(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147281
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】窓枠および建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20241008BHJP
E06B 1/18 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B1/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060199
(22)【出願日】2023-04-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年8月25日~2023年3月30日に取引先に製品を出荷
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕美
(72)【発明者】
【氏名】南澤 幸治
(72)【発明者】
【氏名】高見 綾一
(72)【発明者】
【氏名】福井 淳央
(72)【発明者】
【氏名】若代 憲宏
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA02
2E239CA22
2E239CA30
2E239CA32
2E239CA46
2E239CA53
2E239CA55
2E239CA62
(57)【要約】
【課題】防火性能を向上でき、かつ、施工作業性を向上できる窓枠および建具を提供すること。
【解決手段】窓枠2は、躯体に取り付けられ、上下の横枠および左右の縦枠30を備える防火窓用の窓枠である。縦枠30は、縦側躯体103に固定される金属製の第1縦枠31と、第1縦枠31の内周側に配置されて第1縦枠31に連結される金属製の第2縦枠41と、を備える。縦側躯体103と第1縦枠31との間に第1加熱発泡材61が設けられ、第1縦枠31と第2縦枠41との間に第2加熱発泡材62が設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に取り付けられ、上下の横枠および左右の縦枠を備える防火窓用の窓枠であって、
前記縦枠は、
前記躯体に固定される金属製の第1縦枠と、
前記第1縦枠の内周側に配置されて前記第1縦枠に連結される金属製の第2縦枠と、を備え、
前記躯体と前記第1縦枠との間に第1加熱発泡材が設けられ、
前記第1縦枠と前記第2縦枠との間に第2加熱発泡材が設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項2】
請求項1に記載の窓枠において、
前記第1縦枠は、前記躯体の室外見付面と対向する第1縦枠見付面を有し、
前記第1加熱発泡材は、前記室外見付面と前記第1縦枠見付面との間に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項3】
請求項1に記載の窓枠において、
前記第1縦枠は、前記躯体の内周側見込面と対向する第1縦枠見込面を有し、
前記第1加熱発泡材は、前記内周側見込面と前記第1縦枠見込面との間に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項4】
請求項2に記載の窓枠において、
前記第1縦枠を前記躯体に固定する躯体固定部は、前記躯体の内周側見込面に対向する第1縦枠見込片に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項5】
請求項3に記載の窓枠において、
前記第1縦枠を前記躯体に固定する躯体固定部は、前記躯体の室外見付面に対向する第1縦枠見付片に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項6】
請求項1に記載の窓枠において、
前記第2加熱発泡材は、前記第1縦枠および前記第2縦枠で形成される中空部に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項7】
請求項6に記載の窓枠において、
前記第2加熱発泡材は、前記第1縦枠および前記第2縦枠で形成される複数の中空部のうち、最も室外側にある中空部に設けられる
ことを特徴とする窓枠。
【請求項8】
請求項1に記載の窓枠と、面材とを備える建具であって、
前記第2縦枠には、発泡時に前記第2縦枠と前記面材との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられる
ことを特徴とする建具。
【請求項9】
請求項8に記載の建具において、
前記第2縦枠は、前記面材の室外面に対向する第2縦枠室外見付面と、前記面材の外周見込面に対向する第2縦枠見込面とを備え、
前記第2縦枠には、前記面材の室内面に対向する合成樹脂製の押縁が取り付けられ、
前記第2縦枠室外見付面には、第3加熱発泡材が設けられ、
前記第2縦枠見込面には、第4加熱発泡材が設けられる
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火窓に用いられる窓枠およびこの窓枠を備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
