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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147349
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/04 20060101AFI20241008BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20241008BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241008BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241008BHJP
【FI】
F21V23/04 500
F21S8/02 430
F21V23/00 160
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060300
(22)【出願日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 望
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
(57)【要約】
【課題】アンテナ部をより光の出射方向側に配置しながら、光の影又は発光ムラを抑える。
【解決手段】照明装置1は、光を出射する光源部110と、外部機器と通信する無線通信部150と、筒状の筐体10と、光源カバー11とを備える。無線通信部150は、電波を送信又は受信するアンテナ152を含む。筐体10は、光源部110及び無線通信部150を収容する。光源カバー11は、光源部110を覆う。光源部110は、筐体10の第1端部10Aに配置される。筐体10は、第1端部と反対側の第2端部10Bから突出し、互いに対向する一対の給電端子部30を有する。光源部110は、発光素子が実装される基板130を有する。アンテナ152の光の出射方向側の端部は、基板130の実装面の反対側の面の位置L2Bと発光素子の出射面の位置L1との間の位置L3に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源部と、
電波を送信又は受信するアンテナ部を含み、外部機器と通信する無線通信部と、
前記光源部及び前記無線通信部を収容する筒状の筐体と、
少なくとも前記光源部を覆う光源カバーと
を備え、
前記光源部は、前記筐体の第1端部に配置され、
前記筐体は、前記第1端部と反対側の第2端部から突出し、互いに対向する一対の給電端子部
を有し、
前記光源部は、
発光素子と、
前記発光素子が実装された基板と
を有し、
前記アンテナ部の前記光の出射方向側の端部は、前記基板において前記発光素子が実装される実装面の反対側の面と前記発光素子の出射面との間に位置する、照明装置。
【請求項2】
前記アンテナ部の前記光の前記出射方向側の端部は、前記基板の前記実装面より前記発光素子の前記出射面側に位置する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記基板は、切欠き部を有し、
前記アンテナ部の少なくとも一部は、前記切欠き部に位置する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源カバーは、前記筐体の側面を更に覆い、
前記筐体は、外表面から凹む凹部を有し、
前記アンテナ部の少なくとも一部は、前記凹部に位置する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記アンテナ部は、ロッドアンテナと、前記ロッドアンテナを保持する保持部とを有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、住宅等の天井に埋込配設されることにより天井より下方の廊下や壁等に光を照明する照明器具が記載されている。照明器具は、無線信号の送信機能又は受信機能を有する。照明器具は、照明光を出射する光源を有する器具本体と、第1筐体と、第1筐体の外部に配置された第2筐体とを備える。第1筐体は、光源に電力を供給する電源回路を覆い、第2筐体は、樹脂製であり、無線信号を送信又は受信するアンテナ部を覆う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-37042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、アンテナ部は、第2筐体とともに天井裏の空間に埋め込まれる。しかしながら、天井より下方の空間からの無線信号の送信又は受信を効率的に行うためには、アンテナ部は、天井より下方に設けられることが好ましい。