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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147261
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060164
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 睦
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA01
2C088CA04
(57)【要約】
【課題】例えば故障により主基板を交換するといったことで実際には遊技機の配置替えは行われていないにも拘わらず遊技機IDが変更された場合に、適切に配置替え処理を行う。
【解決手段】例えば故障により主基板を交換した場合に交換前後の遊技機IDを相互に対応付け、次回の配置替えの際に当該遊技機IDを相互に入替えて判定処理を行うことができる。よって、係る主基板の交換或いは遊技機自体の交換があって、実際には遊技機の配置替えが行われていないにも拘わらず遊技機IDが変更された場合でも、配置替えの際の判定処理を適切に行い、管理情報の引継ぎを良好に行うことが可能となる。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が配置された遊技場における遊技場用システムであって、
個々の遊技機を識別するために用いられる遊技機IDと、遊技場における遊技機の配置箇所を特定するために用いられる配置用IDと、を相互に対応付けて管理する配置管理手段と、
前記配置箇所に配置される遊技機を管理する上で必要とする設定情報、及び遊技情報の内の少なくとも一方である管理情報を前記配置用IDに対応付けて管理する情報管理手段と、
遊技場における遊技機の配置替えに際し、当該配置替え後の配置用ID、及び遊技機IDの関連性を示す配置替情報を取込む取込手段と、
前記配置管理手段により管理される配置替え前の前記配置用ID、及び遊技機IDの関連性を示す基準配置替情報と、取込まれた前記配置替情報とを比較する判定処理に基づき配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う引継手段と、
前記配置替えとは別に行われる遊技機の異常に伴う交換であって、遊技機の一部或いは遊技機自体の交換に際し、当該交換後の遊技機IDを受付けるID受付手段と、
前記交換後の遊技機ID及び交換前の遊技機IDを相互に対応付けるとともに、少なくとも前記基準配置替情報と前記配置替情報との何れかの遊技機IDを、前記対応付けた遊技機IDと相互に入替るための入替処理を行う入替手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記ID受付手段は、前記交換が行われる前記配置箇所の配置用IDを受付け、
前記基準配置替情報若しくは前記配置替情報に含まれる、或いは前記配置管理手段により管理される遊技機IDの内、受付けられた前記配置用IDに対応する遊技機IDを前記交換前の遊技機IDとして特定する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記ID受付手段は、前記交換が行われる前記配置箇所の配置用IDを受付け、
前記取込手段は、前記交換が行われた後に対応する前記配置替情報を取込み可能であり、
前記入替手段は、前記交換が行われた後に対応する配置替情報により、受付けられた前記配置用IDと関係性が示される遊技機IDを、前記交換後の遊技機IDとして前記入替処理を行う請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記入替手段は、前記配置替情報により関係性が示される遊技機IDを、前記交換後の遊技機IDとして前記入替処理を行った場合、当該遊技機IDを対象とした再度の入替処理を抑制する請求項3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記入替手段は、前記交換が行われた前後の遊技機IDを対応付けた履歴を記憶蓄積し、
前記引継手段は、複数回の前記入替処理が行われた遊技機IDを対象とする前記判定処理を行う場合に、前記基準配置替情報と前記配置替情報とのいずれか一方の遊技機IDを、前記履歴により特定可能な対応する遊技機IDへ入替る請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場には遊技機が設置されているが、例えば新台を導入する場合に既存の遊技機の配置を変更し、その変更前の箇所に新台を導入するといったように、遊技機の配置替えを行うことは珍しくない。
遊技機の配置替えを行う場合、その前後で設定情報や遊技情報といった管理情報を引継ぐことが望ましい。そこで、例えば特許文献1では、遊技機の配置替前後の台番のようなIDを操作入力することで引継ぐことを例示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-087466号公報
【特許文献2】特願2022-016409号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように配置替え前後の台番を操作入力する構成では、工数を取られ面倒に感じたり、負担に感じたりする遊技場管理者も少なくない。そこで、本出願人は、先願(特許文献2:特願2022-016409号)において、基準配置替情報と配置替情報とを比較することで配置替えされた遊技機を特定することを提案している。
同文献2では、遊技機を特定するための遊技機IDとして遊技機に実装される主基板の番号を採用することを例示しているが、この主基板が故障することもあり、その故障時には主基板を交換するため、その主基板に対応した遊技機IDが変更される場合も想定される。
上記のように実際には配置替えが行われていないにも拘らず遊技機IDが変更され、次回の配置替えに伴い配置替情報を取込んだ場合、変更後の遊技機IDを管理装置側で特定できず、次回の配置替えの際に誤った配置替えとする虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば故障により主基板を交換するといったことで実際には遊技機の配置替えは行われていないにも拘わらず遊技機IDが変更された場合に、適切に配置替え処理を行う遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の遊技機が配置された遊技場における遊技場用システムであって、
個々の遊技機を識別するために用いられる遊技機ID(例えば基板番号)と、遊技場における遊技機の配置箇所を特定するために用いられる配置用ID(例えば台番)と、を相互に対応付けて管理する配置管理手段(例えば管理装置6)と、
前記配置箇所に配置される遊技機を管理する上で必要とする設定情報、及び遊技情報の内の少なくとも一方である管理情報を前記配置用IDに対応付けて管理する情報管理手段(例えば管理装置6)と、
遊技場における遊技機の配置替えに際し、当該配置替え後の配置用ID、及び遊技機IDの関連性を示す配置替情報を取込む取込手段(例えば管理装置6)と、
前記配置管理手段により管理される配置替え前の前記配置用ID、及び遊技機IDの関連性を示す基準配置替情報と、取込まれた前記配置替情報とを比較する判定処理に基づき配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う引継手段(例えば管理装置6)と、
前記配置替えとは別に行われる遊技機の異常に伴う交換であって、遊技機の一部(例えば主基板)或いは遊技機自体の交換に際し、当該交換後の遊技機IDを受付けるID受付手段(例えば管理装置6)と、
前記交換後の遊技機ID及び交換前の遊技機IDを相互に対応付ける(例えば図19図20の「交換後」の遊技機ID及び「交換前」の遊技機IDの如く両者を対応付ける)とともに、少なくとも前記基準配置替情報と前記配置替情報との何れかの遊技機IDを、前記対応付けた遊技機IDと相互に入替るための入替処理を行う入替手段(例えば管理装置6)と、を備える。
【0007】
本発明によれば、例えば故障により主基板を交換した場合に交換前後の遊技機IDを相互に対応付け、次回の配置替えの際に当該遊技機IDを相互に入替えて判定処理を行うことができる。よって、係る主基板の交換或いは遊技機自体の交換があって、実際には遊技機の配置替えが行われていないにも拘わらず遊技機IDが変更された場合でも、配置替えの際の判定処理を適切に行い、管理情報の引継ぎを良好に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】遊技機の正面図
図3】モード別スペック値を示す図
図4】情報表示装置の正面図
図5】機種Aの素データの一覧を示す図
図6】機種Aの遊技情報の集計を示す図
図7】配置替情報を含む申請書を示す図
図8】配置替情報が取込まれる場合の設定画面を示す図(システム導入時)
図9】配置替情報が取込まれる場合の設定画面を示す図(2回目以降)
図10】入替機種確認画面を示す図(全ての遊技機)
図11】入替機種確認画面を示す図(種別:4円の遊技機)
図12】ランプデータのメンテナンス画面を示す図
図13】コピー内容確認画面を示す図
図14】種別と機種とを対応付ける機種設定画面を示す図
図15】台番、機種、種別及びタイプを相互に対応付ける台機種設定画面を示す図
図16】(1)種別変更前及び(2)変更後の台機種設定・基板番号の表示画面を示す図
図17】第2実施形態における汎用タイプと自店タイプの紐付け設定画面を示す図
図18】第3実施形態におけるグループの設定に係る機種カテゴリ設定画面を示す図
図19】第4実施形態における遊技台基板交換設定画面を示す図
図20】交換前後の基板番号を対応付けた履歴を示す説明図
図21】他の実施形態の配置替えに関して従来の運用形態を概念的に示す説明図
図22】CSVファイルの作成例を示す図
図23】CSVファイルの作成により改善された運用形態を示す説明図
図24】CSVファイルの作成時の表示画面を示す図
図25】CSVファイルに含まれる台番や基板番号等の各種情報を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した複数の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付す等して説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1図16を参照しながら説明する。図1に例示する各遊技場A,Bでは、遊技機1に関する各種情報を管理する共通のシステム(遊技場用システム)が構築されていることから、以下では、遊技場Aの構成を中心に説明するものとする。
【0010】
遊技場A内には多数の遊技機1が配置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が配置されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は夫々、2台ずつ中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(「自装置6」とも称する)と接続されている。また、遊技場A内にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も配置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が配置されており、遊技媒体の貸出単価(貸出レート)が異なる複数の遊技機島が形成されるものとする。
【0011】
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、当該制御部には、遊技場管理者が操作するキーボード7、モニタ8(報知手段、表示手段)、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
なお、遊技場管理者とは遊技場Aの管理者のことであり、以下では単に「管理者」と称する。また、制御主体となる管理装置6の制御部(配置管理手段、情報管理手段、取込手段、操作入力手段、報知手段、選定手段、作成手段、紐付手段、対応付手段、グループ処理手段、表示手段、ID受付手段、入替手段)を単に「管理装置6」と称して説明を簡単化する。
【0012】
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されている遊技機1、遊技装置2、中継装置4、LAN5及び管理装置6等と同様の構成が別の遊技場(図1の例示では遊技場B)内にも設置されている。
また、図1に示すサーバ10は、例えば遊技場外のような各遊技場A、Bとは別に設置されており、各遊技場A、Bの管理装置6は、インターネットやVPN接続等の公衆回線9を介してサーバ10と接続されている。これにより、各遊技場A、Bの管理装置6は、サーバ10との間で各種信号や各種情報の通信が可能に構成されている。なお、図1では省略しているが、遊技場A,B以外にも複数の遊技場にて管理装置6は設置されており、遊技場A,B同様の機能を有している。
【0013】
図2に示す遊技機1は、所謂封入式のCR(カードリーダ)パチンコ機で、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を変換した遊技玉数を記憶しており、その遊技玉数を消費してパチンコ玉を発射する構成とされている。つまり、遊技機1が記憶している遊技玉数が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置により盤面11に発射可能となる。
【0014】
同図に示すように、遊技機1の下部には盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12が設けられているとともに、盤面11の下方には、残高を遊技玉に変換するための貸出釦13、記録媒体発行用の返却釦14、残高を示す残高表示部15、遊技玉数を示す遊技玉表示部16、遊技玉を持玉へ変換するための計数釦17が並設され、さらにそれらの下方には装飾用パネル18が設けられている。盤面11には、普図表示部19、普図保留表示部20、特図表示部21、普図入賞口22、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1保留数表示部25、第2保留数表示部26、第1始動口27、第2始動口28、大入賞口29を有する。
【0015】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口27は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口28は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、各始動口27,28への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部21にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りや小当り(特定状態)となる。
【0016】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0017】
(3)遊技機設定値(以下、モード)が6段階で設けられ、このモードにより、図3に示すモード別スペック値の通り大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能である。また、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であればよい。
【0018】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口29を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口27に入賞した場合は4Rが10%で8Rが50%で15Rが40%だが、第2始動口28の場合は4Rが10%で15Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口27よりも第2始動口28の方が高く設定される。