メインフレームと、面材を支持するサブフレームとを別部品として構成し、メインフレームにサブフレームを取り付けることにより構成した縦枠を有する建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この建具では、メインフレームとサブフレームとの間に加熱発泡材を設け、火災時にメインフレームとサブフレームとの間に室内外を連通する貫通口が形成されることを防止し、可燃ガスなどが流通することを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の建具は、アンカーブラケットを介して窓枠を躯体に取り付けている。このため、アンカーブラケットが設けられた縦枠のメインフレームと躯体との間は、通常、モルタルを充填して塞いでいた。
このため、施工現場において、モルタルの充填作業が必要となり、施工作業性が低下するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、防火性能を向上でき、かつ、施工作業性を向上できる窓枠および建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の窓枠は、躯体に取り付けられ、上下の横枠および左右の縦枠を備える防火窓用の窓枠であって、前記縦枠は、前記躯体に固定される金属製の第1縦枠と、前記第1縦枠の内周側に配置されて前記第1縦枠に連結される金属製の第2縦枠とを備え、前記躯体と前記第1縦枠との間に第1加熱発泡材が設けられ、前記第1縦枠と前記第2縦枠との間に第2加熱発泡材が設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明の建具は、前記窓枠と、面材とを備える建具であって、前記第2縦枠には、発泡時に前記第2縦枠と前記面材との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の窓枠および建具によれば、防火性能を向上でき、かつ、施工作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】第1実施形態の建具の縦枠を示す横断面図である。
【
図4】第1実施形態の建具の縦枠における加熱発泡材が発泡した状態を示す図である。
【
図5】第2実施形態の建具の縦枠を示す横断面図である。
【
図6】第3実施形態の建具の縦枠を示す横断面図である。
【
図7】第4実施形態の建具の縦枠を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態の建具1について、
図1および
図2を参照して説明する。なお、各図では、図面を見やすくするため、建具1の金属製の枠材や躯体の断面を示すハッチングは省略している。
【0011】
建具1は、FIX窓用のサッシであり、窓枠2と、窓枠2に保持される面材である複層ガラス8とを備え、躯体100に取り付けられる。
躯体100は、躯体開口を区画する上側躯体101と、下側躯体102と、左右の縦側躯体103とを備える。上側躯体101、下側躯体102は、長尺のCチャンネル材で構成されている。縦側躯体103は、長尺のCチャンネル材104と、長尺のLアングル材105とで構成されている。
複層ガラス8は、防火ガラス81と、非防火ガラス82とを、スペーサ83を用いて間隙を設けて対面配置した複層ガラスである。防火ガラス81は、網入りガラスや耐熱強化ガラス等である。非防火ガラス82は、例えばフロートガラスである。
【0012】
窓枠2は、上枠10と、下枠20と、左右の縦枠30とを備えて矩形枠状に組まれて構成されている。
上枠10は、アルミ押出形材などの金属製の枠材であり、見込片11と、室外側保持片12と、躯体固定片13と、押縁係合片14、突片15とを備える。見込片11には、下方に延出された一対の押縁係合片14と突片15とが形成されている。
見込片11は、複層ガラス8の上端面に対向して設けられている。室外側保持片12は、見込片11の室外側端部から下方に延出され、複層ガラス8の室外側に配置されている。躯体固定片13は、上側躯体101の室外面に沿って配置され、上側躯体101にネジ108で固定されている。
押縁係合片14は、室外側保持片12から下方に延びる一対の延出片であり、突片15は、室外側保持片12から下方に延びる突出片である。
押縁係合片14には、複層ガラス8の室内側に配置される合成樹脂製の押縁18が着脱可能に係合されている。押縁係合片14および突片15間には、合成樹脂製のカバー材19が係合されている。カバー材19は、額縁7の下面に図示略のネジで固定されている。
室外側保持片12および押縁18には、複層ガラス8に当接するタイト材85、86が取り付けられ、複層ガラス8の上端はこれらのタイト材85、86間に保持されている。
【0013】
下枠20は、アルミ押出形材などの金属製の枠材であり、見込片21と、室外側保持片22と、躯体固定片23と、押縁係合片24、25を備える。
見込片21は、複層ガラス8の下端面に対向して設けられている。室外側保持片22は、見込片21の室外側端部から上方に延出され、複層ガラス8の室外側に配置されている。躯体固定片23は、下側躯体102の室外面に沿って配置され、下側躯体102にネジ108で固定されている。