一方、照明光を出射する光源より下方にアンテナ部を設けると、照明光にアンテナ部が干渉し、照明光に影又は発光ムラが生じる恐れがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナ部をより光の出射方向側に配置しながら、光の影又は発光ムラを抑えることが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、光源部と、無線通信部と、筒状の筐体と、光源カバーとを備える。前記光源部は、光を出射する。前記無線通信部は、電波を送信又は受信するアンテナ部を含み、外部機器と通信する。前記筐体は、前記光源部及び前記無線通信部を収容する。前記光源カバーは、少なくとも前記光源部を覆う。前記光源部は、前記筐体の第1端部に配置される。前記筐体は、一対の給電端子部を有する。前記一対の給電端子部は、前記第1端部と反対側の第2端部から突出し、互いに対向する。前記光源部は、発光素子と、基板とを有する。前記基板には、前記発光素子が実装される。前記アンテナ部の前記光の出射方向側の端部は、前記基板において前記発光素子が実装される実装面の反対側の面と前記発光素子の出射面との間に位置する。
【0007】
本発明の照明装置において、前記アンテナ部の前記光の出射方向側の端部は、前記基板の前記実装面より前記発光素子の前記出射面側に位置することが好ましい。
【0008】
本発明の照明装置において、前記基板は、切欠き部を有することが好ましい。前記アンテナ部の少なくとも一部は、前記切欠き部に位置することが好ましい。
【0009】
本発明の照明装置において、前記光源カバーは、前記筐体の側面を更に覆うことが好ましい。前記筐体は、外表面から凹む凹部を有することが好ましい。前記アンテナ部の少なくとも一部は、前記凹部に位置することが好ましい。
【0010】
本発明の照明装置において、前記アンテナ部は、ロッドアンテナと、前記ロッドアンテナを保持する保持部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アンテナ部をより光の出射方向側に配置しながら、光の影又は発光ムラを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明装置を示す別の斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るソケットを示す斜視図である。
図4】照明取付部に装着された照明装置の一例を示す断面図である。
図5】光源ユニットを示すブロック図である。
図6】照明装置における光源部の一例を示す図である。
図7】照明装置における光源部の他の例を示す図である。
図8】照明取付部に装着された照明装置の他の例を示す断面図である。
図9】照明装置における光源部の他の例を示す図である。
図10】ロッドアンテナ以外のアンテナが配置された照明装置の一例を示す断面図である。
図11】ロッドアンテナ以外のアンテナが配置された照明装置における光源部の一例を示す図である。
図12】筐体にアンテナが配置された照明装置の一例を示す断面図である。
図13】アンテナが配置される筐体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、理解を容易にするために、適宜三次元直交座標系のX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。一例として、X軸及びY軸は水平面に略平行であり、Z軸は鉛直方向に略平行である。
【0014】
図1図4を参照して、本発明の実施形態に係る照明装置1を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る照明装置1を示す斜視図である。図1に示すように、照明装置1は光を出射する。照明装置1は、照明器具本体に着脱可能である。照明器具本体は、建造物の照明取付部に取り付けられる。照明器具本体は、例えばダウンライト、ブラケットライト、スポットライトなどである。照明取付部は、例えば、天井又は壁である。
【0015】
具体的には、照明装置1は光源ユニット100を含む。光源ユニット100は光を出射する。光源ユニット100は、光源部110(図4等)と、電源部120(図4等)と、制御部140(図4等)と、無線通信部150(図4等)と、筐体10と、光源カバー11とを含む。光源部110は、光を出射する。光源部110は、略円筒形状を有する筐体10の内部に配置される。例えば、光源部110は、筐体10の第1方向D1側の第1端部10A(図4)に配置される。電源部120は、光源部110に電力を供給する。光源カバー11は、光源部110と筐体10とを覆う。第1方向D1は、天井等の照明取付部に対して略垂直な方向を示す。例えば、第1方向D1は鉛直方向に略平行である。光源部110、電源部120、制御部140、無線通信部150、筐体10及び光源カバー11の詳細は後述する。
【0016】
