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特開2024-147247コンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147247
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/238 20110101AFI20241008BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241008BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N21/238
G06F3/01 510
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060147
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀明
(72)【発明者】
【氏名】木村 英志
(72)【発明者】
【氏名】福島 寛人
【テーマコード(参考)】
5B050
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050AA09
5B050BA09
5B050BA12
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA07
5B050DA01
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA12
5B050FA13
5C164SB21P
5C164SB41S
5C164SC11S
5C164YA12
5C164YA21
5E555AA29
5E555AA48
5E555BA02
5E555BA08
5E555BA87
5E555BB02
5E555BB08
5E555BC17
5E555BE17
5E555CA41
5E555CB69
5E555CC03
5E555DA08
5E555DB57
5E555DC05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】VRコンテンツの利用時にVR酔いが生じた場合には、VR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させる。
【解決手段】本発明では、所定のシナリオ実施するためのVRコンテンツおよび非VRコンテンツを作成しておき、VR環境下でVRコンテンツを利用するユーザにVR酔いが発生した場合には、ユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツへ切り替える(ステップS2)。また、非VR環境下で非VRコンテンツを利用するユーザがVR酔いから回復した場合には、ユーザに提供するコンテンツを切り替える非VRコンテンツからVRコンテンツへ切り替える(ステップS4)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供システムであって、
所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツを前記ユーザに提供するVRコンテンツ提供部と、
前記所定のシナリオを実施するための非VRコンテンツを前記ユーザに提供する非VRコンテンツ提供部と、
前記ユーザのVR酔いの状況に応じて、前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツと、前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツとの間で、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えるコンテンツ切替部と、を有することを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記ユーザにVR酔いが発生した場合に、前記コンテンツ切替部が、前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツから前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記ユーザがVR酔いから回復した場合に、前記コンテンツ切替部が、前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツから前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記ユーザが実施する前記所定のシナリオの進度を管理する進度管理部を有し、
前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える際に、前記進度管理部が、前記VRコンテンツ提供部または前記非VRコンテンツ提供部に、前記コンテンツの切り替え前までに進められていた前記所定のシナリオの進度に基づいて切り替え後のコンテンツを開始させることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項5】
前記進度管理部が、前記VRコンテンツの進度と前記非VRコンテンツの進度とが関連付けられているテーブルを参照し、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える際に、切り替え前の前記コンテンツの進度に対応する切り替え後の前記コンテンツの進度を特定して、当該特定した進度から切り替え後の前記コンテンツを開始させることを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記VRコンテンツが、前記ユーザの操作によって挙動が変化するインタラクティブ型のコンテンツであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
前記コンテンツ切替部が、前記ユーザのVR酔いの状況を示すユーザ入力情報、または前記ユーザの生体情報から推定した前記VR酔いの状況を示す推定結果情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項8】
ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供方法であって、
所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツを前記ユーザに提供するVRコンテンツ提供ステップと、
前記ユーザにVR酔いが発生した場合に、前記VRコンテンツから前記所定のシナリオを実施するための非VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えるVR/非VRコンテンツ切替ステップと、をコンピュータにより実行することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項9】
前記ユーザによる前記VRコンテンツの進度を格納するVRコンテンツ進度格納ステップと、
前記VR/非VRコンテンツ切替ステップにおいて前記コンテンツを切り替える際に、前記ユーザによる前記VRコンテンツの進度に対応する前記非VRコンテンツの進度を特定する非VRコンテンツ進度特定ステップと、
前記非VRコンテンツ進度特定ステップで特定した前記非VRコンテンツの進度から前記非VRコンテンツの提供を開始する非VRコンテンツ提供ステップと、を有することを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項10】
前記ユーザがVR酔いから回復した場合に、前記非VRコンテンツから前記VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える非VR/VRコンテンツ切替ステップを有することを特徴とする請求項8または9に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項11】
前記ユーザによる前記非VRコンテンツの進度を格納する非VRコンテンツ進度格納ステップと、
前記非VR/VRコンテンツ切替ステップにおいて前記コンテンツを切り替える際に、前記ユーザによる前記非VRコンテンツの進度に対応する前記VRコンテンツの進度を特定するVRコンテンツ進度特定ステップと、
前記VRコンテンツ進度特定ステップで特定した前記VRコンテンツの進度から前記VRコンテンツの提供を再開するVRコンテンツ再提供ステップと、を有することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法に関し、特に、VR(仮想現実:Virtual Reality)環境下で利用可能なコンテンツを提供するコンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VRを利用したコンテンツ(以下、VRコンテンツ)が増えてきている。こうしたVRコンテンツは、例えば娯楽や学習(訓練や研修を含む)等に利用されている。
【0003】
ユーザは、例えばVRゴーグルやVRヘッドセット等を利用して3次元の仮想空間であるVR環境下でVRコンテンツを視聴するが、このとき、乗り物酔いに似た症状であるVR酔いが引き起こされる場合があることが知られている。VR酔いが発生したユーザには、不快感、頭痛、吐き気、眩暈等の症状が現れる。このため、VR利用時に発生するVR酔いへの対策の検討も活発になってきている。
【0004】
VR酔いへの対策に関して、下記の特許文献1には、ユーザにVR酔いが生じた場合に、VRシステムによって提示される仮想空間の映像の刺激強度を段階的に低下させ、さらに映像を静止して、ユーザをVRシステムの外に誘導してVR酔いから回復させる技術が記載されている。
【0005】
また、下記の特許文献2には、VRコンテンツによる酔い状況に応じて、VRコンテンツを表示可能に設けられた複数の表示器の間で表示内容を引き継ぎつつ、VRコンテンツを表示する表示器を切り替える技術が記載されている。特許文献2に記載されている技術によれば、VR酔いを軽減するために、例えばHMD(ヘッドマウントディスプレイ:Head Mount Display)からHUD(ヘッドアップディスプレイ:Head-Up Display)にVRコンテンツの表示器を切り替えることで、VR酔いを引き起こす刺激を低減しながらVRコンテンツの継続した利用を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-339490号公報
【特許文献2】特開2022-189598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている技術では、VR酔いを軽減するために、例えば移動速度を下げたり回転運動を行わないようにしたりすることで、VRコンテンツの刺激強度を低減する。また、VR酔いが改善されずVRコンテンツの利用の継続が不可能な場合には、ユーザに休息を取らせるためにVRコンテンツの提供を終了する。
【0008】
しかしながら、刺激強度を低減するようにVRコンテンツの表示態様を変更した場合であっても、ユーザは依然としてVR環境下にいるためVR酔いが改善されない可能性がある。また、VRコンテンツを利用した研修等のように、コンテンツからの学習が必須であるとともに時間に制限がある場合には、VRコンテンツの提供を終了してしまうと限られた時間内に所定の研修等が行えなくなってしまい、VRコンテンツを利用すること自体の意味も問われるため深刻な問題である。
【0009】
また、特許文献2に記載されている技術によれば、VR酔いを軽減するために、表示器を切り替えることで、VRコンテンツの利用を継続する手法が取られている。
【0010】
特許文献2に記載されている技術は、VRコンテンツの提供を終了せずに、表示器を切り替えることでVRコンテンツの提供を継続して行えるようにしている。しかしながら、複数の表示器を切り替えながらVRコンテンツの提供を継続するため、刺激強度を低減するようにVRコンテンツの表示器を変更した場合であっても、ユーザは依然としてVR環境下にいるためVR酔いが改善されない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、VRコンテンツの利用時にVR酔いが生じた場合には、VR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることが可能なコンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ提供システムは、ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供システムであって、所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツを前記ユーザに提供するVRコンテンツ提供部と、前記所定のシナリオを実施するための非VRコンテンツを前記ユーザに提供する非VRコンテンツ提供部と、前記ユーザのVR酔いの状況に応じて、前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツと、前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツとの間で、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えるコンテンツ切替部と、を有することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、同一のシナリオを実施するためのVRコンテンツおよび非VRコンテンツを準備して、ユーザのVR酔いの状況に応じて、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツと非VRコンテンツとの間で切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0014】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記ユーザにVR酔いが発生した場合に、前記コンテンツ切替部が、前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツから前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、VRコンテンツの利用時にユーザにVR酔いが生じた場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツに切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、VRコンテンツにより実施されるべきシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0016】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記ユーザがVR酔いから回復した場合に、前記コンテンツ切替部が、前記非VRコンテンツ提供部による前記非VRコンテンツから前記VRコンテンツ提供部による前記VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、非VRコンテンツの利用時にユーザがVR酔いから回復した場合に、シナリオを実施するためのコンテンツを非VRコンテンツからVRコンテンツに切り替えることで、VRコンテンツの提供を再開することができるようになる。
