(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147345
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241008BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241008BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
G06T7/00 350B
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060296
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・ファウスティノーリオ
(72)【発明者】
【氏名】セスナ・ウェスリー・ベラルミーノ
(72)【発明者】
【氏名】ザリーナ・ミア・サラゴサ
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5L096
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061BB10
2C061CH03
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ36
2C061HH03
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK03
2C061HK07
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC58
5C062AF14
5L096BA07
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】印刷用紙の選択におけるユーザー負担を軽減する。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷用紙に画像を形成する画像形成部12と、印刷対象の文書である印刷対象文書の画像データを取得するデータ取得部(原稿読取部5)と、画像形成部12を制御し、データ取得部により取得された画像データに基づいて、印刷用紙に画像を形成させる制御部100と、文書の特性と、文書種別との関係を学習した学習済モデルを用いて、データ取得部により取得された画像データに基づいて、印刷対象文書の文書種別を特定し、文書種別ごとに予め定められた用紙種情報に基づいて、印刷対象文書に応じた用紙種を決定する処理部101と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用紙に画像を形成する画像形成部と、
印刷対象の文書である印刷対象文書の画像データを取得するデータ取得部と、
前記画像形成部を制御し、前記データ取得部により取得された前記画像データに基づいて、前記印刷用紙に画像を形成させる制御部と、
前記データ取得部により取得された前記画像データに基づいて、前記印刷対象文書の文書種別を特定し、前記文書種別ごとに予め定められた用紙種情報を判定して、前記印刷対象文書に対応する前記用紙種を決定する処理部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記文書の特性と、文書種別との関係を学習した学習済モデルを用いて、前記データ取得部により取得された前記画像データに基づいて、前記印刷対象文書の前記文書種別を特定すると共に、更に、前記画像データに基づいて、前記文書種別以外の前記印刷対象文書の特性を抽出し、前記文書種別と前記特性との組み合わせごとに予め定められた用紙種情報に基づいて、前記印刷対象文書に応じた前記用紙種を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記文書種別以外の前記印刷対象文書の特性として、前記印刷対象文書の地肌情報及び前記印刷対象文書に含まれる固有表現情報のうちの少なくとも1つを有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理部は、文書の特性と、文書種別との関係を学習した学習済モデルを用いて、前記印刷対象文書に応じた前記用紙種を決定する処理を行う、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
表示部と、
ユーザーによる操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記制御部は、前記処理部が決定した前記用紙種を前記表示部に表示させ、前記操作部がユーザーからの許可を受け付けると、前記用紙種を前記印刷対象文書についての用紙種として設定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、原稿を読み取る原稿読取部である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、例えば、文書をスキャンし、スキャンにより得られた画像データに基づいて、当該画像データが示す画像を印刷用紙に形成して文書のコピーを行う。文書のコピーを元の文書に近い状態として行うには、画質調整や印刷用紙の搬送などが重要である。文書のコピーを元の文書に近い状態として行う技術として、下記特許文献1には、画像のトリミングについて記載されている。また、下記特許文献2には、印刷用紙についてその搬送方向と直交する幅方向の長さを検出して用紙搬送を適切に行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10803350号明細書
【特許文献2】米国特許第9211734号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文書のコピーを元の文書に近い状態で行うには、画質調整や印刷用紙の搬送だけでなく、更に印刷用紙の選択が重要である。一般的には、印刷に用いる用紙は、ユーザーが自身で最適な用紙種を判断して設定するが、印刷用紙は文書の内容及び利用目的等によって適したものを選択すべきであり、用紙種の選択作業はユーザーにとって負担になる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、印刷用紙を選択する際のユーザー負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、印刷用紙に画像を形成する画像形成部と、印刷対象の文書である印刷対象文書の画像データを取得するデータ取得部と、前記画像形成部を制御し、前記データ取得部により取得された前記画像データに基づいて、前記印刷用紙に画像を形成させる制御部と、前記データ取得部により取得された前記画像データに基づいて、前記印刷対象文書の文書種別を特定し、前記文書種別ごとに予め定められた用紙種情報を判定して、前記印刷対象文書に対応する前記用紙種を決定する処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、用紙種が印刷対象文書の文書種別に応じて決定されるので、印刷用紙を選択する際のユーザー負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図3】画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0010】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶部8を含んで構成されている。なお、原稿読取部5は、特許請求の範囲におけるデータ取得部の一例である。
