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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147328
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】システム、端末、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20241008BHJP
【FI】
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060270
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中野 健史
(72)【発明者】
【氏名】阿部 誠也
(72)【発明者】
【氏名】須藤 智浩
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175GB05
5B175KA13
(57)【要約】
【課題】 権利管理システムには改善の余地があった。
【解決手段】
システムは、対象物を含むプレビュー画面を表示可能な表示部を備える端末と、データベースと、を備える。前記端末は、前記プレビュー画面に基づき、前記対象物を特定するための第1情報を前記サーバに送信し、前記データベースは、前記第1情報に基づき、前記対象物に紐づく権利を示す第2情報を前記端末に送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を含むプレビュー画面を表示可能な表示部を備える端末と、データベースと、を備えるシステムであって、
前記端末は、
前記プレビュー画面に基づき、前記対象物を特定するための第1情報を前記データベースに送信し、
前記データベースは、
前記第1情報に基づき、前記対象物に紐づく権利を示す第2情報を前記端末に送信する、
システム。
【請求項2】
前記データベースは、分散型データベースであり、
前記対象物を特定するための画像情報である識別情報をブロックチェーンシステムに基づき前記分散型データベースに登録し、
前記第1情報および前記識別情報に基づき、前記第2情報を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2情報は、ノンファジブルトークンとして前記分散型データベースに登録される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2情報は、前記対象物の著作権者を示す情報、又は前記対象物の撮影許可の有無を示す情報、を含む請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記端末は、
前記分散型データベースから受信した前記第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記端末は、
前記分散型データベースから受信した前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を記憶部に記憶させることを制限する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記端末は、
前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶することが許可されていないと判断すると、
前記対象物の視認性を下げるようにして、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることで制限する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末は、
前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることが許可されていないと判断すると、
前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させないようにして制限する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
表示部に表示されるプレビュー画面に基づいて前記プレビュー画面に含まれる対象物を特定するための第1情報を、通信部からデータベースに送信させる制御部を備える端末。
【請求項10】
前記プレビュー画面を取得するための撮像部をさらに備える、
請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記制御部は、
前記対象物に紐づく権利を示す第2情報を、前記データベースから前記通信部を介して取得すると、
前記第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させる請求項9又は10に記載の端末。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を記憶部に記憶させることを制限する請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶することが許可されていないと判断すると、
前記対象物の視認性を下げるようにして、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることで制限する、請求項12に記載の端末。
【請求項14】
前記制御部は、
前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶することが許可されていないと判断すると、
前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させないようにして制限する、請求項12に記載の端末。
【請求項15】
プレビュー画面を表示可能な表示部と、通信部と、を備える端末に実行させるためのプログラムであって、
前記端末に、
前記プレビュー画面に含まれる対象物を特定するための第1情報を前記通信部からサーバに送信させる処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、システム、端末、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置が再生装置において表示された認証用表示を撮像して認証用データを取得するとともに、コンテンツの権利データと認証要求を認証サーバ装置に送信し、認証サーバ装置が、当該認証要求に基づいて、前記再生装置に対して再生可能化データを送信する権利管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-259118