【0018】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記ユーザが実施する前記所定のシナリオの進度を管理する進度管理部を有し、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える際に、前記進度管理部が、前記VRコンテンツ提供部または前記非VRコンテンツ提供部に、前記コンテンツの切り替え前までに進められていた前記所定のシナリオの進度に基づいて切り替え後のコンテンツを開始させてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、コンテンツを切り替えた場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0020】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記進度管理部が、前記VRコンテンツの進度と前記非VRコンテンツの進度とが関連付けられているテーブルを参照し、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える際に、切り替え前の前記コンテンツの進度に対応する切り替え後の前記コンテンツの進度を特定して、当該特定した進度から切り替え後の前記コンテンツを開始させてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、VRコンテンツの進度と非VRコンテンツの進度とをあらかじめ関連付けられておくことで、コンテンツを切り替えた場合であっても、切り替え前にコンテンツを利用して進めていたシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0022】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記VRコンテンツが、前記ユーザの操作によって挙動が変化するインタラクティブ型のコンテンツであってもよい。
【0023】
上記の構成によれば、ユーザの操作によって挙動が変化するインタラクティブ型のVRコンテンツに関しても、このVRコンテンツに対応する非VRコンテンツを準備しておくことで、ユーザのVR酔いの状況に応じて、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツと非VRコンテンツとの間で切り替え、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0024】
本発明に係るコンテンツ提供システムは、上記の構成において、前記コンテンツ切替部が、前記ユーザのVR酔いの状況を示すユーザ入力情報、または前記ユーザの生体情報から推定した前記VR酔いの状況を示す推定結果情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、ユーザにVR酔いの状況を入力させたり、ユーザの生体情報からVR酔いの状況を推定したりすることでユーザのVR酔いの状況を取得し、VR酔いの状況に応じた適切なタイミングで、ユーザに提供するコンテンツを切り替えることができるようになる。
【0026】
また、上記の目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ提供方法は、ユーザに対してコンテンツを提供するコンテンツ提供方法であって、所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツを前記ユーザに提供するVRコンテンツ提供ステップと、前記ユーザにVR酔いが発生した場合に、前記VRコンテンツから前記所定のシナリオを実施するための非VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替えるVR/非VRコンテンツ切替ステップと、をコンピュータにより実行することを特徴とする。
【0027】
上記の処理によれば、同一のシナリオを実施するためのVRコンテンツおよび非VRコンテンツを準備して、VRコンテンツの利用時にユーザにVR酔いが生じた場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツに切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、VRコンテンツにより実施されるべきシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0028】
本発明に係るコンテンツ提供方法は、上記の処理において、前記ユーザによる前記VRコンテンツの進度を格納するVRコンテンツ進度格納ステップと、前記VR/非VRコンテンツ切替ステップにおいて前記コンテンツを切り替える際に、前記ユーザによる前記VRコンテンツの進度に対応する前記非VRコンテンツの進度を特定する非VRコンテンツ進度特定ステップと、前記非VRコンテンツ進度特定ステップで特定した前記非VRコンテンツの進度から前記非VRコンテンツの提供を開始する非VRコンテンツ提供ステップと、を有してもよい。
【0029】
上記の処理によれば、コンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツへ切り替えた場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0030】
本発明に係るコンテンツ提供方法は、上記の処理において、前記ユーザがVR酔いから回復した場合に、前記非VRコンテンツから前記VRコンテンツへ、前記ユーザに提供する前記コンテンツを切り替える非VR/VRコンテンツ切替ステップを有してもよい。
【0031】
上記の処理によれば、非VRコンテンツの利用時にユーザがVR酔いから回復した場合に、シナリオを実施するためのコンテンツを非VRコンテンツからVRコンテンツに戻すことができるようになる。
【0032】
本発明に係るコンテンツ提供方法は、上記の処理において、前記ユーザによる前記非VRコンテンツの進度を格納する非VRコンテンツ進度格納ステップと、前記非VR/VRコンテンツ切替ステップにおいて前記コンテンツを切り替える際に、前記ユーザによる前記非VRコンテンツの進度に対応する前記VRコンテンツの進度を特定するVRコンテンツ進度特定ステップと、前記VRコンテンツ進度特定ステップで特定した前記VRコンテンツの進度から前記VRコンテンツの提供を再開するVRコンテンツ再提供ステップと、を有してもよい。
【0033】
上記の処理によれば、ユーザに提供するコンテンツを非VRコンテンツからVRコンテンツへ戻した場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るコンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法によれば、VRコンテンツの利用時にVR酔いが生じた場合には、VR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の基本的な概念を説明するための図である。
図2】本発明の実施形態におけるコンテンツ提供システムを示すブロック図である。
図3図2に示すサーバ装置に実装されているコンテンツ切替システムの一例を示すブロック図である。
図4図2に示すサーバ装置に実装されているVR研修システムの一例を示すブロック図である。
図5図2に示すサーバ装置に実装されているスライド型研修システムの一例を示すブロック図である。
図6図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムの一例を示すブロック図である。
図7図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されているチェックポイントテーブルの一例を示す図である。
図8図7に示すチェックポイントテーブルで定義されている情報を模式的に表した図である。
図9図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されている進度状況テーブルの一例を示す図である。
図10図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されているリソース状態テーブルの一例を示す図である。
図11図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されているVRチェックポイント更新条件テーブルの一例を示す図である。
図12図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されているページ状態テーブルの一例を示す図である。
図13図2に示すサーバ装置に実装されているデータベース管理システムで管理されているスライドチェックポイント更新条件テーブルの一例を示す図である。
図14図2に示すサーバ装置の処理の概要を示すフローチャートである。
図15図3に示すコンテンツ切替システムの切替処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図16図4に示すVR研修システムのVR進度管理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図17図4に示すVR研修システムのVR入力処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図18図5に示すスライド型研修システムのスライド進度管理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図19図5に示すスライド型研修システムのスライド入力処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図20図2に示すコンテンツ提供システムにおいてユーザに提供されるVR表示およびスライド表示の一例を示す図である。
図21】本発明の実施形態における処理を実施することが可能なコンピュータの一構成例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0037】
(本発明の基本的な概念)
まず、図1を参照しながら、本発明の基本的な概念について説明する。図1は、本発明の基本的な概念を説明するための図である。
【0038】
本発明は、VR環境下でVRコンテンツを利用しているユーザにVR酔いが発生した場合に、当該VR酔いへの対策を行うものである。
【0039】
本発明では、VR酔いが発生する可能性のあるVRコンテンツに加えて、VR酔いが発生しないコンテンツ(以下、非VRコンテンツと記載)を準備しておく。
【0040】
VRコンテンツは、ユーザがVRゴーグルやVRヘッドセット等を装着して、VR環境下で現実空間を仮想的に体感することができるコンテンツである。一方、非VRコンテンツは、ユーザが非VR環境下で閲覧可能なコンテンツであり、一例としてスライド等の2次元画像情報である。
【0041】
本発明では、ユーザに対してVRコンテンツを提供し、ユーザにVR環境下でVRコンテンツを体感させることができるようになっている。このとき、VR環境下のユーザにVR酔いが発生した場合には、ユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツに切り替えるようにする。また、ユーザがVR酔いから回復した場合には、ユーザに提供するコンテンツを非VRコンテンツからVRコンテンツに切り替えるようにする。
【0042】
本発明で提供するVRコンテンツは、時間またはユーザによる操作に応じて所定のシナリオが進行するコンテンツである。すなわち、VRコンテンツは、時間またはユーザによる操作によって進行し、ユーザに対してVRコンテンツを提供することで所定のシナリオが実施されるようになっている。
【0043】
VRコンテンツは、再生する映像がタイムスタンプ(時刻情報)に沿って配列されたストリーミング型のコンテンツであってもよく、ユーザの操作によって挙動(所定のシナリオの進行方向)が変化するインタラクティブ型のコンテンツであってもよい。
【0044】
VRコンテンツの種類は特に限定されず、ゲームや動画等の娯楽、疑似観光、不動産業における内見やリフォームの体験、機器の点検や修理等の作業手順の訓練、手術の訓練等、様々なVRコンテンツに関して本発明を適用することができる。また、本明細書でいう所定のシナリオとは、VRコンテンツの提供によってユーザに体感させる一連の内容を意味する。例えば、VR環境下で機器点検作業の研修を実施する場合には、所定のシナリオとして所定の機器点検作業が設定可能であり、機器点検作業に係るシナリオは、機器点検作業の作業工程に従って進行する。
【0045】
上述したように、VRコンテンツは所定のシナリオを実施するものである。所定のシナリオの進度(進行具合)はVRコンテンツの進度と一致し、VRコンテンツの進度が進めば進むほど、所定のシナリオの進度も進む。一例として、機器点検作業の作業手順の研修にVRコンテンツを利用する場合、この作業研修用のVRコンテンツは、作業の開始から各作業工程の実施を経て作業の終了までの一連の作業工程を研修(学習)できるように作成されている。ユーザは、VR環境下で各作業工程を実施しながら作業を行うことで、機器点検作業に係るシナリオを進めていくことができる。
【0046】
本発明で準備する非VRコンテンツは、対応するVRコンテンツと同一の内容を含むように作成される。すなわち、本発明では、同一のシナリオを進めるコンテンツとして、VRコンテンツに加えて、当該VRコンテンツに対応した非VRコンテンツを準備する。非VRコンテンツも、VRコンテンツと同一のシナリオを実施するものであり、非VRコンテンツの進度が進めば進むほど、所定のシナリオの進度も進むようになっている。
【0047】
図1では、図面の横軸方向に所定のシナリオ全体の進度が設定されている。所定のシナリオ全体の進度は左から右に向かって進行する。また、図1には、所定のシナリオを実施するために作成されたVRコンテンツおよび非VRコンテンツが横長のボックスによって模式的に表されている。
【0048】
所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツをユーザに提供し、ユーザがこのVRコンテンツの利用を開始してVR環境下でシナリオを進めていくと、VRコンテンツの進度も進行する(ステップS1)。ここで、VR環境下においてユーザにVR酔いが発生した場合には、ユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツに切り替える(ステップS2)。このとき、VRコンテンツの進度はそのまま非VRコンテンツに引き継がれる。例えば、VRコンテンツの進度がシナリオの進度P1まで進んでいる場合には、切り替え後の非VRコンテンツはシナリオの進度P1から開始される。図1のステップS2は、本発明に係るVR/非VRコンテンツ切替ステップに相当する。
【0049】
シナリオの進度P1から非VRコンテンツをユーザに提供することで、ユーザは非VRコンテンツへの切り替え前のVRコンテンツの進度の位置から非VRコンテンツを利用することができ、VR環境下で進めていたシナリオを非VR環境下で引き続き進めていくことができる(ステップS3)。ここで、非VR環境下でユーザがVR酔いから回復した場合には、ユーザに提供するコンテンツを非VRコンテンツからVRコンテンツに切り替える(ステップS4)。このとき、非VRコンテンツの進度はそのままVRコンテンツに引き継がれる。例えば、非VRコンテンツの進度がシナリオの進度P2まで進んでいる場合には、切り替え後のVRコンテンツはシナリオの進度P2から開始される。なお、図1には、ユーザがVR酔いから回復した場合が図示されているが、VR酔いから回復しない場合には、このまま非VR環境下で最後までシナリオを進めてもよい。図1のステップS4は、本発明に係る非VR/VRコンテンツ切替ステップに相当する。
【0050】
ユーザは、VRコンテンツへの切り替え前の非VRコンテンツの進度の位置から、VRコンテンツを利用することができ、VR環境下でシナリオを進めていく(ステップS5)。図1には、このままVR環境下で最後までシナリオを進めていく場合が図示されているが、VR環境下においてユーザに再びVR酔いが発生した場合には、ユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツから非VRコンテンツに切り替えてもよい。
【0051】
ユーザにVR酔いが発生したことやVR酔いから回復したことを検出する方法は、特に限定されない。例えば、VR酔いの発生または回復をユーザが自主的に申告してもよく、ユーザを観察している第三者が判断してもよく、あるいはユーザの生体情報から推定してもよい。
【0052】
また、VRコンテンツを表示する表示装置には、VRゴーグルやVRヘッドセット等のVRに対応した機器を利用する必要があるが、非VRコンテンツを表示する表示装置は特に限定されず、VRゴーグルやVRヘッドセット等を利用して非VRコンテンツを表示してもよく、2次元の表示を行うモニタ等を利用してもよい。
【0053】
以上のように、本発明は、同一シナリオに対応するVRコンテンツおよび非VRコンテンツをあらかじめ準備しておき、VR酔いの発生または回復に応じて、コンテンツ自体を切り替えてシナリオを継続させる点に特徴がある。
【0054】
