(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147287
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】梱包材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20241008BHJP
B65D 81/36 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
B65D81/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060209
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伏江 遼
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 浩志郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 映吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大聡
【テーマコード(参考)】
3E013
3E066
【Fターム(参考)】
3E013CA10
3E013CB11
3E013CB15
3E013CC04
3E066AA44
3E066BA05
3E066JA01
3E066LA30
3E066NA10
(57)【要約】
【課題】粘着剤等を必要とすることなく安定した形状に容易に組み立てて電気製品の付属品として使用可能である梱包材を提供する。
【解決手段】梱包材は、被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、外装箱の内部に被梱包物とともに収納される緩衝材とを備える。緩衝材は、緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有する。切離可能部には突出部が設けられるとともに切込部が形成される。切離可能部は、緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で突出部を切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、組立状態の切離可能部は、電気製品に取り付けて付属品として使用可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、
前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、
前記切離可能部は、前記外装箱から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【請求項2】
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、
前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、
前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、
前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【請求項3】
前記電気製品は、電気掃除機であり、
前記付属品は、隙間ノズルである請求項1又は請求項2に記載の梱包材。
【請求項4】
前記突出部及び前記切込部は、
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズルの先端側に配置されている請求項3に記載の梱包材。
【請求項5】
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズル内に形成される風路の断面積は、前記隙間ノズルの先端側に行くほど小さい請求項3に記載の梱包材。
【請求項6】
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズルには、先端側を切断可能な切断容易線が形成された請求項3に記載の梱包材。
【請求項7】
前記電気製品は、送風装置であり、
前記付属品は、吹出風向を調整する風向調整具である請求項1又は請求項2に記載の梱包材。
【請求項8】
前記電気製品は、前記組立状態の前記切離可能部からなる前記付属品が接続される接続部を備えた請求項1又は請求項2に記載の梱包材。
【請求項9】
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、
前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部は、前記外装箱から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【請求項10】
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、
前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、
前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
少なくとも掃除機本体を梱包する梱包体と、この梱包体に切り離し可能に設けられ、この梱包体から切り離して組み立てることにより掃除機本体の付属品となる付属体とを具備し、梱包体から切り離した付属体を筒状に湾曲させて当接させた両辺同士を粘着テープで止めることで、掃除機本体に取り付けられる隙間ノズルとするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような梱包材においては、梱包体から切り離した付属体を組み立てて電気掃除機の隙間ノズルとして使用するためには、粘着テープ等の粘着剤又は接着材が必要である。また、梱包体から段ボールからなる場合、筒状になるように均等に湾曲させることが困難であることがあり、組み立て後の形状が一定しない。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、粘着剤又は接着材を必要とすることなく安定した形状に容易に組み立てることができ、電気製品の付属品として使用可能である梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る梱包材は、被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、前記切離可能部は、前記外装箱から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である。
【0007】
あるいは、本開示に係る梱包材は、被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である。
【0008】
あるいは、本開示に係る梱包材は、被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である。
【0009】
あるいは、本開示に係る梱包材は、被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る梱包材によれば、粘着剤又は接着材を必要とすることなく安定した形状に容易に組み立てることができ、電気製品の付属品としても使用可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施の形態1に係る梱包材の緩衝材の要部を示す平面図である。
【
図3】実施の形態1に係る梱包材の電気製品の付属品の例を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る梱包材の電気製品の付属品の使用例を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る梱包材の電気製品の付属品の変形例を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る梱包材の電気製品の付属品の変形例を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る梱包材の電気製品及びその付属品の別例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示に係る梱包材を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0013】
実施の形態1.