押縁係合片24、25は、見込片21から上方に延出されている。この押縁係合片24、25には、複層ガラス8の室内側に配置される合成樹脂製の押縁28が着脱可能に係合されている。押縁28は、額縁7の上面に図示略のネジで固定されている。
室外側保持片22および押縁28には、複層ガラス8に当接するタイト材85、86が取り付けられ、複層ガラス8の下端はこれらのタイト材85、86間に保持されている。
【0014】
左右の縦枠30は、
図2に示すように、左右対称の構造であり、第1縦枠31と、第2縦枠41とを備えている。このため、左右の縦枠30において、対応する部分は同一符号を付す。また、縦枠30の詳細について、
図3に基づいて説明する。
第1縦枠31は、縦側躯体103に固定されるアルミ押出形材などの金属製の枠材であり、内周側見込片32と、室外見付片33と、外周側見込片34と、第1縦枠見付片35と、躯体当接片36と、躯体固定片37と、突片38と、室内側当接片39とを備える。なお、第1縦枠31は、引違い窓の縦枠を利用したものである。
内周側見込片32は、建具1の見込方向に沿って設けられ、縦側躯体103の内周側見込面107に対向して設けられる。したがって、内周側見込片32により第1縦枠見込片が構成される。この内周側見込片32の内周面には断面L字状の係止片321が形成されている。
室外見付片33は、内周側見込片32の室外側端部から外側に延出されている。外周側見込片34は、室外見付片33の外周側端部から縦側躯体103に向かって延出されている。
第1縦枠見付片35は、室外見付片33の室内側において室外見付片33に平行に配置され、内周側見込片32および外周側見込片34間を連結している。
躯体当接片36は、外周側見込片34の室内側端部から内周側に延出され、縦側躯体103の室外見付面、つまりCチャンネル材104の室外見付面106に当接している。
【0015】
躯体固定片37は、第1縦枠見込片である内周側見込片32の見込方向中間位置から外周側に向かって突出され、縦側躯体103のLアングル材105にネジ108で固定されている。したがって、第1実施形態では、躯体固定片37によって、第1縦枠31を躯体100に固定する躯体固定部が構成されている。
突片38は、内周側見込片32の見込方向中間位置から内周側に向かって突出されている。突片38の見込方向の位置は、躯体固定片37よりも室内側とされている。
室内側当接片39は、内周側見込片32の室内側端部から外周側および内周側に突出されている。室内側当接片39には、額縁7の室外面が当接される。
【0016】
第2縦枠41は、アルミ押出形材などの金属製の枠材であり、第2縦枠見込片42と、第2縦枠室外側見付片43と、室外側保持片44と、第2縦枠固定片45と、第2縦枠係合片46と、押縁係止片47とを備える。
第2縦枠見込片42は、内周側見込片32に平行、かつ、内周側見込片32よりも内周側に配置される。第2縦枠室外側見付片43は、第2縦枠見込片42の室外側端部から外周側に延出され、その先端は第1縦枠31の内周側見込片32に当接されている。室外側保持片44は、第2縦枠見込片42から内周側に突出され、複層ガラス8の室外側に配置される。
第2縦枠固定片45は、第2縦枠見込片42から外周側に延出され、かつ、先端側が室内側に延出されて断面L字状に形成されている。第2縦枠固定片45は、内周側見込片32に当接されてネジ48で固定されている。
第2縦枠係合片46は、第2縦枠見込片42の室内側端部から外周側に延出され、さらに室外側に延出されて断面L字状に形成されている。第2縦枠係合片46は、内周側見込片32に当接され、その先端は係止片321に係止されている。押縁係止片47は、第2縦枠見込片42の内周面に設けられ、断面L字状に形成されている。
【0017】
第1縦枠31の内周側見込片32と、第2縦枠41の第2縦枠見込片42との間には、第2縦枠室外側見付片43および第2縦枠固定片45間に形成される室外側の中空部111と、第2縦枠固定片45および第2縦枠係合片46間に形成される室内側の中空部112とが設けられる。なお、中空部112の見込方向中間位置には突片38が設けられている。突片38と第2縦枠見込片42との間の隙間寸法は小さいため、中空部112は、突片38で実質的に2つの空間に仕切られている。このように、第2縦枠41および第1縦枠31間に複数の中空部111、112を設けたので、1つの中空部のみを設けた場合に比べて断熱性能を向上できる。さらに、中空部112を突片38で仕切ることで、突片38を跨ぐ空気の流通を少なくでき、この点でも断熱性能を向上できる。
【0018】
第2縦枠41には、樹脂製の押縁50が取り付けられている。押縁50は、合成樹脂製のベース材51と、合成樹脂製の押縁本体55とで構成されている。ベース材51は、押縁係止片47に係止され、かつ、第2縦枠係合片46と室内側当接片39との間に挿入され、第2縦枠41の第2縦枠見込片42にネジ57で固定されている。
押縁本体55は、ベース材51に係合され、複層ガラス8の室内側に配置されている。
室外側保持片44にはタイト材85が取り付けられ、押縁本体55にはタイト材86が取り付けられ、複層ガラス8の左右の端縁はこれらのタイト材85、86間に保持されている。
【0019】
[加熱発泡材]
窓枠2には、火災時に発泡して隙間を塞ぐ加熱発泡材が取り付けられている。なお、加熱発泡材は、矩形状の膨張黒鉛シート等、火災時に高温となることで発泡して膨張し、空間を塞ぐことができるものである。