【0019】
(5)確変中は大当り確率が向上するとともに、第2始動口28の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0020】
(6)第2始動口28は普図入賞口22への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口28の入賞率が高くなる。
【0021】
(7)大入賞口29や第2始動口28が盤面右側にあることから時短中や大当り中には盤面11の右側を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。
以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0022】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口27,28への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
アウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目である。
【0023】
セーフ=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示すデータ項目である。
S入賞(回数)=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示すデータ項目である。
【0024】
スタート(回数)=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部21)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示すデータ項目である。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数してもよい。
大当り(回数)=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示すデータ項目である。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数してもよい。なお、以下の大当り(状態)により大当り数を計数可能なので、データ項目に加えなくともよい。
大当り(状態)=データ送信時に大当り状態の発生中であればオン、大当り状態の発生中でなければオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が大当り中として特定される。
【0025】
特別状態(甘中)=データ送信時に、特別状態中(甘中)、或いは大当り状態の発生中であればオン、それ以外であればオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が第2始動口28の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))、或いは大当り中として特定される。例えば特別状態がオンの場合、大当り(状態)がオンであれば大当り中、オフであれば特別状態と特定される。又、特別状態は上記した時短や確変といった甘中が対応する。大当り中に必ずしもオンにならなくとも良い。尚、大当り(状態)と特別状態の何れもオフであれば通常状態と特定する。
IDデータ信号=遊技機1から出力される遊技機固有の遊技機IDを示すデータ項目である。IDデータ信号は、パルス信号としてもよく、例えば電源投入時に出力すればよい。
【0026】
上記データ項目は例えば一括した、或いは複数の遊技情報を電文によりまとめたデータ信号としてもよく、この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象としてもよい。この場合、遊技機1と遊技装置2との間でデータ通信することで特定した遊技情報を、中継装置4を介して管理装置6に送信するような構成とすることが望ましい。また、上記のデータ信号に代えてパルス信号や状態信号等による信号入力としてもよいことは勿論である。
【0027】
図1に示す遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯30、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口31、遊技者識別用等のカメラ32(同図では保護カバーのみ図示)、遊技者からの操作入力を受付けるとともに残高、持玉、貯玉等の各種データを表示するタッチパネル式の液晶表示部33、一般カードや会員カードの記録媒体が挿入されるカード挿入口34等を有する。
【0028】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13を押下げ(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉として遊技玉(対価付与価値、詳細は後述)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、前記貸出レートである遊技レート(単に「レート」とも称する)に応じた対価分が残高から引落とされる。なお、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0029】
(2)対応する遊技機1は所謂封入式で、盤面11に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外には払出されない。上記した遊技玉を管理し、盤面11への玉の打出しに応じて遊技玉を減算(使用)し、入賞に応じて遊技玉を加算する(入賞付与処理)。一方で遊技装置2は持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けてもよいが、本実施形態では1:1としている。以下の計数処理についても同様である。
【0030】
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦17の押下に応じて遊技玉が計数玉として持玉に変換される(計数処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉が変換対象となるが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。この様にして遊技玉と持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、遊技装置2にストックされていた一般カードに残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0031】
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(0)以下となることで発行条件が成立し発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば200ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が0になるとその旨が遊技装置2に通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から送信されるデータ項目に遊技玉を特定可能な遊技玉情報を含めることで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すればよいが、遊技玉が0になった旨を示すデータ項目を別途設ける、或いは別途信号出力するような他の特定方法を採用してもよい。
【0032】
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOSにて景品の対価として交換が許容され、残高は残高精算機にて貨幣に精算可能とする。なお、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金が例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としてもよい。また、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論よい。
【0033】
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉、変換玉、入金額、計数玉や貸出玉や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信してもよいし、中継装置4を介して通信してもよい。
【0034】
図4は、情報表示装置3を拡大して示す正面図である。情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1側から入力した遊技信号に基づいて、遊技情報を管理して表示し或いは管理装置6からの指示に応じて動作したりする。
同図に示すように情報表示装置3は、呼出表示時や特別状態中等にイルミネーション演出を行うイルミネーション部3a、各種遊技情報等を表示する表示領域35、当該表示領域35の表示内容を変更するといった各種操作を受付ける各種操作釦36、遊技場の従業員が携帯する操作リモコン(図示略)から送信されるリモコン信号を受光するリモコン受光部37等を有する。
【0035】
表示領域35は、液晶表示によりメイン表示部38と第1~第6サブ表示部39~44とに区分可能であり、通常状態時には図4に示すように各表示部38~44を区分して情報表示を行うが、例えば特別状態発生演出を行う際や拡大して情報表示する際等、適宜区分せずに情報表示することも可能である。
メイン表示部38は、大当り数を該当期間単位(営業日当日(以下、本日)、1日前、2日前)で表示するが、各種操作釦36により遊技情報の切替操作があった場合には、図示しない他の遊技情報を表示する表示状態へと表示を切替える。
【0036】
第1サブ表示部39は、通常状態にて発生した大当りである初当り数を該当期間単位(本日、1日前、2日前)で表示する。第2サブ表示部40は、発生した大当り数の内訳を、大当り中の出玉が規定値(例えば1000玉)以上である大当りである「超」と、それ未満である「小」と、に区分して該当期間(営業日)単位で表示する。第3サブ表示部41は、初期化条件の成立(営業開始や特別状態の終了等により成立)後からのスタート(図柄変動数)を表示する。
【0037】
第4サブ表示部42は、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示する。第5サブ表示部43は、獲得玉(売上玉-差玉(アウト-セーフ)又は遊技装置2にて管理する持玉)と、獲得玉を玉箱に換算した値を表示する。第6サブ表示部44は、機種名を表示する。
なお、第4サブ表示部42と第5サブ表示部43とで各種操作釦36の案内等を表示する場合もある。また、遊技者による各種操作釦36の操作や、従業員による前記操作リモコンの操作等により、図4の表示画面から他の表示画面へ表示を切替えることができる。
【0038】
さて、管理装置6は、上記した遊技機1の配置箇所を特定するために用いられる配置用ID(例えば台番)と、遊技機用ID(例えば主基板番号等)とを相互に対応付けて管理する配置管理手段として構成されるとともに、前記配置箇所に配置される遊技機1を管理する上で必要とする設定情報と遊技情報との内の少なくとも一方である管理情報を配置用IDに対応付けて管理する情報管理手段として構成されている。
ここで、図5及び図6は、係る管理情報のうち管理者向けの情報として管理される管理者用管理情報であって、機種Aについての遊技情報を台番及び遊技機IDに夫々対応付けて表す、素データ一覧及び遊技情報集計を例示している。
【0039】
即ち先ず、図5に示すように管理装置6は、機種毎(同図では機種A)の素データを遊技信号により特定して遊技機IDに対応付けて管理している。
遊技機IDについて、同図では説明の便宜上「00001543、00001544、…」との番号で表しているが、当該番号は後述する図7の「主基板番号等」に代替される(遊技機1の基板番号が用いられる)ものとする。或いは遊技機IDについては、台番+新台としての設定回数(例えば00100001)のような管理番号を採番してもよい。つまり遊技機IDは、個々の遊技機1を識別するために用いられる遊技機用ID(識別情報)であり、図5の「00001543」等の番号に代えて(或いは当該番号に紐づけられる)、基板番号や管理番号を用いることができる。
【0040】
また、図5の素データ一覧における、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均を表しており、管理装置6では次の項目が定義されている。
モード=遊技機に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)
アウト=データ項目「アウト」にて説明した通り遊技機1にて消費された遊技価値を示す。
セーフ=データ項目「セーフ」にて説明した通り遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値を示す。
【0041】
スタート=データ項目「スタート」にて説明した通り遊技機1における役物の作動回数を示す。なお、以下も含め「甘中」とは時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。
S入賞=データ項目「S入賞」にて説明した通り遊技機1における始動入賞回数を示す。
売上玉=対応する遊技装置2から送信される遊技信号により特定可能な当該遊技装置2にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉、対価付与価値)を示す。
【0042】
大当り数=データ項目「大当り」にて説明した通り特定される大当り数を示す。「通常」は通常時に発生した大当り数で所謂「初当たり」数を示す。「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば1000~2000)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数を示す。
Tアウト<Tセーフ>=T中(大当り中、及び甘中)のアウト<セーフ>を示す。
T1アウト<T1セーフ>=T1中(大当り中)のアウト<セーフ>を示す。
特T1アウト<特T1セーフ>=特定大当りのみを対象としたT1中のアウト<セーフ>を示す。
【0043】
なお、図5の集計は営業日単位で複数日を対象として記憶しているため、例えば3月1日から3月31日といったように期間を指定して、当該期間における遊技情報を加工して出力することを可能としている。また、係る種別集計(機種別の集計)で複数日の期間の集計を行う場合、例えば後述する遊技機1の配置替えや増減した日を基準として、集計を分割することができるが、詳しくは後述する。
【0044】
管理装置6では、上記の素データに基づく遊技情報を管理しており、図6に例示する機種Aの遊技情報集計において次の項目が定義されている。なお、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均(図5の「合計」の対応値)であり、係る遊技情報は、図5図6のような遊技機単位だけでなく機種単位でも集計可能であり、遊技機IDのみならず、機種A,B,・・・といった機種IDにも対応付けられている。このような、遊技機IDと機種IDとの総称を「遊技機用ID」とも称し、配置用IDを単に「配置ID」とも称する。
【0045】
ベース=状態(通常時、甘中)別の出率で、「通常」はBセーフ÷BO、「甘中」はBセーフA÷BOAにて特定する。以下も含め通常中のアウトであるBOはアウト-Tアウト、通常中のセーフであるBセーフはセーフ-Tセーフ、甘中のアウトであるBOAをTアウト-T1アウト、甘中のセーフであるBセーフAをTセーフ-T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めてもよい。なお、以下では通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言う。