図1では、説明の便宜上、中心線AXを図示している。中心線AXは、光源ユニット100(筐体10)の中心を通る仮想線である。中心線AXは、光源カバー11に略直交する。以下、中心線AXに対して直交する方向を「径方向RD」と記載する。「径方向RD」は、中心線AXに直交する方向である限りにおいては、任意の方向であってよく、特に限定されない。また、中心線AXを中心とする円弧に沿う方向を「周方向CD」と記載する。第1方向D1は、例えば、中心線AXに略平行である。
【0017】
筐体10は、例えば、略有蓋円筒形状を有する。筐体10は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の絶縁性樹脂材料によって構成される。筐体10は、例えば、光を透過しない。なお、筐体10の一部は、金属性材料によって構成されてもよい。
【0018】
光源カバー11は、筐体10の第1方向D1側に配置される。光源カバー11は、例えば、略円筒形状を有する。光源カバー11は、例えば、アクリル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いて構成されている。光源カバー11は光を透過する。光源カバー11は、光拡散性のない透明構造としてもよいし、光拡散性を持たせた拡散構造としてもよい。例えば、光源カバー11の内面にシリカ又は炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂又は白色顔料等を塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成したり、光源カバー11に微小凹凸を形成したりすることによって、光拡散機能を有する光源カバー11を構成できる。
【0019】
図2は、照明装置1を示す別の斜視図である。図2に示すように、筐体10は、天板10aと、側壁10bとを有する。天板10aは、側壁10bの第2方向D2の第2端部10Bに配置される。第2方向D2は、第1方向D1の反対方向を示す。第2方向D2は、例えば、鉛直方向に略平行である。第2方向D2は、例えば、中心線AXに略平行である。天板10aは、例えば、略円環形状又は略円板形状を有する。側壁10bは、略円筒形状を有する。側壁10bの第1方向D1の端部には、光源カバー11が配置される。
【0020】
また、光源ユニット100は、突出部20と、一対の給電端子部30とを更に含む。
【0021】
突出部20は、天板10aから第2方向D2に突出する。突出部20は、例えば、略有蓋円筒形状又は略円筒形状を有する。突出部20の素材は、例えば、筐体10の素材と同様である。突出部20は、一対の第1係合部21を有する。図2では、一対の第1係合部21のうちの1つの第1係合部21が示される。一対の第1係合部21は、互いに径方向RDに対向する。第1係合部21は、突出部20の周面から径方向RD内側に窪んでいる凹部である。第1係合部21は、例えば、略L字形状を有する。第1係合部21は、給電端子部30に対して周方向CDにずれた位置に配置される。
【0022】
一対の給電端子部30は、光源ユニット100に給電するための導電性部材である。一対の給電端子部30は、筐体10に配置される。具体的には、一対の給電端子部30の各々は、天板10aから第2方向D2に突出している。一対の給電端子部30は、突出部20を介して互いに対向する。具体的には、一対の給電端子部30は、突出部20を介して、互いに径方向RDに対向する。給電端子部30は、断面視において、略T字形状を有する。給電端子部30は、金属製であり、導電性を有する。
【0023】
具体的には、一対の給電端子部30の各々は、第1円柱部30aと、第2円柱部30bとを有する。第1円柱部30aは、第1方向D1に沿って延びる。第1円柱部30aは、略円柱形状を有する。第1円柱部30aは、天板10aから第2方向D2に突出する。第2円柱部30bは、第1円柱部30aの第2方向D2の端部から、径方向RDに略平行な方向に張り出している。第2円柱部30bは、略円柱形状を有する。
【0024】
突出部20と天板10aと一対の給電端子部30とは、光源ユニット100の口金部40を構成する。口金部40は、例えば、GX53形又はGH76p形である。
【0025】
次に、図3を参照して、照明装置1のソケット50を説明する。図3は、ソケット50を示す斜視図である。図3に示すように、照明装置1はソケット50を更に備える。ソケット50には、光源ユニット100(図2)が装着される。具体的には、ソケット50には、光源ユニット100の一対の給電端子部30(図2)が接続される。
【0026】
ソケット50は、ソケット本体51と、挿通孔52と、一対の接続孔53と、一対の第2係合部54と、一対の端子(不図示)とを有する。一対の端子は、それぞれ、一対の接続孔53に対応して配置される。
【0027】