図1から
図7を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。
図1は梱包材の斜視図である。
図2は梱包材の緩衝材の要部を示す平面図である。
図3は梱包材の電気製品の付属品の例を示す斜視図である。
図4は梱包材の電気製品の付属品の使用例を示す斜視図である。
図5及び
図6のそれぞれは梱包材の電気製品の付属品の変形例を示す斜視図である。
図7は梱包材の電気製品及びその付属品の別例を示す断面図である。
【0014】
この実施の形態に係る梱包材100は、
図1に示すように、外装箱110を備えている。外装箱110は、梱包材100の外殻を構成する部材である。外装箱110は、内部に被梱包物を収納可能な箱体である。被梱包物は、例えば、電子機器及び家電機器等の電気製品である。ここで説明する例では、被梱包物は掃除機スタンド10及び電気掃除機本体11である。なお、
図1では電気掃除機本体11は図示されていない。梱包した状態で外装箱110の外形は直方体状を呈する。すなわち、外装箱110の外形は、前後左右の4つの側面と、上面と、下面とを有する。外装箱110は例えば段ボールからなる。
【0015】
外装箱110の上面(天部)には、開口が形成されている。外装箱110の上面には、天部内フラップと天部外フラップとが設けられている。これらの天部側のフラップにより、外装箱110の上面の開口が開閉される。天部側のフラップにより外装箱110の上面の開口が閉じられた状態では、天部外フラップが外装箱110の外面に露出する一方、天部内フラップは天部外フラップより内側に配置され外装箱110の外面には露出しない。
【0016】
外装箱110の下面側(底部側)には、底部内フラップと底部外フラップとが設けられている。これらの底部側の内フラップ及び外フラップが閉じた状態で固定されることで、外装箱110の底が形成される。底部側のフラップが閉じられて外装箱110の底が形成された状態では、天部側と同様、底部外フラップが外装箱110の外面に露出する一方、底部内フラップは底部外フラップより内側に配置され外装箱110の外面には露出しない。
【0017】
梱包材100は、
図1に示すように緩衝材120を備えている。緩衝材120は、被梱包物である掃除機スタンド10等を衝撃等から保護するためのものである。緩衝材120は、被梱包物である掃除機スタンド10等とともに、外装箱110の内部に収納される。緩衝材120は、基本的に、外装箱110の内部において、被梱包物である掃除機スタンド10等と外装箱110の内壁面との間に配置される。緩衝材120は、例えば段ボールシートを折り曲げて箱状等の立体形状に組み立てることで構成されている。なお、梱包材100は、外装箱110及び緩衝材120の少なくともいずれかを備えていればよい。
【0018】
この実施の形態に係る梱包材100においては、
図2に示すように、緩衝材120は切離可能部200を備えている。切離可能部200は、緩衝材120の他の部分から切り離し可能である。例えば、切離可能部200の外縁に沿ってミシン目等の切断容易線が予め形成されており、この切断容易線により切離可能部200を緩衝材120から切り離すことができる。なお、切離可能部200は、外装箱110に設けられていてもよい。この場合、切離可能部200は、外装箱110の外面に露出しない部分、具体的に例えば、天部内フラップ、底部内フラップ等に設けるとよい。
【0019】
切離可能部200には、突出部201が設けられている。図示の例では、突出部201は、切離可能部200の一端から延出している。切離可能部200には、切込部202が形成されている。図示の例では、切込部202は、切離可能部200における突出部201が設けられた側とは反対側に形成されている。切込部202の長さは、例えば突出部201の幅と同等である。他に例えば、突出部201を先端ほど幅が狭くなるような台形状にし、切込部202の長さ突出部201の中間部分の幅寸法と同等にしてもよい。このようにすることで、後述するように突出部201を切込部202に差し込む際、突出部201が切込部202から抜けにくくできる。
【0020】
切離可能部200には、1つ以上の罫線203が予め設定されている。切離可能部200は、展開状態と組立状態の2つの状態をとり得る。展開状態は、切離可能部200が罫線203で折られておらず平板状になっている状態である。組立状態は、緩衝材120から切り離された切離可能部200が、罫線203で予め設定された向きに折られて組み立てられた状態である。切離可能部200を緩衝材120から切り離した上で罫線203で適切に折り曲げると、突出部201はちょうど切込部202の位置にくる。罫線203で適切に折り曲げた状態で突出部201を切込部202内に差し込むことで、切離可能部200は組立状態で維持される。
【0021】
この実施の形態に係る梱包材100においては、組立状態の切離可能部200は、被梱包物である電気製品に取り付けて付属品として使用可能である。
図3及び
図4に示す例では、組立状態の切離可能部200は、被梱包物である電気掃除機本体11に取り付けて隙間ノズル20として使用できる。
【0022】
