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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147275
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】車両構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20241008BHJP
   B62D 25/16 20060101ALI20241008BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B60K11/04 Z
B60K11/04 H
B60K11/04 K
B62D25/16 B
B60R19/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060191
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓之
【テーマコード(参考)】
3D038
3D203
【Fターム(参考)】
3D038AA05
3D038AA07
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC01
3D038AC11
3D038AC15
3D038AC23
3D203AA02
3D203BC02
3D203DA02
(57)【要約】
【課題】ウォーターポンプのような機械部品に水がかからない車両構造を提供する。
【解決手段】本発明は、車両前方側に配置される第1ラジエータ30と、車両前方から見た際に第1ラジエータより車幅方向Xにおける外側に配置される第2ラジエータ40と、前後方向Yにおいて第1ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を第1ラジエータに誘導するように形成される第1エアガイド70と、前後方向において第2ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を第2ラジエータに誘導するように形成される第2エアガイド80と、第1エアガイドと第2エアガイドよりも車両後方側に配置され、電子制御される機械部品60と、を有し、第1エアガイドと第2エアガイドは、機械部品の前方側を覆うように前方側で互いに接続する接続部jtを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方側に配置される第1ラジエータと、
前記車両前方から見た際に前記第1ラジエータよりも車幅方向における外側に配置される第2ラジエータと、
車両前後方向において前記第1ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を前記第1ラジエータに誘導するように形成される第1エアガイドと、
前記車両前後方向において前記第2ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を前記第2ラジエータに誘導するように形成される第2エアガイドと、
前記第1エアガイドと前記第2エアガイドよりも車両後方側に配置され、電子制御される機械部品と、を有し、
前記第1エアガイドと前記第2エアガイドは、前記機械部品の前方側を覆うように前方側で互いに接続する接続部を備える、車両構造。
【請求項2】
前記第1エアガイド及び前記第2エアガイドは、前記接続部から前記車両後方に向かうにつれて前記車幅方向に離間するように延在する側壁を備える、請求項1に記載の車両構造。
【請求項3】
前記第1エアガイド及び前記第2エアガイドのいずれかの壁面には、面方向における外方に突出するリブを備える、請求項1または2に記載の車両構造。
【請求項4】
前記接続部は、前記車両前方に位置する車体パネルに突き当て可能である請求項1に記載の車両構造。
【請求項5】