ソケット本体51は略円環形状を有する。ソケット本体51は、例えば、PBT等の絶縁性樹脂材料によって構成される。挿通孔52は、中心線AXに沿ってソケット本体51を貫通する。挿通孔52には、光源ユニット100の突出部20(図2)が挿通される。
【0028】
ソケット本体51は底板55を有する。底板55は、ソケット本体51の第1方向D1側に位置する。一対の接続孔53は、底板55に設けられる。一対の接続孔53は、互いに径方向RDに対向する。一対の接続孔53は、中心線AXに対して回転対称である。各接続孔53の内側に、接続孔53に差し込まれた給電端子部30(図2)が電気的に接続される端子が配置される。
【0029】
具体的には、各接続孔53は、長孔56と、円孔57とを有する。長孔56は、周方向CDに沿って延びており、略円弧状である。円孔57は、長孔56の周方向CDの一方端に位置する。円孔57には、給電端子部30の第2円柱部30b(図2)が挿通可能である。
【0030】
また、一対の第2係合部54は、ソケット本体51の内周面に設けられる。各第2係合部54は、径方向RD内側に突出している。一対の第2係合部54は、互いに径方向RDに対向する。第2係合部54は、接続孔53に対して周方向CDにずれた位置に配置される。
【0031】
次に、図2図4を参照して、照明装置1の照明取付部RFへの装着、つまりソケット50への光源ユニット100の装着方法を説明する。図4は、照明取付部RFに装着された照明装置1の一例を示す断面図である。図4では、図面を簡略化するために、光源ユニット100の一部の電気的構成を省略している。まず、光源ユニット100の給電端子部30が、ソケット50の円孔57に差し込まれる。そして、光源ユニット100が周方向CDに回転される。この場合、光源ユニット100の給電端子部30がソケット50の長孔56に沿って回転移動されるとともに、光源ユニット100の第1係合部21がソケット50の第2係合部54に係合する。その結果、給電端子部30がソケット50の端子に接続されるとともに、光源ユニット100がソケット50の第2係合部54によって支持される。つまり、光源ユニット100がソケット50に装着される。
【0032】
図4に示すように、照明装置1は、照明取付部RFに取り付けられる。例えば、照明取付部RFは天井である。天井は、水平でもよいし、水平に対して傾斜していてもよい。具体的には、照明取付部RFは取付孔HLを有する。そして、照明装置1は取付孔HLに取り付けられる。
【0033】
照明装置1は、ソケット50と、ケース70と、複数の取付部材71とを備える。ケース70の内部には、ソケット50が取り付けられる。また、ソケット50には、光源ユニット100が装着されている。ケース70は、図4の例では、略有蓋円筒形状を有する。ケース70の外周面には、複数の取付部材71が固定される。取付部材71は、例えば、板バネである。そして、ケース70が、複数の取付部材71の弾性力によって、照明取付部RFに取り付けられる。本実施形態では、光源ユニット100がソケット50に装着された状態において、ケース70の底面と、光源ユニット100の筐体10との間に、空間F1を有することが好ましい。空間F1を設けることで、ケース70と光源ユニット100の間の通気性が良くなり、光源ユニット100の温度上昇を抑えることができる。
【0034】
一方、光源ユニット100をソケット50から取り外す場合、光源ユニット100が周方向CDの一方方向と反対方向に向かって回転される。
【0035】
次に、図5を参照して、光源ユニット100の電気的構成を説明する。図5は、光源ユニット100を示すブロック図である。図5に示すように、光源ユニット100は外部スイッチSを介して外部の交流電源Aに接続している。光源ユニット100は交流電源Aに基づいて点灯する。
【0036】
光源ユニット100がソケット50に装着された状態で、ソケット50の端子及び光源ユニット100の給電端子部30を通じて、交流電源Aから電源部120に電力が供給される。
【0037】
電源部120は、外部スイッチSの操作に応じて、交流電源Aに基づいて光源部110に電力を供給する。例えば、電源部120は、コンバータ、コンデンサ及び抵抗等の電源素子(不図示)と、電源素子が実装された電源基板(不図示)とを含む。電源素子は、交流電源Aから供給された交流電圧を直流電圧へと変換し、光源部110、制御部140及び無線通信部150に一定の電流を供給する。
【0038】
外部スイッチSは、例えば壁スイッチである。外部スイッチSを切り換えることによって光源ユニット100の点灯及び消灯を切り換えることができる。具体的には、外部スイッチSがオンになると、交流電源Aからの電力が光源ユニット100に供給される。この場合、詳細には、交流電源Aからの電力が、一対の給電端子部30(図2)を介して光源ユニット100に供給される。また、外部スイッチSがオフになると、交流電源Aから光源ユニット100に供給される電力が遮断される。なお、外部スイッチSは、調光器、照明コントローラーであってもよい。調光器は、例えば、交流電源Aから供給される交流電流の導通角を調整して、光源部110の調光を行う位相調光器である。照明コントローラーは、例えば、複数の光源ユニット100をグループ化して点灯又は消灯する機能、光源ユニット100を使用者が所望の時間に点灯又は消灯させる機能などを有する。