図3に示すように、第1縦枠31の第1縦枠見付片35において、縦側躯体103の室外見付面106に対向する第1縦枠見付面351には、第1加熱発泡材61が第1縦枠31の上下方向の全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。このため、第1加熱発泡材61は、躯体100と第1縦枠31との間、より具体的には、躯体100の室外見付面106と、第1縦枠見付面351との間の中空部110に設けられている。
第1加熱発泡材61は、第1縦枠見付面351において外周側見込片34側の端部に配置され、第1加熱発泡材61の端縁は外周側見込片34に当接されている。さらに、第1加熱発泡材61の左右方向の幅寸法は、躯体当接片36の幅寸法よりも大きくされ、第1加熱発泡材61の一部は躯体当接片36に対向配置され、第1加熱発泡材61の残りの部分は縦側躯体103に対向配置されている。
【0020】
第2縦枠41において、第2縦枠室外側見付片43の室内面431には第2加熱発泡材62が第2縦枠41の上下方向の全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。このため、第2加熱発泡材62は、第1縦枠31と第2縦枠41との間、より具体的には、第1縦枠31と内周側見込片32との間に設けられる複数の中空部111、112のうち、最も室外側にある中空部111に設けられている。
第2加熱発泡材62は、室内面431において第2縦枠見込片42側の端部に配置され、第2加熱発泡材62の端縁は第2縦枠見込片42に当接されている。
【0021】
第2縦枠41の室外側保持片44において、室内側つまり複層ガラス8が配置される側の第2縦枠室外見付面441には、第3加熱発泡材63が第2縦枠41の上下方向の全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。第3加熱発泡材63は、第2縦枠室外見付面441において第2縦枠見込片42側の端部に配置され、第3加熱発泡材63の端縁は第2縦枠見込片42に当接されている。
第2縦枠41の第2縦枠見込片42において、複層ガラス8の端面(外周見込面)に対向する第2縦枠見込面421には、第4加熱発泡材64が第2縦枠41の上下方向の全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。第4加熱発泡材64は、第2縦枠見込面421において複層ガラス8の端面に対向する位置に配置され、第4加熱発泡材64の室内側端縁は押縁係止片47に当接されている。
【0022】
図1に示すように、上枠10の室外側保持片12の室内面には、加熱発泡材65が上枠10の長手方向全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。上枠10の見込片11には、加熱発泡材66が上枠10の長手方向全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。
下枠20の室外側保持片22の室内面には、加熱発泡材67が下枠20の長手方向全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。下枠20の見込片21には、加熱発泡材68が下枠20の長手方向全長に渡って両面テープなどで貼り付けられている。
【0023】
次に、火災時における火炎の遮断について、
図4を参照して説明する。
建具1の室外側で火災が発生し、その熱によって各加熱発泡材61~68の温度が所定の発泡温度以上に上昇した場合、各加熱発泡材61~68が発泡する。
縦枠30においては、第1縦枠31が火災時の熱で変形し、躯体当接片36が縦側躯体103から離れて隙間が生じた場合でも、縦側躯体103と第1縦枠31との間の中空部110は、発泡により膨張した第1加熱発泡材61で塞がれる。同様に、第2縦枠41が火災時の熱で変形し、第2縦枠室外側見付片43が内周側見込片32から離れて隙間が生じた場合でも、第1縦枠31および第2縦枠41間の中空部111は、発泡により膨張した第2加熱発泡材62で塞がれる。
さらに、第2縦枠41と複層ガラス8との間は、発泡により膨張した第3加熱発泡材63および第4加熱発泡材64によって塞がれる。
これらの加熱発泡材61~64により、縦側躯体103と第1縦枠31との間、第1縦枠31と第2縦枠41との間、第2縦枠41と複層ガラス8との間が塞がれて、可燃ガスなどの流通を防止できる。
【0024】
図示は省略するが、上枠10と複層ガラス8との間は、加熱発泡材65、66が発泡、膨張して塞がれ、下枠20と複層ガラス8との間は、加熱発泡材67、68が発泡、膨張して塞がれるため、可燃ガスなどの流通を防止できる。
なお、
図1に示すように、上枠10および下枠20は、躯体固定片13、23が上側躯体101、下側躯体102の室外見付面にネジ108で固定されているため、室外側の火災時に躯体固定片13、23が上側躯体101、下側躯体102に固定された状態を維持できる。このため、上枠10、下枠20と、上側躯体101、下側躯体102との間に加熱発泡材を設けなくて、可燃ガスなどの流通を防止できる。ただし、上枠10、下枠20と、上側躯体101、下側躯体102との間に加熱発泡材を追加してもよい。
【0025】
[第1実施形態の効果]