上述した特許文献1、2に記載されている従来技術では、刺激強度を低減するようにVRコンテンツの表示態様を変更したり、VR酔いを軽減できるような表示器に切り替えたりすることが行われるが、いずれの技術も、VR酔いを軽減しながらVRコンテンツの利用を継続させるという技術思想に基づくものであり、VRコンテンツの利用を継続させることから、ユーザに対するVR酔いのリスクを完全に払拭できるものではない。
【0055】
これに対して、本発明は、VRコンテンツの利用を継続させるのではなく、VR酔いの発生または回復に応じて、同一シナリオに対応するVRコンテンツおよび非VRコンテンツを切り替えることで、そのシナリオが途切れないように進行させるという技術思想に基づくものである。このようなVRコンテンツおよび非VRコンテンツを切り替えるVR酔いへの対策は、従来技術にはない本発明の特徴であり、ユーザに対するVR酔いのリスクを確実に払拭できるものである。また、本発明は、VRコンテンツの進度および非VRコンテンツの進度を管理して、コンテンツの切り替え前後で同一のシナリオ進度を維持できるようにするという特徴も有する。
【0056】
VRコンテンツがストリーミング型のコンテンツである場合、このVRコンテンツに対応する非VRコンテンツは、例えば、VRコンテンツを非VR化した映像や、所定の時間間隔でキャプチャした静止画をVRコンテンツのタイムスタンプに従って並べた映像等を用いることができる。これにより、同一シナリオに対応した非VRコンテンツを作成することができる。
【0057】
一方、VRコンテンツがインタラクティブ型のコンテンツである場合、VRコンテンツの挙動や進行は、ユーザの操作によって様々に変化する可能性がある。このようなインタラクティブ型のVRコンテンツに対応するためには、VRコンテンツの挙動や進行の様々な変化を想定した非VRコンテンツを作成すればよい。
【0058】
以下、本発明の実施形態におけるコンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法について、具体的な適用例を挙げて説明する。
【0059】
以下では、機器点検作業の研修にVR環境を利用し、ユーザがVR環境下で機器点検作業を実施する場合について説明する。機器点検作業の研修では、例えば、各種機器の各種点検作業ごとに講座を設けて、特定の機器の点検開始から点検終了等のような一纏まりの作業を1つの講座とし、ユーザは各講座に設定されている機器点検作業をVR環境下で実施することで、講座単位で機器点検作業の学習(訓練)を行うことができるようになっている。すなわち、以下では、機器点検作業を学習するための各講座をユーザが受講することで作業内容を学習し、機器点検作業の学習効率を向上させるためにVRを利用したVR研修が行われる場合を想定して説明を行う。なお、ここで説明する具体的な適用例は、あくまでも本発明を説明するための一例であって、本発明を不当に限定するものではない。
【0060】
(コンテンツ提供システムの構成例)
図2を参照しながら、本発明の実施形態におけるコンテンツ提供システム10の一例について説明する。図2は、本発明の実施形態におけるコンテンツ提供システム10を示すブロック図である。
【0061】
図2に示すように、本発明の実施形態におけるコンテンツ提供システム10は、クライアント端末100およびサーバ装置200を備えて構成されている。クライアント端末100とサーバ装置200との接続方法および通信方法は特に限定されない、例えば、クライアント端末100とサーバ装置200とは有線または無線により接続可能であり、クライアント端末100とサーバ装置200との通信方式も既存のものを適宜利用すればよい。
【0062】
クライアント端末100は、ユーザ側に配置されている装置である。クライアント端末100には、表示装置110および操作入力装置120が接続されている。なお、複数のユーザが存在する場合、クライアント端末100は、複数のユーザを一括して管理してもよく、個々のユーザに対応してクライアント端末100が配置されてもよい。クライアント端末100としては、VR環境における表示および操作に係る処理を実行することが可能とする機能が実装された汎用コンピュータを用いてもよく、VRに特化して開発されたVR用装置を用いてもよい。
【0063】
表示装置110は、VRコンテンツ261(図6参照)をVR環境下の仮想現実空間に表示することができるようになっている。一例として、表示装置110にはVRゴーグルまたはVRヘッドセットを用いることができる。
【0064】
さらに、表示装置110は、非VRコンテンツを表示することができるようになっている。非VRコンテンツは、非VR環境下で表示可能なコンテンツであれば特に限定されないが、ここでは一例として、2次元の表示画面に表示可能なスライド271(図6参照)を用いた場合について説明する。
【0065】
非VRコンテンツであるスライド271を表示する表示装置110として、VRゴーグルまたはVRヘッドセット等のVR環境に対応した装置を用いてもよい。VR環境に対応した表示装置110にスライド271を表示した場合、その表示画面は非VRモードで表示されるため、ユーザにVR酔いは発生しない。また、表示装置110として、VRゴーグルまたはVRヘッドセット等のVR環境に対応した装置と、通常のモニタ等のVR環境に対応していない装置とを併用してもよい。すなわち、表示装置110を複数台設けて、VRコンテンツ261を表示する場合にはVRゴーグルまたはVRヘッドセット等のVR環境に対応した装置を使用し、スライド271を表示する場合には通常のモニタ等のVR環境に対応していない装置を使用してもよい。
【0066】
操作入力装置120は、ユーザが操作および入力を行うための装置である。操作入力装置120は特に限定されないが、例えば、VR環境におけるユーザ操作および入力を受け付けるコントローラを用いてもよく、あるいは、汎用コンピュータで操作入力インタフェースとして利用されているマウスやキーボード、タッチパネルインタフェース等を用いてもよい。
【0067】
サーバ装置200は、コンテンツ切替システム210、VR研修システム220、スライド型研修システム230、データベース管理システム240を備えて構成されている。サーバ装置200が備えるコンテンツ切替システム210、VR研修システム220、スライド型研修システム230、データベース管理システム240の詳細については後述する。
【0068】
ここでは、1つのサーバ装置200内に、コンテンツ切替システム210、VR研修システム220、スライド型研修システム230、データベース管理システム240が実装されている場合を一例として挙げるが、上記各システムは複数のサーバ装置200に分散されていてもよい。また、コンテンツ切替システム210等の一部の機能は、クライアント端末100に実装されてもよい。
【0069】
サーバ装置200としては、特に限定されないが、例えば汎用コンピュータを用いることができる。サーバ装置200として汎用コンピュータを用いる場合、サーバ装置200は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)、メモリ、ストレージ等を備えて構成され、ストレージに格納されたプログラムやデータ等をメモリ上に読み込んでCPUにより実行することで、各システムに係る機能を実現して、所望の処理を実施することができる。なお、VR研修システム220については、VRに特化して開発されたVR用装置を用いてもよい。
【0070】
また、サーバ装置200は、ユーザのVR酔いの状況(ユーザにVR酔いが発生しているか否か、あるいはユーザがVR酔いから回復しているか否か)を特定するための情報を取得することができるようになっている。ユーザのVR酔いの状況は、例えば、ユーザ自身やユーザの周囲に居る第三者がVR酔いの状況を操作入力装置120により入力してもよく、あるいは、ユーザの心拍数や血圧、体温、発汗量、瞬目や眼球運動等の生体情報を検知する生体情報検知装置150を設けて、検知したユーザの生体情報からユーザのVR酔いの状況を推定できるようにしてもよい。
【0071】
図2に示すコンテンツ提供システム10では、一例として、操作入力装置120を用いてユーザにより入力されたVR酔いの状況が、クライアント端末100からサーバ装置200に通知されるとともに、さらに、生体情報検知装置150で検知した生体情報がサーバ装置200に送信されるようになっている。なお、生体情報検知装置150で検知した生体情報がクライアント端末100に送信され、クライアント端末100に実装されたコンテンツ切替システム210の機能によって、ユーザのVR酔いの状況を推定してもよい。
【0072】
次に、図3図6を参照しながら、図2に示すサーバ装置200に実装されているコンテンツ切替システム210、VR研修システム220、スライド型研修システム230、データベース管理システム240についてそれぞれ説明する。
【0073】
(コンテンツ切替システムの構成例)
図3は、図2に示すサーバ装置200に実装されているコンテンツ切替システム210の一例を示すブロック図である。
【0074】
図3に示すコンテンツ切替システム210は、VR酔い推定部211、切替処理部212を備えている。コンテンツ切替システム210は、本発明に係るコンテンツ切替部を構成する。
【0075】
VR酔い推定部211は、生体情報検知装置150から入力されるユーザの生体情報に基づいて、ユーザのVR酔いの状況を推定する機能を有する。
【0076】
VR酔い推定部211が推定するユーザのVR酔いの状況とは、ユーザにVR酔いが発生しているか否か、あるいはユーザがVR酔いから回復しているか否かである。VR酔い推定部211は、ユーザの生体情報に基づいて、ユーザにVR酔いが発生したこと、あるいはユーザがVR酔いから回復したことを推定することができるようになっている。VR酔い推定部211がユーザのVR酔いの状況を推定する方法は特に限定されないが、例えば、AI(人工知能:Artificial Intelligence)技術等を利用し、過去の生体情報を機械学習して生成された推定モデルを用いて、入力された生体情報からユーザのVR酔いの状況を推定してもよい。
【0077】
VR酔い推定部211は、ユーザにVR酔いが発生したと推定した場合、またはユーザがVR酔いから回復したと推定した場合に、ユーザの識別情報およびそのユーザのVR酔いの状況を示す指定結果情報を含む切替リクエストを切替処理部212に通知する。
【0078】
切替処理部212は、ユーザのVR酔いの状況に基づいてユーザに対して提供するコンテンツを切り替えて、VRコンテンツ261およびスライド271のいずれかをユーザに対して提供するように制御する機能を有する。
【0079】
例えばユーザ自身やユーザの周囲に居る第三者がクライアント端末100に接続されている操作入力装置120を利用してVR酔いの状況を入力した場合、この入力されたVR酔いの状況が、切替リクエストとしてクライアント端末100から切替処理部212に通知されるようになっている。また、切替処理部212には、VR酔い推定部211から切替リクエストが通知されるようになっている。
【0080】
切替処理部212は、これらの切替リクエストの通知を受けた場合に、ユーザに対して提供するコンテンツを、VRコンテンツ261およびスライド271のいずれかに切り替えることができるようになっている。
【0081】
より詳細には、切替処理部212は、ユーザにVR酔いが発生したことを示す切替リクエストの通知を受けた場合には、VR研修システム220に対して、そのユーザに対するVRコンテンツ261の提供を停止するように指示するVRコンテンツ提供停止リクエストを送信するとともに、スライド型研修システム230に対して、そのユーザに対するスライド271の提供を開始するように指示するスライド提供開始リクエストを送信する。
【0082】
また、切替処理部212は、ユーザがVR酔いから回復したことを示す切替リクエストの通知を受けた場合には、スライド型研修システム230に対して、そのユーザに対するスライド271の提供を停止するように指示するスライド提供停止リクエストを送信するとともに、VR研修システム220に対して、そのユーザに対するVRコンテンツ261の提供を開始するように指示するVRコンテンツ提供開始リクエストを送信する。
【0083】
ここでは、切替処理部212が、VR酔い推定部211からの切替リクエスト、およびユーザにより入力された切替リクエストに基づいてコンテンツ切替を行うように構成されているが、上記の切替リクエストのいずれか一方のみを用いてもよい。例えば、生体情報からユーザのVR酔いの状況を推定するVR酔い推定部211を設けず、コンテンツ切替システム210は、ユーザにより入力された切替リクエストのみに基づいてコンテンツの切替を行うように構成されていてもよい。
【0084】
(VR研修システムの構成例)
図4は、図2に示すサーバ装置200に実装されているVR研修システム220の一例を示すブロック図である。
【0085】
図4に示すVR研修システム220は、VRコンテンツ処理部221、VR入力処理部222、VR進度管理部223を備えている。VR研修システム220は、本発明に係るVRコンテンツ提供部を構成する。
【0086】
VRコンテンツ処理部221は、VR進度管理部223から通知された表示リクエストに基づいて、ユーザが利用するクライアント端末100にVRコンテンツ261を提供する機能を有する。VRコンテンツ処理部221は、データベース管理システム240からVRコンテンツ261を取得することができるようになっており、VR進度管理部223から表示リクエストの通知を受けると、その表示リクエストに対応したVRコンテンツ261の表示情報を生成して、クライアント端末100に送信する。
【0087】
VR入力処理部222は、ユーザが操作入力装置120を用いてVR環境下で入力した入力情報を受け付ける機能を有する。ユーザの入力情報には、ユーザがVR環境下においてどのような操作を行ったのかを示す情報が含まれる。VRコンテンツ261を機器点検作業の研修に利用している場合、VR環境下におけるユーザの入力情報には、例えば、電源ケーブルの接続、電源ボタンの押下、スイッチボタンの押下等の機器点検作業に係る各種動作が実施されたことを示す情報が含まれる。
【0088】
VR入力処理部222は、データベース管理システム240と連携して、データベース管理システム240で管理されているリソース状態テーブル262(図6参照)を更新したり、データベース管理システム240で管理されているVRチェックポイント更新条件テーブル263(図6参照)を参照したりすることができるようになっている。
【0089】
VR入力処理部222は、VR環境下でユーザにより実施された動作に対応したリソース状態テーブル262の値を更新する機能を有する。すなわち、VR入力処理部222は、リソース状態テーブル262において、VRコンテンツ261を利用した研修におけるユーザの状態(どのリソースに対する動作が実施されるまで研修が進んでいるか)を記録することができる。
【0090】
さらに、VR入力処理部222は、VR環境下でユーザにより実施された動作(リソース状態テーブル262で更新した値)がVRチェックポイント更新条件テーブル263に定義されている条件を満たすかどうかを判断し、VRチェックポイント更新条件テーブル263に定義されている条件を満たす場合には、VR進度管理部223に対して進度更新リクエストを送信する機能を有する。すなわち、VR入力処理部222は、VR進度管理部223に対して、VR環境下でのユーザの状態(どの作業工程まで研修が進んでいるか)を通知することができる。
【0091】
VR進度管理部223は、データベース管理システム240と連携して、データベース管理システム240で管理されている進度状況テーブル252(図6参照)を参照および更新する機能を有する。
【0092】
VR進度管理部223は、進度状況テーブル252に格納されているチェックポイントを参照して、チェックポイントが更新された場合には、VRコンテンツ処理部221に対して、そのチェックポイントに対応したVRコンテンツ261の表示情報を生成してクライアント端末100に提供するよう要求する表示リクエストを送信する機能を有する。
【0093】
進度状況テーブル252内のチェックポイントの更新は、VR進度管理部223により実行される場合と、スライド型研修システム230のスライド進度管理部233により実行される場合がある。進度状況テーブル252はVR研修システム220とスライド型研修システム230とで共有している。例えばユーザに提供するコンテンツをスライド271からVRコンテンツ261に切り替える際に、VR進度管理部223がスライド進度管理部233によって更新された進度状況テーブル252内のチェックポイントの値を参照することで、スライド271を利用して進めた研修の進度の位置からVRコンテンツ261の提供を開始することができ、コンテンツの切り替え前後で研修を引き継ぐことができるようになっている。