【0011】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、図略のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。また、原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる自動原稿送り装置であり、原稿載置トレイ61を備え、原稿載置トレイ61に載置された原稿を原稿読取部5へ1枚ずつ供給する。
【0012】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は上記プラテンガラス上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0013】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワーク接続された外部装置(例えば、パソコン)としてのコンピューターから受信した印刷データに基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0014】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイ151に排出される。給紙部14は、複数の給紙カセット141を備える。
【0015】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47は、表示部473が有するタッチパネルを介して、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)や物理キーに対するユーザーによる操作に基づく、ユーザーからの指示の入力を受け付ける。
【0016】
表示部473は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる。表示部473は、タッチパネルを備えている。操作者は画面表示されるボタンやキーに触れる操作を行うと、タッチパネルにより、タッチ操作された位置に対応付けられた指示が受け付けられる。
【0017】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置と種々のデータの送受信を行う通信インターフェイスである。
【0018】
記憶部8は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置であり、各種のプログラム等を記憶する。
【0019】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、処理部101とを備えている。
【0020】
制御ユニット10は、記憶部8に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100及び処理部101として機能するものである。但し、これら制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0021】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶部8と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、画像形成部12を制御し、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいて、印刷用紙に画像を形成させる。
【0022】
処理部101は、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいて、印刷対象文書の文書種別を特定し、文書種別ごとに予め定められた用紙種情報に基づいて、印刷対象文書に応じた用紙種を決定する。本実施形態では、処理部101は、文書の特性と、文書種別との関係を学習した学習済モデルMを用いて、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいた、上記文書種別の特定と、上記文書種別ごとの用紙種情報に基づいた用紙種の決定とを行う。なお、処理部101が、学習済モデルMによらず、上記制御プログラムが有する機能によって、上述の原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいた、上記文書種別の特定と、上記文書種別ごとの用紙種情報に基づいた用紙種の決定とを行うことも可能である。
【0023】
文書種別は、例えば、ID(身分証明書)、School Papers(論文)、School Diploma(卒業証書)、Flyers(チラシ)、Magazine(雑誌)、Brochure(パンフレット)、Envelopes(封筒)、Cards(カード)、Newspapers(新聞)、及びPictures(写真)等である。用紙種は、例えば、Plain(普通紙)、Transparency(OHPフィルム)、Rough(コミック紙)、Vellum(羊皮紙)、Recycled(再生紙)、Preprinted(事前印刷用紙)、Bond(ボンド紙)、Cardstock(カードストック)、Color(色紙)、Prepunched(穴あき用紙)、Letterhead(レターヘッド付き用紙)、Envelope(封筒)、Thick(厚紙)、及びHigh Quality(上質紙)等である。本実施形態では、文書種別及び用紙種として、これらの例を採用する場合を説明する。
【0024】
学習済モデルMを作成するには、人工知能(AI)を活用した機械学習を利用する。機械学習には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)がある。畳み込みニューラルネットワークは、画像から特徴量を抽出する。また、畳み込みニューラルネットワークを自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)に利用することで、文書の分類を行うことも可能とである。
【0025】
例えば、パーソナルコンピューター上で畳み込みニューラルネットワークの処理を実行し、文書の特性を見つけて学習済モデルMを作成する。そして、パーソナルコンピューター上で作成された学習済モデルMを、画像形成装置1の記憶部8に保存する。ここで、文書の特性とは、例えば、文書中の画像又は文書に含まれる文字情報が示す内容等である。
【0026】
処理部101は、例えば、記憶部8に記憶されている上記学習済モデルMを用いて、印刷対象文書の文書種別を「論文」と特定すると、それに対応付けられた用紙種として「普通紙」と決定し、或いは、印刷対象文書の文書種別を「新聞」と特定すると、それに対応付けられた用紙種として「再生紙」を決定し、或いは、印刷対象文書の文書種別を「卒業証書」と特定すると、それに対応付けられた用紙種として「羊皮紙」を決定する。