建具1によれば、第1縦枠31と縦側躯体103との間の中空部110に第1加熱発泡材61を設けたので、火災時には発泡膨張した第1加熱発泡材61で中空部110を塞ぐことができ、可燃ガス等が流通することを防止できる。このため、第1縦枠31および縦側躯体103間にモルタルを充填する必要がなく、施工作業性を向上できる。
また、上下方向に連続する長尺材である躯体固定片37およびLアングル材105にネジ108で固定しているため、第1加熱発泡材61が発泡していない状態でも、縦側躯体103および第1縦枠31間の空間を、躯体固定片37およびLアングル材105で室外側および室内側に区画できる。この点からも、第1縦枠31および縦側躯体103間にモルタルを充填する必要がなく、ネジ108による固定作業のみでよいため、施工作業性を向上できる。同様に、上枠10および下枠20も、長手方向に連続する躯体固定片13、23を上側躯体101、下側躯体102にネジ108で固定することで、室内外を区画しているので、上枠10、下枠20と、上側躯体101、下側躯体102との間にモルタルを充填する必要がなく、ネジ108による固定作業のみでよいため、施工作業性を向上できる。
【0026】
第1加熱発泡材61は、縦側躯体103の室外見付面106に対向する第1縦枠見付面351に配置しているので、発泡時に短時間で室外見付面106に接して室外見付面106および第1縦枠見付面351間を塞ぐことができる。
第1加熱発泡材61は、第1縦枠見付面351において、最も外周側に配置しているので、火災時に躯体固定片37から離れているために、第1縦枠31の変形時に縦側躯体103から離れやすい躯体当接片36部分を、第1加熱発泡材61によって短時間で塞ぐことができ、火炎や煙の流入を防止できる。特に、第1実施形態の建具1では、第1縦枠31の外周側見込片34は、縦側躯体103の室外側に配置されているので、火災時には炎に曝されて高温になりやすい。このため、第1縦枠見付面351の外周側に第1加熱発泡材61を設けることで、早期に第1加熱発泡材61を発泡させることができる。その上、第1加熱発泡材61を第1縦枠見付片35および外周側見込片34で区画される角部に当接させながら貼り付けることができ、第1加熱発泡材61の位置決めが容易となって貼付作業性を向上できる。
【0027】
第1縦枠31は、室外見付面106に沿った躯体当接片36を備えるので、室外見付面106に躯体当接片36を当接させることができる。このため、躯体当接片36を設けずに外周側見込片34の端面を室外見付面106に当接させる場合に比べて、第1縦枠31において室外見付面106に接する面積を増やすことができ、かつ、
図4に示すように、第1縦枠31が変形した場合でも、ある程度変形するまでは、躯体当接片36の先端が室外見付面106に当接し続けるため、隙間が生じるまでの時間を延ばすことができ、隙間が生じるまでに第1加熱発泡材61を発泡させて塞ぐことができる。
内周側見込片32から延出された躯体固定片37を、縦側躯体103のLアングル材105にネジ108で室内側から固定しているので、室外見付片33や第1縦枠見付片35にネジ用の貫通孔を形成する必要がなく、この点でも防火性能を向上できる。
【0028】
第2縦枠41と第1縦枠31との間を塞ぐ第2加熱発泡材62を、最も室外側に設けられる中空部111に配置したので、室外火災時に第2加熱発泡材62が発泡温度に到達するまでの時間が短くなり、第2加熱発泡材62を早期に発泡膨張させて中空部111内を塞ぐことができる。
その上、中空部111において、室外火災時に高温になりやすい第2縦枠室外側見付片43の室内面431に第2加熱発泡材62を貼り付けているので、第2加熱発泡材62をより早期に発泡させることができる。
また、第2加熱発泡材62は、第2縦枠見込片42および第2縦枠室外側見付片43で区画される角部に当接させながら貼り付けることができ、第2加熱発泡材62の位置決めが容易となって貼付作業性を向上できる。
【0029】
第2縦枠41と複層ガラス8との隙間を塞ぐ第3加熱発泡材63、第4加熱発泡材64を設けたので、火災時に第2縦枠41と複層ガラス8との間から可燃ガスなどが流通することを防止できる。
第3加熱発泡材63は、室外側保持片44の第2縦枠室外見付面441に貼り付けているので、室外火災時に早期に発泡温度に達して短時間で発泡させることができる。
第4加熱発泡材64は、第2縦枠見込片42の第2縦枠見込面421に貼り付けられ、第3加熱発泡材63よりも室内側に配置されている。このため、室内火災時には、第4加熱発泡材64は、第3加熱発泡材63よりも早期に発泡し、室内火災時に押縁50が溶融した場合でも、室内側から室外側に可燃ガスなどが流出することを防止できる。
同様に、上枠10、下枠20と、複層ガラス8との間にも、加熱発泡材65~68を配置したので、室外火災時や室内火災時に可燃ガスなどが流通することを防止できる。
【0030】
第2縦枠41は、第2縦枠係合片46を係止片321に係止して位置決めした状態でネジ48により第1縦枠31に固定することができ、固定作業を軽減できる。
さらに、室内火災時に押縁50が溶融しても、第2縦枠係合片46が係止片321に係止され、第2縦枠41および第1縦枠31の室内側に隙間が生じることを抑制できるため、可燃ガスなどが流通することを防止できる。
【0031】