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような権利管理システムには改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、(1)システムは、対象物を含むプレビュー画面を表示可能な表示部を備える端末と、データベースと、を備えるシステムであって、前記端末は、前記プレビュー画面に基づき、前記対象物を特定するための第1情報を前記データベースに送信し、前記データベースは、前記第1情報に基づき、前記対象物に紐づく権利を示す第2情報を前記端末に送信する。
【0006】
(2)上記(1)の前記データベースは、分散型データベースであり、前記対象物を特定するための画像情報である識別情報をブロックチェーンシステムに基づき前記分散型データベースに登録し、前記第1情報および前記識別情報に基づき、前記第2情報を特定する。
【0007】
(3)上記(2)の前記第2情報は、ノンファジブルトークンとして前記分散型データベースに登録される。
【0008】
(4)上記(2)又は(3)の前記第2情報は、前記対象物の著作権者を示す情報、又は前記対象物の撮影許可の有無を示す情報、を含む。
【0009】
(5)上記(4)の前記端末は、前記分散型データベースから受信した前記第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させる。
【0010】
(6)上記(5)の前記端末は、前記分散型データベースから受信した前記第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させる。
【0011】
(7)上記(6)の前記端末は、前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶することが許可されていないと判断すると、前記対象物の視認性を下げるようにして、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることで制限する。
【0012】
(8)上記(6)の前記端末は、前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることが許可されていないと判断すると、前記対象物を含む画像を前記
記憶部に記憶させないようにして制限する。
【0013】
一実施形態において、(9)端末は、表示部に表示されるプレビュー画面に基づいて前記プレビュー画面に含まれる対象物を特定するための第1情報を、通信部からデータベースに送信させる制御部を備える。
【0014】
(10)上記(9)の前記端末は、前記プレビュー画面を取得するための撮像部をさらに備える。
【0015】
(11)上記(9)又は(10)の前記制御部は、前記対象物に紐づく権利を示す第2情報を、前記データベースから前記通信部を介して取得すると、前記第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させる。
【0016】
(12)上記(9)から(11)のいずれかの前記制御部は、前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を記憶部に記憶させることを制限する。
【0017】
(13)上記(12)の前記制御部は、前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることが許可されていないと判断すると、前記対象物の視認性を下げるようにして、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることで制限する。
【0018】
(14)上記(12)の前記制御部は、前記第2情報に基づき、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させることが許可されていないと判断すると、前記対象物を含む画像を前記記憶部に記憶させないようにして制限する。
【0019】
一実施形態において、(15)プログラムは、プレビュー画面を表示可能な表示部と、通信部と、を備える端末に実行させるためのプログラムであって、前記端末に、前記プレビュー画面に含まれる対象物を特定するための第1情報を前記通信部からサーバに送信させる処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る端末の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、一実施形態に係るノードの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係るノンファジブルトークンのデータの構造例を示す図である。
図6図6は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す図である。
図7図7は、一実施形態に係る端末の表示例を示す図である。
図8図8は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す図である。
図9図9は、一実施形態に係る端末の表示例を示す図である。
図10図10は、一実施形態に係る端末の表示例を示す図である。
図11図11は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す図である。
図12図12は、一実施形態に係る端末の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0022】
図1は、一実施形態に係るシステム100の構成例である。図1を参照しながら、システム100について説明する。
【0023】
図1に示すように、システム100は、端末110と、分散型データベース130とを有する。
【0024】
一実施形態に係る端末110は、例えば、スマートフォン端末又はタブレット端末のような端末とすることができる。しかしながら、表示装置はそのような端末に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ、又はヘッドマウントディスプレイ等のウエアラブル装置等であってもよい。