前記第1エアガイドまたは前記第2エアガイドは、前記車両前方に位置する車体パネルに設けられた第1開口部からタイヤのフェンダーに設けられた第2開口部をつなぐように設けられ、前記第1開口部から前記第2開口部の間に空気および水の流通が可能な流通空間を形成する壁面を備える請求項1に記載の車両構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジエータ等を含む車両構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のエンジン等の冷却にはラジエータが利用される。ラジエータに関する技術としては、ラジエータと車両の構成部材との間にラジエータの周辺に沿って延びる車両側エアガイドを設け、車両走行時に車両前方側からラジエータに冷風を導き、車両停止時等にエンジン側からラジエータへの熱風の回り込みを防ぐことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-104318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジン等の冷却にはラジエータの他に冷却回路を流れる冷却水を循環させるウォーターポンプ等が必要になる場合がある。このようなウォーターポンプなどの機械部品は、電子制御される場合があり、電子制御される部品は車両走行時に水がかからないように遮水する必要がある。本発明者は、上述した機械部品を遮水するために上述したエアガイド構造を用いてウォーターポンプなどの電子制御される機械部品に水がかからないような構造について鋭意検討している。
【0005】
本発明の目的は、ウォーターポンプのような機械部品に水がかからない車両構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1ラジエータと、第2ラジエータと、第1エアガイドと、第2エアガイドと、機械部品と、を有する車両構造である。第1ラジエータは、車両前方側に配置される。第2ラジエータは、車両前方から見た際に第1ラジエータよりも車幅方向における外側に配置される。第1エアガイドは、車両前後方向において第1ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を第1ラジエータに誘導するように形成される。第2エアガイドは、車両前後方向において第2ラジエータよりも前方側に配置され、前方からの外気を第2ラジエータに誘導するように形成される。機械部品は、第1エアガイドと第2エアガイドよりも車両後方側に配置され、電子制御されるように構成している。第1エアガイドと第2エアガイドは、機械部品の前方側を覆うように前方側で互いに接続される接続部を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記車両構造によれば、機械部品に水がかからないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る車両構造の前方に配置されるバンパー等を示す図である。
図2】実施形態に係る車両構造に関する部品を概略的に示す斜視図である。
図3】実施形態に係る車両構造を構成する第1ラジエータ、第2ラジエータ、機械部品、第1エアガイドおよび第2エアガイドを示す斜視図である。
図4図3の平面図である。
図5】第1ラジエータ、第2ラジエータ、第1エアガイド、第2エアガイド、およびフェンダー等を一定の高さで切断した状態を示し、バンパーの開口部からの走行風が第1エアガイドおよび第2エアガイドを通じてフェンダーの開口部に流通する様子を示す図である。
図6図5と同様に第1エアガイドおよび第2エアガイドを一定の高さで切断した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
【0010】
各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、実施形態に係る車両構造を構成する部材の方位を示している。Xは車幅方向を示し、車幅方向Xと表記する。Yは車両前後方向を示し、前後方向Yと表記する。Zは車両高さ方向を示し、高さ方向Zと表記する。
【0011】
本実施形態に係る車両構造は、フロントエンジンのガソリン車であって、エンジンの吸気部分に過給機を設置した場合における吸気部分を冷却する際等に利用できる。本実施形態に係る車両構造に関する構成は、バンパー10(車体パネルに相当)と、フェンダー20と、第1ラジエータ30と、第2ラジエータ40と、機械部品60と、注水口50と、第1エアガイド70、第2エアガイド80と、を有する。以下、詳述する。
【0012】
(バンパー)
バンパー10は、図1等に示すように車両のフロント側に設けられる。バンパー10は、第1ラジエータ30、第2ラジエータ40に走行風を流通できるように、第1ラジエータ30、第2ラジエータ40の前方に相当する部位に開口部11、12を設けている。第1ラジエータ30は後述するように、車幅方向Xにおいて第2ラジエータ40よりも中央側に設置している。
【0013】