【0039】
制御部140は、電源部120から電流の供給を受けて動作し、光源部110を制御する。制御部140は、後述の基板130に実装されたIC、LSI又はFPGA等の回路素子によって構成される。例えば、制御部140は、無線通信部150、調光器又は照明コントローラーからの信号に基づいて、光源部110の点灯及び消灯を切り替えたり、光源部110の照度及び発光色等を切り替える制御を行う。
【0040】
詳細には、図4に示すように、光源部110は、1つ以上の発光する発光素子と、基板130とを含む。発光素子は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。この場合、例えば、光源部110は、SMD(surface mount device)素子又はCOB(chip on board)素子である。光源部110は、制御部140と電気的に接続される。光源部110に複数の発光素子が含まれる場合、複数の発光素子の光色は、異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、複数の発光素子の輝度は、異なっていてもよいし、同じであってもよい。光源部110の輝度は、可変であってもよい。例えば、本実施形態における光源部110は、発光色が異なる2種類の発光素子を含む。2種類の発光素子のうち一方の発光素子は、点灯時、例えば高い相関色温度の光を出射する。2種類の発光素子のうち他方の発光素子は、点灯時、例えば低い相関色温度の光を出射する。なお、便宜上、図4では、光源部110の位置を、第1端部10Aから筐体10の内側に寄せて示す。後述の図8図10及び図12も同様である。
【0041】
基板130は、例えば、略円板形状を有する。基板130は、例えば、アルミ基板(MCPCB)等の熱伝導性基板である。基板130は、樹脂等の絶縁性基板であってもよい。基板130には、光源部110と制御部140とが配置される。具体的には、光源部110の各発光素子は、基板130において第1方向D1側の実装面130aに配置される。光源部110の各発光素子は、第1方向D1に光を出射する。つまり、光の出射方向は、第1方向D1である。
【0042】
制御部140は、基板130において、実装面130aと反対側の面(裏面130b)に実装される。なお、制御部140は、実装面130aに実装されてもよい。
【0043】
無線通信部150は、外部機器と通信する。外部機器は、例えば、照明装置1のリモコンである。また、外部機器は、照明装置1を操作可能な端末装置であってもよい。端末装置は、例えば、スマートフォンのような情報処理装置である。
【0044】
無線通信部150は、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行う。無線通信部150は、例えば、ZigBee規格に準拠した無線通信LSI(Large Scale Integration)又は無線通信モジュールを含み得る。あるいは、無線通信部150は、Bluetooth規格に準拠した無線通信LSI又は無線通信モジュールを含んでもよい。ZigBee規格に準拠した無線通信LSI又は無線通信モジュールはブリッジを含み、Wi-Fi(登録商標)ルータを介して、外部機器に搭載されている無線通信部との間で無線通信を行う。Bluetooth規格に準拠した無線通信LSI又は無線通信モジュールは、外部機器に搭載されている無線通信部にペアリングされた後に、外部機器に搭載されている無線通信部との間で無線通信を行う。
【0045】
無線通信部150は、通信制御回路151と、アンテナ152とを含む。
【0046】
通信制御回路151は、無線通信を制御する。通信制御回路151は、アンテナ152が受信する電波に基づいて通信信号を生成して制御部140に出力する。また、通信制御回路151は、例えばBluetoothに準拠した無線通信を行う場合、ペアリングされた外部機器に無線信号をアンテナ152を介して送信する。通信制御回路151は、一例として、基板130に実装されたIC又はFPGA等の回路素子によって構成される。例えば、通信制御回路151は、基板130の裏面130bに実装される。なお、本実施形態において、制御部140と通信制御回路151とは、互いに異なる回路素子であるが、制御部140と通信制御回路151とは、1つの回路素子で構成されてもよい。また、通信制御回路151には、他の回路素子が実装される回路基板が含まれていてもよい。
【0047】
[アンテナの配置例1]