【0046】
平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合で、通常(甘中)スタート÷BO(BOA)にて特定する。
平均S入賞=状態別のアウトに対する始動入賞数の割合で、通常(甘中)S入賞÷BO(BOA)にて特定する。なお、以下では通常中の平均SをS、平均S入賞をS1、甘中の平均SをSA、甘中の平均S入賞をS1Aとも言う。
【0047】
有効率=始動入賞に対する図柄変動数の割合で、通常スタート÷通常S入賞にて特定する。なお、通常だけでなく甘中の有効率を管理してもよい。
BY=図柄変動分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S×始動賞球にて特定する。なお、始動賞球は始動入賞1回当りのセーフで、3にて演算。
【0048】
BYmin=始動入賞分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S入賞×始動賞球にて特定する。
T1Y=平均大当り中出玉で、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数にて特定する。なお、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数である。
T1O=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数にて特定する。
【0049】
特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、(特T1セーフ-特T1アウト)÷特定大当り数にて特定する。
特T1O=特定大当りを対象としたT1Oで、特T1アウト÷特定大当り数にて特定する。
【0050】
出率=アウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)で、セーフ÷アウトにて特定する。
Bサ=通常時の差玉で、BO-Bセーフにて特定する。
客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉にて特定する。
【0051】
粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額-獲得玉×貸単価×原価率にて特定する。なお、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=75%にて演算している。
【0052】
玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトにて特定する。
玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトにて特定する。
営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉にて特定する。
【0053】
さて、遊技場では遊技機1の配置替えを行うことは珍しくなく、その配置替えに伴い管理情報の引継ぎに係る操作入力乃至作業に負担を感じる管理者も少なくない。管理情報には、図5図6で説明した遊技情報以外の遊技情報や設定情報が含まれ、殊に多数の遊技機1を対象とした大規模な配置替えを行う場合には多くの工数が掛かり、大きな負担となっているのが実情である。
【0054】
そこで、本実施形態の管理装置6では、遊技場Aにおける遊技機1の配置替えに際し、当該配置替え後の配置用ID、及び遊技機用IDの関連性を示す配置替情報を取込む取込手段として構成されており、前回の配置替えに伴い取込まれた配置替情報である基準配置替情報と、今回取込まれた配置替情報と、を比較する判定処理に基づき配置替えされた遊技機1を特定し、当該遊技機1を対象として配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う引継処理を実行する。
【0055】
このように、基準配置替情報と配置替情報との比較により配置替えされた遊技機1を特定するシステムでは、一度に多くの遊技機を入替るケースにおいて非常に有用なものとなる一方、ごく僅かな台数だけ遊技機1を入替るケースでは、従来同様に操作入力により引継ぐことも想定される。それ故、後者のケースでは、前回の配置替えに伴い取込まれた基準配置替情報と、操作入力による実際の対応付け状況とが相違するため、別途、基準配置替情報を更新する必要がある。また、係る更新を失念すると、次回の配置替えの際に基準配置替情報が実際の状況と異なる状態となり、誤った配置替え判定を行う虞もある。
【0056】
このような課題にも対処すべく、本実施形態の管理装置6は、前記取込手段とは別の入力手段として、遊技機1の配置替えに関する操作入力を受付けるキーボード7等の操作入力手段を備えており、自装置6にて管理する実際の対応付け状況と、基準配置替情報とに相違が生じた場合、その旨を報知するように構成されている。
【0057】
係る構成について、図7以降の図面も参照しながら詳述する。なお、上記した管理情報の引継ぎは、複数の機種が属する機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるか否かの指定(管理装置6での指定)に応じて、前記判定処理に基づき配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、この第1引継処理よりも判定処理を抑制した上で配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第2引継処理と、の何れかの引継処理により実行される。そこで、以下では「1.管理情報の引継ぎ全般について」配置替情報による判定処理と第1及び第2引継処理を説明した後、「2.実際の対応付け状況と基準配置替情報について」具体例を交えて説明する。
【0058】
(1.管理情報の引継ぎ全般について)
図7は、配置替情報の規定内容を申請書50の形で例示したものであり、申請書50に化体されている配置替情報は、当該配置替え後の台番(同図で「新台番」として表す配置用ID)、及び遊技機用IDとの関連性を示すものである。
即ち、申請書50は、遊技機1の配置替えを行う場合に警察や公安委員会のような所轄機関に提出する書類であるが、当該書類の記載に含まれる配置替情報は例えば、遊技場の委託により図7のような申請書50を作成する委託会社により作成されるCSVファイルやテキストファイル等、としてUSBメモリやSDカード等の着脱可能なメモリに予め記憶させ保持することができる。このため、申請書50の配置替情報は、例えばUSBメモリやSDカード等の外部装置或いはCSVファイルといった規定手段により規定され、管理装置6(取込手段)において入力可能に取込むことができる。なお、配置替情報を管理装置6(規定手段)により作成し、そのまま管理装置6にて取込む(前記記憶部に展開する)ようにしてもよい。
【0059】
申請書50は、これを所轄機関に申請する場合、図7に例示するように申請日付(後述の入替日等に相当)、配置替え前の「旧台番」と配置替え後の「新台番」との配置用IDを含むとともに、当該配置用IDに対応付けられた「遊技盤番号等」や「主基板番号等」(以下、代表して主基板番号等と称する)を含む内容とされている。この主基板番号等が、遊技機1の一台一台必ず異なるものとして、遊技機1における主制御回路が実装された主基板に付与される基板番号(遊技機ID)である。
また、同図の型式名の欄の「機種A」は、新台番に配置される各遊技機1の機種を識別するための機種IDに対応する。なお、配置替情報は、例えば配置替え対象の遊技機IDと機種IDとのうちの少なくとも一方である遊技機用ID、及び配置用IDの関連性を示す情報であればよく、以下に説明するように新台を配置する際にも適用可能である。
【0060】
ここで、図8及び図9は、システム導入時及び2回目以降の配置替え時において配置替情報を取込む場合に、管理装置6のモニタ8に表示される設定画面51及び52を示している。
先ず、図8のシステム導入時の設定画面51において「初回ファイル選択」と表記された下部側の欄51aには、複数の「ファイル名」について「入替日」と「更新日時」を夫々特定し且つそれらCSVファイルの「選択」と「削除」を夫々選択・指定可能な領域が設けられている。また、CSVファイルをUSBメモリ等から取込むための「CSVファイル外部取込」釦51b(押下した場合、図24に示す「CSV取込」画面を表示する)と、指定したCSVファイルを削除するための「ファイル削除」釦51cが設けられている。
【0061】
ここで、同欄51aの「ファイル名」は、「店舗名_入替日(YYYYMMDD)_X(同図8参照)」で表され、その配置替えに係る遊技機1の入替日を含む。
CSVファイルの配置替情報は、その入替日が対応付けられた、遊技機ID或いは機種IDといった遊技機用IDと、配置用IDとを少なくとも含む。このうち、遊技機IDは、例えば一台の遊技機1ごとに付与される前記基板番号であり、機種IDは、例えば図7の「機種A」で示される機種名或いは機種コードといった機種ごとに付与される情報であり、配置用IDは、例えば遊技場Aに設置する台番であって配置替えのあったものだけでなく遊技場Aにおける全ての台番を含む。
【0062】
同欄51aの「ファイル名」が選択指定され、同画面51上欄の「登録」釦510が操作されると、そのCSVファイルの配置替情報が管理装置6に取込まれる。これにより、システム導入時に管理装置6にて取込まれた配置替情報は、以後(2回目以降)行われる配置替えに際し、当該配置替え前の(入替日を基準日とする)台番及び遊技機用IDの関係性を示す基準配置替情報として管理されることとなる。
【0063】
そして、2回目以降の配置替えの際、管理装置6において図9の設定画面52を表示させ、同画面52における「前回入替時使用ファイル」欄52aのファイル名の基準配置替情報と、「対象ファイル選択」欄52bで選択される(取込まれる)配置替情報とを比較することにより判定処理(入替判定)を行い、配置替えされた遊技機1を特定することができる。
換言すれば、管理装置6は、初回の設定画面51においてCSVファイルの配置替情報を取込んだ場合は、基準となる台番及び遊技機用IDの対応付けを行うだけだが、2回目以降の設定画面52において配置替情報を取込んだ場合には、初回の基準配置替情報と比較して台番及び遊技機用ID(例えば機種ID)の対応付けが異なるかを判定する。
【0064】
こうして、管理装置6は、上記の判定処理後、その入替後の配置に対応するように基準配置替情報を更新する。つまり、配置替情報と基準配置替情報は、配置替え後の情報と配置替え前の情報であるから、配置替情報は、次回の配置替えの際に基準配置替情報として利用される。
また、本実施形態の「配置替え」とは、厳密には新台を導入する「新台」と、設置されている遊技機自体の入替(増減)は行わないが配置を変更する狭義の「配置替え」と、遊技機を撤去する「撤去」と、の夫々のケース(図10参照)を含み、上記の判定処理において、配置替え前にはない機種IDが台番に対応付けられていれば「新台」、配置替え前にあったが、対応する台番が異なる場合は狭義の「配置替え(台)」、配置替え前にはあったが配置替え後にない機種IDは「撤去(台)」と判定することができる。
【0065】
このように、CSVファイルの配置替情報は、管理装置6の管理対象となる遊技機1全て(遊技場Aの全台)を対象として配置替え後の台番及び遊技機用ID(遊技機ID或いは機種ID)の関連性を示すものであるが、配置替え前の台番(図7の「旧台番」参照)を追加して、或いは基板番号に代えて配置替情報に含めてもよい。また、配置替情報については、台番及び遊技機用IDの他、タイプ情報も併せて規定する(含ませる)ことができるが、詳しくは第2実施形態のところで説明する。
なお、上記の判定処理を行うためには変化のあった台番を特定できればよいので、2回目以降は変化のあった台番だけを対象とした図7のような申請書50用の情報をそのまま採用するといったように必ずしも全台を対象としない情報としてもよい。また、基板番号に代えて配置替え前の台番(旧台番)にて判定する場合、新台であれば配置替え前の台番号はその旨を特定可能となるように、例えば「0」といった予め決められる特定の情報を配置替情報に付加して記憶させるようにすればよい。
【0066】
管理装置6においては、上記の判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、係る判定処理を抑制した上で管理情報の引継ぎを行う第2引継処理と、の何れかを、図9の設定画面52における「種別変更・追加」の釦群520(指定手段)で指定することで、対応する引継処理を選択し実行させることができる。
「種別変更・追加」はデフォルト設定で「無」が指定されており、操作が行われなければ係る指定に応じて、上記した2回目以降の配置替えに対応した判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理を実行する。
【0067】
この場合、管理装置6は、判定処理により配置替えされた遊技機1を特定するに際して、配置替情報に含まれる機種ID(或いは機種名)に基づき、当該機種に応じた設定情報を引継ぐ。
例えば「新台」の場合は、デフォルト値或いは機種IDに対応付けてサーバ10にて管理される設定情報(例えば不正検知の基準値)をダウンロードして配置替え後の機種(遊技機1)へ移行させるよう設定し、「配置替え」の場合は、配置替え前の設定情報を配置替え後の機種へ移行させるよう設定することで、自動的な引継処理を行わしめる。なお、設定情報としては、不正検知の基準値の他、遊技機1の配線に関わる配線設定の情報、機種に関連する情報表示装置3の画像設定の情報等、遊技機1を管理する上で必要とする周知の設定情報の引継ぎも併せて行いうることは勿論である。
【0068】
こうした第1引継処理を実行する場合(種別変更・追加が「無」の場合)、CSVファイルの配置替情報を取込んで(申請書50の情報に基づく)判定処理が行われるが、機種グループ(例えば種別)を跨ぐ配置替えには対応していない。このため、判定処理により新台と判定した場合には、上記のダウンロード等の別途の処理により設定情報を引継ぐことはできるが、仮に種別を跨ぐ配置替えがあった場合、後述する通り新台として登録しない(新台として判定しない)ので設定情報も引継ぐことができない。
もっとも、第1引継処理は、申請書50による判定処理だけで、これに基づき設定情報を含む管理情報を引継ぐことが可能となることから、種別を跨ぐ配置替えがないケースでは、引継処理乃至配置替えに係る情報の処理期間を極力短縮することが可能となる。
【0069】
また、管理装置6は、配置替えの対象となる遊技機1に関する条件を設定可能に構成されており、当該設定された条件に基づいて管理情報の引継ぎを抑制するか否かを特定する。係る条件については、上記した種別(種別変更・追加の有無)にも関連する、前記レートについてのレート条件を含むことから、「種別」(例えば貸出レートや遊技機の種類(パチンコやスロットマシン等)が同一の機種グループ)を表す図10図11の入替機種確認画面53,54について説明しておく。
【0070】
管理装置6は、上記のようにCSVファイルの配置替情報を取込み基準配置替情報と比較することで、これに含まれる機種ID(或いは機種名)により当該機種をも特定し、上記した「新台」、狭義の「配置替え(台)」等の特定結果を示す図10の入替機種確認画面53を表示させる。
同図に示すように入替機種確認画面53では、取込まれたCSVファイルを「今回使用ファイル」として表す欄53a、指定される「種別」を表す欄53b、「機種名」「台数」「台番」等を「新台」と「配置替え(台)」と「撤去(台)」とに区分して表す欄53c、種別ごとの台数を新台と配置替え台と撤去台とに区分して表す欄53dが設けられるとともに、同画面53の右下隅に判定処理の基準となる「前回入時使用ファイル」を表す欄530が設けられている。
【0071】
「種別」を表す欄53bのプルダウン(入力操作)により、異なる種別を選択して切替表示を行うことができ、例えば「4円パチンコ」がプルダウンにより選択された場合、図10の入替機種確認画面53から図11の入替機種確認画面54に遷移する。