開口部11は、車幅方向Xにおいて第1ラジエータ30と略同位置であって、前後方向Yにおいて第1ラジエータ30よりも前方に形成している。開口部12(第1開口部に相当)は、車幅方向Xにおいて第2ラジエータ40と略同位置であって、前後方向Yにおいて第2ラジエータ40よりも前方側に形成している。バンパー10は、樹脂等の公知の材料によって構成できる。
【0014】
(フェンダー)
フェンダー20(フェンダーカバー、またはホイールハウスカバーとも言う)は、図2図5に示すようにタイヤの近傍に配置する部品であって、バンパー10の開口部12からの走行風を流通させる開口部21(第2開口部に相当)を設けている。開口部21は、第2ラジエータ40の後方に位置するように構成している。フェンダー20の下部にはアンダーカバー部分22がフェンダー20と一体的に設けられ、これによって車両が冠水路を走行する際に後述する機械部品60が下側から浸水しないように構成している。アンダーカバー部分22は、前後方向Yにおける先端側においてバンパー10と接続するように構成している。
【0015】
(第1ラジエータ、第2ラジエータ)
第1ラジエータ30は、前後方向Yにおいて車両前方側であって、エンジン(図示省略)よりも前方側に配置される。第2ラジエータ40は、図2図3等に示すように本実施形態において車両前方から見た際に第1ラジエータ30よりも車幅方向Xにおける外側であって、より具体的にはフェンダー20の前方に配置している。なお、第2ラジエータ40は、第1ラジエータ30よりも車幅方向Xにおける外側に配置していれば、必ずしもフェンダー20の前後方向Yにおけるちょうど前方に配置していなくてもよく、フェンダーに対して斜め前方等に配置してもよい。第1ラジエータ30、第2ラジエータ40は、アッパータンク、コア、ロワータンク、リザーバータンクなどの公知の構成を有するように構成できる。また、第2ラジエータ40とフェンダー20の開口部21の間にはバンパー10の開口部12からの走行風を開口部21に流通させるために内部に空洞を形成した車両部品Prを設けることができる。
【0016】
注水口50は、第1ラジエータ30、第2ラジエータ40の冷却流路に冷却水を注水するために設けられる。注水口50の位置は特に限定されないが、本実施形態では図2に示すように第1ラジエータ30の上部付近に設置している。
【0017】
(機械部品)
機械部品60は、図3図5等に示すように第1エアガイド70及び第2エアガイド80よりも車両後方側に配置され、電子制御されるように構成している。機械部品60は、本実施形態においてエンジン(図示省略)と第1ラジエータ30、第2ラジエータ40の間に形成した冷却流路に冷却水を循環させるウォーターポンプを含むように構成している。機械部品60のウォーターポンプは、エンジンの過給機(の吸気部分)と第1ラジエータ30、第2ラジエータ40の間に形成される冷却流路に接続するように構成している。
【0018】
機械部品60のウォーターポンプは、車両の制御系ユニットと電気的に接続され、ウォーターポンプのオンオフや流量を制御可能に構成している。機械部品60のウォーターポンプは、冷却流路に冷却水を供給する注水口50の下流かつ車両下側に配置する必要があるものの、電子制御ユニットであるため、塩水等の物理化学環境に応じて設置場所が制限され、水が常時かからない場所に設置している。機械部品60に係るウォーターポンプは、本実施形態では例示的にバンパー10の開口部12の後方であって、第2ラジエータ40の前方付近に設置している。
【0019】
(第1エアガイド)
第1エアガイド70は、前後方向Yにおいて第1ラジエータ30よりも前方側に配置され、冷却水の冷却のために、前方であるバンパー10の開口部11等から流通する走行風を第1ラジエータ30に誘導するように設けられる。第1エアガイド70は、図5等に示すように側壁71と、側壁72と、リブ73を備える。
【0020】
側壁71は、前後方向Yに対して第1ラジエータ30に向かうように傾斜して延在するように形成している。側壁72は、側壁71に接続するように設けられ、前後方向Yと略平行に延在するように形成している。側壁71および側壁72は、高さ方向Zに延びる薄板形状を備えるように構成している。
【0021】
リブ73は、側壁71および側壁72の側面の面方向に対して外方に突出して形成するように構成している。側壁71および側壁72にリブ73を設けることによって、走行風等が側壁71および側壁72に接触した際にも耐え得る強度剛性を第1エアガイド70に付与することができる。リブ73は、本実施形態において側壁71および側壁72の車幅方向Xの右側に略格子形状を突出させるように構成している。ただし、エアガイドの側壁の強度剛性を一定以上にできれば、具体的な形状は図5等に限定されない。