次に、図4及び図6を参照して、本実施形態に係る照明装置1のアンテナ152の配置の一例について説明する。図6は、照明装置1における光源部110の一例を示す図である。図6は、筐体10から光源カバー11を取り外した状態の照明装置1における光源部110を第1方向D1から見た状態を示す。
【0048】
図6では、発光素子が実装面130aに実装されていることを実線で示し、通信制御回路151が裏面130bに配置されていることを破線で示す。
【0049】
図6では、アンテナ152の一例としてロッドアンテナ152Aが配置された照明装置1を示す。ロッドアンテナ152Aは、例えば、同軸ケーブルで構成された同軸アンテナ等のロッド状のアンテナである。ロッドアンテナ152Aは、通信制御回路151に電気的に接続されている。例えば、ロッドアンテナ152Aは、通信制御回路151から基板130の裏面側を径方向RD(図4)に沿って延びた後、基板130と筐体10との間の隙間を通り、基板130の実装面130a側に沿って延びる。ロッドアンテナ152Aは、基板130の実装面130a側において、基板130の中央部に配置された発光素子より外側を周方向CDに沿って延びる。
【0050】
例えば、ロッドアンテナ152Aは、基板130の実装面130a側において、アンテナホルダーHDによって保持される。言い換えると、アンテナ152は、アンテナホルダーHDを含んでいてもよい。アンテナホルダーHDは、基板130の実装面130aに実装されたり、基板130の裏面130bから実装面130aに向かって突出するように裏面130bに実装されて取り付けられる。このとき、アンテナホルダーHDの第1方向D1側の端部が発光素子の出射面より第2方向D2側にあると、照明装置1の点灯時に光源カバー11に影又は発光ムラが生じにくい。ロッドアンテナ152Aを保持するアンテナホルダーHDは、保持部の一例である。
【0051】
図4に示すように、ロッドアンテナ152Aは、発光素子の出射面より第2方向D2側に配置される。例えば、ロッドアンテナ152Aの径は、基板130の実装面130aから発光素子の出射面までの長さより短い。つまり、基板130の実装面130aに沿って延びるロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部の位置L3は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の実装面130aの位置L2Aとの間に位置する。
【0052】
このように、ロッドアンテナ152Aの一部が基板130の実装面130a側に位置することで、照明装置1によって光が照射される空間からの電波の受信感度の低下を抑えたり、照明装置1によって光が照射される空間への電波の放射効率を高めることができる。更に、ロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部が発光素子の出射面より第2方向D2側に位置することで、発光素子の出射面から出射される光がロッドアンテナ152Aによって遮られることが抑制され、照明装置1の点灯時に光源カバー11に影又は発光ムラが生じることを抑制できる。なお、ロッドアンテナ152Aの形状及び配置は、上記に限定されず、ロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部の位置L3が、発光素子の出射面の位置L1と基板130の裏面130bの位置L2Bとの間に位置するように配置されてもよい。この場合、ロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部が、位置L1と位置L2Aとの間に位置する場合と比べて、光源カバー11に影又は発光ムラが更に生じにくくなる。
【0053】
なお、基板130の実装面130aにおいて、ロッドアンテナ152Aの延びる方向は特に限定されない、例えば、ロッドアンテナ152Aは、周方向CDに沿って延びる以外に、径方向RD(図4)沿って延びていてもよい。また、基板130において、ロッドアンテナ152Aが配置された領域には、電気信号の伝達又は放熱のための金属パターンが設けられなくてもよい。これにより、金属パターンがロッドアンテナ152Aに対するシールドとなることを防ぎ、例えばロッドアンテナ152Aの放射効率及び受信感度の低下を抑制できる。
【0054】
[アンテナの配置例2]
次に、図7を参照して、本実施形態に係る照明装置1のロッドアンテナ152Aの配置の他の例について説明する。図7は、照明装置1における光源部110の他の例を示す図である。図7に示す照明装置1は、基板130の代わりに基板131を有すること、及びロッドアンテナ152Aの配置が異なること以外、図6に示す照明装置1と同じである。
【0055】