【0094】
また、VR進度管理部223は、VR入力処理部222から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新する機能を有する。上記の機能と併せると、VR進度管理部223は、VR入力処理部222から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新し、さらに、更新したチェックポイントに対応したVRコンテンツ261の表示情報を提供するようVRコンテンツ処理部221に指示することができるようになっている。
【0095】
さらに、VR進度管理部223は、コンテンツ切替システム210からVRコンテンツ提供開始リクエストの通知を受けた場合には、VR研修システム220によるVRコンテンツ261の提供を開始し、コンテンツ切替システム210からVRコンテンツ提供停止リクエストの通知を受けた場合には、VR研修システム220によるVRコンテンツ261の提供を停止するように制御する機能を有する。
【0096】
(スライド型研修システムの構成例)
図5は、図2に示すサーバ装置200に実装されているスライド型研修システム230の一例を示すブロック図である。
【0097】
図5に示すスライド型研修システム230は、スライド処理部231、スライド入力処理部232、スライド進度管理部233を備えている。スライド型研修システム230は、本発明に係る非VRコンテンツ提供部を構成する。
【0098】
スライド処理部231は、スライド進度管理部233から通知された表示リクエストに基づいて、ユーザが利用するクライアント端末100に非VRコンテンツであるスライド271を提供する機能を有する。スライド処理部231は、データベース管理システム240からスライド271を取得することができるようになっており、スライド進度管理部233から通知された表示リクエストを受けると、その表示リクエストに対応したスライド271の表示情報を生成して、クライアント端末100に送信する。
【0099】
スライド入力処理部232は、ユーザが操作入力装置120を用いて非VR環境下でスライド271に対して入力した入力情報を受け付ける機能を有する。ユーザの入力情報には、ユーザがスライド271に対してどのような操作を行ったのかを示す情報が含まれる。非VRコンテンツとしてのスライド271は、VRコンテンツ261に対応するように準備されたものであれば、スライド271の表示形式等については特に限定されない。ここで、機器点検作業の研修用のVRコンテンツ261に対応して、機器点検作業の各作業工程を説明する複数のページを含むスライド271を準備し、当該スライド271において、ユーザがページ送りボタンを選択するとスライド271のページ送りが行われるようになっているものとする。
【0100】
なお、ユーザの操作に応じてシナリオが分岐するように設定されている場合、スライド271は、ユーザの操作を求めずに簡素化された説明のみを行ってシナリオを次に進めるように作成されてもよく、スライド271の対応するページ内にユーザが選択可能な項目を設けて、ユーザの選択に応じてシナリオが分岐するように作成されてもよい。
【0101】
スライド入力処理部232は、データベース管理システム240と連携して、データベース管理システム240で管理されているページ状態テーブル272(図6参照)を更新したり、データベース管理システム240で管理されているスライドチェックポイント更新条件テーブル273(図6参照)を参照したりすることができるようになっている。
【0102】
スライド入力処理部232は、VR環境下でユーザにより実施された動作に対応したページ状態テーブル272の値を更新する機能を有する。すなわち、スライド入力処理部232は、ページ状態テーブル272において、非VR環境下での研修におけるユーザの状態(スライド271のどのページが表示されるまで研修が進んでいるか)を記録することができる。
【0103】
さらに、スライド入力処理部232は、非VR環境下でユーザにより実施された動作(ページ状態テーブル272で更新した値)がスライドチェックポイント更新条件テーブル273に定義されている条件を満たすかどうかを判断し、スライドチェックポイント更新条件テーブル273に定義されている条件を満たす場合には、スライド進度管理部233に対して進度更新をリクエストする機能を有する。すなわち、スライド入力処理部232は、スライド進度管理部233に対して、非VR環境下でのユーザの状態(スライド271のどのページが表示されるまで研修が進んでいるか)を通知することができる。
【0104】
スライド進度管理部233は、データベース管理システム240と連携して、データベース管理システム240で管理されている進度状況テーブル252を参照および更新する機能を有する。
【0105】
スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252に格納されているチェックポイントを参照して、チェックポイントが更新された場合には、スライド処理部231に対して、そのチェックポイントに対応したスライド271のページの表示情報を生成してクライアント端末100に提供するよう要求する表示リクエストを送信する機能を有する。
【0106】
進度状況テーブル252内のチェックポイントの更新は、スライド進度管理部233により実行される場合と、VR研修システム220のVR進度管理部223により実行される場合がある。進度状況テーブル252はVR研修システム220とスライド型研修システム230とで共有している。例えばユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツ261からスライド271に切り替える際に、スライド進度管理部233がVR進度管理部223によって更新された進度状況テーブル252内のチェックポイントの値を参照することで、VRコンテンツ261を利用して進めた研修の進度の位置からスライド271の提供を開始することができ、コンテンツの切り替え前後で研修を引き継ぐことができるようになっている。
【0107】
また、スライド進度管理部233は、スライド入力処理部232から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新する機能を有する。上記の機能と併せると、スライド進度管理部233は、スライド入力処理部232から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新し、さらに、更新したチェックポイントに対応したスライド271のページの表示情報を提供するようスライド処理部231に指示することができるようになっている。
【0108】
さらに、スライド進度管理部233は、コンテンツ切替システム210からスライド提供開始リクエストの通知を受けた場合には、スライド型研修システム230によるスライド271の提供を開始し、コンテンツ切替システム210からスライド提供停止リクエストの通知を受けた場合には、スライド型研修システム230によるスライド271の提供を停止するように制御する機能を有する。
【0109】
(データベース管理システムの構成例)
図6は、図2に示すサーバ装置200に実装されているデータベース管理システム240の一例を示すブロック図である。
【0110】
図6に示すデータベース管理システム240は、データベース管理部241、共通データ格納部250、VR研修データ格納部260、スライド型研修データ格納部270を備えている。
【0111】
データベース管理部241は、VR研修システム220およびスライド型研修システム230のそれぞれと協働し、データベース管理システム240で管理しているデータ(研修に利用するVRコンテンツ261やスライド271、共通データ格納部250、VR研修データ格納部260、スライド型研修データ格納部270に格納されている各種テーブル等)の読み出しおよび書き込みを行う機能を有する。データベース管理部241は、例えばVR研修システム220およびスライド型研修システム230のそれぞれから受け付けた参照リクエストまたは更新リクエストに基づいて、参照リクエストに対応したデータの読み出しや、更新リクエストに対応したデータの書き込みを行う。
【0112】
共通データ格納部250は、VR研修システム220およびスライド型研修システム230が共通して利用するデータを格納するストレージである。共通データ格納部250には、チェックポイントテーブル251、進度状況テーブル252が格納されている。
【0113】
(チェックポイントテーブル)
共通データ格納部250に格納されているチェックポイントテーブル251は、チェックポイントを定義するためのテーブルである。チェックポイントとは、所定のシナリオにおけるシナリオ進度を定義するための情報である。ここでは、機器点検作業の研修用の講座が所定のシナリオに相当する。ユーザは機器点検作業の研修用の講座を受講することで、特定の機器の点検開始から点検終了までの一纏まりの作業を一連の作業工程順に学習することが可能である。この場合、順番に実施される作業工程がシナリオ進度に相当する。
【0114】
図7に、データベース管理システム240で管理されているチェックポイントテーブル251の一例を示す。図7に示すチェックポイントテーブル251には、「チェックポイントNo」カラム251a、「講座No」カラム251b、「講座名」カラム251c、「講座完了フラグ」カラム251d、「チェックポイント(VR)」カラム251e、「チェックポイント(スライド)」カラム251fが設定されている。チェックポイントテーブル251はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0115】
「チェックポイントNo」カラム251aには、チェックポイントの識別情報が格納される。チェックポイントには各レコードで異なる数値が格納され、これにより、各チェックポイントが各レコードで一意に定義される。
【0116】
「講座No」カラム251b、「講座名」カラム251cには、講座を特定するための情報が格納され、「講座No」カラム251bには講座の番号、「講座名」カラム251cには講座の名前がそれぞれ格納される。また、「講座完了フラグ」カラム251dには、各講座の最後のチェックポイントであることを示す情報が格納される。例えば、各講座の途中のレコードには、「講座完了フラグ」カラム251dに数値「0」が設定され、各講座の最後のレコードには、「講座完了フラグ」カラム251dに、最後のチェックポイントであることを示す数値「1」が設定される。
【0117】
「チェックポイント(VR)」カラム251eには、各チェックポイントに対応するVRコンテンツ261の進度が格納される。ここでは、VRコンテンツ261の進度として、VRコンテンツ261に含まれるリソースの名前が格納され、これにより、「チェックポイント(VR)」カラム251eに格納されているリソースが、どのチェックポイントに対応しているかを関連付けることができる。
【0118】
「チェックポイント(スライド)」カラム251fには、各チェックポイントに対応するスライド271の進度が格納される。ここでは、スライド271の進度として、スライド271に含まれるページの番号が格納され、これにより、「チェックポイント(スライド)」カラム251fに格納されているスライド271のページが、どのチェックポイントに対応しているかを関連付けることができる。
【0119】
チェックポイントテーブル251によれば、研修の各講座の進度に対応するチェックポイントを、VRコンテンツ261の進度(リソースの名前)、および非VRコンテンツであるスライド271の進度(ページの番号)に関連付けて定義することができる。
【0120】
チェックポイントテーブル251は、定義したチェックポイントに対応したフラグ、リソース、ページを参照することを可能にするテーブルである。チェックポイントテーブル251は、VR研修システム220およびスライド型研修システム230によって参照される。なお、チェックポイントテーブル251は事前に設定されるテーブルであり、VR研修システム220およびスライド型研修システム230による変更は不可能となっていることが好ましい。
【0121】
図8は、図7に示すチェックポイントテーブル251で定義されている情報を模式的に表した図である。
【0122】
図7に示すチェックポイントテーブル251では、図8に示すように、講座No「0」に関連して、リソース0~リソース4で構成されたVRコンテンツ261と、0ページ~4ページで構成されたスライド271が準備されている。リソース0~リソース4と0ページ~4ページとは、それぞれ同一の講座内容を含むように作成されている。チェックポイントテーブル251では、同一の講座内容を含むリソース0~リソース4と0ページ~4ページとを関連付けて、同一の講座内容を含むリソースおよびページに対して、一意に識別可能なチェックポイントの数値を付与している。
【0123】
図7に示すチェックポイントテーブル251では、図8に示すように、講座No「1」に関連して、リソース5~リソース8で構成されたVRコンテンツ261と、5ページ~8ページで構成されたスライド271が準備されている。リソース5~リソース8と5ページ~8ページとは、それぞれ同一の講座内容を含むように作成されている。チェックポイントテーブル251では、同一の講座内容を含むリソース5~リソース8と5ページ~8ページとを関連付けて、同一の講座内容を含むリソースおよびページに対して、一意に識別可能なチェックポイントの数値を付与している。
【0124】
(進度状況テーブル)
図9に、データベース管理システム240で管理されている進度状況テーブル252の一例を示す。図9に示す進度状況テーブル252には、「受講者No」カラム252a、「チェックポイントNo」カラム252b、「講座No」カラム252cが設定されている。進度状況テーブル252はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0125】
「受講者No」カラム252aには、ユーザ(研修を受ける受講者)の識別情報が格納される。これにより、機器点検作業の研修を受ける複数の受講者が存在する場合でも、各受講者の研修の進度を管理することができる。
【0126】
「チェックポイントNo」カラム252bには、各受講者のチェックポイントの数値が格納される。「チェックポイントNo」カラム252bに格納されるチェックポイントには、チェックポイントテーブル251で定義した「チェックポイントNo」カラム251aの数値が用いられる。また、「講座No」カラム252cには、各受講者が受講中の講座の番号が格納される。「講座No」カラム252cに格納される講座の番号には、チェックポイントテーブル251で定義した「講座No」カラム251bの数値が用いられる。
【0127】
進度状況テーブル252は、各受講者が受講中の研修の進度を、チェックポイントの数値として記録および参照することができるテーブルである。VR研修システム220およびスライド型研修システム230は、「受講者No」カラム252aで特定される各受講者に関連付けて、「チェックポイントNo」カラム252bおよび「講座No」カラム252cに、各受講者が現在受講している講座およびその進度が記録できるようになっている。
【0128】
具体的には、VR研修システム220は、各受講者に提供しているリソースに基づいて、チェックポイントテーブル251において、「チェックポイント(VR)」カラム251eに関連付けられている「チェックポイントNo」カラム251aの数値および「講座No」カラム251bの数値を特定し、これらの数値を、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bおよび「講座No」カラム252cに書き込むことができるようになっている。また、スライド型研修システム230は、各受講者に提供しているスライド271のページに基づいて、チェックポイントテーブル251において、「チェックポイント(スライド)」カラム251fに関連付けられている「チェックポイントNo」カラム251aの数値および「講座No」カラム251bの数値を特定し、これらの数値を、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bおよび「講座No」カラム252cに書き込むことができるようになっている。
【0129】
このように、進度状況テーブル252では、VRコンテンツ261の進度およびスライド271の進度が講座の進度を示すチェックポイントの数値として反映されるようになっている。これにより、ユーザのVR酔いの状況に応じてVRコンテンツ261とスライド271とを切り替える際に、進度状況テーブル252に格納されている講座の進度を示すチェックポイントの数値に基づいて、切り替え後のコンテンツを開始することができるようになり、講座の進度を引き継いだコンテンツ切替が可能となる。