【0022】
(第2エアガイド)
第2エアガイド80は、前後方向Yにおいて第2ラジエータ40よりも前方側に配置され、冷却水の冷却のために、バンパー10の開口部12から流通する前方からの走行風を第2ラジエータ40に誘導するように設けられる。第2エアガイド80は、図3図5に示すように、側壁81~側壁87と、上壁88、89と、底壁91、92と、中間壁93と、リブ94、95と、を備える。
【0023】
側壁81は、第1エアガイド70の側壁71と対をなすように前後方向Yに対して傾斜して延在するように設けている。側壁71は、先端部で第1エアガイド70の側壁71と接続するように構成している。
【0024】
すなわち、第1エアガイド70の側壁71と第2エアガイド80の側壁81は前方側で機械部品60を覆うように互いに接続する接続部jtを備え、第1エアガイド70と第2エアガイド80の後方に機械部品60を配置するように構成している。そのため、第1エアガイド70と第2エアガイド80の後方側に機械部品60を配置するスペースを設けることができる。また、第1エアガイド70と第2エアガイド80を上記のように構成することによって、冠水路走行等の際に機械部品60の前方側から開口部12を通じて水がかかることを防止し、電子制御される機械部品60を防水するための部品を別途追加しないようにできる。これにより、機械部品60を遮水するために部品点数が増加することを防止できる。
【0025】
また、側壁81は、側壁71とともに接続部jtから前後方向Yに向かうにつれて車幅方向Xに離間して延在するように構成している。このように構成することによって、第1エアガイド70と第2エアガイド80の後方側にウォーターポンプを含む機械部品60に水がかからないようなスペースを設けることができる。側壁81は、側壁71以外にも側壁82、83、上壁88、底壁91、中間壁93と接続するように形成している。
【0026】
側壁82は、側壁81、84、上壁88、底壁92、中間壁93に接続するように設けられ、およそ前後方向Yに沿って延在するように構成している。
【0027】
側壁83は、図6に示すように側壁82と同様におよそ前後方向Yに沿って延在するように構成している。側壁83は、側壁81、84、上壁88、中間壁93に接続するように設けられ、側壁82に対して車両左側であって側壁82の高さ方向Zにおいて上方に配置している。換言すれば、側壁83は、側壁82に対して高さ方向Zの上方であって側壁82よりも第1エアガイド70側に形成している。
【0028】
側壁84は、側壁82に続いて設けられ、およそ車幅方向Xに延在するように構成している。側壁84は、側壁83、上壁88、底壁92、中間壁93と接続するように形成している。
【0029】
側壁85は、側壁84、上壁88、底壁92に接続するように設けられ、およそ前後方向Yに延在するように構成している。側壁85は、第2ラジエータ40の外周縁部と当接可能に構成している。
【0030】
側壁86は、側壁85と同様に前後方向Yに延在するように構成し、側壁85よりも車幅方向Xにおける外側に形成している。側壁86は、上壁88および底壁92と接続するように形成している。側壁86は、第2ラジエータ40において側壁85が接する縁部と対向する縁部において第2ラジエータ40の外周縁部と当接可能に構成している。
【0031】
側壁87は、図3に示すように側壁82と同様におよそ前後方向Yに延在するように構成している。側壁87は、後述する上壁88と上壁89を接続するように上壁88と上壁89の間に形成している。
【0032】
上壁88は、図3に示すように側壁81とともに車両前側に形成している。上壁88は、バンパー10の開口部12の位置に合わせて形成することができる。上壁88は、側壁81、87と接続するように形成している。
【0033】
上壁89は、側壁85、86、87と接続され、第2ラジエータ40の上側の外周縁部と当接可能に構成している(図3参照)。
【0034】
底壁91は、図3に示すように側壁81および上壁88とともに車両前側に形成している。底壁91は、上壁88と同様にバンパー10の開口部12の位置に合わせて形成できる。底壁91は、側壁81、82と接続するように形成している。
【0035】
