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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147291
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】無線充電式給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20241008BHJP
   H01Q 21/29 20060101ALI20241008BHJP
   H01Q 9/26 20060101ALI20241008BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20241008BHJP
   H02J 50/27 20160101ALI20241008BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241008BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
H02J50/40
H01Q21/29
H01Q9/26
H02J50/20
H02J50/27
H02J7/00 302D
H01Q1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060213
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翼
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄生
(72)【発明者】
【氏名】婦木 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】酒井 智和
(72)【発明者】
【氏名】杉原 淳志
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲平
【テーマコード(参考)】
5G503
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB09
5J021AA02
5J021AA10
5J021AA11
5J021AB03
5J021HA06
5J046AA02
5J046AA04
5J046AB07
5J046AB10
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
【課題】アンテナの向きを機械的に変更することなく、様々な方向から送信される信号の受電能力を高めることができるようにした無線充電式給電装置を提供する。
【解決手段】無線給電式充電装置は、長方形状の基板62を備える。基板62の長手方向の両端部には、それぞれ、第1アンテナ70および第2アンテナ72が設けられている。第1アンテナ70および第2アンテナ72は、いずれもダイポールアンテナである。第1アンテナ70のエレメントの延びる方向と、第2アンテナ72のエレメントの延びる方向とは互いに直交している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体、基板、蓄電装置、および2つ以上のアンテナを備える無線充電式給電装置であって、
前記筐体は、前記基板、前記蓄電装置、および前記2つ以上のアンテナを収容しており、
前記基板には、前記アンテナが受電した電力を前記蓄電装置に充電する充電回路が実装されており、
前記2つ以上のアンテナは、第1アンテナおよび第2アンテナを含み、
前記第1アンテナの感度が最低な方向と前記第2アンテナの感度が最低な方向とが互いに異なる無線充電式給電装置。
【請求項2】
前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、いずれもダイポールアンテナであり、
前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、前記基板の長手方向に沿って配置されており、
前記第1アンテナのエレメントが延びる方向と、前記第2アンテナのエレメントが延びる方向とが互いに異なる請求項1記載の無線充電式給電装置。
【請求項3】
前記第1アンテナの前記エレメントが延びる方向と前記第2アンテナの前記エレメントが延びる方向とが直交している請求項2記載の無線充電式給電装置。
【請求項4】
前記第1アンテナの前記エレメントが延びる方向と前記第2アンテナの前記エレメントが延びる方向とは、いずれも前記基板の長手方向に直交している請求項2記載の無線充電式給電装置。
【請求項5】
第1同軸ケーブルおよび第2同軸ケーブルを備え、
前記第1アンテナは、前記第1同軸ケーブルを介して前記充電回路に接続されており、
前記第2アンテナは、前記第2同軸ケーブルを介して前記充電回路に接続されている請求項1記載の無線充電式給電装置。
【請求項6】
前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、いずれもフレキシブルプリント回路基板アンテナであり、
前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、前記筐体の内周に沿って配置されている請求項1記載の無線充電式給電装置。
【請求項7】
通信用アンテナ、および通信制御部を備え、
前記通信用アンテナは、前記無線充電式給電装置の外部からの電波を受信するとともに前記外部に電波を送信するように構成され、
