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特開2024-147279自動譲渡装置、自動譲渡方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147279
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】自動譲渡装置、自動譲渡方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241008BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
G06F21/62 318
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060197
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知樹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB26
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】非代替性トークンの譲渡において譲渡人及び譲受人にかかる負担を軽減することが可能な自動譲渡装置、自動譲渡方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付部と、前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求部と、を備える自動譲渡装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付部と、
前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求部と、
を備える自動譲渡装置。
【請求項2】
前記受取要求受付部は、前記譲受人の端末から、前記受取要求とともに前記譲受人のアカウント情報を受け付け、
前記譲渡要求部は、前記ノードサーバに対して、前記譲受人のアカウント情報へ前記非代替性トークンを紐付けることで譲渡するよう前記譲渡要求を行う、
請求項1に記載の自動譲渡装置。
【請求項3】
前記譲渡人によって予め登録される、前記譲渡人のアカウント情報を記憶する譲渡人アカウント情報記憶部、
をさらに備え、
前記譲渡要求部は、前記譲渡人のアカウント情報に基づき、前記譲渡人の前記非代替性トークンが管理されている前記ノードサーバに対して、前記譲渡要求を行う、
請求項1又は請求項2に記載の自動譲渡装置。
【請求項4】
前記譲渡人のアカウント情報は、前記ノードサーバにて前記非代替性トークンの譲渡処理を行うAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)を実行するための権限情報を含み、
前記譲渡要求部は、前記ノードサーバに対して、前記権限情報に基づき前記APIを実行するよう前記譲渡要求を行う、
請求項3に記載の自動譲渡装置。
【請求項5】
前記非代替性トークンは、所定の規格に基づき発行され、
前記APIは、前記所定の規格が標準で備える譲渡用のAPIである、
請求項4に記載の自動譲渡装置。
【請求項6】
受取要求受付部が、非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付過程と、
譲渡要求部が、前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求過程と、
を含む自動譲渡方法。
【請求項7】
コンピュータを、
非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付手段と、
前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動譲渡装置、自動譲渡方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルデータに対して唯一性を担保した固有の価値を持たせるための技術として、非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)が注目されている。非代替性トークンは、所定の規格を利用してブロックチェーン上に発行されることで対改ざん性を有し、デジタルデータの真正性も保証されている。
【0003】
非代替性トークンの所有者は、所有する非代替性トークンを他者へ譲渡することができる。一般的な非代替性トークンの譲渡方法の1つとして、譲渡人が譲受人へ自発的に非代替性トークンを譲渡する方法がある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-132033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、譲渡人が譲受人へ自発的に非代替性トークンを譲渡する場合、譲受人には譲渡人に対してブロックチェーン上のアカウント情報を提供する手間が生じ、譲渡人には当該アカウント情報に基づき手動で非代替性トークンを発行する手間が生じる。また、他の一般的な非代替性トークンの譲渡方法として、譲受人が自ら非代替性トークンを新規発行する方法もあるが、譲受人は発行手数料を支払う必要がある。