これら図10図11の対比から明らかなように、「パチンコ(全て)」のような複数の遊技機グループの「種別」を選択した場合には「タイプ」や「機種カテゴリ」のような設定を不能とする(図10の欄53c参照)一方、「4円パチンコ」のような単数の遊技機グループの「種別」しか含まない場合は「タイプ」等の各種設定を可能とする(図11の欄53c´参照)。これは「機種」が同一でも「タイプ」他が異なる場合もあるためである。なお、「パチンコ(全て)」は全体像を把握するため選択可能としている。
なお、このように特定された遊技機を対象として管理情報の引継ぎを行うことで第1引継ぎ処理を行う。
【0072】
続いて、第2引継処理について説明する。
図9に示す「種別変更・追加」の釦群520のうち「有」の釦操作がされた場合、係る指定に応じて上記した初回の配置替替えの処理を2回目以降においても行う第2引継処理を実行する。この第2引継処理を実行する場合に、判定処理に代えて行われる機種設定及び台機種設定に係る新規登録処理について、従来の登録方法にも言及しながら説明する。
【0073】
ここで、図14及び図15は、管理装置6のモニタ8に表示される機種設定画面61及び台機種設定画面62を示している。
図14に示すように、機種設定画面61では、「種別」を表す「4円パチンコ」と、機種A,B,…といった「機種名」(或いは機種「NO」1,2,…で表される機種ID)と、が対応付けて設定されている。
このように、設定情報は、種別(機種グループ)と機種とが対応付けて規定された機種設定を含み、図15に示す台機種設定画面62では、こうした「種別」と、「機種名」或いは機種IDと、配置用IDの範囲たる「台番範囲」と、「タイプ」と、が対応付けて設定されている。
【0074】
従来では、遊技機1の配置替えに伴い機種を新規に設定する場合、操作入力により図14の画面61で種別と機種とを対応付ける機種設定を先に行い、その後、図15の画面62で台番と機種や種別とを対応付ける台機種設定を行っていた。この場合、台機種設定画面62における「機種名」や「種別」は機種設定画面61での設定状況に応じて選択候補を抽出し(図14を参照した選択形式で抽出し)、その選択候補の中から対応付ける設定を行っていた。
【0075】
この場合、申請書50の情報に基づいて(CSVファイルの配置替情報を取込んで)図14の機種設定を行うものとしても、その設定は新台と判定されることを条件として行われる。それ故、種別を跨ぐ配置替えが含まれる場合には、基準配置替情報に遊技機IDが登録済みとなっており、これを新台と判定できないことから、図14の機種設定にて追加されず、全くの新台(つまり全店を通した新規導入機種)のみが追加の設定対象となる。よって、種別を跨ぐ配置替えとなった機種は、図15のような他の設定も更新できないものとなっていた。
【0076】
そこで、管理装置6は、「種別変更・追加」の「有」の指定に応じて、一旦、全台を新台と判定し、図14の機種設定の追加登録対象として設定する(配置替え後の機種を全て登録する)。この場合、機種名は申請書50から特定可能(取込み可能)なので、機種名が登録済みの機種はそのままで未登録の機種を対象として新規登録する。この処理は、当該配置替え前の機種設定(設定情報)と申請書50の配置替情報との比較結果に基づき、当該配置替情報により示される機種(名)の内、種別(機種グループ)と対応付けて規定される機種設定が未規定となる機種を、その種別において新規登録するものである。
【0077】
管理装置6は、係る新規登録処理において、配置替え前の機種設定を照合することにより、その機種「NO」(図14図15中「1,2,…」で示されるNO)は可能な限り変更しないようにするべく、変更のない機種(登録済みの機種名)はそのまま維持し、申請書50の情報から特定できない機種名を削除する一方、当該削除により空いた「NO」に対して未登録の機種名を設定することで空いた「NO」を埋めるように設定する。また、係る図14の機種設定と申請書50の情報とに基づき図15のような台機種設定を含む他の設定情報をも更新する。
【0078】
こうして、新規登録処理により更新された機種設定(設定情報)と基準配置替情報とを比較する比較区別処理を実行することにより、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種(種別変更機種)を特定した上で管理情報の引継ぎを行う。これは、管理装置6において新規登録される機種は全くの新台か種別変更機種の何れかであるが、両者を区別する比較区別処理により、新規登録された機種の内、基準配置替情報において他の種別に含まれる機種を種別変更機種と特定することができる。
【0079】
このように、第2引継処理を実行する場合には、基準配置替情報と配置替情報との比較は行われず、この意味で判定処理は抑制される。もっとも、新規登録処理では全てを「新台」の区分として扱い、上記の如く登録し(図10図11の新台の区分の欄53c,53c´参照)、比較区別処理により全くの新台や種別変更機種等を特定した上で、同一種別であればそのまま管理情報を引継ぐ一方、他種別(種別変更機種)であればレート条件等に応じた処理をも行うので、判定処理に基づく第1引継処理に比して処理期間は長くなる。
【0080】
また、管理装置6は、比較区別処理により種別変更機種のような機種グループを跨ぐ配置替えが行われる機種を特定した場合に、その旨を報知する。この報知手段は例えば、台機種設定の設定情報と種別との対応関係を示す図16(2)の表示画面632において、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を識別表示することにより報知するモニタ8(表示手段)で構成されている。
【0081】
ここで、図16(1)及び(2)は、種別を含む台機種設定と申請書50(CSVファイル)上の基板番号とを対応付けた、種別変更前(配置替え前)の表示画面631及び種別変更後の表示画面632を並べて示している。
図16(2)の種別変更後の表示画面632では、例えば同一種別内での配置替えが行われる台番の欄の背景色を青色で、全くの新台や種別変更機種が配置される台番の欄の背景色を赤色で表示するといったような識別表示を行い(同画面632のハッチング参照)、配置替え後の設定状況を確認するよう注意を促す。
【0082】
なお、こうした報知は少なくとも種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を識別可能であればよく、同図16(2)では処理負荷軽減を考慮して、配置替え後の種別に基づきハッチングにより識別表示している。例えば台番「1」の欄では種別は変更されているものの配置替えはされていないため色付けされておらず、台番「2」の欄では台番「4」から配置替えされてはいるが、配置替え後の種別では配置替え前後の台番「2」「4」は共に1Pであることから同一種別での配置替えを示す青色で表示され(台番「4」も配置替え前後の台番「3」「4」は共に1Pであることから同様)、台番「3」の欄では台番「8」から配置替えされているが、配置替え後の種別では台番「3」は1Pである一方、台番「8」は4Pであることから種別変更機種となり赤色で表示される。また、台番「5」と「8」の欄では、全くの新台が配置されるので新台を示す赤色で識別表示され、台番「6」「7」の欄では色付けがなく、配置替えがないことを把握できるが、処理負荷軽減を考慮せずに実際の配置替え前後の種別を比較した上で識別表示してもよい。例えば、台番「1」の欄では4Pから1P(4円パチンコから1円パチンコ)への種別変更のみが行われるので(比較区別処理により特定可能であるので)、赤色で表示してもよい。同様に台番「2」~「4」の欄では、4Pから1Pへの種別変更機種として配置替えが行われるので赤色で表示することができる。なお、上記同様に同一種別内での配置替えがあれば、該当する台番の欄(表示画面632では省略)が青色で表示されることとなる。
【0083】
また、管理装置6において、上記した第1引継処理と第2引継処理との何れかの引継処理を選択的に実行する場合に、種別のような機種グループを跨ぐ配置替えに伴い当該配置替え前の設定情報及び遊技情報の夫々をそのまま引継ぐか否かを予め各別に選択可能にするための引継選択手段を備える。
【0084】
例えば、貸出レートのように遊技状況が変わる種別が配置替え前と配置換え後とで異なることで、不正検知の基準値を変更するといったように同一機種であっても異なる設定値にしたい場合や遊技情報を引継がないようにしたい場合もある。このような場合、例えば、配置替えに伴いパチンコ玉の貸出レートが4Pから1P(4円レートから1円レート)へ変わる等、貸出レート(機種グループ)が配置替え前後で異なることをレート条件とし、以下に説明する図8の「種別間配置替え時のデータ反映」の釦群514や「種別間移動時の設定反映」の釦群517等(引継選択手段)での条件設定に応じて、遊技情報や設定情報をそのまま引継ぐか否か(管理情報の引継ぎを抑制するか否か)を予め選択可能としている。或いは、サーバ10にて種別ごとに区分して管理される設定情報を「配置替え」の場合であってもサーバ10からダウンロードしてもよいし、既に同一機種が同じ種別に設定されている場合にはその設定情報としてもよいし、スペックが近似する他機種同種別の設定情報としてもよい。
【0085】
ここで、図8に示す設定画面51には「申請書連携」「ランプデータ移行」「ランプデータクリア」「種別間配置替え時のデータ反映」「帳票分割」「種別間移動時の設定反映」に係る夫々の条件の設定を行うための釦群511,512,513,514,515,516,517が設けられている。
【0086】
「申請書連携」は、申請書50と連携して配置替情報に係る機種入替設定をするか否かを設定するための釦群511を有する。釦群511のうち「有」の釦操作により、申請書50用のCSVファイルを取込んで自動的に反映させる。
「ランプデータ移行」は、ランプデータの引継ぎを行うか否かを設定するための釦群512を有する。ランプデータとは、図4に例示した情報表示装置3で表示されるデータ、つまり遊技者向けの情報(遊技者が参照するデータ)として管理される遊技者用管理情報である。
【0087】
また「ランプデータ移行」~「種別間配置替え時のデータ反映」は遊技者用管理情報、「帳票分割」は管理者用管理情報を対象とした、配置替え前後の情報の区分についての条件を夫々設定可能な区分条件であり、その区分条件(釦群512~516等で設定された条件。予め設定された条件でもよい)に基づいて、遊技者用管理情報については引継ぎを抑制し、管理者用管理情報については引継ぎを行うことを可能とする。「種別間移動時の設定反映」の釦群517は、情報表示装置3のイルミネーション部3a等の設定(種別毎の機種の設定情報)を対象とした区分条件であり、ランプデータを対象とした「種別間配置替え時のデータ反映」とは区別される。
【0088】
このうち、「帳票分割」は、種別集計(例えば図5図6のような機種別の集計)で複数日の期間(例えば一ヶ月)の集計を行う場合に、遊技機1の配置替えや増減した日を基準として集計を分割するか否かを設定するための、「配置替え台」用の釦群515と「増減台」用の釦群516を有する。釦群515のうち「有」の釦操作により配置替えした日を基準とし、釦群516のうち「有」の釦操作により増減した日を基準として、管理者用管理情報の引継ぎに係る集計を自動的に分割する。
【0089】
これに対し、遊技者用管理情報たるランプデータにあっては、「ランプデータ移行」の釦群512のうち「有」の釦操作によりランプデータの引継ぎを行う設定とした場合、「ランプデータクリア」の釦群513の操作により当該ランプデータ(単に「データ」とも称す)のうち引継ぎを行わずにクリアするデータの条件を設定する。
即ち、釦群513のうち「新台」の釦操作がなされた場合、「新台」と判定した台番のみデータをクリアし、「配置替え」の台番はデータを引継ぐように設定される。「新台/配置替え台」の釦操作がなされた場合、「新台」だけでなく「配置替え」の台番のデータもクリアするように設定される一方、「無」の場合はデータのクリアを行わずデータを引継ぐように設定される。
【0090】
また、「種別間配置替え時のデータ反映」は、その配置替えの対象となる台番(遊技機1)の種別(貸出レート)が配置替え前後で異なるような種別間配置替えがあった場合に、データを引継ぐ(「コピー」する)か「クリア」するか否かを設定するための釦群514を有する。釦群514のうち「クリア」の釦操作がなされた場合、当該貸出レートの異なる台番のデータをクリアするように設定され、以って管理情報の一部であるランプデータの引継ぎを抑制する。なお、この場合、ランプデータ以外の他の管理情報も含めたデータのクリアを行うように設定してもよい。
こうして、管理装置6は、係る設定に基づきデータを引継ぐかクリアするかを特定した上で、配置替情報と基準配置替情報とに基づき新台や配置替えを特定し、このとき表示される図12のランプデータメンテナンス画面55で所定操作(同画面55上欄の「入替後反映」釦550の操作)が行なわれた場合に、図13のコピー内容確認画面56に遷移する。
【0091】
コピー内容確認画面56では、「コピー元」或いは「コピー先」に該当する「種別」「機種」及び「台番」を、「登録」の順番と「処理」の内容とに対応付けた一覧表としてポップアップで表示する。
この場合、同画面56の「登録」に示される順番にデータの処理が行われるものとし、その処理の内容が「交換」であればコピー元とコピー先との台番間でデータを交換し(両者間の矢印参照)、「コピー」であればコピー元のデータをコビー先にコピーして引継ぎ、「クリア」であればコピー元の台番のデータをクリアする。
【0092】
即ち、管理装置6は、元となる基準配置替情報と今回取込んだCSVファイルの配置替情報とを比較することにより「配置替え」された遊技機1を特定した場合、そのうち配置替え前後で台番が入替るような配置替えの場合は「交換」、そうでない配置替えの場合は「コピー」を処理内容として特定し、図8の「ランプデータクリア」の釦群513で「新台」が設定されれば新台だけが、「新台/配置替え台」が設定されれば新台だけでなく配置替えされた台もクリア対象として、データの「コピー」や「交換」も行わない(データの引継ぎを抑制する)。また、「ランプデータクリア」の釦群513で「無」が設定された場合は新台や配置替えがあってもデータをクリアしない(データの引継ぎを行う)。
【0093】
そして、図8の「種別間移動時のデータ反映」の釦群514で「コピー」が設定されていれば配置替え前後で種別が異なる場合であってもデータの「コピー」対象とし、「クリア」が設定されていればデータを「コピー」対象とせずに「クリア」するだけとなる。
なお、図8では、ランプデータに係る釦群512~514の操作により「ランプデータ移行」「有」、「ランプデータクリア」「新台」、「種別間配置替え時のデータ反映」「コピー」と設定した場合の設定画面51を例示している。また、係る設定に応じて(設定後に表示される図12の画面55で)、上記した「入替後反映」釦550の操作が行なわれることで、該当する台番の情報表示装置3におけるランプデータが更新される(データの引継ぎが行われ或いは抑制される)。
【0094】
また、図12のランプデータメンテナンス画面55は、上記したデータの引継ぎ処理(移行処理)を行った後や、引継ぎ処理を行わない場合に、直接数値をメンテナンス(修正)するための画面として用いることができる。
即ち、ランプデータメンテナンス画面55では、「台番」の欄55aにて対象となる台番を選択すると、その下側の欄55bに該当する情報表示装置3のランプデータが表示される。同欄55bの「基本データ」は、ランプデータの各項目を表し、「本日、1日前、2日前、…」の営業日単位で、各項目に対応する数値を入力することで情報表示装置3のランプデータを修正することができる。
【0095】
ランプデータの修正は、同図に例示するように「本日~3日前」の数値(便宜上「0」で表す)が示されている箇所にて行われ、「4日前」以前の数値が示されていない箇所は、該当項目の該当営業日のランプデータが表示対象となっておらず、例えばグレーアウト表示により入力不可となっている。
なお、説明の便宜上、ランプデータの項目「基本データ」は、図4で示した表示項目以外の項目を含むものとしているが、情報表示装置3での表示の切替えに伴い表示される項目或いは機種等に応じた他の項目が表示される。
【0096】