基板131は、基板130と形状が異なる。具体的には、基板131は、切欠き部131Aを含む。切欠き部131Aは、略円板形状の基板130の縁の一部が、基板131の径方向RD(図4)の内側に向かって凹んだ領域を示す。図7では、切欠き部131Aをハッチングで示す。本実施形態では、ロッドアンテナ152Aが基板131の外周に沿って湾曲した形状であるため、切欠き部131Aは、ロッドアンテナ152Aの形状に対応した円弧形状である。上述のように、ロッドアンテナ152Aの形状はとくに限定されず、切欠き部131Aもロッドアンテナ152Aの形状に対応した形状を有する。
【0056】
本実施形態において、ロッドアンテナ152Aの一部が、切欠き部131Aに位置する。これにより、ロッドアンテナ152Aを基板131より第2方向D2側に配置することができる。その結果、仮にロッドアンテナ152Aの径が基板131の実装面130aから発光素子の出射面までの長さ以上である場合においても、ロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部の位置L3が、発光素子の出射面の位置R1と基板131の実装面の位置L2Aとの間に位置するように、ロッドアンテナ152Aを配置することが可能になる。なお、アンテナの配置例1と同様に、ロッドアンテナ152Aの第1方向D1側の端部の位置L3は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の裏面130bの位置L2Bとの間に位置してもよい。
【0057】
[アンテナの配置例3]
次に、図8及び図9を参照して、本実施形態に係る照明装置1のロッドアンテナ152Aの配置の他の例について説明する。図8は、照明取付部RFに装着された照明装置1の他の例を示す断面図である。図9は、照明装置1における光源部110の他の例を示す図である。図8及び図9に示す照明装置1は、基板130又は基板131の代わりに基板132を有すること、及びロッドアンテナ152Aの配置が異なること以外、図6又は図7に示す照明装置1と同じである。
【0058】
基板132は、切欠き部の一例として、開口部131Bを有する。開口部131Bは、基板132を貫通する貫通孔である。例えば、開口部131Bは、通信制御回路151の位置に設けられる。図8及び図9に示すアンテナ152は、ロッドアンテナ152Aと、コネクタ152Bとを有する。言い換えると、図8及び図9のロッドアンテナ152Aは、コネクタ152Bを介して通信制御回路151と電気的及び物理的に接続される。本実施形態において、コネクタ152Bは、ロッドアンテナ152Aを保持する保持部の一例である。
【0059】
コネクタ152Bは、通信制御回路151から開口部131Bの内側を通り、第1方向D1に突出する。つまり、コネクタ152Bの一部は、基板132の実装面132aより第1方向D1側に位置する。例えば、基板132の実装面132aより第1方向D1側に位置するコネクタ152Bの一部に設けられたコネクタ端子に、ロッドアンテナ152Aを挿入することで、コネクタ152Bによってロッドアンテナ152Aが保持されるとともに、ロッドアンテナ152Aと通信制御回路151とが電気的及び物理的に接続される。
【0060】
このとき、アンテナ152のうち最も第1方向D1側に位置するコネクタ152Bの第1方向D1側の端部の位置L4は、発光素子の出射面の位置L1と基板132の実装面132aの位置L2Aとの間に位置する。なお、コネクタ152Bの第1方向D1側の端部の位置L4は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の裏面130bの位置L2Bとの間に位置してもよい。
【0061】
なお、基板132は、開口部131Bに加えて、図6に示す切欠き部131Aを更に含んでいてもよい。また、図9に示すように、通信制御回路151、コネクタ152B、及び開口部131Bの形状を代表的に矩形で表現しているが、通信制御回路151、コネクタ152B、及び開口部131Bの形状は、特に矩形に限定されない。
【0062】
[アンテナの配置例4]
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態に係る照明装置1のロッドアンテナ以外のアンテナの配置について説明する。図10は、ロッドアンテナ以外のアンテナが配置された照明装置1の一例を示す断面図である。図11は、ロッドアンテナ以外のアンテナが配置された照明装置1における光源部110の一例を示す図である。
【0063】
図10及び図11に示す照明装置1は、アンテナ152としてロッドアンテナ152Aとコネクタ152Bとの代わりにアンテナ152Cを有する以外、図8又は図9に示す照明装置1と同じである。
【0064】
アンテナ152Cは、例えば、シート状のフィルムアンテナ、又はチップアンテナである。典型的には、アンテナ152Cは、通信制御回路151に含まれる回路基板の第1方向D1側の面に配置される。更に、アンテナ152Cの第1方向D1側の端部の位置L5は、発光素子の出射面の位置L1と基板132の実装面132aの位置L2Aとの間に位置する。なお、アンテナ152Cは、基板132の実装面132aにおいて、開口部131B以外の位置に配置されてもよい。また、アンテナ152Cの第1方向D1側の端部の位置L5は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の裏面130bの位置L2Bとの間に位置してもよい。