左右の縦枠30において、第1縦枠31および第2縦枠41は、それぞれ同一断面形状のアルミ押出形材で構成できるので、部品種類を最小限にでき、コストも低減できる。また、第1縦枠31は、引違い窓用の縦枠を利用でき、第2縦枠41を新たに製造することでFIX窓用の縦枠30を構成できるため、コストをさらに低減できる。
複層ガラス8を保持する樹脂製の押縁18、28、50を設けたので、金属製の上枠10、下枠20、縦枠30が室内側に露出することを防止でき、断熱性能を向上でき、結露の発生も抑制できる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の建具1Bについて、
図5を参照して説明する。なお、第2実施形態では、躯体200や縦枠30Bの第1縦枠71の構造が第1実施形態と相違する。このため、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略する。
躯体200は、木製の柱などで構成され、室外見付面201および内周側見込面202を備える。
縦枠30Bは、第1縦枠71および第2縦枠41を備える。第2縦枠41は、第1実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
第1縦枠71は、内周側見込片72と、第1縦枠見付片73と、突片74と、室内側当接片75とを備え、内周側見込片72には係止片76が形成されている。
第1縦枠見付片73は、躯体200の室外見付面201に対向して設けられ、ネジ205で躯体200に固定されている。このため、第1縦枠見付片73は、第1縦枠71を躯体200に固定する躯体固定部である。
第1縦枠71の内周側見込片72には、カバー材77がネジ78で固定されている。カバー材77により、第1縦枠見付片73やネジ205が室外側に露出することを防止している。
【0033】
内周側見込片72において、躯体200の内周側見込面202に対向する第1縦枠見込面721には、第1加熱発泡材61が両面テープなどで貼り付けられている。第1加熱発泡材61は、内周側見込片72と第1縦枠見付片73とで区画される角部に沿って配置され、第1縦枠見付片73よりも室内側の位置に配置されている。
【0034】
建具1Bにおいても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、火災時には、第1加熱発泡材61が発泡し、躯体200の内周側見込面202と、内周側見込片72との間を充填して塞ぐことができる。また、第2加熱発泡材62の発泡により、第1縦枠71および第2縦枠41間が塞がれ、第3加熱発泡材63、第4加熱発泡材64の発泡により、第2縦枠41および複層ガラス8間が塞がれる。このため、火災時に可燃ガスなどの流通することを防止できる。
【0035】
第1加熱発泡材61は、第1縦枠71の内周側見込片72に貼り付けられ、内周側見込面202との隙間空間が比較的小さい空間に配置されているので、発泡時に内周側見込面202と第1縦枠71との隙間を確実に塞ぐことができる。
【0036】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の建具1Cについて、
図6を参照して説明する。なお、第3実施形態は、第1加熱発泡材61および第2加熱発泡材62の位置が第2実施形態の縦枠30Bと相違する。このため、第2実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略する。
縦枠30Cは、第2実施形態と同様に、第1縦枠71および第2縦枠41を備える。第1縦枠71および第2縦枠41は、第2実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
【0037】
内周側見込片72において、躯体200の内周側見込面202に対向する第1縦枠見込面721には、第1加熱発泡材61が両面テープなどで貼り付けられている。第1加熱発泡材61は、内周側見込片72と室内側当接片75とで区画される角部に沿って配置され、第1縦枠見付片73よりも室内側の位置に配置されている。
第2縦枠41において、内周側見込片72に対向する第2縦枠見込片42の第2縦枠外側見込面422には、第2加熱発泡材62が両面テープなどで貼り付けられている。第2加熱発泡材62は、室外側端部が第2縦枠室外側見付片43に当接して配置されている。
【0038】
建具1Cにおいても、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、第2実施形態に比べて、第1加熱発泡材61の位置が室内側であるため、室内火災時により早く第1加熱発泡材61を発泡させることができる。
第2加熱発泡材62を内周側見込片72に対向する第2縦枠外側見込面422に貼り付けているので、第2加熱発泡材62は内周側見込片72に向かって発泡し、短時間で中空部111を塞ぐことができる。
【0039】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の建具1Dについて、
図7を参照して説明する。なお、第4実施形態では、縦側躯体123や縦枠30Dの第1縦枠91の構造が第1実施形態と相違する。このため、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略する。