引継選択手段として図8に示す「種別間移動時の設定反映」の釦群517は、例えば情報表示装置3におけるイルミネーション部3aでの光フローの設定情報を配置替え前後で引継ぐか否かを選択することができる。これにより、種別を跨ぐ配置替えがあっても、予め釦群517で「有」が選択されていれば、配置替え前の種別の設定情報が引継がれ、「無」が選択されていれば配置替え後の種別の設定情報が反映されることとなる。
この点、情報表示装置3における光フローの設定は、種別毎に統一しているケースが少なくなく、配置替え前の種別の設定情報を引継ぐと、その機種だけ光フローの設定が違うといった事態が生じるが、各遊技場A、Bでの運用に応じて「種別間移動時の設定反映」を選択可能とすることができ、係る事態を抑制して所期の設定情報の引継処理を行うことができる。
【0097】
図示は省略するが、上記した「種別変更・追加」があって、引継選択手段による設定変更や図16(2)の画面632で識別表示がなされるような場合には、モニタ8に次のようなポップ表示がなされる。即ちモニタ8には、種別変更・追加後、営業開始前に、
「 <確認> 台機種設定の種別が変更された台番があります。
営業開始前に変更した台番の売上や再プレイのテストを実施して下さい。
〇番台 種別:□円パチンコ他」と、その「確認」釦と、が表示されることにより、設定変更後に売上や再プレイのテストの、し忘れ防止として遊技場側への注意を促すことができる。
【0098】
(2.実際の対応付け状況と基準配置替情報について)
上記したように、管理情報の引継ぎにおいて、その配置替えの基準となる基準配置替情報は、図9の設定画面52の「前回入替時使用ファイル」欄52aに示される前回取込まれた配置替情報であり、複数の基準配置替情報候補の中から管理者により選択指定される。
【0099】
即ち、管理装置6(選定手段)は、図8の設定画面51の「初回ファイル選択」欄51aにおける複数の「ファイル名」の中から、対象となる一のCSVファイルを選択指定するための選定操作(例えばキーボード7やマウス等での選定操作)を受付け、「登録」釦510の操作により一の基準配置替情報として取込む(登録する)。また、次回の配置替えの際に基準配置替情報として利用される、図9の設定画面52の「対象ファイル選択」欄52bにおける複数のCSVファイルも、選定操作による選定が可能である。このように、管理装置6では、前回のCSVファイルをも利用し(前回の配置替情報をCSVファイルで管理し)、選定操作により選定された基準配置替情報を基に判定処理と引継処理を行うことから、遊技場Aにおいて一度に多くの遊技機を入替るケースであれば非常に有用なものとなる。
【0100】
これに対し、例えば遊技場Aにおいて、ごく僅かな台数だけ遊技機1を入替るケースでは、委託会社による配置替情報の作成を待たずに、従来の手動操作による設定変更(手動設定)を行う場合がある。これは、図14図15の画面61,62で説明したように、管理装置6において台番と機種や種別とを対応付ける台機種設定等を、個別の操作入力(例えばキーボード7やマウス等を介した操作入力)を受付けることにより行うものである。この場合、管理装置6は、基準配置替情報の取込手段とは別の入力手段として、遊技機1の配置替えに関する操作入力を受付ける操作入力手段として機能する。この場合、設定情報は操作入力により更新すればよいので管理情報の引継処理は行われないが、遊技情報の引継ぎを考慮して管理情報の引継処理を係る操作入力に応じて行ってもよいし、別途、操作入力に応じて設定情報も含む管理情報の引継処理を行ってもよい。
【0101】
また、この場合、管理装置6により管理される実際の対応付け状況は、係る操作入力後や引継ぎ処理後における管理装置6にて管理される機種ID(或いは遊技機ID)と台番との相互関係を示す。即ち、例えば図15の「台番範囲」の10台にも満たない台数の、言わば軽微な入替えのケースでも、実際の対応付け状況は、当該台数分の遊技機用IDと台番との対応付けが更新されることにより、既存のCSVファイルの内容と合致しないものとなる。
【0102】
このため、委託会社により配置替情報が作成された場合に実際の対応付け状況に対応する配置替情報を次回用の基準配置替情報とすべく改めて取込む必要がある。そこで、上記操作入力による手動設定後、例えば実際の対応付け状況に合わせたCSVファイル形式の配置替情報を入手した場合、システム導入時と同様に図8の画面51を表示させて「初回ファイル選択」欄51aで当該CSVファイルを選択指定して、「登録」釦510の押下により基準配置替情報として取込む。
【0103】
そして、管理装置6は、係る「登録」釦510の押下時に、実際の対応付け状況と、選択指定された基準配置替情報とを比較する比較処理を行う。この比較処理では、例えば実際の対応付け状況として図15の台機種設定画面62で示す各台番の「機種名」と、基準配置替情報に含まれる各台番の機種IDと、の両者を台番毎に照合する。或いは、図15では省略しているが、管理装置6にて管理される基板番号のような遊技機IDと台番との関係性を両者間で照合する(各台番の遊技機IDを両者間で比較する)といった他の比較方法でもよい。
【0104】
係る比較処理により、両者間で機種IDの異なっている台番が一つも存在しない場合、基準配置替情報をそのまま登録する(図9の欄52aの「前回入替時使用ファイル」として登録する)一方、両者間で機種IDの異なっている台番が一つでも存在する場合(相違が生じた場合)、その旨を報知する報知処理を実行する。
この報知処理では、例えば台機種設定画面62において、「台機種設定と基準配置替情報とが対応していません」といった注意を促すメッセージと、「登録」釦、「CSV作成」釦及び「キャンセル」釦(何れも図示略)とを、ポップアップ表示(POP表示)により示す確認報知が行われる。
【0105】
POP表示の「登録」釦は、操作入力による台機種設定が誤っている場合を想定した釦で、その押下により取込んだ基準配置替情報を正として(前回入替時使用ファイルとして)登録する。これにより、管理装置6において台機種設定の内容が誤っていたとしても、正しい基準配置替情報を登録することができ、次回の配置替えにおいて誤った判定処理が行われることを抑制することができる。
【0106】
POP表示の「キャンセル」釦は、選択指定したCSVファイルが誤っている場合等をも想定した釦で、その押下により取込んだ基準配置替情報を登録することなく、POP表示を終了する。この場合、管理者は、図15の画面62等で台機種設定を確認して操作入力により台機種設定(実際の対応付け状況)を修正し、或いは図8の画面51で正しいCSVファイルを新たに選択指定して基準配置替情報を登録し直すことができる。
【0107】
POP表示の「CSV作成」釦は、上記のように実際の対応付け状況と、基準配置替情報とに相違が生じた場合、当該実際の対応付状況に基づき新たな基準配置替情報を作成するための釦で、その押下により例えばCSVファイル形式で新たな配置替情報を作成する。この場合、管理装置6におけるキーボード7等の作成手段を用いて、実際の対応付状況を示す現在の台機種設定に基づき、編集処理が簡単なCSVファイル形式で基準配置替情報となる配置替情報を作成し規定することができる。また、「CSV作成」釦を図8の画面51や図9の画面52に別途設けて確認報知時以外に配置替情報を作成可能としてもよいし、例えば手動設定(操作入力)終了時に基準配置替情報を変更後の台機種設定に基づき作成してもよい。この場合、手動設定分の配置替情報を別途手配する必要性が低減する。
【0108】
こうして、POP表示に応じて新たに選択指定し、或いは新たに作成した配置替情報や上記の通り操作入力により設定情報が更新されてから取込まれた配置替情報は次回の配置替情報の基準配置替情報として利用可能となる(図9の「前回入替時使用ファイル」欄52a参照)。これは、上記の手動設定が行われた場合に、係る実際の引継ぎに伴う判定処理の比較対象とならなかった配置替情報を、新たな基準配置替情報として用いることを可能とするものである。
上記の報知処理としては、POP表示に加えて、誤っている箇所(例えば台番)を図15の画面62等で示してもよいし、実際の対応付け状況と基準配置替情報とが整合している場合に、その旨をPOP表示に代えて示してもよい。
【0109】
また、上記の手動設定による管理情報の引継ぎが行われても、次回の配置替えが行われるまで、新たな配置替情報の登録(配置替情報の更新)を失念することも想定される。
即ち、2回目以降の配置替えの際、配置替情報の更新を失念したまま、管理装置6において図9の設定画面52を表示させて、当該未更新の「前回入替時使用ファイル」欄52aのものを基準配置替情報として管理情報の引継ぎを進めてしまうことも想定される。
【0110】
この場合、図9の画面52を表示する際に、例えば図8の画面51の「登録」釦510の押下を条件として「前回入替時使用ファイル」の欄52aの基準配置替情報と実際の対応付け状況とを比較する(前回入替時使用ファイルを確認する)前記比較処理を実行させる構成とする。
この構成に代えて或いは追加して、例えば表示する際ではなく、図9の「種別変更・追加」の釦群520で「無」と選択された状態で「対象ファイル選択」欄52bにてCSVファイルを選択した上で「次へ」釦521が押下された場合に、「前回入替時使用ファイル」の欄52aの基準配置替情報を登録して比較処理を実行させるようにしてもよい。「種別変更・追加」の釦群520で「有」と選択された状態では、図8の画面51を表示させて「初回ファイル選択」欄51aでCSVファイルを選択指定し、「登録」釦510の押下により基準配置替情報として取込んで比較処理を実行させるようにしてもよい。
【0111】
何れにしても、管理装置6において今回取込まれる配置替情報(図9の欄52bで選択される対象ファイル)に対応した新たな引継処理に伴い、比較処理が実行されることにより実際の対応付け状況と基準配置替情報とに相違が生じていれば、その旨を報知する報知処理を実行する。こうして、新たな配置替情報の登録を失念していた場合でも、上記した確認報知と同様のメッセージと、「登録」釦、「CSV作成」釦及び「キャンセル」釦と、をPOP表示により示す報知が行われる。
【0112】
これにより、POP表示における「登録」釦を押下した場合には取込んだ基準配置替情報を正として登録し、「キャンセル」釦を押下した場合には、その後実際の対応付け状況を修正し或いは正しいCSVファイルを新たに選択指定し、「CSV作成」釦を押下した場合には、現在の台機種設定に基づきCSVファイル形式で基準配置替情報となる配置替情報を作成することができる。
【0113】
以上のように「2.実際の対応付け状況と基準配置替情報」に係る実施形態によれば、次のような効果を奏する。
管理装置6は、前回の配置替えに伴い取込まれた配置替情報である基準配置替情報(例えば図9の欄52aに示す前回入替時使用ファイル)と、今回取込まれた配置替情報(例えば同図の欄52bに示す対象ファイル)とを比較する判定処理に基づき配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う引継処理を実行する引継手段、並びに取込手段とは別の入力手段として、遊技機1の配置替えに関する操作入力を受付ける操作入力手段として機能し、自装置6において管理する実際の対応付け状況(例えば図15に示す台番と機種名の対応関係)と、基準配置替情報(例えば台番と機種IDの関連性を示す情報)とに相違が生じた場合、その旨を例えばモニタ8上でPOP表示により報知する。
これによれば、基準配置替情報を新たに取込むことなく操作入力により手動設定することで基準配置替情報と実際の対応付け状況との相違が生じた場合に、その旨の報知を行うので、配置替情報を取込まずに操作入力により管理情報を引継ぐことがあっても、配置替情報の更新を失念する虞を考慮した上で適切に対応し得ることが可能となる。
【0114】
管理装置6は、今回取込まれる配置替情報(例えば図9の欄52bに示す対象ファイル)に対応した新たな引継処理に伴い、実際の対応付け状況と基準配置替情報との間で相違が生じていれば、その旨を報知する。
これによれば、例えば配置替情報による新たな引継処理の開始時に係る報知を行うことで、基準配置替情報が実際の対応付け状況と相違したまま新たな引継処理が行われる虞を低減できる。
【0115】
管理装置6は、例えば図8の「初回ファイル選択」欄51aで示したように複数の基準配置替情報候補の中から対象となる基準配置替情報を選択指定するための選定操作を受付け、実際の対応付け状況と、選択指定された基準配置替情報とに相違が生じた場合、その旨を報知する。
これによれば、係る報知を基準配置替情報の選択操作に応じて行うので、これを正しい基準配置替情報として取扱えるのか、或いは操作入力により変更した実際の対応付け状況が正しいのかといった確認をし易くなり、選択操作に起因する誤った判定処理をも抑制することができる。
【0116】
管理装置6において管理する実際の対応付け状況と基準配置替情報とに相違が生じた場合、当該実際の対応付状況に基づき新たな基準配置替情報を例えばCSVファイル形式で作成するための作成手段を備える。
これによれば、管理装置6において、実際の対応付け状況と基準配置替情報との間で相違が生じたとしても、新たな基準配置替情報を実際の対応付け状況に基づき作成することができ、配置替えに伴う配置替情報を別途入手する必要性を低減した上で、新たな基準配置替情報による引継処理が可能となる。
【0117】
管理装置6において、実際の管理情報の引継ぎに伴う判定処理の比較対象とならなかった配置替情報(例えばPOP表示に応じて取込まれた正しいCSVファイル或いは新たに作成されたCSVファイル)を、新たな基準配置替情報として用いることを可能とした。
これによれば、管理装置6において反映されなかった配置替情報を新たな基準配置替情報として管理情報の引継処理を適切に行うことが可能となる。
【0118】
<第2実施形態>
図17は、本発明の第2実施形態を示している。以下の実施形態では、主として同図17以降の図面を参照しながら既述した実施形態と実質的に異なるところを説明する。
本第2実施形態の配置替情報は、上記した台番、遊技機ID及び機種IDの他、機種IDに対応する機種のタイプであって、遊技機1をタイプ別に分類するためのタイプ情報を含む。これにより、管理装置6では、台番、遊技機ID、機種ID及びタイプ情報を相互に対応付けて管理する。
【0119】
ここで、遊技機1のタイプとしては、自店での分類に用いられる「自店タイプ」(例えば図17における画面701右半部の欄参照)と、汎用的な分類として用いられる「汎用タイプ」(同画面701左半部の欄参照)とがある。
このように、遊技場では例えば初期投資の期待値が高いか低いかといった違いに応じた遊技機1のタイプにより遊技機1をグループ化して管理することも珍しくなく、遊技場用システムにおいて、タイプ情報を配置替情報に含めて参照すれば、当該設定作業を簡略化できるとも考えられる。ところが、本遊技場A(自店)のように独自の自店タイプを規定している遊技場も少なくなく、配置替情報を例えばシステム会社や委託会社等に作成させる場合、汎用タイプしか特定できず、当該汎用タイプをそのまま設定してしまっては、今一歩、使い勝手に優れず、係る自店タイプの設定に苦慮しているのが実情である。
【0120】
そこで、本第2実施形態の管理装置6は、タイプ情報として、基準配置替情報に含まれる自店タイプ情報と、配置替情報に含まれる汎用タイプ情報とを紐付けて登録するとともに、管理情報の引継処理が行われる場合に、配置替情報に含まれる汎用タイプ情報を、当該汎用タイプ情報に紐付けられる自店タイプ情報へ変換して台番に対応付けるように構成されている。
【0121】
ここで、「汎用タイプ」としては、例えば図17の画面701左側に示す「ハイミドル」「ミドル」「ライトミドル」「ライト」「ミニマム」「その他」の6つがあり、それらの分類に用いられる名称やIDといった識別情報が汎用タイプ情報である。機種IDはこの何れかの汎用タイプと対応付けて管理され、何れの汎用タイプに属するかを委託会社が判断した上で、それらの関連性を示す配置替情報をCSVファイルで作成する。
【0122】
「自店タイプ」としては、例えば図17の画面701右側或いは702右側に示す「ハイミドル」「ミドル」「ライトミドル」「甘デジ」「ミニマム」「ハネモノ」或いは「4パチ」といった汎用タイプ以外のタイプを含み、それら自店独自の分類に用いられる名称やIDといった識別情報が自店タイプ情報である。