底壁92は、側壁82、85、86と接続され、第2ラジエータ40の下側の外周縁部と当接可能に構成している。側壁81、82、86、上壁88、89、底壁91、92の前後方向Yにおける先端部(第2エアガイド80の先端側外周縁部)にはウレタンなどの独立発泡タイプの部品(シール部材)を設けることができる。これにより、側壁71と側壁81の先端(接続部jt)では第1エアガイド70と第2エアガイド80を一体にすることができる。上述したシール部材は、バンパー10と当接し得る。接続部jtは、上述した車両前方に位置するバンパー10に突き当て可能に構成している。このように、接続部jtに設けたシール部材がシール機能とバンパー10への突き当てを兼ねることで第1エアガイド70及び第2エアガイド80をバンパー10に保持でき、かつ、第1エアガイド70と第2エアガイド80を一体に合わせることができる。また、上述したシール部材は、フェンダー20の開口部21と車両部品Prの接触する外周縁部にも設けることができる。
【0036】
中間壁93は、図6等に示すように車幅方向Xにおいて側壁81、82、83、84と接続するように形成している。中間壁93は、高さ方向Zにおける上壁88、89と底壁91、92の間において上壁88、89、および底壁91、92と略平行に形成している。
【0037】
リブ94は、第1エアガイド70のリブ73と同様に、走行風等に耐えうる強度剛性を第2エアガイド80に付与するように構成している。リブ94は、図5に示すように本実施形態において側壁86の車幅方向Xにおける外側に設けるように構成している。リブ94の形状はリブ73と同様に側面の面方向に対して外方に突出するように構成できる。リブ95は、図4に示すように上壁89の先端側縁部を立ち上げるように形成した壁から上壁89に向かって設けるように構成している。
【0038】
第2エアガイド80は、側壁81~87、上壁88、89、底壁91~92、中間壁93によって、バンパー10からの走行風(図3の矢印参照)を第2ラジエータ40に導くダクトのような形状として機能させることができる。即ち、第2エアガイド80の側壁81~87、上壁88、89、底壁91~92、中間壁93は、車両のバンパー10に設けられた開口部12からフェンダー20の開口部21に走行時の水や風などを流通可能な流通空間sp(図3参照)を形成するように機能する。
【0039】
本実施形態に係る車両構造を備える車両が冠水路等を走行する場合、第1エアガイド70の側壁71と第2エアガイド80の側壁81によって、機械部品60のウォーターポンプには開口部12から侵入する水(図3の矢印参照)がかからないようにできる。これにより、機械部品60の耐水性能を満足させるために第1エアガイド70と第2エアガイド80以外の部品を別途追加することを回避できる。また、側壁71と側壁81を前方側で接続することによって、風圧、水圧に対する互いの剛性を向上させることができる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記では機械部品60がエンジンの過給機の吸入側の冷却流路に冷却水を循環させるウォーターポンプを含むと説明したが、これに限定されない。上記以外にも機械部品は、電子制御されるバルブなどの部品を含み、第1エアガイドと第2エアガイドによって冠水路走行時等に水が電子制御されるバルブに飛散することを防止するように構成してもよい。
【0041】
また、上述した実施形態に係る車両構造はエンジン駆動の車両に適用すると説明したが、電子制御される機械部品への水の飛散を第1エアガイドと第2エアガイドの接続部によって防止できれば、二次電池や燃料電池により駆動する車両に適用してもよい。
【0042】
また、以下の実施形態も本発明の範囲に含まれる:請求項2に記載の特徴を有する請求項1に記載の車両構造;請求項3の特徴を有する請求項1または2に記載の車両構造;請求項4の特徴を有する請求項1から3のいずれかに記載の車両構造;請求項5の特徴を有する請求項1から4のいずれかに記載の車両構造。
【符号の説明】
【0043】
10 バンパー(車体パネル)、
12 開口部(第1開口部)、
20 フェンダー、
21 開口部(第2開口部)、
30 第1ラジエータ、
40 第2ラジエータ、
60 機械部品、
70 第1エアガイド、
71 側壁(第1側壁)、
73 リブ、
80 第2エアガイド、
81 側壁(第1側壁、走行風等の流通空間を形成する壁面)、
82~87 側壁(走行風等の流通空間を形成する壁面)、
88、89 上壁(走行風等の流通空間を形成する壁面)、
91~92 底壁(走行風等の流通空間を形成する壁面)、
93 中間壁(流通空間を形成する壁面)、
94、95 リブ、
sp 流通空間(第2エアガイドが形成し、バンパーの開口部からフェンダーの開口部にかけて空気や水等が流通する空間)、
X 車幅方向、
Y 前後方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6