縦側躯体123は、縦側躯体103と同様に、Cチャンネル材124、Lアングル材125とで構成されている。Cチャンネル材124は、Cチャンネル材104に比べて見込寸法が小さい点が相違する。Lアングル材125は、Lアングル材105に比べて左右方向の寸法つまり見付け寸法が大きい点が相違する。
【0040】
縦枠30Dは、第1縦枠91および第2縦枠41を備える。第2縦枠41は、第1実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
第1縦枠91は、縦側躯体123に固定されるアルミ押出形材などの金属製の枠材であり、内周側見込片92と、室外見付片93と、外周側見込片94と、第1縦枠見付片95と、躯体当接片96と、躯体固定片97と、突片98と、室内側当接片99と、係止片921とを備える。すなわち、第1縦枠91は、見付寸法が第1縦枠31に比べて大きくされているが、基本的には第1縦枠31と同じ構成であるため、説明を省略する。
第1縦枠見付片95において、縦側躯体123の室外見付面126に対向する第1縦枠見付面951の外周側には、第1実施形態と同じく第1加熱発泡材61が両面テープで貼り付けられている。
【0041】
建具1Dにおいても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、火災時には、第1加熱発泡材61が発泡し、縦側躯体123の室外見付面126と、第1縦枠見付面951との間を充填して塞ぐことができる。また、第2加熱発泡材62の発泡により、第1縦枠71および第2縦枠41間が塞がれ、第3加熱発泡材63、第4加熱発泡材64の発泡により、第2縦枠41および複層ガラス8間が塞がれる。このため、火災時に可燃ガスなどの流通することを防止できる。
【0042】
[変形例]
前記各実施形態の建具1、1B、1C、1Dは、第2縦枠41で複層ガラス8を保持するFIX窓であったが、建具はFIX窓に限定されない。例えば、面材として第2縦枠に対して開閉される障子を設け、第2縦枠を障子の開閉形式に応じた形状とすることで、すべり出し窓、外開き窓、内開き窓等の各種の建具を構成してもよい。このような建具においても、第1縦枠は引違い窓用の縦枠を利用でき、第2縦枠のみを窓種に応じて用意すればよいので、様々な窓種の建具を低コストで製造できる。
【0043】
建具1、1Dでは、第1縦枠見付面351における第1加熱発泡材61の取付位置は、第1実施形態のように第1縦枠見付面351の外周側に限定されず、第1縦枠見付面351の内周側や左右方向の中間位置などでもよい。また、中空部110に第1加熱発泡材61を配置する場合は、第1縦枠見付面351に貼り付けるものに限定されず、外周側見込片34や内周側見込片32の中空部110側の面に貼り付けてもよい。
建具1B、1Cでは、第1加熱発泡材61は、第1縦枠見込面721に貼り付けるものに限定されず、第1縦枠見付片73において内周側見込面202よりも内周側に面する領域に貼り付けてもよい。
【0044】
第2加熱発泡材62は、中空部111に設けられるものに限定されず、中空部112に設けてもよいし、中空部111、112の両方に設けてもよい。また、第2加熱発泡材62は、第2縦枠41の第2縦枠見込片42や第2縦枠室外側見付片43に貼り付けられるものに限定されず、第2縦枠固定片45や第1縦枠31、71の内周側見込片32、72に貼り付けてもよい。
【0045】
[本発明のまとめ]
本発明の窓枠は、躯体に取り付けられ、上下の横枠および左右の縦枠を備える防火窓用の窓枠であって、前記縦枠は、前記躯体に固定される金属製の第1縦枠と、前記第1縦枠の内周側に配置されて前記第1縦枠に連結される金属製の第2縦枠とを備え、前記躯体と前記第1縦枠との間に第1加熱発泡材が設けられ、前記第1縦枠と前記第2縦枠との間に第2加熱発泡材が設けられることを特徴とする。
このような構成によれば、第1縦枠と躯体との間に第1加熱発泡材を設けたので、火災時には第1縦枠と躯体との間を発泡した第1加熱発泡材で塞ぐことができ、可燃ガス等が流通することを防止できる。このため、第1縦枠および躯体間にモルタルを充填する必要がなく、施工作業性を向上できる。
また、第1縦枠と第2縦枠との間に第2加熱発泡材を設けたので、第1縦枠および第2縦枠間を発泡した第2加熱発泡材で塞ぐことができ、この部分でも可燃ガス等が流通することを防止できる。
縦枠を、躯体に固定される金属製の第1縦枠と、第1縦枠に連結される金属製の第2縦枠とを備えて構成したので、第2縦枠を窓種に応じて用意することで、第1縦枠は窓種に関わらずに共通化でき、コストを低減できる。
【0046】
本発明の窓枠において、前記第1縦枠は、前記躯体の室外見付面と対向する第1縦枠見付面を有し、前記第1加熱発泡材は、前記室外見付面と前記第1縦枠見付面との間に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、火災時に躯体の室外見付面と第1縦枠見付面との間を発泡した第1加熱発泡材で塞ぐことができ、可燃ガスなどの流通を防止できる。また、第1加熱発泡材は、躯体よりも室外側に配置されるため、特に室外火災時に早期に第1加熱発泡材を発泡させることができる。
【0047】
本発明の窓枠において、前記第1縦枠は、前記躯体の内周側見込面と対向する第1縦枠見込面を有し、前記第1加熱発泡材は、前記内周側見込面と前記第1縦枠見込面との間に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、火災時に躯体の内周側見込面と第1縦枠見込面との間を発泡した第1加熱発泡材で塞ぐことができ、可燃ガスなどの流通を防止できる。また、第1加熱発泡材は、躯体の内周側に配置されるため、特に縦枠を躯体の内周側に配置する内付けサッシに適用できる。