【0025】
一実施形態に係る分散型データベース130は、複数のノード131と、ピア・ツー・ピア・ネットワーク132とを備える。本実施形態において、端末110と分散型データベース130は、通信ネットワーク120を介して互いに情報を送受信することができる。また、複数のノード131は、それぞれブロックチェーンを格納する。
【0026】
図2は、一実施形態に係る端末110の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、端末110は、撮像部210と、通信部220と、入力部230と、表示部240と、記憶部250と、制御部260と、位置測位部270と、を有する。
【0028】
撮像部210は、可視光或いは赤外線のカメラを含んで構成されていてもよい。カメラは、撮像光学系及び撮像素子を含んで構成される。撮像光学系は、例えば、1個以上のレンズ及び絞りなどの光学部材を含む。レンズは、焦点距離に囚われずどのようなものであってもよく、例えば、一般的なレンズ、魚眼レンズを含む広角レンズまたは焦点距離が可変であるズームレンズであってもよい。撮像光学系は、被写体像を撮像素子の受光面に結像させる。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-OxideSemiconductor)イメージセンサ、FIR(Far Infrated Rays)カメラ等である。撮像素子は、受光面上に結像された被写体像を撮像して撮像画像を生成する。
【0029】
通信部220は、通信ネットワーク120を介して各種情報の送受信を行うように構成される。通信部220によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラー通信規格や、近距離無線の通信規格等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等がある。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)がある。通信部220は、有線接続により他の機器と通信してもよい。通信部220は、有線接続する場合、例えば、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信規格に準拠するインターフェースであってよい。
【0030】
入力部230は、ユーザの操作を受け付けて、受け付けた操作に応じた信号を制御部260に送出する。入力部230は、例えば、利用者の操作を受け付けるための1乃至複数のデバイスを有して構成される。デバイスには、例えば、キー、ボタン、タッチスクリーン等が含まれる。
【0031】
表示部240は、撮像部210又は制御部260から入力された信号に基づいて、文字、画像、図形等のオブジェクトを画面上に表示する。表示部115は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)、MEMS(Micro E
lectro Mechanical System)シャッターディスプレイ等の表示
パネルを有して構成される。
【0032】
記憶部250は、制御部260が実行するプログラム、制御部260が実行する処理に必要な情報、及び、制御部260が実行した結果得られた情報を記憶するように構成される。
【0033】
記憶部250は、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置の少なくとも何れかを含んでよい。半導体記憶装置は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)及びSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリ、ならびに、ROM(Read Only Memory)及びフラシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでよい。半導体記憶装置には、フラッシュメモリを用いたSSD(Solid State Drive)が含まれる。磁気記憶装置は、例えば、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等が含まれる。光記憶装置は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイ(Blu-ray(登録商標))等が含まれる。記憶部250は、制御プログラム等を記憶する。
【0034】
制御部260は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System-on-Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びコアプロセッサを含むが、これらに限定されない。また、制御部260は、GPU(Graphics Processing Unit)、VRAM(Video RAM)等を含む。制御部260は、複数の演算処理装置から構成されてよく、複数の演算処理装置の協働により、各種の制御を実行してもよい。
【0035】
制御部260は、端末110の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。制御部260は、入力部230が受け付けた入力に基づいて、各種操作を実行する。制御部260は、撮像部210又は入力部230が受け付けた入力に応じた出力を通信部220によって行ってもよい。
【0036】
制御部260は、プログラムを実行することにより、プログラムにより提供される機能を、制御部260による処理として実現する。
【0037】
位置測位部270は、端末110の位置を特定するため信号を受信するためのモジュールである。位置測位部270は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号受信機等の屋外測位用モジュール又はBeacon信号受信機、UWB(Ultra Wide Band)信号受信機等の屋内測位用モジュールを含んでよい。
【0038】
図3は、一実施形態に係るノード131の構成例を示すブロック図である。
【0039】
図3に示すように、ノード131は、通信部310と、記憶部320と、制御部330を有する。
【0040】