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、非代替性トークンの譲渡において譲渡人及び譲受人にかかる負担を軽減することが可能な自動譲渡装置、自動譲渡方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る自動譲渡装置は、非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付部と、前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る自動譲渡方法は、受取要求受付部が、非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付過程と、譲渡要求部が、前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、非代替性トークンの所有者である譲渡人によって予め発行されてノードサーバにて管理されている前記非代替性トークンを譲受人が受け取る際に、前記譲受人からの前記非代替性トークンの受取要求を受け付ける受取要求受付手段と、前記受取要求に基づき、前記ノードサーバに対して、発行済みの前記非代替性トークンを前記譲渡人から前記譲受人へ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非代替性トークンの譲渡において譲渡人及び譲受人にかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る自動譲渡システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る管理者端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るノードサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る管理者によるNFT発行操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る管理者による譲渡人アカウント情報登録操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係るユーザによるNFT受取操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】本実施形態に係るユーザによるNFT情報確認操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.自動譲渡システムの概略構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る自動譲渡システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る自動譲渡システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す自動譲渡システム1は、非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)の所有者である譲渡人から譲受人へ譲渡するためのシステムである。本実施形態に係る非代替性トークン(以下、「NFT」とも称される)は、所定の規格に基づき発行される。所定の規格には、例えば、ERC721規格、ERC1155規格、ERC4907規格などがある。以下では、NFTは、ERC721規格がベースのデータ形態で、ブロックチェーン上に発行されるものとして、本実施形態の一例について説明する。
自動譲渡システム1は、例えば、美術館、博物館、映画館などの施設において、来場者に対して来場特典としてNFTを無料で配布するためのシステムとして適用可能である。これにより、自動譲渡システム1は、各施設の管理者が来場者へ容易にNFTを譲渡すること及び来場者が管理者から容易にNFTを受け取ることを可能とし、NFTのシームレスな譲渡を実現することができる。
以下では、譲渡人が各施設の管理者であり、譲受人が各施設への来場者(ユーザ)である例を一例として、本実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、自動譲渡システム1は、管理者端末10と、ユーザ端末20と、NFT自動譲渡サーバ30と、ノードサーバ40-1~40-n(nは2以上の自然数)とを備える。
【0015】
管理者端末10は、ネットワークNWを介して、NFT自動譲渡サーバ30と、ノードサーバ40-1~40-nと通信可能に接続されている。ユーザ端末20は、ネットワークNWを介して、NFT自動譲渡サーバ30と、ノードサーバ40-1~40-nと通信可能に接続されている。NFT自動譲渡サーバ30は、ネットワークNWを介して、ノードサーバ40-1~40-nと通信可能に接続されている。
【0016】
(1)管理者端末10
管理者端末10は、NFTの管理者(NFTの所有者、NFTの譲渡人)が有する端末である。管理者端末10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、又はPC(Personal Computer)などである。
【0017】
管理者端末10には、管理者がNFTの管理を行うためのアプリケーション(以下、「NFT管理アプリ」とも称される)によって、NFTの管理のための画面が表示される。管理者は、NFT管理アプリによって管理者端末10に表示される画面をもとに、NFTの管理を行う。
NFT管理アプリの機能は、管理者端末10にNFT管理アプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよいし、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよい。Webシステムの場合、NFT管理アプリの機能はWebブラウザを介して提供される。
【0018】
(2)ユーザ端末20
ユーザ端末20は、ユーザ(施設の来場者、NFTの譲受人)が有する端末である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、又はPCなどである。
【0019】
ユーザ端末20には、ユーザが管理者からNFTを受け取るためのアプリケーション(以下、「NFT受取アプリ」とも称される)によって、NFTを受け取るための画面が表示される。ユーザは、NFT受取アプリによってユーザ端末20に表示される画面をもとに、管理者からNFTを受け取る。
また、ユーザ端末20には、ユーザがNFTを取引するためのアプリケーション(以下、「ウォレットアプリ」とも称される)によって、NFTを取引するための画面が表示される。ユーザは、ウォレットアプリによってユーザ端末20に表示される画面をもとに、NFTの取引を行う。