【0123】
そして、管理装置6では、モニタ8に図17の紐付け設定画面701或いは702を表示させ、キーボード7やマウス等を介した操作入力により当該設定画面701或いは702の如く「汎用タイプ」情報と「自店タイプ」情報とを紐付けて登録することができる。なお、当該紐付け設定画面701,702は、2つの紐付けパターンを例示するものであり、自店独自に何れかの紐付けパターンで登録することはもとより、別の紐付けパターンで登録することができる。
【0124】
例えば、左側の紐付け設定画面701において、その種別「4パチ」を表す最上欄のプルダウンにより、4パチ以外の種別を選択して切替表示を行うことができ、当該「4パチ」がプルダウンにより選択された場合、当該画面701の「汎用タイプ」のところで上記した「ハイミドル」~「その他」の6つのタイプが表示される。この「汎用タイプ」の表示は、種別に応じて或いは管理装置6にて取込まれる(配置替情報に含まれる)汎用タイプ情報に基づき、例えば「その他」の下側の余白の欄に別のタイプを追加的に表示する等、6つのタイプに限定されるものではない。
【0125】
また、紐付け設定画面701の「自店タイプ」における上記した「ハイミドル」~「ハネモノ」の6つのタイプは、「汎用タイプ」の「ハイミドル」~「その他」の6つのタイプと、夫々左右で対をなして、1対1の関係で紐付けられている。この紐付けは、「自店タイプ」のところで上下方向に並ぶプルダウン箇所(逆三角形の箇所)のクリック時に示される、複数の自店タイプ候補(自店タイプ情報)を示すリストの中から、汎用タイプ情報の紐付け対象となる自店タイプ情報を選択することにより行われる。
【0126】
詳細には、複数の自店タイプ候補は、例えば上記した「ハイミドル」「ミドル」「ライトミドル」「甘デジ」「ミニマム」「ハネモノ」及び「4パチ」の他、「1パチ」「20スロ」「5スロ」並びにブランク「-」を含む。これらは、現在の台機種設定にて実際に設定されるタイプ、つまりは図15の画面62に示すように、管理装置6により少なくとも「台番」と対応付けて管理されている「ハイミドル」や「ミドル」等を含む実際に採用されている自店「タイプ」であり、図17の画面701での紐付け設定時にリスト形式で表示される。なお、管理装置6により「台番」と対応付けて管理されている現在の設定情報だけでなく、過去の設定情報において管理されていた自店「タイプ」も対象としているが、現在と過去とのいずれか一方だけを対象としてもよい。
【0127】
このうち、「4パチ」「1パチ」「20スロ」「5スロ」は、貸出レートが4円、1円、20円、5円のパチンコ或いはスロットマシンに対応する。なお、「甘デジ」は、大当たり確率の甘い所謂甘デジのパチンコに対応し、「ハネモノ」は、所謂羽根モノの羽根開放等を行うパチンコに対応する。
「-」は、タイプとしての分類対象とならないブランクタイプ情報に相当し、空白欄として示される。それ故、係る空白欄をもプルダウンにより汎用タイプ情報の紐付け対象として設定し(タイプ設定を無として取扱い)、登録することが可能である。
【0128】
また、管理装置6においては、「汎用タイプ」と「自店タイプ」との1対n(n≧2)の関係でも紐付け可能である。
例えば、右側の紐付け設定画面702に示すように、その最上欄のプルダウンにより種別「4パチ」が選択された場合、当該画面702の「汎用タイプ」のところで上記した「ハイミドル」~「その他」の6つのタイプが表示される一方、「自店タイプ」のところでは、各プルダウン箇所でのプルダウンより全て同じタイプの「4パチ」が選択されて、各汎用タイプと夫々紐付けられている。
【0129】
また、図示は省略するが、例えば汎用タイプの「ハイミドル」と「ミドル」とをまとめるべく、双方を「ミドル」として「自店タイプ」のところで規定する(紐付ける)ようにしてもよい。このように、汎用タイプと自店タイプとの間において、夫々用いられるタイプの種類数或いはタイプをまとめるときの分類数で見れば、上記の如く1:6或いは1:2というように1対n(nは2以上の自然数)の対応関係にある。
【0130】
こうして、管理装置6において、例えば左側の画面701(又は右側の画面702)の如く汎用タイプと自店タイプとを紐付けて登録したものを紐付け設定テーブルとして管理する。これにより、管理装置6は、自店における遊技機の配置替えに際して、汎用タイプ情報を含む配置替情報を取込んで管理情報の引継ぎを行う場合に、紐付け設定テーブルに基づいて当該汎用タイプ情報をこれに紐付けられた自店タイプ情報へ変換して台機種設定に反映させる(図15の自店「タイプ」を台番に対応付ける)。
【0131】
これにより、管理装置6では、当該タイプ(例えば図15の「ハイミドル」と「ミドル」を含む自店タイプ)によりグループ分けして、遊技機1や遊技情報等をグループ単位で管理する。なお、グループ単位で管理するとはグループ単位で遊技情報の平均値や合計値等を管理することが例示できる。他のグループ単位、つまり例えば図17とは別の紐付け設定テーブルに基づき変換されたタイプによるグループでの管理も同様とする。
【0132】
上記したように、図17の紐付け設定画面701,702において、汎用タイプ情報の紐付け対象となる自店タイプ情報は、管理装置6により台番や遊技機IDと対応付けて現に管理され(図15の台機種設定画面62参照)、或いは過去に管理されていた複数の自店タイプ候補の内から選択するリスト形式を採用している。このような相互関係により、紐付け設定画面701,702において、新規の自店タイプを設けたい場合には、図15の台機種設定画面62にて操作入力により新規登録することで選択可能となるが、紐付け設定画面701,702にて新規の自店タイプを新規登録することで台機種設定の自店「タイプ」を更新可能とする構成を採用してもよい。
【0133】
また、紐付け設定画面701,702における自店タイプの欄で、上記したブランクタイプ情報の「-」が選択され、紐付け対象として登録されている場合には、例えば遊技機1や遊技情報のタイプによるグループ対象から除外される。この場合、例えば自店において遊技機1の配置替えが行われる際、その管理情報の引継処理の終了時に、空白欄となった「-」の機種を特定可能なPOP表示をモニタ8上で行う。
【0134】
即ち、遊技機1の配置替え或いは引継処理に伴い、管理装置6により「-」が紐付けられる汎用タイプ情報に対応付けられた台番、及び遊技機IDの内、少なくとも一方がある場合、その旨をモニタ8上でPOP表示により報知する。このPOP表示には、自店タイプの対応付けを可能とするべく図15の台機種設定画面62を表示させるための釦が含まれる。このため、管理者は、係る機種をグループ対象から除外したくない場合には、POP表示の釦を押下して、台機種設定画面62で操作入力により自店「タイプ」を設定し、対応付けることができる。例えば汎用タイプが「その他」で(図17参照)、更にタイプを自店で細分化したい場合(例えば所謂1発台とハネモノとの区別等)には、係る手動設定により自店タイプを設定することが望ましい。
【0135】
以上説明したように、本第2実施形態の管理装置6は、タイプ情報として、基準配置替情報に含まれ自店での分類に用いられる自店タイプ情報(例えば図17に示す自店タイプ)と、配置替情報に含まれ汎用的な分類として用いられる汎用タイプ情報(例えば図17に示す汎用タイプ)とを紐付けて登録するとともに、管理情報の引継ぎが行われる場合に、配置替情報に含まれる汎用タイプ情報を、当該汎用タイプ情報に紐付けられる自店タイプ情報へ変換して配置ID(例えば図15に示す台番)に対応付ける対応付手段として構成されている。
これによれば、遊技場Aにおける遊技機の配置替えに際し、管理装置6にて取込んだ配置替情報に基づき汎用タイプを特定した場合、当該汎用タイプに紐づく、当該汎用タイプとは異なる自店タイプを遊技機1に対応付けるので、遊技場Aにおいて独自に遊技機1のタイプを設定している場合であっても、適切に遊技機1のタイプを設定した上で配置替えに係る処理を行うことが可能となる。
【0136】
管理装置6において、汎用タイプ情報と自店タイプ情報との1対1の関係(例えば図17左側の画面701で示す対応関係)での紐付け可能であるだけでなく、1対n(n≧2)の関係(例えば図17右側の画面702で示す対応関係)でも紐付け可能である。
これによれば、汎用タイプと自店タイプとを1対1だけでなく、1対nでも紐付けを行うことができ、例えば汎用タイプで分類されている2つのタイプを、遊技場Aではまとめて1つのタイプにしている場合でも、その自店のタイプ設定に応じた適切なタイプ設定が可能となる。
【0137】
管理装置6は、配置ID及び遊技機ID(例えば台番及び基板番号)の内、少なくとも一方と対応付けて管理している、或いは管理していた複数の自店タイプ情報(例えば図15の「ハイミドル」等を含む自店タイプのリスト)の中から、汎用タイプ情報の紐付け対象となる自店タイプ情報を選択可能である。
これによれば、管理装置6における紐付け設定時に、例えば自装置6にて現在管理している複数の自店タイプの中から選択して登録することができ、改めて自店タイプを参照する必要性を低減したまま、汎用タイプに対応する自店独自のタイプ設定を容易に行うことができる。
【0138】
管理装置6は、前記汎用タイプ情報の紐付け対象として、タイプとしての分類対象とならないブランクタイプ情報(例えば空白欄で示される「-」)を登録可能に構成されていることから、汎用タイプをそのまま採用したくない遊技場Aであっても、適切に自店タイプを設定可能となる。
【0139】
遊技場における遊技機1の配置替え或いは管理情報の引継ぎに伴い、ブランクタイプ情報が紐付けられる汎用タイプ情報に対応付けられた配置ID及び遊技機ID(例えば台番及び基板番号)の内、少なくとも一方がある場合、その旨を例えばモニタ8上で報知する。
これによれば、ブランクタイプ情報により自店タイプの紐付けが無い場合、例えばモニタ8上で言わば確認表示として報知を行うことができ、例えば1つの汎用タイプに対して複数の自店タイプを設けたい場合に確認表示に応じて独自の判断により自店タイプを振分けて設定するといった対応が可能となる。
【0140】
<第3実施形態>
通常、遊技場ではある程度まとまった台数(例えば10台)を同一機種として機種別に管理するが、例えば1台や2台といったごく少数の遊技機1だけを同一機種として、複数の機種を混在させた多様性(バラエティ)のあるコーナーとし、当該コーナーを1つのグループとして遊技機1や遊技情報等をグループ単位で管理することがあり、当該グループをバラエティコーナーと呼んでいる。
【0141】
こうしたバラエティコーナーは遊技場の多くで採り入れられているが、当該バラエティコーナーのような特定の遊技島や台番に対応付けられた特別なグループを設置すること自体、所轄機関への申請対象となっておらず、申請書50のかたちで提出する必要がないので、配置替情報に反映させるためには別途追加入力が必要となってしまう。
【0142】
そこで、本第3実施形態の管理装置6は、自身の管理する台番のうち、複数の台番からなる特定の台番群(配置用ID群)を、それ以外の台番(配置用ID)と区分して設定するための区分手段として機能し、上記した管理情報の引継ぎに係る判定処理に応じて配置替えの対象となったいずれかの台番が、特定の台番群に含まれる場合、当該台番に対応する遊技機ID(例えば基板番号)を特定のグループに属させるためのグループ処理を行うように構成されている。係る構成について、図18も参照しながら詳述する。
【0143】
図18は、管理装置6のモニタ8に表示される機種カテゴリ設定画面71を示している。機種カテゴリ設定画面71には、左側の「グループ名称」の欄、並びにその右側の「詳細項目」及び「台番」の対応付けを示す欄が設けられている。これは、従来の島設定のような全ての台番を対象とした設定とは異なり、一部の台番(例えばバラエティコーナーに設定されるような特定の台番群)を対象として設定されるものであり、特定のグループに対応付けされない台番(同画面71の「台番」欄に設定されていない台番)も存在する。
【0144】
即ち、管理装置6では、キーボード7やマウス等を介した操作入力により、「グループ名称」欄の「NO.」毎に、例えば「バラエティ」「○○コーナー」「4円バラエティ」「1円バラエティ」…といった特定のグループが設定される。このように、カテゴリ設定の対象は、主としてバラエティコーナーであるが、例えばカップルシートや新台コーナー等、特定の台番に対応付けるカテゴリであれば、「○○コーナー」の如くバラエティ以外のカテゴリを対象としても勿論よい。いずれにしても、機種カテゴリ設定画面71では、「バラエティ」等のカテゴリ(特定のグループ)に対応する台番を設定対象とする一方、「バラエティ」等に対応しない台番は設定対象としていない。
【0145】
特定のグループは、上記の如く「グループ名称」欄の「NO.」毎に区分され、更に「詳細項目」欄の「NO.」毎に区分される複数の小グループからなる。管理装置6では、その小グループに属するように機種を対応付けて管理し、例えば小グループ単位で遊技機1や遊技情報を管理している。
詳細には、管理者は、機種カテゴリ設定画面71左側の「グループ名称」の中から何れか「NO.」のグループ(例えばNo.1のグループ)を選択すると、右側の「詳細項目」にて当該グループに属する小グループの「NO.」又は名称(例えば「(1)コーナー」)と対応する台番群(例えば1~10の台番)とを設定可能となる。
【0146】
この場合、同画面71上部の「カテゴリ台番登録」において、「番号選択」の欄には「詳細項目」にて選択された小グループの「NO.」が表示され、「開始台番」及び「終了台番」の欄には、例えば1~10の台番群の台番範囲を夫々操作入力により設定することができる。こうして、管理装置6にて設定された特定の台番群は例えば「(1)コーナー」では1~10番台、「(2)コーナー」では11~20番台、「(3)コーナー」では101~110番台というように複数に区分され、これら台番群とグループとを関連付けたカテゴリ設定テーブルとして管理する。これにより、カテゴリ設定テーブルにおいて、特定のグループは、それら台番群の区分に合わせて設定される複数のグループ((1)コーナー等の小グループ)で構成される。なお、係る複数のグループに対して、台番群による台番単位の対応付けに限らず遊技島単位の対応付けとしてもよい。
【0147】
そして、管理装置6は、基準配置替情報と配置替情報とを比較する判定処理に基づき、遊技機1の配置替え(新台も含む)に伴う管理情報の引継処理を行う場合、図18のカテゴリ設定テーブルを照合し、当該配置替えの対象となったいずれかの台番が、特定の台番群に含まれるか否かを判定する。
【0148】
配置替えの対象となった台番が、特定の台番群に含まれると判定された場合、当該台番が属する機種に属する遊技機1の内、当該特定の台番群に属さない(或いはカテゴリ設定テーブルに規定されていない)台番が1台でも含まれれば、カテゴリ設定テーブルによる新たな対応付け、つまりは小グループに属させるためのグループ処理は行わない。
例えば、新台として導入・配置される台番に対応する遊技機IDの属する機種Aが10台あって、そのうち5台が1~10番台の台番群及びそれ以外の5台が101~110番台というように、台番の両区分を跨いで配置される場合には、それら遊技機IDを(1)コーナー及び(3)コーナーといった小グループに対応付けるグループ処理を抑制する。
【0149】
これに対し、例えば機種Aに属する全ての遊技機1が図18のカテゴリ設定テーブルの「グループ名称」のいずれかに属する台番であって、更に当該全ての台番が「詳細項目」として設定される同じ台番群(例えば1~10番台)に属する場合には当該機種Aを当該小グループ(例えば(1)コーナー)に対応付けることにより、機種単位で遊技機IDを当該小グループに属させるグループ処理を行う。
このように、管理装置6は、機種単位で小グループとの対応付けを行っており、判定処理に応じて配置替えの対象となった遊技機IDが属する機種Aが例えば上記の如く1~10番台と101~110番台とに跨いで配置される場合には、グループ処理を抑制する一方、それら台番群に跨がずに配置される場合には当該抑制を行わない。
【0150】
また、管理装置6は、グループ処理を抑制する場合に、その抑制対象となった機種を分割して、対応する特定のグループを選択指定するための操作案内をモニタ8に表示させる。