【0027】
なお、処理部101又は学習モデルMが、印刷対象文書の文書種別を特定する手法としては、例えば、(i)印刷対象文書を示す画像と、文書種別毎に定められたそれぞれの文書種別画像とをパターンマッチング等により比較し、同一と判定される文書種別画像がある場合に、当該文書種別画像が示す文書種別を、印刷対象文書の文書種別として判定する手法、(ii)印刷対象文書を示す画像に含まれる文字画像を例えばOCR(Optical Character Recognition)技術によりテキストデータに変換し、当該テキストデータに、各文書種別に対応付けられた単語が存在する場合に、当該単語に対応付けられた文書種別を、印刷対象文書の文書種別として判定する手法、或いは(iii) (i)及び(ii)の両方を用いて特定する手法を採用する。これは単に一例であり、処理部101又は学習モデルMによる文書種別の特定手法を当該例に限定する趣旨ではない。
【0028】
制御部100は、処理部101が決定した用紙種を表示部473に表示させ、ユーザーによる操作部47の操作で操作部47が当該用紙種を許可する指示を受け付けた場合に、当該用紙種を印刷対象文書の印刷に用いる用紙種として設定する。
【0029】
次に、画像形成装置1における制御ユニット10で行われる処理の一例について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、例えば、操作部47が、原稿載置トレイ61又は上記プラテンガラスに載置されている印刷対象文書に対する、ユーザーからのコピー実行指示を受け付けたときに行われる処理である。
【0030】
制御部100は、操作部47がユーザーからの上記コピー実行指示を受け付けたとき、原稿載置トレイ61又は上記プラテンガラスに載置されている印刷対象文書としての原稿を原稿読取部5に読み取らせ(S1)、当該原稿の読取で生成された画像データを取得する。
【0031】
続いて、処理部101は、学習済モデルMを用いて、原稿読取部5による読み取りで得られた上記画像データに基づいて、印刷対象文書の文書種別を特定し(S2)、文書種別ごとに予め定められた用紙種情報に基づいて、当該特定した文書種別に対応する用紙種別を判定する(S3)。すなわち、処理部101は、印刷対象文書に対応する用紙種別を判定する。
【0032】
そして、制御部100は、処理部101が決定した用紙種を印刷用紙に設定することを許可するか否かの指示の入力をユーザーに促すメッセージを表示部473に表示させる(S4)。ここで、操作部47がユーザーから許可の指示を受け付けた場合(S5でYES)、制御部100は、処理部101が決定した用紙種を印刷対象文書の印刷に用いる印刷用紙に設定し(S6)、画像形成部12等を制御して、原稿読取部5による読み取りで得られた上記画像データに基づいて、設定した用紙種からなる印刷用紙に画像を形成させる(S7)。この後、処理は終了する。なお、制御部100は、給紙部14に収納されている印刷用紙の用紙種を給紙カセット毎に記憶しており、設定した用紙種の印刷用紙が給紙部14に収納されていない場合は、上記用紙種の印刷用紙を給紙部14に収納することを促すメッセージを表示部473に表示させる。
【0033】
一方、S5において、操作部47がユーザーから許可しない指示を受け付けた場合(S5でNO)、制御部100は、用紙種の変更をユーザーに促すメッセージを表示部473に表示させる(S8)。給紙カセットに収納されている印刷用紙がユーザーにより別の用紙種に変更され、ユーザーによる操作部47の操作で、変更された用紙種を示す用紙種情報及び対応する給紙カセットを示すカセット情報が操作部に入力されたとき、当該用紙種及び対応する給紙カセットを記憶すると共に今回の印刷に用いる用紙種として設定し(S9)、当該用紙種情報が示す用紙種からなる印刷用紙を、当該カセット情報が示す給紙カセットから給紙部14により画像形成部12に向けて給送させ、画像形成部12等を制御し、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいて、このように設定した印刷用紙に画像を形成させる(S7)。この後、処理は終了する。
【0034】
上記第1実施形態によれば、用紙種が印刷対象文書の文書種別に応じて決定され、ユーザーに提案されるので、ユーザーは印刷対象文書に適した印刷用紙を選択する作業から解放され、印刷用紙を選択する際のユーザー負担を軽減することができる。なお、ユーザーは、提案された用紙種を好まない場合、用紙種を変更できるため、使い勝手もよい。
【0035】
上記第1実施形態では、文書種別に応じて用紙種を決定する場合について説明しているが、第2実施形態では、処理部101は、原稿読取部5による読み取りで得られた画像データに基づいて、文書種別以外の印刷対象文書の特性を検出し、文書種別と、検出した特性との組み合わせごとに予め定められた用紙種情報に基づいて、印刷対象文書に応じた用紙種を決定する。
【0036】
文書種別以外の印刷対象文書の特性としては、印刷対象文書の地肌情報(地肌の濃度又は色合い等)、及び印刷対象文書に含まれる固有表現情報(人名及び地名等)が考えられる。処理部101は、例えば、印刷対象文書の地肌を既存の地肌判定技術により検出して、文書種別と地肌情報との組み合わせに対応付けられた用紙種を決定する。また、処理部101は、既存のOCR技術により印刷対象文書に含まれる文字画像をテキスト化し、テキスト化されたテキスト群から固有表現情報を抽出し、文書種別と、抽出した固有表現情報との組み合わせに対応付けられた用紙種を決定する。すなわち、処理部101は、印刷対象文書の文書種別が同一であっても、地肌情報又は固有表現情報が異なる場合には、異なる用紙種を選択して決定する。
【0037】
これにより、処理部101は、例えば、印刷対象文書が、固有表現情報「大阪町」の文書種別「卒業証書」である場合、対応付けられた用紙種として「羊皮紙」を決定し、また、印刷対象文書が固有表現情報「神戸町」の文書種別「卒業証書」である場合には、対応付けられた用紙種として「上質紙」を決定する。
【0038】
また、処理部101は、例えば、印刷対象文書が、地肌情報「濃度レベル8,グレー色」の文書種別「新聞」である場合、対応付けられた用紙種として「藁半紙」を決定し、また、印刷対象文書が地肌情報「濃度レベル3,白色」の文書種別「新聞」である場合には、対応付けられた用紙種として「再生紙」を決定する。
【0039】
なお、処理部101は、文書種別、地肌情報、及び固有表現情報の組み合わせに対応付けられた用紙種を決定するようにしてもよい。
【0040】
また、上記第1実施形態では、印刷対象文書が、原稿読取部5による原稿読取で得られた画像データが示す文書である場合について説明しているが、印刷対象文書はこれに限定されず、別の実施形態として、外部装置から送信されてきてネットワークインターフェイス部91(データ取得部の一例)により取得された画像データが示す文書であってもよい。
【0041】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、
図1乃至
図3を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
12 画像形成部
91 ネットワークインターフェイス部
100 制御部
101 処理部