NFT受取アプリ及びウォレットアプリの機能は、ユーザ端末20にNFT受取アプリ及びウォレットアプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよいし、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよい。Webシステムの場合、NFT受取アプリ及びウォレットアプリの機能はWebブラウザを介して提供される。
【0020】
(3)NFT自動譲渡サーバ30
NFT自動譲渡サーバ30は、管理者からユーザへのNFTの自動譲渡を行うためのサーバであり、自動譲渡装置の一例である。NFT自動譲渡サーバ30は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0021】
(4)ノードサーバ40―1~40-n
ノードサーバ40-1~40-nは、NFTを管理するためのサーバである。ノードサーバ40-1~40-nは、複数のコンピュータ間で通信を行うためのP2P(Peer to Peer)ネットワークによって互いに通信可能に接続されることで、ブロックチェーンBCを構成している。
なお、ノードサーバ40-1~40-nは、個々に区別する必要がない場合にはまとめて「ノードサーバ40」とも称される。
【0022】
<2.管理者端末の機能構成>
以上、本実施形態に係る自動譲渡システム1の概略構成について説明した。続いて、図2を参照して、本実施形態に係る管理者端末10の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る管理者端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、管理者端末10は、通信部110と、入力部120と、記憶部130と、制御部140と、出力部150とを備える。
【0023】
(1)通信部110
通信部110は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部110は、NFT自動譲渡サーバ30とノードサーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0024】
(2)入力部120
入力部120は、管理者からの入力を受け付ける機能を有する。入力部120は、管理者端末10がハードウェアとして備える入力装置、例えばボタン、タッチパネル、マイクロフォン等によって構成される。
【0025】
(3)記憶部130
記憶部130は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部130は、管理者端末10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0026】
(4)制御部140
制御部140は、管理者端末10の動作全般を制御する機能を有する。制御部140は、例えば、管理者端末10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部140は、操作受付部141と、発行要求部142と、登録要求部143と、出力制御部144とを備える。
【0027】
(4-1)操作受付部141
操作受付部141は、入力部120に入力された管理者の操作を受け付ける機能を有する。管理者は、例えば、アプリ起動操作、NFT発行操作、譲渡人アカウント情報登録操作などを行う。
【0028】
アプリ起動操作は、NFT管理アプリを起動するための操作である。管理者は、アプリ起動操作によってNFT管理アプリを起動することで、NFT管理アプリからNFT発行操作や譲渡人アカウント情報登録操作などを行うことができる。
【0029】
NFT発行操作は、ユーザへ譲渡するためのNFTを新規に発行するための操作である。管理者は、NFT発行操作によって、ブロックチェーンBCのノードサーバ40にデプロイしてあるNFTプログラムのAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)を呼び出すことができる。NFT発行操作によって呼び出されるAPIは、NFTを発行するためのAPI(以下、「NFT発行API」とも称される)である。当該NFT発行APIにより、ノードサーバ40ではNFTが新規発行される。管理者は、事前にNFT発行操作を行い、必要な数だけNFTを新規発行しておく。
【0030】
譲渡人アカウント情報登録操作は、譲渡人アカウント情報をNFT自動譲渡サーバ30に登録するための操作である。譲渡人アカウント情報は、譲渡人のアカウントに関する情報である。例えば、譲渡人アカウント情報は、ブロックチェーンBC上にある譲渡人の口座を示す情報(アドレス)である。
なお、譲渡人アカウント情報には、ノードサーバ40にてNFTの譲渡処理を行うためのAPI(以下、「NFT譲渡API」とも称される)を実行するための権限情報も含まれる。
【0031】
(4-2)発行要求部142
発行要求部142は、発行要求を行う機能を有する。例えば、発行要求部142は、操作受付部141が管理者によるNFT発行操作を受け付けると、ブロックチェーンBCのノードサーバ40にNFTを新規発行させる要求(以下、「NFT発行要求」とも称される)を、通信部110からノードサーバ40へ送信する。NFT発行要求は、即ち、ノードサーバ40にデプロイしてあるNFT発行APIを呼び出すための要求である。
【0032】
(4-3)登録要求部143
登録要求部143は、登録要求を行う機能を有する。例えば、登録要求部143は、操作受付部141が管理者による譲渡人アカウント情報登録操作を受け付けると、NFT自動譲渡サーバ30に譲渡人アカウント情報を登録させる要求(以下、「譲渡人アカウント情報登録要求」とも称される)を、通信部110からNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。譲渡人アカウント情報登録要求の送信時、登録要求部143は、譲渡人アカウント情報登録要求とともに譲渡人アカウント情報も通信部110からNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。