例えば、上記した機種Aの如く、カテゴリ設定テーブルに基づく新たな対応付けを行わない場合、係る管理情報の引継処理の終了後にモニタ8において、「機種Aについて(1)コーナーと(3)コーナーの区分に跨ります。コーナーを選択指定しますか?」といった注意を促すメッセージと、「選択指定」釦及び「キャンセル」釦(何れも図示略)とを、ポップアップ表示(案内POP表示)により示す操作案内が行われる。
【0151】
これにより、管理者は、新たな小グループの対応付けを行わない場合には「キャンセル」釦を押下する一方、小グループ別に機種Aを分割(小グループに属さない台番も分割)する場合には「選択指定」釦を押下して、案内POP表示に従い(1)コーナーと(3)コーナーの小グループに夫々対応付ける入力操作を行う。このとき、モニタ8には、機種カテゴリ設定画面71上で案内POP表示がなされることから、その具体的な操作案内として例えば「(1)コーナーと(3)コーナーの「NO.」を夫々選択指定して台番を入力して下さい」との案内POP表示を併せて行うことにより、遊技場Aが意図する小グループに対応付ける設定を容易に行うことができる。勿論、配置替情報により特定される台番が属する小グループをそのまま対応付けるかを選択するような操作案内を行っても良い。また、機種を分割する場合、併せて「機種A-1」「機種A-2」といったように分割した機種を区別可能なように異なる機種名を設定するようにしてもよい。
【0152】
案内表示は、上記した案内POP表示に限らず、グループ処理の抑制対象となった機種について分割することなく特定のグループを選択指定するための操作案内を表示させる等、他の案内表示を行いうることは勿論である。
【0153】
例えば、1~10番台に設置されていた機種Aの遊技機1が10台あって、そのうち1~5番台の5台分だけ111~115に移動させる配置替えにより、それら台番群を跨いで機種Aが配置されることとなる場合、管理装置6におけるグループ処理は抑制される。この場合、当該機種Aは元々の小グループ((1)コーナー)の対応付けのままとすればよいが、元々の小グループの対応付けを解消させるための操作案内をしてもよいし、小グループの選択指定による新たな対応付けを行うか否かを問うようにしてもよい。
また例えば、他の台番も含めた当該機種に対応付ける小グループを台番が属するグループ(例えば図18の「グループ名称」の区分)の中から選択指定するための操作案内をしてもよい。
【0154】
グループ処理の抑制として、新たな対応付けを行わないことや、一旦、案内POP表示を表示させて、小グループの選択指定により対応付ける操作を行うことを例示したが、この他にも例えばパスワードのような特別な承認を要するといった例示した以外の抑制方法を採用してもよい。
また、小グループと機種とを対応付ける構成、即ち特定のグループに対する遊技機IDの対応付けを機種単位で行う構成を例示したが、機種単位ではなく台番単位、即ち遊技機単位で対応付けてもよい。また、小グループに区分したが小グループを設けることなくグループ(例えば図18の「グループ名称」の区分)に対し遊技機IDを対応付けて本案を適用してもよいし、グループを複数設けることなく、一のグループに属するか否かで遊技機1や遊技情報を区分して管理してもよい。
【0155】
以上説明したように、本第3実施形態の管理装置6は、自身の管理する配置用ID(例えば台番)のうち、複数の配置用IDからなる特定の配置用ID群を、それ以外の配置用IDと区分して設定するための区分手段(例えば図18中「1~10」番台等の特定の台番群を他の台番と区分して設定するカテゴリ設定テーブル)を備え、基準配置替情報と配置替情報との比較による判定処理に応じて配置替えの対象となったいずれかの配置用IDが、特定の配置用ID群に含まれる場合、当該配置用IDに対応する遊技機ID(例えば基板番号)を特定のグループ(例えばカテゴリ設定テーブルの「グループ名称」或いはその「詳細項目」の小グループ)に属させるためのグループ処理を行う。
これによれば、例えば特定の台番群を、それ以外の通常の台番と区分し、配置替情報による引継処理により特定の台番群への設置が特定された場合に特定のグループに属させる設定を行うことができ、配置替情報に反映されない遊技場Aにおける独自のグループ設定を考慮した上で、適切に配置替え処理を行うことが可能となる。
【0156】
管理装置6は、前記判定処理に応じて配置替えの対象となった遊技機IDの属する機種が、特定の配置用ID群及びそれ以外の配置用IDの両区分(例えば図18の(1)コーナーに属する台番(例えば1番台)と図18に示されるいずれのコーナーにも属さない台番(例えば21番台)といった区分)を跨いで配置される場合には、グループ処理を抑制する。
これによれば、例えば配置替えの対象となった遊技機1が特定の台番群に設置される場合でも、対象となる機種Aが、別途、特定の台番群以外の台番に設置されている場合は特定のグループに属させる設定を抑制するので、同一機種Aにおいて一部が特定のグループに属し、一部が属さないといった意図しない対応付けが行われる虞を低減できる。
【0157】
特定のグループは、配置用ID群の区分に合わせて設定される複数のグループ(例えば図18の(1)コーナー、(2)コーナー、・・・の各コーナー)で構成され、管理装置6は、前記判定処理に応じて配置替えの対象となった遊技機IDが属する機種が複数の配置用ID群に跨いで配置される場合には、グループ処理を抑制する一方、複数の配置用ID群に跨がずに配置される場合には当該抑制を行わない。
これによれば、例えば特定のグループは機種単位での対応付けが可能な複数のグループに区分され、同一機種に属する遊技機1の全てが同一グループに含まれる場合は当該グループに当該機種を対応付けるようにしてグループ処理を行う一方、複数のグループに跨る場合は当該対応付けのグループ処理を抑制するので、同一機種に属する遊技機1が異なるグループに属するといった意図しない対応付けが行われる虞を低減できる。
【0158】
モニタ8を備える管理装置6は、グループ処理を抑制する場合に、その抑制対象となった機種について特定のグループを選択指定するための操作案内を表示させる表示手段として構成されている。
これによれば、グループ処理が抑制された場合、遊技機IDを機種単位でグループに対応付けるときの操作案内(例えば図18のグループ名称の「NO.」や詳細項目の「NO.」を選択指定する案内)を表示するので、同一機種を異なるグループに区分することなく、遊技場が意図するグループに対応付けることが可能となる。
【0159】
また、モニタ8を備える管理装置6は、グループ処理を抑制する場合に、その抑制対象となった機種を分割して、対応する特定のグループ(例えば図18の(1)コーナーと(3)コーナー)を選択指定するための操作案内を表示させる表示手段として構成されている。
これによれば、例えば同一機種Aに属する遊技機1が複数のグループに跨る場合、機種Aを分割して夫々のグループに対応付けるかを選択するための操作案内を表示するので、同一機種A内で異なるグループに区分したい場合であっても、機種単位で遊技場Aが意図するグループに対応付けることが可能となる。
【0160】
<第4実施形態>
遊技場Aにおいては、上記した遊技機1の配置替えとは別に、遊技機1の異常に伴う交換が行われることがある。これは、例えば遊技機1における前記主基板の故障等に対処するために、その遊技機1の一部である主基板或いは遊技機自体(以下「主基板等」とも称す)を交換するものである。
この場合、実際には配置替えが行われていないにも拘らず、主基板等の交換に伴い、その基板番号たる遊技機IDも変更されることとなる。このため、次回の配置替えの際に、管理装置6側で配置替情報を取込んでも、変更後の遊技機IDを特定できず、誤った配置替えの判定処理を行う虞があり、管理情報の引継ぎを正確に行うことができない事態が生じ得る。
【0161】
そこで、本第4実施形態の管理装置6は、配置替えとは別に行われる遊技機1の異常に伴う交換であって、遊技機1の主基板等の交換に際し、当該交換後の遊技機IDを受付けるID受付手段として構成されており、交換後の遊技機ID及び交換前の遊技機IDを相互に対応付けるとともに、少なくとも基準配置替情報と配置替情報との何れかの遊技機IDを、前記対応付けた遊技機IDと相互に入替るための入替処理を行うようになっている。係る構成について、図19図20も参照しながら説明する。
【0162】
先ず、遊技機1が故障して主基板等の代替品との交換が行われた場合、その時点では所轄機関へ申請書50で申請せずに、その後に行われる次回の配置替えの際に申請してもよく、その際に配置替情報が作成されて管理装置6にて取込まれる。
この場合、遊技情報としては区分する必要はないが、主基板等の交換に伴い遊技機IDが変更され、配置替情報と誤認して遊技情報を区分する虞があるので、以下の処理を行う。
【0163】
即ち、管理者は、主基板等の交換がなされている場合、管理装置6のモニタ8に図19の遊技台基板交換設定画面72を表示させる。同画面72には、符号72aを付した枠内に示すように、「交換日付」及び「台番」の欄、「統一機種名」の欄、並びに「交換前」と「交換後」の「基板番号」の欄が設けられている。
管理装置6は、「交換日付」及び「台番」の欄に夫々を入力する管理者の入力操作がなされると、当該交換日付の前日の台番に対応する遊技機1の機種並びに遊技機IDを、「統一機種名」並びに「交換前」の「基板番号」の欄に夫々表示させる。
【0164】
この表示は、交換が行われる(実際に交換された)配置箇所の「台番」を管理装置6にて受付け、自装置6の管理する遊技機IDの中から、受付けられた「台番」に対応する遊技機IDを「交換前」の遊技機IDとして特定した結果を示す。なお、管理装置6において、取込んだ基準配置替情報若しくは配置替情報に含まれる遊技機IDの中から、受付けられた台番に対応する遊技機IDを交換前の遊技機IDとして特定しうることは勿論である。
【0165】
そして、同画面72において、交換後の新たな遊技機IDを「交換後」の「基板番号」の欄に入力し、その欄の上方(枠72a上方)の「セット」釦72bを押下すると、その結果が下段(枠72a下側)の一覧表示に追加される。なお、遊技機ID等のデータの入力は、例えばキーボード7やマウスを介した操作入力により行われるが、管理装置6にて係るデータを受付け可能なID受付手段として構成されていればよい。
【0166】
これにより、管理装置6において「交換後」の遊技機ID及び「交換前」の遊技機IDを相互に対応付けるとともに、その交換前後の遊技機IDを特定した上で、次回の配置替えの判定処理にて誤判定が生じないように(通常の配置替えと判定される虞を抑制するように)遊技機IDを入替えるための入替処理を実行することができる。この入替処理は、次回の配置替えの判定処理にて、取込まれた配置替情報と自装置6の管理する基準配置替情報との何れかにおける遊技機IDを処理対象として行う設定処理であるが、その具体例については、図20のところで説明する。
【0167】
仮に、主基板等の交換分を申請書50で申請した場合や、次回の配置替に伴い交換後の遊技機IDを更新した場合のように配置替情報を作成済であれば、同画面72右上の「CSV取込」釦72cの押下により、当該「CSVファイル名」の配置替情報を管理装置6にて取込むことも可能である。管理装置6において、取込んだ配置替情報に基づき「交換後」の欄に更新された遊技機IDが登録され、その後は「交換後」の欄が例えばグレーアウト表示により入力不可(入力が抑制された状態)となる。
【0168】
この場合の抑制としては、係る配置替情報(同画面72の「CSVファイル名」の配置替情報)により関係性が示される遊技機IDを「交換後」の遊技機IDとして入替処理を行った場合に当該遊技機IDを対象とした再度の入替処理を抑制するものであればよく、グレーアウト表示のような禁止だけでなく、例えば確認POPの表示やパスワードの入力といった他の抑制方法を採用してもよい。
【0169】
何れにしても、管理装置6は、主基板等の交換が行われた後に対応する配置替情報を「CSV取込」釦72cで取込み可能であり、係る交換が行われた後に対応する配置替情報により、同画面72の「台番」と関係性が示される遊技機IDを、「交換後」の遊技機IDとして特定し、「交換前」の遊技機IDと対応付けて入替処理を行う。
なお、上記した一連の操作入力或いは遊技機IDの特定は、枠72a上方に示す「パチンコ」と「パチスロ」との双方について別々に行うことができ、又、「種別」で選択して切替えもできるようにしている。
【0170】
また、同画面72における下段(枠72a下側)の一覧表示は「交換日付」や「台番」でソート可能であり、上記した一連の操作入力が終わり一覧表示の確認後に「登録」釦720を押下すると登録される。ここで、ソートは「交換前」と「交換後」とが同一台番となるといった対応付けがあるかを判定し、当該対応付けの判定によりまとめた上でソートすることが望ましい。なお、登録前に修正したい場合には一覧表示の修正したい箇所を選択すれば、上段(枠72a内)の入力欄にて再度、選択した情報を修正可能となるので、上記と同様の操作入力による修正も可能となる。
【0171】
こうして、管理装置6では、主基板等の交換が行われた前後の遊技機IDを対応付けた履歴を、自装置6での操作入力乃至特定に基づき前記記憶部に記憶蓄積する。
図20は、係る交換経緯の一例を示す説明図であって、図19の枠72a内の事項に対応する、「日付」「台番」「機種名」「主基板交換前」及び「主基板交換後」のデータを示している。
【0172】
また、同図20の例では、「3」台番における、新規導入時のデータを「No.1」の行に、その後の2回の主基板等の交換時のデータを「No.2」と「No.3」の行に分けて示しており、図19の遊技台基板交換設定画面72で「No.2」と「No.3」の交換後の基板番号が登録されているものとする。
【0173】
そして、管理装置6において、取込まれた配置替情報と基準配置替情報の比較による判定処理に基づき配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う場合、配置替情報における3台番の遊技機IDを、初期導入時の遊技機IDに変換した上で(「No.1」の遊技機IDと相互に入替て)引継処理を行う。
【0174】
具体的には例えば、取込んだ配置替情報を一旦管理装置6にて処理し易い形式(例えばCSVファイル形式)に変換した上で判定処理を行い、取込んだ配置替情報は別途保存する。その変換時に上記対応付けに基づき配置替情報には最新の遊技機ID(No.3のDK100252-05)が記憶されるが、その最新の遊技機IDを初期導入時の遊技機ID(No.1のDK100101-01)と相互に入替えた上で判定処理を行う。
【0175】
換言すれば、管理装置6は、図20に示す「No.2」と「No.3」の2回の入替処理が行われた遊技機ID(同図の3番台の遊技機1)を対象とする判定処理を行う場合に、配置替情報の遊技機IDを、同図の履歴により特定可能な対応する遊技機ID(例えば初期導入時のNo.1のDK100101-01)へ入替る。
このため、管理装置6において、配置替情報として最新の遊技機IDを保持する一方、判定処理では、配置替情報と基準配置替情報との何れも初期導入時の遊技機IDを用いることにより、主基板等の交換が行われなかったものとして処理されることから、3番台の遊技機1を配置替えの対象と誤判定することを抑制することができる。
【0176】
なお、上記では最新の遊技機IDを初期導入時の遊技機IDに変換することを例示したが、基準配置替情報における初期導入時の遊技機ID(No.1のDK100101-01)を、履歴上の対応関係にある最新の遊技機ID(No.3のDK100252-05)に入替えるようにしてもよい。この場合、配置替情報と基準配置替情報との何れも最新の遊技機IDを用いることにより、初期導入時に主基板等の交換が行われたものとして処理されることから、3番台の遊技機1を配置替えの対象と誤判定することを抑制することができる。
【0177】
以上説明したように、本第4実施形態の管理装置6は、配置替えとは別に行われる遊技機の異常に伴う交換であって、遊技機1の一部(例えば主基板)或いは遊技機自体の交換に際し、当該交換後の遊技機IDを受付けるID受付手段として機能し、例えば図19図20の「交換後」の遊技機ID及び「交換前」の遊技機IDの如く両者を相互に対応付けるとともに、少なくとも基準配置替情報と配置替情報との何れかの遊技機IDを、同図の如く対応付けた遊技機IDと相互に入替るための入替処理を行う。