【0048】
本発明の窓枠において、前記第1縦枠を前記躯体に固定する躯体固定部は、前記躯体の内周側見込面に対向する第1縦枠見込片に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、躯体固定部が第1縦枠見込片に設けられるので、躯体の内周側で躯体固定部を躯体に固定でき、室内側から固定作業を行うこともできる。また、第1加熱発泡材が配置された第1縦枠見付面ではなく、第1縦枠見込片に躯体固定部を設けたので、第1加熱発泡材の配置に影響されることなく、躯体固定部を設定できる。
【0049】
本発明の窓枠において、前記第1縦枠を前記躯体に固定する躯体固定部は、前記躯体の室外見付面に対向する第1縦枠見付片に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、躯体固定部が第1縦枠見付片に設けられるので、躯体の室外見付面に躯体固定部を固定できるため、躯体の内周側見込面と、この内周側見込面に対向する第1縦枠見込片との間で固定作業を行う必要が無く、躯体の内周側見込面と第1縦枠見込片との間隔も小さくできる。このため、第1加熱発泡材によって塞がれる内周側見込面および第1縦枠見込片間の空間も小さくでき、第1加熱発泡材の使用量を低減できる。
【0050】
本発明の窓枠において、前記第2加熱発泡材は、前記第1縦枠および前記第2縦枠で形成される中空部に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、第1縦枠および第2縦枠間を塞ぐために必要な第2加熱発泡材の量を中空部の体積によって設定できる。したがって、第1縦枠および第2縦枠間を確実に塞ぐことができ、かつ、中空部の体積に応じた最小限の第2加熱発泡材を用意すればよく、コストを低減できる。
【0051】
本発明の窓枠において、前記第2加熱発泡材は、前記第1縦枠および前記第2縦枠で形成される複数の中空部のうち、最も室外側にある中空部に設けられることが好ましい。
このような構成によれば、最も室外側にある中空部に設けることで、室外火災時に第2加熱発泡材を早期に発泡させることができる。
【0052】
本発明の建具は、前記窓枠と、面材とを備える建具であって、前記第2縦枠には、発泡時に前記第2縦枠と前記面材との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられることを特徴とする。
このような構成によれば、第2縦枠と面材との間を加熱発泡材で塞ぐことができ、火災時に第2縦枠および面材間を可燃ガスなどが流通することを防止できて防火性能を向上できる。
【0053】
本発明の建具において、前記第2縦枠は、前記面材の室外面に対向する第2縦枠室外見付面と、前記面材の外周見込面に対向する第2縦枠見込面とを備え、前記第2縦枠には、前記面材の室内面に対向する合成樹脂製の押縁が取り付けられ、前記第2縦枠室外見付面には、第3加熱発泡材が設けられ、前記第2縦枠見込面には、第4加熱発泡材が設けられることが好ましい。
このような構成によれば、第3加熱発泡材を第2縦枠室外見付面に設け、第4加熱発泡材を第2縦枠見込面に設けたので、室外火災時および室内火災時のいずれの場合でも、第3加熱発泡材および第4加熱発泡材が発泡してガラスや障子などの面材との空間を塞ぐことができ、防火性能を向上できる。
【符号の説明】
【0054】
1…建具、1B…建具、1C…建具、1D…建具、2…窓枠、8…複層ガラス、10…上枠、20…下枠、30…縦枠、30B…縦枠、30C…縦枠、30D…縦枠、31…第1縦枠、32…内周側見込片、33…室外見付片、34…外周側見込片、35…第1縦枠見付片、36…躯体当接片、37…躯体固定片、38…突片、39…室内側当接片、41…第2縦枠、42…第2縦枠見込片、43…第2縦枠室外側見付片、44…室外側保持片、45…第2縦枠固定片、46…第2縦枠係合片、47…押縁係止片、48…ネジ、50…押縁、51…ベース材、55…押縁本体、57…ネジ、61…第1加熱発泡材、62…第2加熱発泡材、63…第3加熱発泡材、64…第4加熱発泡材、65…加熱発泡材、66…加熱発泡材、67…加熱発泡材、68…加熱発泡材、71…第1縦枠、72…内周側見込片、73…第1縦枠見付片、74…突片、75…室内側当接片、76…係止片、77…カバー材、78…ネジ、81…防火ガラス、82…非防火ガラス、83…スペーサ、91…第1縦枠、92…内周側見込片、93…室外見付片、94…外周側見込片、95…第1縦枠見付片、96…躯体当接片、97…躯体固定片、98…突片、99…室内側当接片、100…躯体、103…縦側躯体、104…Cチャンネル材、105…Lアングル材、106…室外見付面、107…内周側見込面、108…ネジ、110…中空部、111…中空部、112…中空部、123…縦側躯体、124…Cチャンネル材、125…Lアングル材、126…室外見付面、200…躯体、201…室外見付面、202…内周側見込面、351…第1縦枠見付面、421…第2縦枠見込面、422…第2縦枠外側見込面、441…第2縦枠室外見付面、721…第1縦枠見込面、951…第1縦枠見付面。