なお、登録要求部143が譲渡人アカウント情報登録要求とともに送信する譲渡人アカウント情報は、管理者端末10の記憶部130に予め記憶されていてもよいし、譲渡人アカウント情報登録操作時に管理者によって入力されてもよい。
【0033】
(4-4)出力制御部144
出力制御部144は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部144は、NFT管理アプリの画面を出力部150に表示させる。
【0034】
(5)出力部150
出力部150は、各種情報を出力する機能を有する。出力部150は、管理者端末10がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
【0035】
<3.ユーザ端末の機能構成>
以上、本実施形態に係る管理者端末10の機能構成について説明した。続いて、図3を参照して、本実施形態に係るユーザ端末20の機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係るユーザ端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、ユーザ端末20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、制御部240と、出力部250とを備える。
【0036】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部210は、NFT自動譲渡サーバ30とノードサーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0037】
(2)入力部220
入力部220は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。入力部220は、ユーザ端末20がハードウェアとして備える入力装置、例えばボタン、タッチパネル、マイクロフォン等によって構成される。
【0038】
(3)記憶部230
記憶部230は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部230は、ユーザ端末20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図3に示すように、記憶部230は、譲受人アカウント情報記憶部231を備える。
【0039】
(3-1)譲受人アカウント情報記憶部231
譲受人アカウント情報記憶部231は、譲受人アカウント情報を記憶する機能を有する。譲受人アカウント情報は、譲受人のアカウントに関する情報である。例えば、譲受人アカウント情報は、ブロックチェーンBC上にある譲受人の口座を示す情報(アドレス)である。
【0040】
(4)制御部240
制御部240は、ユーザ端末20の動作全般を制御する機能を有する。制御部240は、例えば、ユーザ端末20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部240は、操作受付部241と、受取要求部242と、情報要求部243と、出力制御部244とを備える。
【0041】
(4-1)操作受付部241
操作受付部241は、入力部220に入力されたユーザの操作を受け付ける機能を有する。ユーザは、例えば、アプリ起動操作、NFT受取操作、NFT情報確認操作などを行う。
【0042】
アプリ起動操作は、NFT受取アプリやウォレットアプリなどを起動するための操作である。ユーザは、アプリ起動操作によってNFT受取アプリを起動することで、NFT受取操作、NFT情報確認操作などを行うことができる。
【0043】
NFT受取操作は、NFTの所有者である管理者によって予め発行されてノードサーバ40にて管理されているNFTを、ユーザが管理者から受け取るための操作である。ユーザは、管理者からNFTを受け取る際にNFT受取操作を行う。ユーザは、NFT受取操作によって、NFT自動譲渡サーバ30のAPIを呼び出すことで、NFT自動譲渡サーバ30がブロックチェーンBCのノードサーバ40にデプロイされたNFTプログラムのNFT譲渡APIを呼び出すことができる。当該NFT譲渡APIにより、ノードサーバ40ではNFTが管理者からユーザへ譲渡される。
なお、NFT譲渡APIは、NFTを発行する所定の規格が標準で備える譲渡用のAPIである。
【0044】
NFT情報確認操作は、ユーザが自身の所有するNFTに関する情報(以下、「NFT情報」とも称される)を確認するための操作である。
【0045】
(4-2)受取要求部242
受取要求部242は、受取要求を行う機能を有する。例えば、受取要求部242は、操作受付部241がユーザによるNFT受取操作を受け付けると、ユーザが管理者からNFTを受け取るための要求(以下、「NFT受取要求」とも称される)を、通信部210からNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。NFT受取要求の送信時、受取要求部242は、NFT受取要求とともに譲受人アカウント情報も通信部210からNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。
なお、受取要求部242がNFT受取要求とともに送信する譲受人アカウント情報は、譲受人アカウント情報記憶部231に予め記憶されていてもよいし、NFT受取操作時にユーザによって入力されてもよいし、ウォレットアプリから取得されてもよい。
【0046】
(4-3)情報要求部243
情報要求部243は、情報要求を行う機能を有する。例えば、情報要求部243は、操作受付部241がユーザによるNFT情報確認操作を受け付けると、ユーザが自身のNFT情報を確認するための要求(以下、「NFT情報要求」とも称される)を、通信部210からノードサーバ40へ送信する。
【0047】
(4-4)出力制御部244
出力制御部244は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部244は、NFT受取アプリやウォレットアプリの画面を出力部250に表示させる。