通信部310は、複数のノード131の間でピア・ツー・ピア・ネットワーク132を介して情報を送受信するように構成される。通信部310によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラー通信規格や、近距離無線の通信規格等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bl
uetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等がある。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)がある。通信部310は、有線接続により他の機器と通信してもよい。通信部310は、有線接続する場合、例えば、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信規格に準拠するインターフェースであってよい。
【0041】
記憶部320は、制御部330が実行するプログラム、制御部330が実行する処理に必要な情報、及び、制御部330が実行した結果得られた情報を記憶するように構成される。記憶部320は、例えば、著作物を特定するための識別情報と、著作物に紐づく権利を示す情報である第2情報を記憶してよい。著作物を特定するための識別情報は、例えば、著作物の画像データであってもよいし、当該著作物を示す文字データであってもよい。具体的に、当該著作物の画像データは、当該著作物の画像データから抽出した当該著作物に固有の画像的特徴量を示すデータを含んでもよい。当該著作物を示す文字データは、当該著作物の名前、又はID等の当該著作物に固有の識別子であってもよい。第2情報は、例えば、著作物の著作権者を示す情報、著作物の著作権者から複製を許可された人物を示す情報、著作物に対する撮影許可の有無を示す情報、又はこれらを組み合わせた情報を含んでよい。
【0042】
記憶部320は、ブロックチェーンに関連する情報を記憶する。記憶部320は、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置の少なくとも何れかを含んでよい。半導体記憶装置は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)及びSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリ、ならびに、ROM(Read Only Memory)及びフラシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでよい。半導体記憶装置には、フラッシュメモリを用いたSSD(Solid State Drive)が含まれる。磁気記憶装置は、例えば、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等が含まれる。光記憶装置は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイ(Blu-ray(登録商標))等が含まれる。
【0043】
制御部330は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System-on-Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びコアプロセッサを含むが、これらに限定されない。また、制御部330は、GPU(Graphics Processing Unit)、VRAM(Video RAM)等を含む。制御部330は、複数の演算処理装置から構成されてよく、複数の演算処理装置の協働により、各種の制御を実行してもよい。
【0044】
制御部330は、ノード131の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。制御部330は、識別情報及び第2情報を記憶部320に登録するとき、識別情報及び第2情報を含む新たなブロックの承認処理を実行する。承認処理は、例えば、いずれかのノードが、予め定められた条件を満たす解を発見する処理である。1台のノード131が新たなブロックを承認すると、当該ブロックがブロックチェーンに追加され、当該ブロックを含むブロックチェーンが他のノード131に共有される。
【0045】
一実施形態において、ピア・ツー・ピア・ネットワーク132は、有線接続によるネットワークであってもよく、無線接続のネットワークであってもよく、有線接続及び有線接続のネットワークの組み合わせであってもよい。ピア・ツー・ピア・ネットワーク132
は、無線通信網、インターネット及び専用回線の少なくとも一つ、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0046】
システム100において、著作物の著作者又著作権者から委託された管理会社が、識別情報及び第2情報を、ブロックチェーン技術を用いた分散型データベース130に予め登録する。識別情報と第2情報は、ビットコインなどの暗号通貨の取引にも使用されているブロックチェーン技術を利用して分散型データベース130に記憶される。すなわち分散型データベース130は、識別情報と第2情報をブロックチェーンとして記憶し、ピア・ツー・ピア・ネットワークに参加する複数のノードの間で当該ブロックチェーンを共有することにより、識別情報及び第2情報の正当性を担保している。ブロックチェーンは、時系列に連続する複数のブロックがチェーン状に繋がったデータである。。ブロックチェーン技術によれば、複数のブロックが過去の情報を保持した状態で追加されていくので、履歴の改竄が非常に困難になる。著作物とは具体的にアート作品であってよい。
【0047】
以下では、システム100の実施形態をいくつか説明する。なおシステム100の例示として、端末110のユーザが、著作物「A」及び「B」(例えば、絵画、彫像等の著作物)を端末110の撮像部210で撮影するケースを用いて説明するが、このケースに限定されない。
【0048】
一実施形態のシステムは、著作物を含むプレビュー画面を表示可能な表示部を備える端末と、データベースと、を備える。前記端末は、前記プレビュー画面に基づき、前記著作物を特定するための第1情報を前記データベースに送信する。前記データベースは、前記第1情報に基づき、前記著作物に紐づく権利を示す第2情報を前記端末に送信する。
【0049】
端末110は、カメラ機能が実行されると、撮像部210による被写界と対応するプレビュー画面を表示部240に表示する。ユーザは端末110が備える撮像部210を著作物に向け、著作物を含むプレビュー画面が表示部240に表示されている状態で撮影を指示する操作を行うと、当該著作物を撮影し、当該著作物を含む画像データを二次記憶として記憶部250に記憶することができる。