以上のように構成された梱包材100によれば、緩衝材120又は外装箱110から切り離した切離可能部200を、予め設定された罫線203に沿って折り曲げ、突出部201を切込部202に差し込むことで、粘着テープ等の粘着剤及び接着剤を使用することなく、安定した形状に容易に組み立てて、電気製品の付属品として使用可能である。梱包材100を利用した付属品であれば、使用による汚損、破損、変形等を気にすることなく使用できる。例えば、電気掃除機本体11の隙間ノズル20として使用する場合、屋外、窓サッシ部等の比較的汚れている箇所に、切離可能部200を組み立てた隙間ノズル20を使用することで、通常の隙間ノズルと使い分けることができ、通常の隙間ノズルの清潔性向上等を図ることができる。また、組み立てに粘着テープ等の粘着剤及び接着剤を必要としないため、組立作業が容易であるだけでなく、テープの粘着力低下を気にすることなく使用できる。なお、切離可能部200を組み立てることで、隙間ノズル20としてではなく他の付属品、例えば、電気掃除機本体11のダストカップ等として使用できるようにしてもよい。
【0023】
切離可能部200を設ける箇所は、組み立て後の付属品のサイズ、付属品に必要な強度等を考慮して決定するとよい。例えば、掃除機スタンド10等の重みのある被梱包物に使用される緩衝材120、外装箱110であれば、これらの素材となる段ボールも厚みがあり頑丈であるため、強度及び耐久性が求められる付属品のための切離可能部200を設けるとよい。
【0024】
突出部201及び切込部202は、組立状態の切離可能部200である隙間ノズル20の先端側に配置するとよい。このようにすることで、隙間ノズル20の先端側に隙間が生じにくくすることができる。したがって、隙間ノズル20を使用した際の空気漏れを抑制し、吸引力向上を図ることが可能である。
【0025】
組立状態の切離可能部200である隙間ノズル20内に形成される風路の断面積は、隙間ノズル20の先端側に行くほど小さくなるようにするとよい。この場合、切離可能部200の厚みは一定で隙間ノズル20の先端側ほど細くなるテーパ-形状にしてもよいし、切離可能部200の厚みが隙間ノズル20の先端側ほど厚くなるようにしてもよい。このようにすることで、隙間ノズル20の先端部における吸引風の風速を速くして、吸引力向上を図ることが可能である。
【0026】
図5に示すように、組立状態の切離可能部200である隙間ノズル20には、1つ以上の切断容易線21が形成されていてもよい。この切断容易線21に沿って、隙間ノズル20の先端側を切断可能である。このようにすることで、隙間ノズル20の長さを容易に変更し、使用者が所望する長さで使用できる。また、使用により隙間ノズル20の先端が、汚損、破損、変形等した場合に、先端側を切り捨てることで、再度汚損等していない箇所が吸引口となるよう清潔性を保ちながら使用し続けることができる。
【0027】
なお、以上においては、突出部201を切込部202に差し込むことで切離可能部200を組立状態で維持したが、切離可能部200を組立状態で維持する手段はこれに限られない。他に例えば、
図6に示すようにリング状のバンド部材210を用いてもよい。この場合、切離可能部200は、緩衝材120又は外装箱110から切り離して、1つ以上の罫線203で折り曲げた状態で、外周からバンド部材210で締め付けられることで組立状態で維持される。このようにすることでも、粘着テープ等の粘着剤及び接着剤を使用することなく、切離可能部200を安定した形状に容易に組み立てて、電気製品の付属品として使用可能である。
【0028】
次に、この実施の形態に係る梱包材100の別例について、
図7を参照しながら説明する。同図に示す別例は、被梱包物である電気製品は空気清浄機30である。空気清浄機30は、送風装置の一例である。送風装置として他に例えば、空気調和機、除湿機、脱臭装置等が挙げられる。
【0029】
空気清浄機30は、
図7に示すように例えば床面設置型である。空気清浄機30は、ケーシング31、台座32、吸込口33、吹出口34、送風装置35、風路36、清浄化装置37、可動ルーバ38、ルーバ駆動部39等を備えている。
【0030】
ケーシング31は、例えば略四角形の角筒状に形成されている。ケーシング31は、部屋の床面に設置される台座32により水平方向に回転可能な状態で支持されている。ケーシング31の内部空間のうち、吸込口33から吹出口34に至る空間には、
図7に示すように、清浄化装置37、送風装置35及び風路36が上流から下流に向けて順に配置されている。
【0031】
なお、以下の説明では、ケーシング31の側面部のうち、主として室内の空間に面して配置される部分を正面部という。また、ケーシング31の側面部のうち、正面部と反対側の部分を背面部という。そして、ケーシング31の正面部が面した方向を前方という。また、前方からみたケーシング31の左右両側に対応する方向を左右方向という。さらに、場合によっては鉛直方向を上下方向という。
【0032】
空気清浄機30は、部屋のいずれかの壁に近い位置で床面上に設置される。そして、空気清浄機30は、ケーシング31の背面部を壁面に向け、ケーシング31の正面部を室内の空間に向けた状態で使用される。
【0033】
吸込口33は、室内の空気をケーシング31の内部に吸込むための開口部である。吸込口33は、例えばケーシング31の正面部に設けられている。吹出口34は、ケーシング31の内部に吸込まれた空気を外部に吹出すための開口部である。吹出口34は、例えばケーシング31の上面部に形成されている。吹出口34は、ケーシング31の左右方向に沿って平行に延びている。なお、以下の説明では、吹出口34から吹き出す空気を「吹き出し空気」という場合がある。