【0048】
(5)出力部250
出力部250は、各種情報を出力する機能を有する。出力部250は、ユーザ端末20がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
【0049】
<4.NFT自動譲渡サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るユーザ端末20の機能構成について説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバ30の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、NFT自動譲渡サーバ30は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備える。
【0050】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部310は、管理者端末10と、ユーザ端末20と、ノードサーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0051】
(2)記憶部320
記憶部320は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部320は、NFT自動譲渡サーバ30がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図4に示すように、記憶部320は、譲渡人アカウント情報記憶部321を備える。
【0052】
(2-1)譲渡人アカウント情報記憶部321
譲渡人アカウント情報記憶部321は、譲渡人アカウント情報を記憶する機能を有する。譲渡人アカウント情報記憶部321は、管理者によって予め登録される譲渡人アカウント情報を記憶する。当該譲渡人アカウント情報は、管理者による譲渡人アカウント情報登録操作によって譲渡人アカウント情報登録要求とともに管理者端末10から送信され、通信部310が受信する情報である。
【0053】
(3)制御部330
制御部330は、NFT自動譲渡サーバ30の動作全般を制御する機能を有する。制御部330は、例えば、NFT自動譲渡サーバ30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部330は、登録要求受付部331と、登録部332と、受取要求受付部333と、譲渡要求部334とを備える。
【0054】
(3-1)登録要求受付部331
登録要求受付部331は、登録要求を受け付ける機能を有する。例えば、登録要求受付部331は、管理者による譲渡人アカウント情報登録操作によって管理者端末10から送信され、通信部310が受信する譲渡人アカウント情報登録要求を受け付ける。
【0055】
(3-2)登録部332
登録部332は、譲渡人アカウント情報を登録する機能を有する。例えば、登録部332は、登録要求受付部331が譲渡人アカウント情報登録要求を受け付けると、当該譲渡人アカウント情報登録要求とともに通信部310が受信した譲渡人アカウント情報を、譲渡人アカウント情報記憶部321に記憶させて登録する。
【0056】
(3-3)受取要求受付部333
受取要求受付部333は、受取要求を受け付ける機能を有する。例えば、受取要求受付部333は、ユーザによるNFT受取操作によってユーザ端末20から送信され、通信部310が受信するNFT受取要求を受け付ける。即ち、受取要求受付部333は、NFTの所有者である管理者によって予め発行されてノードサーバ40にて管理されているNFTをユーザが受け取る際に、ユーザからのNFT受取要求を受け付ける。
なお、受取要求受付部333は、ユーザ端末20から、NFT受取要求とともに送信される譲受人アカウント情報も受け付ける。
【0057】
(3-4)譲渡要求部334
譲渡要求部334は、譲渡要求を行う機能を有する。例えば、譲渡要求部334は、受取要求受付部333がNFT受取要求を受け付けると、NFTを管理者からユーザへ譲渡させるための要求(以下、「NFT譲渡要求」とも称される)を、通信部310からノードサーバ40へ送信する。即ち、譲渡要求部334は、NFT受取要求に基づき、ノードサーバ40に対して、発行済みのNFTを管理者からユーザへ譲渡するようNFT譲渡要求を行う。
【0058】
NFT譲渡要求は、即ち、ノードサーバ40にデプロイしてあるNFT譲渡APIを呼び出すための要求である。NFT譲渡要求の送信時、譲渡要求部334は、譲渡人アカウント情報記憶部321に記憶されている譲渡人アカウント情報を参照する。譲渡要求部334は、参照した譲渡人アカウント情報に基づき、管理者のNFTが管理されているノードサーバ40(即ち、参照した譲渡人アカウント情報が示すアドレス)に対して、NFT譲渡要求を行う。
NFT譲渡要求の送信時、譲渡要求部334は、NFT譲渡要求とともに、受取要求受付部333がユーザ端末20から受け付けた譲受人アカウント情報も通信部310からノードサーバ40へ送信する。譲渡要求部334は、ノードサーバ40に対して、譲受人アカウント情報も送信することで、当該譲受人アカウント情報へNFTを紐付けることで譲渡するようNFT譲渡要求を行う。
【0059】
なお、ノードサーバ40にデプロイしてあるNFT譲渡APIは、呼び出し権限を有する者しか呼び出すことができず、その呼び出し権限は譲渡されるNFTの所有者のみが有している。しかしながら、譲渡要求部334がNFT譲渡要求の送信時に参照する譲渡人アカウント情報には、呼び出し権限を含む権限情報が含まれている。このため、譲渡要求部334は、ノードサーバ40に対して、当該権限情報に基づきNFT譲渡APIを実行するようNFT譲渡要求を行う。これにより、NFT自動譲渡サーバ30は、NFTの所有者である管理者からの要求ではなく、当該NFTを受け取るユーザからの受取要求に応じて、ノードサーバ40にデプロイしてあるNFT譲渡APIを呼び出すことができる。
【0060】