前記通信制御部は、前記外部との通信を制御するように構成されている請求項1記載の無線充電式給電装置。
【請求項8】
前記無線充電式給電装置は、円柱形状を有して且つ、天面にプラス電極を備える一方、底面がマイナス電極となっている請求項1記載の無線充電式給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線充電式給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、単3型の無線充電式電池装置が記載されている。この装置は、内部にフレキシブル回路基板とともに回転する1つ以上のアンテナと、フレキシブル回路基板を自動的に回転させる空間コントローラと、を備える(段落「0065」~「0067」)。この装置では、空間コントローラによってフレキシブル回路基板を回転させることによって、アンテナを最適に配置することを狙っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6725531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記無線充電式電池装置は、内部に空間コントローラを備える必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
[態様1]筐体、基板、蓄電装置、および2つ以上のアンテナを備える無線充電式給電装置であって、前記筐体は、前記基板、前記蓄電装置、および前記2つ以上のアンテナを収容しており、前記基板には、前記アンテナが受電した電力を前記蓄電装置に充電する充電回路が実装されており、前記2つ以上のアンテナは、第1アンテナおよび第2アンテナを含み、前記第1アンテナの感度が最低な方向と前記第2アンテナの感度が最低な方向とが互いに異なる無線充電式給電装置である。
【0006】
上記構成では、第1アンテナの感度が最低な方向と第2アンテナの感度が最低な方向とが互いに異なる。そのため、無線充電式給電装置における第1アンテナの感度が最低な方向からの受電能力は、第2アンテナによって補償される。したがって、アンテナの向きを機械的に変更することなく、様々な方向から送信される信号の受電能力を高めることができる。
【0007】
[態様2]前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、いずれもダイポールアンテナであり、前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、前記基板の長手方向に沿って配置されており、前記第1アンテナのエレメントが延びる方向と、前記第2アンテナのエレメントが延びる方向とが互いに異なる上記1記載の無線充電式給電装置である。
【0008】
ダイポールアンテナは、エレメントの延びる方向によって、感度が最低な方向が変化する。そのため、第1アンテナのエレメントの延びる方向と、第2アンテナのエレメントの延びる方向とを異なるように配置することにより、第1アンテナの感度が最低な方向と第2アンテナの感度が最低な方向とを異ならせることができる。
【0009】
[態様3]前記第1アンテナの前記エレメントが延びる方向と前記第2アンテナの前記エレメントが延びる方向とが直交している上記2記載の無線充電式給電装置である。
上記構成では、第1アンテナのエレメントの延びる方向と、第2アンテナのエレメントの延びる方向とが直交している。そのため、第1アンテナのエレメントの延びる方向と、第2アンテナのエレメントの延びる方向とがわずかにずれる場合と比較すると、第1アンテナの感度が最低な方向と第2アンテナの感度が最低な方向とをより大きく異ならせることができる。したがって、無線充電式給電装置は、様々な方向において大きな利得をうることができる。
【0010】
[態様4]前記第1アンテナの前記エレメントが延びる方向と前記第2アンテナの前記エレメントが延びる方向とは、いずれも前記基板の長手方向に直交している上記2または3記載の無線充電式給電装置である。
【0011】
上記構成では、第1アンテナのエレメントの延びる方向と、第2アンテナのエレメントの延びる方向とを、いずれも基板の長手方向に直交させた。これにより、たとえば無線充電式給電装置の端子を基板の長手方向の両端部に配置する場合等において、端子と基板上の部品との接続が容易となる。
【0012】
[態様5]第1同軸ケーブルおよび第2同軸ケーブルを備え、前記第1アンテナは、前記第1同軸ケーブルを介して前記充電回路に接続されており、前記第2アンテナは、前記第2同軸ケーブルを介して前記充電回路に接続されている上記1~4のいずれか1つに記載の無線充電式給電装置である。
【0013】
上記構成によれば、第1アンテナと第2アンテナとを同一の同軸ケーブルによって充電回路と接続する場合と比較して、ノイズによる損失を削減できる。
[態様6]前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、いずれもフレキシブルプリント回路基板アンテナであり、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、前記筐体の内周に沿って配置されている上記1~5のいずれか1つに記載の無線充電式給電装置である。
【0014】
上記構成では、フレキシブルプリント回路基板アンテナを採用することにより、第1アンテナおよび第2アンテナを筐体の内周に沿って容易に変形させることができる。そのため、第1アンテナおよび第2アンテナを筐体内に容易に収容できる。