【0050】
図4は、一実施形態における管理システムの動作例を示す。また、以下では図7を適宜参照しながら、端末110の表示態様を補足して説明する。
【0051】
ステップS101において、端末110は、表示部240に、著作物「A」及び「B」を含むプレビュー画面を表示する。具体的に、端末110はカメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりプレビュー画面を表示部240に表示する。例えば、端末110は、図7Aに示すようなプレビュー画面を表示部240に表示する。なお端末
110は、プレビュー画面を表示部240に表示するために、プレビュー画面を、一次記憶として記憶部250に記憶し、所定のタイミングで記憶部250から破棄する。
【0052】
ステップS102において、端末110は、プレビュー画面に基づき、著作物「A」及び「B」を特定するための第1情報を分散型データベース130に通信部220を介して送信する。具体的に、端末110の制御部260は、プレビュー画面を既存の画像認識技術及び画像処理技術を利用して第1情報を生成する。第1情報は、画像データでもよいし、テキストデータでもよいし、又は、画像データおよびテキストデータの両方であってもよい。
【0053】
例えば、制御部260は、プレビュー画面に、絵画、又は彫像等の著作物が含まれるか否かを所定の画像認識技術により判別する。制御部260は、図7Aに示すように、プレビュー画面に著作物「A」及び「B」が含まれるとき、著作物「A」及び「B」を個別に
識別可能である。制御部260は、著作物「A」及び「B」に関する画像データを第1情報として生成してよい。画像データは、例えば、著作物「A」及び「B」が含まれるようにプレビュー画面から所定の範囲で単に切り抜いた画像データであってもよいし、著作物「A」及び「B」を特定するための画像的特徴量を示すデータであってもよい。
【0054】
また、制御部260は、著作物「A」及び「B」に関するテキストデータを第1情報として生成してよい。図7Aに示すプレビュー画面のように、プレビュー画面に、著作物「A」及び「B」の近傍に著作物に固有の識別子(例えば、図7Aにおいては、「作品名:A」及び「作品名:B」が固有の識別子に該当する。)が含まれる場合、制御部260は、プレビュー画面に基づき、著作物「A」及び「B」それぞれの固有の識別子を画像認識技術により識別し、著作物「A」及び「B」の当該固有の識別子をそれぞれ示すテキストデータを第1情報として生成する。著作物の固有の識別子は、例えば、著作物の名前又はID等であってもよく、或いは、著作物の名前又はID等がコード化されたもの(例えば、二次元コード等)であってもよい。
【0055】
ステップS103において、分散型データベース130は、端末110から受信した第1情報に基づき、当該第1情報に一致する識別情報が分散型データベース130に記憶されているか検索する。分散型データベース130は、複数のノード131と協働し、第1情報と一致する識別情報が分散型データベース130内に記憶されているか判断する。ずなわち、分散型データベース130は、第1情報と一致する識別情報(以下、第1識別情報ともいう)がある場合、第1識別情報の著作物を特定する。
【0056】
ステップS104において、分散型データベース130は、ステップS103で特定した著作物に対応する第2情報を端末110に送信する。なお、ステップS103において、著作物の第1情報と一致する識別情報が無い場合、分散型データベース130は、識別情報を記憶していない旨を示す情報を端末110に送信してもよい。
【0057】
なお、端末110は、分散型データベース130から、第2情報又は識別情報を記憶していない旨を示す情報を受信するまで、図7Bに例示するように、分散型データベース130が第2情報の有無を判定している旨の通知をプレビュー画面上に表示させてもよい。また端末110は、第2情報の有無を判定している旨の通知をプレビュー画面上に表示するとき、プレビュー画面から当該著作物を含む画像を二次記憶させることを制限する。例えば、端末110は、第2情報の有無を判定している旨の通知をプレビュー画面上に表示するとき、撮影操作をしても、著作物を含む画像を二次記憶させないようにして制限してもよい。端末110は、第2情報の有無を判定している旨の通知をプレビュー画面上に表示するとき、撮影操作を受け付けないようにして制限してもよい。端末110は、第2情報の有無を判定している旨の通知をプレビュー画面上に表示するとき、撮影操作を受け付けるためのソフトキーを表示部240に表示させないようにして制限してもよい。
【0058】
このようなシステムによれば、端末110のユーザは、端末110の撮像部210を著作物に向けることで、当該著作物に紐づく権利を示す情報を取得しうる。撮像部210による被写界に含まれる著作物に紐づく権利を示す情報を容易に取得しうるため、ユーザにとって利便性が向上しうる。なお、本実施形態において、著作物を特定するための識別情報と、当該著作物に紐づく権利を示す情報である第2情報と、を登録するデータベースとして分散型データベース130を例に挙げ説明したが、著作物を特定するための識別情報と、当該著作物に紐づく権利を示す情報と、を対応させて登録できるデータベースであればこれに限られない。また本実施形態において、識別情報及び第2情報を、いわゆるオンチェーン型のブロックチェーン技術を用いて分散型データベース130で管理する方法を用いて説明したが、識別情報の一部、又は全部をブロックチェーン外の外部記憶媒体に記憶させ、当該外部記憶媒体の識別情報の一部、又は全部のハッシュ情報を分散型データベ
ース130で記憶させる、いわゆるオフチェーン型のブロックチェーン技術を用いて識別情報及び第2情報を分散型データベース130で管理してもよい。
【0059】
一実施形態において、システムは、著作物を特定するための識別情報と、当該著作物に紐づく権利を示す情報とを含む第2情報が、ノンファジブルトークン(Non―Fungible Token、以下、単にNFTともいう)として、分散型データベースに登録されてよい。
【0060】
図5は、一実施形態に係るノンファジブルトークンのデータの構造例を示す図である。
【0061】
NFTは、インデックスデータ400、及びメタデータ500によって構成されていてよい。
【0062】