【0065】
[アンテナの配置例5]
次に、図12及び図13を参照して、本実施形態に係る照明装置1における筐体10へのアンテナの配置について説明する。図12は、筐体10にアンテナが配置された照明装置1の一例を示す断面図である。図13は、アンテナが配置される筐体10の一例を示す図である。
【0066】
筐体10は、側壁10bに凹部160を有する。凹部160は、筐体10における側壁10bの外表面から径方向RDの内側に向かって凹む。凹部160は、例えば、筐体10の周方向CDに沿って配置されるスリットである。図13に示す凹部160は、筐体10の全周に渡って設けられているが、凹部160は、筐体10の一部に設けられてもよい。
【0067】
凹部160には、アンテナ152Dの一部が配置される。アンテナ152Dは、ロッドアンテナ152Aと同様のロッドアンテナである。アンテナ152Dは、長さ又は太さ等の形状がロッドアンテナ152Aと同じでもよいし、異なっていてもよい。具体的には、凹部160には、側壁10bを径方向RDに貫通する図示しない貫通孔が設けられる。アンテナ152Dは、貫通孔を通り、一方の端部が通信制御回路151に接続される。アンテナ152Dの他方の端部を含むアンテナ152Dの一部は、凹部160の内側に配置される。
【0068】
例えば、凹部160に配置されたアンテナ152Dの第1方向D1側の端部は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の実装面130aの位置L2Aとの間に位置する。なお、アンテナ152Dの第1方向D1側の端部は、発光素子の出射面の位置L1と基板130の裏面130bの位置L2Bとの間に位置してもよい。アンテナ152Dを側壁10bの外表面側に設けることで、発光素子の出射面から出射される光は、側壁10bに遮られて光源カバー11まで届かなくなる。その結果、照明装置1の点灯時に光源カバー11の側面部に影又は発光ムラが生じることを抑制できる。
【0069】
更に、本実施形態において、光源カバー11が光源部110と筐体10の側壁10bとを覆うことから、凹部160に配置されたアンテナ152Dは、外部から視認されにくくなる。
【0070】
また、例えば、筐体10の一部が金属製である場合、少なくとも凹部160を樹脂等の金属以外の素材で構成することで、凹部160がアンテナ152Dに対するシールドとなることを防ぎ、例えばアンテナ152Dの放射効率及び受信感度の低下を抑制できる。
【0071】
本実施形態において、基板130、基板131又は基板132の実装面に、図示しない反射膜又は反射板が設けられてもよい。反射膜は、基板130の実装面に、白色顔料等の塗布又はシート状の反射部材の貼り付けによって構成される。反射膜は、基板130の実装面の発光素子から出射する光を反射して光源カバー11へ向かわせる。その結果、発光素子が出射する光の利用効率を高めることができる。この場合、アンテナ152は、例えば、基板130、基板131又は基板132の実装面と反射膜との間に配置される。
【0072】
一方、反射板は、略円錐形状の板部材であり、基板130、基板131又は基板132の実装面と同じ側を向く面に、白色顔料等の塗布又はシート状の反射部材が貼り付けられている。あるいは、反射板が白色部材で構成されていてもよい。反射板は、実装面から離れるほど径方向RDの外側に広がる形状を有する。したがって、基板130、基板131又は基板132における発光素子が配置されていない領域と、反射板との間には、空間は生じる。この場合、アンテナ152は、例えば、基板130、基板131又は基板132の実装面と反射板との間に配置される。
【0073】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0074】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、照明装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 :照明装置
10 :筐体
10A :第1端部
10B :第2端部
11 :光源カバー
20 :突出部
30 :給電端子部
100 :光源ユニット
110 :光源部
120 :電源部
130、131、132 :基板
131A :切欠き部
131B :開口部
150、152C、152D :無線通信部
152 :アンテナ
152A :ロッドアンテナ
152B :コネクタ
160 :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13