【0015】
[態様7]通信用アンテナ、および通信制御部を備え、前記通信用アンテナは、前記無線充電式給電装置の外部からの電波を受信するとともに前記外部に電波を送信するように構成され、前記通信制御部は、前記外部との通信を制御するように構成されている上記1~6のいずれか1つに記載の無線充電式給電装置である。
【0016】
上記構成では、無線充電式給電装置が外部と通信することが可能となる。
[態様8]前記無線充電式給電装置は、円柱形状を有して且つ、天面にプラス電極を備える一方、底面がマイナス電極となっている上記1~7のいずれか1つに記載の無線充電式給電装置である。
【0017】
上記構成では、無線充電式給電装置を、乾電池と同じ形状とすることが可能となる。そして寸法を併せることにより、乾電池と同一寸法および同一形状とすることも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
様々な方向から送信される信号の受電能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態にかかる無線充電式給電装置の構成を示すブロック図である。
図2】同実施形態にかかる無線充電式給電装置の構成を示す斜視図である。
図3】同実施形態にかかる無線充電式給電装置の側面図および断面図である。
図4】同実施形態にかかる無線充電式給電装置の分解斜視図である。
図5】同実施形態にかかる無線充電式給電装置の内部構成を示す平面図である。
図6】同実施形態にかかる無線充電式給電装置の基板およびアンテナの配置を示す斜視図である。
図7】同実施形態にかかる無線充電式給電装置のアンテナを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
「回路構成」
図1に、本実施形態にかかる無線充電式給電装置10の構成を示す。無線充電式給電装置10は、一対の受電アンテナである第1アンテナ70および第2アンテナ72と、通信用アンテナ14と、2次電池16と、受電回路20と、を備えている。
【0021】
第1アンテナ70および第2アンテナ72は、無線充電式給電装置10の外部から供給される電力を受電する。第1アンテナ70および第2アンテナ72によって受電された電力は、受電回路20に入力される。受電回路20は、整流回路20a、充電回路20b、制御回路20cおよび通信制御部20dを備えている。
【0022】
整流回路20aは、第1アンテナ70および第2アンテナ72によって受電された交流電力を、直流電力に変換する。充電回路20bは、整流回路20aから出力される直流電力を2次電池16に充電する。制御回路20cは、2次電池16への充電量を制御すべく、充電回路20bを操作する。
【0023】
通信制御部20dは、通信用アンテナ14を介して無線充電式給電装置10の外部と通信する。通信制御部20dは、一例として、無線充電式給電装置10の識別信号を通信用アンテナ14を介して外部に送信する。通信用アンテナ14は、一例として、2.4GHz帯のアンテナである。これにより、無線充電式給電装置10は、ビーコンとなる。識別信号を送信することにより、外部の電力供給装置が無線充電式給電装置10の存在を検知することが可能となる。同電力供給装置は、無線充電式給電装置10の存在を検知することを条件に、無線で電力を送信する。通信制御部20dは、さらに、電力供給装置と、電力の供給量に関する情報をやり取りするように構成されていてもよい。なお、通信制御部20dが採用する通信方式は、一例として、BLE(登録商標:Bluetooth Low Energy)である。
【0024】
2次電池16は、一例としてリチウムイオン2次電池である。
「レイアウト」
図2に、無線充電式給電装置10の外形を示す。無線充電式給電装置10は、乾電池と同一の形状を有する。特に、無線充電式給電装置10は、一例として、単3乾電池と同一形状、同一寸法を有する。すなわち、無線充電式給電装置10は、円柱状の部材である。無線充電式給電装置10は、円柱状の天面に、突起状のプラス電極40が設けられている。無線充電式給電装置10は、第1ハウジング30および第2ハウジング32によって区画された空間内に図1に示した部材を収容している。
【0025】
図3に、無線充電式給電装置10の側面図、および円柱状の天面および底面に関する正面図、およびA-A断面図を示す。図3に示すように、無線充電式給電装置10は、円柱状の天面に、プラス電極40が形成されており、底面にマイナス電極42が形成されている。
【0026】
図4に、無線充電式給電装置10の分解斜視図を示す。
図4に示すように、無線充電式給電装置10は、第1ハウジング30および第2ハウジング32によって区画された空間内に、シャーシ60を備えている。シャーシ60には、基板62が固定されている。また、シャーシ60の両端部には、第1アンテナ70および第2アンテナ72が設けられている。基板62と第1ハウジング30との間には、2次電池16が配置されている。
【0027】
図5は、基板62のうちの第2ハウジング32に対向する面である第1主面62aから基板62を見た図である。
図5に示すように、第1主面62a上には、基板62の長手方向に沿って、第1アンテナ70に接続される第1同軸ケーブル80と、第2アンテナ72に接続される同軸ケーブル82と、が延びている。また、基板62のうちの第1主面62aとは逆側の面である第2主面62b側からプラス電極40に繋がる電極ケーブル36と、マイナス電極42に繋がる電極ケーブル38とが延びている。
