図3と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0054】
第2実施形態における荷重受け部244は、ステンレス配管141において、ステンレス側接合面141aから径方向D12に凹んだ荷重受け凹部244aで構成されている。本実施形態の荷重受け凹部244aは、その内面が球面の一部をなすように凹んだ湾曲凹形状を有している。この荷重受け凹部244aに、ろう材部143が入り込んで設けられている。荷重受け凹部244aは、ステンレス配管141を外側から内側へと突出させて形成されたもので、ステンレス配管141の内面141bにおける荷重受け凹部244aとの対応箇所には、凸部241cが形成される。この荷重受け凹部244aが、配管軸X2回りの周方向D13に90°間隔で4つ配列されている。そして、これら4つの荷重受け凹部244aを有する荷重受け部244は、各荷重受け凹部244aに、アルミニウム配管142との間に形成されるろう材部143を入り込ませることで軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止める。尚、
図4(B)でも、
図3(B)と同様に、荷重受け凹部244aが大きめに強調されて示されている。
【0055】
以上に説明した第2実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様に、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とのろう付け箇所について接合強度を高めることができることは言うまでもない。
【0056】
また、本実施形態では、荷重受け部244がステンレス側接合面141aから径方向D12に凹んだ荷重受け凹部244aで構成され、ろう材部143が荷重受け凹部244aに入り込んで設けられる。この構成によれば、荷重受け部244を構成する荷重受け凹部244aの内側にろう材143aを入り込ませるという単純な構成によって効果的に軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止めて金属間化合物145の剥がれを一層抑えることができる。
【0057】
以上で第2実施形態についての説明を終了し、次に、第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、上述の第2実施形態の変形例であり、荷重受け部244の構成要素の形状を変えたものである。以下、この変形点のみに注目して説明を行う。
【0058】
図5は、第3実施形態における荷重受け部を、
図3(A)及び
図4(A)と同様の拡大断面で示した図である。尚、
図5では、
図4に示されている構成要素と同等な構成要素のうち説明に必要なものについて
図4と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0059】
第3実施形態における荷重受け部344は、上述の第2実施形態と同様に、ステンレス配管141において、ステンレス側接合面141aから径方向D12に凹んだ形状に形成されている。ただし、本実施形態の荷重受け部344は、周方向D13に一周に亘って連続して凹んだ荷重受け溝344aで構成されている。この荷重受け溝344aは、その断面が矩形状をなすように凹んだ矩形溝形状を有している。また、この荷重受け溝344aは、ステンレス側接合面141aに対する削り加工によって形成されたもので、ステンレス配管141の内面141bにおける荷重受け溝344aとの対応箇所には、対応する凸部等は形成されない。この荷重受け溝344aに、アルミニウム配管142との間に形成されるろう材部143を入り込ませることで軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止める。
【0060】
以上に説明した第3実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様に、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とのろう付け箇所について接合強度を高めることができることは言うまでもない。
【0061】
また、本実施形態でも、荷重受け溝344aの内側にろう材143aを入り込ませるという単純な構成によって効果的に軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止めて金属間化合物145の剥がれを一層抑えることができる。
【0062】
以上で第3実施形態についての説明を終了し、次に、第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、上述の第3実施形態の変形例であり、荷重受け部344の構成要素である削り加工による荷重受け溝344aの形状を変えたものである。以下、この変形点のみに注目して説明を行う。
【0063】
図6は、第4実施形態における荷重受け部を、
図5と同様の拡大断面で示した図である。尚、
図6では、
図5に示されている構成要素と同等な構成要素のうち説明に必要なものについて
図5と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0064】
第4実施形態における荷重受け部444も、上述の第3実施形態と同様に、ステンレス配管141において、ステンレス側接合面141aから径方向D12に凹むとともに、周方向D13に一周に亘って連続した荷重受け溝444aで構成されている。ただし、本実施形態の荷重受け溝444aは、その断面が三角形を有する三角溝形状を有するとともに、軸線方向D11に並んで複数設けられて鋸歯状断面の荷重受け部444を構成している。尚、鋸歯状断面の荷重受け部を構成する荷重受け溝の別例として、荷重受け溝が螺旋状に連続して設けられることとしてもよい。
【0065】
また、軸線方向D11に並ぶ各荷重受け溝444aは、ステンレス側接合面141aに対して傾斜して負荷荷重F11を受ける荷重受け傾斜面444a-1を有している。つまり、荷重受け部444は、軸線方向D11に並ぶ複数の荷重受け傾斜面444a-1を有することとなっている。そして、各々が荷重受け傾斜面444a-1を有する複数の荷重受け溝444aそれぞれにろう材部143のろう材143aが入り込んで設けられる。
【0066】
以上に説明した第4実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様に、ステンレス配管141とアルミニウム配管142とのろう付け箇所について接合強度を高めることができることは言うまでもない。
【0067】