なお、ユーザからはNFT受取操作によってNFT譲渡APIが呼び出されているようにみえるが、実際には、NFT受取操作を受けたNFT自動譲渡サーバ30によってノードサーバ40へ送信されるNFT譲渡要求によって、NFT譲渡APIが呼び出されている。
【0061】
<5.ノードサーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバ30の機能構成について説明した。続いて、図5を参照して、本実施形態に係るノードサーバ40の機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係るノードサーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、ノードサーバ40は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0062】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部410は、管理者端末10と、ユーザ端末20と、NFT自動譲渡サーバ30と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0063】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、ノードサーバ40がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0064】
(3)制御部430
制御部430は、ノードサーバ40の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、ノードサーバ40がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部430は、発行要求受付部431と、発行部432と、譲渡要求受付部433と、譲渡部434と、情報要求受付部435と、情報出力部436とを備える。
【0065】
(3-1)発行要求受付部431
発行要求受付部431は、発行要求を受け付ける機能を有する。例えば、発行要求受付部431は、管理者によるNFT発行操作によって管理者端末10から送信され、通信部410が受信するNFT発行要求を受け付ける。
【0066】
(3-2)発行部432
発行部432は、NFTを発行する機能を有する。例えば、発行部432は、発行要求受付部431がNFT発行要求を受け付けると、当該NFT発行要求によって呼び出されるNFT発行APIによってNFTを新規発行する。
【0067】
(3-3)譲渡要求受付部433
譲渡要求受付部433は、譲渡要求を受け付ける機能を有する。例えば、譲渡要求受付部433は、ユーザによるNFT受取操作によってユーザ端末20から送信されるNFT受取要求を受け付けたNFT自動譲渡サーバ30から送信され、通信部410が受信するNFT譲渡要求を受け付ける。
【0068】
(3-4)譲渡部434
譲渡部434は、NFTを譲渡する機能を有する。例えば、譲渡部434は、譲渡要求受付部433がNFT譲渡要求を受け付けると、当該NFT譲渡要求によって呼び出されるNFT譲渡APIによってNFTを管理者からユーザへ譲渡する。
【0069】
(3-5)情報要求受付部435
情報要求受付部435は、情報要求を受け付ける機能を有する。例えば、情報要求受付部435は、ユーザによるNFT情報確認操作によってユーザ端末20から送信され、通信部410が受信するNFT情報要求を受け付ける。
【0070】
(3-6)情報出力部436
情報出力部436は、情報を出力する機能を有する。例えば、情報出力部436は、情報要求受付部435がNFT情報要求を受け付けると、当該NFT情報要求を送信したユーザ端末20に対応するユーザのNFT情報を、通信部410からユーザ端末20へ出力(送信)する。
【0071】
<6.処理の流れ>
以上、本実施形態に係るノードサーバ40の機能構成について説明した。続いて、図6から及び図9を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0072】
(1)管理者によるNFT発行操作に基づく処理の流れ
図6を参照して、管理者によるNFT発行操作に基づく処理の流れについて説明する。図6は、本実施形態に係る管理者によるNFT発行操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
【0073】
図6に示すように、まず、管理者(譲渡人)は、管理者端末10に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS101)。
管理者端末10の操作受付部141は、管理者からのアプリ起動操作を受け付け、NFT管理アプリを起動する(ステップS102)。
次いで、管理者は、管理者端末10に対して、NFT発行操作を行う(ステップS103)。
操作受付部141が管理者からのNFT発行操作を受け付けると、管理者端末10の発行要求部142は、通信部110を介して、NFT発行要求の信号をノードサーバ40へ送信する(ステップS104)。
【0074】
ノードサーバ40の発行要求受付部431は、通信部410が管理者端末10から受信したNFT発行要求を受け付ける(ステップS105)。
ノードサーバ40の発行部432は、発行要求受付部431がNFT発行要求を受け付けると、NFTを新規発行する(ステップS106)。
【0075】
(2)管理者による譲渡人アカウント情報登録操作に基づく処理の流れ
図7を参照して、管理者による譲渡人アカウント情報登録操作に基づく処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る管理者による譲渡人アカウント情報登録操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
【0076】
図7に示すように、まず、管理者(譲渡人)は、管理者端末10に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS201)。
管理者端末10の操作受付部141は、管理者からのアプリ起動操作を受け付け、NFT管理アプリを起動する(ステップS202)。