インデックスデータ400は、例えば、TokenID401、識別情報402、保有者ID403、TokenURL404、第2情報405、及び第2情報406を含む。
【0063】
具体的に、TokenID401は、NFTごとに割り振られる番号または識別子等であってよい。
【0064】
識別情報402は、上述の通り、著作物の画像データ又は著作物を示す文字データを含む。識別情報402が画像データであるとき、画像データの保存先のアドレス(例えば、画像データが保存されたサーバのURL)であってもよい。画像データを保存するサーバは分散型データベース130と異なるサーバ(外部記憶媒体)に保存されてもよい。すなわちサーバ(外部記憶媒体)はブロックチェーン技術を用いないサーバであってもよい。
【0065】
保有者ID403は、NFTの保有者を示す番号または文字情報等である。
【0066】
TokenURL404は、メタデータ500の保存場所を示す情報である。なおメタデータ500は、例えば、URL501、Name502、Description503及び購入者情報504を含む。具体的に、URL501は、インデックスデータ400の保存先のアドレスを示す情報、又は著作物の画像データの保存先を示すURLである。Name502は、著作物の名前を示す文字情報である。Description503は、著作物を説明する文字情報である。なお、メタデータ500は、記憶部320に記憶されてもよいし、分散型データベース130外のサーバ(外部記憶媒体)に記憶されてもよい。
【0067】
第2情報405は、著作物の著作権者を示す情報(例えば、著作権者ID)又は著作権者から複製が許可された人物を示す情報(例えば、個人ID)を含む。
【0068】
第2情報406は、著作物に対する撮影許可の有無を示す情報を含む。
【0069】
なお、インデックスデータ400は、少なくとも識別情報402と、第2情報405又は第2情報406と、を含めばよい。また、本実施形態において、インデックスデータ400に、識別情報(401)及び第2情報(405及び406)が一体にデータ化された一例を示したが、識別情報(401)及び第2情報(405及び406)が別々のデータとし、各データを相互に紐づけて管理してもよい。
【0070】
一実施形態において、端末は、分散型データベースから受信した第2情報に基づき、通知情報を前記表示部に表示させてよい。
【0071】
図6は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す。
【0072】
図6のステップS101-ステップS104は図4の説明と重複するため、説明は省略する。
【0073】
ステップS201において、端末110は、分散型データベース130に第2情報があるか否か判断する。具体的に、制御部260は、分散型データベース130から第2情報を取得した場合、ステップS202に進む。一方で、制御部260は、分散型データベース130から第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を取得した場合、分散型データベース130に第2情報がないと判断し、処理を終了する。
【0074】
ステップS202において、端末110は、分散型データベース130から取得した第2情報に基づいて、表示部240に通知情報を表示する。
【0075】
例えば、第2情報に、著作物の著作権者を示す情報(例えば、著作権者ID)又は著作権者から複製が許可された人物を示す情報(例えば、個人ID)が含まれる場合、制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致するか否か判定してよい。制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致しない場合、プレビュー画面の著作物が撮影禁止の可能性がある旨を示す画像を前記通知情報として表示部240に表示させる。制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致する場合、プレビュー画面の著作物を撮影してよい旨を示す画像を前記通知情報として表示部240に表示させてもよいし、前記通知情報を表示部240に表示させなくともよい。
【0076】
例えば、第2情報に、著作物に対する撮影許可の有無を示す情報が含まれる場合、制御部260は、著作物に対する撮影許可が有るか否かを判定してよい。制御部260は、著作物に対する撮影許可が無いと判定する場合、プレビュー画面の著作物が撮影禁止の可能性がある旨を示す画像を前記通知情報として表示部240に表示させる。制御部260は、著作物に対する撮影許可が有ると判定する場合、プレビュー画面の著作物を撮影してよい旨を示す画像を前記通知情報として表示部240に表示させてもよいし、前記通知情報を表示部240に表示させなくともよい。
【0077】
例えば、端末110は、著作物A401に対応する第2情報として、撮影許可が無いことを示す情報を、著作物B402に対応する第2情報として、撮影許可が有ることを示す情報を、分散型データベース130から取得する場合、図7Cに示すように、著作物「A」が撮影禁止である旨を示す通知情報403を表示する。通知情報は、アイコンであってもよいし文字であってよい。
【0078】
なお端末110は、振動部及びスピーカの少なくとも一つを備えていてよい。端末110は、第2情報に基づいて、表示部240に通知情報を表示するとともにき、振動部を振動させる、又はスピーカから警告音を出力する、或いは、その両方をしてもよい。
【0079】
このようなシステムによれば、端末110は、撮像部210によるプレビュー画面に含まれる著作物が撮影可能か否かをユーザに通知するため、ユーザが著作物を不正に撮影してしまうことを防ぎうる。また、このようなシステムによれば、端末110は、著作物が不正に複製され、著作権者の権利が侵害されることを防ぎうる。
【0080】
一実施形態において、端末は、分散型データベースから受信した第2情報に基づき、前記著作物を含む画像として記憶部に記憶することを制限してよい。
【0081】
図8は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す。
【0082】
図8のステップS101-ステップS104は図4の説明と重複するため、説明は省略する。
【0083】