これによれば、例えば故障により主基板を交換した場合に交換前後の遊技機IDを相互に対応付け、次回の配置替えの際に当該遊技機IDを相互に入替えて判定処理を行うことができる。よって、係る主基板の交換或いは遊技機自体の交換があって、実際には遊技機1の配置替えが行われていないにも拘わらず遊技機IDが変更された場合でも、配置替えの際の判定処理を適切に行い、管理情報の引継ぎを良好に行うことが可能となる。
【0178】
管理装置6は、主基板等の交換が行われる配置箇所の台番を受付け、基準配置替情報若しくは配置替情報に含まれる、或いは自装置6の管理する遊技機IDの内、受付けられた台番に対応する遊技機IDを交換前の遊技機IDとして特定する。
これによれば、管理装置6にて台番を受付けた場合に、その台番に対応する自装置6の管理する遊技機ID(現在の設定情報に応じた遊技機ID)を特定し、或いはその台番に対応する基準配置替情報や配置替情報の遊技機IDを、交換前の遊技機IDとして特定することから、交換前の遊技機IDを間違って設定する虞を低減できる。
【0179】
管理装置6は、主基板等の交換が行われる配置箇所の台番を受付けるとともに、その交換が行われた後に対応する配置替情報(主基板等の交換分を反映したCSVファイル)を取込み可能に構成され、係る交換が行われた後に対応する配置替情報により、受付けられた台番と関係性が示される遊技機IDを、交換後の遊技機IDとして入替処理を行う。
これによれば、管理装置6にて台番を受付けた場合に、交換分を反映した配置替情報を取込むことで、当該台番に対応する配置替情報上の遊技機IDを交換後の遊技機IDとして特定することから、交換後の遊技機IDを間違って設定する虞を低減できる。
【0180】
管理装置6は、配置替情報により関係性が示される遊技機IDを、交換後の遊技機IDとして入替処理を行った場合、当該遊技機IDを対象とした再度の入替処理を抑制することから、交換後の遊技機IDを間違って設定更新する虞を低減できる。
また、例えば上記のグレーアウト表示等により再度の入替処理が抑制された状態を報知してもよく、配置替えの際の遊技機IDに係る誤判定を未然に防止することができる。
【0181】
管理装置6は、主基板等の交換が行われた前後の遊技機IDを対応付けた履歴を自装置6の記憶部に記憶蓄積し、例えば図20の3番台で例示したように複数回の入替処理が行われた遊技機ID(同台番の遊技機1)を対象とする判定処理を行う場合に、基準配置替情報と配置替情報とのいずれか一方の遊技機IDを、当該履歴により特定可能な対応する遊技機IDへ入替る。
これによれば、次回の配置替えまでに主基板等の交換が複数回行われていたとしても、例えば配置替情報から取込んだ交換後の遊技機IDを最先の交換前の遊技機IDに入替えた上で、基準配置替情報と比較する判定処理により設置状況の変化を特定することができ、配置替情報による引継処理を適切に実行可能となる。
【0182】
<他の実施形態>
遊技場Aにおいては、新台入替を行った後、別日に一部の台番の並びを替える運用(店内移動)がある。
ここで、図21(a)は、新台入替と店内移動を含む従来の運用形態を、その時系列(丸で囲った(1)~(5)の順)に示している。同図(a)に示すように、(4)の11/25に新台入替があるが、(3)の11/20にも軽微な配置替え(例えば3,7,8番台だけの店内移動)を行う場合、これらを(5)の11/30までに申請書50でまとめて申請登録を受けることが可能である。
【0183】
しかしながら、係る申請書50の申請内容によると、11/20分も含む11/25の新台入替後の配置替情報しか作成されていない。このため、管理装置6では、配置替情報を取込んで管理情報の引継ぎを行うものとしても、11/20の時点(3)での店内移動が反映されず、11/25の時点(4)で11/20の店内移動分も含めてまとめて配置替えされたとして引継処理が行われる。この結果、11/20~11/25までの新台入替前の店内移動分の引継ぎが反映されないこととなる。
【0184】
それ故、これを是正するために例えば、図21(b)に示す(3)の時点で申請書50を削除して登録し直し、再び(5)の時点で(6)の新台入替のための登録をし直すことも考えられるが、非常に手間となり、図21(b)のような運用をできないのが実情である。以下では、係る課題を解決するための具体的な構成について図22以降の図面も参照しながら説明する。
【0185】
ここで、図22の上側の表81で示すCSVファイルは、11/10の新台入替の際に用いられた配置替情報、下側の表82で示すCSVファイルは、11/20の軽微な配置替えの分を反映させた配置替情報の説明図であって、台番、機種コード(機種ID)、及び基板番号(遊技機ID)を例示している。
【0186】
管理装置6では、図23の11/15の時点(2)で、次回の新台入替の申請書50を作成していたとしても、同図の11/25の時点(4)までに、店内移動の分を反映させた図22下側の表82のCSVファイルを、11/20を入替日として作成することができる。
これは、図8の「CSVファイル外部取込」釦51bの押下により、後述する図24の画面83aを表示させて当該申請書50の内容(図23の(2)の時点で作成された配置替情報)を取込み、その配置替情報を基に11/20用のCSVファイルを作成するものである。
【0187】
そして、図22の表81、82で示されるように、例えば「3番台→7番台」「7番台→8番台」「8番台→3番台」の店内移動に対応すべく、管理者の操作入力により移動元の台番から移動先の台番へと対応する機種コード及び基板番号の関連付けを入替えるようにしてデータを更新することで、その更新後の配置替情報を11/20用のCSVファイルとして作成することができる。店内移動は新台入替が絡まず、対象となる台数もさほど多くないため、申請書50のデータを削除して再度登録し直す手間(図21(b)の(3)参照)を省くことができ、情報管理の効率化を図ることができる(図23参照)。
【0188】
遊技場Aにおける店内移動に合わせて、上記したCSVファイルの配置替情報を作成するときの手順を説明する。なお、以下の操作入力は、キーボード7やマウス等の操作入力手段を用いて行われるものとする。
即ち先ず、管理者は、管理装置6のモニタ8に図8の画面51を表示させて、「CSVファイル外部取込」釦51bを押下し、同画面51から図24のCSV取込み画面83aへ遷移させる。
【0189】
CSV取込み画面83aでは、その上部の「取得ファイル」欄において、対象となる配置替情報の参照先を、USBメモリとする「X-SV(USB)」、自装置6内の保存用フォルダとする「設定フォルダ」、自装置6にてこれまで取込んだフォルダとする「取得済フォルダ」を表示させるとともに、それらの中から参照先が選択されると、その参照先に保存されている配置替情報の一覧を表示させる。
【0190】
これにより、管理装置6において参照先に保存されている配置替情報の一覧の中から、対象となる配置替情報(例えば11/20の前日迄に対応した配置替情報)が選択されて「申請書作成」釦830が押下されると、申請書作成(移動時のみ)画面83を表示させる(同図24の矢印参照)。
図24の申請書作成(移動時のみ)画面83では、その「入替日」として店内移動による配置替えの日付「2023/1/5」(図23のケースでは「11/20」)が入力される。この配置替えの日付「2023/1/5」は、係る店内移動に対応した「ファイル名」(同図24の画面83b参照)を表し、そのファイル名の配置替情報(図25下側の表85)の「開店日」として反映される。
【0191】
そして、管理装置6は、図24の画面83における「移動前台番」の「No.1」の行にて配置替えした台番(例えば「5」)が入力されると、その5台番に対応する「機種名」を(対象となる配置替情報に基づき)表示させるとともに、「移動後台番」の入力待ちとなる(入力を受付ける)ように入力箇所を移動させる。
「No.1」の「移動後台番」の入力箇所にて例えば「1」番台が入力されると、未だ「移動後台番」にも「移動前台番」にも入力されていないことから、次の「No.2」の行にて、当該台番「1」を「移動前台番」にも表示させる(同画面83の「1」への矢印箇所に自動入力される)とともに、その1番台に対応する「機種名」を表示させて、「移動後台番」の入力待ちとなる。
【0192】
この場合、同画面83に示すように、「No.2」の「移動後台番」の入力箇所にて例えば「5」番台が入力されると、既に「NO.1」の「移動前台番」として入力済みであることから、次の「No.3」の行にて「移動前台番」の入力待ちとなるように入力箇所を移動させる。このように、次の行の「No.」に移動した場合、「移動前台番」が入力待ちであることを識別可能とするために、その空欄(該当箇所)を例えば黄色で識別表示し、同様に「移動後台番」が入力待ちの空欄ならこれを識別表示する。
【0193】
こうして、管理者による操作入力と管理装置6の自動入力による入力処理が繰返されて、「No.10」の「移動後台番」までの入力(店内移動の対象台の全入力)が行われる。なお、入力処理において、例えば「No.2」の移動後台番の「5」が入力された場合に、その台番が既に入力された「No.1」の移動前台番「5」と合致するときに、次の行(No.3)への入力箇所への移動が行われるのみとする。
【0194】
管理装置6において、上記のように全ての配置替分を入力したら、同画面83上部の「作成」釦を押下する(キャンセル時は「終了」釦を押下する)と、当該入力内容分を更新した配置替情報が作成される。この後、CSV取込み画面83bで示すように、作成された配置替情報(前記日付「20230105」を含むファイル名)を選択できるようになるので、当該配置替情報を選択した上で、同画面84b下側の「実行」釦を押下することで、当該配置替情報を基準配置替情報とした引継処理を実行可能となる。
【0195】
図25の下側の表85は、引継処理が行われるときの基準配置替情報を示す。上側の表84の元の配置替え情報(対象となる配置替情報)との対比から明らかなように、図24の画面83での入力処理により、新台入替が絡まない店内移動に係るデータの更新ついて、台番の操作入力に基づき「台番号」「機種コード」「主基板番号」の関連付けを、台番相互間で入替えるようにして適切に行われていることが分る。
【0196】
なお、図25では説明の便宜上、上側の表84の「開店日」を「2022/12/01」とし、下側の表85の「開店日」を「2023/1/5」としているが、図23の日付で言えば、前者の開店日が「11/20」の前日迄に対応した配置替情報であり、後者の開店日が「11/20」の店内移動に対応した基準配置替情報として引継処理に供される。
【0197】
以上説明したように、管理装置6は、新台入替の絡まない店内移動が行われた場合に、当該店内移動の前後の台番を受付ける受付手段を備え、当該受付けた台番に基づき自装置6で管理する台番、遊技機ID及び機種IDの関連付け、或いは配置替情報における台番、遊技機ID及び機種IDの関連付けを、台番相互間で入替える。
これによれば、新台入替に前後して、店内移動のような軽微な配置替えがあった場合でも、その配置替えの対象となった台番に基づき配置替情報等を適切に管理することができ、例えば図23の如く運用形態を改善して情報管理の効率化を図ることができる。
【0198】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張してもよい。
管理装置6で報知する構成乃至報知態様としてPOP表示を例示したが、POP表示以外の表示(例えばログ表示)出力や音声出力や印刷出力等の例示しない出力手段であっても、報知する構成であれば採用可能である。
タイプとして初期投資の期待値に応じたタイプ等、種々のタイプを例示したが、例えば遊技性や対象となるキャラクタ等に応じたタイプといった例示しないタイプを採用してもよく、遊技機1或いは機種のタイプは適宜変更しうるものである。
【0199】
第2引継処理を実行する場合に、機種設定に係る新規登録処理を行った上で、これにより更新された機種設定と基準配置替情報とを比較する比較区別処理により、第1引継ぎ処理のように基準配置替情報と配置替情報とを直接的に比較しないことで判定処理を抑制することを例示したが、例えば、比較区別処理を行わないことで判定処理を抑制する構成や、特定の台番や機種を予め指定し、当該指定した台番や機種だけを対象として遊技機IDがないかを判定するといったように、判定処理を抑制するのであればどのような構成でもよい。
【0200】
管理情報は設定情報と遊技情報との少なくとも一方であり、設定情報を判定処理の抑制対象としたが、処理を統一化するため遊技情報も含めて抑制対象としてもよい。また、設定情報は手動で行い、遊技情報を自動化するため遊技情報のみを対象としても勿論よい。
【0201】
図9の「種別変更・追加」で「有」と設定した場合、全台を新台と判定する構成を例示したが、機種設定と比較することにより追加となった機種や、種別の変更もない全くの新台のみを新台と判定するように、必ずしも全台を新台と判定する必要はない。勿論、全くの新台のみを新台と判定し、種別を跨ぐ配置替えが行われた機種は種別を跨ぐ配置替えが行われたと区分して判定し、区分して識別表示してもよい。
同様に設定情報だけでなく遊技情報も種別を跨げば引継がない方がよいと考える遊技場もあることから、種別を跨ぐ場合に、設定情報だけでなく遊技情報も引継ぐかどうかも設定可能としてもよい。
【0202】
遊技機IDは、遊技機1から送信される遊技信号により特定してもよい。例えば、管理装置6において、取込まれるCSVファイルの配置替情報が図7の申請書50の如く「新台番」や「旧台番」を含むとき、その何れかの台番に対応する遊技機1から送信される遊技信号により遊技機IDを特定し、又、配置替えされた遊技機1を特定することも可能である。
【0203】
配置替情報は例えば、図7の申請書50そのものの情報(申請書情報)を対象として取込むようにしてもよく、例えば新台導入時や撤去対象となる遊技機1に関する提出書類の情報を対象として取込むようにしてもよい。また、規定手段は、管理装置6のような取込手段において取込まれる配置替情報を規定するものであればよく、管理装置6と接続可能なUSBメモリ以外の例えばサーバ10のような外部装置等で規定する構成としてもよい。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6のメーカーにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバ10から設定情報をダウンロードして設定してもよい。
【0204】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0205】
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成してもよい。
対象となる遊技機1としては封入式遊技機を例示したが、従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象とする等、他のパチンコ遊技機やスロットマシン等にも採用できる。なお、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0206】
条件設定手段により設定可能な条件は、上記したレート条件や区分条件に限らず、各種遊技機に用いられる遊技価値に応じた他の条件や機種を指定するといった条件を規定する等、配置替えの対象となる遊技機に関する条件であればよい。
管理装置6が行う処理の一部を中継装置4、情報表示装置3、或いは遊技装置2等にて行ってもよい等、どの様に構成してもよい。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0207】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(配置管理手段、情報管理手段、取込手段、操作入力手段、報知手段、選定手段、作成手段、紐付手段、対応付手段、グループ処理手段、表示手段、ID受付手段、入替手段)、8はモニタ(報知手段、表示手段)である。
図1
図2
図3
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