次いで、管理者は、管理者端末10に対して、譲渡人アカウント情報登録操作を行う(ステップS203)。
操作受付部141が管理者からの譲渡人アカウント情報登録操作を受け付けると、管理者端末10の登録要求部143は、通信部110を介して、譲渡人アカウント情報登録要求の信号をNFT自動譲渡サーバ30へ送信する(ステップS204)。この時、登録要求部143は、譲渡人アカウント情報登録要求の信号とともに、譲渡人アカウント情報もNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。
【0077】
NFT自動譲渡サーバ30の登録要求受付部331は、通信部310が管理者端末10から受信した譲渡人アカウント情報登録要求を受け付ける(ステップS205)。この時、登録要求受付部331は、譲渡人アカウント情報登録要求の信号とともに送信される譲渡人アカウント情報も受け付ける。
NFT自動譲渡サーバ30の登録部332は、登録要求受付部331が譲渡人アカウント情報登録要求を受け付けると、譲渡人アカウント情報記憶部321に譲渡人アカウント情報を登録する(ステップS206)。
【0078】
(3)ユーザによるNFT受取操作に基づく処理の流れ
図8を参照して、ユーザによるNFT受取操作に基づく処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態に係るユーザによるNFT受取操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
【0079】
図8に示すように、まず、ユーザ(譲受人)は、ユーザ端末20に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS301)。
ユーザ端末20の操作受付部241は、ユーザからのアプリ起動操作を受け付け、NFT受取アプリを起動する(ステップS302)。
次いで、ユーザは、ユーザ端末20に対して、NFT受取操作を行う(ステップS303)。
操作受付部241がユーザからのNFT受取操作を受け付けると、ユーザ端末20の受取要求部242は、通信部210を介して、NFT受取要求の信号をNFT自動譲渡サーバ30へ送信する(ステップS304)。この時、受取要求部242は、NFT受取要求の信号とともに、譲受人アカウント情報もNFT自動譲渡サーバ30へ送信する。
【0080】
NFT自動譲渡サーバ30の受取要求受付部333は、通信部310がユーザ端末20から受信したNFT受取要求を受け付ける(ステップS305)。この時、受取要求受付部333は、NFT受取要求の信号とともに送信される譲受人アカウント情報も受け付ける。
受取要求受付部333がNFT受取要求を受け付けると、NFT自動譲渡サーバ30の譲渡要求部334は、通信部310を介して、NFT譲渡要求の信号をノードサーバ40へ送信する(ステップS306)。この時、譲渡要求部334は、NFT譲渡要求の信号とともに、譲受人アカウント情報もノードサーバ40へ送信する。
【0081】
ノードサーバ40の譲渡要求受付部433は、通信部410がNFT自動譲渡サーバ30から受信したNFT譲渡要求を受け付ける(ステップS307)。
ノードサーバ40の譲渡部434は、譲渡要求受付部433がNFT譲渡要求を受け付けると、NFTの譲渡処理を実行する(ステップS308)。
【0082】
(4)ユーザによるNFT情報確認操作に基づく処理の流れ
図9を参照して、ユーザによるNFT情報確認操作に基づく処理の流れについて説明する。図9は、本実施形態に係るユーザによるNFT情報確認操作に基づく処理の流れを示すシーケンス図である。
【0083】
図9に示すように、まず、ユーザ(譲受人)は、ユーザ端末20に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS401)。
ユーザ端末20の操作受付部241は、ユーザからのアプリ起動操作を受け付け、NFT受取アプリを起動する(ステップS402)。
次いで、ユーザは、ユーザ端末20に対して、NFT情報確認操作を行う(ステップS403)。
操作受付部241がユーザからのNFT情報確認操作を受け付けると、ユーザ端末20の情報要求部243は、通信部210を介して、NFT情報要求の信号をノードサーバ40へ送信する(ステップS404)。
【0084】
ノードサーバ40の情報要求受付部435は、通信部410がユーザ端末20から受信したNFT情報要求を受け付ける(ステップS405)。
情報要求受付部435がNFT情報要求を受け付けると、ノードサーバ40の情報出力部436は、通信部410を介して、ユーザのNFT情報をユーザ端末20へ送信する(ステップS406)。
【0085】
ユーザ端末20の出力制御部244は、通信部210がノードサーバ40から受信したNFT情報を、ユーザ端末20の出力部250に表示させる(ステップS407)。
ユーザは、出力部250に表示されたNFT情報を確認する(ステップS408)。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバ30(自動譲渡装置)は、NFT(非代替性トークン)の所有者である管理者(譲渡人)によって予め発行されてノードサーバ40にて管理されているNFTをユーザ(譲受人)が受け取る際に、ユーザからのNFTの受取要求を受け付ける受取要求受付部333と、受取要求に基づき、ノードサーバ40に対して、発行済みのNFTを管理者からユーザへ譲渡するよう譲渡要求を行う譲渡要求部334と、を備える。
【0087】
かかる構成により、ユーザは、管理者からNFTを受け取る際に、ユーザ端末20からノードサーバ40へNFTの受取要求を送信するための操作を行うだけでNFTを受け取ることができる。これにより、ユーザには、事前に管理者へブロックチェーンBC上のアカウント情報を提供する手間が生じない。
また、管理者は、事前に必要な数だけNFTをノードサーバ40上に発行しておくと、ユーザからNFTの受取要求があった際には発行済みのNFTがNFT自動譲渡サーバ30によって自動でユーザへ譲渡される。これにより、管理者には、ユーザからNFTの受取要求があるたびにユーザのアカウント情報に基づき手動でNFTを発行する手間が生じない。