ステップS301において、端末110は、分散型データベース130に第2情報があるか否か判断する。具体的に、端末110は、分散型データベース130から第2情報を取得した場合、ステップS302に進む。一方で、制御部260は、分散型データベース130から第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を取得した場合、分散型データベース130に第2情報がないと判断し、ステップS304に進む。
【0084】
ステップS302において、端末110は、第2情報に基づき、著作物に対する撮影許可の有無を示す情報が含まれているか否かを判断する。言い換えれば、端末110は、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されているか否か判断する。端末110は、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていると判断すると、ステップS303に進む。又、端末110は、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていないと判断すると、ステップS304に進む。
【0085】
例えば、第2情報に、著作物の著作権者を示す情報(例えば、著作権者ID)又は著作権者から複製が許可された人物を示す情報(例えば、個人ID)が含まれる場合、制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致するか否か判定してよい。制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致しない場合、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていると判断する。制御部260は、端末110を使用するユーザのIDと、著作権者ID又は個人IDと、が一致する場合、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていないと判断する。
【0086】
例えば、第2情報に、著作物に対する撮影許可の有無を示す情報が含まれる場合、制御部260は、著作物に対する撮影許可が有るか否かを判定してよい。制御部260は、著作物に対する撮影許可が無いと判定する場合、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていると判断する。制御部260は、著作物に対する撮影許可が有ると判定する場合、著作物を含む画像を記憶部250に記憶することが制限されていないと判断する。
【0087】
ステップS303において、端末110は、分散型データベース130から取得した第2情報に基づいて、プレビュー画面の著作物が撮影禁止の可能性がある旨を示す画像を通知情報として表示部240に表示させ、ステップS305に進む。
【0088】
例えば、端末110は、著作物「A」に対応する第2情報として、撮影許可が無いことを示す情報を分散型データベース130から取得する場合、図7Cに示すように、著作物「A」が撮影禁止である旨を示す通知情報403を表示する。通知情報は、アイコンであってもよいし文字であってよい。
【0089】
ステップS304において、端末110は、著作物を含むプレビュー画面を表示部240に表示するとき、撮影機能を制限しない。
【0090】
例えば、端末110は、著作物を含むプレビュー画面が表示部240に表示されている状態で撮影を指示する操作を受け付けると、著作物を含む画像を二次記憶として記憶部250に記憶させることを許可するように制御してよい。すなわち、端末110は、著作物を含む画像を二次記憶として記憶部250に記憶させる機能を制限しない。
【0091】
ステップS305において、端末110は、著作物を含むプレビュー画面を表示部240に表示するとき、撮影機能を制限する。
【0092】
例えば、端末110は、著作物を含むプレビュー画面が表示部240に表示されている状態で撮影を指示する操作を受け付けても、著作物を含む画像を二次記憶として記憶部250に記憶させることを許可しないように制御してよい。端末110は、撮影を指示する操作を受け付けるためのソフト又はハードボタンを無効化することで、著作物を含む画像を二次記憶として記憶部250に記憶させることを許可しないように制御してよい。
【0093】
例えば、端末110は、著作物を含むプレビュー画面が表示部240に表示されている状態で撮影を指示する操作を受け付けると、著作物を含む画像に対し、著作物の視認性を下げる画像処理を実行し、当該画像処理が施された画像を二次記憶として記憶部250に記憶させてよい。前記画像処理のいくつかの例を図9及び10を用いて説明する。
【0094】
一例の端末110は、ステップS302において、著作物A401に対応する第2情報として、撮影許可が無いことを示す情報を、著作物B402に対応する第2情報として、撮影許可が有ることを示す情報を、分散型データベース130から取得する場合、図9Aに示すようにプレビュー画面のうち著作物A401を削除する処理を実行する。そして、端末110は、ユーザから撮影を指示する操作を受け付けると、ステップS305において、図9Bに示すように、プレビュー画面のうち著作物A401が削除された画像を二次記憶として記憶部250に記憶させる。なお、端末110は、プレビュー画面では著作物A401を削除せず、ユーザから撮影を指示する操作を受け付けた後に、著作物A401を削除する画像処理を実行し、著作物A401が削除された画像を二次記憶として記憶部250に記憶させてもよい。
【0095】
一例の端末110は、ステップS302において、著作物A401に対応する第2情報として、撮影許可が無いことを示す情報を、著作物B402に対応する第2情報として、撮影許可が無いことを示す情報を、分散型データベース130から取得する場合、図10Aに示すようにプレビュー画面のうち著作物A401及び著作物B402のそれぞれの近傍に撮影禁止の旨を示す通知情報403を表示させる。そして、端末110は、ユーザから撮影を指示する操作を受け付けると、ステップS305において、図10Bに示す画像となるように著作物A401及び著作物B402のそれぞれにハッチング処理を実行し施した画像を二次記憶として記憶部250に記憶させる。
【0096】
なお、著作物A401及び著作物B402のそれぞれに視認性を下げるための画像処理を実行するとき、著作物A401に施される画像処理と、著作物B402に施される画像処理と、は異なるものであってもよい。例えば、図10Bに示す画像のように、著作物A401に施されるハッチングの模様と、著作物B402に施されるハッチングの模様と、を異ならせてよい。