【0034】
送風装置35は、吸込口33からケーシング31の内部に空気を吸込んで当該空気を吹出口34から吹き出すものである。送風装置35は、ファン35aとモータ35bとを備えている。モータ35bは、ファン35aを回転させる電動機である。ケーシング31の内部には、
図7に示すように、例えば2個の送風装置35が前後方向に位置をずらした状態で、上下方向に並べて配置されている。
【0035】
また、ケーシング31の内部には、風路36が設けられている。風路36は、送風装置35と吹出口34とを接続し、送風装置35から吹き出された空気を吹出口34に案内する。風路36は、ケーシング31の内部に設けられた隔壁31aにより、正面側の第1風路と背面側の第2風路とに分割されている。第1風路と第2風路の2つの風路36は、ケーシング31の内部で上下方向に伸びており、例えば水平断面で見ると、前後方向に並列に配置されている。2つの風路36の下部側は、それぞれ異なる送風装置35に接続されている。また、2つの風路36のそれぞれの上部側は、吹出口34に接続されている。
【0036】
清浄化装置37は、ケーシング31の内部を通過する空気を清浄化するものである。清浄化装置37は、例えば吸込口33と送風装置35との間に設けられている。ここで、「清浄化」とは、例えば空気中に浮遊する塵埃、煙、花粉、ウィルス、カビ、菌、アレルゲン、臭気分子、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)等からなる汚染物質を除去することを意味している。したがって、「清浄化」とは、具体的には、これらの汚染物質を捕集、不活性化、吸着又は分解する動作のことである。
【0037】
ここでは、このような清浄化が可能な装置として、例えば空気中の塵埃等を捕集する集塵フィルタ、臭気成分を吸着する脱臭フィルタ、及び、電極に高電圧を印加することで汚染物質を除去及び分解する電圧印加デバイス等のいずれか、あるいは、これらの組み合わせにより清浄化装置37が構成されている。清浄化装置37は、通過する空気中から、臭気物質、塵埃、花粉、菌、ウィルス及びVOCの汚染物質のうちの1以上を除去して空気を浄化する空気浄化手段である。
【0038】
以上のように構成された空気清浄機30の作動時には、まず、送風装置35及び清浄化装置37が駆動される。これにより、ケーシング31の吸込口33から内部に空気が吸込まれ、この空気は、清浄化装置37により清浄化される。そして、清浄化された空気は、各送風装置35及び風路36を経由して吹出口34に到達し、吹出口34から外部に送風される。
【0039】
可動ルーバ38は、吹き出し空気の風向を上下方向に揺動させるものである。可動ルーバ38は、ケーシング31の吹出口34に設けられている。詳しく述べると、可動ルーバ38は、例えばケーシング31の左右方向に延在する細長い平板等により形成されている。そして、可動ルーバ38の基端側は、各吹出口34にそれぞれ設けられたルーバ駆動部39を介して吹出口34に取り付けられている。
【0040】
また、可動ルーバ38の先端側は、ルーバ駆動部39により上下方向に揺動可能となっている。可動ルーバ38は、吹出口34から吹き出す空気の風向を変更可能に構成されている。可動ルーバ38は、上下方向に揺動することにより、この揺動角に応じて吹き出し空気の風向を前方と上方との間で上下方向にスイングさせる。風向の仰角は、可動ルーバ38の仰角とほぼ等しい角度に変更される。なお、本明細書において、「仰角」とは、床面と平行な水平方向を基準として、上方に傾斜した角度を意味している。すなわち、仰角=0°は水平方向を表し、仰角=90°は鉛直方向の真上を表している。
【0041】
ルーバ駆動部39は、可動ルーバ38を揺動可能に支持する支軸と、この支軸を回転させるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。可動ルーバ38及びルーバ駆動部39は、吹き出し空気の風向を上下方向に変更することが可能な風向可変機構の具体例を構成している。
【0042】
整流機構38aは、可動ルーバ38により設定された風向の仰角を保持した状態で、当該風向を左右方向に調整するものである。整流機構38aは、例えば略三角形状(又は扇形状)のフィンにより形成される。整流機構38aを形成するフィンは、左右方向に間隔をもって複数個配置されている。そして、これらのフィンは、各可動ルーバ38の受風面側から突出するように設けられている。個々の整流機構38aは、左右方向に揺動し、当該揺動角に応じて吹き出し空気の風向を左右方向に変化させる。
【0043】
また、整流機構38aの揺動動作は、例えば可動ルーバ38に設けられた整流駆動部(図示せず)により実行される。すなわち、整流機構38a及び整流駆動部は、吹き出し空気の風向を左右方向に変更することが可能な風向可変機構の具体例を構成している。なお、必ずしも整流機構38aを設ける必要はない。また、整流機構38aは、例えば可動ルーバ38の左右両端側にのみ1個ずつ配置する構成としてもよい。
【0044】
以上のように構成された空気清浄機30では、可動ルーバ38の仰角を0°にすると、吹出口34がほぼ閉塞される。このため、吹出口34から水平方向に空気を吹き出すことが難しい。
【0045】