【0130】
VR研修データ格納部260は、VR研修システム220が利用するデータを格納するストレージである。VR研修データ格納部260には、VRコンテンツ261、リソース状態テーブル262、VRチェックポイント更新条件テーブル263が格納されている。
【0131】
(VRコンテンツ)
VR研修データ格納部260に格納されているVRコンテンツ261は、VR環境下でユーザがVRコンテンツ261を体感できるように作成されたコンテンツである。VRコンテンツ261は、一例として、機器点検作業の研修に利用するコンテンツであり、ユーザが機器点検作業の一連の作業工程をVR環境下で体験して学習できるようになっている。
【0132】
VRコンテンツ261には、複数のリソースが含まれていてもよい。VRコンテンツ261に含まれるリソースとは、VR空間中に存在するオブジェクトであり、リソースには、研修で使用する機器のオブジェクトやメッセージを表示するダイアログ等が含まれる。
【0133】
(リソース状態テーブル)
図10に、データベース管理システム240で管理されているリソース状態テーブル262の一例を示す。図10に示すリソース状態テーブル262には、「受講者No」カラム262a、「チェックポイント(VR)」カラム262b、「変数名」カラム262c、「値」カラム262dが設定されている。リソース状態テーブル262はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0134】
「受講者No」カラム262aには、ユーザ(研修を受けている受講者)の識別情報が格納される。「チェックポイント(VR)」カラム262bには、VRコンテンツ261のリソースの名前が格納され、「変数名」カラム262cには、「チェックポイント(VR)」カラム262bで特定されるリソースで実施可能な操作の名前が格納される。「値」カラム262dには、ユーザがリソースに対して操作を行ったか否かが数値「0」(未実施)または数値「1」(実施済み)で格納される。
【0135】
リソース状態テーブル262は、VRコンテンツ261に含まれるリソースの状態を格納するテーブルである。VRコンテンツ261が提供されたユーザは、VR環境下で表示されたVR空間中のリソースに対して何らかの操作を行うことが可能である。ユーザによってリソースに対する所定の操作が実施された場合、VR研修システム220は、当該所定の操作が実施されたことをリソース状態テーブル262の「値」カラム262dに記録する。
【0136】
図10に示すリソース状態テーブル262では、一例として、「受講者No」カラム262aに格納されている識別情報「0」のユーザが、「チェックポイント(VR)」カラム262bに格納されている「リソース0」に対して、変数名「next_button」の操作(「次へ」ボタンを押下する操作)を行っており、「値」カラム262dには、数値「1」(実施済み)が格納されている。また、識別情報「0」のユーザは、「チェックポイント(VR)」カラム262bに格納されている「リソース1」に対して、変数名「power_cable」の操作(電源ケーブルを差し込む操作)、変数名「power_button」の操作(電源ボタンを押下する操作)を行っており、「値」カラム262dには、数値「1」(実施済み)が格納されている。一方、ユーザは「チェックポイント(VR)」カラム262bに格納されている「リソース0」に対して、変数名「left_switch」の操作(左のスイッチを押下する操作)を行っておらず、「値」カラム262dには、数値「0」(未実施)が格納されている。
【0137】
(VRチェックポイント更新条件テーブル)
図11に、データベース管理システム240で管理されているVRチェックポイント更新条件テーブル263の一例を示す。図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263には、「チェックポイント(VR)」カラム263a、「変数名」カラム263b、「値」カラム263cが設定されている。VRチェックポイント更新条件テーブル263はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0138】
「チェックポイント(VR)」カラム263aには、VRコンテンツ261のリソースの名前が格納され、「変数名」カラム263bには、「チェックポイント(VR)」カラム263aに格納されたリソースで実施可能な操作の名前が格納される。「値」カラム263cには、チェックポイントの更新条件が格納される。
【0139】
VRチェックポイント更新条件テーブル263は、チェックポイントを更新する条件を格納するテーブルであり、事前に設定されるテーブルである。VR研修システム220は、VRチェックポイント更新条件テーブル263を参照することが可能である一方、VRチェックポイント更新条件テーブル263を変更することはできないようになっていることが好ましい。
【0140】
図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263では、一例として、「チェックポイント(VR)」カラム263aに格納されている「リソース0」に関して、変数名「next_button」の操作に「値」カラム263cの数値「1」が格納されている。このレコードは、リソース0において変数名「next_button」が数値「1」となった場合にチェックポイントを更新するというチェックポイントの更新条件を定義している。
【0141】
また、図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263では、一例として、「チェックポイント(VR)」カラム263aに格納されている「リソース1」に関して、3つのレコードが設定されている。すなわち、変数名「power_cable」の操作に関して「値」カラム263cの数値「1」が格納されており、変数名「power_button」の操作に関して「値」カラム263cの数値「1」が格納されており、変数名「left_switch」の操作に関して「値」カラム263cの数値「1」が格納されている。これら3つのレコードは、リソース1において、変数名「power_cable」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「power_button」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「left_switch」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件の3つの条件をすべて満たした場合にチェックポイントを更新するというチェックポイントの更新条件を定義している。換言すると、リソース1において、変数名「power_cable」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「power_button」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「left_switch」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件の3つの条件がすべて満たされない場合にはチェックポイントの更新は行われないように定義している。なお、図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263は一例であり、より詳細な条件を定義してもよい。
【0142】
スライド型研修データ格納部270は、スライド型研修システム230が利用するデータを格納するストレージである。スライド型研修データ格納部270には、非VRコンテンツであるスライド271、ページ状態テーブル272、スライドチェックポイント更新条件テーブル273が格納されている。
【0143】
(スライド)
スライド型研修データ格納部270に格納されているスライド271は、非VR環境下でユーザが閲覧できるように作成された非VRコンテンツである。スライド271は、一例として、機器点検作業の研修に利用する非VRコンテンツであり、VRコンテンツ261に対応している。
【0144】
スライド271は、例えばVRコンテンツ261を利用してVR環境下で実施する研修と同様の内容を文字や画像等を使って説明した複数のページを含んで構成されており、ユーザが機器点検作業の一連の作業工程を非VR環境下で学習できるようになっている。ここでは、図7のチェックポイントテーブル251に示すように、チェックポイントが定義されているVRコンテンツ261の各リソースに対応するように、各ページが作成されているものとする。また、各ページには「次へ」ボタンが設定されており、「次へ」ボタンを押下すると次ページに遷移(ページ送り)されるものとする。ただし、スライド271の各ページの構成は特に限定されず、例えば研修用の動画をページ内に埋め込んで視聴させたり、複数のチェックボックスを配置して受講者に確認操作を行わせたりする等の構成であってもよい。
【0145】
(ページ状態テーブル)
図12に、データベース管理システム240で管理されているページ状態テーブル272の一例を示す。図12に示すページ状態テーブル272には、「受講者No」カラム272a、「チェックポイント(スライド)」カラム272b、「変数名」カラム272c、「値」カラム272dが設定されている。ページ状態テーブル272はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0146】
「受講者No」カラム272aには、ユーザ(研修を受けている受講者)の識別情報が格納される。「チェックポイント(スライド)」カラム272bには、スライド271のページの番号が格納され、「変数名」カラム272cには、「チェックポイント(スライド)」カラム272bで特定されるページで実施可能な操作の名前が格納される。「値」カラム272dには、ユーザがスライド271のページに対して操作を行ったか否かが数値「0」(未実施)または数値「1」(実施済み)で格納される。
【0147】
ページ状態テーブル272は、基本的に図10に示すリソース状態テーブル262と同様の構成となっており、スライド271に含まれるページの状態を格納するテーブルである。ユーザによってページに対する所定の操作が実施された場合、スライド型研修システム230は、当該所定の操作が実施されたことをページ状態テーブル272の「値」カラム272dに記録する。
【0148】
図12に示すページ状態テーブル272では、一例として、「受講者No」カラム272aに格納されている識別情報「0」のユーザが「チェックポイント(スライド)」カラム272bに格納されているスライド271の0ページ~4ページに対して、変数名「next_button」の操作(「次へ」ボタンを押下する操作)を行っておらず、「値」カラム272dには、数値「0」(未実施)が格納されている。なお、スライド271に対して変数名「next_button」の操作(「次へ」ボタンを押下する操作)を行った場合、「値」カラム272dには、数値「1」(実施済み)が格納される。
【0149】
(スライドチェックポイント更新条件テーブル)
図13に、データベース管理システム240で管理されているスライドチェックポイント更新条件テーブル273の一例を示す。図13に示すスライドチェックポイント更新条件テーブル273には、「チェックポイント(スライド)」カラム273a、「変数名」カラム273b、「値」カラム273cが設定されている。スライドチェックポイント更新条件テーブル273はテーブル形式のデータベースであり、同一のレコード(行)に格納された各カラム(列)の値が関連付けられている。
【0150】
「チェックポイント(スライド)」カラム273aには、スライド271のページの名前が格納され、「変数名」カラム273bには、「チェックポイント(スライド)」カラム273aに格納されたページで実施可能な操作の名前が格納される。「値」カラム273cには、チェックポイントの更新条件が格納される。
【0151】
スライドチェックポイント更新条件テーブル273は、基本的に図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263と同様の構成となっており、スライドチェックポイント更新条件テーブル273は、チェックポイントを更新する条件を格納するテーブルである。また、スライドチェックポイント更新条件テーブル273は事前に設定されるテーブルであり、スライド型研修システム230は、スライドチェックポイント更新条件テーブル273を参照することが可能である一方、スライドチェックポイント更新条件テーブル273を変更することはできないようになっていることが好ましい。
【0152】
図13に示すスライドチェックポイント更新条件テーブル273では、一例として、「チェックポイント(スライド)」カラム273aに格納されている「0ページ」~「4ページ」に関して、変数名「next_button」の操作に「値」カラム273cの数値「1」が格納されている。このレコードは、0ページ~4ページのそれぞれにおいて、変数名「next_button」が数値「1」となった場合にチェックポイントを更新するというチェックポイントの更新条件を定義している。なお、図13に示すスライドチェックポイント更新条件テーブル273は一例であり、より詳細な条件を定義してもよい。
【0153】
なお、上述した各種テーブルはいずれも一例であり、本発明を限定するものではない。また、各種テーブルはいずれも一部のみが図示されており、図示しない多数のレコードを備えていてもよく、さらには、図示しないカラムを備えていてもよい。
【0154】
(サーバ装置の処理の概要)
図14は、図2に示すサーバ装置200の処理の概要を示すフローチャートである。
【0155】
サーバ装置200は、VR研修システム220により、受講者であるユーザに対して、機器点検作業の研修用に作成されたVRコンテンツ261を提供する(ステップS11)。
【0156】
ユーザは、VRコンテンツ261によって再現される仮想空間内で、機器点検作業の研修を行うが、このときユーザにVR酔いが発生する可能性がある。
【0157】
サーバ装置200は、ユーザに対してVRコンテンツ261を提供している間、コンテンツ切替システム210により、ユーザにVR酔いが発生したか否かを監視する(ステップS12)。例えば、ユーザにVR酔いが発生した場合には、ユーザや周囲に居る第三者が操作入力装置120を使用してVR酔いが発生した旨を入力してもよい。あるいは、生体情報検知装置150で検知したユーザの生体情報から、AI等を用いてVR酔いが発生したことを推定してもよい。
【0158】
ユーザにVR酔いが発生していない場合には、サーバ装置200はVRコンテンツ261の提供を継続する。ユーザにVR酔いが発生せずにVRコンテンツ261が終了してユーザが研修を完了した場合には(ステップS13)、サーバ装置200による処理は終了となる。
【0159】
一方、ユーザにVR酔いが発生した場合には、ユーザに提供するコンテンツをVRコンテンツ261からスライド271に切り替え、スライド型研修システム230からユーザに対して、機器点検作業の研修用に作成されたスライド271(VRコンテンツ261と同一の内容を含むスライド271)を提供する(ステップS14)。
【0160】
サーバ装置200は、ユーザに対してスライド271を提供している間、コンテンツ切替システム210により、ユーザのVR酔いが回復したか否かを監視する(ステップS15)。例えば、ユーザのVR酔いが回復した場合には、ユーザや周囲に居る第三者が操作入力装置120を使用してVR酔いが回復した旨を入力してもよい。あるいは、生体情報検知装置150で検知したユーザの生体情報から、AI等を用いてVR酔いが回復したことを推定してもよい。
【0161】
ユーザがVR酔いから回復していない場合には、サーバ装置200はスライド271の提供を継続する。ユーザがVR酔いから回復せずにスライド271が終了してユーザが研修を完了した場合には(ステップS16)、サーバ装置200による処理は終了となる。
【0162】
一方、ユーザがVR酔いから回復した場合には、ユーザに提供するコンテンツをスライド271からVRコンテンツ261に切り替え、ステップS11に戻って、ユーザに対してVRコンテンツ261の提供を再開する。
【0163】