【0028】
図6に、第1アンテナ70および第2アンテナ72のレイアウトを示す。図6においては、長方形状の基板62の長手方向をz軸と記載している。また、基板62は、z軸およびy軸によって張られる平面に平行に記載している。
【0029】
図6に示すように、第1アンテナ70と第2アンテナ72とは、基板62の長手方向の両端部に設けられている。
第1アンテナ70および第2アンテナ72は、いずれもダイポールアンテナである。第1アンテナ70および第2アンテナ72は、いずれもフレキシブルプリント回路基板アンテナ(FPCアンテナ)である。図6には、第1ハウジング30および第2ハウジング32によって区画された空間に収容されている状態における第1アンテナ70および第2アンテナ72の形状を示している。そのため、第1アンテナ70および第2アンテナ72は、第1ハウジング30および第2ハウジング32の内周面に沿った形状となっている。これは、第1アンテナ70および第2アンテナ72がFPCアンテナであるために、可撓性を有するためである。すなわち、第1アンテナ70および第2アンテナ72は、第1ハウジング30および第2ハウジング32の内周面に沿った形状に変形可能である。
【0030】
第1アンテナ70の中央は、基板62の第1側面62cに配置されている。第1アンテナ70は、フラットな形状を有する場合、第1側面62cから第1主面62aおよび第2主面62bに直交する方向の両側に延びる。換言すれば、第1アンテナ70は、フラットな形状を有する場合、x軸の正の方向および負の方向に延びる。ただし、図6には、第1ハウジング30および第2ハウジング32によって区画された空間に収容されている状態における第1アンテナ70の状態を示している。その状態の第1アンテナ70は、第1側面62cから第1主面62aおよび第2主面62bと対向するように延びる。そして、第1アンテナ70は、アーチ形状を有する。
【0031】
第2アンテナ72の中央は、基板62の第1主面62aの短手方向の中央部に対向するようにして配置されている。第2アンテナ72は、フラットな形状を有する場合、第1主面62aの短手方向の中央部に対向する位置から第1主面62aの短手方向に沿って両側に延びる。換言すれば、第2アンテナ72は、フラットな形状を有する場合、y軸の正の方向および負の方向に延びる。図6には、第1ハウジング30および第2ハウジング32によって区画された空間に収容されている状態における第2アンテナ72の状態を示している。その場合の第2アンテナ72は、第1主面62aの短手方向の中央部に対向する位置から第2主面62bの短手方向に延びるにつれて第2主面62b側に接近する。そして、第2アンテナ72の端部は、基板62の第1側面62cおよび第2側面62dに対向する。そして、第2アンテナ72は、アーチ形状を有する。
【0032】
図7に、第1アンテナ70および第2アンテナ72の構成を示す。
図7に示すように、第1アンテナ70および第2アンテナ72は、フレキシブルプリント基板Fpに、エレメントEmのパターンが形成されたものである。エレメントEmは、導体である。エレメントEmは、一例として銅箔パターンである。第1アンテナ70および第2アンテナ72は、エレメントEmを介して電波が伝送される。
【0033】
図7に示すように、エレメントEmは、フラットな状態において、長方形形状に、T字型の切り欠きSLが設けられた形状を有する。エレメントEmは、フレキシブルプリント基板Fpの長手方向Dに沿って延びる。
【0034】
したがって、図6に示すように、無線充電式給電装置10に実装される場合、第1アンテナ70のエレメントEmの延びる方向と、第2アンテナ72のエレメントEmの延びる方向とは互いに直交する。詳しくは、第1アンテナ70の中央部におけるエレメントEmの延びる方向と、第2アンテナ72の中央部においてエレメントEmの延びる方向とが互いに直交する。
【0035】
「本実施形態の作用および効果」
無線充電式給電装置10は、一対のダイポールアンテナである第1アンテナ70および第2アンテナ72を備える。第1アンテナ70と第2アンテナ72とは、エレメントEmの延びる方向が互いに直交している。そのため、第1アンテナ70および第2アンテナ72は、無線充電式給電装置10において、感度が最低な方向が互いに異なる。したがって、第1アンテナ70の感度が最低な方向における受電性能は、第2アンテナ72によって補償される。また、第2アンテナ72の感度の最低な方向における受電性能は、第1アンテナ70によって補償される。
【0036】
ちなみに、一対のダイポールアンテナを備える場合において、それらのエレメントEmが延びる方向を同一として且つ、互いに指向性を逆とすることも考えられる。すなわち、たとえば図6のx軸の正方向の指向性を有したダイポールアンテナと、x軸の負方向の指向性を有したダイポールアンテナと、を備えることも考えられる。これにより、x軸の正方向の指向性を有したダイポールアンテナのみの場合と比較して、x軸の負方向における利得を高めることができる。ただし、その場合、図6のz軸の正方向等が低利得となる。
【0037】
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した態様の番号毎に、対応関係を示している。[1]蓄電装置は、2次電池16に対応する。[2]エレメントは、図7に例示されるエレメントEmに対応する。[3,4]図6において、第1アンテナ70のエレメントEmが中央から延びる方向がx軸方向であって且つ、第2アンテナ72のエレメントEmが中央から延びる方向がy軸方向であることに対応する。[5]図5に例示する構成に対応する。[6]図4および図6に示す構成に対応する。[7]図1に示した構成に対応する。[8]図3および図4に示した構成に対応する。