また、本実施形態でも、上述の第2実施形態と同様に、荷重受け溝444aの内側にろう材143aを入り込ませるという単純な構成によって効果的に軸線方向D11の負荷荷重F11を受け止めて金属間化合物145の剥がれを一層抑えることができる。
【0068】
また、本実施形態では、荷重受け溝444aが軸線方向D11に並んで複数設けられる。この構成によれば、ステンレス側接合面141aに並ぶ複数の荷重受け溝444aにろう材143aが入り込むことで、軸線方向D11の負荷荷重F11を一層効果的に受け止めて金属間化合物145の剥がれを更に抑えることができる。
【0069】
また、本実施形態では、荷重受け部444は、ステンレス側接合面141aに対して傾斜した荷重受け傾斜面444a-1を有している。この構成によれば、荷重受け傾斜面444a-1によって、軸線方向D11の負荷荷重F11を広域に受け止めて金属間化合物145の剥がれを広範囲に抑えることができるので、ろう付け箇所について接合強度を一層高めることができる。
【0070】
尚、以上に説明した第1~第4実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によっても尚本発明の接合配管、機器、及び冷凍サイクルシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0071】
例えば、上述の第1~第4実施形態では、接合配管及び機器の一例として、冷凍サイクルシステム1における膨張弁100として利用される電動弁10と、その構成要素としての接合配管14が例示されている。しかしながら、機器は、膨張弁としての電動弁に限るものではなく、電磁弁や手動弁等といった電動弁以外の各種弁装置や、流路切換弁、逆止弁、閉鎖弁等といった膨張弁以外の各種弁装置であってもよい。更には、機器は、弁装置に限るものでもなく、接合配管を有するものであれば、アキュムレータ、オイルセパレータ、圧縮機、各種熱交換器、ドライヤー、スイッチ、センサ等の各種機器であってもよい。また、接合配管については、弁装置への適用に限るものでもなく、上述の各種機器に適用されるものであってもよい。
【0072】
また、上述の第1~第4実施形態では、接合配管及び機器の一例として、第1接合配管12及び第2接合配管13という2本の接合配管14を備えた電動弁10と、その構成要素としての接合配管14が例示されている。そして、接合配管に設けられる荷重受け部の一例として、全ての接合配管14に設けられる荷重受け部144,・・・,444が例示されている。しかしながら、接合配管、機器、及び、接合配管に設けられる荷重受け部は、これに限るものではない。接合配管の本数は任意の本数に設定し得るものであり、また、荷重受け部は、使用環境に応じ、複数の接合配管のうち必要となる一部の接合配管にのみ形成されることとしてもよい。
【0073】
また、上述の第1~第4実施形態では、接合配管の一例として、ステンレス配管141がアルミニウム配管142に差し込まれた接合配管14が例示されている。しかしながら、接合配管は、これに限るものではなく、上記の実施形態とは逆に、接合部にて、アルミニウム配管の外径よりステンレス配管の内径を大きくして、アルミニウム配管がステンレス配管に差し込まれることとしてもよい。
【0074】
また、上述の第1~第4実施形態では、荷重受け部の一例として次のような各種の荷重受け部が例示されている。即ち、周方向D13に90°間隔で並ぶ4つの荷重受け凸部144a及び荷重受け凹部244aで構成される荷重受け部144,244が例示されている。また、周方向D13に一周に亘って連続した荷重受け溝344aで構成される荷重受け部344や、そのような荷重受け溝444aが軸線方向D11に複数並んで構成される荷重受け部444が例示されている。しかしながら、荷重受け部は、これらに限るものではなく、軸線方向の負荷荷重を受け止めるものであれば、その具体的な形状等を問うものではない。ただし、凸部や凹部や1つ又は複数の溝で構成される荷重受け部によれば単純な構成によって効果的に負荷荷重を受け止めることができる点は上述した通りである。
【0075】
また、上述の第1~第4実施形態では、荷重受け部の一例として、軸線方向D11の寸法が金属間化合物145の層厚t11より大きい荷重受け部144,・・・,444が例示されている。また、これらの荷重受け部144,・・・,444は、何れも交差方向、即ち径方向D12の寸法も金属間化合物145の層厚t11よりも大きくなっている。しかしながら、荷重受け部は、これらに限るものではなく、軸線方向や交差方向の寸法が金属間化合物の層厚と同じか、当該層厚よりも小さいものであってもよい。ただし、軸線方向や交差方向の寸法を金属間化合物145の層厚t11よりも大きくすることで負荷荷重F11が金属間化合物145に直に掛かることを効果的に抑えることができる点は上述した通りである。
【0076】
また、上述の第1~第4実施形態では、ステンレス配管とアルミニウム配管の間に形成されるろう材部の一例として、各配管の形状に応じて略円筒形状に形成されるろう材部143が例示されている。しかしながら、ろう材部は、これに限るものではなく、円筒以外の筒形状のステンレス配管とアルミニウム配管を用い、円筒以外の筒形状のろう材部を形成することとしてもよい。ただし、ろう材部143を略円筒形状に形成することで、金属間化合物145への負荷の方向を殆どせん断方向(即ち軸線方向D11)として、金属間化合物145の強度低下を抑えて接合強度を一層高めることができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0077】
1 冷凍サイクルシステム
10 電動弁
11 機器本体
11a 弁室
11b 弁体
11c 弁座部材
12 第1接合配管
13 第2接合配管
14 接合配管
100 膨張弁
101 第1配管
102 第2配管
200 室外熱交換器
300 室内熱交換器
400 流路切換弁
500 圧縮機
111 ハウジング
111-1 弁本体
111-2 ケース
111a 底壁部分
111b 周壁部分
141 ステンレス配管
141-1 差込み端部
141a ステンレス側接合面
141b,142a 内面
141c 凹部
142 アルミニウム配管
142-1 収容端部
142a-1 段差部分
143 ろう材部
143a ろう材
144,244,344,444 荷重受け部
144a 荷重受け凸部
145 金属間化合物
241c 凸部
244a 荷重受け凹部
344a,444a 荷重受け溝
444a-1 荷重受け傾斜面
D11 軸線方向
D12 径方向
D13 周方向
F11 負荷荷重
L11 差込み長さ
t11 層厚
t12 クリアランス
W11 凸幅寸法
W12 凸高さ寸法
X1 弁軸
X2 配管軸
φA 外径
φB 内径