上記の処理によれば、ユーザのVR酔いの状況に応じて、VR酔いが発生していない場合にはユーザにVR環境で研修させ、VR酔いが発生している場合にはユーザに非VR環境で研修を継続させることができるようになる。これにより、学習効率の高いVR環境下での研修を最大限行いながらも、VR酔いが発生した場合にはVR酔いが回復するまでの間は非VR環境下での研修に適宜切り替えて研修を継続させることができ、研修を中断することなく、しかも非VR環境への切り替えによりVR酔いのリスクを完全に払拭することができるようになる。
【0164】
以下、図3に示すコンテンツ切替システム210の切替処理部212、図4に示すVR研修システム220のVR入力処理部222およびVR進度管理部223が実行する処理、図5に示すスライド型研修システム230のスライド入力処理部232およびスライド進度管理部233がそれぞれ実行する処理について詳細に説明する。
【0165】
(コンテンツ切替システムの切替処理部における処理)
図15は、図3に示すコンテンツ切替システム210の切替処理部212が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0166】
ユーザに対してVRコンテンツ261の提供を開始すると、切替処理部212は、クライアント端末100またはVR酔い推定部211からの切替リクエストの通知を待機する状態となる。
【0167】
切替処理部212は、クライアント端末100またはVR酔い推定部211から切替リクエストを受信すると(ステップS101)、切替リクエストに含まれる情報に基づいて、ユーザにVR酔いが発生しているのか、あるいはVR酔いから回復したのかを判断する(ステップS102)。
【0168】
切替リクエストが、ユーザにVR酔いが発生したことを示すものである場合には、切替処理部212は、VR研修システム220に対して、そのユーザへのVRコンテンツ261の提供を停止するよう指示するVRコンテンツ提供停止リクエストを送信する(ステップS103)。また、スライド型研修システム230に対して、そのユーザへのスライド271の提供を開始するよう指示するスライド提供開始リクエストを送信する(ステップS104)。そして、切替処理部212は、再びステップS101に戻って切替リクエストの通知を待機する状態となる。
【0169】
一方、切替リクエストが、ユーザがVR酔いから回復したことを示すものである場合には、切替処理部212は、スライド型研修システム230に対して、そのユーザへのスライド271の提供を停止するよう指示するスライド提供停止リクエストを送信する(ステップS105)。また、VR研修システム220に対して、そのユーザへのVRコンテンツ261の提供を開始するよう指示するVRコンテンツ提供開始リクエストを送信する(ステップS106)。そして、切替処理部212は、再びステップS101に戻って切替リクエストの通知を待機する状態となる。
【0170】
以上の処理により、切替処理部212は、クライアント端末100またはVR酔い推定部211からの切替リクエストに含まれるユーザのVR酔いの状況に基づいて、ユーザに提供するコンテンツを適宜切り替えることができ、VR酔いが発生していないユーザまたはVR酔いから回復したユーザに対してはVRコンテンツ261を提供し、VR酔いが発生しているユーザに対してはスライド271を提供することができるようになる。
【0171】
(VR研修システムのVR進度管理部における処理)
図16は、図4に示すVR研修システム220のVR進度管理部223が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0172】
VR進度管理部223は、ユーザに対してVRコンテンツ261の提供を開始した場合、あるいは、ユーザがVR酔いから回復してVRコンテンツ261の提供を再開した場合に、VRコンテンツ261の進度の管理を開始する。
【0173】
VRコンテンツ261の提供を開始または再開すると、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252からチェックポイントを参照して(ステップS201)、前回のチェックポイントとの差分があるかどうかを確認する(ステップS202)。具体的には、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値を参照する。
【0174】
VR進度管理部223は、例えば、前回参照した進度状況テーブル252を保存しておき、ステップS201で参照した進度状況テーブル252と比較することで、チェックポイントの数値に差分があるかどうかを判断してもよい。あるいは、チェックポイントに参照済みか否かを示すフラグを設定しておき、チェックポイントの更新時にこのフラグを立てて(例えば数値「1」を設定)、チェックポイントの参照時にこのフラグを戻す(例えば数値「0」を設定)するようにしてもよい。なお、スライド271からVRコンテンツ261へコンテンツを切り替えるタイミングでは、前回のチェックポイントとの差分がある場合として処理される。
【0175】
前回のチェックポイントとの差分がある場合には、VR進度管理部223は、チェックポイントに対応したリソースをチェックポイントテーブル251から参照する(ステップS203)。進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値が更新されており、前回のチェックポイントに対して差分がある場合には、VR進度管理部223は、チェックポイントテーブル251を参照して、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値に対応するレコードを特定する。そして、特定したチェックポイントテーブル251のレコードの「チェックポイント(VR)」カラム251eに設定されているリソースの名前を読み出す。
【0176】
スライド271からVRコンテンツ261へコンテンツを切り替えるタイミングでは、進度状況テーブル252のチェックポイントには、スライド271の進度が反映された数値が格納されている。ステップS203においてチェックポイントテーブル251の数値を確認することで、ユーザによるスライド271の進度に対応するVRコンテンツ261の進度を特定することができる。
【0177】
VR進度管理部223は、チェックポイントに対応した表示リクエストをVRコンテンツ処理部221に送信する(ステップS204)。この表示リクエストには、ステップS203で特定したリソースを示す情報が含まれる。表示リクエストの通知を受けたVRコンテンツ処理部221は、チェックポイントに対応したVRコンテンツ261のリソースをクライアント端末100に送信する。スライド271からVRコンテンツ261へコンテンツを切り替えるタイミングでは、ユーザが非VR環境下で進めていたスライド271の進度(講座の進度)を引き継ぎ、このスライド271の進度に対応するVRコンテンツ261の進度からVRコンテンツ261の提供を再開することができる。
【0178】
さらに、VR進度管理部223は、チェックポイントテーブル251の「講座完了フラグ」カラム251dを参照して、チェックポイントが最終チェックポイントであるかどうかを判断する(ステップS205)。現在のチェックポイントが最終チェックポイントの場合には、ユーザに提供しているVRコンテンツ261のリソースは、ユーザが受講中の講座の最後のリソースであり、VR進度管理部223は、VRコンテンツ261の進度管理を終了する。一方、現在チェックポイントが最終チェックポイントではない場合には、VR進度管理部223は、VRコンテンツ261の進度管理を継続する。
【0179】
また、VR進度管理部223はVR入力処理部222から進度更新リクエストの通知を受けたかどうかを判断する(ステップS206)。VR入力処理部222から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値を更新し(ステップS207)、一定時間だけ待機して(ステップS210)、再びステップS201に戻る。VR入力処理部222からの進度更新リクエストの通知がない場合には、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252のチェックポイントの更新は行わずに、一定時間だけ待機して(ステップS210)、再びステップS201に戻る。
【0180】
以上の処理により、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252のチェックポイントを参照して現在の講座の進度を確認することができる。また、VR進度管理部223は、チェックポイントに対応したVRコンテンツ261のリソースの提供を行うことを指示する表示リクエストをVRコンテンツ処理部221に送信することができる。これにより、各ユーザの講座の進度に対応したVRコンテンツ261のリソースをユーザに提供することができる。
【0181】
さらに、VR進度管理部223は、VR入力処理部222から受信した進度更新リクエストに基づいて、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新するとともに、更新したチェックポイントに対応するVRコンテンツ261の提供を行うことを指示する表示リクエストをVRコンテンツ処理部221に送信することができる。
【0182】
なお、図16に示す処理はあくまでも一例を示しており、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図16に示す処理では、VR進度管理部223はループ処理およびデータベース参照によりチェックポイント等の変更(差分)を検知しているが、ユーザによる入力や進度更新リクエストをイベントとして、そのイベントで渡されたパラメータに対応した処理(例えば、チェックポイント等の変更の検知および当該変更に対応した処理)を行うイベント駆動型の処理であってもよい。
【0183】
(VR研修システムのVR入力処理部における処理)
図17は、図4に示すVR研修システム220のVR入力処理部222が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0184】
VR入力処理部222は、ユーザがVR環境下でVRコンテンツ261の利用を開始した場合、ユーザによる入力(VR環境下におけるユーザの操作)の監視を開始する(ステップS301)。VR入力処理部222は、VR環境下におけるユーザ入力を待機した状態となり、ユーザ入力がない場合には、一定時間だけ待機して(ステップS310)、再びステップS301に戻る。
【0185】
VR環境下においてユーザ入力が行われた場合には、VR入力処理部222は、そのユーザ入力に対応したリソース状態テーブル262の値を更新する(ステップS302)。具体的には、VR入力処理部222は、リソース状態テーブル262において、ユーザがVR環境下で実施した操作に対する「値」カラム262dの数値を更新する。ステップS302の処理は、ユーザによるVRコンテンツ261の進度を格納するVRコンテンツ進度格納ステップに相当する。
【0186】
また、VR入力処理部222は、VRチェックポイント更新条件テーブル263に含まれる更新条件を参照し(ステップS303)、ステップS302で更新したリソース状態テーブル262が、チェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを判断する(ステップS304)。チェックポイントの更新条件を満たしていない場合には、一定時間だけ待機して(ステップS310)、再びステップS301に戻る。
【0187】
リソース状態テーブル262で更新した数値が、チェックポイントの更新条件を満たしている場合には、VR入力処理部222は、VRチェックポイント更新条件テーブル263を参照して、ユーザ入力によるチェックポイント更新値(更新されるチェックポイントに対応するリソースの名前等)を特定し(ステップS305)、VR進度管理部223に進度更新リクエストを送信する(ステップS306)。その後、一定時間だけ待機して(ステップS310)、再びステップS301に戻る。
【0188】
例えば、図10に示すリソース状態テーブル262では、リソース1において、変数名「power_cable」に関連する「値」カラム262cが「1」、変数名「power_button」に関連する「値」カラム262cが「1」、変数名「left_switch」に関連する「値」カラム262cが「0」となっている。ここで、ユーザ入力が左のスイッチを押下する操作の場合には、VR入力処理部222は、ステップS302の処理により、リソース状態テーブル262の変数名「left_switch」に関連する「値」カラム262cを「1」に更新する。
【0189】
また、図11に示すVRチェックポイント更新条件テーブル263では、リソース1において、変数名「power_cable」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「power_button」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件、変数名「left_switch」に関連する「値」カラム263cが「1」という条件の3つの条件をすべて満たした場合にチェックポイントを更新するというチェックポイントの更新条件が定義されている。上記のように更新されたリソース状態テーブル262は、リソース1のチェックポイントの更新条件を満たしており、リソース1から次のリソース2へ移行することになる。VR入力処理部222は、チェックポイント更新値としてリソース2を特定し、リソース1からリソース2に進行したことを示す情報を含む進度更新リクエストをVR進度管理部223に送信する。VR進度管理部223は、この進度更新リクエストに基づいて、リソース2のチェックポイントが「2」であることをチェックポイントテーブル251から特定し、進度状況テーブル252において、このユーザのレコードに含まれる「チェックポイントNo」252bの数値を「2」に更新する。これにより、VRコンテンツ261の進度を、講座の進度を示すチェックポイントの数値として反映させることができる。
【0190】
以上の処理により、VR入力処理部222は、VR環境下において行われたユーザ入力をリソース状態テーブル262に記録することができる。また、VR入力処理部222は、リソース状態テーブル262に記録したユーザ入力がチェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを確認することで、ユーザにより実施されているVRコンテンツ261の進度を講座の進度として更新すべきかどうかを判断することができる。
【0191】
なお、図17に示す処理はあくまでも一例を示しており、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図17に示す処理では、VR入力処理部222はループ処理およびデータベース参照によりチェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを確認しているが、ユーザによる入力をイベントとして、そのイベントで渡されたパラメータに対応した処理(例えば、チェックポイントの更新条件を満たしたかどうかの判断および更新条件に対応した処理)を行うイベント駆動型の処理であってもよい。
【0192】
(スライド型研修システムのスライド進度管理部における処理)
図18は、図5に示すスライド型研修システム230のスライド進度管理部233が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0193】
スライド進度管理部233は、VR酔いが発生したユーザへのスライド271の提供を開始または再開した場合に、スライド271の進度の管理を開始する。
【0194】
スライド271の提供を開始または再開すると、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252からチェックポイントを参照して(ステップS401)、前回のチェックポイントとの差分があるかどうかを確認する(ステップS402)。具体的には、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値を参照する。
【0195】
スライド進度管理部233は、例えば、前回参照した進度状況テーブル252を保存しておき、ステップS401で参照した進度状況テーブル252と比較することで、チェックポイントの数値に差分があるかどうかを判断してもよい。あるいは、チェックポイントに参照済みか否かを示すフラグを設定しておき、チェックポイントの更新時にこのフラグを立てて(例えば数値「1」を設定)、チェックポイントの参照時にこのフラグを戻す(例えば数値「0」を設定)するようにしてもよい。なお、VRコンテンツ261からスライド271へコンテンツを切り替えるタイミングでは、前回のチェックポイントとの差分がある場合として処理される。