【0097】
また、図9及び図10の例の他に、視認性を下げるための画像処理は、著作物A401が判別しにくいよう著作物上に所定の画像をオーバレイさせる処理、或いは著作物にモザイク処理を施す処理でもよいが、これらに限定されない。
【0098】
このようなシステムによれば、所定の対象物が、撮影行為等により複製されることを防ぎやすくなる。
【0099】
ここで、著作物を撮影する端末110の角度によっては、端末110のプレビュー画面に著作物が含まれているにも関わらず、分散型データベース130が当該著作物を識別で
きない、或いは誤って識別するケースも想定される。
【0100】
このようなケースを鑑み、以下では、端末110のユーザが、意図せず撮影が許可されていない著作物を撮影してしまうことを低減させるシステム100の一例を記載する。
【0101】
一実施形態において、端末は、第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を分散型データベースから取得したとき、撮影機能を制限してもよい。
【0102】
図11は、一実施形態に係るシステムの動作例を示す。
【0103】
図11のステップS101-ステップS104は図4の説明と重複するため、説明は省略する。図11のステップS302-305は図8の説明と重複するため、説明は省略する。
【0104】
ステップS401において、端末110は、分散型データベース130に第2情報があるか否か判断する。具体的に、制御部260は、分散型データベース130から第2情報を取得した場合、ステップS302に進む。一方で、端末110は、分散型データベース130から第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を取得した場合、分散型データベース130に第2情報がないと判断し、ステップS305に進む。なお、ステップS305において、端末110は、撮影機能を制限するとき、表示部240に、端末110の向きを変更して撮像することを促す通知情報を表示してもよい。ステップS305において、端末110は、撮影機能を制限するとき、表示部240に、撮影が禁止されているか否か判断できないことを通知する通知情報を表示してもよい。
【0105】
図11で説明したシステムの制御の一例は、博物館、美術館、又は個展等のイベントの開催場所のように、著作物の撮影行為を厳密に制限したいエリアにおいて特に有効である一方で、著作物の撮影行為を厳密に制限したくないエリアにおいては必ずしも有効でないケースも想定される。
【0106】
このようなケースを鑑み、以下では、端末110のユーザが、特定のエリアにおいて、意図せず撮影が許可されていない著作物を撮影してしまうことを低減させるシステム100の一例を記載する。
【0107】
一実施形態において、端末は、当該端末の現在位置が所定のエリア内であるとき、第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を分散型データベースから取得すると撮影機能を制限し、端末の現在位置が所定のエリア外であるとき第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を分散型データベースから取得すると撮影機能を制限しない。
【0108】
図12は、一実施形態に係る端末の動作例を示す。
【0109】
ステップS501において、端末110は、位置測位部270を介して受信した信号に基づき端末110の現在位置を測位し、ステップS502に進む。
【0110】
ステップS502において、端末110は、所定のエリア内であると判断すると、図11に例示する制御を実行する。端末110は、所定のエリア外であると判断すると、図8に例示する制御を実行する。
【0111】
なお、ステップS501の位置測位は周期的に実行し、位置測位毎にステップS502を実行してもよい。
【0112】
すなわち、本実施形態の端末110は、端末110の現在位置が所定のエリア内であるとき、第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を分散型データベース130から取得すると撮影機能を制限する。一方で、端末110は、端末110の現在位置が所定のエリア外であるとき、第1情報と一致する識別情報が無い旨を示す情報を分散型データベース130から取得すると撮影機能を制限しない。
【0113】
以上の実施形態において、分散型データベース130が行う処理を、端末110が分散型データベース130に実行させるように制御してよい。また、端末110が行う処理を、分散型データベース130が端末110に実行させるように制御してよい。
【0114】
また、実施形態において、対象物を「著作物」として説明したが、対象物は、本願の出願国における著作権法上の著作物である必要はなく、対象物は、所定の風景、人物、又は動物等であってもよい。
【0115】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1情報は、第2情報と識別子である「第1」又は「第2」を交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0116】
端末110又は分散型データベース130が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記憶されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記憶されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記憶媒体であってもよい。非一過性の記憶媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0117】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
100 :管理システム
110 :携帯端末
120 :通信ネットワーク
130 :分散型データベース
131 :ノード
132 :ピア・ツー・ピア・ネットワーク
210 :撮像部
220 :通信部
230 :入力部
240 :記憶部
250 :制御部
310 :通信部
320 :記憶部
330 :制御部
401 :著作物「A」
402 :著作物「B」
403 :撮影禁止の旨を示すアイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12