【0038】
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0039】
「蓄電装置について」
・2次電池としては、リチウムイオン2次電池に限らない。たとえば、ニッケル水素2次電池であってもよい。蓄電装置が2次電池であることは必須ではない。たとえばキャパシタであってもよい。
【0040】
「通信用アンテナについて」
・通信用アンテナ14の用途としては、無線充電式給電装置10をビーコンとして機能させる用途に限らない。たとえば無線充電式給電装置10の各時刻における放電電流のデータを送信する用途であってもよい。これにより、無線充電式給電装置10のユーザによる電力消費量と電力消費する時間帯とのデータを収集できる。
【0041】
・無線充電式給電装置10が通信用アンテナ14を備えることは必須ではない。
「基板について」
・基板の主面が長方形状であることは必須ではない。たとえば下記「無線充電式給電装置について」の欄に記載したように、無線充電式給電装置が乾電池の形状と異なる場合等には、筐体に長手方向が定義できない形状もあり得る。その場合、基板の形状を、正方形状とするなど、長手方向が定義できない形状としてもよい。
【0042】
「第1アンテナ70および第2アンテナ72のレイアウトについて」
図6には、第1アンテナ70の切り欠きSLを、z軸の負の方向に開口するように配置したが、これに限らない。たとえば、切り欠きSLをz軸の正の方向に開口するように配置してもよい。
【0043】
図6には、第2アンテナ72の切り欠きSLを、z軸の負の方向に開口するように配置したが、これに限らない。たとえば、切り欠きSLをz軸の正の方向に開口するように配置してもよい。
【0044】
・第1アンテナ70と第2アンテナ72とが、基板62の長手方向の両側に配置されることは必須ではない。たとえば基板62の長手方向の中央部に第1アンテナ70および第2アンテナ72を並べて配置してもよい。
【0045】
・上記「基板について」の欄に記載したように、基板に長手方向が定義できない場合、第1アンテナ70と第2アンテナ72とを、たとえば基板の1つの面の両端部に配置してもよい。
【0046】
・第1アンテナ70のエレメントEmが延びる方向と、第2アンテナ72のエレメントEmが延びる方向とを互いに直交する方向とすることは必須ではない。それら方向が互いに異なるもののそれら方向のなす角度が90°よりも小さい場合であっても、感度が最低な方向を互いに異ならせることができる。そのため、それらの方向を同一とする場合と比較すると、感度が最低な方向における感度が過度に低くなることを抑制できる。
【0047】
「2つ以上のアンテナについて」
・第1アンテナおよび第2アンテナの形状が、図7に例示した形状であることは必須ではない。
【0048】
・2つ以上のアンテナとしては、第1アンテナ70と第2アンテナ72とに限らない。たとえば、3つ以上のアンテナとしてもよい。具体的には、たとえば、図6に例示した構成において、エレメントEmが延びる方向がz軸方向となる第3アンテナを追加してもよい。なお、3つ以上のアンテナを備える場合、それら各アンテナからそれぞれ別の同軸ケーブルを介して整流回路20aに接続されることが望ましい。
【0049】
・3つ以上のアンテナを備える場合に、それら各アンテナのエレメントが延びる方向が互いに異なることは必須ではない。たとえば、4つのアンテナを備える場合において、それらが2つのグループに分かれて且つ、グループ同士でエレメントが延びる方向が異なるものの、同じグループ内ではエレメントが延びる方向が等しくてもよい。
【0050】
・2つ以上のアンテナが、いずれもフレキシブルプリント基板アンテナであることは必須ではない。
・2つ以上のアンテナが、ダイポールアンテナであることは必須ではない。
【0051】
「同軸ケーブルについて」
・アンテナと整流回路20aとを接続する同軸ケーブルを、アンテナ毎に各別に備えることは必須ではない。
【0052】
「無線充電式給電装置について」
・無線充電式給電装置10が、単3の乾電池と同一形状、同一寸法であることは必須ではない。たとえば、無線充電式給電装置10は、単1の乾電池と同一形状、同一寸法であってもよい。またたとえば、無線充電式給電装置10は、単2の乾電池と同一形状、同一寸法であってもよい。またたとえば、無線充電式給電装置10は、単4乾電池と同一形状、同一寸法であってもよい。
【0053】
・無線充電式給電装置としては、円柱形状の装置に限らない。たとえば、9Vの乾電池のように直方体形状の装置であってもよい。
・無線充電式給電装置が、乾電池と同一寸法、同一形状であることは必須ではない。
【符号の説明】
【0054】
10…無線充電式給電装置
14…通信用アンテナ
16…2次電池
20…受電回路
20a…整流回路
20b…充電回路
20c…制御回路
20d…通信制御部
22…通信用アンテナ
30…第1ハウジング
32…第2ハウジング
36,38…電極ケーブル
40…プラス電極
42…マイナス電極
62…基板
70…第1アンテナ
72…第2アンテナ
80,82…同軸ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7