【0196】
前回のチェックポイントとの差分がある場合には、スライド進度管理部233は、チェックポイントに対応したコンテンツをチェックポイントテーブル251から参照する(ステップS403)。進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値が更新されており、前回のチェックポイントに対して差分がある場合には、スライド進度管理部233は、チェックポイントテーブル251を参照して、進度状況テーブル252の「チェックポイントNo」カラム252bの数値に対応するレコードを特定する。そして、特定したチェックポイントテーブル251のレコードの「チェックポイント(スライド)」カラム251fに設定されているページの番号を読み出す。
【0197】
VRコンテンツ261からスライド271へコンテンツを切り替えるタイミングでは、進度状況テーブル252のチェックポイントには、VRコンテンツ261の進度が反映された数値が格納されている。ステップS403においてチェックポイントテーブル251の数値を確認することで、ユーザによるVRコンテンツ261の進度に対応するスライド271の進度を特定することができる。
【0198】
スライド進度管理部233は、チェックポイントに対応した表示リクエストをスライド処理部231に送信する(ステップS404)。この表示リクエストには、ステップS403で特定したページを示す情報が含まれる。表示リクエストの通知を受けたスライド処理部231は、チェックポイントに対応したスライド271のページをクライアント端末100に送信する。VRコンテンツ261からスライド271へコンテンツを切り替えるタイミングでは、ユーザがVR環境下で進めていたVRコンテンツ261の進度(講座の進度)を引き継ぎ、このVRコンテンツ261の進度に対応するスライド271の進度からスライド271の提供を開始することができる。
【0199】
さらに、スライド進度管理部233は、チェックポイントテーブル251の「講座完了フラグ」カラム251dを参照して、チェックポイントが最終チェックポイントであるかどうかを判断する(ステップS405)。現在のチェックポイントが最終チェックポイントの場合、ユーザに提供しているスライド271のページは、ユーザが受講中の講座の最後のページであり、スライド進度管理部233は、スライド271の進度管理を終了する。一方、チェックポイントが最終チェックポイントではない場合には、スライド進度管理部233は、スライド271の進度管理を継続する。
【0200】
また、スライド進度管理部233は、スライド入力処理部232から進度更新リクエストの通知を受けたかどうかを判断する(ステップS406)。スライド入力処理部232から進度更新リクエストの通知を受けた場合には、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252の「チェックポイント(No)」カラム252bの数値を更新し(ステップS407)、一定時間だけ待機して(ステップS410)、再びステップS401に戻る。スライド入力処理部232からの進度更新リクエストの通知がない場合には、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252のチェックポイントの更新は行わずに、一定時間だけ待機して(ステップS410)、再びステップS401に戻る。
【0201】
以上の処理により、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252のチェックポイントを参照して現在の講座の進度を確認することができる。また、スライド進度管理部233は、チェックポイントに対応したスライド271のページの提供を行うことを指示する表示リクエストをスライド処理部231に送信することができる。これにより、各ユーザの講座の進度に対応したスライド271のページをユーザに提供することができる。
【0202】
さらに、スライド進度管理部233は、スライド入力処理部232から受信した進度更新リクエストに基づいて、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新するとともに、更新したチェックポイントに対応するスライド271の提供を行うことを指示する表示リクエストをスライド処理部231に送信することができる。
【0203】
なお、図18に示す処理はあくまでも一例を示しており、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図18に示す処理では、スライド進度管理部233はループ処理およびデータベース参照によりチェックポイント等の変更(差分)を検知しているが、ユーザによる入力や進度更新リクエストをイベントとして、そのイベントで渡されたパラメータに対応した処理(例えば、チェックポイント等の変更の検知および当該変更に対応した処理)を行うイベント駆動型の処理であってもよい。
【0204】
(スライド型研修システムのスライド入力処理部における処理)
図19は、図5に示すスライド型研修システム230のスライド入力処理部232が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0205】
スライド入力処理部232は、ユーザが非VR環境下でスライド271の利用を開始した場合、ユーザによる入力(非VR環境下におけるユーザの操作)の監視を開始する(ステップS501)。スライド入力処理部232は、非VR環境下におけるユーザ入力を待機した状態となり、ユーザ入力がない場合には、一定時間だけ待機して(ステップS510)、再びステップS501に戻る。
【0206】
非VR環境下においてユーザ入力が行われた場合には、スライド入力処理部232は、そのユーザ入力に対応したページ状態テーブル272の値を更新する(ステップS502)。具体的には、スライド入力処理部232は、ページ状態テーブル272において、ユーザが非VR環境下で実施した操作に対する「値」カラム272dの数値を更新する。ステップS502の処理は、ユーザによるスライド271の進度を格納するスライド進度格納ステップに相当する。
【0207】
また、スライド入力処理部232は、スライドチェックポイント更新条件テーブル273に含まれる更新条件を参照し(ステップS503)、ステップS502で更新したページ状態テーブル272が、チェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを判断する(ステップS504)。チェックポイントの更新条件を満たしていない場合には、一定時間だけ待機して(ステップS510)、再びステップS501に戻る。
【0208】
ページ状態テーブル272で更新した数値が、チェックポイントの更新条件を満たしている場合には、スライド入力処理部232は、スライドチェックポイント更新条件テーブル273を参照して、ユーザ入力によるチェックポイント更新値(更新されるチェックポイントに対応するページの番号等)を特定し(ステップS505)、スライド進度管理部233に進度更新リクエストを送信する(ステップS506)。その後、一定時間だけ待機して(ステップS510)、再びステップS501に戻る。
【0209】
例えば、図12に示すページ状態テーブル272では、1ページにおいて、変数名「next_button」に関連する「値」カラム272cが「0」となっている。ここで、ユーザ入力が「次へ」ボタンを押下する操作の場合には、スライド入力処理部232は、ステップS502の処理により、ページ状態テーブル272において、1ページの変数名「next_button」に関連する「値」カラム272cを「1」に更新する。
【0210】
また、図13に示すスライドチェックポイント更新条件テーブル273では、1ページの変数名「next_button」に関連する「値」カラム273cが「1」という条件を満たした場合にチェックポイントを更新するというチェックポイントの更新条件が定義されている。上記のように更新されたページ状態テーブル272は、1ページのチェックポイントの更新条件を満たしており、1ページから次の2ページへ移行することになる。スライド入力処理部232は、チェックポイント更新値として2ページを特定し、1ページから2ページに進行したことを示す情報を含む進度更新リクエストをスライド進度管理部233に送信する。スライド進度管理部233は、この進度更新リクエストに基づいて、2ページのチェックポイントが「2」であることをチェックポイントテーブル251から特定し、進度状況テーブル252において、このユーザのレコードに含まれる「チェックポイントNo」252bの数値を「2」に更新する。これにより、スライド271の進度を、講座の進度を示すチェックポイントの数値として反映させることができる。
【0211】
以上の処理により、スライド入力処理部232は、非VR環境下において行われたユーザ入力をページ状態テーブル272に記録することができる。また、スライド入力処理部232は、ページ状態テーブル272に記録したユーザ入力がチェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを確認することで、ユーザにより実施されているスライド271の進度を講座の進度として更新すべきかどうかを判断することができる。
【0212】
なお、図19に示す処理はあくまでも一例を示しており、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図19に示す処理では、スライド入力処理部232はループ処理およびデータベース参照によりチェックポイントの更新条件を満たしたかどうかを確認しているが、ユーザによる入力をイベントとして、そのイベントで渡されたパラメータに対応した処理(例えば、チェックポイントの更新条件を満たしたかどうかの判断および更新条件に対応した処理)を行うイベント駆動型の処理であってもよい。
【0213】
以上に説明した具体的な適用例では、機器点検作業の研修の各講座に関して、同一の講座に対応するVRコンテンツ261およびスライド271を準備しておき、チェックポイントテーブル251において、VRコンテンツ261の進度とスライド271の進度とを事前に関連付けておく。
【0214】
VR研修システム220は、ユーザに対してVRコンテンツ261を提供するとともに、VR環境下で入力されたユーザの操作に応じて更新されるVRコンテンツ261の進度を管理している。スライド型研修システム230は、ユーザに対してスライド271を提供するとともに、非VR環境下で入力されたユーザの操作に応じて更新されるスライド271の進度を管理している。
【0215】
VR研修システム220およびスライド型研修システム230は、チェックポイントテーブル251を参照して、VRコンテンツ261の進度およびスライド271の進度に関連付けられているチェックポイントを進度状況テーブル252にそれぞれ記録することで、VR研修システム220とスライド型研修システム230との間で講座の進度を共有することができる。これにより、ユーザのVR酔いの状況に応じて、講座の進度を引き継ぎながらコンテンツの切り替えを行うことができるようになる。
【0216】
次に、図20を参照しながら、VRコンテンツ261の表示(VR表示)、およびスライド271の表示(スライド表示)について説明する。図20は、図2に示すコンテンツ提供システム10においてユーザに提供されるVR表示およびスライド表示の一例を示す図である。
【0217】
図20には、一例として、講座No「0」のリソース1のVR表示と、このVR表示に対応する講座No「0」の1ページのスライド表示が図示されている。
【0218】
図20の上側には、VR研修システム220から提供されるVRコンテンツ261のVR表示が模式的に示されている。講座No「0」のリソース1のVR表示では、点検対象の機器(オブジェクト)が表示されている。点検対象の機器は、VR環境下で設定される3次元の仮想空間内に配置されており、ユーザが点検対象の機器に対して点検作業を行うことができるようになっている。具体的には、ユーザは、点検対象の機器に対して、電源ケーブルを差し込む操作、電源ボタンを押下する操作、左のスイッチを押下する操作を行うことができるようなっている。
【0219】
また、講座No「0」のリソース1のVR表示では、手順の説明(ダイアログ)が表示されている。ダイアログには、点検作業として、「1.電源ケーブルを差し込む」、「2.電源ボタンを押下」、「3.左のスイッチを押下」の手順を行うことが表示されている。
【0220】
ユーザがこのVR表示において、「1.電源ケーブルを差し込む」、「2.電源ボタンを押下」、「3.左のスイッチを押下」の各操作を行うと、VR研修システム220のVR入力処理部222は、図10のリソース状態テーブル262に各操作が実施されたことを記録する。また、上記の3つの操作が行われた場合には、図11のVRチェックポイント更新条件テーブル263に定義されているチェックポイントの更新条件を満たし、VR進度管理部223は、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新するとともに、VRコンテンツ処理部221に次のリソース2の表示情報を提供するよう指示する。
【0221】
ユーザにVR酔いが発生した場合には、コンテンツ切替システム210によって、VRコンテンツ261からスライド271へ、ユーザに提供するコンテンツの切り替えが行われる。VRコンテンツ261のリソースおよびスライド271のページは、チェックポイントテーブル251で関連付けられており、また、進度状況テーブル252において、ユーザの講座の進度が管理されている。これにより、コンテンツの切り替えによって、同一のチェックポイントに対応するリソースからページへの切り替えが行われて、ユーザに対して提供される表示は、図20の上側に示すVR表示から、図20の下側に示すスライド表示に、講座の進度を維持した状態で変更される。
【0222】
図20の下側には、スライド型研修システム230から提供されるスライド271のスライド表示が模式的に示されている。講座No「0」の1ページ(リソース1に対応)のスライド表示では、2次元の表示画像で、ユーザが点検対象の機器に対して行う点検作業が説明されている。具体的には、点検対象の機器に対して、電源ケーブルを差し込む、電源ボタンを押下する、左のスイッチを押下する3つの手順が説明されている。
【0223】
また、一例として、ページ1内には「次へ」ボタンが配置されており、ページ1で説明されている手順を確認した場合に「次へ」ボタンを押すよう指示している。
【0224】
ユーザがこのスライド表示において、「次へ」ボタンを選択すると、スライド型研修システム230のスライド入力処理部232は、図12のページ状態テーブル272にその操作が実施されたことを記録する。また、「次へ」ボタンを押下する操作が行われた場合には、図13のスライドチェックポイント更新条件テーブル273に定義されているチェックポイントの更新条件を満たし、スライド進度管理部233は、進度状況テーブル252のチェックポイントを更新するとともに、スライド処理部231に次の2ページの表示情報を提供するよう指示する。
【0225】
ユーザがVR酔いから回復した場合には、コンテンツ切替システム210によって、スライド271からVRコンテンツ261へ、ユーザに提供するコンテンツの切り替えが行われる。VRコンテンツ261のリソースおよびスライド271のページは、チェックポイントテーブル251で関連付けられており、また、進度状況テーブル252において、ユーザの講座の進度が管理されている。これにより、コンテンツの切り替えによって、同一のチェックポイントに対応するページからリソースへの切り替えが行われて、ユーザに対して提供される表示は、図20の下側に示すスライド表示から、図20の上側に示すVR表示に、講座の進度を維持した状態で変更される。
【0226】
上述したクライアント端末100やサーバ装置200の各機能は、例えば、以下に説明するハードウェア構成を有するコンピュータ900により実現することができる。図21は、本発明の実施形態における処理を実施することが可能なコンピュータ900の一構成例を示す概略ブロック図である。
【0227】
図21に示すコンピュータ900は、一例として、プロセッサ910、メモリ920、ストレージ930、入出力インタフェース940、通信インタフェース950を有しており、各構成要素がバス960を介して接続された構成となっている。コンピュータ900としては、例えば、汎用コンピュータや携帯情報端末等を適宜選択することができる。