また、NFTは管理者によって事前に発行されるため、ユーザはNFTを新規発行する必要がない。管理者からの譲渡の形を取るため、ユーザは、NFTの発行手数料を支払う必要がない。
よって、本実施形態に係るNFT自動譲渡サーバ30(自動譲渡装置)は、非代替性トークンの譲渡において譲渡人及び譲受人にかかる負担を軽減することを可能とする。
【0088】
<7.適用例>
本発明の実施形態について説明した。続いて、上述した自動譲渡システム1の適用例の一例について、具体的に説明する。例えば、自動譲渡システム1は、博物館、美術館、社寺、城などの収蔵品をデジタル化したデジタルアイテム(NFTの一例)を提供するためのシステムとして適用することができる。デジタルアイテムの一例として、博物館の場合には、例えば、展示されている恐竜の骨格、化石、標本、ジオラマ、復元模型などが挙げられる。
【0089】
近年、博物館、美術館、社寺、城などでは、現地での入場料収入などの収益機会を損ねたり、来場者の減少によって文化財に接してもらう機会が減少したりしている。このため、博物館、美術館、社寺、城などでは、収益機会を増加させることや文化財に接してもらう機会を増加させることが課題となっている。
そこで、自動譲渡システム1におけるデジタルアイテムの取得をトリガーとして、これらの課題を解決することが見込まれる。例えば、現地にてデジタルアイテムを取得可能とすることで集客を増加させることができる。また、デジタルアイテムの売買を通じた2次・3次流通から生まれる収益を、博物館、美術館、社寺、城などを含む文化芸術団体や文化財保有者などへ還元することができる。これにより、収益機会を増加させることや文化財に接してもらう機会を増加させることができる。
【0090】
ユーザによるデジタルアイテムの取得は、NFT受取アプリの機能によって実現することが考えられる。
例えば、ユーザが、デジタルアイテムの管理者によって予め用意されるIC(integrated circuit)カードをユーザ端末20で読み取ることで、デジタルアイテムを取得できるようにすることが考えられる。ICカードには、例えばディープリンクが埋め込まれている。ディープリンクは、読み込むだけでNFT受取アプリを起動できるカスタムURL(Uniform Resource Locator)である。ICカードは、例えば、現地に用意されていてもよいし、様々な場所で配布されてもよいし、ショップで販売されてもよい。ユーザ端末20は、NFC(Near field communication)など、ICカードを読み取ることが可能な機能を有する端末であれば、端末の種類は特に限定されない。
ユーザがユーザ端末20でICカードを読み取ると、ディープリンクによってNFT受取アプリが起動され、デジタルアイテムの受取画面がユーザ端末20に表示される。当該受取画面は、ディープリンクからアクセスした時のみ、NFT受取操作が可能な仕様となっている。ユーザが受取画面にてNFT受取操作(例えば受取ボタンの押下)を行うと、ユーザ端末20からNFT自動譲渡サーバ30へNFT受取要求が送信され、NFT自動譲渡サーバ30からノードサーバ40へNFT譲渡要求が送信され、ノードサーバ40にてNFTの譲渡処理が実行される。これにより、ユーザは、デジタルアイテムを取得することができる。
【0091】
現地ごとに異なるデジタルアイテムを取得可能なICカードを各現地に設置し、各現地のデジタルアイテムを取得することで1つのデジタルアイテムが完成する仕様とすることも考えられる。これにより、ユーザは、各現地を巡って全てのデジタルアイテムを取得する必要があるため、各地の集客数をより増加させることができる。この場合のデジタルアイテムは、例えば武将の装備であり、兜、鎧、刀など複数に分けて各現地に配置することが考えられる。
【0092】
また、ユーザが、NFT受取アプリ内に用意されているお題をクリアしたり、NFT受取アプリ内で課金したり、NFT受取アプリ内で他のユーザとトレードすることで、デジタルアイテムを取得できるようにすることも考えられる。
【0093】
さらに、ユーザが、取得したデジタルアイテムをNFTアプリ内のコレクションルームに展示できるようにしたり、他のユーザ(フレンド)のコレクションルームを探訪できるようにしたり、デジタルアイテムをVR(Virtual Reality)又はAR(Augmented Reality)で表示できるようにしたり、デジタルアイテムをメタバースと連携できるようにしたりすることも考えられる。
【0094】
以上、本発明の実施形態の適用例について説明した。なお、上述した実施形態における自動譲渡システム1、管理者端末10、ユーザ端末20、NFT自動譲渡サーバ30、及びノードサーバ40の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0095】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1…自動譲渡システム、10…管理者端末、20…ユーザ端末、30…NFT自動譲渡サーバ、40(40-1~40-n)…ノードサーバ、110…通信部、120…入力部、130…記憶部、140…制御部、141…操作受付部、142…発行要求部、143…登録要求部、144…出力制御部、150…出力部、210…通信部、220…入力部、230…記憶部、231…譲受人アカウント情報記憶部、240…制御部、241…操作受付部、242…受取要求部、243…情報要求部、244…出力制御部、250…出力部、310…通信部、320…記憶部、321…譲渡人アカウント情報記憶部、330…制御部、331…登録要求受付部、332…登録部、333…受取要求受付部、334…譲渡要求部、410…通信部、420…記憶部、430…制御部、431…発行要求受付部、432…発行部、433…譲渡要求受付部、434…譲渡部、435…情報要求受付部、436…情報出力部、BC…ブロックチェーン、NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9