この実施の形態に係る梱包材100の別例においては、
図7に示すように、組立状態の切離可能部200は、被梱包物である空気清浄機30に取り付けて風向調整具40として使用可能である。図示の例では、風向調整具40は、下面が開放された箱状であり、前面に開口が形成されている。風向調整具40を空気清浄機30の上面に取り付けることで、吹出口34からの風は、風向調整具40内で風向が変えられて、風向調整具40の前面に形成された開口から吹き出す。このような風向調整具40によれば、吹出口34からの吹き出す空気の風向を水平方向にすることができる。
【0046】
被梱包物である電気製品は、組立状態の切離可能部200からなる付属品が接続される接続部を備えているとよい。これらの接続部は、組立状態の切離可能部200からなる付属品を容易に取り付けでき、かつ、取り付けられた付属品が容易には外れないような構造を有する。例えば、被梱包物である電気製品が電気掃除機本体11の場合、
図4に示すように、隙間ノズル20が接続される吸込口に、組立状態の切離可能部200からなる隙間ノズル20の接続に適した接続部50を設けるとよい。また、他に例えば、被梱包物である電気製品が空気清浄機30の場合、
図7に示すように、ケーシング31の上面に、組立状態の切離可能部200からなる風向調整具40の接続に適した接続部50を設けるとよい。このような接続部50を設けることで、組立状態の切離可能部200からなる付属品を使用する際の利便性を向上できる。
【0047】
なお、本開示においては、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態を任意に組み合わせてもよい。以下に、本開示の諸態様の例を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、
前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、
前記切離可能部は、前記外装箱から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
(付記2)
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、
前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、
前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部には、突出部が設けられるとともに切込部が形成され、
前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で前記突出部を前記切込部内に差し込むことで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
(付記3)
前記電気製品は、電気掃除機であり、
前記付属品は、隙間ノズルである付記1又は付記2に記載の梱包材。
(付記4)
前記突出部及び前記切込部は、
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズルの先端側に配置されている付記3に記載の梱包材。
(付記5)
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズル内に形成される風路の断面積は、前記隙間ノズルの先端側に行くほど小さい付記3又は付記4に記載の梱包材。
(付記6)
前記組立状態の前記切離可能部である前記隙間ノズルには、先端側を切断可能な切断容易線が形成された付記3から付記5のいずれか一項に記載の梱包材。
(付記7)
前記電気製品は、送風装置であり、
前記付属品は、吹出風向を調整する風向調整具である付記1又は付記2に記載の梱包材。
(付記8)
前記電気製品は、前記組立状態の前記切離可能部からなる前記付属品が接続される接続部を備えた付記1から付記7のいずれか一項に記載の梱包材。
(付記9)
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱を備え、
前記外装箱は、前記外装箱から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
(付記10)
被梱包物である電気製品を内部に収納する外装箱と、
前記外装箱の内部に前記被梱包物とともに収納される緩衝材と、を備え、
前記緩衝材は、前記緩衝材から切り離し可能に設けられた切離可能部を有し、
前記切離可能部は、前記緩衝材から切り離して、予め設定された1つ以上の罫線で折り曲げた状態で外周からバンド部材で締め付けられることで組立状態で維持され、
前記組立状態の前記切離可能部は、前記電気製品に取り付けて付属品として使用可能である梱包材。
【符号の説明】
【0048】
10 掃除機スタンド
11 電気掃除機本体
20 隙間ノズル
21 切断容易線
30 空気清浄機
31 ケーシング
31a 隔壁
32 台座
33 吸込口
34 吹出口
35 送風装置
35a ファン
35b モータ
36 風路
37 清浄化装置
38 可動ルーバ
38a 整流機構
39 ルーバ駆動部
40 風向調整具
50 接続部
100 梱包材
110 外装箱
120 緩衝材
200 切離可能部
201 突出部
202 切込部
203 罫線
210 バンド部材