【0228】
プロセッサ910は、プログラムにより記述された様々な命令を実行し、コンピュータ900において様々な機能を実現および制御するハードウェアである。プロセッサ910は、例えばCPU、特定の目的に特化したデータ処理を行うDSP(デジタル信号プロセッサ:Digital Signal Processor)またはGPU(グラフィックスプロセッシングユニット:Graphics Processing Unit)等であってもよく、設計自由度の高いFPGA(Field Programmable Gate Array)等であってもよい。また、VRコンテンツ261を処理するために開発されたプロセッサが用いられてもよい。
【0229】
メモリ920は、コンピュータ900で実行されるプログラムやデータを一時的に記憶する揮発性メモリであり、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ:Random Access Memory)等の主記憶装置である。
【0230】
ストレージ930は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ:Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、SSD(ソリッドステートドライブ:Solid State Drive)等の半導体メモリ、光磁気ディスクならびに光ディスク等の補助記憶装置である。ストレージ930は、入出力インタフェース940を介して接続されていてもよく、通信インタフェース950を通じてアクセス可能な位置に配置されていてもよい。
【0231】
ストレージ930は、本実施形態における処理手順がプログラム命令として記述されたプログラムやデータを記憶することができるようになっている。プロセッサ910は、本実施形態に係るプログラムをストレージ903から読み出してメモリ920上に展開してプログラム命令を実行することで、コンピュータ900が本実施形態に係る機能を実装できるようになっている。
【0232】
入出力インタフェース940は、外部からの入力を受け付ける機能、および、外部に情報を出力する機能を有している。入出力インタフェース940は、例えば、マウス941およびキーボード942等のユーザ入力デバイス(操作入力装置120に相当)、カメラ943およびマイク944等の情報収集デバイス、ディスプレイ945およびスピーカ946等の情報出力デバイス(表示装置110に相当)、ユーザの生体情報を検知する生体情報検知装置150等の様々なデバイスを、必要に応じて接続できるように構成されている。
【0233】
通信インタフェース950は、コンピュータ900が他のコンピュータと通信を行うための機能を有している。通信インタフェース950は、ネットワーク951を通じてコンピュータ900が他のコンピュータへアクセス可能なように構成されていてもよい。ネットワーク951には、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク:Local Area Network)、WAN(ワイドエリアネットワーク:Wide Area Network)、インターネット等が含まれる。また、通信インタフェース950は、他のコンピュータと直接通信可能なように構成されてもよい。通信インタフェース950で使用される通信方式は特に限定されるものではなく、パケット通信方式および回線交換方式のいずれが用いられてもよく、有線通信および無線通信のいずれが用いられてもよい。
【0234】
以下、本発明の作用について説明する。本発明によれば、VRコンテンツ261の利用時にVR酔いが生じた場合には、VR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることが可能となる。
【0235】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10は、所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツ261をユーザに提供するVR研修システム220(VRコンテンツ提供部)と、所定のシナリオを実施するためのスライド271(非VRコンテンツ)をユーザに提供するスライド型研修システム230(非VRコンテンツ提供部)と、ユーザのVR酔いの状況に応じて、VR研修システム220によるVRコンテンツ261と、スライド型研修システム230によるスライド271との間で、ユーザに提供するコンテンツを切り替えるコンテンツ切替システム210(コンテンツ切替部)と、を有する。
【0236】
上記の構成によれば、同一のシナリオを実施するためのVRコンテンツ261および非VRコンテンツであるスライド271を準備して、ユーザのVR酔いの状況に応じて、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツ261とスライド271との間で切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0237】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、ユーザにVR酔いが発生した場合に、コンテンツ切替システム210が、VR研修システム220によるVRコンテンツ261からスライド型研修システム230によるスライド271へ、ユーザに提供するコンテンツを切り替えてもよい。
【0238】
上記の構成によれば、VRコンテンツ261の利用時にユーザにVR酔いが生じた場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツ261からスライド271に切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、VRコンテンツ261により実施されるべきシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0239】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、ユーザがVR酔いから回復した場合に、コンテンツ切替システム210が、スライド型研修システム230によるスライド271からVR研修システム220によるVRコンテンツ261へ、ユーザに提供するコンテンツを切り替えてもよい。
【0240】
上記の構成によれば、スライド271の利用時にユーザがVR酔いから回復した場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをスライド271からVRコンテンツ261に切り替えることで、VRコンテンツ261の提供を再開することができるようになる。
【0241】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、ユーザが実施する所定のシナリオの進度を管理する進度管理部を設けて、ユーザに提供するコンテンツを切り替える際に、進度管理部が、VR研修システム220またはスライド型研修システム230に、コンテンツの切り替え前までに進められていた所定のシナリオの進度に基づいて切り替え後のコンテンツを開始させてもよい。
【0242】
進度管理部は、VR研修システム220およびスライド型研修システム230からユーザに提供する各コンテンツを統合管理するように構成されていてもよく、上述した実施形態のように、VR研修システム220およびスライド型研修システム230のそれぞれで、コンテンツの進度を管理するVR進度管理部223およびスライド進度管理部233を設けてもよい。
【0243】
上記の構成によれば、コンテンツを切り替えた場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0244】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、進度管理部が、VRコンテンツ261の進度とスライド271の進度とが関連付けられているテーブル(例えば、図7に示すチェックポイントテーブル251)を参照し、ユーザに提供するコンテンツを切り替える際に、切り替え前のコンテンツの進度に対応する切り替え後のコンテンツの進度を特定して、当該特定した進度から切り替え後のコンテンツを開始させてもよい。
【0245】
上記の構成によれば、VRコンテンツ261の進度とスライド271の進度とをあらかじめ関連付けられておくことで、コンテンツを切り替えた場合であっても、切り替え前にコンテンツを利用して進めていたシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0246】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、VRコンテンツ261が、ユーザの操作によって挙動が変化するインタラクティブ型のコンテンツであってもよい。
【0247】
上記の構成によれば、ユーザの操作によって挙動が変化するインタラクティブ型のVRコンテンツ261に関しても、このVRコンテンツ261に対応するスライド271を準備しておくことで、ユーザのVR酔いの状況に応じて、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツ261とスライド271との間で切り替え、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、コンテンツを利用したシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0248】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供システム10において、コンテンツ切替システム210が、ユーザのVR酔いの状況を示すユーザ入力情報、またはユーザの生体情報から推定したVR酔いの状況を示す推定結果情報に基づいて、ユーザに提供するコンテンツを切り替えてもよい。
【0249】
上記の構成によれば、ユーザにVR酔いの状況を入力させたり、ユーザの生体情報からVR酔いの状況を推定したりすることでユーザのVR酔いの状況を取得し、VR酔いの状況に応じた適切なタイミングで、ユーザに提供するコンテンツを切り替えることができるようになる。
【0250】
また、上述した実施形態におけるコンテンツ提供方法は、所定のシナリオを実施するためのVRコンテンツ261をユーザに提供するVRコンテンツ提供ステップ(例えば、図1のステップS1)と、ユーザにVR酔いが発生した場合に、VRコンテンツ261から所定のシナリオを実施するためのスライド271(非VRコンテンツ)へ、ユーザに提供するコンテンツを切り替えるVR/非VRコンテンツ切替ステップ(例えば、図1のステップS2)と、を有することを特徴とする。当該コンテンツ提供方法の各ステップは、コンピュータ900により実行可能である。
【0251】
上記の処理によれば、同一のシナリオを実施するためのVRコンテンツ261およびスライド271を準備して、VRコンテンツ261の利用時にユーザにVR酔いが生じた場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをVRコンテンツ261からスライド271に切り替えることで、ユーザのVR酔いを確実に改善させながら、VRコンテンツ261により実施されるべきシナリオをユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0252】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供方法は、ユーザによるVRコンテンツ261の進度を格納するVRコンテンツ進度格納ステップ(例えば、図17のステップS302)と、VR/非VRコンテンツ切替ステップにおいてコンテンツを切り替える際に、ユーザによるVRコンテンツ261の進度に対応するスライド271の進度を特定する非VRコンテンツ進度特定ステップ(例えば、図18のステップS403)と、非VRコンテンツ進度特定ステップで特定したスライド271の進度からスライド271の提供を開始する非VRコンテンツ提供ステップ(例えば、図18のステップS404)と、を有してもよい。
【0253】
上記の処理によれば、コンテンツをVRコンテンツ261からスライド271へ切り替えた場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0254】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供方法は、ユーザがVR酔いから回復した場合に、スライド271からVRコンテンツ261へ、ユーザに提供するコンテンツを切り替える非VR/VRコンテンツ切替ステップ(例えば、図1のステップS4)を有してもよい。
【0255】
上記の処理によれば、スライド271の利用時にユーザがVR酔いから回復した場合に、シナリオを実施するためのコンテンツをスライド271からVRコンテンツ261に戻すことができるようになる。
【0256】
上述した実施形態におけるコンテンツ提供方法は、ユーザによるスライド271の進度を格納する非VRコンテンツ進度格納ステップ(例えば、図19のステップS502)と、非VR/VRコンテンツ切替ステップにおいてコンテンツを切り替える際に、ユーザによるスライド271の進度に対応するVRコンテンツ261の進度を特定するVRコンテンツ進度特定ステップ(例えば、図16のステップS203)と、VRコンテンツ進度特定ステップで特定したVRコンテンツ261の進度からVRコンテンツ261の提供を再開するVRコンテンツ再提供ステップ(例えば、図16のステップS204)と、を有してもよい。
【0257】
上記の処理によれば、ユーザに提供するコンテンツをスライド271からVRコンテンツ261へ戻した場合であっても、コンテンツを利用したシナリオの進度を反映してユーザに継続して実施させることができるようになる。
【0258】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであり、本発明を限定するものではない。上述した実施形態に開示された各構成要素および各処理ステップは、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【産業上の利用可能性】
【0259】
本発明は、ユーザに対してコンテンツを提供する技術に適用可能であり、特に、VR環境下で利用可能なコンテンツをユーザに対して提供する技術に適用可能である。
【符号の説明】
【0260】
10 コンテンツ提供システム
100 クライアント端末
110 表示装置
120 操作入力装置
150 生体情報検知装置
200 サーバ装置
210 コンテンツ切替システム
211 VR酔い推定部
212 切替処理部
220 VR研修システム
221 VRコンテンツ処理部
222 VR入力処理部
223 VR進度管理部
230 スライド型研修システム
231 スライド処理部
232 スライド入力処理部
233 スライド進度管理部
240 データベース管理システム
241 データベース管理部
250 共通データ格納部
251 チェックポイントテーブル
251a、252b 「チェックポイントNo」カラム
251b、252c 「講座No」カラム
251c 「講座名」カラム
251d 「講座完了フラグ」カラム
251e、262b、263a 「チェックポイント(VR)」カラム
251f、272b、273a 「チェックポイント(スライド)」カラム
252 進度状況テーブル
252a、262a、272a 「受講者No」カラム
260 VR研修データ格納部
261 VRコンテンツ
262 リソース状態テーブル
262c、263b、272c、273b 「変数名」カラム
262d、263c、272d、273c 「値」カラム
263 VRチェックポイント更新条件テーブル
270 スライド型研修データ格納部
271 スライド
272 ページ状態テーブル
273 スライドチェックポイント更新条件テーブル
900 コンピュータ
903 ストレージ
910 プロセッサ
920 メモリ
930 ストレージ
940 入出力インタフェース
941 マウス
942 キーボード
943 カメラ
944 マイク
945 ディスプレイ
946 スピーカ
950 通信インタフェース
951 ネットワーク
960 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21